JP4126855B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー電子写真式の複写機やプリンタが広く普及されるにつれ、粒状性(キメ)や解像度等の向上の観点から、小粒径で球形のトナーが求められている。そのようなトナーの製造に適したトナーの製法として、従来から、結着樹脂または結着樹脂を形成し得るモノマー、着色剤および帯電制御剤等の所望の添加剤を溶解・分散してなる油性相を水性相中に添加、分散し、造粒を行う乳化分散法、乳化重合法、懸濁重合法等の湿式法が知られている。しかしながら、これらの湿式法により製造されたトナーは長期間の使用によって、帯電性(帯電安定性)が悪化するという問題があった。帯電性安定性が悪化すると、画像上にカブリが発生するだけでなく、現像時の現像効率が低下し、画像濃度が低下する。さらには現像器外にトナーが飛散するという問題も生じる。
【0003】
そこで、特開平10-48886号公報では特定の粒度分布を有する、特定の結着樹脂を用いたトナーが開示されている。また、特開平11-218957号公報では特定の平均円形度および粒度分布を有するトナーが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記トナーでは長期使用時の帯電性の悪化を完全に防止することはできなかった。
【0005】
本発明は、長期にわたってカブリの発生および画像濃度の低下およびトナーの飛散を抑制する、帯電安定性に優れた電子写真用トナーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、湿式法により製造され、大径粒子と微小粒子を除去する2段階分級により調製され、体積平均粒径が3〜8μmであり、コールターマルチサイザーによって以下の(1)〜(16)の粒径幅で求められた棒グラフで示される体積粒径分布における最大3チャンネル粒度が、80重量%以上であり、円形度が 0.85 以下の異形粒子の含有割合が2個数%以下であることを特徴とする電子写真用トナーに関する。
(1)1.59μm以上2.00μm未満、(2)2.00μm以上2.52μm未満、(3)2.52μm以上3.17μm未満、(4)3.17μm以上4.00μm未満、(5)4.00μm以上5.04μm未満、(6)6.04μm以上6.35μm未満、(7)6.35μm以上8.00μm未満、(8)8.00μm以上10.1μm未満、(9)10.1μm以上12.7μm未満、(10)12.7μm以上16.0μm未満、(11)16.0μm以上20.2μm未満、(12)20.2μm以上25.4μm未満、(13)25.4μm以上32.0μm未満、(14)32.0μm以上40.3μm未満、(15)40.3μm以上50.8μm未満、(16)50.8μm以上64.0μm未満。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真用トナーは異形粒子の含有割合が2個数%以下、好ましくは1.8個数%以下、より好ましくは1.0個数%以下、さらに好ましくは0.5個数%以下である。異形粒子とは円形度が0.85以下の粒子を意味し、例えば、卵殻形状、2個以上の粒子が一体化されてなる形状等のいびつな形状を有する粒子が挙げられる。ここで、円形度とは次式;
円形度=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)により算出される値であり、1に近いほど真円に近いことを示している。
【0008】
本明細書中、異形粒子の含有割合はフロー式粒子像分析装置(FPIA-2000;Sysmex社製)によって約3000個の粒子の円形度分布を測定することにより求められた値を用いているが、原理的に上式に基づいて円形度を測定でき、かつ上記異形粒子の個数割合を得ることができる装置であればいかなる装置によって測定されてよい。
【0009】
上記異形粒子の含有割合は少ないほど好ましく、当該割合が多すぎると、比較的低い帯電量しか有さないトナー(低帯電トナー)および/または逆極性に帯電するトナー(逆帯電トナー)の発生が顕著になり、カブリが発生したり、トナー飛散が起こったりする。異形粒子はその形状に起因して帯電効率が悪いために低帯電トナーになり易く、一方で、詳細は不明であるが、例えば卵殻状の異形粒子には荷電に必要な成分が少ないために逆帯電トナーにもなり易いと考えられる。
【0010】
また、本発明のトナーは体積粒径分布における最大3チャンネル粒度が75重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは85重量%以上である。体積粒径分布における最大3チャンネル粒度とは、粒子の重量分布(重量%)を体積粒径別に表した棒グラフのうち、1番目に高い棒グラフと2番目に高い棒グラフと3番目に高い棒グラフの重量分布の合計量を意味する。
【0011】
本明細書中において、体積粒径分布における最大3チャンネル粒度は、コールターマルチサイザー(コールター社製)によって以下の粒径幅で求められた棒グラフから得られた値を用いている;
粒径幅(μm)
