JP4121757B2 - オリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法及び遺伝子の検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイマーを形成する一対のオリゴヌクレオチドの複数対とそのダイマーを架橋する一対のオリゴヌクレオチドの複数対を使用するオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法、該方法により形成された自己集合体、該自己集合体の検出方法、および該自己集合体の作製方法を利用するターゲット遺伝子の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一対のオリゴヌクレオチドが相補的塩基配列に従って正確に結合するハイブリダイゼーション法(Judy,M.,Geoffrey,W.Hybridization of Nucleic Acids Immobilized on Solid Supports.Analytical Biochemistry,138,267-284,1984)は、サザンブロット法(Southern,E.M.Detection of specific sequences among DNA fragments separated by gel electrophoresis. J.Mol.Biol.,98,503-517,1975)、ノーザンブロット法(Thomas,P.S.Hybridization of denatured RNA and small DNA fragmenta transferred to nitrocellulose. Proc.Natl.Acad. Sci.USA, 77,5201-5205,1980)、in situ hiblydization法(Jones,K.W.,et al. Chromosomal and nuclear location of mouse satellite DNA in individual cells. Nature. 225,912-915,1970)や近年汎用されているDNAチップ法(Marshall,A., Hodgson,J. DNA chips: an array of possibilities. Nat Biotechnol. 16,27-31,1998)などの遺伝子を解析する基本技術として広く応用されている。
【0003】
また、ターゲット遺伝子の検出感度を上げるために開発された耐熱性DNAリガーゼという酵素を使って遺伝子を増幅するLCR法(United States Patent No.5,792,607)や耐熱性DNAポリメラーゼという酵素を使って遺伝子を増幅するPCR法(Saiki,R.,S.Scharf,F.Faloona,et al.Enzymatic amplification ofβ-globin genomic sequence and restriction site analysis for diagnosis of sickle cell anemia.Science.230,1350-1354(1985))などの遺伝子増幅法も、基本的にはこのオリゴヌクレオチドが正確にハイブリダイゼーションすることを利用したものである。
【0004】
しかし、サザンブロット法、ノーザンブロット法、in situ hiblydization法、DNAチップ法では、遺伝子を増幅することができないために微量の遺伝子を検出することが困難であり、また、LCR法やPCR法では、その増幅操作に加えて検出するための煩雑な操作が必要なため高コストであった。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題点に鑑み、本発明者等は、酵素を使用しない新規な等温核酸増幅法を報告した(USP6,261,846、日本特許3267576号及びEP1002877A)。この方法は、3個所の領域から構成される一対のプローブ(HoneyComb Probe、以下HCPと称する)を用いる方法であり、第1プローブと第2プローブの各々の3個所の領域はお互いに相補的な塩基配列を有し、両者を反応させた場合、領域の1個所のみとハイブリダイズする様に塩基配列を工夫したものである。この工夫により、複数の一対のプローブを反応させた場合、お互いにハイブリダイズし、プローブの自己集合によりオリゴヌクレオチドによる自己集合体を形成させることができる(Probe alternation link self-assembly reaction、以下、このオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法をPALSAR法と称する)。
【0006】
本発明は、このPALSAR法に検討を加え、オリゴヌクレオチドの自己集合による自己集合体の作製において、その二本鎖の規則的な高次構造の形成にかかる反応時間を短縮し、至適反応温度域を広くし、その操作性と応用性を高くするために更なる改良を試みたものである。
【0007】
本発明は、複数対のダイマー形成用プローブで形成した複数のダイマーに対して、複数対の架橋プローブでそのダイマーを架橋することにより、二本鎖の規則的な高次構造の形成にかかる反応時間を短縮し、また、至適反応温度域を広くし、操作性と応用性を高くすることを可能としたオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法、及び得られた自己集合体の性質を利用した簡便な遺伝子の検出方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが報告した酵素を使用しない新規な上記等温核酸増幅法は、3個所の領域から構成される一対のプローブを用いる方法であるが、この第1プローブと第2プローブの各々の3個所の領域はお互いに相補的な塩基配列を有しているため、両者を反応させた場合、領域の1個所のみとハイブリダイズする様にそれぞれの領域が競い合うようにして反応するため、PALSAR法では、厳密な反応温度と30分以上の反応時間が必要であった。
【0009】
また、本発明者らは上記したPALSAR法及びライゲーション反応を用いた方法を既に提案した(特願2000−261687)。このライゲーション反応を利用した方法では、図2(a)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの複数対で形成されるダイマーの中央領域(Y)を特定のターゲット遺伝子と相補的になるように設定しておき、その相補的な領域をあらかじめ切断した場合、図2(b)に示したように切断された部分は特定のターゲット遺伝子とハイブリダイゼーションした後、ライゲーション反応により連結されるが、一方では特定のターゲット遺伝子とのハイブリダイゼーションと同時に、図2(c)に示したようなダイマーの形成により、図2(d)に示したような複合体を形成するために、ターゲット遺伝子とのハイブリダイゼーション効率が低下するという欠点があった。
【0010】
上記した課題を解決するために本発明者らは鋭意研究の結果、一対のダイマー形成用プローブで形成したダイマーに対して、一対の架橋プローブでそのダイマーを架橋することにより、PALSAR法における反応時間を短縮し、また、至適反応温度域を広くすることを見出した。加えて、図1(a)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの複数対で形成されるダイマーの中央領域(B)を特定のターゲット遺伝子と相補的になるように設定しておき、その相補的な領域をあらかじめ切断した場合、図1(b)に示したように切断された部分は特定のターゲット遺伝子とハイブリダイゼーションした後、ライゲーション反応により連結され、一方、図1(c)に示したようなダイマーが形成されてもそれ以上反応しないために複合体が形成されず、ターゲット遺伝子との高いハイブリダイゼーション効率が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法は、No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3’側領域、中央領域、及び5’側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3’側領域及び5’側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブを含む第1番目の系から第(2n−1)番目(n≧1)の系まで順番にn個形成されたダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3’側領域及び5’側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3’側領域及び5’側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2番目の系から第2n番目の系まで順番にn個形成された架橋プローブ含有系とを有し、
該架橋プローブを、該ダイマー形成用プローブより形成されるダイマーを架橋することが可能な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とする。
【0012】
上記自己集合体の作製方法において、n=1の場合、第1の系のダイマープローブと第2の系の架橋プローブの相補的な塩基配列の組み合わせは、2通り存在する。n=1の場合の1例として、上記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第2の系のNo.3−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第2の系のNo.4−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
第2の系のNo.4−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第2の系のNo.3−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
をそれぞれ相補的な塩基配列としたものを用いることができる。
【0013】
n=1の場合の別の例として、上記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第2の系のNo.3−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第2の系のNo.3−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第2の系のNo.4−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第2の系のNo.4−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
をそれぞれ相補的な塩基配列としたものを用いることができる。
【0014】
上記自己集合体の作製方法において、n≧2の場合、第1、第3、・・、第(2n−1)の系のダイマー形成用プローブと第2、第4、・・、第2nの系の架橋プローブの相補的な塩基配列の組み合わせは、2通り存在する。n≧2の場合の1例として、上記プローブの塩基配列を、
第(2n−3)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第(2n−3)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第(2n−1)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第(2n−1)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域と架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第1番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第1番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
をそれぞれ相補的な塩基配列としたものを用いることができる。
【0015】
n≧2の場合の別の例として、上記プローブの塩基配列を、
第(2n−3)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第(2n−3)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第(2n−1)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第(2n−1)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域と架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第1番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第1番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
をそれぞれ相補的な塩基配列としたものを用いることができる。
【0016】
上記ダイマー形成用プローブ及び架橋プローブ(本明細書において、これらを単にプローブと称す場合がある)は、DNA、RNA、PNA又はLNAのいずれかから選ばれる塩基から構成される。
【0017】
上記プローブのハイブリダイゼーションは、あらかじめ上記ダイマー形成用プローブからダイマーを形成させた後、上記架橋プローブと該ダイマーをハイブリダイゼーションさせることが好ましい。
【0018】
上記複数対のダイマー形成用プローブとして、上記中央領域の異なるm(m≧2)種のダイマー形成用プローブからなるものを用いることができる。
【0019】
上記架橋プローブが、3’側領域と5’側領域の中央部にダイマー形成用プローブと架橋プローブの各領域の塩基配列とは非相補的な領域(以下、フリーサイト領域(Free site regions)と称す)を有することが好適である。
【0020】
上記フリーサイト領域は、DNA、RNA、PNA、LNA及びオリゴヌクレオチドと結合できるペプチド、ポリマー性粒子、磁性体粒子、またはその他の化合物から構成されるものを用いることができる。
【0021】
上記一対のダイマー形成用プローブの3’側領域及び/又は5’側領域を互いに同一な塩基配列とすることも可能である。
【0022】
上記プローブの相補的塩基配列領域の分岐点に、少なくとも1つのG(グアニン)またはC(シトシン)を配置させ、プローブがハイブリダイズした際に少なくとも1つのC−G結合を相補的塩基配列領域の端部に形成させることが可能となる。
【0023】
本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体(以下、単に自己集合体と称すことがある。)は、上記方法で形成されたものである。
【0024】
本発明の自己集合体の検出方法の第1の態様は、上記自己集合体を、オリゴヌクレオチドの二本鎖に挿入して蛍光を発するインターカレーターを用いて検出することを特徴とする。
【0025】
本発明の自己集合体の検出方法の第2の態様は、上記自己集合体を、該自己集合体に蛍光物質を結合させ、発光により検出することを特徴とする。
【0026】
本発明の自己集合体の検出方法の第3の態様は、上記自己集合体を、紫外線に対する光学的な吸収の変化を利用して検出することを特徴とする。
【0027】
本発明の遺伝子の検出方法は、上記オリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法を用いる遺伝子の検出方法であり、上記ダイマー形成用プローブ及び/又は架橋プローブのオリゴヌクレオチドを、ターゲット遺伝子の一部と相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含むように構成し、ターゲット遺伝子と相補的な領域を少なくとも1箇所予め切断しておき、温度制御により、ハイブリダイゼーション反応、ライゲーション反応及び解離反応をさせ、該切断されたプローブを連結させて完全なプローブを形成させ、上記オリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法を用いて自己集合体を作製させ、該自己集合体を検出することにより、ターゲット遺伝子を検出することを特徴とする。
【0028】
上記ターゲット遺伝子の一部と相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとして、上記ダイマー形成用プローブを用いて、ダイマー形成用プローブのオリゴヌクレオチドのうち、少なくとも一つのオリゴヌクレオチドの中央領域を、ターゲット遺伝子と相補的な塩基配列を有する領域となるように構成し、ターゲット遺伝子と相補的なダイマー形成用プローブの各オリゴヌクレオチドの中央領域の片側、または両側の一箇所、または複数箇所をあらかじめ切断しておくことが好ましい。
【0029】
