JP2013184679A - 電気車両の温度調節装置および電気車両の温度調節方法 - Google Patents

電気車両の温度調節装置および電気車両の温度調節方法 Download PDF

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Abstract

【課題】走行可能距離の低減を防ぐことのできる電気車両の温度調節装置および電気車両の温度調節方法の提供。
【解決手段】電気自動車Vは、モータジェネレータ2、車載バッテリ4、発電用のエンジン10を備えている。エンジン10内を通過する冷却管路11aは閉回路を形成し、内部にクーラント液が流通している。冷却管路11aからはシートブランチ11cが分岐し、再び冷却管路11aに接続されており、シートブランチ11c上には、クーラント液により車両用シート17を加熱するシートヒータ16が設けられている。また、エンジン10からの排気ガスを排出するエアコン管路21b上には、ヒートポンプ式エアコン22が形成されている。車載バッテリ4のバッテリ残量SOCが充電閾値ε未満(または以下)になった時、車載バッテリ4の電力を消費して発熱または吸熱する冷暖房から、シートヒータ16またはヒートポンプ式エアコン22による冷暖房に切り換わる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動モータによって走行する電気車両の温度調節装置および電気車両の温度調節方法に関する。
車外から充電可能な車載電池を備えた電気自動車において、車室内の温度調節を行う冷暖房システムに関する従来技術があった(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載された電気自動車は、車載電池から電力を受けて作動する電動モータを備え、当該電動モータによって車輪を駆動している。車載電池にはエアコンのコンプレッサおよびヒータが接続されており、車室内の温度調節を行う場合には、車載電池からの電力を消費してコンプレッサまたはヒータを作動させている。
また、特許文献1には、主バッテリから電力が供給されて車輪を駆動する電動モータと、主バッテリに充電を行う発電機と、発電機を駆動するエンジンとを備えた電気車両に関する従来技術が記載されている。当該電気車両においては、エンジンにエアコンのコンプレッサが接続されており、エンジンによりコンプレッサを駆動して車室内の温度調節を行っている。
「モーターファン別冊 ニューモデル速報 vol.438 三菱i-MiEVのすべて」三栄書房、平成22年7月15日発行、p.37
特許第3052859号公報(第1−2頁、第2図)
ところが、上述した非特許文献1に開示された従来技術によれば、冷暖房システムを使用する場合には車載電池の電力を消費するため、冷暖房システムの使用によって車両の走行可能距離が低減するという問題がある。冷暖房システムによる電力消費は大きく、車両走行のために電動モータが使用する電力と同等の電力を消費するとも言われている。
特に、極低温時には冷暖房システムの使用による車載電池の放電が非常に早く、電気自動車としての走行が不可能になることもあり得る。
これに対して、特許文献1に記載された電気車両においては、発電用のエンジンによってコンプレッサを駆動し、車室内の温度調節を行っている。したがって、冷房の使用により主バッテリの電力が消費されることがなく、車室内の温度調節のために、車両の走行可能距離が低減することを防止することができる。
しかしながら、その一方で、特許文献1に開示された電気車両は、冷房の使用により車両の燃費が低下するという問題がある。すなわち、特許文献1による電気車両は、エンジンの駆動力の一部がコンプレッサの作動に費やされ、エンジンの燃料のすべてが発電のために消費されるわけではないためである。
したがって、特許文献1による電気車両においても、当初、主バッテリに充電されていた電気量に加えて、エンジンによって発電される電力まで含めた場合、本来、走行可能な距離が低下してしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、走行可能距離の低減を防ぐことのできる電気車両の温度調節装置および電気車両の温度調節方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る電気車両の温度調節装置の発明は、車輪駆動用の電動モータに電力を供給するバッテリと、バッテリに充電するための発電機と、発電機を駆動するためのエンジンと、バッテリの電力により発熱または吸熱を行い、車室内の温度調節をする第1調温装置と、エンジンの排熱を利用して発熱または吸熱を行い、車室内の温度調節をする第2調温装置と、車室内に設けられ、乗員により操作されることにより、第1調温装置または第2調温装置を起動させる温度調節スイッチと、バッテリの残量値が所定の閾値未満あるいは閾値以下にあるバッテリ低下状態となったことを検出するバッテリ低下検出装置と、バッテリがバッテリ低下状態ではなく、かつ、温度調節スイッチが操作された場合には、第1調温装置を作動させ、バッテリがバッテリ低下状態であり、かつ、温度調節スイッチが操作された場合には、第1調温装置を起動させずに、エンジンとともに第2調温装置を作動させるコントローラと、を備えたことである。
尚、上述したバッテリ低下検出装置には、バッテリの電気量の残量値を直接に検出する装置以外に、バッテリ低下状態となったことを間接的に検出する装置も含むものである。これについては、以下の請求項についても同様である。