1.59以上2.00未満、2.00以上2.52未満、2.52以上3.17未満、3.17以上4.00未満、4.00以上5.04未満、5.04以上6.35未満、6.35以上8.00未満、8.00以上10.1未満、10.1以上12.7未満、12.7以上16.0未満、16.0以上20.2未満、20.2以上25.4未満、25.4以上32.0未満、32.0以上40.3未満、40.3以上50.8未満、50.8以上64.0未満。
【0012】
例えば、コールターマルチサイザー(コールター社製)によって図1に示されるような棒グラフが得られたとき、「体積粒径分布における最大3チャンネル粒度」は、図中、1番目に高い棒グラフ(A)と2番目に高い棒グラフ(B)と3番目に高い棒グラフ(C)の重量分布(重量%)の3つの値の和である。
【0013】
体積粒径分布における最大3チャンネル粒度は大きいほど好ましく、当該値が小さすぎると、比較的大径の粒子および/または比較的微小の粒子の発生が顕著になる。前記異形粒子は比較的大径の粒子に含まれると考えられるが、当該大径粒子、特に異形粒子が増大すると、低帯電トナーが発生してカブリやトナー飛散の原因となる。また、微小粒子が増大すると、単位重量あたりの帯電量が増大するために、現像効率が低下して画像の濃度が低下したり、画質(粒状性)が悪化したりする。
【0014】
本発明のトナーの体積平均粒径は特に制限されないが、画質向上の観点から、10μm以下、好ましくは3〜8μmに制御されていることが望ましい。
【0015】
以上のような本発明のトナーはいかなる方法によって製造されてよいが、本発明においては湿式法、例えば、乳化分散法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、界面重縮合法、シード重合法等、特に乳化分散法または懸濁重合法によって製造されていることが好ましい。
【0016】
本発明のトナーは、いずれの湿式法を採用する場合においても、少なくとも結着樹脂または結着樹脂を形成し得るモノマー、および着色剤を含む油性相を水性相に徐々に添加して分散させること、および2段階で遠心式分級を行うことを含む方法によって効率よく製造され得る。以下、乳化分散法および懸濁重合法を採用して本発明のトナーを得る場合について詳しく説明する。
【0017】
乳化分散法を採用する場合、少なくとも結着樹脂および着色剤、必要に応じてその他の添加物を非水溶性有機溶剤に溶解および/または分散させて着色樹脂溶液(油性相)を得、これを水性媒体(水性相)に徐々に添加し、分散させてO/W型エマルジョンを形成した後、得られたO/W型エマルジョンから非水溶性有機溶剤を除去する。なお、O/W型エマルジョンとは、水性媒体中に油性液体が液滴となって分散している状態の乳濁液を指す。
【0018】
乳化分散法に用いられる結着樹脂としては、後述する非水溶性有機溶剤に溶解可能でかつ水に不溶性あるいは難溶性のものであれば特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などのような公知の各種の樹脂を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。このように乳化分散法は懸濁重合法などに比べて使用可能な樹脂の種類が多いという特徴がある。
【0019】
上記の結着樹脂を溶解するための非水溶性有機溶剤としては、水に不溶かあるいは難溶で、上記結着樹脂を溶解するものであればよく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独あるいは2種以上組合わせて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
【0020】
着色剤としては、トナーの分野で公知の着色剤であれば特に制限されず、以下に示されるような有機ないしは無機の各種、各色の顔料が使用可能である。
すなわち、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリン・ブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マグネタイトなどがある。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローXCG、タートラジンレーキなどがある。
【0021】
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどがある。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カネシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどがある。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットなどがある。
【0022】
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどがある。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどがある。
