JP4127336B2 - エアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造および取付方法 - Google Patents

エアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造および取付方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車のフロントピラー部に取り付けられるピラーガーニッシュに関し、特にはエアバッグを内蔵するピラーガーニッシュの取付構造および取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の側面衝突時にも乗員を保護するために、図8および9に示すように、車体のピラー部に取り付けられるピラーガーニッシュ80の裏側にもエアバッグAが収容されるようになった。その場合、側面衝突によってエアバッグAが膨張し、その膨張により、ピラーガーニッシュ80が車室内側へ押し曲げられて車体ピラー部95とピラーガーニッシュ80間にエアバッグA通過用の隙間を形成し、その隙間を通ってエアバッグAが乗員頭部TとウインドガラスG間に、鎖線Boのように展開し、乗員頭部Tを保護する。
【0003】
ところで、前記エアバッグ内蔵ピラーガーニッシュ80にあっては、エアバッグA膨張時にピラーガーニッシュ80が車体ピラー部95から外れて飛散しないようにする必要がある。そのため、前記ピラーガーニッシュ80の幅方向中間部をボルト等の棒状固定金具で車体ピラー部95に確実に係止する構造が提案されている。
【0004】
さらに、前記棒状固定金具の頭部がピラーガーニッシュの意匠面、すなわち車室内側の表面に露出して美観を損なわないようにするため、図10に示すように、ピラーガーニッシュ80の裏側に突出する固定用座部81を形成し、該座部81に棒状固定金具85一端の頭部86を埋設して固定することが考えられている。図において、符号Fはフロントガラス、Cはエンジンルームからの配線、101はオープニングトリム、102はグラスランチャンネル、103はボディフレームを示す。
【0005】
前記ピラーガーニッシュ80は、前記固定用座部81を有するピラーガーニッシュ外れ防止用取付部と、クリップ等からなる保持用取付部(図示せず)により車体ピラー部95に取り付けられる。車体ピラー部95のインナーパネル91には、図11に示すような係止孔96と、前記保持用クリップ孔(図示せず)が、それぞれピラーガーニッシュ80の外れ防止用取付部と、保持用取付部の位置に対応して形成されている。前記係止孔96は、ピラーガーニッシュ80の長手方向に沿う所定長の長孔からなり、前記棒状固定金具85の係止部88が挿通可能な大径の孔97を下端に有し、その上方に係止部88の径より小さく、かつ軸部87が挿通可能な大きさの軸部挿通路98が伸びている。そして、ピラーガーニッシュ80の取付時、まず、前記係止孔96の大径の孔97に前記棒状固定金具85の係止部88を挿通し、前記軸部挿通路98の上端99に軸部87が衝突するまで、ピラーガーニッシュ80を車体ピラー部95に沿って上方へスライドさせる。これによって、ピラーガーニッシュ80の前記保持用クリップがインナーパネル91のクリップ孔位置上に移動する。次いで、その位置でピラーガーニッシュ80をインナーパネル91側へ強く押して保持用クリップをクリップ孔に挿入係合させれば、ピラーガーニッシュ80の取付が完了する。
【0006】
しかしながら、通常、この種ピラーガーニッシュの取付は、まずピラーガーニッシュの下端をインストルメントパネルPに形成された溝に挿入固定した後に、中間部の前記外れ防止用取付部および保持用取付部をそれぞれ係合させて取り付けるものであるため、すでにピラーガーニッシュの前方の下端が固定されている状態のピラーガーニッシュを、長手方向にスライドさせて前記外れ防止用取付部を係合させることは容易ではなく、ピラーガーニッシュ取付の作業性がよくない問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたもので、ピラーガーニッシュの外観が良好で、しかも簡単な構造で、かつエアバッグの膨張展開時にピラーガーニッシュの外れや破壊等を生じにくいエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、ピラーガーニッシュに取り付けられた棒状固定金具の先端側を車体ピラー部の長孔形状の係止孔に挿入係止し、前記ピラーガーニッシュ裏側に収容されているエアバッグの膨張時に、前記棒状固定金具と係止孔との係合によりピラーガーニッシュの外れを防止するエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造において、前記ピラーガーニッシュの裏側には、前記ピラーガーニッシュの下方側から順にエアバッグ膨張時のピラーガーニッシュ外れ防止用取付部と平常時の保持用取付部を交互に設け、前記外れ防止用取付部には前記ピラーガーニッシュの裏面に突出形成された座部を有し、前記座部内に前記棒状固定金具の頭部が埋設固定され、長さaと幅bが前記係止孔の長径Aと短径Bに対してB<a≦A、b≦Bの関係にある長形の第1フランジ部と、前記係止孔より大形の第2フランジ部とを対向させて有する係止部材を、前記第1フランジ部が棒状固定金具先端側、第2フランジ部がピラーガニッシュ裏側を向くように該棒状固定金具の軸部外周に設け、前記係止部材の第1フランジ部と第2フランジ部間に係止孔を位置させて第1フランジ部を係止孔に対し交差させて係止し、前記保持用取付部はピラーガーニッシュの裏面に形成されたクリップ用座部に外側へ膨らむように屈曲した係止片を有するクリップが固着され、該クリップを車体ピラー部のインナーパネルに形成されたクリップ孔に挿入して係合し、エアバッグAの膨張によるピラーガーニッシュの押し上げ時に、クリップがクリップ孔から外れるようにしたことを特徴とするエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造に係る。
【0009】
また、請求項2の発明は、第1フランジ部が筒部の外周に形成され、該筒部の外径cと前記第1フランジ部における長径方向に沿う基部の厚みdと、係止孔の短径Bとの関係が、B<c+2dであることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造に係る。
【0010】
請求項3の発明は、ピラーガーニッシュに取り付けられた棒状固定金具の先端側を車体ピラー部の長孔形状の係止孔に挿入係止し、前記ピラーガーニッシュ裏側に収容されているエアバッグの膨張時に、前記棒状固定金具と係止孔との係合によりピラーガーニッシュの外れを防止するエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付方法において、前記ピラーガーニッシュの裏側には、前記ピラーガーニッシュの下方側から順にエアバッグ膨張時のピラーガーニッシュ外れ防止用取付部と平常時の保持用取付部を交互に設け、前記外れ防止用取付部には前記ピラーガーニッシュの裏面に突出形成された座部を有し、前記座部内に前記棒状固定金具の頭部が埋設固定され、長さaと幅bが前記係止孔の長径Aと短径Bに対してB<a≦A、b≦Bの関係にある長形の第1フランジ部と、前記係止孔より大形の第2フランジ部とを対向させて有する係止部材を、前記第1フランジ部が棒状固定金具先端側、第2フランジ部がピラーガニッシュ裏側を向くように該棒状固定金具の軸部外周に設け、前記棒状固定金具の係止孔への挿入時に係止部材の第1フランジ部をその長径が係止孔の長径と平行となるようにして係止孔に挿入することにより、前記第1フランジ部と第2フランジ部間に係止孔を位置させ、次いで、前記係止部材を回転させて第1フランジ部を係止孔に対し交差させ係止し、一方、前記平常時の保持用取付部については、ピラーガーニッシュの裏面に形成されたクリップ用座部に外側へ膨らむように屈曲した係止片を有するクリップが固着され、該クリップを車体ピラー部のインナーパネルに形成されたクリップ孔に挿入して係合し、エアバッグAの膨張によるピラーガーニッシュの押し上げ時に、クリップがクリップ孔から外れるようにしたことを特徴とするエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付方法に係る。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1はこの発明の取付構造の一実施例によってピラーガーニッシュが取り付けられた車室内を示す概略図、図2は図1の2−2断面図、図3は図1の3−3断面図、図4はピラーガーニッシュの取り付け時を示す部分斜視図、図5は同じくピラーガーニッシュの取り付け時を示す部分斜視図、図6はエアバッグ膨張時におけるピラーガーニッシュの断面図、図7は係止部材の他の例を示す斜視図である。
【0012】
図1及びその2−2断面を示す図2、3−3断面を示す図3のように、この発明におけるピラーガーニッシュ10は、裏面側にエアバッグAが折り畳まれた状態で自動車のインストルメントパネルP上方に位置する車体ピラー部20のインナーパネル21に取り付けられ、ピラー部20の車室内側を覆う。そして自動車衝突時にはインストルメントパネルP付近に設置されているインフレータIの作動によりガスがエアバッグA内に圧入され、インストルメントパネルP側(ピラーガーニッシュ10下方側)から順次エアバッグAが膨張して、ピラーガーニッシュ10の車両後方側11(すなわちサイドガラスG側)の側縁12を車室内側へ押し曲げ、その押し曲げられたピラーガーニッシュ10の側縁12と車体ピラー部20のインナーパネル21との隙間からエアバッグAがサイドガラスG内側で展開して乗員の主として頭部を保護するようになっている。
