JP4329327B2 - 動力出力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池を備える動力出力装置、および、該動力出力装置から駆動力を得る移動体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料電池と内燃機関とを含む複数のエネルギ出力源を備える動力出力装置が知られている。すなわち、燃料電池を電源とする電動機と、内燃機関とを動力源として備える装置である。このような動力出力装置では、例えば、燃料電池と内燃機関のうちの運転効率の高い方を選択して、動力源を使い分けることにより、装置全体のエネルギ効率を向上させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−81331号公報
【特許文献2】
特開2001−307758号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように燃料電池を含む複数のエネルギ出力源を備える動力出力装置では、動力出力装置を使用する周囲の環境によって、燃料電池の運転状態が影響を受けるという問題があった。燃料電池を用いた発電は、触媒を用いた電気化学反応を利用しているため、例えば環境中に硫黄分が存在する場合には、燃料電池内に硫黄分が取り込まれると触媒が被毒を受けてしまい、電池性能が低下する可能性がある。このように電池性能が低下すると、燃料電池から得られる電力が不十分となる可能性がある。車両などの移動体の駆動用電源として燃料電池を用いる構成が種々検討されているが、このように環境条件の変化を伴う使用を行なう場合には、環境中に硫黄分が存在するようになっても、動力出力装置から所望の動力を出力できる状態を維持することが望まれる。
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池と内燃機関とを備える動力出力装置を使用する環境中に硫黄分が含まれる場合であっても、燃料電池の性能低下を抑え、動力出力装置から所望の動力を出力するための技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の動力出力装置は、燃料電池をむエネルギ出力源を備えて、外部に動力を出力する動力出力装置であって、
少なくとも前記燃料電池を電源として動力を出力する電動機と、
前記燃料電池のカソードに対して、酸化ガスとして外気を供給する酸化ガス供給部と、
前記動力出力装置を使用する環境における硫黄濃度に関する情報を取得すると共に、前記情報に基づいて、前記動力出力装置を使用する環境における硫黄濃度が、所定の高濃度状態であるか否かを判断する環境情報判断部と、
前記環境情報判断部が、前記硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断したときに、前記酸化ガス供給部が外気をそのまま前記燃料電池に供給しない他の運転モードとして、前記酸化ガス供給部が供給する酸化ガスから、燃料電池への供給に先立って硫黄分を除去する運転モードを選択する制御部と
を備えることを要旨とする。
【0007】
本発明の動力出力装置によれば、動力出力装置を使用する環境における硫黄濃度が所定の高濃度状態のときには、外気(動力出力装置の外部から取り込む空気)がそのまま燃料電池に供給されることがなく、予め外気から硫黄分が除去されるため、硫黄濃度が所定の高濃度状態となっている空気が燃料電池内に取り込まれて電池性能が低下してしまうのを防止することができる。なお、上記環境情報判断部が判断する上記硫黄濃度は、硫黄酸化物や硫化水素など、硫黄を含有する種々の硫黄化合物を含む硫黄分の濃度とすれば良い。
ここで、本発明の動力出力装置において、
前記酸化ガス供給部は、
前記燃料電池のカソードに対して前記酸化ガスを供給するための配管と、
前記配管および前記燃料電池のカソードに接続して設けられた迂回路と、
前記迂回路に設けられて、前記迂回路を経由する外気中の硫黄分を除去するための脱硫器と、
前記燃料電池のカソードに供給するための酸化ガスが経由する流路を、前記配管と前記迂回路との間で切り替える切り替え部と
を備え、
前記制御部は、前記硫黄分を除去する運転モードを選択する際には、前記酸化ガスが前記迂回路を経由するように前記切り替え部を切り替えることとしても良い。
【0014】
本発明の動力出力装置において、前記環境情報判断部は、前記動力出力装置を使用する環境における硫黄濃度を検出するためのセンサを備えることとしても良い。
【0015】
このような構成とすれば、動力出力装置を使用する環境中の硫黄濃度を直接検出するため、硫黄濃度が所定の高濃度状態であるか否かを確実に判断することができる。
【0016】
あるいは、本発明の動力出力装置において、
前記環境情報判断部は、前記硫黄濃度に関する情報として、前記動力出力装置が使用される位置に関する位置情報と、硫黄濃度が高い地域に関する地理情報と、を用い、該前記位置情報と前記地理情報とに基づいて、前記動力出力装置が使用される位置が硫黄濃度の高い地域であると判断されるときに、前記所定の高濃度状態であると判断することとしても良い。
【0017】
このような構成とすれば、動力出力装置を使用する環境中の硫黄濃度を直接検出することなく、硫黄濃度が所定の高濃度状態であるか否かを判断することができる。
【0018】
なお、本発明の動力出力装置は、燃料電池と内燃機関とを含む複数のエネルギ出力源を備えて、外部に動力を出力する動力出力装置であって、