請求項2に係る発明は、請求項1の電気車両の温度調節装置において、第2調温装置は、エンジン内を通過するとともに閉回路を形成し、内部にエンジンを冷却する温度媒体が流通する冷却循環路と、冷却循環路上に設けられるとともに車両用シートに取り付けられ、温度媒体が通過することによって車両用シートを加熱するシートヒータと、を含むことである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2の電気車両の温度調節装置において、第2調温装置は、エンジンからの排ガスの熱を反応物質に加えることにより化学反応を発生させて熱媒体を生成し、熱媒体が吸熱して車室内を冷却するヒートポンプ式冷房装置を含むことである。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のうちのいずれかの電気車両の温度調節装置において、車外において乗員が操作することによりエンジン起動信号を発信する起動装置を備え、コントローラは、エンジン起動信号を受信した場合に、エンジンとともに第2調温装置を作動させることである。
請求項5に係る発明は、請求項2の電気車両の温度調節装置において、冷却循環路から分岐し、バッテリを通過した後、再び冷却循環路上に接続されるバッテリ加熱路と、冷却循環路上において、バッテリ加熱路が分岐される部位に設けられ、バッテリ加熱路を冷却循環路に対して断続する切換弁と、バッテリの温度を検出するバッテリ温度センサと、を備え、コントローラは、検出されたバッテリの温度に基づいて切換弁を作動させ、バッテリ加熱路に温度媒体を流通させることである。
請求項6に係る電気車両の温度調節方法の発明は、電気車両には、車輪駆動用の電動モータに電力を供給するバッテリと、バッテリに充電するための発電機と、発電機を駆動するためのエンジンと、バッテリの電力により発熱または吸熱を行い、車室内の温度調節をする第1調温装置と、エンジンの排熱を利用して発熱または吸熱を行い、車室内の温度調節をする第2調温装置と、車室内に設けられ、乗員により操作されることにより、第1調温装置または第2調温装置を起動させる温度調節スイッチと、バッテリの残量値が所定の閾値未満あるいは閾値以下にあるバッテリ低下状態となったことを検出するバッテリ低下
検出装置と、が設けられており、バッテリがバッテリ低下状態ではなく、かつ、温度調節スイッチが操作された場合には、第1調温装置を作動させ、バッテリがバッテリ低下状態であり、かつ、温度調節スイッチが操作された場合には、第1調温装置を作動させずに、エンジンとともに第2調温装置を作動させることである。
請求項1に係る電気車両の温度調節装置によれば、バッテリがバッテリ低下状態ではなく、かつ、温度調節スイッチが操作された場合には、第1調温装置を作動させ、バッテリがバッテリ低下状態であり、かつ、温度調節スイッチが操作された場合には、第1調温装置を起動させずに、エンジンとともに第2調温装置を作動させることにより、バッテリの残量値が十分である時には、バッテリの電力により車室内の温度調節を行い、バッテリの残量値が低下した時には、エンジンの排熱を利用して車室内の温度調節を行うため、電気車両の走行可能距離の低減を防ぐことができる。
また、バッテリの残量値が低下した場合には、エンジンの排熱を利用して車室内の温度調節を行うため、冷暖房の使用による電気車両の燃費の低下を防止することができる。
請求項2に係る電気車両の温度調節装置によれば、第2調温装置が、エンジン内を通過する冷却循環路に設けられ、温度媒体が通過することによって車両用シートを加熱するシートヒータを含むことにより、バッテリの電力を消費することなく車両用シートを暖めることができる。
請求項3に係る電気車両の温度調節装置によれば、第2調温装置は、エンジンからの排ガスの熱を反応物質に加えることにより化学反応を発生させて熱媒体を生成し、熱媒体が吸熱して車室内を冷却するヒートポンプ式冷房装置を含むことにより、バッテリの電力をさほど消費することなく車室内の冷房を行うことができる。
請求項4に係る電気車両の温度調節装置によれば、コントローラは車外からのエンジン起動信号を受信した場合に、エンジンとともに第2調温装置を作動させることにより、乗員が乗車する以前に車室内の冷房または暖房を行うことができる。
請求項5に係る電気車両の温度調節装置によれば、冷却循環路から分岐し、バッテリを通過した後、再び冷却循環路上に接続されるバッテリ加熱路を備え、コントローラはバッテリの温度に基づいて、バッテリ加熱路に温度媒体を流通させることにより、バッテリの低温時に、その電力を消費することなくバッテリの加熱を行うことができる。
請求項6に係る電気車両の温度調節方法によれば、バッテリがバッテリ低下状態ではなく、かつ、温度調節スイッチが操作された場合には、第1調温装置を作動させ、バッテリがバッテリ低下状態であり、かつ、温度調節スイッチが操作された場合には、第1調温装置を作動させずに、エンジンとともに第2調温装置を作動させることにより、バッテリの残量値が十分である時には、バッテリの電力により車室内の温度調節を行い、バッテリの残量値が低下した時には、エンジンの排熱を利用して車室内の温度調節を行うため、電気車両の走行可能距離の低減を防ぐことができる。
また、バッテリの残量値が低下した場合には、エンジンの排熱を利用して車室内の温度調節を行うため、冷暖房の使用による電気車両の燃費の低下を防止することができる。
本発明の一実施形態による温度調節装置を搭載した電気自動車の走行システムを簡略的に示したブロック図 図1に示した温度調節装置の各作動モードにおける、エンジンおよび各々の三方弁の作動状態を表した表を示した図 図1に示したコントローラによる温度調節装置の制御方法を示したフローチャートを表した図 温度調節装置の排熱冷暖非作動モードにおける、クーラント液および排気ガスの流通状態を示したブロック図 図4に示した排熱冷暖非作動モードにおいて、車載バッテリへ加熱している状態を示したブロック図 温度調節装置の排熱冷暖モードにおける、クーラント液および排気ガスの流通状態を示したブロック図 図1に示した電気自動車における走行可能距離とバッテリ残量との関係を示したグラフを表した図
