JPH02245085A - 摺動部品材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 イ、産業上の利用分野 本発明は、摺動部品材料に関し、例えば、油圧装置やコ
ンプレッサの摺動部品に使用して好適な摺動部品材料に
関する。

口、従来技術 自動車のオートマチイックトランスミッションは、油圧
クラッチ部や軸受部に作動油を供給する油圧回路部を有
し、この油圧回路部は回転軸部を主要部としている。油
圧回路部のハウジングの材料としては、軽量化のために
アルミニウム合金が使用され、特にダイカスト用アルミ
ニウム合金ＡＤＣＩＯ又はＡＤＣ１２が多用されている
。コンプレッサにあっても、往復動するピストン或いは
シリンダには軽量化のために上記アルミニウム合金ＡＤ
ＣＩＯやＡＤＣ１２が多用されるようになってきている
。これら油圧回路部やコンプレッサ用の円環状シール部
品（ヒストンリングやシールリング）としては、アルミ
ニウム合金との摺動特性が良いことから、鋳鉄製のもの
が用いられていた。ところが、鋳鉄性シールリングでは
、ピストンリングと同様に合い口を存するので、油圧回
路部にあっては、長時間使用する、或いは高温になると
、作動はその粘性が低下して合い口を通り易くなり、コ
ンプレッサにあっては、圧縮空気が合い口を通るように
なり、いずれもシール性が悪くなる。また、鋳鉄は剛性
が高いので相手アルミニウム合金の変形に追従できず、
隙間が生してシール性が低下するようになる。この対策
として、油圧、空気圧によって容易に相手アルミニウム
合金に追従する四弗化エチレン樹脂（Ｐ　Ｔ　ＦＥ　）
を基材とした摺動部品が使用されるようになってきてい
る。然し、ＰＴＦＥの円環状シール部品でも、合い口が
あるように設計されたシール部品はシール性が充分には
満足されず、合い口を有しないエンドレスタイプのシー
ル部品の開発が望まれている。

エンドレスタイプの摺動部品の材料としては、回転軸又
はピストンのリング？Ｉ１１に嵌太さ・口るため、２０
０％以上の伸び率を示すことが要求される。ＰＴＦＥか
らなる材料は、−ＪｉｌＱには４００％もの伸び率を示
すのであるが、自己の摩耗、相手アルミニウム合金の摩
耗が共に大きく、短時間の使用でシール性が甚だしく劣
化してしまう。そこで、充填材としてガラス繊維や炭素
繊維等を含有させて上記の問題を解決する試みがなされ
ているが、ガラス繊維の添加は比較的軟質の相手アルミ
ニウム合金を傷付り、炭素繊維の添加では自己の摩耗が
充分には少なくならない。

自己の摩耗、相手アルミニウム合金の摩耗を少なくする
ために、前記の充填材に加えて、二硫化モリブデン、二
硫化タングステン、黒鉛等の粉末を潤滑用充填材として
配合することが考えられるが、これら粉末は、摺動によ
って脱落し、油圧機器にあっては作動油を、コンブレラ
ザクこあっては潤滑油を汚染して性能低下をきたしたり
、オイル交換時期の基準を狂わゼるなどの不都合があっ
て、安易に充填材を選択することができない。

ハ３発明の目的 本発明は、アルミニウム合金を相手として摺動しても、
自己の摩耗、相手摺動部材の摩耗が共に少なく　（摺動
相関性が良好で）、がっ、作動油や潤滑油を汚染するこ
とのない摺動部品材料を１２供することを目的としてい
る。

二０発明の構成 本発明は、四弗化エチレン樹脂を主成分とし、充填材と
して３〜３０重量％の弗化カルシウム粉末と３〜３０重
量％の炭素繊維とを含有する摺動部品材料に係る。

ホ１発明の作用効果 摺動部品材イ′、［の主成分には、前述した相手摺動部
材に対して追従性が良好で、かつ、充分な伸び率を示し
て取付は部品への組付けが容易なＰＴＦＥを用い、これ
に含有させる充填材としては、弗化カルシウム粉末と炭
素繊維とを用いる。

弗化カルシウムは白色を呈していて作動油や潤滑油を汚
染することがなく、かつ、他の充填材としての炭素繊維
と共存して摺動相関性を改滲する。

弗化カルシラＪ、粉末は、２００メソシユ篩下のものが
好適であり、それ以上の粒度になると、アルミニウム合
金の相手摺動部材を傷イ」げて摩耗させるようになる。

また、粒径が５μｍ以下の粒子のみからなっていると、
耐摩耗性改善の効果が顕著ではなくなる上に、伸び率が
低下するようになる。

平均粒径としては１０〜４０μｍであることが特に好適
である。その含有量は、３重量％（以下、重量％を単に
「％」で表わす。）未満では摺動相関性が充分には改善
されず、相手のアルミニウム合金摺動部材を摩耗させ、
自己の摩耗も軽減されない。

また、３０％を越えると、伸び率が低下して前述２００
％を割るようになり、取付は部品への組付けが困難にな
る。従って、弗化カルシウム粉末の含有量は３〜３０％
の範囲内とする。