白色顔料としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、硫化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化スズなどがある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどがある。
【0023】
これらの着色剤は、トナー定着性および画像濃度の観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部使用する。着色剤は2種以上組み合わせて用いてもよく、その場合合計量が上記範囲内であればよい。
【0024】
本発明のトナー中には、上記したような結着樹脂およひ着色剤以外にも、例えば、荷電制御剤、磁性粉、オフセット防止剤などの成分を必要に応じて配合することができる。
【0025】
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の荷電を与え得る物質として各種のものがあり、正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業社製)などのニグロシン系染料、P-51(オリエント化学社製)、コピーチャージ PX VP435(ヘキスト社製)などの第4級アンモニウム塩、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、およびPLZ1001(四国化成工業社製)などのイミダゾール化合物等が挙げられる。
【0026】
負荷電制御剤としては、例えば、LR147(日本カーリット社製)、ボントロンS-22(オリエント化学工業社製)、ボントロンS-34(オリエント化学工業社製)、ボントロンE-81(オリエント化学工業社製)、ボントロンE-84(オリエント化学工業社製)、スピロンブラックTRH(保土谷化学工業社製)などの金属錯体、チオインジゴ系顔料、コピーチャージNX VP434(ヘキスト社製)などの第4級アンモニウム塩、ボントロンE-89(オリエント化学工業社製)などのカリックスアレーン化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カーボンなどのフッ素化合物などが挙げられる。なお、負荷電制御剤となる金属錯体としては、上記に示したもの以外にもオキシカルボン酸金属錯体、ジカルボン酸金属錯体、アミノ酸金属錯体、ジケトン金属錯体、ジアミン金属錯体、アゾ基含有ベンゼン−ベンゼン誘導体骨格金属錯体、アゾ基含有ベンゼン−ナフタレン誘導体骨格金属錯体などの各種の構造を有したものであってもよい。
これらの荷電制御剤は結着樹脂100重量部に対して、0.03〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部使用する。
【0027】
磁性粉としては、マグネタイト、γ−ヘマタイト、あるいは各種フェライト等がある。
【0028】
オフセット防止剤としては、各種ワックス、特に、低分子量ポリプピレン、ポリエチレン、あるいは、酸化型のポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。
【0029】
非水溶性有機溶剤に結着樹脂、着色剤、およびその他のトナー成分を溶解および/または分散させるには、ウルトラターラックス(IKA社製)、ボールミル、サンドグラインダー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザーなどの装置を用いることができる。
【0030】
結着樹脂、着色剤、およびその他の添加剤を非水溶性有機溶剤に溶解および/または分散させて得た着色樹脂溶液(油性相)における固形分濃度は、この着色樹脂溶液を水性媒体中に乳化分散させてなるO/W型エマルジョンを加熱して液滴中より非水溶性有機溶剤を除去する際に、液滴が容易に固体粒子へと凝固できるように設定する必要があり、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%とする。
【0031】
O/W型エマルジョンを形成するために使用される水性媒体としては、水や、水にエマルジョンを破壊しない程度の水溶性有機溶剤を含んだもの、例えば、水/メタノール混液(重量比50/50〜100/0)、水/エタノール混液(重量比50/50〜100/0)、水/アセトン混液(50/50〜100/0)、水/メチルエチメケトン混液(重量比70/30〜100/0)などが使用可能である。好ましくは純水である。
【0032】
水性媒体には有機系または無機系の分散剤および必要に応じて分散助剤が添加されている。有機系分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリマレイン酸ナトリウム、アクリル酸−マレイン酸ナトリウム共重合体あるいはポリスチレンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性分散剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の非イオン性分散剤、またはポリアクリルアミド等のカチオン性分散剤等が使用可能である。無機系分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、親水性シリカ、親水性チタン等が使用可能である。中でもアニオン性有機分散剤、リン酸三カルシウムを使用することが好ましい。