【0013】
前記ピラーガーニッシュ10は、射出成形によって成形されたもので、車室内側へ膨らむ湾曲形状の横断面形状をした所要長さの合成樹脂製カバー体からなり、車両前後方向と対応する幅方向の略中央位置13を境として車両後方側11(サイドガラスG側)の裏面がエアバッグAを収容する部分とされ、車両前方側14(すなわちフロントガラスF側)の裏面がエンジンルームからの電源コードC等を収容する部分になっている。符号22は、オープニングトリム、23はグラスランチャンネル、24はボディフレームである。
【0014】
前記ピラーガーニッシュ10を構成する樹脂は適宜の樹脂、好ましくはTPO樹脂(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー)とされる。しかし、該ピラーガーニッシュ10は、通常50cm以上の長尺の部品とされるため、夏期の高い車室内温度等による熱膨張で寸法変化が生じ易く、しかも高温下では樹脂の軟化によってピラー部への取付部付近の強度が低下し易い性質がある。また、自動車の使用場所や季節を考慮すると、低温(−35℃)から高温(90℃)の範囲においてエアバッグ膨張時にピラーガーニッシュの破壊や飛散が生じにくいようにする必要があり、さらには、車体ピラー部への取付作業性の点から樹脂を適宜の硬さ(柔らかさ)とする必要がある。かかる点から、ピラーガーニッシュを構成する樹脂としては、アイゾッド衝撃強度(−35℃、JIS K 7110)が20kg・cm/cmより大、曲げ弾性率(JIS K 7203)が4,500kg/cmより大、耐熱変形温度(4.6kg荷重、JIS K 7207)が90℃より大、線膨張係数(−35℃〜90℃、ASTM D 696)が10℃・cm/cmより小のTPOが特に好ましい。
【0015】
この例のピラーガーニッシュ10は、下端がインストルメントパネルPに形成された孔(図示せず)に挿入固定され、中間部がピラーガーニッシュ10の長手方向に沿う4箇所の取付部15,15,16,16で車体ピラー部20のインナーパネル21に取り付けられる。この例の中間取付部15,15,16,16は、エアバッグA膨張時のピラーガーニッシュ外れ防止用取付部15と、平常時の保持用取付部16とよりなり、ピラーガーニッシュ10の下方側から順に外れ防止用取付部15と保持用取付部16が交互に位置する。
【0016】
外れ防止用取付部15は、図2に示すように、ピラーガーニッシュ10の裏面に突出形成された座部17を有し、その座部17内に棒状固定金具30の頭部31が埋設固定されている。座部17は側面17aと底面17bを有するもので、その側面17aと底面17bで包囲された部分に棒状固定金具30の頭部31が埋設される。
【0017】
前記棒状固定金具30は、軸部32の一端を大径の頭部31とし、該軸部32の他端側に係止部33を設けたものからなる。なお、棒状固定金具30は、この例に限るものではなく、ボルトとナットからなるものでボルトの頭部が棒状固定金具30の頭部31を構成し、ナットが係止部33を構成したものとしてもよい。その場合、前記係止部33としてのナットはボルトに螺合され、頭部31との間隔を所定距離として溶接などで位置がずれないように固着されるのが好ましい。
【0018】
また、この実施例において、前記棒状固定金具30の頭部31を予め射出成形等によって合成樹脂の被覆部材40で覆ったのは、次の理由による。すなわち、前記座部17に棒状固定金具30の頭部31をインサート成形してピラーガーニッシュ10を射出成形する際に、棒状固定金具30上に形成された駄肉部が一般部に比べ収縮が大きいことよって、成形後のピラーガーニッシュ10の表面に見苦しいヒケ等を生じ易くなるのを防ぐためと、ピラーガーニッシュ10の押し曲げ時に座部17の基部18で亀裂を生じるのを防止するためである。その目的を実現する被覆部材40の材質は、ピラーガーニッシュ10の樹脂に対して相溶性を有し、融着するものが好ましい。例えばピラーガーニッシュ10をTPOとする場合、被覆部材40も同種類の樹脂、すなわちTPOとするのが好ましい。
【0019】