図1乃至図7に基づき、本発明の一実施形態による電気車両の温度調節装置について説明する。図1は、本実施形態による温度調節装置を搭載した電気自動車Vのパワートレーンの概略を示している。電気自動車Vは発電用のエンジン10(後述する)を搭載しており、レンジエクステンダー(Range Extender)式EVと言われる。しかしながら本発明は、狭義の電気自動車のみに使用可能なわけではなく、その他の電気車両、例えば、ハイブリッド車両等にも適用することが可能である。
図1に示した電気自動車Vは前輪駆動車両であって、図の左方が車両前方に該当している。また、図1において、太線(例えば、モータジェネレータ2とインバータ3とを接続している3本の直線)は電力の供給線を表し、薄いハッチングを付した通路は、エンジン10の排気ガス通路を示している。さらに、濃いハッチングを付した通路はクーラント液の流通路を示しており、図4乃至図6において、これらのハッチングを付した通路は、各モードにおいて実際にクーラント液または排気ガスが流通している管路を示している。
図1に示したように、電気自動車Vは右駆動輪1FRおよび左駆動輪1FL(ともに、車輪に該当する)と、右従動輪1RRおよび左従動輪1RLを備えている。以下、右駆動輪1FRおよび左駆動輪1FLを包括して駆動輪1FR、1FLという。
電気自動車Vのモータジェネレータ2(電動モータに該当する)は同期機であり、駆動輪1FR、1FLを駆動するために、駆動輪1FR、1FLに対し機械的に接続されている。また、モータジェネレータ2は、インバータ3を介して車載バッテリ4(バッテリに該当する)に対し電気的に接続されている。上述したモータジェネレータ2、インバータ3および車載バッテリ4により、電気自動車Vの駆動ユニットDが形成されている。
車載バッテリ4(リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、空気電池、ナトリウム硫黄電池等)には、充電器5が接続されている。充電器5はAC−DCコンバータであり、車両コネクタ5aが設けられている。車両コネクタ5aは、単相交流電源である外部電源50に接続される。外部電源50に接続された充電器5は、外部電源50からの電力を直流に変換して車載バッテリ4を充電する。尚、外部電源50は、三相交流電源であってもよい。
また、車載バッテリ4には、電熱ヒータ6および冷房装置7が電気的に接続されている。電熱ヒータ6は、車載バッテリ4の電力を使用して発熱する電熱線6aと、電熱線6aに対して送風する図示しないブロアとを備えている。電熱ヒータ6は温風を送風して、車室内を暖房する。一方、冷房装置7は、車載バッテリ4の電力を消費して駆動されるエアコンプレッサ(図示せず)を備え、車室内の暖気を吸引するとともに冷風を送風して車室内を冷却する通常のエアコンディショナーである。説明した電熱ヒータ6および冷房装置7はそれぞれ第1調温装置に該当し、双方により冷暖ユニットWが形成されている。
さらに、車載バッテリ4には、AC−DCコンバータ8が接続されている。また、AC−DCコンバータ8には、発電用モータ9(発電機に該当する)が電気的に接続されており、さらに、発電用モータ9にはエンジン10が機械的に連結されている。エンジン10は発電用モータ9を駆動するために設けられたもので、駆動輪1FR、1FLを駆動することはない。エンジン10は発電用モータ9を駆動するためにのみ使用されるため、小排気量(小出力)の内燃機関によって形成されている。上述したAC−DCコンバータ8、発電用モータ9およびエンジン10により、電気自動車Vの発電ユニットPが形成されている。
発電用モータ9により発生された電力は、AC−DCコンバータ8により直流に変換された後、車載バッテリ4に充電される。車載バッテリ4に充電された電力は、インバータ3により再び交流に変換され、モータジェネレータ2を駆動する。また、電気自動車Vにおいてブレーキ操作が行われると、モータジェネレータ2において回生が実行され、車載バッテリ4に充電される。
エンジン10内に形成されたウォータジャケット(図示せず)には、流体管路である冷却管路11aが接続されており、冷却管路11aには冷却水であるクーラント液(温度媒体に該当する)が充填されている。エンジン10内を通過した冷却管路11aは、ラジエータ12に接続されることにより閉回路を形成している。冷却管路11a上には、リザーバタンク13、電動ウォータポンプ14およびヒートエクスチェンジャ15が設けられている。
電動ウォータポンプ14は、リザーバタンク13内に貯蔵されたクーラント液を冷却管路11aを介してエンジン10に向けて圧送し、エンジン10およびヒートエクスチェンジャ15において、クーラント液がエンジン10からの排熱を吸収することが可能に形成されている。冷却管路11aは、上述したAC−DCコンバータ8を通過しており、クーラント液によってエンジン10およびAC−DCコンバータ8を冷却可能に形成されている。
冷却管路11aと同様の流体管路であるバッテリブランチ11b(バッテリ加熱路に該当する)は、冷却管路11aから分岐した後、再び、冷却管路11aに接続されるように形成されている。バッテリブランチ11b内には、クーラント液が流通可能となっている。バッテリブランチ11bは、上述した車載バッテリ4を通過しており、クーラント液が車載バッテリ4に対して熱を供与するように形成されている。
