JP4131072B2 - 塗工剤及びそれを用いた再剥離性情報シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、再剥離性情報シート用塗工剤およびそれを用いて得られる再剥離性情報シートに関し、より詳しくは、高い光沢を有し、さらに硬化皮膜層を重ねて圧着した時に、適度な剥離性と耐ブロッキング性を有する放射線硬化型再剥離性情報シート用塗工剤、および、その塗工剤を塗工して得られる再剥離性情報シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、秘匿性や親展性を有する情報を、より簡単に受取人のみに伝達するために、剥離は容易であるが再接着の困難な感圧接着剤層を設けたシートで、情報担持面を隠蔽する方法が知られている。この方法は、情報担持面同士あるいは担持面と遮蔽シートと重ね合わせ、その重ね合わせ面に、前記の性能を有する感圧接着剤層を設けて接着させることにより、受取人の手に渡る前に剥離したかどうかがすぐに分かるようにして、受取人以外の者が情報を知得する事を防止するものである。
【0003】
そして、この種の感圧接着剤としては、アクリル系エマルジョン、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスといった水性タイプのエマルジョンやラテックスが主体であった。
【0004】
しかし、このような水性タイプの感圧接着剤は、紙面に塗布されてから乾燥するまでに、長い時間を必要とするために作業性が低下し、また、基体として用いる紙の伸縮が起こり、貼り合わせが困難になるなどの多くの問題を有していた。さらに、最近、この様なシートがダイレクトメール等に利用されるようになると、宣伝効果を高めるために、情報担持面に高い光沢が求められるようになっている。
【0005】
そこで、上記の問題を解決し、また、新たな要望に応えるために、放射線硬化型感圧接着剤を利用する方法が、特開平10−265743号公報で開示されている。しかし、接着剤として放射線硬化型樹脂のみを用いたものでは、剥離性の調整が困難な上に、樹脂が紙中に浸透して良好な光沢が得られないという問題がある。また、さらに接着面の剥離性の調整として、放射線硬化型樹脂とアクリル酸エステル系ベースポリマーからなる接着剤を用いた技術が、特開平11−49986号公報で開示されている。しかし、アクリル酸エステル系ベースポリマーを多量に併用するものは、十分な光沢が得られない上に、保存の間にブロッキングを起すという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、このような従来技術の問題を解決する事であり、情報担持面で非常に高い光沢を有し、さらに重ね合わせて圧着した時に、適度な剥離性を備えた硬化皮膜層を形成できる再剥離性情報シート用塗工剤を提供する事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、再剥離性情報シートに適した感圧接着剤について種々研究を重ねた結果、分子内に不飽和基を有するプレポリマー及び/又は重合性モノマーを含有する放射線硬化型組成物と、酸もしくは塩基性化合物の存在下で、アルコールに溶解させたカチオン性もしくはアニオン性樹脂とを、特定量混合して得られる塗工剤が、上記の課題を解決しうることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
すなわち、本願の請求項1にかかる発明は、分子内に不飽和基を有するプレポリマー及び/又は重合性モノマーを含有する放射線硬化型組成物100重量部に対して、酸もしくは塩基性化合物の存在下で、アルコールに溶解させたカチオン性もしくはアニオン性樹脂を、樹脂固形分として0.5〜8重量部混合して得られる再剥離性情報シート用塗工剤に関するものである。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、さらに、分子内に不飽和基を有するプレポリマー及び/又は重合性モノマーを含有する放射線硬化型組成物100重量部に対して、脂肪酸アマイドを0.1〜10重量部の割合で添加して得られる請求項1に記載の再剥離性情報シート用塗工剤に関するものである。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、基体シートの重ね合わせ面同士を対接させ、所定の圧着または、必要に応じて加熱圧着により接着させる再剥離性情報シートにおいて、前記重ね合わせ面に、請求項1または2に記載の再剥離性情報シート用塗工剤の硬化皮膜層を設けたことを特徴とする再剥離性情報シートに関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の再剥離性情報シート用塗工剤は、分子内に不飽和基を有するプレポリマー及び/又は重合性モノマーを含有する放射線硬化型組成物と酸もしくは塩基性化合物の存在下で、アルコールに溶解させたカチオン性もしくはアニオン性樹脂を混合して得られる放射線硬化型塗工剤である。
