JP2005022342A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリントジョブによるエラーがなるべく早期に解除されることを可能にする画像処理装置を提供すること。
【解決手段】エラーを検出すると、その内容を示すエラーメッセージを表示させる(S81)。IDカードを携帯しているユーザが自装置近傍にいることを判断すると(S82で「Y」)、そのIDカードから当該近傍のユーザの識別番号を取得する(S85)。エラーになったジョブを発行したユーザの識別番号をジョブ管理テーブルから取得する(S86)。S85、S86で取得した双方の識別番号が一致、すなわち近傍にいるユーザがエラーになったジョブを発行したユーザ本人である場合には(S87で「Y」)、メッセージを、現在のものから、エラーになったジョブを発行したユーザ本人に対するエラーメッセージに切り替えて表示させ、当該ユーザに自己のジョブがエラーになっていることを知らしめる。
【選択図】 図10
【解決手段】エラーを検出すると、その内容を示すエラーメッセージを表示させる(S81)。IDカードを携帯しているユーザが自装置近傍にいることを判断すると(S82で「Y」)、そのIDカードから当該近傍のユーザの識別番号を取得する(S85)。エラーになったジョブを発行したユーザの識別番号をジョブ管理テーブルから取得する(S86)。S85、S86で取得した双方の識別番号が一致、すなわち近傍にいるユーザがエラーになったジョブを発行したユーザ本人である場合には(S87で「Y」)、メッセージを、現在のものから、エラーになったジョブを発行したユーザ本人に対するエラーメッセージに切り替えて表示させ、当該ユーザに自己のジョブがエラーになっていることを知らしめる。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークを介して送信されて来る画像処理ジョブを受け付けて実行する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数のパーソナルコンピュータ(PC)と、画像処理装置としてのプリンタをネットワークを介して接続し、各PC(ユーザ)からプリンタにプリントジョブを指示して実行させる画像処理システムが普及している。
このようなプリンタでは、用紙切れや紙詰まりなどのエラーが発生すると、例えばプリンタの操作パネルにその旨を表示させるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−61098号公報(図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような多数のユーザがプリンタを共用するシステムでは、自己が指示したプリントジョブによるエラーについては、自己の責任においてエラーを早く解除させなければならないという心理が働くが、その一方で他人のジョブによるエラーについては、責任を負いたくないという思いが強くなり易い。これは、例えば他人に代わってエラーを解除しようとしても、その処理に思いもよらない長い時間を要してしまうといったこと等があり、他人によるエラーについてまで積極的に解除処理しようとは思わなくなってしまうことが多くなるからである。
【0005】
そのため、従来では、エラー表示がなされていても、エラーが早期解除され難い傾向にあり、印刷出力等に支障を来たすことが多くなっている。
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、プリントジョブ等の画像処理ジョブによるエラーがなるべく早期に解除されることを可能にする画像処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、ネットワークを介して送信されて来る画像処理ジョブを受け付けて実行する画像処理装置であって、画像処理ジョブのエラーを検出するエラー検出手段と、エラーが検出された画像処理ジョブを発行したユーザを特定するための第1の情報を取得する第1の取得手段と、自装置近傍に存在するユーザを特定するための第2の情報を取得する第2の取得手段と、前記第1と第2の情報に基づき、エラーが検出された画像処理ジョブを発行したユーザと、自装置近傍に存在するユーザが同じであるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によりユーザが同じであることが判断されると、当該画像処理ジョブがエラーになっている旨を告知する告知手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記告知手段は、前記エラーになっている旨を表示により告知する表示手段であることを特徴とする。
さらに、前記表示手段は、前記ユーザの画像処理ジョブがエラーになっている旨を示す第1の表示と、第1とは別の第2の表示を切り替えることが可能であり、前記判断手段による判断の際に第2の表示を行っていた場合には、これを第1の表示に切り替えることを特徴とする。
【0008】
また、前記第1と第2の表示は、メッセージによる表示であることを特徴とする。
また、前記第2の取得手段は、ユーザが携帯し当該ユーザの識別番号を記憶している携帯端末と無線通信する通信手段であり、前記携帯端末が通信可能領域に入ると、前記携帯端末から前記識別番号のデータを前記第2の情報として受信することを特徴とする。
【0009】
さらに、前記第2の取得手段は、ユーザが携帯し、当該ユーザの識別番号を記憶しているカード記録媒体を装着可能な装着部を備え、前記携帯端末が前記装着部に装着されたときに、当該カード記録媒体から前記識別番号のデータを前記第2の情報として受信することを特徴とする。
また、前記第2の取得手段は、前記ユーザからの識別番号の入力を受け付ける受け付け手段であり、入力された識別番号を第2の情報として受け付けることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(1)画像処理システムの構成
図1は、本発明に係る画像処理装置としての複写機1を備える画像処理システムの構成を示す図である。
【0011】
同図に示すように、画像処理システムは、複写機1と、外部端末としてのパーソナルコンピュータ(PC)2、2・・と、デジタルカメラ3と、デジタルビデオカメラ4と、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末5と、ファクシミリ装置6等がネットワーク、ここではLAN(Local Area Network)7を介してTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いて接続されて構成され、互いに各種データのやりとりが可能になっている。
【0012】
PC2は、CPUとRAM、ROM、EEPROMおよびハードディスク装置(HDD)などからなるCPU本体と、モニター装置と、キーボードおよびマウスなどの入力装置とを備えたパーソナルコンピュータであって、文書、図面等作成のためのアプリケーションソフトを備えており、作成された文書等の画像の印刷、保存を複写機1に指示することができる。
【0013】
デジタルカメラ3、デジタルビデオカメラ4、携帯端末5、ファクシミリ装置6は、それぞれ公知の装置であり、撮影、受信等した画像の印刷、保存を複写機1に対し指示することができる。
複写機1は、セットされた原稿の画像を読み取って用紙等に印刷(プリント)するコピージョブ、PC2等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷するプリントジョブ、外部端末から画像の保存指示を受けると当該指示された画像を受信して画像格納部105(図4)に格納させるジョブ等を実行する機能を有する、いわゆるデジタル複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)と呼ばれる装置である。
【0014】
複写機1は、プリント等のジョブ実行中に紙詰まり等のエラーが発生すると、操作パネル90(図3)にエラーメッセージを表示させるが、メッセージ表示中に、当該エラーになったジョブを発行したユーザが自装置に接近すると、当該ユーザに当該エラーの発生を気付かせるべく、表示中のメッセージを別のメッセージに切り替えて、注意を喚起するようにしており、この点が特徴になっている。
【0015】
以下、複写機1の構成、エラーメッセージの表示切替等の内容を具体的に説明する。
(2)複写機1の全体構成
図2は、複写機1の全体構成を示す図である。
同図に示すように、複写機1は、原稿自動搬送装置10と、原稿読取部30と、画像形成部50と、給紙部70を備える。
【0016】
原稿自動搬送装置10は、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部30のプラテンガラス20上に設定された所定の原稿読取位置まで搬送し、原稿読取部30により原稿画像の読み取りが行われると、原稿排紙トレイ12上に排出する公知の装置である。
原稿読取部30は、プラテンガラス20の下方を図の矢印A方向に走行する第1スライダーユニット(スキャナ)31を備える。第1スライダーユニット31は、移動の開始位置(走査開始位置。シェーディング補正板22の真下の位置)を左端とし、原稿読取位置に搬送された原稿の大きさ等に応じた所定距離を矢印Aで示した副走査方向に移動することによって原稿画像を走査する。原稿読取部30は、露光ランプ311の照射による原稿からの反射光を第1ミラー312、第2ミラー321、第3ミラー322を介して光路変更しつつ、レンズ34を介してCCDセンサ33に結像させる。CCDセンサ33は、入射光を電気信号に変換し、読取データとして制御部100に送る。
【0017】
制御部100は、受信した読取データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、用紙の供給と同期して主走査ラインごとに読み出してレーザダイオード58を駆動する。
画像形成部50は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、感光体ドラム51、レーザダイオード58、ポリゴンミラー59、帯電チャージャ53、現像器54、転写チャージャ55、分離チャージャ56、クリーナ52等を備える。制御部100から出力される駆動信号に基づきレーザダイオード58が駆動されてレーザ光が出射され、そのレーザ光は一定速度で回転されるポリゴンミラー59にて偏向走査されて矢印方向に回転駆動される感光体ドラム51上を露光走査する。
【0018】
感光体ドラム51は、上記露光を受ける前にクリーナ52により残留トナーを除去されると共に、帯電チャージャ53により一様に帯電されており、この露光により静電潜像が形成される。その静電潜像は、現像器54によりトナーの供給を受けて現像され、現像されたトナー像は、転写チャージャ55による転写電界を受けて、給紙部70から搬送されてくる用紙に転写される。
【0019】
トナー画像の転写された用紙は、分離チャージャ56により感光体ドラム51から分離されて、搬送ベルト57により定着部60に搬送され、内部にヒータを備えた定着ローラ61の加熱圧着作用により定着される。定着後の用紙は、排出ローラ62により排紙トレイ63上に排出される。
