JPH0912656A - 塩化ビニル系樹脂エマルジョン及びその製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂エマルジョン及びその製造方法

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JPH0912656A
JPH0912656A JP16358995A JP16358995A JPH0912656A JP H0912656 A JPH0912656 A JP H0912656A JP 16358995 A JP16358995 A JP 16358995A JP 16358995 A JP16358995 A JP 16358995A JP H0912656 A JPH0912656 A JP H0912656A
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JP
Japan
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vinyl chloride
polymerization
emulsion
meth
weight
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JP16358995A
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English (en)
Inventor
Hideaki Yoshitomi
英明 吉富
Masayuki Imamura
雅之 今村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐水性、耐透水性、密着性に優れ、且つ、耐薬
品性、耐侯性を合わせ持つエマルジョンを提供すること
及びその製造方法を提供することにある。 【構成】塩化ビニル30〜80重量%及び(メタ)アク
リル酸アルキルエステルの1種または2種以上20〜7
0重量%よりなる重合体粒子であって、該重合体粒子が
内部(コア)と外層部(シェル)を有し、塩化ビニルと
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの重量比が、該
コアでは90:10〜50:50であり、該シェルでは
0:100〜40:60とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂エマ
ルジョン及びその製造方法に関する。より詳細には、造
膜性、耐水性、透水性、密着性に優れた各種塗装用の塩
化ビニル系樹脂エマルション及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニルを主体とする合成樹脂
エマルジョンは、塗料に使用され、耐水性、耐薬品性、
耐溶剤性等に優れ且つ、機械的強度が高い塗膜が得られ
るという利点を有している。しかしながら、塩化ビニル
系樹脂エマルジョンの塗料から得られる塗膜は、ガラス
転位温度(以下「Tg」と言う。)が高く耐熱性は高い
が、造膜温度が高く、その被膜の柔軟性は劣るという欠
点があった。これらの不都合を改善する方法として古く
から塩化ビニル樹脂を他の重合性単量体と共重合させる
ことが開示されている。例えば、特開昭49−1129
90号公報、特開昭51−74081号公報では、アク
リル酸アルキルエステル、酢酸ビニル系単量体との共重
合が、特開昭60−15471号公報では、アクリル酸
エステルのような不飽和モノカルボン酸のエステルの単
量体との共重合が開示されている。
【0003】しかし最近、塗料に対してより高度な信頼
性が要求されている。例えば、セメント、モルタル等を
原料とする無機系建材塗料、セメント/木材複合系建材
用塗料、各種塗料の下塗り塗料等においては、特に、耐
水性、透水性、密着性といった特性が重視されているに
も拘らず未だ十分にその目的に応じられない現状にあ
る。
【0004】このような現状から、最近エマルジョン粒
子内部の共重合体成分の構造設計に着目した技術が開示
されている。例えば、特開平3−140306号公報で
は、アクリル系単量体を主体とした成分でコア/シェル
構造を構成する提案がなされている。また、特開平4−
45102号公報ではコアのTgをシェルより低くし造
膜性を改良することが開示ている。しかしながら、得ら
れる塗膜の耐水性、透水性、密着性は十分ではなく、む
しろ低下する傾向にある。
【0005】一方、コアが相対的にシェルより堅いまた
はTgの高い材料からなる構成の開示もなされている。
また、特開昭63−22812号公報では多段重合にて
シェルがコアより柔らかい塗料用のエマルションが開示
されている。特開平5−117344号公報も同様にシ
ェルがコアより柔らかい構成で低い温度での造膜性を容
