JP2005281446A - 四フッ化エチレン樹脂組成物及び該組成物を用いた摺動部材 - Google Patents

四フッ化エチレン樹脂組成物及び該組成物を用いた摺動部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 高速及び高圧の厳しい条件、さらには高温、高速及び高圧のより厳しい条件下でも、長期にわたり安定した低摩擦性及び優れた耐摩耗性を示す四フッ化エチレン樹脂組成物及びそのような四フッ化エチレン樹脂組成物からなる摺動部材を提供する。
【解決手段】 四フッ化エチレン樹脂に、(a)グラファイトと、(b)カーボン繊維及び/又はガラス繊維3〜5重量%とが配合された四フッ化エチレン樹脂組成物及び該四フッ化エチレン樹脂組成物からなる摺動部材。
【選択図】 なし

Description

本発明は四フッ化エチレン樹脂組成物及び摺動部材に関する。
四フッ化エチレン樹脂は優れた低摩擦特性を有し、耐熱性に優れ、化学的にも安定であることから、シール、軸受け等の摺動を伴う機械部品、すなわち、摺動部材としての需要が多い。しかし、四フッ化エチレン樹脂単体では、耐摩耗性、剛性等の機械的特性が十分でないために、通常は充填材を添加して、これらの特性を改善したものが広く利用されている。例えば、下記特許文献1には、四フッ化エチレン樹脂50〜97重量%、メチロール基を含有するプレポリマーの硬化によりなるフェノール樹脂3〜33重量%が配合された摺動部材用の四フッ化エチレン樹脂組成物が記載され、当該四フッ化エチレン樹脂組成物は、中でもメチロール基を含有するプレポリマーの硬化によりなるフェノール樹脂が粒子状であって、その平均粒子径が1〜200μmであるものが好ましいとされ、また、メチロール基を含有するプレポリマーの硬化によりなるフェノール樹脂に加え、炭素繊維を1〜20重量%配合したものが好ましいとされている(同特許文献1の特許請求の範囲等参照)。
また、同特許文献1には、上記のメチロール基を含有するプレポリマーの硬化によりなるフェノール樹脂以外に、この種の充填材として、ガラス繊維、ガラスビーズ、カーボン、炭素繊維、グラファイト、二硫化モリブデン、黄銅、ブロンズ、酸化鉛、モリブデン等の無機充填材や、芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン等の耐熱性有機高分子の粒子または繊維からなる有機充填材等が記載されている。
これらの充填材は、一般に、ブロンズ系充填材(黄銅、ブロンズ、酸化亜鉛)と、繊維系充填材(ガラス繊維、炭素繊維)と、非繊維系充填材(カーボン、グラファイト、二硫化モリブデン、モリブデン(無機系)、芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン等の耐熱性有機高分子の粒子(有機系(樹脂系)))とに分類される。
ところで、近年、各種の機器は高速化、高圧化される中で、その過酷な使用条件下での長期にわたる制御の安定性や低トルクによる効率化等が要求されており、そのために、摺動部材には、高速及び高圧の厳しい条件下でも長期にわたり安定した低摩擦性及び優れた耐摩耗性が要求され、特に、高温、高速及び高圧のより厳しい条件下でも長期にわたり安定した低摩擦性及び優れた耐摩耗性が要求されている。
しかしながら、上記のとおり(特許文献1に記載されているように)、四フッ化エチレン樹脂に充填材を配合することにより、四フッ化エチレン樹脂単体の耐摩耗性、剛性等が向上することは、従来から知られた技術事項であったが、四フッ化エチレン樹脂に充填材を添加した組成物の摩擦性ついては十分に把握されておらず、特に、高速及び高圧の厳しい条件下(さらには、高温、高速及び高圧のより厳しい条件下)において、長期に渡って安定した低摩擦性と優れた耐摩耗性を示す組成物を可能にする充填材の選定について有効な提案はなされておらず、そのために、近年の各種の機器の高速化、高圧化に十分に対応できる摺動部材は未だ見出されていないのが実状である。
