JP3510501B2 - エアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造 - Google Patents

エアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造

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JP3510501B2 JP29991698A JP29991698A JP3510501B2 JP 3510501 B2 JP3510501 B2 JP 3510501B2 JP 29991698 A JP29991698 A JP 29991698A JP 29991698 A JP29991698 A JP 29991698A JP 3510501 B2 JP3510501 B2 JP 3510501B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車のフロン
トピラー部に取り付けられるピラーガーニッシュに関
し、特にはエアバッグを内蔵するピラーガーニッシュの
取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の乗員を衝突時の衝撃から
安全に保護するために、車室内の正面や側面にエアバッ
グ装置が設けられている。特に、自動車側面からの衝撃
に対し乗員頭部がサイドガラス等と衝突するのを防ぐた
めに、近年、図11に示すようなエアバッグAを裏側に
収容したエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュ60を、フ
ロントの車体ピラー部75に取り付けることが行われる
ようになった。このエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュ
60においては、自動車衝突時、インストルメントパネ
ルP付近に設けられているインフレータIから発生する
ガスによってエアバッグAが図12のように膨張し、そ
れによって車室側に押し曲げられたピラーガーニッシュ
60の側縁部61と車体ピラー部75との隙間から、図
11鎖線Boのように車室内へ膨出し展開する。
【0003】前記エアバッグ内蔵ピラーガーニッシュ6
0にあっては、前記エアバッグAの膨張展開時、ピラー
ガーニッシュ60に極めて大きな押圧力が車室内向きに
加わるため、ピラーガーニッシュ60が車体ピラー部7
5から外れて飛散しないように取り付けられる必要があ
る。
【0004】従来、前記ピラーガーニッシュの飛散を防
止した取付構造として、ピラーガーニッシュの上下中間
部にボルト挿通孔を貫通形成し、該ボルト挿通孔に挿通
したボルトを車体ピラー部に締めつけ固定するものがあ
る。なお、ピラーガーニッシュの下端については、イン
ストルメントパネルPに形成した穴等に挿入されて固定
される。
【0005】しかし、前記ボルトによる取り付けの場合
は、ボルト固定部でピラーガーニッシュが完全に車体ピ
ラー部に固定されるため、エアバッグ膨張によるピラー
ガーニッシュの側縁部の押し曲げ時に極めて大なる応力
がボルト固定部付近に加わり、従来のABS樹脂(アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)やPPF
(無機質添加プロピレン)樹脂製のピラーガーニッシュ
ではその応力に耐えきれず、割れるおそれがある。しか
も、このボルトによる取付構造にあっては、ピラーガー
ニッシュの意匠面(車室内)側からボルト締め作業がで
きるようにしなければならないことから、ボルトの頭部
がピラーガーニッシュの意匠面側に現れており、そのま
までは美観が損なわれてしまう。そこで、ピラーガーニ
ッシュの意匠面側からボルト挿通孔にメクラ蓋を嵌着し
ているが、メクラ蓋の部分が明らかに判別でき、美観の
低下が避けられなかった。
【0006】また、前記メクラ蓋の問題点を解決するも
のとして、図13に示すように、ピラーガーニッシュ6
0の所定位置裏面に座部62を一体に突出形成し、該座
部62内にボルト等の棒状固定金具65の頭部66を埋
設し、該棒状固定金具65の他端側69を車体ピラー部
75のインナーパネル71に形成した係止孔76に挿入
して係止する構造が考えられる。前記棒状固定金具65
は、金属製のもので、軸部67の一端を大径の頭部66
とし、該軸部67の他端側69に係止部68を設けたも
