JPS6215280A

JPS6215280A - リツプシ−ル材

Info

Publication number: JPS6215280A
Application number: JP60154969A
Authority: JP
Inventors: Hiroo Ozaki; 尾崎　博夫; Toshio Aiura; 相浦　俊雄
Original assignee: NIPPON JOHN KUREEN KK
Current assignee: NIPPON JOHN KUREEN KK
Priority date: 1985-07-12
Filing date: 1985-07-12
Publication date: 1987-01-23
Also published as: JPH0363594B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】「産業上の利用分野」本発明は、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、低摩擦性、耐
圧性、軸振れへの追従性等の性能を要求される過酷な状
況下に於いて実用に供する軸封装置に用いる弗素樹脂製
リップシールの材質改良に関するもので、該リップシー
ルは、例えば開放型圧縮機の軸封装置に使用するもので
ある。

「従来の技術」従来の回転軸と接して摺動しながら流体の漏洩を防止す
る軸封装置には金型にて成形した合成ゴム製リップシー
ルが使われていたが、ゴム材は一般に耐熱性、耐薬品性
、耐摩耗性、耐圧性等の性能に乏しい為、自動車空調用
圧縮機の様に最高温度１５０℃、圧力０．３〜１５ｋｇ
／ｃ＋ａの冷凍機油及び冷媒のある雰囲気中では使用に
耐え得ず、この為通常メカニカルシールが使用されてい
る。メカニカルシールは、通常回転軸に密嵌装着した回
転接触輪と固定部に密嵌した固定接触軸とを端面で接触
させたもので、回転接触幅はバネによって固定接触軸に
摺動面に於いて加圧接触し流体の密封をするもので、従
って、摺動面は互いに高度な平滑性を要求され高価であ
る。

その為へ近年は耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、低摩擦性
、耐圧性等の優れた四弗化エチレン樹脂を基材としたリ
ップシールが各方面で使われており、′さらにその性能
を高める目的で、リップの形状及びその保持部の構造、
あるいは添加剤の配合等の工夫が様々施されてきた。例
えば、四弗化エチレンＷＭｕは合成ゴム等のゴムに比べ
て弾性に乏しく、剛性が高い材質である為、その欠点を
ゴム等の軟弾性材と併用することによって補う、あるい
は薄肉四弗化エチレン樹脂部材を積層することによって
弾力性を増し、軸振れへの追従性を改良したりツブシー
ルが考案されている。また、四弗化エチレン樹脂に銅系
の合金あるいは鉄系の合金等の金属粉等を添加剤として
配合し、リップシールとして要求される性能を高め、あ
るいは新たに付加する工夫もなされてきた。一般的に添
加剤の種類、組み合わせ、またその配合割合によって基
材の性質、性能は大きく変化するので、用途に応じて適
宜選択、配合しなければならず、四弗化エチレン樹脂も
その例外ではない。

「発明が解決しようとする問題点」圧縮機等の回転軸と摺動面で接し流体を密封する軸封装
置、例えば、自動車空調用圧縮機に於いて、雰囲気温度
は最高１５０“Ｃにもなり、リップシールは被密封物、
この場合冷媒であるフレオンガスと冷凍機油の油液ある
いはガス等に絶えずさらされている。また高速且つ連続
的に使用する場合、該リップシール摺動部は雰囲気温度
と摩擦熱の為高温になり、圧力は０．３〜１５ｋｇ／ｃ
ｎｉと運転条件によって力＼なり高圧力にもなり、その
変動幅も大きい。この様な過酷な状況下に於いても使用
し得る耐熱性、耐薬品性、耐圧性、耐摩耗性、低摩擦性
、軸振れへの追従性等の性能を併せ持つリップシールが
要求される。

従来のゴム製リップシールは、耐熱性、耐薬品性、耐摩
耗性、低摩擦性等に問題があり、さらに高圧力では使用
に耐え得ず、またメカニカルシールは構造が複雑で高価
なものである。

本発明は、上記のゴム製リップシールとメカニカルシー
ルの利点を損なうことなく欠点を同時に取り去り、過酷
な使用条件に耐え得る弗素樹脂製リップシール材の材質
を改良する目的でなされたものである。

「問題点を解決するための手段」前記問題点を解決する為に、あらゆる固体の中で最も摩
擦係数の小さい材質の一つで、且つほとんどの化学薬品
に侵されず耐熱性の優れている弗素系樹脂のうちの四弗
化エチレン樹脂に、リップシール材として、本来備え持
った性能を損なうことなく添加剤を適宜添加し、それに
よって更に圧縮強さ、圧縮変形、耐クリープ性等機械部
品の材料として必要な強度が付加される。

