JP5375873B2 - 燃料電池と充放電可能な蓄電部とを利用した電力の供給 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池と充放電可能な蓄電部とを利用した電力の供給に関し、詳しくは、燃料電池と充放電可能な蓄電部とを利用した電力供給装置、電力供給装置の制御方法、前記電力供給装置を搭載した動力出力装置、および前記電力供給装置を搭載した車両に関する。
近年、地球環境を考慮して、動力源としてエンジンとモータとを搭載したハイブリッド自動車、更には、モータのみを搭載した電気自動車が提案されている。また、これらの自動車に搭載されたモータへ電力を供給するための燃料電池を有する電力供給装置も提案されている。燃料電池とは、燃料として最終的に供給される水素の酸化により発電を行う装置をいう。燃料電池から排出されるのは、主として水蒸気であり、有害な成分が含まれない。この作用に基づき、燃料電池を用いたハイブリッド自動車あるいは電気自動車は、環境性に優れるという特性を有する。
特開平10−326625号公報 国際公開第99/67846号 特開平5−182675号公報 特開平3−276573号公報
しかし、燃料電池は、一般に要求電力に対する出力応答性が低いという特性も有している。これは、燃料電池への燃料ガスの供給の応答性が低いことに起因している。常に燃料電池に大量な燃料ガスを供給して十分な発電を行っていれば、アクセルの急な操作に対応して電力を供給することが可能ではあるが、常に燃料電池へ燃料ガスを供給するためにエネルギを消費し続けなければならないので、燃費を損ねるという別の課題を招く。
燃料電池を有する電力供給装置において、要求電力に対する出力応答性を補償することは、電力供給装置に燃料電池と出力応答性の高いバッテリとを備えることにより可能ではある。例えば、燃料電池とバッテリとを備える電力供給装置では、電力供給装置を構成する回路に設けられた所定の接点を開閉することによって、電力供給装置に接続された負荷に対する電力の供給を制御する。負荷の変動(要求電力の変動)が小さいときには、燃料電池はその変動に追従することができるので、燃料電池が単独で負荷に対して電力を供給する。また、負荷の変動が大きいときには、燃料電池はその変動に追従することができないので、燃料電池とバッテリとの双方が負荷に対して電力を供給するように回路の接続を切り替える。また、バッテリの残存容量が低下したときには、燃料電池は負荷に電力を供給すると共にバッテリを充電するように回路の接続を切り替える。燃料電池とバッテリとを併設する上記構成を採ることによって、負荷の変動が大きいときにも十分な出力応答性を得ることができる。
ところが、燃料電池は、昨今開発が行われている装置である。従って、特に、燃料電池とバッテリを備える電力供給装置において、両者の有する特性の長所どうしを最適に組みあわせる点でまだ十分に検討されていなかった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、燃料電池を搭載した電力供給装置において、要求電力に対する出力応答性を確保しつつ、燃料電池を電力供給源としてより有効に活用する技術を提供することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は次の構成を採った。
本発明の第1の電力供給装置は、
燃料電池と充放電可能な蓄電部とを有する電力供給部を備え、前記燃料電池と前記蓄電部のうちの少なくとも1つを用いて負荷に対して電力の供給を行う電力供給装置であって、
前記電力供給部への要求電力に関与した所定のパラメータ値を随時入力する要求電力入力部と、
前記パラメータ値と前記燃料電池が出力すべき目標出力値との関係を記憶した記憶手段を参照して前記パラメータ値に応じて前記目標出力値を設定する目標出力値設定部と、
前記目標出力値に応じて前記燃料電池の運転を制御する燃料電池制御部と、
前記要求電力と前記目標出力値とに基づいて前記蓄電部の充放電を制御する蓄電制御部と、
を備え、
前記記憶手段は、前記パラメータ値と前記目標出力値との関係を、前記パラメータ値の変化量に対する前記目標出力値の変化量の傾きが前記燃料電池の出力応答性に基づいて定まる所定値を超えない範囲で定めた記憶手段であることを要旨とする。
燃料電池は、一般に、要求電力に対する出力応答性が低い。従って、例えば、要求電力が急激に増加する場合、燃料電池の出力応答性に基づいて定まる所定値を超える目標出力値を設定しても燃料電池はそれに追従して電力を供給できない。本発明では、要求電力に関与した所定のパラメータ値(以下、単に「要求電力」ともいう)に応じて燃料電池の目標出力値を燃料電池の出力応答性に基づいて定まる所定値を超えない範囲、換言すれば、要求電力の変化に対して燃料電池の出力が追従できる範囲で設定するので、燃料電池の出力は目標出力値に追従して安定に電力を出力することができる。この結果、燃料電池の出力をスムーズに制御することができる。なお、「要求電力に関与した所定のパラメータ値」とは、例えば、本発明を車両に適用した場合には、例えばアクセル開度がこれに相当する。
なお、本発明の電力供給装置において、
前記蓄電制御部は、単に前記要求電力と前記目標出力値とに基づいて前記蓄電部の充放電を制御することも可能ではあるが、
前記蓄電制御部は、前記要求電力と前記燃料電池が供給する電力との差を補償する制御を行うことが好ましい。
「充放電可能な蓄電部」とは、例えば、2次電池やキャパシタがこれに相当する。これらは、要求電力に対する出力応答性に優れている。なお、「要求電力と燃料電池が供給する電力との差を補償する」とは、要求電力が燃料電池の出力を上回るときには、蓄電部が放電をして燃料電池の出力の不足分を補い、下回るときには燃料電池の出力の一部を充電して回収することを意味している。こうすることによって、電力供給装置の要求電力に対する出力応答性を確保しつつ、燃料電池を電力供給源として有効に活用することができる。
上記の電力供給装置において、
前記記憶手段は、前記パラメータ値が小さい所定の領域において、前記要求電力よりも大きい目標出力値を定めた記憶手段としてもよい。
また、前記記憶手段は、前記パラメータ値が大きい所定の領域において、前記要求電力よりも小さい目標出力値を定めた記憶手段としてもよい。
燃料電池は、一般に、その性能に応じて発電効率の高い領域と低い領域とが存在する。本発明では、燃料電池の発電効率の高い領域に目標出力値を設定し、発電するようにしている。従って、要求電力と目標出力値とは必ずしも一致しない。例えば、要求電力の低い領域では、要求電力よりも大きな目標出力値を設定し、燃料電池から要求電力よりも大きな電力を出力して余剰の電力を蓄電部に充電する。また、要求電力の高い領域では、要求電力よりも小さい目標出力値を設定し、燃料電池からは要求電力よりも小さな電力を出力し、不足した電力を蓄電部からの出力で補う。こうすることによって、燃料電池を有効に利用することができる。
また、本発明の電力供給装置において、更に、
前記蓄電部の残存容量を検出する検出部を備え、
前記記憶手段は、前記残存容量に応じて前記パラメータ値と前記目標出力値との関係を記憶した記憶手段であることが好ましい。
例えば、
前記記憶手段は、前記残存容量が少ないほど前記目標出力値を大きく定めた記憶手段であることが好ましい。
このようにすることにより、蓄電部の残存容量が少なくなった場合には燃料電池からの出力を大きくして蓄電部の充電を行うことができるため、蓄電部は、所定の範囲の残存容量を確保することができる。また、蓄電部の充電が速やかに行われるので、蓄電部の容量を小さくし、電力供給装置の小型化を図ることもできる。
本発明の第2の電力供給装置は、
燃料電池と充放電可能な蓄電部とを有する電力供給部を備え、前記燃料電池と前記蓄電部とのうちの少なくとも1つを用いて負荷に対して電力の供給を行う電力供給装置であって、
前記電力供給部への要求電力に関与した所定のパラメータ値の変化率を検出する変化率検出部と、
前記変化率の絶対値が所定の値を超えたときに、前記燃料電池が出力すべき目標出力値を前記パラメータ値に応じて変更する目標出力値設定部と、
前記目標出力値に応じて前記燃料電池の運転を制御する燃料電池制御部と、
前記要求電力と前記燃料電池が供給する電力との差を補償するように前記蓄電部の充放電を制御する蓄電制御部と、
を備えることを要旨とする。