少なくとも前記燃料電池を電源として動力を出力する電動機と、
前記燃料電池のカソードに対して、酸化ガスとして外気を供給する酸化ガス供給部と、
前記動力出力装置を使用する環境における硫黄濃度に関する情報を取得すると共に、前記情報に基づいて、前記動力出力装置を使用する環境における硫黄濃度が、所定の高濃度状態であるか否かを判断する環境情報判断部と、
前記環境情報判断部が、前記硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断したときに、前記酸化ガス供給部が前記燃料電池に供給する外気の量を抑えることによって前記燃料電池における発電量を抑制するさらに異なる運転モードを選択する制御部と
を備える動力出力装置であっても良い。
【0019】
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、動力出力装置を動力源として搭載する移動体とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.車両の走行制御:
C.硫黄濃度に応じた制御:
D.第2実施例:
E.変形例
【0021】
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の第1実施例としてのハイブリッド車両を表わす概略構成図である。本実施例のハイブリッド車両は、エンジン10とモータ20とを動力源として備えている。図示する通り、本実施例のハイブリッド車両の動力系統は、上流側からエンジン10、入力クラッチ18、モータ20、トルクコンバータ30、および変速機100を直列に結合した構成を有している。即ち、エンジン10のクランクシャフト12は、入力クラッチ18を介してモータ20に結合している。入力クラッチ18をオン・オフすることによって、エンジン10からモータ20へ動力が伝達される状態と、エンジン10からモータ20への動力の伝達が遮断された状態とを切り替えることができる。モータ20の出力軸13は、トルクコンバータ30に結合している。トルクコンバータの出力軸14は、変速機100に結合している。変速機100の出力軸15は、ディファレンシャルギヤ16を介して車軸17に結合している。
【0022】
エンジン10は種々の熱機関を適用できるが、本実施例では通常のガソリンエンジンとした。このエンジン10は、吸気バルブおよび排気バルブの開閉タイミングを、ピストンの上下運動に対して相対的に調整可能な機構(VVT機構)を有している。これによって、エンジン10は、その回転数に応じて最も燃焼効率の良いタイミングで各バルブが開閉するように制御される。
【0023】
モータ20は、直流モータ、交流モータのいずれも適用できるが、本実施例では三相の同期モータを用いた。このモータ20は、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ22と、回転磁界を形成するための三相コイルが巻回されたステータ24とを備える。モータ20は、ロータ22に備えられた永久磁石による磁界とステータ24の三相コイルによって形成される磁界との相互作用により回転駆動し、電動機として働く。また、ロータ22が外力によって回転させられる場合には、これらの磁界の相互作用により三相コイルの両端に起電力が生じ、発電機として働く。
【0024】
図1に示した構成では、モータ20の電源としては、燃料電池60とバッテリ50とが利用可能となっている。本実施例では、通常は主として燃料電池60を、モータ20の電源として用いることとした。バッテリ50の電力は、主として、ハイブリッド車両の制御を行う制御ユニット70や照明装置など、電力機器である補機類に供給される。モータ20を駆動する際には、トランジスタインバータとして構成される駆動回路51で生成される三相交流が用いられる。なお、ハイブリッド車両の制動時には、モータ20が既述したように発電機として働き、これによって生じた電力はバッテリ50に充電される。
【0025】
図2は、燃料電池60の構成の概略を表わす説明図である。燃料電池60は、発電の本体である燃料電池スタック60Aと、燃料ガス供給部61と、ブロワ64とを備えている。本実施例では、燃料電池スタック60Aは、固体高分子型燃料電池によって構成している。燃料ガス供給部61は、内部に水素を貯蔵し、水素ガスを燃料ガスとして燃料電池スタック60Aに供給する装置である。燃料ガス供給部61は、例えば、水素ボンベを備えることとすればよい。あるいは、水素吸蔵合金を内部に有する水素タンクを備えることとし、上記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させることによって水素を貯蔵することとしても良い。このような燃料ガス供給部61が貯蔵する水素ガスは、水素ガス供給路62を介して燃料電池スタック60Aのアノードに供給され、電気化学反応に供される。電気化学反応で利用されなかった残りの水素ガスは、水素ガス排出路63に排出される。水素ガス排出路63は、水素ガス供給路62に接続しており、残余の水素ガスは再び電気化学反応に供される。また、ブロワ64が取り込んだ圧縮空気は、酸化ガス供給路65によって、酸化ガスとして燃料電池スタック60Aのカソードに供給される。燃料電池スタック60Aから排出されるカソード排ガスは、カソード排ガス路66に導かれて外部に排出される。なお、燃料電池60において、水素ガスあるいは空気を加湿する加湿器を、水素ガス供給路62や酸化ガス供給路65にさらに設けることとしても良い。
