JP4118774B2 - 薄膜積層体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、薄膜積層体及びその製造方法に関し、特に、自然の状態では格子定数が大きく異なる基板上に高品質の結晶を成長することにより得られる薄膜積層体及びその製造方法に関する。
エピタキシャル薄膜を形成する場合、形成しようとする薄膜の面内格子定数に近い値の面内格子定数を持つ基板を選択する必要があった。また、基板の面内格子定数がその上に成長する薄膜の格子定数に近い場合でも、両者の格子定数の微妙な「ずれ」などが原因で、エピタキシャル薄膜の形成が困難であるといった問題があった。さらには、エピタキシャル薄膜を形成できても、X線のロッキングカーブ半値幅が広く、薄膜中の欠陥密度が非常に高いといった問題も多かった。
特許文献1には、溝の側壁から横方向にエピタキシャル材料を成長させ、その材料を溝から徐々に成長させてクラックの無い領域を含むようにする製造方法が記載されている。
特開2001−44121号公報
しかし、特許文献1に記載されている製造方法によれば、下地に形成した溝の側壁から横方向にエピタキシャル成長させるために、下地と成長層の格子定数が近いことが必要とされる。また、溝を埋め込むようにエピタキシャル成長を形成するために、相当に厚く形成しなければ、品質の良好な薄膜を得ることが困難である。さらに、成長前の下地に溝を形成するために、工程が煩雑になるという問題もある。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、格子定数の相違によって通常はエピタキシャル薄膜が成長しないような基板上に高品質のエピタキシャル成長層を形成した薄膜積層体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
応力発生層と、
第1の主面を有し、前記応力発生層から印加される応力によって、前記第1の主面に対して平行な方向に歪みが導入された歪み基板層と、
前記歪み基板層の前記第1の主面上にエピタキシャル成長されたエピタキシャル層と、
を備え、
前記歪みは、圧縮歪みであり、
前記エピタキシャル層を構成する材料の前記第1の主面における面内方向の格子定数は、前記歪み基板層を構成する材料に前記歪みが導入されていない状態での前記第1の主面における面内方向の格子定数よりも小であり、
前記応力発生層は、前記歪み基板層と同一の材料からなる層に異種元素を導入することにより形成されてなることを特徴とする薄膜積層体が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、
第1の材料からなる支持層と、
前記支持層の上に設けられ、第2の材料からなる応力発生層と、
前記応力発生層の上に設けられ、前記第1の材料からなり、第1の主面を有し、前記応力発生層から印加される応力によって、前記第1の主面に対して平行な方向に歪みが導入された歪み基板層と、
前記歪み基板層の前記第1の主面上にエピタキシャル成長され、前記第2の材料とは異なる元素を含有する材料からなるエピタキシャル層と、
を備えたことを特徴とする薄膜積層体が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、
第1及び第2の主面を有する基板の前記第1の主面側から異種元素を導入して応力発生層を形成する工程と、
前記基板を前記第2の主面側から研磨することにより、前記応力発生層から印加される応力によって前記第1の主面に対して平行な方向に歪みが導入された歪み基板層を形成する工程と、
前記歪み基板層の上に、エピタキシャル層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする薄膜積層体の製造方法が提供される。
本発明によれば、基板の面内格子定数を大きくまたは小さくさせるための応力発生層または応力発生層を設けることにより、通常は格子定数の相違によってエピタキシャル薄膜が成長しないような基板上にエピタキシャル成長を可能とすることができる。
また、このようにして得られたエピタキシャル成長層は、エピタキシャル接合界面及びエピタキシャル層の層中における欠陥が少なく、高品質の薄膜を得ることができる。
その結果として、従来は不可能であった各種の新規な構造または材料からなるデバイスを実現することが可能となり、産業上のメリットは多大である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる薄膜積層体の断面構造を例示する模式図である。 すなわち、この薄膜積層体は、支持層1の上に、応力発生層2A、歪み基板層3A、エピタキシャル層4Aが積層された構造を有する。
支持層1は、薄膜積層体の機械的または物理的な強度を確保する役割を有する。その材料としては、各種の半導体、有機材料、無機材料などを適宜用いることができる。また、機械的または物理的な強度が足りている場合には、支持層1を設けなくともよい。
応力発生層2Aは、その上の歪み基板層3Aに対して、面内方向の引っ張り応力を印加する役割を有する。つまり、応力発生層2Aは、同図に矢印で表したように、その上に設けられた歪み基板層3Aを面内方向に引っ張り、面内方向の格子定数を増加させる。後に実施例として詳述するように、応力発生層2Aは、歪み基板層3を構成する材料よりも格子定数の大きな材料を堆積したり、歪み基板層3の一部を酸化処理したり、歪み基板層3の一部へ各種原子を注入したり、あるいは堆積と酸化と窒化と原子注入などを組み合わせた処理をしたりすることにより形成することができる。歪み発生層を堆積により形成する場合、エピタキシャル成長させてもよく、また、多結晶状やアモルファス状に堆積してもよい。また、応力発生層2Aは、単一の薄膜からなる層でもよく、複数の薄膜からなる積層構造を有していてもよく、あるいは組成に傾斜があるような薄膜層でもよい。