【0033】
分散剤は通常使用されている量でよく、例えば、水性媒体全量の0.1〜20重量%程度の量の範囲で添加すればよい。
【0034】
所望により添加される分散助剤としては、公知のアニオン性、カチオン性、非イオン性界面活性剤が例示できる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミン、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。使用する量は、水性媒体全量の0.001〜5重量%が好適である。
【0035】
本発明においてO/W型エマルジョンを形成するためには、水性媒体を撹拌しながら着色樹脂溶液(油性相)を水性媒体(水性相)に徐々に添加し、さらに混合系を撹拌する。このように油性相を水性相に徐々に添加することによって、異形粒子の発生を有効に抑制し、体積粒径分布を有効に制御できる。異形粒子、特に、卵殻形状の粒子はエマルジョンの崩壊によって形成されると考えられるが、上記のように徐々に添加することによって上記エマルジョンの崩壊を回避できると考えられる。油性相を一括して水性相に添加したり、比較的短時間で添加すると、異形粒子の発生が顕著になったり、得られるトナー粒子の体積粒径分布が比較的ブロードになる。例えば、約430mLの油性相を約1Lの水性相中に分散させる場合、水性相を撹拌しながら、油性相を水性相に30秒以上、好ましくは1分以上かけて添加する。
【0036】
撹拌はホモミキサーやホモジナイザーなどの公知の攪拌装置を用いて行ってよく、特に混合系の撹拌に際しては適度に攪拌することが重要である。攪拌条件が弱すぎると、撹拌装置によるせん断(撹拌)が不均一なために液滴粒子の粒径が比較的ブロードとなり、特に大径粒子の発生が顕著になる。一方、撹拌条件が強すぎると、エマルジョン中の液滴が粒径約1〜2μmで最も安定化され易いために微小粒子の発生が顕著になって、所望粒径のトナー粒子を効率よく得ることが困難になる。例えば、約0.4Lの油性相と約1.1Lの水性相からなる混合系を容量5Lのホモミキサーを用いて撹拌する場合、1500〜6000rpm、好ましくは2500〜4000rpmの回転速度で2〜30分間、好ましくは5〜20分間撹拌することが望ましい。
【0037】
着色樹脂溶液の体積(Vp)と水性媒体の体積(Vw)との混合比(Vp/Vw)は、Vp/Vw≦1、好ましくは0.3≦Vp/Vw≦0.7とする。Vp/Vw>1であると、安定なO/W型エマルジョンが形成できず、途中で相転移が生じたり、W/O型エマルジョンが形成されてしまう虞が大きい。
【0038】
O/W型エマルジョンから非水溶性有機溶剤を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の非水溶性有機溶剤を完全に蒸発させて固体粒子を形成する方法や、O/W型エマルジョンを乾燥雰囲気中に噴霧し、液滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去して固体粒子を形成し合せて水系液体を蒸発除去する方法を用いることができる。
【0039】
次いで、O/W型エマルジョンから非水溶性有機溶剤を除去して得られた分散系に対して、2段階で遠心式分級を行った後、得られたトナーケーキを水洗/ろ過および乾燥し、所望により解砕およびフルイにかけて本発明のトナーを得る。
【0040】
2段階で遠心式分級を行うためには、H130C(コクサン社製)等の公知の遠心式分級器を用いることができる。当該分級には、造粒して得られた混合系(分散系)をそのまま供してもよいが、水を加えて固形分濃度を10〜100g/Lに調整された混合系を室温で5〜30時間静置したものを供することが好ましい。デカンテーション法で正常粒子に比べ、極端に密度の小さいもの(卵殻状、サブミクロン粒子等)を除去しておくためである。当該工程において固形分濃度とは分級に供される混合系1Lにおいて分散されている固体粒子の乾燥重量を指す。
【0041】
2段階のうちの一方の段階においては、比較的強い条件下にて遠心分離を行い、上澄み液を除去して沈殿物を得る。このとき上澄み液には微小粒子が含有されており、結果として微小粒子が除去される。微小粒子を除去するための分級条件は分級に供される混合系の固形分濃度と量、所望のトナー粒径と粒径分布、分級器の種類、混合系中の粒子の粒径等に依存して適宜決定される。分級条件が弱すぎると、必要な粒径の粒子が上澄み液中に残り、除去されるため、トナー収率が低下する。一方、分級条件が強すぎると、必要な粒径の粒子とともに不必要な微小粒子も沈殿するため、分級効率が低下する。本発明において微小粒子を除去するためには、通常、600〜1100rpm、好ましくは650〜1000rpmにて10秒〜10分間、好ましくは30秒〜5分間の遠心分離を行う。
【0042】