【0026】
バッテリ50としては、鉛蓄電池や、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、リチウム2次電池など種々の2次電池を用いることができる。
【0027】
トルクコンバータ30は、流体を利用した周知の動力伝達機構である。ここでは、トルクコンバータ30の入力軸、即ちモータ20の出力軸13と、トルクコンバータ30の出力軸14との間で、一方の回転軸から他方の回転軸へと動力が伝達される。
【0028】
変速機100は、内部に複数のギヤ、クラッチ、ワンウェイクラッチ、ブレーキ等を備え、変速比を切り替えることによってトルクコンバータ30の出力軸14のトルクおよび回転数を変換して出力軸15に伝達可能な機構である。本実施例では前進5段、後進1段の変速段を実現可能な変速機を適用した。変速機100の変速段は、制御ユニット70が車速等に応じて設定する。運転者は、車内に備えられたシフトレバーを手動で操作することによって、変速段の切り替え範囲を調整することができる。シフトレバーは、パーキング(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブポジション(D)、および4ポジション〜Lポジションの各ポジションを選択可能である。変速段の切り替えは、各ポジションに応じて予め設定された範囲で行なわれる。
【0029】
本実施例のハイブリッド車両では、エンジン10などの動力源から出力される動力は、一部の補機類の駆動にも用いられる。図1に示す通り、エンジン10には補機駆動装置82が結合されている。ここでいう補機類には、エアコンのコンプレッサやパワーステアリング用のポンプ、燃料電池60における冷却用のポンプ等が含まれる。ここでは、エンジン10の動力を利用して駆動される補機類をまとめて補機駆動装置82として示した。補機駆動装置82は、具体的にはエンジン10のクランクシャフトにプーリやベルトを介して結合されており、クランクシャフトの回転動力によって駆動される。
【0030】
補機駆動装置82には、また、補機駆動用モータ80も結合されている。補機駆動用モータ80は、直流モータ、交流モータのいずれも適用できる。本実施例では、三相同期モータとした。補機駆動用モータ80は、トランジスタインバータとして構成された駆動回路52で、バッテリ50および燃料電池60を電源として生成された三相交流により回転駆動される。エンジン10が運転を停止しているときは、補機駆動用モータ80により、補機駆動装置82を駆動することができる。このときは、負荷軽減のため、クラッチ19が開放される。また、補機駆動用モータ80は、エンジン10の動力によって発電する発電機としても機能することとしても良い。こうして発電された電力は、バッテリ50に充電することができる。
【0031】
駆動回路51、52と各電源との間には、接続状態を3カ所に切り替え可能な切り替えスイッチ53、54が設けられている。切り替えスイッチ54の動作により、燃料電池60は、駆動回路52に接続された状態(図中の回路a)、駆動回路51に接続された状態(図中の回路b)、バッテリ50に接続された状態(図中の回路c)の3通りの接続状態を実現することができる。同様に、切り替えスイッチ53の動作により、バッテリ50は、接続先を駆動回路51、駆動回路52、燃料電池60の3通りに切り替えることができる。
【0032】
本実施例のハイブリッド車両では、エンジン10、モータ20、トルクコンバータ30、変速機100、補機駆動用モータ80等の動作は、制御ユニット70が制御している。制御ユニット70は、内部にCPU、RAM,ROM等を備えるマイクロコンピュータであり、ROMに記録されたプログラムに従い、CPUが後述する種々の制御処理を行う。制御ユニット70には、制御の実行上必要な種々の信号が入力される。入力される信号としては、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、パーキングブレーキなどの各操作部の状態を示す信号や、エンジン10用のガソリン残量を検出する信号や、車速センサからの信号などが挙げられる。さらに、本実施例のハイブリッド車両は、後述するように、車両を使用する環境中(大気中)に含まれる硫黄分の濃度を検出する硫黄センサ40を備えており、この硫黄センサ40における検出信号も入力される。その他種々のセンサからの信号が制御ユニット70に入力されるが、ここでは図示を省略した。
【0033】
また、本実施例のハイブリッド車両では、エンジン10の運転状態を制御するために、燃料噴射制御電子制御装置(以下EFIECU、図示せず)が設けられている。EFIECUは、内部にCPU、ROM、RAMなどを有するマイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、エンジン10の燃料噴射その他の制御を実行する。これらの制御を可能とするために、EFIECUにはエンジン10の運転状態を示す種々のセンサが接続されると共に、EFIECUは、制御ユニット70と接続して互いに情報のやり取りが可能となっている。
【0034】
硫黄センサ40は、大気中の硫黄分(硫黄化合物)の濃度を検出するセンサである。この硫黄センサ40は、SO2 、H2S など、検出する硫黄化合物ごとに設けることとしても良いし、種々の硫黄化合物を一括して検出するセンサを用いることとしても良い。このようなセンサとしては、例えば、紫外線蛍光式濃度センサや、固体電解質を用い電気化学反応を利用して測定を行なうセンサなどを用いることができる。
