JP4128442B2 - シール材及びそれを備えたスクロール流体機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れたシール材及びそれを備えたスクロール流体機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐熱性、耐薬品性、摺動性等に優れたエンジニアリングプラスチックが、従来の金属材料に替わって広く利用されている。特に、耐熱性、耐摩耗性、潤滑性が要求される無給油式スクロール圧縮機のシール材としては、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が用いられている。
しかしながら、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、必ずしも耐摩耗性が十分ではないために、例えば、球状炭素または炭素繊維、二硫化モリブデン、青銅粉等の耐摩耗性に優れた材料を添加することにより、耐摩耗性及び潤滑性の向上を図ったチップシールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、青銅粉の替わりに、銅−鉛共晶粉末を添加したシール材(例えば、特許文献2参照)、あるいは銅系合金粉末を添加したシール材(例えば、特許文献3参照)等も提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−174188号公報
【特許文献2】
特開平7−216177号公報
【特許文献3】
特開平6−109139号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のスクロール圧縮機においては、さらなる長寿命化、高性能化が求められており、シール材においても、より摩擦係数が低いもの、耐摩耗性に優れたものが求められている。
しかしながら、従来のシール材では、ON−OFFを繰り返す断続運転では、耐摩耗性はほとんど問題無いものの、連続運転、特に長時間の連続運転を行った場合、摩耗が大きくなり、スクロール圧縮機の寿命が短くなる虞がある。特に、シール材とラップ部との間に漏れが生じた場合、再圧縮による温度上昇、ラップ部の損傷等が生じる虞もある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れたシール材及びそれを備えたスクロール流体機械を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次の様なシール材及びそれを備えたスクロール流体機械を提供した。
すなわち、本発明のシール材は、酸化アルミニウム又はニッケル系合金と摺動するシール材であって、変性ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維と、二硫化モリブデンとを含有してなることを特徴とする。
【0007】
このシール材では、変性ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維と、二硫化モリブデンとを含有したことにより、球状銅粉等が変性ポリテトラフルオロエチレン中に均一に分散することで、摩耗速度、摩耗係数共に改善される。これにより、シール材は摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れたものとなる。
【0008】
このシール材では、前記球状銅粉は5〜25重量%、前記ピッチ系炭素繊維は5〜20重量%、前記二硫化モリブデンは1〜10重量%それぞれ含有し、残部は前記変性ポリテトラフルオロエチレン及び不可避不純物であることとするのが好ましい。
【0009】
本発明のスクロール流体機械は、鏡板の一主面側に渦巻状のラップが立設された一対のスクロールを前記ラップが重なり合う様に対向配置して圧縮室を形成し、前記鏡板のラップ底面には酸化アルミニウム層が設けられ、該ラップ底面と対向するラップの先端部に形成された溝に、変性ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維と、二硫化モリブデンとを含有してなるシール材を備えてなることを特徴とする。
また、鏡板の一主面側に渦巻状のラップが立設された一対のスクロールを前記ラップが重なり合う様に対向配置して圧縮室を形成し、前記鏡板のラップ底面にはニッケル系合金による被膜処理を施し、該ラップ底面と対向するラップの先端部に形成された溝に、変性ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維と、二硫化モリブデンとを含有してなるシール材を備えてなることを特徴とする。
本発明のスクロール流体機械では、前記シール材は、前記球状銅粉は5〜25重量%、前記ピッチ系炭素繊維は5〜20重量%、前記二硫化モリブデンは1〜10重量%それぞれ含有し、残部は前記変性ポリテトラフルオロエチレン及び不可避不純物で構成されたことを特徴とする。
【0010】