歪み基板層3Aは、例えば、Si(シリコン)やGaAsなどの半導体や、SrTiOやMgOなどの誘電体などの各種の材料の単結晶からなる。そして、応力発生層2Aから印加される引っ張り応力により、図1に矢印で表したように、面内方向の格子定数が無歪みの状態と比べて大きくなるように歪みが導入されている。
エピタキシャル層4Aは、歪み基板層3Aの上にエピタキシャル成長された層である。その材料としては、半導体、誘電体及び超伝導体をはじめとした各種のものを用いることが可能である。歪み基板層3Aの面内格子定数が無歪みの状態と比べて増加しているので、エピタキシャル層4Aの材料としても、それにあわせて大きな格子定数を有するものを用いることができる。つまり、本実施形態によれば、無歪みの基板上にエピタキシャル成長させる場合と比べて、より大きな格子定数を有する材料をエピタキシャル成長させることが可能となり、しかも、そのエピタキシャル層の品質を向上させることができる。
本実施形態の薄膜積層体を構成する各要素の具体的な構成や、その製造方法については、後に実施例を参照しつつさらに詳細に説明する。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図2は、本実施形態にかかる薄膜積層体の断面構造を例示する模式図である。 すなわち、この薄膜積層体は、支持層1の上に、応力発生層2B、歪み基板層3B、エピタキシャル層4Bが積層された構造を有する。本実施形態においては、第1実施形態とは逆に、歪み基板層3Bの面内格子定数を小さくするように圧縮応力が印加される。
支持層1は、第1実施形態と同様に、薄膜積層体の機械的または物理的な強度を確保する役割を有する。その材料としては、各種の半導体、有機材料、無機材料などを適宜用いることができ、機械的または物理的な強度が足りている場合には、支持層1を設けなくともよい。
応力発生層2Bは、その上の歪み基板層3Bに対して、面内方向の圧縮応力を印加する役割を有する。つまり、応力発生層2Bは、同図に矢印で表したように、その上に設けられた歪み基板層3Bを面内方向に圧縮し、格子定数を減少させる。後に実施例として詳述するように、応力発生層2Bは、歪み基板層3Bを構成する材料が有する格子定数よりも小さな格子定数を有する材料を堆積したり、部分的な酸化、窒化、ハロゲン化、還元、またはこれらの組み合わせ処理をしたりすることにより形成することができる。応力発生層2Bを堆積により形成する場合、エピタキシャル成長させてもよく、また、多結晶状やアモルファス状に堆積してもよい。また、応力発生層2Bは、単一の薄膜からなる層でもよく、複数の薄膜からなる積層構造を有していてもよく、あるいは組成に傾斜があるような薄膜層でもよい。
歪み基板層3Bは、例えば、Si(シリコン)やGaAsなどの半導体や、SrTiOやMgOなどの誘電体などの各種の材料の単結晶からなる。そして、応力発生層2Bから印加される圧縮応力により、図2に矢印で表したように、面内方向の格子定数が無歪みの状態と比べて小さくなるように歪みが導入されている。
エピタキシャル層4Bは、歪み基板層3Bの上にエピタキシャル成長された層である。歪み基板層3Bの面内格子定数が無歪みの状態と比べて減少しているので、エピタキシャル層4Bの材料としても、それにあわせて小さな格子定数を有するものを用いることができる。
つまり、本実施形態によれば、無歪みの基板上にエピタキシャル成長させる場合と比べて、より小さな格子定数を有する材料をエピタキシャル成長させることが可能となり、しかも、そのエピタキシャル層の品質を向上させることができる。
本実施形態の薄膜積層体を構成する各要素の具体的な構成や、その製造方法についても、後に実施例を参照しつつさらに詳細に説明する。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図3は、本実施形態にかかる薄膜積層体の断面構造を例示する模式図である。
すなわち、基板5Aの表面に、歪み基板層6Aが選択的に設けられ、これら歪み基板層6Aに隣接して応力発生層7Aが設けられている。そして、歪み基板層6Aの上に、エピタキシャル層8Aが積層されている。
基板5Aと歪み基板層6Aは、同一の材料からなるものとすることができる。一方、応力発生層7Aは、例えば、基板5Aの表面層にイオン注入やプラズマなどの方法により異種元素を導入したり、異種材料を堆積することにより形成される。そして、これら応力発生層7Aから歪み基板層6Aに対して、矢印で表したように、面内方向に圧縮する応力が印加されている。つまり、歪み基板層6Aは、その面内格子定数が無歪みの状態よりも小さくなるように歪みが導入されている。エピタキシャル層8Aは、このような歪み基板層6Aの上にエピタキシャル成長されている。
図4は、歪み基板層6Aと応力発生層7Aとの平面的な配置関係を例示する模式図である。すなわち、歪み基板層6Aは、その周囲を応力発生層7Aにより取り囲まれるようにアイランド状に形成することができる。但し、その平面的な形態や配置関係は、図4の具体例には限定されない。例えば、アイランド状に形成された歪み基板層6Aの平面的な形状は、図4の如く四角形でなくてもよく、例えば、円形状、楕円形状、多角形状、あるいは不定形状など、各種の形状とすることができる。
