JP4131309B2 - 燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム - Google Patents

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    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02T90/40Application of hydrogen technology to transportation, e.g. using fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムに関する
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムとしては、共通の燃料により動作する燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム(例えば、特開昭50−31516号公報など)や、改質された燃料により発電する燃料電池と改質される前の原料や改質された燃料により動作する内燃機関とを備えるハイブリッドシステム(例えば、実開平6−48170号公報など)が提案されている。前者のハイブリッドシステムは、水素と酸素を燃料とする燃料電池とこの燃料電池により発電された電力を用いて動力を出力するモータと水素を燃料として動作する水素エンジンとを備え、水素エンジンから出力される動力では動力が不足するときにモータから動力を出力することによりNOXの低減などを図ることができるとされている。後者のハイブリッドシステムは、完全に改質できなかった燃料や燃料電池通過後の未使用燃料を燃料として動作可能な内燃機関を備え、これらを内燃機関に導入して動力を得て発電機を動作させることにより発電効率を向上させることができるとされている。また、後者のハイブリッドシステムでは、内燃機関の排気を改質器に導入して改質器に必要な熱源を排気からまかなうとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのハイブリッドシステムでは、燃料電池の運転が水素エンジンの補助的なものであったり、逆に内燃機関が燃料電池の補助的なものであったりするから、システムとしての最適な効率を得ることができないといった問題があった。実開平6−48170号公報記載のハイブリッドシステムでは内燃機関の排気を改質器の熱源として用いるとされているものの、内燃機関の出力は燃料電池の出力に従属的であり、ハイブリッドシステムとしての最適効率を得られないという問題があった。
【0004】
本発明の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムは、システムとしての効率を向上させることを目的の一つとする。また、本発明の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムは、熱的収支に関する効率を向上させることを目的の一つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムは、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムは、
燃料および酸化ガスの供給を受けて発電する燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムであって、
前記燃料電池と前記内燃機関とが関連して該燃料電池と該内燃機関の少なくとも一方の温度を調節する温度調節手段と、前記内燃機関から出力される動力により駆動されて発電する発電手段とを備え、前記温度調節手段は、熱交換媒体を前記燃料電池と前記内燃機関とに流す循環管路と、循環管路に取り込み可能に設けられ、循環管路に取り込まれた場合に、熱交換媒体と外気とを熱交換させる熱交換器と、循環管路に前記熱交換媒体を流し、前記熱交換媒体の流れ方向を正逆に変換可能とするポンプと、を有する熱交換手段と、
前記燃料電池及び前記内燃機関の運転状態に応じて、前記循環管路に前記熱交換器を取り込むかまたは取り込まないでバイパスするか、および、前記循環管路内の熱交換媒体の流れ方向を正逆に変換させるように前記ポンプの駆動を制御する制御手段と、
前記燃料電池を始動するとき、前記発電手段により発電された電力を用いて、該燃料電池を加温する加温手段と、を備え、
前記加温手段は、ハイブリッドシステムが前記燃料を原料から改質することなく前記燃料電池に直接供給する場合に、前記燃料電池に供給される燃料を発熱により加温することにより、または、ハイブリッドシステムが原料を改質して前記燃料を生成する改質手段を有する場合に、前記改質手段に供給される前記原料を発熱により加温することにより、該燃料電池を加温する手段であることを要旨とする。
【0007】
この本発明の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムでは、温度調節手段が、燃料電池と内燃機関とが関連して燃料電池と内燃機関の少なくとも一方の温度を調節するから、一方の負荷状態に制約されることなく、燃料電池と内燃機関との双方を適温状態に効率よく維持できる。その結果、要求負荷変動に応じて任意に最適な燃料電池と内燃機関との出力比を選択できる。また、燃料電池または改質手段を迅速に定常運転状態にすることができる。なお、「燃料」には、燃料電池のアノードに供給される炭化水素系の燃料や水素系の燃料などが含まれる。なお、酸化ガスは、例えば空気である。ここで、「原料」は、燃料電池のアノードに供給される炭化水素系の燃料や水素系の燃料の原料となるものの意である。
【0008】
こうした本発明の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムにおいて、前記温度調節手段は、前記燃料電池と熱交換すると共に前記内燃機関と熱交換する熱交換手段と、前記改質手段を始動するとき、前記発電手段により発電された電力を用いて該改質手段を加温する加温手段とを備え、前記熱交換手段は前記改質手段とも熱交換する手段であるものとすることもできる。こうすれば、それぞれ昇温特性と負荷−効率特性の異なる燃料電池と内燃機関と改質手段とを組み合わせてシステム全体の効率を向上させることもできる。また、前記温度調節手段は、前記改質手段を始動するとき、前記発電手段により発電された電力を用いて該改質手段を加温する加温手段を備えるものとするため、前記改質手段を迅速に定常運転状態にすることもできる。この態様の本発明の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムにおいて、前記加温手段は、前記改質手段に供給される原料を加温することにより該改質手段を加温する手段であるものとすることもできる。
【0021】
本発明の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムにおいて、前記内燃機関から排出される排ガスを動力源として駆動し、前記燃料電池に酸化ガスを供給する酸化ガス供給手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関から排出される排ガスのエネルギを有効に用いることになるから、システムとしての効率を向上させることができる。なお、酸化ガスは、例えば空気である。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20の構成の概略を示す構成図である。図示するように、実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20は、メタノールタンク22から供給されるメタノールを燃料として駆動軸21に動力を出力可能なエンジン30と、メタノールタンク22から供給されるメタノールを改質して水素を含有する燃料ガスを生成する改質器40と、改質器40により改質された燃料ガスと酸素を含有する酸化ガス(実施例の場合は空気)の供給を受けて発電する燃料電池50と、燃料電池50から供給される電力またはバッテリ74から供給される電力により駆動軸21に動力を出力可能なモータ70と、エンジン30と改質器40と燃料電池50の温度系統を調節する温度調節装置80と、燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20全体をコントロールする電子制御ユニット90とを備える。
【0039】
