JP2007182857A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱をより有効に利用し、車両の燃費の改善やエミッションの低減に寄与する冷却装置を提供する。
【解決手段】冷却装置200は、電動式ポンプ208と、エンジン2を冷却する機関側流路210と、機関側流路210上に設けられ冷却水の流量を制御する二方弁246と、機関側流路210に対して並列に配置され、被冷却装置である電気装置206を冷却する装置側流路212と、冷却水の流路216を有するヒータコア214と、ヒータコア214と並列に設けられるバイパス流路218と、ヒータコア214の流路とバイパス流路218の分岐点と合流点のいずれか一方に設けられヒータコア214とバイパス流路218への冷却水の分流割合を制御する小型三方弁242と、サーモスタット弁240と、ラジエータ222とを含む。
【選択図】図2

Description

この発明は、冷却装置に関し、特に車両に搭載される冷却装置に関する。
近年、環境にやさしい車両として、駆動装置としてエンジンとモータとを搭載するハイブリッド自動車が注目を浴びている。エンジンおよびモータを駆動するためのパワー素子はいずれも作動時に発熱を伴う。
実用化されているハイブリッド自動車には、エンジンを冷却するための冷却系とモータ周辺を冷却する冷却系の独立した2系統の冷却系を有するものがある。しかし、エンジンは、冷却すればするほど良いというものではなく、効率よく運転するには暖機が必要である。このため、エンジンの暖機にモータ周辺の発熱を利用する技術が検討されている。
特開2004−218600号公報(特許文献1)には、エンジンを冷却する冷媒循環系とモータを冷却する冷媒循環系とを備え、かつエンジン側の冷却水温度が低いときには三方弁によってモータをエンジン側の冷媒循環系に組み入れ、モータの熱を奪った冷却水でエンジンの暖機を促進させる技術が開示されている。
特開2004−218600号公報 特開2004−301041号公報 特開2001−73765号公報 特開平7−253020号公報 実開平5−69328号公報
ハイブリッド自動車は、バッテリの充電状態が良好な場合はエンジンを停止させモータのみで走行する走行(EV走行)を行なうものもある。しかしながら、エンジンの冷却水は、暖房のためのヒータの熱源としても使用されている。したがって、長時間エンジンを停止すると暖房時に室温の低下が起こるので、エンジンを再始動させる必要がある。また、長時間エンジンを停止したまま走行するとエンジンの温度が適温から下がってしまい、排気エミッションが悪化する。したがって、長時間のEV走行ができず燃費が悪化するような運転条件も存在する。このため、ハイブリッド自動車の現状の冷却装置は、まだまだ最適化の余地がある。
この発明の目的は、熱をより有効に利用することができ、車両の燃費の改善やエミッションの低減に寄与する冷却装置を提供することである。
この発明は、要約すると、車両に搭載される冷却装置であって、車両は、内燃機関と、冷却を要する被冷却装置とを備え、冷却装置は、液媒体を循環させる電動式ポンプと、内燃機関を冷却する機関側流路と、機関側流路上のいずれかの部分に設けられ、液媒体の流量を制御する第1の制御弁と、機関側流路に対して並列に配置され、被冷却装置を冷却する装置側流路と、液媒体の流路を有するヒータコアと、ヒータコアと並列に設けられるバイパス流路と、ヒータコアの流路とバイパス流路の分岐点と合流点のいずれか一方に設けられヒータコアとバイパス流路への液媒体の分流割合を制御する第2の制御弁と、機関側流路からの液媒体と装置側流路からの液媒体とが合流する合流点と、ヒータコアの流路とバイパス流路に流路が分岐する分岐点との間に設けられたサーモスタット弁と、サーモスタット弁から分流された液媒体が流れるラジエータとを備える。液媒体の循環流路は、バイパス流路、ヒータコアおよびラジエータの各出口からの液媒体が合流した後の液媒体が、電動式ポンプによって少なくとも装置側流路に導かれるように構成される。
好ましくは、冷却装置は、内燃機関が停止している場合においてヒータコアを用いる暖房の要求があるときに、第1の制御弁の流量を制限し、かつヒータコアの流路に対する分流割合が内燃機関の停止前と比べて同じかまたは増加するように第2の制御弁を制御する制御部をさらに備える。
より好ましくは、制御部は、内燃機関が停止している場合においてヒータコアを用いる暖房の要求が無いときに、第1の制御弁の流量を内燃機関の停止前と比べて同じかまたは増加するように制御し、かつバイパス流路に対する分流割合が内燃機関の停止前と比べて増加するように第2の制御弁を制御する。
好ましくは、冷却装置は、内燃機関が停止している場合においてヒータコアを用いる暖房の要求が無いときに、第1の制御弁の流量を内燃機関の停止前と比べて同じかまたは増加するように制御し、かつバイパス流路に対する分流割合が内燃機関の停止前と比べて増加するように第2の制御弁を制御する制御部をさらに備える。
好ましくは、被冷却装置は、車両推進用モータ、車両推進用モータを駆動するインバータ、および補機の少なくともいずれかを含む。
好ましくは、第1の制御弁は、2方弁である。
より好ましくは、第2の制御弁は、3方弁である。
好ましくは、電動式ポンプは、バイパス流路の出口およびヒータコアの流路の出口から合流した液媒体を吸引し、機関側流路および装置側流路の入口部に向けて液媒体を吐出する。
好ましくは、冷却装置は、機関側流路および装置側流路に対して、内燃機関の回転に応じて液媒体を送出する機械式ポンプをさらに備える。電動式ポンプは、装置側流路の入口または出口に設けられる。
この発明によれば、熱をより有効に利用することができる冷却装置を実現することにより、車両の燃費の改善やエミッションの低減に寄与することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明を繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の冷却装置が搭載されるハイブリッド車両1の構成を示す概略図である。