給紙部70は、用紙を収納しておくための給紙カセット71、72と、この用紙を繰り出すためのピックアップローラ711、721を備え、画像形成部50に用紙を供給する。
【0020】
複写機1は、ジョブ実行中等において発生した紙詰まり(ジャム)、給紙カセット71、72内の用紙切れ、原稿自動搬送装置10内における原稿詰まり、画像格納部105の記憶容量不足、プリント時における最適サイズの用紙切れ等の各種エラーを検出することができる。複写機において発生する、これらエラー検出処理自体は公知の処理であるので、ここでの説明は省略するが、例えば紙詰まり検出としては、画像形成部50の用紙搬送路中に複数の用紙検出センサ(光電センサ等)が配設され、搬送される用紙が第1のセンサで検出された後、所定時間経過しても第2のセンサで検出されない場合に、搬送路中における第1と第2のセンサ間の位置でジャム発生と検出する方法等がある。
【0021】
また、複写機1前面の操作しやすい位置には、操作パネル90(図1の破線)が設置されている。
図3は、操作パネル90の構成を示す図である。
同図に示すように、操作パネル90は、コピー開始を指示するためのコピースタートキー91と、コピー枚数入力用のテンキー92と、入力されたコピー枚数等の値をゼロに戻すためのクリアキー93と、コピー動作の中断を指示するためのストップキー94および液晶表示部95を備えている。
【0022】
液晶表示部95は、表面にタッチパネルが積層されており、ユーザからの、コピー濃度、コピー倍率の設定、用紙選択、コピーモードの設定等の入力(タッチ入力)を受け付けると共に、コピー枚数や複写機1の状態を示すメッセージを表示させる。同図は、メッセージとして「コピーできます」、コピー倍率として1.0(等倍)、用紙サイズとしてA4サイズ等が表示されている例を示したものであるが、紙詰まり等のエラーが発生すると、後述のように、その内容を示すメッセージ(図11、12等参照)が表示される。
【0023】
(3)制御部100の構成
図4は、制御部100の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部100は、CPU101と、通信インターフェース(I/F)部102と、ROM103と、RAM104と、画像格納部105と、ジョブ管理テーブル106と、グループテーブル107と、無線通信部108およびメッセージデータ格納部109を備えている。
【0024】
通信I/F部102は、LANカード、LANボードといったLAN7に接続するためのインターフェースである。
ジョブ管理テーブル106は、受け付けたジョブの実行順序等を管理するためのテーブルである。
図5は、ジョブ管理テーブル106の内容を示す図である。
【0025】
同図に示すように、ジョブ管理テーブル106には、ジョブ番号、印刷情報、ID番号、エラー情報、処理情報の各欄が設けられている。なお、このジョブ管理テーブル106は、ジョブ実行履歴を示すテーブルを兼ねており、ジョブを受け付ける毎に、レコードが追加されて行き、受付順にそのジョブが実行されるようになっている。
【0026】
ジョブ番号欄には、ジョブを受け付ける毎にそのジョブ識別のために付与される番号が書き込まれる。ここでは、受付順に1、2・・の番号が付与される。
印刷情報欄には、各ジョブについて、使用する用紙サイズ、プリント枚数等の印刷に必要な情報(印刷情報)が書き込まれ、ID番号欄には、ジョブを発行したユーザの識別番号が書き込まれる。この識別番号は、各ユーザごとに、当該ユーザを識別するための番号として予め付与された番号である。
【0027】
本実施の形態では、ユーザは、PC2等の外部端末から複写機1に印刷指示する際に、上記印刷情報と共に自己の識別番号をキーボード等から入力するようになっており、PC2等は、複写機1に対し印刷指示を行う際に、印刷のためのデータ(プリントデータ)と共に上記印刷情報、ユーザの識別番号のデータを送信し、制御部100では、PC2等からのこれらデータの受信を、プリントジョブの受け付けとして、当該ジョブに新たなジョブ番号を付与し、ジョブ番号欄に書き込むと共に印刷情報を印刷情報欄に、識別番号をID番号欄に書き込み(レコードの追加)、プリントデータを画像格納部105に保存させる。
【0028】
また、コピージョブの場合には、ユーザは、スタートキー91を押下する前に、自己の識別番号を液晶表示部95から手入力しなければならないようになっており、スタートキー91の押下をジョブ受け付けとして、当該ジョブのレコードがジョブ管理テーブル106に追加される。入力された識別番号がID番号欄に書き込まれることはいうまでもない。
【0029】
エラー情報欄には、各ジョブについて、その実行中に検出されたエラーの内容(紙詰まり等)を示す情報が書き込まれ。処理情報欄には、ジョブの処理状況(終了、処理中、待機中、中断等)が書き込まれる。
図4に戻って、画像格納部105は、HDD(ハードディスクドライブ)等からなる記憶装置であり、PC2等からのプリントデータ等を格納する。
【0030】
グループテーブル107は、ユーザを複数のグループにグループ分けしたときのグループ番号と、各グループに属するユーザの識別番号とを対応付けた情報を格納するテーブルである。
図6は、グループテーブル107の内容を示す図であり、ここでは、例えば番号「1」のグループに識別番号「1001〜1006」の6人のユーザが属していることが示されている。グループテーブル107のデータは、予め管理者等により操作パネル90の液晶表示部95から登録される。
【0031】
双方のテーブル106、107でユーザの識別番号(ID番号)が共通しているので、双方のテーブルを参照すれば、各ジョブについて、そのジョブを発行したユーザを特定できると共にそのユーザがどのグループに属しているかを判断できる。グループテーブル107は、後述のエラー表示処理(図10)において参照される。
【0032】
図4に戻って、無線通信部108は、各ユーザが携帯するIDカードと無線通信を行う。
図7は、無線通信部108とIDカード200の制御部の構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、各ユーザが、自己の識別番号が記憶された、いわゆるICカードからなるIDカード200を常時携帯しており、複写機1は、無線通信部108において、通信可能領域(圏内)、例えば装置前側1m程度の範囲内(ユーザが複写機前に立って液晶表示部95のメッセージを目視できる程度の範囲を通信可能圏内とすることが好ましい。)にIDカード200を所持したユーザが入ると、当該IDカード200と無線により通信を行い、当該IDカード200から、当該ユーザの識別番号を取得することができるようになっている。
【0033】
具体的には、無線通信部108は、CPU81と、アンテナ82と、送受信器83と、ROM84およびカードインターフェース(I/F)85を備えている。ROM84には、無線通信部108における動作制御を行うためのプログラムが格納されており、CPU81は、そのプログラムを読み出して動作を制御する。送受信器83は、アンテナ82を介して不特定多数のIDカードに向けてID要求信号を送信する。いずれかのIDカードが上記通信可能圏内に入り、当該IDカードから、応答信号として識別番号のデータが送られて来ると、これを受信してCPU81に送る。
【0034】
CPU81は、受信した識別番号のデータをCPU101に送る。CPU101は、識別番号のデータを受信することで、自己の近傍にユーザが存在しており、そのユーザが誰であるのかを特定することができる。
一方、IDカード200は、CPU201と、アンテナ202と、送受信器203と、ROM204と、ID番号記憶部205と、カードI/F206および電源207を備えている。
【0035】
ROM204には、IDカード200における無線通信の動作制御を行うためのプログラムが格納されており、CPU201は、そのプログラムを読み出して動作を制御する。ID番号記憶部205には、当該IDカードの所有者を特定するための識別番号(ID番号)が予め登録されている。
送受信器203は、アンテナ202を介して上記無線通信部108からのID要求信号を受信すると、これをCPU201に送る。
【0036】
CPU201は、ID番号記憶部205から識別番号のデータを読み出して、送受信部203に送り、送受信部203は、応答信号として当該データを無線通信部108に向けて送信する。なお、無線によるデータ送受信の方法については、例えば特開平5−273338号公報に詳しい。
無線通信部108のカードI/F85は、IDカード200を挿入可能なスロットを有し、IDカード200から識別番号のデータを読み取る、いわゆるカードリーダである。このようなカードリーダを設けているのは、複写機1が無線通信の困難な場所に設置される場合も考えられ、そのような場合でも確実に識別番号のデータを取得することを可能にするためである。カードI/F85は、IDカード200が挿入されると、カードI/F206を介してID番号記憶部205に格納されている識別番号のデータを読み出し、これをCPU81に送る。
【0037】
CPU81は、IDカード200側から識別番号のデータが送られてくると、これをCPU101に送る。この意味で、無線通信部108は、自装置近傍のユーザを特定するための情報(ユーザの識別番号)を取得する取得手段としての機能を有しているものといえる。
図4に戻って、メッセージデータ格納部109には、エラーメッセージを含む各種メッセージを表示させるためのデータが格納されている。
【0038】
CPU101は、ROM103から必要なプログラムを読み出して、各部の動作タイミングを統一的に制御し、円滑なコピージョブ、プリントジョブ等の動作を実現させる。また、ジョブを受け付ける毎に、そのジョブについての印刷情報、ジョブを発行したユーザの識別番号、処理情報等をジョブ管理テーブル106に書き込む。
【0039】
また、エラーを検出すると、必要に応じて印刷等の動作を停止させると共に、エラーとなったジョブの、ジョブ管理テーブル106の「エラー情報」欄にそのエラーの内容を、「処理情報」欄に中断等の内容を書き込む。さらに、表示させるべきエラーメッセージのデータをメッセージデータ格納部109から読み出して、操作パネル90の液晶表示部95に当該エラーメッセージを表示させる。
【0040】
また、エラー解除を判断、例えば紙詰まりの場合、詰まっていた用紙がユーザにより取り除かれてジョブの実行が可能になったことを検出すると、エラーが解除されたジョブの、ジョブ管理テーブル106の「エラー情報」欄の内容を「エラーなし」に変えると共に「処理情報」欄の内容を「中断」から「処理中」等に変え、またエラーメッセージを消去させる。
【0041】
ROM103には、エラー表示処理等の各種プログラムが格納されている。
RAM104は、揮発性のメモリであり、CPU101におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
(4)制御部100の制御動作
図8は、制御部100の制御動作のメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
【0042】
