JP4118913B2 - 乳化重合用界面活性剤、当該界面活性剤を用いたポリマーエマルジョン組成物、当該組成物を含む繊維用フロック接着剤 - Google Patents

乳化重合用界面活性剤、当該界面活性剤を用いたポリマーエマルジョン組成物、当該組成物を含む繊維用フロック接着剤 Download PDF

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Description

本発明は、凝集物の生成量が少なく、重合安定性及び機械的安定性が良好である、乳化重合用界面活性剤、この乳化重合用界面活性剤を含むビニル系ポリマーエマルジョン組成物、このビニル系ポリマーエマルジョン組成物を含む繊維用フロック接着剤、およびこの繊維用フロック接着剤を用いてフロック加工することを特徴とするフロック加工布の製造方法に関するものである。
従来の有機溶剤型で使用されていた塗料、インキ、シーラント及び接着剤等は、環境への負荷の低減及び溶剤型組成物に一般に見られる揮発性有機化合物(VOC)による健康障害の低減のため、水性組成物、特に乳化重合組成物への置き換えが進んでいる。
この乳化重合組成物は、溶剤型組成物に期待される性能基準を満たすか超えるものでなければならない。このような性能基準を満たすか超えることが必要であるので、乳化重合組成物に使用される水性ポリマー組成物の特性及び性質が重要視され、その後の分散安定剤としても効力を発揮する乳化重合用界面活性剤組成物の性能や物性は、前記性能基準に大きな影響を与えることが知られている。
アクリルエステルやスチレン等のビニル系モノマーの乳化重合には様々な乳化重合用界面活性剤を用いることができ、その応用目的にかなった性質を与える界面活性剤が選択される。一般的に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤は、それぞれ負及び正の電荷をもつ小粒子径のポリマーエマルジョンを与えるのに対して、ノニオン界面活性剤は、電気的にほとんど中性の大粒子径のポリマーエマルジョンを与える。実用的には、カチオン界面活性剤が使用されることはまれであり、多くの場合、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤を単独もしくは併用して用いられる。アニオン界面活性剤を用いたポリマーエマルジョンは、生成したポリマーの重合安定性、機械的安定性に優れているが、化学的安定性が悪く、泡立ちが多い為、特に泡を嫌う分野では、ノニオン界面活性剤が使用されてきた。しかしながら、ノニオン界面活性剤を用いたポリマーエマルジョンは、化学的安定性、凍結安定性、低泡性に優れているが、生成したポリマーの貯蔵安定性、機械的安定性が十分とは言えず、すべての性能において満足させるものではなかった。
ノニオン界面活性剤を乳化重合用界面活性剤として用いる際、ノニオン界面活性剤のHLBと生成したポリマーエマルジョンの粒子径、重合安定性、機械安定性、貯蔵安定性とは、密な関係にあり、一般的にノニオン界面活性剤のHLBが増加するともに、生成したポリマーエマルジョンの粒子径は小さくなるが、重合安定性、機械安定性、貯蔵安定性が低下する傾向にある。上記のような欠点は、ノニオン界面活性剤の使用量を増加することにより解消されるが、ノニオン界面活性剤の使用量が多すぎると、ポリマーエマルジョンを製膜させたり、接着剤として用いたときに耐水性や堅牢度及び透明性の低下や物理強度の低下を招く欠点があり、改良が待たれていた。
したがって、本発明は、従来技術の上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、反応器内部に付着する付着物や、凝集物の生成量を低減でき、乳化重合中のポリマーエマルジョンの安定性及び生成したポリマーエマルジョンの重合安定性、機械的安定性に優れ、泡立ちが少なく、平均粒子径が小さいビニル系ポリマーエマルジョン組成物を得るための乳化重合用界面活性剤、このようなビニル系ポリマーエマルジョン組成物、このポリマーエマルジョン組成物を用いた繊維用フロック接着剤、および当該繊維用フロック接着剤を用いてフロック加工することを特徴としたフロック加工布の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、特定の乳化重合用界面活性剤を乳化重合に用いることにより、反応器内部に付着する付着物や、凝集物の生成量が少なく、乳化重合中のポリマーエマルジョンの安定性及び生成したポリマーエマルジョンの重合安定性、機械的安定性に優れ、泡立ちが少なく、平均粒子径が小さい乳化重合用界面活性剤を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(I):