また、そのようなアイランド状の歪み基板層6Aの配置パターンについても、図4に例示したように格子状には限定されず、千鳥格子状やランダム的な配置パターンなどとしてもよい。
さらに、歪み基板層6Aの平面形態を独立したアイランド状とせずに、それぞれのアイランドがつなげられた形状や、ストライプ状などに形成してもよい。但し、歪み基板層6Aに対して、その周囲から均等に圧縮応力を印加する必要がある場合には、図4に例示した如く、上下左右が対称の平面形態とし、その周囲が応力発生層7Aにより取り囲まれるように形成することが望ましい。
本実施形態によれば、無歪みの基板5Aの上にエピタキシャル成長させる場合と比べて、より小さな格子定数を有する材料をエピタキシャル成長させることが可能となり、しかも、そのエピタキシャル層の品質を向上させることができる。
本実施形態の薄膜積層体を構成する各要素の具体的な構成や、その製造方法についても、後に実施例を参照しつつさらに詳細に説明する。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図5は、本実施形態にかかる薄膜積層体の断面構造を例示する模式図である。
すなわち、基板5Bの表面に、歪み基板層6Bが設けられ、これら歪み基板層6Bに隣接して応力発生層7Bが設けられている。そして、歪み基板層6Bの上に、エピタキシャル層8Bが積層されている。
基板5と歪み基板層6Bは、同一の材料からなるものとすることができる。一方、応力発生層7Bは、例えば、基板5Bの表面層にイオン注入やプラズマなどの方法により異種元素を導入したり、異種材料を堆積したり、部分的な酸化や窒化や還元などをしたりすることにより形成される。そして、これら応力発生層7Bから歪み基板層6Bに対して、矢印で表したように、面内方向に伸張させる応力が印加されている。つまり、歪み基板層6Bは、その面内格子定数が無歪みの状態よりも大きくなるように歪みが導入されている。エピタキシャル層8Bは、このような歪み基板層6Bの上にエピタキシャル成長されている。
図6は、歪み基板層6Bと応力発生層7Bとの平面的な配置関係を例示する模式図である。すなわち、歪み基板層6Bは、その周囲を応力発生層7Bにより取り囲まれるようにアイランド状に形成することができる。但し、その平面的な形態や配置関係は、図6の具体例には限定されない。例えば、アイランド状に形成された歪み基板層6Bの平面的な形状は、図6の如く四角形でなくてもよく、例えば、円形状、楕円形状、多角形状、あるいは不定形状など、各種の形状とすることができる。
また、そのようなアイランド状の歪み基板層6Bの配置パターンについても、図6に例示したように格子状には限定されず、千鳥格子状やランダム的な配置パターンなどとしてもよい。
さらに、歪み基板層6Bの平面形態を独立したアイランド状とせずに、それぞれのアイランドがつなげられた形状や、ストライプ状などに形成してもよい。但し、歪み基板層6Bに対して、その周囲から均等に圧縮応力を印加する必要がある場合には、図6に例示した如く、上下左右が対称の平面形態とし、その周囲が応力発生層7Bにより取り囲まれるように形成することが望ましい。
本実施形態によれば、無歪みの基板の上にエピタキシャル成長させる場合と比べて、より小さな格子定数を有する材料をエピタキシャル成長させることが可能となり、しかも、そのエピタキシャル層の品質を向上させることができる。
本実施形態の薄膜積層体を構成する各要素の具体的な構成や、その製造方法についても、後に実施例を参照しつつさらに詳細に説明する。
以上、本発明の第1乃至第4の実施の形態について説明した。
以下、第1乃至第12の実施例を参照しつつ、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
(実施例1)
まず、本発明の第1の実施例として、シリコン(Si)基板上に高品質の強誘電体結晶をエピタキシャル成長させて形成した誘電体キャパシタについて説明する。
図7は、本実施例の誘電体キャパシタの要部断面構造を表す模式図である。
すなわち、単結晶Si基板11の上に、格子緩和SiGe層12、SiGeOx層13、単結晶SiGe層14、エピタキシャル歪みSi基板層15、TiNエピタキシャル耐酸化層16、SrRuOエピタキシャル下部電極17、BaTiOエピタキシャル強誘電体18、SrRuOエピタキシャル上部電極19がこの順に積層されている。
単結晶Si基板11の典型的な厚さは0.5mm程度である。格子緩和SiGe層12の典型的な厚さは600nmである。SiGeOx層13の典型的な厚さは100nmである。単結晶SiGe層14の典型的な厚さは600nmである。エピタキシャル歪みSi基板15の典型的な厚さは20nmである。TiNエピタキシャル耐酸化層16の典型的な厚さは 25nmである。SrRuOエピタキシャル下部電極17の典型的な厚さは25nmである。エピタキシャル強誘電体18の典型的な厚さは40nmである。SrRuOエピタキシャル上部電極19の典型的な厚さは25nmである。
以下、本実施例の誘電体キャパシタの構造について、製造方法を参照しつつ説明する。
図8乃至図16は、本実施例の誘電体キャパシタの製造方法を表す工程断面図である。
まず、図8に表したように、希フッ酸処理によって自然酸化膜を除去した単結晶Si基板11の上にCVD法によって組成傾斜のある格子緩和SiGe層21を約1μm成長させる。次に、酸素イオンを約400nmの深さに注入し、1350℃でアニールを行うことにより、図9に表したように、SiGe最表面変質層30/SiGe層31/(SiGeOx)層13/SiGe層12/Si基板11からなる積層構造を形成する。
次に、図10に表したように、SiGe最表面変質層30をエッチング除去する。
