JP2001517068A - 核酸捕獲成分 - Google Patents

核酸捕獲成分

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Abstract

(57)【要約】 核酸捕獲成分、核酸捕獲成分の使用方法、核酸捕獲成分を含む反応混合液、及び核酸捕獲成分を含む器具を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 核酸捕獲成分 発明の背景 本発明は核酸配列を検出する方法に関するものである。 核酸の配列を検出する方法には、医療上の診断等の分野で幅広い応用の可能性 がある。 例えばファルコー氏の米国特許第4,358,535号に述べられた一従来技 術による方法では、標的(原語:target)の核酸を、例えばニトロセルロースの フィルタ等の固体表面に固定する。次に、この標的に対して相補的な標識付プロ ーブと交雑させることでこの標的を検出する。 他の方法には、ダン氏他著「細胞」誌12:33−36(1977)及びラン キ氏の米国特許第4,563,419号が述べるもののような、一般に「サンド イッチ検定法」と呼ばれる検定がある。このフォーマットでは、標的核酸を捕獲 プローブに交雑させ、次に、当該標的に対して相補的な、しかし捕獲プローブに は相補的でない第二のレポータ・プローブを加える。余分なプローブを洗い流し 、レポータ・プローブの結合を測定する。溶液サンドイッチ検定法はミラー氏の 米国特許第5,374,524号に説かれている。 ブルード氏他(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3072(1994))は、一本鎖領域及び 二重鎖領域を有する固定させたプローブを用いる核酸捕獲システムを報告してい る。このシステムは、単なる一本鎖プローブと比較してより高い配列特異性を有 することが判明している。 発明の要約 本発明の方法は、標的核酸配列を高い感受性で且つ選択的に検出するために標 的配列に対して相補的な核酸捕獲部分を特徴とする。 一態様においては、本発明は、標的となる一本鎖核酸配列と核酸捕獲部分の交 雑を促進する方法を特徴とし、 a) 末端塩基及び隣接する一本鎖領域を備えた二本鎖領域を持つ単分子 核酸捕獲部分を提供し、この二本鎖領域の末端塩基は二重鎖結合リガンドの結合 部位の全て又は部分であり、この一本鎖領域は前記標的核酸と交雑することが可 能であり、 b) 前記標的一本鎖核酸と、前記核酸捕獲部分と、二重鎖結合リガンド とを含む反応混合物を、前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分が交雑できる条 件で形成し、 c) 前記二重鎖結合リガンドが形成された分子間二重鎖を結合するよう に、前記標的一本鎖核酸を前記核酸捕獲部分と交雑させる段階からなり、 よって、前記一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分の交雑が促進される、方法で ある。好適な実施例では、前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分の一本鎖領域 によって形成される二重鎖の第1塩基対は、前記二重鎖結合リガンドの結合部位 の一部を符号化し、前記核酸捕獲部分は核酸ヘアピンを含み、前記核酸捕獲部分 は固体の支持体に結合され、前記核酸捕獲部分の末端塩基と前記標的一本鎖核酸 の末端塩基との間の塩基が重なった状態は前記分子間二重鎖の安定性を増加させ る。 別の態様においては、本発明は、標的となる一本鎖核酸配列を検出する方法を 特徴とし、 a) A−B−C−D構造を含む核酸捕獲部分を提供し、 Aが核酸配列であり、 B及びDが、互いに交雑する能力が有り、分子内二重鎖を形成する核酸配 列で、 Cは、リンカであり、 Aは、標的一本鎖核酸配列に対して実質的に相補的であり、 b) 前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分とを含む反応混合物を、前 記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分が交雑できる条件で形成し、 c)前記標的核酸と前記核酸捕獲部分との交雑が存在するか、存在しない かを検出する段階からなり、 よって、前記標的一本鎖核酸が検出される。好適な実施例では、Dの末端 塩基は二重鎖結合リガンドの結合部位の全て又は部分であり、前記反応混合物は 更に二重鎖結合リガンドを含み、前記核酸捕獲部分は不溶性の支持体上に固定さ れ、前記二重鎖結合リガンドは如何なる二重鎖も共有結合的に変更せず、前記核 酸捕獲部分の末端塩基と前記標的一本鎖核酸の末端塩基との間の塩基が重なった 状態は前記分子間二重鎖の安定性を増加させる。 別の態様においては、本発明は、標的となる一本鎖核酸配列を検出する方法を 特徴とし、 a) A−B−C−D構造を含む核酸捕獲部分を提供し、 Aが核酸配列であり、 B及びDが、互いに交雑する能力が有り、分子内二重鎖を形成する核酸配 列で、 Cは、リンカであり、 Aは、標的一本鎖核酸配列に対して実質的に相補的であり、 b) 前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分とを含む反応混合物を、前 記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分が交雑して、分子間二重鎖を形成できる条 件で形成し、この分子間二重鎖は二重鎖結合リガンドの結合部位を含み、 c)前記標的核酸と前記核酸捕獲部分との交雑が存在するか、存在しない かを検出する段階からなり、 よって、前記標的一本鎖核酸が検出される。好適な実施例では、前記標的 一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分との交雑は、ニックのある二重鎖を形成し、前記 二重鎖結合リガンドの結合部位はニックを含まず、前記反応混合物は更に二重鎖 結合リガンドを含み、前記二重鎖結合リガンドは配列特異的であり、前記二重鎖 結合リガンドは如何なる二重鎖も共有結合的に変更せず、前記核酸捕獲部分の末 端塩基と前記標的一本鎖核酸の末端塩基との間の塩基が重なった状態は前記分子 間二重鎖の安定性を増加させる。 別の態様においては、本発明は、標的となる一本鎖核酸配列と核酸捕獲部分の 交雑を促進する方法を特徴とし、 a) 二本鎖領域及び隣接する一本鎖領域を持つ単分子核酸捕獲部分を提 供し、この一本鎖領域は前記標的核酸と交雑することが可能であり、 b) 前記標的一本鎖核酸と、前記核酸捕獲部分と、二重鎖結合リガンド とを含む反応混合物を、前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分が交雑できる条 件で形成し、 c) 分子間二重鎖を形成するように、前記標的一本鎖核酸を前記核酸捕 獲部分と交雑させ、この分子間二重鎖は二重鎖結合リガンドの結合部位を含み、 それにより二重鎖結合リガンドが二重鎖結合リガンドの結合部位に結合する、段 階からなり、 よって、前記標的一本鎖核酸配列と前記核酸捕獲部分の交雑が促進される 、方法である。好適な実施例では、前記核酸捕獲部分は、核酸ヘアピンを含み、 前記核酸捕獲部分は固体の支持体に結合され、前記二重鎖結合リガンドは如何な る二重鎖も共有結合的に変更せず、前記二重鎖結合リガンドの結合部位はニック を含まず、前記核酸捕獲部分の末端塩基と前記標的一本鎖核酸の末端塩基との間 の塩基が重なった状態は前記分子間二重鎖の安定性を増加させる。 別の態様においては、本発明は、A−B−C−D構造を含む核酸捕獲部分を提 供し、 Aが核酸配列であり、 B及びDが、互いに交雑する能力が有り、分子内二重鎖を形成する核酸配 列で、 Cは、リンカであり、 前記核酸捕獲部分は固体の支持体に結合されている。好適な実施例においては 、Aは標的核酸配列に対して実質的に相補的であり、前記核酸捕獲部分の末端塩 基と前記標的一本鎖核酸の末端塩基との間の塩基が重なった状態は分子間二重鎖 の安定性を増加させ、前記標的核酸配列の前記核酸捕獲部分との交雑により形成 される二重鎖が、所定の二重鎖結合リガンドに対する結合部位を含むように前記 核酸捕獲部分を選択する。 別の態様では、本発明は、固定されたヘアピンと、不溶性の支持体と、標的核 酸とを含む反応混合物を特徴とする。好適な実施例では、前記標的核酸配列の前 記ヘアピンとの交雑により形成される二重鎖が、所定の二重鎖結合リガンドに対 する結合部位を含むように前記ヘアピンを選択し、前記反応混合物は二重鎖結合 リガンドを更に含み、この二重鎖結合リガンドは、配列特異的である。 更に別の態様では、本発明は、標的核酸の検出用のキットを提供し、このキッ トには、不溶性の支持体上に固定されたヘアピンを含む。特定の実施例では、前 記キットは核酸標準物質を更に含む。別の実施例では、前記キットは二重鎖結合 リガンドを更に含む。 図面の簡単な説明 図1は、核酸ヘアピンによる標的核酸の捕獲を示す反応スキームである。 図2は、標識付第二プローブの捕獲成分からの変位による標的核酸の検出を示 す反応スキームである。 図3は、切断された標的及び未切断の標的核酸の判別を示す反応スキームであ る。 図4は、標的相補的な第二プローブの交雑による結紮された標的核酸の検出を 示す反応スキームである。 図5は、様々な条件下における切断された及び未切断の標的核酸の結合効率を 示す棒グラフである。 図6は、洗浄緩衝液の塩濃度の結合効率に対する作用を示す棒グラフである。 図7は、標的コピー数の結合効率に対する作用を示す棒グラフである。 図8は、ヘアピン捕獲成分による結紮された生成物の検出を示すゲルを示す図 である。 図9は、ヘアピン捕獲成分による結紮された生成物の検出を示すもう一つのゲ ルを示す図である。 図10は、捕獲成分及び適合及び不適合の標的配列を示す図である。 図11は、核酸捕獲成分に交雑した適合及び不適合の標的核酸の溶融温度を示 す棒グラフである。 詳細な説明 本発明の方法は核酸配列の検出にとって有用である。本発明は、標的核酸を検 出するために用いられる新規な核酸捕獲成分を特徴とするものである。本発明の 方法はマルチウェル皿に捕獲成分を固定した状態で行うことができるため、複数 の試料を同時にスクリーニングすることができる。更に、本発明の方法は、自動 化が、少なくとも部分的に、容易に可能であり、スクリーニングにかかる時間が 減り、経済性が向上する。本捕獲成分は標的の配列に選択的に結合することがで きるため、バックグラウンド・ノイズを大変低いレベルに抑えることができる。 更に、標識信号を増幅すれば感受性の高い検出を行うことができるという長所が ある。 ここで用いられる「標的核酸配列」又は「標的のストランド」という用語は検 出しようとしている核酸配列を言う。標的核酸配列は、上に規定したようにいか なる核酸のストランドでもよく、一般的には一本鎖のもの又は公知の方法により 一本鎖にしたものであろう。標的核酸配列はプラスミド、ウィルス、バクテリア 、菌類、イースト、植物、そしてヒトを含む動物を含む多種のソースから得るこ とができ、あるいは標的核酸配列を非天然のソースから得てもよい。また標的核 酸配列は、血液、精液、尿、等々の流体を含む、多種の生体又は組織から得ても よい。好ましくは標的核酸配列を抽出又は精製して、例えばたんぱく質又は細胞 の破片等の汚染又は干渉物質を除去するとよい。このような精製又は抽出の方法 は当業において公知であるが、例えば、マニアティス他著「分子クローニング: 研究室用手引」、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリ刊(1989) や、ベル他著、米国国家科学アカデミー会報(1981)、78:5759−5 763に説かれたものがこの方法に含まれる。本発明の方法及び組成物は、感染 症、遺伝的障害、又はがんなどの細胞状態に関連する核酸配列の検出に特に有用 である。本発明の方法は、以下に詳述するように、非天然の標的核酸の検出にも 有用である。 ここで用いられる「隣接」という用語は、介在する塩基により分断されていな い核酸ストランドの重なっていない部分を言う。 一態様によれば、本発明の特徴とする核酸捕獲成分は、標的核酸に対して概ね 相補的な少なくとも一つの核酸領域を有する核酸捕獲成分であって、分子内二重 鎖を形成することのできる少なくとも二つの核酸領域を有するものである。ここ で用いられる「核酸捕獲成分」又は単に「捕獲成分」とは、標的核酸配列に選択 的に結合すると共に、不溶性の担体上に固定することのできる成分を言う。この 捕獲成分は、標的のストランドを捕獲する前、と同時、又は後で固体の担体上に 固定することができる。捕獲成分は標的に交雑することで標的の核酸を「捕獲」 し、それにより標的を固定できるものである。好適な実施例では、核酸捕獲成分 には、標的核酸配列の一領域に対して概ね相補性の少なくとも一つの領域を有す る核酸のストランドが含まれる。ある好適な捕獲成分は、以下に定義する核酸ヘ アピンである。一般的には、捕獲成分を固体の担体に結合させることとなろう。 固体の担体へのこのような結合は、捕獲成分又は固体の担体のいずれかに結合す るリンク成分を通じて行わせてもよい。いくつかの実施例では、捕獲成分に、例 えば放射性同位体、蛍光成分、抗体、抗原、レクチン、酵素等、当業において公 知の標識で標識を付けてもよい。捕獲成分が検出可能な標識を含んでいない実施 例においては、標的核酸配列にそのような標識を付けたり、あるいは選択に応じ て、標識を付した第二のプローブを利用してもよい。「第二のプローブ」とは、 標的核酸配列の一領域か、又は捕獲成分の一領域に対して相補的な核酸配列を言 う。 ここで用いられる「核酸ヘアピン」、「ヘアピン捕獲成分」又は単に「ヘアピ ン」とは、少なくとも二つの相互に相補的な核酸領域を含むことにより、少なく とも一つの分子内二重鎖を形成することの可能な単分子核酸含有構造を言う。ヘ アピンは、例えばカンター氏及びシメル氏著、「生物物理化学」第三部、118 3ページ(1980)に述べられている。いくつかの実施例では、相互に相補的 な核酸領域は核酸のストランドを介して接続され、これらの実施例では、当該ヘ アピンには核酸の一本の鎖が含まれる。相互相補的な領域を接続する捕獲成分領 域を、ここでは「ループ」又は「リンカ」と呼ぶことにする。ある好適な実施例 では、ループは核酸又は変更された核酸のストランドを含む。好適な実施例にお いては、リンカは水素結合ではない。別の実施例では、ループは核酸を基にして いないリンカ領域を含むが、ループ領域が核酸配列ではないときの捕獲成分をこ こではヘアピンと呼ぶことにする。ループ領域に用いるのに適した、核酸でない リンカの例は当業において公知であるが、例えば、アルキルの鎖(例えばDoktycz et al.(1993)Biopolymers 33:1765)がこれに含まれる。ループはヘアピンの一 本鎖領域であってもよいことは理解されようが、以下の説明のために付記してお くと、ヘアピンの「一本鎖領域」とはヘアピンの非ループ領域を言う。ループが 核酸の ストランドである実施例においては、ループは好ましくは2−20のヌクレオチ ド、より好ましくは3−8のヌクレオチドを含むとよい。ループ又はリンカの大 きさ又は形状は、相互相補的な領域が分子内二重鎖を形成することができるよう に選択する。いくつかの好適な実施例では、本発明において有用なヘアピンは、 少なくとも二つの塩基対、より好ましくは少なくとも4つの塩基対、そして更に 好ましくは少なくとも8つの塩基対を有する少なくとも一つの分子内二重鎖を形 成することとなるものである。二重鎖領域の塩基対の数、そしてその塩基組成は 、二重鎖形成の所望の相対的安定性が確実に得られるように選択することができ る。