また、冷却管路11a上のバッテリブランチ11bとの接続部とラジエータ12との間には、シートブランチ11cが形成されている。シートブランチ11cはバッテリブランチ11bと同様に、冷却管路11aから分岐した後、再び、冷却管路11aに接続されるように形成されており、クーラント液が流通可能となっている。シートブランチ11c上には、クーラント液が流通可能な熱交換器であるシートヒータ16が設けられている。シートヒータ16は車両用シート17に取り付けられ、クーラント液からの放熱により車両用シート17を加熱することが可能である。上述した冷却管路11aとシートブランチ11cとを包括した構成が、冷却循環路に該当する。
さらに、冷却管路11aには、前述したラジエータ12を迂回するように、流体管路であるショートカット11dが接続されており、ショートカット11d内には、クーラント液が流通可能となっている。以下、冷却管路11a、バッテリブランチ11b、シートブランチ11cおよびショートカット11dを包括する場合、クーラント管11a〜11dという。
図1に示したように、冷却管路11a上において、バッテリブランチ11bが分岐される部位には第1三方弁18(切換弁に該当する)が設けられている。第1三方弁18は、3ポートの電磁弁によって形成されている。第1三方弁18は、冷却管路11a上のエンジン10からの流入口18aと、後述する第2三方弁19へとつながる流出口18bと、バッテリブランチ11bへの排出口18cとを備えている。第1三方弁18は、流入口18aを流出口18bと排出口18cとに対し選択的に接続させる。すなわち、第1三方弁18は、バッテリブランチ11bを冷却管路11aに対して断続するように作動する。
また、冷却管路11a上において、シートブランチ11cが分岐される部位には第2三方弁19が設けられている。第2三方弁19は、第1三方弁18と同様に3ポートの電磁弁によって形成されている。第2三方弁19は、冷却管路11aの第1三方弁18からの流入口19aと、ラジエータ12へとつながる流出口19bと、シートブランチ11cへの排出口19cとを備えている。第2三方弁19は、流入口19aを流出口19bと排出口19cとに対し選択的に接続させる。すなわち、第2三方弁19は、シートブランチ11cを冷却管路11aに対して断続するように作動する。
さらに、冷却管路11a上において、ショートカット11dが分岐される部位には第3三方弁20が設けられている。第3三方弁20も第1三方弁18と同様に、3ポートの電磁弁によって形成されている。第3三方弁20は、冷却管路11aにより第2三方弁19の流出口19bとつながった流入口20aと、ラジエータ12へとつながる流出口20bと、ショートカット11dへの排出口20cとを備えている。第3三方弁20は、流入口20aを流出口20bと排出口20cとに対し選択的に接続させる。すなわち、第3三方弁20は、ラジエータ12およびショートカット11dに対するクーラント液の流入を選択的に行う。
一方、前述したエンジン10からは、排ガス管21aが車両後方に向けて引き出されている。排ガス管21aはエンジン10からの排気ガスを車外に排出する管路であり、ヒートエクスチェンジャ15を通過している。排ガス管21aには、排ガス管21aの一部と並列となるように、エアコン管路21bが接続されている。以下、排ガス管21aおよびエアコン管路21bを包括する場合、排気管路21a、22bという。
エアコン管路21b上には、ヒートポンプ式エアコン22(ヒートポンプ式冷房装置に該当する)が設けられている。ヒートポンプ式エアコン22は、これに限定されるものではないが、エンジン10からの排気ガスの熱を反応物質に加えることにより、化学反応を発生させて車室内を冷却する化学反応式ヒートポンプ(ケミカルヒートポンプ)が使用されている。ケミカルヒートポンプについては、例えば、公開特許公報である特開2011−190947号の図1等に記載されているものが適用可能である。当該公開特許公報に記載されたケミカルヒートポンプにおいては、エンジンの排熱により金属ハロゲン化物のアンミン錯体(反応物質に該当する)を加熱し、熱媒体としてのアンモニアを発生させ、蒸発器においてアンモニアが気化して吸熱することにより車室内を冷却している。
上記公開特許公報に記載されたケミカルヒートポンプにおいては、エンジン冷却水を介して反応物質を加熱しているが、エンジン10の排気ガスにより反応物質を加熱することも可能である。ヒートポンプ式エアコン22は、車載バッテリ4あるいは図示しない低圧バッテリの電力により駆動されるブロアを含んでおり、当該ブロアにより車室内に冷気を送風しているが、ブロア等の駆動のためにはさほど電力を消費するものではない。尚、これまで説明してきた冷却管路11a、シートブランチ11c、シートヒータ16およびヒートポンプ式エアコン22は、第2調温装置を形成している。
また、排ガス管21a上において、エアコン管路21bが分岐される部位には第4三方
弁23が設けられている。第4三方弁23は、3ポートの電磁弁によって形成されている。第4三方弁23は、排ガス管21a上のエンジン10からの流入口23aと、ヒートエクスチェンジャ15へとつながる流出口23bと、エアコン管路21bへとつながる排出口23cとを備えている。第4三方弁23は、流入口23aを流出口23bと排出口23cとに対し選択的に接続させる。すなわち、第4三方弁23は、ヒートポンプ式エアコン22への排気ガスの流入を断続する。これまで説明した第1三方弁18、第2三方弁19、第3三方弁20および第4三方弁23を包括する場合、三方弁18、19、20、23という。
上述した駆動ユニットD、発電ユニットP、冷暖ユニットW、電動ウォータポンプ14、三方弁18、19、20、23およびヒートポンプ式エアコン22にはコントローラ24が接続され、これらはコントローラ24によって制御可能に形成されている。