2段階のうちの他方の段階においては、比較的弱い条件下にて遠心分離を行い、沈殿物を除去して上澄み液を得る。このとき沈殿物には大径粒子が含有されており、結果として大径粒子が除去される。大径粒子を除去するための分級条件は微小粒子を除去するための分級条件と同様に、分級に供される混合系の固形分濃度と量等に依存して適宜決定される。分級条件が弱すぎると、必要な粒径の粒子とともに大径粒子が上澄み液中に残り、分級効率が低下する。一方、分級条件が強すぎると、必要な粒径の粒子が沈殿し、除去されるため、トナー収率が低下する。本発明において大径粒子を除去するためには、通常、200〜500rpm、好ましくは250〜450rpmにて10秒〜10分間、好ましくは30秒〜5分間の遠心分離を行う。
【0043】
上記のような2段階の遠心式分級、すなわち微小粒子を除去するための分級および大径粒子を除去するための分級は、いずれの分級を先に行ってもよいが、分級効率のさらなる向上の観点から、微小粒子を除去するための分級を行った後で、大径粒子を除去するための分級を行うことが好ましい。なお、いずれの分級を行う場合においても、各分級に供される混合系は水を添加されて固形分濃度を10〜100g/Lに調整されていることが好ましい。
【0044】
このような2段階分級によって、大径粒子と微小粒子の除去がより有効に行われるため、異形粒子の含有割合およびトナーの体積粒径分布における最大3チャンネル粒度を前記範囲内に有効に制御できる。特に、従来の大径粒子の除去は、上記分級前の短時間の静置による沈殿物除去や粒子乾燥後の機械分級によって行われていたが、本法において大径粒子の除去は湿式造粒後同じ湿式中で上記の遠心式分級を行うことによって達成するため、大径粒子をより有効に除去できる。
【0045】
分級によって得られたトナーケーキは公知の方法によって水洗/ろ過および乾燥され、所望により解砕およびフルイにかけられる。なお、水洗/ろ過は、上記2段階分級に先だって行ってもよく、すなわち水洗/ろ過を行った後、2段階分級を行い、乾燥し、所望により解砕およびフルイにかけて本発明のトナーを得てもよい。
【0046】
本発明のトナーを懸濁重合法によって得る場合、少なくとも重合性単量体、重合開始剤、着色剤、および必要に応じて荷電制御剤、磁性粉、オフセット防止剤を含む単量体組成物(油性相)を水性媒体(水性相)中に徐々に添加し、分散させてO/W型エマルジョンを形成した後、得られたO/W型エマルジョンの液滴中において単量体の重合を行う。
【0047】
懸濁重合法に使用される重合性単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、エチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリルアミド、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等のアクリル酸あるいはメタクリル酸系モノマー、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられ、これらを単独あるいは複数組み合わせて用いることができる。また、これらをプレポリマーの形にしてから用いてもよい。
【0048】
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイドのようなパーオキサイド系開始剤や2,2−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾビス系開始剤が挙げられる。
【0049】
懸濁重合法に使用される着色剤、荷電制御剤、磁性粉およびオフセット防止剤としては、上記の乳化分散法に用いられる材料と同様の材料を用いることができる。それらの使用量は、「結着樹脂100重量部」を「モノマー総重量100重量部」と読み替えて上記乳化分散法における各種材料の使用量を適用するものとする。
【0050】
単量体組成物が添加される水性媒体もまた、上記の乳化分散法に用いられる水性媒体と同様のものを用いることができる。
【0051】
本発明においてO/W型エマルジョンを形成するためには、水性媒体を撹拌しながら単量体組成物(油性相)を水性媒体(水性相)に徐々に添加し、さらに混合系を撹拌する。このように油性相を水性相に徐々に添加することによって、異形粒子の発生を有効に抑制し、体積粒径分布を有効に制御できる。油性相を一括して水性相に添加したり、比較的短時間で添加すると、上記乳化分散法においてと同様に、異形粒子の発生が顕著になったり、得られるトナー粒子の体積粒径分布が比較的ブロードになる。例えば、約400mLの油性相を約1Lの水性相中に分散させる場合、水性相を撹拌しながら、油性相を水性相に30秒以上、好ましくは1分以上かけて添加する。
【0052】
撹拌はホモミキサーやホモジナイザーなどの攪拌装置を用いて行ってよく、特に混合系の撹拌に際しては、上記乳化分散法においてと同様の理由から、適度に攪拌することが重要である。例えば、約400mLの油性相と約1Lの水性相からなる混合系を容量5Lのホモミキサーを用いて撹拌する場合、2000〜7000rpm、好ましくは3000〜5000rpmの回転速度で2〜30分間、好ましくは5〜20分間撹拌することが望ましい。
【0053】
単量体組成物の体積(Vm)と水性媒体の体積(Vw)との混合比(Vm/Vw)は、「Vp/Vw」を「Vm/Vw」と読み替えて、上記乳化分散法における混合比を適用するものとする。
【0054】