【0035】
B.車両の走行制御:
次に、本実施例のハイブリッド車両の、走行に関わる一般的な動作について説明する。本実施例のハイブリッド車両では、制御ユニット70は、車両の走行状態、即ち車速およびトルクに応じて、動力源であるエンジン10とモータ20とを使い分ける制御を行なう。両者の使い分けは予めマップとして設定され、制御ユニット70内のROMに記憶されている。
【0036】
図3は車両の走行状態と動力源との関係を示す説明図である。図3では、運転者がシフトポジションとしてDポジションを選択しているときに行なわれる制御を表わす。図中の領域MGは、モータ20を動力源として走行する領域である。領域MG外側の領域EGは、エンジン10を動力源として走行する領域である。以下、前者をEV走行と呼び、後者をエンジン走行と呼ぶものとする。通常のガソリンエンジンであるエンジン10は、高速走行時に比べて低速走行時にはエネルギ効率が低下するという性質を有している。本実施例のハイブリッド車両では、このような低速走行時にはエンジン10に代えてモータ20から駆動力を得ることによって、車両全体としてのエネルギ効率の低下を抑え、燃費の向上を図っている。なお、図1の構成によれば、エンジン10とモータ20の双方を動力源として走行することも可能ではあるが、本実施例では、このような走行領域は設けていない。
【0037】
図示する通り、本実施例のハイブリッド車両はEV走行で発進する。このような領域では、入力クラッチ18をオフにして走行する。EV走行により発進した車両が図3のマップにおける領域MGと領域EGの境界近傍の走行状態に達した時点で、制御ユニット70は、入力クラッチ18をオンにするとともに、エンジン10を始動する。入力クラッチ18をオンにすると、エンジン10はモータ20により回転させられる。制御ユニット70は、エンジン10の回転数が所定値まで増加したタイミングで燃料を噴射し点火する。こうしてエンジン10が始動して以後、領域EG内ではエンジン10のみを動力源として走行する。領域EGでの走行が開始されると、制御ユニット70は駆動回路51,52のトランジスタを全てシャットダウンする。この結果、モータ20は単に空回りした状態となる。
【0038】
制御ユニット70は、このように車両の走行状態に応じて動力源を切り替える制御を行うとともに、変速機100の変速段を切り替える処理も行う。既述したように、図3は、シフトポジションがDポジションのときのマップであるが、制御ユニット70は、その他のすべてのシフトポジションに関しても同様に、変速段の切り替えおよび動力源の切り替えを行なうためのマップを備えている。図3に示すように、制御ユニット70は、車速が増すにつれて変速比が小さくなるように変速段の切り替えを実行する。
【0039】
なお、図3では、車両の走行状態に応じてEV走行とエンジン走行とを使い分ける場合のマップを示したが、本実施例の制御ユニット70は、全ての領域をエンジン走行で行う場合のマップも備えている。このようなマップは、EV走行とエンジン走行とを使い分ける場合のマップにおいて、EV走行の領域(領域MG)を除いたものとなっている。制御ユニット70は、通常はEV走行とエンジン走行とを使い分ける制御を行ない、後述するように燃料電池60を稼働させない制御を行なうときのように、EV走行に必要な電力を確保できない場合には、エンジン走行のみを行なうよう制御する。
【0040】
また、EV走行とエンジン走行との使い分けは、さらに細かい走行条件を考慮したマップを予め備えてこれを参照することとしても良い。図4は、EV走行とエンジン走行とを使い分ける際に用いることができる他のマップを例示する説明図である。図4において、曲線CE1〜CE3はエンジン走行を行なうときの運転効率を示すマップである。エンジン走行を行なうときの運転効率は、負荷(出力)に応じて変化すると共に、同じ負荷であっても、エンジン水温や過給器の作動有無や空燃比などの運転状態によっても変化する。これらの運転状態に応じて、図中の曲線CE1〜CE3に示すように、エンジン走行の運転効率を与えるマップは複数用意される。同様に、図4において、曲線C1〜C3は燃料電池を用いたEV走行を行なう際の運転効率を示すマップである。EV走行を行なうときの運転効率は、負荷に応じて変化すると共に、燃料電池の温度やモータ20の温度などの運転状態によっても変化する。これらの運転状態に応じて、図中の曲線C1〜C3に示すように、EV走行の運転効率を与えるマップは複数用意される。このようなマップは、予め実験的または解析的に設定される。これらのマップに基づき、そのときの走行条件に応じたエンジン走行のマップとEV走行のマップを比較して、運転効率のより優れた方の走行を選択すればよい。
【0041】
あるいは、上記マップを用いた判断に代えて、そのときの走行状態に基づいて、エンジン10の熱機関としての運転効率や、燃料電池の発電効率、さらにエンジン10の出力動力やモータ20の出力動力を車軸に伝える際の動力伝達効率などを用いて、それぞれの走行を選択したときの運転効率を算出し、どちらの走行が有利であるかを判断することとしても良い。
【0042】
C.硫黄濃度に応じた制御:
