JP4289728B2 - エアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造 - Google Patents

エアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のフロントピラー部に取り付けられるピラーガーニッシュに関し、特にはエアバッグを内蔵するピラーガーニッシュの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の側面衝突時にも乗員を保護するために、図8および9に示すように、車体のピラー部95に取り付けられるピラーガーニッシュ80の裏側にもエアバッグAが収容されるようになった。その場合、側面衝突によってエアバッグAが膨張し、その膨張により、ピラーガーニッシュ80が車室内側へ押し曲げられて車体ピラー部95とピラーガーニッシュ80間にエアバッグA通過用の隙間を形成し、その隙間を通ってエアバッグAが乗員頭部TとウインドガラスG間に、鎖線Boのように展開し、乗員頭部Tを保護する。
【0003】
ところで、前記エアバッグ内蔵ピラーガーニッシュ80にあっては、エアバッグA膨張時にピラーガーニッシュ80が車体ピラー部95から外れて飛散しないようにする必要がある。そのため、前記ピラーガーニッシュ80の幅方向中間部をボルト等の棒状固定金具で車体ピラー部95に確実に係止する構造が提案されている。
【0004】
さらに、前記棒状固定金具の頭部がピラーガーニッシュの意匠面、すなわち車室内側の表面に露出して美観を損なわないようにするため、図10に示すように、ピラーガーニッシュ80の裏側に突出する固定用座部81を形成し、該座部81に棒状固定金具85一端の頭部86を埋設して固定することが考えられている。図において、符号87は固定部品81の軸部、88は係止部である。またFはフロントガラス、Cはエンジンルームからの配線、91は車体インナーパネル、96は係止孔、97はオープニングトリム、98はグラスランチャンネル、99は車体アウターパネルを示す。
【0005】
前記のような取付構造にあっては、平常時にピラーガーニッシュ80の車室内への出っ張りを少なくして車内空間を広くする一方、エアバッグA膨張時には、エアバッグAの膨張を妨げないよう、エアバッグA収容空間、すなわち、車体のピラー部95とピラーガーニッシュ80間の距離をできるだけ大きくするのが好ましい。そのため、前記取付構造においては、エアバッグA膨張によってピラーガーニッシュ80が車室内側へ押圧された際に、棒状固定金具85がピラーガーニッシュ80と共に所要量車室内方向へ移動できるよう、係止孔96と前記軸部他端側89の係止部88との間には棒状固定金具85のスライドに必要なクリアランスNが設けられている。
【0006】
しかしながら、図11からもよく解るように、エアバッグの膨出時、ピラーガーニッシュ80と車体パネル91間における展開用隙間Wとして50mm以上必要であるため、ピラーガーニッシュ80は、前記クリアランスNによるスライドだけでは不足し、その不足する距離Mに相当する分だけ大きく車室内へ屈曲しなければならず、ピラーガーニッシュ80の屈曲部に非常に大きな負荷がかかることとなる。
【0007】
前記問題を解決するために、前記ピラーガーニッシュ80の棒状固定金具85をより長いものとして前記クリアランスNを大きくすることにより、エアバッグ膨張時の前記展開用隙間Wを確保することが考えられるが、車体ピラー部の車体インナーパネル91と車体アウターパネル99とのスペース上、棒状固定金具85を収容できる長さには限界がある。さらに、棒状固定金具85を長いものとした場合には、棒状固定金具85をインサートとしてピラーガーニッシュ80を射出成形する際に該棒状固定金具85が傾いてピラーガーニッシュ80が成形されたり、座部81が変形してしまうなど成形不良を招き易くなる恐れがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたもので、平常時においては車室内を狭くすることがなく、また、エアバッグの膨張展開時にはピラーガーニッシュを大きく展開することによって外れや破壊等を生じにくくするエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造を提供するものである。
