JP4125988B2 - 画像形成システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータなどの端末装置が、ネットワークを介して複写機などの画像形成装置に接続された画像形成システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
複数のコンピュータなどの端末装置がネットワークを介して複数の画像形成装置に接続され、複数の利用者の画像形成装置へのアクセスに対して、複数の画像形成装置を適確に駆動させて、発生する画像形成指令を効率的に処理する画像形成システムが広く利用されている。
この種の画像形成システムでは、先ず、その画像形成システムの使用を登録した利用者を識別し、識別確認された利用者にシステムの使用を認可することが必要であり、このために利用者コードやパスワードをキーボード或いはタッチパネルから入力する方法が取られたり、或いは、指紋、虹彩、音声、ＤＮＡなどをセンサで検出認識する身体情報確認の方法が取られている。
特に、近年では、接触型のＩＣカードや非接触型のＩＣカードと、このＩＣカードと信号の授受を行なうカードリーダ／ライタとにより、利用者を識別する方法が、高い信頼性と操作の簡易化とが評価されて広く採用されるようになり、特に、非接触型のＩＣカードは、耐久性と認識の信頼性とが高く、利用者に操作上の負担を与えないために広く利用される傾向にある。
【０００３】
このように、利用者の識別に非接触型のＩＣカードを使用した例としては、例えば、後記する特許文献１に、非接触型のＩＣカードを携帯して画像形成装置を利用する利用者が、画像形成装置の近傍の所定の領域に複数人存在する場合には、所定の条件で複数の利用者に画像形成装置利用の順番を設定し、設定された順番に従って各利用者の画像形成を実行する画像形成システムが開示されている。
【０００４】
【特許文献１】
特許第２９８０４０４号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の画像形成システムの画像形成装置を使用する画像形成に際して、利用者は、サイズ、片面／両面、プリント方向、部数、ノルマルモード／写真モードなどの画像モード、さらにはステープルなど各種の画像形成条件の設定を行なうことが必要である。
この場合、利用者により設定される画像形成条件は、その画像形成システムが設置されている企業の種類、画像形成の対象となる原稿画像の種類、画像形成時の利用者の選択などによって異なるものではあるが、美術デザイン系の企業などの特殊な企業を除いて、通常の企業の場合には、多くの利用者に共通して高い頻度で設定される画像形成条件は、Ａ４サイズ、片面印刷、部数１であり、この画像形成条件を本発明では標準画像形成条件（デフォルト）と呼ぶことにする。
【０００６】
この種の画像形成システムを利用して画像形成を行なう場合、利用者は画像形成装置を操作することにより、目的の画像形成条件を設定する必要があり、特に、標準画像形成条件以外の特殊な画像形成条件を設定しようとすると、設定処理がかなり複雑になり利用者に設定操作上の負担がかかることになる。
この問題を解決するために、利用者にとって利用頻度の多い画像形成条件を、予め登録することが可能な画像形成装置も提案されているが、この種の画像形成装置では、利用者の登録と登録した画像形成条件の読出の操作とがかなり複雑になり、利用者にとって操作上にかなりの手間と負担がかかるために、画像形成条件の事前登録はあまり利用されていないのが現状である。
【０００７】
他方では、画像形成システムの画像形成装置を利用する場合に、利用者が標準画像形成条件以外の特殊な画像形成条件を設定して画像形成を行なった後に、設定した特殊な画像形成条件のリセットを忘れると、次の利用者がつい設定されている特殊な画像形成条件（大量枚数の画像形成、写真モード、変倍設定、ステープル設定など）のまま、無駄な画像形成をしてしまうことがある。
この問題を解決するために、画像形成装置の前面に赤外線センサなどの利用者センサを設け、利用者センサが利用者を検知している間は、該利用者の設定した画像形成条件を保持し、利用者センサが利用者を検知しなくなって、所定時間が経過すると画像形成条件を予め設定した初期値にリセットする画像形成装置も提案されている。しかし、この方法では、所定時間が短すぎると、画像形成動作中に利用者が画像形成装置の前を僅かの時間離れただけで、画像形成条件が初期値にリセットされ、目的の画像形成を行なうことができなくなり、一方所定時間が長いと、次の利用者が前回の利用者が設定した特殊の画像形成条件で画像形成を開始することになり不便である。
【０００８】
本発明は、前述したようなこの種の画像形成システムの動作の現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者の操作上の負担を大幅に低減し、利用者が各種の画像形成条件を迅速に選択して、対応する画像形成動作を適確且つスムースに実行可能な画像形成システムを提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項１記載の発明は、クライアント端末装置と該クライアント端末装置にネットワークを介して接続され、利用者の指令に対応する画像形成を行なう画像形成装置とからなる画像形成システムにおいて、利用者に携帯使用され、前記利用者の識別情報と該利用者の画像形成条件履歴情報を含む画像形成実行情報が記録される利用者識別手段と、前記画像形成装置に設けられ、前記利用者が前記画像形成装置から所定距離の識別領域内に所定時間以上存在すると、前記利用者識別手段との間で情報の授受を行い、前記利用者が新たに設定する画像形成条件情報を、前記利用者識別手段に記録する識別通信手段と、前記画像形成装置に設けられ、前記識別通信手段が読み取った前記画像形成実行情報に含まれる画像形成条件情報を選択可能に表示して前記利用者への通報を行なう通報手段とを有し、前記利用者が前記通報手段に表示された画像形成条件情報の１つを選択すると、前記画像形成装置は、該利用者が前記クライアント端末装置に格納した画像情報をネットワークを介して取り込み、前記選択された画像形成条件情報に従って該画像情報に関する画像形成を行うことを特徴とするものである。
【００１０】
請求項１記載の発明によると、利用者に携帯使用される利用者識別手段には、利用者の識別情報を含む画像形成実行情報が記録されており、画像形成装置に設けられた識別通信手段は、利用者が画像形成装置から所定距離の識別領域内に所定時間以上存在すると、利用者識別手段との間で情報の授受を行い、利用者が新たに設定する画像形成条件情報は利用者識別手段に記録され、画像形成装置に設けられた通報手段は、識別通信手段が読み取った画像形成実行情報に基づいて、利用者に画像形成条件情報の通報を行なう。
このために、画像形成装置の設置場所に移動して、画像形成を行なおうとする利用者は、識別通信手段によって、利用者識別手段から読み出される識別情報により、画像形成システムの使用認可が確認され、同様に読み出される画像形成実行情報に基づき、通報手段によって、利用者に画像形成条件情報の通報が行なわれ、利用者によって、通報される画像形成条件から所望の画像形成条件が選択され、迅速且つ適確に画像形成が行なわれる。
また、利用者が、通報手段より通報される画像形成条件情報以外の画像形成条件を新に設定すると、識別通信手段によって、新に設定された画像形成条件が利用者識別手段に新に記録されるので、利用者識別手段には、常に最新の画像形成条件情報を含む画像形成条件情報が記録され、通報手段によって利用者の画像形成装置の使用傾向に対応した適確な通報が行なわれる。
また、画像形成実行情報には利用者の画像形成条件履歴情報が含まれているので、利用者により過去に設定した広範囲の画像形成条件に対応して、より適確迅速に画像形成条件の設定が行なわれる。
【００１１】
同様に前記目的を達成するために、請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明において、利用者識別手段が非接触型のＩＣカードであることを特徴とするものである。
【００１２】
請求項２記載の発明によると、利用者識別手段を非接触型のＩＣカードとして、利用者による利用者識別手段の画像形成装置への装着操作を完全に不要にした状態で、請求項１記載の発明での作用が実行される。
【００１５】
同様に前記目的を達成するために、請求項３記載の発明は、請求項１記載の発明に対して、識別通信手段から送信され、利用者識別手段に記録される画像形成条件履歴情報に基づいて、通報手段が、標準画像形成条件情報を含む複数の画像形成条件情報を、所定条件で設定される優先順位に対応させて通報することを特徴とするものである。
【００１６】
請求項３記載の発明によると、請求項１記載の発明での作用に加えて、通報手段が、識別通信手段から送信され、利用者識別手段に記録される画像形成条件履歴情報に基づいて、標準画像形成条件情報を含む複数の画像形成条件情報を、所定条件で設定される優先順位に対応させて通報するので、適切に設定される優先順位に基づいて、利用者によって必要な画像形成条件が効率的に選択設定される。
【００１７】
同様に前記目的を達成するために、請求項４記載の発明は、請求項３記載の発明において、優先順位が、標準画像形成条件情報を第１優先順位とし、以下の優先順位は、設定された画像形成条件情報の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて設定されることを特徴とするものである。
【００１８】
請求項４記載の発明によると、請求項３記載の発明での作用に加えて、標準画像形成条件情報を第１優先順位とし、以下の優先順位は、設定された画像形成条件情報の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて設定されるので、一般的な標準画像形成条件での画像形成と、利用者の利用回数と最新利用時からの経過時間とで優先順位が適確に設定される画像形成条件とがより効率的に選択設定される。
【００１９】
同様に前記目的を達成するために、請求項５記載の発明は、請求項１ないし請求項４の何れかに記載の発明において、識別領域が利用者識別手段と識別通信手段間の距離が３ｍ以内の領域であり、所定時間が０．２秒以上であることを特徴とするものである。
【００２０】
請求項５記載の発明によると、識別領域を利用者識別手段と識別通信手段間の距離が３ｍ以内の領域とし、所定時間を０．２秒以上として、請求項１ないし請求項４の何れかに記載の発明での作用が実行される。
【００２１】
【発明の実施の形態】
［第１の実施の形態］
本発明の第１の実施の形態を、図１ないし図３を参照して説明する。
図１は本実施の形態の全体構成を示す説明図、図２は本実施の形態の画像形成装置の構成を示す説明図、図３は図２の画像形成ユニットの構成を示す説明図である。
【００２２】
本実施の形態では、予め画像形成システムの利用認可の登録を受けた利用者が、システムの利用ために操作するクライアント端末装置をコンピュータ１とし、説明を簡単にするために、図１に示すように、一台のコンピュータ１がネットワークＣを介して、一台の画像形成装置２Ａに接続されている場合について説明する。
この場合、コンピュータ１を操作する利用者（以下登録利用者７という）は、自己を識別する非接触型のＩＣカード６を携帯しており、コンピュータ１には、登録ユーザ７が携帯するＩＣカード６の記録情報を検出して取込むリードライタ３ａが取り付けられている。