燃料電池は、要求電力に対する出力応答性が低い。本発明では、目標出力値の更新を次の所定のタイミングで行う。つまり、要求電力の変化率が所定の値を超えたタイミングで、燃料電池に新たな目標出力値を設定する。一方、要求電力の変化率が所定の値以下の場合には、目標出力値を変更せずにそのまま一定に保つ。即ち、要求電力の小さな変動に対する燃料電池の目標出力値設定の感度を鈍らせている。これにより、燃料電池を安定に制御することができる。そして、要求電力の急変による燃料電池からの出力の不足分や、要求電力の変化率が所定値以下の場合の要求電力の変動分を蓄電部からの出力によって補償する。このようにしても、電力供給装置の要求電力に対する出力応答性を確保しつつ、燃料電池を電力供給源として有効に活用することができる。
本発明は、電力供給装置の要求電力に対する出力応答性を確保しつつ、燃料電池の運転効率を向上できる利点もある。例えば、本発明を適用しない場合には、以下のような課題がある。燃料電池の出力は、燃料電池の目標出力値を要求電力に応じて随時更新しても、出力応答性が低いため目標出力値に追従することができない。燃料電池が所定の一定の電力を出力し、蓄電部で要求電力と燃料電池の出力との差を補償すれば、出力応答性の問題は解決できる。しかし、燃料電池が出力する電力と実際の要求電力との差が大きい場合には、蓄電部で補償する電力が大きくなる。これは、蓄電部の充放電のアンバランスを招きやすい。また、充放電に伴う損失を考慮するとエネルギ効率も低下する。本発明によれば、燃料電池を一定の目標出力値で運転し、蓄電部で要求電力と燃料電池の出力との差を補償するので応答性は確保できる。しかも、所定のタイミングで燃料電池の目標出力値を更新するため、要求電力近傍で燃料電池の運転を行うことができ、蓄電部で補償する電力を抑制できる。この結果、上記の課題を解決して燃料電池を電力供給源として効率よく活用することができる。
なお、本発明の電力供給装置において、更に、
前記蓄電部の残存容量を検出する検出部と、
前記残存容量の変化に応じて前記目標出力値を補正する目標出力値補正部と、
を備えるようにすることが好ましい。
このようにすることにより、蓄電部の残存容量が少なくなった場合には燃料電池からの出力を大きくして蓄電部の充電を行うことができるため、蓄電部は、所定の範囲の残存容量を確保することができる。
本発明の第3の電力供給装置は、
燃料電池と充放電可能な蓄電部とを有する電力供給部を備え、前記燃料電池と前記蓄電部のうちの少なくとも1つを用いて負荷に対して電力の供給を行う電力供給装置であって、
前記電力供給部への要求電力に関与した所定のパラメータ値を随時入力する要求電力入力部と、
将来の負荷の運転状態に関与した所定の情報を予め記憶した負荷情報記憶手段と、
前記負荷情報に基づいて前記電力供給部への所定時間後の要求電力を予測する要求電力予測部と、
前記所定時間後の要求電力と、前記パラメータ値に応じた現在の要求電力と、前記燃料電池の出力応答性とに基づいて現在前記燃料電池が出力すべき目標出力値を設定する目標出力値設定部と、
前記目標出力値に応じて前記燃料電池の運転を制御する燃料電池制御部と、
前記現在の要求電力と前記燃料電池が供給する電力との差を補償するように前記蓄電部の充放電を制御する蓄電制御部と、
を備えることを要旨とする。
本発明では、将来の負荷の運転状態に関与した所定の情報に基づいて、所定時間後の要求電力を予測する。そして、所定時間後の要求電力と、現在の要求電力と、燃料電池の出力応答性とに基づいて燃料電池の目標出力値を設定する。従って、所定時間後に要求電力が変化したときには、燃料電池では既にその要求電力を出力する準備ができており、蓄電部への負荷を軽減しつつ、電力供給装置は要求電力に応じて応答性よく電力を供給することができる。また、蓄電部は現在の要求電力と燃料電池が供給する電力との差を補償するので、現在の要求電力が先に予測された要求電力と異なっていても、電力供給装置は応答性よく電力を供給することができる。こうすることによって、電力供給装置の要求電力に対する出力応答性を確保しつつ、燃料電池を電力供給源として有効に活用することができる。
例えば、本発明の電力供給装置において、
前記目標出力値設定部は、前記要求電力予測部が予測した電力が増加したときに予め前記目標出力値を増加させるようにしてもよい。
また、前記目標出力値設定部は、前記要求電力予測部が予測した電力が減少したときに予め前記目標出力値を減少させるようにしてもよい。
なお、本発明の電力供給装置において、更に、
前記蓄電部の残存容量を検出する検出部と、
前記残存容量の変化に応じて前記目標出力値を補正する目標出力値補正部と、
を備えるようにすることが好ましい。
このようにすることにより、蓄電部の残存容量が少なくなった場合には燃料電池からの出力を大きくして蓄電部の充電を行うことができるため、蓄電部は、常に所定の範囲の残存容量を確保することができる。
また、本発明は、上記の電力供給装置としての構成の他、電力供給装置の制御方法として構成することができる。この制御方法においても、上記の電力供給装置で示した種々の付加的要素を考慮することができる。
また、本発明は、上記の電力供給装置を備える動力出力装置としても構成することができる。
即ち、上記の電力供給装置と、前記負荷として前記電力供給装置から供給される電力によって駆動するモータと、を備える動力出力装置である。
また、本発明の動力出力装置は、更に、
燃料の燃焼によって駆動するエンジンと、
前記モータと前記エンジンとのうちの少なくとも一方を駆動させて動力を出力する制御手段と、
を備える動力出力装置としてもよい。
このような動力出力装置では、上述した電力供給装置において、例えば燃料電池と蓄電部とが共に電力を供給できない場合に、エンジンを用いて動力を出力することができる。
また、本発明は、上記の電力供給装置を備える車両として構成することもできる。
即ち、動力源としてモータを備える車両であって、
上述した本発明の第1または第2の電力供給装置を備え、
前記モータは、前記負荷の1つであり、
前記要求電力入力部に入力されるパラメータ値は、アクセル開度である、
車両である。
こうすることによって、アクセル開度に応じて応答性よくモータに電力を供給してモータを駆動し、このモータを動力源として環境性に優れた車両を構成することができる。
また、動力源としてモータを備える車両であって、
上述した本発明の第3の電力供給装置を備え、
前記モータは、前記負荷の1つであり、
前記パラメータ値は、アクセル開度であり、
前記負荷情報記憶手段は、前記車両が将来的に走行する経路情報を予め記憶した経路情報記憶手段であり、
前記要求電力予測部は、前記経路情報に基づいて前記電力供給部への所定時間後の要求電力を予測する、
車両である。
経路情報記憶手段は、例えば、ナビゲーションシステムがこれに相当する。ナビゲーションシステムを搭載した車両に本発明を適用することによって、ナビゲーションシステムからの,車両が将来的に走行する経路情報に基づいて、予め燃料電池からモータへ電力を供給する準備をしておくことができる。ここで、経路情報とは、車両が走行する通路の勾配などの情報を含んでいる。例えば、本発明を自動車に適用した場合に、進行先に登り坂がある場合や、高速道路に進入する場合には、予め燃料電池の目標出力値を上げて、出力を上げておくことができる。この結果、アクセル開度に応じて応答性よくモータに電力を供給してモータを駆動することができる。また、環境性に優れた車両を構成することができる。
また、上述した電力供給装置と、前記負荷として前記電力供給装置から供給される電力によって駆動するモータと、燃料の燃焼によって駆動するエンジンとを備え、前記モータと前記エンジンとのうちの少なくとも一方を駆動させて動力を出力する動力出力装置を備える車両としてもよい。
エンジンとモータを併設した、いわゆるハイブリッド車両において、本発明を採用することによっても、燃料電池と蓄電部とを有効に活用することができる。また、環境性に優れた車両を構成することができる。