【0009】
すなわち請求項1の発明は、一端を頭部とすると共に他端側に係止部を設けた棒状固定金具を、前記頭部で合成樹脂製ピラーガーニッシュの裏側に固定し、前記棒状固定金具の係止部を車体ピラー部の係止孔に挿入係止して該ピラーガーニッシュを取り付け、前記ピラーガーニッシュ裏側に収容したエアバッグの膨張によるピラーガーニッシュの押し曲げ時に、前記棒状固定金具の係止部と係止孔との係合によってピラーガーニッシュの外れを防止するようにしたエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造において、前記棒状固定金具における頭部と係止部間の軸部が長さ方向に二分され、その一方の軸部が前記頭部と一体になった頭部側軸部とされると共に、他方の軸部が前記係止部と一体になった係止部側軸部とされ、前記頭部側軸部と係止部側軸部が棒状固定金具の軸方向への相対的なスライドを可能として組み合わされていることにより、前記棒状固定金具の頭部と係止部間距離を可変にし、前記エアバッグ膨張時のピラーガーニッシュ裏面の押圧により前記頭部と係止部間距離が拡がるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、前記棒状固定金具の頭部側軸部及び係止部側軸部のいずれか一方または両方が中空筒状とされて一方の軸部が他方の軸部内にスライド可能に挿通されると共に、前記頭部側軸部と係止部側軸部には、前記頭部と係止部間距離が拡がった時に互いに係合して係止部側軸部の抜けを防止する抜け防止用係止部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3発明は、請求項1又は2において、エアバッグ膨張前における前記棒状固定金具の頭部と係止部間距離が小の時に互いに係合して当該棒状固定金具のスライドを阻止し、前記エアバッグ膨張時におけるピラーガーニッシュ裏面の押圧により係合解除して前記スライドを可能にする仮止め部が、前記頭部側軸部と係止部側軸部とに設けられていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1はこの発明の取付構造の一実施例によってピラーガーニッシュが取り付けられた車室内を示す概略図、図2は図1の2−2断面図、図3は図1の3−3断面図、図4は実施例の棒状固定金具を示す斜視図、図5は棒状固定金具に被覆部材を取り付けた状態を示す斜視図、図6はピラーガーニッシュの取り付け時を示す部分斜視図、図7はエアバッグ膨張時におけるピラーガーニッシュを示す概略断面図である。
【0013】
図1及びその2−2断面を示す図2、3−3断面を示す図3のように、この発明におけるピラーガーニッシュ10は、裏面側にエアバッグAが折り畳まれた状態で自動車のインストルメントパネルP上方に位置する車体ピラー部20のインナーパネル21に取り付けられ、ピラー部20の車室内側を覆う。そして自動車衝突時にはインストルメントパネルP付近に設置されているインフレータIの作動によりガスがエアバッグA内に圧入され、インストルメントパネルP側(ピラーガーニッシュ10下方側)から順次エアバッグAが膨張して、ピラーガーニッシュ10の車両後方側11(すなわちサイドガラスG側)の側縁12を車室内側へ押し曲げ、その押し曲げられたピラーガーニッシュ10の側縁12と車体ピラー部20のインナーパネル21との隙間からエアバッグAがサイドガラスG内側で展開して乗員の主として頭部を保護するようになっている。
【0014】
前記ピラーガーニッシュ10は、射出成形によって成形されたもので、車室内側へ膨らむ湾曲形状の横断面形状をした所要長さの合成樹脂製カバー体からなり、車両前後方向と対応する幅方向の略中央位置13を境として車両後方側11(サイドガラスG側)の裏面がエアバッグAを収容する部分とされ、車両前方側14(すなわちフロントガラスF側)の裏面がエンジンルームからの電源コードC等を収容する部分になっている。符号22はオープニングトリム、23はグラスランチャンネル、24はアウターパネルである。
【0015】
