JPH08269114A - 塩化ビニル系樹脂エマルジョンの製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂エマルジョンの製造方法

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JPH08269114A
JPH08269114A JP7861895A JP7861895A JPH08269114A JP H08269114 A JPH08269114 A JP H08269114A JP 7861895 A JP7861895 A JP 7861895A JP 7861895 A JP7861895 A JP 7861895A JP H08269114 A JPH08269114 A JP H08269114A
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vinyl chloride
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acrylate
resin emulsion
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JP7861895A
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Hideaki Yoshitomi
英明 吉富
Kenichi Asahina
研一 朝比奈
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/10Esters
    • C08F220/12Esters of monohydric alcohols or phenols

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐水性、耐薬品性が良好であると共に、優れた
保存安定性、耐候性、耐光性を有する塩化ビニル系樹脂
エマルジョンの製造方法を提供する。 【構成】塩化ビニル単量体(イ)及び(メタ)アクリル
酸アルキルエステル(ロ)からなる重合性単量体の混合
物を乳化重合して塩化ビニル系樹脂エマルジョンを製造
する際に、該重合性単量体を重合開始剤及び乳化剤の存
在下で乳化重合し、その開始段階から該重合性単量体の
平均重合率が90%以上となるまで反応系のpHを5〜
7に保つことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂エマ
ルジョンの製造方法に関し、より詳しくは、保存安定
性、耐光性、耐候性に優れ、各種塗装用に用いられる塩
化ビニル系樹脂エマルジョンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニルを主成分とする合成樹
脂エマルジョンは、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性等に優
れ、且つ、機械的強度が高いという利点がある。しかし
ながら、塩化ビニル系樹脂エマルジョンは、ガラス転移
温度が高いため造膜温度が高くなり、その被膜の柔軟性
も劣るという欠点があった。
【0003】これらの欠点を改善するために、塩化ビニ
ル樹脂を他の共重合性単量体と共重合させる方法が提案
されており、例えば、特開昭49−112990号公報
には、アクリル酸アルキルエステルとの共重合体が、特
開昭51−74081号公報には、酢酸ビニル系単量体
との共重合体が、それぞれ開示されている。また、特開
昭60−15471号公報には、アクリル酸エステルの
ような不飽和モノカルボン酸エステル単量体との共重合
体が提案されている。しかしながら、これらの提案で
は、保存安定性、耐光性、耐候性を十分に満足するエマ
ルジョンが得られなかった。
【0004】上記保存安定性については、粒子径分布の
制御、界面活性剤の添加等、界面化学的な手段による対
策が取られている。
【0005】塩化ビニル系樹脂エマルジョンの重合は、
通常、反応系のpHが1〜4の範囲で進行する。その理
由としては、重合開始剤の分解によって起こるpH低下
と、塩化ビニル重合体の脱塩酸反応から生成する塩酸に
よって起こるpH低下が大きく影響するものと考えられ
ている。従って、このような低pHの原因となるイオン
を含む樹脂をエマルジョンの粒子内部に閉じ込めたまま
重合が進行するので、通常、重合完了後にpHを7〜8
程度に調整している。
【0006】上記の重合過程では反応系のpHが、例え
ば、特開昭49−112990号公報ではpH2.1
に、特開昭51−74081号公報ではpH4.3に、
特開昭60−15471号公報ではpH1.8に低下す
る旨、それぞれ記載されている。これらの例では、重合
完了後にpHを調整する目的で適宜アンモニア等を添加
するが、このような塩基の後添加操作では、エマルジョ
ン粒子の最外層だけが中和され、取り込まれた塩酸がエ
マルジョン粒子に残存し、耐候性や耐光性の低下を促進
するという問題点があった。
【0007】これらの方法に対して、重合開始段階から
pH5以下で重合を進める方法として、例えば、特開昭
60−221468号公報では、pH4〜4.5付近
で、また、特開昭58−39164号公報では、エチレ
ン/スチレン/塩化ビニルの三元共重合体を、pH3.