易にした技術が開示されている。しかし、造膜性と耐ブ
ロッキング性、密着性の向上あるが、透水性は未だ十分
ではない。
【0006】その他、特開平5−179092号公報で
はコア/シェル構造ではなく、多相構造を内在するエマ
ルジョンが提案されているが、耐水性、透水性はやはり
十分ではない。
【0007】これまでは、上記エマルジョン系水性塗料
では透水性が改善できないと考えられており、従来技術
でのコア/シェル構造設計も主としてガラス転位温度の
限定に留まり、本質的な耐水性機能を具備した塩化ビニ
ル樹脂の粒子設計という視点からの技術開示はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事実
に鑑みなされたものであって、その目的とするところは
耐水性、耐透水性、密着性に優れ、且つ、従来の塩化ビ
ニル系樹脂エマルジョンが具備する耐薬品性、耐侯性を
合わせ持つエマルジョンを提供すること及びその製造方
法を提供することにある。これによりセメント、モルタ
ル等を原料とする無機系建材塗料、セメント/木材複合
系建材用塗料、各種塗装の下塗塗料に好ましいエマルジ
ョンが提供できる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、特に耐水性、
耐透水性、密着性に優れた塗膜を形成し得る塗料用塩化
ビニル系樹脂エマルジョンを開発すべく鋭意研究を重ね
た末、実用的に満足しうる望ましいエマルジョンを見い
出すと共に、そのエマルジョンの製造方法においても容
易に実施しうるものとした。
【0010】本発明の重合体粒子は、塩化ビニル30〜
80重量%及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
1種または2種以上20〜70重量%よりなる重合体粒
子であって、該重合体粒子が内部(コア)と外層部(シ
ェル)を有し、塩化ビニルと(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルとの重量比が、該コアでは90:10〜5
0:50であり、該シェルでは0:100〜40:60
であることを特徴とする。
【0011】本発明の2の重合体粒子は、コアが25〜
95重量%、シェルが5〜75重量%とされる本発明の
重合体粒子である。
【0012】本発明の3のエマルジョンの製造方法は、
(イ)塩化ビニル50〜90重量%及び(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルの1種または2種以上10〜50
重量%の混合単量体を乳化重合し、次いで(ロ)塩化ビ
ニル0〜55重量%及び(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの1種または2種以上45〜100重量%の混合
単量体であってかつ塩化ビニルの含有量が混合単量体
(イ)より少ない混合単量体を乳化重合することを特徴
とする。
【0013】本発明で使用される塩化ビニルの含有量
は、少なくなると得られる塗膜の耐水性、耐薬品性、難
燃性等の優れた特性が発揮されず、多くなると本質的に
得られる重合体粒子のガラス転位温度の上昇により造膜
性が低下して緻密な塗膜が得られず、その膜も堅く、塗
料用として好ましいものではなくなるので、重合体粒子
の平均として30〜80重量%に限定される。
【0014】本発明において使用される(メタ)アクリ
ルエステル(ロ)としては、例えば、メタルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリ
レート、n−オクチルアクリレート、i−アクチルアク
リレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルア
クリレート、n−ノニルアクリレート、i−ノニルアク
リレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアク
リレート、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフ
リルアクリレート等の単官能アクリレート及びそれらの
メタアクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレー
ト等の2官能アクリレート及びそれらのメタアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリ
レート及びそれらのメタアクリレート等が挙げられる。
【0015】本発明で使用される(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルは1種のみで使用されてもよいが2種以
上が使用されてもよく、その含有量は、少なくなると塗
料としたとき成膜性が低下して緻密な塗膜が得られず、