また、コントローラ24には、それぞれエンジン10および車載バッテリ4に設けられたエンジン温度センサ10a、バッテリ温度センサ4aおよび電流電圧センサ4b(バッテリ低下検出装置に該当する)が接続されている。
さらに、コントローラ24には、冷暖房スイッチ25(温度調節スイッチに該当する)が接続されている。冷暖房スイッチ25は車室内に設けられ、乗員が操作することにより、冷暖ユニットWまたはシートヒータ16もしくはヒートポンプ式エアコン22が作動する。
また、図1に示したように、リモートスイッチ26(起動装置に該当する)はトランスミッタを含んだ操作装置であって、例えば自宅等の電気自動車Vの外に配備されている。リモートスイッチ26を乗員が操作することにより、エンジン起動信号が発信される。
これまで説明した車載バッテリ4、発電用モータ9、エンジン10、クーラント管11a〜11d、ラジエータ12、リザーバタンク13、電動ウォータポンプ14、ヒートエクスチェンジャ15、シートヒータ16、三方弁18、19、20、23、排気管路21a、21b、ヒートポンプ式エアコン22、コントローラ24、冷暖房スイッチ25、リモートスイッチ26、冷暖ユニットW、バッテリ温度センサ4aおよび電流電圧センサ4bにより、本実施形態による温度調節装置が形成されている。
以下、図2に基づき、電気自動車Vの各状態においてコントローラ24により実行される温度調節装置の制御方法について説明する。
電気自動車Vは、車載バッテリ4の電気量の残量値(以下、バッテリ残量SOCという)と冷暖房スイッチ25の操作状態とに基づき、図2に示した各モードに設定される。
図2に示したように、バッテリ冷暖非作動モードおよびバッテリ冷暖モードにおいて、エンジン10は駆動されていない。また、当該双方のモードにおいて、電動ウォータポンプ14は駆動されておらず、クーラント液はクーラント管11a〜11d内を流通していないため、第1三方弁18、第2三方弁19および第3三方弁20は任意の状態に設定されることが可能である。さらに、当該モードにおいてエンジン10から排気ガスは排出されておらず、排気管路21a、21b内を排気ガスが流通していないため、第4三方弁23も任意の状態に設定されることが可能である。
電気自動車Vが排熱冷暖非作動モードになった場合、エンジン10および電動ウォータポンプ14が駆動される。これにより、冷却管路11a内をクーラント液が流通するが車室内の暖房が実行されないため、第2三方弁19の流入口19aは流出口19bと連通し、シートブランチ11cを冷却管路11aから遮断している。また同様に、当該モードにおいて第4三方弁23の流入口23aは流出口23bと連通し、エアコン管路21bを排ガス管21aから遮断している。また、当該モードにおいて第1三方弁18の流入口18
aは、適宜、流出口18bまたは排出口18cに対して連通されている。さらに、当該モードにおいて第3三方弁20の流入口20aは、適宜、流出口20bまたは排出口20cに対して連通されている。これらについては、後述する。
電気自動車Vが排熱冷暖モードになった場合、排熱冷暖非作動モードと同様にエンジン10および電動ウォータポンプ14が駆動される。また、それとともに、第2三方弁19の流入口19aを排出口19cと連通させ、シートブランチ11cは冷却管路11aに接続される。また、当該モードにおいて第4三方弁23の流入口23aは排出口23cと連通され、エアコン管路21bが排ガス管21aに接続される。
また、当該モードにおいても、第1三方弁18の流入口18aは、適宜、流出口18bまたは排出口18cに対して連通されている。さらに、当該モードにおいて第3三方弁20の流入口20aも、適宜、流出口20bまたは排出口20cに対して連通されている。
上述した排熱冷暖非作動モードおよび排熱冷暖モードはセイフティモードとも呼ばれ、車載バッテリ4のバッテリ残量SOCが低下あるいはなくなったため、エンジン10を起動して車載バッテリ4に充電をし、電気自動車Vを走行可能にするモードである。
次に、図3に基づき、コントローラ24による温度調節装置の制御フローチャートについて説明する。電気自動車Vの電源スイッチ(図示せず)が起動されると、図3に示すように、電流電圧センサ4bによって検知された車載バッテリ4の電圧および入出力電流に基づき、車載バッテリ4のバッテリ残量SOCを検出する(ステップS101)。コントローラ24は、検出した車載バッテリ4のバッテリ残量SOCを、電気自動車Vの図示しないインスツルメントパネル等に表示する。電気自動車Vの乗員は、バッテリ残量SOCの表示を見て必要と判断すれば、充電器5の車両コネクタ5aを外部電源50に接続し、車載バッテリ4への充電を行うことができる。
コントローラ24は、検出された車載バッテリ4のバッテリ残量SOCが、充電閾値ε未満(または以下)であるか否かを判定する(ステップS102)。充電閾値εは、発電ユニットPを用いて車載バッテリ4に対して充電が必要であるか否かを判断するために予め設定された値であり、当該値は0であってもよい。
バッテリ残量SOCが充電閾値ε以上である(または充電閾値εを超えている)場合、車載バッテリ4はバッテリ低下状態ではなく、冷暖房スイッチ25がオンされているか否かを判定する(ステップS103)。冷暖房スイッチ25がオンされていない場合、上述したバッテリ冷暖非作動モード(ステップS104)に設定され、冷暖房スイッチ25がオンされている場合、上述したバッテリ冷暖モード(ステップS105)に設定される。
前述したように、バッテリ冷暖非作動モードに設定された場合、車載バッテリ4に充電する必要がないため、エンジン10および電動ウォータポンプ14が作動されることはなく、エンジン10から排気ガスが排出されることもない。したがって、クーラント管11a〜11d内をクーラント液が流通することがなく、排気管路21a、21b内を排気ガスが流通することもない。当然のことながら、シートヒータ16およびヒートポンプ式エアコン22も作動していない。また、車室内の冷暖房を行う必要がないため、車載バッテリ4から冷暖ユニットWへ電力が供給されることもない。
