JP2001298806A - 車両用制御装置、制御方法および車両 - Google Patents

車両用制御装置、制御方法および車両

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JP2001298806A
JP2001298806A JP2000115367A JP2000115367A JP2001298806A JP 2001298806 A JP2001298806 A JP 2001298806A JP 2000115367 A JP2000115367 A JP 2000115367A JP 2000115367 A JP2000115367 A JP 2000115367A JP 2001298806 A JP2001298806 A JP 2001298806A
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fuel cell
power
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motor
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Atsushi Tabata
淳 田端
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Toyota Motor Corp
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータやエンジンを動力源として走行する車
両において、運転者の意図を反映した燃料電池やエンジ
ンの適正な制御を行なう。 【解決手段】 車両の運転状態、特に運転者の意図が反
映されるアクセルペダルの踏込量θやエアコンACの設
定SWなどを読み込み、これに応じて、判断用の基準値
LL,FFを設定する(ステップSSA,SSB)。こ
の基準値LL,FFは、車両の負荷が大きくなる操作の
場合、低い値に設定される。バッテリBTの残容量が基
準値LLより大きい場合は、バッテリBTのみを電源と
してモータMTにより車両を走行する。一方、基準値L
Lより小さく、かつ燃料電池用燃料の残量が十分にあれ
ば、燃料電池FCを運転する。残量が不足すれば、エン
ジンEGが運転される。負荷が大きくなる操作が行なわ
れると、基準値LL,FFは大きな値に変更されるの
で、早めに燃料電池FCやエンジンEGの運転が開始さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池と燃料電
池を搭載した車両を制御する技術に関し、詳しくは車両
の駆動軸に動力を出力可能な電動機と、この電動機を運
転する電力を蓄積する二次電池と、二次電池とは別に設
けられ、電動機に電力を供給可能な燃料電池とを備えた
車両を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】環境に対する負担の少ない車両として、
燃料電池を搭載し、燃料電池により発電した電力で走行
する電気自動車が各種提案されている。こうした燃料電
池搭載車両では、燃料電池の出力を短期間に大きく変化
させることが難しいため、通常二次電池を搭載し、二次
電池をいわばバッファとして利用して、車両走行用の電
源として用いている。例えば、特開平7−240212
号公報には、二次電池の充電残容量に基づいて、システ
ム全体の効率が所定の範囲となるように燃料電池システ
ムを稼働して二次電池を充電する構成が開示されてる。
【0003】また、特開平11−31521号公報に
は、カーナビゲーションシステムと組合わせ、これから
の車両の負荷を予測して、燃料電池の運転を制御し、負
荷変動に対する追従性を向上しようとするものが記載さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
たシステムでは、単にシステム全体の効率を高めること
を目標としたり、カーナビゲーションステムにより負荷
予測に対応しようとするものに過ぎず、運転者から見た
運転追従性(ドライバビリティ)を改善することはでき
なかった。車両を運転しているのは運転者であり、運転
者による運転上の明確な指示に対して車両もしくは車両
に搭載された各種電池をどのように制御するかが、ドラ
イバビリティに対して直接寄与する。したがって、燃料
電池と二次電池とを搭載し、電動機により車両を走行す
るタイプの車両において、これらの電池の制御を適切な
ものとする技術の開発が要請されていた。
【0005】本発明の装置は、こうした問題に対して解
答を与えるものであり、燃料電池と二次電池を搭載した
車両におけるこれら電池の制御を好適なものとすること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題の少なくとも一部を解決する本発明の第1の車両
用制御装置は、車両の駆動軸に動力を出力可能な電動機
を備えた車両用制御装置であって、前記電動機を運転す
る電力を蓄積する二次電池と、前記二次電池の充電状態
を管理する充電状態管理手段と、該二次電池とは別に設
けられ、前記電動機に電力を供給可能な燃料電池と、車
両運転者の走行に関する操作を検出する操作検出手段
と、該検出された運転者の走行に関する操作に基づい
て、操作が変更されたと判断したとき、該変更された操
作に対応して、前記二次電池の充電状態の管理目標を切
り換える管理切換手段とを備えたことを要旨としてい
る。
【0007】また、この装置に対応した方法の発明は、
車両の駆動軸に動力を出力可能な電動機と、該電動機を
運転する電力を蓄積する二次電池と、該二次電池とは別
に設けられ、前記電動機に電力を供給可能な燃料電池と
を備えた車両を制御する方法であって、前記車両におけ
る電力の要求に応じて、前記二次電池の充電状態を管理
すると共に、車両運転者により、車両走行に関する操作
がなされたと判断したとき、該操作に対応して、前記二
次電池の充電状態の管理目標を切り換えることを要旨と
している。
【0008】かかる装置および方法によれば、車両にお
ける電力の要求に応じて、前記二次電池の充電状態を管
理する一方で、車両運転者により、車両走行に関する操
作が変更されたと判断したとき、該操作の変更に対応し
て、二次電池の充電状態の管理目標を切り換える。した
がって、運転者の意志を反映した二次電池の管理が可能
となり、車両全体の操作性能(ドライバビリティ)を向
上することができる。
【0009】また、本発明の第2の車両用制御装置は、
車両の駆動軸に動力を出力可能な電動機を備えた車両用
制御装置であって、前記電動機を運転する電力を蓄積す
る二次電池と、該二次電池とは別に設けられ、前記電動
機に電力を供給可能な燃料電池と、該燃料電池の運転状
態を管理する燃料電池運転管理手段と、車両運転者の走
行に関する操作を検出する操作検出手段と、該検出され
た運転者の走行に関する操作に基づいて、操作が変更さ
れたと判断したとき、該変更された操作に対応して、前
記燃料電池の前記運転状態を直ちに変更する管理変更手
段とを備えたことを要旨とする。
【0010】また、この装置に対応した方法の発明は、
車両の駆動軸に動力を出力可能な電動機と、該電動機を
運転する電力を蓄積する二次電池と、該二次電池とは別
に設けられ、前記電動機に電力を供給可能な燃料電池と
を備えた車両を制御する方法であって、前記車両におけ
る電力の要求に応じて、前記燃料電池の運転状態を管理
すると共に、車両運転者により、車両走行に関する操作
が変更されたと判断したとき、該操作の変更に対応し
て、前記燃料電池の前記運転状態を直ちに変更すること
を要旨とする。
【0011】かかる第2の装置および方法によれば、車
両における電力の要求に応じて、前記燃料電池の充電状
態を管理する一方で、車両運転者により、車両走行に関
する操作が変更されたと判断したとき、該操作の変更に
対応して、燃料電池の運転状態を直ちに変更する。した
がって、運転者の意志を反映した燃料電池の管理が可能
となり、車両全体の操作性能(ドライバビリティ)を向
上することができる。ここで「直ちに」とは、車両走行
に関する操作が変更された結果生じる何らかの現象を待
つことなく運転状態を変更することを意味する。例え
ば、車両の負荷を大きく変わるように走行状態を切り換
えれば、燃料電池の発電量と消費電力との間にアンバラ
ンスが生じるから、従来の制御でも、このアンバランス
を検出していずれ燃料電池の運転状態は変更される。こ
うした間接的な制御の変更は、ここで言う「直ちに」変
更するものには該当しない。
【0012】更に本発明の第3の車両用制御装置は、電
動機を備えた車両の制御装置であって、前記電動機を運
転する電力を蓄積する二次電池と、前記二次電池の充電
状態を管理する充電状態管理手段と、該二次電池とは別
に設けられ、前記電動機に電力を供給可能な燃料電池
と、車両運転者の走行に関する操作を検出する操作検出
手段と、該検出された運転者の走行に関する操作に基づ
いて、操作が変更されたと判断したとき、該変更された
操作に対応して、前記二次電池の充電状態の管理目標を
切り換える管理切換手段とを備えたことを要旨とする。
【0013】この車両用制御装置によれば、車両におけ
る電力の要求に応じて、前記二次電池の充電状態を管理
する一方で、車両運転者により、車両走行に関する操作
が変更されたと判断したとき、該操作の変更に対応し
て、二次電池の充電状態の管理目標を切り換える。した
がって、運転者の意志を反映した二次電池の管理が可能
となり、車両全体の操作性能(ドライバビリティ)を向
上することができる。
【0014】本発明は、かかる制御を行なう車両として
も把握することができる。即ち、本発明の第1の車両
は、駆動軸に動力を出力可能な電動機と、該電動機を運
転する電力を蓄積する二次電池と、該二次電池とは別に
設けられ、前記電動機に電力を供給可能な燃料電池とを
備えた車両であって、前記車両における電力の要求に応
じて、前記二次電池の充電状態を管理する管理手段と、
車両運転者の走行に関する操作を検出する操作検出手段
と、該検出された運転者の走行に関する操作に基づい
て、操作が変更されたと判断したとき、該変更された操
作に対応して、前記二次電池の充電状態の管理目標を切
り換える切換手段とを備えたことを要旨とする。
【0015】また、本発明の第2の車両は、駆動軸に動
力を出力可能な電動機と、該電動機を運転する電力を蓄
積する二次電池と、該二次電池とは別に設けられ、前記
電動機に電力を供給可能な燃料電池とを備えた車両であ
って、前記車両における電力の要求に応じて、前記燃料
電池の運転状態を管理する管理手段と、車両運転者の走
行に関する操作を検出する操作検出手段と、該検出され
た運転者の走行に関する操作に基づいて、操作が変更さ
れたと判断したとき、該変更された操作に対応して、前
記燃料電池の前記運転状態を直ちに変更する変更手段と
を備えたことを要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図25は、本発明の実施の形態を説明するための
説明図である。図25に示すように、本発明の実施の形
態である車両用制御装置CTLは、モータMTとエンジ
ンEGとを搭載した車両に備えられたものであり、車両
の運転状態に応じて、これら機器およびモータMTに電
力を供給する電力源であるバッテ入りBTまたは燃料電
池FCのいずれを選択するかを決定する。即ち、この車
両用制御装置CTLは、モータMTに供給可能な電気エ
ネルギを示すバッテリBTの残容量SOC、燃料電池F
Cに供給可能な燃料電池用燃料の残量FCL、更にはア
クセルの踏込量θやエアコンACの設定スイッチSWな
どの情報を読み込むことが可能であり、次の処理を行な
う。まず上記各値を読み込み(ステップSSA)、アク
セルの踏込量θやエアコンACのスイッチの状態に基づ
いて、バッテリ基準値LLや燃料基準値FFなどを設定
する処理を行なう(ステップSSB)。これらの基準値
LL,FFは、予め定めたマップMMPを参照すること
により設定され、車両の負荷が大きな運転状態(例えば
アクセルペダルの踏込量θが大きいときやエアコンAC
の風量が大に設定されている時など)になるほど、大き
な値が設定される。
【0017】次に、バッテリBTの残容量SOCとバッ
テリ基準値LLとの比較(ステップSSC)および燃料
電池用燃料の残量FCLと燃料基準値FFとの比較(ス
テップSSD)を行なう。これらの比較の結果、次の処
理がなされる。即ち、 SOC≧LLならば、バッテリBTの残量は十分にあ
るとして、車両の動力源としてモータMTのみを選択
し、かつモータへ電力を供給する電源としてバッテリB
Tを選択する(ステップSSE)。したがって、車両
は、バッテリBTを電源として駆動されるモータMTに
より走行される。 SOC<LLかつFCL≧FFであれば、バッテリB
Tの残容量は不十分だが、燃料電池用燃料は十分にある
として、車両の動力源として、モータMTを選択し、か
つモータへ電力を供給する電源としてバッテリBTに加
えて燃料電池FCを選択する(ステップSSF)。した
がって、車両は、バッテリBTおよび燃料電池FCを電
源として駆動されるモータMTにより走行される。 FCL<FFであれば、燃料電池用燃料の残量も十分
にはないと判断し、車両の動力源としてエンジンEGを
選択し(ステップSSG)、エンジンEGの動力で車両
を走行する。
【0018】かかる車両用制御装置によれば、運転者が
アクセルペダルを操作したり、エアコンACの風量の設
定を切り換えたりすると、直ちにバッテリ基準値LLや
燃料基準値FFが修正される。この結果、車両の負荷が
大きくなるような操作が選択されると、バッテリBTの
みでモータMTが運転されている場合には、早めに燃料
電池FCによる発電が開始され、燃料電池FCが既に運
転されている場合には、早めにエンジンEGが始動す
る。また、車両の負荷が小さくなるような操作がなされ
ると、バッテリBTのみでモータMTが運転されている
場合には、燃料電池FCによる発電の開始は引き延ばさ
れ、燃料電池FCが既に運転されている場合には、エン
ジンEGの始動が引き延ばされることになる。したがっ
て、車両全体として、運転効率を高く維持することがで
きる。以下、こうした発明の実施の形態を、実施例に則
して詳細に説明する。
【0019】(1)実施例における装置構成:図1は実
施例としてのハイブリッド車両の概略構成図である。本
実施例のハイブリッド車両の動力源は、エンジン10と
モータ20である。図示する通り、本実施例のハイブリ
ッド車両の動力系統は、上流側からエンジン10、入力
クラッチ18、モータ20、トルクコンバータ30、お
よび変速機100を直列に結合した構成を有している。
即ち、エンジン10のクランクシャフト12は、入力ク
ラッチ18を介してモータ20に結合されている。入力
クラッチ18をオン・オフすることにより、エンジン1
0からの動力の伝達を断続することができる。モータ2
0の回転軸13は、また、トルクコンバータ30にも結
合されている。トルクコンバータの出力軸14は変速機
100に結合されている。変速機100の出力軸15は
ディファレンシャルギヤ16を介して車軸17に結合さ
れている。以下、それぞれの構成要素について順に説明