−O−(AO)−R (I)
式中、Rは、炭素原子数1〜24の分岐もしくは直鎖のアルキル基、炭素原子数1〜24のアリール基、炭素原子数8〜18のアルキル基を含有するアリール基を表し、Aは、低級アルキレン基を表し、AOで表されるオキシアルキレン基の種類は1種類または2種類以上であってもよく、Rは、水素原子もしくは炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、およびnは、平均で10〜100である、
で表される18.5〜19.5の親水性親油性バランス(GriffinのHLB)を有する界面活性剤を必須成分として含む、乳化重合用界面活性剤に関するものである。
上記界面活性剤は、RがR(R)CH−(この際、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜22の分岐もしくは直鎖のアルキル基を表す)である一般式(I)で示される第2級アルコールアルコキシレートであることが好ましい。
また、本発明は、上記乳化重合用界面活性剤を含有するビニル系ポリマーエマルジョン組成物に関するものである。
さらに、本発明は、上記ビニル系ポリマーエマルジョン組成物を含有する繊維用フロック接着剤に関するものである。
さらにまた、本発明は、上記繊維用フロック接着剤を用いてフロック加工することを特徴とするフロック加工布の製造方法に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一は、下記一般式(I):
−O−(AO)−R (I)
で表される18.5〜19.5の親水性親油性バランス(GriffinのHLB)を有する界面活性剤を必須成分として含む乳化重合用界面活性剤にに関するものである。本発明において、界面活性剤の親水性親油性バランス(GriffinのHLB)は、好ましくは18.6〜19.0、より好ましくは18.8〜19.0である。この際、HLBが18.5未満であると、乳化重合がうまく進行せず、反応器内部に付着する付着物や、凝集物の生成量が増加し、また、同じ添加量の乳化重合用界面活性剤で比較すると、生成したポリマーエマルジョンの粒子径が大きくなるため、同程度の粒径にするためには、乳化重合用界面活性剤を多量に使用する必要があり、乳化重合用界面活性剤を多量に使用すると、ポリマーエマルジョンを製膜させたり、接着剤として用いたときに耐水性や堅牢度及び透明性の低下や物理強度の低下を招く。逆に、HLBが19.5を超えると、乳化重合時の凝集物生成量が増加し、生成したポリマーエマルジョンの重合安定性、機械安定性が低下する。なお、本明細書において、「親水性親油性バランス(GriffinのHLB)(以下、単に「HLB」ともいう)」は、下記式(2)で表されるGriffinのHLB計算方法を用いて算出された値を意味する。
HLB=20×(1−W/W) (2)
上記式(2)において、Wは、界面活性剤中の疎水基の分子量であり、また、Wは、界面活性剤全体の分子量である。
本発明に用いられる乳化重合用界面活性剤は、上述したように、一般式(I)で表される化合物を必須成分として含むが、一般式(I)中のRは、炭素原子数1〜24、好ましくは8〜18、より好ましくは、10〜14の分岐もしくは直鎖のアルキル基、炭素原子数1〜24、好ましくは8〜18、より好ましくは10〜14のアリール基、炭素原子数8〜18、好ましくは10〜14、より好ましくは12〜14のアルキル基を含有するアリール基を表す。この際、置換基Rの炭素原子数が適切な範囲でないと、乳化重合がうまく進行せず、反応器内部に付着する付着物及び凝集物生成量が増加し、かつ、得られるポリマーエマルジョンの重合安定性及び機械安定性の低下する等の問題が生じる。これに対して、置換基Rの炭素原子数を上記したような範囲内にすることによって、乳化重合を効率よく進行させ、反応器内部に付着する付着物及び凝集物生成量の生成を抑制・防止し、さらに得られるポリマーエマルジョンの重合安定性及び機械安定性を保持することができる。
上記Rのうち、炭素原子数1〜24の分岐もしくは直鎖のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、2−エチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシルなどが挙げられる。また、炭素原子数1〜24のアリール基としては、フェニル、ベンジル、フェネチル、o−,m−若しくはp−トリル、2,3−若しくは2,4−キシリル、メシチル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、ビフェニリル、ベンズヒドリル、トリチル、ピレニルなどが挙げられる。さらに、炭素原子数8〜18のアルキル基を含有するアリール基としては、o,m,p−トリル、o,m,p−フェニルエチル、フェネチル、キシリル、o,m,p−クメニル、o,m,p−シメニル、o,p,m−メンタニル、メシチル、ジフェニルメチルなどが挙げられる。