同図に示すように、制御部100は、まず初期設定を行う(ステップS1)。ここでは、RAM104のクリア、各種レジスタの設定などの初期化が行われる。ステップS2では、コピー枚数設定値を「1」、コピー倍率を「等倍」にするなどのモード初期化処理を行い、ステップS3では、内部タイマー(不図示)をスタートさせる。
【0043】
ステップS4では、操作パネル90のキー等により入力された入力情報を受け付けるキー入力受付処理を行い、ステップS5でエラー検出処理を実行する。このエラー検出処理では、エラーとなったジョブの内容、エラーのために中断している等の情報を、当該ジョブに対応する、ジョブ管理テーブル106のエラー情報、処理情報の各欄に書き込む処理も合わせて行う。
【0044】
ステップS6では、コピージョブ、プリントジョブの受付処理を行う。ジョブの受け付けを行うと、ジョブ管理テーブル106にそのジョブに関する印刷情報等を書き込む。
ステップS7では、操作パネル90の液晶表示部95にエラーメッセージ等のメッセージを表示させる表示処理を実行する。この表示処理については後述する。
【0045】
ステップS8では、コピージョブ等のジョブを実行するシステム制御処理を実行し、ステップS9でその他の処理を行い、ステップS10では、内部タイマーのカウントを終了させるか否かを判断する。この判断は、タイマーのカウント値が、初期設定(S1)において1ルーチンの処理時間として予め規定された時間に達しているか否かにより行われる。当該時間に達すると、内部タイマー終了と判断し(ステップS10で「Y」)、ステップS3に戻る。
【0046】
図9は、ステップS7の表示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、エラーが発生しているか否かを判断する(ステップS71)。この判断は、ジョブ管理テーブル106のエラー情報欄を参照することにより行われる。エラーが発生していることを判断した場合には(ステップS71で「Y」)、エラー表示処理(ステップS72)を実行し、発生していないことを判断した場合には(ステップS71で「N」)、通常の表示処理(ステップS73)を実行して、メインルーチンにリターンする。ここで、通常の表示処理とは、例えば「コピーできます」等のメッセージを表示させる処理であり、エラー表示処理とは、エラーメッセージを表示させる処理である。
【0047】
図10は、エラー表示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。同図に示すように、まずエラーの内容を示すメッセージを液晶表示部95に表示させる(ステップS81)。エラーの内容は、ジョブ管理テーブル106のエラー情報欄に書き込まれている内容を参照することにより判断でき、この内容に対応するデータをメッセージデータ格納部109から読み出して、読み出したデータに基づいてエラーメッセージを表示させる。
【0048】
図11は、当該エラーメッセージが表示されている様子の例を示す図である。同図に示すように、このエラーメッセージは、エラーとその処理方法を示す内容、ここでは紙詰まりの場合の例として「紙詰まりです 用紙を取り除いて下さい」という内容になっている。以下、これを「第1のエラーメッセージ」という。図10に戻ってステップS82では、IDカード200を携帯しているユーザが自装置近傍に位置(存在)しているか否かを判断する。この判断は、上記したようにIDカードからの応答信号の検出の有無により行われる。
【0049】
IDカードを携帯しているユーザが近傍にいると判断した場合には(ステップS82で「Y」)、IDカードからの応答信号に含まれるユーザの識別番号を当該信号から読み出す(取得する)(ステップS85)。これにより、当該近傍のユーザがどのユーザであるのかを特定することができる。
そして、エラーになったジョブを発行したユーザ(以下、「エラージョブのユーザ」という。)の識別番号を、ジョブ管理テーブル106のID番号欄の当該ジョブに対応する欄から読み出す(ステップS86)。これにより、エラージョブのユーザがどのユーザであるのかを特定することができる。この意味でステップS86は、エラージョブのユーザを特定するための情報(ユーザの識別番号)を取得する取得手段としての機能を有するものといえる。
【0050】
そして、ステップS85、S86で取得した識別番号が同一、すなわち各ステップで特定したユーザが同じであるか否かを判断する(ステップS87)。この意味でステップS87は、近傍のユーザと、エラージョブのユーザが同じであるか否かを判断する判断手段としての機能を有するものといえる。
ユーザが同じ(識別番号が一致)、すなわち近傍にいるユーザが、エラージョブのユーザ本人であることを判断すると(ステップS87で「Y」)、メッセージを、第1のエラーメッセージ(図11)から、エラージョブのユーザ本人に対するエラーメッセージ(図12)に切り替えて表示させ(ステップS92)、ステップS93に移る。
【0051】
図12は、エラージョブのユーザ本人に対するエラーメッセージが表示されている様子の例を示す図である。同図に示すように、このメッセージは、エラージョブのユーザ本人に対し、自己のジョブがエラーになっていることを知らしめるための内容(同図の例では、「あなたのジョブがエラーになっています ID:1002」)になっており、CPU101は、メッセージデータ格納部109から当該メッセージ(以下、「第2のエラーメッセージ」という。)に対応するデータを読み出して当該第2のエラーメッセージを表示させる。
【0052】
このようにエラージョブのユーザが複写機に接近してきたときに表示内容を変更させるのは、注意を喚起して当該ユーザに自己のジョブがエラーになっていることを知らしめるためである。
すなわち、上記したように、通常、ユーザは、自己が発行したジョブによるエラーについては、自己の責任においてエラーを早く解除させなければならないという心理が働くものなので、エラーが早く解除されるようにするには、ユーザに対し当該ユーザのジョブがエラーになっていることをより早く気付かせれば良いことになる。そこで、エラージョブのユーザが複写機の前に立ったときに、それまで表示させていたメッセージを別の内容のものに切り替えることにより、注意を引くようにして、当該ユーザに対しジョブがエラーになっていることを気付かせ、エラー解除操作がより早く行われようにしているのである。
【0053】
一方、ステップS87で、同一でない、すなわちエラージョブのユーザとは別のユーザが近傍にいることを判断すると(ステップS87で「N」)、当該別のユーザが属するグループの番号を取得する(ステップS88)。具体的には、グループテーブル107を参照し、別のユーザの識別番号(ステップSS85で取得されたもの)に対応するグループ番号を読み出すことにより行う。例えば識別番号が「1001」であった場合には、グループ番号は「1」になる。これにより、当該別のユーザが属するグループを特定することができる。
【0054】
そして、エラージョブのユーザが属するグループの番号を取得する(ステップS89)。例えば、当該ユーザの識別番号(ステップSS86で取得されたもの)が「1002」であった場合には、グループ番号は「1」になる。これにより、当該エラージョブのユーザが属するグループを特定することができる。
ステップS90では、ステップS88、S89で取得したグループ番号が同一であるか否か、すなわちグループが一致しているか否かを判断する。
【0055】
同じグループではない、すなわち近傍にいるユーザは、エラージョブのユーザ本人でないし、当該ユーザと同グループにも属していないことを判断すると(ステップS90で「N」)、ステップS93に移る。この場合、第1のエラーメッセージが表示されたままになる。
一方、ステップS90において、グループ番号が一致している(グループが同一である)、すなわち近傍にいるユーザが、エラージョブのユーザと同グループに属しているユーザであることを判断すると(ステップS90で「Y」)、第1のエラーメッセージを、グループユーザ用のエラーメッセージ(図13)に切り替えて表示させ(ステップS91)、ステップS93に移る。
【0056】
図13は、グループユーザ用のエラーメッセージが表示される様子の例を示す図である。同図に示すように、このメッセージは、グループ内にエラージョブのユーザがいることを知らせるための内容(同図の例では、「ID:1002のジョブがエラーになっています 通知して下さい」)になっており、CPU101は、メッセージデータ格納部109から当該メッセージ(以下、「第3のエラーメッセージ」という。)に対応するデータを読み出して当該第3のエラーメッセージを表示させる。
【0057】
このようにエラージョブのユーザと同グループに属するユーザに、第3のエラーメッセージを表示させるようにしているのは、例えばオフィス内で席が近いユーザを一のグループとしている場合、エラージョブのユーザ本人に、エラーとなっていることを直接声を掛けて知らせてもらうといったことが行われ易くなり、それだけ早期にエラー解除を行えるからである。この意味でステップS91、92は、近傍のユーザに対し、エラーになっている旨を告知する告知手段としての機能を有するものといえる。
【0058】
ステップS82で、IDカードを携帯しているユーザが近傍にいないと判断した場合には、ステップS83に移って、IDカードが制御部100の無線通信部108のカードI/F85に接続されたか否かを判断する。ここで、接続されていないことを判断すると(ステップS83で「N」)、ユーザからの識別番号の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS84)。入力受け付けしていないことを判断すると(ステップS84で「N」)、第1のエラーメッセージを表示させたまま、ステップS93に移る。
【0059】
また、ステップS83で、IDカードがカードI/F85に接続されたことを判断すると、ステップS85に移る。この場合、IDカード200に記憶されているユーザの識別番号のデータが、カードI/F85を介して制御部100に送られることになる。また、ステップS84で、識別番号の入力を受け付けたことを判断すると、ステップS86に移る。本実施の形態では、ユーザがIDカードを携帯し忘れた場合に、自己の識別番号を液晶表示部95から入力することが可能になっており、ユーザからの識別番号の入力を受け付けると、これが近傍にいるユーザの識別番号として用いられることになる。この意味で、操作パネル90、CPU101は、自装置近傍のユーザを特定するための情報(ユーザの識別番号)を取得する取得手段としての機能を有しているものの一つであるといえる。
【0060】
ステップS93では、エラーが解除されたか否かを判断する。ここで、解除されたことを判断すると(ステップS93で「Y」)、エラーメッセージを消去させて(ステップS94)、表示処理のサブルーチンに戻る。一方、エラーが解除されていないことを判断すると(ステップS93で「N」)、現在のメッセージを表示させたままで、表示処理のサブルーチンに戻る。
【0061】