【0012】
ここで、分子内に不飽和基を有するプレポリマー及び/又は重合性モノマーを含有する放射線硬化型組成物(以下、放射線硬化型組成物という。)としては、紫外線や電子線等により硬化しうる少なくとも分子内に不飽和基を有するプレポリマーや重合性モノマー成分を含有する組成物であれば特に制限はないが、通常、分子内に不飽和基を有するプレポリマーや重合性モノマーの中から、必要とする皮膜物性や硬化条件等に応じて適宜選択し、さらに紫外線硬化系では光重合開始剤を含有させて得られる感光性組成物を利用するものである。
【0013】
そして、本発明でいう分子内に不飽和基を有するプレポリマーとは、分子内にエポキシ基、イソシアネート基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの官能基を2つ以上有する化合物(オリゴマーと呼ばれるもの、および、あまり高分子量でないポリマー等も含まれる)に、前記の官能基と反応可能な基、例えば、アミノ基(エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基と反応可能)、水酸基(エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基と反応可能)、カルボキシル基(エポキシ基、イソシアネート基、水酸基、アミノ基と反応可能)と、不飽和基、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などとを有するモノマー化合物を反応させて得られる、分子量が1000程度かそれ以上の各種プレポリマーである。
【0014】
具体的には、エポキシ基との反応をもとにして得られる、分子内に不飽和基を有するプレポリマーとしては、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物(例えばビスフェノールAジグリシジルエーテルオリゴマーのジ(メタ)アクリレートなど)およびその酸変性物(さらにメチルテトラヒドロフタル酸無水物などの反応物)、エポキシ樹脂とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応生成物(例えばビスフェノールAジグリシジルエーテルオリゴマーと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応生成物など)、エポキシ樹脂とアリルアミン系モノマーとの反応生成物(例えばビスフェノールAジグリシジルエーテルオリゴマーと、アリルアミンとの反応生成物、ジアリルアミンとの反応生成物など)を挙げる事ができる。
【0015】
また、イソシアネート基との反応をもとにして得られる、分子内に不飽和基を有するプレポリマーとしては、脂肪族、芳香族、あるいは芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオール化合物、ポリエステルポリオール化合物、ポリブタジエングリコールなどを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、それと反応可能なモノマー、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応生成物、アリルアミン系モノマーとの反応生成物などを挙げる事ができる。
【0016】
また、水酸基との反応をもとにして得られる、分子内に不飽和基を有するプレポリマーとしては、ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸との反応生成物(例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンオキシアルキレン付加物のトリ(メタ)アクリレートなど)、ジオール化合物とジカルボン酸化合物を反応させて得られるポリエステルジオールと(メタ)アクリル酸との反応生成物(例えば、ポリエチレンアジペートジオールのジ(メタ)アクリル酸エステル化合物など)、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などを挙げる事ができる。
【0017】
また、アミノ基との反応をもとにして得られる、分子内に不飽和基を有するプレポリマーとしては、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物とを反応させて得られるアミノ基含有ポリアミドと、(メタ)アクリル酸との反応生成物などを挙げる事ができる。
【0018】
また、カルボキシル基との反応をもとにして得られる、分子内に不飽和基を有するプレポリマーとしては、四塩基酸二無水物のジアリルエステル化物に、p,p′−ジアミノジフェニルを反応させて得られるプレポリマー、オレフィン−無水マレイン酸共重合体とアリルアミンとの反応生成物などを挙げる事ができる。