エンジン30は、メタノールタンク22から第1燃料ポンプ23により供給されるメタノールを燃料として駆動するメタノールエンジンであり、燃料としてメタノールを用いるだけで通常のガソリンエンジンと同様の構成をしている。エンジン30の排気管は熱交換器44に接続されており、改質器40に供給するメタノール水溶液をエンジン30から排出される排ガスの熱により加温できるようになっている。また、エンジン30の排気管には排ガスの圧力により回転するタービン34が取り付けられており、このタービン34にはその回転駆動により空気を加圧する第1エアコンプレッサ60が取り付けられている。なお、加圧された空気は、調圧弁64によりその圧力の調整がされた後、酸化ガスとして燃料電池50に供給される。
【0040】
改質器40は、メタノールタンク22から第2燃料ポンプ24により供給されるメタノールと水ポンプ27により供給される水とを所定の割合で混合する混合槽26からメタノール水溶液の供給を受けてメタノールを燃料ガスに改質するものであり、図示しないが、メタノール水溶液を加熱して気化させる気化部と、メタノールを水素と一酸化炭素とに改質する改質反応部と、一酸化炭素を水と反応させて水素と二酸化炭素にシフトするシフト反応部と、ガス中に残留する一酸化炭素を水素に対して優先的に酸化して燃料ガス中の一酸化炭素濃度を低くする選択酸化部とから構成されている。気化部や改質反応部は、改質反応が吸熱反応であることから800℃程度に制御されており、シフト反応部や選択酸化部は、シフト反応が発熱反応であることから300℃程度に制御されている。
【0041】
改質器40にメタノール水溶液を供給する供給管には、燃料加温装置42と熱交換器44とが取り付けられており、改質器40に供給されるメタノール水溶液が加温されるようになっている。燃料加温装置42はバッテリ74から供給される電力により発熱してメタノール水溶液を加温し、熱交換器44はエンジン30の排ガスの熱によりメタノール水溶液を加温することについては前述した。
【0042】
燃料電池50は、単電池51を複数積層して構成される固体高分子型燃料電池である。図2に燃料電池50を構成する単電池51の概略構成を示す。図示するように、単電池51は、フッ素系樹脂などの高分子材料により形成されたプロトン導電性の膜体である電解質膜52と、白金または白金と他の金属からなる合金の触媒が練り込められたカーボンクロスにより形成され触媒が練り込められた面で電解質膜52を挟持してサンドイッチ構造を構成するガス拡散電極としてのアノード53およびカソード54と、このサンドイッチ構造を両側から挟みつつアノード53およびカソード54とで燃料ガスや酸化ガスの流路56,57を形成すると共に隣接する単電池51との間の隔壁をなす2つのセパレータ55とにより構成されている。
【0043】
燃料電池50は、電解質膜52の熱に対する強度などを考慮して90℃程度で運転されるよう制御される。エンジン30の酸化ガスの供給管には、前述したタービン34により駆動する第1エアコンプレッサ60と調圧弁64とが取り付けられている他、エンジン30が駆動していないときに空気を加圧して燃料電池50に供給するための第2エアコンプレッサ62と、第1エアコンプレッサ60と第2エアコンプレッサ62とを切り換えるエア三方弁63と、燃料電池50に供給する空気の圧力を検出するエア圧センサ66とが取り付けられている。
【0044】
モータ70は、燃料電池50により発電された電力やバッテリ74から供給される電力をインバータ72を介して供給されて駆動し、駆動軸21に動力を出力する。実施例ではモータ70として同期電動機を用いたが、誘導電動機など他の種類の電動機でもよい。
【0045】
エンジン30やモータ70から動力の出力を受ける駆動軸21には、その回転により発電可能なオルタネータ36が取り付けられており、発電された電力はバッテリ74に蓄えられるようになっている。
【0046】
温度調節装置80は、エンジン30と改質器40と燃料電池50とを循環する循環管路81と、熱交換媒体としての水を循環管路81に循環させてエンジン30等と熱交換させる熱交換ポンプ82と、熱交換媒体を外気により冷却する熱交換器83と、循環管路81に熱交換器83を取り込んだりバイパスしたりするための第1熱交換三方弁84a,84bと、改質器40と燃料電池50との間の管路に設けられた熱交換器85と、循環管路81に熱交換器85を取り込んだりバイパスしたりするための第2熱交換三方弁86a,86bと、熱交換媒体としての水を循環管路81に補給する水タンク87とを備える。
【0047】
熱交換ポンプ82は、正回転と逆回転が可能なポンプであり、熱交換媒体としての水をエンジン30に向けて循環管路81に循環させたり、これとは逆向きに循環させることができるようになっている。
【0048】
電子制御ユニット90は、図3のブロック図に示すように、CPU91を中心として構成されたワンチップマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM92と、一時的にデータを記憶するRAM93と、各種センサからの信号を入力する入力処理回路94と、各種駆動機器に駆動信号などを出力する出力処理回路95とを備える。この電子制御ユニット90の入力処理回路94には、エンジン30に取り付けられたエンジン温度センサ32からのエンジン30の温度や改質器40の各部に取り付けられた改質器温度センサ46からの改質器40の各部の温度,燃料電池50に取り付けられた燃料電池温度センサ58からの燃料電池50の温度,酸化ガスの供給管に取り付けられたエア圧センサ66から供給される空気の圧力の他、エンジン30や改質器40,燃料電池50,モータ70,バッテリ74等の運転に必要なデータを検出する各種センサ96からの各種データやシステムを始動させるキースイッチ97からのスタータスイッチなどが入力されている。また、出力処理回路95からは、第1燃料ポンプ23や第2燃料ポンプ24,水ポンプ27への駆動信号,第1熱交換三方弁84a,84bや第2熱交換三方弁86a,86bへの駆動信号,熱交換ポンプ82への駆動信号,エア三方弁63への駆動信号,第2エアコンプレッサ62や調圧弁64への駆動信号,オルタネータ36への駆動信号の他、エンジン30や改質器40,インバータ72を駆動制御するための各種制御信号などが出力されている。
【0049】
次に、こうして構成された実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20の動作、特に燃料電池50の始動時の動作について説明する。図4は、実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20の電子制御ユニット90により実行される燃料電池始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、キースイッチ97によりスタータスイッチがオンとされて後述する図5の駆動制御ルーチンによりエンジン30から駆動軸への出力制御とされてエンジン30が始動された後に実行される。
【0050】
燃料電池始動時制御ルーチンが実行されると、CPU91は、まず、循環管路81により加温循環流路の形成処理を実行する(ステップS100)。具体的には、第1熱交換三方弁84a,84bと第2熱交換三方弁86a,86bとに駆動信号を出力して循環管路81が熱交換器83や熱交換器85をバイパスするよう管路を形成するのである。続いて、熱交換媒体としての水が熱交換ポンプ82からエンジン30,改質器40,燃料電池50の順に流れて循環するよう熱交換ポンプ82を駆動する(ステップS102)。このように循環管路81を構成し熱交換ポンプ82を駆動することにより、エンジン30が発生する熱を用いて改質器40や燃料電池50を加温することができる。なお、熱交換媒体としての水をエンジン30から改質器40,燃料電池50の順に流すのは、改質器40の方が定常運転時の動作温度が高いからである。
【0051】
次に、オルタネータ36を駆動して駆動軸21に出力されたエンジン30からの動力により発電すると共に(ステップS104)、燃料加温装置42を駆動して改質器40に供給されるメタノール水溶液を加温する(ステップS106)。この加温処理により改質器40や燃料電池50が早期に定常運転温度に至ることができる。そして、調圧弁64により燃料電池50に供給される空気の圧力を調節する(ステップS108)。
【0052】
次に、燃料電池温度センサ58により検出される燃料電池50の温度と改質器温度センサ46により検出される改質器40の各部の温度とを入力し(ステップS110)、入力した各温度がそれぞれに設定された所定の温度以上になっているか否かを判定する(ステップS112)。ここで、所定の温度は、燃料電池50や改質器40の各部が定常運転状態に至ったか否かを判定するために設定されるものであり、定常運転温度より若干低めの温度に設定される。燃料電池50の温度や改質器40の各部の温度がそれぞれに設定された所定の温度以上となったら、燃料加温装置42によるメタノール水溶液の加温を停止すると共に(ステップS114)、オルタネータ36を停止する(ステップS116)。なお、燃料電池50の温度は所定の温度になったが、改質器40の各部の温度はまだ所定の温度に至っていないときには、第2熱交換三方弁86a,86bにより循環管路81に熱交換器85を取り込んで燃料電池50が過熱するのを防止する。