次に、本発明のハイブリッド車両において、車両を使用する環境中(大気中)に含まれる硫黄分の濃度に従って、燃料電池60の停止をすべきであるか否かを判断する動作について説明する。図5は、燃料電池60の停止の要否を判断する処理に関係する回路構成を示すブロック図である。制御ユニット70には、上記処理を行なうために、環境情報判断部72と出力制御部74とが設けられている。なお、本実施例では、図5に示した機能ブロックは、ソフトウエア的に構成することとしたが、ハードウエア的に構成することとしても構わない。
【0043】
また、図6は、本実施例のハイブリッド車両において、制御ユニット70によって所定の間隔で繰り返し実行されるFC停止判断処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンが開始されると、制御ユニット70のCPUが備える環境情報判断部72は、硫黄センサ40における検出信号を取得する(ステップS100)。硫黄センサ40は、既述したように大気中に存在する硫黄分の濃度を検出するセンサであり、環境情報判断部は、これによってハイブリッド車両を使用する環境における硫黄濃度に関する情報を取得する。
【0044】
ステップS100で硫黄濃度情報を取得すると、次に、環境情報判断部72は、大気中の硫黄濃度が所定の基準濃度以下であるか否かを判断する(ステップS110)。ここで、ステップS110で判断に用いる基準濃度は、そのような硫黄濃度の空気を燃料電池内に取り込んだときに、電池性能が低下してしまう可能性がある濃度として予め設定した濃度である。
【0045】
環境情報判断部72が、ステップS110において硫黄濃度が基準濃度以下であると判断したときには、この判断は出力制御部74に伝えられ、出力制御部74は、効率に基づいた通常の制御を開始して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。すなわち、既述したように予め設定したマップを参照する等により、EV走行とエンジン走行のうちの運転効率の高い方の走行を選択して、選択した走行により所望の動力が得られるように各部を制御する。ここで、ステップS110において硫黄濃度が基準濃度以下であると判断しているため、エンジン走行が選択される場合であっても、補機に電力を供給する電源として燃料電池60を用いるために燃料電池60を駆動することができる。さらに、EV走行とエンジン走行との使い分けを行なう際には、所望の動力を出力するときの運転効率に基づくだけでなく、補機類での要求電力を加えた負荷全体を出力する際の効率を考慮して、上記走行の使い分けを行なうこととしても良い。通常は、燃料電池の燃料の残量(水素残量あるいは改質燃料の残量)や、バッテリ50における残存容量(SOC)をさらに考慮して、EV走行とエンジン走行との使い分けを行なう。
【0046】
ステップS110において、硫黄濃度が基準濃度を超えると判断されると、この判断は出力制御部74に伝えられ、出力制御部74は、燃料電池60を用いない運転モードを選択して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。ステップS130で選択する運転モードでは、燃料ガス供給部61から燃料電池スタック60Aへの水素ガスの供給が停止されると共に、ブロワ64が停止されてブロワ64から燃料電池スタック60Aへの圧縮空気の供給(外気の供給)が停止される。これによって、燃料電池60による発電が停止する。このとき、所望の走行状態を実現するために要する動力はエンジン10が出力し、補機類が要する電力はバッテリ50が供給するように、各部が制御される。
【0047】
以上のように構成された第1実施例のハイブリッド車両によれば、大気中の硫黄濃度が所定の基準濃度を超えるときには、燃料電池スタック60Aへの外気の供給が停止されるため、硫黄濃度が基準濃度を超えている空気が燃料電池スタック60A内に取り込まれて電池性能が低下してしまうのを防止することができる。このとき、燃料電池スタック60Aへの外気の供給を停止させて燃料電池60による発電を停止させても、所望の走行状態を実現するのに要する動力はエンジン10から出力させるため、大気中の硫黄濃度が高い場合であっても所望の動力を出力させて車両の走行を続行することができる。
【0048】
D.第2実施例:
上記第1実施例では、大気中の硫黄濃度を検出して使用環境における硫黄濃度の状態を判断したが、大気中の硫黄濃度を直接検出する代わりに、硫黄濃度が高くなる環境であるかどうかを間接的に判断することとしても良い。このような構成の一例を第2実施例として以下に示す。第2実施例のハイブリッド車両は、図1に示した第1実施例のハイブリッド車両とほぼ同様の構成を有しており、共通する部分については同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
【0049】
図7は、燃料電池60の停止の要否を判断する処理に関係する回路として、第2実施例のハイブリッド車両が備える回路の構成を示すブロック図である。第2実施例の制御ユニット70も、第1実施例と同様に、燃料電池60の停止の要否を判断する処理を行なうために、環境情報判断部72と出力制御部74とを備えている。また、第2実施例のハイブリッド車両には、車両の現在位置に関する情報を含むGPS信号を受信するカーナビゲーション装置140が搭載されている。そして、上記環境情報判断部72は、カーナビゲーション装置140から、車両の現在位置に関する位置情報と、車両が使用される位置の近傍の地理情報とを取得する。ここで、環境情報判断部72が取得する地理情報には、硫黄濃度が高くなる場所(温泉地帯や火山地帯)に関する情報が含まれている。
【0050】