この積層構造の上に、図11に表したように、CVD法によって約200nm膜厚のSiGe層130を、SiGe層31に継ぎ足して再成長させることにより単結晶SiGe層14を形成する。
次に、この積層構造の上に、図12に表したように、CVD法によって歪みSi層15をエピタキシャル成長させる。以上の工程によって、歪みSi層15の表面に、面内歪みを伴うSi面が得られる。
次に、このように面内歪みを伴うSi面上に、図13に表したように、スパッタ法によってTiN層16をエピタキシャル成長する。さらに、このTiN層16の上に、図14に表したように、スパッタ法によってSrRuO層17をエピタキシャル成長させる。そして、このSrRuO層17の上に、図15に表したように、BaTiO層18をエピタキシャル成長させる。そして、このBaTiO層18の上に、図16に表したようにSrRuO層19をエピタキシャル成長させる。以上の工程によって、エピタキシャル強誘電体キャパシタを作製できた。
エピタキシャル強誘電体キャパシタは、面内歪みが導入されていない無歪みの状態のSi基板上にも作製可能である。しかしながら、このように無歪みのSi基板上に形成した強誘電体キャパシタに含まれるTiN層は、欠陥密度が高い。具体的には、TiN層のX線ロッキングカーブの半値幅は、1度程度と幅広い。TiN層の欠陥密度が高いために、TiN層よりも上に積層させる各層の欠陥密度も高くなり、結晶品質が低下する。このため、これまでの強誘電体キャパシタの分極保持特性には、改善の余地があったと考えられる。
無歪みのSi基板上に形成するTiN層の結晶欠陥密度が高い原因は、無歪みのSi基板とTiN層との間の面内格子不整合が、約3.8%と比較的大きいことにある。これに対して、本実施例においては、単結晶Si基板11の上に、格子緩和SiGe層12、SiGeOx層13、単結晶SiGe層14をこの順に形成し、その上に歪みSi基板層15をエピタキシャル成長させることにより、歪みSi基板層15の表面における面内格子定数が増加して、TiN層16との間の格子不整合が3.8%よりも小さくなる。その結果として、TiN層16の欠陥密度が減少し、良好な結晶が得られる。
本実施例におけるSiGe層14の上の歪みSi層15の面内格子定数は、無歪みのSi基板面の面内格子定数の2.2%程度まで大きくすることが可能であり、この場合 TiN層16との格子不整合は、3.8%から1.6%程度へと低下させることが可能となる。したがって、TiN層16の上に形成するSrRuO層17、19やBaTiO層18における欠陥密度が減少し、分極保持特性が向上する。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で作製した薄膜積層体において、強誘電体の薄膜であるBaTiO層18の部分を「ボロメータ型」の赤外線検出器として用いることが可能である。
図17は、本実施例における欠陥の無い強誘電体BaTiO層18の分極の温度依存性を表すグラフ図である。欠陥が無い場合はキュリー点における分極の温度変化率すなわち微分係数が無限大に発散するが、欠陥が増えるに従い、キュリー点付近における分極の温度変化率が小さくなる。
歪みSi層15の面を持つ基板上に誘電体膜を形成する利点は、第1実施例と同様に、TiN層16の欠陥密度を減少させることによって、その上の誘電体層の欠陥密度を低下させることにある。つまり、強誘電体BaTiO層18の結晶の品質を向上させることにより、強誘電転移温度の付近における分極の温度変化率(焦電係数)を向上させることができる。その結果として、分極電荷を電気的に検出する感度が向上し、赤外線を電気的に検出する感度が向上する。
(実施例3)
次に、本発明の第3の実施例として、Si基板上にエピタキシャル成長させたSrTiO層をゲート絶縁膜としたトランジスタについて説明する。
図18は、本実施例のトランジスタの断面構造を表す模式図である。すなわち、約0.5mm厚さの単結晶Si基板111の上に、約600nm厚さの格子緩和SiGe層112、約100nm厚さのSiGeOx層113、約600nm厚さの単結晶SiGe層114、約20nm厚さのエピタキシャル歪みSi基板層115がこの順に積層されている。そして、歪みSi基板層115の上に、約10nm厚さのエピタキシャルSrTiOゲート絶縁膜118と約300nm厚さのゲート電極119とからなるゲートが選択的に形成されている。そして、ゲートの両側には、ソース領域116とドレイン領域117が設けられている。
以下に、本実施例のトランジスタの製造工程の一部を記す。まず、第1実施例と類似の方法で面内歪みを伴うSi面(歪みSi基板層115)を作製し、その上にMBE(Molecular Beam Epitaxy)法によって SrTiO層118をエピタキシャル積層する。さらに、ゲート電極119を積層し、パターニング加工してゲートを形成する。その後、ゲートの両側のSi層115の表面にソース領域116とドレイン領域117を形成する。
または、SrTiO層118をエピタキシャル成長する前にトランジスタのソース領域116とドレイン領域117を形成してもよい。
または、図19に表したように、第1実施例と類似の方法で面内歪みを伴うSi面(歪みSi基板層115)を作製し、トランジスタのソース領域116とドレイン領域117を形成後、ゲートのパターンを作製した上にCVDなどの手法によりダミーの素材にてゲート1120D(ダミーであるので必ずしも絶縁物でなくても構わない)を約300nmの厚みに作製する。さらにその上に、SiOなどの絶縁物1130を約300nmの厚みに堆積させる。