第1実施例のハイブリッド車両の概略構成図である。 燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。 制御ユニット70に対する入出力信号の結線を示す説明図である。 車両の走行状態と動力源との関係を示す説明図である。 第1実施例における領域MGにおける動力出力処理ルーチンのフローチャートである。 第1実施例におけるバッテリ50の残存容量SOCと、アクセル開度と、燃料電池60の目標出力値との関係を示す説明図である。 第1実施例におけるアクセル開度に対する燃料電池60の目標出力値と、実際の燃料電池60からの出力と、バッテリ50からの出力とを示す一例としてのタイムチャートである。 比較例のアクセル開度に対する燃料電池60の目標出力値と、実際の燃料電池60からの出力と、バッテリ50からの出力とを示す一例としてのタイムチャートである。 第2実施例における燃料電池60の目標出力値の設定処理を示すフローチャートである。 第2実施例におけるアクセル開度に対する燃料電池60の目標出力値と、実際の燃料電池60からの出力と、バッテリ50からの出力とを示す一例としてのタイムチャートである。 第3実施例のハイブリッド車両の概略構成図である。 第3実施例の動力出力処理ルーチンのフローチャートである。 ナビゲーションシステム走行用の目標出力値補正処理のフローチャートである。 第3実施例におけるアクセル開度に対する燃料電池60の目標出力値と、実際の燃料電池60からの出力と、バッテリ50からの出力とを示す一例としてのタイムチャートである。 電気車両の概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態を、いわゆるハイブリッド車両に適用した場合の実施例に基づいて説明する。
(1)装置の構成:
図1は、第1実施例のハイブリッド車両の概略構成図である。本実施例のハイブリッド車両の動力源は、エンジン10とモータ20である。図示する通り、本実施例のハイブリッド車両の動力系統は、上流側からエンジン10、入力クラッチ18、モータ20、トルクコンバータ30、および変速機100を直列に結合した構成を有している。即ち、エンジン10のクランクシャフト12は、入力クラッチ18を介してモータ20に結合されている。入力クラッチ18をオン・オフすることにより、エンジン10からの動力の伝達を断続することができる。モータ20の回転軸13は、また、トルクコンバータ30にも結合されている。トルクコンバータ30の出力軸14は変速機100に結合されている。変速機100の出力軸15はディファレンシャルギヤ16を介して車軸17に結合されている。以下、それぞれの構成要素について順に説明する。
エンジン10は通常のガソリンエンジンである。但し、エンジン10は、ガソリンと空気の混合気をシリンダに吸い込むための吸気バルブ、および燃焼後の排気をシリンダから排出するための排気バルブの開閉タイミングを、ピストンの上下運動に対して相対的に調整可能な機構を有している(以下、この機構をVVT機構と呼ぶ)。VVT機構の構成については、周知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。エンジン10は、ピストンの上下運動に対して各バルブが遅れて閉じるように開閉タイミングを調整することにより、いわゆるポンピングロスを低減することができる。この結果、エンジン10をモータリングする際にモータ20から出力すべきトルクを低減させることもできる。ガソリンを燃焼して動力を出力する際には、VVT機構は、エンジン10の回転数に応じて最も燃焼効率の良いタイミングで各バルブが開閉するように制御される。
モータ20は、三相の同期モータであり、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ22と、回転磁界を形成するための三相コイルが巻回されたステータ24とを備える。モータ20はロータ22に備えられた永久磁石による磁界とステータ24の三相コイルによって形成される磁界との相互作用により回転駆動する。また、ロータ22が外力によって回転させられる場合には、これらの磁界の相互作用により三相コイルの両端に起電力を生じさせる。なお、モータ20には、ロータ22とステータ24との間の磁束密度が円周方向に正弦分布する正弦波着磁モータを適用することも可能であるが、本実施例では、比較的大きなトルクを出力可能な非正弦波着磁モータを適用した。
モータ20の電源としては、バッテリ50と燃料電池システム60とが備えられている。但し、主電源は燃料電池システム60である。バッテリ50は燃料電池システム60が故障した場合や、十分な電力を出力することができない過渡的な運転状態にある場合などに、これを補完するようモータ20に電力を供給する電源として使用される。バッテリ50の電力は、主としてハイブリッド車両の制御を行う制御ユニット70や、照明装置などの電力機器に主として供給される。
モータ20と各電源との間には、接続状態を切り替えるための切替スイッチ84が設けられている。切替スイッチ84は、バッテリ50,燃料電池システム60,モータ20の3者間の接続状態を任意に切り替えることができる。ステータ24は、切替スイッチ84および駆動回路51を介してバッテリ50に電気的に接続される。また、切替スイッチ84および駆動回路52を介して燃料電池システム60に接続される。駆動回路51,52は、それぞれトランジスタインバータで構成されており、モータ20の三相それぞれに対して、ソース側とシンク側の2つを一組としてトランジスタが複数備えられている。これらの駆動回路51,52は、制御ユニット70と電気的に接続されている。制御ユニット70が駆動回路51,52の各トランジスタのオン・オフの時間をPWM制御するとバッテリ50および燃料電池システム60を電源とする擬似三相交流がステータ24の三相コイルに流れ、回転磁界が形成される。モータ20は、かかる回転磁界の作用によって、先に説明した通りモータまたは発電機として機能する。なお、燃料電池システム60と、バッテリ50と、駆動回路51,52と、制御ユニット70と、切換スイッチ84とは、電力供給装置として機能する。また、これらと、モータ20や、エンジン10等を含めて、動力出力装置として機能する。
図2は、燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。燃料電池システム60は、メタノールを貯蔵するメタノールタンク61、水を貯蔵する水タンク62、燃焼ガスを発生するバーナ63、空気の圧縮を行なう圧縮機64、バーナ63と圧縮機64とを併設した蒸発器65、改質反応により燃料ガスを生成する改質器66、燃料ガス中の一酸化炭素(CO)濃度を低減するCO低減部67、電気化学反応により起電力を得る燃料電池60Aを主な構成要素とする。これらの各部の動作は、制御ユニット70により制御される。
燃料電池60Aは、固体高分子電解質型の燃料電池であり、電解質膜、カソード、アノード、およびセパレータとから構成されるセルを複数積層して構成されている。電解質膜は、例えばフッ素系樹脂などの固体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。カソードおよびアノードは、共に炭素繊維を織成したカーボンクロスにより形成されている。セパレータは、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンなどガス不透過の導電性部材により形成されている。カソードおよびアノードとの間に燃料ガスおよび酸化ガスの流路を形成する。
燃料電池システム60の各構成要素は次の通り接続されている。メタノールタンク61は配管で蒸発器65に接続されている。配管の途中に設けられたポンプP2は、流量を調整しつつ、原燃料であるメタノールを蒸発器65に供給する。水タンク62も同様に配管で蒸発器65に接続されている。配管の途中に設けられたポンプP3は、流量を調整しつつ、水を蒸発器65に供給する。メタノールの配管と、水の配管とは、それぞれポンプP2,P3の下流側で一つの配管に合流し、蒸発器65に接続される。
蒸発器65は、供給されたメタノールと水とを気化させる。蒸発器65には、バーナ63と圧縮機64とが併設されている。蒸発器65は、バーナ63から供給される燃焼ガスによってメタノールと水とを沸騰、気化させる。バーナ63の燃料は、メタノールである。メタノールタンク61は、蒸発器65に加えてバーナ63にも配管で接続されている。メタノールは、この配管の途中に設けられたポンプP1により、バーナ63に供給される。バーナ63には、また、燃料電池60Aでの電気化学反応で消費されずに残った燃料排ガスも供給される。バーナ63は、メタノールと燃料排ガスのうち、後者を主として燃焼させる。バーナ63の燃焼温度はセンサT1の出力に基づいて制御されており、約800℃から1000℃に保たれる。バーナ63の燃焼ガスは、蒸発器65に移送される際にタービンを回転させ、圧縮機64を駆動する。圧縮機64は、燃料電池システム60の外部から空気を取り込んでこれを圧縮し、この圧縮空気を燃料電池60Aの陽極側に供給する。