ので、図示の棒状固定金具65はボルトと係止部68と
してのナットからなる。図において、符号Fはフロント
ガラス、77はオープニングトリム、78はグラスラン
チャンネル、79はボディフレームである。
【0007】しかし、図13に示した取付構造を採用す
る場合には、座部62の側面63の存在によってピラー
ガーニッシュ60の厚みが局部的に変化するため、図1
4に示すように、意匠面にヒケ64を生じ易くなる。こ
のヒケ64の発生を防ぐ方法として、座部62側面63
の厚みK2を座部外側の厚みK1よりも薄く(望ましく
はK2をK1の2分の1)することが考えられる。しか
し、前記ヒケ64を防止できるまで座部62側面63の
肉厚K2を薄くすると、図15のようにエアバッグAの
膨張によるピラーガーニッシュ60の押し曲げ時にヒン
ジ部となる座部62側面63の基部61aに応力集中に
よる亀裂が発生するようになる。
【0008】さらに、この構造のピラーガーニッシュ6
0のように、ボルト等からなる棒状固定金具65の頭部
66を直接インサート成形するものにあっては、前記頭
部66の埋設によって頭部66上方のピラーガーニッシ
ュの樹脂厚、すなわち座部62の側面63で包囲される
部分のピラーガーニッシュの樹脂厚が不均一になると、
ピラーガーニッシュ60の意匠面にヒケを生じ易いこと
が解っている。しかし、通常のピラーガーニッシュにお
いて、前記ボルト等で固定される部位は意匠性の点から
曲面とされることが多く、それに対して通常用いられる
ボルト等の棒状固定金具65は、その頭部66が平面と
なっているため、前記棒状固定金具65の頭部66表面
とピラーガーニッシュ60の意匠面間の距離、すなわち
その部分のピラーガーニッシュの樹脂厚を一定にするこ
とが難しく、前記ヒケの発生が避けられなかった。ま
た、前記座部の側面63で包囲されるピラーガーニッシ
ュの樹脂厚を一定にするため、棒状固定金具65の頭部
66表面をピラーガーニッシュ60の意匠面形状に応じ
た形状で作製することは、専用の棒状固定金具を必要と
することとなり、コストが嵩むため、好ましくなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は前記の点に
鑑みなされたもので、ピラーガーニッシュの外観がヒケ
の無い良好なもので、しかも簡単な構造で、かつエアバ
ッグの膨張展開時にピラーガーニッシュの外れや破壊等
を生じにくいエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付
構造を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1の発明
は、合成樹脂製ピラーガーニッシュの裏面に突出形成し
た座部に、軸部の一端を大径の頭部とし該軸部の他端側
に係止部を設けた棒状固定金具の前記頭部を埋設し、前
記棒状固定金具の係止部を車体ピラー部の係止孔に挿入
係止して当該ピラーガーニッシュを取り付け、前記ピラ
ーガーニッシュ裏側に収容したエアバッグの膨張による
ピラーガーニッシュの押し曲げ時に、前記棒状固定金具
と係止孔との係合によってピラーガーニッシュの外れを
防止するようにしたエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュ
の取付構造において、前記棒状固定金具の頭部を合成樹
脂の被覆層で覆って該被覆層の表面を前記座部の側面で
包囲される部分のピラーガーニッシュ表面形状と等しく
することによって、前記座部の側面で包囲される部分の
ピラーガーニッシュの厚みを略均一にしたことを特徴と
するエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造に係
る。
【0011】また、請求項2の発明は、前記棒状固定金
具の頭部の被覆層を構成する合成樹脂の曲げ弾性率F1
と、ピラーガーニッシュを構成する合成樹脂の曲げ弾性
率F2の関係が、F1<F2であることを特徴とする。
【0012】請求項3の発明は、前記座部外周のピラー
ガーニッシュの厚みT1、座部側面の厚みT2、座部底
面の厚みT3の関係が、T1>T2>T3≧0であるこ
とを特徴とする。
【0013】請求項4の発明は、請求項1における座部
の少なくともエアバッグ展開側の側面外側に、補強リブ
を放射状に形成したことを特徴とする。また、請求項5
の発明は、前記補強リブの幅tが0.8mm≦t≦2.