する。
【0020】エンジン10は通常のガソリンエンジンで
ある。但し、エンジン10は、ガソリンと空気の混合気
をシリンダに吸い込むための吸気バルブ、および燃焼後
の排気をシリンダから排出するための排気バルブの開閉
タイミングを、ピストンの上下運動に対して相対的に調
整可能な機構を有している(以下、この機構をVVT機
構と呼ぶ)。VVT機構の構成については、周知である
ため、ここでは詳細な説明を省略する。エンジン10
は、ピストンの上下運動に対して各バルブが遅れて閉じ
るように開閉タイミングを調整することにより、いわゆ
るポンピングロスを低減することができる。この結果、
エンジン10をモータリングする際にモータ20から出
力すべきトルクを低減させることもできる。ガソリンを
燃焼して動力を出力する際には、VVT機構は、エンジ
ン10の回転数に応じて最も燃焼効率の良いタイミング
で各バルブが開閉するように制御される。
【0021】モータ20は、三相の同期モータであり、
外周面に複数個の永久磁石を有するロータ22と、回転
磁界を形成するための三相コイルが巻回されたステータ
24とを備える。モータ20はロータ22に備えられた
永久磁石による磁界とステータ24の三相コイルによっ
て形成される磁界との相互作用により回転駆動する。ま
た、ロータ22が外力によって回転させられる場合に
は、これらの磁界の相互作用により三相コイルの両端に
起電力を生じさせる。なお、モータ20には、ロータ2
2とステータ24との間の磁束密度が円周方向に正弦分
布する正弦波着磁モータを適用することも可能である
が、本実施例では、比較的大きなトルクを出力可能な非
正弦波着磁モータを適用した。
【0022】モータ20の電源としては、バッテリ50
と燃料電池システム60とが備えられている。モータ2
0と各電源との間には、電源の使い分けをするための切
替スイッチ84が設けられている。この切替スイッチ8
4の動作は、制御ユニット70により制御される。な
お、ここでは模式的にモータ20をバッテリ50および
燃料電池システム60に選択的に接続可能なスイッチ8
4を示したが、切替スイッチ84はモータ20をバッテ
リ50および燃料電池60の双方に接続可能な構成のス
イッチを用いることが望ましい。
【0023】また、図1に示すように、バッテリ50
は、燃料電池システム60と接続されている。これによ
り、燃料電池システム60により生成された電力を、バ
ッテリ50に充電することが可能となる。
【0024】ステータ24は切替スイッチ84および駆
動回路51を介してバッテリ50に電気的に接続され
る。また、切替スイッチ84および駆動回路52を介し
て燃料電池システム60に接続される。駆動回路51,
52は、それぞれトランジスタインバータで構成されて
おり、モータ20の三相それぞれに対して、ソース側と
シンク側の2つを一組としてトランジスタが複数備えら
れている。これらの駆動回路51,52は、制御ユニッ
ト70と電気的に接続されている。制御ユニット70が
駆動回路51,52の各トランジスタのオン・オフの時
間をPWM制御するとバッテリ50および燃料電池シス
テム60を電源とする擬似三相交流がステータ24の三
相コイルに流れ、回転磁界が形成される。モータ20
は、かかる回転磁界の作用によって、電動機または発電
機として機能する。
【0025】図2は燃料電池システムの概略構成を示す
説明図である。燃料電池システム60は、メタノールを
貯蔵するメタノールタンク61、水を貯蔵する水タンク
62、燃焼ガスを発生するバーナ63、空気の圧縮を行
なう圧縮機64、バーナ63と圧縮機64とを併設した
蒸発器65、改質反応により燃料ガスを生成する改質器
66、燃料ガス中の一酸化炭素(CO)濃度を低減する
CO低減部67、電気化学反応により起電力を得る燃料
電池60Aを主な構成要素とする。これらの各部の動作
は、制御ユニット70により制御される。
【0026】燃料電池60Aは、固体高分子電解質型の
燃料電池であり、電解質膜、カソード、アノード、およ
びセパレータとから構成されるセルを複数積層して構成
されている。電解質膜は、例えばフッ素系樹脂などの固
体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換
膜である。カソードおよびアノードは、共に炭素繊維を
織成したカーボンクロスにより形成されている。セパレ
ータは、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カ
ーボンなどガス不透過の導電性部材により形成されてい
る。カソードおよびアノードとの間に燃料ガスおよび酸
化ガスの流路を形成する。
【0027】燃料電池システム60の各構成要素は次の
通り接続されている。メタノールタンク61は配管で蒸
発器65に接続されている。配管の途中に設けられたポ
ンプP2は、流量を調整しつつ、原燃料であるメタノー
ルを蒸発器65に供給する。水タンク62も同様に配管
で蒸発器65に接続されている。配管の途中に設けられ
たポンプP3は、流量を調整しつつ、水を蒸発器65に
供給する。メタノールの配管と、水の配管とは、それぞ
れポンプP2,P3の下流側で一つの配管に合流し、蒸
発器65に接続される。
【0028】蒸発器65は、供給されたメタノールと水
とを気化させる。蒸発器65には、バーナ63と圧縮機
64とが併設されている。蒸発器65は、バーナ63か
ら供給される燃焼ガスによってメタノールと水とを沸
騰、気化させる。バーナ63の燃料は、メタノールであ
る。メタノールタンク61は、蒸発器65に加えてバー
ナ63にも配管で接続されている。メタノールは、この
配管の途中に設けられたポンプP1により、バーナ63
に供給される。バーナ63には、また、燃料電池60A
での電気化学反応で消費されずに残った燃料排ガスも供
給される。バーナ63は、メタノールと燃料排ガスのう
ち、後者を主として燃焼させる。バーナ63の燃焼温度
はセンサT1の出力に基づいて制御されており、約80
0℃から1000℃に保たれる。バーナ63の燃焼ガス
は、蒸発器65に移送される際にタービンを回転させ、
圧縮機64を駆動する。圧縮機64は、燃料電池システ
ム60の外部から空気を取り込んでこれを圧縮し、この
圧縮空気を燃料電池60Aの陽極側に供給する。
【0029】蒸発器65と改質器66とは配管で接続さ
れている。蒸発器65で得られた原燃料ガス、即ちメタ
ノールと水蒸気の混合ガスは、改質器66に搬送され
る。改質器66は、供給されたメタノールと水とからな
る原燃料ガスを改質して水素リッチな燃料ガスを生成す
る。なお、蒸発器65から改質器66への搬送配管の途
中には、温度センサT2が設けられており、この温度が
通常約250℃の所定値になるようにバーナ63に供給
するメタノール量が制御される。なお、改質器66にお
ける改質反応では酸素が関与する。この改質反応に必要
な酸素を供給するために、改質器66には外部から空気
を供給するためのブロワ68が併設されている。
【0030】改質器66とCO低減部67とは配管で接
続されている。改質器66で得られた水素リッチな燃料
ガスは、CO低減部67に供給される。改質器66での
反応課程において、通常は燃料ガスに一酸化炭素(C
O)が一定量含まれる。CO低減部67は、この燃料ガ
ス中の一酸化炭素濃度を低減させる。固体高分子型の燃
料電池では、燃料ガス中に含まれる一酸化炭素が、アノ
ードにおける反応を阻害して燃料電池の性能を低下させ
てしまうからである。CO低減部67は、燃料ガス中の
一酸化炭素を二酸化炭素へと酸化することにより、一酸
化炭素濃度を低減させる。
【0031】CO低減部67と燃料電池60Aのアノー
ドとは配管で接続されている。一酸化炭素濃度が下げら
れた燃料ガスは、燃料電池60Aの陰極側における電池
反応に供される。また、燃料電池60Aのカソード側に
は圧縮された空気を送り込むための配管が接続されてい
る。この空気は、酸化ガスとして燃料電池60Aの陽極
側における電池反応に供される。
【0032】以上の構成を有する燃料電池システム60
は、メタノールと水を用いた化学反応によって電力を供
給することができる。本実施例では、メタノールタンク
61,水タンク62内のメタノールおよび水の残量に応
じて、燃料電池の運転状態を制御する。かかる制御を実
現するため、それぞれのタンクには、容量センサ61
a、62aが設けられている。なお、本実施例では、メ
タノールおよび水を用いる燃料電池システム60を搭載
しているが、燃料電池システム60は、これに限定され
るものではなく、種々の構成を適用することができる。
なお、以下の説明では燃料電池システム60をまとめて
燃料電池60と称するものとする。
【0033】図1に戻って説明を続ける。トルクコンバ
ータ30は、流体を利用した周知の動力伝達機構であ
る。トルクコンバータ30の入力軸、即ちモータ20の
出力軸13と、トルクコンバータ30の出力軸14とは
機械的に結合されてはおらず、互いに滑りをもった状態
で回転可能である。両者の末端には、それぞれ複数のブ
レードを有するタービンが備えられており、モータ20
の出力軸13のタービンとトルクコンバータ30の出力
軸14のタービンとが互いに対向する状態でトルクコン
バータ内部に組み付けられている。トルクコンバータ3
0は密閉構造をなしており、中にはトランスミッション
・オイルが封入されている。このオイルが前述のタービ
ンにそれぞれ作用することで、一方の回転軸から他方の
回転軸に動力を伝達することができる。しかも、両者は
すべりをもった状態で回転可能であるから、一方の回転
軸から入力された動力を、回転数およびトルクの異なる
回転状態に変換して他方の回転軸に伝達することができ
る。トルクコンバータ30には、両回転軸の滑りが生じ
ないよう、所定の条件下で両者を結合するロックアップ
クラッチも設けられている。ロックアップクラッチのオ
ン・オフは制御ユニット70により制御される。
【0034】変速機100は、内部に複数のギヤ、クラ
ッチ、ワンウェイクラッチ、ブレーキ等を備え、変速比
を切り替えることによってトルクコンバータ30の出力
軸14のトルクおよび回転数を変換して出力軸15に伝
達可能な機構である。図3は変速機100の内部構造を
示す説明図である。本実施例の変速機100は、大きく
は副変速部110(図中の破線より左側の部分)と主変
速部120(図中の破線より右側の部分)とから構成さ
れており、図示する構造により前進5段、後進1段の変
速段を実現することができる。
【0035】変速機100の構成について回転軸14側
から順に説明する。図示する通り、回転軸14から入力
された動力は、オーバードライブ部として構成された副
変速部110によって所定の変速比で変速されて回転軸
119に伝達される。副変速部110は、シングルピニ
オン型の第1のプラネタリギヤ112を中心に、クラッ
チC0と、ワンウェイクラッチF0と、ブレーキB0に
より構成される。第1のプラネタリギヤ112は、遊星
歯車とも呼ばれるギヤであり、中心で回転するサンギヤ
114、サンギヤの周りで自転しながら公転するプラネ
タリピニオンギヤ115、更にプラネタリピニオンギヤ
の外周で回転するリングギヤ118の3種類のギヤから
構成されている。プラネタリピニオンギヤ115は、プ
ラネタリキャリア116と呼ばれる回転部に軸支されて
いる。
【0036】一般にプラネタリギヤは、上述の3つのギ
ヤのうち2つのギヤの回転状態が決定されると残余の一
つのギヤの回転状態が決定される性質を有している。プ
ラネタリギヤの各ギヤの回転状態は、機構学上周知の計
算式(1)によって与えられる。 Ns=(1+ρ)/ρ×Nc−Nr/ρ; Nc=ρ/(1+ρ)×Ns+Nr/(1+ρ); Nr=(1+ρ)Nc−ρNs; Ts=Tc×ρ/(1+ρ)=ρTr; Tr=Tc/(1+ρ); ρ=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数 …(1);
【0037】ここで、Nsはサンギヤの回転数;Tsは
サンギヤのトルク;Ncはプラネタリキャリアの回転
数;Tcはプラネタリキャリアのトルク;Nrはリング
ギヤの回転数;Trはリングギヤのトルク;である。
【0038】副変速部110では、変速機100の入力
軸に相当する回転軸14がプラネタリキャリア116に
結合されている。またこのプラネタリキャリア116と
サンギヤ114との間にワンウェイクラッチF0とクラ
ッチC0とが並列に配置されている。ワンウェイクラッ
チF0はサンギヤ114がプラネタリキャリア116に
対して相対的に正回転、即ち変速機への入力軸14と同
方向に回転する場合に係合する方向に設けられている。
サンギヤ114には、その回転を制止可能な多板ブレー
キB0が設けられている。副変速部110の出力に相当
するリングギヤ118は回転軸119に結合されてい
る。回転軸119は、主変速部120の入力軸に相当す
る。
【0039】かかる構成を有する副変速部110は、ク
ラッチC0又はワンウェイクラッチF0が係合した状態
ではプラネタリキャリア116とサンギヤ114とが一
体的に回転する。先に示した式(1)に照らせば、サン
ギヤ114とプラネタリキャリア116の回転数が等し
い場合には、リングギヤ118の回転数もこれらと等し
くなるからである。このとき、回転軸119は入力軸1
4と同じ回転数となる。またブレーキB0を係合させて
サンギヤ114の回転を止めた場合、先に示した式
(1)においてサンギヤ114の回転数Nsに値0を代
入すれば明らかな通り、リングギヤ118の回転数Nr
はプラネタリキャリア116の回転数Ncよりも高くな
る。即ち、回転軸14の回転は増速されて回転軸119
に伝達される。このように副変速部110は、回転軸1
4から入力された動力を、そのままの状態で回転軸11
9に伝える役割と、増速して伝える役割とを選択的に果
たすことができる。
【0040】次に、主変速部120の構成を説明する。
主変速部120は三組のプラネタリギヤ130,14
0,150を備えている。また、クラッチC1,C2、
ワンウェイクラッチF1,F2およびブレーキB1〜B
4を備えている。各プラネタリギヤは、副変速部110
に備えられた第1のプラネタリギヤ112と同様、サン
ギヤ、プラネタリキャリアおよびプラネタリピニオンギ
ヤ、並びにリングギヤから構成されている。三組のプラ
ネタリギヤ130,140,150は次の通り結合され
ている。
【0041】第2のプラネタリギヤ130のサンギヤ1
32と第3のプラネタリギヤ140のサンギヤ142と
は互いに一体的に結合されており、これらはクラッチC
2を介して入力軸119に結合可能となっている。これ
らのサンギヤ132,142が結合された回転軸には、
その回転を制止するためのブレーキB1が設けられてい
る。また、該回転軸が逆転する際に係合する方向にワン
ウェイクラッチF1が設けられている。さらにこのワン
ウェイクラッチF1の回転を制止するためのブレーキB
2が設けられている。
【0042】第2のプラネタリギヤ130のプラネタリ
キャリア134には、その回転を制止可能なブレーキB
3が設けられている。第2のプラネタリギヤ130のリ
ングギヤ136は、第3のプラネタリギヤ140のプラ
ネタリキャリア144および第4のプラネタリギヤ15