ここでは、非接触型ＩＣカードの例として、身分証のような形状のカードを示したが、この場合カードの形状には限定されるものではなく、さらに、本実施の形態に限定されない本発明では、例えば、ペン、時計、指輪、アクセサリー、社章等の身につけるものや、携帯電話、ＰＨＳ、ＰＤＡ、携帯パソコン等を識別手段として利用することができる。
一方、画像形成装置２Ａには、登録利用者７が、同図に示すように、画像形成装置２Ａの近傍の識別領域内に、所定時間以上にわたって位置すると、登録利用者７が携帯するＩＣカード７との間で、信号授受の通信を行なう通信ユニット３ｂが取り付けられ、この通信ユニット３ｂは、登録ユーザ７の携帯するＩＣカード６と通信ユニット３ｂ間の距離が３ｍ以内の識別領域にあり、登録利用者７がこの識別領域内に０．２秒以上継続して検出されると、ＩＣカード７との間での情報授受の通信を実行する機能を備えている。この場合、通信ユニット３ｂは、複数の登録利用者７を識別領域内に同時に検出すると、最初に識別領域に入った登録利用者７を画像形成装置２Ａの利用者と判別して、該登録利用者７との間での通信を実行するように構成されている。
【００２３】
また、ＩＣカード７には、利用者のＩＤ（Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ；識別情報）と、利用者が今までに設定した画像形成条件の履歴情報とが、画像形成実行情報として記録されるＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓ ａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ＲＯＭ）が設けられている。 そして、 このＥＥＰＲＯＭに記録される画像形成条件の履歴情報は、この画像形成システムの標準画像形成条件を第１優先順位とし、その後の第２優先順位、第３優先順位・・・は、設定された画像形成条件のこれまでの利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて、所定の条件で設定され、画像形成条件の履歴情報は、このように設定された優先順位に対応して、ＥＥＰＲＯＭに記録されている。さらに、本実施の形態では、第１優先順位の標準画像形成条件は、サイズＡ４、片面印刷、部数１の画像形成条件が選択設定されている。
【００２４】
一方、画像形成装置２Ａには、登録利用者７の携帯する非接触型のＩＣカード６と、通信ユニット３ａ間での通信により、ＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭから読み出される画像形成条件の履歴情報を、優先順位に従って一覧表示する図示せぬディスプレイが設けられている。
また、画像形成装置２Ａには、通信ユニット３ｂにより、画像形成装置２Ａを利用した登録利用者７が識別領域内に検出されなくなって、所定時間、例えば３秒が経過すると、ディスプレイの表示を標準画像形成条件に復帰するリセット手段が設けられている。
【００２５】
本実施の形態の画像形成装置２Ａには、図１及び図２に示すように、登録利用者７の操作によりコンピュータ１からネットワークＣを介して入力される画像情報信号に基づいて、対応する画像形成を行なう装置本体部ＭＡが、この装置本体部ＭＡに転写紙の供給を行なう給紙部ＰＡの上面に固定配設され、装置本体部ＭＡの上面には、画像形成装置２Ａの単独使用時に、原稿画像の読取りを行なうカラースキャナＣＡが固定配設され、装置本体部ＭＡの一側面には、画像形成が行なわれた転写紙が排出載置される排紙トレイ２９Ａが取り付けられ、他の側面には画像形成装置２Ａに手動で転写紙をセットする手差給紙トレイ３４が取り付けられている。
【００２６】
また、装置本体部ＭＡには、コンピュータ１から通信回線Ｃを介して送信される画像情報信号と、登録利用者７が選択する画像形成条件とに基づいて、画像情報信号に対応する光学信号Ｆｌを出力する光学ユニット８Ａが配設され、光学ユニット８Ａの下方には、光学ユニット８Ａからの光学信号Ｆｌに基づいて、画像形成を行なう画像形成ユニット５Ａが配設されている。この画像形成ユニット５Ａと排紙トレイ２９Ａ間には、定着ローラ２８ａと加圧ローラ２８ｂを備え、画像形成ユニット５Ａで画像形成が行なわれた転写紙の定着処理を行なう定着ユニット２８Ａが配設されている。さらに、定着ユニット２８Ａの近傍には、画像形成された転写紙２４を表裏を反転させて排紙トレイ２９Ａに排出する反転器３８が設けられている。
一方、給紙部ＰＡには、サイズの異なる転写紙がそれぞれ収容される複数の給紙カセット４４が設けられ、選択された給紙カセット４４の転写紙が、給紙路４６を介して装置本体部ＭＡに供給されるように構成されている。
【００２７】
ところで、画像形成ユニット５Ａには、図３に示すように、光学ユニット８Ａからの光学信号Ｆｌの照射により、画像情報信号に対応する静電潜像が形成される感光体９Ａが設けられ、この感光体９Ａの周面に近接対向して、現像スリーブ１４ａ、現像パドル１４ｂ及びトナー濃度センサ１４ｃを備え、ＢＫトナーでの現像を行なうＢＫ現像ユニット１４、同様の構成でＹトナーでの現像を行なうＹ現像ユニット１７、Ｍトナーでの現像を行なうＭ現像ユニット１６、Ｃトナーでの現像を行なうＣ現像ユニット１５、さらに、感光体９Ａのクリーニングを行なう感光体クリーニングユニット１０Ａ、除電を行なう除電ランプ１１Ａ、帯電を行なう帯電器１２Ａ及び電位センサ１３が、反時計回り方向にこの順に配列されている。
【００２８】
また、Ｃ現像ユニット１５と感光体クリーニングユニット１０Ａ間には、感光体９Ａに形成される画像情報の顕像が転写される中間転写ベルト１９Ａが配設され、中間転写ベルト１９Ａに対接転動するアースローラ２０ｂと駆動ローラ２１間には、中間ベルト１９Ａをクリーニングするクリーニングユニット２２Ａが配設され、駆動ローラ２１に対向する位置には、中間転写ベルト１９Ａの顕像即ちトナー像を転写紙２４に転写する紙転写ユニット２３Ａが配設されている。
さらに、紙転写紙ユニット２３Ａと定着器ユニット２８Ａ間には、画像情報が画像形成された転写紙２４を、定着器ユニット２８Ａに搬送する紙搬送ベルト２７Ａが配設されている。
【００２９】
このような構成の本実施の形態におけるカラー画像の画像形成動作を以下に説明する。
コンピュータ１のリードライタ３ａにより、携帯する非接触型のＩＣカード６により、画像形成システムの利用を認可された登録利用者７が、コンピュータ１を操作することにより、画像形成の対象となる画像情報データを作成してコンピュータ１のメモリに格納し、現在使用可能な形成画像形成装置２Ａを検出し、コンピュータ１から画像形成装置２Ａの使用指令を入力し、画像形成装置２Ａの設置位置に移動する。
登録利用者７が画像形成装置２Ａに近付き、識別領域内に入ることにより、登録利用者７が携帯する非接触のＩＣカード６と画像形成装置２Ａの通信ユニット３ｂ間の距離が３ｍ以内となり、この状態が０．２秒以上継続すると、ＩＣカード６と通信ユニット３ｂ間で 、情報の授受が可能な通信状態が設定される。こ の場合、識別領域内に複数の登録利用者７が存在する状態では、最初に識別領域に入った登録利用者７のＩＣカード７との間でのみ、通信ユニット３ｂが通信状態となる。
【００３０】
この状態で、通信ユニット３ｂは、登録利用者７の携帯する非接触型のＩＣカード７のＥＥＰＲＯＭに記録されている画像形成実行情報から利用者の識別情報（ＩＤ）と、利用者が今までに設定した画像形成条件の履歴情報とを取込み、識別情報により該利用者が登録利用者であると確認すると、標準画像形成条件を第１優先順位とし、その後の第２優先順位、第３優先順位・・・は、設定された画像形成条件のこれまでの利用回数と、最新利用時からの経過時間とに基づいて、所定の条件で設定される優先順位に対応して記録されている画像形成条件の履歴情報が読み出され、画像形成装置２Ａのディスプレイに優先順位に対応して表示される。
そこで、登録利用者７は、画像形成装置２Ａのディスプレイに優先順位に従って一覧表示される画像形成条件の履歴情報を確認し、今回実行しようとする画像形成条件が一覧中に存在するとその位置をパネルタッチすることにより、目的の画像形成条件を選択し、選択された画像形成条件で、後述するように画像形成が行なわれ、画像形成が行なわれた転写紙２４が排紙トレイ２９Ａに、反転器３８によつて裏面を上にして排出載置される。
【００３１】
この場合は、画像形成装置２Ａによって、パネルタッチ操作により選択された画像形成条件の利用回数が＋１歩進され、ディスプレイに表示される画像形成条件の優先順位が、画像形成条件の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて、所定の条件で再演算され、得られる優先順位に従って、登録利用者７の携帯するＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに対する画像形成条件情報の記録が書き換えられる。
【００３２】
また、登録利用者７が画像形成装置２Ａのディスプレイに表示された画像形成条件の一覧中に、今回実行しようとする画像形成条件が存在しない場合には、登録利用者７は、画像形成装置２Ａの図示せぬ操作パネルから、目的の画像形成条件を入力設定することにより、新しく設定された画像形成条件により、後述するように画像形成が行なわれ、画像形成が行なわれた転写紙２４が排紙トレイ２９Ａに、反転器３８によつて裏面を上にして排出載置される。
【００３３】
この場合は、新しく設定された画像形成条件を含む画像形成条件履歴情報の優先順位が、画像形成条件の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づき再演算され、得られる優先順位に従って、登録利用者７の携帯するＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに対する新たな画像形成条件を含む画像形成条件の記録の更新が行なわれる。
【００３４】
そして、通信ユニット３ｂによって、画像形成装置２Ａを利用した登録利用者７が識別領域内に検出されなくなって、所定時間、例えば３秒が経過すると、画像形成装置２Ａのリセット手段によって、ディスプレイに表示された画像形成条件の履歴情報が消去され、ディスプレイには標準画像形成条件が表示される。
【００３５】
本実施の形態において、画像形成動作が実行される場合には、画像形成動作が開始されると、対応する画像情報信号が、コンピュータ１から取り込まれ、通信回線Ｃを介して画像形成装置２Ａに入力され、光学ユニット８Ａからのレーザ光が、画像情報に対応する光学信号Ｆｌとして現像ユニット５Ａに照射される。
現像ユニット５Ａの感光体９Ａは、予め帯電器１２Ａにより表面が均一に帯電されており、この感光体９Ａに光学信号Ｆｌとしてレーザ光が、画像部以外の領域に露光照射され、照射部の帯電電荷が除去され、感光体９Ａには画像情報に対応する静電潜像が形成される。
次いで行なわれるカラー画像の画像形成動作の色選択の順序は任意に設定できるが、以下では、Ｂｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙの順序で画像形成を行なう場合を説明する。
【００３６】