5mm、リブ間ピッチpが1mm≦p≦10mm、長さ
lが2mm≦l≦10mm、高さhが2mm≦h≦10
mmからなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下添付の図面に従ってこの発明
を詳細に説明する。図1はこの発明に係る取付構造によ
ってピラーガーニッシュが取り付けられた車室内の例を
示す概略図、図2は請求項1ないし3の発明の実施例に
おける図1の2−2断面図、図3は図2の棒状固定金具
付近を示す拡大断面図、図4は図1の4−4断面図、図
5は図1のピラーガーニッシュの取り付け時を示す部分
斜視図、図6は座部底面の無い例を示す断面図、図7は
棒状固定金具の他の例を示す斜視図、図8は請求項4の
発明の実施例における図1の2−2断面図、図9は図8
の棒状固定金具付近を示す断面図、図10は図9に示し
た座部の底面図である。
【0015】図1は請求項1ないし3の発明に係る実施
例のピラーガーニッシュ10と、請求項4および5の発
明に係る実施例のピラーガーニッシュ10Aについて、
その取付状態の外観を示している。以下両ピラーガーニ
ッシュ10,10Aの共通部分については同一符号を用
いて示し、また、説明中においては特に断らない限り両
ピラーガーニッシュ10,10Aの共通部分について述
べているものとする。
【0016】まず両ピラーガーニッシュ10,10Aの
共通部分について述べ、その後、各ピラガーニッシュ1
0,10Aの相違部分について述べる。図1ないし図3
に示すピラーガーニッシュ10及び、図1、図8ないし
図10に示すピラーガーニッシュ10Aは、裏面側にエ
アバッグAが折り畳まれた状態で自動車のインストルメ
ントパネルP上方の車体ピラー部20に取り付けられ、
ピラー部20の車室内側を覆う。そして自動車衝突時に
はインストルメントパネルP付近に設置されているイン
フレータIの作動によりガスがエアバッグA内に圧入さ
れ、インストルメントパネルP側(ピラーガーニッシュ
10,10A下方側)から順次エアバッグAが膨張し
て、ピラーガーニッシュ10,10Aの車両後方側11
(すなわちサイドガラスG側)の側縁12を車室内側へ
押し曲げ、その押し曲げられたピラーガーニッシュ1
0,10Aの側縁12と車体ピラー部20との隙間から
エアバッグAがサイドガラスG内側で展開して乗員の主
として頭部を保護するようになっている。
【0017】前記ピラーガーニッシュ10,10Aは、
射出成形等によって成形されたもので、車室内側へ膨ら
む湾曲形状の横断面形状をした所要長さの剛性樹脂製カ
バー体からなり、車両前後方向と対応する幅方向の略中
央位置13を境として車両後方側11(サイドガラスG
側)の裏面がエアバッグAを収容する部分とされ、車両
前方側14(すなわちフロントガラスF側)の裏面がエ
ンジンルームからの電源コードC等を収容する部分にな
っている。符号22は、オープニングトリム、23はグ
ラスランチャンネルである。
【0018】前記ピラーガーニッシュ10,10Aを構
成する樹脂は適宜とされる。しかし、該ピラーガーニッ
シュ10,10Aは、通常50cm以上の長尺の部品と
されるため、夏期の高い車室内温度等による熱膨張で寸
法変化が生じ易く、しかも高温下では樹脂の軟化によっ
てピラー部への取付部付近の強度が低下し易い性質があ
る。また、自動車の使用場所や季節を考慮すると、低温
(−35℃)から高温(90℃)の範囲においてエアバ
ッグ膨張時にピラーガーニッシュの破壊や飛散が生じに
くいようにする必要があり、さらには、車体ピラー部へ
の取付作業性の点から樹脂を適宜の硬さ(柔らかさ)と
する必要がある。かかる点から、ピラーガーニッシュを
構成する樹脂としては、アイゾッド衝撃強度(−35
℃、JISK 7110)が20kg・cm/cmより
大、曲げ弾性率(JIS K 7203)が4,500
kg/cmより大、耐熱変形温度(4.6kg荷
重、JIS K 7207)が90℃より大、線膨張係
数(−35℃〜90℃、ASTM D 696)が10
℃・cm/cmより小のTPO(ポリオレフィン系熱可
塑性エラストマー)が特に好ましい。
【0019】この例のピラーガーニッシュ10,10A
