JPH07118599A - 塗料用樹脂、塗料、および建築材料 - Google Patents

塗料用樹脂、塗料、および建築材料

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JPH07118599A
JPH07118599A JP26631393A JP26631393A JPH07118599A JP H07118599 A JPH07118599 A JP H07118599A JP 26631393 A JP26631393 A JP 26631393A JP 26631393 A JP26631393 A JP 26631393A JP H07118599 A JPH07118599 A JP H07118599A
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Yuka Namikawa
由佳 浪川
Ryoji Yamada
亮治 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】セメントおよびコンクリートの炭酸化を防止す
る高い二酸化炭素遮蔽性能と、結露、かび、および凍害
を防止する高い水蒸気透過性能を有する塗料用樹脂およ
び塗料を得る。 【構成】フッ化ビニルの重合単位とビニルアルコールの
重合単位を含む共重合体からなり、該共重合体中のフッ
化ビニルの重合単位が10〜60重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料用樹脂および塗料
に関する。さらに詳しくは、高い水蒸気透過性能と高い
二酸化炭素の遮蔽性能を有する塗膜を形成する塗料用樹
脂および塗料、および該塗料を塗布した建築材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】セメント、モルタルおよびコンクリート
は、空気中の二酸化炭素と接触すると炭酸化による劣化
を生じる。また、鉄筋コンクリートのように鋼材が埋め
込まれている場合には、コンクリートの炭酸化により、
本来アルカリ性であるコンクリートが中性化し、鋼材に
対する腐食防止効果が低下し、鋼材の腐食が起こる。さ
らに鋼材の腐食は、鋼材の体積膨張を生じさせ、コンク
リート自体の破壊を引き起こすこともある。このような
セメント、モルタルおよびコンクリート等を用いた建築
材料および土木材料の劣化を防止する目的で、従来、塗
料が塗布されている。
【0003】従来の建築材料用塗料として、二酸化炭素
を遮蔽し、かつ水蒸気を透過させる性能を有する満足な
塗料は知られていない。例えば、汎用のアクリル系、ウ
レタン系、または塩化ビニル系からなる塗料は、水蒸気
も二酸化炭素も透過させることから、基材の炭酸化を充
分に防止するものではなかった。また、このような塗料
を用いて、基材の炭酸化を防止しようとする場合には、
塗料を大量に用いて塗膜を厚くしなければならない問題
点があった。一方、防水型の塗料である塩化ビニリデン
系等からなる塗料は、二酸化炭素を遮蔽する性質はある
が、水蒸気の透過性が低いために、外壁材に適用した場
合には、建物の内部で発生した水蒸気が塗膜を透過でき
ず、壁の内部で結露し、構造物の劣化を引き起こす問題
点、あるいは、かびの発生などの外見上かつ健康衛生上
好ましくない問題点があった。特に寒冷地では、結露し
た水分が凍結し、基材が膨張、破壊する凍害の問題を引
き起こす欠点があった。
【0004】このような理由から、水蒸気を透過させ、
かつ、二酸化炭素を遮蔽する性能に優れた塗料の開発が
強く望まれている。
【0005】これまでに、水蒸気透過性能と二酸化炭素
遮蔽性能を有する塗料として、ケイソウ土を含有する塗
料(特開平3-287671)や、シリコーン樹脂を含有する塗
料が報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のケイソ