重合を行うためには、O/W型エマルジョンの系全体を重合開始剤の分解温度以上の任意の温度に設定すればよく、当該重合によって固体粒子が形成される。通常50〜100℃で4〜10時間とすることが好ましい。
【0055】
次いで、重合を行って得られた分散系に対して、公知の方法によって水洗/ろ過を行った後、上記乳化分散法においてと同様の方法で2段階で遠心式分級を行い、得られたトナーケーキを乾燥し、所望により解砕およびフルイにかけて本発明のトナーを得る。
【0056】
以上の方法によって得られる本発明のトナーは、残存分散剤の量が0.3重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下であることが望ましい。上記残存分散剤量を上記範囲内に制御することによって帯電量の環境安定性が向上するためである。すなわち、上記のような湿式法で水性媒体中に含まれる分散剤は吸湿性が高いため、当該残存量が多すぎると低湿環境下での帯電量と高湿環境下での帯電量との差が大きくなって、使用環境による画像濃度、画質の変動が大きくなり、またこれを抑えるために現像、転写条件等の環境制御が必要になってくる(コストアップ)。
【0057】
本明細書中においてトナーの残存分散剤量はトナーに残存する分散剤のトナーに対する重量割合を意味し、トナーのトルエン溶液と水を入れた分液ロートで抽出した水相成分を原子吸光分析装置(SRS7500;セイコー電子社製)による分析に供し、分散剤由来の金属イオンを定量することによって求められた値を用いているが、当該方法によって定量されなければならないというわけではなく、トナーに残存する分散剤の量を定量可能であれば、いかなる方法・装置を用いてもよい。
【0058】
例えば、分散剤がポリビニルアルコールのような金属を含まない分散剤である場合、以下の方法によって残存分散剤量を定量することができる。いわゆるヨウ素呈色反応法を利用する。詳しくは、ポリビニルアルコールを分散剤とし作ったトナーを上記と同様に分液ロートで抽出した水相液にヨウ化カリ−ヨウ素水溶液を加え反応させた後、分光光度を調べ、ポリビニルアルコールに起因する特性吸光度を定量する方法である。
【0059】
上記のようなトナーの残存分散剤量は、前記の湿式法における水洗/ろ過のための洗浄液の温度を30℃以上、35〜45℃にすることによって、達成され得る。
【0060】
詳しくは、例えば湿式造粒後の乾燥トナー粒子に換算して100g程度の粒子を洗浄する場合、2L以上、好ましくは4L以上の、上記温度の洗浄液を用いて、2回以上、好ましくは3回以上の洗浄/ろ過を行う。洗浄液としては、従来から水が一般的によく使用されるが、特に分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム等の無機系分散剤を用いる場合においては、洗浄液として塩酸水溶液を用いることが好ましい。
【0061】
また、洗浄液にはメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールを添加することがより好ましい。湿式法においてはエマルジョン中の液滴粒子が固化する際、水性媒体中の分散剤が固体粒子(トナー粒子)表面から内部に配向するために残存する傾向が強いと考えられるが、洗浄液にアルコールを添加することによって、洗浄中においてトナー粒子表面を膨潤させ得ることから、有効に分散剤を除去できるためである。アルコールの添加量は洗浄液全量の1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%が適当である。
【0062】
以上のような本発明のトナーには流動化剤を添加してもよい。流動化剤としては、従来からトナーの分野で流動化剤として公知の無機微粒子が使用可能であり、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。上記無機微粒子は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等の従来から使用されている疎水化処理剤で公知の方法で表面処理されていることが好ましい。これら流動化剤の添加量は、トナー粒子100重量部に対して0.01〜3重量部が好適である。
【0063】
本発明のトナーは、キャリアを使用しない1成分現像剤、キャリアとともに使用する2成分現像剤のいずれにおいても使用可能である。本発明のトナーとともに使用するキャリアとしては、公知のキャリアを使用することができ、例えば、鉄粉、フェライト等の磁性粒子よりなるキャリア、磁性粒子表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコート型キャリア、あるいはバインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリア等のいずれも使用可能である。このようなキャリアとしては体積平均粒径が15〜100μmのものが好適である。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