また、図8は、第2実施例のハイブリッド車両において、制御ユニット70によって所定の間隔で繰り返し実行されるFC停止判断処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンが開始されると、制御ユニット70のCPUが備える環境情報判断部72は、カーナビゲーション装置140から、上記位置情報および地理情報とを取得する(ステップS200)。
【0051】
ステップS200で位置情報および地理情報を取得すると、次に、環境情報判断部72は、これら位置情報および地理情報に基づいて、ハイブリッド車両を使用する環境における硫黄濃度が、所定の高濃度状態であるか否かを判断する(ステップS210)。すなわち、車両を使用している位置が硫黄濃度の高い地域であるとき、具体的には、温泉地帯や火山地帯など硫黄濃度が高い地域として予め設定した地域内に、車両の現在位置が含まれるときには、使用環境における硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断する。
【0052】
環境情報判断部72が、ステップS210において、使用環境の硫黄濃度が所定の高濃度状態ではないと判断したときには、この判断は出力制御部74に伝えられ、出力制御部74は、効率に基づいた通常の制御を開始して(ステップS220)、本ルーチンを終了する。このステップS220は、図6に示したFC停止判断処理ルーチンにおけるステップS120と同様の処理である。
【0053】
ステップS210において、使用環境の硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断したときには、この判断は出力制御部74に伝えられ、出力制御部74は、燃料電池60を用いない運転モードを選択して(ステップS230)、本ルーチンを終了する。このステップS230は、図6に示したFC停止判断処理ルーチンにおけるステップS130と同様の処理である。
【0054】
以上のように構成された第2実施例のハイブリッド車両によれば、大気中の硫黄濃度が高くなる地理的条件下に車両が存在するときには、燃料電池スタック60Aへの外気の供給を停止するため、硫黄濃度が高い空気が燃料電池スタック60A内に取り込まれて電池性能が低下してしまうのを防止することができる。このとき、燃料電池スタック60Aへの外気の供給を停止することで燃料電池60による発電が停止しても、所望の走行状態を実現するのに要する動力はエンジン10から出力させるため、大気中の硫黄濃度が高くなる地理的条件下を走行する場合であっても、所望の動力を出力させて車両の走行を続行することができる。
【0055】
なお、第1および第2実施例では、大気中の硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断されたときには、燃料電池スタック60Aに対する酸化ガスおよび燃料ガスの供給を止めることとしたが、少なくとも酸化ガスを止めれば(外気の供給を停止すれば)、硫黄濃度が高い空気が燃料電池スタック60A内に取り込まれて電池性能が低下するのを防止するという効果が得られる。ただし、実施例のように燃料ガス供給部61による水素ガスの供給も同時に停止した方が、エネルギを無駄に消費することが無く望ましい。
【0056】
また、第1および第2実施例では、燃料電池60とバッテリ50とは、共に、モータ20に対しても補機駆動用モータ80に対しても電力を供給可能としたが、異なる構成としても良い。例えば、モータ20は設けず、車両の駆動力はエンジン10によって発生することとし、燃料電池60およびバッテリ50は、補機駆動用モータ80に対してのみ電力を供給することとしても良い。すなわち、燃料電池60を含む複数の電源を備える電源装置において本発明を適用することとしても良い。このような構成とすれば、所望の動力は常にエンジン10によって出力される。そして、大気中の硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断されて、燃料電池60による発電が停止されたときには、バッテリ50が補機に対して所望の電力を供給することができる。
【0057】
また、第1および第2実施例では、エンジン10は、通常のガソリンエンジンとしたが、異なる構成とすることもできる。例えば、燃料の少なくとも一部として水素を用いるエンジンを用いても良い。この場合には、エンジンに供給する水素と、燃料電池スタック60Aに供給する水素とを共通化して搭載することができる。
【0058】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0059】
E1.変形例1:
図1に示した構成を有するハイブリッド車両において、第1実施例と第2実施例とを組み合わせることも可能であり、これによって同様の効果が得られる。すなわち、硫黄センサ40に加えて、カーナビゲーション装置140を備えることとし、位置情報および地理情報に基づいて燃料電池の停止の要否を判断する動作と、実際に検出した硫黄濃度に基づいて燃料電池の停止の要否を判断する動作とを、組み合わせることとしても良い。図9は、このようなハイブリッド車両において制御ユニット70で繰り返し実行される凍結防止処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【0060】