ウ土やシリコーン樹脂を含有する塗料は、ケイソウ土や
シリコーン樹脂の粒子の形状、大きさ等の制御が困難で
あるために、均質な二酸化炭素遮蔽性能や水蒸気透過性
能を得にくいという欠点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の技術の
有する前述の問題点を解決すべくなされた発明である。
すなわち、該塗料を建築材料に塗布した場合に基材の炭
酸化を防止する高い二酸化炭素遮蔽性能と、結露、か
び、および凍害を防止する高い水蒸気透過性能を有し、
かつ、該性能を建築材料に均質に付与できる塗料用樹
脂、および塗料を提供する下記発明である。
【0008】本発明は、フッ化ビニルの重合単位とビニ
ルアルコールの重合単位を含む共重合体からなり、該共
重合体中のフッ化ビニルの重合単位が、10〜60重量
%であることを特徴とする塗料用樹脂を提供する。
【0009】本発明の共重合体は、フッ化ビニルの重合
単位とビニルアルコールの重合単位を含むものである。
共重合体中のフッ化ビニルの重合単位の割合は10〜6
0重量%、好ましくは30〜60重量%がよい。
【0010】また、ビニルアルコールの重合単位の割合
は、40〜90重量%、好ましくは40〜70重量%が
よい。ビニルアルコールの重合単位の割合が低過ぎる
と、高い水蒸気透過性能、および高い二酸化炭素遮蔽性
能が得にくく、一方、高過ぎると塗料とした場合に粘度
が高くなり、塗装する場合の作業性が悪化する恐れがあ
る。
【0011】本発明の共重合体は、他の共重合性の単量
体の重合単位を含んでいてもよい。他の共重合性の単量
体としては、アクリロニトリル、塩化ビニル、エチレン
テレフタレート、塩化ビニリデン等が挙げられるが、水
蒸気透過性能および二酸化炭素遮蔽性能の点で優れた共
重合体が得られることから、特に塩化ビニルが好まし
い。
【0012】他の共重合性の単量体の重合単位を含む場
合の割合は、共重合体中の10〜80重量%程度、好ま
しくは10〜30重量%程度がよい。
【0013】上記共重合体は、乳化重合法、溶液重合
法、懸濁重合法、グラフト重合法等の公知の方法にした
がって合成できる。
【0014】例えば、酢酸ビニル、フッ化ビニル、およ
び必要であれば他の単量体、乳化剤を媒体中に含ませ、
重合開始剤の存在下に乳化重合させ、つぎにアルカリで
ケン化処理することによって共重合体を合成できる。
【0015】乳化重合の際の、乳化剤は特に限定される
ものではないが、通常の場合、アニオン性の乳化剤が好
ましい。また重合開始剤も特に限定されるものではな
く、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸水素
ナトリウム等の過硫酸塩類、過酸化ベンゾイル、t−ブ
チルヒドロキシパーオキサイド、ジ−t−ブチルヒドロ
キシパーオキサイド等のパーオキサイド類、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニト
リル等のアゾ化合物類、および過酸化水素と第一鉄類、
過硫酸塩と酸性亜硫酸ナトリウムを組み合わせたレドッ
クス系の重合開始剤等が例示され得る。媒体としては、
通常の場合、水が好ましい。乳化重合の条件は、反応物
質の量、種類等により、適宜変更されうるものである
が、通常の場合、反応温度は40〜80℃程度、好まし
くは50〜70℃程度、反応時間は30分〜50時間程
度、好ましくは5〜8時間程度がよい。
【0016】乳化重合により合成された重合体は、つい
で、アルカリでケン化処理することによって本発明の共
重合体へと導かれる。
【0017】ケン化処理の条件も特に限定されるもので
はなく、通常の条件が適用される。例えば、アルカリと
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げら
れる。アルカリの量は、通常の場合、溶媒の100重量
部に対して0.01〜10重量%程度、好ましくは0.
