JP3891620B2 - ヘアピン型構造の核酸プローブ分子、及び該核酸プローブ分子を利用した核酸検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘアピン型構造の核酸プローブ分子、及び該核酸プローブ分子を利用した核酸検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の核酸検出技術は、病気の診断、動植物の品種や親子の鑑定、DNAのクローニング等に応用されている。従来の核酸を検出する方法としては、サザンハイブリダイゼーション等の、標識したプローブを用いた検出方法がある。これらの方法に関して、これまでに種々の改良がなされてきた。
【0003】
その中の一つとしては、RecAタンパク質を使った酵素反応により、標的二重鎖DNAと、オリゴヌクレオチドをプローブとして用いて組み換え中間体を形成させることを特徴とする、標的DNA検出方法がある(Cheng et al., J. Biol. Chem. 263, 15110-15117, 1988 )。ハイブリダイゼーションにより形成された中間体は、オリゴヌクレオチドプローブの標的DNAへの結合に関して、特に除タンパク質操作の後に不安定であるため、上記の引例においては、光架橋を行って安定な組み換え中間体を形成させている。しかし、光架橋により標的DNAへのプローブの非特異的な結合が起きることや、光架橋時の紫外線照射により標的DNAが損傷を受けてしまうという不具合があった。
【0004】
一方、別の改良方法としては、南京錠型オリゴヌクレオチドをプローブとして、その両末端を、標的DNAで隣り合った配列へハイブリダイゼーションさせ、ハイブリダイゼーション後に該プローブの両末端を連結し、より安定なハイブリッドを形成させ、上記の別法の不具合の一部を改善した方法がある(Nilsson et al., Science, 265, 2085, 1994)。しかしながらこの方法では、標的核酸分子は一本鎖でなくてはならず、ゲノムDNAなどの二重鎖の解析ができないという難点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の改良方法では、標的核酸分子への損傷により、後の解析時の障害となったり、一本鎖のみしか検出できないといった、難点または不具合があった。本発明の目的は、下記のハイブリダイゼーション用核酸プローブ分子、及び該核酸プローブ分子を利用した核酸検出方法を提供することにある:
1)標的核酸の二重鎖のままでの検出を可能にする方法;
2)標的核酸と安定なハイブリッドを形成することが可能な、ヘアピン型の核酸プローブ分子;
3)標的核酸に損傷を与えずに、上記のヘアピン型核酸プローブ分子を標的核酸にハイブリダイズさせて、形成されたハイブリッドを検出することにより、該核酸プローブに含まれる配列と相補的な配列を有する核酸を検出する方法。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し、目的を達成するために、本発明のヘアピン型構造の核酸プローブ分子、及び該核酸プローブ分子を利用した核酸検出方法は、以下のごとく構成されている。
(1)本発明の核酸プローブ分子は、
自己相補的なステム・ループ構造を有する第一のヌクレオチド部分と、該第一のヌクレオチド部分の一端から延出した一本鎖構造を有する第二のヌクレオチド部分とを具備したヘアピン型構造の核酸プローブ分子であって、前記第二のヌクレオチド部分は検出すべき所望のヌクレオチド配列に対して相補的である、ハイブリダイゼーション用核酸プローブ分子である。
【0007】
なお、上記の第二のヌクレオチド部分は、少なくとも15塩基のヌクレオチドであることが好ましく、また第一のヌクレオチド部分の長さは、少なくとも13塩基のヌクレオチドであることが好ましい。前記の核酸プローブは更に標識を付していることが好ましい。
(2)本発明の、上記核酸プローブを利用した核酸検出方法は、
