JPH09220099A - プローブを用いた核酸の検出方法 - Google Patents

プローブを用いた核酸の検出方法

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JPH09220099A
JPH09220099A JP8054278A JP5427896A JPH09220099A JP H09220099 A JPH09220099 A JP H09220099A JP 8054278 A JP8054278 A JP 8054278A JP 5427896 A JP5427896 A JP 5427896A JP H09220099 A JPH09220099 A JP H09220099A
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JP
Japan
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stranded dna
base sequence
dna
probe
nucleic acid
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JP8054278A
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English (en)
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Yasushi Shigemori
康司 重森
Jun Fujiwara
純 藤原
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AISIN KOSUMOSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
AISIN KOSUMOSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 核酸の正確な情報を得ることができ,核酸に
損傷を与えることなく検出することができる,プローブ
を用いた核酸の検出方法を提供する。 【解決手段】 既知の特定塩基配列を3’末端及び5’
末端の双方に分断して設けてなり,且つ標識物質19を
結合させた1本鎖DNAプローブ1と,RecA蛋白質
分子3とを混合した溶液に,上記特定塩基配列と相補的
な塩基配列を有する2本鎖DNA2を含む被検体DNA
を加え,更にライゲース4を加えることにより,2本鎖
DNAの該塩基配列上に,1本鎖DNAプローブの両末
端に設けた特定塩基配列10を重ね合わせると共に,上
記両末端同志を結合させて環状DNAプローブ15とな
し,次にRecA蛋白質分子を除去してハイブリッドD
NAを得る。その後,標識物質を手掛かりに,ハイブリ
ッドDNAを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,1本鎖DNAプローブを用い
て,特定の塩基配列を有する2本鎖DNAを検出する方
法に関する。
【0002】
【従来技術】分子生物学,臨床検査の分野においては,
既知の特定塩基配列を有するプローブを用いて,未知の
塩基配列を有するDNAの塩基配列を決定することが行
われている。かかる塩基配列決定方法としては,従来,
以下の先行技術が開示されている。第1の先行技術とし
ては,サザンハイブリダイゼーションが挙げられる(N
ucleic Acids Research Vo
l.14,No.24,pp.9943─9954,1
986)。この技術は,メンブレン等の固相担体上にあ
る変成した核酸を,該核酸に相補的なポリヌクレオチド
プローブとハイブリダイゼーション反応を行うものであ
る。
【0003】第2の先行技術としては,被検体DNAに
オリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせ,両
者を架橋剤により架橋させることが挙げられる(J.M
ol.Biol.,vol.197,No.2,pp.
349−362,1987)。この技術においては,オ
リゴヌクレオチドプローブを32P及び二機能性架橋剤H
MT(4’−hydroxymethyl−4,5’,
8─trimethylpsoralen)により標識
し,紫外線の照射によりオリゴヌクレオチドプローブを
被検体DNAに架橋させている。
【0004】この場合,ハイブリダイゼーションと被検
体DNAの光固定とは,溶液中で,ハイブリッドの溶融
温度に近い条件下で同時に行う。近紫外光(波長:32
0〜400nm)を照射すると,ハイブリッド複合体に
存在する架橋剤によってハイブリッドが架橋される。過
剰のプローブを除去し,最終的にアルカリ性変成アガロ
ースによってプローブからのシグナルを検出する。
