JP2005019033A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池と蓄電手段とを組み合わせ、燃料電池は一定出力で発電を間欠的に行い、電力の過不足を蓄電手段からの充放電で補う燃料電池システムを車両に用いる場合の不具合を解消する。
【解決手段】燃料電池と、燃料電池により充電される蓄電手段たる二次電池と、常時は一定出力となるように燃料電池の発電を制御する発電制御手段たる制御装置と、前記二次電池の温度を検知する二次電池温度検知手段とを備える燃料電池システムにおいて、二次電池温度検知手段が検知した二次電池の温度が所定温度Thを上回った場合に、燃料電池が負荷に応じた発電量を発電するように制御装置が制御を行う。
【選択図】図3
【解決手段】燃料電池と、燃料電池により充電される蓄電手段たる二次電池と、常時は一定出力となるように燃料電池の発電を制御する発電制御手段たる制御装置と、前記二次電池の温度を検知する二次電池温度検知手段とを備える燃料電池システムにおいて、二次電池温度検知手段が検知した二次電池の温度が所定温度Thを上回った場合に、燃料電池が負荷に応じた発電量を発電するように制御装置が制御を行う。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として車両に搭載される燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両において、窒素化合物、炭化水素、一酸化炭素といった有害排気物質が少ないなどの理由から電気自動車が開発され、電気自動車のモータの電源として、内燃機関に比較してエネルギーロスが少ない燃料電池が実用化され始めている。このような車両に搭載される燃料電池を含む燃料電池システムでは、燃料電池が安全に、かつ効率よく発電するために各種の制御を行っている。
【0003】
燃料電池を用いて効率よく発電するために行う制御の例として、例えば、燃料電池と二次電池とを組み合わせ、燃料電池は一定出力による発電のみを間欠的に行うとともに、負荷による消費電力が前記一定出力に満たない場合には余剰の電力を二次電池に蓄えるようにし、燃料電池の停止時には二次電池から電力を負荷に供給する燃料電池システムが考えられている。このように間欠的に発電を行う燃料電池システムとしては、例えば、特許文献1に示されるものがある。なお、特許文献1においては、二次電池は蓄電池として述べられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−182675
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1記載の構成では、ビルや住宅等のエネルギー源として燃料電池を用いるものであって、燃料電池による発電を行う時間帯を決定しておいて発電を行うようにしている。また、特許文献1には、燃料電池は低出力運転を行うと劣化するという不具合が記載されているが、これに加えて、燃料電池には最も効率よく発電を行える一定出力が存在し、これ以上の高出力で発電を行うようにすると発電効率が低下する不具合が存在する。
【0006】
ところで、自動車等の車両においては、加速や減速が頻繁に行われるので、必要とする出力もまた頻繁に変化する。従って、上述したような燃料電池が一定電力のみにより発電を行い、二次電池に対する充放電により電力の過不足を調整するような燃料電池システムをこのような車両のエネルギー源として採用すると、上述したビルや住宅等のエネルギー源として用いる場合と比較して、二次電池に対する充放電もまた頻繁に行われるようになる。しかして、二次電池に対する充放電の際には、熱が発生して二次電池の温度が上昇し、過度に温度が上昇すると、二次電池に対する充放電が行えなくなり、負荷に対する出力の制御が不可能になり、従って走行が不可能になる不具合が生じる。
【0007】
また、特に電動機及び該電動機の回転を変速する自動変速機を含む走行装置とともに用いられる場合、自動変速機の作動状態によっては、前記一定出力より高い出力を得るべく二次電池からの放電が行われる時間帯が多くなり二次電池の容量が不足する不具合や、電動機を用いて発電を行いブレーキ力を得る回生発電ブレーキからの電流が大きくなり、二次電池に充電を行っている際に二次電池に大きな電流が流れてしまい、二次電池が故障する不具合もまた生じる。
【0008】
本発明は、主として車両に搭載される燃料電池において、一定出力による発電のみを間欠的に行う際の上述したような不具合を解消することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池により充電される蓄電手段と、常時は一定出力となるように燃料電池の発電を制御する発電制御手段と、蓄電手段の温度を検知する温度検知手段とを備える燃料電池システムであって、温度検知手段が検知した蓄電手段の温度が所定温度を上回った場合に、負荷に応じた発電量を発電するように発電制御手段が制御を行うことを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、蓄電手段の温度が所定温度を上回った場合には、負荷に応じた発電量を発電するように燃料電池を制御するので、前記一定出力からの発電量の過不足を補うための蓄電手段への充電及び蓄電手段からの放電を行う必要が少なくなり、その際には蓄電手段への充電量及び蓄電手段からの放電量を少なくして蓄電手段の温度上昇を抑えることができる。また、充放電を頻繁に行うことにより蓄電手段の温度が上昇してさらなる充放電を行えなくなっても、上述したように負荷に応じた発電量を発電するように燃料電池を制御することにより、負荷に対する出力の制御を行うことができるようになり、走行が不可能になる不具合を解消できる。
【0011】
一方、走行装置の作動状態により、蓄電手段の容量が不足したり蓄電手段に大きな電流が流れて蓄電手段が故障したりする不具合を解消するために望ましい態様として、電動機及び該電動機の回転を変速する自動変速機を含む走行装置を備える車両に搭載され、燃料電池と、燃料電池により充電される蓄電手段と、常時は一定出力となるように燃料電池の発電を制御する発電制御手段と、自動変速機の作動状態を検知する作動状態検知手段とを備える燃料電池システムであって、作動状態検知手段が検知した自動変速機の作動状態に応じて発電制御手段が発電量を変更する制御を行うものが挙げられる。このようなものであれば、高出力を必要とする作動状態においては燃料電池の発電量を増加させて蓄電手段から供給する電力量を減らし、また蓄電手段に電動機を用いる回生発電ブレーキからの電力を供給する作動状態においては燃料電池の発電量を減少させて蓄電手段に供給する電流を小さくする等の制御を行い上述した不具合を解消できるからである。
【0012】
上述した蓄電手段の容量不足を解消するために望ましい態様の具体的な一例として、自動変速機の変速モードが通常の変速モードよりも高減速比が多用されるパワーモードである際に、燃料電池が前記一定出力より高い第一の所定出力で発電するように発電制御手段が制御を行うものが挙げられる。このように、自動変速機がパワーモードとなると、通常のモードと比較して減速比が高くなるために、電動機が必要とする電力もまた高くなるが、このようなものであれば、燃料電池が前記一定出力より高い第一の所定出力で発電するように制御を行うことにより、蓄電手段からの放電により補うべき電力量を少なくして蓄電手段の充電切れを起こりにくくするようにできるからである。
【0013】
前述の燃料電池システムにおいて、燃費を向上させるための態様として、負荷による消費電力量を測定する電力量測定手段をさらに備え、電力量測定手段により測定された前記消費電力量が所定量を下回る場合に、燃料電池の発電量を減少させるように発電制御手段が制御を行うものが挙げられる。このようなものであれば、自動変速機が前記パワーモードで作動している場合であっても、一定速度を保って平地を走行する際等、高い出力が比較的必要とされない場合においては、燃料電池の発電量を減少させることにより、燃料の消費を少なくすることができるからである。
【0014】
上述した蓄電手段に大きな電流が流れてしまう不具合を解消するために望ましい態様の具体的な一例として、自動変速機の変速モードが、減速時に電動機の回転数が通常の変速モードでの減速時に比べ高くなるエンジンブレーキモードであり、かつ車両が減速している際に、燃料電池が前記一定出力より低い第二の所定出力で発電するものが挙げられる。このようなものであれば、上述した状態において燃料電池の出力を減少させているので、上述した状態において蓄電手段に供給される電流の総量もまた燃料電池の出力を一定出力に保つ場合と比較して減少させることができる。このように、自動変速機がエンジンブレーキモードとなると、車両が減速状態にある際には、電動機が回生発電ブレーキとして作用しているとともに自動変速機が通常のモードで作動している場合と比較して減速比が高くなるために蓄電手段に大きな回生電流が供給されるが、上述した制御を行えばこのような場合にも蓄電手段に過度に大きな電流が流れることを起こりにくくできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態に係る燃料電池システムSは、図1に示すように、車両、特に自動車に搭載されるもので、燃料電池1、発電に必要な水素含有ガスである水素ガスの貯蔵手段である水素ガスタンク2、酸素含有ガスである空気の供給手段であるコンプレッサ3、蓄電手段である二次電池4、発電に付随する各種制御を行う発電制御手段たる制御装置5、燃料電池1の温度を調節する温度制御装置TC等を備えている。この燃料電池システムSは、車両を走行させるための電動機たるモータ及び該モータの回転を変速する無段変速機を含む走行装置M、燃料電池1を制御するための電磁弁、ファンモータ、さらに電動式のコンプレッサ3等の電気機器を負荷とするものである。また、この燃料電池システムSでは、基本的には燃料電池1は負荷に追従して発電量を変更するのでなく、発電効率の最もよい発電量となるように、制御装置5により一定出力たる定格出力で発電するよう制御される。制御装置5による制御の詳細については後述する。また、この燃料電池システムSは、鉄道に用いる機関車等、自動車以外の車両に用いることもできる。