標識した核酸プローブを標的核酸分子とハイブリダイズさせることにより、該プローブに含まれる配列に対して相補的な所望の配列を有する標的核酸分子を検出する方法であって、標識を付した上記の核酸プローブ分子にRecAタンパク質分子を加えて、プローブ・RecA複合体を形成させる第一ステップと、標的核酸を該複合体に接触させて、該プローブと該標的核酸分子との間の一部、又は全ての相補的塩基間でハイブリッドを形成させる第二ステップと、ハイブリッドを形成している該標的核酸鎖の末端と、該プローブの第一ヌクレオチド部分の末端との間でリガーゼを作用させることにより、該プローブと該標的核酸分子とを連結させる第三ステップと、該ハイブリッドからタンパク質を除去する第四ステップと、ハイブリッドを形成しなかった未反応プローブを、該ハイブリッドから分離する第五ステップとを具備し、該ハイブリッドに含まれる核酸プローブ中の標識を検出することにより、該プローブと相補的な配列を有する核酸を検出する方法である。
【0008】
なお、前記の標的核酸分子は二重鎖DNAであることが好ましく、更に上記のリガーゼはNAD 要求性リガーゼであることが好ましい。また上記のリガーゼを使った反応は、37〜75℃の溶液中で行うことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下において本願発明の実施の形態を示すが、これはあくまで本願発明を例示するにとどまり、本願発明を限定するものではないことは、当業者には自明である。
【0010】
図1は本発明に係るヘアピン型DNAプローブ分子を利用して、二重鎖DNAの検出を行う方法を示す概略図である。本発明の技術的思想を最もよく表すヘアピン型DNAプローブ分子、及び該DNAプローブ分子を利用した標的二重鎖DNA分子の検出方法について、図1を参照して順次説明する。
〈ヘアピン型核酸プローブ分子〉
図1において11は、標的DNA分子16の末端の配列を認識して検出するための、ヘアピン型DNAプローブ分子である。該プローブ11はその5’末端に、当該技術分野で広く知られた方法において、32P により標識12を入れたものである。該プローブ11の5’側には、標的DNA16の末端の配列に相補的な部分があり(標識12からステム・ループ構造部分13までの間)、その3’側には自己相補的でステム・ループ構造をとる配列13がある。標的DNA16の末端配列に相補的な部分は、鎖交換反応時、及びそれに続くライゲーション反応時にプローブと標的DNAとの間の安定な中間体形成を可能にする長さを有し、この長さは少なくとも15ヌクレオチドの長さであることが好ましい。しかし該中間体を、該鎖交換反応時、及びライゲーション反応時に安定に存在させるために必要なプローブの長さは、GC含有量といった、標的DNAの配列の特徴、並びに反応温度及び反応液中の塩濃度などの反応条件により影響されるものであるが、このことは当業者らには自明であり、当業者らは、標的DNAの末端配列の特徴、及び反応条件に応じてプローブの長さを調節するであろうことは自明である。よって該プローブの、標的DNAの末端配列に相補的な部分は、鎖交換反応時に安定な組み換え中間体を形成し、ライゲーション反応時にも該中間体が安定であることを保証するものであることを具備している。
【0011】
次にヘアピン型DNAプローブ11のステム・ループ構造13は、一本鎖の当該プローブを安定化して、更に標的DNAのうちのハイブリダイズする側の鎖の5’末端へ、該プローブの3’末端を近付けるために、このようなステム・ループ構造をとっている。該ステム・ループのステム部分は12〜30ヌクレオチドで、ループ部分は、1〜10ヌクレオチドで、全体では13〜40ヌクレオチドの長さであることが好ましい。そして該プローブは、標的DNAと組み換え中間体を形成したときに、そのステム・ループ構造の3’末端のヌクレオチドが、標的二重鎖DNAのうちの該プローブとハイブリダイズしている方の鎖の5’末端のヌクレオチドに隣接し、その間にギャップが生じないように構成されている。また、このステム・ループ構造13の長さは、該プローブ分子11と標的分子16との間のハイブリッド形成条件下で、自己相補的塩基間で結合することを保証する長さであることが好ましい。
〈ヘアピン型DNAプローブを利用した二重鎖DNAの検出方法〉