【0005】第3の先行技術としては,RecA蛋白質
分子を用いて1本鎖DNAプローブを被検体DNAに結
合させて,被検体DNAの塩基配列を決定する方法が挙
げられる(USP4888274;J.Biol.Ch
em.,vol.263,No.29,pp.1511
0−15117,1988)。RecA蛋白質分子はD
NAの組み換えに関与している酵素蛋白質で,ATPの
存在下で一本鎖オリゴヌクレオチドと結合することによ
って,DNAの組み換えを行う。ATPの代わりに類似
体であるATP─γSを用いることにより,被検体DN
Aとオリゴヌクレオチドとの組み換え中間体が形成され
る。
【0006】第4の先行技術としては,南京錠型オリゴ
ヌクレオチドをプローブとして用いるハイブリダイゼー
ションが挙げられる(Science vol.26
5,pp.2085−2088,1994)。この技術
は,溶液中で,1本鎖のDNA又はRNAに,それに部
分的に連続した相補的塩基配列を両端に持つオリゴヌク
レオチドをハイブリダイゼーションさせ,同時にライゲ
ースによるライゲーション反応を行う。
【0007】このライゲーション反応により,オリゴヌ
クレオチドは南京錠のように被検体DNAにからまるた
め,その後の変成ゲル電気泳動でも被検体DNAから離
れることはなく,ハイブリッド複合体を検出することが
できる。
【0008】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の核
酸の検出方法においては,以下の問題点がある。まず,
第1の先行技術においては,極めて低いモル濃度のプロ
ーブを使用するため,その反応速度は極めて遅い。ま
た,プローブが固相担体上に非特異的に付着してしまう
ため,バックグランドのシグナルが高くなり,検出感度
に限界がある。
【0009】第2の先行技術においては,被検体DNA
の電気泳動がアルカリ性変成条件下で行われるため,得
られる情報がDNAの1本鎖DNAの情報でしかない。
また,被検体としてゲノムDNAを用いる場合,ゲノム
DNAにはニックが入っていることが多く,変成条件下
でハイブリダイゼーションを行う場合には,被検体DN
Aの長さについての正確な情報が得られない可能性があ
る。
【0010】第3の先行技術においては,オリゴヌクレ
オチドが数十mer以下の短いものである場合には,R
ecA組み換え中間体が不安定となる。かかる場合に
は,オリゴヌクレオチドをHMTで標識することによ
り,組み換え反応中又は反応後に光架橋を行って,組み
換え中間体を固定しなければならず,操作が複雑とな
る。また,光架橋によるHMTオリゴヌクレオチドの,
被検体DNAへの非特異的結合や,DNAへの強い紫外
線照射によって,DNAが切断される等,損傷を受ける
ことがある。
【0011】第4の先行技術においては,被検体として
は1本鎖の核酸を用いなければならず,2本鎖DNAの
検出には不向きである。
【0012】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,核酸
の正確な情報を得ることができ,核酸に損傷を与えるこ
となく検出することができる,プローブを用いた核酸の
検出方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,既知の特
定塩基配列を有する1本鎖DNAプローブを用いて,上
記特定塩基配列と相補的な塩基配列を有する2本鎖DN
Aを,被検体DNAの中から検出する方法において,ま
ず,既知の特定塩基配列を3’末端及び5’末端の双方
に分断して設けてなり,且つ標識物質を結合させた1本
鎖DNAプローブと,RecA蛋白質分子とを混合した
溶液に,上記塩基配列を有する2本鎖DNAを含む被検
体DNAを加え,更にライゲースを加えることにより,
上記塩基配列を有する2本鎖DNAの該塩基配列上に,
上記1本鎖DNAプローブの3’末端及び5’末端に設
けた特定塩基配列を重ね合わせると共に,上記1本鎖D
NAプローブの3’末端と5’末端とをリン酸エステル
結合により結合させて環状DNAプローブとなしてRe
cA組換中間体を形成し,次に,上記RecA組換中間
体から上記RecA蛋白質分子を除去して,上記2本鎖
DNAの上記塩基配列の上に,環状DNAプローブに設
けた上記特定塩基配列を重ね合わせてなるハイブリッド
DNAを形成させ,次に,該ハイブリッドDNAの中の
環状DNAプローブに結合している上記標識物質を手掛
かりにして,上記ハイブリッドDNAを,被検体DNA
の中から検出することを特徴とする核酸の検出方法であ
る。
【0014】本発明において最も注目すべきことは,R
ecA蛋白質分子により1本鎖DNAプローブに2本鎖
DNAをハイブリダイズさせてハイブリッドDNAを形
成させると共に,更にライゲース添加により1本鎖DN
Aプローブを環状化させていることである。