なお、紙詰まりの場合の第1〜3のエラーメッセージは、上記のものに限られないことはいうまでもなく、同等の内容を示すものであれば良い。また、給紙カセット内での用紙切れ等、他のエラーに対応するメッセージについても同様であり、一のエラーに対し、第1〜第3のエラーメッセージに相当するデータが予め格納されており、エラージョブのユーザの接近の有無等に応じていずれかのデータが読み出されてそのメッセージを表示、または切り替え等されることになる。例えば、用紙切れの場合であれば、第1のエラーメッセージ例として「用紙切れです 用紙を補給して下さい」、第2のエラーメッセージ例として「用紙切れです あなたのジョブがエラーです」等を表示させるためのデータが格納されており、当該用紙切れのエラーを引き起こしたジョブを発行したユーザ本人が接近すると第1から第2のエラーメッセージに切り替えることになる。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態では、エラージョブのユーザ本人が複写機に近づくと、第1のメッセージを第2のエラーメッセージに切り替えることで注意を喚起し、当該ユーザに自己のジョブがエラーになっていることを知らしめるようにしているので、従来のように単にエラーの旨を表示させるだけの構成に比べて、エラー解除がより早期に行われるようになって、その結果、従来よりも印刷処理に支障を来たすといったことを少なくできる。
【0063】
また、複写機近傍にいるユーザが、エラージョブのユーザと同グループに属するユーザの場合には、第1のメッセージを第3のエラーメッセージに切り替えるようにしており、例えばオフィス内で席が近いユーザを一のグループとした場合、エラージョブのユーザに、エラーとなっていることを直接声を掛けて知らせてもらうといったことが行われ易くなり、その分、より早期にエラー解除を行うことも可能になる。
【0064】
なお、本発明は、画像処理装置に限られず、上記表示処理におけるメッセージ等の表示方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、Smart Media(登録商標)、COMPACTFLASH(登録商標)などのフラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態で、インターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0065】
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、エラージョブのユーザが複写機に近づくと、第1のエラーメッセージを第2のエラーメッセージに切り替えるとしたが、当該ユーザに注意を喚起できる方法であれば、これに限定されることはない。例えば、エラージョブのユーザが近傍にいる場合に、第1と第2のエラーメッセージをエラーが解除されるまで交互に点滅表示させたり、またエラーが検出されると、エラーメッセージを表示させ、エラージョブのユーザが複写機に近づくと、これを点滅に切り替える構成が考えられる。また、メッセージの表示色を、例えば青色から赤色に切り替えることも可能である。
【0066】
また、操作パネルの液晶表示部の面積を大きく取れないため、例えば2つの給紙カセットの内、一方の給紙カセット内で紙詰まりが発生したが、他方の給紙カセットの用紙を用いてジョブ実行が可能な場合等、エラーが生じてもジョブの実行が可能な場合には、ジョブの実行を優先すべく、ジョブ実行に必要なメッセージだけを表示させ、エラーについてはエラーを示す小さなマーク(エラーマーク)を表示させるようにしている複写機には、エラージョブのユーザが複写機に近づいたときにエラーマークをエラーメッセージに切り替えて注意を喚起する構成とすることもできる。さらに、表示の制限によりエラーマークも表示させることができない場合(エラーを示すものを何も表示させない場合)であれば、エラージョブのユーザが複写機に接近するまでに表示させていた内容をエラーメッセージに切り替えるとしても良い。要するに、第1の表示(内容、形態等)を、第1とは別の第2の表示(内容、形態等)に切り替える構成とすれば、その切り替わりを注意の喚起とすることができるのである。
【0067】
また、表示を切り替える場合に限られず、第1と第2の表示を両方同時に行うようにしたり、何も表示されていない状態で第2の表示を行うようにしても良く、すなわちユーザの注意を引くように、エラージョブのユーザが複写機に接近したときにエラーの旨を表示させる(第2の表示を行う)構成であれば良い。
(2)上記実施の形態では、操作パネルにメッセージを表示させるとしたが、例えば操作パネルとは別に、複写機前面などユーザの注意を引く位置に、エラーの旨を示す表示を行うものとしてのランプ等を配置して、エラージョブのユーザが複写機に近づくと、これを点灯、点滅等させる構成とすることも可能である。
【0068】
(3)上記実施の形態では、エラーを告知する告知手段の一例として、エラーを示す旨を表示する表示手段(操作パネル、制御部が相当)を設けたが、注意を喚起することができるものであれば、これに限定されず、例えば音声メッセージ、エラー音等を発する発音部を設ける構成とすることもできる。
(4)上記実施の形態では、紙詰まり、用紙切れ等の各種エラーを検出すると、エラーごとに、当該エラーに対応する第1〜第3のエラーメッセージのいずれかを表示またはいずれかに切り替えるとしたが、例えば各種エラーの内、ユーザが容易に取り扱うことができるもの、例えば紙詰まり、用紙切れのエラーについてだけ、表示切替を行う構成とすることもできる。
【0069】
(5)上記実施の形態では、IDカードと複写機が無線通信を行うとしたが、IDカードからユーザの識別番号を取得できれば、無線に限定されることはなく、例えば光通信、電磁誘導方式等を用いてもよい。
(6)上記実施の形態では、IDカードからの応答信号の受信が、ユーザが近傍にいることの検出を兼ねるとしたが、ユーザの検出については、例えば赤外線を前方に放射してユーザからの反射光を受信することにより行う構成(例えば、特開平5−268395号公報に詳しい)とすることもできる。この場合、無線通信部108側から常時、ID要求信号を送信する必要がなく、ユーザ検出後にだけ、当該要求信号を送信して当該ユーザのIDカードから識別番号を取得するとすればよい。
【0070】
(7)上記実施の形態では、複写機は、無線通信により、またはカードI/Fを介してIDカードからユーザの識別番号のデータを取得するとしたが、いずれか一方の方法によりデータを取得する構成であっても良い。また、カードI/Fを用いる場合、上記ではIDカード側にカードI/Fを設け、これを介してデータ通信を行うとしたが、例えば非接触によりデータを通信する構成とすることもできる。ユーザが携帯でき、複写機と通信できるものであれば、接触式、非接触式を問わない。また、IDカード等のカード記録媒体に限られず、PDA等の携帯端末一般とすることもできる。
【0071】
(8)上記実施の形態では、本発明を複写機に適用した例を説明したが、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像処理ジョブを実行する画像処理装置一般に適用することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像処理装置は、エラーが検出された画像処理ジョブを発行したユーザと、自装置近傍に存在するユーザが同じであることが判断されると、当該画像処理ジョブがエラーになっている旨を告知するようにしているので、エラーになった画像処理ジョブを発行したユーザ本人に自己のジョブがエラーになっていることを知らしめることができ、従来のように単にエラーの旨を表示させるだけの構成に比べて、エラー解除がより早期に行われるようになる。
【0073】
また、前記エラーになっている旨を表示により告知するとしている。
このようにすれば、上記ユーザ本人はエラーになっていることを目視により確認することができる。
さらに、ユーザの画像処理ジョブがエラーになっている旨を示す第1の表示と、第1とは別の第2の表示を切り替えることが可能であり、前記判断の際に第2の表示を行っていた場合には、これを第1の表示に切り替えることを特徴としている。
【0074】
このようにすれば、上記ユーザ本人の注意を引くことができ、エラーになっていることを知らせることができる。
そして、前記第1と第2の表示をメッセージによる表示としている。
このようにすれば、エラーになっていることを、例えば言葉で伝えることができ、ユーザに理解され易くなる。
【0075】
また、ユーザが携帯し当該ユーザの識別番号を記憶している携帯端末が通信可能領域に入ると、前記携帯端末から前記識別番号のデータを前記第2の情報として受信することを特徴としている。
このようにすれば、ユーザは自己の携帯端末を携帯しておくだけで済み、画像処理装置においてユーザ特定のための入力操作等を行う必要がなく、使い勝手が良くなる。
【0076】
さらに、ユーザが携帯し当該ユーザの識別番号を記憶しているカード記録媒体を装着可能な装着部を備え、前記携帯端末が前記装着部に装着されたときに、当該カード記録媒体から前記識別番号のデータを前記第2の情報として受信することを特徴としている。
このようにすれば、例えば画像処理装置が無線通信の困難な環境下に設置されている場合であっても、近傍にいるユーザを特定することが可能になる。
【0077】
また、ユーザからの識別番号の入力を第2の情報として受け付けることを特徴としている。
このようにすれば、例えばユーザが携帯端末を携帯するのを忘れた場合であっても近傍にいるユーザを特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置としての複写機を備える画像処理システムの構成を示す図である。
【図2】複写機の全体構成を示す図である。
【図3】上記複写機の操作パネルの構成を示す図である。
【図4】上記複写機の制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】ジョブ管理テーブルの内容を示す図である。
【図6】グループテーブルの内容を示す図である。
【図7】制御部内の無線通信部とIDカードの制御部の構成を示すブロック図である。
【図8】制御部の制御動作のメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図9】表示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図10】エラー表示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図11】操作パネルに第1のエラーメッセージが表示されている様子を示す図である。
【図12】操作パネルに第2のエラーメッセージが表示されている様子を示す図である。
【図13】操作パネルに第3のエラーメッセージが表示されている様子を示す図である。
【符号の説明】
1 複写機
2 パーソナルコンピュータ
7 LAN
50 画像形成部
90 操作パネル
100 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークを介して送信されて来る画像処理ジョブを受け付けて実行する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数のパーソナルコンピュータ(PC)と、画像処理装置としてのプリンタをネットワークを介して接続し、各PC(ユーザ)からプリンタにプリントジョブを指示して実行させる画像処理システムが普及している。