上記遺伝子の検出方法は、さらに具体的には以下の通りである。上記ライゲーション反応において、ターゲット遺伝子と相補的な領域を有し、その箇所を切断されたプローブは、ターゲット遺伝子が存在する場合、ターゲット遺伝子とハイブリダイゼーションした後、ライゲーション反応によって連結され、その後、熱により二本鎖を解離させる。次に、未だ切断されたままのプローブは、ターゲット遺伝子又は連結されたプローブとハイブリダイゼーションした後、ライゲーション反応によって連結され、熱により二本鎖が解離される。温度制御により、上記ハイブリダイゼーション反応→ライゲーション反応→解離反応を繰り返し、プローブを連結させて完全なプローブを形成させる。連結したプローブは上記オリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法により、二本鎖の自己集合体を形成する。ターゲット遺伝子が存在しない場合には、切断されたプローブは連結されず、切断されたプローブでは自己集合体は形成されない。故に、自己集合体の形成の有無により、ターゲット遺伝子を検出することが可能である。
【0030】
自己集合体の形成は、ターゲット遺伝子の量に依存しており、形成された自己集合体の量を測定することにより、ターゲット遺伝子の量を測定することが可能である。
【0031】
上記自己集合体は、第一に、オリゴヌクレオチドの二本鎖に挿入して蛍光を発するインターカレーターを用いて検出することができる。
【0032】
上記自己集合体は、第二に、該自己集合体に蛍光物質を結合させ、発光により検出することが可能である。
【0033】
上記自己集合体は、第三に、紫外線に対する光学的な吸収の変化を利用して検出することができる。
【0034】
上記ライゲーション反応を、リガーゼ酵素、耐熱性のリガーゼ酵素、又は酵素を使用しないオートライゲーションを用いて行うことが好ましい。
【0035】
上記ターゲット遺伝子に一本鎖のDNA及び/またはRNAを用いることができる。
【0036】
上記ターゲット遺伝子に二本鎖のDNA及び/またはRNAを用いることが可能である。
【0037】
上記あらかじめ切断されたオリゴヌクレオチドの切断部分がSNPs(一塩基多形)の部分と相補的になるようにデザインされることができる。
【0038】
上記方法においては、反応温度を制御する機器を使用することが好適である。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、これらの実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術の技術思想から逸脱しない限り種種の変形が可能なことはいうまでもない。
【0040】
本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法は、3’側領域、中央領域、及び5’側領域の3つの領域からなり、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3’側領域及び5’側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブを含む第1番目の系から第(2n−1)番目(n≧1)の系まで順番にn個形成されたダイマー形成用プローブ含有系と、
3’側領域及び5’側領域の2つの領域からなり、各オリゴヌクレオチドの3’側領域及び5’側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2番目の系から第2n番目の系まで順番にn個形成された架橋プローブ含有系とを有し、
該架橋プローブを、該ダイマー形成用プローブより形成されるダイマーを架橋することが可能な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させるようにしたことを特徴とする。
【0041】
本発明は、複数対のダイマー形成用プローブで形成された複数のダイマーに対して、複数対の架橋プローブを等温で酵素不在の条件下で反応させることによりオリゴヌクレオチドによる自己集合体を形成させるものである。使用するプローブの本数は特に限定されない。反応緩衝液の組成、濃度は特に限定されず、核酸増幅に常用される通常の緩衝液が好適に使用できる。pHも常用の範囲で好適であり、好ましくはpH7.0〜9.0の範囲のものが使用できる。反応温度は40〜80℃、好ましくは55〜70℃である。これら条件は特に限定されない。
【0042】
本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法において、n=1、即ち、一組のダイマー形成用プローブ及び一組の架橋プローブを用いる場合について例示する。一例として、第1の系の一対のオリゴヌクレオチドは、図3(a)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの3’側領域、中央領域、及び5’側領域の3つの領域に分けられた領域のうち、中央領域だけが互いに相補的な塩基配列を持つようにデザインされているNo.1−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−1)とNo.2−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−2)から構成されていることから、B領域とB’領域だけがハイブリダイゼーションするためにダイマーを形成することができる。ただし、その他の領域については、そのオリゴヌクレオチドどうしに相補性がないため、反応はダイマーの形成だけで終了する。
【0043】
一方、第2の系においては、図3(b)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの3’側領域、及び5’側領域の2つの領域に分けられているが、いずれもの領域においても互いに相補性がないNo.1−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−1)とNo.2−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−2)から構成されているために、ハイブリダイゼーションにより結合することなく二本のオリゴヌクレオチドのままである。
【0044】
次に、図4(a)に示したように、ダイマー形成用プローブ−1とダイマー形成用プローブ−2から形成されたダイマーに対して、架橋プローブ−1と架橋プローブ−2を加えると、ダイマー形成用プローブ−1の3’側領域(C)と架橋プローブ−1の3’側領域(C’)、ダイマー形成用プローブ−1の5’側領域(A)と架橋プローブ−1の5’側領域(A’)、ダイマー形成用プローブ−2の3’側領域(F’)と架橋プローブ−2の3’側領域(F)、ダイマー形成用プローブ−2の5’側領域(D’)と架橋プローブ−2の5’側領域(D)が相補的領域であるために、一対のダイマー形成用プローブで形成されたダイマーに対して、架橋プローブが次々に架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、図4(b)に示したように、オリゴヌクレオチドが自己集合してオリゴヌクレオチドによる自己集合体を形成するPALSAR法が行われる。
【0045】
本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法におけるn=1の場合の別の例として、図5(a)に示した一対の架橋プローブにおける3’側領域、及び5’側領域の2つの領域は、図5(b)に示したように、領域の入れ替えが可能である。
【0046】
第1の系の一対のオリゴヌクレオチドは、図6(a)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの3’側領域、中央領域、及び5’側領域の3つの領域に分けられた領域のうち、中央領域だけが互いに相補的な塩基配列を持つようにデザインされているNo.1−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−1)とNo.2−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−2)から構成されていることから、B領域とB’領域だけがハイブリダイゼーションするためにダイマーを形成することができる。ただし、その他の領域については、そのオリゴヌクレオチドどうしに相補性がないため、反応はダイマーの形成だけで終了する。
【0047】
一方、第2の系においては、図6(b)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの3’側領域、及び5’側領域の2つの領域に分けられているが、いずれもの領域においても互いに相補性がないNo.1−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−3)とNo.2−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−4)から構成されているために、ハイブリダイゼーションにより結合することなく二本のオリゴヌクレオチドのままである。
【0048】
次に、図7(a)に示したように、ダイマー形成用プローブ−1とダイマー形成用プローブ−2から形成されたダイマーに対して、架橋プローブ−3と架橋プローブ−4を加えると、ダイマー形成用プローブ−1の3’側領域(C)と架橋プローブ−3の3’側領域(C’)、ダイマー形成用プローブ−1の5’側領域(A)と架橋プローブ−4の5’側領域(A’)、ダイマー形成用プローブ−2の3’側領域(F’)と架橋プローブ−4の3側領域(F)、ダイマー形成用プローブ−2の5’側領域(D’)と架橋プローブ−3の5’側領域(D)が相補的領域であるために、一対のダイマー形成用プローブで形成されたダイマーに対して、架橋プローブが次々に架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、図7(b)に示したように、オリゴヌクレオチドが自己集合してオリゴヌクレオチドによる自己集合体を形成するPALSAR法が行われる。
【0049】
本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法において、n≧2、即ち、二組以上のダイマー形成用プローブ及び二組以上の架橋プローブを用いる場合について例示する。一例として、No.1及びNo.2の各一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3’側領域、中央領域及び5’側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3’側領域及び5’側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブをそれぞれ含む第1番目の系から第(2n−1)番目(nは2以上の整数)の系まで順番に複数個形成されたダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の各一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3’側領域及び5’側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3’側領域及び5’側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2番目の系から第2n番目の系まで順番に複数個形成された架橋プローブ含有系とを有し、
第(2n−3)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第(2n−3)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第(2n−1)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第(2n−1)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域と架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第1番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第1番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
をそれぞれ相補的な塩基配列とし、
第1番目の系から第(2n−1)番目の系までにおける複数対のダイマー形成用プローブから形成される複数のダイマーに対して、第2番目の系から第2n番目の系までにおける複数対の架橋プローブが架橋するようにハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることが可能である。
【0050】
図8及び図9は、本発明の自己集合体の作製方法のn=2の場合の一例を示す模式図である。二組のダイマー形成用プローブと二組の架橋プローブを用いた場合は、一組のダイマー形成用プローブは、図8(a)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの3’側領域、中央領域、及び5’側領域の3つの領域に分けられた領域のうち、中央領域だけが互いに相補的な塩基配列を持つようにデザインされている第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−3)とNo.2−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−4)から構成されていることから、B領域とB’領域だけがハイブリダイゼーションするためにダイマーを形成することができる。ただし、その他の領域については、そのオリゴヌクレオチドどうしに相補性がないため、反応はダイマーの形成だけで終了する。
【0051】
もう一組のダイマー形成用プローブは、図8(c)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの3’側領域、中央領域、及び5’側領域の3つの領域に分けられた領域のうち、中央領域だけが互いに相補的な塩基配列を持つようにデザインされている第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−5)とNo.2−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−6)から構成されていることから、G領域とG’領域だけがハイブリダイゼーションするためにダイマーを形成することができる。ただし、その他の領域については、そのオリゴヌクレオチドどうしに相補性がないため、反応はダイマーの形成だけで終了する。
【0052】
一方、二組の架橋プローブは、図8(b)、図8(d)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの3’側領域、及び5’側領域の2つの領域に分けられているが、いずれもの領域においても互いに相補性がない第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−5)とNo.2−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−6)、および第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−7)とNo.2−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−8)から構成されているために、ハイブリダイゼーションにより結合することなく二本のオリゴヌクレオチドのままである。
【0053】
次に、図9(a)に示したように、ダイマー形成用プローブ−3とダイマー形成用プローブ−4から形成されたダイマーと、ダイマー形成用プローブ−5とダイマー形成用プローブ−6から形成されたダイマーに対して、架橋プローブ−5、架橋プローブ−6、架橋プローブ−7、架橋プローブ−8を加えると、
ダイマー形成用プローブ−3の3’側領域(C)と架橋プローブ−5の3’側領域(C’)、ダイマー形成用プローブ−3の5’側領域(A)と架橋プローブ−7の5’側領域(A’)、ダイマー形成用プローブ−4の3’側領域(L’)と架橋プローブ−8の3’側領域(L)、ダイマー形成用プローブ−4の5’側領域(D’)と架橋プローブ−6の5’側領域(D)、ダイマー形成用プローブ−5の5’側領域(F)と架橋プローブ−5の5’側領域(F’)、ダイマー形成用プローブ−5の3’側領域(H)と架橋プローブ−7の3’側領域(H’)、ダイマー形成用プローブ−6の5’側領域(J’)と架橋プローブ−8の5’側領域(J)、ダイマー形成用プローブ−6の3’側領域(E’)と架橋プローブ−6の3’側領域(E)、
が相補的領域であるために、一対のダイマー形成用プローブで形成された二組のダイマーに対して、二組の架橋プローブが次々に架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、図9(b)に示したように、オリゴヌクレオチドが自己集合してオリゴヌクレオチドによる自己集合体を形成するPALSAR法が行われる。
【0054】