【0015】ここに,RecA蛋白質分子は,元来DN
Aに突然変異を生じた場合に,その変異部位を正常な塩
基配列に組み換えるという組み換え反応に関与する蛋白
質である。この発明においては,RecA蛋白質分子
を,1本鎖DNAプローブと2本鎖DNAとからなるハ
イブリッドDNAの形成に用いる。
【0016】即ち,図1に示すごとく,1本鎖DNAプ
ローブ1には予め標識物質19が結合している。そし
て,1本鎖DNAプローブ1の特定塩基配列は,3’末
端側と5’末端側とに分断されて分割塩基配列11,1
2として配置されている。そのため,特定塩基配列10
を有する2本鎖DNA2をRecA蛋白質分子3と共に
加えたとき,1本鎖DNAプローブ1が2本鎖DNA2
の周囲をC字状に取り巻くようにして絡み合う。
【0017】そして,分割塩基配列11,12が,3’
末端塩基と5’末端塩基とを介して,連続した上記特定
塩基配列10を構成する。1本鎖DNAプローブ1にお
ける該特定塩基配列10は,RecA蛋白質分子3のD
NA修復作用により,2本鎖DNAの特定塩基配列上に
重なり合う。
【0018】更に,ライゲース4の添加により,C字状
に湾曲した1本鎖DNAプローブ1は,その3’末端塩
基と5’末端塩基との間でリン酸エステル結合を形成し
て,2本鎖DNA2の周囲を取り囲んで環状DNAプロ
ーブ15となる。これにより,環状DNAプローブ15
は,もはや2本鎖DNA2から取り外すことができなく
なる。従って,このような環状DNAプローブ15及び
2本鎖DNA2からなるハイブリッドDNAに対して,
熱変性,アルカリ変性等の処理を行っても,両者の結合
状態は破壊されないと考えられる。
【0019】また,ハイブリッドDNAは,2本鎖DN
Aと1本鎖DNAプローブとの結合体からなる。そのた
め,変成処理の有無によって,ハイブリッドDNAの構
造はかわらない。それ故,ハイブリッドDNAに対して
変成処理を行うことは何ら意味をなさない。そのため,
電気泳動を変成条件下で行う必要はなく,操作が容易で
ある。
【0020】また,本発明の検出方法においては,2本
鎖DNAのまま検出するため,2本鎖DNA自体の情報
をそのまま得ることができる。また,ニックの入った2
本鎖DNAについても,正確な情報を得ることができ
る。また,強い紫外線を2本鎖DNAに照射する光架橋
を形成する必要がないため,DNAに損傷を与えること
なく検出することができる。そのため,検出された2本
鎖DNAは,ゲノムサザン分析等への利用が期待でき
る。
【0021】そして,1本鎖DNAプローブには予め標
識物質が結合しているため,該1本鎖DNAプローブを
有する上記ハイブリッドDNAも,標識物質により標識
されることになる。上記標識物質を手掛かりにして,ハ
イブリッドDNAを他の2本鎖DNAと分離,検出する
ことにより,特定塩基配列を有する2本鎖DNAを検出
することができる。
【0022】また,RecA蛋白質分子による3本鎖D
NAの形成,及びライゲースによるライゲーションにお
いては,これらの反応に関与する成分が,すべて溶液中
に存在する。そのため,1本鎖DNAプローブの濃度を
高くすることができる。従って,反応速度を高くするこ
とができる。
【0023】また,固相担体を用いることなく,これら
の反応を行うため,後述の電気泳動写真のバックグラン
ドを低くすることができ,2本鎖DNAをも写真に鮮明
に写し出すことができる。従って,本発明の検出方法に
よれば,僅かな量の2本鎖DNAであっても検出するこ
とができる。
【0024】そして,上記ライゲースは,請求項2に記
載のように,NAD要求性ライゲースであることが好ま
しい。一般のATP依存型ライゲースを用いる場合に
は,反応液中にATPを添加する必要がある。この場
合,反応液中のATPがRecA蛋白質分子の組み換え
反応によってADPとなり,反応液中のADP濃度が上
昇する。すると,RecA蛋白質がハイブリッドDNA
から解離し,ハイブリッドDNAが解消してしまうおそ
れがある。
【0025】そのため,ATPの存在しない反応液にお
いてライゲーション反応を行うことが望ましく,そのた
めには,上記のごとくATPの代わりにNADをエネル
ギー物質として要求するNAD要求性ライゲースを用い
ることが好ましい。かかるNAD要求性ライゲースとし
ては,例えば耐熱性ライゲースがある。この耐熱性ライ
ゲースは,例えば,好熱細菌から抽出することができ
る。
【0026】請求項3に記載のように,NAD要求性ラ
イゲースによるライゲーション反応は,37〜55℃の
温度の溶液中で行うことが好ましい。これにより,1本
鎖DNAプローブの両末端においてのみリン酸エステル
結合を形成し,1本鎖DNAプローブの環状化を促進さ
せることができる。
【0027】一方,37℃未満の場合には,2本鎖DN
Aの切断末端(特に,Cohesive末端)同志でア