図1においてまず、ヘアピン型DNAプローブ11とRecAタンパク質14とを接触させて、RecA・プローブ複合体15を形成させる。RecAは大腸菌(E.coli)においてDNAの相同組み換えに関与している酵素タンパク質であり、ATPの存在下で一本鎖ポリヌクレオチドと結合することによりその酵素活性が活性化される。RecAは更に、ATPアーゼ活性を有し、二重鎖DNAを部分的に巻き戻して、これと部分的に相補的な一本鎖DNAを結合させることにより、DNAの組み換えを行う酵素である。次に、この中間体15に標的DNA16を接触させる。このときに、ATPの代わりにATPγS(アデノシン5 ’- O- (3- チオ三リン酸))などのATP類縁体を使用すると、鎖交換反応においてプローブ・標的DNA中間体17が形成されたところで反応が停止する。もしATP類縁体の代わりにATPを使用すると、溶液中のRecAのATPアーゼ活性により反応液中のADP濃度が上昇する。このADP濃度の上昇は、RecA・プローブ・標的核酸の反応中間体17からのRecAの解離を引き起こしてしまい、ハイブリッド核酸が解消してしまうおそれがある。この反応中間体17に対してリガーゼ18を効かせることにより、該プローブの3’末端と、標的二重鎖DNAのうち該プローブとハイブリダイズしている側の鎖の5’末端との間の連結を行う。上記のとおり、この反応系にはATPを用いることが好ましくないので、ここで使用するリガーゼはNADをエネルギーとして要求するタイプのものであることが好ましい。NAD要求性リガーゼとしては、例えば高熱細菌から抽出される耐熱性リガーゼがある。ライゲーション反応の温度は、37〜75℃であることが好ましいが、この温度範囲は、プローブと標的核酸末端との間の安定なハイブリッド形成、及び効率のよい連結反応を保証するためのものである。反応温度が37℃未満の場合は、リガーゼの反応速度が低下し、一方、75℃を越える場合には、プローブと標的核酸との間でアニーリングが起きにくくなり、ともにハイブリッド形成を阻害すると考えられるためである。ライゲーション反応終了後に除タンパクを行い、次いでハイブリダイズしなかったプローブと、ハイブリッドとを分離する。以上の工程により、標的DNAの末端部分に、標識の入ったプローブを安定に連結して、この標識を検出することにより該標的DNAを検出することが可能となる。
〈変形例〉
上記の実施形態に示されたヘアピン型一本鎖ハイブリダイゼーション用核酸プローブ分子、及び該プローブ分子を利用した標的核酸分子検出方法は下記の変形例を含んでいる:
・当該技術分野で広く知られる方法により、5’末端以外を標識したヘアピン型一本鎖ハイブリダイゼーション用核酸プローブ分子、及び該プローブ分子を利用した標的核酸分子検出方法;
・分子の5’側にステム・ループ構造を有し、その3’側に、標的核酸の末端配列と相補的な配列を有するヘアピン型一本鎖ハイブリダイゼーション用核酸プローブ分子、及び該プローブ分子を利用した標的核酸分子検出方法;
・一本鎖DNA及びRNAを標的核酸分子とする、ヘアピン型一本鎖ハイブリダイゼーション用核酸プローブ分子を利用した該標的核酸検出方法。
【0012】
【実施例】
実施例1:ヘアピン型DNAプローブと標的DNAとの中間体形成における配列特異性の確認
〈実験材料及び実験方法〉
32P で5’末端を標識した63量体のヘアピン型DNAプローブ分子を利用した、ScaIで切断した直鎖状プラスミドDNA、pBleuscriptSK(−)の検出
配列番号1及び図2に示した63量体のヘアピン型DNAプローブ(TRI−20−63)は、当該技術分野で広く行なわれている化学合成方法により作成し、HPLCにより精製したものを使用した。このプローブの5 ’末端40ヌクレオチド部分は、プラスミドDNA、p BluescriptSK(-) をScaIで切断したときのその末端の配列と相補的な配列からなる。RecAタンパク質は市販のものを使用した(Pharmasia Biotech社製)。まず、以下の組成の反応液A及び反応液Bを調整した。
反応液A:
10X緩衝液A 0.5μl
48mM ATPγS 0.5μl
ヘアピン型プローブ(TRI−20−63) 5ng
RecA 0.48μg
これに二回蒸留水を加えて5μlとした。
反応液B:
10X緩衝液B 0.5μl
48mM ATPγS 0.5μl
標的直鎖状二重鎖DNA 100ng
これに二回蒸留水を加えて5μlとした。
なお、上記の10Xの緩衝液の詳細は次のとおりである。