5〜3重量%程度である。ケン化処理における溶媒とし
ては、通常の場合、アルコール系の溶媒が用いられ、特
に、メタノールが好ましい。ケン化処理の条件も適宜変
更され得るものであるが、通常の場合、反応温度は40
〜70℃程度、好ましくは50〜65℃程度がよく、反
応時間は30分〜50時間程度、好ましくは3〜6時間
程度がよい。ケン化処理の反応条件によっては、異なる
ケン化度の共重合体が得られるが、本発明の共重合体を
得ようとする場合には、できるだけ高いケン化度である
ことが望ましく、ケン化度は、70%以上が好ましく、
特に80%以上が好ましい。
【0018】本発明の共重合体の重合形態としては、ラ
ンダム、交互、ブロック、またはグラフト重合体等のい
ずれの形態であってもよく、特に限定されない。また、
重合体の分子量も特に限定されないが、低過ぎると塗布
した場合に膜を形成しにくく、高過ぎると粘度が高くな
り塗布しにくい等の理由から、通常の場合103 〜10
6 程度が好ましい。
【0019】本発明の共重合体は、高い二酸化炭素遮蔽
性能、および高い水蒸気透過性能を有することから、塗
料用樹脂として用いられる。塗料用樹脂としては上記共
重合体の1種あるいは2種以上の混合物であるが、通常
の場合は1種である。
【0020】該塗料用樹脂は、有機溶剤を含ませること
により、本発明の塗料とされる。有機溶剤としては、本
発明の塗料用樹脂を溶解させるものであれば特に限定さ
れず、メタノール、エタノール、t−ブチルアルコー
ル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘ
キサメチルスルホンアミド、γ−ブチロラクロン、N,
N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセ
トアミド等が挙げられる。また、該有機溶剤は2種以上
を用いてもよい。これらのうち、塗布した場合の塗膜の
性能および使用のし易さ等の点から、N,N−ジメチル
ホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好
ましく、特にN,N−ジメチルアセトアミドが好まし
い。
【0021】有機溶剤の量は、通常の場合、塗料用樹脂
の100重量部に対して、1〜20重量部程度、好まし
くは5〜10重量部程度である。
【0022】さらに、上記塗料は、該塗料から成膜され
た膜の二酸化炭素透過係数が1×10-10 以下であり、
水蒸気透過係数が1×10-9以上である場合が好まし
い。
【0023】二酸化炭素透過係数または水蒸気透過係数
は、上記塗料から成膜された膜で仕切られたセルの一方
に二酸化炭素、または飽和水蒸気を充填し、一定時間の
後に、他方のセルに膜を透過してくる二酸化炭素量、ま
たは水蒸気量を測定し、それぞれ、数1および数2に示
す式により算出した値である。
【0024】
【数1】二酸化炭素透過係数=[(透過二酸化炭素量)
×(膜厚)]/[(膜の面積)×(時間)×(セル間の
圧力差)]
【0025】ただし数1において、透過二酸化炭素量の
単位はcm3 、膜厚の単位はcm、膜の面積の単位はc
2 、時間の単位は秒、セル間の圧力差の単位はcmH
gであり、二酸化炭素透過係数の単位は(cm3 ×c
m)/(cm2 ×秒×cmHg)である。
【0026】上記二酸化炭素透過係数の値が大である場
合には、膜の二酸化炭素を透過させる性質が大きく、特
に1×10-10 を超える場合には充分な二酸化炭素遮蔽
性能を期待することはできない。また該値が小である
程、膜の二酸化炭素を遮蔽する性質に優れることを示
す。
【0027】
【数2】水蒸気透過係数=[(透過水蒸気量)×(膜
厚)]/[(膜の面積)×(時間)×(セル間の圧力
差)]
【0028】ただし数2において、透過水蒸気量の単位
はcm3 、膜厚の単位はcm、膜の面積の単位はcm
2 、時間の単位は秒、セル間の圧力差の単位はcmHg
であり、水蒸気透過係数の単位は(cm3 ×cm)/
(cm2 ×秒×cmHg)である。
【0029】上記の、水蒸気透過係数の値が小である場
合には、膜の水蒸気を透過させる性質が小さく、1×1
-9未満の場合には、充分な水蒸気透過性能を期待する
ことはできない。また該値が大である程、膜の水蒸気を
透過させる性質に優れることを示す。
【0030】さらに、本発明の塗料は、必要に応じて、
添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、分散剤、
消泡剤、可塑剤、硬化剤等が挙げられる。また、顔料を