蒸発器65と改質器66とは、配管で接続されている。蒸発器65で得られた原燃料ガス、即ちメタノールと水蒸気の混合ガスは、改質器66に搬送される。改質器66は、供給されたメタノールと水とからなる原燃料ガスを改質して水素リッチな燃料ガスを生成する。なお、蒸発器65から改質器66への搬送配管の途中には、温度センサT2が設けられており、この温度が通常約250℃の所定値になるようにバーナ63に供給するメタノール量が制御される。なお、改質器66における改質反応では酸素が関与する。この改質反応に必要な酸素を供給するために、改質器66には外部から空気を供給するためのブロワ68が併設されている。
改質器66とCO低減部67とは、配管で接続されている。改質器66で得られた水素リッチな燃料ガスは、CO低減部67に供給される。改質器66での反応課程において、通常は燃料ガスに一酸化炭素(CO)が一定量含まれる。CO低減部67は、この燃料ガス中の一酸化炭素濃度を低減させる。固体高分子型の燃料電池では、燃料ガス中に含まれる一酸化炭素が、アノードにおける反応を阻害して燃料電池の性能を低下させてしまうからである。CO低減部67は、燃料ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素へと酸化することにより、一酸化炭素濃度を低減させる。
CO低減部67と燃料電池60Aのアノードとは、配管で接続されている。一酸化炭素濃度が下げられた燃料ガスは、燃料電池60Aの陰極側における電池反応に供される。また、先に説明した通り、燃料電池60Aのカソード側には圧縮された空気を送り込むための配管が接続されている。この空気は、酸化ガスとして燃料電池60Aの陽極側における電池反応に供される。
以上の構成を有する燃料電池システム60は、メタノールと水を用いた化学反応によって電力を供給することができる。本実施例では、メタノールおよび水を用いる燃料電池システム60を搭載しているが、燃料電池システム60は、これに限定されず、ガソリン・天然ガス改質や、純水素を用いるもの等、種々の構成を適用することができる。なお、以下の説明では燃料電池システム60をまとめて燃料電池60と称するものとする。
トルクコンバータ30(図1)は、流体を利用した周知の動力伝達機構である。トルクコンバータ30の入力軸、即ちモータ20の出力軸13と、トルクコンバータ30の出力軸14とは機械的に結合されてはおらず、互いに滑りをもった状態で回転可能である。また、トルクコンバータ30には、両回転軸の滑りが生じないように、所定の条件下で両者を結合するロックアップクラッチも設けられている。ロックアップクラッチのオン・オフは制御ユニット70により制御される。
変速機100は、内部に複数のギヤ、クラッチ、ワンウェイクラッチ、ブレーキ等を備え、変速比を切り替えることによってトルクコンバータ30の出力軸14のトルクおよび回転数を変換して出力軸15に伝達可能な機構である。本実施例では前進5段、後進1段の変速段を実現可能な変速機を適用した。変速機100の変速段は、制御ユニット70が車速等に応じて設定する。運転者は、車内に備えられたシフトレバーを手動で操作し、シフトポジションを選択することによって、使用される変速段の範囲を変更することが可能である。
本実施例のハイブリッド車両では、エンジン10、モータ20、トルクコンバータ30、変速機100、補機駆動用モータ80等の運転を制御ユニット70が制御している(図1参照)。制御ユニット70は、内部にCPU、RAM,ROM等を備えるワンチップ・マイクロコンピュータであり、ROMに記録されたプログラムに従い、CPUが後述する種々の制御処理を行う。制御ユニット70には、かかる制御を実現するために種々の入出力信号が接続されている。図3は、制御ユニット70に対する入出力信号の結線を示す説明図である。図中の左側に制御ユニット70に入力される信号を示し、右側に制御ユニット70から出力される信号を示す。
制御ユニット70に入力される信号は、種々のスイッチおよびセンサからの信号である。かかる信号には、例えば、燃料電池温度、燃料電池燃料残量、バッテリ残存容量SOC、バッテリ温度、エンジン10の水温、イグニッションスイッチ、エンジン10の回転数、ABSコンピュータ、デフォッガ、エアコンのオン・オフ、車速、トルクコンバータ30の油温、シフトポジション、サイドブレーキのオン・オフ、フットブレーキの踏み込み量、エンジン10の排気を浄化する触媒の温度、アクセルペダル55の操作量に応じたアクセル開度、カム角センサ、駆動力源ブレーキ力スイッチ、レゾルバ信号などがある。制御ユニット70には、その他にも多くの信号が入力されているが、ここでは図示を省略した。
制御ユニット70から出力される信号は、エンジン10,モータ20,トルクコバータ30,変速機100等を制御するための信号である。かかる信号には、例えば、電子スロットル弁を制御するための信号、エンジン10の点火時期を制御する点火信号、燃料噴射を制御する燃料噴射信号、モータ20の運転を制御するモータ制御信号、減速装置の制御信号、ABSアクチュエータの制御信号、モータ20の電源切換スイッチ84の制御信号、バッテリ50の制御信号、燃料電池システム60の制御信号などがある。制御ユニット70からは、その他にも多くの信号が出力されているが、ここでは図示を省略した。
(2)一般的動作:
次に、本実施例のハイブリッド車両の一般的動作について説明する。先に図1で説明した通り、本実施例のハイブリッド車両は動力源としてエンジン10とモータ20とを備える。制御ユニット70は、車両の走行状態、即ち車速およびトルクに応じて両者を使い分けて走行する。両者の使い分けは予めマップとして設定され、制御ユニット70内のROMに記憶されている。
図4は、車両の走行状態と動力源との関係を示す説明図である。図中の領域MGはモータ20を動力源として走行する領域である。領域MGの外側の領域は、エンジン10を動力源として走行する領域(領域EG)である。以下、前者をEV走行と呼び、後者をエンジン走行と呼ぶものとする。図1の構成によれば、エンジン10とモータ20の双方を動力源として走行することも可能ではあるが、本実施例では、かかる走行領域は設けていない。
図示する通り、本実施例のハイブリッド車両は、イグニッションスイッチ88がオンの状態で走行を開始すると、まずEV走行で発進する。かかる領域では、入力クラッチ18をオフにして走行する。EV走行により発進した車両が図4のマップにおける領域MGと領域EGの境界近傍の走行状態に達した時点で、制御ユニット70は、入力クラッチ18をオンにするとともに、エンジン10を始動する。入力クラッチ18をオンにすると、エンジン10はモータ20により回転させられる。制御ユニット70は、エンジン10の回転数が所定値まで増加したタイミングで燃料を噴射し点火する。こうしてエンジン10が始動して以後、領域EG内ではエンジン10のみを動力源として走行する。かかる領域での走行が開始されると、制御ユニット70は駆動回路51,52のトランジスタを全てシャットダウンする。この結果、モータ20は単に空回りした状態となる。
制御ユニット70は、このように車両の走行状態に応じて動力源を切り替える制御を行うとともに、変速機100の変速段を切り替える処理も行う。変速段の切り替えは動力源の切り替えと同様、車両の走行状態に予め設定されたマップに基づいてなされる。マップは、シフトポジションによっても相違する。図5にはDポジション、4ポジション、3ポジションに相当するマップを示した。このマップに示す通り、制御ユニット70は、車速が増すにつれて変速比が小さくなるように変速段の切り替えを実行する。
(3)動力出力処理:
領域MGにおける動力出力処理について説明する。図5は、第1実施例における領域MGにおける動力出力処理ルーチンのフローチャートである。車両が作動状態にある場合、換言すれば、イグニッションスイッチ88がオンの状態にある場合に実行される処理である。イグニッションスイッチ88がオフである場合には、車両全体の作動が停止しているため、この処理は実行されない。この処理が開始されると、CPUは、種々のセンサおよびスイッチの信号を入力する(ステップS100)。次に、CPUは燃料電池(FC:Fuel Cell)60が発電可能な状態であるか否かを判定する(ステップS110)。