さらに、本発明のピラーガーニッシュの取付構造にあっては、図からも解るように、棒状固定金具30の頭部31と係止部33間の軸部32外周に、車体ピラー部20のインナーパネル21に係止する係止部材50が設けられ、該係止部材50が前記係止孔25に係止している。係止部材50は、適宜の樹脂からなる筒状のもので、特にエアバッグA展開時に割れたり、破断することがないようエラストマー材からなるものが好適である。より好ましくは、引っ張り伸び値が300%以上のTPO樹脂などが挙げられる。
【0020】
係止部材50は、図4および図5に示すように、長さaと幅bが前記係止孔25の長径Aと短径Bに対してB<a≦A、b≦Bの関係にある長形の第1フランジ部51と、前記係止孔25より大形の第2フランジ部55とを対向させて筒部52の両端外周に有するもので、前記第1フランジ部51が棒状固定金具30先端側、第2フランジ部55がピラーガニッシュ10裏側を向くようにして該棒状固定金具30の軸部32外周に筒部52が被さるように設けられる。なお、この係止部材50は、棒状固定金具30をインサートとして射出成形したものでも、あるいは図7に示すように、後作業によってボルト等からなる棒状固定金具30の軸部32外周にはめたものでもよい。後者の場合、修理のときに係止部材50のみを交換すればよく、経済的である。また、後で棒状固定金具30の軸部32にはめる場合には筒部52の内径は棒状固定金具30の軸部32の外径と同じあるいはわずかに小として、強引に軸部32外周にはめるようにしたり、螺合させるのが好ましい。なお、いずれの場合にも、前記棒状固定金具30先端の係止部33の外径は、係止孔25の短径(幅)以下の寸法とされる。
【0021】
前記棒状固定金具30に設けられた係止部材50は、後に詳述するピラーガーニッシュ10の取付に際し、あらかじめ第1フランジ部51の長さ方向が係止孔25の長径方向と平行となるようにされ、棒状固定金具30先端の係止部33に続いて第1フランジ部51が係止孔25に挿入されて第1フランジ部51と第2フランジ部55間にインナーパネル21の係止孔25が位置するようにされる。その後、係止部材50が棒状固定金具30の軸部32外周で略90°回転させられることにより、第1フランジ部51が係止孔25に対し交差して係止する。
【0022】
前記係止部材50が棒状固定金具30の軸部32外周にインサート射出成形されたもの、あるいは係止部材50の筒部52の内径を棒状固定金具30の軸部32の外径と同じまたはわずかに小としたものにあっては、係止部材50を回転させて係止孔25に係止する際には強引にスパナ等の工具によって強引に係止部材50を回せばよく、また、係止後は、筒部52と棒状固定金具30の軸部32間の摩擦力によって係止部材50の自由回転が阻止される。さらには、棒状固定金具30の軸部32の側面と筒部52の内面間に、前記第1フランジ部51による係止時に互いに係合する凹凸等を設ければ、通常時の振動等で該係止部材50が回転してしまうことを回避でき、より好ましい。
【0023】
前記のようにして棒状固定金具30を介して固定された外れ防止用取付部15では、前記第2フランジ部55と第1フランジ部51間に係止孔25が位置するため、平常時にピラーガーニッシュ10のガタツキを防ぐことができ、また、エアバッグ膨張時に第1フランジ部51が係止孔25の周縁に係止してピラーガーニッシュ10の外れを防ぐ。
【0024】
さらに、前記係止部材50は、図4ないし6に示すように、筒部52の外径cと前記第1フランジ部51における長径方向に沿う基部53の厚みdと、前記係止孔25の短径Bとの関係が、B<c+2dであるのが好ましい。このような関係とすれば、車体ピラー部20に固定されたピラーガーニッシュ10がエアバッグAの膨張時に、前記第1フランジ部51が係止孔25の周縁に引っ掛かって、係止孔25から抜けるのが確実に回避され、ピラーガーニッシュ10が飛散するのを防ぐことができる。
【0025】
他方、平常時の保持用取付部16は、図3に示すように、ピラーガーニッシュ10裏面に形成されたクリップ用座部61に公知の金属製または樹脂製のクリップ60が固着され、車体ピラー部20のインナーパネル21に形成されたクリップ孔29にクリップ60が挿入されて係合するようになっている。この例のクリップ60は、外側へ膨らむように屈曲した係止片60aを有し、ピラーガーニッシュ10の車体ピラー部20への取り付けによって、ガタツキなくピラーガーニッシュ10を車体ピラー部20に固定し、エアバッグAの膨張によるピラーガーニッシュ10の押し上げ時に、クリップ60がインナーパネル21のクリップ孔29から外れるようになっている。また、このクリップ用座部61は、薄肉のリブ状からなり、ピラーガーニッシュ10の意匠面にヒケを生じないようになっている。
【0026】
ピラーガーニッシュ10の取付方法の一例について、図4および図5を用いて説明する。