12〜4.75でそれぞれ重合する方法が示されてい
る。
【0008】さらに、例えば、特開昭47−42939
号公報では、エチレン/塩化ビニル/アクリルの三元共
重合体が示され、pH7〜12での重合が好ましいとさ
れている。また、特開平3−140306号公報では、
アクリル酸エステル重合体をpH8〜13にて加水分解
しエマルジョン粒子内に小孔を設ける方法が開示されて
いるが、好ましい方法ではない。
【0009】また、上記塩化ビニル系樹脂エマルジョン
により優れた耐光性や候性を付与するため、共重合成分
として(メタ)アクリル系単量体が多用されている。塩
化ビニルと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合によ
りエマルジョンを得る場合は、通常、pH1〜4で行わ
れる。反応系におけるpHの差は、エチレンを成分とし
た共重合体では、エチレンが脱塩酸のトラップ材として
の効果があるものとおもわれる。しかし、このような効
果が期待できない塩化ビニルと(メタ)アクリル酸エス
テルとの系では、反応系のエマルジョン粒子の安定化の
ために塩基の添加による調整ができないという問題点が
あった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、耐水性、耐薬
品性が良好であると共に、優れた保存安定性、耐候性、
耐光性を有する塩化ビニル系樹脂エマルジョンの製造方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル系樹
脂エマルジョンの製造方法は、塩化ビニル単量体(イ)
及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル(ロ)からな
る重合性単量体の混合物を乳化重合して塩化ビニル系樹
脂エマルジョンを製造する際に、該重合性単量体を重合
開始剤及び乳化剤の存在下で乳化重合し、その開始段階
から該重合性単量体の平均重合率が90%以上となるま
で反応系のpHを5〜7に保つことを特徴とする。
【0012】上記重合性単量体の混合物において、塩化
ビニル単量体(イ)の含有量は、少なくなると塩化ビニ
ル系樹脂エマルジョンに要求される塗膜の耐水性、耐薬
品性や難燃性が低下し、多くなるとガラス転移点の上昇
により造膜性が低下して緻密な塗膜が得られず、塗膜も
硬くなるので、30〜80重量%に限定される。
【0013】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(ロ)としては、例えば、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso
−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2−ヒドロキシブチルアクリレート、n−オクチルアク
リレート、iso−オクチルアクリレート、2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、n−ノニ
ルアクリレート、iso−ノニルアクリレート、n−デ
シルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、ラウリ
ルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート
等の単官能アクリレート化合物及びこれらのメタクリレ
ート化合物;エチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等の
2官能アクリレート化合物及びこれらのメタクリレート
化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート等の3官能アクリ
レート化合物及びこれらのメタクリレート化合物;その
他、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリ
レート化合物及びこれらのメタクリレート化合物などが
挙げられ、これらは単独で用いられても、2種以上が併
用されてもよい。
【0014】上記重合性単量体の混合物において、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(ロ)の含有量は、少
なくなると得られる塩化ビニル樹脂系エマルジョンの成
膜性が著しく低下し、多くなると塩化ビニル単量体
(イ)の比率が相対的に少なくなり得られる塗膜の耐水
性や耐薬品性等が低下するので、20〜70重量%に限
定される。