制御ユニット70に入力された燃料電池温度や燃料電池燃料残量等から判断して、燃料電池60が発電可能な状態であれば、燃料電池60が出力すべき目標出力値の設定処理を行う(ステップS120)。この処理では、ステップS100で入力された信号のうち、バッテリ50の残存容量SOCと、アクセル開度とが用いられる。そして、後述するROMに記憶されたテーブルを参照して、これらに応じて燃料電池60の目標出力値が設定される。ここでアクセル開度は、燃料電池60およびバッテリ50を含む電力供給装置への要求電力に関与したパラメータであり、アクセルペダル55の操作量によって決まる。
図6は、第1実施例におけるバッテリ50の残存容量SOCと、アクセル開度と、燃料電池60の目標出力値との関係を示す説明図である。また、アクセル開度に応じた電力供給装置への要求電力を細線Lで示した。本実施例では、アクセル開度とバッテリ50の残存容量SOCに応じて燃料電池60の目標出力値が設定される。実線で示した線L1と、破線で示した線L2と、一点鎖線で示した線L3は、それぞれバッテリ50の残存容量SOCが異なっており、この順序で低くなる。これらの関係は、テーブルとして制御ユニット70内のROMに記憶されている。なお、本実施例では、バッテリ50の残存容量SOCに応じてアクセル開度に対する燃料電池60の目標出力値を3段階に設定しているが、より多段階または連続的に変化するように設定するようにしてもよい。
本実施例では、図6に示したように、アクセル開度の変化量に対する目標出力値の変化量の傾きが所定の最大傾きを超えないように設定した。この最大値は、アクセル開度が急変しても、燃料電池60の出力が目標出力値に追従することができる値である。
アクセル開度が比較的小さい領域(図中の領域X)においては、要求電力よりも目標出力値を高く設定し、アクセル開度が比較的大きい領域(図中の領域Y)においては、要求電力よりも目標出力値を低く設定した。つまり、燃料電池60の出力が図示した領域Aに収まるようにした。本実施例の燃料電池60は、図示した領域Aにおいて発電効率が高い。従って、このように目標出力値を設定するによって、燃料電池60を効率的に活用することができる。
例えば、バッテリ50の残存容量SOCが通常の状態であるときに(線L1)、アクセル開度として比較的小さい値Pが入力されると、要求電力Diよりも高い目標値Dp1が設定される。こうすることによって、要求電力よりも大きな電力が燃料電池60から出力される。燃料電池60から出力された電力のうちの余剰の電力は、バッテリ50に充電される。
また、バッテリ50の残存容量SOCが少ない状態のときに(線L2)、アクセル開度として値Pが入力されると、バッテリ50の残存容量SOCが通常の状態であるときの目標出力値Dp1よりも高い目標出力値Dp2が設定される。こうすることによって、通常よりも大きな電力が燃料電池60から出力される。燃料電池60から出力された電力のうちの余剰の電力は、残存容量SOCが減少しているバッテリ50に充電される。
本実施例では、バッテリ50の残存容量SOCが少ないほど燃料電池60の目標出力値を高く設定している。こうすることによって、バッテリ50の残存容量SOCが少ないときに、より急速に充電して早期にバッテリ50の残存容量SOCを回復することができる。
燃料電池60の目標出力値が設定されると、燃料電池60は、それに応じて電力を出力する(図5のステップS130)。そして、バッテリ50は、燃料電池60の出力とアクセル開度に応じた要求電力との差を補償するように充放電する(ステップS140)。これらの制御は、制御ユニット70から出力される電源切替スイッチ84の制御信号に従って行われる。即ち、バッテリ50の充放電が必要な場合には、バッテリ50とモータ20と燃料電池60との接続を切替スイッチ84によって切替え、電圧差に応じた充放電が行われる。
以上では、燃料電池60が発電可能な状態であるときの電力の出力について説明した。図5のステップS110において燃料電池60が発電不能の状態であれば、バッテリ50の残存容量SOCがその制御下限LoS%以上あるか否かを判定する(ステップS150)。バッテリ50の残存容量SOCがLoS%未満であれば、エンジン10を始動して、動力を出力する(ステップS160)。また、バッテリ50の残存容量SOCがLoS%以上であれば、バッテリ50を主電源として出力する(ステップS170)。
これらの処理は、一定の間隔で随時アクセル開度およびバッテリ50の残存容量SOCをサンプリングして行われる。
次に、第1実施例の制御の具体例を示す。図7は、第1実施例におけるアクセル開度に対する燃料電池60の目標出力値と、実際の燃料電池60からの出力と、バッテリ50からの出力とを示す一例としてのタイムチャートである。
時刻0〜t2においてアクセル開度は0とする。この期間、燃料電池60の目標出力値、燃料電池60の出力、バッテリ50の出力も0である。なお、時刻t1においてイグニッションスイッチ88がオンにされると、実際には燃料電池60の暖機運転が必要ではあるが、燃料電池60およびバッテリ50は出力可能な状態になるものとする。
時刻t2においてアクセル開度が急激に増加したとする。すると、燃料電池60の目標出力値もテーブル(図6参照)に従って急激に増加する。なお、図6から分かるように、目標出力値と要求電力とは必ずしも一致していない。時刻t2における目標出力値は、走行に必要な要求電力よりも大きな値が設定される。燃料電池60の出力は、応答性が低いため目標出力値の急増に追従することができないので、最大の傾きで増加する。このときバッテリ50は、燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力する。これにより、バッテリ50の残存容量SOCは減少する。
時刻t2〜t4においてアクセル開度は緩やかに増加したとする。すると、燃料電池60の目標出力値もテーブルに従って緩やかに増加する。なお、図6から分かるように、燃料電池60の目標出力値の変化率は、アクセル開度に応じた要求電力の変化率よりも小さくなる。制御ユニット70は、時刻t3においてバッテリ50の残存容量SOCが低下していることを検知したとする。すると、その低下に応じて目標出力値を通常の目標出力値よりも増加させる。燃料電池60の出力は、時刻t3’において燃料電池60の目標出力値に到達するまでは最大の傾きで増加する。時刻t3’〜t4においては目標出力値の変化率が燃料電池60の出力応答性よりも小さく追従することができるので、燃料電池60の出力は目標出力値に応じて増加する。バッテリ50は、時刻t3’において燃料電池60の出力が目標出力値に到達するまでは燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力する。時刻t3’以降の燃料電池60の出力は、要求電力よりも大きいので、その余剰電力を用いてバッテリ50の充電を行う。バッテリ50は、時刻t3’〜t4においては燃料電池60の出力のみで要求電力を出力することができるので、出力しない。
時刻t4においてアクセル開度が急激に減少したとする。すると、燃料電池60の目標出力値もテーブルに従って急激に減少する。なお、時刻t4において制御ユニット70は、バッテリ50の残存容量SOCは十分に充電されたことを検知して、通常の目標出力値に戻している。燃料電池60の出力は、目標出力値の変化率が燃料電池の出力応答性よりも小さいので追従することができ、目標出力値に応じて減少する。バッテリ50は、燃料電池60の出力のみでアクセル開度に応じた要求電力を出力することができるので出力しない。
時刻t4以降、アクセル開度は時刻t4〜t5において増加し、時刻t5〜t6において減少し、時刻t6以降において増加したとする。この期間、燃料電池60の目標出力値もテーブルに従ってアクセル開度の変化率よりも小さな変化率で増減し、燃料電池60の出力は、目標出力値に追従して増減する。バッテリ50は、燃料電池60の出力のみでアクセル開度に応じた要求電力を出力することができるので出力しない。
上記第1実施例の制御の効果をより明確にするために、燃料電池60とバッテリ50の従来の制御を比較例として示す。図8は、比較例のアクセル開度に対する燃料電池60の目標出力値と、実際の燃料電池60からの出力と、バッテリ50からの出力とを示す一例としてのタイムチャートである。アクセル開度は、図7に示したものと同じである。比較例の燃料電池60の目標出力値は、アクセル開度に応じた要求電力と同じ値が設定される。