これらのうち、Rは、分岐鎖を有するものが好ましく、より好ましくは分岐のアルキル基、最も好ましくは、式:R(R)CH−で示される第2級アルキル基である。この際、本発明による界面活性剤は、一般式(I)において、Rが、R(R)CH−である一般式(I)で示される第2級アルコールアルコキシレートとなる。このように第2級アルコールアルコキシレートを必須の界面活性剤成分として乳化重合用界面活性剤に用いることにより、他の乳化重合用界面活性剤に比べて、少量の添加量でモノマーを十分に分散できるため、同じ添加量で比較すると、乳化重合時の反応器内部に付着する付着物や、凝集物の生成量をさらに抑制でき、小粒子径のポリマーエマルジョンを生成できるとともに、このポリマーエマルジョンをフロック加工用接着剤組成物として用いた繊維用フロック加工品の耐水性や堅牢度及び透明性が向上し、かつ、風合いが向上することが可能である。上記式において、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜22の、分岐もしくは直鎖の、好ましくは直鎖のアルキル基を表し、Rの炭素原子数とRの炭素原子数の合計は、1〜23、好ましくは7〜17、より好ましくは9〜13である。具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、2−エチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシルなどが挙げられる。
上記Rが式:R(R)CH−で示される第2級アルキル基である、即ち、本発明による界面活性剤が第2級アルコールアルコキシレートである特に好ましい態様において、第2級アルコールアルコキシレート中のオキシアルキレン基(一般式(I)中の−(AO)−)の付加位置は、アルキル基末端の炭素から数えたオキシアルキレン基の付加位置で表され、例えば炭素原子数12の第2級アルコールアルコキシレートならば2,3,4,5,6の位置が存在する。好ましいオキシアルキレン基の付加位置分布としては、単一付加位置成分の最大量が25重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。これは、第2級アルコールアルコキシレート中のオキシアルキレン基の付加位置がほぼ均等に付加していることを示し、このオキシアルキレン基の付加位置を均等にすることにより、乳化重合時のモノマーの分散性及びモノマー粒子の重合安定性が向上し、反応器内部に付着する付着物及び凝集物の生成量が抑制でき、かつ、このポリマーエマルジョンを用いた繊維用フロック加工品の風合いが向上する等、乳化重合用界面活性剤としての有用性を高める上で有用な要件といえる。
前記一般式(I)中、Aは、低級アルキレン基を表し、好ましくは炭素原子数2〜8、より好ましくは炭素原子数2〜4の低級アルキレン基を表わす。この際、Aが炭素原子数9以上のアルキレン基である場合には、製造コストが高くなり、疎水性が強すぎて乳化重合がうまく進行せず、反応器内部に付着する付着物及び凝集物の生成量が増加したり、生成したポリマーエマルジョンの重合安定性及び機械安定性が低下する要因となるおそれがあるため好ましくない。従って、AOで表されるオキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシヘキシレン基、オキシヘプチレン基、オキシオクチレン基、およびオキシフェニルエチレン等が挙げられ、好ましくは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基およびオキシブチレン基、より好ましくは、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基である。また、上記一般式(I)中、AOが複数個存在する、即ち、一般式(I)中のnが2以上である場合には、AOで定義されるオキシアルキレン基は、1種類のみで構成されていてもよいほか、2種類以上で構成されていてもよい。オキシアルキレン基が2種類以上で構成される場合には、2種類以上のオキシアルキレン基がランダムに配置されていてもよく、それぞれがブロックで配置されていてもよい。例えば、オキシエチレン基の長鎖の一部がオキシプロピレン基であるとした構成であってもよい。