前記ピラーガーニッシュ10を構成する樹脂は適宜の樹脂、好ましくはTPO樹脂(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー)とされる。しかし、該ピラーガーニッシュ10は、通常50cm以上の長尺の部品とされるため、夏期の高い車室内温度等による熱膨張で寸法変化が生じ易く、しかも高温下では樹脂の軟化によってピラー部への取付部付近の強度が低下し易い性質がある。また、自動車の使用場所や季節を考慮すると、低温(−35℃)から高温(90℃)の範囲においてエアバッグ膨張時にピラーガーニッシュの破壊や飛散が生じにくいようにする必要があり、さらには、車体ピラー部への取付作業性の点から樹脂を適宜の硬さ(柔らかさ)とする必要がある。かかる点から、ピラーガーニッシュを構成する樹脂としては、アイゾッド衝撃強度(−35℃、JIS K 7110)が20kg・cm/cmより大、曲げ弾性率(JIS K 7203)が4,500kg/cmより大、耐熱変形温度(4.6kg荷重、JIS K 7207)が90℃より大、線膨張係数(−35℃〜90℃、ASTM D 696)が10℃・cm/cmより小のTPOが特に好ましい。
【0016】
この例のピラーガーニッシュ10は、下端がインストルメントパネルPに形成された孔(図示せず)に挿入固定され、中間部がピラーガーニッシュ10の長手方向に沿う4箇所の取付部15,15,16,16で車体ピラー部20のインナーパネル21に取り付けられる。この例の中間取付部15,15,16,16は、エアバッグA膨張時のピラーガーニッシュ外れ防止用取付部15と、平常時の保持用取付部16とよりなり、ピラーガーニッシュ10の下方側から順に外れ防止用取付部15と保持用取付部16が交互に位置する。
【0017】
外れ防止用取付部15は、図2に示すように、ピラーガーニッシュ10の裏面に突出形成された座部17を有し、その座部17内に棒状固定金具30の頭部31が埋設固定されている。座部17は側面17aと底面17bを有するもので、その側面17aと底面17bで包囲された部分に棒状固定金具30の頭部31が埋設される。
【0018】
本発明における棒状固定金具30は、図4にも示すように、前記頭部31と係止部41間距離を可変にし、前記エアバッグA膨張時のピラーガーニッシュ10裏面の押圧により前記頭部31と係止部41間距離が拡がるようにすることによって、車体ピラー20部のインナーパネル21から該ピラーガーニッシュ10を離間させることを特徴とするものである。頭部31と係止部41は軸部33の径よりも拡大した形状からなる。
【0019】
なお、エアバッグA膨出時にピラーガーニッシュ10をインナーパネル21から離間可能にする固定構造としては、これまでにも、例えば国際公開番号W098/19893(特願平10−521216)などにも記載されているように、紐やベルト等を折り畳んで収容したものなども提案されているが、これらの固定構造では展開後のピラーガーニッシュを飛散させずに係止保持することはできるが、運動方向を規制することができないため、該ピラーガーニッシュが下方に垂れ下がったり、乗員の頭部に当たる恐れもある。それに対して、この発明の取付構造によれば、ピラーガーニッシュ10の移動方向を棒状固定金具30によって規制することができるため、エアバッグAの膨張展開時に、ピラーガーニッシュ10の垂れ下がりや、乗員頭部に当たることがない。
【0020】
この実施例の棒状固定金具30は、請求項1に規定したように、前記頭部31と係止部41間の軸部33がその長さ方向に二分され、一方が前記頭部31と一体になった頭部側軸部32とされ、他方が前記係止部41と一体になった係止部側軸部42とされ、前記頭部側軸部32と係止部側軸部42が軸方向への相対的なスライドを可能として組み合わされている。
【0021】
さらに、この棒状固定金具30は、請求項2に規定したように、前記頭部側軸部32及び係止部側軸部42のいずれか一方又は両方が中空筒状とされて、その一方が他方の軸部内にスライド可能に挿通されている。この実施例では前記頭部側軸部32が中空筒状とされて、その頭部側軸部32内に係止部側軸部42が挿入されるようになっている。また、前記頭部側軸部32と係止部側軸部42には、前記頭部31と係止部41間距離が拡がった時に互いに係合して係止部側軸部42の抜けを防止する抜け防止用係止部34が設けられている。
【0022】