ここで、画像形成動作が開始されると、先ず、Ｂｋ画像データに対応するＢｋ潜像が感光体９Ａに露光形成され、このＢｋ潜像先端部が、Ｂｋ現像ユニット１４の現像位置に到達する前に、現像スリーブ１４ａの回転が開始され、感光体９ＡのＢｋ潜像がＢｋ現像ユニット１４の現像位置に達した時点で、Ｂｋ潜像のＢｋトナーでの現像が開始され、Ｂｋ潜像後端部がＢｋ現像ユニット１４の現像位置を通過すると、Ｂｋトナーでの現像が終了して、感光体９ＡにＢｋトナー像が形成される。そして、次に感光体９Ａに形成される画像データに対応するＣ潜像先端部が、Ｂｋ現像ユニット１４に到達する前に、Ｂｋ現像ユニット１４が現像不作動状態に設定される。
【００３７】
次いで、所定のタイミングで、感光体９Ａに露光形成されるＣ画像データに対応するＣ潜像先端部が、Ｃ現像ユニット１５の現像位置に到達する前に、現像スリーブ１５ａの回転が開始され、感光体９ＡのＣ潜像がＣ現像ユニット１５の現像位置に達した時点で、Ｃ潜像のＣトナーでの現像が開始され、Ｃ潜像後端部がＣ現像ユニット１５の現像位置を通過すると、Ｃトナーでの現像が終了して、感光体９ＡにＣトナー像が形成される。そして、次に感光体９Ａに形成されるＭ画像データに対応するＭ潜像先端部が、Ｃ現像ユニット１５に到達する前に、Ｃ現像ユニット１５が現像不作動状態に設定される。
以下同様にして、感光体９Ａに露光形成されるＭ潜像、Ｙ潜像が、それぞれＭトナー、Ｙトナーで現像され、感光体９ＡにＭトナー像、Ｙトナー像が形成される。
【００３８】
このようにして、感光体９Ａに形成されるＢｋトナー像、Ｃトナー像、Ｍトナー像及びＹトナー像が、中間転写ベルト１９Ａ上に重畳転写されて、フルカラーのベルト転写画像が得られる。
このベルト転写画像の重畳転写動作時の中間転写ベルト１９Ａの駆動方式には、（１）一定速往動方式、（２）スキップ往動方式、（３）往復動方式があり、画像形成に際しては、何れかの方式、或いは形成画像サイズに応じて、複数の方式を組み合わせて効率的な画像形成が行なわれる。
一定速往動方式では、感光体９Ａに形成されたＢｋトナー像が、感光体９Ａと等速度で駆動される中間転写ベルト１９Ａに、転写バイアスローラ２０ａに所定のバイアス電圧が印加されることによりベルト転写された後も、感光体９Ａと中間転写ベルト１９Ａの一定速度での往動が継続される。
そして、中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像の先端位置が、再度感光体９Ａとの接触位置に到達する時点に、感光体９Ａに形成されたＣトナー像の先端が、その接触位置に到達するように、感光体９ＡでのＣトナー像の形成とＣトナー像の移送が同期制御され、中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像にＣトナー像が重畳転写される。
以下同様にして、Ｍトナー像の重畳、さらにＹトナー像の重畳が行なわれ、中間転写ベルト１９Ａに、フルカラーの転写画像が形成される。
【００３９】
スキップ往動方式では、感光体９Ａに形成されたＢｋトナー像が、感光体９Ａと等速度で駆動される中間転写ベルト１９Ａに、転写バイアスローラ２０ａに所定のバイアス電圧が印加されることによりベルト転写されると、感光体９Ａ面から中間転写ベルト１９Ａが離間され、中間転写ベルト１９Ａを往動方向に所定量高速スキップさせ、その後当初の往動速度で移動させる。
この状態で中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像の先端位置が、再度感光体９Ａとの接触位置に到達する時点に、感光体９Ａに形成されたＣトナー像の先端が、その接触位置に到達するように、感光体９ＡでのＣトナー像の形成とＣトナー像の移送が同期制御され、中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像にＣトナー像が重畳転写される。
以下同様にして、Ｍトナー像の重畳、さらにＹトナー像の重畳が行なわれ、中間転写ベルト１９Ａに、フルカラーの転写画像が形成される。
【００４０】
往復動方式では、感光体９Ａに形成されたＢｋトナー像が、感光体９Ａと等速度で駆動される中間転写ベルト１９Ａに、転写バイアスローラ２０ａに所定のバイアス電圧が印加されることによりベルト転写されると、感光体９Ａ面から中間転写ベルト１９Ａが離間され、中間転写ベルト１９Ａを逆方向に高速度でリターンさせる。
このリターン動作が行なわれる中間転写ベルト１９Ａは、Ｂｋ転写画像の先端位置が、ベルト転写転写対応位置を逆方向に通過して、予め設定した距離移動した位置で待機状態とされ、感光体９ＡのＣトナー像の先端部が、ベルト転写位置より手前の所定位置に到達した時点で、中間転写ベルト１９Ａを再度往動方向にスタートさせ、中間転写ベルト１９Ａを感光体９Ａに再度接触させる。
そして、感光体９Ａに形成されたＣトナー像の先端が、中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像の先端に一致するように、感光体９ＡでのＣトナー像の形成とＣトナー像の移送が同期制御され、中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像にＣトナー像が重畳転写される。
以下同様にして、Ｍトナー像の重畳、さらにＹトナー像の重畳が行なわれ、中間転写ベルト１９Ａに、フルカラーの転写画像が形成される。
【００４１】
以上に説明した何れの中間転写ベルト１９Ａの駆動方式による場合でも、フルカラーの転写画像が形成された中間転写ベルト１９Ａは、往動方向に所定速度で移動し、紙転写ユニット２３位置において、中間転写ベルト１９Ａのフルカラーの転写画像の先端位置が、画像転写先端位置に一致するように、同期が取られて送り込まれ、接離機構２３ｃで紙転写バイアスローラ２３ａと駆動ローラ２１に挟持される転写紙２４に対して、バイアスローラ２３ａにバイアス電圧が印加されることにより、中間転写ベルト１９Ａのフルカラー転写画像は転写紙２４に転写される。
このようにして、フルカラー画像が転写された転写紙２４は、紙搬送ベルト２７によって、定着ユニット２８Ａに送り込まれ、所定温度に制御された定着ローラ２８ａと加圧ローラ２８ｂで、フルカラー画像のトナーが溶融定着され、画像形成が終了し、フルカラー画像が画像形成された転写紙２４は反転器３８によつて裏面を上にして排出載置される。
以上に説明した本実施の形態における画像形成に際しては、モノクロ画像では３０ｐｐｍ以上の速度で画像形成が行なわれる。
【００４２】
なお、ベルト転写後の感光体９Ａは、感光体クリーニングユニット１０Ａにおいて、クリーニング前除電器１０ａで除電され、ブラシローラ１０ｂとゴムブレード１０ｃで表面がクリーニングされた後に、除電ランプ１１Ａで均一に除電される。また、転写紙２４にフルカラー画像を転写した後の中間転写ベルト１９は、クリーニングユニット２２において、接離機構２２ｃで接触駆動されるブラシローラ２２ａとゴムブレード２２ｂにより表面のクリーニングが行なわれる。
【００４３】
以上に説明したように、本実施の形態によると、登録利用者７が携帯する非接触型のＩＣカード６と、画像形成装置２Ａの通信ユニット３ｂとの間隔が３ｍ以内となる識別領域内に、登録利用者７が入って０．２秒以上経過すると、ＩＣカード６と通信ユニット３ｂとの間で信号授受の通信が開始され、ＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに記録されている識別情報（ＩＤ）により登録利用者７が確認されると、標準画像形成条件を第１優先順位とし、以下は画像形成条件の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づき設定される優先順位に従って、ＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに記録されている画像形成条件情報が、画像形成装置２Ａのディスプレイに表示される。
このために、登録利用者７は、ディスプレイに優先順位に従って一覧表示される画像形成条件情報から、今回実行しようとする画像形成条件を、ディスプレイの対応する位置のパネルタッチにより操作負担なしに簡単に選択し、対応する画像形成を迅速スムーズに行なうことが可能になり、今回実行しようとする画像形成条件の表示がディスプレイにない時は、画像形成装置２Ａの操作パネルから、目的の画像形成条件を新しく入力設定することにより、通常使用しない特殊な画像形成条件での画像形成も適確に行なうことが可能になる。
【００４４】
そして、パネルタッチ選択が行なわれた場合は、ＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭの記録に対して、選択された画像形成条件の利用回数が＋１歩進され、新たな画像形成条件が入力された場合は、該画像形成条件がＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに新たな画像形成条件として記録され、何れの場合も画像形成条件の優先順位が、画像形成条件の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて、所定の条件で再演算され、得られる優先順位に従って、登録利用者７の携帯するＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに対する画像形成条件情報の記録が書き換えられる。
このために、登録利用者７の携帯するＩＣカード６に記録される画像形成条件情報は、登録利用者７の画像形成装置２Ａの使用の度に、所定の条件で書き換えられる優先順位に対応して更新記録され、登録利用者７が識別領域内に０．２秒以上位置すると、画像形成条件履歴情報が更新された優先順位で画像形成装置２Ａのディスプレイに表示されるので、常に登録利用者７の選択に最適な表示に基づいて、登録利用者７は迅速且つ適確に画像形成装置２Ａを使用することが可能になる。
【００４５】
さらに、登録利用者７が識別領域に検出されなくなって３秒経過後に、画像形成装置２Ａのディスプレイの画像形成条件情報の一覧が、標準画像形成条件にリセットされるので、例えば、照明を点灯するために、登録利用者７が短時間識別領域を離れても、画像形成条件情報の表示のリセットはなく、画像形成中の登録利用者７に便利であり、最初の画像形成後直ちに次の画像形成を行なう場合にも、自己の画像形成条件情報が表示されていて便利である。
【００４６】
また、識別領域に複数の登録利用者７が存在する時は、最初に識別領域内に検出された登録利用者７のＩＣカード６と通信ユニット３ｂとの間のみが通信状態に設定され、複数の登録利用者７から適確に対象利用者が選定され、画像形成装置２Ａの利用上の混乱が防止可能になり、さらに、識別領域内に登録利用者７が０．２秒以上存在しないと、ＩＣカード６と通信ユニット３ｂ間は通信状態にならないので、画像形成装置２Ａの近傍の通行人を登録利用者と誤認して発生する誤動作の防止が可能になる。
【００４７】
［第２の実施の形態］
本発明の第２の実施の形態を、図４及び図５を参照して説明する。
図４は本実施の形態の画像形成装置の構成を示す説明図、図５は図４の画像形成ユニットの構成を示す説明図である。
【００４８】