時刻0〜t2においてアクセル開度は0である。この期間、燃料電池60の目標出力値、燃料電池60の出力、バッテリ50の出力も0である。
時刻t2においてアクセル開度が急激に増加する。すると、燃料電池60の目標出力値もアクセル開度に応じて急激に増加する。燃料電池60の出力は、応答性が低いため目標出力値の急増に追従することができないので、最大の傾きで増加する。このときバッテリ50は、燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力する。これにより、バッテリ50の残存容量SOCは減少する。
時刻t2〜t4においてアクセル開度は緩やかに増加する。すると、燃料電池60の目標出力値もアクセル開度に応じて緩やかに増加する。燃料電池60の出力は、時刻t3において燃料電池60の目標出力値に到達するまでは最大の傾きで増加する。バッテリ50は、時刻t3において燃料電池60の出力が目標出力値に到達するまでは燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力する。時刻t3〜t4においては目標出力値の変化率が燃料電池60の出力応答性よりも小さく追従することができるので、燃料電池60の出力は目標出力値に応じて増加する。バッテリ50は、時刻t3〜t4においては燃料電池60の出力のみで要求電力を出力することができるので、出力しない。
時刻t4においてアクセル開度が急激に減少する。すると、燃料電池60の目標出力値もアクセル開度に応じて急激に減少する。このとき、燃料電池60の出力は、目標出力値に追従することができ、目標出力値に応じて減少する。バッテリ50は、燃料電池60の出力のみでアクセル開度に応じた要求電力を出力することができるので出力しない。
時刻t4〜t5においてアクセル開度は増加する。この期間、燃料電池60の目標出力値は、アクセル開度に応じて増加する。燃料電池60の出力は、燃料電池60の目標出力値の変化率が第1実施例よりも大きいため、目標出力値に追従することができず、最大の傾きで増加する。バッテリ50は、燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力する。これにより、バッテリ50の残存容量SOCは減少する。
時刻t5〜t6においてアクセル開度は減少する。この期間、燃料電池60の目標出力値は、アクセル開度に応じて増加する。燃料電池60の出力は、目標出力値に到達する時刻t5’まで最大の傾きで増加し、到達後は目標出力値に応じて減少する。バッテリ50は燃料電池60の出力が目標出力値に到達する時刻t5’まで燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力し、到達後は燃料電池60のみでアクセル開度に応じた要求電力を出力することができるので出力しない。
時刻t6以降においてアクセル開度は増加する。この期間、燃料電池60の目標出力値はアクセル開度に応じて増加する。燃料電池60の出力は、目標出力値の変化率が燃料電池の出力応答性よりも小さいので、目標出力値に追従して増減する。バッテリ50は、燃料電池60の出力のみでアクセル開度に応じた要求電力を出力することができるので出力しない。
このように、比較例においても、第1実施例と同様にバッテリ50が燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力するので、応答性は確保できる。しかし、燃料電池60の目標出力値が要求電力と同じ値に設定されるので、アクセル開度の変動が大きい場合には、燃料電池60の出力が目標出力値に追従できず、目標出力値に応じた安定した制御を行うことができない場合が生じる。また、バッテリ50の残存容量SOCに応じた目標出力値の設定を行っていないため、残存容量SOCが確保できず、残存容量SOCが所定値以下になった場合、充電のためにエンジン10を運転しなければならない場合が生じ得る。
一方、第1実施例によれば、アクセル開度の変動が大きい場合でも、燃料電池60の目標出力値の変動は出力応答性よりも小さいので、燃料電池60の出力を安定して制御することができる。この結果、アクセル開度に応じて出力応答性を確保しつつ、燃料電池60を電力供給源として有効に活用することができる。また、バッテリ50の残存容量SOCに応じた目標出力値の設定を行っているので、速やかに効率よくバッテリ50の充電を行うことができる。この結果、バッテリ50の容量を小さくすることができ、電力供給装置の小型化および軽量化を図ることができる。
(4)第2実施例:
第1実施例では、一定の間隔でバッテリ50の残存容量SOCとアクセル開度をサンプリングし、随時これらに応じて燃料電池60の目標出力値を設定した。第2実施例では、一定の間隔でサンプリングしたアクセル開度からアクセル開度の変化率を算出し、これに応じて燃料電池60の目標出力値の設定処理を変更する場合を示す。装置の構成は、第1実施例と同じである。また、燃料電池60の目標出力値の設定処理以外の動力出力処理ルーチンの流れも同じである。
図9は、第2実施例における燃料電池60の目標出力値の設定処理を示すフローチャートである。この処理が開始されると、CPUは、まずアクセル開度を読込む(ステップS200)。そして、前回読込んだアクセル開度と、今回読込んだアクセル開度と、サンプリング時間とからアクセル開度の変化率rを算出し(ステップS210)、アクセル開度の変化率の絶対値|r|と予めROMに記憶された変化率の閾値Rthとを比較する(ステップS220)。アクセル開度の変化率の絶対値|r|が閾値Rthを超えると、アクセル開度に応じて新たに目標出力値の設定を行う(ステップS230)。ここで設定する目標出力値は、図6に示した第1実施例のバッテリ50の残存容量SOCが通常の状態であるときの目標出力値である。但し、アクセル開度と燃料電池60の目標出力値との関係を記憶したテーブル(図6参照)は任意に設定可能である。アクセル開度の変化率の絶対値|r|が閾値Rth以下であれば、新たな目標出力値の設定は行わず、直前の目標出力値がそのまま保持される。即ち、アクセル開度の変化率が大きいときに新たな目標出力値に変更し、変化率が小さいときには随時目標出力値の変更はしない制御を行う。
なお、閾値Rthは、任意に設定可能である。例えば、閾値Rthは、固定にしてもよい。また、ドライバのアクセルペダル55の操作の傾向や、過去の燃料電池60およびバッテリ50の運転状況から判断して、随時変更するようにしてもよい。また、アクセル開度の変化率rが正のときと負のときとで閾値Rthを異なる値としてもよい。
次に、バッテリ50の残存容量SOCを読込み(ステップS240)、残存容量SOCが所定の値LO%以上であるか否かを判定する(ステップS250)。残存容量SOCが所定の値LO%以上であれば、バッテリ50の残存容量SOCは十分にあると判断して、この処理を終了する。残存容量SOCが所定の値LO%未満であれば、燃料電池60からの出力によってバッテリ50を充電できるように目標出力値を高くするための補正値を設定し(ステップS260)。それを加えて新たな目標出力値とする(ステップS270)。
なお、所定の値LOは、任意に設定可能である。ただし、LOを高く設定し過ぎると、ステップS260,S270の目標出力値の補正が頻繁に行われ、燃料電池60の運転を安定して行うことができなくなる場合がある。一方、LOを低く設定し過ぎると、バッテリ50の使用が多くなり、燃料電池60が効率的に活用できない場合がある。
次に、第2実施例の制御の具体例を示す。図10は、第2実施例におけるアクセル開度に対する燃料電池60の目標出力値と、実際の燃料電池60からの出力と、バッテリ50からの出力とを示す一例としてのタイムチャートである。アクセル開度は、図7に示したものと同じである。
時刻0〜t2においてアクセル開度は0である。この期間、燃料電池60の目標出力値、燃料電池60の出力、バッテリ50の出力も0である。
時刻t2においてアクセル開度が急激に増加する。このとき、アクセル開度の変化率の絶対値が閾値Rthを超えたものとする。すると、燃料電池60の目標出力値もアクセル開度に応じて急激に増加する。燃料電池60の出力は、応答性が低いため目標出力値の急増に追従することができないので、最大の傾きで増加する。このときバッテリ50は、燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力する。