ニーリングしてしまい,2本鎖DNAの末端同志でリン
酸エステル結合を形成してしまうおそれがある。また,
ライゲーションの反応速度が低下するおそれがある。一
方,55℃を越える場合には,1本鎖DNAプローブが
2本鎖DNAにアニーリングせず,ハイブリッドDNA
の形成が困難となるおそれがある。
【0028】次に,上記RecA蛋白質分子としては,
例えば,E.coli.等のバクテリアより抽出するこ
とにより得られる,RecA蛋白質様分子を用いること
ができる。特に,E.coli.から抽出したRecA
蛋白質様分子を用いることが好ましい。抽出が容易かつ
効率的だからである。
【0029】次に,請求項4に記載のように,上記1本
鎖DNAプローブが有する既知の特定塩基配列は,40
塩基数以上であることが好ましい。これにより,1本鎖
DNAプローブと2本鎖DNAとが安定して重なり合
い,安定したハイブリッドDNAを作成することができ
る。上記特定塩基配列が多くなればなるほど,ハイブリ
ッドDNAはより安定な構造をとることができ,ハイブ
リッドDNAの生成量も増加して,検出,感度も向上す
る。
【0030】一方,40塩基数未満の場合には,1本鎖
DNAプローブと2本鎖DNAとの相補的塩基配列の数
が少なく,安定して両者が重なり合うことができずに,
3本鎖DNAの生成量が低下するおそれがある。
【0031】上記特定塩基配列は,1本鎖DNAプロー
ブの3’末端側及び5’末端側の双方に分断されて配置
されて分割塩基配列として配置されている。3’末端側
の分割塩基配列及び5’末端側の分割塩基配列は,いず
れも1本鎖DNAプローブの3’末端塩基及び5’末端
塩基を含む。5’末端塩基には,リン酸基が付加されて
いる。上記1本鎖プローブは,ライゲーション反応によ
り,その3’−OH末端と5’−P末端とをホスホジエ
ステル結合により連結して,環状化される。
【0032】そして,請求項5に記載のように,1本鎖
DNAプローブの3′末端及び5′末端の双方には,上
記特定塩基配列を分断した分割塩基配列が,20塩基数
以上ずつ存在することが好ましい。20塩基数未満の場
合には,両者が安定して重なり合うことができずに,ハ
イブリッドDNAの生成量が低下するおそれがある。
【0033】1本鎖DNAプローブにおける,3’末端
側の分割塩基配列及び5’末端側の分割塩基配列の間に
は,不特定塩基配列を有していてもよい。そして,請求
項6に記載のように,1本鎖DNAプローブの全塩基数
は,90塩基数以上であることが好ましい。全塩基数が
90塩基数以上であれば,塩基数が多くなれば多くなる
ほど安定してハイブリダイズする。一方,90塩基数未
満の場合には,2本鎖DNAにハイブリダイズしないお
それがある。
【0034】また,標的DNAとして,ゲノムDNAの
制限酵素による切断断片を用いて,ゲノムサザン分析も
可能であると考えられる。
【0035】上記1本鎖DNAプローブに結合させる標
識物質としては,例えば,ラジオアイソトープ,酵素,
蛍光団等を用いることができる。また,1本鎖DNAプ
ローブに標識物質を結合させる方法としては,例えば,
リン酸基をもつポリヌクレオチドの5’末端を〔γ−32
P〕ATPとT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて標
識する方法,抗原と抗体とを介して両者を結合させる抗
原抗体法等の方法がある。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態例にかかる核酸
の検出方法について,図1,図2を用いて説明する。本
例の核酸の検出方法は,被検体2本鎖DNAとしてM1
3mp18DNAの制限酵素切断断片を用いて,その中
から特定塩基配列(5’−CTA GAGTCG AC
C TGC AGG CAT GCA AGC TTG
GCACTG GCC G−3’)を有する2本鎖D
NAを検出する方法である。
【0037】まず,1本鎖DNAプローブとしての全塩
基数が90mer(塩基数)であるオリゴヌクレチドを
PCR法により調製した。この90merオリゴヌクレ
オチドは,M13mp18DNA multiple
cloning siteの隣り合う2つの配列領域に
相補的な配列を両端に有し,両者がスペーサー配列
(T)50で連結されている。
【0038】90merオリゴヌクレオチドの塩基配列
は,5’−TGC CTG CAGGTC GAC T
CT AGT TTT ・・・ TTT CGG CC
AGTG CCA AGC TTG CA−3’であ
り,その中の3′末端側塩基20merと5′末端側塩
基20merとが上記特定塩基配列を分断した分割塩基
配列である。尚,上記のT TTT ・・・ TTTは
合計50個のTからなるスペーサー配列である。
【0039】次に,30mM酢酸トリス(pH7.