次に、図20に表したように、表面を研磨して平坦化することでダミーのゲート絶縁膜1120Dを露出させる。ダミーのゲート電極1120Dをエッチング除去した後、図21に表したようにSrTiO層118をエピタキシャル成長させ、ゲート電極119を堆積する。表面を削って平坦化させることで図22に表した構造が得られる。
SrTiO層118の<100>方向と、無歪みのSi基板111の<110>方向における面内格子不整合は、約1.7%である。格子不整合が1.7%存在する状況でのSrTiO/Si基板のようなエピタキシャル成長例は存在する。これに対して、本実施例においては、歪みSi基板115を設けることにより、面内格子不整合をほぼ0%にすることが可能となる。格子不整合をほぼ0%にすることで、エピタキシャルSrTiO層118の膜中で、Ruddlesden−Popper型の欠陥生成などを抑制することができる。さらに、SrTiO層において極めて発生しやすい酸素欠損または過剰を抑制することも可能である。本実施例によれば、SrTiO層118における欠陥が少ないため、トランジスタのゲート絶縁膜として使う場合、膜中の固定電荷が少なく、半導体チャネル部分の移動度の劣化を抑制することもできる。
(実施例4)
次に、本発明の第4の実施例として、Si基板上に形成した超伝導フィルタ回路について説明する。
図23は、本実施例の超伝導フィルタ回路の積層構造を表す模式断面図である。 すなわち、約0.5mm厚さの単結晶Si基板121の上に、 約600nm厚さの格子緩和SiGe層122、 約100nm厚さのSiGeOx層123、約600nm厚さの単結晶SiGe層124、約20nm厚さのエピタキシャル歪みSi基板層125、約100nm厚さのエピタキシャルTlBaCaCu10.5層126がこの順に積層されている。
この構造は、第1実施例と類似の方法によって、Si基板121の上に面内歪みを伴うSi面(歪みSi基板層125)を形成し、この面内ひずみを伴うSi面の上にスパッタ法によってTlBaCaCu10.5超伝導体薄膜126をエピタキシャル成長させることにより得られる。
このTlBaCaCu10.5超伝導体薄膜126を加工して共振器パターンを形成することによって、超伝導フィルタ回路を作製できる。
図24は、共振器パターンを例示する平面図である。すなわち、歪みSi基板層125の上に形成した超伝導体薄膜126は、略平行に設けられた複数のストライプ状の超伝導体共振器126Aと、その両端に設けられた超伝導体入出力線126Bと、に加工される。超伝導体入出力線126Bの両端には、高周波信号線131がそれぞれ接続され、高周波信号の入出力が可能とされている。ここで超伝導体共振器126Aは必ずしもストライプ状でなくても良く、例えば音叉型など、必要なフィルタ特性に応じて各種の形状とすることが可能である。また、例えば音叉型と棒型を混在させるなど、各種形状の超伝導体共振器126Aを混在させることも可能である。
図25は、本実施例の超伝導体フィルタ回路を冷凍機と組み合わせた状態を表す模式図である。すなわち、本実施例の超伝導体フィルタ回路142は、その歪みSi基板部分143と熱伝導性絶縁体144を介して、冷凍機のコールドヘッド145の上に実装されている。そして、これらフィルタ回路142の要部は、断熱シールド141により覆われている。
一般に、TlBaCa(n−1)Cu(2n+2.5+y) (ここで、n=1〜4)系の化合物は、nが大きくなるほど超伝導転移温度Tcが高くなる傾向がある。また、nが大きくなるほどa軸方向の格子定数が大きくなる傾向がある。Si基板の<110>方向の格子定数は、0.3840nmである。これに対しては、n=2のTlBaCaCu6.5 の場合に、a軸方向の格子定数は0.3847nmとなり、ほぼ格子整合する。
一方、本実施例においては、面内歪みを伴うSi基板125の面内方向の格子定数が、ほぼ0.3850nmとなるようにその下層部分のGeの組成を決定した。このようにして得られた歪みSi基板125の上では、n=4のTlBaCaCu10.5が格子整合するようになる。n=4のTlBaCaCu10.5 の超伝導転移温度は125Kであり、n=2のTlBaCaCu6.5の超伝導転移温度である98Kより27Kも上昇させることができる。その結果として、冷凍機をより簡便なものとし、小型化や低コスト化も容易となるなどの効果が得られる。
(実施例5)
次に、本発明の第5の実施例として、Si基板上に形成したジョセフソン回路について説明する。
図26は、本実施例のジョセフソン回路の断面構造を表す模式図である。すなわち、約0.5mm厚さの単結晶Si基板151の上に、約600nm厚さの格子緩和SiGe層152、約100nm厚さのSiGeOx層153、約600nm厚さの単結晶SiGe層154、約20nm厚さの歪みSi基板155、約100nm厚さのエピタキシャルYBaCu超伝導体156Aおよび156B、および超伝導体156Aと156Bとを例えば約10nmの間隔で隔てるジョセフソン接合部分の絶縁体157が形成されている。
この構造も、第4実施例と同様に歪みSi面を持つ基板155の上に超伝導体薄膜156A、156Bをエピタキシャル成長させることにより得られる。超伝導体薄膜156Aをパターニングして絶縁体157を作製し、絶縁体157をパターンニングして超伝導体薄膜156Bを作製し、平坦化することで図26に表したようなジョセフソン接合を持つ回路形成される。本実施例においても、歪みSi面を持つ基板155の上に超伝導体薄膜156を形成することにより、その超伝導転移温度を上昇させることができる。
(実施例6)