【0017】
燃料電池1は、この分野で広く知られたものを用いることができ、例えば電解部としてのイオン交換膜に密着するようにして正極部と負極部とを配設したセルの複数を直列接続してスタックを形成し、そのスタックに対して水素ガスと空気とを所定の圧力で供給し得るように、ハウジング内に収納したものである。
【0018】
具体的には、水素ガスは前記水素ガスタンク2からレギュレータRGを介して所定の圧力で燃料電池1に供給するようにしている。燃料電池1内に供給された水素ガスは、各セルの負極部に案内される。一方、空気は前記コンプレッサ3を介して所定の圧力で燃料電池1に供給するようにしている。そして、燃料電池1内に供給された空気は、各セルの正極部に案内される。各セルの負極部に案内された水素は、各セルの正極部に案内された空気中の酸素と反応して発電する。この燃料電池1からの電流は、走行装置M等の負荷に供給される。
【0019】
発電に寄与した以外の余剰の空気、すなわち排気酸素含有ガスは、循環することなく、発電により生成した水の略全量とともに、排気酸素含有ガス排出路P4から排気管P5を介して燃料電池1外に排出される。一方、反応せずに残った余剰の水素ガスである排気水素含有ガスは、燃料電池1からこの燃料電池1に連通して設けられている排気水素含有ガス排出路P2を介して排出される。この排気水素含有ガス排出路P2からは、排気水素含有ガスだけでなく、イオン交換膜を介して負極部にしみだし付着した水もまた排出される。この排気水素含有ガス排出路P2中には、電磁弁からなる排出制御弁B1が設けられている。そして、この排気水素含有ガス排出路P2は、希釈器6に接続していて、前記排出制御弁B1を通過した排気水素含有ガスは希釈器6に排出されるようにしている。さらに、排気酸素含有ガス排出路P4の前記調圧弁B2よりも上流から希釈用空気供給路P6を分岐させて設けていて、この希釈用空気供給路P6の他端も前記希釈器6に連通している。そして、この希釈器6内で排気水素含有ガスと排気酸素含有ガスとが混合し、水素濃度が低下した排気水素含有ガスが、排気管P5を介して車外に排出される。
【0020】
なお、本実施形態では、排気水素含有ガスの排出を排出制御弁B1により制御して行うようにしている。また、前記調圧弁B2により、排気酸素含有ガスの圧力、及び排気酸素含有ガス排出路P4に連通する燃料電池1の正極部における空気の圧力を燃料電池1の発電に適した圧力に調整するようにしている。さらに、前記希釈器6の下流部に希釈弁B3を設け、希釈された排気水素含有ガスを選択的に排出するようにしている。加えて、排気酸素含有ガスP4に排気水素含有ガスが逆流するのを防ぐべく、希釈用空気供給路P6に逆止弁B4を設けている。
そして、レギュレータRGと燃料電池1との間には水素ガスの供給圧力を検知する水素圧力センサS1、燃料電池1と調圧弁B2との間には排気酸素含有ガスの圧力、及び前記排気酸素含有ガス排出路P4に連通する燃料電池1の正極部における空気の圧力を検知する空気圧力センサS2を設けている。
【0021】
前記二次電池4は、燃料電池1により充電されるとともに、車両が減速された場合や下り坂を走行した場合に、モータが回生発電を行うことにより発生する回生電流の供給を受けて充電される。車両は、通常はこの二次電池4からの電力により走行し、電力が不足する場合に燃料電池1により不足分を補充するように構成している。すなわち、本実施形態に係る燃料電池システムSの燃料電池1は、車両の走行中常時発電するのでなく、必要に応じて間欠的に発電する。この二次電池4ないし燃料電池システムS全体の出力制御、燃料電池1の発電の開始及び終了の制御、及び燃料電池1から二次電池4への充電の制御は、制御手段5により行われるが、その詳細は後述する。そして、このような二次電池4に密着させた状態で、二次電池4の温度を検知する二次電池温度検出手段61が取り付けてある。
【0022】
さらに、本実施形態では、前記モータは、実際に車体を駆動させる走行機構と、無段変速機(CVT)を介して接続されている。この無段変速機の作動状態は、図2に示すシフトレバー7及びパワーモードスイッチ(図示略)により切り替えるようにしている。具体的には、このシフトレバー7の位置を検知するレバー位置検知器62及びパワーモードスイッチ(図示略)の状態を示すパワーモードスイッチ状態検知器(図示略)を設け、検知されたシフトレバー7の位置及びパワーモードスイッチ(図示略)の状態に基づき作動状態が切り替わるようにしている。本実施形態では、シフトレバー7は、ドライブ(以下Dレンジと記述)、スロープ(以下Dsレンジと記述)、ニュートラル(以下Nレンジと記述)、リバース(以下Rレンジと記述)、及びパーキング(以下Pレンジと記述)の5つの位置のうちいずれかに位置するように構成している。シフトレバー7が前記Nレンジ、Rレンジ、及びPレンジのいずれかに位置する場合には、無段変速機は通常の内燃機関により走行する自動車に用いられる無段変速機における同名の作動状態として周知のものと同様に作用する。シフトレバー7が前記Dレンジに位置するとともに、前記パワーモードスイッチ(図示略)がOFFである場合には、無段変速機は、通常の内燃機関により走行する自動車に用いられる無段変速機における同名の作動状態として周知のものと同様に機能する。すなわち、このような作動状態は、通常の走行時に用いられ、モータを最も効率よく作動する回転数に保つべく減速比を調整する。シフトレバー7が前記Dレンジに位置するとともに、前記パワーモードスイッチ(図示略)がONである場合には、前記通常の走行時に用いられる作動状態と比較して、高減速比が多用される。すなわち、この作動状態は、通常の変速モードよりも高減速比が多用されるパワーモードで作動させる際に用いられる。前記Dsレンジは、坂道走行時等に用いられ、前記Dレンジと比較してより減速比を高く設定する作動状態である。より具体的には、このDsレンジは、減速時においてより大きな回生ブレーキ力を得るべく用いられる作動状態であるエンジンブレーキモードで作動させる際に用いられる。なお、トルクコンバータ付自動変速機として周知のもの等、上述した無段変速機以外の構成を有する有段の自動変速機を上述した無段変速機の替わりに用いてもよい。また、前記レバー位置検知器62は、請求項中の作動状態検知手段として機能するものであり、接点信号を出力する機械式スイッチであってもよい。
【0023】
前記制御装置5は、CPU51、内部メモリ52、入力インタフェース53、出力インタフェース54を少なくとも備えたマイクロコンピュータシステムを主体として構成され、実際に燃料電池1の発電量を制御するDC−DCコンバータ(以下コンバータと称す)及び前記走行装置への通電を制御するインバータ(ともに図示略)をも備えている。そして、図2に示すように、入力インタフェース53には、前記二次電池温度検知手段61、前記レバー位置検知器62、燃料電池1及び二次電池4から供給される電流の大きさ及び燃料電池1及び二次電池4の起電電圧に基づき負荷による消費電力量を測定する電力量測定手段63、アクセルペダルに設けられ該アクセルペダルの踏み込み量を検知するアクセル状態検知器64、前記水素圧力センサS1、前記空気圧力センサS2等が接続されていて、これらから入力される信号を受け付ける。一方、出力インタフェース54には、前記調圧弁B2、前記コンプレッサ3等が接続されていて、前記入力センサ53が受け付けた信号に基づき、前記内部メモリ52に格納されたプログラムに従いCPU51等と協働してこれらの制御を行う。
【0024】
前記コンバータは、燃料電池1の発電を制御するとともに、二次電池4の充放電を制御する。すなわち、コンバータにより燃料電池1から出力される電流が負荷に流れたときに燃料電池1が発電する。また、モータからの回生電流をコンバータが二次電池4に入力することにより、二次電池4が充電される。
【0025】
以下に制御装置5が行う具体的な制御の例を示す。
【0026】
まず、制御装置5は、前記アクセル状態検知器64が検知したアクセルペダルの踏み込み量に応じて、負荷に応じた発電量、すなわち本実施形態では負荷により要求される発電量である要求出力、及びモータに要求される出力であるモータ出力を後述する出力テーブルを用いて計算するとともに、燃料電池システムS全体としての出力が前記要求出力となるように制御を行う。すなわち、燃料電池1の発電時には、燃料電池1の出力と二次電池4からの出力との和、ないし燃料電池1の出力と二次電池4への充電量の差が前記要求出力となるように制御を行う。すなわち燃料電池システムS全体として前記要求出力に対応する大きさの電流を負荷に供給するように制御を行う。一方、燃料電池1が発電を行わない場合には、二次電池4から前記要求出力に対応する大きさの電流を負荷に供給するように制御を行う。また、要求出力に応じてトルク量を変化させるべく無段変速機の減速比の制御を行う。さらに、前記インバータは、前記モータ出力に対応する大きさの電流をモータに供給するように制御を行う。なお、前記アクセルペダルの踏み込み量は、本実施形態では、該アクセルペダルが踏み込まれている量の該アクセルペダルが最大に踏み込まれている状態において踏み込まれる量に対する割合として示している。すなわち、該アクセルペダルが踏み込まれていない状態におけるアクセルペダルの踏み込み量は0、該アクセルペダルが最大に踏み込まれている状態におけるアクセルペダルの踏み込み量は1である。
【0027】
前記出力テーブルは、前記アクセルペダルの踏み込み量をパラメータとして要求出力及びモータ出力を設定したもので、制御装置5に備えている。この出力テーブルでは、代表的なアクセルの踏み込み量に対して要求出力及びモータ出力が設定してあり、それ以外のアクセルの踏み込み量に対する要求出力及びモータ出力は、補間計算により算出する。