加えて所望の色調とすることもできる。
【0031】本発明の塗料は、建築材料に塗布すること
により、建築材料の劣化を防止することができる。特に
セメント系の建築材料に塗布した場合には、二酸化炭素
による基材の炭酸化を防ぐことができる。セメント系の
建築材料としては、特に限定されるものではなく、壁
材、屋根材、床材、種々の造形物等が挙げられる。ま
た、本発明の塗料は、水蒸気の透過性においても優れて
いるため、特に壁に適用した場合には、結露によるカビ
の発生を防ぐことができる。また、本発明の塗料は、土
木材料に塗布することにより、該材料の劣化を防止でき
る。
【0032】上記塗料の塗布量は、特に限定されない
が、多過ぎると経済的でなく、少な過ぎると二酸化炭素
の遮蔽性能を期待できないため、通常の場合、上記塗料
用の樹脂量で表して、100〜600g/m2 程度であ
り、好ましくは350〜450g/m2 がよい。
【0033】塗料の塗布方法については特に限定される
ものではなく、はけ塗り、スプレー塗装、流延塗装等の
任意の方法が適用できる。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、これらによって、本発明が限定されるものでは
ない。
【0035】[二酸化炭素遮蔽性能の評価方法]樹脂の
1重量部を、N,N−ジメチルアセトアミドの20重量
部に溶解した。これをガラスシャーレに注いで乾燥さ
せ、厚さが20μm程度の膜を成膜させた。セルをこの
膜で2つに仕切り、10-4Torrの真空下に1昼夜置
いた。一方のセルに1気圧の二酸化炭素を充填し、25
℃で一定時間放置した後、他方のセルの圧力を測定し、
前記の数1に示す式を用いて、二酸化炭素透過係数に換
算した。
【0036】[水蒸気透過性能の評価方法]二酸化炭素
遮蔽性能の評価方法の場合と同様の操作で膜を成膜させ
た。セルをこの膜で2つに仕切り、10-4Torrの真
空下に1昼夜置いた。一方のセルに25℃、1気圧で飽
和水蒸気圧の空気を充填し、さらに25℃で一定時間放
置した後、他方のセルの圧力を測定し、前記の数2に示
す式を用いて、水蒸気透過係数に換算した。
【0037】[実施例1]ビーカーに、酢酸ビニルの2
3重量部、イオン交換水の50重量部、アニオン性乳化
剤[ラウリル硫酸ナトリウム/エマール−O(花王
(株)製)]の0.75重量部、過硫酸アンモニウムの
0.35重量部を加え、撹拌して乳化させた後、オート
クレーブに移し、10分間低温減圧処理(−140℃、
−500mmHg)を行った。さらに、気体のフッ化ビ
ニルの27重量部を導入し、再度10分間低温減圧(−
160℃、−500mmHg)を行った。反応系の温度
を、徐々に60℃まで上昇せしめた後、6時間保持して
重合を行った。これを5重量%の塩化カルシウム溶液の
500重量部中に加え、生成物を凝固沈殿させ取り出し
た。この沈殿物を洗浄、および乾燥させた後、沈殿物の
10重量部を取り、4重量%の水酸化ナトリウムのメタ
ノール溶液50重量部中で、4時間ケン化反応を行っ
た。反応温度は、60℃に制御した。反応生成物を充分
に洗浄後、乾燥して、樹脂1を得た。樹脂1の二酸化炭
素遮蔽性能、および水蒸気透過性能を評価した結果を表
1に示す。
【0038】[実施例2]ビーカー中に、酢酸ビニルの
16重量部、イオン交換水の50重量部、アニオン性乳
化剤[サーフロンS(旭硝子(株)製)]の0.75重
量部、および過硫酸アンモニウムの0.35重量部を加
え、撹拌して乳化させた後、オートクレーブに移し、1
0分間低温減圧処理(−140℃、−500mmHg)
を行った。さらに、気体のフッ化ビニルの34重量部を
導入し、再度10分間低温減圧処理(−160℃、−5
00mmHg)を行った。反応系の温度を、徐々に60
℃まで上昇せしめた後、6時間保持して重合を行った。
これを5重量%の塩化カルシウム溶液の500重量部中
に加え、生成物を凝固沈殿させ取り出した。この沈殿物
を洗浄、および乾燥の後、沈殿物の10重量部を取り、
4重量%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液50重量
部中で、4時間ケン化反応を行った。反応温度は、60
℃に制御した。反応生成物を充分に洗浄後、乾燥して、
樹脂2を得た。樹脂2の、二酸化炭素遮蔽性能、および
水蒸気透過性能を評価した結果を表1に示す。
【0039】[実施例3]オートクレーブ中に、酢酸ビ
ニルの49重量部、およびアゾビスイソブチロニトリル
の0.12重量部、t−ブチルアルコールの25重量部