時刻t2〜t4においてアクセル開度は緩やかに増加する。この期間、アクセル開度の変化率の絶対値は閾値Rth以下とする。燃料電池60の目標出力値は、時刻t2で設定された値が保持される。燃料電池60の出力は、時刻t3において目標出力値に到達するまでは最大の傾きで増加する。時刻t3〜t4においては、目標出力値に応じて一定の電力を出力する。バッテリ50は、燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力する。
時刻t4においてアクセル開度が急激に減少する。このとき、アクセル開度の変化率の絶対値が閾値Rthを超えたものとする。すると、燃料電池60の目標出力値もアクセル開度に応じて急激に減少する。燃料電池60の出力は、目標出力値に追従して減少する。バッテリ50は、燃料電池60の出力のみでアクセル開度に応じた要求電力を出力することができるので出力しない。
時刻t4〜t5においてアクセル開度は増加する。この期間、アクセル開度の変化率の絶対値は閾値Rth以下とする。すると、燃料電池60の目標出力値は時刻t4で設定された値が保持される。燃料電池60は、目標出力値に応じて一定の電力を出力する。バッテリ50は、燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力する。
時刻t5〜t6においてアクセル開度は減少する。この期間、アクセル開度の変化率の絶対値は閾値Rth以下とする。すると、燃料電池60の目標出力値は、制御ユニット70がバッテリ50の残存容量SOCがLO%未満になったことを検知する時刻t5’まで、時刻t4(または時刻t5)の値が保持される。燃料電池60は、時刻t5’まで目標出力値に応じて出力する。バッテリ50は、燃料電池60の出力の不足分を補償するように出力する。
時刻t5’において制御ユニット70は、バッテリ50の残存容量SOCがLO%未満になったことを検知するものとする。すると、この時刻、アクセル開度は減少しているが、燃料電池60の目標出力値は、バッテリ50を速やかに充電できるように高く補正される。燃料電池60の出力は、応答性が低いため、この目標出力値の増加に追従することができず、最大の傾きで増加する。
時刻t6以降においてアクセル開度は緩やかに増加する。この期間、アクセル開度の変化率の絶対値は閾値Rth以下とする。すると、燃料電池60の目標出力値は時刻t5’で設定された値が保持される。燃料電池60は、目標出力値に応じて一定の電力を出力する。バッテリ50は、燃料電池60の出力のみでアクセル開度に応じた要求電力を出力することができるので出力しない。図示した時刻t5’以降の燃料電池60の出力は、要求電力よりも大きいので、その余剰電力を用いてバッテリ50の充電を行う。なお、図示していないが、アクセル開度が急激に増加した後に緩やかに減少する場合、即ち、アクセル開度の変化率の絶対値が閾値Rth以下である場合にも、燃料電池60の目標出力値は減少しないので、バッテリ50の充電を行うことができる。
第2実施例では、アクセル開度に対する出力応答性の低い燃料電池60については、アクセル開度に対する感度を悪くすることによって、燃料電池60を安定して運転する制御を行っている。そして、アクセル開度の急変に対しては出力応答性のよいバッテリ50を用いている。このようにすることによっても、アクセル開度に応じて出力応答性を確保しつつ、バッテリ50の過度な充放電を抑制し、燃料電池60を電力供給源として有効に活用することができる。
(5)第3実施例:
第3実施例のハイブリッド車両は、ナビゲーションシステムを搭載している。図11は、第3実施例のハイブリッド車両の概略構成図である。ナビゲーションシステム90は、制御ユニット70Bに接続されており、制御ユニット70には、車両が将来的に走行する経路情報が入力される。これ以外のハード構成は、第1実施例と同じである。また、第1実施例と第3実施例とでは、動力出力処理が一部異なっている。
図12は、第3実施例の動力出力処理ルーチンのフローチャートである。この処理が開始されると、CPUは、種々のセンサおよびスイッチの信号を入力する(ステップS300)。次に、CPUは、燃料電池60が発電可能な状態であるか否かを判定する。(ステップS310)。
燃料電池60が発電可能な状態であれば、燃料電池60が出力すべき目標出力値の設定処理を行う(ステップS320)。この処理は、第1実施例と同じである。燃料電池60の目標出力値が設定されると、ナビゲーションシステム90を用いて走行中か否かの判定を行う(ステップS330)。ナビゲーションシステム90を用いて走行していなければ、第1実施例と同様に、燃料電池60は目標出力値に応じて電力を出力し(ステップS350)、バッテリ50は燃料電池60の出力と、アクセル開度に応じた要求電力との差を補償するように充放電する(ステップS360)。ナビゲーションシステム90を用いて走行している場合には、目標出力値にナビゲーションシステム走行用の補正処理を行う。
なお、渋滞中の場合や、信号待ちで停止している場合等には、ステップS330においてナビゲーションシステム90を用いて走行していないと判定するようにしてもよい。
図13は、ナビゲーションシステム走行用の目標出力値補正処理のフローチャートである。この処理が開始されると、CPUは、ナビゲーションシステム90から経路情報を読込む(ステップS400)。この経路情報には、登り坂や下り坂の勾配についての情報、あるいは、高速道路の情報等が含まれる。そして、この経路情報に基づいて将来の所定時における要求電力を予測する(ステップS410)。例えば、CPUは、ナビゲーションシステム90から将来登り坂があることを検知すると、その登り坂を登るために必要な電力を予測する。そして、予測された将来の要求電力に基づいて将来の所定時における目標出力値を設定する(ステップS420)。次に、この将来の目標出力値と、図12のステップ320で設定された目標出力値と、将来の所定時における目標出力値と、燃料電池60の出力特性(出力可能な最大の傾き)とから目標出力値の補正を行う(ステップS430)。
図14は、第3実施例におけるアクセル開度に対する燃料電池60の目標出力値と、実際の燃料電池60からの出力と、バッテリ50からの出力とを示す一例としてのタイムチャートである。アクセル開度は、時刻t2まで一定であり、電力PW1を要求する。時刻t2〜t3においては登り坂になり、PW2まで増加し、時刻t3〜t5において一定となる。時刻t5〜t6においては下り坂になり、PW1まで減少する。時刻t6以降は一定である。
制御ユニット70は、ナビゲーションシステム90からの経路情報に基づいて、登り坂にさしかかる時刻t2以前に将来的に登り坂が存在することを認識することができる。そして、現在の目標出力値PW1と将来の目標出力値PW2と燃料電池60の出力特性とから、燃料電池60の出力がPW1からPW2に増加するのに要する応答時間を求め、時刻t1において目標出力値をPW2に増加すべきことを算出し、目標出力値を補正する。燃料電池60は、この補正された目標出力値に応じて出力を予め増加しておき、将来的な出力の増加に備えておくことができる。なお、図14では、時刻t1において、燃料電池60の目標出力値をPW1からPW2に急増させているが、登り坂にさしかかるときにアクセル開度に応じて燃料電池60が要求電力を出力できるように徐々に増加させてもよい。
また、制御ユニット70は、ナビゲーションシステム90からの経路情報に基づいて、下り坂にさしかかる時刻t5以前に将来的に下り坂が存在することを認識することができる。そして、現在の目標出力値PW2と、将来の目標出力値PW1と、燃料電池60の出力特性とから、時刻t4において目標出力値をPW2に減少して、バッテリ50の電力を消費しても、下り坂で充電可能なことを認識し、目標出力値を補正する。時刻t4〜t6においては燃料電池60からの出力は要求電力に足りないので、バッテリ50が不足分を出力する。
なお、上記の説明では、燃料電池60の出力の増加および減少を登り坂と下り坂の場合に適用して説明したが、例えば、高速道路に進入して加速する場合等に適用して出力の増加に備えるようにすることも可能である。