【0028】
また、制御装置5は、常時は燃料電池1が最も効率よい発電を行う一定出力たる定格出力E0で発電するように制御を行う。すなわち、コンプレッサ3を制御して燃料電池1の発電に必要な空気量を燃料電池1に供給するとともに、コンバータが燃料電池1の出力を定格出力E0となるように制御する。前記空気量は、予め制御装置5に記憶している。より具体的には、後述する空気量テーブルに、定格出力E0で発電させるための空気量を設定している。そして、前記要求出力が定格出力E0に満たない場合には発電を行いつつ二次電池4に充電を行う。一方、前記要求出力が定格出力E0を超える場合には、二次電池4は放電を行い、燃料電池システムS全体として前記要求出力を供給する。さらに、二次電池4の充電量が第一の所定値以上である場合には燃料電池1は発電を中止し、二次電池4からの電力のみで走行するように制御する。そして、二次電池4の充電量が第一の所定値より低い第二の所定値以下である場合には燃料電池1は発電を再開し、二次電池4への充電が行われるように制御する。すなわち、燃料電池1が必要に応じて間欠的に発電するように制御を行う。このように制御を行うことで、燃料電池システムSの発電効率を向上させることができる。
【0029】
しかして本実施形態では、制御装置5は、二次電池温度検知手段61が検知した二次電池4の温度が所定温度Thを上回った場合に、燃料電池1が負荷により要求される発電量を発電するように制御を行う。
【0030】
以下に制御装置5が行う具体的な制御を、フローチャートである図3及び作用図である図4を参照して説明する。
【0031】
ステップST11では、二次電池4の温度が所定温度Th以上であるか否かを判定する。このステップST11において二次電池4の温度が所定温度Th以上であることを判定した場合には、ステップST12に進む。一方、そうでない場合には、ステップST14に進む。
【0032】
ステップST12では、二次電池4を燃料電池1と負荷から制御装置5により電気的に切断し、二次電池4への充電及び二次電池4からの放電が行われないようにする。なお、このステップST12においては、制御装置5は前記したような制御に替えて、二次電池への充放電を禁止する制御を行うようにしてもよい。
【0033】
ステップST13では、前記アクセル状態検知器64が検知するアクセルの踏み込み量に基づき、負荷により要求される発電量である要求出力を前記出力テーブルを用いて計算し、燃料電池1の出力がこの要求出力となるように制御を行う。すなわち、計算された要求出力に対応する空気量を図示しない空気量テーブルを用いて計算し、コンプレッサ3の制御を行うとともにコンバータが燃料電池1の出力制御を行う。なお、空気量テーブルの詳細については後述する。
【0034】
ステップST14では、制御装置5により二次電池4を燃料電池1及び負荷に電気的に接続し、二次電池4への充電及び二次電池4からの放電を行うようにする。なお、このステップST14においては、制御装置5は前記したような制御に替えて、二次電池への充放電の禁止を解除する制御を行うようにしてもよい。
【0035】
ステップST15では、燃料電池1が前記定格出力E0を保って発電するように制御する。そして、ステップST11に戻る。
【0036】
前記ステップST13に用いる空気量テーブルは、前記要求出力をパラメータとして燃料電池1の発電に必要な空気量を設定したもので、制御装置5に備えている。このガス圧テーブルでは、代表的な要求出力、例えば前記定格出力E0等に対して空気量が設定してあり、それ以外の要求出力に対する空気量は、補間計算により算出する。
【0037】
以上のような制御を行うことにより、二次電池4の温度が所定値Th以上であれば二次電池4を燃料電池1及び負荷と電気的に切断し、前記要求出力で燃料電池1が発電するので、二次電池4の温度が上昇して充放電が不可能になった場合でも、前記要求出力に基づき燃料電池1の出力を制御することにより負荷が必要とする出力を供給できる。すなわち、出力のコントロールが不可能になることにより、走行が不可能になる不具合を解消できる。
【0038】
なお、二次電池4の温度が前記所定値Thよりも低い第二の所定値以下であることを示す二次電池温度検知手段61からの信号を制御装置5が受け付けた場合に、燃料電池1が再び定格出力E0で発電を行う制御をさらに行うようにしてもよい。このような制御を行えば、燃料電池1が定格出力E0で発電を行う時間が増加するので、発電効率の向上を図ることができる。
【0039】
また、本実施形態では、前記アクセル状態検知器64が検知するアクセルペダルの踏み込み量に基づき、車両が加速状態または減速状態にあることを制御装置5が判定するようにしている。具体的には、アクセルペダルが踏み込まれている、すなわちアクセルペダルの踏み込み量が0ではないことを前記アクセル状態検知器64が検知している場合、制御装置5は車両が加速状態にあると判定する。
一方、アクセルペダルが踏み込まれていない、すなわちアクセルペダルの踏み込み量が0であることを前記アクセル状態検知器64が検知している場合、制御装置5は車両が減速状態にあると判定する。
【0040】
制御装置5は、シフトレバー7の位置がDレンジであり、かつパワーモードスイッチ(図示略)がONであることを前記レバー位置検知器62が検知しているとともに、車両が加速状態にあることを判定した場合、すなわち無段変速機がパワーモードで作動していて、高出力が要求される可能性が高い場合には、前記定格出力E0より高い第一の所定出力E1で発電するように燃料電池1を制御する。さらに、電力量測定手段63により測定された負荷による消費電力量が所定量P1を下回る場合、すなわち高出力を必要としない場合には、燃料電池1が前記定格出力E0で発電するように発電量を減少させる制御を行う。具体的には、電力量測定手段63で測定された消費電力量が所定の期間taで常に前記所定量P1を下回っているか否かを判定し、前記消費電力量が所定の期間taで常に前記所定量P1を下回っていることが判定された場合に前記制御を行う。なお、前記所定量P1は、前記第一の所定出力E1よりも小さな所定の消費電力量であり、制御装置5に記憶されている。なお、負荷による消費電力量が所定量を下回るか否かの判定は、負荷による消費電力を所定の周期で測定して所定回数分制御手段5に記憶させておき、一定時間の消費電力の積算量、すなわち制御手段5に記憶させた消費電力を積算した量が所定量を下回るか否かを判定することにより行うようにしてもよい。
【0041】
このとき制御装置5が行う制御を、フローチャートである図5及び作用図である図6を参照して説明する。
【0042】
ステップST21では、無段変速機がパワーモードで作動しているとともに車両が加速状態にあるか否か、具体的にはシフトレバー7の位置がDレンジにあり、前記パワーモードスイッチ(図示略)がONであるとともにアクセルペダルが踏み込まれているか否かを判定する。このステップST21においてシフトレバー7の位置がDレンジにあり、前記パワーモードスイッチ(図示略)がONであるとともにアクセルペダルが踏み込まれていることを判定した場合には、ステップST22に進む。一方、そうでない場合には、ステップST24に進む。
【0043】
ステップST22では、電力量測定手段63により測定され、制御手段5が取得した負荷の消費電力量が所定の期間taで常に所定量P1を下回っているか否かを判定する。図6における時刻T1のように、このステップST22において制御手段5が取得した負荷の消費電力量が所定の期間taで常に所定量P1を下回っていることを判定した場合には、ステップST24に進む。一方、そうでない場合には、ステップST23に進む。
【0044】
ステップST23では、燃料電池1に前記定格出力E0よりも高い第一の所定出力E1で発電させるべく、制御手段5が制御を行う。より具体的には、予め前記空気量テーブルに設定しておいた第一の所定出力E1で発電させるための空気量に基づき、コンプレッサ3を制御するとともにコンバータが燃料電池1の出力を第一の所定出力E1となるように制御する。
【0045】
ステップST24では、燃料電池1に前記定格出力E0で発電させるべく、コンプレッサ3の制御を行うとともにコンバータが発電量を制御する。
【0046】
以上のような制御を行うことにより、無段変速機がパワーモードで作動しているとともに車両が加速状態にある場合、すなわち高出力が要求される可能性が高い場合には、燃料電池1が定格出力E0より高い第一の所定出力E1で発電する。従って、燃料電池1が定格出力E0で発電する場合と比較して二次電池4からの放電量を少なくできる。従って、大きなトルクを得るべく減速比を高くし、高回転数を多用してモータの出力を大きくしているにも関らず、二次電池4の容量不足に伴う不具合を起こしにくくできる。さらに、二次電池4からの放電量を少なくできるので、二次電池の温度上昇もまた抑えることができる。
【0047】
一方、電力量測定手段63により測定された負荷の消費電力量が所定量を下回る場合、すなわち高出力が要求されない場合には、燃料電池1が定格出力E0で発電するので、発電効率をより高めることができる。
【0048】
さらに、制御装置5は、無段変速機がエンジンブレーキモードで作動しているとともに車両が減速状態にある場合、具体的にはシフトレバー7の位置がDsレンジにあることを前記レバー位置検知器62が検知しているとともに、車両が減速状態にあることを判定した場合に、燃料電池1が前記定格出力E0より低い第二の所定出力E2で発電するように制御を行う。
【0049】
具体的な制御の流れをフローチャートである図7及び作用図である図8を参照して説明する。
【0050】