図1を参照して、ハイブリッド車両1は、前輪20R,20Lと、後輪22R,22Lと、エンジン2と、プラネタリギヤ16と、デファレンシャルギヤ18と、ギヤ4,6とを含む。
ハイブリッド車両1は、さらに、車両後方に配置されるバッテリBと、バッテリBの出力する直流電力を昇圧する昇圧ユニット32と、昇圧ユニット32との間で直流電力を授受するインバータ36と、プラネタリギヤ16を介してエンジン2と結合され主として発電を行なうモータジェネレータMG1と、回転軸がプラネタリギヤ16に接続されるモータジェネレータMG2とを含む。インバータ36はモータジェネレータMG1,MG2に接続され、交流電力と昇圧ユニット32からの直流電力との変換を行なう。
プラネタリギヤ16は、第1〜第3の回転軸を有する。第1の回転軸はエンジン2に接続され第2の回転軸はモータジェネレータMG1に接続され第3の回転軸はモータジェネレータMG2に接続される。
この第3の回転軸にはギヤ4が取付けられ、このギヤ4はギヤ6を駆動することによりデファレンシャルギヤ18に動力を伝達する。デファレンシャルギヤ18はギヤ6から受ける動力を前輪20R,20Lに伝達するとともに、ギヤ6,4を介して前輪20R,20Lの回転力をプラネタリギヤの第3の回転軸に伝達する。
プラネタリギヤ16は、エンジン2,モータジェネレータMG1,MG2の間で動力を分割する役割を果たす。すなわちプラネタリギヤ16の3つの回転軸のうち2つの回転軸の回転が定まれば、残る1つの回転軸の回転は自ずと定められる。したがって、エンジン2を最も効率のよい領域で動作させつつ、モータジェネレータMG1の発電量を制御してモータジェネレータMG2を駆動させることにより車速の制御を行ない、全体としてエネルギ効率のよい自動車を実現している。
なお、モータジェネレータMG2の回転を減速してプラネタリギヤPGに伝達する減速ギヤをさらに設けても良い。
直流電源であるバッテリBは、たとえばニッケル水素またはリチウムイオンなどの二次電池からなり、直流電力を昇圧ユニット32に供給するとともに、昇圧ユニット32からの直流電力によって充電される。
昇圧ユニット32は、バッテリBから受ける直流電圧を昇圧してその昇圧された直流電圧をインバータ36に供給する。インバータ36は供給された直流電圧を交流電圧に変換してエンジン始動時にはモータジェネレータMG1を駆動制御する。また、エンジン始動後には、モータジェネレータMG1が発電した交流電力はインバータ36によって直流に変換され、昇圧ユニット32によってバッテリBの充電に適切な電圧に変換されてバッテリBが充電される。
また、インバータ36はモータジェネレータMG2を駆動する。モータジェネレータMG2はエンジン2を補助して前輪20R,20Lを駆動する。制動時には、モータジェネレータは回生運転を行ない、車輪の回転エネルギを電気エネルギに変換する。得られた電気エネルギは、インバータ36および昇圧ユニット32を経由してバッテリBに戻される。バッテリBは組電池であり、直列に接続された複数の電池ユニットB0〜Bnを含む。昇圧ユニット32とバッテリBとの間にはシステムメインリレー28,30が設けられ、車両非運転時には高電圧が遮断される。
制御部14は、運転者の指示および車両に取付けられた各種センサからの出力に応じて、エンジン2,インバータ36,昇圧ユニット32およびシステムメインリレー28,30の制御を行なう。
図2は、本実施の形態に係る冷却装置200の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、ハイブリッド車両は、エンジン2と、電力を受けて動作し、動作時に発熱を伴い冷却を要する電気装置206とを備える。図1において、昇圧ユニット32およびインバータ36を始めとして、モータジェネレータMG1,MG2や制御部14やバッテリBなども動作時に発熱を伴う電気装置206に該当し得る。すなわち、電気装置206は、車両推進用モータ、車両推進用モータを駆動するインバータ、および補機の少なくともいずれかを含む。なお、補機としては、たとえば、電動エアコンコンプレッサ、電動パワーステアリングポンプ、オルタネータ等が挙げられる。
冷却装置200は、冷却水を循環させる電動式ポンプ208と、エンジン2を冷却する機関側流路210と、機関側流路210上のいずれかの部分に設けられ冷却水の流量を制御する二方弁246と、機関側流路210に対して並列に配置され、被冷却装置である電気装置206を冷却する装置側流路212と、冷却水の流路216を有するヒータコア214と、ヒータコア214と並列に設けられるバイパス流路218と、ヒータコア214の流路とバイパス流路218の分岐点と合流点のいずれか一方に設けられヒータコア214とバイパス流路218への冷却水の分流割合を制御する小型三方弁242と、サーモスタット弁240と、ラジエータ222とを含む。なお流路216とバイパス流路218の出口側の合流点に小型三方弁242を設けても良い。
サーモスタット弁240は、機関側流路210からの冷却水と装置側流路212からの冷却水とが合流する合流点と、ヒータコア214の流路とバイパス流路218に流路が分岐する分岐点との間に設けられる。ラジエータ222は、サーモスタット弁240から分流された冷却水が流れる。
冷却装置200における冷却水の循環流路は、バイパス流路218、ヒータコア214およびラジエータ222の各出口からの冷却水が合流した後の冷却水が、電動式ポンプ208によって少なくとも装置側流路212に導かれるように構成される。言い換えると、冷却水の循環流路は、小型三方弁242を通過した冷却水が電動式ポンプ208を介し、少なくとも装置側流路212を流れた後に小型三方弁242に戻るように構成される。そして、電動式ポンプ208は、バイパス流路218の出口およびヒータコア214の流路の出口から合流した冷却水を吸引し、機関側流路210および装置側流路212の入口部に向けて冷却水を吐出する。冷却水の循環流路は、バイパス流路218、ヒータコア214およびラジエータ222の各出口からの冷却水が合流した後に電動式ポンプ208に吸引されるように構成される。