【0019】
そのほか、アクリル変性イソプレンゴム又はブタジエンゴムのようなゴム系プレポリマーも利用可能である。
【0020】
次に、本発明でいう分子内に不飽和基を有する重合性モノマーとは、アクリル系モノマー、マレイン酸系モノマー、スチレン系モノマー、アリル基含有モノマーなど、通常の放射線硬化型組成物で用いられている、プレポリマーより低分子量の重合性化合物である。
【0021】
具体的には、アクリル系モノマーとして、例えば(メタ)アクリル酸とそのアルキルエステル化合物、ヒドロキシアルキルエステル化合物、ハロゲン化アルキルエステル化合物、アミド化合物、アルキルアミド化合物、アミノアルキルアミド化合物、ポリオール化合物と(メタ)アクリル酸のポリエステル化合物などを挙げる事ができる。また、マレイン酸系モノマーとしては、(無水)マレイン酸、フマル酸およびそれらのアルキルエステル化合物、ヒドロキシアルキルエステル化合物などを挙げる事ができ、スチレン系化合物としては、スチレン、アルキルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどを挙げる事ができ、アリル基含有化合物としては、アリルアルコールとその誘導体(例えば脂肪酸アリルエステル化合物、多塩基酸ポリアリルエステル化合物)、アリルアルキルエーテル化合物(例えばアリルエチルエーテルなど)を挙げる事ができる。
【0022】
さらに、本発明で利用可能な光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ミヒラーケトン類、ベンゾインやそのアルキルエーテル類、チオキサントン類などが挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよく、その含有量は、通常、前記プレポリマーとモノマーの合計量100重量部に対して、5〜15重量部の範囲で利用可能である。
【0023】
次いで、本発明において、放射線硬化型組成物と混合するカチオン性樹脂としては、アミノ基含有アクリル系樹脂、アミノ基含有スチレン−アクリル系樹脂、アミノ基含有スチレン−マレイン酸系樹脂、アミノ基含有スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン、ポリアミド−ポリアミン樹脂など、また、アニオン性樹脂としては、カルボキシル基含有アクリル系樹脂、カルボキシル基含有スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂、セラックなどであって、酸もしくは塩基性化合物の存在下でアルコールに溶解可能な樹脂である。
【0024】
ここで酸性化合物としては、通常の無機酸および有機酸が利用可能であり、具体的に無機酸としては、塩化水素(塩酸)、硫酸、硝酸、燐酸など、有機酸としては、酢酸、乳酸、ギ酸などを挙げる事ができる。また、塩基性化合物としては、通常の無機塩基性化合物および有機塩基性化合物が利用可能であり、具体的に無機塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなど、有機塩基性化合物としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、ジエチルモノエタノールアミン、モルホリンなどのアミン化合物を挙げる事ができる。
【0025】
そして、前記のカチオン性樹脂の場合は酸性化合物の存在下で、一方、アニオン性樹脂の場合は塩基性化合物の存在下で、それぞれアルコール系溶媒中に溶解させて用いられるが、利用できるアルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどを挙げる事ができ、蒸発速度と溶解性の面からイソプロパノールが好適である。
【0026】
さらに、本発明において、カチオン性樹脂あるいはアニオン性樹脂の含有量は、固形分換算で、前記放射線硬化型樹脂100重量部に対して0.5〜8重量部、好ましくは0.7〜5重量部、より好ましくは1〜3重量部である。カチオン性樹脂あるいはアニオン性樹脂の含有量が、前記の範囲より少なくなると、目止め効果が低下して高い光沢を有する樹脂皮膜が得られず、一方、前記の範囲より多くなると、耐ブロッキング性が低下するほかにも、放射線硬化型樹脂の硬化性を阻害する事になり好ましくない。
【0027】
さらに、必要に応じて一般の感光性樹脂組成物で利用される添加成分、例えば熱重合禁止剤、粘着付与剤、粘度調整剤、老化防止剤、安定剤、着色剤、微粒子充填剤、離型剤などを含有させることができる。
【0028】
特に離型剤成分として、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪酸アミドを、放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度添加する事により、得られる再剥離性情報シートの剥離性の調整を容易に行なう事ができて好適である。