10X緩衝液A:300mM トリス・酢酸塩(pH7.2)/25mM (CH3COO)2Mg
10X緩衝液B:300mM トリス・酢酸塩(pH7.2)/225mM(CH3COO)2Mg
標的直鎖状二重鎖DNA:制限酵素ScaI、またはEcoRVで切断したpBluescriptSK(−) (Stratagene社より入手)
上記の反応液A及び反応液Bを37℃で15分間反応させた後に混合して、37℃で30分間反応させた。次に、以下の組成のライゲ−ション反応液10μl を加えて、45℃で一晩反応させた。
ライゲーション反応液
10X アンプリガーゼ DNA リガーゼ RXD 緩衝液
(エピセンターテクノロジー社) 2μl
アンプリゲース(エピセンターテクノロジー社)
(100 ユニット/ μl ) 20ユニット
これに二回蒸留水を加えて10μl とした。
【0013】
反応停止液(0.22M EDTA/5.6% SDS)を1.8μl加えて、反応を停止させた。次いで、10mg/mlの濃度のプロテネースKを1μl加え、そのまま45℃で15分間反応させて、タンパク質を分解させた。反応終了後にBPB色素液2μlを加え、0.8%アガロースゲル電気泳動に試料をかけた。ゲルを臭化エチジウムで染色して写真を撮り、次いでゲルドライヤーでゲルを乾燥させた。この乾燥させたゲルをオートラジオグラフィーにかけて(−80℃、一晩)、X線フィルムを現像した。臭化エチジウム染色の泳動像と、オートラジオグラフィー像とを比較した。
〈結果〉
図3は、上記の実施例に示された実験の結果をまとめたものである。図3(A)は、オートラジオグラフィーの結果を、図3(B)は、同じゲルの臭化エチジウムの染色結果を示すものである。(A)のゲルのレーン1〜3を比較して、レーン1に特異的に検出されているバンド(レーン1)が、ScaIで切断した直鎖状のpBluescriptSK(−)にヘアピン型DNAプローブがハイブリダイズして検出されたものである。レーン2にはレーン1と同じ長さで同じ量のDNAがあるが(Bを参照)、標的DNAの末端配列がレーン1のものとは異なるために、ヘアピン型DNAプローブとハイブリダイズできず、よって標的DNAが検出されていない。レーン1及び2において、同じ長さで同じ量のDNAが存在することは、(B)のゲルで示されている。レーン3ではプローブが認識しないDNAを使って行った、ネガティブの対照実験である。
【0014】
実施例2:ヘアピン型DNAプローブによる標的二重鎖DNA検出における、RecA及びリガーゼ依存性の確認
(実験材料及び実験方法)
実験は、実施例1に記載のものと本質的に同様にして行った。鎖交換反応及びそれに続くライゲーション反応の条件を以下の組み合わせにより行った。
〈実験結果〉
図4に実施例2の結果を示した。(A)のゲルはオートラジオグラフィーの結果を、(B)のゲルは臭化エチジウム染色の結果を表している。レーン1〜4を比較すると、RecA及びリガーゼをともに作用させた実験のみにおいて、ヘアピン型プローブと標的DNAとがハイブリダイズして検出されている。この実験は、RecA及びリガーゼのどちらか一方でも欠く場合には、プローブと標的DNAとの安定なハイブリッドは形成されないため、ハイブリッドが検出されなかったことを示している。(B)のゲルにおいては、レーン1〜4において全て、同じ長さで同じ量のDNAが各レーンにあったことを示している。実施例1の結果と合わせると、標的核酸分子の末端配列に相補的な配列を有するヘアピン型プローブとRecAとの組み合わせにより、安定な組み換え中間体が形成されて検出されることが示された。
【0015】
【発明の効果】
本発明に係るヘアピン型一本鎖ハイブリダイゼーション用核酸プローブを用いて、本発明に係る核酸検出方法を実施すると、以下のような効果が生ずる:
・標的核酸を完全に変性することなく、プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを行うことができるので、二重鎖ゲノムのような長い核酸の検出を比較的簡単な操作で行うことができ、更に、標的核酸自体の情報が得られる;
・本発明の方法には、サザンハイブリッド法で使用されるような固相支持体を要せず、チューブ内において行うことが可能であるため、一度に多数の試料を扱うことや、異なる種類のプローブを使って核酸についての異なる情報を同時に得ることが、比較的短い時間に行える;