特開平11−80481号公報
本発明は、上記事情に鑑み成されたもので、その解決しようとする課題は、高速及び高圧の厳しい条件、さらには高温、高速及び高圧のより厳しい条件下でも、長期にわたり安定した低摩擦性及び優れた耐摩耗性を示す四フッ化エチレン樹脂組成物及びそのような四フッ化エチレン樹脂組成物からなる摺動部材を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。
即ち、本発明は、
(1)四フッ化エチレン樹脂に下記(a)及び(b)が配合された四フッ化エチレン樹脂組成物、
(a)グラファイト
(b)カーボン繊維及び/又はガラス繊維が3〜5重量%
(2)四フッ化エチレン樹脂50〜92重量%、(a)グラファイト5〜25重量%、(b)カーボン繊維及び/又はガラス繊維3〜5重量%が配合された組成物である、上記(1)記載の四フッ化エチレン樹脂組成物、
(3)四フッ化エチレン樹脂に下記(a)及び(b)が配合された四フッ化エチレン樹脂組成物、
(a)グラファイト
(b)カーボン繊維3〜5重量%
(4)四フッ化エチレン樹脂50〜92重量%、(a)グラファイト5〜25重量%、(b)カーボン繊維3〜5重量%が配合された組成物である、上記(3)記載の四フッ化エチレン樹脂組成物、
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の四フッ化エチレン樹脂組成物からなる摺動部材、及び
(6)無潤滑下で使用される上記(5)記載の摺動部材、に関する。
本発明によれば、高速及び高圧(さらには、高温、高速及び高圧)の条件下でも、十分に低い低摩擦性が得られるとともにその低摩擦性が長期にわたって安定に持続し、しかも、極めて良好な耐摩耗性が得られ、また、摺動する相手部材に与えるダメージも小さい、高性能の四フッ化エチレン樹脂組成物を得ることができる。従って、本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物よりなる摺動部材を用いた機器においては、高速及び高圧(高温、高速及び高圧)の過酷な使用条件下での長期にわたる制御の安定性を確保でき、しかも、低トルクによる効率化を図ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物(以下、単に「本発明の樹脂組成物」と略称する場合がある。)は、四フッ化エチレン樹脂に、(a)グラファイトと、(b)カーボン繊維及び/又はガラス繊維3〜5重量%が配合された組成物である。
前記従来の技術で説明したように、四フッ化エチレン樹脂組成物に種々の非繊維系充填材や、種々の繊維系充填材を配合して、四フッ化エチレン樹脂の耐摩擦性を向上させることことは従来から行われていた。しかし、四フッ化エチレン樹脂に充填材を配合した組成物の摩擦性、特に摩擦性と耐摩耗性との関係は十分に把握されておらず、高速、高圧(特に、高温、高速及び高圧)の条件下で十分に低い摩擦係数が安定して得られる組成物について有効な提案は殆どなされていなかった。そこで、本発者等は、四フッ化エチレン樹脂に配合する充填材の種類と、高速及び高圧(特に、高温、高速及び高圧)な条件下での組成物の摩擦及び摩耗の挙動の関係について調査をしたところ、非繊維系充填材のなかでもグラファイトを選択してこれを主たる充填材とし、さらに繊維系充填材であるカーボン繊維及び/又はガラス繊維を少量配合することで、非繊維系充填材を配合した組成物が示す低摩擦性がさらに良化するとともに安定化し、しかも、非繊維系充填材を配合した組成物においては通常余り良好でなかった耐摩耗性が著しく向上するという知見を得ることができ、該知見に基いてさらに研究を重ねた結果、本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物を完成するに至ったものである。