以上では、燃料電池60が発電可能な状態であるときの動力の出力について説明した。図12のステップS310において燃料電池60が発電不能の状態であれば、バッテリ50の残存容量SOCがその制御下限LoS%以上あるか否かを判定する(ステップS370)。バッテリ50の残存容量SOCがLoS%未満であれば、エンジン10を始動して、動力を出力する(ステップS380)。また、バッテリ50の残存容量SOCがLoS%以上であれば、バッテリ50を主電源として出力する(ステップS390)。
このように第3実施例によれば、ナビゲーションシステム90を搭載した車両において、アクセル開度に対する出力応答性を確保しつつ、燃料電池60を電力供給源として有効に活用することができる。
(6)変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形例も可能である。
上記第1実施例では、図6に示したバッテリ50の残存容量SOCと、アクセル開度と、燃料電池60の目標出力値との関係をテーブルとして記憶しているが、バッテリ50の残存容量SOCと、アクセル開度をパラメータとして燃料電池60の目標出力値を求めるようにしてもよい。
上記第2実施例では、アクセル開度の変化率によって燃料電池60の目標出力値の補正を行うか否かを判定しているが、アクセル開度の変化率とアクセル開度の変化量とによって、燃料電池60の目標出力値の補正を行うようにしてもよい。こうすることによって、アクセル開度の変化率が小さいままアクセル開度が所定値以上変化した場合に、バッテリ50の過度な充放電を抑制し、適切な目標出力値を設定することができる。
また、上記第2実施例では、一定の間隔でサンプリングしたアクセル開度からアクセル開度の変化率を算出しているが、アクセル開度の変化率は、直接的にセンサを用いて検出してもよい。
上記実施例では、本発明をハイブリッド車両へ適用した場合について例示したが、エンジンを搭載しない電気車両に適用するものとしてもよい。図15は、電気車両の概略構成図である。この電気車両は、燃料電池60Bと、バッテリ50Bと、制御ユニット70Bと、切替スイッチ84Bと、インバータ52Bと、モータ20Bと、アクセルペダル55Bと、ディファレンシャルギヤ16Bと、車軸17B等によって構成される。図15では、主要な信号、電力および動力の伝達経路のみを示し、図1に示した補記駆動装置82や、変速機100等は省略した。
上記実施例では、充放電可能な蓄電部としてバッテリ50を用いているが、キャパシタ等の蓄電手段を用いるようにしてもよい。
上記実施例では、エンジン10の動力を車軸17に伝達可能なハイブリッド車両、即ち、パラレルハイブリッド車両を例示したが、シリーズハイブリッド車両に適用してもよい。
上記実施例では、種々の制御処理をCPUがソフトウェアを実行することによって実現しているが、これらの制御処理をハード的に実現することもできる。
10…エンジン
12…クランクシャフト
13、14,15…回転軸
16,16B…ディファレンシャルギヤ
17,17B…車軸
18…入力クラッチ
19…補機クラッチ
20,20B…モータ
22…ロータ
24…ステータ
30…トルクコンバータ
50,50B…バッテリ
51,52…駆動回路
52B…インバータ
55,55B…アクセルペダル
60…燃料電池システム
61…メタノールタンク
62…水タンク
61a,62a…容量センサ
63…バーナ
64…圧縮機
65…蒸発器
66…改質器
68…ブロワ
70,70A,70B…制御ユニット
80…補機駆動用モータ
82…補機駆動装置
83…切替スイッチ
84,84B…切替スイッチ
88…イグニッションスイッチ
90…ナビゲーションシステム
100…変速機
102…ポンプ

Claims (9)

  1. 燃料電池と充放電可能な蓄電部とを有する電力供給部を備え、前記燃料電池と前記蓄電部のうちの少なくとも1つを用いて負荷に対して電力の供給を行う電力供給装置であって、
    前記電力供給部への要求電力に関与する所定のパラメータ値を随時入力する要求電力入力部と、
    入力された前記パラメータ値に応じて前記燃料電池が現在出力すべき目標出力値である現在の目標出力値を設定する現在目標出力値設定部であって、前記パラメータ値が比較的小さい領域においては前記電力供給装置への要求電力よりも前記燃料電池の目標出力値が大きく設定され、前記パラメータ値が比較的大きい領域においては前記電力供給装置への要求電力よりも前記燃料電池の目標出力値が大きく設定される関係を参照して、前記現在の目標出力値を設定する現在目標出力値設定部と、
    将来の前記負荷の運転状態に関与する所定の情報である負荷情報を予め記憶する負荷情報記憶手段と、
    前記負荷情報に基づいて前記電力供給部への所定時間後の要求電力を予測する要求電力予測部と、
    前記所定時間後の要求電力に応じた前記燃料電池の将来の目標出力値と、前記現在の目標出力値と、前記燃料電池の出力応答性とに基づいて現在前記燃料電池が出力すべき目標出力値を補正する目標出力値補正部と、
    補正後の前記目標出力値に応じて前記燃料電池の運転を制御する燃料電池制御部と、
    前記現在の要求電力と前記燃料電池が供給する電力との差を補償するように前記蓄電部の充放電を制御する蓄電制御部と、
    を備える、電力供給装置。
  2. 請求項1記載の電力供給装置であって、
    前記目標出力値補正部は、前記要求電力予測部が予測した電力が増加したときに予め前記目標出力値を増加させる補正を行う、電力供給装置。
  3. 請求項1記載の電力供給装置であって、
    前記目標出力値補正部は、前記要求電力予測部が予測した電力が減少したときに予め前記目標出力値を減少させる補正を行う、電力供給装置。
  4. 請求項1記載の電力供給装置であって、更に、
    前記蓄電部の残存容量を検出する検出部を備え
    前記現在目標出力値設定部は、前記パラメータ値と、前記蓄電部の残存容量とに応じて、前記目標出力値を設定する、電力供給装置。
  5. 燃料電池と充放電可能な蓄電部とを有する電力供給部を備え、前記燃料電池と前記蓄電部のうちの少なくとも1つを用いて負荷に対して電力の供給を行う電力供給装置を制御する制御方法であって、
    (a)前記電力供給部への要求電力に関与する所定のパラメータ値を随時入力する工程と、
    (b)入力された前記パラメータ値に応じて前記燃料電池が現在出力すべき目標出力値である現在の目標出力値を設定する工程であって、前記パラメータ値が比較的小さい領域においては前記電力供給装置への要求電力よりも前記燃料電池の目標出力値が大きく設定され、前記パラメータ値が比較的大きい領域においては前記電力供給装置への要求電力よりも前記燃料電池の目標出力値が大きく設定される関係を参照して、前記現在の目標出力値を設定する工程と、
    )将来の前記負荷の運転状態に関与する所定の情報である負荷情報に基づいて前記電力供給部への所定時間後の要求電力を予測する工程と、
    )前記所定時間後の要求電力に応じた前記燃料電池の将来の目標出力値と、現在の現在の目標出力値と、前記燃料電池の出力応答性とに基づいて現在前記燃料電池が出力すべき目標出力値を補正する工程と、
    補正後の前記目標出力値に応じて前記燃料電池の運転を制御する工程と、
    )前記現在の要求電力と前記燃料電池が供給する電力との差を補償するように前記蓄電部の充放電を制御する工程と、
    を備える、制御方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の電力供給装置と、前記負荷として前記電力供給装置から供給される電力によって駆動するモータと、を備える、動力出力装置。
  7. 請求項6記載の動力出力装置であって、更に、
    燃料の燃焼によって駆動するエンジンと、
    前記モータと前記エンジンとのうちの少なくとも一方を駆動させて動力を出力する制御手段と、
    を備える、動力出力装置。
  8. 動力源としてモータを備える車両であって、
    請求項1記載の電力供給装置を備え、
    前記モータは、前記負荷の1つであり、
    前記パラメータ値は、アクセル開度であり、
    前記負荷情報記憶手段は、前記車両が将来的に走行する経路情報を予め記憶した経路情報記憶手段であり、
    前記要求電力予測部は、前記経路情報に基づいて前記電力供給部への所定時間後の要求電力を予測する、
    車両。
  9. 動力源として請求項7記載の動力出力装置を備える車両。
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