JP4125445B2 - 車両灯具ランプボディ用樹脂及び該樹脂を用いた車両用灯具の製造法並びに車両用灯具 - Google Patents

車両灯具ランプボディ用樹脂及び該樹脂を用いた車両用灯具の製造法並びに車両用灯具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム強化スチレン系樹脂からなるランプボディと、メタクリル酸メチル樹脂等からなるランプレンズとを熱板融着法により接合してなる、ヘッドランプ、ウィンカー、ストップランプ等の車両灯具、およびそれに用いるランプボディ並びにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂からなるランプボディとランプレンズとを接合する方法としては、接着剤で両者を固着する方法もあるが、一般的なABS樹脂等の熱可塑性樹脂からなるランプボディに熱板を押し当てて溶融した後、溶融部分をメタクリル酸メチル樹脂等からなるランプレンズに圧着する、いわゆる熱板融着法が、接着剤により固着する場合とは異なり溶剤を全く使用しないことより、環境問題の観点から採用されることが増えてきた。しかしながら、このような熱板融着法では、前記ABS樹脂等のランプボディを構成する熱可塑性樹脂を熱板により溶融した後、熱板を引き離す際に、溶融した樹脂が糸状に引き伸ばされ(以下、『糸引き』という。)、これがランプレンズやランプボディの成形品表面に付着することにより外観不良となる不具合が生じることがあった。この熱板融着法における糸引きを改善する方法として、例えば、特開平9−12902号公報には、ポリテトラフルオロエチレン等のフッソ樹脂をランプボディを構成するポリカーボネートやABS樹脂等の熱可塑性樹脂に対して添加する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、冬期の様な低湿度環境下で熱板融着法を行った場合には、完全に糸引きが解消されない場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の問題点に鑑み、熱板融着法によりランプボディをランプレンズに接合して車両用灯具を製造する際に生じるランプボディを構成する樹脂の糸引きを、季節や湿度の変化に関係なく、改善することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成すべく鋭意検討した結果、ゴム強化スチレン系樹脂に対して、特定の還元粘度である、比較的低分子量のα−メチルスチレンを主成分として含む単量体成分の共重合体を添加した樹脂組成物によりランプボディを成形すること、更には、前記ゴム強化スチレン系樹脂として、特定の成分を含有したグラフト共重合体とビニル系共重合体とを主成分として配合して得られる樹脂組成物を用いることにより、冬期の様な低湿度環境下においても熱板融着法にてランプボディとランプレンズとを接合して車両用灯具を製造する際の糸引きを大幅に改善しうることを見いだし、本発明完成するに至った。
すなわち本発明は、
ゴム強化スチレン系樹脂からなるランプボディに、加熱した熱板を押し当てて溶融した後、溶融部分をランプレンズに圧着してランプボディとランプレンズとを接合し車両用灯具を製造するためのランプボデイに用いる、ゴム強化スチレン系樹脂100重量部に対して、特定の還元粘度である、比較的低分子量のα−メチルスチレンを主成分として含む単量体成分の共重合体3〜30重量部を配合してなる車両灯具用ランプボディ用樹脂であり、前記ゴム強化スチレン系樹脂が、ゴム状重合体15〜95重量部に単量体混合物85〜5重量部を合わせて100重量部となるようにグラフト重合させてなり、前記単量体混合物が、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物、およびアルキル(メタ)アクリレート化合物からなる群から選択される少なくとも1種のビニル系化合物99.9〜60重量%、他の共重合可能なビニル化合物0〜30重量%、およびα,β―不飽和酸のグリシジルエステル化合物0.1〜40重量%からなるグラフト共重合体(A)100〜10重量部と、シアン化ビニル化合物10〜40重量%、芳香族ビニル化合物60〜90重量%、および他の共重合可能なビニル化合物0〜30重量%を重合させてなるビニル系共重合体(B)0〜90重量部とを合わせて100重量部からなる樹脂組成物(C)である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で特に重要なのは、ランプボディの成形に用いる樹脂組成物中に特定の還元粘度である、比較的低分子量のα−メチルスチレンを主成分として含む単量体成分の共重合体が配合されていることである。