【0053】
そして、熱交換ポンプ82の駆動を停止すると共に(ステップS118)、燃料電池50や改質器40を加温するための循環管路81による加温循環流路を解除して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。なお、定常状態に至ると、温度調節装置80は、第1熱交換三方弁84a,84bにより循環管路81に熱交換器83を取り付けて、熱交換媒体としての水を熱交換ポンプ82から燃料電池50,改質器40,エンジン30の順に流れるよう熱交換ポンプ82を駆動し、燃料電池50,改質器40,エンジン30を冷却する。水を燃料電池50,改質器40,エンジン30の順に流すのは、燃料電池50の動作温度が改質器40より低いためである。なお、このように水を流すことにより、エンジン30の運転を停止し、その後エンジン30を始動するときには、エンジン30は加温されているから、エンジン30は、暖機の必要がなく、直ちに十分な性能を発揮することができる。
【0054】
次に、実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20から駆動軸21に動力を出力する制御について説明する。図5は、実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20の電子制御ユニット90により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。前述したように、このルーチンは、キースイッチ97によりスタータスイッチがオンとされた後に所定時間毎(例えば、8ms毎)に繰り返し実行される。
【0055】
駆動制御ルーチンが実行されると、CPU91は、まず燃料電池50の状態を読み込む処理を実行する(ステップS130)。ここで、燃料電池50の状態とは、燃料電池温度センサ58により検出される燃料電池50の温度や、燃料電池50の出力端子に取り付けられた図示しない電圧計や電流計により検出される出力電圧や出力電流などにより求められる状態である。次に、読み込んだ燃料電池50の状態が定常運転状態であるか否かを判定し(ステップS132)、燃料電池50が定常運転状態のときには、モータ70とエンジン30から駆動軸21へ動力を出力する制御を行ない(ステップS134)、燃料電池50が定常運転状態でないときには、エンジン30から駆動軸21へ動力を出力する制御を行なう(ステップS136)。モータ70とエンジン30から駆動軸21へ動力を出力する制御には、モータ70を停止してエンジン30から出力される動力のみを駆動軸21に出力する動作やエンジン30の運転を停止してモータ70から出力される動力のみを駆動軸21に出力する動作,エンジン30から出力される動力とモータ70から出力される動力との配分を設定してエンジン30とモータ70とを運転し両者から出力される動力を駆動軸21に出力する動作が含まれる。これらの動作のうちのいずれの動作とするかは、燃料電池50の発電効率や燃料電池50から出力される電力,エンジン30の運転効率,駆動軸21に要求される動力などにより定められる。また、エンジン30から駆動軸21へ動力を出力する制御は、エンジン30から出力される動力のみを駆動軸21に出力する動作である。
【0056】
以上説明した実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20によれば、エンジン30と改質器40と燃料電池50とを関連してこれらの温度を調節することができる。この結果、温度調節系を複数備えることがなく燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20をコンパクトなものにすることができると共に、システム全体の熱効率を向上させることができる。
【0057】
また、実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20によれば、燃料電池50を始動するときにエンジン30が発生する熱を用いて改質器40や燃料電池50を加温することができ、改質器40や燃料電池50を早期に定常運転温度にすることができる。しかも、エンジン30から出力された動力を用いて発電した電力やエンジン30の排ガスの熱を用いて改質器40に供給されるメタノール水溶液を加温するから、改質器40をより早期に定常運転温度にすることができる。この結果、システム全体の熱効率を向上させることができる。
【0058】
さらに、実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20によれば、燃料電池50や改質器40が定常運転状態に至った後は、燃料電池50や改質器40の加温に用いた温度調節装置80を燃料電池50や改質器40,エンジン30の冷却に用いてこれらを冷却することができる。加温と冷却とを同一の温度調節装置80で行なうから、加温と冷却とをそれぞれ備えるシステムに比してシステムをコンパクトにすることができる。しかも、加温時には、熱交換媒体としての水をエンジン30から改質器40,燃料電池50の順に流して加温効果を高め、冷却時には、逆に水を燃料電池50から改質器40,エンジン30の順に流して冷却効果を高めることができる。この冷却時の順を採ることにより、エンジン30を一旦停止し、その後始動するときでも、エンジン30は、加温されているから、暖機の必要がなく直ちにその性能を発揮することができる。
【0059】
また、実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20によれば、エンジン30の排ガスの圧力を用いて燃料電池50に供給する酸化ガスとしての空気を加圧することにより、システム全体のエネルギ効率を向上させることができる。
【0060】
実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20によれば、燃料電池50の状態に基づいて、エンジン30とモータ70とから駆動軸21に動力を出力するか、エンジン30から駆動軸21に動力を出力するかを制御することができる。この結果、燃料電池50が定常運転状態に至ってからモータ70から駆動軸21に動力を出力させることができ、燃料電池50の性能を十分に発揮させることができる。
【0061】
以上説明した実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20では、温度調節装置80の熱交換媒体として水を用いたが、改質器40に供給するメタノール水溶液を用いるものとしてもよい。この変形例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20Bの概略構成を図6に示す。図示するように、混合槽26は温度調節装置80の循環管路81に直接接続されており、改質器40は、循環管路81から分岐した分岐管から燃料加温装置42および熱交換器44を経てメタノール水溶液の供給を受けるようになっている。また、混合槽26から循環管路81にメタノール水溶液を供給する関係から、温度調節装置80は、水タンク87を備えない。また、この変形例では、熱交換媒体としてメタノール水溶液を用いることから、燃料電池50内の熱交換媒体が流れる流路には絶縁処理がなされており、熱交換媒体が流れる流路により電気的な短絡が生じないようになっている。
【0062】
この変形例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20Bでも図4の燃料電池始動時制御ルーチンや図5の駆動制御ルーチンを行なうことができるから、実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20と同様の効果を奏することができる他、水タンク87が不要なのでシステム全体をコンパクトにすることができる。さらに、メタノール水溶液を熱交換媒体とするから、メタノール水溶液を加温することができ、システム全体の熱効率を更に向上させることができる。
【0063】