このようなプリンタでは、用紙切れや紙詰まりなどのエラーが発生すると、例えばプリンタの操作パネルにその旨を表示させるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−61098号公報(図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような多数のユーザがプリンタを共用するシステムでは、自己が指示したプリントジョブによるエラーについては、自己の責任においてエラーを早く解除させなければならないという心理が働くが、その一方で他人のジョブによるエラーについては、責任を負いたくないという思いが強くなり易い。これは、例えば他人に代わってエラーを解除しようとしても、その処理に思いもよらない長い時間を要してしまうといったこと等があり、他人によるエラーについてまで積極的に解除処理しようとは思わなくなってしまうことが多くなるからである。
【0005】
そのため、従来では、エラー表示がなされていても、エラーが早期解除され難い傾向にあり、印刷出力等に支障を来たすことが多くなっている。
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、プリントジョブ等の画像処理ジョブによるエラーがなるべく早期に解除されることを可能にする画像処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、ネットワークを介して送信されて来る画像処理ジョブを受け付けて実行する画像処理装置であって、画像処理ジョブのエラーを検出するエラー検出手段と、エラーが検出された画像処理ジョブを発行したユーザを特定するための第1の情報を取得する第1の取得手段と、自装置近傍に存在するユーザを特定するための第2の情報を取得する第2の取得手段と、前記第1と第2の情報に基づき、エラーが検出された画像処理ジョブを発行したユーザと、自装置近傍に存在するユーザが同じであるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によりユーザが同じであることが判断されると、当該画像処理ジョブがエラーになっている旨を告知する告知手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記告知手段は、前記エラーになっている旨を表示により告知する表示手段であることを特徴とする。
さらに、前記表示手段は、前記ユーザの画像処理ジョブがエラーになっている旨を示す第1の表示と、第1とは別の第2の表示を切り替えることが可能であり、前記判断手段による判断の際に第2の表示を行っていた場合には、これを第1の表示に切り替えることを特徴とする。
【0008】
また、前記第1と第2の表示は、メッセージによる表示であることを特徴とする。
また、前記第2の取得手段は、ユーザが携帯し当該ユーザの識別番号を記憶している携帯端末と無線通信する通信手段であり、前記携帯端末が通信可能領域に入ると、前記携帯端末から前記識別番号のデータを前記第2の情報として受信することを特徴とする。
【0009】
さらに、前記第2の取得手段は、ユーザが携帯し、当該ユーザの識別番号を記憶しているカード記録媒体を装着可能な装着部を備え、前記携帯端末が前記装着部に装着されたときに、当該カード記録媒体から前記識別番号のデータを前記第2の情報として受信することを特徴とする。
また、前記第2の取得手段は、前記ユーザからの識別番号の入力を受け付ける受け付け手段であり、入力された識別番号を第2の情報として受け付けることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(1)画像処理システムの構成
図1は、本発明に係る画像処理装置としての複写機1を備える画像処理システムの構成を示す図である。
【0011】
同図に示すように、画像処理システムは、複写機1と、外部端末としてのパーソナルコンピュータ(PC)2、2・・と、デジタルカメラ3と、デジタルビデオカメラ4と、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末5と、ファクシミリ装置6等がネットワーク、ここではLAN(Local Area Network)7を介してTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いて接続されて構成され、互いに各種データのやりとりが可能になっている。
【0012】
PC2は、CPUとRAM、ROM、EEPROMおよびハードディスク装置(HDD)などからなるCPU本体と、モニター装置と、キーボードおよびマウスなどの入力装置とを備えたパーソナルコンピュータであって、文書、図面等作成のためのアプリケーションソフトを備えており、作成された文書等の画像の印刷、保存を複写機1に指示することができる。
【0013】
デジタルカメラ3、デジタルビデオカメラ4、携帯端末5、ファクシミリ装置6は、それぞれ公知の装置であり、撮影、受信等した画像の印刷、保存を複写機1に対し指示することができる。
複写機1は、セットされた原稿の画像を読み取って用紙等に印刷(プリント)するコピージョブ、PC2等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷するプリントジョブ、外部端末から画像の保存指示を受けると当該指示された画像を受信して画像格納部105(図4)に格納させるジョブ等を実行する機能を有する、いわゆるデジタル複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)と呼ばれる装置である。
【0014】
複写機1は、プリント等のジョブ実行中に紙詰まり等のエラーが発生すると、操作パネル90(図3)にエラーメッセージを表示させるが、メッセージ表示中に、当該エラーになったジョブを発行したユーザが自装置に接近すると、当該ユーザに当該エラーの発生を気付かせるべく、表示中のメッセージを別のメッセージに切り替えて、注意を喚起するようにしており、この点が特徴になっている。
【0015】
以下、複写機1の構成、エラーメッセージの表示切替等の内容を具体的に説明する。
(2)複写機1の全体構成
図2は、複写機1の全体構成を示す図である。
同図に示すように、複写機1は、原稿自動搬送装置10と、原稿読取部30と、画像形成部50と、給紙部70を備える。
【0016】
原稿自動搬送装置10は、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部30のプラテンガラス20上に設定された所定の原稿読取位置まで搬送し、原稿読取部30により原稿画像の読み取りが行われると、原稿排紙トレイ12上に排出する公知の装置である。
原稿読取部30は、プラテンガラス20の下方を図の矢印A方向に走行する第1スライダーユニット(スキャナ)31を備える。第1スライダーユニット31は、移動の開始位置(走査開始位置。シェーディング補正板22の真下の位置)を左端とし、原稿読取位置に搬送された原稿の大きさ等に応じた所定距離を矢印Aで示した副走査方向に移動することによって原稿画像を走査する。原稿読取部30は、露光ランプ311の照射による原稿からの反射光を第1ミラー312、第2ミラー321、第3ミラー322を介して光路変更しつつ、レンズ34を介してCCDセンサ33に結像させる。CCDセンサ33は、入射光を電気信号に変換し、読取データとして制御部100に送る。
【0017】
制御部100は、受信した読取データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、用紙の供給と同期して主走査ラインごとに読み出してレーザダイオード58を駆動する。
画像形成部50は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、感光体ドラム51、レーザダイオード58、ポリゴンミラー59、帯電チャージャ53、現像器54、転写チャージャ55、分離チャージャ56、クリーナ52等を備える。制御部100から出力される駆動信号に基づきレーザダイオード58が駆動されてレーザ光が出射され、そのレーザ光は一定速度で回転されるポリゴンミラー59にて偏向走査されて矢印方向に回転駆動される感光体ドラム51上を露光走査する。
【0018】
感光体ドラム51は、上記露光を受ける前にクリーナ52により残留トナーを除去されると共に、帯電チャージャ53により一様に帯電されており、この露光により静電潜像が形成される。その静電潜像は、現像器54によりトナーの供給を受けて現像され、現像されたトナー像は、転写チャージャ55による転写電界を受けて、給紙部70から搬送されてくる用紙に転写される。
【0019】
トナー画像の転写された用紙は、分離チャージャ56により感光体ドラム51から分離されて、搬送ベルト57により定着部60に搬送され、内部にヒータを備えた定着ローラ61の加熱圧着作用により定着される。定着後の用紙は、排出ローラ62により排紙トレイ63上に排出される。
給紙部70は、用紙を収納しておくための給紙カセット71、72と、この用紙を繰り出すためのピックアップローラ711、721を備え、画像形成部50に用紙を供給する。
【0020】
複写機1は、ジョブ実行中等において発生した紙詰まり(ジャム)、給紙カセット71、72内の用紙切れ、原稿自動搬送装置10内における原稿詰まり、画像格納部105の記憶容量不足、プリント時における最適サイズの用紙切れ等の各種エラーを検出することができる。複写機において発生する、これらエラー検出処理自体は公知の処理であるので、ここでの説明は省略するが、例えば紙詰まり検出としては、画像形成部50の用紙搬送路中に複数の用紙検出センサ(光電センサ等)が配設され、搬送される用紙が第1のセンサで検出された後、所定時間経過しても第2のセンサで検出されない場合に、搬送路中における第1と第2のセンサ間の位置でジャム発生と検出する方法等がある。
【0021】
また、複写機1前面の操作しやすい位置には、操作パネル90(図1の破線)が設置されている。
図3は、操作パネル90の構成を示す図である。
同図に示すように、操作パネル90は、コピー開始を指示するためのコピースタートキー91と、コピー枚数入力用のテンキー92と、入力されたコピー枚数等の値をゼロに戻すためのクリアキー93と、コピー動作の中断を指示するためのストップキー94および液晶表示部95を備えている。
【0022】
液晶表示部95は、表面にタッチパネルが積層されており、ユーザからの、コピー濃度、コピー倍率の設定、用紙選択、コピーモードの設定等の入力(タッチ入力)を受け付けると共に、コピー枚数や複写機1の状態を示すメッセージを表示させる。同図は、メッセージとして「コピーできます」、コピー倍率として1.0(等倍)、用紙サイズとしてA4サイズ等が表示されている例を示したものであるが、紙詰まり等のエラーが発生すると、後述のように、その内容を示すメッセージ(図11、12等参照)が表示される。
【0023】
(3)制御部100の構成
図4は、制御部100の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部100は、CPU101と、通信インターフェース(I/F)部102と、ROM103と、RAM104と、画像格納部105と、ジョブ管理テーブル106と、グループテーブル107と、無線通信部108およびメッセージデータ格納部109を備えている。