は、下端がインストルメントパネルPに形成された孔
(図示せず)に挿入固定され、中間部がピラーガーニッ
シュ10,10Aの長手方向に沿う4箇所の取付部1
5,15,16,16で車体ピラー部20に取り付けら
れるようになっている。また、この例の中間取付部1
5,15,16,16は、エアバッグA膨張時のピラー
ガーニッシュ外れ防止用取付部15と、平常時のガタツ
キ防止用取付部16とよりなり、ピラーガーニッシュ1
0,10Aの下方側から順に外れ防止用取付部15とガ
タツキ防止用取付部16が交互に位置する。
【0020】外れ防止用取付部15は、ピラーガーニッ
シュ10,10Aの裏面に突出形成された座部17を有
し、その座部17内に棒状固定金具30の頭部31が埋
設固定されている。座部17は側面17aと底面17b
を有するもので、その側面17aと底面17bで包囲さ
れた部分に棒状固定金具30の頭部31が埋設される。
【0021】前記座部17の底面17bについては、両
ピラーガーニッシュ10,10Aのいずれにおいても、
図6に示す例のように、厚みが零、すなわち存在しない
ものでもよい。これは、棒状固定金具30の頭部31が
後記被覆層40で覆われた状態で成形型にインサートと
して配置され、その状態でピラーガーニッシュ10,1
0Aが射出成形されるため、被覆層40を介して棒状固
定金具30の頭部31がピラーガーニッシュ10,10
A裏面や座部17の側面17aと強固に融着しており、
エアバッグA膨張によるピラーガーニッシュ10,10
A押し曲げ時に棒状固定金具30の頭部31が座部17
から分離する恐れがないことによる。なお、図6におい
て、鎖線で示す19,19はピラーガーニッシュ10A
の場合に設けられる後記の補強リブである。
【0022】棒状固定金具30は、軸部32の一端を大
径の頭部31とし、該軸部32の他端側に係止部33を
設けたものからなる。実施例の棒状固定金具30は、ボ
ルトとナットからなるもので、ボルトの頭部が棒状固定
金具の頭部31を構成し、ナットが係止部33を構成し
ている。前記係止部33としてのナットはボルトに螺合
され、頭部31との間隔を所定距離として溶接などで位
置がずれないように固着されている。前記頭部31と係
止部33の間隔は、このピラーガーニッシュ10,10
Aを車体ピラー部20に取り付けた際の頭部31と車体
ピラー部20のインナーパネル21との間隔より大とさ
れる。
【0023】なお、前記棒状固定金具30は、ボルトと
ナットに限られるものではなく、前記頭部31と係止部
33が軸部32の径よりも大きく、かつ頭部31と係止
部33間が、前記所定間隔のものであればよい。例え
ば、図7の(A),(B)に示す棒状固定金具30A,
30Bのように、軸部32A,32Bの一端に拡大した
頭部31A,31B、他端に拡大した係止部33A,3
3Bが溶接で固着されたもの等、適宜のものが用いられ
る。
【0024】前記棒状固定金具30の頭部31は、予め
射出成形等によって合成樹脂の被覆層40で被覆され、
その状態で、前記ピラーガーニッシュ10,10Aの射
出成形等の際に座部17に埋設される。前記頭部31を
被覆する合成樹脂の被覆層40は、その頭部31表面3
1sに位置する被覆層40の表面40sが前記座部17
の側面17aで包囲されたピラーガーニッシュの部分1
0sの表面形状と等しくなっている。それによって、前
記頭部31の埋設部分、すなわち前記座部17の側面1
7aで覆われたピラーガーニッシュ部分10sにおい
て、ピラーガーニッシュ10の樹脂厚T0が均一になっ
ており、樹脂厚の不均一に起因するピラーガーニッシュ
10,10A意匠面のヒケを防止できる。前記被覆層4
0を構成する合成樹脂としては、例としてオレフィン系
のエラストマーを挙げることができる。
【0025】ガタツキ防止用固定部16は、図4に示す
ように、ピラーガーニッシュ10,10A裏面に形成さ
れたクリップ用座部46に金属製または樹脂製のクリッ
プ45が固着され、車体ピラー部20のインナーパネル
21に形成されたクリップ孔29にクリップ45が挿入
されて係合するようになっている。この例のクリップ4
5は、外側へ膨らむように屈曲した係止片45aを有
し、ピラーガーニッシュ10,10Aの車体ピラー部2