・反応に関する成分が全て反応溶液中に存在するために、プローブ濃度を上げて反応速度を上げることが可能である;
・固相支持体を使わずに全ての反応を液中で行うために、バックグラウンドを低くすることが可能である;
・強い紫外線を標的核酸に照射する必要がないので、標的核酸に障害を与えない。
【0016】
よって本発明によれば、標的核酸と安定なハイブリッドを形成することが可能な、ヘアピン型の核酸プローブ分子、並びに標的核酸に損傷を与えずに、上記のヘアピン型核酸プローブ分子を標的核酸にハイブリダイズさせて、形成されたハイブリッドを検出することにより、該核酸プローブに含まれる配列と相補的な配列を有する核酸を検出する方法が提供される。
【0017】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘアピン型核酸プローブを用いた、核酸検出方法の概略を示す図。
【図2】本発明の実施例で使用したヘアピン型一本鎖DNAプローブの構造を示す図。
【図3】本発明の方法により形成させた組み換え中間体の検出を示す、オートラジオグラフィー、及びゲル電気泳動後の臭化エチジウム染色像の写真。
【図4】本発明の方法により形成する組み替え中間体の検出が、RecA及びリガーゼに依存することを示す、オートラジオグラフィー、及びゲル電気泳動後の臭化エチジウム染色像の写真。
【符号の説明】
11・・・ヘアピン型一本鎖核酸プローブ
12・・・標識
13・・・ステム・ループ構造
14・・・RecA
15・・・RecA・プローブ複合体
16・・・標的核酸
17・・・組み換え中間体
18・・・リガーゼ
19・・・プロテネースK
Claims (4)
- 標識した核酸プローブ分子を標的核酸分子とハイブリダイズさせることにより、該核酸プローブ分子に含まれる配列に対して相補的な所望のヌクレオチド配列を有する標的核酸分子を検出する方法であって、
自己相補的なステム・ループ構造を有する第一のヌクレオチド部分と、該第一のヌクレオチド部分の一端から延出した一本鎖構造を有する第二のヌクレオチド部分とを具備したヘアピン型構造の核酸プローブ分子であって、前記第二のヌクレオチド部分は検出すべき所望のヌクレオチド配列に対して相補的であり、前記核酸プローブ分子は更に標識を有している、ハイブリダイゼーション用核酸プローブ分子であって、下記の第二ステップにおいて標的DNAと組み換え中間体を形成したときに、前記第一のヌクレオチドが、標的二重鎖DNAのうちの該プローブとハイブリダイズしている方の鎖の 5 ’末端のヌクレオチドに隣接し、その間にギャップが生じないように構成されている核酸プローブ分子を準備すると共に、前記核酸プローブ分子にRecAタンパク質分子を加えて、プローブ・RecA複合体を形成させる第一ステップと、
標的核酸分子を該複合体に接触させて、該核酸プローブ分子と該標的核酸分子との間の全ての相補的塩基間でハイブリッドを形成させる第二ステップと、
ハイブリッドを形成している該標的核酸分子鎖の末端と、該核酸プローブ分子の第一ヌクレオチド部分の末端との間でリガーゼを作用させることにより、該プローブと該標的核酸分子とを連結させる第三ステップと、
該ハイブリッドから前記RecAタンパク質分子および前記リガーゼを除去する第四ステップと、
ハイブリッドを形成しなかった未反応核酸プローブ分子を、該ハイブリッドから分離する第五ステップとを具備し、
該ハイブリッドに含まれる前記核酸プローブ分子中の前記標識を検出することにより、該核酸プローブ分子と相補的な配列を有する核酸を検出する方法。 - 上記の標的核酸分子が二重鎖DNAであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 上記のリガーゼがNAD要求性リガーゼであることを特徴とする、請求項1または2の何れか一項に記載の方法。
- 上記のリガーゼを使った反応を、37〜65℃の溶液中で行うことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
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