図2は後述の比較例1の四フッ化エチレン樹脂にブロンズ系充填材であるブロンズ(60重量%)を配合した試料の高温、高速、及び高圧条件下での摩擦係数の経時変化を、また、図3は後述の比較例2の四フッ化エチレン樹脂にブロンズ系充填材であるブロンズ(40重量%)と、少量の非繊維系充填材である二硫化モリブデン(2重量%)を配合した試料の高温、高速、高圧条件下での摩擦係数の経時変化を示す試験結果である。これらの図からわかるように、このような主たる充填材がブロンズ系充填材からなる組成物は摩擦係数が小さくなく、しかも、大きく変動するため、これを用いた摺動部材においては、ブレーキがかかったり、急激に進んだりして安定動作が得られず、また、摺動相手部材も著しく傷付けてしまう。
また、図4は後述の比較例3の四フッ化エチレン樹脂に繊維系充填材であるガラス繊維(25重量%)を配合した試料の高温、高速及び高圧の条件下での摩擦係数の経時変化を示す試験結果、図5は後述の比較例4の四フッ化エチレン樹脂に繊維系充填材であるガラス繊維(15重量%)と、非繊維系充填材である二硫化モリブデン(無機系)を少量配合した試料の高温、高速及び高圧の条件下での摩擦係数の経時変化を示す試験結果である。これらの図からわかるように、主たる充填材が繊維系充填材からなる組成物は、摩擦係数はある程度小さくなるが、初期の摩耗係数が大きく、摺動相手部材を傷付けてしまう。ただし、表1に示されるように、摩耗係数は非常に小さく、耐摩耗性は良好である。
また、図6は後述の比較例5の四フッ化エチレン樹脂に非繊維系充填材である耐熱性樹脂粒子(20重量%)と、少量のグラファイト(3重量%)を配合した試料の高温、高速、及び高圧の条件下での摩擦係数の経時変化を示す試験結果、図7は後述の比較例6の四フッ化エチレン樹脂に非繊維系充填材である耐熱性樹脂粒子(20重量%)を配合した試料の高温、高速及び高圧の条件下での摩擦係数の経時変化を示す試験結果である。これらの図からわかるように、主たる充填材が非繊維系充填材からなる組成物は、摩擦係数はかなり小さくなり、その変動も小さく、また、摺動相手部材も殆ど傷つけない。しかし、表1に示されるように、摩耗係数が大きく、非常に摩耗しやすいので、これより得られる摺動部材は、高速化及び高圧化された機器における高温、高速及び高圧の過酷な条件下で使用した場合、寿命が著しく短く、摺動部材の交換を頻繁に行わなければならなくなってしまう。
これに対し、図1は、後述の実施例1の四フッ化エチレン樹脂にグラファイト15重量%と少量のカーボン繊維(3重量%)を配合した試料の高温、高速、高圧条件下での摩擦係数の経時変化を示す試験結果である。この図からわかるように、四フッ化エチレン樹脂にグラファイトを主たる充填材として配合し、さらにカーボン繊維を少量配合した本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物の場合、試験開始直後の極短時間において摩擦係数の若干の変動が生じた後は、極めて小さい摩擦係数が殆ど変動することなく持続して安定に推移する。また、表1に示すように、摩耗係数は0.3×10−6で、比較例1〜6に比べて最も小さくなり、極めて良好な耐摩耗性を示すことが分かる。従って、かかる本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物より得られる摺動部材を、高速化及び高圧化された機器における高温、高速及び高圧の過酷な条件下で使用した場合、長期にわたる制御の安定性を得りことができるとともに、低トルク性による機器の効率向上を達成することができる。
本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物で使用する、四フッ化エチレン樹脂は、四フッ化エチレンを繰返し単位とする公知の重合体であり、従来からシール等の摺動部材に使用されているものをそのまま使用することができる。なかでも、重合度1万〜10万の重合体であるものが好ましく、特に好ましくは重合度が1万〜10万程度のものである。また、その形態は、実用的には、成形用粉末であるのが好ましく、緻密な成形物が得られる点から、平均粒子径が10〜50μmのものが好ましく、平均粒子径が20〜40μmのものが特に好ましい。四フッ化エチレン樹脂の配合量は組成物全体当たり50〜92重量%が一般的であり、好ましくは70〜90重量%である。