このスクロール流体機械では、ラップ部の少なくとも一方の先端部に形成された溝に本発明の摩擦係数が低く耐摩耗性に優れたシール材を備えたことにより、このシール材と、対向するラップ部との間の摺動性が向上し、シール材とラップ部との間に漏れが生じる虞も無くなる。これにより、再圧縮による温度上昇、ラップ部の損傷等が生じる虞も無くなり、スクロール流体機械の寿命が延びる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のシール材及びそれを備えたスクロール流体機械について図面を参照して説明する。
ここでは、スクロール流体機械として無給油式スクロール圧縮機を例に取り説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の無給油式スクロール圧縮機の要部を示す断面図であり、このスクロール圧縮機は、鏡板の一主面側に渦巻状に形成されたスクロールラップ(ラップ部)1bを有する固定スクロール1と、鏡板の一主面側に渦巻状に形成されたスクロールラップ(ラップ部)2bを有する旋回スクロール2とを備えている。固定スクロール1及び旋回スクロール2は、アルミニウム合金により構成され、スクロールラップ1bがスクロールラップ2bと互いに噛み合うように、互いに対向して配置されている。これにより、固定スクロール1と旋回スクロール2との間に圧縮室3が形成される。
【0013】
固定スクロール1のラップ底面1aとスクロールラップ1bの側面には、アルマイトやニッケル系合金からなる被膜6が形成され、旋回スクロール2のラップ底面2aとスクロールラップ2bの側面にも、アルマイトやニッケル系合金からなる被膜6が形成されている。この被膜6は、電解浴にて、陽極で電解処理し、表面に酸化アルミニウムの層(アルマイト)を形成する被膜処理や、無電解メッキ法等によりニッケル系合金による被膜処理を施すことで形成されるもので、被膜処理前に固定スクロール1及び旋回スクロール2それぞれの表面粗さを小さくしておくことにより、この被膜6の表面は、ニッケル系合金特有の柔らかさと相まって、極めて滑らかなものとなっている。
【0014】
また、このスクロールラップ1bの先端部の端面1cには、チップシール(シール材)嵌め込み用の溝1dが形成され、この溝1dにはチップシール(シール材)7aが嵌め込まれている。また、スクロールラップ2bの先端部の端面2cにも、チップシール(シール材)嵌め込み用の溝2dが形成され、この溝2dにもチップシール7bが嵌め込まれている。
【0015】
チップシール7a、7bは、シール材としての機能を発揮することができるような材料であればよく、ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉とを含有する複合材料が好適である。これらポリテトラフルオロエチレン及び球状銅粉には、更に、ピッチ系炭素繊維及び二硫化モリブデンを添加するのが好ましい。
また、ポリテトラフルオロエチレンは、変性ポリテトラフルオロエチレンを主成分とすることが好ましい。
この様な材料組成としては、例えば、球状銅粉を5〜25重量%、ピッチ系炭素繊維を5〜20重量%、二硫化モリブデンを1〜10重量%それぞれ含有し、残部をポリテトラフルオロエチレン及び不可避不純物とした複合材料が好適に用いられる。
【0016】
ここで、球状銅粉を5〜25重量%と限定した理由は、耐摩耗性に優れ、目標とする寿命を達成することができるからである。なお、5重量%未満では、球状銅粉の量が少なく、摩耗が増大するという問題が生じ、また、25重量%を超えると、ポリテトラフルオロエチレンの割合が少なくなり、各材料の保持性が劣り、摩耗が増大するという問題が生じる。
【0017】
また、ピッチ系炭素繊維を5〜20重量%と限定した理由は、耐摩耗性に優れ、目標とする寿命を達成することができるからである。なお、5重量%未満では、相手面への攻撃性が小さく、平滑化しないため、シールの摩耗が増大するという問題が生じ、また、20重量%を超えると、ポリテトラフルオロエチレンの量が少なく、また、相手面への攻撃性が高くなり、シールの摩耗が増大するという問題が生じる。
【0018】
また、二硫化モリブデンを1〜10重量%と限定した理由は、耐摩耗性に優れ、目標とする寿命を達成することができるからである。なお、1重量%未満では、潤滑性が不足し、摩耗が増大するという問題が生じ、また、10重量%を超えると、ポリテトラフルオロエチレンの量が少なく、各材料の保持性が劣り、摩耗が増大するという問題が生じる。
【0019】
この様な構成としたチップシール7a、7bは、摩耗速度が0.08〜0.10μm/時、摩擦係数(μ)が0.33〜0.39であり、従来のチップシールに比べて耐摩耗性及び潤滑性が大幅に向上している。これにより、このチップシール7a、7bを用いたスクロール圧縮機を長時間連続運転を行った場合においても、チップシール7a、7bの摩耗は極めて小さく、スクロール圧縮機の寿命も従来に比べて格段に長くなる。
【0020】
このスクロール圧縮機では、スクロール中心部側の圧縮室3が高圧側となり、スクロールラップ1b、2bで仕切られた隣の圧縮室3との間で圧力差が生じ、チップシール7a、7bが浮上して、それぞれラップ底面1a、2a及び溝1d、2dの側面に押し付けられ、圧縮室3間のシール性を保つようになっている。