α−メチルスチレンを主成分として含む単量体成分の共重合体は、好ましくはα−メチルスチレン単量体85〜50重量%およびその他の共重合可能な単量体15〜50重量%からなり、かつ、メチルエチルケトン可溶分の還元粘度(30℃、N,N−ジメチルホルムアミド溶液中)が、0.1〜0.40dl/gである。この範囲外では、糸引き性と耐衝撃強度の点で好ましくない。
その他共重合可能な単量体としては例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。
低分子量のα−メチルスチレンを主成分として含む単量体成分の共重合体の製法としては、公知の塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、溶液重合、乳化重合のような方法が挙げられる。
特定の還元粘度である、比較的低分子量のα−メチルスチレンを主成分として含む単量体成分の共重合体の使用量は、ゴム強化スチレン系樹脂100重量部に対し、3〜30重量部、好ましくは10〜20重量部である。3重量部未満では特に低湿度下での糸引き改善効果が充分でなく、又30重量部を越えると耐衝撃強度が低下する。
本発明で用いるゴム強化スチレン系樹脂としては、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂等が挙げられるが、特に、グラフト共重合体(A)100〜10重量部とビニル系共重合体(B)0〜90重量部とを合せて100重量部からなる樹脂組成物を主成分とする樹脂組成物(C)が好ましく、前記グラフト共重合体(A)としては、以下に示す組成が好ましい。すなわち、グラフト共重合体(A)は、ゴム状重合体15〜95重量部に単量体混合物85〜5重量部をグラフト重合させてなり、前記単量体混合物が、α,β―不飽和酸のグリシジルエステル化合物0.1〜40重量%、より好ましくは5〜20重量%、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物、およびアルキル(メタ)アクリレート化合物からなる群から選択される少なくとも1種のビニル系化合物99.9〜60重量%、より好ましくは、シアン化ビニル化合物0〜40重量%、芳香族ビニル化合物60〜90重量%、およびアルキル(メタ)アクリレート化合物0〜30重量%からなるビニル系化合物99.9〜60重量%、および他の共重合可能なビニル化合物0〜30重量%からなるグラフト共重合体である。このグラフト共重合体(A)において、ゴム状重合体が15重量部未満ではランプボディの衝撃強度が低下し、また95重量部を越えると樹脂の流動性が極端に劣るため好ましくない。更に、前記ゴム重合体にグラフト重合させる単量体混合物中のα,β―不飽和酸のグリシジルエステル化合物が40重量%を越えるとランプボディ成形時の樹脂の流動性、成形されたランプボディの耐衝撃性が低下して好ましくない。
グラフト共重合体(A)で使用されるゴム状重合体としては、特に制限はないが、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルアクリレートーブタジエン等のジエン系ゴム、アクリル酸ブチルゴム、ブタジエン−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチルゴム、メタクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸ステアリル−アクリル酸ブチルゴム、ジメチルシロキサン−アクリル酸ブチルゴム、シリコーン系/アクリル酸ブチル複合ゴム等のアクリル系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等のポリオレフィン系ゴム重合体、ポリジメチルシロキサンゴム等のシリコーン系ゴム重合体が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、このゴム状重合体の平均粒子径は0.05〜1μmのものが好ましく、0.07〜0.4μmのものが更に好ましい。ゴム状重合体としては、酸基含有ラテックスを使用して凝集肥大法により製造されたものも使用することができる。前記ゴム状重合体にグラフト重合するα,β―不飽和酸のグリシジルエステル化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル等が挙げられ、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましいグリシジルエステル化合物の具体例としては、グリシジルメタアクリレートを挙げることができる。