一般に弗素樹脂等の合成樹脂の補強、改質に用いる添加
剤は多種多様に存在し、その目的に応じて選択しなけれ
ばならない。四弗化エチレン樹脂の場合、粒状酸化チタ
ン、ジルコン、カーボン繊維、ガラス繊維、アスベスト
、グラファイト、マイカ、耐熱有機物等が添加剤として
適しているが、本発明に於いて使用される添加剤は、グ
ラファイトとカーボン繊維であり、グラファイトの平均
粒径は１５μｍで、カーボン繊維の平均繊維径、及び平
均繊維長はそれぞれ１２．５μｍと０．１３　ｍｍであ
るが、特にこれに限るものではなく適宜選択し得る。

また、前記グラファイトとカーボン繊維の四弗化エチレ
ン樹脂へ添加する配合割合は、該四弗化エチレン樹脂に
対しグラファイト３〜１０重量％、カーボン繊維３〜１
５重量％であり、さらに添加剤の総量は６〜２５重量％
でその効果が期待でき、その添加効果として、硬度が高
く弾性係数が大きくなり、耐圧−性、耐クリープ性が向
上し、高温特性に優れ、熱膨張係数が低く、耐摩耗性が
よく、熱伝導率が大きくなる等が挙げられる。

前記リップシールは、様々な環境に於いて使用され得る
可能性があり、即ちその使用に於いては、温度、圧力及
び圧力変動、軸の回転数及び回転の断続、潤滑、軸の偏
心による振動、軸の材質等様々考慮に入れ、使用条件に
よって四弗化エチレン樹脂へ添加する添加剤は、各々独
特な配合をしなければならない。本発明に於いては前記
の如く四弗化エチレン樹脂にグラファイト及びカーボン
繊維を前記の如く配合し前記問題点の解決を行った「実
施例」開放型圧縮機の軸封装置として使用するりツブシールに
は、過酷な使用条件に耐え得る高度な性能が要求される
。以下、実施例を自動車空調用圧縮機に用いる弗素樹脂
製リップシールの耐久試験結果に基づき説明する。

シール基材として四弗化エチレン樹脂を用い、それにグ
ラファイト及びカーボン繊維を適宜配合し添加した本発
明のサンプルと、四弗化エチレン樹脂にバラオキシベン
ゾイルポリエステル例えばエコノール（住友化学株式会
社商品名）を１５重量％、またはグラファイトを１５重
量％、またはカーボン繊維を１０重量％をそれぞれ単独
に添加した従来製品のサンプルと、リップシール材では
ないが公開特許公報（特開昭５８−７２７７０）で述べ
られていて圧縮機に使用する最も好ましい配合割合、す
なわちカーボン繊維を１０重量％及び青銅粉を３０重量
％添加したサンプルと、を比較実験した結果を表に示す
。使用した添加剤は、グラファイト：平。　　均粒径１
５μｍ、カーボン繊維：平均繊維径１２．５μｍ、平均
繊維長０．１３ｍｍ、エコノール：平均粒径１５μｍ、
青銅粉：粒度２００メツシュ通過のものである。実験条
件は、軸材質ＳＣＭ４１５、軸硬度ＩＩ　ＲＣ５５〜６
０、軸径１２．７ｍｍ、回転数５５０ＯＲＰＭ　、温度
１００℃、圧力２〜１２ｋｇ／　ｃＩＩｒ、封入流体は
フレオンガスと冷凍機油で、１００時間運転後の油漏洩
１（ｇ）、リップ摩耗量（ｍｇ　）、軸摩耗量（μｍ）
とをそれぞれのサンプルに対して測定した。

表中ａ、ｂ、ｃのサンプルは従来製品で、ｄのサンプル
は前記公報記載の配合例で、ｅ　−ｉのサンプルは本発
明の配合例である。軸封装置として用いるリップシール
の備え得るべき性能は、第一に油漏洩量が少ないことで
あり、また耐久性とい注：（１）ａ＝ｉの各サンプルは
、四弗化エチレン樹脂を基材とし、表中の添加剤を配合
したものである。

（２）エコノールは住友化学株式会社の商品名で、バラ
オキシベンゾイルポリエステルのことである。

（３）表中の値は、１００時間の耐久試験後の測定値で
ある。

う点から、リップ自身の摩耗量及び相手軸の摩耗量が少
ないことであるが、これらの性能はそれぞれ独立したも
のではなく相互に関連している為総合的な観点から優劣
を判断しなければならない。

比較的性能の良い従来製品のす、ｃに比べ本発明のサン
プルｇ、ｈは、油漏洩量に於いて明らかに数倍優れてい
る。さらに、前記公報記載の配合例ｄと比較しても、リ
ップ摩耗量は同程度であるが、油漏洩量１、軸摩耗量に
於いて明らかに優れている。