次に、本発明の第6の実施例として、Si基板を酸窒化させることにより形成した歪みSi基板上にエピタキシャル薄膜を形成する方法について説明する。
図27は、本実施例により得られたエピタキシャル積層体の断面構造を表す模式図である。すなわち、典型的には約0.1mm以上の厚さの多結晶Siなどからなる支持層221の上に、約5nm以上の膜厚のSiOなどの保護層222、典型的には50nm〜300nm程度の範囲膜厚のプラズマ窒化されたSiO層223、約20nm膜厚の歪みSi基板層224、任意の膜厚のエピタキシャル層225がこの順に積層されている。ここで、プラズマ窒化されたSiO層223は、その膜厚方向に組成が変化する「組成傾斜」を有する。すなわち、SiO層223における窒素の含有量は、同図において上方に向けて低下する分布を有する。
また、歪みSi基板層224は、その面内方向の格子定数が無歪みのSi基板よりも大きくなるように歪みが導入されている。そして、その上に形成されたエピタキシャル層225も、無歪みのSi基板より大きな格子定数を有する物質からなる。
図28乃至図32は、本実施例のエピタキシャル積層体の製造方法を表す工程断面図である。
まず、図28に表したように、単結晶Si基板161に希フッ酸処理を施し、さらにその表面を熱酸化して、SiO層162を形成する。
次に、図29に表したように、SiO層162を窒素を含有するプラズマに晒すことにより、窒素が導入されたSiO層223を形成する。このようにして得られたSiO層223における窒素の含有量は、表面に近いほど高く、Si基板161に近づくと低下する分布を有する。
次に、図30に表したように、SiO層223の上に、SiOなどからなる保護層222を形成する。但し、この保護層222は、本発明の本質ではなく、省略することも可能である。
次に、図31に表したように、保護層222の上に室温スパッタ法などにより多結晶Si層などの支持層221を形成する。
しかる後に、図32に表したように、この積層体の天地を反転させ、そのSi基板161を化学的機械的研磨(chemical mechanical polishing)などの方法によって約50nm以下まで薄くすることにより、歪みSi基板層224を形成する。ただし、天地反転操作は、本発明の本質ではない。
ここで、Si基板161を50nm以下に薄くする理由は、プラズマ窒化されたSiO層223によって形成される歪み領域を露出させるためである。つまり、プラズマ窒化されたSiO層223は、Si基板161に対して、面内方向に格子を引き延ばす方向の応力を作用させる。Si基板161をおよそ50nmよりも薄くすることにより、その表面においても、SiO層223からの応力による格子定数の歪みを与えることが可能となる。
また、本実施例において、SiO層223をプラズマ窒化する理由は、SiO層中の原子間結合強度を増加させるとともに、SiO層の体積を膨張させ、Si基板161に対して作用させる面内応力を増加させるためである。すなわち、単にSi基板を熱酸化してSiO層を形成するだけでも酸化による体積膨張の効果によって、Si基板の格子定数は、0.2%程度、歪む。これに対して、SiO層223に窒素を導入することにより、Si基板をさらに大きく歪ませることができる。さらにまた、窒素を導入することにより、SiO層223の硬度を上げて、Si基板161に対して効果的に応力を作用させることができる。
つまり、SiOのみでは、硬度が低いため、Si基板に対してさほど大きな応力を作用させることができない。これに対して、本実施例においては、SiO層に窒素を導入することにより、その体積を膨張させるとともにSiO層の硬度を上げて、すなわち硬くして、Si基板161に対する応力印加の効果をさらに上げることができる。なお、本発明者の実験によれば、SiO層に窒素を導入することにより、Si基板の格子定数を少なくとも1.7%程度、歪ませることが可能であることが判明している。
このようにして得られた歪みSi基板層224の表面は、無歪みのSi基板と比べて大きな格子定数を有し、これに整合する各種の材料をエピタキシャル成長させて高い品質のエピタキシャル層225を得ることができる。このようなエピタキシャル層225としては、第1乃至第5実施例に関して前述した各種の薄膜層も同様に挙げることができる。
(実施例7)
次に、本発明の第7の実施例として、第6実施例におけるプラズマ窒化の代わりに、ジルコニウムのイオンインプラント(イオン注入)を施した薄膜積層体について説明する。
図34は、本実施例の薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。
すなわち、典型的には約0.1mm以上の厚さの多結晶Siなどの支持層231の上に、約5nm以上の膜厚のSiOなどの保護層232、典型的には50nm〜300nm程度の範囲膜厚のジルコニウムがイオン注入されたSiO層233、約20nm膜厚のSi基板層234、任意の膜厚のエピタキシャル層235がこの順に積層されている。Si基板層234は、その面内方向に格子定数が増加する歪みが導入されている。そして、その上に形成されたエピタキシャル層235は、無歪みのSi基板よりも大きな格子定数を有する物質からなる。
本実施例の薄膜積層体の製造方法は、第6の実施例に関して前述したものとほぼ同様とすることができる。ただし、そのSiO層233に対して、プラズマ窒化処理の代わりに、ジルコニウムのイオン注入を施す。このようにしても、SiO層233の体積を膨張させ、同時にその硬度も上げて、Si基板に対して大きな応力を作用させることができる。特に、ジルコニウムの酸化物(ZrO)は、SiOよりも共有結合性が弱いため、SiOを硬化する作用が顕著となる。その結果として、大きな面内歪みを有するSi基板層224が得られ、その上に、大きな格子定数を有する各種の物質をエピタキシャル成長させて高い品質の薄膜を得ることができる。