サーモスタット弁240は、外部からの開弁・閉弁の指示を受けずに、通水される冷却水の温度に応じて経路の選択を行なう。サーモスタット弁240は、機関側流路210または装置側流路212を通ってきた冷却水が所定温度以下では、ラジエータ222および流路224に通水しないように流路213側にのみ冷却水を流す。そして冷却水の温度が所定温度を超えると流路224およびラジエータ222側に流れる割合を温度の上昇に応じて増加させる。このようにすることにより、冷却水温度はラジエータ222で放熱されて一定範囲の温度に保たれる。
冷却装置200は、冷却系制御部226をさらに備える。冷却系制御部226は、運転者等の乗員の操作する暖房スイッチ228からの信号HEONと、エンジン温度を検知するために冷却水通路に設けられるエンジン水温センサ230が検出した温度Teと、エンジン回転数センサ232が検知したエンジン回転数Neと、イグニッションキースイッチの操作に応じて変化する信号IGONとに基づいて、弁を制御する信号V1,V2と電動式ポンプ208を制御する信号PUONとを出力する。
信号V1に応じて二方弁246は流量を制限する。また信号V2に応じて三方弁は流路216,218の流量割合を変化させる。なお、冷却系制御部226は、独立したECU(電子制御ユニット)でも良いし、図1の制御部14の内部に含まれるものであっても良い。
たとえば、車両がEV走行を行ないエンジン2が停止している場合においては、電動式ポンプ208が駆動され、電気装置206を経由して電気装置206から熱を吸収した冷却水がサーモスタット弁240を経由して三方弁242に到達する。
冷却系制御部226は、エンジン2が停止している場合においてヒータコア214を用いる暖房の要求があるときに、二方弁246の流量を制限し、かつヒータコア214の流路に対する分流割合がエンジン2の停止前と比べて同じかまたは増加するように小型三方弁242を制御する。
このようにすることで冷却水が機関側流路210を経由せずに流れることになり、エンジン2の停止中に機関側流路210で失われる熱が抑制される。そして、電気装置206で発生する熱が暖房のために有効利用され、ヒータコア214の温度低下が防止されるので、ヒータコア214の温度を上昇させるためにエンジン2を再始動させる場面が少なくなる。
一方、冷却系制御部226は、エンジン2が停止している場合においてヒータコア214を用いる暖房の要求が無いときに、二方弁246の流量をエンジン2の停止前と比べて同じかまたは増加するように制御し、かつバイパス流路218に対する分流割合がエンジン2の停止前と比べて増加するように小型三方弁242を制御する。
そのようにすることにより、ヒータコア214で熱が奪われるのが避けられ、熱を含んだ冷却水の一部が機関側流路210に導入されるので、暖機完了後一旦適温となったエンジン2が走行中に走行風や自然放熱により過冷却となるのをなるべく避けることができ、エンジン2を再始動させる際のエミッションの悪化が防止される。また、エミッションの悪化を避けるためにエンジン2を再始動しなければならないような場面を少なくすることができる。
図3は、図2の冷却系制御部226が行なう制御の制御構造を示したフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、所定時間経過ごとまたは所定条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図2、図3を参照して、まず処理が開始されるとステップS101において車両が運転中であるか否かを、冷却系制御部226は信号IGONの状態によって検知する。IGONが活性状態つまり車両が運転中であれば、処理はステップS102に進み、車両が運転中で無ければ処理はステップS115に進む。
ステップS102では、冷却系制御部226は、エンジン回転数センサ232が検知したエンジン回転数Neによってエンジン2が停止中か否かを判断する。エンジンが停止中で無ければ処理はステップS103に進み、エンジン2が停止中であれば処理はステップS107に進む。
ステップS103では、冷却系制御部226は、機関側流路210に冷却水を通水させるため、二方弁246を開くように制御信号V1を送信する。そして処理はステップS104に進む。
ステップS104では、冷却系制御部226は、エンジン水温センサ230が検知した温度Teが所定の温度T0よりも低いか否かを判断する。Te<T0が成立する場合すなわちエンジン2に暖機が必要な場合はステップS105に処理が進み、成立しない場合すなわちエンジン2の暖機が完了している場合にはステップS106に処理が進む。
図4は、図3のステップS105において三方弁242および二方弁246で選択される流路を示した図である。
図3、図4を参照して、冷却系制御部226は、電動式ポンプ208を駆動させ冷却水を送出させ、そして冷却水は並列に接続されている機関側流路210と装置側流路212とに流入する。
機関側流路210を流れて二方弁246を通過した冷却水と装置側流路212を流れた冷却水はサーモスタット弁240の手前で合流し、三方弁242で選択されたバイパス流路218に流入する。そして再び冷却水は電動式ポンプ208に到達する。
このようにして、エンジン2が運転中でかつエンジン温度が低い場合には、ヒータコア214やラジエータ222は流路から除外され、エンジン2で発生する熱により冷却水の温度は早く上昇する。これによりエンジン2の暖機が早急に完了する。
エンジン2の暖機が完了するとステップS104からステップS106に処理が進むことになる。
図5は、図3のステップS106において三方弁242および二方弁246で選択される流路を示した図である。
図3、図5を参照して、冷却系制御部226は、電動式ポンプ208を駆動させ冷却水を送出させ、そして冷却水は並列に接続されている機関側流路210と装置側流路212とに流入する。
機関側流路210および二方弁246を流れた冷却水と装置側流路212を流れた冷却水はサーモスタット弁240の手前で合流し、ラジエータ222の流路224および流路213に流入する。流路213に流入した側の冷却水は、三方弁242によって選択されたヒータコア214の流路216に流入する。そしてヒータコア214の流路216を流れた冷却水とラジエータ222を流れた冷却水は再び合流し、電動式ポンプ208に到達する。