0への取り付けによって、ガタツキなくピラーガーニッ
シュ10,10Aを車体ピラー部20に固定し、エアバ
ッグAの膨張によるピラーガーニッシュ10,10Aの
押し曲げ時に、クリップ45がインナーパネル21のク
リップ孔29から外れるようになっている。また、この
クリップ用座部46は、薄肉のリブ状からなり、ピラー
ガーニッシュ10,10Aの意匠面にヒケを生じないよ
うになっている。
【0026】次に、両ピラーガーニッシュ10,10A
における相違部分について説明する。まず、図1ないし
図3等に示すピラーガーニッシュ10では、請求項2に
規定したように、前記被覆層40を構成する樹脂の曲げ
弾性率F1とピラーガーニッシュ10を構成する合成樹
脂の曲げ弾性率F2(いずれもASTM D 790で
測定)の関係がF1<F2のものが好ましい。このよう
に樹脂を選択することによって、座部17全体の剛性上
昇を押さえることができ、エアバッグA膨張によるピラ
ーガーニッシュ10の押圧時にピラーガーニッシュ10
が座部17付近で曲がり易くなるので、ヒンジ部となる
座部17側面17aの基部18で亀裂を生じるのを防ぐ
ことができる。なお、ピラーガーニッシュ10における
前記被覆層40を構成する合成樹脂の曲げ弾性率F1の
範囲は2000〜7000kg/cm、ピラーガーニ
ッシュ10を構成する合成樹脂の曲げ弾性率F2の範囲
は5000〜10000kg/cmが特に好ましい。
【0027】さらに、ピラーガーニッシュ10において
は、前記座部17における側面17aの厚みT2及び底
面17bの厚みT3について、請求項3にも規定したよ
うに、図3に示す座部17外側のピラーガーニッシュの
厚みT1との関係を、T1>T2>T3≧0とするのが
好ましい。このような厚み関係にすると、座部17の側
面17aの剛性が小さくなって、ピラーガーニッシュ1
0の車室内側への押し曲げの際に、ヒンジ部となる座部
17側面17aの基部18に応力集中が少なくなり、エ
アバッグAの膨張展開時に座部17側面17aの基部1
8で亀裂を生じ難くなる。
【0028】それに対してピラーガーニッシュ10A
は、図8及び図9に示すように、請求項4に係る発明を
適用して、座部17の側面17a外側に補強リブ19を
放射状に形成している。その補強リブ19によって、座
部側面17aの基部18における強度が高くなるため、
エアバッグA膨出時に前記座部側面17aの基部18で
亀裂が発生するのを防止できる。前記補強リブ19は、
少なくともエアバッグ展開側Dに設けることによって前
記補強効果が得られる。
【0029】このように補強リブ19を設けることによ
って、前記請求項2のような樹脂の曲げ弾性率F1,F
2の制約や、請求項3のような厚みT1,T2,T3の
制約を受けることなく前記亀裂を防止できるようにな
り、材料選択の自由度や、厚みの自由度が高まる利点が
ある。この補強リブ19は、その強度やピラーガーニッ
シュ10A意匠面のヒケ防止の点から幅tが0.8mm
≦t≦2.5mm、リブ間ピッチpが1mm≦p≦10
mm、長さlが2mm≦l≦10mm、高さhが2mm
≦h≦10mmのものが好ましい。前記幅tは、0.8
mmよりも小とすると補強リブ19自体の強度が弱くな
って破損しやすく、逆に2.5mmよりも大とすると意
匠面にヒケが生じ易くなるのみならず、補強リブ19自
体の強度が上がりすぎて、ヒンジ部以外の周辺に亀裂を
生じやすくなる。また、前記リブ間ピッチpは1mmよ
りも小とすると、ほとんどリブ間隔のない状態となって
意匠面にヒケが発生しやすく、10mmよりも大とする
とエアバッグA展開時に該エアバッグAが補強リブ19
間に侵入して該リブ間に亀裂を生じやすくなる。前記長
さlと高さhは同様に、2mmよりも小のとき、補強リ
ブ19としての効果が少なく、10mmよりも大ではリ
ブ自体の破損が生じ易く、リブ間にエアバッグAが侵入
しやすくなる不具合をもつ。なお、このようにリブ19
を設けると共に、上記請求項2,3の物性条件や厚み条
件を加えれば、前記ヒケや亀裂防止効果が一層高くな
る。
【0030】前記構造のピラーガーニッシュ10,10
Aが取り付けられる車体ピラー部20は、インナーパネ
ル21に前記クリップ孔29と、図5に示すような係止