本ルーチンが開始されると、制御ユニット70は、図8のステップS200,S210と同様に、カーナビゲーション装置140から位置情報および地理情報を取得して、ハイブリッド車両の現在位置が、硫黄濃度が所定の高濃度状態となる地域内であるか否かを判断する(ステップS300,S310)。ステップS310において、硫黄濃度が所定の高濃度状態となる地域内であると判断したときには、既述したステップS130,S230と同様に燃料電池60を用いない制御を行なって(ステップS350)、本ルーチンを終了する。
【0061】
ステップS210において、硫黄濃度が所定の高濃度状態となる地域内ではないと判断したときには、制御ユニット70は、図6のステップS100,S110と同様に、硫黄センサ40から検出信号を取得して、検出した大気中の硫黄濃度が所定の基準値以下であるか否かを判断する(ステップS320,S330)。ステップS330において、硫黄濃度が基準値以下であると判断したときには、既述したステップS120,S220と同様に、効率に基づいた通常の制御を開始して(ステップS340)、本ルーチンを終了する。これに対してステップS330において、硫黄濃度が基準値を超えると判断したときには、既述したステップS130,S230と同様に燃料電池60を用いない運転モードによる制御を行なって(ステップS350)、本ルーチンを終了する。
【0062】
E2.変形例2:
既述した実施例では、大気中の硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断されたときには、燃料電池スタック60Aへの外気の供給を停止して燃料電池60の発電を停止したが、異なる構成も可能である。例えば、大気中の硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断されたときには、燃料電池スタック60Aへ外気を供給する際に、予め硫黄分を除去することとしても良い。この場合には、ブロワ64が取り込んだ外気を燃料電池スタック60Aに供給する酸化ガス供給路65において、空気中の硫黄分を除去するための脱硫器を配設した迂回路を設け、脱硫器を経由する迂回路と経由しない流路とを切り替え可能とすればよい。そして、大気中の硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断されるときには、上記流路を切り替えて、脱硫器で硫黄分を取り除いた空気を燃料電池スタック60Aに供給することとすれば良い。このような構成としても、硫黄分に起因する電池性能の低下を防止することができる。なお、脱硫器を経由させることにより酸化ガスに圧損が生じ、ブロワ64の消費電力が増加する場合であっても、上記構成とすることで、硫黄濃度が高濃度状態ではないときにエネルギを無駄に消費してしまうのを防止することができる。
【0063】
あるいは、酸素を含有する気体を貯蔵するボンベをさらに搭載することとしてもよい。この場合には、外気の硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断されたときには、ブロワ64を停止して上記ボンベに貯蔵する気体を酸化ガスとして用い、燃料電池60による発電を継続することができる。
【0064】
E3.変形例3:
既述した実施例では、燃料電池スタック60Aに供給する燃料ガスとして水素を用いたが、改質器をさらに搭載して、燃料ガスとして改質ガスを用いる構成も可能である。このような場合には、図2に示した燃料電池60において、燃料ガス供給部61として、水素を貯蔵する装置に代えて、改質ガスを生成する装置を備えることとすればよい。具体的には、改質反応に供する改質燃料および水を貯蔵するタンクや、改質触媒を備える改質器、さらに、改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減するための反応を促進する触媒を備える反応部などを備えることとすればよい。改質燃料としてガソリンを用いるならば、改質燃料タンクと、エンジンの燃料を貯蔵するタンクとを共通化することができる。改質燃料としては、ガソリンなどの液体炭化水素燃料の他、天然ガスなどの気体炭化水素燃料やメタノールなどのアルコール、あるいはアルデヒドのように、種々の炭化水素系燃料を用いることが可能である。
【0065】
改質器を用いる構成としては、改質器に対して、改質燃料および水に加えて酸素を供給し、改質器内で、水蒸気改質反応に加えて部分酸化反応を進行させる構成が知られている。このような改質器では、部分酸化反応で生じた熱を利用して水蒸気改質反応を進行することができる。ここで、上記改質触媒は、一般的に、硫黄分が供給されると被毒を受けて、触媒性能が低下するという性質を有している。そのため、既述した実施例のように大気中の硫黄濃度が所定の高濃度状態となるときに燃料電池60を停止させる際に、改質器への外気の供給も停止することとすれば、改質触媒が劣化するのを抑えるという効果をさらに得ることができる。
【0066】
E4.変形例4:
既述した実施例では、燃料電池を備える動力出力装置の使用環境における硫黄濃度が、所定の高濃度状態となったときには、燃料電池による発電を停止したが、発電停止に代えて、あるいは発電停止とは別に、発電を抑制する運転モードを設ける構成も可能である。例えば、第1実施例のように大気中の硫黄濃度を検出して制御を行なう際に、第1の基準濃度と、これよりも高い第2の基準濃度以下とを設ける。そして、大気中の硫黄濃度が、第2の基準濃度を超える場合には燃料電池の発電を停止し、第1の基準濃度を超えて第2の基準濃度以下のときには、硫黄による燃料電池への影響が許容範囲であるとして、抑制した発電(より低いレベルでの発電、あるいは限られた時間の発電)を燃料電池に許容する制御を行なうこととしても良い。