【0029】
次に、本発明の再剥離性情報シートは、上記の再剥離性情報シート用塗工剤を基体シートに塗工した後、放射線で硬化させて得られるものであるが、利用可能な基体シートとしては、紙類(例えば、アート紙、つや紙、マシンコート紙、色刷石版用紙、バライタ紙)、各種合成紙など、従来の再剥離性情報シートと同じものが利用できる。
【0030】
また、再剥離性情報シート用塗工剤を基体シートに塗工する方法としては、ロールコーター、フレキソコーター、グラビアコーター、エアナイフ等を用いることができ、その塗工量としては2〜15g/m2が適量である。なお、溶剤で適宜粘度調整して使用してもよく、その溶剤としてはアルコール系溶剤、特にイソプロパノールの使用が好ましい。
【0031】
また、塗工剤の硬化条件として、紫外線硬化では、通常の高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の紫外線照射装置を用いて、80〜280w/cmの照射強度で、また、電子線硬化では、通常の電子線照射装置を用いて、2〜5Mradの照射強度で硬化できることが望ましい。
【0032】
さらに、本発明の再剥離性情報シートは、加熱などの手段を必要に応じて併用しながら、概ね10〜300kg/cm2程度の加圧で接着させることにより、手で剥離した時に適度の剥離抵抗感を有し(概ね、T字剥離強度としては50〜120g/25mmの範囲が良好である)、紙剥けを起さずに再剥離可能に接着(擬似接着)させることができる。
【0033】
以上の方法から得られる再剥離性情報シートは、情報担持面が高い光沢を有する上に、これまで、剥離性の調整が困難であった放射線硬化型接着剤を用いているにもかかわらず、適度な剥離性と耐ブロッキング性を備えたものである。
【0034】
【作用】
本発明において、カチオン性樹脂やアニオン性樹脂は、以下のような作用により、先に紙表面で析出固化して目止め効果を果たし、放射線硬化型樹脂の浸透が抑制されるために、良好な光沢を有する皮膜が形成されると考えられる。
【0035】
まず、カチオン性やアニオン性の樹脂は高分子量であるため、放射線硬化型組成物のモノマー成分中に微細分散状態で存在し、塗工後は相分離により紙表面で析出固化して、放射線硬化型組成物の浸透を抑制する作用が考えられる。
【0036】
この場合、カチオン性樹脂やアニオン性樹脂と放射線硬化型組成物との組み合わせとしては、例えば極性等を考慮して、モノマー成分と樹脂製分とがより相分離を起しやすい系が好適と考えられる。さらに、基体として酸性紙を用いる場合、塩析あるいは酸析により、カチオン性の樹脂は析出を起しやすくなることから、より良好な目止め効果が期待されるものである。
【0037】
この様に、カチオン性樹脂またはアニオン性樹脂によって、紙中に放射線硬化型組成物の浸透が抑制されると、形成される樹脂層の膜厚を厚くする事が可能となり、その結果として十分な光沢を維持する事ができるようになると考えられる。
【0038】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0039】
製造例1
メチルメタアクリレート32重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート4重量部およびヒドロキシエチルメタアクリレート4重量部を共重合して得られたカチオン性樹脂40重量部を、中和量の乳酸を溶解させた60重量部のイソプロパノール溶液に溶解させて、固形分40重量%のカチオン性樹脂溶液Aを調製した。
【0040】
製造例2
メチルメタアクリレート20重量部、スチレン12重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート4重量部およびヒドロキシエチルメタアクリレート4重量部を共重合して得られたカチオン性樹脂40重量部を、中和量のギ酸を溶解させた60重量部のイソプロパノール溶液に溶解させて、固形分40重量%のカチオン性樹脂溶液Bを調製した。
【0041】
製造例3
メタクリル酸8重量部、メチルメタアクリレート12重量部、スチレン8重量部およびブチルメタクリレート12重量部を共重合して得られるアニオン性樹脂40重量部を、中和量のモノエタノールアミンを溶解させた60重量部のイソプロパノール溶液に溶解させて、固形分40重量%のアニオン性樹脂溶液Cを調製した。
【0042】
実施例1
脂肪族系ウレタンアクリレート40重量部、トリメチロールのエチレンオキシド付加物のトリアクリレート30重量部、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジアクリレート20重量部、ポリエチレンワックス1重量部、サーフィノール104E(日信化学(株)社製)1重量部、光重合開始剤(日本チバガイギー(株)社製、登録商標名「イルガキュア」184)8重量部を攪拌混合して得られた放射線硬化型組成物100重量部に、カチオン性樹脂溶液A1.5重量部を添加混合して実施例1の再剥離性情報シート用塗工剤を得た。