図10は、本発明の自己集合体の作製方法におけるn=4の場合の一例を示す模式図である。図10(a)に示したように、第1の系、第3の系、第5の系、第7の系という4個の系を形成するダイマー形成用プローブ含有系と、第2の系、第4の系、第6の系、第8の系という4個の系を形成する架橋プローブ含有系を有し、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(C)と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(C’)、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(D’)と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(D)、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(E)と第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(E’)、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(F’)と第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(F)、
第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(H)と第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(H’)、
第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(J’)と第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(J)、
第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(K)と第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(K’)、
第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(L’)と第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(L)、
第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(N)と第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(N’)、
第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(P’)と第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(P)、
第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(Q)と第7の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(Q’)、
第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(R’)と第7の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(R)、
第7の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(T)と第8の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(T’)、
第7の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(U’)と第8の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(U)、
第8の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(X)と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(X’)、
第8の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(A’)と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(A)、
がそれぞれ相補的な塩基配列であるため、一対のダイマー形成用プローブで形成された二組のダイマーに対して、架橋プローブが次々に架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、図10(b)に示したように、オリゴヌクレオチドが自己集合してオリゴヌクレオチドによる自己集合体が形成される。
【0055】
図10(b)に示したように、ダイマー形成用プローブの第1の系と第3の系を架橋プローブの第2の系が、ダイマー形成用プローブの第3の系と第5の系を架橋プローブの第4の系が、ダイマー形成用プローブの第5の系と第7の系を架橋プローブの第6の系が、ダイマー形成用プローブの第7の系と第1の系を架橋プローブの第8の系が、それぞれ架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、自己集合体が形成され、重合の系の並びは、〈・・・7,8,1,2,3,4,5,6,7,8,1,2,・・・7,8,1,・・・〉の繰り返しとなり、n=kの場合では、〈・・・2k−1,2k,1,2,・・・2k−1,2k,1,・・・〉の並びを繰り返しながら自己集合体を形成する。
【0056】
本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法におけるn≧2の場合の別の例として、No.1及びNo.2の各一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3’側領域、中央領域及び5’側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3’側領域及び5’側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブをそれぞれ含む第1番目の系から第(2n−1)番目(nは2以上の整数)の系まで順番に複数個形成されたダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の各一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3’側領域及び5’側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3’側領域及び5’側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2番目の系から第2n番目の系までの順番に複数個形成された架橋プローブ含有系とを有し、
第(2n−3)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第(2n−3)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第(2n−1)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第(2n−1)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域と架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域と第1番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域、
架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域と第1番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域、
をそれぞれ相補的な塩基配列とし、
第1番目の系から第(2n−1)番目の系までにおける複数対のダイマー形成用プローブから形成されるダイマーに対して、第2番目の系から第2n番目の系までにおける複数対の架橋プローブが架橋するようにハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な自己集合体を形成させることが可能である。
【0057】
図11は、本発明の自己集合体の作製方法のn=2の場合の別の例を示す模式図である。二組のダイマー形成用プローブと二組の架橋プローブを用いた場合は、一組のダイマー形成用プローブは、図11(a)に示したように、上記したn=2の場合の一例と同様、一対のオリゴヌクレオチドの3’側領域、中央領域、及び5’側領域の3つの領域に分けられた領域のうち、中央領域だけが互いに相補的な塩基配列を持つようにデザインされている第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−3)とNo.2−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−4)から構成されていることから、B領域とB’領域だけがハイブリダイゼーションするためにダイマーを形成することができる。ただし、その他の領域については、そのオリゴヌクレオチドどうしに相補性がないため、反応はダイマーの形成だけで終了する。
【0058】
もう一組のダイマー形成用プローブは、図11(a)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの3’側領域、中央領域、及び5’側領域の3つの領域に分けられた領域のうち、中央領域だけが互いに相補的な塩基配列を持つようにデザインされている第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−5)とNo.2−オリゴヌクレオチド(ダイマー形成用プローブ−6)から構成されていることから、G領域とG’領域だけがハイブリダイゼーションするためにダイマーを形成することができる。ただし、その他の領域については、そのオリゴヌクレオチドどうしに相補性がないため、反応はダイマーの形成だけで終了する。
【0059】
一方、二組の架橋プローブは、図11(a)に示したように、一対のオリゴヌクレオチドの3’側領域、及び5’側領域の2つの領域に分けられているが、いずれもの領域においても互いに相補性がない第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−5)とNo.2−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−6)、および第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−9)とNo.2−オリゴヌクレオチド(架橋プローブ−10)から構成されているために、ハイブリダイゼーションにより結合することなく二本のオリゴヌクレオチドのままである。
【0060】
次に、図11(a)に示したように、ダイマー形成用プローブ−3とダイマー形成用プローブ−4から形成されたダイマーと、ダイマー形成用プローブ−5とダイマー形成用プローブ−6から形成されたダイマーに対して、架橋プローブ−5、架橋プローブ−6、架橋プローブ−9、架橋プローブ−10を加えると、
ダイマー形成用プローブ−3の3’側領域(C)と架橋プローブ−5の3’側領域(C’)、ダイマー形成用プローブ−3の5’側領域(A)と架橋プローブ−10の5’側領域(A’)、ダイマー形成用プローブ−4の3’側領域(L’)と架橋プローブ−10の3’側領域(L)、ダイマー形成用プローブ−4の5’側領域(D’)と架橋プローブ−6の5’側領域(D)、ダイマー形成用プローブ−5の5’側領域(F)と架橋プローブ−5の5’側領域(F’)、ダイマー形成用プローブ−5の3’側領域(H)と架橋プローブ−9の3’側領域(H’)、ダイマー形成用プローブ−6の5’側領域(J’)と架橋プローブ−9の5’側領域(J)、ダイマー形成用プローブ−6の3’側領域(E’)と架橋プローブ−6の3’側領域(E)、
が相補的領域であるために、一対のダイマー形成用プローブで形成された二組のダイマーに対して、二組の架橋プローブが次々に架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、図11(b)に示したように、オリゴヌクレオチドが自己集合してオリゴヌクレオチドによる自己集合体が形成されるPALSAR法が行われる。
【0061】
図12は、本発明の自己集合体の作製方法のn=4の場合の別の例を示す模式図である。図12(a)に示したように、第1の系、第3の系、第5の系、第7の系という4個の系を形成するダイマー形成用プローブ含有系と、第2の系、第4の系、第6の系、第8の系という4個の系を形成する架橋プローブ含有系を有し、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(C)と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(C’)、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(D’)と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(D)、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(E)と第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(E’)、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(F’)と第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(F)、
第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(H)と第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(H’)、
第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(J’)と第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(J)、
第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(K)と第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(K’)、
第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(L’)と第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(L)、
第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(N)と第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(N’)、
第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(P’)と第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(P)、
第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(Q)と第7の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(Q’)、
第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(R’)と第7の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(R)、
第7の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(T)と第8の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3’側領域(T’)、
第7の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(U’)と第8の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(U)、
第8の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(X)と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3’側領域(X’)、
第8の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5’側領域(A’)と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5’側領域(A)、
がそれぞれ相補的な塩基配列であるため、一対のダイマー形成用プローブで形成された二組のダイマーに対して、架橋プローブが次々に架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、図12(b)に示したように、オリゴヌクレオチドが自己集合してオリゴヌクレオチドによる自己集合体が形成されるPALSAR法が行われる。
【0062】