多くなると得られる塗膜の耐水性や耐薬品性等の優れた
特性が発揮されないので塗料として好ましいもので重合
体粒子平均として20〜70重量%に限定される。
【0016】本発明の重合体粒子は、多段または逐次添
加乳化重合して得られる重合体粒子であって、該重合体
粒子が内部(コア)と外層部(シェル)を有し、塩化ビ
ニルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの重量比
が、該コアでは90:10〜50:50であり、該シェ
ルでは0:100〜40:60である。
【0017】上記多段または逐次添加乳化重合は、塩化
ビニル及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを 予
め別の重合槽で重合しておき得られた重合体粒子上に別
の反応槽で新たに乳化重合反応を開始しても良い。ま
た、複数の重合槽を連続的に設置し多段(マルチステー
ジ)重合を行うかまたは、塩化ビニル及び(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを逐次添加ないしは半連続的フ
ィードして重合する。傾斜形粒子を形成するのによく利
用されるパワーフィード重合でもよく、例えば、特公昭
51−46555号公報に開示されている。
【0018】本発明の重合体粒子はコアとシェルが連続
的な傾斜形粒子の場合であってもよく、このような場合
は、重合体粒子の中心部分から重合体粒子の25重量
%、95重量%となるそれぞれの半径での塩化ビニル含
有量をそれぞれコア、シェルの塩化ビニル含有量とす
る。
【0019】上記コアの塩化ビニルの含有量、少なくな
ったり、多くなると耐水性、耐透水性が得られなくな
る。
【0020】本発明において、乳化重合の重合開始剤は
通常、乳化重合に使用されるものが使え、例えば、過硫
酸、過ほう酸のアンモニウム、ナトリウム、カリウム塩
や、過酸化水素水の他、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルに代
表されるアゾ系が好適に用いられる。特により好ましい
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム、過酸化水素水が好ましい例である。
【0021】上記乳化重合では、界面活性剤が使用さ
れ、そのような界面活性剤としては、通常乳化重合にお
いて使用されるものが使用でき、例えば、ジアルキルス
ルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル等
のスルホン酸塩類、アルキル硫酸エステル類、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類の硫酸エ
ステル塩類、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等のリン酸エ
ステル塩類等からなるアニオン性界面活性剤、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレングリコール等のエーテル系界面活性剤、グリセ
リン脂肪酸部分エステル、ソルビタン脂肪酸部分エステ
ル、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル等のエス
テル系界面活性剤等からなる非イオン性界面活性剤が挙
げられる。
【0022】上記乳化重合では、各種の物質を重合段階
のあらゆる段階で混合あるいは添加することは、本発明
の主旨を逸脱しない範囲で実施してよい。例えば、溶
剤、可塑剤、増粘剤、pH調整剤、分散剤、湿潤剤、泡
消剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、凍結防止剤、レベリ
ング剤等が使用できる。上記添加剤は、重合反応開始前
もしくは重合反応中に添加してもよく、また、重合完了
後でもよい。
【0023】本発明の重合体粒子は、重合後分離してあ
るいは分離せずにエマルジョンとして塗料の主成分とす
ることができる。
【0024】本発明の2の重合体粒子は、コアが25〜
95重量%、シェルが5〜75重量%からなる重合体粒
子である。
【0025】上記重合体粒子は、コアが少なくなると、
コア/シェル構造としての必要な機能を発揮できず、特
にコアに含まれる(メタ)アクリル酸アルキルエステル
の連続層の形成が妨げられて、透水性が著しく損なわれ
ので、多くなるとシェルが少なすぎて、透水性は満足し
うるが、造膜性や密着性が十分でなくなるためコア25
〜95重量%、シェルが5〜75重量%に限定される。
【0026】上記コアの塩化ビニルの含有量は、少なく
なると透水性が悪化し、多くなるとコアとシェル間の密
着性が低下し、得られる塗膜強度等が低下するので、塩