【0024】
通信I/F部102は、LANカード、LANボードといったLAN7に接続するためのインターフェースである。
ジョブ管理テーブル106は、受け付けたジョブの実行順序等を管理するためのテーブルである。
図5は、ジョブ管理テーブル106の内容を示す図である。
【0025】
同図に示すように、ジョブ管理テーブル106には、ジョブ番号、印刷情報、ID番号、エラー情報、処理情報の各欄が設けられている。なお、このジョブ管理テーブル106は、ジョブ実行履歴を示すテーブルを兼ねており、ジョブを受け付ける毎に、レコードが追加されて行き、受付順にそのジョブが実行されるようになっている。
【0026】
ジョブ番号欄には、ジョブを受け付ける毎にそのジョブ識別のために付与される番号が書き込まれる。ここでは、受付順に1、2・・の番号が付与される。
印刷情報欄には、各ジョブについて、使用する用紙サイズ、プリント枚数等の印刷に必要な情報(印刷情報)が書き込まれ、ID番号欄には、ジョブを発行したユーザの識別番号が書き込まれる。この識別番号は、各ユーザごとに、当該ユーザを識別するための番号として予め付与された番号である。
【0027】
本実施の形態では、ユーザは、PC2等の外部端末から複写機1に印刷指示する際に、上記印刷情報と共に自己の識別番号をキーボード等から入力するようになっており、PC2等は、複写機1に対し印刷指示を行う際に、印刷のためのデータ(プリントデータ)と共に上記印刷情報、ユーザの識別番号のデータを送信し、制御部100では、PC2等からのこれらデータの受信を、プリントジョブの受け付けとして、当該ジョブに新たなジョブ番号を付与し、ジョブ番号欄に書き込むと共に印刷情報を印刷情報欄に、識別番号をID番号欄に書き込み(レコードの追加)、プリントデータを画像格納部105に保存させる。
【0028】
また、コピージョブの場合には、ユーザは、スタートキー91を押下する前に、自己の識別番号を液晶表示部95から手入力しなければならないようになっており、スタートキー91の押下をジョブ受け付けとして、当該ジョブのレコードがジョブ管理テーブル106に追加される。入力された識別番号がID番号欄に書き込まれることはいうまでもない。
【0029】
エラー情報欄には、各ジョブについて、その実行中に検出されたエラーの内容(紙詰まり等)を示す情報が書き込まれ。処理情報欄には、ジョブの処理状況(終了、処理中、待機中、中断等)が書き込まれる。
図4に戻って、画像格納部105は、HDD(ハードディスクドライブ)等からなる記憶装置であり、PC2等からのプリントデータ等を格納する。
【0030】
グループテーブル107は、ユーザを複数のグループにグループ分けしたときのグループ番号と、各グループに属するユーザの識別番号とを対応付けた情報を格納するテーブルである。
図6は、グループテーブル107の内容を示す図であり、ここでは、例えば番号「1」のグループに識別番号「1001〜1006」の6人のユーザが属していることが示されている。グループテーブル107のデータは、予め管理者等により操作パネル90の液晶表示部95から登録される。
【0031】
双方のテーブル106、107でユーザの識別番号(ID番号)が共通しているので、双方のテーブルを参照すれば、各ジョブについて、そのジョブを発行したユーザを特定できると共にそのユーザがどのグループに属しているかを判断できる。グループテーブル107は、後述のエラー表示処理(図10)において参照される。
【0032】
図4に戻って、無線通信部108は、各ユーザが携帯するIDカードと無線通信を行う。
図7は、無線通信部108とIDカード200の制御部の構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、各ユーザが、自己の識別番号が記憶された、いわゆるICカードからなるIDカード200を常時携帯しており、複写機1は、無線通信部108において、通信可能領域(圏内)、例えば装置前側1m程度の範囲内(ユーザが複写機前に立って液晶表示部95のメッセージを目視できる程度の範囲を通信可能圏内とすることが好ましい。)にIDカード200を所持したユーザが入ると、当該IDカード200と無線により通信を行い、当該IDカード200から、当該ユーザの識別番号を取得することができるようになっている。
【0033】
具体的には、無線通信部108は、CPU81と、アンテナ82と、送受信器83と、ROM84およびカードインターフェース(I/F)85を備えている。ROM84には、無線通信部108における動作制御を行うためのプログラムが格納されており、CPU81は、そのプログラムを読み出して動作を制御する。送受信器83は、アンテナ82を介して不特定多数のIDカードに向けてID要求信号を送信する。いずれかのIDカードが上記通信可能圏内に入り、当該IDカードから、応答信号として識別番号のデータが送られて来ると、これを受信してCPU81に送る。
【0034】
CPU81は、受信した識別番号のデータをCPU101に送る。CPU101は、識別番号のデータを受信することで、自己の近傍にユーザが存在しており、そのユーザが誰であるのかを特定することができる。
一方、IDカード200は、CPU201と、アンテナ202と、送受信器203と、ROM204と、ID番号記憶部205と、カードI/F206および電源207を備えている。
【0035】
ROM204には、IDカード200における無線通信の動作制御を行うためのプログラムが格納されており、CPU201は、そのプログラムを読み出して動作を制御する。ID番号記憶部205には、当該IDカードの所有者を特定するための識別番号(ID番号)が予め登録されている。
送受信器203は、アンテナ202を介して上記無線通信部108からのID要求信号を受信すると、これをCPU201に送る。
【0036】
CPU201は、ID番号記憶部205から識別番号のデータを読み出して、送受信部203に送り、送受信部203は、応答信号として当該データを無線通信部108に向けて送信する。なお、無線によるデータ送受信の方法については、例えば特開平5−273338号公報に詳しい。
無線通信部108のカードI/F85は、IDカード200を挿入可能なスロットを有し、IDカード200から識別番号のデータを読み取る、いわゆるカードリーダである。このようなカードリーダを設けているのは、複写機1が無線通信の困難な場所に設置される場合も考えられ、そのような場合でも確実に識別番号のデータを取得することを可能にするためである。カードI/F85は、IDカード200が挿入されると、カードI/F206を介してID番号記憶部205に格納されている識別番号のデータを読み出し、これをCPU81に送る。
【0037】
CPU81は、IDカード200側から識別番号のデータが送られてくると、これをCPU101に送る。この意味で、無線通信部108は、自装置近傍のユーザを特定するための情報(ユーザの識別番号)を取得する取得手段としての機能を有しているものといえる。
図4に戻って、メッセージデータ格納部109には、エラーメッセージを含む各種メッセージを表示させるためのデータが格納されている。
【0038】
CPU101は、ROM103から必要なプログラムを読み出して、各部の動作タイミングを統一的に制御し、円滑なコピージョブ、プリントジョブ等の動作を実現させる。また、ジョブを受け付ける毎に、そのジョブについての印刷情報、ジョブを発行したユーザの識別番号、処理情報等をジョブ管理テーブル106に書き込む。
【0039】
また、エラーを検出すると、必要に応じて印刷等の動作を停止させると共に、エラーとなったジョブの、ジョブ管理テーブル106の「エラー情報」欄にそのエラーの内容を、「処理情報」欄に中断等の内容を書き込む。さらに、表示させるべきエラーメッセージのデータをメッセージデータ格納部109から読み出して、操作パネル90の液晶表示部95に当該エラーメッセージを表示させる。
【0040】
また、エラー解除を判断、例えば紙詰まりの場合、詰まっていた用紙がユーザにより取り除かれてジョブの実行が可能になったことを検出すると、エラーが解除されたジョブの、ジョブ管理テーブル106の「エラー情報」欄の内容を「エラーなし」に変えると共に「処理情報」欄の内容を「中断」から「処理中」等に変え、またエラーメッセージを消去させる。
【0041】
ROM103には、エラー表示処理等の各種プログラムが格納されている。
RAM104は、揮発性のメモリであり、CPU101におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
(4)制御部100の制御動作
図8は、制御部100の制御動作のメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
【0042】
同図に示すように、制御部100は、まず初期設定を行う(ステップS1)。ここでは、RAM104のクリア、各種レジスタの設定などの初期化が行われる。ステップS2では、コピー枚数設定値を「1」、コピー倍率を「等倍」にするなどのモード初期化処理を行い、ステップS3では、内部タイマー(不図示)をスタートさせる。
【0043】
ステップS4では、操作パネル90のキー等により入力された入力情報を受け付けるキー入力受付処理を行い、ステップS5でエラー検出処理を実行する。このエラー検出処理では、エラーとなったジョブの内容、エラーのために中断している等の情報を、当該ジョブに対応する、ジョブ管理テーブル106のエラー情報、処理情報の各欄に書き込む処理も合わせて行う。
【0044】
ステップS6では、コピージョブ、プリントジョブの受付処理を行う。ジョブの受け付けを行うと、ジョブ管理テーブル106にそのジョブに関する印刷情報等を書き込む。
ステップS7では、操作パネル90の液晶表示部95にエラーメッセージ等のメッセージを表示させる表示処理を実行する。この表示処理については後述する。
【0045】
ステップS8では、コピージョブ等のジョブを実行するシステム制御処理を実行し、ステップS9でその他の処理を行い、ステップS10では、内部タイマーのカウントを終了させるか否かを判断する。この判断は、タイマーのカウント値が、初期設定(S1)において1ルーチンの処理時間として予め規定された時間に達しているか否かにより行われる。当該時間に達すると、内部タイマー終了と判断し(ステップS10で「Y」)、ステップS3に戻る。
【0046】
図9は、ステップS7の表示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、エラーが発生しているか否かを判断する(ステップS71)。この判断は、ジョブ管理テーブル106のエラー情報欄を参照することにより行われる。エラーが発生していることを判断した場合には(ステップS71で「Y」)、エラー表示処理(ステップS72)を実行し、発生していないことを判断した場合には(ステップS71で「N」)、通常の表示処理(ステップS73)を実行して、メインルーチンにリターンする。ここで、通常の表示処理とは、例えば「コピーできます」等のメッセージを表示させる処理であり、エラー表示処理とは、エラーメッセージを表示させる処理である。
【0047】