Mnが2800、Mw/Mnが7、Tgが60℃のポリエステル樹脂100gをトルエン360gに溶解後、これを、フタロシアニン顔料5gおよび帯電制御剤LR147(日本カーリット社製)0.5gとともに2リットルのポリビンに入れウルトラターラックス(IKA社製)で30分混合、分散させた(油性相)。次に、ポリアクリル酸ナトリウム5%水溶液1100g中にアルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム11gを添加し、これのT.Kオートホモミキサー(特殊機化工業社製)による3500rpmでの撹拌を開始した(水性相)。水性相に上記油性相を1分かけて投入し、10分撹拌を続けて乳化させた。直ちに50〜55℃の恒温槽中スリーワンモーターで20時間攪拌しトルエンを除去した。この乳化粒子の水分散液にイオン交換水を追加し、総量3リットルとした後、撹拌を停止し、24時間静置した。上澄み液を除去後、さらに水を追加し、撹拌しながら、3リットルとし、遠心式分級器H130C(コクサン社製)で800rpmにて遠心分離を行い、上澄み液を除去した(第1分級工程)。さらに水を追加し、撹拌しながら、3リットルとし、上記分級器で400rpmにて遠心分離を行い、沈殿物を除去した(第2分級工程)。得られた上澄み液に対して40℃の水による洗浄/ろ過を3回繰り返し行った。洗浄後のトナーケーキを恒温乾燥機にて35℃で48時間乾燥した後、ボールミルを用いて解砕し、90μmのメッシュでフルイにかけてトナー粒子を得た。
【0065】
(実施例2)
T.Kオートホモミキサーによる乳化のための回転数を4500rpm、第1分級工程における遠心式分級器による分級条件を700rpm、第2分級工程における遠心式分級器による分級条件を450rpmに変更したこと、および洗浄/ろ過を行うための40℃の水を40℃の水/メタノール(体積比;90/10)混合液に変更したこと以外、実施例1と同様にして、トナー粒子を得た。
【0066】
(実施例3)
スチレン90g、n−ブチルメタクリレート10g、フタロシアニン顔料5g、サリチル酸系亜鉛錯体(E-84;オリエント化学社製)2gを2リットルのポリ瓶に入れ、ウルトラターラックス(IKA社製)で50分混合、分散させた後、ジメチル2,2−アゾビスイソブチレート5g(重合開始剤)を加えて単量体組成物を調製した。次いで、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム0.0025gとpH12.8のリン酸三カルシウム1.3gを含む水懸濁液250g(水性相)中に、上記単量体組成物を1分かけて投入し、窒素雰囲気下でT.Kオートホモミクサーを用いて4000rpmで10分の懸濁を行った。その後、65℃で8時間重合反応を行った。冷却後、懸濁液に対して40℃の3N塩酸水溶液4Lによる洗浄/ろ過を3回繰り返し行った。洗浄後のトナーケーキに水を追加し、撹拌しながら、3リットルとし、遠心式分級器H130C(コクサン社製)で800rpmにて遠心分離を行い、上澄み液を除去した(第1分級工程)。さらに水を追加し、撹拌しながら、3リットルとし、上記分級器で400rpmにて遠心分離を行い、沈殿物を除去した(第2分級工程)。得られた上澄み液をろ過し、トナーケーキを恒温乾燥機にて35℃で48時間乾燥した後、ボールミルを用いて解砕し、90μmのメッシュでフルイにかけてトナー粒子を得た。
【0067】
(実施例4)
T.Kオートホモミキサーによる懸濁のための回転数を5000rpmに変更したこと、洗浄/ろ過を行うための40℃の3N塩酸水溶液を40℃の3N塩酸水溶液/メタノール(体積比;95/5)混合液に変更したこと、および第1分級工程における遠心式分級器による分級条件を700rpm、第2分級工程における遠心式分級器による分級条件を450rpmに変更したこと以外、実施例3と同様にして、トナー粒子を得た。
【0068】
(実施例5)
洗浄/ろ過を行うための40℃の水を常温の水に変更したこと以外、実施例1と同様にして、トナー粒子を得た。
【0069】
(比較例1)
水性相に油性相を一括して投入したこと、第1分級工程で得られた沈殿物を第2分級工程に供することなく、洗浄/ろ過に供したこと、および洗浄/ろ過のための40℃の水を常温の水に変更したこと以外、実施例1と同様にして、トナー粒子を得た。
【0070】
(比較例2)
水性相にモノマー組成物を一括して投入したこと、洗浄/ろ過を行うための40℃の3N塩酸水溶液を常温の水に変更したこと、および第1分級工程で得られた沈殿物を第2分級工程に供することなく、乾燥に供したこと以外、実施例3と同様にして、トナー粒子を得た。
【0071】
各実施例および比較例で得られたトナー粒子の体積粒径分布をコールターマルチサイザー(コールター社製)によって測定し、最大3チャンネルの粒度(main 3ch)および体積平均粒径(Dv)を求めた。
【0072】
また、各トナー粒子の平均円形度および異形粒子の含有割合を、フロー式粒子像分析装置(FPIA-2000;Sysmex社製)により求めた。
【0073】
また、各トナー粒子の残存分散剤量を以下の方法に従って測定した。トナーのトルエン溶液と水を入れた分液ロートで抽出した水相成分を原子吸光分析装置(SRS7500;セイコー電子社製)による分析に供し、分散剤由来の金属イオンを定量した。
【0074】
【表1】
Figure 0004126855
【0075】