上記一般式(I)中のnは、一般式(I)の界面活性剤中に存在するオキシアルキレン基の平均の個数を示し、平均で10〜100、好ましくは60〜90である。この際、nが100を超える場合には、乳化重合時の凝集物の生成量が増加し、生成したポリマーエマルジョンの重合安定性や機械安定性が低下するおそれがあるなど好ましくない。逆に、nが10未満であると、乳化重合がうまく進行せず、反応器内部に付着する付着物や凝集物の生成量が増加するおそれがある、あるいは同じ界面活性剤添加で比較すると、生成したポリマーエマルジョンの粒子が大きくなるため、同程度の粒径にするためには、乳化重合用界面活性剤を多量に使用する必要があるが、乳化重合用界面活性剤を多量に使用すると、ポリマーエマルジョンを製膜させたり、接着剤として用いた際に、耐水性や堅牢度、さらには透明度が低下したり、物理強度の低下を招くおそれがあるなどやはり好ましくない。また、このAOの付加モル数nを変化させることで所望のモノマーの分散性、疎水性などをコントロールできるため、所望の特性や使用用途に応じてnの範囲を適宜決定するのがより好ましい。なお、nが2以上の場合には、AOで表されるオキシアルキレン基の種類は1種類または2種類以上であってもよく、該オキシアルキレン基が2種類以上の場合には、各種オキシアルキレン基が全体で平均n個あるものとする。
上記一般式(I)において、Rは、水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基若しくはイソプロピル基)を表し、好ましくはメチル基またはエチル基である。
本発明による一般式(I)の界面活性剤の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を単独であるいは組み合わせて使用することができる。以下に、本発明の好ましい態様である第2級アルコールアルコキシレートの製造方法について詳述する。例えば、C12〜14第2級アルコール(日本触媒(株)製、商品名:ソフタノール−A)にアルキレンオキサイドを付加すれば良い。このアルキレンオキサイドの付加方法としては、例えば、上記の第2級アルコールを反応温度50〜200℃、反応圧力を常圧〜20kg/cmの範囲の条件下でアルキレンオキサイドと反応させることにより目的の第2級アルコールアルコキシレートを得ることができる。上記反応温度が50℃未満の場合には、分解及び副生成物の増加は抑制できるが、反応速度が遅くなる。他方、200℃を越える場合には、反応速度は速くなるが、分解および副生成物の増加が起こるなど好ましくない。また、上記の第2級アルコールにアルキレンオキサイドを付加する際に、BF3等の酸触媒、NaOH、KOH等のアルカリ触媒を用いても良い。この酸触媒、アルカリ触媒は、粉末でも、顆粒状でも、さらには水溶液として添加してもよい。
本発明の乳化重合用界面活性剤は、上記の一般式(I)の界面活性剤を1種類若しくは2種類以上のみから構成されてもよいほか、これをその他の乳化重合用界面活性剤とを組み合わせて構成されてもよい。例えば、HLB18.5以上の第2級アルコールアルコキシレートとHLB18.5以下のノニオン界面活性剤を組み合わせても良く、HLB18.5以上の第2級アルコールアルコキシレートと陰イオン界面活性剤とを組み合わせても良い。用いられる乳化重合用界面活性剤としては、特に制限がなく、例えば、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセライド等の脂肪酸エステルが挙げられ、その他に界面活性剤の構造中に官能基を有した反応性界面活性剤を用いても良い。これらのうち特に好ましいのはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテルである。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキル硫酸エステル塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。上記したような他の界面活性剤(ノニオン界面活性剤および/または陰イオン界面活性剤)は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよく、また、2種類以上を組み合わせる場合の割合は、特に制限はなく、実質上支障のない範囲において組み合わせることができる。特に乳化重合がうまく進行しないため、反応器内部に付着する付着物及び凝集物生成量の抑制、生成したポリマーエマルジョンの重合安定性、機械安定性等の性能を向上させる上で本発明以外の他の乳化重合用界面活性剤を配合するのが好ましい。この場合の本発明による一般式(I)の界面活性剤は、乳化重合用界面活性剤組成物中に、好ましくは70重量%以上の範囲、より好ましくは80重量%以上の範囲で含有させることが好適である。