を仕込み、溶解させ、液体窒素で冷却した後、フッ化ビ
ニルの26重量部を導入した。これを徐々に65℃まで
昇温させ、反応を開始した。反応時は温度を65℃に制
御し、6時間で反応を終了させた。得られた溶液の10
0重量部を500重量部のメタノールに加え、生成物を
凝固沈殿させ取り出した。この沈殿物を、洗浄、および
乾燥の後に、沈殿物の10重量部を取り、4重量%の水
酸化ナトリウムのメタノール溶液50重量部中で、4時
間ケン化反応を行った。反応温度は、60℃に制御し
た。反応生成物を充分に洗浄後、乾燥して、樹脂3を得
た。樹脂3の二酸化炭素遮蔽性能、および水蒸気透過性
能を評価した結果を表1に示す。
【0040】[実施例4]ビーカー中に界面活性剤[エ
マール−O(花王(株)製)]の0.75重量部、イオ
ン交換水の50重量部、酢酸ビニルの13重量部、塩化
ビニルの12重量部、過硫酸アンモニウムの0.35重
量部を加え、撹拌して乳化させた後に、オートクレーブ
に移し、10分間低温減圧処理(−140℃、500m
mHg)をした後、さらに気体のフッ化ビニルの25重
量部を導入し、再度10分間低温減圧処理(−160
℃、500mmHg)を行った。反応系の温度を徐々に
60℃まで上昇させた後、6時間保持し重合反応を行っ
た。反応液を5重量%の塩化カルシウム溶液の500重
量部中に加えて、生成物を凝固沈殿させ、取り出した。
この沈殿物を洗浄、および乾燥させた後、沈殿物の10
重量部を取り、4重量%の水酸化ナトリウムのメタノー
ル溶液50重量部中で4時間ケン化処理した。反応温度
は、60℃に制御した。反応生成物を洗浄後、乾燥し
て、樹脂4を得た。樹脂4の二酸化炭素遮蔽性能、およ
び水蒸気透過性能を評価した結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】[比較例1〜3]市販のアクリル系樹脂塗
料、塩化ビニル系樹脂塗料、およびウレタン系樹脂塗料
を用いて、実施例と同様の方法で二酸化炭素遮蔽性能を
評価した結果、二酸化炭素透過係数は、それぞれ、4.
0×10-9、1.8×10-10 、および1.4×10-8
であった。
【0043】[比較例4]市販の塩化ビニリデン系樹脂
塗料を用い、実施例と同様の方法で水蒸気透過性能を評
価した結果、水蒸気透過係数は1.0×10-10 であっ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂は、高い水蒸気透過
性能と二酸化炭素遮蔽性能を有する優れた樹脂である。
該樹脂を含む塗料を塗布することにより、均質、かつ高
い二酸化炭素遮蔽性能を有する塗膜を得ることができ
る。したがって、本発明の塗料をセメント系の建築材
料、または土木材料に塗布することにより、基材の炭酸
化を効率的に防止できる。また、該塗料は、均質かつ高
い水蒸気透過性能を有する塗膜を形成し得るため、結
露、かび、および凍害を防止することもできる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ化ビニルの重合単位とビニルアルコー
    ルの重合単位を含む共重合体からなり、該共重合体中の
    フッ化ビニルの重合単位が10〜60重量%であること
    を特徴とする塗料用樹脂。
  2. 【請求項2】共重合体中のビニルアルコールの重合単位
    が40〜90重量%である請求項1の塗料用樹脂。
  3. 【請求項3】共重合体が塩化ビニルの重合単位を含む共
    重合体である請求項1または2の塗料用樹脂。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかの塗料用樹脂と有
    機溶剤とを含む塗料。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかの塗料用樹脂と有
    機溶剤を含む塗料であり、かつ、該塗料から成膜された
    膜の本文中で定義する二酸化炭素透過係数が1×10
    -10 以下であり、かつ、水蒸気透過係数が1×10-9
    上である塗料。
  6. 【請求項6】有機溶剤がN,N−ジメチルアセトアミド
    である請求項4または5の塗料。
  7. 【請求項7】添加剤の1種以上を含む請求項4〜6のい
    ずれかの塗料。
  8. 【請求項8】請求項4〜7のいずれかの塗料を塗布した
    建築材料。
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