例えば、ヘアピンの分子内二重鎖を形成する領域との標的核酸以外の物質の 交雑を防ぐためには、分子内二重鎖領域中の塩基対の数は一般的には約4塩基対 を越えるであろう。以下に述べる例3で説明するヘアピンは16塩基対の二重鎖 領域を有しており、分子内二重鎖に並外れた安定性をもたらしている。分子内二 重鎖は一般的には約40を越える塩基対は有していないであろう。いくつかの好 適な実施例では、分子内二重鎖は長さで30未満の塩基対、より好ましくは20 未満の塩基対である。 ヘアピンは一つ以上のループを形成することができるものでもよい。例えば、 二つの分子内二重鎖及び二つのループを形成することのできるヘアピンを、ここ では「二重ヘアピン」と呼ぶことにする。好適な実施例においては、ヘアピンは 、標的核酸配列に概ね相補的な少なくとも一つの一本鎖領域を有するものとなろ う。「概ね相補的」とは、採用条件下で標的核酸配列に交雑することができるこ とを意味する。好適な実施例では、「概ね相補的な」一本鎖領域は、標的核酸配 列に対して完全に相補的である。好適な実施例では、本発明に有用なヘアピンは 、少なくとも5つの塩基対、より好ましくは少なくとも8つの塩基対を有する、 標的に対して相補的な一本鎖領域を有する。好適な実施例では、ヘアピンは、3 0未満の塩基、より好ましくは25未満の塩基を有する、標的に対して相補性の 一本鎖領域を有する。標的に対して相補性の領域は、標的のストランドが捕獲成 分と安定した二重鎖を確実に形成するよう選択されよう。捕獲成分を用いて多数 の非標的配列から標的のストランドを検出する実施例(例えばゲノムDNAをス クリーニングする場合)においては、標的相補性の領域は、非標的配列の結合を 防止 するよう十分長くなくてはならない。標的特異的な一本鎖領域は、捕獲成分のス トランドの3’又は5’末端にあってもよく、あるいは二つの分子内二重鎖領域 の間に位置していてもよい(例えば二重ヘアピンにおける二つの二重鎖の間など )。好適な実施例においては、本発明に有用なヘアピンは、構造A−B−C−D を有し、このとき Aは標的特異的な核酸配列であり、 B及びDは互いに交雑することで分子内二重鎖を形成することのできる核酸配 列であり、 Cはリンカである。 このように、固定されたヘアピンは図1に示す全体的構造を有する。固定され たヘアピン10は、相互に相補的であり、かつ分子内二重鎖(ここでは幹部とも 呼ぶ)を形成する領域B及びDを有する。ヘアピン10の領域Aはペンダント状 の一本鎖を成すが、好ましくは少なくとも部分的に標的核酸配列に対して相補性 を有するように選択されるとよい。ヘアピン10のリンカCは核酸配列B及びD を共有結合又は非共有結合により互いに結び付け、B:D分子内二重鎖が形成可 能であるようにこれらを配置(例えばこれらを十分近い位置に保持する)する要 素である。図1は、スペーサ成分12を介して不溶性の担体15に固定したヘア ピン10を図示したものである。リンカCはここでは「ループ」とも呼ばれる。 好適な実施例では、CはB及びDを共有結合により結び付ける。好適な実施例で はCは核酸配列であるが、別の実施例ではCは核酸配列ではない。好適な実施例 では、Cは固体又は不溶性の担体以外である。別の実施例ではCは不溶性の担体 である。図1は更に、標的のストランド20がヘアピン捕獲成分10に交雑して ニックのある二重鎖25を形成した状態を示す。図1では、所望に応じて選択で きる二重鎖結合リガンドの結合部位30が標的:捕獲成分二重鎖のニック箇所に 位置しているが、二重鎖結合リガンドの結合部位がなくても、あるいは、以下に 詳述するようにニックを含まない位置に位置していてもよい。 特に好適な実施例では、ヘアピンは、分子内二重鎖を成す一領域に連続する少 なくとも一つの一本鎖領域を有することとなろうが、このときこの一本鎖領域は 標的配列に対して概ね相補的なものである。ある代表的な実施例では、核酸配列 Aは標的の配列に概ね相補的な一本鎖領域であり、そして核酸配列Bは領域Dと 共に分子内二重鎖を形成する領域である。特に好適な実施例では、ヘアピンの標 的核酸配列との交雑があると、「ニックのある」二重鎖構造が形成されることと なり、この構造には分子内ヘアピン:ヘアピン二重鎖及び分子間の標的:ヘアピ ン二重鎖の連続領域が含まれることとなろう。この構成によりいくつかの利点が もたらされる。一つに、クラプコ氏他著(1991)DNA配列決定マッピング ジャーナル1:375−388が述べるように、分子内二重鎖と分子間二重鎖と の間(つまり標的配列の末端塩基と、捕獲成分の末端塩基との間)に塩基が重な っていることにより、単なる一本鎖への交雑よりも配列がより締まったものにな る。第二に、以下に述べるように、ニックのある二重鎖構造には二重鎖結合リガ ンドの結合部位が含まれていてもよい。適した二重鎖結合リガンドがある状態で は、正しい標的配列に交雑する捕獲成分の能力が増す(例えば交雑の効率が高ま る)ため、その検定の感受性が増す。更に、単分子の捕獲成分を利用することで 、二分子の成分にまつわる実験上の難しさが軽減される。例えば単分子の捕獲成 分を利用すると二分子の二重鎖よりも少ない実験ステップで済み、二重鎖の形成 及び安定性の濃度依存性が無くなり、分子内二重鎖は対応する分子間二重鎖等々 よりも安定している。また、捕獲成分の二重鎖領域により捕獲成分の標的特異的 領域が安定(例えばエントロピ的に)するため、標的:捕獲成分二重鎖の形成に 有利になる。ある好適な実施例では、捕獲成分の領域Dは、3’又は5’末端塩 基、つまりループ領域Cに結び付けられていない末端塩基を有する。この末端塩 基は、領域Dの配列の方向(例えば5’−3’又は3’−5’)に応じて、領域 Dの3’又は5’末端にあることとなる。末端塩基を端に持つ核酸配列をここで は「末端配列」と呼ぶ。 好適な実施例においては、核酸捕獲成分を、固体の担体に結合が可能なように 誘導化する。固体の担体に結合させるべく核酸を誘導化するための方法は数多く 、当業において公知である。捕獲成分は、共有結合又は非共有結合のどちらで固 体の担体に結合させてもよい。ある好適な実施例では、核酸捕獲成分をビオチン に共有結合させてビオチニル結合体を形成する。このビオチニル結合体を次に、 例えばアビジン又はストレプタビジンで誘導化した固体の不溶性の担体に結合さ せ るなどして、固体の表面に結合する。捕獲成分は、変更核酸をそのループ領域に 組み込むことで固体の担体に結合するよう適宜誘導化してもよい。このように、 ある好適な実施例では、捕獲成分をループ領域で誘導化することで固体の担体へ の結合を可能とする。別の好適な実施例では、捕獲成分を、ループ又はリンカ領 域以外の領域で誘導化する。例えば、ビオチン変更核酸をループ領域に組み込め ば、ストレプタビジンの被膜が形成された固体の担体への結合を可能とすること ができる。上で述べたように、固体の担体への結合に用いることのできる多種の 成分(例えばビオチン、抗体、等々)、及び、これらを核酸に付着させる方法は 当業において公知である。例えば、アミン変更核酸塩基(例えばグレン・リサー チ社から市販のもの)を固体の担体(例えばナンク社から市販の、第二アミノ基 を移植したポリスチレン表面であるコバリンク−NH)に、二元機能架橋結合物 質(例えばピアス社から市販のbis(スルホスクシンイミジル・スベレート( 原語:suberate)を介して付着させることができる。別の例では、スルフヒドリ ル機能化ヘアピン(上述のアミン機能化ヘアピンをトラウト試薬(2−イミノチ オレン.HCl)で処理することで得られる)を、例えばコーニング−コスター 社から市販の、マレイミドで被膜形成したポリスチレン皿に付着させることがで きる。スペーサ成分を更に加えれば、捕獲成分と固体の担体表面との間の立体的 障害を減らすことができる。 このように、代表的なヘアピン捕獲成分には二つの構造:及び が含まれるが、このときNはいかなる塩基をも表し、nは一般には4から50の 間、より好ましくは5から30の間の整数である。