まず、棒状固定金具30の係止部材50の第1フランジ部51の長径が、前記車体ピラー部20の係止孔25の長径と平行となるように合わせ、第1フランジ部51と第2フランジ55部間に係止孔25が位置するよう、前記棒状固定金具30の係止部33および第1フランジ部51を係止孔25に挿入する。次いで、第1フランジ部51の長径が係止孔25の長径に対して交差するように前記係止部材50を略90°回転させて係止させる。
【0027】
なお、前記係止部材50を回転させる方法としては、第2フランジ部55をこの例のような四角形あるいは多角形にしておき、そのフランジ部55の外周面に適宜の工具をはめて回転させたり、取付の際にピラーガーニッシュ10を車室内側から強く押すことによって係止部材50が自動的に回転するような機構をもたせてもよい。
【0028】
このとき、前記平常時の保持用取付部16においては、クリップ60がインナーパネル21のクリップ孔29上に位置しており、ピラーガーニッシュ10をインナーパネル21側へ強く押してクリップ60をクリップ孔29へ挿入係合させれば、ピラーガーニッシュ10の取付が完了する。
【0029】
前記のようにして車体ピラー部20に取り付けられたピラーガーニッシュ10は、平常時には、係止部材50の第1フランジ部51と第2フランジ部55間でインナーパネル21の係止孔25と係合してピラーガーニッシュ10がガタツキなく保持される。それに対してエアバッグA膨張時には、図6に示すように、エアバッグAの膨張によってピラーガーニッシュ10が大きな力で車室内方向へ押され、それと同時に前記棒状固定金具30も係止部材50とともに車室内方向へ引っ張られる。それによって、前記係止部材50は、第1フランジ部が係止孔25を強引に屈曲して通過しようとするが、係止孔25の周縁に該第1フランジ部51の縁51aが引っ掛かることにより、ピラーガーニッシュ10が車体ピラー部20から外れるのが防止され、またピラーガーニッシュ10の後部側が車室内側へ押し曲げられて、その押し曲げによって生じた車体ピラー部20との隙間からエアバッグAが車室内に展開する。
【0030】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造によれば、エアバッグ膨張時におけるピラーガーニッシュの外れを防止することができるとともに、平常時においても外観よく、かつガタツキなく保持することができる。さらに、車体ピラー部のインナーパネルに従来のようなひょうたん型の開口からなる係止部を形成する必要がなくなるとともに、棒状固定金具は汎用のものを用いることができ、わざわざ専用のものを作製しなくてもよいため、特にコストアップにつながることがなく、経済性に優れる効果がある。
【0031】
また、この発明のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付方法によれば、前記車体ピラー部に対してピラーガーニッシュをスライドさせることなく取り付けることができるものであるため、取付作業が非常に簡単で、極めて作業性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の取付構造の一実施例によってピラーガーニッシュが取り付けられた車室内を示す概略図である。
【図2】 図1の2−2断面図である。
【図3】 図1の3−3断面図である。
【図4】 ピラーガーニッシュの取り付け時を示す部分斜視図である。
【図5】 同じくピラーガーニッシュの取り付け時を示す部分斜視図である。
【図6】 エアバッグ膨張時におけるピラーガーニッシュの断面図である。
【図7】 係止部材の他の例を示す斜視図である。
【図8】 従来のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュが取り付けられた車室内の概略図である。
【図9】 エアバッグの膨張時を示す概略図である。
【図10】 図9の10−10断面図である。
【図11】 従来のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付時を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
10 ピラーガーニッシュ
15 外れ防止用取付部
16 保持用取付部
20 車体ピラー部
25 係止孔
30 棒状固定金具
40 被覆部材
50 係止部材
51 第1フランジ部
52 筒部
55 第2フランジ部
A エアバッグ

Claims (3)

  1. ピラーガーニッシュに取り付けられた棒状固定金具の先端側を車体ピラー部の長孔形状の係止孔に挿入係止し、前記ピラーガーニッシュ裏側に収容されているエアバッグの膨張時に、前記棒状固定金具と係止孔との係合によりピラーガーニッシュの外れを防止するエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造において、