一方、ビニル系共重合体(B)は、シアン化ビニル化合物10〜40重量%、芳香族ビニル化合物60〜90重量%、および他の共重合可能なビニル化合物0〜30重量%を重合させてなる共重合体である。
グラフト共重合体(A)またはビニル系共重合体(B)で使用されるシアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が例示され、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、クロルスチレン、ブロムスチレン等が例示される。
また、アルキル(メタ)アクリレート化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が例示される。更に、他の共重合可能なビニル化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、例えばN−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル等が挙げられ、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記グラフト共重合体(A)およびビニル系共重合体(B)は好ましくは乳化重合によって得られるが、いかなる重合法を用いて製造したものでもよい。例えば、公知の塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、、乳化−懸濁重合法、乳化−塊状重合法等、本発明の目的とする範囲内の組成に制御できればどの重合法によって製造したものでもよい。例えば、グラフト共重合体(A)の場合、前記単量体混合物をゴム状重合体の存在下に、水溶媒体中、ラジカル開始剤で重合させればよい。その際、前記グラフト重合させる単量体混合物は、混合物として使用しても、また必要に応じ、分割して使用しても良い。さらに、前記単量体混合物の添加方法としては、一度に全量を仕込んでも、また逐次添加しても良く、特に制限されるものではない。
ラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム等の熱分解開始剤、Fe−還元剤−有機パーオキサイド等のレドックス系開始剤等、公知の開始剤が使用できる。その他、重合促進剤、重合度調節剤、乳化剤も適宜選択して使用できる。重合温度としては30〜90℃が好ましい。
本発明のランプボディを構成する樹脂組成物中のグラフト共重合体(A)とビニル系共重合体(B)のとブレンド比率は、目的とする物性特性を得るために適宜決定すれば良いが、グラフト共重合体(A)が100〜10重量部、好ましくは60〜10重量部、ビニル系共重合体(B)が0〜90重量部、好ましくは40〜90重量部である。また、グラフト共重合体(A)を重合した後に、同一の反応器でビニル系共重合体(B)を重合させることも可能である。
前記グラフト共重合体(A)とビニル系共重合体(B)とを主成分とする樹脂組成物(C)の極限粘度は、メチルエチルケトン可溶成分で0.4〜1.5(dl/g)(N,N−ジメチルホルムアミド溶液、30℃)の範囲が好ましい。
【0006】
グラフト共重合体(A)やビニル系共重合体(B)のラテックスから樹脂組成物(C)を得る方法は公知の方法でよい。例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸アンモニウム等の無機塩や、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸等の酸類により凝固して得られる。また必要に応じて、樹脂ブレンドする場合は、一般的な方法、例えばヘンシェルミキサーやリボンブレンダー等のブレンダーを用い、目的とする安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、無機充填材、ガラス繊維を必要に応じて適宜使用することもできる。特に、スチレン系樹脂に用いられるフェノール系、イオウ系、リン系、ヒンダードアミン系の安定剤、抗酸化剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、及びオルガノポリシロキサン、エチレンビスステアリン酸アマイド、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル等の滑剤等は成形用樹脂として、より高性能なものとするために用いることができる。これらの安定剤、滑剤は、単独でもまた2種以上混合して使用することもできる。