0のプラネタリキャリア154と一体的に結合されてい
る。更に、これら三者は変速機100の出力軸15に結
合されている。
【0043】第3のプラネタリギヤ140のリングギヤ
146は、第4のプラネタリギヤ150のサンギヤ15
2に結合されるとともに、回転軸122に結合されてい
る。回転軸122はクラッチC1を介して主変速部12
0の入力軸119に結合可能となっている。第4のプラ
ネタリギヤ150のリングギヤ156には、その回転を
制止するためのブレーキB4と、リングギヤ156が逆
転する際に係合する方向にワンウェイクラッチF2とが
設けられている。
【0044】変速機100に設けられた上述のクラッチ
C0〜C2およびブレーキB0〜B4は、それぞれ油圧
によって係合および解放する。図1中に示す通り、変速
機1100には電動式の油圧ポンプ102から、これら
のクラッチおよびブレーキを作動させるための作動油が
供給されている。詳細な図示は省略したが、変速機10
0には作動を可能とする油圧配管および油圧を制御する
ためのソレノイドバルブ等が設けられた油圧制御部10
4により、油圧を制御することができる。本実施例のハ
イブリッド車両では、制御ユニット70が油圧制御部1
04内のソレノイドバルブ等に制御信号を出力すること
によって、各クラッチおよびブレーキの作動を制御す
る。
【0045】本実施例の変速機100は、クラッチC0
〜C2およびブレーキB0〜B4の係合および解放の組
み合わせによって、前進5段・後進1段の変速段を設定す
ることができる。また、いわゆるパーキングおよびニュ
ートラルの状態も実現することができる。図4は各クラ
ッチ、ブレーキ、およびワンウェイクラッチの係合状態
と変速段との関係を示す説明図である。この図におい
て、○印はクラッチ等が係合した状態であることを意味
し、◎は動力源ブレーキ時に係合することを意味し、△
印は係合するものの動力伝達に閑係しないことを意味し
ている。動力源ブレーキとは、エンジン10およびモー
タ20による制動をいう。なお、ワンウェイクラッチF
0〜F2の係合状態は、制御ユニット70の制御信号に
基づくものではなく、各ギヤの回転方向に基づくもので
ある。
【0046】図4に示す通り、パーキング(P)および
ニュートラル(N)の場合には、クラッチC0およびワ
ンウェイクラッチF0が係合する。クラッチC2および
クラッチC1の双方が解放状態であるから、主変速部1
20の入力軸119から下流には動力の伝達がなされな
い。
【0047】第1速(1st)の場合には、クラッチC
0,C1およびワンウェイクラッチF0,F2が係合す
る。また、エンジンブレーキをかける場合には、さらに
ブレーキB4が係合する。この状態では、変速機100
の入力軸14は第4のプラネタリギヤ150のサンギヤ
152に直結された状態に等しくなり、動力は第4のプ
ラネタリギヤ150の変速比に応じた変速比で出力軸1
5に伝達される。リングギヤ156は、ワンウェイクラ
ッチF2の作用により逆転しないように拘束され、事実
上回転数は値0となる。
【0048】第2速(2nd)の場合には、クラッチC
1、ブレーキB3、ワンウェイクラッチF0が係合す
る。また、エンジンブレーキをかける場合には、さらに
クラッチC0が係合する。この状態では、変速機100
の入力軸14は第4のプラネタリギヤ150のサンギヤ
152および第3のプラネタリギヤ140のリングギヤ
146に直結された状態に等しい。一方、第2のプラネ
タリギヤ130のプラネタリキャリア134は固定され
た状態となる。第2のプラネタリギヤ130および第3
のプラネタリギヤ140について見れば、両者のサンギ
ヤ132、142の回転数は等しい。また、リングギヤ
136とプラネタリキャリア144の回転数は等しい。
これらの条件下で、先に説明した式(1)に照らせば、
プラネタリギヤ130、140の回転状態は一義的に決
定される。出力軸15の回転数Noutは第1速(1s
t)の回転数よりも高くなり、トルクToutは第1速
(1st)のトルクよりも低くなる。
【0049】第3速(3rd)の場合には、クラッチC
0,C1、ブレーキB2、ワンウェイクラッチF0,F
1が係合する。また、エンジンブレーキをかける場合に
は、さらにブレーキB1が係合する。この状態では、変
速機100の入力軸14は第4のプラネタリギヤ150
のサンギヤ152および第3のプラネタリギヤ140の
リングギヤ146に直結された状態に等しい。一方、第
2および第3のプラネタリギヤ130、140のサンギ
ヤ132、142はブレーキB2およびワンウェイクラ
ッチF1の作用により逆転が禁止された状態となり、事
実上回転数は値0となる。かかる条件下で、第2速(2
nd)の場合と同様、先に説明した式(1)に照らせ
ば、プラネタリギヤ130、140の回転状態は一義的
に決定され、出力軸15の回転数も一義的に決定され
る。出力軸15の回転数Noutは第2速(2nd)の
回転数よりも高くなり、トルクToutは第2速(2n
d)のトルクよりも低くなる。
【0050】第4速(4th)の場合には、クラッチC
0〜C2およびワンウェイクラッチF0が係合する。ブ
レーキB2も同時に係合するが、動力の伝達には無関係
である。この状態では、クラッチC1,C2が同時に係
合するため、入力軸14は第2のプラネタリギヤ130
のサンギヤ132、第3のプラネタリギヤ140のサン
ギヤ142およびリングギヤ146、第4のプラネタリ
ギヤ150のサンギヤ152に直結された状態となる。
この結果、第3のプラネタリギヤ140は入力軸14と
同じ回転数で一体的に回転する。従って、出力軸15も
入力軸14と同じ回転数で一体的に回転する。従って第
4速(4th)では、出力軸15は第3速(3rd)よ
りも高い回転数で回転する。出力軸15の回転数Nou
tは第3速(3rd)の回転数よりも高くなり、トルク
Toutは第3速(3rd)のトルクよりも低くなる。
【0051】第5速(5th)の場合には、クラッチC
1、C2、ブレーキB0が係合する。ブレーキB2も係
合するが、動力の伝達には無関係である。この状態で
は、クラッチC0が解放されるため、副変速部110で
回転数が増速される。つまり、変速機100の入力軸1
4の回転数は、増速されて主変速部120の入力軸11
9に伝達される。一方、クラッチC1,C2が同時に係
合するため、第4速(4th)の場合と同様、入力軸1
19と出力軸15とは同じ回転数で回転する。先に説明
した式(1)に照らせば、副変速部110の入力軸14
と出力軸119の回転数、トルクの関係を求めることが
でき、出力軸15の回転数、トルクを求めることができ
る。出力軸15の回転数Noutは第4速(4th)の
回転数よりも高くなり、トルクToutは第4速(4t
h)のトルクよりも低くなる。
【0052】リバース(R)の場合には、クラッチC
2、ブレーキB0、B4が係合する。このとき、入力軸
14の回転数は副変速部110で増速された上で、第2
のプラネタリギヤ130のサンギヤ132、第3のプラ
ネタリギヤ140のサンギヤ142に直結された状態と
なる。既に説明した通り、リングギヤ136、プラネタ
リキャリア144、154の回転数は等しくなる。リン
グギヤ146とサンギヤ152の回転数も等しくなる。
また、第4のプラネタリギヤ150のリングギヤ156
の回転数はブレーキB4の作用により値0となる。これ
らの条件下で先に説明した式(1)に照らせば、プラネ
タリギヤ130、140、150の回転状態は一義的に
決定される。このとき出力軸15は負の方向に回転し、
後進が可能となる。
【0053】以上で説明した通り、本実施例の変速機1
00は、前進5段、後進1段の変速を実現することがで
きる。入力軸14から入力された動力は、回転数および
トルクの異なる動力として出力軸15から出力される。
出力される動力は、第1速(1st)から第5速(5t
h)の順に回転数が上昇し、トルクが低減する。これは
入力軸14に負のトルク、即ち制動力が付加されている
場合も同様である。入力軸14にエンジン10およびモ
ータ20により、一定の制動力が付加された場合、第1
速(1st)から第5速(5th)の順に出力軸15に
付加される制動力は低減する。なお、変速機100とし
ては、本実施例で適用した構成の他、周知の種々の構成
を適用可能である。変速段が前進5速よりも少ないもの
および多いもののいずれも適用可能である。
【0054】変速機100の変速段は、制御ユニット7
0が車速等に応じて設定する。運転者は、車内に備えら
れたシフトレバーを手動で操作し、シフトポジションを
選択することによって、使用される変速段の範囲を変更
することが可能である。図5は本実施例のハイブリッド
車両におけるシフトポジションの操作部160を示す説
明図である。この操作部160は車内の運転席横のフロ
アに車両の前後方向に沿って備えられている。
【0055】図示する通り、操作部としてシフトレバー
162が備えられている。運転者はシフトレバー162
を前後方向にスライドすることにより種々のシフトポジ
ションを選択することができる。シフトポジションは、
前方からパーキング(P)、リバース(R)、ニュート
ラル(N)、ドライブポジション(D)、4ポジション
(4)、3ポジション(3)、2ポジション(2)およ
びローポジション(L)の順に配列されている。
【0056】パーキング(P)、リバース(R)、ニュ
ートラル(N)は、それぞれ図4で示した係合状態に対
応する。ドライブポジション(D)は、図4に示した第
1速(1st)から第5速(5th)までを使用して走
行するモードの選択を意味する。以下、4ポジション
(4)は第4速(4th)まで、3ポジション(3)は
第3速(3rd)まで、2ポジション(2)は第2速
(2nd)までおよびローポジション(L)は第1速
(1st)のみを使用して走行するモードの選択を意味
する。
【0057】操作部160には、この他、スポーツモー
ドスイッチ163が設けられている。スポーツモードス
イッチ163は、頻繁に加減速を行なう場合などに運転
者により操作される。通常、変速機100の変速段は車
速とアクセル開度に応じて設定されたマップに従って切
り替えられる。スポーツモードスイッチ163がオンに
なっている場合は、全体に低速段側の変速段が使用され
るようにマップが変更される。
【0058】なお、シフトポジションの選択および目標
減速度の設定を行なうための操作部は、本実施例で示し
た構成(図5)以外にも種々の構成を適用することが可
能である。また、スポーツモードスイッチ163に代え
て、またはスポーツモードスイッチ163とともに運転
者が変速段をマニュアルで切り替えられるモードを設け
るものとしてもよい。変速段をマニュアルで切り替える
モードを設けた場合、シフトレバー162で変速段を切
り替えるものとしてもよいし、これとは別の操作部を設
けるものとしてもよい。後者としては、例えば、ステア
リング部に変速段をアップ・ダウンするためのスイッチ
を設ける構成が挙げられる。
【0059】スポーツモードが選択された場合には、車
内の計器板に表示される。図6は本実施例におけるハイ
ブリッド車両の計器板を示す説明図である。この計器板
は、通常の車両と同様、運転者の正面に設置されてい
る。計器板には、運転者から見て左側にガソリンの燃料
計202、燃料電池用の燃料計203、速度計204が
設けられており、右側にエンジン水温計208、エンジ
ン回転計206が設けられている。燃料電池用の燃料計
203は、図示する通り、メタノールの残量と、改質に
用いられる水の残量とを左右の指針でそれぞれ示すよう
に構成されている。中央部にはシフトポジションを表示
するシフトポジションインジケータ220が設けられて
おり、その左右に方向指示器インジケータ210L、2
10Rが設けられている。また、スポーツモードインジ
ケータ222がシフトポジションインジケータ220の
上方に設けられている。スポーツモードインジケータ2
22は、スポーツモードスイッチ163がオンになって
いる場合に点灯する。
【0060】本実施例のハイブリッド車両では、エンジ
ン10などの動力源から出力される動力は、補機の駆動
にも用いられる。図1に示す通り、エンジン10には補
機駆動装置82が結合されている。補機には、エアコン
のコンプレッサやヘッドライト、ワイパー、パワーステ
アリング用のポンプ、ナビゲーションシステム等が含ま
れる。ここでは、エンジン10の動力を利用して駆動さ
れる補機類をまとめて補機駆動装置82として示した。
補機駆動装置82は、具体的にはエンジン10のクラン
クシャフトにプーリやベルトを介して結合されており、
クランクシャフトの回転動力によって駆動される。
【0061】補機駆動装置82には、また、補機駆動用
モータ80も結合されている。補機駆動用モータ80
は、切替スイッチ83を介して燃料電池60およびバッ
テリ50に接続されており、この切替スイッチ83の動
作は、制御ユニット70により制御される。補機駆動用
モータ80は、モータ20と同様の構成を有しており、
エンジン10の動力によって運転され、発電を行なうこ
とができる。補機駆動用モータ80で発電された電力は
バッテリ50に充電することができる。また、補機駆動
用モータ80は、バッテリ50および燃料電池60から
電力の供給を受けて力行することもできる。
【0062】本実施例のハイブリッド車両は、後述する
通り、所定の条件下では、エンジン10の運転が停止さ
れる。補機駆動用モータ80を力行すれば、エンジン1
0が停止している時でも補機駆動装置82を駆動するこ
とができる。もちろん、エンジン10が停止している場
合に、入力クラッチ18をオンにして、モータ20の動
力で補機駆動装置82を駆動するものとしてもよい。
【0063】本実施例のハイブリッド車両では、エンジ
ン10、モータ20、トルクコンバータ30、変速機1
00、補機駆動用モータ80等の運転を制御ユニット7
0が制御している(図1参照)。制御ユニット70は、
内部にCPU、RAM,ROM等を備えるワンチップ・
マイクロコンピュータであり、ROMに記録されたプロ
グラムに従い、CPUが後述する種々の制御処理を行な
う。制御ユニット70には、かかる制御を実現するため
に種々の入出力信号が接続されている。図7は制御ユニ
ット70に対する入出力信号の結線を示す説明図であ
る。図中の左側に制御ユニット70に入力される信号を
示し、右側に制御ユニット70から出力される信号を示
す。
【0064】制御ユニット70に入力される信号は、種
々のスイッチおよびセンサからの信号である。かかる信
号には、例えば、燃料電池用の燃料残量、燃料電池温
度、エンジン10の回転数、エンジン10の水温、イグ
ニッションスイッチ、バッテリ残容量SOC、バッテリ
温度、車速、トルクコンバータ30の油温、シフトポジ
ション、サイドブレーキのオン・オフ、フットブレーキ
の踏み込み量、エンジン10の排気を浄化する触媒の温
度、アクセル開度、スポーツモードスイッチ163のオ
ン・オフ、ヘッドライトのオン・オフ、エアコンのオン
・オフや設定温度等、デフォッガのオン・オフ、車両の
加速度センサ、車内温度センサ、外気温センサ、ジャイ
ロや時刻,気象,渋滞状況等に関する各種のナビゲーシ
ョン情報などがある。制御ユニット70には、その他に
も多くの信号が入力されているが、ここでは図示を省略
した。