【0015】本発明の製造方法では、上記重合性単量体
を重合開始剤及び乳化剤の存在下で乳化重合し、その開
始段階から該重合性単量体の平均重合率が90%以上と
なるまで反応系のpHを5〜7に保つ。
【0016】上記乳化重合としては、一般に知られてい
る乳化重合方法が適用される。上記乳化重合で用いられ
る重合開始剤としては、従来公知の、過硫酸、過ホウ酸
のアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩;過酸化
水素水、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸
化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物な
どが好適に用いられ、好ましくは過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム、過酸化水素水である。
【0017】上記乳化剤としては、アニオン性界面活性
剤、非イオン性界面活性剤などが好適に用いられる。上
記アニオン性界面活性剤としては、ジアルキルスルホコ
ハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルスホフェニルエーテル等のスルホ
ン酸塩類;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩
類;アルキルりん酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテルりん酸エステル塩等のりん酸エステル塩
類などが挙げられる。
【0018】また、上記非イオン性界面活性剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレングリコール等のエーテル系界面活
性剤;グリセリン脂肪酸部分エステル、ソルビタン脂肪
酸部分エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エス
テル等のエステル系界面活性剤が挙げられる。
【0019】上記乳化重合において、塩化ビニル単量体
と(メタ)アクリル酸エステル単量体の平均重合率が9
0%に達するまで、 反応系のpHは5〜7に保たれ
る。pHが5未満では、樹脂内部に少なからず酸性を呈
するイオンが取り込まれるため、特に重合完了後のエマ
ルジョン粒子の長期保存性、耐光性、耐候性が損なわれ
る。pHが7を超えると、重合進行中でのエマルジョン
粒子の安定性が著しく損なわれ、重合中に凝集物が生成
する等、エマルジョンとしての使用ができなくなる。
【0020】上記重合反応の進行に伴い、単量体は重合
の際の連鎖反応物として消費されるが、乳化重合反応を
開始する段階から、塩化ビニル単量体と(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体からなる重合性単量体の平均重合率
が90%に達する前に、pHが上記範囲を外れると、エ
マルジョン粒子中に分岐構造、不飽和結合構造が増加す
るため、耐光性や耐候性に悪影響を及ぼすものと考えら
れ、この異常構造がエマルジョン粒子内の酸性化に何ら
かの作用があるものと考えられている。従って、上記重
合性単量体の平均重合率が95%に達するまでpHが上
記範囲に保たれることがより好ましい。
【0021】反応系のpHを上記範囲に調整するため
に、一般に知られている無機又は有機の塩基性物質が使
用される。このようなpH調整剤としては、重炭酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、一価又は二価のリン酸カリウ
ム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸
ナトリウム、アンモニア等が挙げられ、これらは単独で
使用されても二種以上が併用されてもよい。
【0022】上記pH調整剤を添加する方法としては、
予め反応槽に水と共に仕込む方法、あるいは、乳化重合
として連続的に反応を継続する場合には、その単量体、
重合開始剤、乳化剤、溶媒である水と共に適宜供給して
もよい。
【0023】また、上記pH調整剤のより好ましい添加
方法としては、重合性単量体のうち、塩化ビニル単量体
の重合反応の進行に伴って、pH調整剤の量を次第に増
加させる方法であり、例えば、重合開始剤と塩化ビニル
単量体とを一緒に供給する方法が簡便である。反応槽内
に予め一括添加する方法では、反応系のpHを重合開始
時から重合性単量体の平均重合率が90%以上になるま
で上記範囲に制御することが難しくなる。