図10は、エラー表示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。同図に示すように、まずエラーの内容を示すメッセージを液晶表示部95に表示させる(ステップS81)。エラーの内容は、ジョブ管理テーブル106のエラー情報欄に書き込まれている内容を参照することにより判断でき、この内容に対応するデータをメッセージデータ格納部109から読み出して、読み出したデータに基づいてエラーメッセージを表示させる。
【0048】
図11は、当該エラーメッセージが表示されている様子の例を示す図である。同図に示すように、このエラーメッセージは、エラーとその処理方法を示す内容、ここでは紙詰まりの場合の例として「紙詰まりです 用紙を取り除いて下さい」という内容になっている。以下、これを「第1のエラーメッセージ」という。図10に戻ってステップS82では、IDカード200を携帯しているユーザが自装置近傍に位置(存在)しているか否かを判断する。この判断は、上記したようにIDカードからの応答信号の検出の有無により行われる。
【0049】
IDカードを携帯しているユーザが近傍にいると判断した場合には(ステップS82で「Y」)、IDカードからの応答信号に含まれるユーザの識別番号を当該信号から読み出す(取得する)(ステップS85)。これにより、当該近傍のユーザがどのユーザであるのかを特定することができる。
そして、エラーになったジョブを発行したユーザ(以下、「エラージョブのユーザ」という。)の識別番号を、ジョブ管理テーブル106のID番号欄の当該ジョブに対応する欄から読み出す(ステップS86)。これにより、エラージョブのユーザがどのユーザであるのかを特定することができる。この意味でステップS86は、エラージョブのユーザを特定するための情報(ユーザの識別番号)を取得する取得手段としての機能を有するものといえる。
【0050】
そして、ステップS85、S86で取得した識別番号が同一、すなわち各ステップで特定したユーザが同じであるか否かを判断する(ステップS87)。この意味でステップS87は、近傍のユーザと、エラージョブのユーザが同じであるか否かを判断する判断手段としての機能を有するものといえる。
ユーザが同じ(識別番号が一致)、すなわち近傍にいるユーザが、エラージョブのユーザ本人であることを判断すると(ステップS87で「Y」)、メッセージを、第1のエラーメッセージ(図11)から、エラージョブのユーザ本人に対するエラーメッセージ(図12)に切り替えて表示させ(ステップS92)、ステップS93に移る。
【0051】
図12は、エラージョブのユーザ本人に対するエラーメッセージが表示されている様子の例を示す図である。同図に示すように、このメッセージは、エラージョブのユーザ本人に対し、自己のジョブがエラーになっていることを知らしめるための内容(同図の例では、「あなたのジョブがエラーになっています ID:1002」)になっており、CPU101は、メッセージデータ格納部109から当該メッセージ(以下、「第2のエラーメッセージ」という。)に対応するデータを読み出して当該第2のエラーメッセージを表示させる。
【0052】
このようにエラージョブのユーザが複写機に接近してきたときに表示内容を変更させるのは、注意を喚起して当該ユーザに自己のジョブがエラーになっていることを知らしめるためである。
すなわち、上記したように、通常、ユーザは、自己が発行したジョブによるエラーについては、自己の責任においてエラーを早く解除させなければならないという心理が働くものなので、エラーが早く解除されるようにするには、ユーザに対し当該ユーザのジョブがエラーになっていることをより早く気付かせれば良いことになる。そこで、エラージョブのユーザが複写機の前に立ったときに、それまで表示させていたメッセージを別の内容のものに切り替えることにより、注意を引くようにして、当該ユーザに対しジョブがエラーになっていることを気付かせ、エラー解除操作がより早く行われようにしているのである。
【0053】
一方、ステップS87で、同一でない、すなわちエラージョブのユーザとは別のユーザが近傍にいることを判断すると(ステップS87で「N」)、当該別のユーザが属するグループの番号を取得する(ステップS88)。具体的には、グループテーブル107を参照し、別のユーザの識別番号(ステップSS85で取得されたもの)に対応するグループ番号を読み出すことにより行う。例えば識別番号が「1001」であった場合には、グループ番号は「1」になる。これにより、当該別のユーザが属するグループを特定することができる。
【0054】
そして、エラージョブのユーザが属するグループの番号を取得する(ステップS89)。例えば、当該ユーザの識別番号(ステップSS86で取得されたもの)が「1002」であった場合には、グループ番号は「1」になる。これにより、当該エラージョブのユーザが属するグループを特定することができる。
ステップS90では、ステップS88、S89で取得したグループ番号が同一であるか否か、すなわちグループが一致しているか否かを判断する。
【0055】
同じグループではない、すなわち近傍にいるユーザは、エラージョブのユーザ本人でないし、当該ユーザと同グループにも属していないことを判断すると(ステップS90で「N」)、ステップS93に移る。この場合、第1のエラーメッセージが表示されたままになる。
一方、ステップS90において、グループ番号が一致している(グループが同一である)、すなわち近傍にいるユーザが、エラージョブのユーザと同グループに属しているユーザであることを判断すると(ステップS90で「Y」)、第1のエラーメッセージを、グループユーザ用のエラーメッセージ(図13)に切り替えて表示させ(ステップS91)、ステップS93に移る。
【0056】
図13は、グループユーザ用のエラーメッセージが表示される様子の例を示す図である。同図に示すように、このメッセージは、グループ内にエラージョブのユーザがいることを知らせるための内容(同図の例では、「ID:1002のジョブがエラーになっています 通知して下さい」)になっており、CPU101は、メッセージデータ格納部109から当該メッセージ(以下、「第3のエラーメッセージ」という。)に対応するデータを読み出して当該第3のエラーメッセージを表示させる。
【0057】
このようにエラージョブのユーザと同グループに属するユーザに、第3のエラーメッセージを表示させるようにしているのは、例えばオフィス内で席が近いユーザを一のグループとしている場合、エラージョブのユーザ本人に、エラーとなっていることを直接声を掛けて知らせてもらうといったことが行われ易くなり、それだけ早期にエラー解除を行えるからである。この意味でステップS91、92は、近傍のユーザに対し、エラーになっている旨を告知する告知手段としての機能を有するものといえる。
【0058】
ステップS82で、IDカードを携帯しているユーザが近傍にいないと判断した場合には、ステップS83に移って、IDカードが制御部100の無線通信部108のカードI/F85に接続されたか否かを判断する。ここで、接続されていないことを判断すると(ステップS83で「N」)、ユーザからの識別番号の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS84)。入力受け付けしていないことを判断すると(ステップS84で「N」)、第1のエラーメッセージを表示させたまま、ステップS93に移る。
【0059】
また、ステップS83で、IDカードがカードI/F85に接続されたことを判断すると、ステップS85に移る。この場合、IDカード200に記憶されているユーザの識別番号のデータが、カードI/F85を介して制御部100に送られることになる。また、ステップS84で、識別番号の入力を受け付けたことを判断すると、ステップS86に移る。本実施の形態では、ユーザがIDカードを携帯し忘れた場合に、自己の識別番号を液晶表示部95から入力することが可能になっており、ユーザからの識別番号の入力を受け付けると、これが近傍にいるユーザの識別番号として用いられることになる。この意味で、操作パネル90、CPU101は、自装置近傍のユーザを特定するための情報(ユーザの識別番号)を取得する取得手段としての機能を有しているものの一つであるといえる。
【0060】
ステップS93では、エラーが解除されたか否かを判断する。ここで、解除されたことを判断すると(ステップS93で「Y」)、エラーメッセージを消去させて(ステップS94)、表示処理のサブルーチンに戻る。一方、エラーが解除されていないことを判断すると(ステップS93で「N」)、現在のメッセージを表示させたままで、表示処理のサブルーチンに戻る。
【0061】
なお、紙詰まりの場合の第1〜3のエラーメッセージは、上記のものに限られないことはいうまでもなく、同等の内容を示すものであれば良い。また、給紙カセット内での用紙切れ等、他のエラーに対応するメッセージについても同様であり、一のエラーに対し、第1〜第3のエラーメッセージに相当するデータが予め格納されており、エラージョブのユーザの接近の有無等に応じていずれかのデータが読み出されてそのメッセージを表示、または切り替え等されることになる。例えば、用紙切れの場合であれば、第1のエラーメッセージ例として「用紙切れです 用紙を補給して下さい」、第2のエラーメッセージ例として「用紙切れです あなたのジョブがエラーです」等を表示させるためのデータが格納されており、当該用紙切れのエラーを引き起こしたジョブを発行したユーザ本人が接近すると第1から第2のエラーメッセージに切り替えることになる。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態では、エラージョブのユーザ本人が複写機に近づくと、第1のメッセージを第2のエラーメッセージに切り替えることで注意を喚起し、当該ユーザに自己のジョブがエラーになっていることを知らしめるようにしているので、従来のように単にエラーの旨を表示させるだけの構成に比べて、エラー解除がより早期に行われるようになって、その結果、従来よりも印刷処理に支障を来たすといったことを少なくできる。
【0063】
また、複写機近傍にいるユーザが、エラージョブのユーザと同グループに属するユーザの場合には、第1のメッセージを第3のエラーメッセージに切り替えるようにしており、例えばオフィス内で席が近いユーザを一のグループとした場合、エラージョブのユーザに、エラーとなっていることを直接声を掛けて知らせてもらうといったことが行われ易くなり、その分、より早期にエラー解除を行うことも可能になる。
【0064】
なお、本発明は、画像処理装置に限られず、上記表示処理におけるメッセージ等の表示方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、Smart Media(登録商標)、COMPACTFLASH(登録商標)などのフラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態で、インターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0065】