このようにして、エンジン2の暖機が完了した後では、ヒータコア214やラジエータ222が流路に組み込まれ、エンジン2で発生する熱が放熱される。これによりエンジン2は最適温度に保たれる。
再び図3を参照して、ステップS105またはステップS106の処理が終了すると、ステップS115に処理が進む。
ステップS102からステップS107に処理が進んだ場合には、ハイブリッド自動車はEV走行を行なっているか、信号待ちなどでエンジン停止状態で車両も停止している状態である。
ステップS107では、冷却系制御部226は、暖房スイッチ228の設定状態を示す信号HEONによってヒータ要求の有無を判断する。暖房スイッチ228が温度を設定するものであるような場合では、現在の室温と設定温度の比較によってヒータ要求の有無を判断するようにしても良い。
ステップS107においてヒータ要求有りと判断された場合には処理はステップS108に進み、ヒータ要求無しと判断された場合には処理はステップS111に進む。
ステップS108では、冷却系制御部226は、二方弁246の流量を制限するように制御信号V2を出力して機関側流路210に冷却水を通過させないようにする。そして、ステップS112において冷却系制御部226は、三方弁242に対してヒータコア214への通水割合を増加させるように制御信号V2を出力する。
図6は、図3のステップS108,S109において二方弁246および三方弁242で選択される流路を示した図である。
図3、図6を参照して、冷却系制御部226は、電動式ポンプ208を駆動させ冷却水を送出させるが、二方弁246が流量制限されまたは閉じているので冷却水は主として装置側流路212に流入する。
装置側流路212を流れた冷却水は、サーモスタット弁240を経由した後三方弁242に至り、三方弁242で選択されたヒータコア214の流路216に流入する。そしてヒータコア214の流路216を通過した冷却水は再び電動式ポンプ208に到達する。
このようにして、EV走行等のエンジン停止中において、ヒータコア214の温度を保持する必要がある場合には、機関側流路210は流路から除外され、電気装置206で発生する熱によりヒータコア214の温度は暖房に必要な温度T1以上に保持される。
なお、暖房に必要な温度にヒータコア214を維持するためには電気装置206の発熱量が充分でない場合もあるので、ステップS109の処理が終了すると、ステップS110の処理が行なわれる。
ステップS110では、冷却系制御部226は、エンジン水温センサ230が検知したエンジン付近の温度Teが暖房に必要な温度T1より低いか否かを判断する。なお、この判断はエンジン付近の温度Teに代えてヒータコア214に取付けた温度センサで検知した温度を用いて行なっても良い。
ステップS110において、Te<T1が成立する場合には処理はステップS114に進み、Te<T1が成立しない場合には処理はステップS115に進む。
ステップS114では、暖房に必要な温度にヒータコア214を維持するためには電気装置206の発熱量が充分でないので、エンジン2が制御信号STによって再起動されて冷却水温が上昇するように冷却装置が運転されるが、この場合であってもエンジン2が再起動するまでの時間を少し長くすることができ、EV走行が可能な時間が増える。
次に、ステップS107からステップS111に処理が進んだ場合について説明する。ステップS111では、冷却系制御部226は、二方弁246の流量を増加させるように制御信号V2を出力して機関側流路210に冷却水を通過させる。そして、ステップS112において冷却系制御部226は、三方弁242に対してヒータコア214への通水割合を減少させバイパス流路218への通水割合を増加させるように制御信号V2を出力する。
図7は、図3のステップS111,S112において二方弁246および三方弁242で選択される流路を示した図である。
図3、図7を参照して、冷却系制御部226は、電動式ポンプ208を駆動させ冷却水を送出させ、そして冷却水は並列に接続されている機関側流路210と装置側流路212とに流入する。図6に示した場合とは異なり、二方弁246が開状態に制御されているので機関側流路210にも冷却水が流れる。
機関側流路210を流れた冷却水と装置側流路212を流れた冷却水はサーモスタット弁240の手前で合流し、三方弁242によって選択されたバイパス流路218に流入する。そして再び冷却水は電動式ポンプ208に到達する。
このようにして、エンジンが停止中でヒータ要求が無い場合には、ヒータコア214やラジエータ222は流路から除外され、電気装置206で発生する熱により冷却水の温度がある程度暖かく維持される。その冷却水がエンジン2に導入されることにより、エンジン2の暖機完了状態が維持される。
なお、電気装置206の発熱量がエンジン2の暖機完了状態の維持に充分でない場合もあるので、ステップS112の処理が終了すると、ステップS113の処理が行なわれる。
ステップS113では、冷却系制御部226は、エンジン水温センサ230が検知したエンジン付近の温度Teが暖機完了状態の維持に必要な温度T2より低いか否かを判断する。
ステップS113において、Te<T2が成立する場合には処理はステップS114に進み、Te<T2が成立しない場合には処理はステップS115に進む。
ステップS114では、エンジン2の暖機完了状態の維持には電気装置206の発熱量が充分でないので、エンジン2が制御信号STによって再起動されて冷却水温が上昇するように冷却装置が運転されるが、この場合であってもエンジン2が再起動するまでの時間を少し長くすることができ、EV走行が可能な時間が増える。
一方、ステップS115に処理が進んだ場合には、メインルーチンに制御が移される。
このように、実施の形態1の冷却装置によれば、エンジン2の熱、電気装置206の熱が暖房やエンジン2の暖機に有効に利用される。したがって、暖房の快適性やエミッションの低減を実現しつつ、さらにエネルギが有効利用され燃費が改善された車両を実現することができる。