また、バッテリ冷暖モードに設定された場合も、エンジン10および電動ウォータポンプ14は作動しないため、クーラント管11a〜11d内をクーラント液が流通することがなく、排気管路21a、21b内を排気ガスが流通することもない。したがって、シートヒータ16およびヒートポンプ式エアコン22も作動していない。
しかしながら、当該モードにおいてコントローラ24は、車載バッテリ4から冷暖ユニットWの電熱ヒータ6または冷房装置7に電力を供給する。コントローラ24は、図示し
ない室内温度センサによって検出された車室内温度に基づき、電熱ヒータ6または冷房装置7のいずれかを作動させて、車室内の暖房あるいは冷房を実行する(バッテリ調温)。
一方、バッテリ残量SOCが充電閾値ε未満(または充電閾値ε以下)である場合、車載バッテリ4はバッテリ低下状態にあり、冷暖房スイッチ25がオンされているか否かを判定する(ステップS106)。冷暖房スイッチ25がオンされていない場合、上述した排熱冷暖非作動モード(ステップS107)に設定され、冷暖房スイッチ25がオンされている場合、上述した排熱冷暖モード(ステップS108)に設定される。
前述したように、排熱冷暖非作動モードに設定された場合、発電ユニットPを用いて車載バッテリ4に充電する必要があるため、エンジン10を作動させる。これにより発電機9が駆動され、車載バッテリ4への充電が行われる。
また、当該モードにおいては、電動ウォータポンプ14を作動させることにより、冷却管路11a内をクーラント液が流通してエンジン10が冷却される。当該モードにおいては車両用シート17の加熱を行う必要がないため、第2三方弁19の流入口19aが流出口19bと連通して、シートブランチ11cが冷却管路11aに対し遮断されている(図4示)。したがって、シートヒータ16は作動していない。電動ウォータポンプ14から圧送されたクーラント液は、エンジン10、ヒートエクスチェンジャ15、AC−DCコンバータ8、第1三方弁18、第2三方弁19、第3三方弁20、ラジエータ12、リザーバタンク13の順に循環する。
また、エンジン10の作動により排気ガスが排出されるが、当該モードにおいては車室内の冷房を行う必要がないため、第4三方弁23の流入口23aが流出口23bと連通して、エアコン管路21bが排ガス管21aに対し遮断されている。したがって、ヒートポンプ式エアコン22は作動していない。また、バッテリ冷暖非作動モードと同様に、車載バッテリ4から冷暖ユニットWへ電力が供給されることもない。
ここで、図4に示した温度調節装置においては、第1三方弁18の流入口18aが流出口18bと連通し、バッテリブランチ11bを冷却管路11aから遮断している。したがって、クーラント液が車載バッテリ4をバイパスしているが、バッテリ温度センサ4aによって検出された車載バッテリ4の温度が所定値より低い場合、流入口18aを排出口18cに連通させてもよい。これにより、冷却管路11aにバッテリブランチ11bが接続されてクーラント液が車載バッテリ4を通過するため、車載バッテリ4の加熱を行うことができる(図5示)。
次に、排熱冷暖モードに設定された場合も、エンジン10および電動ウォータポンプ14が作動され、車載バッテリ4への充電が行われるとともに、冷却管路11a内をクーラント液が流通してエンジン10が冷却される。当該モードにおいては第2三方弁19の流入口19aが排出口19cと連通して、シートブランチ11cが冷却管路11aに接続される。これにより、クーラント液がシートヒータ16に流入し、車両用シート17の加熱を行うことができる(図6示)。
また、当該モードにおいては第4三方弁23の流入口23aが排出口23cと連通し、エンジン10からの排気ガスが、エアコン管路21bを介してヒートポンプ式エアコン22に流入する。これにより、ヒートポンプ式エアコン22が作動し、車室内の冷房を行うことができる。また、言うまでもなく、当該モードにおいては車載バッテリ4から冷暖ユニットWへ電力が供給されることはない。
尚、図6に示した温度調節装置においては、シートブランチ11cにクーラント液が流入するとともに、エアコン管路21bに排気ガスが流入することにより、シートヒータ1
6とヒートポンプ式エアコン22との双方が作動しているように描かれているが、実際には車室内温度に基づき、シートヒータ16およびヒートポンプ式エアコン22のいずれかを作動させて、車両用シート17の加熱あるいは車室内の冷房を実行する(排熱調温)。
また、図6においては、冷却管路11aにバッテリブランチ11bが接続されているが、車載バッテリ4の温度が所定値を超えている場合、バッテリブランチ11bを冷却管路11aから遮断し、クーラント液が車載バッテリ4をバイパスするようにしてもよい。
さらに、上述した排熱冷暖非作動モードおよび排熱冷暖モードにおいて、エンジン温度センサ10aによって検出されたエンジン10の温度が所定値より低い場合、第3三方弁20の流入口20aを排出口20cと連通させてもよい。これにより、冷却管路11aとショートカット11dとが接続されて、クーラント液がラジエータ12をバイパスするため、エンジン10およびクーラント液を急速に加熱することができる。