本実施の形態の画像形成装置２Ｂには、図５に示すように、登録利用者７の操作によりコンピュータ１からネットワークＣを介して入力される画像情報信号と登録利用者が選択する画像形成条件とに基づいて、対応する画像形成を行なう装置本体部ＭＢが、装置本体部ＭＢに転写紙の供給を行なう給紙部ＰＢの上面に固定配設され、装置本体部ＭＢの上面には、画像形成装置２Ｂの単独使用時に、原稿画像の読取りを行なうカラースキャナＣＢが固定配設され、カラースキャナＣＢの上面には、画像形成装置２Ｂの単独使用時に、カラースキャナＣＢに原稿の自動供給を行なうＡＤＦ（Ａｕｔｏ Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｆｅｅｄｅｒ）Ｄが固定配設され、装置本体部ＭＢの一側面には、画像形成が行なわれた転写紙が排出載置される排紙トレイ２９Ｂが取り付けられ、他側面には画像形成装置２Ｂに転写紙２４を手動でセットする手差給紙トレイ３４が取り付けられている。
【００４９】
また、装置本体部ＭＡには、コンピュータ１から通信回線Ｃを介して送信される画像情報信号と指令信号とに基づいて、画像情報信号に対応する光学信号Ｆｌを出力する光学ユニット８Ｂが配設され、光学ユニット８Ｂの下方には、画像形成に係るトナー像の転写が行なわれる中間転写ベルト１９Ｂが、支持ローラ３０ａ〜３０ｃに掛け回されて、時計回り方向に回転自在に配設され、支持ローラ３０ｂに対向する位置に、中間転写ベルト１９Ｂのクリーニングを行なうベルトクリーニングユニット２２Ｂが配設されている。
そして、光学ユニット８Ｂと中間転写ベルト１９Ｂ間において、光学ユニット８Ｂからの光学信号に基づいて、画像形成を行なう画像形成ユニット５Ｂが配設されている。
【００５０】
この画像形成ユニット５Ｂは、それぞれＢ、Ｙ、Ｍ、Ｃの各色の現像を行なう現像ユニット１８Ｂ、１８Ｙ、１８Ｍ、１８Ｃが、水平方向に並設されたタンデム方式に構成され、図５に示すように、現像ユニット１８Ｂは、中間転写ベルト１９Ｂに対接して配設される感光体９Ｂの周面に近接対向して、感光体９Ｂに露光される静電潜像をＢトナーで現像する現像ユニット６１Ｂ、電位センサ１３、感光体９Ｂを均一に帯電する帯電器１２Ｂ、除電ランプ１１Ｂ、感光体９Ｂのクリーニングを行なう感光体クリーニングユニット１０Ｂが、この順に時計回り方向に配設されている。また、現像ユニット６１Ｂには、現像スリーブ１４ａと現像パドル１４ｂが含まれ、感光体クリーニングユニット１０Ｂには、クリーニング前除電器１０ａ、ブラシローラ１０ｂ及びゴムブレード１０ｃが含まれている。
その他の現像ユニット１８Ｙ、１８Ｍ、１８Ｃも現像ユニット１８Ｂと同一の構成なので、重複する説明は行なわない。
【００５１】
一方、図４に示すように、中間転写ベルト１９Ｂの支持ローラ３０ｃ位置において、一端側が中間転写ベルト１９Ｂに対接し、排紙トレイ２９Ｂ方向に延設して、中間転写ベルト１９Ｂのトナー像を、転写紙２４に転写し搬送する二次転写ユニット４０がローラ３５間に掛けわたされている。この二次転写ユニット４０の延設端部と排紙トレイ２９Ｂ間には、定着ローラ２８ａと加圧ローラ２８ｂを備えた定着ユニット２８Ｂが配設され、定着ユニット２８Ｂの近傍に、画像形成された転写紙２４を表裏反転して排紙トレイ２９Ｂに排出する反転器３８が設けられている。
また、給紙部ＰＢには、サイズの異なる転写紙がそれぞれ収容される複数の給紙カセット４４が設けられ、選択された給紙カセット４４の転写紙が、給紙路４６を介して装置本体部ＭＢに供給されるように構成されている。
【００５２】
このような構成の本実施の形態では、移送される中間転写ベルト１９Ｂに、現像ユニット１８Ｂ、１８Ｙ、１８Ｍ、１８Ｃによって、所定の時間差でＢトナー像、Ｙトナー像、Ｍトナー像及びＣトナー像が、同一転写位置に位置決めされて重畳転写され、中間転写ベルト１９Ｂにカラー画像が転写形成される。
そして、中間転写ベルト１９Ｂに転写形成されたカラー画像が、二次転写ユニット４０によって、給紙部ＰＢの選択された給紙カセット４４から、給紙路４６を介して搬送される転写紙２４に転写され、カラー画像が転写された転写紙２４が、二次転写ユニット４０によって定着器２８Ｂに搬送され、定着器２８Ｂで定着処理が施されて、転写紙２４へのカラー画像の形成が終了し、画像形成が行なわれた転写紙２４が、反転器３８によって裏面を上にして排紙トレイ２９Ｂに排出される。
本実施の形態の光学ユニット８Ｂによる露光動作、画像形成ユニット５Ｂによる画像形成動作、定着ユニット２８Ｂによる定着動作は、すでに第１の実施の形態で説明したそれぞれの動作と同一なので、重複する説明は行なわない。
本実施の形態によると、モノクロ画像形成とカラー画像形成とで、同一速度で画像形成が行なわれる。
本実施の形態のその他の動作は、すでに説明した第１の実施の形態の動作と同一なので、重複する説明は行なわない。
【００５３】
本実施の形態によると、すでに説明した第１の実施の形態で得られる効果に加えて、モノクロ画像形成とカラー画像形成とが同一時間で行なわれるので、登録利用者７の画像形成装置２Ｂの近傍での待機時間を短縮して、効率的な画像形成を行なうことが可能になる。
【００５４】
なお、以上に説明した各実施の形態では、簡単のために、一台の画像形成装置がネットワークを介して、クライアント端末装置としての一台のコンピュータに接続される場合を説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、一般には、複数の画像形成装置がネットワークにより、サーバを介して複数のユーザに対応して配設される複数のコンピュータに接続された構成とすることが可能であり、さらに、コンピュータに代えて、端末装置としてスキャナを使用することも可能である。
また、各実施の形態では、登録利用者が非接触型のＩＣカードを携帯し、ＩＣカードに記録されている画像形成設定履歴情報に基づき、標準画像形成条件を含む複数の画像形成条件情報がディスプレイに表示される場合を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、非接触型のＩＣに代えて、接触型のＩＣを使用することも可能であり、ディスプレイでの表示に代えて、スピーカで音声通報することも可能である。
【００５５】
【発明の効果】
請求項１記載の発明は、クライアント端末装置と該クライアント端末装置にネットワークを介して接続され、利用者の指令に対応する画像形成を行なう画像形成装置とからなる画像形成システムであり、利用者に携帯使用される利用者識別手段には、利用者の識別情報を含む画像形成実行情報が記録されており、画像形成装置に設けられた識別通信手段は、利用者が画像形成装置から所定距離の識別領域内に所定時間以上存在すると、利用者識別手段との間で情報の授受を行い、利用者が新たに設定する画像形成条件情報を、利用者識別手段に記録し、画像形成装置に設けられた通報手段が、識別通信手段が読み取った画像形成実行情報に基づいて、利用者に画像形成条件情報の通報を行なう。
このために、画像形成装置の設置場所に移動して、画像形成を行なおうとする利用者は、識別通信手段によって利用者が携帯する利用者識別手段から読み出される識別情報により、画像形成システムの使用認可が確認され、同様に読み出される画像形成実行情報に基づき、通報手段によって利用者に画像形成条件情報の通報が行なわれるので、利用者は通報される画像形成条件から所望の画像形成条件を選択して、迅速且つ適確に画像形成を行なうことが可能になる。
また、利用者が、通報手段より通報される画像形成条件情報以外の画像形成条件を新に設定すると、識別通信手段によって、設定された画像形成条件が、利用者識別手段に新に記録されるので、利用者識別手段には、常に最新の画像形成条件情報を含む画像形成条件情報が記録され、通報手段は利用者の画像形成装置の使用傾向に対応した適確な通報を行なうことが可能になる。
また、画像形成実行情報には利用者の画像形成条件履歴情報が含まれているので、利用者は過去に設定した広範囲の画像形成条件に対応して、より適確迅速に画像形成条件の設定が可能になる。
【００５６】
請求項２記載の発明によると、利用者識別手段を非接触型のＩＣカードとして、利用者による利用者識別手段の画像形成装置への装着操作を完全に不要にした状態で、請求項１記載の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【００５８】
請求項３記載の発明によると、請求項１記載の発明で得られる効果に加えて、通報手段が、識別通信手段から送信され、利用者識別手段に記録される画像形成条件履歴情報に基づいて、標準画像形成条件情報を含む複数の画像形成条件情報を、所定条件で設定される優先順位に対応させて通報するので、利用者は、適切に設定される優先順位に基づいて、必要な画像形成条件を効率的に選択設定することが可能になる。
【００５９】
請求項４記載の発明によると、請求項３記載の発明で得られる効果に加えて、標準画像形成条件情報を第１優先順位とし、以下の優先順位は、設定された画像形成条件情報の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて設定されるので、一般的な標準画像形成条件での画像形成と、利用者の利用回数と最新利用時からの経過時間とで優先順位が適確に設定される画像形成条件とをより効率的に選択設定することが可能になる。
【００６０】
請求項５記載の発明によると、識別領域を利用者識別手段と識別通信手段間の距離が３ｍ以内の領域とし、所定時間を０．２秒以上として、請求項１ないし請求項４の何れかに記載の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態の全体構成を示す説明図である。
【図２】同実施の形態の画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図３】図２の画像形成ユニットの構成を示す説明図である。
【図４】本発明の第２の実施の形態の画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図５】図４の画像形成ユニットの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
１ コンピュータ
２Ａ、２Ｂ 画像形成装置
３ａ、 リードライタ
３ｂ 通信ユニット
５Ａ、５Ｂ 画像形成ユニット
６ ＩＣカード
７ 登録利用者
８Ａ、８Ｂ 光学ユニット
９Ａ、９Ｂ 感光体
１９Ａ、１９Ｂ 中間転写ベルト
２７Ａ 紙搬送ベルト
２８Ａ、２８Ｂ 定着ユニット
４０ 二次転写ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータなどの端末装置が、ネットワークを介して複写機などの画像形成装置に接続された画像形成システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
複数のコンピュータなどの端末装置がネットワークを介して複数の画像形成装置に接続され、複数の利用者の画像形成装置へのアクセスに対して、複数の画像形成装置を適確に駆動させて、発生する画像形成指令を効率的に処理する画像形成システムが広く利用されている。
この種の画像形成システムでは、先ず、その画像形成システムの使用を登録した利用者を識別し、識別確認された利用者にシステムの使用を認可することが必要であり、このために利用者コードやパスワードをキーボード或いはタッチパネルから入力する方法が取られたり、或いは、指紋、虹彩、音声、ＤＮＡなどをセンサで検出認識する身体情報確認の方法が取られている。