ステップST31では、無段変速機がエンジンブレーキモードで作動しているとともに車両が減速状態にあるか否か、具体的にはシフトレバー7の位置がDsレンジにあるとともにアクセルペダルの踏み込み量が0であるか否かを判定する。このステップST31においてシフトレバー7の位置がDsレンジにあるとともにアクセルペダルの踏み込み量が0であることを判定した場合には、ステップST32に進む。一方、そうでない場合には、ステップST33に進む。
【0051】
ステップST32では、燃料電池1に前記第二の所定出力E2で発電させるべく、制御手段5が制御を行う。より具体的には、予め前記空気圧テーブルに設定しておいた第二の所定出力E2で発電させるための空気圧に基づき、コンプレッサ3を制御するとともに、コンバータが前記第二の所定出力E2となるように制御する。
【0052】
ステップST33では、燃料電池1が前記定格出力E0で発電するようにすべく、コンプレッサ3の制御を行い、コンバータが発電量を制御する。
【0053】
以上のような制御を行うことにより、無段変速機がエンジンブレーキモードで作動しているとともに車両が減速状態にある場合、具体的にはシフトレバー7の位置がDsレンジにあるとともにアクセルペダルの踏み込み量が0である場合には、燃料電池1が定格出力E0より低い第二の所定出力E2で発電するので、二次電池4に供給される電流の総量もまた減少する。従って、モータからの回生電流が二次電池4に流れても、二次電池4に大きな電流が流れて二次電池4が故障する不具合を起こしにくくできる。さらに、二次電池4に供給される電流の総量もまた減少することから、二次電池4の温度上昇も抑えることができる。
【0054】
本実施形態に係る燃料電池システムは、以上に述べたように、無段変速機(自動変速機)の作動状態に応じて制御装置5が燃料電池1の出力を変更する制御、具体的には無段変速機がパワーモードで作動しているとともに車両が加速状態にある場合に燃料電池1の出力を増加させて二次電池4からの放電量を抑える制御や無段変速機がエンジンブレーキモードで作動しているとともに車両が減速状態にある場合に燃料電池1の出力を減少させて燃料電池1から二次電池4に供給される電流を抑える制御を行う。従って、二次電池4の充電切れや、二次電池4に大きな電流が流れて二次電池が故障すること等、車両に用いる燃料電池1の出力を一定電力に固定することに伴う種々の不具合の発生を抑えることができる。
【0055】
なお、本発明は以上に述べた実施の形態に限られない。
【0056】
例えば、上述した実施形態では、蓄電手段の温度上昇に伴い蓄電手段に対する充放電を停止する制御と、車両の走行状態に応じて燃料電池の発電量を定格出力と第一及び第二の所定出力との間で選択的に変化させる制御とを同時に行っているが、これらの制御のうちいずれか一方のみを行うようにしてもよい。
【0057】
また、上述した実施形態では、アクセルの踏み込み量が0であるか否かに基づき車両の加速状態又は減速状態を判断していたが、車速センサにより車両の加速状態又は減速状態を判断してもよいし、ブレーキペダルが踏まれたことを検出するブレーキスイッチ信号の有無で車両の減速状態を判断してもよい。さらに、アクセルペダルの踏み込み量の時間的変化が正である、すなわちアクセルペダルが踏み足されている際に加速状態にあると判定するとともに、アクセルペダルの踏み込み量の時間的変化が負である、すなわちアクセルペダルが踏み戻されている減速状態にあると判定するようにしてもよい。
【0058】
さらに、上述した実施形態では、自動変速機がパワーモードで作動しているとともに車両が加速状態にある際、又はエンジンブレーキモードで作動しているとともに減速状態にある際に制御装置が燃料電池の発電量を一定出力(定格出力)から変更するようにしているが、例えばシフトレバーがDレンジでありかつパワーモードスイッチがOFFである場合、またはパワースイッチモードを省略した場合に、アクセルペダルの踏み込み量やその時間変化に応じて燃料電池の発電量を前記一定出力から変更するように制御を行うようにしてもよい。
【0059】
このような制御の例として、例えばアクセルペダルの踏み込み量が最大である場合に燃料電池の発電量を前記一定出力から増加させる制御が考えられる。このような制御を行うものであれば、アクセルペダルの踏み込み量が最大である際には燃料電池の発電量が前記一定出力から増加するので、上述した実施形態と同様に蓄電手段からの放電量を抑えることができる効果が得られる。自動変速機を有する自動車が運転される際には、上り坂における走行時や発進時等高出力が必要とされる場面において、自動変速機のシフトレバーの位置はDレンジのままアクセルペダルの踏み込み量を最大にすることにより負荷に要求する出力である要求出力を増大させることが行われる場合も多いが、前述した制御を用いればこのような場合にも好適に対応できる。また、アクセルペダルの踏み込み量が最大である場合に限らず、アクセルペダルの踏み込み量の時間変化率が所定以上の大きな正の値である場合や、アクセルペダルの踏み込み量が所定値以上である場合に燃料電池の発電量を前記一定出力から増加させる制御を行っても同様の効果が得られる。
【0060】
また、車両が減速状態にある際に、自動変速機の作動状態に関らず、例えば自動変速機がDレンジであっても、車速が所定値以上である場合に燃料電池の発電量を前記一定出力から減少させる制御も考えられる。高速走行状態から減速する場合には大きな回生電流が蓄電手段に供給されるが、このような制御を行うものであれば、燃料電池の発電量が前記一定出力から減少するので、蓄電手段に供給される電力を減少させて、蓄電手段に過度に大きな電流が流れることを防ぐ効果が得られる。同様に、ブレーキペダルが踏まれたことを検出した場合に、燃料電池の発電量を減少、又は停止する制御も考えられる。この場合も前述した態様と同様に蓄電手段に過度に大きな電流が流れることを防ぐ効果が得られる。
【0061】
加えて、上述した実施形態では、シフトレバーがDsレンジにある場合に変速機をエンジンブレーキモードで作動させるようにしているが、その他に、エンジンブレーキモード以外の動作モードでは車軸から電動機へのトルク伝達を行わず、エンジンブレーキモードでのみ車軸から電動機へのトルク伝達を行うような機構を有する車両が考えられている。このような車両においても、エンジンブレーキモードにおいて回生発電ブレーキからの電流が大きくなり、二次電池に充電を行っている際に二次電池に大きな電流が流れてしまい、二次電池が故障する不具合が起こり得るが、このような構成の車両においても本発明に係るエンジンブレーキモードにおける制御を適用すると、エンジンブレーキモードにおいて二次電池に供給される電流を小さくすることができるので、このような不具合を解消できる。
【0062】
さらに、上述した実施形態では、無段変速機(自動変速機)には、前記Dレンジと比較してより高い減速比を多用する作動状態、すなわちエンジンブレーキモードとして作動させるための作動状態として前記Dsレンジのみを設けているが、例えばこのDsレンジよりもさらに高い減速比を多用する作動状態を設けてもよい。このような作動状態で無段変速機(自動変速機)を作動させる場合、燃料電池が発電する前記第二の所定出力は上述したDsレンジで作動させる場合におけるよりもさらに低く設定することが望ましい。
【0063】
そして、温度検知手段が検知した蓄電手段の温度が所定温度を上回った場合に、負荷に要求される発電量に所定の係数を積算して得られる発電量を発電するように発電制御手段が制御を行うように構成してもよい。
【0064】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0065】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0066】
すなわち、温度検知手段が検知した蓄電手段の温度が所定温度を上回った場合に、負荷に応じた発電量を発電するように発電制御手段が制御を行うので、蓄電手段の過熱に伴い出力コントロールが不能になる不具合を解消できる。
【0067】
また、作動状態検知手段が検知した自動変速機の作動状態に応じて発電制御手段が発電量を変更する制御を行うので、蓄電手段の容量不足や蓄電手段に大電流が流れてしまう不具合の発生を抑えることができる。
【0068】
従って、本発明の燃料電池システムにより、燃料電池が常時は一定出力となるように燃料電池の発電を制御し、燃料電池と蓄電手段とを具備する燃料電池システムにおいて、出力変化を頻繁に行う車両に用いる際の不具合の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す概略図。
【図2】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置の機能ブロックを示す図。
【図3】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の流れを示すフローチャート。
【図4】図3における制御の作用を示す図。
【図5】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の流れを示すフローチャート。
【図6】図5における制御の作用を示す図。
【図7】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の流れを示すフローチャート。
【図8】図7における制御の作用を示す図。
【符号の説明】
S…燃料電池システム
1…燃料電池
4…二次電池(蓄電手段)
5…制御装置(発電制御手段)
61…二次電池温度検知手段(温度検知手段)
62…レバー位置検知器(作動状態検知手段)
63…電力量測定手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として車両に搭載される燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両において、窒素化合物、炭化水素、一酸化炭素といった有害排気物質が少ないなどの理由から電気自動車が開発され、電気自動車のモータの電源として、内燃機関に比較してエネルギーロスが少ない燃料電池が実用化され始めている。このような車両に搭載される燃料電池を含む燃料電池システムでは、燃料電池が安全に、かつ効率よく発電するために各種の制御を行っている。