図12(b)に示したように、ダイマー形成用プローブの第1の系と第3の系を架橋プローブの第2の系が、ダイマー形成用プローブの第3の系と第5の系を架橋プローブの第4の系が、ダイマー形成用プローブの第5の系と第7の系を架橋プローブの第6の系が、ダイマー形成用プローブの第1の系同士を架橋プローブの第8の系のNo.2−オリゴヌクレオチドが、ダイマー形成用プローブの第7の系同士を架橋プローブの第8の系のNo.1−オリゴヌクレオチドが、それぞれ架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、自己集合体が形成され、重合の系の並びは、〈・・・7,8のNo.1(81),7,6,5,4,3,2,1,8のNo.1(82),1,2,3,4,5,6,7,81,7・・・〉の繰り返しとなり、n=kの場合では、〈・・・2k−1,2k1,2k−1,2k−2・・・3,2,1,2k2,1,2,3・・・2k−2,2k−1,2k1,2k−1,2k−2・・・〉の並びを繰り返しながら自己集合体を形成する。
【0063】
本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法においては、図13に示すように、架橋プローブにおける2領域の中央にフリーサイト領域を有する架橋プローブを用いて、上記オリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法に従い、オリゴヌクレオチドによる自己集合体を形成させることができる。例えば、n=1の場合、一組のダイマー形成用プローブは、図13(a)に示したように、上記n=1の第1の系で用いたダイマー形成用プローブと同じダイマー形成用プローブ1とダイマー形成用プローブ2から構成されている。
【0064】
一方、架橋プローブは、図13(b)に示したように、上記n=1の一例の第2の系で用いた架橋プローブの領域の中央にフリーサイト領域を有する架橋プローブ−11と架橋プローブ−12から構成されている。
【0065】
次に、図14(a)に示したように、ダイマー形成用プローブ−1とダイマー形成用プローブ−2から形成されたダイマーに対して、架橋プローブ−11と架橋プローブ−12を加えると、ダイマー形成用プローブ−1の3’側領域(C)と架橋プローブ−11の3’側領域(C’)、ダイマー形成用プローブ−1の5’側領域(A)と架橋プローブ−11の5’側領域(A’)、ダイマー形成用プローブ−2の3’側領域(F’)と架橋プローブ−12の3’側領域(F)、ダイマー形成用プローブ−2の5’側領域(D’)と架橋プローブ−12の5’側領域(D)が相補的領域であるために、一対のダイマー形成用プローブで形成されたダイマーに対して、架橋プローブが次々に架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、図14(b)に示したように、オリゴヌクレオチドが自己集合して自己集合体を形成するPALSAR法が行われる。
【0066】
本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法において、非相補的な塩基配列とは、お互いにハイブリダイズしない塩基配列であれば、いかなるものでもよく、同一な塩基配列も非相補的な塩基配列に含まれるものである。例えば、図15に示すように、一対のダイマー形成用プローブの3’側領域及び/又は5’側領域を互いに同一な塩基配列としたダイマー形成用プローブを用いて、上記自己集合体の作製方法に従い、オリゴヌクレオチドによる自己集合体を形成させることができる。n=1の場合、図15(a)及び(b)に示したように、中央領域をお互いに相補的な配列とし、3’側領域及び5’側領域をそれぞれ互いに同一な塩基配列(C領域=F’領域、A領域=D’領域)とした、ダイマー形成用プローブ−1及びダイマー形成用プローブ−11を一対のダイマー形成用プローブとして用いることができる。この場合、一対の架橋プローブは、図16(b)に示した如く、同一なオリゴヌクレオチドとなる。図17に示す如く、上記一対のダイマー形成用プローブで形成されたダイマーに対して、上記架橋プローブが次々に架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、図17(b)に示したように、オリゴヌクレオチドが自己集合して自己集合体を形成するPALSAR法が行われる。
【0067】
本発明に係る自己集合体の作製方法において、ダイマー形成用プローブからダイマーを形成させる時期は、ダイマー形成前のダイマー形成用プローブと架橋プローブを同時に反応させても良く、あらかじめダイマー形成用プローブによりダイマーを形成させた後に架橋プローブと反応させても良く、特に限定されないが、あらかじめダイマーを形成させた後、架橋プローブと反応させ、自己集合体を形成させる方がより好適である。
【0068】
上記ダイマー形成用プローブの構成は、各系のダイマー形成用プローブが1種類のものでもよく、1つの系に中央領域の異なる数種類のダイマー形成用プローブを含んでいてもよく、特に限定されない。更にはお互いに完全に相補性のないダイマー形成用プローブ及び架橋プローブのセットを、2組以上同時におこなってもよい。
【0069】
上記自己集合体の作製方法で用いられるプローブを構成する核酸は、通常DNA又はRNAで構成されるが、核酸類似体でも構わない。核酸類似体として、例えば、ペプチド核酸(PNA、WO 92/20702)やLocked Nucleic Acid(LNA、Koshkin AA et al. Tetrahedron 1998.54,3607-3630., Koshkin AA et al. J. Am. Chem. Soc. 1998.120,13252-13253., Wahlestedt C et al. PNAS. 2000.97,5633-5638.)が挙げられる。また、一対のプローブは、通常、同じ種類の核酸で構成されるが、たとえばDNAプローブとRNAプローブが一対になっても差し支えない。即ち、プローブの核酸の種類はDNA、RNAまたは核酸類似体(たとえばPNAやLNA等)から選択することができる。又、一つのプローブ内での核酸組成は一種類、たとえばDNAのみから構成される必要はなく、必要に応じて、たとえば、DNAとRNAから構成されるプローブ(キメラプローブ)を使用することも可能であり、本発明に含まれる。
【0070】
上記プローブの各相補的塩基配列領域の長さは、塩基数にして、少なくとも5塩基であり、好ましくは10〜100塩基、さらに好ましくは15〜30塩基である。
【0071】
上記プローブは公知の方法により合成することができる。たとえばDNAプローブの場合、アプライドバイオシステムズ社(Applied Biosystem Inc.)のDNAシンセサイザー394型を用いて、ホスホアミダイド法により合成することができる。また、別法としてリン酸トリエステル法、H−ホスホネート法、チオホスホネート法等があるが、いかなる方法で合成されたものであってもよい。
【0072】
本発明の自己集合体の作製方法において、使用するプローブの相補的塩基配列領域の端部に、少なくとも1つのG(グアニン)またはC(シトシン)を配置させ、プローブがハイブリダイズした際に少なくとも1つのC−G結合を相補的塩基配列領域の端部に形成させることにより、塩基の積み重ね(stacking of base)により塩基のπ電子の特殊な相互作用を生じさせ、より安定した二本鎖の自己集合体を形成させることができる。
【0073】
図18の矢印に示したように、互い違いに交差してハイブリダイゼーションする時の各領域の末端部分の塩基配列をG(グアニン)とC(シトシン)にすることにより、図19(a)に示したように、塩基の積み重ね(stacking of base)によりπ電子の特殊な相互作用を生じさせ、図19(b)に示したように安定した2本鎖の自己集合体が形成される。
【0074】
上記PALSAR法の原理に従い形成される自己集合体は、DNA又はオリゴヌクレオチドの260nmにおける紫外部の吸収度の強度が減ずる「ハイポクロミズム」という淡色効果を発現する特徴を有する、塩基の積み重ねが規則的な高次構造をとるものである。従って、淡色効果を発現させて自己集合体の状態を確認し、さらには、自己集合体の塩基の積み重ねの間に蛍光物質を挿入させて、その蛍光強度の変化から自己集合体の状態を確認することが可能である。
【0075】
PALSAR法で使用する一対のダイマー形成用プローブと架橋プローブの互い違いに交差してハイブリダイゼーションする時の領域はおよそ20塩基(20 bases)であるが、図19(b)の円形で示した各領域の末端部分の結合を強固にすることによって、積み重ね効果(stacking effect)が増し、結果的にその末端部分にはさまれている20塩基の領域のハイブリダイゼーションが安定すると考えられる。
【0076】
上記の相補領域末端部分に配置されるCまたはGの数は少なくとも1塩基であり、複数個であっても差し支えない。各相補領域の塩基配列を考慮して適宜選択することができる。複数個のCまたはGを配置させる場合、C、Gの順序は特に限定されず自由に組み合わせることができる。また、下記に記載されるターゲット遺伝子の検出法において、ターゲット遺伝子の一部と相補的な塩基配列をプローブの一領域として採用する場合も、相補領域の端部にCまたはGを配置するように選択することが可能である。
【0077】
本発明のオリゴヌクレオチド自己集合体の作製方法を利用して、試料中のターゲット遺伝子の検出が可能である。
【0078】
本発明の遺伝子の検出方法におけるターゲット遺伝子(DNAまたはRNA)測定用試料は、該核酸を含む可能性のあるあらゆる試料が適用できる。ターゲット遺伝子は試料より適宜調製または単離したものでもよく、特に限定されない。たとえば、血液、血清、尿、糞便、脳脊髄液、組織液、細胞培養物等の生体由来試料、ウイルス、細菌、カビ等の含有または感染した可能性のある試料等が挙げられる。また、試料中のターゲット遺伝子を公知の方法で増幅したDNAまたはRNA等の核酸も使用できる。
【0079】
以下に本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法を用いた、遺伝子の検出方法を具体的に示す。下記ライゲーション反応は、Ligase(リガーゼ)酵素を使用する方法と酵素を使わず特殊なオリゴヌクレオチドを使用する方法のいずれにも限定されない方法である。
【0080】
以下に本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法において、n=1の場合の一例として述べたプローブを用いた場合のターゲット遺伝子の検出方法の一例について述べる。図20〜図23は、一対のダイマー形成用プローブ及び一対の架橋プローブを用いたライゲーション反応による2本鎖のターゲット遺伝子の検出の一例を示す模式図である。
【0081】
本発明のターゲット遺伝子の検出の一例として、PALSAR法で使用するオリゴヌクレオチドは、第1の系においては、図20(a)に示したように、n=1の場合の第1の系で用いたダイマー形成用プローブと同じダイマー形成用プローブ−1とダイマー形成用プローブ−2から構成されているが、中央のB領域、B’領域は相補的な塩基配列であると同時にターゲット遺伝子とも相補的な塩基配列である。そして、このB領域の中央部分を切断してできた5’側の部分がダイマー形成用プローブ−7、3’側の部分がダイマー形成用プローブ−8である。同様にして、B’領域の中央部分を切断してできた3’側の部分がダイマー形成用プローブ−9、5’側の部分がダイマー形成用プローブ−10である。
【0082】
一方、架橋プローブは、図20(b)に示したように、n=1の場合の一例における第2の系と同じ架橋プローブ−1と架橋プローブ−2から構成されているために、ハイブリダイゼーションにより結合することなく二本のオリゴヌクレオチドのままである。
【0083】
次に、図21(a)に示したターゲット遺伝子のB領域、B’領域に対して、図21(b)に示したダイマー形成用プローブ−7、ダイマー形成用プローブ−8、ダイマー形成用プローブ−9、ダイマー形成用プローブ−10がハイブリダイズする。
【0084】
図21(c)に示したように、ダイマー形成用プローブ−7とダイマー形成用プローブ−8,ダイマー形成用プローブ−9とダイマー形成用プローブ−10は、それぞれが隣接してハイブリダイズするために、図21(d)に示したように、ライゲーション反応によって隣接した部分が連結され、完全な形のダイマー形成用プローブ−1とダイマー形成用プローブ−2が完成する。
【0085】
解離後、図22(e)に示した完成したダイマー形成用プローブ−1とダイマー形成用プローブ−2は、図22(f)に示したように、連結していない未反応なダイマー形成用プローブ−7とダイマー形成用プローブ−8、ダイマー形成用プローブ−9とダイマー形成用プローブ−10の新しいターゲット遺伝子となるため、図22(g)のようにハイブリダイズして、図22(h)に示したように、ライゲーション反応によって隣接した部分が連結され、温度コントロールにより解離とハイブリダイゼーションとライゲーション反応を繰り返すことにより、完全な形のダイマー形成用プローブ−1とダイマー形成用プローブ−2が次々に完成する。
【0086】
このライゲーション反応でできたダイマー形成用プローブ−1とダイマー形成用プローブ−2から形成されたダイマーに対して、図23(i)に示した架橋プローブ−1と架橋プローブ−2を加えると、ダイマー形成用プローブ−1の3’側領域(C)と架橋プローブ−1の3’側領域(C’)、ダイマー形成用プローブ−1の5’側領域(A)と架橋プローブ−1の5’側領域(A’)、ダイマー形成用プローブ−2の3’側領域(F’)と架橋プローブ−2の3’側領域(F)、ダイマー形成用プローブ−2の5’側領域(D’)と架橋プローブ−2の5’側領域(D)が相補的領域であるために、一対のダイマー形成用プローブで形成されたダイマーに対して、架橋プローブが次々に架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、図23(j)に示したように、オリゴヌクレオチドが自己集合して自己集合体を形成するPALSAR法が行われる。
【0087】
ターゲット遺伝子が存在しない場合には、切断されたダイマー形成用プローブは連結されず、切断されたダイマー形成用プローブでは自己集合体は形成されない。故に、自己集合体の形成により、ターゲット遺伝子を検出することが可能である。なお、一対のダイマー形成用プローブの一方のみを相補領域で切断したものを使用し、ライゲーション反応後に切断されていないもう一方のダイマー形成用プローブを加えることも可能である。また、ターゲット遺伝子に相補的な領域を2箇所以上作製し、その箇所をそれぞれ切断したプローブを用いることも可能である。
【0088】
次に、n=1の場合のプローブを用いた本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法を利用したターゲット遺伝子の検出方法の別の例について述べる。図24及び図25は、それぞれ切断される中央領域が異なる2組の一対のダイマー形成用プローブ及び一対の架橋プローブを用いて、切断されたダイマー形成用プローブのライゲーション反応による2本鎖のターゲット遺伝子の検出の一例を示す模式図である。
【0089】
図24(a)〜(c)に示すように、ターゲット遺伝子とそれぞれ相補的な領域(α及びα’領域、β及びβ’領域)を有し、その箇所を切断されたダイマー形成用プローブは、ターゲット遺伝子が存在する場合、ターゲット遺伝子とハイブリダイゼーションした後(図24(d)(e))、ライゲーション反応によって連結され、その後、熱により二本鎖を解離させる。次に、未だ切断されたままのダイマー形成用プローブは、ターゲット遺伝子又は連結されたダイマー形成用プローブとハイブリダイゼーションした後、ライゲーション反応によって連結され、熱により二本鎖が解離される。95℃〜25℃の範囲の温度コントロールにより、上記ハイブリダイゼーション反応→ライゲーション反応→解離反応を繰り返し、プローブを連結させて完全なダイマー形成用プローブを形成させる。
【0090】
連結したダイマー形成用プローブから形成されたダイマー[図25(f)(g)]に対して、図25(h)に示した架橋プローブ−1と架橋プローブ−2を加えると、一対のダイマー形成用プローブで形成されたダイマーに対して、架橋プローブが次々に架橋するようにハイブリダイゼーションすることにより、図25(i)に示したように、プローブが自己集合して二本鎖の自己集合体を形成するPALSAR法が行われる。
【0091】
ターゲット遺伝子が存在しない場合には、切断されたダイマー形成用プローブは連結されず、切断されたダイマー形成用プローブでは自己集合体は形成されない。故に、自己集合体の形成により、ターゲット遺伝子を検出することが可能である。なお、一対のプローブの一方のみを相補領域で切断したものを使用し、ライゲーション反応後に切断されていないもう一方のプローブを加えることも可能である。また、ターゲット遺伝子に相補的な領域を2箇所以上作製し、その箇所をそれぞれ切断したプローブを用いることも可能である。
【0092】
上記方法では、ダイマー形成用プローブの中央領域をターゲット遺伝子と相補的となるように構成したが、5’側領域や3’側領域をターゲット遺伝子と相補的な領域とし、その領域をあらかじめ切断しておき、ターゲット遺伝子を検出することも可能である。また、ダイマー形成用プローブの代わりに、架橋プローブを、ターゲット遺伝子と相補的な領域を有するように構成し、あらかじめ架橋プローブのターゲット遺伝子と相補的な領域を有する部分を切断し、ライゲーション反応によりターゲット遺伝子を検出することもできる。