化ビニル30〜80重量%及び(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの1種または2種以上20〜70重量%よ
りなる重合体粒子であって、該重合体粒子が内部(コ
ア)と外層部(シェル)を有し、塩化ビニルと(メタ)
アクリル酸アルキルエステルとの重量比が、該コアでは
90:10〜50:50であり、該シェルでは0:10
0〜40:60である。より好ましくは、70:30〜
45:55である。該シェルに塩化ビニルが含有されな
い場合であっても、対応するコアが粒子形状を保持する
ものであれば、同様の効果が得られる。
【0027】上記シェルの塩化ビニルの含有量は、少な
くなるとシェル力学強度が低下するため、多くなると造
膜性が低下するための、重量比は0:100〜40:6
0である。塩化ビニルを含有しなくともよいが、好まし
くは10:90〜40:60である。
【0028】本発明の2で用いられる(メタ)アクリル
酸アルキルエステルは本発明で用いられると同様のもの
が用いられる。
【0029】本発明の2において、多段または逐次添加
乳化重合は本発明で用いられると同様の方法である。
【0030】本発明の2の重合体粒子は重合後分離して
あるいは分離せずにエマルジョンとして塗料の主成分と
することができる。
【0031】本発明の3は、(イ)塩化ビニル50〜9
0重量%及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1
種または2種以上10〜50重量%の混合単量体を乳化
重合し、次いで(ロ)塩化ビニル0〜55重量%及び
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種または2種
以上45〜100重量%の混合単量体であってかつ塩化
ビニルの含有量が混合単量体(イ)より少ない混合単量
体を乳化重合する。
【0032】上記塩化ビニル50〜90重量%及び(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの1種または2種以上
10〜50重量%の混合単量体(イ)を、乳化重合(以
下「コアの乳化重合」と言う。)しコアを生成し、塩化
ビニル0〜55重量%及び(メタ)アクリル酸アルキル
エステルの1種または2種以上45〜100重量%の混
合単量体であってかつ塩化ビニルの含有量が混合単量体
(イ)より少ない混合単量体(ロ)を乳化重合(以下
「シェルの乳化重合」と言う。)し上記コア上にシェル
を形成し、エマルジョンが製造される。
【0033】上記コアの乳化重合は、予め混合単量体
(イ)を別の重合槽により重合して脱水し、重合体粒子
を分離し、別の反応槽に投入し、混合単量体(ロ)を上
記重合体粒子上で新たに乳化重合反応を開始しても良
い。
【0034】また、複数の重合槽を連続的に設置し多段
(マルチステージ)重合をおこなってもよい。逐次添加
ないしは半連続的フィード重合でもよいが、傾斜形粒子
を形成するのによく利用されるパワーフィード重合でも
よい。これらの技術は古くから知られており、例えば、
特公昭51−46555号公報にその例が示されてい
る。
【0035】上記乳化重合に用いられる、重合開始剤、
分散剤、その他の添加剤は本発明と同様の物が使用でき
る。
【0036】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。尚、以下
「部」とあるのは「重量部」を意味する。
【0037】(実施例1)内容積が10リッターの撹拌
機付きステンレス製重合器に、水2.2kg、過硫酸カ
リウム7.2g、炭酸水素ナトリウム19gを投入し
た。一方、別の撹拌器付きステンレス製重合器(以下
「添加タンクA」と言う。)に、塩化ビニル1.8k
g、アクリル酸n−ブチル0.9kg、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル(HLB=17)54
g、水1.5kgを乳化して、乳化液(以下「モノマー
乳化液A」と言う。)を作成した。
【0038】また、別の撹拌器付きステンレス製重合器
(以下「添加タンクB」と言う。)では、アクリル酸n
−ブチル0.9kg、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル(HLB=19)18g、水0.7kgを
乳化して乳化液(以下「モノマー乳化液B」という。を
作成した。
【0039】重合操作は以下の通り行った。重合器内温
を70℃に昇温した後、モノマー乳化液Aを連続的に3
時間掛けて重合器中に滴下した。この時、重合中の器内
圧は、4.2kg/cm2 (G)(「G」は大気圧を0
kg/cm2 とした時の圧力である。)であった。滴下
終了後、器内圧が急激に降下し、1時間後に0.5kg
/cm2 (G)となったところで、モノマー乳化液Bの
滴下を開始した。モノマー乳化液Bの滴下は3時間掛け