これら例として挙げたヘアピ ンは、固体の担体への結合に向けてループ領域においてビオチンで誘導化された ものだが、このようなことは必要ではない。 好適な実施例においては、固体の担体はビードであるが、好ましくは磁気ビー ドであるとよい。ビードの利用により、誘導化された核酸捕獲成分を反応混合液 から遠心分離又はフィルタ処理により分離でき、あるいは磁気ビードの場合には 磁界を加えることで分離することができる。別の好適な実施例では、核酸捕獲成 分を膜又は反応容器、例えば96ウェル皿等の表面に結合させる。以下により詳 細に説明するように、マルチウェル皿の利用により、複数の標的配列を複数のヘ アピンを用いて同時にスクリーニングすることが可能となり、また、自動化装置 を用いてスクリーニング検定を行うことも可能となる。捕獲成分の結合を可能と するための表面の誘導化は当業において通常の技術である。例えば、ストレプタ ビジンによる表面への被膜形成により、ビオチニル処理した捕獲成分の結合が可 能となる。ストレプタビジンによる表面への被膜形成は、例えばミラー氏の米国 特許第5,374,524号に説かれている。 いくつかの実施例では、複数の標的配列を検出するためには複数のヘアピン配 列を用いることが好ましいことも考えられる。このような実施例では、必ずしも 必要ではないが、各ヘアピンについて同じとする、ループ及び分子内二重鎖形成 領域を含む定常領域と、所望の標的配列に応じてヘアピンごとに異なる標的特異 的領域である可変領域とからヘアピンを合成すると有利である。この帰結物質を 得る一つの方法は、当業において公知の方法により、定常領域に応じて十分な量 の核酸のストランドを合成し、各標的配列に適した可変領域に加える方法である (例えば所望の配列の化学的合成又は結紮)。 好適な実施例では、捕獲成分の選択は、標的核酸配列との交雑を行うとニック のある二重鎖(例えばすきまのない二重鎖)が形成されるように行われる。この 成果は様々な方法で達成してもよい。例えば、標的核酸配列を捕獲成分に接触さ せる前に、標的核酸を、公知の規定認識配列の位置で標的のストランドを切断す る例えば制限酵素等の作用物質で処理してもよい。このようにして、切断後の標 的核酸配列は一つ又は複数の公知の塩基を末端に有することとなる。捕獲成分及 び制限酵素は、選択的に切断された標的のストランドとの捕獲成分の交雑により ニックのある二重鎖が生まれるように選択してよい。あるいは、特定の一つ又は 複数の塩基の「尾」を標的のストランドに付けてることで公知の配列を末端に持 たせてもよい。例えば、標的のストランドを化学的(例えば、ホスホールアミジ ド(原語:phosphoramidite)化学による)手段、又は、生化学的(例えば相補 性のストランドに交雑させた場合、ポリメラーゼ延長又はリガーゼ触媒結紮等) 手段により変更して、公知の配列を末端に持たせてもよい。しかしながら、当業 者であれば、捕獲成分への標的のストランドの結合で形成される二重鎖が、いく つかの実施例においては一つ又は複数のすきまを有することがあることは理解さ れよう。 好適な実施例では、捕獲成分の選択は、標的核酸配列を捕獲成分に交雑させた ときに、それにより形成される標的:捕獲成分の二重鎖が、少なくとも一つの二 重鎖結合リガンドのための結合部位を含むように行われる。二重鎖結合リガンド とは、一本鎖よりも二重鎖の核酸に優先的に結合する成分である。好適な二重鎖 結合リガンドは、非認識部位よりもより強力に結合した、二重鎖核酸の認識部位 (又は結合部位を認識(に結合)するものであり、ここでは「配列特異的」二重 鎖結合リガンドと呼ぶこととする。このように、ある好適な実施例では、標的: 捕獲成分の二重鎖には配列特異的二重鎖結合リガンドのための結合部位が含まれ る。好適な実施例では、二重鎖結合リガンド結合部位は予め選択された二重鎖結 合リガンドを結合させる。別の好適な二重鎖結合リガンドは部位特異性を呈さな いものであり、ここでは「非配列特異的」二重鎖結合リガンドと呼ぶことにする 。代表的な二重鎖結合リガンドには、例えば制限酵素、ポリメラーゼ、リガーゼ 、 等々の酵素、アクチノマイシンD等の薬品、臭化エチジウム等の非配列特異的イ ンターカラタ(原語:intercalaters)、等々が含まれる。好適な実施例では、 配列特異的又は非配列特異的に関係なく、二重鎖結合リガンドは、例えば、捕獲 成分又は標的核酸の共有結合等、共有結合を生じる及び/又は共有結合を切断す るなど、いかなる二重鎖を共有結合の上で変更しないものである。好適な実施例 においては、二重鎖結合リガンドはリガーゼ又はポリメラーゼ以外である。 別の好適な実施例では、標的:捕獲成分二重鎖は、非配列特異的二重鎖結合リ ガンドのための結合部位を含む。 捕獲成分は、分子内二重鎖形成領域の末端塩基が、標的のストランドの末端塩 基と組み合わせて考えたときに、二重鎖結合リガンドのための結合部位を成すよ う、選択してもよい。換言すれば、二重鎖結合リガンドの結合部位には、標的の 捕獲成分への交雑により形成される二重鎖のニック箇所が含まれる。例えば、二 重鎖結合リガンドのアクチノマイシンDは配列5’−AGCT−3’に優先的に 結合するものである。例として、捕獲成分は、分子内二重鎖の一部に5’−末端 配列5’−CTを有するよう選択してもよく、標的のストランドは、3’−末端 配列−AG−3’を有するよう選択(又は変更)される。従って、標的のストラ ンドを捕獲成分に交雑させると、ニックのある二重鎖5’−AG−CT−3’が 形成されるが、このとき「G−C」はGとCとの間にニックがあることを表すも のである。この実施例は、異なる長さの標的配列(例えば切断された標的及び未 切断の標的)間の判別を利用するときに特に便利である。より長い方の標的配列 が、ヘアピン捕獲成分に交雑させたときに突出部分を形成した場合、ニック部位 を含む認識部位を有する二重鎖結合リガンドを加えると、以下及び例1及び2に 詳述するように、切断済及び未切断の標的配列の判別が向上するであろう。 捕獲成分はまた、二重鎖結合リガンドの結合部位が分子内二重鎖を含まない一 領域(例えば二重鎖結合リガンドの結合部位がニックを含まないなど)に形成さ れるように選択することができる。好適な実施例では、二重鎖結合リガンドの結 合部位はニックを含まない。例えば、標的配列は、配列5’−AGCT−3’を 含むように選択してもよい。このように、ヘアピン捕獲成分の標的特異的領域は 相補性の配列を含むこととなり、アクチノマイシンDは、標的のストランドが捕 獲 成分に結合したときに形成される二重鎖を認識することとなる。二重鎖結合リガ ンドの存在により、形成される標的:捕獲成分の二重鎖(二重鎖を結合させるこ とで)の量が増加するため、感受性が向上する。 更に捕獲成分の選択は、標的のストランドがヘアピンに結合すると二箇所以上 の二重鎖結合リガンド結合部位が形成されるように行ってもよい。結合部位は、 一個の二重鎖結合リガンド(例えば複数のアクチノマイシンD結合部位)のため のものも、又は二つ以上の多いリガンド(例えばアクチノマイシンD部位及びE coRI部位)のためのものでもよい。適切な二重鎖結合リガンドを加えること で、検出感受性と標的選択性との間の所望のバランスを得ることができる。 更に、二重鎖変性剤を用いると標的の捕獲成分に対する特異性を向上させるこ とができることは認識されよう。換言すれば、二重鎖変性剤を用いて、二重鎖の 構成、特に不適合の核酸配列の交雑から生まれた二重鎖の構成を不安定にするこ とができる。二重鎖の変性剤には、一本鎖の構成を優遇し、二重鎖の構成を冷遇 する手段であればいかなるものも含まれる。上昇させた温度(加熱)を二重鎖変 性剤として用いてもよいが、これは好ましくない。好適な実施例では、二重鎖変 性剤は化学的又は生化学的試薬である。代表的な二重鎖変性剤には、酵素や、一 本鎖結合たんぱく質(例えば大腸菌からのもの)、G−5たんぱく質、遺伝子3 2たんぱく質、RecA、及びヘリカーゼ等のたんぱく質、並びに尿素などの化 学的変性剤が含まれる。