【0093】
上記の方法を応用することにより、1本鎖のターゲット遺伝子や、SNPsの検出が可能である。1本鎖のターゲット遺伝子の検出の場合は、ターゲット遺伝子と相補的な領域を一箇所以上切断したプローブを用いること等により検出可能である。SNPsの検出の場合は、SNPsを含む領域が相補的な領域となるようなプローブを作製し、その箇所を切断したプローブを用いること等により、検出可能である。
【0094】
ターゲット遺伝子を検出する別の具体的手法としては、たとえば、まず最初に検体試料と少なくとも1種類の捕捉用プローブを反応させ、ターゲット遺伝子と捕捉用プローブを結合させる。この際、少なくとも一種類のビオチン化捕捉用プローブを使用する。次いで、自己集合体を形成する一対のプローブの一方を添加し反応させた後、もう一方のプローブを反応させてターゲット遺伝子・自己集合体複合体を形成させる。次いで、アビジン化磁性体粒子(磁性体ビーズ)を反応させ該複合体と結合させ、ビーズの性質を利用して該複合体を未反応物質から分離する。最後に、エチジウムブロマイドやSYBRTMGreenIのようなインターカレーター色素を反応させ、紫外線照射により自己集合体の量を定量することにより、検体試料中のターゲット遺伝子量を測定する。形成させた自己集合体の分離を容易にするために、磁気ビーズを使用することもできる。
【0095】
別の手法としては、たとえば、ターゲット遺伝子の一部と相補的塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドを固相化したウェルを使用することができる。まず検体試料をウェルに添加し試料中のターゲット遺伝子と、固相化したターゲット遺伝子の一部と相補的塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドを結合させる。次いで、上記の方法に準じて、自己集合体を形成するプローブを順次添加することにより、自己集合体が形成され結合することになる。未反応物質との分離は、ウェルを洗浄することにより容易にでき、自己集合体量を測定することによりターゲット遺伝子を測定できる。
【0096】
この手法に準じれば、DNAチップへの応用も可能である。
【0097】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものでないことは勿論である。
【0098】
以下に、実施例1〜実施例13で使用したダイマー形成用プローブと架橋プローブの塩基配列を記す。
[1]ダイマー形成用プローブ−(A−1):
5’-GTG CTG ACT TAA CCG GAT AC ・G AAC AGG ATC CTA GAC CTA G ・CA TAG TAC AGT CCG ATG GTG-3’
[2]ダイマー形成用プローブ−(A−2):
5’-CCT CAA GAC GCA TGT CTT TC ・C TAG GTC TAG GAT CCT GTT C ・CT AGA ACG GAC TGT ACT TCG-3’
[3]架橋プローブ−(A−XB):
5’-GTA TCC GGT TAA GTC AGC AC ・C ACC ATC GGA CTG TAC TAT G-3’
[4]架橋プローブ−(A−AZ):
5’-GAA AGA CAT GCG TCT TGA GG ・C GAA GTA CAG TCC GTT CTA G-3’
[5]架橋プローブ−(A−AZ−tt):
5’-GAA AGA CAT GCG TCT TGA GG ・T CGA CT ・ C GAA GTA CAG TCC GTT CTA G-3’
[6]架橋プローブ−(A−XB−tt):
5’-GTA TCC GGT TAA GTC AGC AC ・T CAG CT ・ C ACC ATC GGA CTG TAC TAT G-3’
【0099】
以下に、実施例14で使用したターゲット遺伝子とダイマー形成用プローブと架橋プローブの塩基配列を記す。
[7]ターゲット遺伝子:
5’-GGA TCC TAG ACC TAG ・ TG TTT GAG GGT GGA TAG CAG TAC CTG AGC CAT ・ CTA GGT CTA GGA TCC-3’
[8]ダイマー形成用プローブ−(A−34):
5’-G CTG ACT TAA CCG GAT AC ・ ATG GCT CAG GTA CTG C-3’
[9]ダイマー形成用プローブ−(B−34):
(P) 5’-TAT CCA CCC TCA AAC A ・G ATT GGT ACT GCG AGA TA-3’
【0100】
以下に、実施例15及び16で使用したダイマー形成用プローブと架橋プローブの塩基配列を記す。
[10]ダイマー形成用プローブ−(A−3):
5’-GTG CTG ACT TAA CCG GAT AC ・G ATT ATG GCT CAG GTA CTG C-3’
(下線部分は、MRSAのmecAと相補的な塩基配列)
[11]ダイマー形成用プローブ−(A−3P):
(P)5’-TAT CCA CCC TCA AAC AGG TG・GATTGGT ACT GCG AGA TAG G-3’
(下線部分は、MRSAのmecAと相補的な塩基配列)
[12]ダイマー形成用プローブ−(A−4):
5’-GAC GCT TTC TGC GTG TAT AG ・C ACC TGT TTG AGG GTG GAT A-3’
(下線部分は、MRSAのmecAと相補的な塩基配列)
[13]ダイマー形成用プローブ−(A−4P):
(P)5’-G CAG TAC CTG AGC CAT AAT C ・CT AGA ACG GAT CGT ACT TCG-3’
(下線部分は、MRSAのmecAと相補的な塩基配列)
[14]架橋プローブ−(A−5):
5’-GTA TCC GGT TAA GTC AGC AC ・C CTA TCT CGC AGT ACC AAT C-3’
[15]架橋プローブ−(A−6):
5’-CTA TAC ACG CAG AAA GCG TC ・C GAA GTA CGA TCC GTT CTA G-3’
【0101】
(実施例1及び比較例1)
1.目的
一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブを用いたPALSAR法による自己集合体の形成。
【0102】
2.方法
20×SSCを10μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−2)を1μL、H2Oを8μL(計20μL)の反応溶液を、94℃で30秒加熱後に48℃で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させてダイマー溶液を作製した。
【0103】
図26に示したように、このダイマー溶液に50pmolの架橋プローブ−(A−XB)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−AZ)を1μL加え、64℃で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて、0.5%のアガロースゲル電気泳動で確認した。対照として、上記ダイマー溶液に50pmolの架橋プローブ−(A−XB)のみを1μL加えた場合を同様に行った(比較例1)。
【0104】
3.結果
図27のアガロースゲル電気泳動の写真(矢印の部分)に示したように、ダイマー形成用プローブで形成されたダイマーに対して、架橋プローブ−(A−XB)と架橋プローブ−(A−AZ)の両方を加えたものにおいてのみ、PALSAR法による自己集合体の形成が確認できた(実施例1)。ダイマー形成用プローブで形成されたダイマーの5’側と3’側(ダイマー形成用プローブ−(A−1))とだけに相補的な領域を持つ架橋プローブ−(A−XB)だけでは、オリゴヌクレオチドの自己集合反応であるPALSAR法による自己集合体は形成されなかった(比較例1)。
【0105】
(比較例2〜4)
1.目的
1本のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブを用いたPALSAR法による自己集合体の形成。
【0106】
2.方法
比較例2において、図28に示したように、20×SSCを10μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−XB)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−AZ)を1μL加え、H2Oを7μL(計20μL)の反応溶液を、94℃で30秒加熱後に64℃で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて、0.5%のアガロースゲル電気泳動で確認した。
【0107】
比較例3において、架橋プローブ−(A−XB)を添加しない以外は比較例2と同様の手順及び条件にて反応させた。比較例4において、架橋プローブ−(A−AZ)を添加しない以外は比較例2と同様の手順及び条件にて反応させた。
【0108】
3.結果
図29のアガロースゲル電気泳動の写真に示したように、比較例2〜4のいずれにおいても、自己集合体は検出されず、一本のダイマー形成用プローブに対して、一対の架橋プローブを加えても自己集合反応であるPALSAR法によるオリゴヌクレオチドによる自己集合体は形成されなかった。
【0109】
(実施例2〜5及び比較例5)
1.目的
一対のダイマー形成用プローブと濃度を変えた一対の架橋プローブを用いたPALSAR法による自己集合体の形成。
【0110】
2.方法
20×SSCを10μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−2)を1μL、H2Oを8μL(計20μL)の反応溶液を、94℃で30秒加熱後に48℃で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させてダイマー溶液を作製した。
【0111】
図30に示したように、このダイマー溶液に50pmol(実施例2)、25pmol(実施例3)、5pmol(実施例4)、0.5pmol(実施例5)の架橋プローブ−(A−XB)と架橋プローブ−(A−AZ)をそれぞれ1μLずつ加え、64℃で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて、0.5%のアガロースゲル電気泳動で確認した。対照として、架橋プローブ−(A−XB)及び架橋プローブ−(A−AZ)を添加しない場合についても同様に行った(比較例5)。
【0112】
3.結果
図31のアガロースゲル電気泳動の写真(矢印の部分)に示したように、ダイマー形成用プローブで形成されたダイマーに対して、5pmol以上の架橋プローブ−(A−XB)と架橋プローブ−(A−AZ)の両方を加えたものにおいて、PALSAR法による自己集合体の形成が確認できた(実施例2〜4)。
【0113】
(実施例6)
1.目的
一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブを用いたPALSAR法の反応温度の違いによる自己集合体の形成。
【0114】
2.方法
20×SSCを10μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−2)を1μL、H2Oを8μL(計20μL)の反応溶液を、94℃で30秒加熱後に64℃で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて図32(a)に示したように、ダイマー溶液を作製した。
【0115】
次に、このダイマー溶液に図32(b)に示した50pmolの架橋プローブ−(A−XB)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−AZ)を1μL加え、各反応温度(54、56、58、60、62、64、66、68及び70℃)で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて、0.5%と2.0%のアガロースゲル電気泳動で確認した。
【0116】
3.結果
図33に示した0.5%のアガロースゲル電気泳動の写真と図34に示した2.0%のアガロースゲル電気泳動の写真結果から、ダイマー形成用プローブと架橋プローブを用いたPALSAR法による自己集合体の形成は、一対のオリゴヌクレオチドプローブを用いる方法(EP 1002877A等)に比べて、幅広い反応温度で自己集合体を形成できることが確認できた。
【0117】
(実施例7)
1.目的
一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブを用いたPALSAR法の反応時間の違いによる自己集合体の形成。
【0118】
2.方法
20×SSCを10μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolのダイマ用ープローブ−(A−2)を1μL、H2Oを8μL(計20μL)の反応溶液を、94℃で30秒加熱後に48℃で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて図35(a)に示したように、ダイマー溶液を作製した。
【0119】
次に、このダイマー溶液に図35(b)に示した50pmolの架橋プローブ−(A−XB)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−AZ)を1μL加え、64℃で各反応時間(0、10秒、30秒、1分、10分及び30分)で反応させ、反応終了後氷上で急冷させて、0.5%と2.0%のアガロースゲル電気泳動で確認した。
【0120】
3.結果
図36に示した0.5%のアガロースゲル電気泳動の写真と図37に示した2.0%のアガロースゲル電気泳動の写真結果から、ダイマー形成用プローブと架橋プローブを用いたPALSAR法による自己集合体の形成は、一対のオリゴヌクレオチドプローブを用いる方法(EP 1002877A等)に比べて、きわめて短時間に自己集合体を形成することが確認できた。
【0121】
(実施例8)
1.目的
一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブを同時に反応させた場合のPALSAR法による自己集合体の形成。
【0122】
2.方法
図38に示したように、20×SSCを10μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−2)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−XB)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−AZ)を1μL、H2Oを6μL(計20μL)の反応溶液を、94℃で30秒加熱後に各反応温度(54、56、58、60、62、64、66、68及び70℃)で30分反応させ、0.5%と2.0%のアガロースゲル電気泳動で確認した。
【0123】
3.結果
図39に示した0.5%のアガロースゲル電気泳動の写真と図40に示した2.0%のアガロースゲル電気泳動の写真結果から、予め一対のダイマー形成用プローブでダイマーを形成させた後に架橋プローブを加えた場合と異なり、64℃以下の反応温度では未完全に自己集合体を形成することができなかった。
【0124】
(実施例9及び10)
1.目的
予め一対のダイマー形成用プローブを作製した後に一対の架橋プローブを反応させた場合(実施例9)と一対のダイマー形成用プローブと架橋プローブを同時に反応させた場合(実施例10)のインターカレーター(SYBRTMGreen
I)の蛍光測定による自己集合体の検出。
【0125】
2.方法
(実施例9):予め一対のダイマー形成用プローブを作製した後に一対の架橋プローブを反応させた場合。
【0126】
Tsc Ligase(日本ロシュ)に添付の10×Incubation bufferを2μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−2)を1μL、SYBRTMGreen I(FMC BioProducts,pH8.0の50mMのトリス塩酸緩衝液で10000倍に希釈した溶液)を1μL、H2Oを15μL(計20μL)の反応溶液を、94℃で30秒加熱後に48℃で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて図41(a)に示したように、ダイマー溶液を作製した。
【0127】
次に、このダイマー溶液に図41(b)に示した50pmolの架橋プローブ−(A−XB)を1μLと50pmolの架橋プローブ−(A−AZ)を1μL、20×SSCを10μL、H2Oを8μL(計20μL)の反応溶液を各反応温度(54、56、58、60、62、64、66、68及び70℃)で30分反応させ、0.5%のアガロースゲル電気泳動で確認した[図41(c)]。更に、反応温度56℃の場合(図41(c)の写真の○印の温度)について、反応開始から30秒、5分、15分、30分後にそれぞれARVO−SX(Wallac社)で蛍光強度を測定した。
【0128】
(実施例10):一対のダイマー形成用プローブと架橋プローブを同時に反応させた場合
【0129】