[実施の形態2]
図8は、実施の形態2に係る冷却装置300の構成を示すブロック図である。冷却装置300も図1のハイブリッド車両1に適用されるものである。
図8を参照して、ハイブリッド車両は、エンジン2と、電力を受けて動作し、動作時に発熱を伴う電気装置306とを備える。図1において、昇圧ユニット32およびインバータ36を始めとして、モータジェネレータMG1,MG2や制御部14やバッテリBなども動作時に発熱を伴う電気装置306に該当し得る。すなわち、電気装置306は、車両推進用モータ、車両推進用モータを駆動するインバータ、および補機の少なくともいずれかを含む。
冷却装置300は、冷却水を循環させる電動式ポンプ350と、エンジン2に設けられた機関側流路310と、機関側流路310への冷却水の流量を制御する二方弁346と、機関側流路310および二方弁346に対して並列に配置され、電気装置306に設けられた装置側流路312と、冷却水の流路316を有するヒータコア314と、ヒータコア314と並列に設けられるバイパス流路318と、ヒータコア314の流路316とバイパス流路318の分岐点と合流点の一方に設けられヒータコア314とバイパス流路318への冷却水の分流割合を制御する小型三方弁342とを備える。
冷却装置300は、機関側流路310および装置側流路312に対して、エンジン2の回転に応じて冷却水を送出する機械式ポンプ(メカウオータポンプ)308をさらに備え、電動式ポンプ350は、装置側流路312の入口または出口に設けられる。
機械式ポンプ308および電動式ポンプ350は、いずれもポンプ停止中においても通水が可能な構造を有する。
したがって、エンジン2が回転中には電動式ポンプ350は停止状態にされ、機械式ポンプ308の内部の羽根車が回転して冷却水を送出しエンジン2および電気装置306を冷却する。このとき電動式ポンプ350の羽根車は停止しておりこの羽根車の脇をすり抜けて冷却水が電動式ポンプ350を通過する。
一方、エンジン2が停止中には電動式ポンプ350は駆動状態にされ、電動式ポンプ350の内部の羽根車が回転して冷却水を送出し電気装置306を冷却する。このとき機械式ポンプ308の羽根車は停止しておりこの羽根車の脇をすり抜けて冷却水が機械式ポンプ308を通過する。このときは、機関側流路310には二方弁346で流量制限がなされるので冷却水が流れない。したがって、電動式ポンプ350のポンプ能力は、機械式ポンプ308のポンプ能力よりも小さくてすみ、実施の形態1よりも電動式ポンプ350は小型のものでよくなる。
冷却装置300における冷却水の循環流路は、小型三方弁342を通過した冷却水が電動式ポンプ350を介し、少なくとも装置側流路312を流れた後に小型三方弁342に戻るように構成される。そして、電動式ポンプ350は、バイパス流路318の出口およびヒータコア314の流路の出口から合流した冷却水を吸引し、機関側流路310および装置側流路312の入口部に向けて冷却水を吐出する。
冷却装置300は、機関側流路310からの冷却水と装置側流路312からの冷却水とが合流する合流点と小型三方弁342との間に設けられたサーモスタット弁340と、サーモスタット弁340から分流された冷却水が流れるラジエータ322とをさらに備える。冷却水の循環流路は、バイパス流路318、ヒータコア314およびラジエータ322の各出口からの冷却水が合流した後に電動式ポンプ350に吸引されるように構成される。
サーモスタット弁340は、外部からの開弁・閉弁の指示を受けずに、通水される冷却水の温度に応じて経路の選択を行なう。サーモスタット弁340は、機関側流路310または装置側流路312を通ってきた冷却水が所定温度以下では、ラジエータ322および流路324に通水しないように流路313側にのみ冷却水を流す。そして冷却水の温度が所定温度を超えると流路324およびラジエータ322側に流れる割合を温度の上昇に応じて増加させる。このようにすることにより、冷却水温度はラジエータ322で放熱されて一定範囲の温度に保たれる。
冷却装置300は、冷却系制御部326をさらに備える。冷却系制御部326は、運転者の操作する暖房スイッチ328からの信号HEONと、エンジン温度を検知するために冷却水通路に設けられるエンジン水温センサ330が検出した温度Teと、エンジン回転数センサ332が検知したエンジン回転数Neと、イグニッションキースイッチの操作に応じて変化する信号IGONとに基づいて弁を制御する信号V1,V2と電動式ポンプ350を制御する信号PUONとを出力する。
信号V1に応じて二方弁346は流量を制限する。また信号V2に応じて三方弁は流路316,318の流量割合を変化させる。なお、冷却系制御部326は、独立したECU(電子制御ユニット)でも良いし、図1の制御部14の内部に含まれるものであっても良い。
たとえば、車両がEV走行を行ないエンジン2が停止している場合においては、電動式ポンプ350が駆動され、電気装置306を経由して電気装置306から熱を吸収した冷却水がサーモスタット弁340を経由して三方弁342に到達する。
冷却系制御部326は、エンジン2が停止している場合においてヒータコア314を用いる暖房の要求があるときに、二方弁346の流量を制限し、かつヒータコア314の流路に対する分流割合がエンジン2の停止前と比べて同じかまたは増加するように小型三方弁342を制御する。
このようにすることで冷却水が機関側流路310を経由せずに流れることになり、エンジン2の停止中に機関側流路310で失われる熱が抑制される。そして、電気装置306で発生する熱が暖房のために有効利用され、ヒータコア314の温度低下が防止されるので、ヒータコア314の温度を上昇させるためにエンジン2を再始動させる場面が少なくなる。
一方、冷却系制御部326は、エンジン2が停止している場合においてヒータコア314を用いる暖房の要求が無いときに、二方弁346の流量をエンジン2の停止前と比べて同じかまたは増加するように制御し、かつバイパス流路318に対する分流割合がエンジン2の停止前と比べて増加するように小型三方弁342を制御する。