て連続的に行った。この時、重合中に内圧降下を続け0
kg/cm2 (G)となった。滴下終了後さらに1時
間、重合を継続した後、冷却し重合を停止した。
【0040】(比較例1)内容積が10リッターの撹拌
機付きステンレス製重合器に、水2.2kg、過硫酸カ
リウム7.2g、炭酸水素ナトリウム19gを投入し
た。一方、別の撹拌器付きステンレス製重合器(添加タ
ンクC)に、塩化ビニルモノマー1.8kg、アクリル
酸n−ブチル1.8kg、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル(HLB=17)72g、水2.2k
gを乳化して、乳化液(モノマー乳化液C)を作成す
る。
【0041】重合操作としては、重合器内を70℃に昇
温した後、モノマー乳化液Cを連続的に6時間掛けて重
合器中に滴下した。この時の重合器内圧は、3.7kg
/cm2 (G)であった。滴下終了後、器内圧が0kg
/cm2(G)となった後、さらに1時間、重合を継続
した後、冷却し重合を停止した。
【0042】(実施例2)内容積が10リッターの撹拌
機付きステンレス製重合器に、水2.2kg、過硫酸カ
リウム7.2g、炭酸水素ナトリウム19gを投入し
た。一方、別の撹拌器付きステンレス製重合器(添加タ
ンクD)に、塩化ビニルモノマー0.72kg、アクリ
ル酸n−ブチル0.72kg、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル硫酸ナトリウム22g、水0.88
kgを乳化して、乳化液(モノマー乳化液D)を作成す
る。
【0043】また、別の撹拌器付きステンレス製重合器
(添加タンクE)では、塩化ビニルモノマー0.36k
g、アクリル酸2−エチルヘキシル1.8kg、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム3
2g、水1.32kgを乳化して乳化液(モノマー乳化
液E)を作成した。
【0044】重合操作は以下の通り行った。重合内温を
70℃に昇温した後、モノマー乳化液Dを連続的に3時
間掛けて重合器中に滴下した。この時、重合中の器内圧
は、3.5kg/cm2 (G)であった。滴下終了後、
器内圧が急激に降下し、1時間後に0.5kg/cm2
(G)となったところで、モノマー乳化液Eの滴下を開
始した。モノマー乳化液Eの滴下は3時間掛けて連続的
に行った。この時、重合器内圧は2.2kg/cm
2 (G)であった。滴下終了後、内圧が0kg/cm2
(G)となった後さらに1時間、重合を継続した後、冷
却し重合を停止した。
【0045】(比較例2)内容積が10リッターの撹拌
機付きステンレス製重合器に、水2.2kg、過硫酸カ
リウム7.2g、炭酸水素ナトリウム19gを投入し
た。一方、別の撹拌器付きステンレス製重合器(添加タ
ンクF)に、塩化ビニルモノマー1.08kg、アクリ
ル酸n−ブチル0.72kg、アクリル酸2−エチルヘ
キシル1.8kg、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル硫酸ナトリウム27g、水2.2kgを乳化し
て、乳化液(モノマー乳化液F)を作成する。重合操作
としては、重合器内を70℃に昇温した後、モノマー乳
化液Fを連続的に6時間掛けて重合器中に滴下した。こ
の時の重合器内圧は、2.4kg/cm2 (G)であっ
た。滴下終了後、器内圧が0kg/cm2 (G)となっ
た後、さらに1時間、重合を継続した後、冷却し重合を
停止した。
【0046】(実施例3)内容積が10リッターの撹拌
機付きステンレス製重合器に、水2.2kg、過硫酸カ
リウム7.2g、炭酸水素ナトリウム19gを投入し
た。一方、別の撹拌器付きステンレス製重合器(添加タ
ンクG)に、塩化ビニルモノマー1.8kg、アクリル
酸2−エチルヘキシル0.36kg、ラウリル硫酸ナト
リウム43g、水1.32kgを乳化して、乳化液(モ
ノマー乳化液G)を作成する。また、別の撹拌器付きス
テンレス製重合器(添加タンクH)では、塩化ビニルモ
ノマー0.36kg、アクリル酸イソノニル1.08k
g、ラウリル硫酸ナトリウム29g、水0.88kgを
乳化して乳化液(モノマー乳化液J)を作成した。
【0047】重合操作は以下の通り行った。重合内温を
70℃に昇温した後、モノマー乳化液Gを連続的に3時
間掛けて重合器中に滴下した。この時、重合中の器内圧
は、5.3kg/cm2 (G)であった。滴下終了後、
器内圧が急激に降下し、1時間後に0.5kg/cm2
(G)となったところで、モノマー乳化液Jの滴下を開
始した。モノマー乳化液Jの滴下は3時間掛けて連続的
に行った。この時の重合中の器内圧は2.5kg/cm
2 (G)であった。滴下終了後、器内圧が0kg/cm
2 (G)となった後、さらに1時間、重合を継続した
後、冷却し重合を停止した。
【0048】(比較例3)内容積が10リッターの撹拌