【0024】本発明の製造合方法では、必要に応じて、
溶剤、可塑剤、増粘剤、分散剤、湿潤剤、泡消剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、凍結防止剤、レベリング剤等が
塩化ビニル系樹脂エマルジョンの性能を阻害しない範囲
で添加されてもよく、その添加は重合反応開始前、重合
反応中又は重合完了後のいずれの段階で添加されてもよ
い。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)内容積10リットルの攪拌翼を装備したス
テンレス製反応器(A)に水1.4kg及び過硫酸カリ
ウム7gを仕込み真空脱気した後攪拌し、温度60℃ま
で昇温した。さらに、リン酸水素ナトリウム2水和物6
7gとリン酸水素2ナトリウム12水和物154gを添
加して、反応系のpHを6.8に調整した。一方、予め
別の内容積10リットルの攪拌翼を装備したステンレス
製反応器(B)に水2.9kg、ラウリル硫酸ナトリウ
ム0.14g、アクリル酸n−ブチル2.2kg及び塩
化ビニル1.4kgを混合し、乳化液とした。次いで、
反応器(B)の乳化液を、反応器(A)へ連続的に4時
間かけて添加しながら重合反応を行った。添加終了後さ
らに反応反応器(A)のゲージ圧が0kg/cm2 とな
るまで重合を継続して冷却し、均一なエマルジョンを得
た。得られたエマルジョンのpHは6.6であった。
【0026】(比較例1)内容積10リットルの攪拌翼
を装備したステンレス製反応器(A)に水1.4kg及
び過硫酸カリウム7gを仕込み真空脱気した後攪拌し、
温度60℃まで昇温した。この時のpHは4.5であっ
た。一方、予め別の内容積10リットルの攪拌翼を装備
したステンレス製反応器(B)に水2.9kg、ラウリ
ル硫酸ナトリウム0.14g、アクリル酸n−ブチル
2.2kg及び塩化ビニル1.4kgを混合し、乳化液
とした。次いで、反応器(B)の乳化液を、反応器
(A)へ連続的に4時間かけて添加しながら重合反応を
行った。添加終了後さらに反応反応器(A)のゲージ圧
が0kg/cm2 となるまで重合を継続して冷却し、均
一なエマルジョンを得た。得られたエマルジョンのpH
は1.6であった。このエマルジョンにリン酸水素ナト
リウム2水和物67gとリン酸水素2ナトリウム12水
和物154gを添加して、pHを6.6に調整した。
【0027】(実施例2)内容積10リットルの攪拌翼
を装備したステンレス製反応器に、水4kg、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル52g及びアクリ
ル酸2−エチルヘキシル1.3kgを仕込み真空脱気し
た後塩化ビニル1.3kgを添加して混合し温度50℃
まで昇温した。さらに、0.2重量%過硫酸アンモニウ
ムと5重量%アンモニア水溶液が混合された水溶液
(C)0.2kgを、窒素加圧で圧入して重合を開始し
た。次いで、1時間毎に合計6回、水溶液(C)の添加
を繰り返し行いながら重合を継続した。添加終了後さら
に反応反応器のゲージ圧が0kg/cm2 となるまで重
合を継続して冷却し、均一なエマルジョンを得た。得ら
れたエマルジョンは固型分濃度32重量%、pHは5.
7であった。
【0028】(比較例2)内容積10リットルの攪拌翼
を装備したステンレス製反応器に水2.8kg、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル52g、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル1.3kg及び濃度5重量%ア
ンモニア水1.2kgを仕込んだ。この時点の反応系の
pHは9.0であった。次いで、反応系の真空脱気を行
った後塩化ビニル1.3kgを添加して攪拌し温度50
℃まで昇温した。さらに、0.2重量%過硫酸アンモニ
ウム0.2kgを窒素加圧で圧入して重合を開始した。
しかし、1時間重合継続後、異常反応が起こり反応を中
止した。
【0029】(実施例3)内容積10リットルの攪拌翼
を装備したステンレス製反応器(A)に水3.9kg及
び過硫酸カリウム2.6gを仕込み真空脱気した後攪拌
し、温度70℃まで昇温した。一方、予め別の内容積1
0リットルの攪拌翼を装備したステンレス製反応器
(B)に水1.3kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム52g、アクリル酸n−ブチル1kg、塩化ビ
ニル1.6kg及び炭酸水素ナトリム22gを混合し、
乳化液とした。次いで、反応器(B)の乳化液を、反応