この例の抜け防止用係止部34は、前記頭部側軸部32に形成された係合切り欠き部35と、前記係止部側軸部42の先端付近の側面に突出形成された係止棒状部43とよりなる。前記係合切り欠き部35は、前記頭部側軸部32の頭部31に向けて反対側先端から形成された挿入路36と、その頭部側端部36aと連通路37を介して連通し、かつ前記挿入路36と略平行に、しかも頭部側軸部32の頭部31とは反対側先端に至ることなく形成された係合路38とで構成される、略逆さのJ字形状となっている。
【0023】
それに対し、前記係止棒状部43は、前記係合切り欠き部35の挿入路36、連通路37及び係合路38を通ることのできる径からなり、また高さは前記挿入路36、連通路37及び係合路38から外部へ突出する寸法とされる。この抜け防止用係止部34における係合切り欠き部35と係止棒状部43は、図4(a)のように、前記係合切り欠き部35の挿入路36に係止棒状部43がはまるようにして係止部側軸部42が頭部側軸部32内にその頭部31とは反対側先端から矢印a方向に挿入され、前記係止棒状部43が係合切り欠き部35の挿入路36の頭部側端部36aに当たった時点で、図4(b)のように、係止部側軸部42が矢印b方向へ回されて、あるいは頭部側軸部32が反対方向へ回されて、係止棒状部43が係合路38の上端位置、すなわち頭部31と係止部41間距離が小とされ、その状態でインナーパネル21の係止孔25に挿入される。
【0024】
さらに、この実施例の棒状固定金具30は、請求項3に規定したように、前記頭部31と係止部41間の距離が小のとき、すなわち図4(b)の時に互いに係合して前記棒状固定金具30の係止部側軸部42のスライドを阻止し、エアバッグA膨張時におけるピラーガーニッシュ10の裏面押圧により係合解除して、図4(c)のように前記係止部側軸部42のスライドを可能にする平常時の仮止め部44が形成されている。この平常時における棒状固定金具30の仮止めによって、平常時のガタツキ音が低減される。Hは前記係止部側軸部42のスライドによる棒状固定金具30の伸びを表す。そのHの値は、前記係合切り欠き部35の係合路38の長さで定まる。
【0025】
この例の仮止め部44は、前記係止部側軸部42の係止部41近くに形成された仮止め用係止突部45と、前記頭部側軸部32の頭部31とは反対側先端近くに設けられた仮止め用係止開口部39とよりなる。また、前記仮止め用係止突部45は、その側面がテーパー状部45aとされ、それによってエアバッグA膨張時におけるピラーガーニッシュ10裏面の押圧力で、仮止め用係止突部45が仮止め用係止開口部39から外れ易くされ、該開口部39の縁を持ち上げながらスライドし易くなっている。前記テーパ状部45aの有無あるいは形状は、特に限定するものではなく、前記仮止め用係止開口部39に対する該棒状固定金具30の組み付け時における係合を容易にするため、テーパー状部45aに代えて円弧面としたり、前記仮止め用係止突部45自体を半球状の突部としてもよい。さらに、前記仮止め用係止突部45の高さは、前記エアバッグA膨張時に仮止め用係止開口部39から仮止め用係止突部45が外れる程度とされる。なお、この仮止め部44の仮止め用係止突部45と仮止め用係止開口部39との係合は、図4(a)、(b)で示した前記係止部側軸部42と頭部側軸部32における挿入、回転による組み合わせによって行われる。
【0026】
さらに、この例では前記棒状固定金具30の頭部側軸部32は、その側部外周面が適宜の金属または樹脂、好ましくは樹脂からなる筒状の側部被覆部材52で覆われ、図6に示すように、前記ピラー部20のインナーパネル21に形成された係止孔25と、該係止孔25寄りの位置で当該側部被覆部材52の外周面に設けられた係止溝53とが係合し、ピラーガーニッシュ10が平常時に仮止めされるようになっている。この側部被覆部材52によるピラーガーニッシュ10の仮止めは、平常時に車室内側から乗員等によってピラーガーニッシュ10が押圧された際に、ピラーガーニッシュ10が湾曲変形するのを防ぎ、また、平常時の走行等に起因する振動でピラーガーニッシュ10が不快な擦れ音等を発生するのを防ぐためであり、エアバッグA膨張時におけるピラーガーニッシュ10裏面の押圧で前記係合が外れ、仮止めが解除されるようになっている。
【0027】