機付きステンレス製重合器に、水2.2kg、過硫酸カ
リウム7.2g、炭酸水素ナトリウム19gを投入す
る。一方、別の撹拌器付きステンレス製重合器(添加タ
ンクK)に、塩化ビニルモノマー0.91Kg、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル1.25Kg、ラウリル硫酸ナ
トリウム43g、水1.32Kgを乳化して、乳化液
(モノマー乳化液K)を作成する。
【0049】また、別の撹拌器付きステンレス製重合器
(添加タンクL)では、塩化ビニルモノマー1.27K
g、アクリル酸イソノニル0.17Kg、ラウリル硫酸
ナトリウム29g、水0.88Kgを乳化して乳化液
(モノマー乳化液L)を作成した。
【0050】重合操作としては、重合器内を70℃に昇
温した後、モノマー乳化液Kを連続的に3時間掛けて重
合器中に滴下した。この時の重合器内圧は、3.2Kg
/cm2 (G)であった。滴下終了後、器内圧が急速に
降下し、1時間後に0.5kg/cm2 (G)となった
ところで、モノマー乳化液Lの滴下を開始した。モノマ
ー乳化液Lの滴下は3時間掛けて連続的に行った。この
時の重合中の器内圧は6.7Kg/cm2 (G)であっ
た。滴下終了後、器内圧が0kg/cm2 (G)となっ
た後、さらに1時間、重合を継続した後、冷却し重合を
停止した。
【0051】(試験片の作製)実施例及び比較例で得ら
れた各々のエマルジョンを、刷毛塗りにて乾燥後の塗膜
の厚さが300μmとなるようにセメントモルタル木材
複合板(三井木材社製、商品名:センチュリーボード
F)に塗布し、23℃、12時間以上乾燥し、試験片と
した。得られた塗膜の性能評価を次の通り実施して、そ
の結果を表1に示した。
【0052】(塗膜の性能評価) 1.透水性:JIS A 6910に準拠して、20
℃、60±2%RHにおいて測定した。塗膜面に受け口
75mmφのロートを逆さまに載置し、ロート受け口の
接触面をシリコンシーラントで水密にシールし、ロート
の脚部より水を注ぎ、脚部を満たす。この状態で24時
間放置し、塗膜に吸収された水の量を測定した。
【0053】2.密着性:JIS K 5400に準拠
し、塗膜の4mm幅基盤目試験を行い、◎:剥離なし、
○:コーナー部に若干の剥がれがある他は剥離なし、
△:20〜50%剥離、X:50%を超える剥離あり、
の4段階の評価を行った。尚、試験に使用した剥離用テ
ープは、セキスイセロハンテープC252(商品名)を
用いた。
【0054】3.最低造膜温度 理学工業社製の「最低造膜温度測定機」SKLH−1を
用いて測定した。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】塩化ビニル系樹脂エマルジョンにおい
て、塩化ビニルと(メタ)アクリル酸エステルの共重合
体を、その粒子構造においてコア/シェル構造を設計し
たので、これにより、共重合体が連続層となり、よって
エマルジョンを使用した塗料等において耐薬品性、耐透
水性が良好で、且つ、造膜性が良好な性能が得られた。
これによりセメント、モルタル等を原料とする無機系建
材塗料、セメント/木材複合系建材用塗料、各種塗装の
下塗塗料に好ましいエマルジョンが提供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル30〜80重量%及び1種また
    は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル20
    〜70重量%よりなる重合体粒子であって、該重合体粒
    子が内部(コア)と外層部(シェル)を有し、塩化ビニ
    ルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの重量比
    が、該コアでは90:10〜50:50であり、該シェ
    ルでは0:100〜40:60であることを特徴とする
    重合体粒子。
  2. 【請求項2】コアが25〜95重量%、シェルが5〜7
    5重量%である請求項1記載の重合体粒子。
  3. 【請求項3】(イ)塩化ビニル50〜90重量%及び1
    種または2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
    ル10〜50重量%の混合単量体を乳化重合し、次いで
    (ロ)塩化ビニル0〜55重量%及び(メタ)アクリル
    酸アルキルエステルの1種または2種以上45〜100
    重量%の混合単量体であってかつ塩化ビニルの含有量が
    混合単量体(イ)より少ない混合単量体を乳化重合する
    ことを特徴とする塩化ビニル系樹脂エマルジョンの製造
    方法。
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