一方、電気自動車Vの始動前に、車外において乗員がリモートスイッチ26を操作した場合、リモートスイッチ26からエンジン起動信号が発信される。エンジン起動信号を受信したコントローラ24は、エンジン10および電動ウォータポンプ14を作動させるとともに、車室内温度に基づきシートヒータ16またはヒートポンプ式エアコン22を作動させ、車両用シート17の加熱あるいは車室内の冷房を実行する(乗車前冷暖モード)。また、当該モードにおいても、冷却管路11aとショートカット11dとを接続させることにより、クーラント液がラジエータ12をバイパスするようにして、エンジン10およびクーラント液を急速に加熱してもよい。
また、電気自動車Vの始動前に、車外において乗員がリモートスイッチ26を操作した時、バッテリ温度センサ4aによって検出された車載バッテリ4の温度が所定値より低い場合、エンジン10および電動ウォータポンプ14を作動させるとともに、第1三方弁18の流入口18aを排出口18cに連通させ、車載バッテリ4の加熱を行ってもよい。これにより、車載バッテリ4が暖機され、冷間時における車載バッテリ4の消耗を防いで電気自動車Vの走行可能距離の低下を防止することができる。
図7に示したように、本実施形態による電気自動車Vにおいてモータジェネレータ2を駆動して走行する場合、走行距離の増大にともなって車載バッテリ4のバッテリ残量SOCが減少する。バッテリ残量SOCが充電閾値ε未満(または以下)になると、エンジン10が作動して充電ユニットPによる車載バッテリ4への充電が開始される。
上述したように本実施形態による電気自動車Vにおいては、エンジン10が作動して充電ユニットPによる車載バッテリ4への充電が開始すると、それまでの冷暖ユニットWによる冷暖房に代えて、シートヒータ16やヒートポンプ式エアコン22といったエンジン10の排熱を利用した車室内冷暖房に切り換わる。このため、本実施形態の場合、車載バッテリ4への充電開始後も車載バッテリ4の電力を消費して発熱あるいは吸熱をする冷暖房を継続した場合(図7においてβにて示す)に比べて、電気自動車Vの走行可能距離を増大させることができる(図7においてαにて示す)。
本実施形態によれば、車載バッテリ4のバッテリ残量SOCが所定の充電閾値ε以上あるいは充電閾値εを超えており、かつ、冷暖房スイッチ25が操作された場合には冷暖ユニットWを作動させ、バッテリ残量SOCが充電閾値ε未満あるいは充電閾値ε以下であり、かつ、冷暖房スイッチ25が操作された場合には、冷暖ユニットWを起動させずに、エンジン10とともにシートヒータ16またはヒートポンプ式エアコン22を作動させることにより、バッテリ残量SOCが十分である時には、車載バッテリ4の電力により車室内の温度調節を行い、バッテリ残量SOCが低下した時には、エンジン10の排熱を利用して車室内の温度調節を行うため、電気自動車Vの走行可能距離の低減を防ぐことができ
る。
また、バッテリ残量SOCが低下した場合には、エンジン10の排熱を利用して車室内の温度調節を行うため、冷暖房の使用による車両の燃費の低下を防止することができる。
また、エンジン10の排熱を利用する冷暖房装置としてシートヒータ16を含み、シートヒータ16は、エンジン10内を通過する冷却管路11aに接続されたシートブランチ11c上に設けられ、クーラント液が通過することによって車両用シート17を加熱することにより、車載バッテリ4の電力を消費することなく車両用シート17を暖めることができる。
また、エンジン10の排熱を利用する冷暖房装置として、エンジン10からの排気ガスの熱を反応物質に加えることにより化学反応を発生させて熱媒体を生成し、熱媒体が吸熱して車室内を冷却するヒートポンプ式エアコン22を含むことにより、車載バッテリ4の電力をさほど消費することなく車室内の冷房を行うことができる。
また、コントローラ24は車外からのエンジン起動信号を受信した場合に、エンジン10とともにシートヒータ16またはヒートポンプ式エアコン22を作動させることにより、乗員が乗車する以前に車室内の冷房または暖房を行うことができる。
また、冷却管路11aから分岐し車載バッテリ4を通過した後、再び冷却管路11a上に接続されるバッテリブランチ11bを備え、コントローラ24は車載バッテリ4の温度に基づいて、バッテリブランチ11bにクーラント液を流通させることにより、車載バッテリ4の低温時に、その電力を消費することなく車載バッテリ4の加熱を行うことができる。
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
第2調温装置として、車両用シート17を加熱するシートヒータ16の代わりに、またはシートヒータ16に加えて、クーラント液が流通することにより放熱するヒータコアと、車室内に温風を送るブロアとにより形成されたヒータを設けてもよい。
また、排気ガスの熱をクーラント液に放出するヒートエクスチェンジャ15は、必ずしも冷却管路11a上に設けなくてもよく、クーラント液がエンジン10のウォータジャケットのみから受熱するように形成してもよい。
また、本発明のバッテリ低下検出装置には、電流電圧センサ4bのような車載バッテリ4の電気量の残量値を直接に検出する装置以外に、例えば、車載バッテリ4から電力が供給されなくなりモータジェネレータ2が停止したことを検出する装置のような、車載バッテリ4のバッテリ低下状態を間接的に検出する装置も含むことができる。
また、エンジン10を起動して車載バッテリ4に充電を開始するタイミングと、車載バッテリ4の電力を消費して行う冷暖房からエンジン10の排熱を利用した冷暖房に切り換わるタイミングとをずらしてもよい。
すなわち、バッテリ残量SOCが所定の第1充電閾値ε1未満(または以下)になった時に、エンジン10を起動して車載バッテリ4に充電を開始し、バッテリ残量SOCが第1充電閾値ε1よりも小さい第2充電閾値ε2未満(または以下)になった時に、第2三方弁19および第4三方弁23を作動させて、冷暖ユニットWによる冷暖房から、シートヒータ16やヒートポンプ式エアコン22による冷暖房に切り換えてもよい。