特に、近年では、接触型のＩＣカードや非接触型のＩＣカードと、このＩＣカードと信号の授受を行なうカードリーダ／ライタとにより、利用者を識別する方法が、高い信頼性と操作の簡易化とが評価されて広く採用されるようになり、特に、非接触型のＩＣカードは、耐久性と認識の信頼性とが高く、利用者に操作上の負担を与えないために広く利用される傾向にある。
【０００３】
このように、利用者の識別に非接触型のＩＣカードを使用した例としては、例えば、後記する特許文献１に、非接触型のＩＣカードを携帯して画像形成装置を利用する利用者が、画像形成装置の近傍の所定の領域に複数人存在する場合には、所定の条件で複数の利用者に画像形成装置利用の順番を設定し、設定された順番に従って各利用者の画像形成を実行する画像形成システムが開示されている。
【０００４】
【特許文献１】
特許第２９８０４０４号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の画像形成システムの画像形成装置を使用する画像形成に際して、利用者は、サイズ、片面／両面、プリント方向、部数、ノルマルモード／写真モードなどの画像モード、さらにはステープルなど各種の画像形成条件の設定を行なうことが必要である。
この場合、利用者により設定される画像形成条件は、その画像形成システムが設置されている企業の種類、画像形成の対象となる原稿画像の種類、画像形成時の利用者の選択などによって異なるものではあるが、美術デザイン系の企業などの特殊な企業を除いて、通常の企業の場合には、多くの利用者に共通して高い頻度で設定される画像形成条件は、Ａ４サイズ、片面印刷、部数１であり、この画像形成条件を本発明では標準画像形成条件（デフォルト）と呼ぶことにする。
【０００６】
この種の画像形成システムを利用して画像形成を行なう場合、利用者は画像形成装置を操作することにより、目的の画像形成条件を設定する必要があり、特に、標準画像形成条件以外の特殊な画像形成条件を設定しようとすると、設定処理がかなり複雑になり利用者に設定操作上の負担がかかることになる。
この問題を解決するために、利用者にとって利用頻度の多い画像形成条件を、予め登録することが可能な画像形成装置も提案されているが、この種の画像形成装置では、利用者の登録と登録した画像形成条件の読出の操作とがかなり複雑になり、利用者にとって操作上にかなりの手間と負担がかかるために、画像形成条件の事前登録はあまり利用されていないのが現状である。
【０００７】
他方では、画像形成システムの画像形成装置を利用する場合に、利用者が標準画像形成条件以外の特殊な画像形成条件を設定して画像形成を行なった後に、設定した特殊な画像形成条件のリセットを忘れると、次の利用者がつい設定されている特殊な画像形成条件（大量枚数の画像形成、写真モード、変倍設定、ステープル設定など）のまま、無駄な画像形成をしてしまうことがある。
この問題を解決するために、画像形成装置の前面に赤外線センサなどの利用者センサを設け、利用者センサが利用者を検知している間は、該利用者の設定した画像形成条件を保持し、利用者センサが利用者を検知しなくなって、所定時間が経過すると画像形成条件を予め設定した初期値にリセットする画像形成装置も提案されている。しかし、この方法では、所定時間が短すぎると、画像形成動作中に利用者が画像形成装置の前を僅かの時間離れただけで、画像形成条件が初期値にリセットされ、目的の画像形成を行なうことができなくなり、一方所定時間が長いと、次の利用者が前回の利用者が設定した特殊の画像形成条件で画像形成を開始することになり不便である。
【０００８】
本発明は、前述したようなこの種の画像形成システムの動作の現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者の操作上の負担を大幅に低減し、利用者が各種の画像形成条件を迅速に選択して、対応する画像形成動作を適確且つスムースに実行可能な画像形成システムを提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項１記載の発明は、クライアント端末装置と該クライアント端末装置にネットワークを介して接続され、利用者の指令に対応する画像形成を行なう画像形成装置とからなる画像形成システムにおいて、利用者に携帯使用され、前記利用者の識別情報と該利用者の画像形成条件履歴情報を含む画像形成実行情報が記録される利用者識別手段と、前記画像形成装置に設けられ、前記利用者が前記画像形成装置から所定距離の識別領域内に所定時間以上存在すると、前記利用者識別手段との間で情報の授受を行い、前記利用者が新たに設定する画像形成条件情報を、前記利用者識別手段に記録する識別通信手段と、前記画像形成装置に設けられ、前記識別通信手段が読み取った前記画像形成実行情報に含まれる画像形成条件情報を選択可能に表示して前記利用者への通報を行なう通報手段とを有し、前記利用者が前記通報手段に表示された画像形成条件情報の１つを選択すると、前記画像形成装置は、該利用者が前記クライアント端末装置に格納した画像情報をネットワークを介して取り込み、前記選択された画像形成条件情報に従って該画像情報に関する画像形成を行うことを特徴とするものである。
【００１０】
請求項１記載の発明によると、利用者に携帯使用される利用者識別手段には、利用者の識別情報を含む画像形成実行情報が記録されており、画像形成装置に設けられた識別通信手段は、利用者が画像形成装置から所定距離の識別領域内に所定時間以上存在すると、利用者識別手段との間で情報の授受を行い、利用者が新たに設定する画像形成条件情報は利用者識別手段に記録され、画像形成装置に設けられた通報手段は、識別通信手段が読み取った画像形成実行情報に基づいて、利用者に画像形成条件情報の通報を行なう。
このために、画像形成装置の設置場所に移動して、画像形成を行なおうとする利用者は、識別通信手段によって、利用者識別手段から読み出される識別情報により、画像形成システムの使用認可が確認され、同様に読み出される画像形成実行情報に基づき、通報手段によって、利用者に画像形成条件情報の通報が行なわれ、利用者によって、通報される画像形成条件から所望の画像形成条件が選択され、迅速且つ適確に画像形成が行なわれる。
また、利用者が、通報手段より通報される画像形成条件情報以外の画像形成条件を新に設定すると、識別通信手段によって、新に設定された画像形成条件が利用者識別手段に新に記録されるので、利用者識別手段には、常に最新の画像形成条件情報を含む画像形成条件情報が記録され、通報手段によって利用者の画像形成装置の使用傾向に対応した適確な通報が行なわれる。
また、画像形成実行情報には利用者の画像形成条件履歴情報が含まれているので、利用者により過去に設定した広範囲の画像形成条件に対応して、より適確迅速に画像形成条件の設定が行なわれる。
【００１１】
同様に前記目的を達成するために、請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明において、利用者識別手段が非接触型のＩＣカードであることを特徴とするものである。
【００１２】
請求項２記載の発明によると、利用者識別手段を非接触型のＩＣカードとして、利用者による利用者識別手段の画像形成装置への装着操作を完全に不要にした状態で、請求項１記載の発明での作用が実行される。
【００１５】
同様に前記目的を達成するために、請求項３記載の発明は、請求項１記載の発明に対して、識別通信手段から送信され、利用者識別手段に記録される画像形成条件履歴情報に基づいて、通報手段が、標準画像形成条件情報を含む複数の画像形成条件情報を、所定条件で設定される優先順位に対応させて通報することを特徴とするものである。
【００１６】
請求項３記載の発明によると、請求項１記載の発明での作用に加えて、通報手段が、識別通信手段から送信され、利用者識別手段に記録される画像形成条件履歴情報に基づいて、標準画像形成条件情報を含む複数の画像形成条件情報を、所定条件で設定される優先順位に対応させて通報するので、適切に設定される優先順位に基づいて、利用者によって必要な画像形成条件が効率的に選択設定される。
【００１７】
同様に前記目的を達成するために、請求項４記載の発明は、請求項３記載の発明において、優先順位が、標準画像形成条件情報を第１優先順位とし、以下の優先順位は、設定された画像形成条件情報の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて設定されることを特徴とするものである。
【００１８】
請求項４記載の発明によると、請求項３記載の発明での作用に加えて、標準画像形成条件情報を第１優先順位とし、以下の優先順位は、設定された画像形成条件情報の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて設定されるので、一般的な標準画像形成条件での画像形成と、利用者の利用回数と最新利用時からの経過時間とで優先順位が適確に設定される画像形成条件とがより効率的に選択設定される。
【００１９】
同様に前記目的を達成するために、請求項５記載の発明は、請求項１ないし請求項４の何れかに記載の発明において、識別領域が利用者識別手段と識別通信手段間の距離が３ｍ以内の領域であり、所定時間が０．２秒以上であることを特徴とするものである。
【００２０】
請求項５記載の発明によると、識別領域を利用者識別手段と識別通信手段間の距離が３ｍ以内の領域とし、所定時間を０．２秒以上として、請求項１ないし請求項４の何れかに記載の発明での作用が実行される。
【００２１】
【発明の実施の形態】
［第１の実施の形態］
本発明の第１の実施の形態を、図１ないし図３を参照して説明する。
図１は本実施の形態の全体構成を示す説明図、図２は本実施の形態の画像形成装置の構成を示す説明図、図３は図２の画像形成ユニットの構成を示す説明図である。
【００２２】
本実施の形態では、予め画像形成システムの利用認可の登録を受けた利用者が、システムの利用ために操作するクライアント端末装置をコンピュータ１とし、説明を簡単にするために、図１に示すように、一台のコンピュータ１がネットワークＣを介して、一台の画像形成装置２Ａに接続されている場合について説明する。
この場合、コンピュータ１を操作する利用者（以下登録利用者７という）は、自己を識別する非接触型のＩＣカード６を携帯しており、コンピュータ１には、登録ユーザ７が携帯するＩＣカード６の記録情報を検出して取込むリードライタ３ａが取り付けられている。
ここでは、非接触型ＩＣカードの例として、身分証のような形状のカードを示したが、この場合カードの形状には限定されるものではなく、さらに、本実施の形態に限定されない本発明では、例えば、ペン、時計、指輪、アクセサリー、社章等の身につけるものや、携帯電話、ＰＨＳ、ＰＤＡ、携帯パソコン等を識別手段として利用することができる。
一方、画像形成装置２Ａには、登録利用者７が、同図に示すように、画像形成装置２Ａの近傍の識別領域内に、所定時間以上にわたって位置すると、登録利用者７が携帯するＩＣカード７との間で、信号授受の通信を行なう通信ユニット３ｂが取り付けられ、この通信ユニット３ｂは、登録ユーザ７の携帯するＩＣカード６と通信ユニット３ｂ間の距離が３ｍ以内の識別領域にあり、登録利用者７がこの識別領域内に０．２秒以上継続して検出されると、ＩＣカード７との間での情報授受の通信を実行する機能を備えている。この場合、通信ユニット３ｂは、複数の登録利用者７を識別領域内に同時に検出すると、最初に識別領域に入った登録利用者７を画像形成装置２Ａの利用者と判別して、該登録利用者７との間での通信を実行するように構成されている。