【0067】
あるいは、燃料電池を用いない制御を行なう上で不都合が生じている場合には、大気中の硫黄濃度が基準値を超える場合にも、上記のように抑制した発電を燃料電池に許容することとしても良い。例えば、ガソリンの残量が所定量以下となってエンジンを動力源とする走行を続行し難くなったときや、バッテリの残存容量(SOC)が所定量以下となってバッテリを電源として用いることが困難となったときに、大気中の硫黄濃度が所定の基準濃度を超えていても上記抑制した発電を燃料電池に許容することとしても良い。これによって、車両を別の場所に移動させてから停止させたり、燃料電池を用いてバッテリを充電することが可能となる。
【0068】
大気中の硫黄濃度が既述した第2の基準濃度を超えるときには燃料電池の発電を停止し、第1の基準濃度を超えて第2の基準濃度以下のときであって燃料電池を用いない制御を行なう上で不都合が生じている場合には、上記抑制した発電を燃料電池に許容するなど、種々の態様が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例としてのハイブリッド車両を表わす概略構成図である。
【図2】 燃料電池60の構成の概略を表わす説明図である。
【図3】 車両の走行状態と動力源との関係を示す説明図である。
【図4】 EV走行とエンジン走行とを使い分ける際に用いることができる他のマップを例示する説明図である。
【図5】 燃料電池60の停止の要否を判断する処理に関係する回路構成を示すブロック図である。
【図6】 FC停止判断処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図7】 燃料電池60の停止の要否を判断する処理に関係する回路構成を示すブロック図である。
【図8】 FC停止判断処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図9】 FC停止判断処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン
12…クランクシャフト
13,14,15…出力軸
16…ディファレンシャルギヤ
17…車軸
18…入力クラッチ
19…クラッチ
20…モータ
22…ロータ
24…ステータ
30…トルクコンバータ
40…硫黄センサ
50…バッテリ
51,52…駆動回路
53,54…スイッチ
60…燃料電池
60A…燃料電池スタック
61…燃料ガス供給部
62…水素ガス供給路
63…水素ガス排出路
64…ブロワ
65…酸化ガス供給路
66…カソード排ガス路
70…制御ユニット
72…環境情報判断部
74…出力制御部
80…補機駆動用モータ
82…補機駆動装置
100…変速機
140…カーナビゲーション装置

Claims (5)

  1. 燃料電池をむエネルギ出力源を備えて、外部に動力を出力する動力出力装置であって、
    少なくとも前記燃料電池を電源として動力を出力する電動機と、
    前記燃料電池のカソードに対して、酸化ガスとして外気を供給する酸化ガス供給部と、
    前記動力出力装置を使用する環境における硫黄濃度に関する情報を取得すると共に、前記情報に基づいて、前記動力出力装置を使用する環境における硫黄濃度が、所定の高濃度状態であるか否かを判断する環境情報判断部と、
    前記環境情報判断部が、前記硫黄濃度が所定の高濃度状態であると判断したときに、前記酸化ガス供給部が外気をそのまま前記燃料電池に供給しない他の運転モードとして、前記酸化ガス供給部が供給する酸化ガスから、燃料電池への供給に先立って硫黄分を除去する運転モードを選択する制御部と
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記酸化ガス供給部は、
    前記燃料電池のカソードに対して前記酸化ガスを供給するための配管と、
    前記配管および前記燃料電池のカソードに接続して設けられた迂回路と、
    前記迂回路に設けられて、前記迂回路を経由する外気中の硫黄分を除去するための脱硫器と、
    前記燃料電池のカソードに供給するための酸化ガスが経由する流路を、前記配管と前記迂回路との間で切り替える切り替え部と
    を備え、
    前記制御部は、前記硫黄分を除去する運転モードを選択する際には、前記酸化ガスが前記迂回路を経由するように前記切り替え部を切り替える
    動力出力装置。
  3. 請求項1または2記載の動力出力装置であって、
    前記環境情報判断部は、前記動力出力装置を使用する環境における硫黄濃度を検出するためのセンサを備える
    動力出力装置。
  4. 請求項1または2記載の動力出力装置であって、
    前記環境情報判断部は、前記硫黄濃度に関する情報として、前記動力出力装置が使用される位置に関する位置情報と、硫黄濃度が高い地域に関する地理情報と、を用い、該前記位置情報と前記地理情報とに基づいて、前記動力出力装置が使用される位置が硫黄濃度の高い地域であると判断されるときに、前記所定の高濃度状態であると判断する
    動力出力装置。
  5. 移動体であって、
    請求項1ないしいずれか記載の動力出力装置を備え、
    駆動のための動力として前記動力出力装置が出力する動力を用いる
    移動体。
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