【0065】制御ユニット70から出力される信号は、
エンジン10,モータ20,トルクコバータ30,変速
機100等を制御するための信号である。かかる信号に
は、例えば、エンジン10の点火時期を制御する点火信
号、燃料噴射を制御する燃料噴射信号、補機駆動用モー
タ80の運転を制御する補機駆動用モータ制御信号、モ
ータ20の運転を制御するモータ制御信号、変速機10
0の変速段を切り替える変速機制御信号、変速機100
の油圧を制御するためのATソレノイド信号およびAT
ライン圧コントロールソレノイド信号、エンジン10か
らモータ20側への動力の伝達をオン・オフする入力ク
ラッチを制御する入力クラッチコントロールソレノイ
ド、トルクコンバータ30のロックアップを行なうため
のATロックアップコントロールソレノイド、モータ2
0の電源の切替スイッチ84の制御信号、補機駆動用モ
ータ80の電源の切替スイッチ83の制御信号、燃料電
池システム60の制御信号、バッテリ50の制御信号、
スポーツモードインジケータ222の表示の制御信号な
どがある。制御ユニット70からは、その他にも多くの
信号が出力されているが、ここでは図示を省略した。
【0066】(2)一般的動作:次に、本実施例のハイ
ブリッド車両の一般的動作について説明する。先に図1
で説明した通り、本実施例のハイブリッド車両は動力源
としてエンジン10とモータ20とを備える。制御ユニ
ット70は、車両の走行状態、即ち車速およびトルクに
応じて両者を使い分けて走行する。両者の使い分けは予
めマップとして設定され、制御ユニット70内のROM
に記憶されている。
【0067】図8は車両の走行状態と動力源との関係を
示す説明図である。図中の領域MGはモータ20を動力
源として走行する領域である。領域MGの外側の領域
は、エンジン10を動力源として走行する領域である。
以下、前者をEV走行と呼び、後者をエンジン走行と呼
ぶものとする。図1の構成によれば、エンジン10とモ
ータ20の双方を動力源として走行することも可能では
あるが、本実施例では、かかる走行領域は設けていな
い。
【0068】図示する通り、本実施例のハイブリッド車
両は、まずEV走行で発進する。かかる領域では、入力
クラッチ18をオフにして走行する。EV走行により発
進した車両が図8のマップにおける領域MGと領域EG
の境界近傍の走行状態に達した時点で、制御ユニット7
0は、入力クラッチ18をオンにするとともに、エンジ
ン10を始動する。入力クラッチ18をオンにすると、
エンジン10はモータ20により回転させられる。制御
ユニット70は、エンジン10の回転数が所定値まで増
加したタイミングで燃料を噴射し点火する。また、VV
T機構を制御して、吸気バルブおよび排気バルブの開閉
タイミングをエンジン10の運転に適したタイミングに
変更する。
【0069】こうしてエンジン10が始動して以後、領
域EG内ではエンジン10のみを動力源として走行す
る。かかる領域での走行が開始されると、制御ユニット
70は駆動回路51,52のトランジスタを全てシャッ
トダウンする。この結果、モータ20は単に空回りした
状態となる。
【0070】制御ユニット70は、このように車両の走
行状態に応じて動力源を切り替える制御を行なうととも
に、変速機100の変速段を切り替える処理も行なう。
変速段の切り替えは動力源の切り替えと同様、車両の走
行状態に予め設定されたマップに基づいてなされる。マ
ップは、シフトポジションによっても相違する。図8に
はDポジション、4ポジション、3ポジションに相当す
るマップを示した。このマップに示す通り、制御ユニッ
ト70は、車速が増すにつれて変速比が小さくなるよう
に変速段の切り替えを実行する。
【0071】ドライブポジション(D)では、図8に示
す通り、第5速(5th)までの変速段を用いて走行す
る。4ポジションでは、このマップにおいて、第4速
(4th)までの変速段を用いて走行する。4ポジショ
ンでは、図8における5thの領域であっても第4速
(4th)が使用される。同様に3ポジションの場合に
は、図8のマップにおいて、第3速(3rd)までの変
速段を用いて走行する。
【0072】2ポジション、Lポジションでは、マップ
を各シフトポジションに固有のものに変更して変速段の
制御を行なう。図9は2ポジションにおける変速段の切
り替えの様子を示す説明図である。2ポジションでは、
第1速および第2速の変速段が使用される。2ポジショ
ンのマップ(図9)において、第1速と第2速の切り替
えを行う境界は、Dポジションのマップ(図8)と同じ
である。2ポジションでは、Dポジションに比較して領
域MGの範囲が相違する。
【0073】2ポジションでは、第3速が使用されない
ため、領域MGについて、Dポジションのマップ(図
8)中の第3速を使用する領域(ハッチングを付した部
分)を領域MGから除外する設定とすることも可能であ
る。本実施例では、かかる領域よりも広い範囲で2ポジ
ションにおける領域MGを設定した。図9中の破線は、
Dポジションのマップとの対比のために示したものであ
り、Dポジションのマップ中の第2速と第3速との境界
に対応する曲線である。このように領域MG中で第2速
に対応する領域を広げることにより、2ポジションにお
いても十分にモータ20を動力源として活用することが
でき、ハイブリッド車両の燃費を向上することができ
る。なお、第2速に対応する領域の設定に当たっては、
モータ20の定格を考慮して、広げた領域(図9中のハ
ッチングを付した領域)における走行感覚がDポジショ
ンにおける該当領域と大差ないよう設定することが望ま
しい。
【0074】図10はLポジションにおける変速段の切
り替えの様子を示す説明図である。Lポジションでは、
第1速のみが使用される。2ポジションにおけるマップ
の設定で説明したのと同様の理由により、Lポジション
では、2ポジションに比較して領域MGの範囲が相違す
る。Lポジションにおける領域MGは、2ポジションの
マップにおいて、領域MG中の第1速に対応する領域よ
りも広い範囲に設定されている。図11はRポジション
における変速段の切り替えの様子を示す説明図である。
Rポジションでは後進するため、領域MGの広さは前進
方向のシフトポジションにおけるマップとは個別に設定
した。
【0075】変速段の切り替えはこのマップによる切り
替えの他、運転者がアクセルペダルを急激に踏み込むこ
とにより一段変速比が高い側に変速段を移す、いわゆる
キックダウンと呼ばれる切り替えも行なわれる。また、
スポーツモードが選択されている場合には、変速比の低
い変速段を使用する領域をそれぞれ拡張して設定したマ
ップに基づいて変速が行われる。これらの切り替え制御
は、エンジンのみを動力源とし、自動変速装置を備えた
周知の車両と同様である。なお、変速段と車両の走行状
態との関係は、図8〜図11に示した他、変速機100
の変速比に応じて種々の設定が可能である。
【0076】なお、図8〜図11では、車両の走行状態
に応じてEV走行とエンジン走行とを使い分ける場合の
マップを示した。本実施例の制御ユニット70は、全て
の領域をエンジン走行で行なう場合のマップも備えてい
る。かかるマップは、図8〜図11において、EV走行
の領域(領域MG)を除いたものとなっている。EV走
行には電力が必要である。制御ユニット70は、バッテ
リ50および燃料電池システム60から電力を確保でき
る場合には、EV走行とエンジン走行とを使い分けて運
転を行なう。十分な電力を確保できない場合には、エン
ジン走行で運転する。EV走行で発進を開始した場合で
も、発進後に電力が十分確保できない状況に至った場合
には、車両の走行状態が領域MG内にあってもエンジン
走行に切り替えられる。かかる使い分けの制御について
は後述する。
【0077】次に、本実施例のハイブリッド車両の制動
について説明する。本実施例のハイブリッド車両は、ブ
レーキペダルを踏み込むことによって付加されるホイー
ルブレーキと、エンジン10およびモータ20からの負
荷トルクによる動力源ブレーキの2種類のブレーキによ
る制動が可能である。エンジン10を用いた制動は、い
わゆるエンジンブレーキである。モータ20の負荷トル
クによるブレーキは、いわゆる回生制動であり、ハイブ
リッド車両の運動エネルギをモータ20で電力として回
収することで制動力を得る方法である。回収された電力
はバッテリ50に充電される。動力源ブレーキによる制
動は、アクセルペダルの踏み込みを緩めた場合に行なわ
れる。ブレーキペダルを踏み込めば、車両には動力源ブ
レーキとホイールブレーキの総和からなる制動力が付加
される。
【0078】本実施例のハイブリッド車両は、制御ユニ
ット70が、エンジン10、モータ20等を制御するこ
とによって、上述した走行を可能としている。制御は、
車両の種々の運転モードごとに用意された所定の制御処
理を実行することにより、行なわれる。以下では、本実
施例のハイブリッド車両について、代表的な運転モード
に対し、それぞれ制御処理の内容を説明する。
【0079】(3)EV走行制御処理:図12はEV走
行制御処理ルーチンのフローチャートである。制御ユニ
ット70内のCPUが所定の時間間隔で周期的に実行す
る処理である。この処理が開始されると、CPUは車両
の運転状態を入力する(ステップS10)。図7で示し
た種々のセンサからの入力がなされるが、特に、シフト
ポジション、車速、アクセル開度、バッテリ残容量SO
C、燃料電池用の残燃料量FCLが以後の処理に関与す
る。
【0080】次に、CPUは車両の運転状態がMG領域
に該当するか否かを判定する(ステップS20)。MG
領域は、図8〜図11に示した通り、シフトポジション
に応じて車速およびアクセル開度との関係で特定されて
いる。ステップS10で入力された諸量に基づいて、運
転状態がMG領域に該当するか否かを判定するのであ
る。運転状態がMG領域に該当しない場合には、EV走
行は実行しない。従って、かかる場合には、CPUは以
後の処理を行なわずにEV走行制御処理ルーチンを終了
する。
【0081】ステップS20において、運転状態がMG
領域に該当すると判断された場合には、CPUはバッテ
リ50と燃料電池60とを使い分けるための処理を行な
う。これら2つの電源の使い分けを行なうために、CP
Uは、まず基準値LO1を設定する処理を行ない(ステ
ップS25)、バッテリ50の残容量SOCがこの基準
値LO1以上であるか否かを判定する(ステップS3
0)。基準値LO1の値の設定については後でまとめて
説明する。
【0082】残容量SOCが基準値LO1以上である場
合には、バッテリ50の充電状態が高い(即ち、残容量
が大きい)ため、バッテリ50を電源として、モータ2
0を駆動する処理を行なう(ステップS50)。まず、
電源の切替スイッチ84を制御して、バッテリ50とモ
ータ20とを接続する。また、モータ20の運転の可否
を示すフラグをオンにするとともに、モータ20の目標
運転状態、即ち目標回転数と目標トルクとを特定する。
本実施例では、モータ20の運転自体は、別途用意され
たルーチンで実行するものとしているため、ここでは、
該ルーチンに受け渡すデータの設定を行なうのである。
目標回転数は、ステップS10で入力された車速に変速
機100の変速比およびディファレンシャルギヤの変速
比などを乗じることで特定される。目標トルクは、車速
とアクセル開度とに応じて予め設定されたマップによっ
て特定される。これらの目標運転状態が、別途用意され
た制御処理に受け渡されることにより、モータ20は該
目標運転状態で運転される。
【0083】モータ20の制御について詳しく説明する
前に、EV走行制御処理ルーチンの概要について簡単に
説明しておく。バッテリ50の残容量SOCが基準値L
O1よりも小さい場合には、更に燃料電池用の残燃料量
FCLが燃料基準値F1以上であるか否かを判断する
(ステップS40)。残燃料量FCLが値F1以上であ
る場合には、燃料電池60が電源として使用可能である
と判断し、CPUは燃料電池60を電源としてモータ2
0を駆動するための処理を行なう(ステップS60)。
その後、モータ20のみを動力源として走行するため、
エンジンの運転を停止する処理を行なう(ステップS7
0)。他方、燃料電池の残燃料量FCLが燃料基準値F
1よりも低いと判断した場合には(ステップS40)、
エンジンを動力源として走行する処理を行なう(ステッ
プS80)。これらの制御の詳細は、後述する。
【0084】エンジンを動力源とするなど、最終的な処
理(ステップS70または80)をお粉打った後は、ス
テップS10に戻って、上記の処理を繰り返し実行す
る。この結果、例えば、エンジンが動力源とされた後に
おいて、回生制動に基づくバッテリ50への充電が行な
われることにより、バッテリ50の残容量SOCが基準
値LO1よりも大きくなった場合には、EV走行の動力
源は、エンジンからバッテリ50を電源とするモータ2
0に切り換えられる。
【0085】モータ20を駆動する制御処理について説
明する。図13はモータ駆動制御ルーチンを示すフロー
チャートである。この処理が開始されると、CPUはモ
ータ20の駆動を許可する運転フラグがオンになってい
るか否かを判定する(ステップS1)。運転フラグがオ
ンでない場合には、モータ20を駆動すべきでないと判
断して、何も処理を行なうことなくモータ駆動制御ルー
チンを終了する。
【0086】モータ20の運転フラグがオンになってい
る場合には、次に、モータ20の目標運転状態、即ち目
標回転数および目標トルクを入力する(ステップS
2)。目標運転状態は、上述のEV走行制御処理などの
運転制御処理でそれぞれ設定されている。こうして入力
された目標運転状態に基づき、CPUはモータ20に印
加すべき電圧Vd、Vqを設定する(ステップS3)。
Vd,Vqとは、それぞれモータ20のd軸電圧、q軸
電圧を意味する。本実施例では、同期モータの制御方法
として周知の技術であるベクトル制御を適用する。ベク
トル制御では、ロータの回転とともに回転するd軸およ
びq軸方向の電圧がモータ20の出力トルクを制御する
本質的なパラメータとして扱われる。これらの電圧は、
目標回転数および目標トルクに応じて予め設定され、テ
ーブルとして記憶されている。CPUはステップS2で
入力された目標運転状態に基づき、このテーブルを参照
して、印加電圧Vd,Vqを設定するのである。
【0087】こうしてd軸方向、q軸方向の電圧を設定
すると、CPUはそれらの電圧をモータ20のU,V,
W相の各コイルに印加すべき電圧に変換する(ステップ
S4)。かかる変換は、2相/3相変換と呼ばれる。d
軸方向およびq軸方向の電圧値に、ロータの回転位置に
応じた周知のマトリックスを乗じることで変換すること
ができる。こうして設定された各相の電圧に基づき、C
PUはトランジスタをPWM制御する(ステップS
5)。即ち、各相に接続されたそれぞれのトランジスタ
のオン・オフの割合を電圧に応じて調整する制御を行な
う。以上の処理により、CPUはモータ20の運転を制
御することができる。
【0088】図12に戻り、EV走行制御処理について
再び説明する。MG領域内では、モータ20のみを動力
源として走行する。従って、上記処理によってモータ2
0が動力源として指定された場合は、エンジンの運転を
停止する(ステップS70)。ここでは、エンジンの運