図42(a)に示したように、Tsc Ligase(日本ロシュ)に添付の10×Incubation bufferを2μL、20×SSCを10μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−2)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−XB)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−AZ)を1μL、SYBRTMGreen I(FMC BioProducts,pH8.0の50mMのトリス塩酸緩衝液で10000倍に希釈した溶液)を1μL、H2Oを23μL(計40μL)の反応溶液を各反応温度(54、56、58、60、62、64、66、68及び70℃)で30分反応させ、0.5%のアガロースゲル電気泳動で確認した[図42(c)]。更に、反応温度56℃の場合(図42(c)の写真の○印の温度)について、反応開始から、30秒、5分、15分、30分秒にARVO−SX(Wallac社)で蛍光強度を測定した。
【0130】
3.結果
図43に示したように、予め一対のダイマー形成用プローブでダイマーを形成させた後に架橋プローブを加えた場合(実施例9)は、反応と同時に2本鎖の形成に挿入されたインターカレーターにより強い蛍光強度が認められ、その後は時間の経過とともに減少した。
【0131】
また、一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブを同時に反応させた場合(実施例10)は、反応時間による蛍光強度に変化は見られなかった。
【0132】
このことから、同時に一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブを反応させた場合、規則的な二本鎖の形成ではなく、凝集に似た状態で反応が進行するものと思われる。
【0133】
(実施例11)
1.目的
一対のダイマー形成用プローブと2領域の中央にフリーサイト領域が挿入された一対の架橋プローブを用いた各反応温度におけるPALSARによる自己集合体の形成。
【0134】
2.方法
20×SSCを10μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−2)を1μL、H2Oを8μL(計20μL)の反応溶液を、94℃で30秒加熱後に48℃で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて図44(a)に示したダイマー溶液を作製した。
【0135】
このダイマー溶液に対して、図44(b)に示した2領域の中央にフリーサイト領域が挿入された50pmolの架橋プローブ−(A−XB−tt)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−AZ−tt)を1μL加え、各反応温度各(52、54、56、58、60、62、64、66、68及び70℃)で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて、0.5%と2.0%のアガロースゲル電気泳動で確認した。
【0136】
3.結果
図45に示した0.5%のアガロースゲル電気泳動の写真と図46に示した2.0%のアガロースゲル電気泳動の写真結果から、2領域の中央にフリーサイト領域が挿入された架橋プローブの場合、幅広い反応温度域でPALSAR法による自己集合体の形成が確認された。
【0137】
(実施例12)
1.目的
一対のダイマー形成用プローブと2領域の中央にフリーサイト領域が挿入された一対の架橋プローブを用いた各反応時間におけるPALSARによる自己集合体の形成。
【0138】
2.方法
20×SSCを10μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−2)を1μL、H2Oを8μL(計20μL)の反応溶液を、94℃で30秒加熱後に48℃で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて図47(a)に示したダイマー溶液を作製した。
【0139】
このダイマー溶液に対して、図47(b)に示した2領域の中央にフリーサイト領域が挿入された50pmolの架橋プローブ−(A−XB−tt)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−AZ−tt)を1μL加え、64℃における各反応時間(0、10秒、30秒、1分、10分及び30分)後に氷上で急冷させて、0.5%と2.0%のアガロースゲル電気泳動で確認した。
【0140】
3.結果
図48に示した0.5%のアガロースゲル電気泳動の写真と図49に示した2.0%のアガロースゲル電気泳動の写真結果から、2領域の中央にフリーサイト領域が挿入された架橋プローブの場合、短時間でPALSAR法による自己集合体の形成か確認された。
【0141】
(実施例13)
1.目的
一対のダイマー形成用プローブと2領域の中央にフリーサイト領域が挿入された一対の架橋プローブを同時に反応させた場合のPALSAR法による自己集合体の形成。
【0142】
2.方法
図50に示したように、20×SSCを10μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−1)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−2)を1μL、2領域の中央にフリーサイト領域が挿入された50pmolの架橋プローブ−(A−XB−tt)を1μL、50pmolの架橋プローブ−(A−AZ−tt)を1μL、H2Oを6μL(計20μL)を各反応温度(52、54、56、58、60、62、64、66、68及び70℃)で30分反応させ、反応終了後氷上で急冷させて、0.5%と2.0%のアガロースゲル電気泳動で確認した。
【0143】
3.結果
図51に示した0.5%のアガロースゲル電気泳動の写真と図52に示した2.0%のアガロースゲル電気泳動の写真結果から、2領域の中央にフリーサイト領域が挿入された架橋プローブを一対のダイマー形成用プローブと同時に反応させた場合、PALSAR法による自己集合体の形成は阻害された。
【0144】
(実施例14及び比較例6)
1.目的
ターゲット遺伝子とダイマー形成用プローブによるライゲーション反応の確認。
【0145】
2.方法
図53(b)に示したダイマー形成用プローブ−(B−34)とダイマー形成用プローブ−(A−34)の16塩基の領域と相補的な32塩基の塩基配列を持つ図53(a)に示した100pmolのターゲット遺伝子を1μL、T4 Ligase用の10×Ligation bufferを2μL、T4 Ligaseを1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(B−34)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−34)を1μL、H2Oを14μL(計20μL)を38℃で90分間、60分間、30分間または15分間反応(図53(c)(d))させた後、12%のポリアクリルアミドゲル電気泳動で確認した。対照として、T4 Ligaseを添加しない場合も同様に行った(比較例6)。
【0146】
3.結果
図54に示した12%のポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果から、62塩基のターゲット遺伝子(▲1▼)、未反応な34塩基のダイマー形成用プローブ−(B−34)とダイマー形成用プローブ−(A−34)(▲2▼)、ターゲット遺伝子にダイマー形成用プローブ−(B−34)とダイマー形成用プローブ−(A−34)がハイブリダイゼーションした130塩基のバンド(▲3▼)が確認された。
【0147】
また、図55に示したライゲーション反応後に95℃で10分間の熱処理をした場合の12%のポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果から、図54のバンドに加えて、ターゲット遺伝子にハイブリダイゼーションして、ライゲーション反応により連結されたダイマー形成用プローブ−(B−34)とダイマー形成用プローブ−(A−34)の68塩基のバンド(▲4▼)が確認された。
【0148】
以上のことから、両端に余分な塩基配列を有するダイマー形成用プローブ−(B−34)とダイマー形成用プローブ−(A−34)におけるライゲーション反応が確認された。
【0149】
(実施例15及び比較例7)
1.目的
MRSA DNAとダイマー形成用プローブによるライゲーション反応(第1ステップ)、及び架橋プローブによる重合反応とインターカレーター(SYBR
Green I)による検出(第2ステップ)。
【0150】
2.方法
図56(a)に示したように、第1ステップの系としてMRSAのDNA(mecA)と相補的な塩基配列を有する50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−3)を1μLと50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−3P)を1μL、50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−4)を1μLと50pmolのダイマー形成用プローブ−(A−4P)を1μL、104個のMRSAから抽出したDNAを5μL、Tsc-Ligase用のTsc Ligase(日本ロシュ)に添付の10×Ligation bufferを3μL、Tsc-Ligase(日本ロシュ社)を1μL、SYBRTMGreen I(FMC BioProducts,pH8.0の50mMのトリス塩酸緩衝液で10000倍に希釈した溶液))を1μL、H2Oを16μL(計30μL)の反応溶液を、図56(b)に示したように、Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、95℃で30秒間加熱後、45℃で90秒間と95℃で10秒間のサーマルサイクリングを45回行い、95℃で10分間の熱処理によりTsc-Ligaseを失活させた後、45℃で30分間反応させてライゲーション溶液とする。対照には、第1ステップの反応液に用いたMRSAの代わりに、104cellls/mLのE.coliから抽出したDNAを用いた(比較例7)。
【0151】
次に、図57(a)に示したように、第2ステップの系として50pmolの架橋プローブ−(A−5)を1μLと50pmolの架橋プローブ−(A−6)を1μL、20×SSCを15μL、H2Oを13μL(計30μL)の反応溶液を上記したライゲーション溶液に加え、図57(b)に示したように、Gene Amp PCR System 9600(PE社製)を用いた58℃の各反応時間(0、5、15及び30分)における重合反応の蛍光強度をARVO−SX(Wallac社)で測定した。
【0152】
また、各反応時間における自己集合体の形成を0.5%のアガロースゲル電気泳動で確認した。
【0153】
3.結果
図58(b)に示した架橋プローブの添加と同時に重合反応が開始され、PALSAR法による自己集合体の形成が確認された(図58(a))。
【0154】
また、各反応時間における蛍光強度では、MRSAから抽出したDNAを用いた系(実施例15)においてのみ架橋プローブの添加と同時に高い蛍光強度が得られ、時間の経過とともに蛍光は減少した。一方、E.coliから抽出したDNAを用いた系(比較例7)では、時間の経過による蛍光強度に変化は認められなかった(図59(a)、(b))。
【0155】
(実施例16及び比較例8)
1.目的
ダイマー形成用プローブによるライゲーション反応、及び架橋プローブによる重合反応とインターカレーター(SYBR Green I)によるMRSAの検出限界試験。
【0156】
2.方法
第1ステップの系として、ターゲット遺伝子に101cellls/mL、102cellls/mL、103cellls/mL、104cellls/mLのMRSAから抽出したDNA(clinical isolate)を10μL、ダイマー形成用プローブのA−3、A−3P、A−4、A−4Pを1μLずつ、Tsc Ligase(日本ロシュ)に添付の10×Ligation bufferを3μL、Tsc-Ligase(日本ロシュ社)を1μL、SYBRTMGreen I(FMC BioProducts,pH8.0の50mMのトリス塩酸緩衝液で10000倍に希釈した溶液)を1μL、H2Oを14μL(計30μL)の反応溶液を95℃で30秒間加熱後、実施例15と同様、45℃で90秒間と95℃で10秒間のサーマルサイクリングを45回行い、95℃で10分間の熱処理によりTsc-Ligaseを失活させた後、45℃で30分間反応させライゲーション溶液とする。対照には、第1ステップの反応液に用いたMRSAの代わりに、101cellls/mL、102cellls/mL、103cellls/mL、104cellls/mLのE.coliから抽出したDNAを用いた(比較例8)。
【0157】
次に、第2ステップの系として50pmolの架橋プローブ−(A−5)を1μLと50pmolの架橋プローブ−(A−6)を1μL、20×SSCを15μL、H2Oを13μL(計30μL)の反応溶液を上記したライゲーション溶液に加え、58℃で30秒間、重合反応させた時の蛍光強度をARVO−SX(Wallac社)で測定した。
【0158】
3.結果
図60に示したようにMRSAから抽出したDNAを用いた系(実施例16)において、MRSAの菌量に依存した強い蛍光強度を確認した。また、E.coliから抽出したDNAを用いた系(比較例8)においては、いずれの菌量においても蛍光の増加は認められなかった。
【0159】
【発明の効果】
本発明のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法により、核酸合成酵素や枝分かれしたDNAを用いずに、効率よくターゲット遺伝子の検出を行うことができる。また、本発明の自己集合体の安定化方法、及びその自己集合体の検出方法は、形成される自己集合体の塩基の積み重ねが規則的な高次構造をとることから、260nmにおける紫外部の吸収帯の強度が減じる「ハイポクロミズム」という淡色効果を発現させて自己集合体の状態を確認することが可能である。さらには、自己集合体の塩基の積み重ねの間に安価な蛍光物質を挿入させて、その蛍光強度の変化から自己集合体の状態を確認できるために、今までになく低コストでしかも簡便に遺伝子を検出することができるという顕著な効果を奏する。
【0160】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の為の改良したHCPプローブ(ダイマー形成用プローブ)によるライゲーション反応を示す模式図であり、(a)は切断された一対のダイマー形成用プローブ、(b)は連結された一対のダイマー形成用プローブにより形成されたダイマー、及び(c)は切断された一対のダイマー形成用プローブにより形成されたダイマーをそれぞれ示す。
【図2】 HCPプローブによるライゲーション反応を示す模式図であり、(a)は切断されたHCP、(b)は連結されたHCPにより形成されたダイマー、(c)は切断されたHCPにより形成されたダイマー、及び(d)は(c)より形成される複合体である。
【図3】 本発明の自己集合体の作製方法のn=1の場合の一例を示す模式図であり、(a)は第1の系の一対のオリゴヌクレオチド、(b)は第2の系の一対のオリゴヌクレオチドをそれぞれ示す。
【図4】 本発明の自己集合体の作製方法のn=1の場合の一例を示す模式図であり、(a)は一対のダイマー形成用プローブより形成されるダイマー及び一対の架橋プローブ、(b)は自己集合体の形成をそれぞれ示す。
【図5】 本発明の自己集合体の作製方法のn=1における架橋プローブの例を示す模式図であり、(a)は一対の架橋プローブの一例、(b)は一対の架橋プローブの別の例をそれぞれ示す。
【図6】 本発明の自己集合体の作製方法のn=1の場合の別の例を示す模式図であり、(a)は第1の系の一対のオリゴヌクレオチド、(b)は第2の系の一対のオリゴヌクレオチドをそれぞれ示す。
【図7】 本発明の自己集合体の作製方法のn=1の場合の別の例を示す模式図であり、(a)は一対のダイマー形成用プローブより形成されるダイマー及び一対の架橋プローブ、(b)は自己集合体の形成をそれぞれ示す。
【図8】 本発明の自己集合体の作製方法のn=2の場合の一例を示す模式図であり、(a)は第1の系の一対のオリゴヌクレオチド及び形成されるダイマー、(b)は第2の系の一対のオリゴヌクレオチド、(c)は第3の系の一対のオリゴヌクレオチド及び形成されるダイマー、及び(d)は第4の系の一対のオリゴヌクレオチドをそれぞれ示す。
【図9】 本発明の自己集合体の作製方法のn=2の場合の一例を示す模式図であり、(a)は第1及び第3の系の一対のダイマー形成用プローブより形成されるダイマー並びに第2及び第4の系の一対の架橋プローブ、(b)は自己集合体の形成をそれぞれ示す。
【図10】 本発明の自己集合体の作製方法のn=4の場合の一例を示す模式図であり、(a)は第1、第3、第5及び第7の系の一対のダイマー形成用プローブより形成されるダイマー並びに第2、第4、第6及び第8の系の一対の架橋プローブ、(b)は自己集合体の形成をそれぞれ示す。
【図11】 本発明の自己集合体の作製方法のn=2の場合の別の例を示す模式図であり、(a)は第1及び第3の系の一対のダイマー形成用プローブより形成されるダイマー並びに第2及び第4の系の一対の架橋プローブ、(b)は自己集合体の形成をそれぞれ示す。