あるいは、バッテリ残量SOCが所定の第1充電閾値ε1未満(または以下)になった時に、エンジン10を起動するとともに第2三方弁19および第4三方弁23を作動させて、冷暖ユニットWによる冷暖房から、シートヒータ16やヒートポンプ式エアコン22による冷暖房に切り換え、バッテリ残量SOCが第1充電閾値ε1よりも小さい第2充電閾値ε2未満(または以下)になった時に、車載バッテリ4に充電を開始してもよい。こ
の場合には、バッテリ残量SOCが第1充電閾値ε1と第2充電閾値ε2との間にある時、AC−DCコンバータ8から車載バッテリ4へ電流は流れず、車載バッテリ4への充電は停止されている。
図面中、1FRは右駆動輪(車輪)、1FLは左駆動輪(車輪)、2はモータジェネレータ(電動モータ)、4は車載バッテリ(バッテリ)、4aはバッテリ温度センサ、4bは電流電圧センサ(バッテリ低下検出装置)、6は電熱ヒータ(第1調温装置)、7は冷房装置(第1調温装置)、9は発電用モータ(発電機)、10はエンジン、11aは冷却管路(冷却循環路、第2調温装置)、11bはバッテリブランチ(バッテリ加熱路)、11cはシートブランチ(冷却循環路、第2調温装置)、16はシートヒータ(第2調温装置)、17は車両用シート、18は第1三方弁(切換弁)、22はヒートポンプ式エアコン(ヒートポンプ式冷房装置、第2調温装置)、24はコントローラ、25は冷暖房スイッチ(温度調節スイッチ)、26はリモートスイッチ(起動装置)を示している。

Claims (6)

  1. 車輪駆動用の電動モータに電力を供給するバッテリと、
    前記バッテリに充電するための発電機と、
    前記発電機を駆動するためのエンジンと、
    前記バッテリの電力により発熱または吸熱を行い、車室内の温度調節をする第1調温装置と、
    前記エンジンの排熱を利用して発熱または吸熱を行い、前記車室内の温度調節をする第2調温装置と、
    前記車室内に設けられ、乗員により操作されることにより、前記第1調温装置または前記第2調温装置を起動させる温度調節スイッチと、
    前記バッテリの残量値が所定の閾値未満あるいは当該閾値以下にあるバッテリ低下状態となったことを検出するバッテリ低下検出装置と、
    前記バッテリが前記バッテリ低下状態ではなく、かつ、前記温度調節スイッチが操作された場合には、前記第1調温装置を作動させ、前記バッテリが前記バッテリ低下状態であり、かつ、前記温度調節スイッチが操作された場合には、前記第1調温装置を起動させずに、前記エンジンとともに前記第2調温装置を作動させるコントローラと、
    を備えた電気車両の温度調節装置。
  2. 前記第2調温装置は、
    前記エンジン内を通過するとともに閉回路を形成し、内部に前記エンジンを冷却する温度媒体が流通する冷却循環路と、
    前記冷却循環路上に設けられるとともに車両用シートに取り付けられ、前記温度媒体が通過することによって前記車両用シートを加熱するシートヒータと、
    を含む請求項1記載の電気車両の温度調節装置。
  3. 前記第2調温装置は、
    前記エンジンからの排ガスの熱を反応物質に加えることにより化学反応を発生させて熱媒体を生成し、該熱媒体が吸熱して車室内を冷却するヒートポンプ式冷房装置を含む請求項1または2に記載の電気車両の温度調節装置。
  4. 車外において乗員が操作することによりエンジン起動信号を発信する起動装置を備え、
    前記コントローラは、
    前記エンジン起動信号を受信した場合に、前記エンジンとともに前記第2調温装置を作動させる請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の電気車両の温度調節装置。
  5. 前記冷却循環路から分岐し、前記バッテリを通過した後、再び前記冷却循環路上に接続されるバッテリ加熱路と、
    前記冷却循環路上において、前記バッテリ加熱路が分岐される部位に設けられ、前記バッテリ加熱路を前記冷却循環路に対して断続する切換弁と、
    前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度センサと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    検出された前記バッテリの温度に基づいて前記切換弁を作動させ、前記バッテリ加熱路に前記温度媒体を流通させる請求項2記載の電気車両の温度調節装置。
  6. 電気車両には、
    車輪駆動用の電動モータに電力を供給するバッテリと、
    前記バッテリに充電するための発電機と、
    前記発電機を駆動するためのエンジンと、
    前記バッテリの電力により発熱または吸熱を行い、車室内の温度調節をする第1調温装置と、
    前記エンジンの排熱を利用して発熱または吸熱を行い、前記車室内の温度調節をする第2調温装置と、
    前記車室内に設けられ、乗員により操作されることにより、前記第1調温装置または前記第2調温装置を起動させる温度調節スイッチと、
    前記バッテリの残量値が所定の閾値未満あるいは当該閾値以下にあるバッテリ低下状態となったことを検出するバッテリ低下検出装置と、
    が設けられており、
    前記バッテリが前記バッテリ低下状態ではなく、かつ、前記温度調節スイッチが操作された場合には、前記第1調温装置を作動させ、前記バッテリが前記バッテリ低下状態であり、かつ、前記温度調節スイッチが操作された場合には、前記第1調温装置を作動させずに、前記エンジンとともに前記第2調温装置を作動させる電気車両の温度調節方法。
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