また、ランプボディを構成する樹脂組成物(C)は、前記グラフト共重合体(A)とビニル系共重合体(B)に加えて、通常のABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、PET樹脂、PBT樹脂とブレンドして使用する事も可能である。
本発明では、前記のような樹脂組成物(C)等のゴム強化スチレン系樹脂に対して、特定の還元粘度である、比較的低分子量のα−メチルスチレンを主成分として含む単量体を添加した樹脂組成物を成形してなるランプボディに、加熱した熱板を押し当てて溶融した後、溶融部分をランプレンズに圧着してランプボディとランプレンズとを接合して車両用灯具を製造する。前記の場合の熱板の温度は、250〜500℃に加熱して行うことが好ましい。また、前記ランプボディに接合されるランプレンズとしては、メタクリル酸メチル樹脂からなるレンズを用いることが好ましい。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の還元粘度である、比較的低分子量のα−メチルスチレンを主成分として含む単量体成分の共重合体を配合してなるゴム強化スチレン系樹脂を用いることで、従来からランプボディの材料として使用されている一般的なゴム強化スチレン系樹脂を用いる場合に比べて、例えば冬期のような低湿度環境下において、ランプボディに加熱した熱板を押し当てて溶融した後、溶融部分をランプレンズに圧着してランプボディとランプレンズとを接合して車両用灯具を製造する際の、ランプボディを構成する樹脂の糸引きを大幅に改善しうるものであり、特にヘッドランプ、ウィンカー、ストップランプ等の車両用灯具の製造に有用である。
【0008】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これら実施例は本発明を何ら限定するものではない。尚、実施例の記載中で、特に断らない限り、『部』は重量部を、『%』は重量%を表す。また、実施中の各略称は、次の意味を有する。
【0009】
PBd:ポリブタジエン 平均粒子径:0.2μm
SBR:(スチレン/ブタジエンゴム=25/75)共重合体
平均粒子径:0.1μm
PBA:(ブチルアクリレート/アリルメタクリレート=99/1)共重合体 平均粒子径:0.15μm
GMA:グリシジルメタクリレート
AN:アクリロニトリル
St:スチレン
MMA:メチルメタアクリレート
PMI:フェニルマレイミド
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
tDM:t−ドテシルメルカプタン
αMSt:α―メチルスチレン
(イ)グラフト共重合体(A)の製造
撹拌機、還流冷却器、窒素導入口、モノマー導入口、温度計の設置された反応器に下記の物質を仕込んだ。
【0010】
純水 250部
ゴム状重合体 表1に記載
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.3部
硫酸第一鉄 0.0025部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01部
反応器を撹拌しながら窒素気流下に60℃まで昇温させた。60℃に到達した後、
表1に示す単量体混合物を連続的に5時間で滴下し、添加終了後、さらに60℃で1時間撹拌を続けて重合を終了し、A1〜A5を得た。
【0011】
【表1】
Figure 0004125445
(ロ)ビニル系共重合体(B)の製造
撹拌機、還流冷却器、窒素導入口、モノマー導入口、温度計の設置された反応器に下記の物質を仕込んだ。
【0012】
純水 250部
ラウリン酸ソーダ 3部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.4部
硫酸第一鉄 0.0025部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01部
反応器を撹拌しながら窒素気流下に60℃まで昇温させた。60℃に到達した後、
表2に示すモノマー(I)を仕込んだ。充分乳化させた後、表2に示すモノマー(II)を連続的に6時間で滴下し、添加終了後、60℃で1時間撹拌を続けて重合を終了し、B1〜B4を得た。
【0013】
【表2】
Figure 0004125445
(ハ)樹脂組成物(C)の製造
前記(イ)、(ロ)で製造したグラフト共重合体(A)とビニル系共重合体(B)をそれぞれラテックス状態で表3に記載した比率(固形分)で混合し、この混合ラテックスに酸化防止剤を添加し、塩化カルシウムで凝固させた後、加熱、脱水、水洗、乾燥後、樹脂組成物(C)パウダー(C1〜C8)を得た。
【0014】
【表3】
Figure 0004125445
(ニ−1)特定の還元粘度である、比較的低分子量のα−メチルスチレン共重合体