本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物おいて、(a)成分のグラファイトは、主体となる充填材であり、組成物全体当たり少なくとも5重量%以上配合されていることが好ましく、より好ましくは10重量%以上である。該(a)成分のグラファイトの配合量が5重量%未満の場合、そのような組成物は、組成物の補強効果が乏しくなり、耐クリープ性や耐摩耗性が得られなくなる傾向となり、好ましくない。一方、該(a)成分のグラファイトの配合量が余り多すぎると、組成物の成形性が低下し、耐摩耗性も低下する傾向となる。さらに組成物に所望の補強効果が付与されにくくなる。よって、その上限は組成物全体当たり25重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。
なお、「グラファイト」とは、グラファイト粉末(粒状物)のことであり、平均粒子径が5〜200μmのものが好ましく、10〜100μmのものがより好ましく、もっとも好ましいのは15〜50μmのものである。
グラファイト粉末としては、人造または天然の鱗状黒鉛や鱗片状黒鉛、土状黒鉛など従来公知の種々のグラファイト粉末を特に制限なく使用することができるが、品質が安定していることから人造の黒鉛が好ましく、中でも得られた摺動部材が潤滑性に優れる点から人造の鱗状黒鉛が好ましい。
一方、本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物おいて、(b)成分のカーボン繊維及び/又はガラス繊維は、前記のとおり、組成物全体に当たり3〜5重量%配合されていることが重要であり、当該(b)成分のカーボン繊維及び/又はガラス繊維の配合量が3重量%未満であると、摩擦摩耗特性、圧縮特性、圧縮クリープ特性など組成物の特性に対する効果が小さくなる傾向になり、また、5重量%を超えると所期の摩耗係数が大きくなる(摩擦力の安定性が低下する)傾向になり、成形性も低下し、摺動相手部材を摩耗損傷するので好ましくない。該(b)成分のカーボン繊維及び/又はガラス繊維の配合量は好ましくは3〜4重量%である。
該(b)成分の「カーボン繊維及び/又はガラス繊維」は、カーボン繊維の単体、ガラス繊維の単体、又は、カーボン繊維及びガラス繊維の併用のいずれでもよく、特に制限はされないが、摩擦係数の安定性(摩擦力の安定性)の点から、カーボン繊維の単体またはカーボン繊維とガラス繊維の併用が好ましく、より好ましくはカーボン繊維の単体である。
上記カーボン繊維とガラス繊維は、それぞれ、平均繊維径が3〜20μm、平均繊維長25〜1500μmのものが好ましく、より好ましくは、平均繊維径が5〜15μm、平均繊維長が50〜1000μmである。また、アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は1.25(25/20)〜500(1500/3)が好ましく、より好ましくは3.3(50/15)〜200(1000/5)である。
本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物を得るには、各成分を所定の配合割合で配合した原料混合物を、従来から行われている四フッ化エチレン樹脂組成物成形の周知の条件で成形・焼結すればよい。例えば、ヘンシェルミキサーなどの混合機により各成分を乾式混合して原料混合物とし、これを金型に入れて常温で400〜1000kg/cm2 の圧力を加え予備成形した後、金型から取出した圧縮成形体を360〜400℃で焼結する方法などがある。