【0003】
燃料電池を用いて効率よく発電するために行う制御の例として、例えば、燃料電池と二次電池とを組み合わせ、燃料電池は一定出力による発電のみを間欠的に行うとともに、負荷による消費電力が前記一定出力に満たない場合には余剰の電力を二次電池に蓄えるようにし、燃料電池の停止時には二次電池から電力を負荷に供給する燃料電池システムが考えられている。このように間欠的に発電を行う燃料電池システムとしては、例えば、特許文献1に示されるものがある。なお、特許文献1においては、二次電池は蓄電池として述べられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−182675
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1記載の構成では、ビルや住宅等のエネルギー源として燃料電池を用いるものであって、燃料電池による発電を行う時間帯を決定しておいて発電を行うようにしている。また、特許文献1には、燃料電池は低出力運転を行うと劣化するという不具合が記載されているが、これに加えて、燃料電池には最も効率よく発電を行える一定出力が存在し、これ以上の高出力で発電を行うようにすると発電効率が低下する不具合が存在する。
【0006】
ところで、自動車等の車両においては、加速や減速が頻繁に行われるので、必要とする出力もまた頻繁に変化する。従って、上述したような燃料電池が一定電力のみにより発電を行い、二次電池に対する充放電により電力の過不足を調整するような燃料電池システムをこのような車両のエネルギー源として採用すると、上述したビルや住宅等のエネルギー源として用いる場合と比較して、二次電池に対する充放電もまた頻繁に行われるようになる。しかして、二次電池に対する充放電の際には、熱が発生して二次電池の温度が上昇し、過度に温度が上昇すると、二次電池に対する充放電が行えなくなり、負荷に対する出力の制御が不可能になり、従って走行が不可能になる不具合が生じる。
【0007】
また、特に電動機及び該電動機の回転を変速する自動変速機を含む走行装置とともに用いられる場合、自動変速機の作動状態によっては、前記一定出力より高い出力を得るべく二次電池からの放電が行われる時間帯が多くなり二次電池の容量が不足する不具合や、電動機を用いて発電を行いブレーキ力を得る回生発電ブレーキからの電流が大きくなり、二次電池に充電を行っている際に二次電池に大きな電流が流れてしまい、二次電池が故障する不具合もまた生じる。
【0008】
本発明は、主として車両に搭載される燃料電池において、一定出力による発電のみを間欠的に行う際の上述したような不具合を解消することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池により充電される蓄電手段と、常時は一定出力となるように燃料電池の発電を制御する発電制御手段と、蓄電手段の温度を検知する温度検知手段とを備える燃料電池システムであって、温度検知手段が検知した蓄電手段の温度が所定温度を上回った場合に、負荷に応じた発電量を発電するように発電制御手段が制御を行うことを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、蓄電手段の温度が所定温度を上回った場合には、負荷に応じた発電量を発電するように燃料電池を制御するので、前記一定出力からの発電量の過不足を補うための蓄電手段への充電及び蓄電手段からの放電を行う必要が少なくなり、その際には蓄電手段への充電量及び蓄電手段からの放電量を少なくして蓄電手段の温度上昇を抑えることができる。また、充放電を頻繁に行うことにより蓄電手段の温度が上昇してさらなる充放電を行えなくなっても、上述したように負荷に応じた発電量を発電するように燃料電池を制御することにより、負荷に対する出力の制御を行うことができるようになり、走行が不可能になる不具合を解消できる。
【0011】
一方、走行装置の作動状態により、蓄電手段の容量が不足したり蓄電手段に大きな電流が流れて蓄電手段が故障したりする不具合を解消するために望ましい態様として、電動機及び該電動機の回転を変速する自動変速機を含む走行装置を備える車両に搭載され、燃料電池と、燃料電池により充電される蓄電手段と、常時は一定出力となるように燃料電池の発電を制御する発電制御手段と、自動変速機の作動状態を検知する作動状態検知手段とを備える燃料電池システムであって、作動状態検知手段が検知した自動変速機の作動状態に応じて発電制御手段が発電量を変更する制御を行うものが挙げられる。このようなものであれば、高出力を必要とする作動状態においては燃料電池の発電量を増加させて蓄電手段から供給する電力量を減らし、また蓄電手段に電動機を用いる回生発電ブレーキからの電力を供給する作動状態においては燃料電池の発電量を減少させて蓄電手段に供給する電流を小さくする等の制御を行い上述した不具合を解消できるからである。
【0012】
上述した蓄電手段の容量不足を解消するために望ましい態様の具体的な一例として、自動変速機の変速モードが通常の変速モードよりも高減速比が多用されるパワーモードである際に、燃料電池が前記一定出力より高い第一の所定出力で発電するように発電制御手段が制御を行うものが挙げられる。このように、自動変速機がパワーモードとなると、通常のモードと比較して減速比が高くなるために、電動機が必要とする電力もまた高くなるが、このようなものであれば、燃料電池が前記一定出力より高い第一の所定出力で発電するように制御を行うことにより、蓄電手段からの放電により補うべき電力量を少なくして蓄電手段の充電切れを起こりにくくするようにできるからである。
【0013】
前述の燃料電池システムにおいて、燃費を向上させるための態様として、負荷による消費電力量を測定する電力量測定手段をさらに備え、電力量測定手段により測定された前記消費電力量が所定量を下回る場合に、燃料電池の発電量を減少させるように発電制御手段が制御を行うものが挙げられる。このようなものであれば、自動変速機が前記パワーモードで作動している場合であっても、一定速度を保って平地を走行する際等、高い出力が比較的必要とされない場合においては、燃料電池の発電量を減少させることにより、燃料の消費を少なくすることができるからである。
【0014】
上述した蓄電手段に大きな電流が流れてしまう不具合を解消するために望ましい態様の具体的な一例として、自動変速機の変速モードが、減速時に電動機の回転数が通常の変速モードでの減速時に比べ高くなるエンジンブレーキモードであり、かつ車両が減速している際に、燃料電池が前記一定出力より低い第二の所定出力で発電するものが挙げられる。このようなものであれば、上述した状態において燃料電池の出力を減少させているので、上述した状態において蓄電手段に供給される電流の総量もまた燃料電池の出力を一定出力に保つ場合と比較して減少させることができる。このように、自動変速機がエンジンブレーキモードとなると、車両が減速状態にある際には、電動機が回生発電ブレーキとして作用しているとともに自動変速機が通常のモードで作動している場合と比較して減速比が高くなるために蓄電手段に大きな回生電流が供給されるが、上述した制御を行えばこのような場合にも蓄電手段に過度に大きな電流が流れることを起こりにくくできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態に係る燃料電池システムSは、図1に示すように、車両、特に自動車に搭載されるもので、燃料電池1、発電に必要な水素含有ガスである水素ガスの貯蔵手段である水素ガスタンク2、酸素含有ガスである空気の供給手段であるコンプレッサ3、蓄電手段である二次電池4、発電に付随する各種制御を行う発電制御手段たる制御装置5、燃料電池1の温度を調節する温度制御装置TC等を備えている。この燃料電池システムSは、車両を走行させるための電動機たるモータ及び該モータの回転を変速する無段変速機を含む走行装置M、燃料電池1を制御するための電磁弁、ファンモータ、さらに電動式のコンプレッサ3等の電気機器を負荷とするものである。また、この燃料電池システムSでは、基本的には燃料電池1は負荷に追従して発電量を変更するのでなく、発電効率の最もよい発電量となるように、制御装置5により一定出力たる定格出力で発電するよう制御される。制御装置5による制御の詳細については後述する。また、この燃料電池システムSは、鉄道に用いる機関車等、自動車以外の車両に用いることもできる。
【0017】
燃料電池1は、この分野で広く知られたものを用いることができ、例えば電解部としてのイオン交換膜に密着するようにして正極部と負極部とを配設したセルの複数を直列接続してスタックを形成し、そのスタックに対して水素ガスと空気とを所定の圧力で供給し得るように、ハウジング内に収納したものである。
【0018】
具体的には、水素ガスは前記水素ガスタンク2からレギュレータRGを介して所定の圧力で燃料電池1に供給するようにしている。燃料電池1内に供給された水素ガスは、各セルの負極部に案内される。一方、空気は前記コンプレッサ3を介して所定の圧力で燃料電池1に供給するようにしている。そして、燃料電池1内に供給された空気は、各セルの正極部に案内される。各セルの負極部に案内された水素は、各セルの正極部に案内された空気中の酸素と反応して発電する。この燃料電池1からの電流は、走行装置M等の負荷に供給される。
【0019】