撹拌機、還流冷却器、窒素導入口、モノマー導入口、温度計の設置された反応器に下記の物質を仕込んだ。
【0015】
純水 250部
ラウリン酸ソーダ 3部
α−メチルスチレン 75部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.4部
硫酸第一鉄 0.0025部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01部
tDM 0.7部
反応器を撹拌しながら窒素気流下に60℃まで昇温させ、充分乳化させた後、
AN 20部
α−メチルスチレン 5部
CHP 0.4部
tDM 1.0部
上記モノマー成分を連続的に6時間で滴下し、添加終了後、60℃で1時間撹拌を続けて重合を終了し、このラテックスに酸化防止剤を添加して、塩化カルシウムで凝固させた後、加熱、脱水、水洗、乾燥後、α−メチルスチレン共重合体パウダーを得た。このもののメチルエチルケトン可溶分の還元粘度(30℃、N,N−ジメチルホルムアミド溶液中)は、0.3dl/gであった。
(ニ−2)特定の還元粘度である、比較的低分子量のα−メチルスチレン共重合体
撹拌機、還流冷却器、窒素導入口、モノマー導入口、温度計の設置された反応器に下記の物質を仕込んだ。
【0016】
純水 250部
ラウリン酸ソーダ 3部
α−メチルスチレン 75部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.4部
硫酸第一鉄 0.0025部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01部
tDM 0.95部
反応器を撹拌しながら窒素気流下に60℃まで昇温させ、充分乳化させた後、
AN 20部
α−メチルスチレン 5部
CHP 0.4部
tDM 1.2部
上記モノマー成分を連続的に6時間で滴下し、添加終了後、60℃で1時間撹拌を続けて重合を終了し、このラテックスに酸化防止剤を添加して、塩化カルシウムで凝固させた後、加熱、脱水、水洗、乾燥後、α−メチルスチレン共重合体パウダーを得た。このもののメチルエチルケトン可溶分の還元粘度(30℃、N,N−ジメチルホルムアミド溶液中)は、0.15dl/gであった。
(ホ)車両灯具用ランプボディ樹脂組成物の製造及び糸引き性評価
前記樹脂組成物(C)にフェノール系の抗酸化剤0.3部(AO−20:旭電化工業株式会社製)、リン系の安定剤0.3部(PEP−24G:旭電化工業株式会社製)、滑剤EBS1.0部(エチレンビスステアリン酸アマイド:日本油脂株式会社製)を共通の添加剤として、また、特定の還元粘度である、比較的低分子量のα−メチルスチレン共重合体を表4に示すようにブレンドして、250℃の温度で押出機(大阪精機(株)製、40mmφ単軸押出機)にてペレットを得た。得られたペレットを150ton射出成形機(FANUC製)を使用し、250℃の温度でASTMの1号ダンベルと図1に示すランプボディ製品を成形し、それを用いて糸引き性の評価を実施した。
(a)ダンベル試験片を用いての糸引き性評価
射出成形にて得られたASTM1号ダンベルを成形直後すぐ下記▲1▼、▲2▼の条件環境下に放置した。
条件▲1▼:23℃、相対湿度50%の恒温室に1週間放置。
条件▲2▼:冬期の低湿度を想定し、5℃、相対湿度15%の恒温室に1週間放置。この試験片を用いて、350℃に加熱したアルミニウム製の平板に、10kgf/cm2の圧力で10秒間押しつけた後、このダンベルを500mm/minの速度で引き上げた時に溶融面に発生した糸の長さ[cm]を測定した。
結果を表4に示す。
(b)ランプボディ製品を用いての糸引き性評価
射出成形にて得られた図1に示すランプボディ製品を成形直後すぐ下記▲1▼、▲2▼の条件環境下に放置した。
条件▲1▼:23℃、相対湿度50%の恒温室に1週間放置。
条件▲2▼:冬期の低湿度を想定して、5℃、相対湿度15%の恒温室に1週間放置この製品を熱板融着機を用いて、融着温度350℃、10kgf/cm2の圧力でアルミニウム製の熱板に10秒間押しつけた後、50mm/minの速度で引き上げた時に融着面に糸引きが発生するかどうかを判定した。
結果を表4に示す。なお、ランプボディー製品による糸引き性評価は、次の基準に従った。
○...糸引きなし。(0.5cm以下)
△...少し糸引きあり。(0.5〜1.0cm以下)
×...糸引きあり。(1.0cm以上)
【0017】
【表4】
Figure 0004125445