一般的な傾向として、グラファイトは軸の摩耗を抑える
働きをするが、リップの摩耗は多く、それに対してカー
ボン繊維はリップの摩耗を抑えるが、軸の摩耗は多いこ
とが実験により判明した。

その結果、リップ摩耗量と軸摩耗量とを共に抑える為に
は、グラファイトとカーボン繊維との配合割合を適宜に
選択する必要があり、その好ましい配合割合は、グラフ
ァイト：５〜１０重量％、カーボン繊維：５〜１０重量
％である。さらに、添加剤の総量が１５重量％前後に於
いて、サンプルｇ、ｈの如く、この場合量も優れたシー
ル効果を示す。

尚、上記の実験結果は、実験条件が自動車空調用圧縮機
の軸封装置に用いるリップシールに関するもので、勿論
、本発明はそれに限るものではなく他の用途に於いては
、添加剤の配合割合は違ってきて当然で、その場合その
効果の期待される配合割合は、グラファイト：３〜１０
重量％、カーボン繊維：３〜１５重量％で、また添加剤
の総量は６〜２５重量％であり、使用条件によって最適
な配合割合にすることが必要である。つまり、グラファ
イト及びカーボン繊維の添加量がともに３重量％以下の
場合は、表中サンプルｅかられかるように少量の為その
効果が期待できない。またグラファイトの充填量が１０
重量％以上の場合はリップの摩耗量が多く、カーボン繊
維の添加量が１５重景％以上の場合は相手軸の摩耗量が
多（、当初の添加目的にそわないことになる。同様に、
前記添加の総量が６〜２５重景％の範囲外になれば、グ
ラファイトあるいはカーボン繊維のいずれかが前記の効
果の期待できる範囲を脱してしまい、やはり当初の添加
目的にそわなくなる。

「発明の効果」四弗化エチレン樹脂は、ゴムに比べて耐熱性、耐薬品性
、耐摩耗性、低摩擦性、耐圧性等に優れティる。・従来
の一般的ゴム製リップシールでは使用温度が高々１２０
℃であるのに対して四弗化エチレン樹脂では、連続２６
０℃でも使用ができ、熱や油による劣化は全くないが、
熱が加わると軟化し変形し易くなり、機械部品の材料と
しては不満足である。しかし、リップシールの基材とし
ての四弗化エチレン樹脂にグラファイト及びカーボン繊
維を適宜配合添加することによって圧縮強さ、圧縮によ
る変形、耐クリープ性等機械部品の材料として要求され
る強度が付加される。

また、四弗化エチレン樹脂は無潤滑状態に於いて低い摩
擦係数を持つ材料の一つであり、勿論、油等の潤滑状態
に於いても同様に低い摩擦係数を示すものであり、添加
剤を適宜添加することにより耐摩耗性、耐久性が増す為
、本発明の添加剤配合四弗化エチレン樹脂製リップシー
ルは、例えば自動車空調用圧縮機等の過酷な条件で使用
さ・れる軸封装置にも使用可能となる。該リップシール
材は上記の優れた性質を備えている為、運転停止中に潤
滑油膜が枯渇することがあっても低摩擦の故に再起動が
円滑であって、ゴム製リップシールの様に焼きついてリ
ップが　損傷することがない。

また、本発明の添加剤配合四弗化エチレン樹脂製、リッ
プシールは、これまでメカニカルシールしか使用し得な
かった分野に於いても使用でき、構造的に簡単になる為
軸封装置も安価になり経済的である。

以上の如く、グラファイトとカーボン繊維の添加剤を適
宜添加することの効果は油漏洩量、リップ摩耗量、及び
軸摩耗量等の実験結果より歴然であり、四弗化エチレン
樹脂本来の低摩擦性等の優れた性質を損なうことなく、
前記添加剤向らも低摩擦性を有するので、四弗化エチレ
ン樹脂と共に相乗効果をもたらし、而して本発明により
、上記の機械的強度、密封性等の性能を高め得るもので
ある。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）弗素系樹脂にグラファイト並びにカーボン繊維を
添加し、公知の方法で成形してなるリップシール材。
（２）弗素系樹脂が四弗化エチレン樹脂である特許請求
の範囲第１項記載のリップシール材。
（３）四弗化エチレン樹脂に対しグラファイトを３〜１
０重量％、カーボン繊維を３〜１５重量％添加してなる
特許請求の範囲第２項記載のリップシール材。
（４）四弗化エチレン樹脂に対しグラファイトを５〜１
０重量％、カーボン繊維を５〜１０重量％添加してなる
特許請求の範囲第２項記載のリップシール材。
（５）四弗化エチレン樹脂に対しグラファイトとカーボ
ン繊維の添加総量を６〜２５重量％としてなる特許請求
の範囲第３項または第４項記載のリップシール材。