本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物は、成形物を所望の形状に切削加工することにより、各種潤滑条件で使用する摺動部材とすることができる。すなわち、無潤滑下でも、水潤滑、油潤等の液体潤滑下でも優れた摺動性が得られる摺動部材を実現できる。無潤滑下で使用される摺動部材としては、例えば、不活性ガスを熱媒体とした空調機器の無潤滑コンプレッサーのピストンリング等が挙げられる。また、液体潤滑下で使用される摺動部材としては、例えば、油圧機器の摺動部シールリング(摺動部は油圧油で潤滑される)、自動車の冷却系や食器洗浄機等において水シール性を要求される摺動部材(摺動部は水で潤滑される)等が挙げられる。本発明の四フッ化エチレン樹脂組成物よりなる摺動部材は、無潤滑下で極めて良好な耐摩耗性が得られるので、無潤滑下で使用される摺動部材に好適である。
本発明において、「(高温)、高速及び高圧の条件下」とは、具体的には、四フッ化エチレン樹脂組成物及び摺動部材が、(100〜150℃の環境下で)、1MPa以上の圧力がかかった状態で、1m/sec以上の速度で相手部材と摺動する状態のことを意味している。
本明細書中の特性、物性は以下の方法で測定したものである。
(1)平均粒子径
測定対象物(粒状物)を水またはエタノールなどの有機液体に投入し、35kHz〜40kHz程度の超音波を付与した状態にて約2分間分散処理して得た分散液を用い、かつその場合の粒状物の量は該分散液のレーザ透過率(入射光量に対する出力光量の比)が70%〜95%となる量とし、次いで該分散液について、マイクロトラック粒度分析計にかけてレーザー光の散乱により個々の粒状物の粒径(D1、D2、D3、…)、および各粒径ごとの存在個数(N1、N2、N3、…)を計測する(個々の粒状物の粒径(D)は、マイクロトラック粒度分析形によれば種々の形状の粒状物ごとに球相当径が自動的に測定される。)。視野内に存在する個々の粒子の個数(N)と各粒径(D)とから、下記式(1)にて平均粒子径を算出する。
平均粒子径=(ΣND3/ΣN)1/3 (1)
(2)繊維系充填材の平均繊維径及び繊維系充材の平均繊維長
四フッ化エチレン樹脂組成物をTGAにかけて、無機物(繊維系充填材)のみを取り出し、それを拡大顕微鏡で繊維径および繊維長を測定し(n=10)、その平均を繊維系充填材の平均繊維径及び繊維系充填材の平均繊維長とした
以下、本発明の実施例と比較例を示して本発明をより具体的に説明する。
下記の実施例及び比較例で使用した原材料は以下の通りである。
・四フッ化エチレン樹脂粉末(平均粒子径:40μm)
・ブロンズ(標準ふるい350meshを通り抜けないものが95重量%以上)
・二硫化モリブデン(平均粒子径:1.20μm)
・着色料(コバルトブルー、平均粒子径:0.55μm)
・ガラス繊維(平均繊維径:9μm、平均繊維長:200μm)
・カーボン繊維(平均繊維径:14.5μm、平均繊維長:130μm)
・耐熱性樹脂(パラヒドロキシ安息香酸、平均粒子径:15μm)
・グラファイト粉末(人造黒鉛粉末、平均粒子径:22μm)
以上の各材料を表1に示した配合割合で配合し、ヘンシェルミキサーを使用して乾式混合し原料粉末とした後、金型に入れて600kg/cmの圧力で予備成形し、これを365℃×3時間の焼結条件で焼結して成形体とした。この成形体から、以下に記した試験方法に用いる所定の形状及び寸法の試験片(すなわち、φ5.00mm×H12mmの円柱状の試験片)を作製し、下記の試験を行い、耐摩耗性、摩擦性及び相手部材の表面粗さを評価した。なお、表1の実施例1〜3、比較例1〜6において、残部は四フッ化エチレン樹脂粉末である。
[試験方法]
図8に概略を示した回転動摩耗試験機を使用し、以下の試験条件で実施した。
なお、図8中、1は可変モータ、2はおもり、3は試料、4は相手材、5は試料ホルダである。
(試験条件)
圧力:3.0MPa
速度:1m/sec