孔25がピラーガーニッシュ10,10Aの棒状固定金
具30用座部17の位置に対応して形成されている。こ
の係止孔25は、ピラーガーニッシュ10,10Aの長
手方向に沿う所定長の長孔からなり、前記棒状固定金具
30の係止部33が挿通可能な大径の孔26を下端に有
し、その上方に係止部33の径より小さく、かつ軸部3
2が挿通可能な大きさの軸部挿通路27が伸びている。
そして、ピラーガーニッシュ10,10Aの取付時、ま
ず、前記係止孔25の大径の孔26に前記棒状固定金具
30の係止部33を挿通し、前記軸部挿通路27の上端
28に軸部32が衝突するまで、ピラーガーニッシュ1
0,10Aを車体ピラー部20に沿って上方へスライド
させる。これによって、前記クリップ45がインナーパ
ネル21のクリップ孔29上に移動する。次いで、その
位置でピラーガーニッシュ10,10Aをインナーパネ
ル21側へ強く押してクリップ45をクリップ孔29に
挿入係合させれば、ピラーガーニッシュ10の取付が完
了する。
【0031】前記車体ピラー部20に取り付けられたピ
ラーガーニッシュ10,10Aは、エアバッグAの膨張
によりピラーガーニッシュ10,10Aが車室内側へ押
し曲げられる際に、前記棒状固定金具30の係止部33
がインナーパネル21の係止孔25の軸部挿通路27に
係合する(軸部挿通路27の裏面に当たる)ことによっ
て、車体ピラー部20からの外れを防止することができ
る。
【0032】表1は、前記図1ないし図3に示した補強
リブ無しタイプのピラーガーニッシュ10における具体
的実施例及び比較例について、前記被覆層40を構成す
る合成樹脂の曲げ弾性率F1及びピラーガーニッシュを
構成する合成樹脂の曲げ弾性率F2と、エアバッグA膨
張展開時における座部側面基部の亀裂の有無との関係を
調べた結果である。曲げ弾性率の測定はASTM D
790に従って行い、亀裂の有無は、ピラーガーニッシ
ュ10を実験用の治具に取り付けて、エアバッグAを膨
出させることによってテストを行った。なお、被覆層4
0部分及びピラーガーニッシュ部分の材質はオレフィン
系のエラストマーである。
【0033】
【表1】
【0034】また、表2は前記図1、図8ないし図10
に示した補強リブありタイプにおけるピラーガーニッシ
ュ10Aの具体的実施例及び比較例について、前記補強
リブ19の寸法及び補強リブ19間のピッチ(間隔)
と、エアバッグA膨張展開時における座部側面基部18
の亀裂の有無との関係を調べた結果である。なお、テス
ト方法は、前記補強リブなしタイプのピラーガーニッシ
ュ10について行ったものと同様である。この表2にお
いて、曲げ弾性率F1,F2は参考として記すものであ
る。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
エアバッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造によれ
ば、予め頭部を合成樹脂の被覆層で覆った棒状固定金具
を、ピラーガーニッシュ裏面に一体に突出成形された座
部に埋設固定し、座部の側面で包囲される部分のピラー
ガーニッシュの厚みを均一にしたものであるため、エア
バッグ膨出時におけるピラーガーニッシュの外れを防止
することができると共に、ピラーガーニッシュの意匠面
にメクラ蓋などによる隠蔽処理を必要とせず、しかもヒ
ケの発生も防ぐことができるので外観が良好になる。さ
らに、棒状固定金具は汎用のものを用いることができ、
わざわざ専用のものを作製しなくてもよいため、コスト
アップにつながることがなく、経済性に優れる効果があ
る。
【0037】さらに、請求項2のような樹脂の曲げ弾性
率とすることにより、さらには請求項3のような厚みと
することによって、前記亀裂をより確実に防ぐことがで
きる。
【0038】また、請求項4,5のように、座部の側面
外側に補強リブを形成することにより、前記請求項2、
3のような材料の制約がなくとも、エアバッグ展開時の
亀裂の発生を防ぐことができるため、材料選択の幅が広
がるとともに、成形条件も緩和される。なお、前記請求
項2及び3のような条件を付加することにより、さらに