【図12】 本発明の自己集合体の作製方法のn=4の場合の別の例を示す模式図であり、(a)は第1、第3、第5及び第7の系の一対のダイマー形成用プローブより形成されるダイマー並びに第2、第4、第6及び第8の系の一対の架橋プローブ、(b)は自己集合体の形成をそれぞれ示す。
【図13】 本発明の自己集合体の作製方法のn=1の場合において、フリーサイト領域を有する架橋プローブを用いた例を示す模式図であり、(a)は一対のダイマー形成用プローブ及び形成されるダイマー、(b)はフリーサイト領域を有する一対の架橋プローブをそれぞれ示す。
【図14】 本発明の自己集合体の作製方法のn=1の場合において、フリーサイト領域を有する架橋プローブを用いた例を示す模式図であり、(a)は一対のダイマー形成用プローブより形成されるダイマー及びフリーサイト領域を有する一対の架橋プローブ、(b)は自己集合体の形成をそれぞれ示す。
【図15】 本発明の自己集合体の作製方法のn=1の場合において、3’側領域及び5’側領域をそれぞれ互いに同一な塩基配列としたプローブを用いた例を示す模式図であり、(a)はn=1における一対のダイマー形成用プローブ、(b)は3’側領域及び5’側領域をそれぞれ互いに同一な塩基配列(C領域=F’領域、A領域=D’領域)とした、一対のダイマー形成用プローブをそれぞれ示す。
【図16】 本発明の自己集合体の作製方法のn=1の場合において、3’側領域及び5’側領域をそれぞれ互いに同一な塩基配列としたプローブを用いた例を示す模式図であり、(a)はn=1における一対の架橋プローブの一例、(b)は3’側領域及び5’側領域をそれぞれ互いに同一な塩基配列(C領域=F’領域、A領域=D’領域)とした、一対の架橋プローブをそれぞれ示す。
【図17】 本発明の自己集合体の作製方法のn=1の場合において、3’側領域及び5’側領域をそれぞれ互いに同一な塩基配列としたプローブを用いた例を示す模式図であり、(a)は図15で示したダイマー形成用プローブから形成されるダイマー及び図16に示した架橋プローブ、(b)は自己集合体の形成をそれぞれ示す。
【図18】 スタッキング効果を利用した一対のダイマー形成用プローブ及び一対の架橋プローブの一例を示す模式図である。
【図19】 ダイマー形成用プローブ及び架橋プローブより形成される自己集合体におけるスタッキング効果による自己集合体の形成の安定化の原理を示す模式図であり、(a)はハイブリダイゼーションの安定化、(b)は自己集合体の安定化をそれぞれ示す。
【図20】 ターゲット遺伝子の検出に用いるプローブの模式図であり、(a)はターゲット遺伝子と相補的な領域が切断された一対のダイマー形成用プローブ、(b)は一対の架橋プローブをそれぞれ示す。
【図21】 一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブによるターゲット遺伝子の検出を示す模式図であり、(a)は二本鎖のターゲット遺伝子、(b)はターゲット遺伝子と相補的な領域を1箇所切断された一対のダイマー形成用プローブ、(c)はターゲット遺伝子と切断されたダイマー形成用プローブのハイブリダイゼーション反応、(d)は切断されたダイマー形成用プローブのライゲーション反応をそれぞれ示す。
【図22】 一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブによるターゲット遺伝子の検出を示す模式図であり、(e)は連結されたダイマー形成用プローブ、(f)は切断されたダイマー形成用プローブ、(g)は連結されたダイマー形成用プローブと切断されたダイマー形成用プローブのハイブリダイゼーション反応、(h)は切断されたダイマー形成用プローブのライゲーション反応をそれぞれ示す。
【図23】 一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブによるターゲット遺伝子の検出を示す模式図であり、(i)は一対の架橋プローブ、(j)は自己集合体の形成をそれぞれ示す。
【図24】 中央領域の異なる2組の一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブによるターゲット遺伝子の検出を示す模式図であり、(a)は二本鎖のターゲット遺伝子、(b)及び(c)はターゲット遺伝子と相補的な領域を1箇所切断された一対のダイマー形成用プローブ、(d)及び(e)はターゲット遺伝子と切断されたダイマー形成用プローブのハイブリダイゼーション反応をそれぞれ示す。
【図25】 中央領域の異なる2組の一対のダイマー形成用プローブと一対の架橋プローブによるターゲット遺伝子の検出を示す模式図であり、(f)及び(g)は連結されたダイマー形成用プローブより形成されるダイマー、(h)は一対の架橋プローブ、(i)は自己集合体の形成をそれぞれ示す。
【図26】 実施例1を模式的に示す説明図である。
【図27】 実施例1及び比較例1の結果を示す写真である。
【図28】 比較例2を模式的に示す説明図である。
【図29】 比較例2〜4の結果を示す写真である。
【図30】 実施例2〜5を模式的に示す説明図である。
【図31】 実施例2〜5及び比較例5の結果を示す写真である。
【図32】 実施例6を模式的に示す説明図であり、(a)は一対のダイマー形成用プローブより形成されたダイマー、(b)は一対の架橋プローブをそれぞれ示す。
【図33】 0.5%アガロースゲルを用いた実施例6の結果を示す写真である。
【図34】 2.0%アガロースゲルを用いた実施例6の結果を示す写真である。
【図35】 実施例7を模式的に示す説明図であり、(a)は一対のダイマー形成用プローブより形成されたダイマー、(b)は一対の架橋プローブをそれぞれ示す。
【図36】 0.5%アガロースゲルを用いた実施例7の結果を示す写真である。
【図37】 2.0%アガロースゲルを用いた実施例7の結果を示す写真である。
【図38】 実施例8を模式的に示す説明図である。
【図39】 0.5%アガロースゲルを用いた実施例8の結果を示す写真である。
【図40】 2.0%アガロースゲルを用いた実施例8の結果を示す写真である。
【図41】 実施例9を模式的に示す説明図であり、(a)は予め一対のダイマー形成用プローブより作製されたダイマー、(b)は一対の架橋プローブ、(c)はアガロースゲル電気泳動法写真をそれぞれ示す。
【図42】 実施例10を模式的に示す説明図であり、(a)は一対のダイマー形成用プローブ及び一対の架橋プローブ、(b)はアガロースゲル電気泳動法写真をそれぞれ示す。
【図43】 実施例9及び実施例10の結果を示すグラフである。
【図44】 実施例11を模式的に示す説明図であり、(a)は一対のダイマー形成用プローブより形成されたダイマー、(b)フリーサイト領域を有する一対の架橋プローブをそれぞれ示す。
【図45】 0.5%アガロースゲルを用いた実施例11の結果を示す写真である。
【図46】 2.0%アガロースゲルを用いた実施例11の結果を示す写真である。
【図47】 実施例12を模式的に示す説明図であり、(a)は一対のダイマー形成用プローブより形成されたダイマー、(b)フリーサイト領域を有する一対の架橋プローブをそれぞれ示す。
【図48】 0.5%アガロースゲルを用いた実施例12の結果を示す写真である。
【図49】 2.0%アガロースゲルを用いた実施例12の結果を示す写真である。
【図50】 実施例13を模式的に示す説明図である。
【図51】 0.5%アガロースゲルを用いた実施例13の結果を示す写真である。
【図52】 2.0%アガロースゲルを用いた実施例13の結果を示す写真である。
【図53】 実施例14を模式的に示す説明図であり、(a)はターゲット遺伝子、(b)は切断されたダイマー形成用プローブ、(c)はターゲット遺伝子とダイマー形成用プローブのハイブリダイゼーション反応、及び(d)は切断されたダイマー形成用プローブのライゲーション反応をそれぞれ示す。
【図54】 熱処理を行なわない実施例14の結果を示す写真である。
【図55】 熱処理後の実施例14の結果を示す写真である。
【図56】 実施例15の第1ステップ(ライゲーション反応)を模式的に示す説明図(a)及びグラフ(b)である。
【図57】 実施例15の第2ステップ(重合反応)を模式的に示す説明図(a)及びグラフ(b)である。
【図58】 実施例15及び比較例7の結果を示す電気泳動法写真(a)及び自己集合体形成のグラフ(b)である。
【図59】 実施例15及び比較例7の結果を示す電気泳動法写真(a)及び蛍光強度のグラフ(b)である。
【図60】 実施例16及び比較例8の結果を示すグラフである。
Claims (30)
- No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3'側領域、中央領域、及び5'側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3'側領域及び5'側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブを含む第1の系のダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3'側領域及び5'側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3'側領域及び5'側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブを含む第2の系の架橋プローブ含有系とを有し、
前記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域、
をそれぞれ相補的な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とするオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。 - No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域、中央領域、及び5 ' 側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブを含む第1の系のダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域及び5 ' 側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブを含む第2の系の架橋プローブ含有系とを有し、
前記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3'側領域と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3'側領域、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5'側領域と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5'側領域、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3'側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3'側領域、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5'側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5'側領域、
をそれぞれ相補的な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とするオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。 - No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域、中央領域、及び5 ' 側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブをそれぞれ含む第1の系及び第3の系の2個の系を形成するダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域及び5 ' 側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2の系及び第4の系の2個の系を形成する架橋プローブ含有系とを有し、
前記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域、
第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域、
第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域、
第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域、
第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域、
をそれぞれ相補的な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とするオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。 - No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域、中央領域、及び5 ' 側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブをそれぞれ含む第1の系、第3の系及び第5の系の3個の系を形成するダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域及び5 ' 側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2の系、第4の系、及び第6の系の3個の系を形成する架橋プローブ含有系とを有し、
前記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第5の系のNo.1−オリゴヌ クレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第6のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とするオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。 - No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域、中央領域、及び5 ' 側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブをそれぞれ含む第1の系、第3の系、第5の系及び第7の系の4個の系を形成するダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域及び5 ' 側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2の系、第4の系、第6の系、第8の系の4個の系を形成する架橋プローブ含有系とを有し、
前記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第7の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第7の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第7の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第8の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第7の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第8の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第8の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第8の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とするオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。 - No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域、中央領域、及び5 ' 側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブをそれぞれ含む第1の系から第(2n−1)番目(n≧3)の系まで順番にn個形成されたダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域及び5 ' 側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2番目の系から第2n番目の系まで順番にn個形成された架橋プローブ含有系とを有し、
前記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