以上の実施例および比較例で得られたトナー粒子100重量部にシリカ微粒子(R972;日本アエロジル社製)1.2重量部を添加し、ヘンシェルミキサ(三井金属鉱山社製)で30m/sの速度で3分間混合して、トナーの表面処理を行った。このトナーと後述のキャリアをトナー混合比6wt%で混合して2成分非磁性現像剤とし、各種評価を行った。なお、複写機はフルカラー用電子写真式複写機CF910(ミノルタ社製)を用いた。
【0076】
帯電量の測定は以下の方法に従った。
図2の電界分離方式の帯電量測定装置で、現像剤2gをスリーブ2上にまぶし、-2kvをバイアス電源4でスリーブ2に印加し、スリーブ2を1000rpm、1分間回転し円筒電極1にトナー7を分離した。分離されたトナー重量(g)およびトナー分離時に測定用コンデンサ5に流れ込んだ電荷量(μc)より、帯電量(μc/g)を計算した。測定環境は常温常湿(23℃、40%)であった。
【0077】
(帯電量環境変動)
上記帯電量の測定方法において低温低湿(10℃、15%RH)および高温高湿(30℃、85%RH)の環境下で測定を行ったときの帯電量を測定し、それらの差を求めた。
(逆帯電トナー量)
上記帯電量の測定方法において-2kvの代わりに+2kvを印加したときのトナー分離量を測定し、当該分離量を現像剤2g中の全トナー量に対する割合で表した。
【0078】
(帯電量)
CF910でB/W比15%の文字画像を1万枚複写したときの現像剤を取り出した。この現像剤と複写に供していない現像剤の帯電量を上記の方法によって測定した。
【0079】
(画像濃度)
CF910による最大濃度でベタ画像を1万枚複写し、初期と1万枚複写時の複写画像における任意の10点の濃度をマクベス濃度計(マクベス社製)により測定し、これらの平均値xを求めて以下に従って評価した。
○:1.0<x<1.3
△:0.8<x≦1.0または1.3≦x<1.5
×:x≦0.8または1.5≦x
【0080】
(地肌カブリ)
B/W比15%の文字画像をCF910により1万枚複写し、初期と1万枚複写時の複写画像を目視により観察し、地肌カブリを以下のランク付けに従って評価した。なお、地肌カブリとは複写用紙上、本来の画像部以外に、低帯電・逆帯電のトナーが現像、転写されて発生するトナーによる汚れをいう。
○:カブリが全く存在せず、良好であった;
△:カブリがあるものの実用上問題なかった;
×:カブリがかなり発生し、実用上使用不可能であった。
【0081】
(トナー飛散)
1万枚複写時の現像器周辺のトナーこぼれ量を目視により観察した。
○:こぼれがなく良好であった;
△:こぼれはあるが実用上問題なかった;
×:こぼれがひどく、使用困難であった(帯電チャージャー、コピー紙汚染等)。
【0082】
評価結果を以下に示す。
【表2】
Figure 0004126855
【0083】
キャリア
ポリエステル樹脂(バイロン200;東洋紡社製)をトルエン、イソプロパノールの混合溶媒に溶解し、平均径40μmの焼成フェライト粉(F300;パウダーテック社製)にスピラコータ(岡田精工社製)で塗布、乾燥した。オーブン中140℃、2時間焼成後、解砕、フルイを行い、平均径42μmのポリエステル樹脂コートのフェライトキャリアを調製した。
【0084】
【発明の効果】
本発明により、トナーの帯電安定性が向上し、画像濃度の低下およびカブリの発生を長期にわたって防止できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トナー粒子の体積粒径分布を表す棒グラフを示す。
【図2】 帯電量の測定に用いた帯電量測定装置の概略構成図を示す。
【符号の説明】
A:1番目に高い棒グラフ、B:2番目に高い棒グラフ、C:3番目に高い棒グラフ、1:円筒電極、2:スリーブ、3:磁性ロール、4:バイアス電源、5:測定用コンデンサ、6:現像剤、7:分離トナー。

Claims (2)

  1. 湿式法により製造され、大径粒子と微小粒子を除去する2段階分級により調製され、体積平均粒径が3〜8μmであり、コールターマルチサイザーによって以下の(1)〜(16)の粒径幅で求められた棒グラフで示される体積粒径分布における最大3チャンネル粒度が、80重量%以上であり、円形度が 0.85 以下の異形粒子の含有割合が2個数%以下であることを特徴とする電子写真用トナー。
    (1)1.59μm以上2.00μm未満、(2)2.00μm以上2.52μm未満、(3)2.52μm以上3.17μm未満、(4)3.17μm以上4.00μm未満、(5)4.00μm以上5.04μm未満、(6)6.04μm以上6.35μm未満、(7)6.35μm以上8.00μm未満、(8)8.00μm以上10.1μm未満、(9)10.1μm以上12.7μm未満、(10)12.7μm以上16.0μm未満、(11)16.0μm以上20.2μm未満、(12)20.2μm以上25.4μm未満、(13)25.4μm以上32.0μm未満、(14)32.0μm以上40.3μm未満、(15)40.3μm以上50.8μm未満、(16)50.8μm以上64.0μm未満。
  2. 存分散剤の量が0.3重量%以下である請求項1に記載の電子写真用トナー。
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