本発明の第二は、本発明の乳化重合用界面活性剤を含有するビニル系ポリマーエマルジョン組成物である。
本発明のポリマーエマルジョン組成物中の乳化重合用界面活性剤の添加量は、ポリマーエマルジョン組成物全量に対して、好ましくは0.1〜10.0重量%の範囲、より好ましくは1.0〜5.0重量%の範囲である。この乳化重合用界面活性剤の添加量が適切な範囲でないと、反応器内部に付着する付着物及び凝集物生成量が増加し、生成したポリマーエマルジョンの粒子径が大きくなり、重合安定性、機械安定性、モノマー収率が低下する傾向にある。
本発明のポリマーエマルジョン組成物を構成するビニル系モノマーとしては、特に制限がなく、公知のビニル系モノマーが使用できる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジメチルアミノスチレン、ニトロスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニルモノマー;臭化ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデンモノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステルモノマー;エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン系モノマー;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチルエチル、アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、2−アクリルアミド、アクリルニトリル、(メタ)アクリルニトリル、ジエチルフマレートなどが挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、2−アクリルアミド、スチレンが好ましく使用され、特に、(メタ)アクリル酸エステルを用いるのが好ましい。
本発明の乳化重合に用いる重合開始剤としては、重合を促進する触媒ならすべて使用でき、特に制限はなく、一般的な過酸化物やアゾ系開始剤、酸化剤と還元剤とを併用したレドックス系重合開始剤を使用することができ、レドックス系重合開始剤を用いることが好適である。レドックス系重合開始剤として用いられる酸化剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニア、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素等が挙げられ、また、還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム、アスコロビン酸、ヒドロジン等が挙げられる。特に過硫酸塩と亜硫酸塩とを組み合わせたレドックス系重合開始剤を用いるのが好適である。
また、本発明の乳化重合用界面活性剤以外に重合安定剤として、ポリビニルアルコール、α−メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリウレタン化合物等の保護コロイドを併用しても良い。上記の保護コロイドを用いることにより、重合安定性、機械安定性が向上するからである。
本発明のビニル系モノマーの乳化重合方法は、本発明に係わる乳化重合用界面活性剤(組成物を含む)を用いて、乳化重合を行う方法であり、乳化重合の方法としては、モノマー添加法、エマルジョン添加法、シード重合法等の一般的な乳化重合方法を用いることができる。モノマー滴下時の反応温度は、重合開始剤の分解温度によって調整されるが、−10℃〜150℃の範囲、好ましくは、30〜70℃、より好ましくは、40〜60℃である。反応温度が高すぎると、凝集物の生成量が増加し、また、発熱により温度制御が難しくなる傾向にある。重合反応時間は、反応温度等の他の条件に左右され、特に制限はないが、通常、3〜6時間である。
本発明で得られるポリマーエマルジョン組成物における凝集物の生成量は、配合したポリマーエマルジョン組成物の総量に対して、好ましくは、1.0重量%以下、より好ましくは、0.5重量%以下である。凝集物生成量が1.0重量%を超えると、生成した凝集物を取り除く作業が必要となるうえに、凝集物の廃棄等のコストがかかるため、生産面においてあまり思わしくない傾向にあるからである。