【００２３】
また、ＩＣカード７には、利用者のＩＤ（Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ；識別情報）と、利用者が今までに設定した画像形成条件の履歴情報とが、画像形成実行情報として記録されるＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓ ａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ＲＯＭ）が設けられている。 そして、 このＥＥＰＲＯＭに記録される画像形成条件の履歴情報は、この画像形成システムの標準画像形成条件を第１優先順位とし、その後の第２優先順位、第３優先順位・・・は、設定された画像形成条件のこれまでの利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて、所定の条件で設定され、画像形成条件の履歴情報は、このように設定された優先順位に対応して、ＥＥＰＲＯＭに記録されている。さらに、本実施の形態では、第１優先順位の標準画像形成条件は、サイズＡ４、片面印刷、部数１の画像形成条件が選択設定されている。
【００２４】
一方、画像形成装置２Ａには、登録利用者７の携帯する非接触型のＩＣカード６と、通信ユニット３ａ間での通信により、ＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭから読み出される画像形成条件の履歴情報を、優先順位に従って一覧表示する図示せぬディスプレイが設けられている。
また、画像形成装置２Ａには、通信ユニット３ｂにより、画像形成装置２Ａを利用した登録利用者７が識別領域内に検出されなくなって、所定時間、例えば３秒が経過すると、ディスプレイの表示を標準画像形成条件に復帰するリセット手段が設けられている。
【００２５】
本実施の形態の画像形成装置２Ａには、図１及び図２に示すように、登録利用者７の操作によりコンピュータ１からネットワークＣを介して入力される画像情報信号に基づいて、対応する画像形成を行なう装置本体部ＭＡが、この装置本体部ＭＡに転写紙の供給を行なう給紙部ＰＡの上面に固定配設され、装置本体部ＭＡの上面には、画像形成装置２Ａの単独使用時に、原稿画像の読取りを行なうカラースキャナＣＡが固定配設され、装置本体部ＭＡの一側面には、画像形成が行なわれた転写紙が排出載置される排紙トレイ２９Ａが取り付けられ、他の側面には画像形成装置２Ａに手動で転写紙をセットする手差給紙トレイ３４が取り付けられている。
【００２６】
また、装置本体部ＭＡには、コンピュータ１から通信回線Ｃを介して送信される画像情報信号と、登録利用者７が選択する画像形成条件とに基づいて、画像情報信号に対応する光学信号Ｆｌを出力する光学ユニット８Ａが配設され、光学ユニット８Ａの下方には、光学ユニット８Ａからの光学信号Ｆｌに基づいて、画像形成を行なう画像形成ユニット５Ａが配設されている。この画像形成ユニット５Ａと排紙トレイ２９Ａ間には、定着ローラ２８ａと加圧ローラ２８ｂを備え、画像形成ユニット５Ａで画像形成が行なわれた転写紙の定着処理を行なう定着ユニット２８Ａが配設されている。さらに、定着ユニット２８Ａの近傍には、画像形成された転写紙２４を表裏を反転させて排紙トレイ２９Ａに排出する反転器３８が設けられている。
一方、給紙部ＰＡには、サイズの異なる転写紙がそれぞれ収容される複数の給紙カセット４４が設けられ、選択された給紙カセット４４の転写紙が、給紙路４６を介して装置本体部ＭＡに供給されるように構成されている。
【００２７】
ところで、画像形成ユニット５Ａには、図３に示すように、光学ユニット８Ａからの光学信号Ｆｌの照射により、画像情報信号に対応する静電潜像が形成される感光体９Ａが設けられ、この感光体９Ａの周面に近接対向して、現像スリーブ１４ａ、現像パドル１４ｂ及びトナー濃度センサ１４ｃを備え、ＢＫトナーでの現像を行なうＢＫ現像ユニット１４、同様の構成でＹトナーでの現像を行なうＹ現像ユニット１７、Ｍトナーでの現像を行なうＭ現像ユニット１６、Ｃトナーでの現像を行なうＣ現像ユニット１５、さらに、感光体９Ａのクリーニングを行なう感光体クリーニングユニット１０Ａ、除電を行なう除電ランプ１１Ａ、帯電を行なう帯電器１２Ａ及び電位センサ１３が、反時計回り方向にこの順に配列されている。
【００２８】
また、Ｃ現像ユニット１５と感光体クリーニングユニット１０Ａ間には、感光体９Ａに形成される画像情報の顕像が転写される中間転写ベルト１９Ａが配設され、中間転写ベルト１９Ａに対接転動するアースローラ２０ｂと駆動ローラ２１間には、中間ベルト１９Ａをクリーニングするクリーニングユニット２２Ａが配設され、駆動ローラ２１に対向する位置には、中間転写ベルト１９Ａの顕像即ちトナー像を転写紙２４に転写する紙転写ユニット２３Ａが配設されている。
さらに、紙転写紙ユニット２３Ａと定着器ユニット２８Ａ間には、画像情報が画像形成された転写紙２４を、定着器ユニット２８Ａに搬送する紙搬送ベルト２７Ａが配設されている。
【００２９】
このような構成の本実施の形態におけるカラー画像の画像形成動作を以下に説明する。
コンピュータ１のリードライタ３ａにより、携帯する非接触型のＩＣカード６により、画像形成システムの利用を認可された登録利用者７が、コンピュータ１を操作することにより、画像形成の対象となる画像情報データを作成してコンピュータ１のメモリに格納し、現在使用可能な形成画像形成装置２Ａを検出し、コンピュータ１から画像形成装置２Ａの使用指令を入力し、画像形成装置２Ａの設置位置に移動する。
登録利用者７が画像形成装置２Ａに近付き、識別領域内に入ることにより、登録利用者７が携帯する非接触のＩＣカード６と画像形成装置２Ａの通信ユニット３ｂ間の距離が３ｍ以内となり、この状態が０．２秒以上継続すると、ＩＣカード６と通信ユニット３ｂ間で 、情報の授受が可能な通信状態が設定される。こ の場合、識別領域内に複数の登録利用者７が存在する状態では、最初に識別領域に入った登録利用者７のＩＣカード７との間でのみ、通信ユニット３ｂが通信状態となる。
【００３０】
この状態で、通信ユニット３ｂは、登録利用者７の携帯する非接触型のＩＣカード７のＥＥＰＲＯＭに記録されている画像形成実行情報から利用者の識別情報（ＩＤ）と、利用者が今までに設定した画像形成条件の履歴情報とを取込み、識別情報により該利用者が登録利用者であると確認すると、標準画像形成条件を第１優先順位とし、その後の第２優先順位、第３優先順位・・・は、設定された画像形成条件のこれまでの利用回数と、最新利用時からの経過時間とに基づいて、所定の条件で設定される優先順位に対応して記録されている画像形成条件の履歴情報が読み出され、画像形成装置２Ａのディスプレイに優先順位に対応して表示される。
そこで、登録利用者７は、画像形成装置２Ａのディスプレイに優先順位に従って一覧表示される画像形成条件の履歴情報を確認し、今回実行しようとする画像形成条件が一覧中に存在するとその位置をパネルタッチすることにより、目的の画像形成条件を選択し、選択された画像形成条件で、後述するように画像形成が行なわれ、画像形成が行なわれた転写紙２４が排紙トレイ２９Ａに、反転器３８によつて裏面を上にして排出載置される。
【００３１】
この場合は、画像形成装置２Ａによって、パネルタッチ操作により選択された画像形成条件の利用回数が＋１歩進され、ディスプレイに表示される画像形成条件の優先順位が、画像形成条件の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて、所定の条件で再演算され、得られる優先順位に従って、登録利用者７の携帯するＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに対する画像形成条件情報の記録が書き換えられる。
【００３２】
また、登録利用者７が画像形成装置２Ａのディスプレイに表示された画像形成条件の一覧中に、今回実行しようとする画像形成条件が存在しない場合には、登録利用者７は、画像形成装置２Ａの図示せぬ操作パネルから、目的の画像形成条件を入力設定することにより、新しく設定された画像形成条件により、後述するように画像形成が行なわれ、画像形成が行なわれた転写紙２４が排紙トレイ２９Ａに、反転器３８によつて裏面を上にして排出載置される。
【００３３】
この場合は、新しく設定された画像形成条件を含む画像形成条件履歴情報の優先順位が、画像形成条件の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づき再演算され、得られる優先順位に従って、登録利用者７の携帯するＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに対する新たな画像形成条件を含む画像形成条件の記録の更新が行なわれる。
【００３４】
そして、通信ユニット３ｂによって、画像形成装置２Ａを利用した登録利用者７が識別領域内に検出されなくなって、所定時間、例えば３秒が経過すると、画像形成装置２Ａのリセット手段によって、ディスプレイに表示された画像形成条件の履歴情報が消去され、ディスプレイには標準画像形成条件が表示される。
【００３５】
本実施の形態において、画像形成動作が実行される場合には、画像形成動作が開始されると、対応する画像情報信号が、コンピュータ１から取り込まれ、通信回線Ｃを介して画像形成装置２Ａに入力され、光学ユニット８Ａからのレーザ光が、画像情報に対応する光学信号Ｆｌとして現像ユニット５Ａに照射される。
現像ユニット５Ａの感光体９Ａは、予め帯電器１２Ａにより表面が均一に帯電されており、この感光体９Ａに光学信号Ｆｌとしてレーザ光が、画像部以外の領域に露光照射され、照射部の帯電電荷が除去され、感光体９Ａには画像情報に対応する静電潜像が形成される。
次いで行なわれるカラー画像の画像形成動作の色選択の順序は任意に設定できるが、以下では、Ｂｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙの順序で画像形成を行なう場合を説明する。
【００３６】
ここで、画像形成動作が開始されると、先ず、Ｂｋ画像データに対応するＢｋ潜像が感光体９Ａに露光形成され、このＢｋ潜像先端部が、Ｂｋ現像ユニット１４の現像位置に到達する前に、現像スリーブ１４ａの回転が開始され、感光体９ＡのＢｋ潜像がＢｋ現像ユニット１４の現像位置に達した時点で、Ｂｋ潜像のＢｋトナーでの現像が開始され、Ｂｋ潜像後端部がＢｋ現像ユニット１４の現像位置を通過すると、Ｂｋトナーでの現像が終了して、感光体９ＡにＢｋトナー像が形成される。そして、次に感光体９Ａに形成される画像データに対応するＣ潜像先端部が、Ｂｋ現像ユニット１４に到達する前に、Ｂｋ現像ユニット１４が現像不作動状態に設定される。
【００３７】
次いで、所定のタイミングで、感光体９Ａに露光形成されるＣ画像データに対応するＣ潜像先端部が、Ｃ現像ユニット１５の現像位置に到達する前に、現像スリーブ１５ａの回転が開始され、感光体９ＡのＣ潜像がＣ現像ユニット１５の現像位置に達した時点で、Ｃ潜像のＣトナーでの現像が開始され、Ｃ潜像後端部がＣ現像ユニット１５の現像位置を通過すると、Ｃトナーでの現像が終了して、感光体９ＡにＣトナー像が形成される。そして、次に感光体９Ａに形成されるＭ画像データに対応するＭ潜像先端部が、Ｃ現像ユニット１５に到達する前に、Ｃ現像ユニット１５が現像不作動状態に設定される。