二重鎖変性剤は、二重鎖変性剤であると考えられる物質 のある状態及びない状態で二重鎖のTmを測定することで、二重鎖変性剤であれ ばTmを低下させるため、識別することができる。好適な二重鎖変性剤は、少な くとも一つの二重鎖を変性させるのに十分な量使用した場合に、反応混合液のそ の他の化合物に対して有害な作用を及ぼさないものである。例えば、二重鎖変性 剤は、ポリメラーゼ又はリガーゼ等の酵素の活性を、このような酵素の活性が好 ましいものであるときに抑制してはならない。 二重鎖結合リガンドが更に二重鎖変更試薬(例えば制限酵素、リガーゼ、等々 )であれば、その他の検出方法も可能である。例えば標的:捕獲成分の二重鎖を 、二重鎖選択的な酵素等の二重鎖変更物質に接触させることで、二重鎖の選択的 変更を行わせながら未結合の標的又は未結合の捕獲成分の変更が起きないように す ることも可能である。標的及び捕獲成分を適切に選択すれば、標的は、捕獲成分 又は標的配列の変更を検出することで検出される。代表的な実施例では、捕獲成 分に当業において公知のもののような検出可能な標識を付けて、標的のストラン ドをその捕獲成分に交雑する。このように形成された標的:捕獲成分の分子間二 重鎖を次に制限酵素で切断する。捕獲成分のうち標識の付けられた断片を検出す ることで、対象の標的配列の存在が検出されるであろう。 好適な実施例では、捕獲成分を標的のストランドに接触させる前に固体の担体 に結合しているが、いくつかの実施例では、標的のストランドを捕獲成分に、両 者が溶液中にあるうちに接触させることが好ましい場合もあるであろう。この場 合、捕獲成分:標的のストランドの二重鎖は、適切に誘導化した表面に接触させ ることで固体の担体上に固定することができる。例えば、上で述べたように、捕 獲成分がビオチンで誘導化されていれば、捕獲成分:標的のストランドの二重鎖 は、これをストレプタビジンの被膜を形成した表面に接触させることで固定する ことができる。更に、プローブを更に利用する(例えば第二又はレポータ・プロ ーブ)場合は、捕獲成分を固体の担体に固定する前又は後にこれらを加えること ができる。 本発明の方法は天然及び非天然の両方の核酸配列を検出するのに有用である。 例えば、本発明の方法を用いて生体のゲノムから核酸を検出することができる。 別の実施例では、本発明の方法を用いて、例えばストランドの切断、結紮、延長 、変更、等々、核酸の反応による生成物を検出することができる。例えば、後に 述べる例3では、二つのプローブの結紮による生成物を検出するための核酸捕獲 成分の使用を説明している。このように、本発明の方法を用いて、核酸配列を交 雑により直接検出するか、あるいは、例えばポリメラーゼ連鎖反応又はリガーゼ 連鎖反応等の増幅生成物の検出を行うことで間接的に検出することができる。 例6で以下に述べるように、本発明の捕獲成分は、僅かに一個の塩基分の違い によって標的の配列を判別することができるものである。例6に述べる実験では 、標的の特定の塩基において、三つの可能性のある単一塩基の順列のうち二つに ついて一個の塩基の不適合が検出された。三番目の順列については目立った判別 はなかった。理論に縛られることを望むわけではないが、使用された特定の配列 に、 最も近い親類が重なって存在していたことが、この結果を生んだ原因だと考えら れる。従って、幹部領域に異なる配列を有するヘアピン成分を使用することが、 この標的にとって十分な判別結果をもたらすであろうと考えられる。更に、適し た配列を使用すれば、標的の配列において(そして標的の配列のいかなる位置に おいて)あり得るすべての単一の塩基の変化を判別するには十分であるに違いな い。しかしながら、必要に応じて、あり得る不可解な点を解決するには、異なる 捕獲成分を用いた実験をその後に行うことができる。好適な実施例では、一個の 塩基の不適合を判別することが可能なよう、特定の標的に対して捕獲成分を選択 する。 標的の核酸の検出は多様な方法によって行うことができるが、その方法のいく つかは当業において公知である。例示的な実施例では、図2に示すように、(不 溶性の担体15上に固定した)捕獲成分10’の標的相補性領域に対して相補性 の検出可能な標識52で標識を付した第二プローブ50を捕獲成分10’に反応 混合液中で交雑させることができる。この例示的実施例では、標的の核酸は、リ ン酸塩42を介してプローブ40及び44の結紮により形成された結紮生成物4 5である。次に標的の核酸を含んでいると疑われる試料を、標的配列があればそ れが第二プローブを捕獲成分から変位させるような条件下で投入する。図2の上 側の反応スキームは、複数のプローブ40(とリン酸塩42)及び44の、第二 プローブ50を交雑させた複数の固定済捕獲成分10’との反応を示すものであ る。図2の下側の反応スキームは、複数の結紮された生成物45の捕獲成分10 ’との反応を示すものである。図2の下側の反応スキームでは、結紮された生成 物45のうちいくつかが捕獲成分10’に交雑して第二プローブ50を変位させ ている。対象ウェルに比べて捕獲成分10’に結合した第二プローブ50の量が 減少したことは、標的配列45が存在することを表している。あるいは選択に応 じて、洗浄ステップで洗い流されたプローブの量を計測することもできる。選択 に応じて採用可能な二重鎖結合リガンド結合部位30’も示されている。 図3に示すように、本発明の捕獲成分を用いて、切断された(又は変更された )標的のストランドと切断されていないストランドとを判別することができる。 検出可能な標識52’を有する切断されたストランド48は、(不溶性の担体1 5上 に固定された)捕獲成分10”に対して相補的であるが、これもまた検出可能な 標識52’を有する未切断のストランド40”は非相補的な突出領域55を有し 、捕獲成分10”に効果的に結合していない。標的のストランドは例えば制限酵 素で切断することができる。このように、試料を制限酵素で処理し、その生成物 を適切に構成した捕獲成分と共にインキュベートする。図3の上側の図は、未切 断のストランド40’は、平衡状態を示す矢印で表されるように捕獲成分10” に安定的に結合しないであろうことを示しており、未切断のストランド40’の 捕獲成分10”への交雑は好ましくないことが分かる。図3の下側の図では、平 衡状態を示す矢印は、切断されたストランド48の捕獲成分10”への結合は良 好であるが、標識を付けていない断片49が10”に結合していないことを示し ている。結合した生成物48の標識52’を検出することで標的の配列の存在が 検出される。選択的に採用することのできる二重鎖結合リガンドの結合部位30 ”も示されている。このスキームでは、本発明の捕獲成分を、無損傷の標的の配 列の末端近傍にない核酸配列の検出に用いることができる。 もう一つの検出方法を図4に示す。「サンドイッチ」検定に関連し、また、特 にリン酸塩42を介したプローブ40’及び44’の結紮で生じた生成物を検出 するのに特に有用であるこの実施例では、(不溶性の担体15上に固定した)捕 獲成分10’”は、一例としてプローブ44’である僅かに一つのプローブの一 領域に対して相補的である。第二プローブ50’(検出器プローブと呼ばれる) は標識成分52’で標識付けされており、プローブ40’の一領域に対して相補 的である。図4の上側の反応スキームに示されるように、複数の未結紮のプロー ブ44’は捕獲成分10”’に交雑するが、標識を付されておらず、そのため検 出されない。結紮されなかったプローブ40’は洗い流される。図4の下側の反 応スキームが示すように、プローブ40’及び44’の結紮生成物45’は捕獲 成分10”’に結合し、検出器プローブ50’は結紮生成物45’の領域47に 交雑するため、結紮された生成物のみが検出される。選択に応じて採用できる二 重鎖結合リガンドの結合部位30”’も示されている。 当業者であれば、本発明の捕獲成分を用いて標的の核酸を検出する際にその他 のスキームも可能であることは明白であろう。