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、エラージョブのユーザが複写機に近づくと、第1のエラーメッセージを第2のエラーメッセージに切り替えるとしたが、当該ユーザに注意を喚起できる方法であれば、これに限定されることはない。例えば、エラージョブのユーザが近傍にいる場合に、第1と第2のエラーメッセージをエラーが解除されるまで交互に点滅表示させたり、またエラーが検出されると、エラーメッセージを表示させ、エラージョブのユーザが複写機に近づくと、これを点滅に切り替える構成が考えられる。また、メッセージの表示色を、例えば青色から赤色に切り替えることも可能である。
【0066】
また、操作パネルの液晶表示部の面積を大きく取れないため、例えば2つの給紙カセットの内、一方の給紙カセット内で紙詰まりが発生したが、他方の給紙カセットの用紙を用いてジョブ実行が可能な場合等、エラーが生じてもジョブの実行が可能な場合には、ジョブの実行を優先すべく、ジョブ実行に必要なメッセージだけを表示させ、エラーについてはエラーを示す小さなマーク(エラーマーク)を表示させるようにしている複写機には、エラージョブのユーザが複写機に近づいたときにエラーマークをエラーメッセージに切り替えて注意を喚起する構成とすることもできる。さらに、表示の制限によりエラーマークも表示させることができない場合(エラーを示すものを何も表示させない場合)であれば、エラージョブのユーザが複写機に接近するまでに表示させていた内容をエラーメッセージに切り替えるとしても良い。要するに、第1の表示(内容、形態等)を、第1とは別の第2の表示(内容、形態等)に切り替える構成とすれば、その切り替わりを注意の喚起とすることができるのである。
【0067】
また、表示を切り替える場合に限られず、第1と第2の表示を両方同時に行うようにしたり、何も表示されていない状態で第2の表示を行うようにしても良く、すなわちユーザの注意を引くように、エラージョブのユーザが複写機に接近したときにエラーの旨を表示させる(第2の表示を行う)構成であれば良い。
(2)上記実施の形態では、操作パネルにメッセージを表示させるとしたが、例えば操作パネルとは別に、複写機前面などユーザの注意を引く位置に、エラーの旨を示す表示を行うものとしてのランプ等を配置して、エラージョブのユーザが複写機に近づくと、これを点灯、点滅等させる構成とすることも可能である。
【0068】
(3)上記実施の形態では、エラーを告知する告知手段の一例として、エラーを示す旨を表示する表示手段(操作パネル、制御部が相当)を設けたが、注意を喚起することができるものであれば、これに限定されず、例えば音声メッセージ、エラー音等を発する発音部を設ける構成とすることもできる。
(4)上記実施の形態では、紙詰まり、用紙切れ等の各種エラーを検出すると、エラーごとに、当該エラーに対応する第1〜第3のエラーメッセージのいずれかを表示またはいずれかに切り替えるとしたが、例えば各種エラーの内、ユーザが容易に取り扱うことができるもの、例えば紙詰まり、用紙切れのエラーについてだけ、表示切替を行う構成とすることもできる。
【0069】
(5)上記実施の形態では、IDカードと複写機が無線通信を行うとしたが、IDカードからユーザの識別番号を取得できれば、無線に限定されることはなく、例えば光通信、電磁誘導方式等を用いてもよい。
(6)上記実施の形態では、IDカードからの応答信号の受信が、ユーザが近傍にいることの検出を兼ねるとしたが、ユーザの検出については、例えば赤外線を前方に放射してユーザからの反射光を受信することにより行う構成(例えば、特開平5−268395号公報に詳しい)とすることもできる。この場合、無線通信部108側から常時、ID要求信号を送信する必要がなく、ユーザ検出後にだけ、当該要求信号を送信して当該ユーザのIDカードから識別番号を取得するとすればよい。
【0070】
(7)上記実施の形態では、複写機は、無線通信により、またはカードI/Fを介してIDカードからユーザの識別番号のデータを取得するとしたが、いずれか一方の方法によりデータを取得する構成であっても良い。また、カードI/Fを用いる場合、上記ではIDカード側にカードI/Fを設け、これを介してデータ通信を行うとしたが、例えば非接触によりデータを通信する構成とすることもできる。ユーザが携帯でき、複写機と通信できるものであれば、接触式、非接触式を問わない。また、IDカード等のカード記録媒体に限られず、PDA等の携帯端末一般とすることもできる。
【0071】
(8)上記実施の形態では、本発明を複写機に適用した例を説明したが、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像処理ジョブを実行する画像処理装置一般に適用することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像処理装置は、エラーが検出された画像処理ジョブを発行したユーザと、自装置近傍に存在するユーザが同じであることが判断されると、当該画像処理ジョブがエラーになっている旨を告知するようにしているので、エラーになった画像処理ジョブを発行したユーザ本人に自己のジョブがエラーになっていることを知らしめることができ、従来のように単にエラーの旨を表示させるだけの構成に比べて、エラー解除がより早期に行われるようになる。
【0073】
また、前記エラーになっている旨を表示により告知するとしている。
このようにすれば、上記ユーザ本人はエラーになっていることを目視により確認することができる。
さらに、ユーザの画像処理ジョブがエラーになっている旨を示す第1の表示と、第1とは別の第2の表示を切り替えることが可能であり、前記判断の際に第2の表示を行っていた場合には、これを第1の表示に切り替えることを特徴としている。
【0074】
このようにすれば、上記ユーザ本人の注意を引くことができ、エラーになっていることを知らせることができる。
そして、前記第1と第2の表示をメッセージによる表示としている。
このようにすれば、エラーになっていることを、例えば言葉で伝えることができ、ユーザに理解され易くなる。
【0075】
また、ユーザが携帯し当該ユーザの識別番号を記憶している携帯端末が通信可能領域に入ると、前記携帯端末から前記識別番号のデータを前記第2の情報として受信することを特徴としている。
このようにすれば、ユーザは自己の携帯端末を携帯しておくだけで済み、画像処理装置においてユーザ特定のための入力操作等を行う必要がなく、使い勝手が良くなる。
【0076】
さらに、ユーザが携帯し当該ユーザの識別番号を記憶しているカード記録媒体を装着可能な装着部を備え、前記携帯端末が前記装着部に装着されたときに、当該カード記録媒体から前記識別番号のデータを前記第2の情報として受信することを特徴としている。
このようにすれば、例えば画像処理装置が無線通信の困難な環境下に設置されている場合であっても、近傍にいるユーザを特定することが可能になる。
【0077】
また、ユーザからの識別番号の入力を第2の情報として受け付けることを特徴としている。
このようにすれば、例えばユーザが携帯端末を携帯するのを忘れた場合であっても近傍にいるユーザを特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置としての複写機を備える画像処理システムの構成を示す図である。
【図2】複写機の全体構成を示す図である。
【図3】上記複写機の操作パネルの構成を示す図である。
【図4】上記複写機の制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】ジョブ管理テーブルの内容を示す図である。
【図6】グループテーブルの内容を示す図である。
【図7】制御部内の無線通信部とIDカードの制御部の構成を示すブロック図である。
【図8】制御部の制御動作のメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図9】表示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図10】エラー表示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図11】操作パネルに第1のエラーメッセージが表示されている様子を示す図である。
【図12】操作パネルに第2のエラーメッセージが表示されている様子を示す図である。
【図13】操作パネルに第3のエラーメッセージが表示されている様子を示す図である。
【符号の説明】
1 複写機
2 パーソナルコンピュータ
7 LAN
50 画像形成部
90 操作パネル
100 制御部
Claims (7)
- ネットワークを介して送信されて来る画像処理ジョブを受け付けて実行する画像処理装置であって、
画像処理ジョブのエラーを検出するエラー検出手段と、
エラーが検出された画像処理ジョブを発行したユーザを特定するための第1の情報を取得する第1の取得手段と、
自装置近傍に存在するユーザを特定するための第2の情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1と第2の情報に基づき、エラーが検出された画像処理ジョブを発行したユーザと、自装置近傍に存在するユーザが同じであるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によりユーザが同じであることが判断されると、当該画像処理ジョブがエラーになっている旨を告知する告知手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記告知手段は、前記エラーになっている旨を表示により告知する表示手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記表示手段は、前記ユーザの画像処理ジョブがエラーになっている旨を示す第1の表示と、第1とは別の第2の表示を切り替えることが可能であり、
前記判断手段による判断の際に第2の表示を行っていた場合には、これを第1の表示に切り替えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記第1と第2の表示は、メッセージによる表示であることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記第2の取得手段は、
ユーザが携帯し、当該ユーザの識別番号を記憶している携帯端末と無線通信する通信手段であり、
前記携帯端末が通信可能領域に入ると、前記携帯端末から前記識別番号のデータを前記第2の情報として受信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。 - 前記第2の取得手段は、
ユーザが携帯し当該ユーザの識別番号を記憶しているカード記録媒体を装着可能な装着部を備え、
前記携帯端末が前記装着部に装着されたときに、当該カード記録媒体から前記識別番号のデータを前記第2の情報として受信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。 - 前記第2の取得手段は、前記ユーザからの識別番号の入力を受け付ける受け付け手段であり、
入力された識別番号を第2の情報として受け付けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
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