そのようにすることにより、ヒータコア314で熱が奪われるのが避けられ、熱を含んだ冷却水の一部が機関側流路310に導入されるので、エンジン2が走行中に走行風や自然放熱により過冷却となるのをなるべく避けることができ、エンジン2を再始動させる際のエミッションの悪化が防止される。また、エミッションの悪化を避けるためにエンジン2を再始動しなければならないような場面を少なくすることができる。
図9は、図8の冷却系制御部326が行なう制御の制御構造を示したフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、所定時間経過ごとまたは所定条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図9に示したフローチャートは、図3に示した実施の形態1における制御のフローチャートの構成に加えて、ステップS102とステップS103の間に電動ポンプを停止させるステップS201をさらに備え、ステップS102とステップS107の間に電動ポンプを作動させるステップS202をさらに備える。他の部分については、図3で説明したフローチャートの各ステップに対応する動作が行なわれる。
まず処理が開始されるとステップS101において車両が運転中であるか否かを冷却系制御部326は信号IGONの状態によって検知する。IGONが活性状態つまり、車両が運転中であれば、処理はステップS102に進み、車両が運転中で無ければ処理はステップS115に進む。
ステップS102では、冷却系制御部326は、エンジン回転数センサ332が検知したエンジン回転数Neによってエンジン2が停止中か否かを判断する。エンジンが停止中で無ければ処理はステップS201に進み、エンジン2が停止中であれば処理はステップS202に進む。
ステップS201では、エンジン2によって機械式ポンプ308の羽根車が回転され冷却水の循環がなされているので、省電力のため電動式ポンプ350を停止するように冷却系制御部326は制御信号PUONを送信する。そして処理はステップS103に進む。
ステップS103では、冷却系制御部326は、機関側流路310に冷却水を通水させるため、二方弁346を開くように制御信号V1を送信する。そして処理はステップS104に進む。
ステップS104では、冷却系制御部326は、エンジン水温センサ330が検知した温度Teが所定の温度T0よりも低いか否かを判断する。Te<T0が成立する場合すなわちエンジン2に暖機が必要な場合はステップS105に処理が進み、成立しない場合すなわちエンジン2の暖機が完了している場合にはステップS106に処理が進む。
ステップS105では、冷却系制御部326は三方弁342に対してヒータコア314への通水割合を減少させ、主としてバイパス通路318に冷却水を通水させる。
図10は、図9のステップS105において三方弁342および二方弁346で選択される流路を示した図である。
図9、図10を参照して、機械式ポンプ308がエンジン回転により駆動され冷却水を送出する。そして冷却水は並列に接続されている機関側流路310と装置側流路312とに流入する。なお、装置側流路312に設けられている電動式ポンプ350は、羽根車が停止しており、羽根車の隙間を冷却水が流れるので装置側流路312にも冷却水が流れている。
機関側流路310を流れて二方弁346を通過した冷却水と装置側流路312を流れた冷却水とはサーモスタット弁340の手前で合流し、三方弁342で選択されたバイパス流路318に流入する。そして再び冷却水は機械式ポンプ308に到達する。
このようにして、エンジンが運転中でエンジン温度が低い場合には、ヒータコア314やラジエータ322は流路から除外され、エンジン2で発生する熱により冷却水の温度は早く上昇する。これによりエンジン2の暖機が早急に完了する。
エンジン2の暖機が完了するとステップS104からステップS106に処理が進むことになる。ステップS106では、冷却系制御部326は三方弁342に対してバイパス通路318への通水割合を減少させ、主としてヒータコア314に冷却水を通水させる。
図11は、図9のステップS106において三方弁342および二方弁346で選択される流路を示した図である。
図9、図11を参照して、機械式ポンプ308がエンジン回転によって駆動され冷却水を送出し、そして冷却水は並列に接続されている機関側流路310と装置側流路312とに流入する。
機関側流路310および二方弁346を流れた冷却水と装置側流路312を流れた冷却水は、サーモスタット弁340の手前で合流し、ラジエータ322の流路324および三方弁342に向かう流路に流入する。三方弁342に向かう流路に流入した側の冷却水は、三方弁342によって選択されたヒータコア314の流路316に流入する。そしてヒータコア314の流路316を流れた冷却水とラジエータ322を流れた冷却水は再び合流し、電動式ポンプ350に到達する。
このようにして、エンジン2の暖機が完了した後では、ヒータコア314やラジエータ322が流路に組み込まれ、エンジン2で発生する熱が放熱される。これによりエンジン2は最適温度に保たれる。
再び図9を参照して、ステップS105またはステップS106の処理が終了すると、ステップS115に処理が進む。
他方、ステップS102からステップS202に処理が進んだ場合には、ハイブリッド自動車はEV走行を行なっているか、信号待ちなどでエンジン停止状態で車両も停止している状態である。したがって、機械式ポンプ308の羽根車は停止しているので、冷却水を循環させるため、ステップS202において冷却系制御部326は電動式ポンプ350の羽根車を回転させる。そして処理はステップS107に進む。
ステップS107では、冷却系制御部326は、暖房スイッチ328の設定状態を示す信号HEONによってヒータ要求の有無を判断する。暖房スイッチ328が温度を設定するものであるような場合では、現在の室温と設定温度の比較によってヒータ要求の有無を判断するようにしても良い。
ステップS107においてヒータ要求有りと判断された場合には処理はステップS108に進み、ヒータ要求無しと判断された場合には処理はステップS111に進む。