試験時間:12時間
相手材:鋳鉄(S45C)
試験温度:150℃
潤滑:なし
[評価方法]
(1)耐摩耗性
試料の摩耗深さは質量減少から、次式を用いて算出した。
摩耗深さ(μm)=(試料の質量減少(mg)×10)/(摺動部面積(cm)×試料の比重(g/cm))
一般に、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)の摩耗機構は、相手材にPTFEが移着するまでの間激しく摩耗するが(初期摩耗域)、移着が起ると、時間に比例した摩耗量を示すようになる(定常摩耗減)(図9参照)。
摩耗係数は、摩耗曲線の直線部(定常摩耗域)の摩耗深さから次式を用いて算出した。
K=(摩耗深さ(μm)×10−4)/(P×V×T)
式中、Kは摩耗係数[cm・min/MPa・m・hr]、Pは圧力[MPa]、Vは速度[m/min]、Tは試験時間[hr]
なお、摩耗係数(K)が、1.0×10−6以下であるものを合格、1.0×10−6を超えたものを不合格と、評価した。
(2)摩擦性
(a)摩擦係数
神鋼造機社製の摩擦摩耗試験機にて測定した。
(b)摩擦安定性
初期(試験開始後2時間)〜終了(試験開始から12時間)までの摩擦係数が0.25以下で推移するものを極めて良好(◎)、初期(試験開始後2時間)の摩擦係数が0.25を超え、0.4以下であり、その後、終了(試験開始から12時間)までの摩擦係数が0.25以下で安定に推移するものを良好(〇)、初期(試験開始後2時間)〜終了(試験開始から12時間)までの摩擦係数が0.25を超えることがあるものを不良(×)として評価した。
(3)相手部材の表面粗さ(R)
(株)東京精密社製表面粗さ形状測定機(サーフコム1400A)を使用し、触針法で径方向に測定した。
Figure 2005281446
本発明の実施例の四フッ化ポリエチレン樹脂組成物の摩擦係数の経時変化を示すグラフである。 比較例1の四フッ化ポリエチレン樹脂組成物の摩擦係数の経時変化を示すグラフである。 比較例2の四フッ化ポリエチレン樹脂組成物の摩擦係数の経時変化を示すグラフである。 比較例3の四フッ化ポリエチレン樹脂組成物の摩擦係数の経時変化を示すグラフである。 比較例4の四フッ化ポリエチレン樹脂組成物の摩擦係数の経時変化を示すグラフである。 比較例5の四フッ化ポリエチレン樹脂組成物の摩擦係数の経時変化を示すグラフである。 比較例6の四フッ化ポリエチレン樹脂組成物の摩擦係数の経時変化を示グラフである。 回転摺動摩耗試験機の概略を示す説明図であり、図(a)は全体の側面図、図(b)は要部の側面図である。 PTFEの一般的な摩耗挙動を示すグラフである。
符号の説明
1 可変モータ
2 おもり
3 試料
4 相手材
5 試料ホルダ

Claims (6)

  1. 四フッ化エチレン樹脂に下記(a)及び(b)が配合された四フッ化エチレン樹脂組成物。
    (a)グラファイト
    (b)カーボン繊維及び/又はガラス繊維3〜5重量%
  2. 四フッ化エチレン樹脂50〜92重量%、(a)グラファイト5〜25重量%、(b)カーボン繊維及び/又はガラス繊維3〜5重量%が配合された組成物である、請求項1記載の四フッ化エチレン樹脂組成物。
  3. 四フッ化エチレン樹脂に下記(a)及び(b)が配合された四フッ化エチレン樹脂組成物。
    (a)グラファイト
    (b)カーボン繊維3〜5重量%
  4. 四フッ化エチレン樹脂50〜92重量%、(a)グラファイト5〜25重量%、(b)カーボン繊維3〜5重量%が配合された組成物である、請求項3記載の四フッ化エチレン樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の四フッ化エチレン樹脂組成物からなる摺動部材。
  6. 無潤滑下で使用される請求項5記載の摺動部材。
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