    前記ピラーガーニッシュ(10)の裏側には、前記ピラーガーニッシュの下方側から順にエアバッグ膨張時のピラーガーニッシュ外れ防止用取付部(15)と平常時の保持用取付部(16)を交互に設け、
    前記外れ防止用取付部(15)には前記ピラーガーニッシュ(10)の裏面に突出形成された座部(17)を有し、前記座部(17)内に前記棒状固定金具(30)の頭部(31)が埋設固定され、
    長さaと幅bが前記係止孔(25)の長径Aと短径Bに対してB<a≦A、b≦Bの関係にある長形の第1フランジ部(51)と、前記係止孔(25)より大形の第2フランジ部(55)とを対向させて有する係止部材(50)を、前記第1フランジ部(51)が棒状固定金具(30)先端側、第2フランジ部(55)がピラーガニッシュ(10)裏側を向くように該棒状固定金具(30)の軸部(32)外周に設け、
    前記係止部材(50)の第1フランジ部(51)と第2フランジ部(55)間に係止孔(25)を位置させて第1フランジ部(51)を係止孔(25)に対し交差させて係止し
    前記保持用取付部(16)はピラーガーニッシュ(10)の裏面に形成されたクリップ用座部(61)に外側へ膨らむように屈曲した係止片(60a)を有するクリップ(60)が固着され、該クリップ(60)を車体ピラー部(20)のインナーパネル(21)に形成されたクリップ孔(29)に挿入して係合し、エアバッグAの膨張によるピラーガーニッシュ(10)の押し上げ時に、クリップ(60)がクリップ孔(29)から外れるようにしたことを特徴とするエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造。
  2. 第1フランジ部(51)が筒部(52)の外周に形成され、該筒部(52)の外径cと前記第1フランジ部(51)における長径方向に沿う基部(53)の厚みdと、係止孔(25)の短径Bとの関係が、B<c+2dであることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造。
  3. ピラーガーニッシュに取り付けられた棒状固定金具の先端側を車体ピラー部の長孔形状の係止孔に挿入係止し、前記ピラーガーニッシュ裏側に収容されているエアバッグの膨張時に、前記棒状固定金具と係止孔との係合によりピラーガーニッシュの外れを防止するエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付方法において、
    前記ピラーガーニッシュ(10)の裏側には、前記ピラーガーニッシュの下方側から順にエアバッグ膨張時のピラーガーニッシュ外れ防止用取付部(15)と平常時の保持用取付部(16)を交互に設け、
    前記外れ防止用取付部(15)には前記ピラーガーニッシュ(10)の裏面に突出形成された座部(17)を有し、前記座部(17)内に前記棒状固定金具(30)の頭部(31)が埋設固定され、
    長さaと幅bが前記係止孔(25)の長径Aと短径Bに対してB<a≦A、b≦Bの関係にある長形の第1フランジ部(51)と、前記係止孔(25)より大形の第2フランジ部(55)とを対向させて有する係止部材(50)を、前記第1フランジ部(51)が棒状固定金具(30)先端側、第2フランジ部(55)がピラーガニッシュ(10)裏側を向くように該棒状固定金具(30)の軸部(32)外周に設け、
    前記棒状固定金具(30)の係止孔(25)への挿入時に係止部材(50)の第1フランジ部(51)をその長径が係止孔(25)の長径と平行となるようにして係止孔(25)に挿入することにより、前記第1フランジ部(51)と第2フランジ部(55)間に係止孔(25)を位置させ、
    次いで、前記係止部材(50)を回転させて第1フランジ部(51)を係止孔(25)に対し交差させ係止し、
    一方、前記平常時の保持用取付部(16)については、ピラーガーニッシュ(10)の裏面に形成されたクリップ用座部(61)に外側へ膨らむように屈曲した係止片(60a)を有するクリップ(60)が固着され、該クリップ(60)を車体ピラー部(20)のインナーパネル(21)に形成されたクリップ孔(29)に挿入して係合し、エアバッグAの膨張によるピラーガーニッシュ(10)の押し上げ時に、クリップ(60)がクリップ孔(29)から外れるようにしたことを特徴とするエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付方法。
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