表4の結果から明らかなように、低湿度下にてコンディショニングさせたものでも本発明によれば、従来から使用されている比較例のABS樹脂組成物からなるランプボディを用いた場合に比べて、熱板融着法における糸引き性が大幅に改善されている。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の還元粘度である、比較的低分子量のα−メチルスチレンを主成分として含む単量体成分の共重合体を配合してなるゴム強化スチレン系樹脂を用いることで、従来からランプボディの材料として使用されている一般的なゴム強化スチレン系樹脂を用いる場合に比べて、例えば、冬期のような低湿度環境下において、ランプボディに加熱した熱板を押し当てて溶融した後、溶融部分をランプレンズに圧着してランプボディとランプレンズとを接合して車両用灯具を製造する際の、ランプボディを構成する樹脂の糸引き性を大幅に改善しうるものであり、特にヘッドランプ、ウィンカー、ストップランプなどの車両用灯具の製造に有用である。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】 糸引き性評価に用いたランプボディ製品の断面図。

Claims (10)

  1. ゴム強化スチレン系樹脂からなるランプボディに、加熱した熱板を押し当てて溶融したあと、溶融部分をランプレンズに圧着してランプボディとランプレンズとを接合し車両用灯具を製造するためのランプボディに用いる、ゴム強化スチレン系樹脂100重量部に対して、α−メチルスチレン単量体85〜50重量%およびその他の共重合可能な単量体15〜50重量%からなる組成の重合体であり、かつメチルエチルケトン可溶分の還元粘度(30℃、N,N−ジメチルホルムアミド溶液中)が、0.1〜0.4dl/gである共重合体3〜30重量部を配合してなる車両灯具用ランプボディ用樹脂。
  2. 前記ゴム強化スチレン系樹脂が、ゴム状重合体15〜95重量部に単量体混合物85〜5重量部を合わせて100重量部となるようにグラフト重合させてなり、前記単量体混合物が、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物およびアルキル(メタ)アクリレート化合物からなる群から選択される少なくとも一種のビニル系化合物99.9〜60重量%、他の共重合可能なビニル化合物0〜30重量%、およびα,β―不飽和酸のグリシジルエステル化合物0.1〜40重量%からなるグラフト共重合体(A)100〜10重量部と、シアン化ビニル化合物10〜40重量%、芳香族ビニル化合物60〜90重量%、および他の共重合可能なビニル化合物0〜30重量%を重合させてなるビニル系共重合体(B)0〜90重量部とを合せて100重量部からなる樹脂組成物を主成分とする樹脂組成物(C)である請求項1記載の車両灯具用ランプボディ用樹脂。
  3. 前記グラフト共重合体(A)の単量体混合物が、シアン化ビニル化合物0〜40重量%、芳香族ビニル化合物60〜90重量%、アルキル(メタ)アクリレート化合物0〜30重量%からなるビニル系化合物99.9〜60重量%、他の共重合可能なビニル化合物0〜30重量%、およびα,β―不飽和酸のグリシジルエステル化合物0.1〜40重量%からなる請求項2記載の車両灯具用ランプボディ用樹脂。
  4. 前記グラフト共重合体(A)の単量体混合物中のα,β―不飽和酸のグリシジルエステル化合物の含有量が5〜20重量%である請求項2又は3記載の車両灯具用ランプボディ用樹脂。
  5. 前記α,β―不飽和酸のグリシジルエステル化合物がアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、およびエタクリル酸グリシジルからなる群から選択される少なくとも1種である請求項2〜4のいずれかに記載の車両灯具用ランプボディ用樹脂。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の車両灯具用ランプボディ用樹脂を成形してなるランプボディに、加熱した熱板を押し当てて溶融した後、溶融部分をランプレンズに圧着してランプボディとランプレンズとを接合することを特徴とする車両用灯具の製造法。
  7. 熱板を250〜500℃に加熱して行う請求項6記載の車両用灯具の製造法。
  8. 前記ランプレンズとして、メタクリル酸メチル樹脂からなるレンズを用いる請求項6又は7記載の車両用灯具の製造法。
  9. 請求項1〜5いずれかに記載の車両灯具用ランプボディ用樹脂を成形してなるランプボディに、加熱した熱板を押し当てて溶融した後、溶融部分をランプレンズに圧着してランプボディとランプレンズとを接合してなる車両用灯具。
  10. 前記ランプレンズとして、メタクリル酸メチル樹脂からなるレンズを用いてなる請求項9記載の車両用灯具。
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