また、ジルコニウムの代わりに、 ハフニウム、セリウム、イットリウム、タングステンなどをSiO層の中に導入しても同様の効果が得られる。またさらに、これら以外にも、スカンジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロジム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテニウム、タンタル、レニウム、オスミウム、イリジウム、バリウム、ストロンチウム、ルテニウム、ロジウム、ニオブ、モリブデン及びフッ素のいずれか、または、これらの元素の2種類以上をイオン注入やプラズマ添加しても同様の効果が得られる。
また、実施例6で示した窒素を上記の各種元素の1種類以上と同時に添加しても同様の効果が得られる。
(実施例8)
次に、本発明の第8の実施例として、CeO層によって圧縮歪みを導入した歪みSi基板層を用いる具体例について説明する。
図35は、本実施例により得られた薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。 すなわち、典型的には約0.1mm以上の厚さの支持層281の上に、約10nm程度の膜厚のエピタキシャルCeO層282、約20nm膜厚の単結晶Si基板層283、任意の膜厚のエピタキシャル層284がこの順に積層されている。支持層281は、SiOや多結晶Siやエポキシなどにより構成されているが、図39に表した構造を保持するに十分な強度が保たれる物質であれば何を用いても構わない。また、Si基板層283には、その面内方向に、無歪みのSiよりも面内格子定数が小さくなるように圧縮歪みが導入されている。本実施例においては、この歪みは、CeO層282によって導入されている。
図36乃至図39は、本実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。
すなわちまず、図36に表したように、希フッ酸処理を施した単結晶Si基板241の上に、CeO層282をエピタキシャル成長させる。CeOは立方晶で、格子定数a=0.5411nmである。一方、Siも立方晶で、格子定数a=0.5430nmである。つまり、CeOは、Siよりも格子定数が小さい。この結果、Si基板241は、その成長界面からおよそ50nmまでの深さの領域において、面内方向に約0.4%ほど格子定数が小さくなるように歪む。
次に、図37に表したように、CeO層282の上に、SiOや多結晶Siやエポキシなどからなる支持層281を接合する。次に、図38に表したように、この積層体の天地を反転させる。ただし、この天地反転操作は本発明の本質ではない。
そして、図39に表したように、天地反転によって図39において上側に描かれたSi基板241をおよそ50nm程度まで化学的機械的研磨によって薄くすることにより、Si基板層283を形成する。このようにして形成したひずみSi面を持つ基板層283の上に、格子定数が整合するように各種エピタキシャル薄膜を成長させることによって、図35に表した薄膜積層体が得られる。本実施例によれば、無歪みのSiよりも面内格子定数が0.4%程度小さな材料をエピタキシャル成長させて、高い品質の薄膜を得ることができる。
(実施例9)
次に、本発明の第9の実施例として、予め薄くしたSi基板上に応力発生層として、ZrYSiON層などを積層することにより、歪みを導入させて歪みSi基板層を形成する実施例について説明する。
図40は、本実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。
すなわち、典型的には0.1mm以上の厚さの支持層371の上に、典型的には約10nmの厚さの保護層372、約10nmの厚さのエピタキシャルZrYSiON層373、約20nm厚さの歪みSi基板層374、任意の厚さのエピタキシャル層375がこの順に積層されている。支持層は、多結晶Siなどにより形成することができる。また、保護層372は、SiOなどにより形成することができる。Si基板層374は、その表面において、Siよりも面内格子定数が大きくなるように歪みが導入されている。そして、その上に形成されエピタキシャル層375は、無歪みの単結晶Siよりも大きな格子定数を有する材料からなる。
図41乃至図48は、本実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。
すなわちまず、図41に表したように、単結晶Si基板291の上にガラス基板などの支持層293を高分子化合物接着剤292などによって接合する。ここで、接着剤を高分子系としたのは一例に過ぎず、無機物系のものとしてもよい。また、ガラスと同一材料あるいは、Siあるいは、これらの類似材料を接着剤として用いることも可能である。また、接着剤292を用いず、支持層293をSi基板291に直接、接合することも可能である。そして、図42に表したように、この積層体の天地を反転する。但し、この天地反転操作は、本発明の本質ではない。
次に、図43に表したように、単結晶Si基板291を50nm程度の膜厚まで化学的機械的研磨などによって薄くする。
そして、図44に表したように、単結晶Si基板291の上にスパッタ法によってZrYSiON層373を積層する。ここで、温度をおよそ100℃以下に維持することが望ましい。ZrYSiON層373は、多結晶状またはアモルファス状に堆積することができる。