発電に寄与した以外の余剰の空気、すなわち排気酸素含有ガスは、循環することなく、発電により生成した水の略全量とともに、排気酸素含有ガス排出路P4から排気管P5を介して燃料電池1外に排出される。一方、反応せずに残った余剰の水素ガスである排気水素含有ガスは、燃料電池1からこの燃料電池1に連通して設けられている排気水素含有ガス排出路P2を介して排出される。この排気水素含有ガス排出路P2からは、排気水素含有ガスだけでなく、イオン交換膜を介して負極部にしみだし付着した水もまた排出される。この排気水素含有ガス排出路P2中には、電磁弁からなる排出制御弁B1が設けられている。そして、この排気水素含有ガス排出路P2は、希釈器6に接続していて、前記排出制御弁B1を通過した排気水素含有ガスは希釈器6に排出されるようにしている。さらに、排気酸素含有ガス排出路P4の前記調圧弁B2よりも上流から希釈用空気供給路P6を分岐させて設けていて、この希釈用空気供給路P6の他端も前記希釈器6に連通している。そして、この希釈器6内で排気水素含有ガスと排気酸素含有ガスとが混合し、水素濃度が低下した排気水素含有ガスが、排気管P5を介して車外に排出される。
【0020】
なお、本実施形態では、排気水素含有ガスの排出を排出制御弁B1により制御して行うようにしている。また、前記調圧弁B2により、排気酸素含有ガスの圧力、及び排気酸素含有ガス排出路P4に連通する燃料電池1の正極部における空気の圧力を燃料電池1の発電に適した圧力に調整するようにしている。さらに、前記希釈器6の下流部に希釈弁B3を設け、希釈された排気水素含有ガスを選択的に排出するようにしている。加えて、排気酸素含有ガスP4に排気水素含有ガスが逆流するのを防ぐべく、希釈用空気供給路P6に逆止弁B4を設けている。
そして、レギュレータRGと燃料電池1との間には水素ガスの供給圧力を検知する水素圧力センサS1、燃料電池1と調圧弁B2との間には排気酸素含有ガスの圧力、及び前記排気酸素含有ガス排出路P4に連通する燃料電池1の正極部における空気の圧力を検知する空気圧力センサS2を設けている。
【0021】
前記二次電池4は、燃料電池1により充電されるとともに、車両が減速された場合や下り坂を走行した場合に、モータが回生発電を行うことにより発生する回生電流の供給を受けて充電される。車両は、通常はこの二次電池4からの電力により走行し、電力が不足する場合に燃料電池1により不足分を補充するように構成している。すなわち、本実施形態に係る燃料電池システムSの燃料電池1は、車両の走行中常時発電するのでなく、必要に応じて間欠的に発電する。この二次電池4ないし燃料電池システムS全体の出力制御、燃料電池1の発電の開始及び終了の制御、及び燃料電池1から二次電池4への充電の制御は、制御手段5により行われるが、その詳細は後述する。そして、このような二次電池4に密着させた状態で、二次電池4の温度を検知する二次電池温度検出手段61が取り付けてある。
【0022】
さらに、本実施形態では、前記モータは、実際に車体を駆動させる走行機構と、無段変速機(CVT)を介して接続されている。この無段変速機の作動状態は、図2に示すシフトレバー7及びパワーモードスイッチ(図示略)により切り替えるようにしている。具体的には、このシフトレバー7の位置を検知するレバー位置検知器62及びパワーモードスイッチ(図示略)の状態を示すパワーモードスイッチ状態検知器(図示略)を設け、検知されたシフトレバー7の位置及びパワーモードスイッチ(図示略)の状態に基づき作動状態が切り替わるようにしている。本実施形態では、シフトレバー7は、ドライブ(以下Dレンジと記述)、スロープ(以下Dsレンジと記述)、ニュートラル(以下Nレンジと記述)、リバース(以下Rレンジと記述)、及びパーキング(以下Pレンジと記述)の5つの位置のうちいずれかに位置するように構成している。シフトレバー7が前記Nレンジ、Rレンジ、及びPレンジのいずれかに位置する場合には、無段変速機は通常の内燃機関により走行する自動車に用いられる無段変速機における同名の作動状態として周知のものと同様に作用する。シフトレバー7が前記Dレンジに位置するとともに、前記パワーモードスイッチ(図示略)がOFFである場合には、無段変速機は、通常の内燃機関により走行する自動車に用いられる無段変速機における同名の作動状態として周知のものと同様に機能する。すなわち、このような作動状態は、通常の走行時に用いられ、モータを最も効率よく作動する回転数に保つべく減速比を調整する。シフトレバー7が前記Dレンジに位置するとともに、前記パワーモードスイッチ(図示略)がONである場合には、前記通常の走行時に用いられる作動状態と比較して、高減速比が多用される。すなわち、この作動状態は、通常の変速モードよりも高減速比が多用されるパワーモードで作動させる際に用いられる。前記Dsレンジは、坂道走行時等に用いられ、前記Dレンジと比較してより減速比を高く設定する作動状態である。より具体的には、このDsレンジは、減速時においてより大きな回生ブレーキ力を得るべく用いられる作動状態であるエンジンブレーキモードで作動させる際に用いられる。なお、トルクコンバータ付自動変速機として周知のもの等、上述した無段変速機以外の構成を有する有段の自動変速機を上述した無段変速機の替わりに用いてもよい。また、前記レバー位置検知器62は、請求項中の作動状態検知手段として機能するものであり、接点信号を出力する機械式スイッチであってもよい。
【0023】
前記制御装置5は、CPU51、内部メモリ52、入力インタフェース53、出力インタフェース54を少なくとも備えたマイクロコンピュータシステムを主体として構成され、実際に燃料電池1の発電量を制御するDC−DCコンバータ(以下コンバータと称す)及び前記走行装置への通電を制御するインバータ(ともに図示略)をも備えている。そして、図2に示すように、入力インタフェース53には、前記二次電池温度検知手段61、前記レバー位置検知器62、燃料電池1及び二次電池4から供給される電流の大きさ及び燃料電池1及び二次電池4の起電電圧に基づき負荷による消費電力量を測定する電力量測定手段63、アクセルペダルに設けられ該アクセルペダルの踏み込み量を検知するアクセル状態検知器64、前記水素圧力センサS1、前記空気圧力センサS2等が接続されていて、これらから入力される信号を受け付ける。一方、出力インタフェース54には、前記調圧弁B2、前記コンプレッサ3等が接続されていて、前記入力センサ53が受け付けた信号に基づき、前記内部メモリ52に格納されたプログラムに従いCPU51等と協働してこれらの制御を行う。
【0024】
前記コンバータは、燃料電池1の発電を制御するとともに、二次電池4の充放電を制御する。すなわち、コンバータにより燃料電池1から出力される電流が負荷に流れたときに燃料電池1が発電する。また、モータからの回生電流をコンバータが二次電池4に入力することにより、二次電池4が充電される。
【0025】
以下に制御装置5が行う具体的な制御の例を示す。
【0026】
まず、制御装置5は、前記アクセル状態検知器64が検知したアクセルペダルの踏み込み量に応じて、負荷に応じた発電量、すなわち本実施形態では負荷により要求される発電量である要求出力、及びモータに要求される出力であるモータ出力を後述する出力テーブルを用いて計算するとともに、燃料電池システムS全体としての出力が前記要求出力となるように制御を行う。すなわち、燃料電池1の発電時には、燃料電池1の出力と二次電池4からの出力との和、ないし燃料電池1の出力と二次電池4への充電量の差が前記要求出力となるように制御を行う。すなわち燃料電池システムS全体として前記要求出力に対応する大きさの電流を負荷に供給するように制御を行う。一方、燃料電池1が発電を行わない場合には、二次電池4から前記要求出力に対応する大きさの電流を負荷に供給するように制御を行う。また、要求出力に応じてトルク量を変化させるべく無段変速機の減速比の制御を行う。さらに、前記インバータは、前記モータ出力に対応する大きさの電流をモータに供給するように制御を行う。なお、前記アクセルペダルの踏み込み量は、本実施形態では、該アクセルペダルが踏み込まれている量の該アクセルペダルが最大に踏み込まれている状態において踏み込まれる量に対する割合として示している。すなわち、該アクセルペダルが踏み込まれていない状態におけるアクセルペダルの踏み込み量は0、該アクセルペダルが最大に踏み込まれている状態におけるアクセルペダルの踏み込み量は1である。
【0027】
前記出力テーブルは、前記アクセルペダルの踏み込み量をパラメータとして要求出力及びモータ出力を設定したもので、制御装置5に備えている。この出力テーブルでは、代表的なアクセルの踏み込み量に対して要求出力及びモータ出力が設定してあり、それ以外のアクセルの踏み込み量に対する要求出力及びモータ出力は、補間計算により算出する。
【0028】
また、制御装置5は、常時は燃料電池1が最も効率よい発電を行う一定出力たる定格出力E0で発電するように制御を行う。すなわち、コンプレッサ3を制御して燃料電池1の発電に必要な空気量を燃料電池1に供給するとともに、コンバータが燃料電池1の出力を定格出力E0となるように制御する。前記空気量は、予め制御装置5に記憶している。より具体的には、後述する空気量テーブルに、定格出力E0で発電させるための空気量を設定している。そして、前記要求出力が定格出力E0に満たない場合には発電を行いつつ二次電池4に充電を行う。一方、前記要求出力が定格出力E0を超える場合には、二次電池4は放電を行い、燃料電池システムS全体として前記要求出力を供給する。さらに、二次電池4の充電量が第一の所定値以上である場合には燃料電池1は発電を中止し、二次電池4からの電力のみで走行するように制御する。そして、二次電池4の充電量が第一の所定値より低い第二の所定値以下である場合には燃料電池1は発電を再開し、二次電池4への充電が行われるように制御する。すなわち、燃料電池1が必要に応じて間欠的に発電するように制御を行う。このように制御を行うことで、燃料電池システムSの発電効率を向上させることができる。
【0029】
しかして本実施形態では、制御装置5は、二次電池温度検知手段61が検知した二次電池4の温度が所定温度Thを上回った場合に、燃料電池1が負荷により要求される発電量を発電するように制御を行う。
【0030】
以下に制御装置5が行う具体的な制御を、フローチャートである図3及び作用図である図4を参照して説明する。