器(A)へ連続的に6時間かけて添加しながら重合反応
を行った。添加終了後さらに反応器(A)のゲージ圧が
0kg/cm2 となるまで重合を継続して冷却し、均一
なエマルジョンを得た。得られたエマルジョンのpHは
6.5であった。
【0030】(比較例3)内容積10リットルの攪拌翼
を装備したステンレス製反応器(A)に水3.9kg及
び過硫酸カリウム2.6gを仕込み真空脱気した後攪拌
し、温度70℃まで昇温した。一方、予め別の内容積1
0リットルの攪拌翼を装備したステンレス製反応器
(B)に水1.3kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム52g、アクリル酸n−ブチル1kg及び塩化
ビニル1.6kgを混合し、乳化液とした。次いで、反
応器(B)の乳化液を、反応器(A)へ連続的に6時間
かけて添加しながら重合反応を行った。添加終了後さら
に反応反応器(A)のゲージ圧が0kg/cm2 となる
まで重合を継続して冷却し、均一なエマルジョンを得
た。得られたエマルジョンのpHは1.5であった。こ
のエマルジョンに炭酸水素ナトリウム22gを添加し
て、pHを6.5に調整した。
【0031】(比較例4)アクリル酸n−ブチルと塩化
ビニルの平均重合率が85%に達した時点で反応を停止
させたこと以外は、実施例1と同様にして重合を行い、
pH6.7のエマルジョンを得た。
【0032】塩化ビニル樹脂系エマルジョンの性能評価 各実施例及び比較例で得られた塩化ビニル系樹脂エマル
ジョンにつき、下記の性能評価を行い、その結果を表2
に示した。 (1)pH 堀場製作所製pHメーターを用いて測定した。 (2)平均粒子径 エマルジョン重合終了後24時間放置し、堀場製作所製
レーザー回折式粒度分布計「LA−910」を用いて測
定した。 (3)保存性 エマルジョンを所定の温度で一定期間保存後、エマルジ
ョンの凝集物、沈殿物の有無を肉眼で観察した。 (4)造膜性 試験板として、セメントモルタル木材複合板(三井木材
社製「センチュリボード」)を使用し、刷毛塗りにて乾
燥後の膜厚が300μmとなるように塗布し、80℃で
5分間乾燥した。得られた塗膜の状態を目視観察し、次
の4段階で評価した。◎:外観良好で光沢が高い、○:
外観、光沢共に概ね良好、△:塗膜が若干不十分、×:
塗膜が不十分、塗膜に割れあり (5)耐候性 エマルジョンをキャスティング法により、厚さ1mmの
フィルムを作製し試験片として用いた。この試験片につ
き、JIS K7103に準拠して、サンシャインウェ
ザオメーター(ブラックパネル温度63℃)により黄変
度ΔYI(Yellow Index)を測定した。 (6)平均重合率 塩化ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体
の仕込み量の合計と、重合終了後の固形分濃度から換算
した重合体の重量から平均重合率を算出した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジョン
の製造方法は、上述の構成であり、pH5以上で重合反
応を進めるため、反応器の内面に腐食を防止するための
テフロンコーティングやグラスライニングが不要であ
り、高耐酸SUS鋼を使用する必要もなく、反応器の除
熱が容易となる。また、上記製造方法で得られる塩化ビ
ニル系樹脂エマルジョンは、エマルジョン粒子内部がp
H5〜7に調整されているため長期保存性がよく、塗料
やコーティング材のベース樹脂として使用される場合
は、増粘効果が発揮されるため塗装がし易く、エマルジ
ョン粒子内部に酸性の残渣が少ないので耐光性、耐候性
が優れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)塩化ビニル単量体30〜80重量%
    及び(ロ)(メタ)アクリル酸アルキルエステル20〜
    70重量%からなる重合性単量体の混合物を乳化重合し
    て塩化ビニル系樹脂エマルジョンを製造する際に、該重
    合性単量体を重合開始剤及び乳化剤の存在下で乳化重合
    を開始し、その開始段階から該重合性単量体の平均重合
    率が90%以上となるまで反応系のpHを5〜7に保つ
    ことを特徴とする塩化ビニル系樹脂エマルジョンの製造
    方法。
JP7861895A 1995-04-04 1995-04-04 塩化ビニル系樹脂エマルジョンの製造方法 Pending JPH08269114A (ja)

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