炭素繊維は、機械的強度を増大させ、これによって耐摩
耗性を改善すると共に、外力によって容易に変形するこ
とがなくて取付は部品への組付けを容易にする。そのほ
か、潤滑作用をも有している。炭素繊維は、平均径５〜
１５μｍ、長さ１５０μｍ以下のものが好適である。そ
の含有量は、３％未満では機械的強度改善の効果が顕著
ではなく、３０％を越えると成形性が悪くなって成形が
困難になる。従って、炭素繊維含有量は３〜３０％の範
囲内とする。

以上のような主成分及び充填材含有により、アルミニウ
ム合金を相手摺動部材としても、摺動相関性に優れて耐
久性が改善され、組付けも容易であり、かつ、作動油や
潤滑油を汚染することがなくなる。

へ、実施例 以下、本発明の詳細な説明する。

平均粒径７μｍの弗化カルシウム粉末２〜４０％、平均
径１５μｍ、長さ５０〜１５０μｍの炭素繊維２〜４０
％、残部が平均粒径４０μ川のＰＴＦＥ粉末になるよう
に配合し、混合し、この混合粉を、圧縮成形が容易にな
るよう、粒子の短径的１　ｍｍ、長径約１．５ｍｍの造
粒粉とした。この造粒粉を、成形圧力１００ｋｇ／ａＭ
、圧縮時間１０秒の条件で円筒形試験片に成形し、その
後電気炉中で３９０“Ｃ１１５時間の加熱で焼成し、仕
」二げ加工を施して端面の表面＃：ｔｌさを６Ｓとした
。試験片の寸法は、外径４０ｍｍ、内径８ｍｍ、高さ１
５ｍｍである。また、」二記と同し成形条件で２号引張
り試験片を成形し、引張り試験に供した。

第４図は摩耗試験の要部を示す断面図である。

容器９の底にメカニカルシール１０を介して円板ボルダ
６が回転可能に設置され、円板ホルダ６には円筒試験片
４のイ■手摺動試験片であるＡＤＣ１２の円板５が固定
される。円板５には中央に貫通？Ｌ５ａを設しりであり
、硬さがＨＲＢ６７であって、その表面は５Ｒ□、に仕
上げである。円板５上に前記の円筒試験片４が同心に載
置され、円筒試験片４は、ブツシャ７に固定されていて
、ブツシャ７によって円板５に押伺けられるようにしで
ある。

容器９内にはタービン油８が入れてあって、円筒試験片
４及び円板５はタービン油８中に浸漬され、円板ボルダ
６の回転によって円筒試験片４と円板５とが互いに摺動
するようになっている。

図示しない駆動装置によって円板ボルダ６を回転させて
おいて、図示しない駆動装置によってブツシャ７で円筒
試験片４を回転している円板５に押付け、円筒試験片４
と円板５とを互いに摺動させる。所定時間摺動させた後
、円筒試験片４及び円板５を取外し、摩耗量を測定する
。摩耗量は、円筒試験片４は高さ寸法の減少で、円板５
は摺動によって生じた円環状摩耗痕の深さで表わす。試
験条件は次の通りである。

押付は荷重　　　　　　　：ＩＯｋｇｆ円筒試験片の外
周での周速：　４　ｍ／ｓｅｃ摺動時間　　　　　　　
　：５時間 炭素繊維含有量を１０％とした試験片についての試験結
果を第２図に、弗化カルシウム粉末含有量を１０％とし
た試験片についての試験結果を第３図に示す。

第２図から、弗化カルシウム粉末の含有量が３％未満で
は円筒試験片、円板の摩耗量が共に甚だしく大きく、こ
れが３０％を越えると引張強さ、伸び率が明らかに低下
し、円板の摩耗量が増大することが解る。また、第３図
から、炭素繊維含有量が３％未満では引張強さが低く、
円筒試験片、円板共に摩耗量が甚だしく大きいごとが解
る。炭素繊維含有量が３０％を越えると、引張強さ、伸
び率（特に伸び率）が甚だしく低下している。これば、
成形性が悪くなることによって発生する欠陥に起因する
ものと考えられる。

第１図は、弗化カルシウム粉末１０％、炭素繊維１０％
の配合の円筒試験片の組織を示す倍率４００倍の光学顕
微鏡写真である。ＰＴＦＥの素地１中に弗化カルシウム
粒子２と炭素繊維３とが均一に分散していることが観察
される。

比較のために、ＰＴＦＥに充填材としてガラス繊維を２
０％含有させたもの（比較例１）、炭素繊維のみ２０％
含有させたもの（比較例２）、及び炭素繊維１０％と黒
鉛粉末１０％とを含有させたちの（比較例３）について
、前記と同様の試験を行った。その結果は、第５図及び
下記表に前記試験結果の一部と併記して示す通りである
。