2),2.5mM酢酸マグネシウム緩衝液中に,0.5
pmolの32P標識1本鎖DNAプローブと,7.56
μgのRecA蛋白質分子とを加え,更にATP−γS
を最終濃度が0.48mMとなるように加え,混合し
て,これを溶液Aとした。
【0040】また,M13mp18DNAを,制限酵素
(SnaBI/EcoRI)で切断して,直鎖状の切断
断片を調製し,これを被検体DNAとした。次に,30
mM酢酸トリス(pH7.2),2.15mM酢酸でマ
グネシウム緩衝液中に,400ngの上記被検体DNA
を加え,更にATP−γSを最終濃度が0.48mMと
なるように加えて混合し,これを溶液Bとした。
【0041】次に,上記溶液Aと溶液Bとをそれぞれ3
7℃で12分間保温した。次いで,37℃に保温された
この溶液A10μl及び溶液B10μlとを混ぜ合わせ
て,20μlの反応液となし,更に37℃で15分間保
温した。これにより,32P標識1本鎖DNAプローブと
特定塩基配列を有する2本鎖DNAとより3本鎖DNA
の形成を行った。
【0042】次に,上記反応液20μlに,69μlの
蒸留水,10μlのライゲース反応緩衝液,及び1μl
のライゲース(100ユニット)を加えて全量を100
μlにした後,37℃で15分,つづいて45℃で15
分間保温した。上記ライゲースとしては,NAD要求性
の耐熱性ライゲースである,EPICENTRE TE
CHNOLOGIES社製のAmpligase Th
ermostableDNA Ligase(商品名)
を用いた。
【0043】次に,上記反応液100μlに,EDT
A,SDS,プロティナーゼKを加えて,それぞれの最
終濃度が10mM EDTA,0.5%(w/vo
l.)SDS,0.5mg/mlプロティナーゼKとな
るようにした。この反応液を37℃で30分間保温した
後,フェノール/クロロフォルム抽出を一回,エタノー
ル沈澱を一回行った。沈澱したDNAを10μlの蒸留
水に溶かしてDNA溶液とした。
【0044】次に,このDNA溶液の全量について,
0.8%アガロースゲルを用いた電気泳動を行った。
尚,ブランクとして,1本鎖DNAプローブだけを含む
DNA溶液を同時に電気泳動させた。泳動後に,エチジ
ウムブロミド染色を行ない,ゲルの写真を撮った。次
に,撮影したゲルを乾燥させ,オートラジオグラムをと
り,2本鎖DNAに結合している32P標識1本鎖DNA
プローブからのシグナルを検出した。
【0045】その結果,図2に示すごとく,2本鎖DN
Aと1本鎖DNAプローブとがハイブリッドしたハイブ
リッドDNA61と,ハイブリッドしていないフリーの
1本鎖DNAプローブ62とが検出された。
【0046】次に,1本鎖DNAプローブがRecA蛋
白質分子及びライゲースによる反応により環状化して環
状DNAプローブを形成していることの根拠を示す。ま
ず,表1に示すごとく,RecA蛋白質分子及びライゲ
ースの有無が,DNA溶液の電気泳動に与える影響を調
査した。調査方法は,RecA蛋白質分子及びライゲー
スの双方とも添加しない場合(試料1),RecA蛋白
質分子だけ添加した場合(試料2),ライゲースだけ添
加した場合(試料3),RecA蛋白質分子及びライゲ
ースの双方とも添加する場合(試料4)について,上述
と同様に特定塩基配列を有する2本鎖DNAの検出を行
った。
【0047】その結果,RecA蛋白質分子及びライゲ
ースの双方とも添加した場合(試料4)だけ,図2に示
すごとく,2本鎖DNAと1本鎖DNAプローブとがハ
イブリッドしたハイブリッドDNA61が検出された。
このことから,1本鎖DNAプローブが環状化して環状
DNAプローブを形成していることが類推される。
【0048】次に,90merオリゴヌクレオチドの代
わりに,40merオリゴヌクレオチドを1本鎖DNA
プローブとして用いて,上述の特定塩基配列を有する2
本鎖DNAの検出を行った。
【0049】その結果,40merオリゴヌクレオチド
と2本鎖DNAとがハイブリッドしたハイブリッドDN
Aは検出されなかった。これは,2本鎖DNA(ターゲ
ット)に40merオリゴヌクレオチド(1本鎖DNA
プローブ)が結合する際に,1本鎖DNAプローブが環
状化せず,1本鎖DNAプローブと2本鎖DNAとの複
合体が不安定な状態となり,除蛋白操作(フェノール/
クロフォルム抽出,エタノール沈殿操作)中にこれらの
複合体が解離してしまうためと考えられる。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば,核酸の正確な情報を得