本発明で得られるポリマーエマルジョンの平均粒子径は、好ましくは、150nm以下、より好ましくは10〜150nm、さらにより好ましくは10〜100nm、特に好ましくは20〜100nmである。得られるポリマーエマルジョンの平均粒子径が150nmを超えると、ポリマーエマルジョン中の粒子が凝集、沈降しやすくなるため、反応器内部に付着する付着物及び凝集物生成量が増加し、また、得られるポリマーエマルジョンの重合安定性が低下する傾向にあるからである。
本発明のポリマーエマルジョン組成物は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂として用いることが出来、フィルム、成型物、塗料、シートラミネート、ゴム接着剤、化粧合板、フラッシュパネル、雑貨、小物、壁材、工業用資材等の各分野での使用も可能であり、不織布用接着剤としても効果がある。特に本発明により得られたポリマーエマルジョン組成物を繊維用フロック接着剤に用いることにより、堅牢度及び風合いに優れた繊維用フロック加工品を得ることができる。したがって、本発明の第三は、本発明のビニル系ポリマーエマルジョン組成物を含有する繊維用フロック接着剤である。
このようなフロック加工品としては、オーバーコート、ブレザーコート、手袋、帽子、マフラー等の衣料用フロック加工品、植毛カーペット、マット、カーテン、クッション、はきもの外皮等の資材用フロック加工品、人形、玩具、袋物、ホース、電線等の雑貨用加工品が挙げられ、用いられるフロック用接着剤としては、本発明の繊維用フロック接着剤に加えて、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アクリル系エマルジョン、合成ゴムラテックス等の公知のフロック加工用接着剤を併用してもよい。
上記のポリマーエマルジョン組成物を用いて繊維用フロック加工品を製造する方法としては、特に制限がなく、一般的な方法を用いて製造することができる。例えば、カルボキシル基を有するアクリル系エマルジョンの場合、アンモニア等のアルカリ剤を添加して増粘させる。必要により、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等の熱硬化樹脂及び硬化促進剤を使用しても良い。ポリ酢酸ビニルエマルジョンも上記のアクリル系エマルジョンと同様に、熱硬化樹脂及び硬化促進剤を用いて増粘させるが、それ以外に、常温成膜性、初期接着性を向上させるうえで、ジブチルフタレート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、メチルフタリルメチルグリコレート、ポリエチレングリコールアジペート等の可逆剤を添加する。また、合成ゴムラテックスの場合、ロジン、エステルガム、テルペン樹脂、石油系樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等の粘着剤、ポリブテン、ポリイソブチレン共重合体、ポリビニルイソブチルエーテル重合物、ラノリン等の軟化剤、フェニル・−ナフチルアミン、メルカプトベンゾイミダゾール、ブチルヒドロキノン等の老化防止剤を加え、目的の粘度へ調整するのが好ましい。このようにして得られた増粘エマルジョンを織物上にコーターにて一定の割合で塗布し、直ちに電気植毛し、乾燥硬化後、余剰のパイルを除去することで、堅牢度及び風合いに優れたフロック加工品を得ることができる。
以下、本発明の内容を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、例中に特に断わりのない限り、「%」は、重量基準とする。また、エチレンオキサイドはEO、プロピレンオキサイドはPOの略で示す。
合成例1
アクリル酸ブチル100.0g、アクリル酸メチル40.0g及びアクリル酸4.0gを混合して、アクリレート混合物を調製した。500mlセパラフラスコに、イオン交換水226.9g、アクリレート混合物14.4g、表1に記載した各非イオン界面活性剤(A−1)〜(A−9)、(B−1)〜(B−8)を同じく表1に記載した配合量で加え、200rpmの回転数で攪拌しながら、30分間窒素を吹き込んだ。その後、窒素雰囲気下で攪拌しながら、過硫酸カリウム0.03g、亜硫酸ナトリウム0.02gを加え、内温を55℃まで昇温し、そのままの温度を保持した。次に、内温が55℃で一定になったら、残りのアクリレート混合物129.6gを180分、4%過硫酸カリウム水溶液12.4g及び4%亜硫酸ナトリウム水溶液8.7gをともに200分で滴下した。滴下終了後、40分間、フラスコ内の温度を55℃に保ち、反応を完結させた後、室温まで冷却し、反応終了後の乳化重合液を100メッシュの金網上でろ過し、目的のポリマーエマルジョン組成物[実施例(1)〜(8)、比較例(1)〜(7)]を得た。得られたポリマーエマルジョンである実施例(1)〜(8)、比較例(1)〜(7)について、凝集物生成量、重合率、重合安定性、平均粒子径、機械安定性、起泡性、繊維用フロック加工試験、ラミネーション試験を行った。その結果を表3及び4に記載した。