【0043】
実施例2
カチオン性樹脂溶液Aを2.5重量部用いる以外は実施例1と同じ組成として実施例2の再剥離性情報シート用塗工剤を得た。
【0044】
実施例3
カチオン性樹脂溶液Aを10重量部用いる以外は実施例1と同じ組成として実施例3の再剥離性情報シート用塗工剤を得た。
【0045】
実施例4
カチオン性樹脂溶液Aの代わりに、カチオン性樹脂溶液Bを5重量部用いる以外は実施例1と同じ組成として、実施例4の再剥離性情報シート用塗工剤を得た。
【0046】
実施例5
カチオン性樹脂溶液Aの代わりに、アニオン性樹脂溶液Cを5重量部用いる以外は実施例1と同じ組成として、実施例5の再剥離性情報シート用塗工剤を得た。
【0047】
実施例6
実施例2の再剥離性情報シート用塗工剤102.5重量部に、さらにステアリン酸アミドの50重量%イソプロパノール溶液2重量部を添加混合して、実施例6の再剥離性情報シート用塗工剤を得た。
【0048】
比較例1
カチオン性樹脂溶液、アニオン性樹脂溶液のいずれも用いない以外は実施例1と同じ組成として、比較例1の再剥離性情報シート用塗工剤を得た。
【0049】
比較例2
カチオン性樹脂溶液Aを25重量部用いる以外は実施例1と同じ組成として、比較例2の再剥離性情報シート用塗工剤を得た。
【0050】
比較例3
メタクリル酸ステアリル26重量部、およびスチレン14重量部を反応させて得られたスチレン−アクリル酸系ベースポリマー40重量部に、ノナンジオールジアクリレート40重量部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート20重量部、さらに5重量部の光重合開始剤(日本チバガイギー社製、登録商標名「イルガキュア」184)を80℃の加温下、攪拌溶解して、比較例3の再剥離性情報シート用塗工剤を得た。
【0051】
評価
実施例1〜6および比較例1〜3の再剥離性情報シート用塗工剤を、目止め効果の判定しやすいノンコート紙に5g/cm2の塗工量で塗工したのち、紫外線照射装置を用いて露光処理して硬化させ、無色透明の接着剤層を有する再剥離性情報シートを製造した。これらの再剥離性情報シートを用いて、実施例1〜6および比較例1〜3の再剥離性情報シート用塗工剤の硬化皮膜性能である、光沢、剥離性および耐ブロッキング性を評価し、その結果を表1に示した。なお、各試験の評価方法は以下に示した通りである。
【表1】
【0052】
光沢の評価
60°光沢計で測定してその光沢の実測値を示した。
【0053】
剥離性の評価
塗工剤の硬化皮膜層を重ね合わせ、110℃に加熱した熱ロールを用いて、150kg/cm2の圧力下、18m/minのライン速度で熱圧着した後、1日、7日、14日経時させた試験サンプルを手で剥離して剥離性を評価した。適度の力で剥離させる事ができるものをA、硬化皮膜層間で剥離せず紙剥けを
起すものをBとした。
【0054】
耐ブロッキング性の評価
塗工剤の硬化皮膜層を重ね合わせ、剥離性の評価と同条件で熱圧着した後、温度40℃、湿度90%の環境条件下、1kg/cm2の荷重を24時間かけた試験サンプルを手で剥離して耐ブロッキング性を評価した。(なお、耐ブロッキング性の評価は、特にシートが圧着された後、積み重ねられたままで長時間置かれる時の状態を考慮したものであり、圧着後にさらに荷重を付加するのが
上記の剥離性の評価と異なる点である。)
適度の力で剥離させる事ができるものをA、硬化皮膜層間で剥離せず紙剥けを
起すものをBとした。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
本発明によって得られる再剥離性情報シート用塗工剤は、情報担持面で高い光沢を有し、外観も良好であり、さらに硬化皮膜層同士が圧着された時に、適度な剥離強度を備えた再剥離性情報シート用塗工剤である。
Claims (3)
- 分子内に不飽和基を有するプレポリマー及び/又は重合性モノマーを含有する放射線硬化型組成物100重量部に対して、酸もしくは塩基性化合物の存在下で、アルコールに溶解させたカチオン性もしくはアニオン性樹脂を、樹脂固形分として0.5〜8重量部混合して得られる再剥離性情報シート用塗工剤。
- さらに、分子内に不飽和基を有するプレポリマー及び/又は重合性モノマーを含有する放射線硬化型組成物100重量部に対して、脂肪酸アマイドを0.1〜10重量部混合して得られる請求項1に記載の再剥離性情報シート用塗工剤。
- 基体シートの重ね合わせ面同士を対接させ、所定の圧着または、必要に応じて加熱圧着により接着させる再剥離性情報シートにおいて、前記重ね合わせ面に、請求項1または2に記載の再剥離性情報シート用塗工剤の硬化皮膜層を設けたことを特徴とする再剥離性情報シート。
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