以下同様にして、感光体９Ａに露光形成されるＭ潜像、Ｙ潜像が、それぞれＭトナー、Ｙトナーで現像され、感光体９ＡにＭトナー像、Ｙトナー像が形成される。
【００３８】
このようにして、感光体９Ａに形成されるＢｋトナー像、Ｃトナー像、Ｍトナー像及びＹトナー像が、中間転写ベルト１９Ａ上に重畳転写されて、フルカラーのベルト転写画像が得られる。
このベルト転写画像の重畳転写動作時の中間転写ベルト１９Ａの駆動方式には、（１）一定速往動方式、（２）スキップ往動方式、（３）往復動方式があり、画像形成に際しては、何れかの方式、或いは形成画像サイズに応じて、複数の方式を組み合わせて効率的な画像形成が行なわれる。
一定速往動方式では、感光体９Ａに形成されたＢｋトナー像が、感光体９Ａと等速度で駆動される中間転写ベルト１９Ａに、転写バイアスローラ２０ａに所定のバイアス電圧が印加されることによりベルト転写された後も、感光体９Ａと中間転写ベルト１９Ａの一定速度での往動が継続される。
そして、中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像の先端位置が、再度感光体９Ａとの接触位置に到達する時点に、感光体９Ａに形成されたＣトナー像の先端が、その接触位置に到達するように、感光体９ＡでのＣトナー像の形成とＣトナー像の移送が同期制御され、中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像にＣトナー像が重畳転写される。
以下同様にして、Ｍトナー像の重畳、さらにＹトナー像の重畳が行なわれ、中間転写ベルト１９Ａに、フルカラーの転写画像が形成される。
【００３９】
スキップ往動方式では、感光体９Ａに形成されたＢｋトナー像が、感光体９Ａと等速度で駆動される中間転写ベルト１９Ａに、転写バイアスローラ２０ａに所定のバイアス電圧が印加されることによりベルト転写されると、感光体９Ａ面から中間転写ベルト１９Ａが離間され、中間転写ベルト１９Ａを往動方向に所定量高速スキップさせ、その後当初の往動速度で移動させる。
この状態で中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像の先端位置が、再度感光体９Ａとの接触位置に到達する時点に、感光体９Ａに形成されたＣトナー像の先端が、その接触位置に到達するように、感光体９ＡでのＣトナー像の形成とＣトナー像の移送が同期制御され、中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像にＣトナー像が重畳転写される。
以下同様にして、Ｍトナー像の重畳、さらにＹトナー像の重畳が行なわれ、中間転写ベルト１９Ａに、フルカラーの転写画像が形成される。
【００４０】
往復動方式では、感光体９Ａに形成されたＢｋトナー像が、感光体９Ａと等速度で駆動される中間転写ベルト１９Ａに、転写バイアスローラ２０ａに所定のバイアス電圧が印加されることによりベルト転写されると、感光体９Ａ面から中間転写ベルト１９Ａが離間され、中間転写ベルト１９Ａを逆方向に高速度でリターンさせる。
このリターン動作が行なわれる中間転写ベルト１９Ａは、Ｂｋ転写画像の先端位置が、ベルト転写転写対応位置を逆方向に通過して、予め設定した距離移動した位置で待機状態とされ、感光体９ＡのＣトナー像の先端部が、ベルト転写位置より手前の所定位置に到達した時点で、中間転写ベルト１９Ａを再度往動方向にスタートさせ、中間転写ベルト１９Ａを感光体９Ａに再度接触させる。
そして、感光体９Ａに形成されたＣトナー像の先端が、中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像の先端に一致するように、感光体９ＡでのＣトナー像の形成とＣトナー像の移送が同期制御され、中間転写ベルト１９ＡのＢｋ転写画像にＣトナー像が重畳転写される。
以下同様にして、Ｍトナー像の重畳、さらにＹトナー像の重畳が行なわれ、中間転写ベルト１９Ａに、フルカラーの転写画像が形成される。
【００４１】
以上に説明した何れの中間転写ベルト１９Ａの駆動方式による場合でも、フルカラーの転写画像が形成された中間転写ベルト１９Ａは、往動方向に所定速度で移動し、紙転写ユニット２３位置において、中間転写ベルト１９Ａのフルカラーの転写画像の先端位置が、画像転写先端位置に一致するように、同期が取られて送り込まれ、接離機構２３ｃで紙転写バイアスローラ２３ａと駆動ローラ２１に挟持される転写紙２４に対して、バイアスローラ２３ａにバイアス電圧が印加されることにより、中間転写ベルト１９Ａのフルカラー転写画像は転写紙２４に転写される。
このようにして、フルカラー画像が転写された転写紙２４は、紙搬送ベルト２７によって、定着ユニット２８Ａに送り込まれ、所定温度に制御された定着ローラ２８ａと加圧ローラ２８ｂで、フルカラー画像のトナーが溶融定着され、画像形成が終了し、フルカラー画像が画像形成された転写紙２４は反転器３８によつて裏面を上にして排出載置される。
以上に説明した本実施の形態における画像形成に際しては、モノクロ画像では３０ｐｐｍ以上の速度で画像形成が行なわれる。
【００４２】
なお、ベルト転写後の感光体９Ａは、感光体クリーニングユニット１０Ａにおいて、クリーニング前除電器１０ａで除電され、ブラシローラ１０ｂとゴムブレード１０ｃで表面がクリーニングされた後に、除電ランプ１１Ａで均一に除電される。また、転写紙２４にフルカラー画像を転写した後の中間転写ベルト１９は、クリーニングユニット２２において、接離機構２２ｃで接触駆動されるブラシローラ２２ａとゴムブレード２２ｂにより表面のクリーニングが行なわれる。
【００４３】
以上に説明したように、本実施の形態によると、登録利用者７が携帯する非接触型のＩＣカード６と、画像形成装置２Ａの通信ユニット３ｂとの間隔が３ｍ以内となる識別領域内に、登録利用者７が入って０．２秒以上経過すると、ＩＣカード６と通信ユニット３ｂとの間で信号授受の通信が開始され、ＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに記録されている識別情報（ＩＤ）により登録利用者７が確認されると、標準画像形成条件を第１優先順位とし、以下は画像形成条件の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づき設定される優先順位に従って、ＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに記録されている画像形成条件情報が、画像形成装置２Ａのディスプレイに表示される。
このために、登録利用者７は、ディスプレイに優先順位に従って一覧表示される画像形成条件情報から、今回実行しようとする画像形成条件を、ディスプレイの対応する位置のパネルタッチにより操作負担なしに簡単に選択し、対応する画像形成を迅速スムーズに行なうことが可能になり、今回実行しようとする画像形成条件の表示がディスプレイにない時は、画像形成装置２Ａの操作パネルから、目的の画像形成条件を新しく入力設定することにより、通常使用しない特殊な画像形成条件での画像形成も適確に行なうことが可能になる。
【００４４】
そして、パネルタッチ選択が行なわれた場合は、ＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭの記録に対して、選択された画像形成条件の利用回数が＋１歩進され、新たな画像形成条件が入力された場合は、該画像形成条件がＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに新たな画像形成条件として記録され、何れの場合も画像形成条件の優先順位が、画像形成条件の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて、所定の条件で再演算され、得られる優先順位に従って、登録利用者７の携帯するＩＣカード６のＥＥＰＲＯＭに対する画像形成条件情報の記録が書き換えられる。
このために、登録利用者７の携帯するＩＣカード６に記録される画像形成条件情報は、登録利用者７の画像形成装置２Ａの使用の度に、所定の条件で書き換えられる優先順位に対応して更新記録され、登録利用者７が識別領域内に０．２秒以上位置すると、画像形成条件履歴情報が更新された優先順位で画像形成装置２Ａのディスプレイに表示されるので、常に登録利用者７の選択に最適な表示に基づいて、登録利用者７は迅速且つ適確に画像形成装置２Ａを使用することが可能になる。
【００４５】
さらに、登録利用者７が識別領域に検出されなくなって３秒経過後に、画像形成装置２Ａのディスプレイの画像形成条件情報の一覧が、標準画像形成条件にリセットされるので、例えば、照明を点灯するために、登録利用者７が短時間識別領域を離れても、画像形成条件情報の表示のリセットはなく、画像形成中の登録利用者７に便利であり、最初の画像形成後直ちに次の画像形成を行なう場合にも、自己の画像形成条件情報が表示されていて便利である。
【００４６】
また、識別領域に複数の登録利用者７が存在する時は、最初に識別領域内に検出された登録利用者７のＩＣカード６と通信ユニット３ｂとの間のみが通信状態に設定され、複数の登録利用者７から適確に対象利用者が選定され、画像形成装置２Ａの利用上の混乱が防止可能になり、さらに、識別領域内に登録利用者７が０．２秒以上存在しないと、ＩＣカード６と通信ユニット３ｂ間は通信状態にならないので、画像形成装置２Ａの近傍の通行人を登録利用者と誤認して発生する誤動作の防止が可能になる。
【００４７】
［第２の実施の形態］
本発明の第２の実施の形態を、図４及び図５を参照して説明する。
図４は本実施の形態の画像形成装置の構成を示す説明図、図５は図４の画像形成ユニットの構成を示す説明図である。
【００４８】
本実施の形態の画像形成装置２Ｂには、図５に示すように、登録利用者７の操作によりコンピュータ１からネットワークＣを介して入力される画像情報信号と登録利用者が選択する画像形成条件とに基づいて、対応する画像形成を行なう装置本体部ＭＢが、装置本体部ＭＢに転写紙の供給を行なう給紙部ＰＢの上面に固定配設され、装置本体部ＭＢの上面には、画像形成装置２Ｂの単独使用時に、原稿画像の読取りを行なうカラースキャナＣＢが固定配設され、カラースキャナＣＢの上面には、画像形成装置２Ｂの単独使用時に、カラースキャナＣＢに原稿の自動供給を行なうＡＤＦ（Ａｕｔｏ Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｆｅｅｄｅｒ）Ｄが固定配設され、装置本体部ＭＢの一側面には、画像形成が行なわれた転写紙が排出載置される排紙トレイ２９Ｂが取り付けられ、他側面には画像形成装置２Ｂに転写紙２４を手動でセットする手差給紙トレイ３４が取り付けられている。
【００４９】
また、装置本体部ＭＡには、コンピュータ１から通信回線Ｃを介して送信される画像情報信号と指令信号とに基づいて、画像情報信号に対応する光学信号Ｆｌを出力する光学ユニット８Ｂが配設され、光学ユニット８Ｂの下方には、画像形成に係るトナー像の転写が行なわれる中間転写ベルト１９Ｂが、支持ローラ３０ａ〜３０ｃに掛け回されて、時計回り方向に回転自在に配設され、支持ローラ３０ｂに対向する位置に、中間転写ベルト１９Ｂのクリーニングを行なうベルトクリーニングユニット２２Ｂが配設されている。