転可否を特定するフラグをオフにする。実際には、別途
用意されたエンジンの運転の制御処理で、その運転が停
止される。エンジンの運転を停止した後は、ステップS
10に戻って、上記の処理を繰り返し実行する。
【0089】ステップS30において、バッテリ50の
残容量SOCが基準値LO1よりも小さい場合には、充
電状態が低いと判断し、バッテリ50の電力の使用を回
避する。従って、CPUは燃料電池60が電源として使
用可能であるか否かの判断を行なう。この判断として、
CPUは燃料電池用の残燃料量FCLが燃料基準値F1
以上であるか否かを判断する(ステップS40)。燃料
基準値F1の設定については後述する。残燃料量FCL
が値F1以上である場合には、燃料電池60が電源とし
て使用可能であると判断し、CPUは燃料電池60を電
源として、モータ20を駆動するための処理を行なう
(ステップS60)。
【0090】この処理では、まず、燃料電池60の電源
をオン状態とし、切替スイッチ84を制御して、燃料電
池60とモータ20とを接続する。これにより、燃料電
池60の電力をモータ20に供給することが可能とな
る。また、燃料電池60の電源がオン状態とされること
により、燃料電池60により生成された電力のバッテリ
50への充電が開始される。更に、ステップS60の処
理では、モータ20の目標運転状態を、ステップS50
において説明したと同様の方法で設定する。
【0091】上記のステップS60における処理の後、
モータ20のみを動力源として走行するため、エンジン
の運転を停止する処理を行なう(ステップS70)。エ
ンジンの運転を停止した後は、ステップS10に戻っ
て、上記の処理を繰り返し実行する。例えば、燃料電池
60が電源とされた後は、燃料電池60からバッテリ5
0への充電や回生制動に基づくバッテリ50への充電が
行なわれる。これらの充電により、バッテリ50の残容
量SOCが基準値LO1よりも大きくなった場合には、
モータ20を駆動する電源が燃料電池60からバッテリ
50に切り換えられる。
【0092】ステップS40において、燃料電池の残燃
料量FCLが燃料基準値F1よりも低い場合には、燃料
電池60を電源として使用しない。かかる場合には、使
用可能な電源が存在しないことになる。従って、CPU
はMG領域内であるとはいえ、モータ20を動力源とす
るEV走行を断念し、エンジンを動力源として走行する
処理を行なう(ステップS80)。つまり、モータ20
の運転可否を示すフラグをオフにするとともに、エンジ
ンの運転可否を示すフラグをオンにする。エンジンの目
標運転状態は、車速とアクセル開度によって設定され
る。
【0093】このようにエンジンを動力源とした後は、
ステップS10に戻って、上記の処理を繰り返し実行す
る。例えば、エンジンが動力源とされた後において、回
生制動に基づくバッテリ50への充電が行なわれること
により、バッテリ50の残容量SOCが基準値LO1よ
りも大きくなった場合には、EV走行の動力源は、エン
ジンからバッテリ50を電源とするモータ20に切り換
えられる。
【0094】上記のEV走行制御処理は、車両走行中に
繰り返し行なわれる。このため、バッテリ50を電源と
してEV走行を開始しても、その後の電力の消費によっ
てバッテリ50の充電状態が低くなった場合には、モー
タ20を駆動するための電源が、バッテリ50から燃料
電池60に切り換えられる。このような電源の切り換え
に際し、本実施例では、燃料電池60の特性を考慮し
て、バッテリ50と燃料電池60とを徐々に切り替える
制御を行なっている。
【0095】即ち、本実施例では、燃料電池60の動作
特性を考慮して、燃料電池60の電力が不足する分を補
償するようにバッテリ50を用い、燃料電池60から所
望の電力が出力されるようになった時点で完全に燃料電
池60を電源とするように切替スイッチ84を制御して
いる。かかる制御は、切替スイッチ84がバッテリ50
と燃料電池60にそれぞれ接続される時間を変更するこ
とで実現可能である。また、モータ20をバッテリ50
および燃料電池60の双方と常に接続された状態にし
て、各駆動回路51,52のスイッチングをそれぞれ制
御して、各電源から供給される電圧を徐々に変更するも
のとしてもよい。この結果、燃料電池60が化学電気反
応を利用しているため生じる制御上の遅れ、即ち発電の
指示を出してから実際に所望の電力が得られるまでに生
じる相当の時間遅れが存在しても、走行に必要な電力を
十分に得ることができる。
【0096】図14はEV走行制御処理における各動力
源および電源の出力の変化を示す説明図である。停車し
ている状態からEV走行が開始された場合を例にとっ
て、モータ出力、バッテリ出力、燃料電池出力およびエ
ンジン出力の時間変化を示した。時刻a0において、E
V走行が開始されるとする。また、この時点では、バッ
テリ50の残容量SOCが基準値LO1以上残っている
ものとする。かかる状態では、バッテリ50を電源とし
てEV走行が開始されるから、時刻a0以降で、モータ
出力およびバッテリ出力が所定の状態まで上昇する。燃
料電池およびエンジンは使用されないため、出力は値0
のままである。
【0097】時刻a1において、モータ出力は要求値に
達したものとする。この時点に達して以降もバッテリ5
0の残容量が十分に残っている場合を図中に実線で示し
た。モータ出力は要求値で一定となり、バッテリ出力も
一定値となる。燃料電池およびエンジンは使用されない
ため、値0を維持する。
【0098】一方、時刻a1に達した時点で、バッテリ
50の残容量が基準値LO1よりも低くなった場合を図
中に一転鎖線で示した。この場合には、バッテリ50か
ら燃料電池60に電源を切り替えてモータ20が駆動さ
れる。燃料電池60は時刻a1から運転が開始される
が、電力の立ち上がりは比較的遅く、十分な電力を出力
するのは時刻a2に至ってからである。先に説明した通
り、燃料電池が十分に電力を出力するようになるまでの
遅れ時間Td1では、電力の不足を補償するようにバッ
テリ50の電力が使用される。従って、図示する通り、
バッテリ50から出力される電力は時刻a1において直
ちに値0とされるのではなく、時刻a2までかけて漸減
される。時刻a2に至った後は、燃料電池のみを電源と
してモータ20が駆動されるので、バッテリ50からの
出力電力は、値0とされる。
【0099】時刻a4において燃料電池用の残燃料量が
燃料基準値F1よりも低くなったものとする。かかる状
態では、モータ20の駆動を停止し、エンジン走行に切
り替える。図示する通り、時刻a4からa5にかけてモ
ータ20の出力が低下するとともに、エンジンの出力が
増加する。なお、ここで示したのは、一例に過ぎず、モ
ータ20を動力源とするEV走行中にモータ出力が変動
する場合など、各出力は種々の態様で変化し得ることは
言うまでもない。
【0100】以上、本実施例における駆動力源の切り換
え制御について説明したが、車両においては実際には補
機と呼ばれる種々の負荷が存在する。例えば、エアコン
のコンプレッサ駆動用モータや、パワーステアリング用
油圧ポンプなどである。こうした補機を駆動するのにも
何らかのエネルギが必要となる。したがって、動力源の
切換は、実際には、補機の駆動も含めて考える必要があ
る。そこで、以下、補機駆動制御について説明する。
【0101】(4)補機駆動制御処理:図15は補機駆
動制御処理ルーチンのフローチャートである。図1に示
した通り、本実施例のハイブリッド車両は、エンジン1
0および補機駆動用モータ80の動力で補機駆動装置8
2を駆動することができる。補機駆動制御処理ルーチン
とは、補機駆動装置82を駆動する際の動力源および電
源の使い分けを制御する処理である。この処理も、制御
ユニット70内のCPUが所定の時間間隔で周期的に実
行する処理である。この処理が開始されると、CPU
は、補機を駆動させる旨の信号を入力するとともに(ス
テップS110)、バッテリ残容量SOC、燃料電池用
の残燃料量FCLの値を入力する(ステップS12
0)。
【0102】次に、基準値LO1を設定する処理を行な
い(ステップS125)、バッテリ50の残容量SOC
がこの基準値LO1以上であるか否かを判定する(ステ
ップS130)。基準値LO1は、前述したEV走行制
御処理ルーチンにおける値と同じである。この値の設定
については後述する。
【0103】残容量SOCが基準値LO1以上である場
合には、バッテリ50の充電状態が高いため、バッテリ
50を電源として、補機駆動用モータ80を駆動するた
めの処理を行なう(ステップS150)。まず、電源の
切替スイッチ83を制御して、バッテリ50と補機駆動
用モータ80とを接続する。また、補機駆動用モータ8
0の運転の可否を示すフラグをオンにするとともに、補
機駆動用モータ80の目標運転状態、即ち目標回転数と
目標トルクとを予め設定された値に特定する。本実施例
では、補機駆動用モータ80の運転自体は、別途用意さ
れたルーチンで実行するものとしているため、ここで
は、該ルーチンに受け渡すデータの設定を行なう。目標
回転数および目標トルクは、駆動すべき補機に応じて予
め設定されている。これらの目標運転状態が、別途用意
された制御処理に受け渡されることにより、補機駆動用
モータ80は該目標運転状態で運転される。補機駆動用
モータ80の制御処理は、モータ20について図13で
示した処理と同じである。
【0104】補機駆動用モータ80で補機駆動装置82
を駆動する場合には、エンジンの運転を停止する(ステ
ップS170)。ここでは、エンジンの運転可否を特定
するフラグをオフにする。実際には、別途用意されたエ
ンジンの運転の制御処理で、その運転が停止される。エ
ンジンの運転を停止した後は、ステップS110に戻っ
て、上記の処理を繰り返し実行する。なお、エンジン1
0の運転を停止する際には、次にエンジン10から車軸
に動力を出力する必要が生じた場合に備え、入力クラッ
チ18を結合する処理を行なう。
【0105】ステップS130において、バッテリ50
の残容量SOCが基準値LO1よりも小さい場合には、
充電状態が低いと判断し、バッテリ50の電力の使用を
回避する。従って、CPUは燃料電池60が電源として
使用可能であるか否かの判断を行なう。この判断とし
て、CPUは燃料電池用の残燃料量FCLが燃料基準値
F1以上であるか否かを判断する(ステップS14
0)。燃料基準値F1の設定については後述する。残燃
料量FCLが値F1以上である場合には、燃料電池60
が電源として使用可能であると判断し、CPUは燃料電
池60を電源として、補機駆動用モータ80を駆動する
ための処理を行なう(ステップS160)。
【0106】この処理では、まず、EV走行制御処理に
おいて燃料電池60の電源が未だオン状態とされていな
い場合に、燃料電池60の電源をオン状態とする。次
に、切替スイッチ83を制御して、燃料電池60と補機
駆動用モータ80とを接続する。これにより、燃料電池
60の電力を補機駆動用モータ80に供給し、補機駆動
用モータ80を駆動することが可能となる。補機駆動用
モータ80の駆動により発電された電力は、バッテリ5
0に充電される。また、燃料電池60の電源がオン状態
とされることにより、燃料電池60により生成された電
力のバッテリ50への充電が開始される。更に、ステッ
プS160の処理では、モータ20の目標運転状態を、
ステップS50において説明したと同様の方法で設定す
る。
【0107】上記のステップS60における処理の後、
エンジンの運転を停止する処理を行なう(ステップS1
70)。エンジンの運転を停止した後は、ステップS1
10に戻って、上記の処理を繰り返し実行する。例え
ば、燃料電池60が電源とされた後は、燃料電池60か
らバッテリ50への充電や回生制動に基づくバッテリ5
0への充電、補機駆動用モータ80の駆動によるバッテ
リ50への充電が行なわれる。これらの充電により、バ
ッテリ50の残容量SOCが基準値LO1よりも大きく
なった場合には、補機駆動用モータ80を駆動する電源
が燃料電池60からバッテリ50に切り換えられる。
【0108】ステップS140において、燃料電池の残
燃料量FCLが燃料基準値F1よりも低い場合には、燃
料電池60を電源として使用することを回避する。かか
る場合には、使用可能な電源が存在しないことになる。
従って、CPUはエンジンを動力源として補機駆動装置
82を駆動する処理を行なう(ステップS180)。つ
まり、補機駆動用モータ80の運転可否を示すフラグを
オフにするとともに、エンジンの運転可否を示すフラグ
をオンにするのである。
【0109】このようにエンジンを動力源とした後は、
ステップS10に戻って、上記の処理を繰り返し実行す
る。例えば、エンジンが動力源とされた後において、回
生制動に基づくバッテリ50への充電が行なわれること
により、バッテリ50の残容量SOCが基準値LO1よ
りも大きくなった場合には、補機駆動装置82の動力源
は、エンジン10からバッテリ50を電源とする補機駆
動用モータ80に切り換えられる。
【0110】上記の補機駆動制御処理は、車両走行中に
繰り返し行なわれる。このため、バッテリ50を電源と
してEV走行を開始しても、その後の電力の消費によっ
てバッテリ50の充電状態が低くなった場合には、補機
駆動用モータ80を駆動するための電源が、バッテリ5
0から燃料電池60に切り換えられる。このような電源
の切り換えを行なうステップS160の処理において
は、前述したEV走行制御処理におけるステップS60
の処理と同様に、燃料電池60の発電から所望の電力が
得られるまでの時間遅れを考慮した制御を行なう。即
ち、燃料電池60の電力が不足する分を補償するように
バッテリ50を用い、燃料電池60から所望の電力が出
力されるようになった時点で完全に燃料電池60を電源
とするように切替スイッチ83を制御し、バッテリ50
と燃料電池60とを徐々に切り替えるのである。
【0111】上述した2つの処理で用いられたF1(ス
テップS40、ステップS140)の設定について説明
する。燃料基準値F1はステップS40、ステップS1
40で説明した通り、燃料電池60を電源として使用す
るか否かの基準となる値である。燃料基準値F1につい
ては、値0以上の範囲で任意に設定可能である。値0に
設定すれば、燃料が残っている限り、燃料電池60を電
源として使用することになる。EV走行のみを考慮すれ
ば、値0として設定するのが運転効率および環境性の観
点から好ましい。一方、他の運転モードで燃料電池を使
用する必要性が生じる場合があることを考えれば、燃料
電池60を常時使用しない運転も必要になる。例えば、
パワーアシストモードで走行する場合には、車両の急加
速等のために高トルクが要求されるため、エンジン10
とともにモータ20を駆動し、エンジン10の出力を補
助する必要がある。したがって、本実施例では、上記の
ような運転モードを考慮し、本実施例では、燃料電池の
燃料の使用を抑制するものとし、燃料基準値F1を、E
V走行制御処理や補機駆動制御処理では、正の値に設定
している。換言すれば、所定以上の燃料が存在し、燃料
に比較的余裕がある場合にのみ燃料電池を電源とするこ
とにしているのである。
【0112】次に、上述した2つの処理で用いられた基
準値LO1(ステップS30、ステップS130)の設