前記側部被覆部材52における係止溝53は、該係止溝53両側の棒状固定金具係止部側外周縁54と頭部側外周縁55がピラー部20の係止孔25よりも大径とされている。また、前記係止溝53の棒状固定金具係止部側外周縁54は、棒状固定金具30の係止部41より小径とされる。さらに、前記被覆部材50は係止溝53の棒状固定金具係止部側外周縁54から棒状固定金具30の係止部41に向けて先細のテーパー形状とされ、該係止部41との境界部56の外径(すなわち係止部側軸部42の外径)が係止部41の外径よりも小とされている。なお、前記被覆部材50の係止溝53と係止部41間の距離は、平常時のピラーガーニッシュにおいて、ピラー部20の係止孔25と係止部41間の距離に相当する。
また、この実施例の側部被覆部材52は、前記棒状固定金具30の頭部側軸部32における係合切り欠き部35及び仮止め用係止開口部39に対応する部分が切り欠き及び開口とされている。
【0028】
また、この実施例のピラーガーニッシュ10は、棒状固定金具30の頭部31を頭部被覆樹脂51で被覆し、その被覆された頭部側軸部32のみをピラーガーニッシュ成形型内にインサートとして配置し、その状態でピラーガーニッシュ10を射出成形した後に、前記頭部側軸部32の軸部分33に、あらかじめ別成形した側部被覆部材52を取り付け、さらに前記係止部側軸部42を頭部側軸部32に挿通して前記のように棒状固定金具30を組み立てることによって得られる。
【0029】
前記棒状固定金具30の頭部31を頭部被覆樹脂51で覆ったのは、次の理由による。すなわち、前記座部17に棒状固定金具30の頭部31をインサート成形してピラーガーニッシュ10を射出成形する際に、溶融樹脂が棒状固定金具30の頭部31と直接接触して熱を奪われる等によって、成形後のピラーガーニッシュ10の表面に見苦しいヒケ等を生じ易くなるのを防ぐためと、ピラーガーニッシュ10の押し曲げ時に座部17の基部18で亀裂を生じるのを防止するためである。その目的を実現する頭部被覆樹脂51の材質は、ピラーガーニッシュ10の樹脂に対して相溶性を有し、融着するものが好ましい。例えばピラーガーニッシュ10をTPOとする場合、頭部被覆樹脂51も同種類の樹脂、すなわちTPOとするのが好ましい。
【0030】
なお、前記のように頭部被覆樹脂51と側部被覆部材52とを別体で成形し、軸部被覆部材52を棒状固定金具30の頭部側軸部32に装着後、係止部側軸部42を頭部側軸部32内に挿入係止する構造とすれば、修理のときに側部被覆部材52を簡単に交換することができ、経済的である。
【0031】
前記車体ピラー部20のインナーパネル21に形成される係止孔25は、この実施例では、図6に示すように、連通挿入路27の上端に位置し、該連通挿入路27の下端に位置する挿入孔26と連通挿入路27を介して連通するように形成されている。前記係止孔25と挿入孔26は円形の孔からなるのに対して連通挿入路27は、係止孔25の径L3および挿入孔26の径L1よりも開口幅L2の狭い直線状の開口からなり、それらは、ピラー部20の上下方向に沿って係止孔25を上側とするひょうたん形状の開口を構成している。
【0032】
前記係止孔25等と前記被覆部材50の係止溝53における寸法の関係は、挿入孔26の径L1≧係止溝53の棒状固定金具係止部側外周縁54の外径X>係止孔25の径L3≧係止溝53の内径Y>連通挿入路27の溝幅L2が好ましく、さらにインナーパネル21のピラー部20の板厚T<係止溝53の溝幅Z<3Tであるのが好ましい。このような関係とすれば、後述のように、ピラーガーニッシュ10を車体ピラー部20に固定する際に、棒状固定金具30における挿入孔26への挿入、連通挿入路27内の上方移動、および係止孔25への被覆部材係止溝53の係止を容易に行うことができ、しかも平常時には、車室内側からのピラーガーニッシュ10の押圧等によっても棒状固定金具30の位置でガタツキを生じ難くできる。また、前記側部部材52おける棒状固定金具係止部41との境界部56の外径Vについては、係止溝53の棒状固定金具係止部側外周縁54の外径X>境界部56の外径V>係止孔25の径L3とすれば、後述するピラーガーニッシュ10の取付を容易に行えるようになる。
【0033】