ステップS108では、冷却系制御部326は、二方弁346の流量を制限するように制御信号V2を出力して機関側流路310に冷却水を通過させないようにする。そして、ステップS112において冷却系制御部326は、三方弁342に対してヒータコア314への通水割合を増加させるように制御信号V2を出力する。
図12は、図9のステップS108,S109において二方弁346および三方弁342で選択される流路を示した図である。
図9、図12を参照して、冷却系制御部326は、電動式ポンプ350を駆動させ冷却水を送出させ、冷却水は主として装置側流路312に流入する。二方弁346を設けなくてもよいが、二方弁346を設けて流量制限をする方が電気装置206から熱を受けた冷却水が二方弁から機関側流路310に逆流することが減るので、熱をヒータに送る上での損失が少なくなる。
装置側流路312を流れた冷却水は、サーモスタット弁340を経由してヒータコア314の流路316に流入する。そしてヒータコア314の流路316を通過した冷却水は再び電動式ポンプ350に到達する。
このようにして、EV走行等のエンジン停止中において、ヒータコア314の温度を保持する必要がある場合には、機関側流路310は流路から除外され、電気装置306で発生する熱によりヒータコア314の温度は暖房に必要な温度T1以上に保持される。
なお、暖房に必要な温度にヒータコア314を維持するためには電気装置306の発熱量が充分でない場合もあるので、ステップS109の処理が終了すると、ステップS110の処理が行なわれる。
ステップS110では、冷却系制御部326は、エンジン水温センサ330が検知したエンジン付近の温度Teが暖房に必要な温度T1より低いか否かを判断する。なお、この判断はエンジン付近の温度Teに代えてヒータコア314に取付けた温度センサで検知した温度を用いて行なっても良い。
ステップS110において、Te<T1が成立する場合には処理はステップS114に進み、Te<T1が成立しない場合には処理はステップS115に進む。
ステップS114では、暖房に必要な温度にヒータコア314を維持するためには電気装置306の発熱量が充分でないので、エンジン2が制御信号STによって再起動されて冷却水温が上昇するように冷却装置が運転されるが、この場合であってもエンジン2が再起動するまでの時間を少し長くすることができ、EV走行が可能な時間が増える。
次に、図9のステップS107からステップS111に処理が進んだ場合について説明する。ステップS111では、冷却系制御部326は、二方弁346の流量を増加させるように制御信号V2を出力して機関側流路310に冷却水を通過させる。そして、ステップS112において冷却系制御部326は、三方弁342に対してヒータコア314への通水割合を減少させバイパス流路318への通水割合を増加させるように制御信号V2を出力する。
図13は、図9のステップS111,S112において二方弁346および三方弁342で選択される流路を示した図である。
図9、図13を参照して、冷却系制御部326は、電動式ポンプ350を駆動させ冷却水を送出させ、そして冷却水は装置側流路312に流入する。
図6に示した場合とは異なり、二方弁346が開状態に制御されているので機関側流路310にも冷却水が流れる。装置側流路312を流れた冷却水はサーモスタット弁340の手前で分岐し、一部は機関側流路310に流入する。
残りの冷却水はサーモスタット弁340を経由して、三方弁342によって選択されたバイパス流路318に流入する。そして冷却水は機械式ポンプ308に到達する。機械式ポンプ308は、エンジン2が停止しているので羽根車は停止しており、到達した冷却水の通水のみが行なわれる。
このようにして、エンジンが停止中でヒータ要求が無い場合には、ヒータコア314やラジエータ322は流路から除外され、電気装置306で発生する熱により冷却水の温度がある程度暖かく維持される。その冷却水がエンジン2に導入されることにより、エンジン2の暖機完了状態が維持される。
なお、電気装置306の発熱量がエンジン2の暖機完了状態の維持に充分でない場合もあるので、ステップS112の処理が終了すると、ステップS113の処理が行なわれる。
ステップS113では、冷却系制御部326は、エンジン水温センサ330が検知したエンジン付近の温度Teが暖機完了状態の維持に必要な温度T2より低いか否かを判断する。
ステップS113において、Te<T2が成立する場合には処理はステップS114に進み、Te<T2が成立しない場合には処理はステップS115に進む。
ステップS114では、エンジン2の暖機完了状態の維持には電気装置306の発熱量が充分でないので、エンジン2が制御信号STによって再起動されて冷却水温が上昇するように冷却装置が運転されるが、この場合であってもエンジン2が再起動するまでの時間を少し長くすることができ、EV走行が可能な時間が増える。
一方、ステップS115に処理が進んだ場合には、メインルーチンに制御が移される。
このように、実施の形態2の冷却装置においても、エンジン2の熱、電気装置306の熱が暖房やエンジン2の暖機に有効に利用される。したがって、暖房の快適性やエミッションの低減を実現しつつ、さらにエネルギが有効利用され燃費が改善された車両を実現することができる。