ることができ,核酸に損傷を与えることなく検出するこ
とができる,プローブを用いた核酸の検出方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を示す説明図。
【図2】実施形態例における,1本鎖DNAプローブを
2本鎖DNAにハイブリッドさせてなるハイブリッドD
NAの電気泳動結果を示す説明図。
【符号の説明】
1...1本鎖DNAプローブ, 10...特定塩基配列, 11,12...分割塩基配列, 15...環状DNAプローブ, 3...RecA蛋白質分子,

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既知の特定塩基配列を有する1本鎖DN
    Aプローブを用いて,上記特定塩基配列と相補的な塩基
    配列を有する2本鎖DNAを,被検体DNAの中から検
    出する方法において,まず,既知の特定塩基配列を3’
    末端及び5’末端の双方に分断して設けてなり,且つ標
    識物質を結合させた1本鎖DNAプローブと,RecA
    蛋白質分子とを混合した溶液に,上記塩基配列を有する
    2本鎖DNAを含む被検体DNAを加え,更にライゲー
    スを加えることにより,上記塩基配列を有する2本鎖D
    NAの該塩基配列上に,上記1本鎖DNAプローブの
    3’末端及び5’末端に設けた特定塩基配列を重ね合わ
    せると共に,上記1本鎖DNAプローブの3’末端と
    5’末端とをリン酸エステル結合により結合させて環状
    DNAプローブとなしてRecA組換中間体を形成し,
    次に,上記RecA組換中間体から上記RecA蛋白質
    分子を除去して,上記2本鎖DNAの上記塩基配列の上
    に,環状DNAプローブに設けた上記特定塩基配列を重
    ね合わせてなるハイブリッドDNAを形成させ,次に,
    該ハイブリッドDNAの中の環状DNAプローブに結合
    している上記標識物質を手掛かりにして,上記ハイブリ
    ッドDNAを,被検体DNAの中から検出することを特
    徴とする核酸の検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記ライゲースは,
    NAD要求性ライゲースであることを特徴とする核酸の
    検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記NAD要求性ラ
    イゲースによるライゲーション反応は,37〜55℃の
    温度の溶液中で行うことを特徴とする核酸の検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記1本鎖DNAプローブが有する既知の特定塩基配列
    は,40塩基数以上であることを特徴とする核酸の検出
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記1本鎖DNAプ
    ローブの3’末端及び5’末端の双方には,上記特定塩
    基配列を分断した分割塩基配列が,20塩基数以上ずつ
    存在することを特徴とする核酸の検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記1本鎖DNAプローブの全塩基数は90塩基数以上
    であることを特徴とする核酸の検出方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6132972A (en) * 1997-11-19 2000-10-17 Aisin Cosmos R & D Co., Ltd. Method for detecting nucleic acids through a triple-stranded DNA intermediate without denaturing
WO2004029292A1 (ja) * 2002-09-26 2004-04-08 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Dna回収法
US8236498B2 (en) 2006-01-20 2012-08-07 Olympus Corporation Method of detecting nucleotide sequence with an intramolecular probe

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