例えば、標的核酸を捕獲成分との 交雑の前又は後に増幅して感受性を高めることができる。 本発明に基づいて標的核酸の捕獲成分への結合を検出するには、数多くの標識 が有用である。当業において公知の方法には、放射性同位体(例えば32P)、蛍 光標識、酵素(例えば比色法で用いることのできるアルカリ性リン酸分解酵素及 びカラシペルオキシダーゼ)、抗体、化学発光、生物発光、等々の使用がある。 ある好適な実施例では、比色法を用いて捕獲成分に対する標的のストランドの結 合を検出する。前述したように、標識は所望の検出方法に応じて捕獲成分、標的 核酸、又は第二プローブに付着させることができる。いくつかの実施例では捕獲 成分への標的のストランドの結合はクロマトグラフィ法又は電気泳動法により検 出することができるが、これは好ましくない。 本発明の方法は手でも簡単に行うことができるが、自動化装置を用いた使用に も容易に適合するものである。例えば、マルチウェル皿と共に用いられる、自動 化したピペット操作及び自動化したプレート・読み取り器を用いることで複数の 分析を平行して行うことのできるロボット・ワークステーションを利用すること ができる(後述する例5でより詳細に説明する)。このように、ある好適な実施 例では、本発明の方法を自動化装置を用いて行う。自動化装置の利用により、一 つ又はそれ以上の標的核酸配列について、単一又は複数の試料の分析を迅速かつ 安価に行うことができる。 別の態様によれば、本発明は反応混合液を特徴とする。好適な実施例では、反 応混合液には以下、固定したヘアピン、固体又は不溶性の担体、固定していない ヘアピン、標的核酸のストランド、配列特異的二重鎖結合リガンド、非配列特異 的二重鎖結合リガンド、共有結合を生じない又は切断させない二重鎖結合リガン ド、二重鎖変性剤、標準物質のうち、一つ又はそれ以上が含まれる。好適な実施 例では、反応混合液は溶液である。 別の態様では、本発明は標的核酸を検出するための器具を特徴とする。好適な 実施例では、器具には以下、固定したヘアピン、固定していないヘアピン、固体 又は不溶性の担体、標準物質、配列特異的二重鎖結合リガンド、非配列特異的二 重鎖結合リガンド、共有結合を生じない又は切断させない二重鎖結合リガンド、 二重鎖変性剤、使用上の注意書のうち、一つ又はそれ以上が含まれる。ここで用 いられる「標準物質」とは、捕獲成分の一本鎖領域に概ね相補的であるよう予め 選択される核酸のストランドである。 例証 例1 核酸ヘアピン捕獲部分が、二重鎖結合リガンド及び二重鎖変性剤の様々な状態 で「切断」オリゴヌクレオチドと完全なオリゴヌクレオチドを識別する能力をテ ストするため、以下の実験を行なった。 放射性同位元素で標織付けした13merプローブ1(「切断」プローブ)5 ’−CAGCG CGTTT TAG−3’(配列同定番号第3番)及び17me rプローブ2(「非切断」プローブ)5’−CAGCG CGTTT TAGCT TA−3’(配列同定番号第4番)を市販のオリゴヌクレオチドシンセザイザ ー(Applied Bisosystems ABI-380B)において標準的なプロトコルによって合成し た。固定した核酸ヘアピンは次の方法で得た。200μlのBN緩衝剤(1Mの NaCl/1mMのEDTA/0.025%のトリトン−X 100/10mM のTris HCl,PH7.5)中の1mgの予め洗浄したストレプタビジン で覆われた磁気ビード(ダイナル社より入手可能)を、500ピコモルのビオチ ニル処理したヘアピンと共に1時間室温にてゆっくり回転させつつインキュベー トした。このビオチニル処理したヘアピンは、以下の構造を備えていた。 このヘアピン及びプローブは、相補的プローブとこのヘアピンの交雑が二重鎖 結合リガンドのアクチノマイシンDに対する結合部位を形成するように選択され た(例えば、5’−AGCT−3’)。これらのビードは、その後BN緩衝剤で 3回洗浄し、付着されていないヘアピンを除去した。放射性同位元素で標織付け し たビオチニル処理したヘアピンを用いた別の実験によって、約20%(200ピ コモル)のヘアピンがこれらのビードに結合することが確認された。 それぞれの実験用に、固定されたヘアピン(一回の実験に対して約2ピコモル のヘアピン)と共に20μgのビードを、20,000CPM(約2fmol) 20μリットルのBN緩衝剤中で1時間インキュベートした。これらのビードは 、その後尿素及び/又はアクチノマイシンDを様々な濃度(図5を参照のこと) で含む緩衝剤で3回洗浄した。これらのビードは、その後で磁石を使って緩衝剤 から取り除いた。シンチレーションカウンタでのビード、混合緩衝剤、及び洗浄 物のチェレンコフ計数により、パーセント結合をCPM(ビード)/[CPM( ビード)+CPM(緩衝剤)]として計算できた。 その結果を図5に示す。二重鎖変性剤(尿素)の濃度が高くなるにつれ、結合 したオリゴヌクレオチドの量が減ることが予想通り明らかになった(図5A)。 重要なことに、「非切断」17merの結合は、「切断」13merの結合より 急激に下降しており、切断オリゴヌクレオチドと非切断オリゴヌクレオチドの識 別が、二重鎖変性剤が高濃度の場合に向上することである。尿素濃度が一定の場 合では、アクチノマイシンD(二重鎖結合リガンド)の量を増加させると、切断 オリゴヌクレオチド及び非切断オリゴヌクレオチドの結合が増加し、これら二つ のオリゴヌクレオチドの識別が低下する(図5B)。これも予想されていた結果 だった。最後に、図5Cには、尿素濃度を変化させつつアクチノマイシンDの濃 度を一定に保つ場合の効果を示す。この数値は、これらの条件におけるオリゴヌ クレオチド識別は約8Mの尿素の際に最も高くなることを示している。 これらの結果から、切断オリゴヌクレオチドと非切断オリゴヌクレオチドの識 別が可能であり、且つ識別の程度は二重鎖結合リガンド又は二重鎖変性剤の濃度 を変化させることで調節可能であることを明確に示している。 例2 洗浄緩衝塩の濃度がオリゴヌクレオチド結合に与える影響、及びヘアピン部分 が相補的オリゴヌクレオチドと非相補的オリゴヌクレオチドを識別する能力を、 以下の実験でテストした。 13merプローブ1(配列同定番号第3番)、17merプローブ2(配列 同定番号第4番)及び核酸ヘアピン捕獲部分を、例1と同様の方法で用意した。 非相補的20mer5’−TTATA ATTAA CCGGT ATATA−3 ’(配列同定番号第6番)を自動DNAシンセザイザーによって標準的な方法で 合成した。ビードが段々塩分濃度を低くした洗浄緩衝剤で3回洗浄した点以外は (1回目の洗浄緩衝剤は1MのNaCl、2回目の洗浄緩衝剤は0.1MのNa Cl、3回目の洗浄緩衝剤は0.01MのNaCl)結合実験は上述と同様に行 われた。これらの洗浄緩衝剤は何れも尿素やアクチノマイシンDを含ませなかっ た。 洗浄緩衝塩の濃度を変化させることが相補的/非相補的オリゴヌクレオチド識 別に与える影響は、図6に示す。最初の洗浄の後、高い塩の濃度において相補的 オリゴヌクレオチドの結合は期待通り最も高く、17merは、ヘアピン捕獲部 分に効果的に結合できないと共に二重鎖形成を不安定化する4つの塩基セグメン トを備えている。より低い塩度でのその後の洗浄で、これらオリゴヌクレオチド がある程度取り除かれたが、相補的オリゴヌクレオチドと非相補的オリゴヌクレ オチドの識別は向上した。この識別向上は、非相補的オリゴヌクレオチドの結合 が大幅に減少する一方、相補的オリゴヌクレオチドの結合は僅かしか減少しなか ったためである。塩の濃度が1Mから0.1Mに減少すると、相補的13mer と17merの識別も向上する。低塩度洗浄の後でも、約70%の相補的ストラ ンドが、捕獲ヘアピンへの結合を維持する。 この実験の結果は、例1の実験結果と合せて考えると、(洗浄緩衝剤中の)塩 の濃度、二重鎖結合リガンド、及び二重鎖変性剤の濃度を操作することで、最適 な感度又は最適な選択性(識別)、又は感度と選択性のバランスが得られること を証明している。