次に本発明の第2の実施例としての燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120について説明する。図7は第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120の構成の概略を示す構成図であり、図8は第2実施例の電子制御ユニット190を中心とした制御信号の様子を例示するブロック図である。図示するように、第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120は、改質器40を構成として備えない点と、メタノールタンク22に代えて水素タンク122を構成として備える点と、メタノールを燃料として駆動するエンジン30に代えて水素を燃料として駆動するエンジン130を構成として備える点、およびこれらに付随する点を除いて第1実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20と同様である。したがって、第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120の構成のうち第1実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20の構成と同一の構成についてはその説明を省略する。なお、第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120の構成には、第1実施例の構成に付した符号に100を加えた符号を付した。
【0064】
第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120が備えるエンジン130は、水素を燃料とする水素エンジンであり、燃料が異なる点を除いて通常のガソリンエンジンと同様の構成をしている。水素タンク122からは第1燃料バルブ123を介して水素がエンジン130に供給されるようになっている。燃料電池150には、水素タンク122から第2燃料バルブ124を介して燃料加温装置142と熱交換器144とを経由して水素が供給される。なお、電子制御ユニット190の入力処理回路194には、図8に示すように、水素タンク122に取り付けられた水素圧センサ122aにより検出される水素タンク122内の圧力や、第1燃料バルブ123や第2燃料バルブ124に併設された図示しない流量計により検出されるエンジン130や燃料電池150に供給される水素の流量などが入力され、電子制御ユニット190の出力処理回路195からは、第1燃料バルブ123や第2燃料バルブ124への駆動信号などが出力されている。
【0065】
こうして構成された第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120では、キースイッチ197によりスタータスイッチがオンとされると図5の駆動制御ルーチンによりエンジン130から駆動軸への出力制御とされてエンジン130が始動され、図9に例示する燃料電池始動時制御ルーチンにより燃料電池150が始動される。以下、この図9の燃料電池始動時制御ルーチンについて簡単に説明する。
【0066】
燃料電池始動時制御ルーチンが実行されると、CPU191は、まず、循環管路181により加温循環流路の形成処理を実行し(ステップS200)、熱交換媒体としての水が熱交換ポンプ182からエンジン130,燃料電池150の順に流れて循環するよう熱交換ポンプ182を駆動する(ステップS202)。このように循環管路181を構成することにより、エンジン130が発生する熱を用いて燃料電池150を加温することができる。次に、オルタネータ136を駆動して発電すると共に(ステップS204)、燃料加温装置142を駆動して燃料電池150に供給される水素を加温する(ステップS206)。この加温処理により燃料電池150を早期に定常運転温度にすることができる。そして、調圧弁164により燃料電池150に供給される空気の圧力を調節し(ステップS208)、燃料電池150の温度が所定の温度以上になるのを待って(ステップS210,212)、燃料加温装置142による水素の加温を停止すると共に(ステップS214)、オルタネータ136を停止し(ステップS216)、熱交換ポンプ182の駆動を停止すると共に(ステップS218)、燃料電池150を加温するための循環管路181による加温循環流路を解除して(ステップS220)、本ルーチンを終了する。
【0067】
第2実施例でも、燃料電池150が定常運転状態に至ると、温度調節装置180は、第1熱交換三方弁184a,184bにより循環管路181に熱交換器183を取り付けて、熱交換媒体としての水を熱交換ポンプ182から燃料電池150,エンジン130の順に流れるよう熱交換ポンプ182を駆動し、燃料電池150,エンジン130を冷却する。なお、このように水を流すことによりエンジン130の運転の再開時に暖機の必要がない点については第1実施例と同様である。
【0068】
以上説明した第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120によれば、エンジン130と燃料電池150とを関連してこれらの温度を調節することができる。また、第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120によれば、燃料電池150を始動するときにエンジン130が発生する熱を用いて燃料電池150を加温することができ、燃料電池150を早期に定常運転温度にすることができる。しかも、エンジン130から出力された動力を用いて発電した電力やエンジン130の排ガスの熱を用いて燃料電池150に供給される水素を加温するから、燃料電池150をより早期に定常運転温度にすることができる。さらに、第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120によれば、燃料電池150が定常運転状態に至った後は、燃料電池150の加温に用いた温度調節装置180を燃料電池150とエンジン130との冷却に用いてこれらを冷却することができる。これらの効果に付随して奏するシステム全体の熱効率を向上させることができる効果やシステムをコンパクトにすることができる効果,燃料電池150の状態に基づいて駆動軸121への動力の出力の制御による効果などは第1実施例と同様である。もとより、エンジン130の排ガスの圧力を用いて燃料電池150に供給する酸化ガスとしての空気を加圧することにより、システム全体のエネルギ効率を向上させることができる。また、エンジン130の出力で発電した電力により、燃料電池150の冷却水系を加熱し、燃料電池150の始動性を高めることもできる。
【0069】
第1実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20や第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120では、モータ70,170から出力される動力をエンジン30,130から出力される動力と同じ駆動軸21、121に出力するものとしたが、モータ70,170から駆動軸21,121とは異なる軸に動力を出力するものとしてもよい。
【0070】
第1実施例や第2実施例では、本発明の一実施例として燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムについて説明したが、冷却系統や加温系統の少なくとも一方が相互に関連をもっているものであればよいから、燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムに限られず、二次電池などの一般的な意味における電池全般と内燃機関のハイブリッドシステムに適用する構成や、燃料電池と燃料の燃焼により熱を発生する燃焼器全般のハイブリッドシステムに適用する構成,一般的な意味における電池と燃料器とのハイブリッドシステムに適用する構成なども好適である。
【0071】
次に、本発明の第1参考例としての燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムを搭載する自動車200について説明する。図10は、第1参考例の自動車200が備える動力装置210の構成の概略を示す構成図である。第1参考例の動力装置210は、図示するように、ガソリンを燃料とする内燃機関としてのエンジン220と、発電機としても動作可能なモータ230と、エンジン220やモータ230からの出力軸に機械的に接続されるトルクコンバータ232と、トルクコンバータ232の後段に接続され変速する歯車変速機部240と、第1実施例や第2実施例で説明した燃料電池50,150と同一構造の燃料電池260と、モータ230に電力を供給可能な二次電池270と、エンジン220と燃料電池260とを冷却する冷却装置280と、全体をコントロールする電子制御ユニット(ECU)290とを備える。
【0072】
エンジン220のクランクシャフトには、駆動装置222を介して始動用モータ224が取り付けられており、始動用モータ224を駆動することによりエンジン220を始動できるようになっている。始動用モータ224へは燃料電池260や二次電池270から電力の供給が可能になっており、その切り換えを行なう電源切換えスイッチ274がその電力ラインに設けられている。図11は、エンジン220のクランクシャフト221から歯車変速機部240までの機構の概略を示す説明図である。図示するように、エンジン220のクランクシャフト221は、入力クラッチ226を介してモータ230の回転軸に機械的に接続されるようになっている。