定について説明する。基準値LO1は、ステップS3
0、ステップS130で説明した通り、バッテリ50を
電源として使用するか否かの基準となる値である。基準
値LO1の値については、値0以上の範囲で任意に設定
可能である。この基準値LO1の設定値と制御との関係
は次の通りである。
【0113】(1)バッテリ50の電力は一旦消費して
も走行中に再び充電することが可能であり、いわば双方
向性を有する。これに対し、燃料電池60による電力は
一方向性のものであり、一旦燃料を消費すると、外部か
らの燃料補給が必要となる。かかる観点からは、基準値
LO1はできるだけ小さな値に設定して、バッテリ50
に電力が残っている限りバッテリ50を電源として使用
し、燃料電池60の使用を可能な限り回避する制御を行
なうことが望ましい。
【0114】(2)但し、基準値LO1を値0に設定す
ると、バッテリ50から燃料電池60に電源を切り替え
た後、燃料電池60から十分な電力が出力されるまでの
間に、バッテリ50を過渡的に使用することができなく
なる可能性が存在する。従って、バッテリ50から燃料
電池60への電源の切り替えの際に、バッテリ50内
に、燃料電池60から十分な電力が出力されるまでに消
費される分の電力(以下、過渡期の電力という)を蓄え
ておく。
【0115】(3)また、エアコンのコンプレッサー等
の補機は、車両の走行中は勿論のこと、車両停止中にも
しばしば使用される。従って、過渡期の電力の量は、補
機の使用により消費される電力の量を考慮する。
【0116】上記(1)から(3)の点を考慮し、本実
施例では、バッテリ50を使用するか否かの判断の基準
となる基準値LO1の値を、以下の方法で設定した。図
16は、基準値LO1の設定方法について示す説明図で
ある。ここでは、判断基準値をCASE1〜CASE3
の3通りに設定した場合の状態をそれぞれ示した。CA
SE1は上述の基準値LO1を比較的高い値SOC1
(バッテリ総容量の約70%)に設定した場合に対応す
る。かかる場合には、SOC1に相当する残容量を残し
て燃料電池60の使用が開始されることになる。電源が
燃料電池60に完全に移行した後は、バッテリ50に
は、図中のハッチングで示す約70%の容量が残ってい
る。バッテリ50の残容量を高くしておけば、バッテリ
の電力を用いた走行を比較的長く行なうことができ、燃
料電池60を頻繁にオンオフする必要がない。
【0117】CASE2は、基準値LO1を中程度の値
SOC2(バッテリ総容量の約50%)に設定した場合
に対応する。かかる設定にすれば、回生電力を無駄なく
バッテリ50に回収することができる。CASE3は、
基準値LO1を低い値SOC3(バッテリ総容量の約3
0%)に設定した場合に対応する。かかる値SOC3
は、燃料電池60の使用開始を指示してから実際に燃料
電池60から必要な電力が出力されるまでに車両に要求
される通常の電力(過渡期の出力に要するSOC)以上
の値として設定されている。これら値に設定すれば、回
生電力を十分にバッテリ50に充電することができ、ハ
イブリッド車両の運動エネルギを効率的に活用すること
が可能となる。
【0118】一方、CASE2とCASE3とを比較す
れば、CASE2の方が、電源が早く燃料電池60に切
り替えられる。EV走行に要する総電力がCASE2と
CASE3で同じであるとすれば、CASE2の方が燃
料電池60を長時間使用することになり、燃料電池用の
燃料を多大に消費することになる。既に説明した通り、
燃料電池用の燃料は一旦消費すれば、外部からの供給を
受けない限り回復し得ない。従って、燃料電池の燃料消
費は抑制することが好ましい。
【0119】また、基準値LO1を極端に低くすれば、
燃料電池60に電源を切り替える過渡期においてバッテ
リ50で電力を補償することができなくなる。過渡期に
必要となる電力は、要求される電力によっても変動する
が、燃料電池60の特性に応じて概ね設定することがで
きる。本実施例では、これらの観点に基づき、CASE
3のように基準値LO1を設定した。即ち、平均的な車
両の走行状態や平均的な補機の使用状況等を想定した上
で、「過渡期の出力に要するバッテリ残容量SOC」を
決定し(図16に実線で示す)、基準値LO1の値を、
過渡期の出力に要するバッテリ残容量SOCに若干の余
裕を見込み、可能な限り低い値SOC3(バッテリ総容
量の約30%)に設定した。なお、後述するように、本
実施例のハイブリッド車両では、この基準値LO1の値
を車両の走行状態等に基づいて可変できる構成としてい
る。この構成を説明する便宜上、上記のように設定され
たバッテリ総容量の約30%という値を、以下、「基準
値LO1の初期値」と呼ぶ。
【0120】以上説明したEV走行制御処理および補機
駆動制御処理によれば、バッテリ50の充電量が高い場
合には、燃料電池60の残燃料量FCLの値に関わら
ず、バッテリ50を電源として優先的に使用し、車両の
走行や補機の駆動を行なう。また、双方の電源が共に使
用すべきでない状態にある場合には、エンジンを動力源
として、車両の走行や補機の駆動を行なう。この場合、
バッテリ50は、走行中や補機駆動中に充電され、やが
て消費前の状態に回復される。
【0121】このように、充電により回復可能な電源を
積極的に使用することにより、一過性の電源である燃料
電池の使用を抑制することができる。換言すれば、燃料
電池の使用が望まれる運転状態に備えて燃料を確保して
おくことができる。従って、上記処理によれば、幅広い
運転状態で、電源を適切に使用することができ、運転効
率および環境性に優れる動力源を十分に活用することが
可能となる。また、バッテリ50の電力を積極的に使用
することで、回生制動時に充電するための余裕を確保し
やすくなり、車両のエネルギ効率を向上することもでき
る。
【0122】(5)燃料電池発電制御処理:ところで、
バッテリ50に蓄えられた電力が消費される程度は、車
両の走行状態や補機の駆動状態によって異なる。例え
ば、車両の走行状態について言えば、車両が停止してい
る時は、車両が走行している時よりも電力の消費量が少
なくなる。また、アクセルの踏み込みにより加速された
状態とフットブレーキの踏み込みにより減速された状態
とを比較すると、後者の方が電力の消費量が少ない。
【0123】補機の駆動状態について言えば、エアコン
が停止している時は、エアコンが作動している時よりも
電力の消費量が少なくなる。また、同じ作動中でも、風
量の多い状態「強」の状態と風量の少ない状態「弱」の
状態とを比較すると、後者の方が電力の消費量が少な
い。更に、設定温度と現在の車室内温度との隔たりが大
きいほど、通常は電力の消費量は大きい。
【0124】本実施例のハイブリッド車両は、上記のよ
うな現在の車両の走行状態や補機の駆動状態等から以後
に消費される電力の量を予測し、この予測に基づいてバ
ッテリ50を電源として使用する基準値LO1の値を変
更した上で、燃料電池60の発電の要否を決定する。こ
の処理を、燃料電池発電処理として、以下に説明する。
【0125】図17は、燃料電池発電処理ルーチンAを
示すフローチャートである。この燃料電池発電処理ルー
チンAは、現在の車両の走行状態から将来の電力消費量
を予測し、予測された電力消費量に応じて基準値LO1
の値を変更する処理であり、制御ユニット70内のCP
Uが所定の時間間隔で周期的に起動する。本ルーチンが
起動されると、まず、車両の運転状態を入力し、この運
転状態から車両の走行状態を判定する処理(以下、車両
走行状態判定処理という)を行なう(ステップS20
0)。
【0126】車両走行状態判定処理の内容および手順
を、図18の車両走行状態判定処理ルーチンに示す。本
ルーチンでは、図18に示すように、まず、サイドブレ
ーキの状態を入力し、状態がオンか否かを判断する処理
を行なう(ステップS300、ステップS305)。サ
イドブレーキの状態がオンであると判断した場合には、
車両走行状態を「停止」と判定する(ステップS32
0)。サイドブレーキの状態がオンでないと判断した場
合には、シフトポジションの状態を入力し、状態がパー
キング(P)およびニュートラル(N)のいずれかであ
るか否かを判断する処理を行なう(ステップS310、
ステップS315)。シフトポジションの状態がパーキ
ング(P)およびニュートラル(N)のいずれかである
と判断した場合には、車両走行状態を「停止」と判定す
る(ステップS320)。
【0127】シフトポジションの状態がパーキング
(P)およびニュートラル(N)のいずれかであると判
断した場合には、車両は走行中であるとみなし、続い
て、フットブレーキの状態を入力し、踏み込まれている
状態か否かを判断する処理を行なう(ステップS33
0、ステップS335)。フットブレーキが踏み込まれ
ている状態であると判断した場合には、車両走行状態を
「減速」と判定する(ステップS340)。車両走行状
態が「停止」または「減速」と判定された場合には、車
両走行状態を本ルーチンを終了し、次の処理(燃料電池
発電処理ルーチンAのステップS205の処理)へ移行
する。
【0128】ステップS205において、車両が停止状
態でないと判断した場合には、車両の走行状態に応じた
基準値LO1の値を決定するためにマップJM1を参照
する処理を行なっている(ステップS210)。この処
理については、後でまとめて説明する。なお、車両が停
止状態である場合には、バッテリ残容量SOCについて
の判断を行なうことなく、燃料電池60の発電を禁止す
る処理を行ない(ステップS270)、本ルーチンを終
了する。
【0129】次に、基準値LO1の値を、判定マップJ
M1に基づいて決定された値に変更し(ステップS21
5)、バッテリ50の残容量SOCが基準値LO1以上
であるか否かを判定する処理を行なう(ステップS22
0)。残容量SOCが基準値LO1以上である場合に
は、バッテリ50の充電状態は、以後に発生する電力消
費量を勘案しても十分な状態であると判断し、燃料電池
60の発電を禁止する処理を行なう(ステップS28
0)。バッテリ50が十分に充電された状態であれば、
燃料電池60を発電することにより、これ以上バッテリ
50に充電する必要がないからである。この後、十分な
残容量SOCのバッテリ50を電源として、モータ20
を駆動する処理を行ない(ステップS290)、本ルー
チンを終了する。
【0130】ステップS220において、バッテリ50
の残容量SOCが基準値LO1よりも小さい場合には、
バッテリ50の充電状態は、以後に発生する電力消費量
を勘案すると不十分な状態であると判断し、バッテリ5
0に充電するための電源として燃料電池60が使用可能
であるか否かを判断する。具体的には、燃料電池用の残
燃料量FCLが燃料基準値F2以上であるか否かを判断
する処理を行なう(ステップS230)。
【0131】なお、燃料電池発電処理における燃料基準
値F2は、前述したEV走行制御処理や補機駆動制御処
理における燃料基準値F1よりも大きな値に設定されて
いる。これは、バッテリ50への充電は、回生制動や補
機駆動用モータ80の動力によっても可能であることを
考慮し、燃料電池60の電源を用いたバッテリ50への
充電を、抑制するためである。
【0132】燃料電池用の残燃料量FCLが燃料基準値
F2よりも小さい場合には、燃料電池60の電源を用い
たバッテリ50への充電は不可能であると判断し、エン
ジンの状態をオンにする処理を行ない(ステップS25
0)、本ルーチンを終了する。従って、モータ20や補
機駆動用モータ80は、エンジンの動力によって作動す
る。この作動により、バッテリ50には、回生制動や補
機駆動用モータ80の動力に基づく充電がなされる。
【0133】燃料電池用の残燃料量FCLが燃料基準値
F2以上に残っている場合には、燃料電池60の電源を
用いたバッテリ50への充電を行なうものとし、燃料電
池60の電源をオンとする処理を行なう(ステップS2
60)。これにより、燃料電池60によるバッテリ50
への充電が開始される。
【0134】燃料電池60によって充電が開始されるこ
とにより、バッテリ50の容量は、いずれ回復する。こ
のバッテリ50容量の回復を見越し、バッテリ50を電
源として、モータ20を駆動する処理を行ない(ステッ
プS290)、本ルーチンを終了する。即ち、発電後の
燃料電池60は、モータ20や補機駆動用モータ80を
作動させるための直接の電源としては用いられず、バッ
テリ50への電力の供給源として用いられる。
【0135】(6)基準値LO1の修正処理:以上説明
した各処理ルーチン、即ち、EV走行制御処理ルーチン
(図12)、補機駆動制御処理ルーチン(図15)、燃
料電池発電処理ルーチンA(図17)では、いずれもバ
ッテリ50の容量SOCを用い、SOCが基準値LO1
以上であるか否かにより、処理を異ならせている。本実
施例では、この基準値LO1を、運転者の意図に基づい
て、修正する処理を行なっている。以下、この処理につ
いて、燃料電池発電処理ルーチンA(図17)を代表例
として説明する。
【0136】図17に示したルーチンでは、判定マップ
JM1を参照し、車両の走行状態に応じた基準値LO1
の値を決定する処理を行なっている(ステップS21
0)。判定マップJM1は、車両の走行状態と基準値L
O1の値との関係を規定したマップである。このマップ
に規定された内容を図19(A)に示す。
【0137】図19(A)に示すように、判定マップJ
M1の左欄は、「減速」,「アクセル踏み込み量=
少」,「アクセル踏み込み量=中」,「アクセル踏み込
み量=多」という4種類の車両の走行状態に区分されて
いる。一方、判定マップJM1の右欄には、上記4種類
の各状態に対応した基準値LO1の値として、「10
%」,「20%」,「30%」,「40%」という値が
規定されている。即ち、減速時やアクセルの踏み込み量
が少ない緩やかな加速時には、消費される電力の量は少
ないと予測される。このため、基準値LO1を、初期値
(バッテリ総容量の約30%)よりも小さな値としてい
る。また、アクセルの踏み込み量が多い急な加速時に
は、消費される電力の量は多いと予測される。このた
め、基準値LO1を、初期値よりも大きな値としてい
る。このような判定マップJM1を参照して、基準値L
O1の値が決定される。
【0138】以上説明した燃料電池発電処理Aによれ
ば、現在の車両の走行状態から将来の電力消費量を予測
し、基準値LO1の値を変更し、この値を基準として燃
料電池60の発電の要否を決定する。このため、アクセ
ルペダルの踏込状態など、運転者の意図を直ちに反映し
て、基準値LO1が修正され、バッテリ50の残容量に
基づく燃料電池使用の開始のタイミングが変更される。
例えば、アクセルペダルの踏込量などから予測される電
力消費量が少ない状態となったときには、ステップS2
20の処理において、バッテリ残容量SOCが基準値L
O1よりも小さいという判断がされにくくなり、結果と
して、燃料電池60の使用開始は遅くされる。この結
果、バッテリ50の電源が継続して使用され、燃料電池
60の燃料の消費を抑制することとができる。また、エ
ンジンがオンとされる頻度も低減されるので、ガソリン
の使用を抑制し、燃費の向上を図ることができる。
【0139】例えば、車両が停止状態である場合には、
燃料電池60の発電が禁止される。また、車両が緩やか