以下同様に順次作成し、
第(2n−3)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3'側領域と第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3'側領域を相補的な塩基配列とし、
第(2n−3)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5'側領域と第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5'側領域を相補的な塩基配列とし、
第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3'側領域と第(2n−1)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3'側領域を相補的な塩基配列とし、
第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5'側領域と第(2n−1)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5'側領域を相補的な塩基配列とし、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3'側領域と架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3'側領域を相補的な塩基配列とし、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5'側領域と架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5'側領域を相補的な塩基配列とし、
架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3'側領域と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3'側領域を相補的な塩基配列とし、
架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5'側領域と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5'側領域を相補的な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とするオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。 - No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域、中央領域、及び5 ' 側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩 基配列とした複数対のダイマー形成用プローブをそれぞれ含む第1の系及び第3の系の2個の系を形成するダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域及び5 ' 側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2の系及び第4の系の2個の系を形成する架橋プローブ含有系とを有し、
前記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とするオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。 - No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域、中央領域、及び5 ' 側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブをそれぞれ含む第1の系、第3の系及び第5の系の3個の系を形成するダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域及び5 ' 側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2の系、第4の系及び第6の系の3個の系を形成する架橋プローブ含有系とを有し、
前記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とするオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。 - No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域、中央領域、及び5 ' 側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブをそれぞれ含む第1の系、第3の系、第5の系及び第7の系の4個の系を形成するダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域及び5 ' 側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2の系、第4の系、第6の系及び第8の系の4個の系を形成する架橋プローブ含有系とを有し、
前記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第4の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第4の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第5の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第5の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第6の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第7の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第6の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第7の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第7の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第8の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第7の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第8の系のNo.1−オリゴヌ クレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第8の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第8の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とするオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。 - No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域、中央領域、及び5 ' 側領域の3つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの中央領域を互いに相補的な塩基配列とし、3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対のダイマー形成用プローブをそれぞれ含む第1の系から第(2n−1)番目(n≧3)の系まで順番にn個形成されたダイマー形成用プローブ含有系と、
No.1及びNo.2の一対のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドを3 ' 側領域及び5 ' 側領域の2つの領域に分け、各オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域及び5 ' 側領域を互いに非相補的な塩基配列とした複数対の架橋プローブをそれぞれ含む第2番目の系から第2n番目の系まで順番にn個形成された架橋プローブ含有系とを有し、
前記プローブの塩基配列を、
第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域と第3の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
第2の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域と第3の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5 ' 側領域を相補的な塩基配列とし、
以下同様に順次作成し、
第(2n−3)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3'側領域と第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3'側領域を相補的な塩基配列とし、
第(2n−3)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5'側領域と第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5'側領域を相補的な塩基配列とし、
第(2n−2)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3'側領域と第(2n−1)番目の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3'側領域を相補的な塩基配列とし、
第(2n−2)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5'側領域と第(2n−1)番目の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5'側領域を相補的な塩基配列とし、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3'側領域と架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの3'側領域を相補的な塩基配列とし、
ダイマー形成用プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5'側領域と架橋プローブの最後の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5'側領域を相補的な塩基配列とし、
架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3'側領域と第1の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの3'側領域を相補的な塩基配列とし、
架橋プローブの最後の系のNo.2−オリゴヌクレオチドの5'側領域と第1の系のNo.1−オリゴヌクレオチドの5'側領域を相補的な塩基配列とし、
該プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、オリゴヌクレオチドが自己集合し、二本鎖の規則的な高次構造を形成させることを特徴とするオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。 - 前記プローブのハイブリダイゼーションが、あらかじめ前記ダイマー形成用プローブからダイマーを形成させた後、前記架橋プローブと該ダイマーをハイブリダイゼーションさせることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。
- 前記複数対のダイマー形成用プローブが、前記中央領域の異なる複数種のダイマー形成用プローブからなることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。
- 前記架橋プローブが、3'側領域と5'側領域の中央部にダイマー形成用プローブと架橋プローブの各領域の塩基配列とは非相補的なフリーサイト領域を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。
- 前記フリーサイト領域が、DNA、RNA、PNA、LNA及びオリゴヌクレオチドと結合できるペプチド、ポリマー性粒子、磁性体粒子、またはその他の化合物であることを特徴とする請求項13記載のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。
- 前記一対のダイマー形成用プローブの3'側領域及び/又は5'側領域を互いに同一な塩基配列とすることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。
- 前記プローブが、DNA、RNA、PNA又はLNAのいずれかから選ばれる塩基から構成されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。
- 前記プローブの相補的塩基配列領域の分岐点に、少なくとも1つのG(グアニン)またはC(シトシン)を配置させ、プローブがハイブリダイズした際に少なくとも1つのC−G結合を相補的塩基配列領域の端部に形成させることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法。
- 請求項1〜17のいずれか1項記載の方法で形成された自己集合体。
- 請求項18記載の自己集合体をオリゴヌクレオチドの二本鎖に挿入して蛍光を発するインターカレーターを用いて検出することを特徴とする自己集合体の検出方法。
- 請求項18記載の自己集合体を、該自己集合体に蛍光物質を結合させ、発光により検出することを特徴とする自己集合体の検出方法。
- 請求項18記載の自己集合体を、紫外線に対する光学的な吸収の変化を利用して検出することを特徴とする自己集合体の検出方法。
- 請求項1〜17のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法を用いる遺伝子の検出方法であり、前記ダイマー形成用プローブ及び/又は架橋プローブのオリゴヌクレオチドを、ターゲット遺伝子の一部と相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含むように構成し、ターゲット遺伝子と相補的な領域を少なくとも1箇所予め切断しておき、温度制御により、ハイブリダイゼーション反応、ライゲーション反応及び解離反応をさせ、該切断されたプローブを連結させて完全なプローブを形成させ、前記オリゴヌクレオチドによる自己集合体の作製方法を用いて自己集合体を作製させ、該自己集合体を検出することにより、ターゲット遺伝子を検出することを特徴とする遺伝子の検出方法。
- 前記ターゲット遺伝子の一部と相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが、前記ダイマー形成用プローブであり、該ダイマー形成用プローブのオリゴヌクレオチドのうち、少なくとも一つのオリゴヌクレオチドの中央領域を、ターゲット遺伝子と相補的な塩基配列を有する領域となるように構成し、ターゲット遺伝子と相補的なダイマー形成用プローブの各オリゴヌクレオチドの中央領域の片側、または両側の一箇所、または複数箇所をあらかじめ切断しておくことを特徴とする請求項22記載の遺伝子の検出方法。
- 前記ライゲーション反応をリガーゼ酵素、耐熱性のリガーゼ酵素、又は酵素を使用しないオートライゲーションを用いて行うことを特徴とする請求項22又は23記載の遺伝子の検出方法。
- 前記ターゲット遺伝子に一本鎖のDNA及び/またはRNAを用いることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項記載の遺伝子の検出方法。
- 前記ターゲット遺伝子に二本鎖のDNA及び/またはRNAを用いることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項記載の遺伝子の検出方法。
- 前記あらかじめ切断されたオリゴヌクレオチドの切断部分がSNPs(一塩基多形)の部分と相補的になるようにデザインされることを特徴とする請求項22〜26のいずれか1項記載の遺伝子の検出方法。
- 前記自己集合体を、オリゴヌクレオチドの二本鎖に挿入して蛍光を発するインターカレーターを用いて検出することを特徴とする請求項22〜27のいずれか1項記載の遺伝子の検出方法。
- 前記自己集合体を、該自己集合体に蛍光物質を結合させ、発光により検出することを特徴とする請求項22〜27のいずれか1項記載の遺伝子の検出方法。
- 前記自己集合体を、紫外線に対する光学的な吸収の変化を利用して検出することを特徴とする請求項22〜27のいずれか1項記載の遺伝子の検出方法。
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