【0073】
モータ230は、電力を動力に変換するモータ機能と、動力を電力に変換する発電機能を併せ持つ同期電動発電機であり、1°単位で角度調整して設置されたステータと、磁石を有し出力軸に一体的に固定されたロータとから構成されている。モータ230は、燃料電池260や二次電池270からの直流電圧を図示しないインバータ回路によって変換された三相交流電圧が印加されることにより駆動する。モータ230への電力ラインには燃料電池260や二次電池270との接続を司る電源切換えスイッチ272が設けられている。
【0074】
トルクコンバータ232は、循環するオイルの作用によりトルクを増幅して後方に伝達する周知の流体式のトルクコンバータであり、クランクシャフト221に接続されたポンプインペラ233、歯車変速機部240に接続されるタービンライナ234および固定部にワンウェイクラッチ235を介して連結されるステータ236を備える。トルクコンバータ232は、また、タービンライナ234をクランクシャフト221に接続するロックアップクラッチLCも備える。
【0075】
歯車変速機部240は、副変速機ODと、単純連結3遊星ギヤ列からなる前進4速後進1速の主変速機Mとを組み合わせた5速構成として構成されており、その出力軸である駆動軸248は図示しないデファレンシャルギヤを介して駆動輪に接続されている。副変速機ODは、サンギヤS0、キャリアC0、リングギヤR0に関連して第1のワンウェイクラッチF−0とこれに並列する多板クラッチC−0およびこれと直列する多板ブレーキB−0とを備える。一方、主変速機Mは、サンギヤS1〜S3、キャリアC1〜C3、リングギヤR1〜R3からなる各変速要素を適宜直結した単純連結の3組のギヤユニットP1,P2,P3を備え、各ギヤユニットの変速要素に関連して多板クラッチC−1,C−2、バンドブレーキB−1、多板ブレーキB−2〜B−4、ワンウェイクラッチF−1および第2のワンウェイクラッチF−2が設けられている。なお、図示しないが、各クラッチおよびブレーキは、サーボ油圧の制御でそれらの摩擦材を係合解放操作するピストンを持ったサーボ手段を備えている。
【0076】
また、歯車変速機部240の副変速機ODのサンギヤS0上には、入力回転速度を検出するための入力回転センサ242が設けられている。入力回転センサ242は、歯車状の円板と、この円板の周縁に設置され、歯車の歯の有無によってオン信号、オフ信号を出力するピックアップとを含む。後述するように、第1速から第4速においては、サンギヤS0は、トルクコンバータ232のタービンライナ234と一体となって回転するので、歯車変速機部240の入力回転速度の検出を行うことができる。また、歯車変速機部240の出力軸である駆動軸248には、出力回転速度を検出するための出力回転センサ244が設けられている。この出力回転センサ244の構造は入力回転センサ242と同一である。
【0077】
次表1に、歯車変速機部240における変速段を選択する際の各係合要素の作動状態を示す。表1中、「○」は、係合要素の係合状態を示し、ワンウェイクラッチについてはロック状態を示す。「◎」は、エンジンブレーキの際の係合要素の係合状態を示す。また、「△」は、係合要素の係合が行われるが、動力伝達とは関係のないものであることを示している。なお、シフトレバーの位置に対応して、選択される変速段の範囲は限定される。
【0078】
【表1】
Figure 0004131309
【0079】
歯車変速機部240では、操作者がシフトレバーを図12に例示するシフトレバーポジションにおいてPポジションやNポジションを選択したときには、クラッチC−0が係合され、ワンウェイクラッチF−0はロック状態とされる。表1に示すように、これらのシフトレバーポジションでは、クラッチC−1,C−2のいずれも係合状態とはなっていない。このため、主変速機Mには動力が伝達されず、歯車変速機部240からの出力もない。
【0080】
シフトレバーがDポジションなどの前進系のポジションが選択されると、そのポジションに応じた範囲で、変速段の選択が行われる。例えば、Dポジションが選択されると走行状態および運転者の要求に応じて第1速から第5速のいずれかの変速段が選択される。また、例えば3ポジションが選択されると第1速から第3速の範囲で変速段が選択される。さらに、本参考例の動力装置210の場合、一つの変速段に固定し、他の変速段へ移行しない手動ポジションも備えている。この手動ポジションは、手動変速機と似た運転感覚を得られるようにと設けられたものであり、よってエンジンブレーキも効くように、駆動軸248からの入力がエンジン220へ、または少なくともトルクコンバータ232のタービンライナ234まで達するように各係合要素が制御される。
【0081】
第1速が選択される場合には、クラッチC−0が係合される。クラッチC−0が係合されると、副変速機0DのサンギヤS0とキャリアC0が一体として回転し、よってリングギヤR0も一体となって回転する。したがって、クラッチC−0が係合されると副変速機0Dは直結状態となり、入出力の回転速度が一致する。主変速機Mにおいては、クラッチC−1が係合状態とされる。これによって、ギヤユニットP3のサンギヤS3が回転する。サンギヤS3は、キャリアC3上の遊星ギヤを介してリングギヤR3を回転させようとするが、このリングギヤR3の回転方向は、ワンウェイクラッチF−2に阻止される方向である。結果としてリングギヤR3は固定され、キャリアC3から駆動軸248に動力が伝達される。また、エンジンブレーキを効かせる必要がある場合には、さらにブレーキB−4を係合状態とする。エンジンブレーキがかかるとき、すなわち逆駆動状態となるとき、キャリアC3がリングギヤR3を回転させようとする方向は、ワンウェイクラッチF−2がフリーとなる方向である。このままだと、サンギヤS3が駆動されずエンジンブレーキが効かない。そこで、ブレーキB−4を係合し、リングギヤR3を固定する。これによって、サンギヤS3に駆動力が伝達され、クラッチC−1,C−0が係合されているので、トルクコンバータ232のタービンライナ234が駆動され、エンジンブレーキが作用する。
【0082】
第2速が選択される場合には、副変速機ODは、第1速の場合と同様に直結状態とされる。主変速機Mにおいては、クラッチC−1、ブレーキB−3が係合状態とされる。クラッチC−1を介して入力する動力はギヤユニットP2のリングギヤR2を駆動する。一方、ギヤユニットP1において、キャリアC1はブレーキB−3により固定されているので、リングギヤR1とサンギヤS1の動きは、回転方向が逆向きで、各々のプラネタリギヤとの接点における周速度の絶対値が等しくなる動きに限定される。図示するように、ギヤユニットP2のサンギヤS2は、サンギヤS1と一体のため、同じ速度で回転する。また、リングギヤR1とキャリアC2も同じ速度で回転する。以上から、ギヤユニットP2のキャリアC2とサンギヤS2の回転速度にはギヤ比に基づく所定の関係が存在する。また、キャリアC2のプラネタリギヤ支持点における周速度はリングギヤR2とサンギヤS2の、各々のプラネタリギヤとの接点の周速度の平均値であるという関係がある。ここで、リングギヤR2の回転速度はクラッチC−1からの入力として定まるので、変数はキャリアC2とサンギヤS2の回転速度である。また、回転速度と周速度の関係は、各ギヤのピッチ円半径によって定まる固定の値である。変数であるキャリアC2とサンギヤS2の間には二つの関数関係が存在するから、二変数が一意に決定する。この回転が駆動軸248に出力される。駆動軸248側から駆動される逆駆動時においては、前述の経路を逆向きに駆動力が伝達され、トルクコンバータ232のタービンライナ234が駆動され、エンジンブレーキが作用する。
【0083】
第3速が選択される場合には、副変速機ODは、第1速の場合と同様に直結状態とされる。主変速機Mにおいては、クラッチC−1およびブレーキB−2が係合状態とされる。クラッチC−1からの入力は、リングギヤR2を駆動する。リングギヤR2がサンギヤS2を回転させようとする方向は、ワンウェイクラッチF−1がロックされる方向であり、サンギヤS2が固定される。よって、キャリアC2が回転し、駆動軸248を回転させる。駆動軸248側から駆動される逆駆動時においては、ワンウェイクラッチF−1がフリーとなるため、サンギヤS2を固定するためにブレーキB−1を係合状態とする。これによって、前述の経路と逆向きに駆動力が伝達され、トルクコンバータ232のタービンライナ234が駆動され、エンジンブレーキが作用する。
【0084】