効果的となることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る取付構造によってピラーガーニ
ッシュが取り付けられた車室内を示す概略図である。
【図2】図2は請求項1ないし3の発明の実施例におけ
る図1の2−2断面図である。
【図3】図2の棒状固定金具付近を示す拡大断面図であ
る。
【図4】図1の4−4断面図である。
【図5】図1のピラーガーニッシュの取り付け時を示す
部分斜視図である。
【図6】座部底面の無い例を示す断面図である。
【図7】棒状固定金具の他の一例を示す斜視図である。
【図8】請求項4の発明の実施例における図1の2−2
断面図である。
【図9】図8の棒状固定金具付近を示す断面図である。
【図10】図9に示した座部の底面図である。
【図11】従来のエアバッグ内蔵ピラーガーニッシュが
取り付けられた車室内の概略図である。
【図12】エアバッグの膨張時を示す概略図である。
【図13】図11の13−13断面図である。
【図14】図13の棒状固定金具付近を示す拡大断面図
である。
【図15】エアバッグ膨張展開時における棒状固定金具
付近を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ピラーガーニッシュ 17 座部 20 車体ピラー部 25 係止孔 30 棒状固定金具 31 棒状固定金具頭部 33 棒状固定金具係止部 40 被覆層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−254736(JP,A) 特開 平11−321477(JP,A) 特開 平11−321520(JP,A) 実開 昭59−65862(JP,U) 国際公開98/019893(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製ピラーガーニッシュの裏面に
    突出形成した座部に、軸部の一端を大径の頭部とし該軸
    部の他端側に係止部を設けた棒状固定金具の前記頭部を
    埋設し、前記棒状固定金具の係止部を車体ピラー部の係
    止孔に挿入係止して当該ピラーガーニッシュを取り付
    け、前記ピラーガーニッシュ裏側に収容したエアバッグ
    の膨張によるピラーガーニッシュの押し曲げ時に、前記
    棒状固定金具と係止孔との係合によってピラーガーニッ
    シュの外れを防止するようにしたエアバッグ内蔵ピラー
    ガーニッシュの取付構造において、 前記棒状固定金具の頭部を合成樹脂の被覆層で覆って該
    被覆層の表面を前記座部の側面で包囲される部分のピラ
    ーガーニッシュ表面形状と等しくすることによって、前
    記座部の側面で包囲される部分のピラーガーニッシュの
    厚みを略均一にしたことを特徴とするエアバッグ内蔵ピ
    ラーガーニッシュの取付構造。
  2. 【請求項2】 棒状固定金具の頭部の被覆層を構成する
    合成樹脂の曲げ弾性率F1と、ピラーガーニッシュを構
    成する合成樹脂の曲げ弾性率F2の関係が、F1<F2
    であることを特徴とする、請求項1に記載されたエアバ
    ッグ内蔵ピラーガーニッシュの取付構造。
  3. 【請求項3】 座部外側のピラーガーニッシュの厚みT
    1、座部側面の厚みT2、座部底面の厚みT3の関係
    が、T1>T2>T3≧0であることを特徴とする、請
    求項1または2に記載されたエアバッグ内蔵ピラーガー
    ニッシュの取付構造。
  4. 【請求項4】 座部の少なくともエアバッグ展開側の側
    面外側に補強リブを放射状に形成したことを特徴とす
    る、請求項1に記載されたエアバッグ内蔵ピラーガーニ
    ッシュの取付構造。
  5. 【請求項5】 補強リブの幅tが0.8mm≦t≦2.
    5mm、リブ間ピッチpが1mm≦p≦10mm、長さ
    lが2mm≦l≦10mm、高さhが2mm≦h≦10
    mmからなることを特徴とする、請求項4に記載された
    エアバッグ内臓ピラーガーニッシュの取付構造。
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