なお、前記挿入孔26の径L1及び係止孔25の径L3と棒状固定金具30の係止部41の外径Kにいては、挿入孔26の径L1≧棒状固定金具30の係止部41の外径K>係止孔25の径L3とされる。また、前記係止溝53の棒状固定金具係止部側外周縁54の外径Xと係止孔25の径L3との差は、平常時には係止溝53が仮止め作用を発揮し、エアバッグA膨張時にはピラーガーニッシュ10に加わる車室内方向への押圧力によって係止溝53の棒状固定金具係止部側外周縁54が係止孔25を強引に通過できる程度とされ、一般的には0.5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0mmである。
【0034】
平常時の保持用取付部16は、図3に示すように、ピラーガーニッシュ10裏面に形成されたクリップ用座部61に公知の金属製または樹脂製のクリップ60が固着され、車体ピラー部20のインナーパネル21に形成されたクリップ孔29にクリップ60が挿入されて係合するようになっている。この例のクリップ60は、外側へ膨らむように屈曲した係止片60aを有し、ピラーガーニッシュ10の車体ピラー部20への取り付けによって、ガタツキなくピラーガーニッシュ10を車体ピラー部20に固定し、エアバッグAの膨張によるピラーガーニッシュ10の押し上げ時に、クリップ60がインナーパネル21のクリップ孔29から外れるようになっている。また、このクリップ用座部61は、薄肉のリブ状からなり、ピラーガーニッシュ10の意匠面にヒケを生じないようになっている。
【0035】
ピラーガーニッシュ10の取付作業の一例について、図6を用いて説明する。まず、前記車体ピラー部20の挿入孔26に前記棒状固定金具30の係止部41を挿入して該係止部41と側部被覆部材52との境界部56付近に挿入孔26が位置するようにする。次いで、前記被覆部材50の境界部56付近が連通挿入路27を通過し、前記係止孔25に衝突するまで、ピラーガーニッシュ10を車体ピラー部20に沿って上方へスライドさせる。これによって、前記平常時の保持用取付部16におけるクリップ60がインナーパネル21のクリップ孔29上に移動する。次いで、その位置でピラーガーニッシュ10をインナーパネル21側へ強く押してクリップ60をクリップ孔29へ挿入係合させるとともに、前記棒状固定金具30を側部被覆部材52と一緒にさらに係止孔25に圧入して係止溝53と係止孔25を係合させれば、ピラーガーニッシュ10の取付が完了する。
【0036】
前記のようにして車体ピラー部20に取り付けられたピラーガーニッシュ10は、平常時には、図2に示すように、側部被覆部材52の係止溝53とインナーパネル21の係止孔25が係合してピラーガーニッシュ10がガタツキなく保持される。それに対してエアバッグA膨張時には、エアバッグAの膨張によってピラーガーニッシュ10が大きな力で車室内方向へ押され、それと同時に前記棒状固定金具30も車室内方向へ引っ張られる。それによって、前記側部被覆部材52は係止溝53の棒状固定金具係止部側外周縁54が係止孔25を強引に通過して係止溝53と係止孔25との係合が解除され、棒状固定金具30および被覆部材50がピラーガーニッシュ10とともに車室内側へスライドする。
【0037】
その際、図7(a)、(b)の概略図に示すように、前記棒状固定金具30の係止部41がインナーパネル21の係止孔25の周縁に当たって係合し、さらにピラーガーニッシュ10が裏面から押圧されることにより、前記棒状固定金具30の頭部側軸部32と係止部側軸部42の仮止め部44が係合解除して、係止部側軸部42が頭部側軸部32内をスライドして伸張する。そして、頭部側軸部32と係止部側軸部42の抜け防止用係止部34が係合して該棒状固定金具30のスライド(伸張)を止めることによりピラーガーニッシュ10が車体ピラー部20から外れるのが防止され、またピラーガーニッシュ10の後部側が車室内側へ必要量押し曲げられて、その押し曲げ及び前記棒状固定金具30のスライドによって生じた車体ピラー部20との隙間からエアバッグAが車室内に展開する。
【0038】