Figure 0004118913
合成例2
スチレン120.0g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル16.0g及び2−アクリルアミド4.0gを混合して、モノマー混合物を調製した。500mlセパラフラスコに、イオン交換水235.7g、モノマー混合物14.4g、表2に記載した各非イオン界面活性剤(A−9)〜(A−15)、(B−9)〜(B−11)を同じく表2に記載した配合量で加え、200rpmの回転数で攪拌しながら、30分間窒素を吹き込んだ。その後、窒素雰囲気下で攪拌しながら、過硫酸カリウム0.03gを加え、内温を80℃まで昇温し、そのままの温度を保持した。次に、内温が80℃で一定になったら、残りのモノマー混合物129.6gを180分、4%過硫酸カリウム水溶液12.5g及びを200分で滴下した。滴下終了後、40分間、フラスコ内の温度を80℃に保ち、反応を完結させた後、室温まで冷却し、反応終了後の乳化重合液を100メッシュの金網上でろ過し、目的のポリマーエマルジョン 実施例(9)〜(15)、比較例(9)〜(11)を得た。得られたポリマーエマルジョンである実施例(9)〜(15)、比較例(9)〜(11)の各ポリマーエマルジョンについて、合成例1と同様にして、凝集物生成量、重合率、重合安定性、平均粒子径、機械安定性、起泡性、塗料バインダー試験を行った。その結果を表5及び6に記載した。
Figure 0004118913
なお、上記表1及び2に記載の第2級アルコールエトキシレートは、炭素数C 2〜14のアルキル基を有するものであり、炭素数C12〜14の割合は、C12:C13:C14=1:2:1、第1級アルコールは、炭素数C12、C14のアルキル基を有するものであり、炭素数C12、C14の割合は、C12:C14=8:2である。
なお、上記合成例1及び2における特性は、それぞれ、以下のようにして評価・測定した。
(凝集物生成量)
上記のポリマーエマルジョンを100メッシュの金網上でろ過し、次いで、攪拌羽、温調、反応器に付着した付着物をはがし取り、同様にろ過した。軽く水洗した後、80℃で4時間乾燥し、質量を測定して、配合したポリマーエマルジョンの総量に対する質量%を求めた。
(重合率)
得られたポリマーエマルジョンをガスクロマトグラフィー法[ガスクロマトグラム:島津GC−17A カラム:GL Sciences Inc.社製、NEUTRA BOND−1(長さ;30m内径;0.53mm膜厚;2.0μm)、温度条件;初期温度50℃(5分保持)、昇温速度10℃/min、最終温度350℃(40分保持)、試料打ち込み量:1μLの条件]で分析し、得られたチャートの面積比から各モノマーの含有量を求め、配合したモノマー重量より、重合率を計算した。
(重合安定性)
得られたポリマーエマルジョンを室温で一週間放置した後、100メッシュの金網上でろ過し、軽く水洗後、80℃で4時間乾燥し、質量を測定して、配合したポリマーエマルジョンの総量に対する質量%を求めた。
(平均粒子径)
得られたポリマーエマルジョンについて、ユニオン技研製の動的光散乱法による粒子径測定装置DLS−700を用いて重量平均粒子径を測定した。
(機械安定性)
得られたポリマーエマルジョンを25%アンモニア水にてpH9に中和し、中和したポリマーエマルジョン50gをとり、ホモミキサーにて5000rpm、10分間の条件でせん断試験を行った。試験後のポリマーエマルジョンを100メッシュの金網上にてろ過し、軽く水洗後、80℃で4時間乾燥し、質量を測定して、配合したポリマーエマルジョンの総量に対する質量%を求めた。
(起泡性試験)
得られたポリマーエマルジョン40mlを100mlメスシリンダーに仕込み、100回/分、1分の条件にて振盪試験を行なった。振盪後、メスシリンダーを静置させ、泡の高さを測定した。
(繊維用フロック加工試験)