な加速状態である場合には、基準値LO1は20%とい
う値とされる。従って、バッテリ50は、その残容量S
OCがバッテリ総容量の20%未満という少量の値とな
るまでの間、モータ20の駆動や補機駆動モータ80の
駆動を行なうための電源として使用され、この間に、燃
料電池60の発電やエンジンの駆動がなされることがな
い。
【0140】なお、バッテリ50の残容量SOCが20
%未満という少量の値となり、燃料電池60が発電され
た後においては、燃料電池60からのみならず、回生制
動や補機駆動用モータ80の動力により、バッテリ50
に充電がなされる。従って、上記のように残容量SOC
が極めて少量となるまでバッテリ50を電源として使用
し続けても、燃料電池60への電源の切り換え後に、車
両の走行や補機の駆動に支障を来たすということがな
い。
【0141】上記の処理において、判定マップJM1
に、停止状態に応じた基準値LO1の値を予め記憶して
おき、ステップS205の処理において停止状態と判断
された場合に、判定マップJM1を参照して基準値LO
1を決定する処理を行なうことも可能である。
【0142】また、上記の処理では、基準値LO1の初
期値をバッテリ総容量の約30%という値に設定し、こ
の値を10%〜40%の範囲で可変するが、勿論、上記
以外の値に基準値LO1の初期値を設定し、上記以外の
範囲で基準値LO1の値を変化させる構成としてもよ
い。
【0143】以上、燃料電池発電処理ルーチンA(図1
7)を代表例として、基準値LO1を修正する処理につ
いて説明したか、基準値LO1を運転者の意図に基づい
て変更する制御を行なえば、他のルーチンにおいても同
様の効果を得ることができる。即ち、EV走行制御(図
12)を行なっている場合でも、現在の車両の走行状態
から将来の電力消費量を予測し、基準値LO1の値を変
更している。この結果、アクセルペダルの踏込状態な
ど、運転者の意図を直ちに反映して、基準値LO1が修
正され、EV走行においても、バッテリ50の残容量に
基づく燃料電池使用の開始のタイミングが変更される。
例えば、アクセルペダルの踏込量などから予測される電
力消費量が少ない状態となったときには、バッテリ残容
量SOCが基準値LO1よりも小さいという判断がされ
にくくなり、結果として、燃料電池60の使用開始は遅
くされる。この結果、バッテリ50の電源が継続して使
用され、燃料電池60の燃料の消費を抑制することとが
できる。また、エンジンがオンとされる頻度も低減され
るので、ガソリンの使用を抑制し、燃費の向上を図るこ
とができる。かかる作用効果は、補機駆動制御処理ルー
チン(図15)においても同様である。
【0144】(7)変形例:次にこの実施例の変形例に
ついて説明する。この変形例では、基準値LO1に代え
て、燃料基準値F2を修正している。即ち、図17に示
したステップS210で、図19(A)に示したマップ
JM1に代えて、図19(B)に示したマップJF1を
参照し、図17に示したステップS215で、基準値L
O1を変更する処理に代えて、燃料基準値F2を変更す
るのである。燃料基準値F2は、図19(B)に示すよ
うに、車両が減速中か、あるいはアクセル踏込量が
「少、中、大」のいずれかにより、予め定めた判断基準
値Foの0.8倍、0.9倍、1.0倍、1.1倍に設
定される。この余の処理は、上述した第1実施例と同一
である。
【0145】かかる変形例では、運転者のアクセル踏込
量を検出し、これが変化した時、直ちに燃料電池60の
運転を管理する燃料基準値F2を修正する。例えば、ア
クセル踏込量が多くなった場合には、いずれ燃料電池6
0により燃料が消費されると予測し、燃料基準値F2を
大きな値に修正して、エンジンを起動するタイミングを
早めているのである。逆に、減速中であったりアクセル
の踏込量が少ない場合には、燃料電池60用の燃料が早
期に消費されることはないから、燃料基準値F2を小さ
な値に修正て、エンジンを起動するタイミングを遅め
る。この結果、運転者のアクセル踏込量という運転上の
意図を読み取って、燃料電池60の運転状態を適切に変
更することができる。
【0146】以上、燃料電池発電処理ルーチンについて
の変形例を説明したが、同様の処理は、他の制御ルーチ
ンにおいても適用可能である。例えばEV走行制御処理
ルーチン(図12)では、燃料基準値F1をアクセル操
作量や補機の運転状態などにより修正するものとすれば
よい。この場合には、動力源としてエンジンが選択され
るタイミングが、運転者の意図により調整されることに
なる。同様に、補機駆動制御処理ルーチン(図15)で
も、燃料基準値F1をアクセル操作量や補機の運転状態
などにより修正する構成とすることができる。この場合
にも、動力源としてエンジンが選択されるタイミング
が、運転者の意図により調整されることになる。
【0147】(8)第2実施例:次に、本発明の第2の
実施例について説明する。第2実施例では、補機の駆動
状態に基づいて以後に消費される電力の量を予測し、こ
の予測に基づいてバッテリ50を電源として使用する基
準値LO1の値を変更する。図20は、かかる処理を行
なう燃料電池発電処理ルーチンBを示すフローチャート
である。この燃料電池発電処理ルーチンBは、制御ユニ
ット70内のCPUが所定の時間間隔で周期的に起動す
る。本ルーチンが起動されると、まず、車両の運転状態
を入力し、この運転状態から補機の使用に基づく電気負
荷の状態を判定する処理(以下、電気負荷状態判定処理
という)を行なう(ステップS400)。
【0148】電気負荷状態判定処理の内容および手順
を、図21の車両走行状態判定処理ルーチンに示す。本
ルーチンにおいては、駆動される補機をエアコンとして
いる。図21に示すように、本ルーチンが起動される
と、まず、エアコンの状態を入力し、状態がオフ,オン
のいずれであるか、また、オンの場合には、風量が
「弱」,「中」,「強」のいずれであるかを判断する処
理を行なう(ステップS500、ステップS505)。
エアコンの状態がオフであると判断した場合には、補機
の使用に起因した電気負荷が「ゼロ」であると判定する
(ステップS520)。エアコンの状態がオンであり、
風量が「弱」であると判断した場合には、補機の使用に
起因した電気負荷が「小」であると判定する(ステップ
S530)。風量が「中」であると判断した場合には、
補機の使用に起因した電気負荷が「中」であると判定す
る(ステップS540)。風量が「強」であると判断し
た場合には、補機の使用に起因した電気負荷が「大」で
あると判定する(ステップS550)。こうした判定の
後、判定結果を、現在の電気負荷の状態として記憶し
(ステップS560)、本ルーチンを終了し、次の処理
(燃料電池発電処理ルーチンBのステップS405の処
理)へ移る。
【0149】図20に戻って説明する。こうして、電気
負荷の現在の状態が判定された後、電気負荷がゼロであ
るか否かを判断する処理を行なう(ステップS40
5)。電気負荷がゼロである場合には、バッテリ50の
電力が補機駆動用モータ80の駆動によって多量に消費
されない状態であると予測される。従って、燃料電池6
0を発電し、バッテリ50に緊急に充電するという必要
はない。そこで、車両が停止状態である場合には、バッ
テリ残容量SOCについての判断を行なうことなく、燃
料電池60の発電を禁止する処理を行ない(ステップS
470)、本ルーチンを終了する。
【0150】ステップS405において、電気負荷がゼ
ロでないと判断した場合には、判定マップJM2を参照
し、電気負荷の状態に応じた基準値LO1の値を決定す
る処理を行なう(ステップS210)。判定マップJM
2は、電気負荷の状態と基準値LO1の値との関係を規
定したマップである。このマップに規定された内容を図
22に示す。
【0151】図22に示すように、判定マップJM2の
左欄は、現在のエアコンの風量について、「弱」,
「中」,「強」という3種類の状態に区分されている。
一方、判定マップJM2の右欄には、上記3種類の各状
態に対応した基準値LO1の値として、「20%」,
「30%」,「40%」という値が規定されている。即
ち、エアコンの風量が弱い時には、消費される電力の量
は少ないと予測される。このため、基準値LO1を、初
期値(バッテリ総容量の約30%)よりも小さな20%
という値としている。また、エアコンの風量が強い時に
は、消費される電力の量は多いと予測される。このた
め、基準値LO1を、初期値よりも大きな40%という
値としている。このような判定マップJM2を参照し
て、基準値LO1の値が決定される。
【0152】次に、基準値LO1の値を、判定マップJ
M2に基づいて決定された値に変更し(ステップS41
5)、バッテリ50の残容量SOCが基準値LO1以上
であるか否かを判定する処理を行なう(ステップS42
0)。残容量SOCが基準値LO1以上である場合に
は、バッテリ50の充電状態は、以後に発生する電力消
費量を勘案しても十分な状態であると判断し、燃料電池
60の発電を禁止する処理を行なう(ステップS48
0)。バッテリ50が十分に充電された状態であれば、
燃料電池60を発電することにより、これ以上バッテリ
50に充電する必要がないからである。この後、十分な
残容量SOCのバッテリ50を電源として、補機駆動用
モータ80を駆動する処理を行ない(ステップS49
0)、本ルーチンを終了する。
【0153】ステップS420において、バッテリ50
の残容量SOCが基準値LO1よりも小さい場合には、
バッテリ50の充電状態は、以後に発生する電力消費量
を勘案すると不十分な状態であると判断し、バッテリ5
0に充電するための電源として燃料電池60が使用可能
であるか否かを判断する。具体的には、燃料電池用の残
燃料量FCLが燃料基準値F2以上であるか否かを判断
する処理を行なう(ステップS430)。
【0154】なお、燃料電池発電処理における燃料基準
値F2は、前述したEV走行制御処理や補機駆動制御処
理における燃料基準値F1よりも大きな値に設定されて
いる。これは、バッテリ50への充電は、回生制動によ
っても可能であることを考慮し、燃料電池60の電源を
用いたバッテリ50への充電を、抑制するためである。
【0155】燃料電池用の残燃料量FCLが燃料基準値
F2よりも小さい場合には、燃料電池60の電源を用い
たバッテリ50への充電は不可能であると判断し、エン
ジンの状態をオンにする処理を行ない(ステップS45
0)、本ルーチンを終了する。従って、モータ20や補
機駆動用モータ80は、エンジンの動力によって作動す
る。この作動により、バッテリ50には、回生制動や補
機駆動用モータ80の動力に基づく充電がなされる。
【0156】燃料電池用の残燃料量FCLが燃料基準値
F2以上に残っている場合には、燃料電池60の電源を
用いたバッテリ50への充電を許容し、燃料電池60の
電源をオンとする処理を行なう(ステップS460)。
これにより、燃料電池60によるバッテリ50への充電
が開始される。
【0157】燃料電池60によって充電が開始されるこ
とにより、バッテリ50の容量の回復が保証される。こ
のバッテリ50容量の回復を見越し、バッテリ50を電
源として、補機駆動用モータ80を駆動する処理を行な
い(ステップS490)、本ルーチンを終了する。即
ち、発電後の燃料電池60は、モータ20や補機駆動用
モータ80を作動させるための直接の電源としては用い
られず、バッテリ50への電力の供給源として用いられ
る。
【0158】以上説明した燃料電池発電処理Bによれ
ば、現在の補機の駆動状態から将来の電力消費量を予測
し、直ちに基準値LO1を修正している。この結果、エ
アコンの設定など車両使用者の意図に応じて、燃料電池
60の使用開始のタイミングを早期に調整することが可
能となる。例えば、予測される電力消費量が少ない状態
にエアコンが設定されたとき、基準値LO1の値を小さ
な値に変更し、この値を基準として燃料電池60の発電
の要否を決定する。このため、ステップS420の処理
において、バッテリ残容量SOCが基準値LO1よりも
小さいという判断されるタイミングは遅れ、結果とし
て、バッテリ50が継続して電源とし使用される。従っ
て、バッテリ50と燃料電池60との間における電源の
頻繁な切り換えを防止するとともに、燃料電池60の燃
料の消費を抑制することとができる。また、エンジンが
オンとされる頻度も低減されるので、ガソリンの使用を
抑制し、燃費の向上を図ることができる。
【0159】例えば、エアコンがオとされると、燃料電
池60の発電が禁止される。また、エアコンの風量が弱
い状態にされると、基準値LO1は20%という値とさ
れる。従って、バッテリ50は、その残容量SOCがバ
ッテリ総容量の20%未満という少量の値となるまでの
間、モータ20の駆動や補機駆動モータ80の駆動を行
なうための電源として使用され、この間に、燃料電池6
0の発電やエンジンの駆動がなされることがない。
【0160】また、バッテリ50の残容量SOCが20
%未満という少量の値となり、燃料電池60が発電され
た後においては、燃料電池60からのみならず、回生制
動や補機駆動用モータ80の動力により、バッテリ50
に充電がなされる。従って、上記のように残容量SOC
が極めて少量となるまでバッテリ50を電源として使用
し続けても、燃料電池60への電源の切り換え後に、車
両の走行や補機の駆動に支障を来たすということがな
い。
【0161】なお、上記の処理においては、判定マップ
JM2に、エアコンのオフ状態に応じた基準値LO1の
値を予め規定しておき、ステップS405の処理におい
てオフ状態と判断された場合に、判定マップJM2を参
照して基準値LO1を決定する処理を行なうことも可能
である。
【0162】また、上記の処理では、基準値LO1の初
期値をバッテリ総容量の約30%という値に設定し、こ
の値を10%〜30%の範囲で可変するが、勿論、上記
以外の値に基準値LO1の初期値を設定し、上記以外の
範囲で基準値LO1の値を変化させる構成としてもよ
い。
【0163】更に、上記の処理では、現在の電気負荷の
状態の判定対象となる補機をエアコンとするが、勿論、
これ以外の補機の作動状態を入力して、現在の電気負荷
の状態を判定することも可能である。例えば、ヘッドラ
イトやワイパーの作動状態を加味して、現在の電気負荷
の状態を判定することとしてもよい。
【0164】(9)第3実施例:次に本発明の第3の実
施例について説明する。第3実施例では、第1,第2実
施例と同様に、基準値LO1を、運転者の意図に基づい
て修正するが、この例では、エアコンの風量のみなら
ず、エアコンの近い将来の負荷を予測して、両者の組合
わせから基準値LO1を修正している。この例では、エ
アコンの風量の設定は、「弱」(電気負荷:小)、
「中」(電気負荷:中)、「強」(電気負荷:第)の3
種類を取り得る。これは、エアコンが手動モードの場合
には、使用者がスイッチにより設定するものであり、自
動モードの場合には、車室内の温度と設定温度とに基づ
いて自動的に設定される値である。一方、エアコンの負
荷は次のように予測される。エアコンの目標温度(設定
温度)T*と現在の車室内温度Taとを読み取り、両者
の差ΔTを絶対値として演算する。このΔTが予め定め
た参照値nに対して、どのような範囲に入っているかに
より、予測負荷が小さいか、中程度か、大きいかを判断