第4速が選択される場合には、副変速機ODは、第1速の場合と同様に直結状態とされる。主変速機Mにおいては、クラッチC−1,C−2が係合状態とされる。これによってギヤユニットP2のサンギヤS2とリングギヤR2が同一の回転速度となり、キャリアC2もこれと同一の速度で回転する。この回転が駆動軸248に伝達される。駆動軸248から駆動される場合には、前述の逆の向きに駆動力が伝達され、トルクコンバータ232のタービンライナ234が駆動され、エンジンブレーキが作用する。
【0085】
第5速が選択される場合には、副変速機ODにおいては、クラッチC−0が解放状態とされ、代わりにブレーキB−0が係合状態となる。これによってサンギヤS0は固定され、キャリアC0の回転が増速してリングギヤR0に伝達される。主変速機Mは、第4速の場合と同様である。駆動軸248から駆動される場合は、前述の逆向きに駆動力が伝達され、トルクコンバータ232のタービンライナ234が駆動され、エンジンブレーキが作用する。
【0086】
なお、エンジンブレーキは、トルクコンバータ232のロックアップクラッチLCを係合することによってより強力なものとすることができる。
【0087】
後進ギヤが選択される場合には、選択されて実際には走行していない場合と実際に走行を行っている場合と別個の制御が行われる。シフトレバーにより後進が選択されたが、停止中である場合には、副変速機ODのクラッチC−0が係合される。また、主変速機Mにおいては、クラッチC−2およびブレーキB−4が係合状態とされる。後進走行中には、第5速選択時と同様に、副変速機のクラッチC−0は解放され、代わりにブレーキB−0が係合される。主変速機MにおいてはクラッチC−2、ブレーキB−4の係合が維持される。クラッチC−2を介して伝達された回転は、ギヤユニットP2のサンギヤS2に入力される。ギヤユニットP2,P3の各要素の関係は、リングギヤR2とサンギヤS3が一体であるため同一の回転速度であり、キャリアC2,C3が一体であるため同一の回転速度である。さらに、キャリアC3のプラネタリギヤ支持点における周速度は、サンギヤS3とリングギヤR3の、各々のプラネタリギヤとの接点における周速度の平均値である。また、キャリアC2のプラネタリギヤ支持点における周速度は、サンギヤS3とリングギヤR3の、各々のプラネタリギヤとの接点における周速度の平均値である。サンギヤS2の回転速度は、入力により決定され、リングギヤR3はブレーキB−4により固定される。また、各要素の周速度と回転速度の関係は、ピッチ円半径などから幾何学的に決定される固定値である。以上より、二つのギヤユニットP2,P3における変数は、キャリアC2,C3、リングギヤR2、サンギヤS3の回転速度の四つであるが、このうち、キャリアC2,C3の回転速度の関係、リングギヤR2とサンギヤS4との回転速度の関係は、幾何学的に決定されているので、一つの変数とみなすことができる。したがって、変数は二つであり、ギヤユニットP2,P3における各要素の周速度が二つの式で表されるので、変数は一意に決定される。前述したようにこれらの関係は4つあるので、各値が一意に決定する。また、リングギヤR2とサンギヤS3が同一回転速度であることにより、キャリアC2,C3は逆転し、これにより後退が可能になる。
【0088】
入力クラッチ226や歯車変速機部240の各係合要素は、電動オイルポンプ250を駆動源として作動する油圧制御部252により制御されている。図13に油圧制御部252における油圧回路の一部を示す。図示するように、電動オイルポンプ250の吐出側には、調圧弁であるプライマリレギュレータバルブ253を介してマニュアルバルブ254と入力クラッチコントロールバルブ255とが並列に接続されている。マニュアルバルブ254の吐出側には、歯車変速機部240に設けられた前進用のクラッチC−1と後退用のクラッチC−2とが接続されている。また、マニュアルバルブ254は、車室内に設けられたシフトレバー257に機械的に連結されており、シフトレバー257の操作によりマニュアルバルブ254の吐出口が前進用のクラッチC−1に接続されたり後進用のクラッチC−2に接続されたりするようになっている。入力クラッチコントロールバルブ255の吐出側には入力クラッチ226が接続されている。また、入力クラッチコントロールバルブ255のスプール弁子は入力クラッチコントロールソレノイド256に接続されており、入力クラッチコントロールソレノイド256の作動により入力クラッチコントロールバルブ255が開口または閉口するようになっている。なお、他のクラッチやブレーキなどの係合要素を制御するための油圧回路についての説明については省略する。
【0089】
冷却装置280は、図10に示すように、冷却水を循環する循環流路282と、この循環流路282に冷却水を循環させる循環ポンプ284と、循環流路282に設けられ冷却水を外気との熱交換により冷却するラジエター286とを備える。図示しないが、循環流路282は、エンジン220や燃料電池260の内部に設けられた熱交換流路に接続されており、冷却水はエンジン220や燃料電池260と熱交換流路で熱交換するようになっている。
【0090】
電子制御ユニット(ECU)290は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、入出力ポートとを備える。図14は、電子制御ユニット290の入出力信号の一例を示すブロック図である。図中、電子制御ユニット290の左側の信号は主な入力信号を表わし、電子制御ユニット290の右側の信号は主な出力信号を表わしている。
【0091】
電子制御ユニット290には、入力信号として、ABS(アンチロックブレーキシステム)からの制御信号や燃料電池260に取り付けられた温度センサからの燃料電池温度,燃料タンクに設けられた水位計からの燃料電池燃料残量,二次電池270に設けられた蓄電残量計からの二次電池SOC,二次電池270に設けられた温度センサからの二次電池温度,冷却装置280に設けられた温度センサからの冷却水温度,クランク角度エンコーダからのエンジン回転数NE,イグニッションスイッチからの制御信号,デフォッガやエアコンからの信号,出力回転センサ244からの検出信号から演算された車速,油圧制御部252における油圧回路に設けられた温度センサからの作動油温度(AT温度),シフトレバー257のポジションを検出するシフトレバーポジションセンサからのシフトポジション,サイドブレーキやフットブレーキに設けられたスイッチからのオンオフ信号,排気系の浄化装置に設けられた温度センサからの触媒温度,アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサからのアクセル開度,エンジン220のカムの角度を検出するカム角センサからの信号,変速段の変更操作のモード変更を行なうスポーツモードスイッチからのスポーツシフト信号,エンジン220を強制的に作動するスイッチからのエンジン作動強制信号,駆動力源ブレーキ力スイッチからのオンオフ信号,入力回転センサ242からのタービン回転数NT,モータ230の回転軸に設けられたレゾルバからのレゾルバ信号などが入力されている。
【0092】
また、電子制御ユニット290からは、出力信号として、点火プラグに火花を発生させるタイミングを指示する点火信号や燃料の噴射時期および噴射量を指示する噴射信号,モータ230や始動用モータ224を制御するMG1コントローラやMG2コントローラへの制御信号,減速装置への制御信号,入力クラッチコントロールソレノイド256への制御信号,油圧制御部252の油圧回路に設けられたATライン圧コントロールソレノイドへの制御信号,ABSアクチュエータへの駆動信号,スポーツモードインジケータへの点灯信号,油圧制御部252の油圧回路に設けられた各ATソレノイドへの制御信号,同じく油圧制御部252の油圧回路に設けられたATロックアップコントロールソレノイドへの制御信号,電動オイルポンプ250への駆動信号,電源切換えスイッチ272,274への駆動信号,燃料電池燃料切れインジケータへの点灯信号,燃料電池制御コンピュータへの制御信号などが出力されている。
【0093】
次に、こうして構成された第1参考例の動力装置210の動作、特に暖機動作について説明する。図15は、第1参考例の電子制御ユニット290により実行される暖機制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。この暖機制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット290は、まず、各入力信号の処理を実行する(ステップS320)。即ち、図14のブロック図に示す入力信号の全部または一部を読み込む処理を実行するのである。次に、エンジン220や燃料電池260の暖機が完了しているか否かの判定を行なう(ステップS330,S340)。エンジン220の暖機の完了判定は、エンジン220の冷却水の温度が定常運転温度に比して低いか否かの比較により行なうことができる。また、燃料電池260の暖機の完了判定は、燃料電池260の温度が定常運転温度より低いか否かの比較により行なうことができる。