前記エアバッグAの膨張によって形成されるピラーガーニッシュ10と車体ピラー部20間の隙間は、前記棒状固定金具30のクリアランスNと棒状固定金具30がスライド伸張した伸張量Hとピラーガーニッシュの押し曲げ分Jによって構成されるため、従来と比べてエアバッグA膨出のための隙間A1を大きくしてエアバッグ膨張をスムーズにできると共に、ピラーガーニッシュ10の押し曲げ量も少なくでき、ピラーガーニッシュ10にかかる負荷を軽減することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造によれば、平常時において、特に車室内を狭くすることなく、エアバッグ膨張展開時においてはピラーガーニッシュを大きく展開することによって、ピラーガーニッシュをスムーズに膨出させると共に、ピラーガーニッシュに係る負担を軽減することができ破壊等を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の取付構造の一実施例によってピラーガーニッシュが取り付けられた車室内を示す概略図である。
【図2】 図1の2−2断面図である。
【図3】 図1の3−3断面図である。
【図4】 実施例の棒状固定金具を示す斜視図である。
【図5】 棒状固定金具に被覆部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】 ピラーガーニッシュの取り付け時を示す部分斜視図である。
【図7】 エアバッグ膨張時におけるピラーガーニッシュを示す概略断面図である。
【図8】 従来のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュが取り付けられた車室内の概略図である。
【図9】 エアバッグの膨張時を示す概略図である。
【図10】 図8の10−10断面図である。
【図11】 エアバッグ膨張時におけるピラーガーニッシュの断面図である。
【符号の説明】
10 ピラーガーニッシュ
17 座部
20 車体ピラー部
25 係止孔
26 挿入孔
27 連通挿入路
30 棒状固定金具
31 棒状固定金具頭部
32 頭部側軸部
33 棒状固定金具軸部
34 抜け防止用係止部
41 棒状固定金具係止部
42 係止部側軸部
44 仮止め部
45 仮止め用係止突部
42 棒状固定金具係止部
50 被覆部材
A エアバッグ

Claims (3)

  1. 一端を頭部とすると共に他端側に係止部を設けた棒状固定金具を、前記頭部で合成樹脂製ピラーガーニッシュの裏側に固定し、前記棒状固定金具の係止部を車体ピラー部の係止孔に挿入係止して該ピラーガーニッシュを取り付け、前記ピラーガーニッシュ裏側に収容したエアバッグの膨張によるピラーガーニッシュの押し曲げ時に、前記棒状固定金具の係止部と係止孔との係合によってピラーガーニッシュの外れを防止するようにしたエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造において、
    前記棒状固定金具における頭部と係止部間の軸部が長さ方向に二分され、その一方の軸部が前記頭部と一体になった頭部側軸部とされると共に、他方の軸部が前記係止部と一体になった係止部側軸部とされ、前記頭部側軸部と係止部側軸部が棒状固定金具の軸方向への相対的なスライドを可能として組み合わされていることにより、前記棒状固定金具の頭部と係止部間距離を可変にし、前記エアバッグ膨張時のピラーガーニッシュ裏面の押圧により前記頭部と係止部間距離が拡がるようにしたことを特徴とするエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造。
  2. 前記棒状固定金具の頭部側軸部及び係止部側軸部のいずれか一方または両方が中空筒状とされて一方の軸部が他方の軸部内にスライド可能に挿通されると共に、前記頭部側軸部と係止部側軸部には、前記頭部と係止部間距離が拡がった時に互いに係合して係止部側軸部の抜けを防止する抜け防止用係止部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造。
  3. エアバッグ膨張前における前記棒状固定金具の頭部と係止部間距離が小の時に互いに係合して当該棒状固定金具のスライドを阻止し、前記エアバッグ膨張時におけるピラーガーニッシュ裏面の押圧により係合解除して前記スライドを可能にする仮止め部が、前記頭部側軸部と係止部側軸部とに設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造。
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