するのである。具体的には、 0≦ΔT<nならば、予測負荷は小に設定し、 n≦ΔT<n+10ならば、予測負荷は中に設定し、 n+10≦ΔTならば、予測負荷は大に設定する。
【0165】その上で、図23に示したように、現在の
エアコンの風量による負荷(小中大)と近い将来のエア
コンの負荷(小中大)との組合わせにより、基準値LO
1を設定するのである。設定の手法およびこの基準値L
O1の設定により、燃料電池60やエンジンの運転開始
のタイミングが変更される点は、第1,第2実施例と変
わるところはないので、それらの判断の手法や制御の処
理ついての説明は省略する。
【0166】かかる実施例では、エアコンの風量のみな
らず、エアコンの近い将来における負荷を予測して、こ
れらの組合わせにより、基準値LO1を修正している。
したがって、運転者がエアコンの風量を切り換えたり、
設定温度を切り換えたりすると、これに応じて、直ちに
基準値LO1が修正され、運転者の意図が燃料電池60
やエンジンの運転開始のタイミングに反映される。この
結果、燃料電池60やエンジンを無駄に運転することが
ないのは、第1,第2実施例と同様である。また、この
実施例では、単なる運転者の意図に加えて、エアコンの
近い将来の負荷を予測しているので、制御がより正確に
なるという利点も得られる。
【0167】(10)第4実施例:次に、本発明の第4
の実施例について説明する。この実施例では、図23で
示した第3実施例の判断に加えて、車両の現在もしくは
近い将来の走行路面に降坂路があるか否かの判断を加え
ている。即ち、図24に示したように、降坂路がない場
合には、基準値LO1は、図23で示した数値と同一の
値に設定するが、降坂路があると判断した場合には、基
準値LO1として、それぞれ5%から20%低い値を設
定するのである。走行路に降坂路があるかどうかは、カ
ーナビゲーションステムからのカーナビゲーション情報
により容易に判断することができる。
【0168】かかる実施例によれば、運転者の意図とし
ての風量の設定が切り換えられると、これに応じて基準
値LO1が修正されるだけでなく、エアコンの近い将来
の負荷を予測し、更にこれら路面の状態による負荷の変
化を予測して、基準値LO1を修正する。この結果、燃
料電池60やエンジンを無駄に運転することがないの
は、第1,第2実施例と同様である。また、この実施例
では、単なる運転者の意図やエアコンの近い将来の負荷
を予測に加えて、車両が走行する路面の状態(降坂路の
有無)を判断して、負荷の変動を予測しているので、制
御がより一層正確になるという利点も得られる。
【0169】以上本発明のいくつかの実施例について説
明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではなく、例えば、シフトレバーのポジションが切り
換えられたときに、基準値LO1やF1の値を修正する
構成など、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、
種々なる態様で実施できるこは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としてのハイブリッド車両の概略構成図
である。
【図2】燃料電池システムの概略構成を示す説明図であ
る。
【図3】変速機100の内部構造を示す説明図である。
【図4】各クラッチ、ブレーキ、およびワンウェイクラ
ッチの係合状態と変速段との関係を示す説明図である。
【図5】本実施例のハイブリッド車両におけるシフトポ
ジションの操作部160を示す説明図である。
【図6】本実施例におけるハイブリッド車両の計器板を
示す説明図である。
【図7】制御ユニット70に対する入出力信号の結線を
示す説明図である。
【図8】車両の走行状態と動力源との関係を示す説明図
である。
【図9】2ポジションにおける変速段の切り替えの様子
を示す説明図である。
【図10】Lポジションにおける変速段の切り替えの様
子を示す説明図である。
【図11】Rポジションにおける変速段の切り替えの様
子を示す説明図である。
【図12】EV走行制御処理ルーチンのフローチャート
である。
【図13】モータ駆動制御ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図14】EV走行制御処理における各動力源および電
源の出力の変化を示す説明図である。
【図15】補機駆動制御処理ルーチンのフローチャート
である。
【図16】バッテリ50を使用する判断基準値の設定方
法について示す説明図である。
【図17】燃料電池発電処理ルーチンAのフローチャー
トである。
【図18】車両走行状態判定処理ルーチンのフローチャ
ートである。
【図19】判定マップJM1および判定マップJF1を
示す説明図である。
【図20】第2実施例である燃料電池発電処理ルーチン
Bのフローチャートである。
【図21】同じくその電気負荷状態判定処理ルーチンの
フローチャートである。
【図22】第2実施例における判定マップJM2を示す
説明図である。
【図23】第3実施例における判定マップJM3を示す
説明図である。
【図24】第4実施例における判定マップJM4を示す
説明図である。
【図25】本発明の実施の態様を示す説明図である。
【符号の説明】
10…エンジン 12…クランクシャフト 13,14,15…出力軸 16,16A…ディファレンシャルギヤ 17,17A…車軸 18…入力クラッチ 20、20A…モータ 22…ロータ 24…ステータ 30…トルクコンバータ 50…バッテリ 51,51A,52,52A…駆動回路 60…燃料電池システム 60A…燃料電池 61…メタノールタンク 62…水タンク 61a,62a…容量センサ 63…バーナ 64…圧縮機 65…蒸発器 66…改質器 68…ブロワ 70…制御ユニット 80…補機駆動用モータ 82…補機駆動装置 83,84,85,86…切替スイッチ 100…変速機 102…電動オイルポンプ 104…油圧制御部 110…副変速部 112…第1のプラネタリギヤ 114…サンギヤ 115…プラネタリピニオンギヤ 116…プラネタリキャリア 118…リングギヤ 119…出力軸 120…主変速部 122…回転軸 130,140,150…プラネタリギヤ 132、142,152…サンギヤ 134、144,154…プラネタリキャリア 136、146,156…リングギヤ 160…操作部 161…スポーツモードスイッチ 162…シフトレバー 163…スポーツモードスイッチ 202…燃料計 203…燃料計 204…速度計 206…エンジン回転計 208…エンジン水温計 210…方向指示器インジケータ 220…シフトポジションインジケータ 222…スポーツモードインジケータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/00 H01M 8/00 A ZHV ZHV 8/04 8/04 P ZHV ZHV 10/44 10/44 A ZHV ZHV // B60K 6/02 B60K 9/00 E Fターム(参考) 3D035 AA05 5H027 AA06 BA01 BA09 BA17 DD00 DD03 KK00 MM01 5H030 AA01 AS08 BB01 BB10 FF00 FF41 5H115 PC06 PG04 PI16 PI18 PI21 PU10 PU23 PV09 PV23 QI04 QN03 RB21 SE03 SE04 SE05 SE06 TI02

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の駆動軸に動力を出力可能な電動機
    を備えた車両用制御装置であって、 前記電動機を運転する電力を蓄積する二次電池と、 前記二次電池の充電状態を管理する充電状態管理手段
    と、 該二次電池とは別に設けられ、前記電動機に電力を供給
    可能な燃料電池と、 車両運転者の走行に関する操作を検出する操作検出手段
    と、 該検出された運転者の走行に関する操作に基づいて、操
    作が変更されたと判断したとき、該変更された操作に対
    応して、前記二次電池の充電状態の管理目標を切り換え
    る管理切換手段とを備えた車両用制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用制御装置であっ
    て、 前記充電状態管理手段は、前記二次電池の充電状態が、
    目標残容量に一致するよう、前記二次電池の充放電を制
    御する手段である車両用制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車両用制御装置であっ
    て、 前記充電状態管理手段は、前記電動機または前記電動機
    とは異なる電動機による発電および該電動機を力行する
    ことによる放電を制御する電動機駆動制御手段を備える
    車両用制御装置。
  4. 【請求項4】 前記操作検出手段は、シフトポジション
    の操作を検出する手段である請求項1記載の車両用制御
    装置。
  5. 【請求項5】 前記操作検出手段は、空調機のオン・オ
    フ操作を検出する手段である請求項1記載の車両用制御
    装置。
  6. 【請求項6】 前記操作検出手段は、車両に設けられた
    油圧ポンプの動作を指示する操作を検出する手段である
    請求項1記載の車両用制御装置。
  7. 【請求項7】 前記油圧ポンプは、パワーステアリング
    用のポンプである請求項6記載の車両用制御装置。
  8. 【請求項8】 前記燃料電池は、発電用ガスの流量を調
    整する流量調整手段を備える請求項1記載の車両用制御
    装置。
  9. 【請求項9】 車両の駆動軸に動力を出力可能な電動機
    を備えた車両用制御装置であって、 前記電動機を運転する電力を蓄積する二次電池と、 該二次電池とは別に設けられ、前記電動機に電力を供給
    可能な燃料電池と、 該燃料電池の運転状態を管理する燃料電池運転管理手段
    と、 車両運転者の走行に関する操作を検出する操作検出手段
    と、 該検出された運転者の走行に関する操作に基づいて、操
    作が変更されたと判断したとき、該変更された操作に対
    応して、前記燃料電池の前記運転状態を直ちに変更する
    管理変更手段とを備えた車両用制御装置。
  10. 【請求項10】 前記燃料電池は、発電用ガスの流量を
    調整する流量調整手段を備え、前記管理変更手段は、該
    流量調整手段の動作状態を制御する手段である請求項1
    記載の車両用制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または請求項10記載の車両
    用制御装置であって、 前記電動機または前記電動機とは異なる電動機を回生動
    作および該電動機を力行動作させる電動機駆動手段と、 該電動機駆動手段を制御して、前記二次電池の充電状態
    が、目標残容量に一致するよう、前記二次電池の充放電
    を制御する充電状態管理手段とを備える車両用制御装
    置。
  12. 【請求項12】 前記操作検出手段は、シフトポジショ
    ンの操作を検出する手段である請求項9記載の車両用制
    御装置。
  13. 【請求項13】 前記操作検出手段は、空調機のオン・
    オフ操作を検出する手段である請求項9記載の車両用制
    御装置。
  14. 【請求項14】 前記操作検出手段は、車両に設けられ
    た油圧ポンプの動作を指示する操作を検出する手段であ
    る請求項9記載の車両用制御装置。
  15. 【請求項15】 前記油圧ポンプは、パワーステアリン
    グ用のポンプである請求項14記載の車両用制御装置。
  16. 【請求項16】 電動機を備えた車両の制御装置であっ
    て、 前記電動機を運転する電力を蓄積する二次電池と、 前記二次電池の充電状態を管理する充電状態管理手段
    と、 該二次電池とは別に設けられ、前記電動機に電力を供給
    可能な燃料電池と、 車両運転者の走行に関する操作を検出する操作検出手段
    と、 該検出された運転者の走行に関する操作に基づいて、操
    作が変更されたと判断したとき、該変更された操作に対
    応して、前記二次電池の充電状態の管理目標を切り換え
    る管理切換手段とを備えた車両用制御装置。
  17. 【請求項17】 車両の駆動軸に動力を出力可能な電動
    機と、該電動機を運転する電力を蓄積する二次電池と、
    該二次電池とは別に設けられ、前記電動機に電力を供給
    可能な燃料電池とを備えた車両を制御する方法であっ
    て、 前記車両における電力の要求に応じて、前記二次電池の
    充電状態を管理すると共に、 車両運転者により、車両走行に関する操作が変更された
    と判断したとき、該操作の変更に対応して、前記二次電
    池の充電状態の管理目標を切り換える車両制御方法。
  18. 【請求項18】 車両の駆動軸に動力を出力可能な電動
    機と、該電動機を運転する電力を蓄積する二次電池と、
    該二次電池とは別に設けられ、前記電動機に電力を供給
    可能な燃料電池とを備えた車両を制御する方法であっ
    て、 前記車両における電力の要求に応じて、前記燃料電池の
    運転状態を管理すると共に、 車両運転者により、車両走行に関する操作が変更された
    と判断したとき、該操作の変更に対応して、前記燃料電
    池の前記運転状態を直ちに変更する車両制御方法。
  19. 【請求項19】 駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
    該電動機を運転する電力を蓄積する二次電池と、該二次
    電池とは別に設けられ、前記電動機に電力を供給可能な
    燃料電池とを備えた車両であって、 前記車両における電力の要求に応じて、前記二次電池の
    充電状態を管理する管理手段と、 車両運転者の走行に関する操作を検出する操作検出手段
    と、 該検出された運転者の走行に関する操作に基づいて、操
    作が変更されたと判断したとき、該変更された操作に対
    応して、前記二次電池の充電状態の管理目標を切り換え
    る切換手段とを備えた車両。
  20. 【請求項20】 駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
    該電動機を運転する電力を蓄積する二次電池と、該二次
    電池とは別に設けられ、前記電動機に電力を供給可能な
    燃料電池とを備えた車両であって、 前記車両における電力の要求に応じて、前記燃料電池の
    運転状態を管理する管理手段と、 車両運転者の走行に関する操作を検出する操作検出手段
    と、 該検出された運転者の走行に関する操作に基づいて、操
    作が変更されたと判断したとき、該変更された操作に対
    応して、前記燃料電池の前記運転状態を直ちに変更する
    変更手段とを備えた車両。
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