【0094】
エンジン220か燃料電池260のいずれかの暖機が完了しているときには、マップに基づく駆動力源を選択する処理を実行して(ステップS430)、本ルーチンを終了する。ここで、駆動力源の選択処理は、例えば、シフトレバー257がDポジションのときには図16に例示する駆動力源領域マップの一例を用いてアクセル開度と車速に基づいて行なわれる。即ち、アクセル開度と車速からどの領域に属するかによりエンジン220を駆動力源にするかモータ230を駆動力源にするかを選択するのである。図16の駆動力源領域マップには、歯車変速機部240における変速段の領域も示されている。この場合、エンジン220か燃料電池260の一方がまだ暖機が完了してない場合もあるが、一方の暖機が完了しているから、暖機が完了している側の熱により燃料電池260とエンジン220と冷却装置280とを含むシステム全体の暖機を行なう。
【0095】
エンジン220と燃料電池260とがいずれも暖機が完了されていないと判定されると、シフトレバー257のポジションがPポジションかNポジションのいずれかであるかを判定する(ステップS350)。シフトレバー257のポジションは、ソフトレバーポジションセンサからの信号により検出できる。シフトレバー257のポジションがPポジションかNポジションのいずれかであるときには、発進の可能性はないと判断し、燃料電池260を駆動して(ステップS360)、本ルーチンを終了する。即ち、燃料電池260とエンジン220と冷却装置280とを含むシステム全体を燃料電池260から生じる熱によって暖機するのである。
【0096】
一方、シフトレバー257のポジションがPポジションでもNポジションでもないときには、車速Vが値0であるか否か、即ち自動車200が停車しているか否かを判定する(ステップS370)。車速Vは、図示しない車速センサによって検出してもよいし、車輪速センサにより検出された各車輪の車輪速から演算で求めてもよい。車速Vが値0で停車しているときには、エンジン220からの動力の必要はないから、燃料電池260を駆動して(ステップS420)、燃料電池260から生じる熱によってシステムを暖機する。
【0097】
車速Vが値0でないとき、即ち自動車200が走行状態にあるときには、二次電池270の蓄電残量としての二次電池SOCを検出すると共に(ステップS380)、燃料電池260の発電可能量を算出する処理を行なう(ステップS390)。実施例では、二次電池SOCを蓄電残量計により検出するものとしたが、二次電池270の充放電電流を積算して求めたものを用いるものとしてもよい。燃料電池260の発電可能量は、燃料残量により推定できる。純水素系の場合には水素の残量により、改質系の場合には燃料残量に改質効率を考慮して推定することができる。
【0098】
そして、駆動力源領域マップからモータ230による走行領域でありかつ可能領域であるかを判定する(ステップS400)。アクセル開度と車速とに基づいて動力源領域マップから領域の選択を行なう処理については前述した。可能領域は、ステップS380で検出した二次電池SOCやステップS390で算出した燃料電池260の発電可能量に基づいて駆動力源領域マップを減縮補正したものによって判定される。この補正としては、例えば図17に例示する駆動力源領域マップのように、MG領域を二次電池SOCや燃料電池260の発電可能量に応じて減縮することにより行なうことができる。なお、この減縮補正された駆動力源領域マップにおけるMG領域は、二次電池270の電力をモータ230以外で用いる場合にも適用される。
【0099】
モータ230による走行領域でありかつ可能領域であると判定されると、エンジン220からの動力はまだ必要ないと判断し、燃料電池260を駆動して(ステップS420)、燃料電池260から生じる熱によってシステムを暖機する。一方、モータ230による走行領域でないと判定されたり可能領域でないと判定されたときには、エンジン220を始動して(ステップS410)、エンジン220から生じる熱によってシステムを暖機する。
【0100】
以上説明した第1参考例の自動車200が備える動力装置210によれば、エンジン220と燃料電池260と自動車200の状態とに基づいて効率的に暖機を行なうことができる。この結果、暖機に伴う騒音を防止することができると共にエネルギ効率を向上させることができる。
【0101】
第1参考例の自動車200が備える動力装置210では、図15のルーチンにおけるステップS350でシフトレバー257のポジションにより自動車200の発進の可能性を判定したが、サイドブレーキのオンオフ信号により自動車200の発進の可能性を判定するものとしてもよい。
【0102】
また、参考例の自動車200が備える動力装置210では、図15のルーチンにおいてステップS350でシフトレバー257のポジションがPポジションかNポジションのいずれかであると判定されたときには、燃料電池260を駆動して燃料電池260とエンジン220と冷却装置280とを含むシステム全体を燃料電池260から生じる熱によって暖機するものとしたが、この場合、例えばもう一度イグニッションキーをオン操作したり別に設けたマニュアルスイッチがオン操作されたときにはエンジン220を始動するものとしてもよい。この処理についてはステップS420においても同様である。
【0103】
次に、本発明の第2参考例である自動車200Bについて説明する。第2参考例の自動車200Bは、第1参考例の自動車200と同一のハード構成をしている。したがって、第2参考例の自動車200Bのハード構成についての説明は省略する。なお、説明の都合上、第4実施例の自動車200Bでは、第1参考例の自動車200の構成で用いた符号をそのまま用いる。
【0104】
図18は、第2参考例の自動車200Bが備える動力装置210の電子制御ユニット290で実行されるアイドル回転数制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。この暖機制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット290は、まず、各入力信号の処理を実行する(ステップS520)。即ち、図14のブロック図に示す入力信号の全部または処理に必要な信号のみを読み込む処理を実行するのである。次に、エンジン220の暖機が完了しているか否かの判定を行なう(ステップS530)。エンジン220の暖機の完了判定は、第1参考例と同様に、エンジン220の冷却水の温度が定常運転温度に比して低いか否かの比較により行なうことができる。エンジン220の暖機が完了していると判定されたときには、本ルーチンによる処理は必要ないと判定して本ルーチンを終了する。
【0105】
エンジン220の暖機が完了していないと判定されたときには、車速Vが値0であるか否かとアクセル開度θが値0であるか否かを判定する(ステップS540)。車速Vは前述したように車速センサによって検出することができ、アクセル開度θはアクセルポジションセンサにより検出することができる。車速Vが値0でないとき、即ち自動車200Bが走行状態にあるときやアクセル開度θが値0でないとき、即ち運転者が自動車200Bによる走行を意図しているときには、本ルーチンによる処理は必要ないと判定して本ルーチンを終了する。
【0106】
一方、車速Vが値0のとき、即ち自動車200Bが停車しているときで、かつ、アクセル開度θが値0のとき、即ち運転者が自動車200Bによる走行を意図していないときには燃料電池260による発熱が可能であるか否かを判定する(ステップS550)。即ち、燃料電池260が動作可能か否かによって判定することができる。なお、この判定には、燃料電池260に供給される燃料の残量が含まれるほか、燃料電池260が低温で出力が制限されているときも含まれる。燃料電池260による発熱が可能でないときには、コンベのアイドル回転数をコンベファーストアイドルロジック制御により設定して(ステップS560)、本ルーチンを終了する。この場合、アイドル回転数は、エンジン220の水温に依存して低温ほど高回転数となるように制御するのである。次表2に燃料電池260の発熱量とエンジン220の水温とアイドル回転数との関係の一例を示す。ステップS560の制御では、燃料電池260は発熱不可であるから、FC発熱の「無し」の行が相当する。
【0107】
【表2】
Figure 0004131309
【0108】