【0021】
本実施形態のチップシール7a、7bによれば、ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉とを含有する複合材料により構成したので、耐摩耗性及び潤滑性を大幅に向上させることができる。したがって、このチップシール7a、7bを用いたスクロール圧縮機を長時間連続運転を行った場合においても、チップシール7a、7bの摩耗を極めて抑制することができ、スクロール圧縮機の寿命を格段に長くすることができる。
【0022】
また、本実施形態のスクロール圧縮機によれば、摩擦係数が低く耐摩耗性に優れたチップシール7a、7bを備えたので、チップシール7a、7bとスクロールラップ1b、2bとの間の摺動性を向上させることができ、チップシール7a、7bとスクロールラップ1b、2bとの間の漏れ等の不具合も生じる虞が無く、再圧縮による温度上昇、ラップ部の損傷等が生じる虞も無く、スクロール圧縮機の寿命を延ばすことができる。
また、チップシール7a、7bの摩擦係数が低いので、発熱量が少なくなり、動力の損失を小さくすることができる。また、吐出する空気の温度が高くならないので、運転効率を向上させることができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0024】
実施例1〜3及び比較例1〜4各々において、変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)、球状銅粉、ピッチ系炭素繊維、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、不定形銅粉、青銅粉(銅合金)、PAN系炭素繊維を表1に示す配合比となるようにそれぞれ秤量し、これらを混合し、その後、外径(φ)40mm、内径(φ)30mm、厚み(t)20mmの形状に成形することにより、実施例1〜3及び比較例1〜4各々の試料を作製した。
【0025】
【表1】
【0026】
図2は、実施例1〜3及び比較例1〜4各々の試料の摩耗速度(μm/h)を比較した結果である。ここでは、各々について5個の試料の摩耗速度を測定し、その平均値を図示した。
摩耗速度は、リングオンディスク型摩擦・摩耗試験機を用い、摺動速度2m/s、荷重0.2MPa、温度120℃、相手材:アルミ合金に陽極酸化処理、膜厚30μm、硬さ400Hv(25g)、表面粗さ15Rz、と、スクロール圧縮機と同様の条件で行った。また、リングは、外径40mm、内径30mmとし、摩耗粉が摩擦面から速やかに除去されるように、幅3mmのスリットを12本形成し、さらに固定ディスク中心部からエアブローを行った。
【0027】
図2によれば、実施例1〜3では摩耗速度が0.10μm/h以下と小さく、耐摩耗性に優れていることが分かった。一方、比較例1〜4では摩耗速度が0.13μm/h以上と大きく、実施例1〜3に比べて耐摩耗性に劣っていることが分かった。
【0028】
図3は、実施例1〜3及び比較例1〜4各々の試料の摩擦係数(μ)を比較した結果である。ここでは、各々について5個の試料の摩擦係数を測定し、その平均値を図示した。
摩擦係数の測定は、上記の「摩耗速度」の測定方法に準じて行った。
【0029】
図3によれば、実施例1〜3では摩擦係数は0.33〜0.39の範囲にあり、PTFEを用いた比較例1よりは高く、摺動性が若干低下しているものの、不定形銅粉を用いた比較例2や青銅粉を用いた比較例3と比べて摩擦が小さく、摺動性に優れていることが分かった。
【0030】
図4は、実施例1の試料について、球状銅粉の添加量(重量%)を変化させた場合の摩耗速度(μm/h)及び摩擦係数(μ)を比較した結果である。ここでは、各々について5個の試料の摩耗速度及び摩擦係数を測定し、その平均値を図示した。
図4によれば、球状銅粉の添加量が5〜25重量%の範囲で摩耗速度が0.10μm/h以下、摩擦係数が0.35以下となり、耐摩耗性及び摺動性に優れていることが分かった。したがって、耐摩耗性及び摺動性を向上させるためには、球状銅粉の添加量を5〜25重量%の範囲内とすればよいことが分かった。
【0031】
図5は、実施例1の試料について、ピッチ系炭素繊維の添加量(重量%)を変化させた場合の摩耗速度(μm/h)及び摩擦係数(μ)を比較した結果である。ここでは、各々について5個の試料の摩耗速度及び摩擦係数を測定し、その平均値を図示した。
図5によれば、ピッチ系炭素繊維の添加量が5〜20重量%の範囲で摩耗速度が0.10μm/h以下、摩擦係数が0.39以下となり、耐摩耗性及び摺動性に優れていることが分かった。したがって、耐摩耗性及び摺動性を向上させるためには、ピッチ系炭素繊維の添加量を5〜20重量%の範囲内とすればよいことが分かった。
【0032】
図6は、実施例1の試料について、二硫化モリブデンの添加量(重量%)を変化させた場合の摩耗速度(μm/h)及び摩擦係数(μ)を比較した結果である。ここでは、各々について5個の試料の摩耗速度及び摩擦係数を測定し、その平均値を図示した。