【0031】
ステップST11では、二次電池4の温度が所定温度Th以上であるか否かを判定する。このステップST11において二次電池4の温度が所定温度Th以上であることを判定した場合には、ステップST12に進む。一方、そうでない場合には、ステップST14に進む。
【0032】
ステップST12では、二次電池4を燃料電池1と負荷から制御装置5により電気的に切断し、二次電池4への充電及び二次電池4からの放電が行われないようにする。なお、このステップST12においては、制御装置5は前記したような制御に替えて、二次電池への充放電を禁止する制御を行うようにしてもよい。
【0033】
ステップST13では、前記アクセル状態検知器64が検知するアクセルの踏み込み量に基づき、負荷により要求される発電量である要求出力を前記出力テーブルを用いて計算し、燃料電池1の出力がこの要求出力となるように制御を行う。すなわち、計算された要求出力に対応する空気量を図示しない空気量テーブルを用いて計算し、コンプレッサ3の制御を行うとともにコンバータが燃料電池1の出力制御を行う。なお、空気量テーブルの詳細については後述する。
【0034】
ステップST14では、制御装置5により二次電池4を燃料電池1及び負荷に電気的に接続し、二次電池4への充電及び二次電池4からの放電を行うようにする。なお、このステップST14においては、制御装置5は前記したような制御に替えて、二次電池への充放電の禁止を解除する制御を行うようにしてもよい。
【0035】
ステップST15では、燃料電池1が前記定格出力E0を保って発電するように制御する。そして、ステップST11に戻る。
【0036】
前記ステップST13に用いる空気量テーブルは、前記要求出力をパラメータとして燃料電池1の発電に必要な空気量を設定したもので、制御装置5に備えている。このガス圧テーブルでは、代表的な要求出力、例えば前記定格出力E0等に対して空気量が設定してあり、それ以外の要求出力に対する空気量は、補間計算により算出する。
【0037】
以上のような制御を行うことにより、二次電池4の温度が所定値Th以上であれば二次電池4を燃料電池1及び負荷と電気的に切断し、前記要求出力で燃料電池1が発電するので、二次電池4の温度が上昇して充放電が不可能になった場合でも、前記要求出力に基づき燃料電池1の出力を制御することにより負荷が必要とする出力を供給できる。すなわち、出力のコントロールが不可能になることにより、走行が不可能になる不具合を解消できる。
【0038】
なお、二次電池4の温度が前記所定値Thよりも低い第二の所定値以下であることを示す二次電池温度検知手段61からの信号を制御装置5が受け付けた場合に、燃料電池1が再び定格出力E0で発電を行う制御をさらに行うようにしてもよい。このような制御を行えば、燃料電池1が定格出力E0で発電を行う時間が増加するので、発電効率の向上を図ることができる。
【0039】
また、本実施形態では、前記アクセル状態検知器64が検知するアクセルペダルの踏み込み量に基づき、車両が加速状態または減速状態にあることを制御装置5が判定するようにしている。具体的には、アクセルペダルが踏み込まれている、すなわちアクセルペダルの踏み込み量が0ではないことを前記アクセル状態検知器64が検知している場合、制御装置5は車両が加速状態にあると判定する。
一方、アクセルペダルが踏み込まれていない、すなわちアクセルペダルの踏み込み量が0であることを前記アクセル状態検知器64が検知している場合、制御装置5は車両が減速状態にあると判定する。
【0040】
制御装置5は、シフトレバー7の位置がDレンジであり、かつパワーモードスイッチ(図示略)がONであることを前記レバー位置検知器62が検知しているとともに、車両が加速状態にあることを判定した場合、すなわち無段変速機がパワーモードで作動していて、高出力が要求される可能性が高い場合には、前記定格出力E0より高い第一の所定出力E1で発電するように燃料電池1を制御する。さらに、電力量測定手段63により測定された負荷による消費電力量が所定量P1を下回る場合、すなわち高出力を必要としない場合には、燃料電池1が前記定格出力E0で発電するように発電量を減少させる制御を行う。具体的には、電力量測定手段63で測定された消費電力量が所定の期間taで常に前記所定量P1を下回っているか否かを判定し、前記消費電力量が所定の期間taで常に前記所定量P1を下回っていることが判定された場合に前記制御を行う。なお、前記所定量P1は、前記第一の所定出力E1よりも小さな所定の消費電力量であり、制御装置5に記憶されている。なお、負荷による消費電力量が所定量を下回るか否かの判定は、負荷による消費電力を所定の周期で測定して所定回数分制御手段5に記憶させておき、一定時間の消費電力の積算量、すなわち制御手段5に記憶させた消費電力を積算した量が所定量を下回るか否かを判定することにより行うようにしてもよい。
【0041】
このとき制御装置5が行う制御を、フローチャートである図5及び作用図である図6を参照して説明する。
【0042】
ステップST21では、無段変速機がパワーモードで作動しているとともに車両が加速状態にあるか否か、具体的にはシフトレバー7の位置がDレンジにあり、前記パワーモードスイッチ(図示略)がONであるとともにアクセルペダルが踏み込まれているか否かを判定する。このステップST21においてシフトレバー7の位置がDレンジにあり、前記パワーモードスイッチ(図示略)がONであるとともにアクセルペダルが踏み込まれていることを判定した場合には、ステップST22に進む。一方、そうでない場合には、ステップST24に進む。
【0043】
ステップST22では、電力量測定手段63により測定され、制御手段5が取得した負荷の消費電力量が所定の期間taで常に所定量P1を下回っているか否かを判定する。図6における時刻T1のように、このステップST22において制御手段5が取得した負荷の消費電力量が所定の期間taで常に所定量P1を下回っていることを判定した場合には、ステップST24に進む。一方、そうでない場合には、ステップST23に進む。
【0044】
ステップST23では、燃料電池1に前記定格出力E0よりも高い第一の所定出力E1で発電させるべく、制御手段5が制御を行う。より具体的には、予め前記空気量テーブルに設定しておいた第一の所定出力E1で発電させるための空気量に基づき、コンプレッサ3を制御するとともにコンバータが燃料電池1の出力を第一の所定出力E1となるように制御する。
【0045】
ステップST24では、燃料電池1に前記定格出力E0で発電させるべく、コンプレッサ3の制御を行うとともにコンバータが発電量を制御する。
【0046】
以上のような制御を行うことにより、無段変速機がパワーモードで作動しているとともに車両が加速状態にある場合、すなわち高出力が要求される可能性が高い場合には、燃料電池1が定格出力E0より高い第一の所定出力E1で発電する。従って、燃料電池1が定格出力E0で発電する場合と比較して二次電池4からの放電量を少なくできる。従って、大きなトルクを得るべく減速比を高くし、高回転数を多用してモータの出力を大きくしているにも関らず、二次電池4の容量不足に伴う不具合を起こしにくくできる。さらに、二次電池4からの放電量を少なくできるので、二次電池の温度上昇もまた抑えることができる。
【0047】
一方、電力量測定手段63により測定された負荷の消費電力量が所定量を下回る場合、すなわち高出力が要求されない場合には、燃料電池1が定格出力E0で発電するので、発電効率をより高めることができる。
【0048】
さらに、制御装置5は、無段変速機がエンジンブレーキモードで作動しているとともに車両が減速状態にある場合、具体的にはシフトレバー7の位置がDsレンジにあることを前記レバー位置検知器62が検知しているとともに、車両が減速状態にあることを判定した場合に、燃料電池1が前記定格出力E0より低い第二の所定出力E2で発電するように制御を行う。
【0049】
具体的な制御の流れをフローチャートである図7及び作用図である図8を参照して説明する。
【0050】
ステップST31では、無段変速機がエンジンブレーキモードで作動しているとともに車両が減速状態にあるか否か、具体的にはシフトレバー7の位置がDsレンジにあるとともにアクセルペダルの踏み込み量が0であるか否かを判定する。このステップST31においてシフトレバー7の位置がDsレンジにあるとともにアクセルペダルの踏み込み量が0であることを判定した場合には、ステップST32に進む。一方、そうでない場合には、ステップST33に進む。
【0051】
ステップST32では、燃料電池1に前記第二の所定出力E2で発電させるべく、制御手段5が制御を行う。より具体的には、予め前記空気圧テーブルに設定しておいた第二の所定出力E2で発電させるための空気圧に基づき、コンプレッサ3を制御するとともに、コンバータが前記第二の所定出力E2となるように制御する。
【0052】
ステップST33では、燃料電池1が前記定格出力E0で発電するようにすべく、コンプレッサ3の制御を行い、コンバータが発電量を制御する。
【0053】
以上のような制御を行うことにより、無段変速機がエンジンブレーキモードで作動しているとともに車両が減速状態にある場合、具体的にはシフトレバー7の位置がDsレンジにあるとともにアクセルペダルの踏み込み量が0である場合には、燃料電池1が定格出力E0より低い第二の所定出力E2で発電するので、二次電池4に供給される電流の総量もまた減少する。従って、モータからの回生電流が二次電池4に流れても、二次電池4に大きな電流が流れて二次電池4が故障する不具合を起こしにくくできる。さらに、二次電池4に供給される電流の総量もまた減少することから、二次電池4の温度上昇も抑えることができる。
【0054】