燃料電池260による発熱が可能のときには、燃料電池260による発熱可能量を算出し(ステップS570)、算出した発熱可能量に基づいてアイドル回転数を設定して(ステップS580)、本ルーチンを終了する。参考例では、燃料電池260による発熱可能量は、燃料残量により推定することができ、「小」,「中」,「大」の3段階とした。発熱可能量とアイドル回転数との関係はエンジン220の水温を含めて表2に示した。即ち表2中、FC発熱の「小」,「中」,「大」の行が相当する。表2からも解るように、燃料電池260による発熱可能量が大きいときには、燃料電池260による発熱で暖機が迅速に行なわれるから、エンジン220のファーストアイドル回転数を低くするのである。
【0109】
以上説明した第2参考例の自動車200Bが備える動力装置210によれば、アイドル回転数をエンジン220の状態や燃料電池260の状態,自動車200Bの状態に応じて適切に制御することができる。この結果、アイドル回転数を高くすることによる騒音の発生を防止することができると共にエネルギ効率を向上させることができる。
【0110】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 燃料電池50を構成する単電池51の概略構成を示す構成図である。
【図3】 電子制御ユニット90を中心とした制御信号の様子を例示するブロック図である。
【図4】 実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20の電子制御ユニット90により実行される燃料電池始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図5】 実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20の電子制御ユニット90により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】 変形例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム20Bの構成の概略を示す構成図である。
【図7】 第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120の構成の概略を示す構成図である。
【図8】 第2実施例の電子制御ユニット190を中心とした制御信号の様子を例示するブロック図である。
【図9】 第2実施例の燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム120の電子制御ユニット190により実行される燃料電池始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図10】 第1参考例の自動車200が備える動力装置210の構成の概略を示す構成図である。
【図11】 エンジン220のクランクシャフト221から歯車変速機部240までの機構の概略を示す説明図である。
【図12】 シフトレバーポジションの一例を示す説明図である。
【図13】 油圧制御部252における油圧回路の一部を例示する説明図である。
【図14】 電子制御ユニット(ECU)290の入出力信号の一例を示すブロック図である。
【図15】 第1参考例の電子制御ユニット290により実行される暖機制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図16】 第1参考例で用いられる駆動力源領域マップの一例を示す説明図である。
【図17】 駆動力源領域マップの減縮補正の様子を例示する説明図である。
【図18】 第2参考例の自動車200Bが備える動力装置210の電子制御ユニット290で実行されるアイドル回転数制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
20,120 燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステム、21,121 駆動軸、22 メタノールタンク、23 第1燃料ポンプ、24 第2燃料ポンプ、26 混合槽、27 水ポンプ、30,130 エンジン、32,132 エンジン温度センサ、34,134 タービン、36,136 オルタネータ、40 改質器、42,142 燃料加温装置、44,144 熱交換器、46 改質器温度センサ、50,150 燃料電池、51 単電池、52 電解質膜、53 アノード、54 カソード、55 セパレータ、56,57 流路、58,158 燃料電池温度センサ、60,160 第1エアコンプレッサ、62,162 第2エアコンプレッサ、63,163 エア三方弁、64,164 調圧弁、66,166 エア圧センサ、70,170 モータ、72,172 インバータ、74,174 バッテリ、80,180 温度調節装置、81,181 循環管路、82,182 熱交換ポンプ、83,183 熱交換器、84a,84b,184a,184b 第1熱交換三方弁、85,185 熱交換器、86a,86b,186a,186b 第2熱交換三方弁、87 水タンク、90,190 電子制御ユニット、91,191 CPU、92,192 ROM、93,193 RAM、94,194 入力処理回路、95,195 出力処理回路、96、196 各種センサ、97,197 キースイッチ、122 水素タンク、122a 水素圧センサ、123 第1燃料バルブ、124 第2燃料バルブ、200,200B 自動車、210 動力装置、220 エンジン、221 クランクシャフト、222 駆動装置、224 始動用モータ、226 入力クラッチ、230 モータ、232 トルクコンバータ、233 ポンプインペラ、234 タービンライナ、235 ワンウェイクラッチ、236 ステータ、240 歯車変速機部、242 入力回転センサ、244 出力回転センサ、248 駆動軸、250 電動オイルポンプ、252 油圧制御部、253 プライマリレギュレータバルブ、254 マニュアルバルブ、255 入力クラッチコントロールバルブ、256 入力クラッチコントロールソレノイド、257 シフトレバー、260 燃料電池、270 二次電池、272,274 電源切換えスイッチ、280 冷却装置、282 循環流路、284 循環ポンプ、286 ラジエター、290 電子制御ユニット、LC ロックアップクラッチ、OD 副変速機、M 主変速機、S0〜S3 サンギヤ、C0〜C3 キャリア、R0〜R3 リングギヤ、P1,P2,P3 ギヤユニット、C−0,C−1,C−2 多板クラッチ、B−0,B−1,B−2,B−3,B−4 多板ブレーキ、F−0,F−1,F−2 ワンウェイクラッチ。

Claims (3)

  1. 燃料および酸化ガスの供給を受けて発電する燃料電池と内燃機関のハイブリッドシステムであって、
    前記燃料電池と前記内燃機関とが関連して該燃料電池と該内燃機関の少なくとも一方の温度を調節する温度調節手段と、前記内燃機関から出力される動力により駆動されて発電する発電手段とを備え、
    前記温度調節手段は、
    熱交換媒体を前記燃料電池と前記内燃機関とに流す循環管路と、循環管路に取り込み可能に設けられ、循環管路に取り込まれた場合に、熱交換媒体と外気とを熱交換させる熱交換器と、循環管路に前記熱交換媒体を流し、前記熱交換媒体の流れ方向を正逆に変換可能とするポンプと、を有する熱交換手段と、
    前記燃料電池及び前記内燃機関の運転状態に応じて、前記循環管路に前記熱交換器を取り込むかまたは取り込まないでバイパスするか、および、前記循環管路内の熱交換媒体の流れ方向を正逆に変換させるように前記ポンプの駆動を制御する制御手段と、
    前記燃料電池を始動するとき、前記発電手段により発電された電力を用いて、該燃料電池を加温する加温手段と、を備え、
    前記加温手段は、ハイブリッドシステムが前記燃料を原料から改質することなく前記燃料電池に直接供給する場合に、前記燃料電池に供給される燃料を発熱により加温することにより、または、ハイブリッドシステムが原料を改質して前記燃料を生成する改質手段を有する場合に、前記改質手段に供給される前記原料を発熱により加温することにより、該燃料電池を加温する手段であるハイブリッドシステム。
  2. 前記加温手段は、原料を改質して前記燃料を生成する改質手段に供給される前記原料を加温することにより、該燃料電池を加温する手段であり、
    さらに、前記熱交換器は、前記燃料電池および前記内燃機関を流れる熱交換媒体と外気とを熱交換させるものであり、
    前記熱交換器を流れる熱交換媒体は、前記改質手段も流れて、前記改質手段と熱交換する請求項1記載のハイブリッドシステム。
  3. 前記内燃機関から排出される排ガスを動力源として駆動し、前記燃料電池に前記酸化ガスを加圧供給する酸化ガス供給手段を備える請求項1または請求項2記載のハイブリッドシステム。
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