この実験は、標的のヘアピン部分への結合は比較的激しい洗浄 にも耐えられるほどの強度があることも示している。 例3 捕獲部分が相補的標的ストランドと非相補的ストランドを識別する能力を以下 の実験でテストした。又、標的ストランドに対する張出した「尾」の影響もテス トした。 実験1で使用したヘアピン捕獲部分は、次の3つのオリゴヌクレオチドの内の 1つと共にインキュベートされた。そのオリゴヌクレオチドとは、13mer相 補的ストランド(配列同定番号第3番)22mer相補的ストランド5’−GG CGT TAACC AGCGC GTTTT AG−3’(配列同定番号第7番) 及び非相補的26merストランド5’−TACCG GAAGG AATTC TTCGT GCATC A−3’(配列同定番号第8番)である。これらの実験 は、例1に説明されたように行われた。これらのプローブは幾つかのコピー数で テストされた。その結果を図7に示す。 図7A及び図7Bに示したように、相補的ストランド(対になっていない9塩 基の「尾」を持つ13mer及び22mer)は、捕獲ヘアピンによく結合する 。この結果から、9merの「尾」(これは捕獲ヘアピンの「幹」の部分、つま り細胞内二重鎖領域にあまり近くはない)は、標的結合効率に対して殆ど影響を 及ぼさないことを示している(これは、例2の「非切断」プローブとは対照的で 、これは捕獲部分の幹に近い位置に対になっていない端部を持ち、かなり不安定 化された)。26mer非相補的プローブは、予想通り、捕獲部分には殆ど結合 しなかった(2%未満)(図7C参照)。これらの結果は、捕獲部分が標的配列 と非標的配列を効率的に識別できることを実証している。 例4 捕獲部分が結紮反応生成物を捕獲し、検出する能力を以下の実験でテストした 。 非標的配列は、大腸菌rhsA遺伝子に対応する32mer5’−ATTTT TTGCA AATTT TTATT TGCCC GAGTA TA−3’(配列 同定番号第9番)であった。生成物に相補的なこれら2つのプローブ(プローブ 1(17mer)とプローブ2(15mer))を下に示す。 プローブ1は、通常のキナシング(kinasing)プロトコルにしたがって32Pを用 いて5’−燐酸化された。結紮反応は、超小型遠心分離管内で、緩衝剤(50m MのTris−HCl,PH7.8、10mMのMgCl2、10mMのジチオ スレイトル、25μg/mlのウシ血清アルブミン、1mMのATP)中で0. 1nmolのプローブ2と20,000CPMのプローブ1(約1fmol)を 用いて行われた(合計で20μlとなる)。標的の濃度は1μMから1fMまで 10段階で変化させた。試料は、37度で2乃至4時間インキュベートした。リ ガーゼは摂氏90度まで5分間加熱して焼還され、その後室温まで冷やされた。 T4リガーゼ(400ユニット)が加えられ(ゼロ酵素の対照試料は除く)、更 に試料は摂氏90度まで5分間加熱して不活性化された。 その後、20μlのBN緩衝剤中の20μgのストレプタビジンで被覆した磁 気マイクロビードを結紮反応混合物に加えた。ビードは、下に示すビオチニル処 理したヘアピン捕獲部分で前もって誘導(derivatize)しておいた。 ビードは、全体で約4ピコモルの固定されたヘアピン捕獲部分を備えていた。 これらの試料は、静かに回転させつつ室温で20乃至30分インキュベートし、 その後緩衝剤から磁石を用いて分離し、BN緩衝剤で3回洗浄した。生成物はポ リアクリルアミドゲル電気泳動によって分離した。フィルムは24時間露光した 。ヘアピン捕獲部分によって処理していない対照試料も分析した。 結果を図8乃至9に示す。図8の下のパネルには、ヘアピン捕獲部分によって 処理する以前の反応混合物(対照混合物)のバンドパターンが示されている。低 いバンドは、未反応プローブで、主な上方のバンドは結紮生成物である。大きい コピー数の小さいバンドはアーチファクトである。結紮生成物は、標的の104 複本に見ることができる。図8の上方のパネルには、捕獲部分に結合した反応混 合物のバンドパターンが示されている。結紮されていないプローブは殆ど見られ ず、 結紮生成物に関する本システムの高い選択性を実証している。更に、本システム の感受性は、対照混合物(下のパネル)におけると殆ど同じであって、標的のコ ピー数104乃至105(上方のパネルの幾つかのレーンに見られる粒状のパター ンは無関係なアーチファクトである)である。大きい標的コピー数では、ヘアピ ンに捕獲された結紮生成物の量は、減っていることに注目されたい。これは標的 が多く存在し、これが結紮生成物に関して競合することに起因すると考えられる 。 図9は、T4リガーゼを800ユニット用いて行われた類似の実験を示す。結 果は図8と似たものとなった。下のパネルの「109」と印されたレーンは、欠 陥のある実験から得られたものである。 例5 この例では、複数の標的核酸配列を得るための試料の自動選別用の複数の竪穴 を備えたプレートの使用を説明する。 ビオチニル処理したDNAヘアピンを例1に記載された方法で合成する。1つ のDNAヘアピン配列を、対象となる各標的配列毎に合成する。例えば、嚢胞性 の繊維症の選別には、異なる突然変異に対応し、更にその病気に特徴的な幾つか の配列が使われることになる。 96の竪穴を備えたプレートの各竪穴は、例えばミラーの米国特許第5,37 4,524号に記載されているようなストレプタビジンで被覆され、一つの配列 の複数のビオチニル処理したヘアピンが各竪穴に固定される。固定されていない ヘアピンは、緩衝剤で洗浄して取り除かれ、更に準備された96の竪穴を備えた プレートをロボットワークステーション内に置く。このワークステーションは、 各竪穴に対して100μlの緩衝剤を加えるようにプログラムされている。緩衝 剤は、尿素(5M)及びアクチノマイシンD(400μM)を含んでいる。緩衝 剤の付加の後は、試料DNAの溶液を10μl加える。これらの96竪穴プレー トは、室温で1時間インキュベートし、その反応混合物は自動ピペットで各竪穴 から取り出す。これらの竪穴は固定されていないDNAを取り除くため緩衝剤を 用いて3度洗浄する。その後に、2次プローブ(標的配列の領域に相補的であり 、且つ周知の方法でアルカリホスファターゼの共有接合によって標識付けられた もの) を含んだ溶液を加える。試料は再度インキュベートし、交雑しないプローブは除 去する。竪穴は緩衝剤で洗浄し、その後にBCIP(5−ブロモ−4−クロロ− 3−インドリルホスフェート)とNBT(ニトロブルーテトラゾリウム)の溶液 で処理する。試料DNAを結合するヘアピンを持つ竪穴は、公知のプレートリー ダーで読むことができる青色を帯びる。 このアッセイは、迅速で、個別的で、通常の機器を用い、更に如何なる所望の 標的核酸を検出する目的にも改造できる。 例6 ヘアピン捕獲部分が単一塩基不適合を識別する能力が、次の実験によってテス トされた。 例1の結合ヘアピン(配列同定番号第5番)を用いて、例1の整合プローブ( 配列同定番号第3番)及び図10に示した様に3’−末端塩基がC,A又はTで あることを除いては整合プローブと同一の不適合プローブを捕獲した。実験条件 は例1と同じであった。結果は図11に示すが、これは温度の関数として融解し た二重鎖の部分を表している。 図11に示したように、標的ストランドの3’−末端塩基でA又はTを置換す ると、標的捕獲部分二重鎖の溶解温度がかなり低下する。よって、標的内の単一 塩基不適合を識別することが可能である。興味深いことに、標的の3’−末端塩 基でCを置換しても、この場合はこの二重鎖の溶解温度は低下しない。 本分野の技能を備えた者であれば、本発明のここで説明された実施例の同等物 を、通常の実験を行なって、理解し特定することは可能なはずである。こうした 同等物は、本発明の範囲内にあると考えられ、以下の特許請求の範囲で網羅する ことが意図されている。 全ての引用された文献及びここで説明した特許の応用例は、ここに言及して編 入する。 これ以外の実施例は次の特許請求の範囲に入る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ファルダス ブライアン デー. アメリカ合衆国 01754 マサチューセッ ツ州 メイナード、ベルビューテラス 4