得られたポリマーエマルジョン100g、メチル化メチロールメラン5g、熱硬化触媒(スミテックスACX)0.5gを混合後、25%アンモニア水にてpHを6.5に調整した。これをコーターにより綿綾布上に0.3mm(250g/m)の割合で塗布し、直ちに電気植毛機械を用いて、電圧30kv、極間10cmで、1.5デニール、0.4mmのレーヨンパイルを植毛した。次に、その綿綾布を乾燥器に入れ、80℃で10分間予備乾燥し、140℃で10分間ベーキングした。乾燥後、温度25℃、湿度70%の恒温恒湿器にて一昼夜放置し、堅牢度、風合い試験を行った。この際、風合い試験の結果を、以下の4つのクラスに分けた。
◎:良好、○:良い、△:普通、×:悪い。
(ラミネーション試験)
得られたポリマーエマルジョン100g、メチル化メチロールメラニン5g、熱硬化触媒(スミテックスACX)0.5gを混合後、25%アンモニア水にてpHを6.5に調整した。続いて、ウェットラミネーション装置を用いて、紙/アルミニウムに2g/mの割合で塗布し、150m/分の速度でラミネーションを行い、得られた複合フィルムの180℃剥離強さを試験した。
(塗料バインダー試験)
得られたポリマーエマルジョン300gに顔料として、酸化チタン(ルチン型)200g、バライタ40g、タルク20g、炭酸カルシウム140g、増粘剤として、2%ヒドロキシエチルセルロース水溶液100g、顔料分散剤として、10%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液8gを加え、混合した。得られたエマルジョン塗料をモルタルに塗装し、耐候性、耐洗浄性を試験した。なお、耐候性試験は、6ヶ月間屋外に放置し、塗膜のしわ、われ、ふくれ、はがれ、変色等の劣化を目視で試験した。耐洗浄性については、上記のモルタルを0.5%石鹸水に浸し、3時間煮沸した後、塗面のはがれについて試験を行った。この際、耐候性試験の結果を、以下の3つのクラスに分けた。
○:劣化なし、△:多少の劣化あり、×:劣化あり。
また、耐洗浄性試験の結果を、以下の3つのクラスに分けた。
○:はがれなし、△:多少のはがれあり、×:多量のはがれあり。
Figure 0004118913
Figure 0004118913
Figure 0004118913
Figure 0004118913
上記表3〜6から明らかなように、本発明の乳化重合用界面活性剤を乳化重合に用いることにより、平均粒子径が小さく、反応器内部に付着する付着物及び凝集物の生成量を低減でき、かつ、重合安定性、機械安定性に優れたポリマーエマルジョン組成物が得られるとともに、このポリマーエマルジョン組成物を含有した繊維用フロック接着剤をフロック加工布に用いることにより、堅牢度及び風合いに優れたフロック加工製品が得られる。また、本発明のポリマーエマルジョンは、フロック加工布以外にも、フィルム、成型物、塗料、シートラミネート、ゴム接着剤、化粧合板、フラッシュパネル、雑貨、小物、壁材、工業用資材、不織布等の各分野に使用しても効果を発揮する。
本発明の乳化重合用界面活性剤は、ビニル系モノマーの乳化重合に用いても、反応器内部に付着する付着物や凝集物の生成量を抑えられ、乳化重合中のポリマーエマルジョンの安定性及び生成したポリマーエマルジョンの重合安定性を十分保持し、機械的安定性に優れ、泡立ちが少なく、かつ平均粒子径が小さいポリマーエマルジョンが得られる。
また、本発明のポリマーエマルジョン組成物は、繊維用フロック接着剤に公的に使用でき、これにより堅牢度及び風合いに優れた繊維用フロック加工品を得ることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I):
    (R)CH−O−(AO)−R (I)
    式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜22の分岐もしくは直鎖のアルキル基を表し、Aは、低級アルキレン基を表し、AOで表されるオキシアルキレン基の種類は1種類または2種類以上であってもよく、Rは、水素原子もしくは炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、およびnは、平均で10〜100である、
    で表される18.5〜19.5の親水性親油性バランス(GriffinのHLB)を有する界面活性剤を必須成分として含む、乳化重合用界面活性剤。
  2. 請求項1に記載の乳化重合用界面活性剤を含有するビニル系ポリマーエマルジョン組成物。
  3. 請求項2に記載のビニル系ポリマーエマルジョン組成物を含有する繊維用フロック接着剤。
  4. 請求項3に記載の繊維用フロック接着剤を用いてフロック加工することを特徴とするフロック加工布の製造方法。
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