本実施形態に係る燃料電池システムは、以上に述べたように、無段変速機(自動変速機)の作動状態に応じて制御装置5が燃料電池1の出力を変更する制御、具体的には無段変速機がパワーモードで作動しているとともに車両が加速状態にある場合に燃料電池1の出力を増加させて二次電池4からの放電量を抑える制御や無段変速機がエンジンブレーキモードで作動しているとともに車両が減速状態にある場合に燃料電池1の出力を減少させて燃料電池1から二次電池4に供給される電流を抑える制御を行う。従って、二次電池4の充電切れや、二次電池4に大きな電流が流れて二次電池が故障すること等、車両に用いる燃料電池1の出力を一定電力に固定することに伴う種々の不具合の発生を抑えることができる。
【0055】
なお、本発明は以上に述べた実施の形態に限られない。
【0056】
例えば、上述した実施形態では、蓄電手段の温度上昇に伴い蓄電手段に対する充放電を停止する制御と、車両の走行状態に応じて燃料電池の発電量を定格出力と第一及び第二の所定出力との間で選択的に変化させる制御とを同時に行っているが、これらの制御のうちいずれか一方のみを行うようにしてもよい。
【0057】
また、上述した実施形態では、アクセルの踏み込み量が0であるか否かに基づき車両の加速状態又は減速状態を判断していたが、車速センサにより車両の加速状態又は減速状態を判断してもよいし、ブレーキペダルが踏まれたことを検出するブレーキスイッチ信号の有無で車両の減速状態を判断してもよい。さらに、アクセルペダルの踏み込み量の時間的変化が正である、すなわちアクセルペダルが踏み足されている際に加速状態にあると判定するとともに、アクセルペダルの踏み込み量の時間的変化が負である、すなわちアクセルペダルが踏み戻されている減速状態にあると判定するようにしてもよい。
【0058】
さらに、上述した実施形態では、自動変速機がパワーモードで作動しているとともに車両が加速状態にある際、又はエンジンブレーキモードで作動しているとともに減速状態にある際に制御装置が燃料電池の発電量を一定出力(定格出力)から変更するようにしているが、例えばシフトレバーがDレンジでありかつパワーモードスイッチがOFFである場合、またはパワースイッチモードを省略した場合に、アクセルペダルの踏み込み量やその時間変化に応じて燃料電池の発電量を前記一定出力から変更するように制御を行うようにしてもよい。
【0059】
このような制御の例として、例えばアクセルペダルの踏み込み量が最大である場合に燃料電池の発電量を前記一定出力から増加させる制御が考えられる。このような制御を行うものであれば、アクセルペダルの踏み込み量が最大である際には燃料電池の発電量が前記一定出力から増加するので、上述した実施形態と同様に蓄電手段からの放電量を抑えることができる効果が得られる。自動変速機を有する自動車が運転される際には、上り坂における走行時や発進時等高出力が必要とされる場面において、自動変速機のシフトレバーの位置はDレンジのままアクセルペダルの踏み込み量を最大にすることにより負荷に要求する出力である要求出力を増大させることが行われる場合も多いが、前述した制御を用いればこのような場合にも好適に対応できる。また、アクセルペダルの踏み込み量が最大である場合に限らず、アクセルペダルの踏み込み量の時間変化率が所定以上の大きな正の値である場合や、アクセルペダルの踏み込み量が所定値以上である場合に燃料電池の発電量を前記一定出力から増加させる制御を行っても同様の効果が得られる。
【0060】
また、車両が減速状態にある際に、自動変速機の作動状態に関らず、例えば自動変速機がDレンジであっても、車速が所定値以上である場合に燃料電池の発電量を前記一定出力から減少させる制御も考えられる。高速走行状態から減速する場合には大きな回生電流が蓄電手段に供給されるが、このような制御を行うものであれば、燃料電池の発電量が前記一定出力から減少するので、蓄電手段に供給される電力を減少させて、蓄電手段に過度に大きな電流が流れることを防ぐ効果が得られる。同様に、ブレーキペダルが踏まれたことを検出した場合に、燃料電池の発電量を減少、又は停止する制御も考えられる。この場合も前述した態様と同様に蓄電手段に過度に大きな電流が流れることを防ぐ効果が得られる。
【0061】
加えて、上述した実施形態では、シフトレバーがDsレンジにある場合に変速機をエンジンブレーキモードで作動させるようにしているが、その他に、エンジンブレーキモード以外の動作モードでは車軸から電動機へのトルク伝達を行わず、エンジンブレーキモードでのみ車軸から電動機へのトルク伝達を行うような機構を有する車両が考えられている。このような車両においても、エンジンブレーキモードにおいて回生発電ブレーキからの電流が大きくなり、二次電池に充電を行っている際に二次電池に大きな電流が流れてしまい、二次電池が故障する不具合が起こり得るが、このような構成の車両においても本発明に係るエンジンブレーキモードにおける制御を適用すると、エンジンブレーキモードにおいて二次電池に供給される電流を小さくすることができるので、このような不具合を解消できる。
【0062】
さらに、上述した実施形態では、無段変速機(自動変速機)には、前記Dレンジと比較してより高い減速比を多用する作動状態、すなわちエンジンブレーキモードとして作動させるための作動状態として前記Dsレンジのみを設けているが、例えばこのDsレンジよりもさらに高い減速比を多用する作動状態を設けてもよい。このような作動状態で無段変速機(自動変速機)を作動させる場合、燃料電池が発電する前記第二の所定出力は上述したDsレンジで作動させる場合におけるよりもさらに低く設定することが望ましい。
【0063】
そして、温度検知手段が検知した蓄電手段の温度が所定温度を上回った場合に、負荷に要求される発電量に所定の係数を積算して得られる発電量を発電するように発電制御手段が制御を行うように構成してもよい。
【0064】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0065】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0066】
すなわち、温度検知手段が検知した蓄電手段の温度が所定温度を上回った場合に、負荷に応じた発電量を発電するように発電制御手段が制御を行うので、蓄電手段の過熱に伴い出力コントロールが不能になる不具合を解消できる。
【0067】
また、作動状態検知手段が検知した自動変速機の作動状態に応じて発電制御手段が発電量を変更する制御を行うので、蓄電手段の容量不足や蓄電手段に大電流が流れてしまう不具合の発生を抑えることができる。
【0068】
従って、本発明の燃料電池システムにより、燃料電池が常時は一定出力となるように燃料電池の発電を制御し、燃料電池と蓄電手段とを具備する燃料電池システムにおいて、出力変化を頻繁に行う車両に用いる際の不具合の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す概略図。
【図2】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置の機能ブロックを示す図。
【図3】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の流れを示すフローチャート。
【図4】図3における制御の作用を示す図。
【図5】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の流れを示すフローチャート。
【図6】図5における制御の作用を示す図。
【図7】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の流れを示すフローチャート。
【図8】図7における制御の作用を示す図。
【符号の説明】
S…燃料電池システム
1…燃料電池
4…二次電池(蓄電手段)
5…制御装置(発電制御手段)
61…二次電池温度検知手段(温度検知手段)
62…レバー位置検知器(作動状態検知手段)
63…電力量測定手段
Claims (5)
- 燃料電池と、燃料電池により充電される蓄電手段と、常時は一定出力となるように燃料電池の発電を制御する発電制御手段と、蓄電手段の温度を検知する温度検知手段とを備える燃料電池システムであって、
温度検知手段が検知した蓄電手段の温度が所定温度を上回った場合に、負荷に応じた発電量を発電するように発電制御手段が制御を行うことを特徴とする燃料電池システム。 - 電動機及び該電動機の回転を変速する自動変速機を含む走行装置を備える車両に搭載され、燃料電池と、燃料電池により充電される蓄電手段と、常時は一定出力となるように燃料電池の発電を制御する発電制御手段と、自動変速機の作動状態を検知する作動状態検知手段とを備える燃料電池システムであって、
作動状態検知手段が検知した自動変速機の作動状態に応じて発電制御手段が発電量を変更する制御を行うことを特徴とする燃料電池システム。 - 自動変速機の変速モードが通常の変速モードよりも高減速比が多用されるパワーモードである際に、燃料電池が前記一定出力より高い第一の所定出力で発電するように発電制御手段が制御を行うことを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
- 負荷による消費電力量を測定する電力量測定手段をさらに備え、電力量測定手段により測定された前記消費電力量が所定量を下回る場合に、燃料電池の発電量を減少させるように発電制御手段が制御を行うことを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
- 自動変速機の変速モードが、減速時に電動機の回転数が通常の変速モードでの減速時に比べ高くなるエンジンブレーキモードであり、かつ車両が減速している際に、燃料電池が前記一定出力より低い第二の所定出力で発電するように発電制御手段が制御を行うことを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
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