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.標的となる一本鎖核酸配列と核酸捕獲部分の交雑を促進する方法であって 、 a) 末端塩基及び隣接する一本鎖領域を備えた二本鎖領域を持つ単分子 核酸捕獲部分を提供し、この二本鎖領域の末端塩基は二重鎖結合リガンドの結合 部位の全て又は部分であり、この一本鎖領域は前記標的核酸と交雑することが可 能であり、 b) 前記標的一本鎖核酸と、前記核酸捕獲部分と、二重鎖結合リガンド とを含む反応混合物を、前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分が交雑できる条 件で形成し、 c) 前記二重鎖結合リガンドが形成された分子間二重鎖を結合するよう に、前記標的一本鎖核酸を前記核酸捕獲部分と交雑させる段階からなり、 よって、前記一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分の交雑が促進される、方法。 2.前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分の一本鎖領域によって形成される 二重鎖の第1塩基対は、前記二重鎖結合リガンドの結合部位の一部を符号化する 、請求項1に記載の方法。 3.前記核酸捕獲部分は核酸ヘアピンを含む、請求項1に記載の方法。 4.前記核酸捕獲部分は固体の支持体に結合される、請求項1に記載の方法。 5.前記核酸捕獲部分の末端塩基と前記標的一本鎖核酸の末端塩基との間の塩 基が重なった状態は前記分子間二重鎖の安定性を増加させる、請求項1に記載の 方法。 6.標的となる一本鎖核酸配列を検出する方法であって、 a) A−B−C−D構造を含む核酸捕獲部分を提供し、 Aが核酸配列であり、 B及びDが、互いに交雑して分子内二重鎖を形成する能力が有る核酸配列 で、 Cは、リンカであり、 Aは、標的一本鎖核酸配列に対して実質的に相補的であり、 b) 前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分とを含む反応混合物を、前 記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分が交雑できる条件で形成し、 c)前記標的核酸と前記核酸捕獲部分との交雑が存在するか、存在しない かを検出する段階からなり、 よって、前記標的一本鎖核酸が検出される、方法。 7.Dの末端塩基は二重鎖結合リガンドの結合部位の全て又は部分を含む、請 求項6に記載の方法。 8.前記反応混合物は、二重鎖結合リガンドを更に含む、請求項6に記載の方 法。 9.前記核酸捕獲部分は不溶性の支持体上に固定される、請求項6に記載の方 法。 10.前記二重鎖結合リガンドは如何なる二重鎖も共有結合的に変更しない、 請求項8に記載の方法。 11.前記核酸捕獲部分の末端塩基と前記標的一本鎖核酸の末端塩基との間の 塩基が重なった状態は前記分子間二重鎖の安定性を増加させる、請求項6に記載 の方法。 12.標的となる一本鎖核酸配列を検出する方法であって、 a) A−B−C−D構造を含む核酸捕獲部分を提供し、 Aが核酸配列であり、 B及びDが、互いに交雑して分子内二重鎖を形成する能力がある核酸配列 で、 Cは、リンカであり、 Aは、標的一本鎖核酸配列に対して実質的に相補的であり、 b) 前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分とを含む反応混合物を、前 記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分が交雑して、分子間二重鎖を形成できる条 件で形成し、この分子間二重鎖は二重鎖結合リガンドの結合部位を含み、 c)前記標的核酸と前記核酸捕獲部分との交雑が存在するか、存在しない かを検出する段階からなり、 よって、前記標的一本鎖核酸が検出される、方法。 13.前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分との交雑は、ニックのある二重 鎖を形成する、請求項12に記載の方法。 14.前記二重鎖結合リガンドの結合部位はニックを含ない、請求項12に記 載の方法。 15.前記反応混合物は、二重鎖結合リガンドを更に含む、請求項12に記載 の方法。 16.前記二重鎖結合リガンドは配列特異的である、請求項15に記載の方法 。 17.前記二重鎖結合リガンドは如何なる二重鎖も共有結合的に変更しない、 請求項15に記載の方法。 18.前記核酸捕獲部分の末端塩基と前記標的一本鎖核酸の末端塩基との間の 塩基が重なった状態は前記分子間二重鎖の安定性を増加させる、請求項12に記 載の方法。 19.A−B−C−D構造を含む核酸捕獲部分であって、 Aが核酸配列であり、 B及びDが、互いに交雑して分子内二重鎖を形成する能力がある核酸配列 で、 Cは、リンカであり、 前記核酸捕獲部分は固体の支持体に結合されている、核酸捕獲部分。 20.Aは標的核酸配列に対して実質的に相補的である、請求項19に記載の 核酸捕獲部分。 21.前記核酸捕獲部分の末端塩基と前記標的一本鎖核酸の末端塩基との間の 塩基が重なった状態は分子間二重鎖の安定性を増加させる、請求項19に記載の 核酸捕獲部分。 22.前記標的核酸配列と前記核酸捕獲部分との交雑により形成される二重鎖 が、所定の二重鎖結合リガンドに対する結合部位を含むように前記核酸捕獲部分 を選択する、請求項19に記載の核酸捕獲部分。 23.標的となる一本鎖核酸配列と核酸捕獲部分の交雑を促進する方法であっ て、 a) 二本鎖領域及び隣接する一本鎖領域を持つ単分子核酸捕獲部分を提 供し、この一本鎖領域は前記標的核酸と交雑する能力があり、 b) 前記標的一本鎖核酸と、前記核酸捕獲部分と、二重鎖結合リガンド とを含む反応混合物を、前記標的一本鎖核酸と前記核酸捕獲部分が交雑できる条 件で形成し、 c) 分子間二重鎖を形成するように、前記標的一本鎖核酸を前記核酸捕 獲部分と交雑させ、この分子間二重鎖は二重鎖結合リガンドの結合部位を含み、 それにより二重鎖結合リガンドが二重鎖結合リガンドの結合部位に結合する、段 階からなり、 よって、前記標的一本鎖核酸配列と前記核酸捕獲部分の交雑が促進される 、方法。 24.前記核酸捕獲部分は、核酸ヘアピンを含む、請求項23に記載の方法。 25.前記核酸捕獲部分は固体の支持体に結合される、請求項23に記載の方 法。 26.前記二重鎖結合リガンドは如何なる二重鎖も共有結合的に変更しない、 請求項23に記載の方法。 27.前記二重鎖結合リガンドの結合部位はニックを含ない、請求項23に記 載の方法。 28.前記核酸捕獲部分の末端塩基と前記標的一本鎖核酸の末端塩基との間の 塩基が重なった状態は前記分子間二重鎖の安定性を増加させる、請求項23に記 載の方法。 29.反応混合物であって、 固定されたヘアピンと、 不溶性の支持体と、 標的核酸と、を含む反応混合物。 30.前記標的核酸配列の前記ヘアピンとの交雑により形成される二重鎖が、 所定の二重鎖結合リガンドに対する結合部位を含むように、前記ヘアピンが選択 される、請求項29に記載の反応混合物。 31.前記反応混合物は二重鎖結合リガンドを更に含む、請求項29に記載の 反応混合物。 32.前記二重鎖結合リガンドは、配列特異的である、請求項30に記載の反 応混合物。 33.標的核酸の検出用のキットであって、 固定されたヘアピンと、 不溶性の支持体と、 核酸標準物質とを含むキット。 34.二重鎖結合リガンドを更に含む、請求項33に記載のキット。
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