表 比較例１．２は、引張強さ、伸び率は共に大きいが、自
己の摩耗、相手円板の摩耗が共に大きい。

比較例３では、自己の摩耗、相手円板の摩耗は共に小さ
いが、摺動によって黒鉛粉末が脱落し、り−ビン油が汚
染され、また伸び率が低い。

第４図のＡＤＣ］２の円板５を、機械構造用炭素鋼３１
５Ｃ（硬さ　ＨＲＩ３７９）の円板とし、その他は前記
の例におりると同し条（’Ｉで摩耗試験を行った。

その結果は第６図に示す通りであり、第５図と略同様の
傾向を示した。従って、本発明に基＜１９１動部品材料
は、アルミニウム合金、軟鋼の双方に対して極めて良好
な摺動相関性を有することが理解できる。なお、比較例
３では、前記の例におけると同様に、摺動によって黒鉛
粉末が脱落してタービン油が汚染された。

次に、シール性試験について説明する。

前記の配合で、外径５０ｍｍ、幅２．２＋ｎｍ、厚さ２
．２ｍｍのエンドレスタイプのシールリングを成形し、
試験に供した。

第７図はシール性試験装置の要部断面図である。

図中、１２は構造用炭素鋼３４５Ｃ製の回転軸で、壁面
を表面ｉ■さ６Ｓに旋削仕上げされたリング）１４１２
ａ、１２ｂが設けられ、リング満１２ａ、１２ｂ間には
オイル通過のための円弧状環状溝１２ｃが設けられてい
る。リング溝１２ａ、１２ｂにシールリング１３．１４
を装着し、これらを、ダイカスト用アルミニウム合金Ａ
ＤＣ］２がらなり、表面粗さ６Ｓに仕上げられた内径５
０ｍｍのシリンダ１１内に嵌入させた。シールリング１
３．１４は、適度の剛性を有していて、上記組付Ｇノは
容易になされた。シリンダ１１には、回転軸１２の環４
ノｓ溝１２ｃに対向して、オイル導入口１１ａとオイル
吐出口１１ｂとが対称に１８０度の位置に設けられてい
る。以上の部品による構成部分１０は、オートマチイッ
クトランスミッションの油圧回路部と同様の構造である
。

回転軸１２を６００Ｏｒｐｍの回転数で回転させ、流動
点−４０℃、粘度係数１５０のオートマチイックトラン
スミッション スにて１２０℃に加熱し、このオイル１５を図示しない
オイルポンプによってｌＯｋｇ／ｃ＋ｔの油圧でオイル
導入口１１ａからシリンダ１１内のシールリング１３、
１４間の空間へ導入し、オイル吐出口１１ｂから吐出さ
せた。この運転を５０時間連続しく１１） て行い、漏れたオイルを漏斗１６を経由してメスシリン
ダ１７に捕集させ、オイル漏れを経時的に測定した。

第８図はオイル漏れ測定結果の一例を経時的に示すグラ
フである。

炭素繊維のみを２０％含有させた比較例２では、シール
リング、シリンダが共に運転初期から摩耗が進行し、オ
イル漏れが運転時間の経過と共に著しく増大している。

摩耗試験で比較例のうち最も良好な結果を示した比較例
３（炭素繊維１０％、黒鉛粉末１０％含有）では、オイ
ル漏れは小さがったが、黒鉛粉末が脱落してオイルに混
り、ごれによってオイルが汚染された。これらに対して
、実施例のシールリング（弗化カルシウム粉末１０％、
炭素繊維１０％含有）では、長時間の運転でオイル漏れ
が小さく、オイルの汚染も認められながった。

以」二説明したように、本発明に基く摺動部品材料は、
優れた耐摩耗性を有する上に、アルミニウム合金や鋼と
組合せて摺動させて極めて良好な摺動相関性を示すので
、油圧機器の摺動部品のほが、コンプレッサ、減圧機器
、メカニカルシール等の種々の摺動部品に適用して優れ
た耐久性を示す。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本発明の実施例を示すものであって・ 第１図は円筒試験片の組織を示す顕微鏡写真、第２図及
び第３図は摩耗試験結果を示すグラフ、第４図は摩耗試
験装置の要部断面図、 第５図及び第６図は比較例と併記して摩耗試験結果を示
すグラフ、 第７図はシール性試験装置の要部断面図、第８図はシー
ル性試験結果を示すグラフである。 なお、図面に示された符号において、 １・・・・・・・・・四弗化エヂレン樹脂の素地２・・
・・・・・・・弗化カルシウム粒子３・・・・・・・・
・炭素繊維 ４・・・・・・・・・円筒試験片 ５・・・・・・・・・円４１ｉ　（相手摺動部材）７・
・・・・・・・・ブツシャ （Ｉ３） （Ｉ４） ８・・・・・・・・・タービン油 １１・・・・・・・・・シリンダ １１ａ・・・・・・・・・オイル導入口１１ｂ・・・・
・・・・・オイル吐出口１２・・・・・・・・・回転軸 １３．１４・・・・・・・・・シールリング１５・・・
・・・・・・オイル １７・・・・・・・・・メスシリンダ である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、四弗化エチレン樹脂を主成分とし、充填材として３
   〜３０重量％の弗化カルシウム粉末と３〜３０重量％の
   炭素繊維とを含有する摺動部品材料。