そして、光学ユニット８Ｂと中間転写ベルト１９Ｂ間において、光学ユニット８Ｂからの光学信号に基づいて、画像形成を行なう画像形成ユニット５Ｂが配設されている。
【００５０】
この画像形成ユニット５Ｂは、それぞれＢ、Ｙ、Ｍ、Ｃの各色の現像を行なう現像ユニット１８Ｂ、１８Ｙ、１８Ｍ、１８Ｃが、水平方向に並設されたタンデム方式に構成され、図５に示すように、現像ユニット１８Ｂは、中間転写ベルト１９Ｂに対接して配設される感光体９Ｂの周面に近接対向して、感光体９Ｂに露光される静電潜像をＢトナーで現像する現像ユニット６１Ｂ、電位センサ１３、感光体９Ｂを均一に帯電する帯電器１２Ｂ、除電ランプ１１Ｂ、感光体９Ｂのクリーニングを行なう感光体クリーニングユニット１０Ｂが、この順に時計回り方向に配設されている。また、現像ユニット６１Ｂには、現像スリーブ１４ａと現像パドル１４ｂが含まれ、感光体クリーニングユニット１０Ｂには、クリーニング前除電器１０ａ、ブラシローラ１０ｂ及びゴムブレード１０ｃが含まれている。
その他の現像ユニット１８Ｙ、１８Ｍ、１８Ｃも現像ユニット１８Ｂと同一の構成なので、重複する説明は行なわない。
【００５１】
一方、図４に示すように、中間転写ベルト１９Ｂの支持ローラ３０ｃ位置において、一端側が中間転写ベルト１９Ｂに対接し、排紙トレイ２９Ｂ方向に延設して、中間転写ベルト１９Ｂのトナー像を、転写紙２４に転写し搬送する二次転写ユニット４０がローラ３５間に掛けわたされている。この二次転写ユニット４０の延設端部と排紙トレイ２９Ｂ間には、定着ローラ２８ａと加圧ローラ２８ｂを備えた定着ユニット２８Ｂが配設され、定着ユニット２８Ｂの近傍に、画像形成された転写紙２４を表裏反転して排紙トレイ２９Ｂに排出する反転器３８が設けられている。
また、給紙部ＰＢには、サイズの異なる転写紙がそれぞれ収容される複数の給紙カセット４４が設けられ、選択された給紙カセット４４の転写紙が、給紙路４６を介して装置本体部ＭＢに供給されるように構成されている。
【００５２】
このような構成の本実施の形態では、移送される中間転写ベルト１９Ｂに、現像ユニット１８Ｂ、１８Ｙ、１８Ｍ、１８Ｃによって、所定の時間差でＢトナー像、Ｙトナー像、Ｍトナー像及びＣトナー像が、同一転写位置に位置決めされて重畳転写され、中間転写ベルト１９Ｂにカラー画像が転写形成される。
そして、中間転写ベルト１９Ｂに転写形成されたカラー画像が、二次転写ユニット４０によって、給紙部ＰＢの選択された給紙カセット４４から、給紙路４６を介して搬送される転写紙２４に転写され、カラー画像が転写された転写紙２４が、二次転写ユニット４０によって定着器２８Ｂに搬送され、定着器２８Ｂで定着処理が施されて、転写紙２４へのカラー画像の形成が終了し、画像形成が行なわれた転写紙２４が、反転器３８によって裏面を上にして排紙トレイ２９Ｂに排出される。
本実施の形態の光学ユニット８Ｂによる露光動作、画像形成ユニット５Ｂによる画像形成動作、定着ユニット２８Ｂによる定着動作は、すでに第１の実施の形態で説明したそれぞれの動作と同一なので、重複する説明は行なわない。
本実施の形態によると、モノクロ画像形成とカラー画像形成とで、同一速度で画像形成が行なわれる。
本実施の形態のその他の動作は、すでに説明した第１の実施の形態の動作と同一なので、重複する説明は行なわない。
【００５３】
本実施の形態によると、すでに説明した第１の実施の形態で得られる効果に加えて、モノクロ画像形成とカラー画像形成とが同一時間で行なわれるので、登録利用者７の画像形成装置２Ｂの近傍での待機時間を短縮して、効率的な画像形成を行なうことが可能になる。
【００５４】
なお、以上に説明した各実施の形態では、簡単のために、一台の画像形成装置がネットワークを介して、クライアント端末装置としての一台のコンピュータに接続される場合を説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、一般には、複数の画像形成装置がネットワークにより、サーバを介して複数のユーザに対応して配設される複数のコンピュータに接続された構成とすることが可能であり、さらに、コンピュータに代えて、端末装置としてスキャナを使用することも可能である。
また、各実施の形態では、登録利用者が非接触型のＩＣカードを携帯し、ＩＣカードに記録されている画像形成設定履歴情報に基づき、標準画像形成条件を含む複数の画像形成条件情報がディスプレイに表示される場合を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、非接触型のＩＣに代えて、接触型のＩＣを使用することも可能であり、ディスプレイでの表示に代えて、スピーカで音声通報することも可能である。
【００５５】
【発明の効果】
請求項１記載の発明は、クライアント端末装置と該クライアント端末装置にネットワークを介して接続され、利用者の指令に対応する画像形成を行なう画像形成装置とからなる画像形成システムであり、利用者に携帯使用される利用者識別手段には、利用者の識別情報を含む画像形成実行情報が記録されており、画像形成装置に設けられた識別通信手段は、利用者が画像形成装置から所定距離の識別領域内に所定時間以上存在すると、利用者識別手段との間で情報の授受を行い、利用者が新たに設定する画像形成条件情報を、利用者識別手段に記録し、画像形成装置に設けられた通報手段が、識別通信手段が読み取った画像形成実行情報に基づいて、利用者に画像形成条件情報の通報を行なう。
このために、画像形成装置の設置場所に移動して、画像形成を行なおうとする利用者は、識別通信手段によって利用者が携帯する利用者識別手段から読み出される識別情報により、画像形成システムの使用認可が確認され、同様に読み出される画像形成実行情報に基づき、通報手段によって利用者に画像形成条件情報の通報が行なわれるので、利用者は通報される画像形成条件から所望の画像形成条件を選択して、迅速且つ適確に画像形成を行なうことが可能になる。
また、利用者が、通報手段より通報される画像形成条件情報以外の画像形成条件を新に設定すると、識別通信手段によって、設定された画像形成条件が、利用者識別手段に新に記録されるので、利用者識別手段には、常に最新の画像形成条件情報を含む画像形成条件情報が記録され、通報手段は利用者の画像形成装置の使用傾向に対応した適確な通報を行なうことが可能になる。
また、画像形成実行情報には利用者の画像形成条件履歴情報が含まれているので、利用者は過去に設定した広範囲の画像形成条件に対応して、より適確迅速に画像形成条件の設定が可能になる。
【００５６】
請求項２記載の発明によると、利用者識別手段を非接触型のＩＣカードとして、利用者による利用者識別手段の画像形成装置への装着操作を完全に不要にした状態で、請求項１記載の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【００５８】
請求項３記載の発明によると、請求項１記載の発明で得られる効果に加えて、通報手段が、識別通信手段から送信され、利用者識別手段に記録される画像形成条件履歴情報に基づいて、標準画像形成条件情報を含む複数の画像形成条件情報を、所定条件で設定される優先順位に対応させて通報するので、利用者は、適切に設定される優先順位に基づいて、必要な画像形成条件を効率的に選択設定することが可能になる。
【００５９】
請求項４記載の発明によると、請求項３記載の発明で得られる効果に加えて、標準画像形成条件情報を第１優先順位とし、以下の優先順位は、設定された画像形成条件情報の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて設定されるので、一般的な標準画像形成条件での画像形成と、利用者の利用回数と最新利用時からの経過時間とで優先順位が適確に設定される画像形成条件とをより効率的に選択設定することが可能になる。
【００６０】
請求項５記載の発明によると、識別領域を利用者識別手段と識別通信手段間の距離が３ｍ以内の領域とし、所定時間を０．２秒以上として、請求項１ないし請求項４の何れかに記載の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態の全体構成を示す説明図である。
【図２】同実施の形態の画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図３】図２の画像形成ユニットの構成を示す説明図である。
【図４】本発明の第２の実施の形態の画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図５】図４の画像形成ユニットの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
１ コンピュータ
２Ａ、２Ｂ 画像形成装置
３ａ、 リードライタ
３ｂ 通信ユニット
５Ａ、５Ｂ 画像形成ユニット
６ ＩＣカード
７ 登録利用者
８Ａ、８Ｂ 光学ユニット
９Ａ、９Ｂ 感光体
１９Ａ、１９Ｂ 中間転写ベルト
２７Ａ 紙搬送ベルト
２８Ａ、２８Ｂ 定着ユニット
４０ 二次転写ユニット
Claims (5)
- クライアント端末装置と該クライアント端末装置にネットワークを介して接続され、利用者の指令に対応する画像形成を行なう画像形成装置とからなる画像形成システムにおいて、
利用者に携帯使用され、前記利用者の識別情報と該利用者の画像形成条件履歴情報を含む画像形成実行情報が記録される利用者識別手段と、
前記画像形成装置に設けられ、前記利用者が前記画像形成装置から所定距離の識別領域内に所定時間以上存在すると、前記利用者識別手段との間で情報の授受を行い、前記利用者が新たに設定する画像形成条件情報を、前記利用者識別手段に記録する識別通信手段と、
前記画像形成装置に設けられ、前記識別通信手段が読み取った前記画像形成実行情報に含まれる画像形成条件情報を選択可能に表示して前記利用者への通報を行なう通報手段と
を有し、
前記利用者が前記通報手段に表示された画像形成条件情報の１つを選択すると、前記画像形成装置は、該利用者が前記クライアント端末装置に格納した画像情報をネットワークを介して取り込み、前記選択された画像形成条件情報に従って該画像情報に関する画像形成を行うことを特徴とする画像形成システム。 - 利用者識別手段が非接触型のＩＣカードであることを特徴とする請求項１記載の画像形成システム。
- 識別通信手段から送信され、利用者識別手段に記録される画像形成条件履歴情報に基づいて、通報手段が、標準画像形成条件情報を含む複数の画像形成条件情報を、所定条件で設定される優先順位に対応させて通報することを特徴とする請求項１記載の画像形成システム。
- 優先順位が、標準画像形成条件情報を第１優先順位とし、以下の優先順位は、設定された画像形成条件情報の利用回数と最新利用時からの経過時間とに基づいて設定されることを特徴とする請求項３記載の画像形成システム。
- 識別領域が、利用者識別手段と識別通信手段間の距離が３ｍ以内の領域であり、所定時間が０．２秒以上であることを特徴とする請求項１ないし請求項４の何れかに記載の画像形成システム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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