また、従来から用いられているサーモスタット弁のシステムに追加して制御弁を設けて実現するので、各弁の制御が簡単となり、開発コストおよび製造コスト面で比較的安価に実現することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン2を冷却する機関側流路に並列に電気装置を冷却する装置側流路を設けた例を示したが、これに限定されるものではなく、たとえば、機関側流路に並列に設けられる装置側流路で冷却される被冷却装置は、エンジンオイルやトランスミッションオイルのオイルクーラや、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ等の発熱源であっても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の冷却装置が搭載されるハイブリッド車両1の構成を示す概略図である。 本実施の形態に係る冷却装置200の構成を示すブロック図である。 図2の冷却系制御部226が行なう制御の制御構造を示したフローチャートである。 図3のステップS105において三方弁242および二方弁246で選択される流路を示した図である。 図3のステップS106において三方弁242および二方弁246で選択される流路を示した図である。 図3のステップS108,S109において二方弁246および三方弁242で選択される流路を示した図である。 図3のステップS111,S112において二方弁246および三方弁242で選択される流路を示した図である。 実施の形態2に係る冷却装置300の構成を示すブロック図である。 図8の冷却系制御部326が行なう制御の制御構造を示したフローチャートである。 図9のステップS105において三方弁342および二方弁346で選択される流路を示した図である。 図9のステップS106において三方弁342および二方弁346で選択される流路を示した図である。 図9のステップS108,S109において二方弁346および三方弁342で選択される流路を示した図である。 図9のステップS111,S112において二方弁346および三方弁342で選択される流路を示した図である。
符号の説明
1 ハイブリッド車両、2 エンジン、4,6 ギヤ、14 制御部、16 プラネタリギヤ、18 デファレンシャルギヤ、20R,20L 前輪、22R,22L 後輪、28,30 システムメインリレー、32 昇圧ユニット、36 インバータ、200,300 冷却装置、206,306 電気装置、208 電動式ポンプ、210,310 機関側流路、212,312 装置側流路、213,216,224,313,316,324 流路、214,314 ヒータコア、218,318 バイパス流路、222,322 ラジエータ、226,326 冷却系制御部、228,328 暖房スイッチ、230,330 エンジン水温センサ、232,332 エンジン回転数センサ、240,340 サーモスタット弁、242,342 小型三方弁、246,346 二方弁、308 機械式ポンプ、350 電動式ポンプ、B バッテリ、B0〜Bn 電池ユニット、MG1,MG2 モータジェネレータ。

Claims (9)

  1. 車両に搭載される冷却装置であって、
    前記車両は、
    内燃機関と、
    冷却を要する被冷却装置とを備え、
    前記冷却装置は、
    液媒体を循環させる電動式ポンプと、
    前記内燃機関を冷却する機関側流路と、
    前記機関側流路上のいずれかの部分に設けられ、前記液媒体の流量を制御する第1の制御弁と、
    前記機関側流路に対して並列に配置され、前記被冷却装置を冷却する装置側流路と、
    前記液媒体の流路を有するヒータコアと、
    前記ヒータコアと並列に設けられるバイパス流路と、
    前記ヒータコアの流路と前記バイパス流路の分岐点と合流点のいずれか一方に設けられ前記ヒータコアと前記バイパス流路への前記液媒体の分流割合を制御する第2の制御弁と、
    前記機関側流路からの前記液媒体と前記装置側流路からの前記液媒体とが合流する合流点と、前記ヒータコアの流路と前記バイパス流路に流路が分岐する分岐点との間に設けられたサーモスタット弁と、
    前記サーモスタット弁から分流された前記液媒体が流れるラジエータとを備え、
    前記液媒体の循環流路は、前記バイパス流路、前記ヒータコアおよび前記ラジエータの各出口からの液媒体が合流した後の前記液媒体が、前記電動式ポンプによって少なくとも前記装置側流路に導かれるように構成される、冷却装置。
  2. 前記内燃機関が停止している場合において前記ヒータコアを用いる暖房の要求があるときに、前記第1の制御弁の流量を制限し、かつ前記ヒータコアの流路に対する分流割合が前記内燃機関の停止前と比べて同じかまたは増加するように前記第2の制御弁を制御する制御部をさらに備える、請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記制御部は、前記内燃機関が停止している場合において前記ヒータコアを用いる暖房の要求が無いときに、前記第1の制御弁の流量を前記内燃機関の停止前と比べて同じかまたは増加するように制御し、かつ前記バイパス流路に対する分流割合が前記内燃機関の停止前と比べて増加するように前記第2の制御弁を制御する、請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記内燃機関が停止している場合において前記ヒータコアを用いる暖房の要求が無いときに、前記第1の制御弁の流量を前記内燃機関の停止前と比べて同じかまたは増加するように制御し、かつ前記バイパス流路に対する分流割合が前記内燃機関の停止前と比べて増加するように前記第2の制御弁を制御する制御部をさらに備える、請求項1に記載の冷却装置。
  5. 前記被冷却装置は、
    車両推進用モータ、前記車両推進用モータを駆動するインバータ、および補機の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の冷却装置。
  6. 前記第1の制御弁は、2方弁である、請求項1に記載の冷却装置。
  7. 前記第2の制御弁は、3方弁である、請求項6に記載の冷却装置。
  8. 前記電動式ポンプは、前記バイパス流路の出口および前記ヒータコアの流路の出口から合流した前記液媒体を吸引し、前記機関側流路および前記装置側流路の入口部に向けて前記液媒体を吐出する、請求項1に記載の冷却装置。
  9. 前記機関側流路および前記装置側流路に対して、前記内燃機関の回転に応じて前記液媒体を送出する機械式ポンプをさらに備え、
    前記電動式ポンプは、前記装置側流路の入口または出口に設けられる、請求項1に記載の冷却装置。
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