図6によれば、二硫化モリブデンの添加量が1〜10重量%の範囲で摩耗速度が0.10μm/h以下、摩擦係数が0.33以下となり、耐摩耗性及び摺動性に優れていることが分かった。したがって、耐摩耗性及び摺動性を向上させるためには、二硫化モリブデンの添加量を1〜10重量%の範囲内とすればよいことが分かった。
【0033】
なお、本実施形態では、本発明のシール材を無給油式スクロール圧縮機に適用した例を示したが、本発明のシール材は、無給油式スクロール圧縮機に限定されることなく、本発明の要旨を超えない範囲で様々なスクロール流体機械に適用可能である。例えば、往復動圧縮機のピストンリングやライダリング、リップリング等に適用することも可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシール材によれば、変性ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維と、二硫化モリブデンとを含有したので、摩耗速度、摩耗係数共に大幅に改善することができる。したがって、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れたシール材を実現することができる。
【0035】
本発明のスクロール流体機械によれば、鏡板の一主面側に渦巻状のラップが立設された一対のスクロールを前記ラップが重なり合う様に対向配置して圧縮室を形成し、前記鏡板のラップ底面には、酸化アルミニウム層が設けられるか、またはニッケル系合金による被膜処理が施され、該ラップ底面と対向するラップの先端部に形成された溝に、変性ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維と、二硫化モリブデンとを含有してなるシール材を備えたので、このシール材と、対向するラップ部との間の摺動性を向上させることができ、シール材とラップ部との間に漏れが生じる虞が無い。
したがって、再圧縮による温度上昇、ラップ部の損傷等が生じる虞が無く、スクロール流体機械の寿命を格段に延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の無給油式スクロール圧縮機の要部を示す断面図である。
【図2】 実施例1〜3及び比較例1〜4各々の摩耗速度(μm/h)を示す図である。
【図3】 実施例1〜3及び比較例1〜4各々の摩擦係数(μ)を示す図である。
【図4】 球状銅粉の添加量を変化させた場合の摩耗速度(μm/h)及び摩擦係数(μ)それぞれの変化を示す図である。
【図5】 ピッチ系炭素繊維の添加量を変化させた場合の摩耗速度(μm/h)及び摩擦係数(μ)それぞれの変化を示す図である。
【図6】 二硫化モリブデンの添加量を変化させた場合の摩耗速度(μm/h)及び摩擦係数(μ)それぞれの変化を示す図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール
1a ラップ底面
1b スクロールラップ(ラップ部)
1c 端面
1d 溝
2 旋回スクロール
2a ラップ底面
2b スクロールラップ(ラップ部)
2c 端面
2d 溝
3 圧縮室
6 被膜
7a、7b チップシール(シール材)
Claims (5)
- 酸化アルミニウム又はニッケル系合金と摺動するシール材であって、変性ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維と、二硫化モリブデンとを含有してなることを特徴とするシール材。
- 前記球状銅粉は5〜25重量%、前記ピッチ系炭素繊維は5〜20重量%、前記二硫化モリブデンは1〜10重量%それぞれ含有し、残部は前記変性ポリテトラフルオロエチレン及び不可避不純物であることを特徴とする請求項1記載のシール材。
- 鏡板の一主面側に渦巻状のラップが立設された一対のスクロールを前記ラップが重なり合う様に対向配置して圧縮室を形成し、前記鏡板のラップ底面には酸化アルミニウム層が設けられ、該ラップ底面と対向するラップの先端部に形成された溝に、変性ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維と、二硫化モリブデンとを含有してなるシール材を備えてなることを特徴とするスクロール流体機械。
- 鏡板の一主面側に渦巻状のラップが立設された一対のスクロールを前記ラップが重なり合う様に対向配置して圧縮室を形成し、前記鏡板のラップ底面にはニッケル系合金による被膜処理を施し、該ラップ底面と対向するラップの先端部に形成された溝に、変性ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維と、二硫化モリブデンとを含有してなるシール材を備えてなることを特徴とするスクロール流体機械。
- 前記シール材は、前記球状銅粉は5〜25重量%、前記ピッチ系炭素繊維は5〜20重量%、前記二硫化モリブデンは1〜10重量%それぞれ含有し、残部は前記変性ポリテトラフルオロエチレン及び不可避不純物で構成されたことを特徴とする請求項3または4に記載のスクロール流体機械。
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