次に、図45に表したように、ZrYSiON層373の上にSiOなどの保護層372を積層する。但し、この保護層372も本発明の本質ではない。
次に、図46に表したように、保護層372の上に、多結晶Si基板などの支持層371を接合する。しかる後に、この積層体をアセトンなどの有機溶剤、または硫酸と過酸化水素の混合物などの酸化力のある強酸などに浸すことにより、高分子化合物接着剤292を溶解して、支持層293を取り除く。このようにして、図47に表したように、面内方向に歪んだ単結晶Si基板層374を露出させる。その後、この積層体を図48に表したように、再び天地反転し、歪んだ単結晶Si面(Si基板層374)を上にする。但し、この天地反転操作も、本発明の本質ではない。
このようにして得られた、面内方向に歪んだ単結晶Si基板層374の上に、第1乃至第5の実施例に関して前述したような各種のエピタキシャル層を形成することにより、図40に表したような積層体が得られる。
以上説明した本実施例の方法は、第6実施例と第7実施例に類似するが、歪みを導入する単結晶Si基板を薄くする工程の後に、応力発生層(ZrYSiON層373)を積層することによって、単結晶Si基板の歪み量を大きくできるという利点がある。
また、本実施例において、ZrYSiON層373の代わりに、MeOxNyFz(ただし、1≦x≦3,0≦y≦2,0≦z≦2。またここで、Meは、Si,Ti,Zr,Hf,Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ba,Srの中から選ばれた少なくとも1種類以上の元素である。特に、Meを構成する主要な元素としては、Si,Zr,Hf,Ce,Y,Ta,Wの少なくともいずれかであることが望ましい。)という材料からなる薄膜を積層してもよい。
また、ZrYSiON層373または、これらの材料からなる応力発生層に、Si,Ti,Zr,Hf,Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ba,Sr,F,Nなどをプラズマ添加またはイオン注入などの方法によって添加することにより、歪みをさらに増加させることができる。
(実施例10)
次に、本発明の第10の実施例として、無歪みのSi基板よりも面内格子定数が小さくなるように、圧縮歪みが導入された歪みSi基板を形成する具体例について説明する。
図49は、本実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。
すなわち、約0.3mm厚さの単結晶Si基板471の表面に、約20nm厚さの歪みSi基板領域472が選択的に形成され、これら歪みSi基板領域472の周囲には、約20nm厚さの応力発生層473が設けられている。そして、歪みSi基板領域472の上に、任意の厚さのエピタキシャル層474が積層されている。
応力発生層473は、例えば、SiOにイオン注入やプラズマなどの方法により元素を導入して形成される。そして、これら応力発生層473に囲まれた歪みSi基板領域472は、その面内格子定数が無歪みの状態よりも小さくなるように歪みが導入されている。エピタキシャル層474は、例えば、CeOのように無歪みのSiよりも小さな格子定数を有する材料からなる。
図50乃至図58は、本実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。
すなわちまず、図50に表したように、単結晶Si基板471の上の歪ませたい領域の上に、レジストやSiOなどからなる保護膜381のパターンを形成する。
次に、この積層体の表面をプラズマ酸化させることにより、図51に表したように、単結晶Si基板471の上の保護されていない領域にSiO層473を形成する。Siが酸化されてSiOになる時に、その体積は約2倍に膨張する。したがって、その周囲に設けられた保護膜381の下のSi基板の部分472は、図52に表したように、横方向からの圧縮応力を受けて面内方向の格子定数が小さくなる。Siを酸化させる方法としては、保護膜381の材質によっては、プラズマ酸化以外の方法も可能である。
次に、図53に表したように、保護膜381を剥離する。その後、図54に表したように、SiO層473と歪みSi基板層472の高さをそろえるため、化学的機械的研磨などを行う。ただし、この研磨は本発明の本質ではなく、研磨を行わないまま次の工程に進んでもよい。
以上説明した方法によって形成した歪みSi基板層472の表面は、面内方向の格子定数が無歪みの状態よりも小さくなっている。従って、第1乃至第9実施例に関して前述したエピタキシャル層とは逆に、Siよりも小さな格子定数を有する物質をエピタキシャル成長させることに利用可能である。また、この時に、成長させる材料及びその成長方法や条件によっては、図55に表したように、応力発生層473の上には成長せず、歪みSi基板層472の上にのみ選択的に成長させることも可能である。
また、例えば、CeOはSiよりも若干格子定数が小さく、Si基板の(100)面上にエピタキシャル成長させることが困難である。これに対して、本実施例によれば、面内格子定数を小さくした歪みSi基板層472の上においては、表面での接合エネルギーが変化し、Siの(100)面の上でもエピタキシャル成長が可能となる。CeOをトランジスタのゲート絶縁膜として用いる場合、従来のトランジスタと同様、Siの(100)面上にゲート絶縁膜の形成が可能となれば、従来プロセスの変更が最小限で済むという利点がある。
一方、エピタキシャル層474を形成する際に、図56に表したように、SiOなどからなる応力発生層473の上にも多結晶状あるいはアモルファス状に堆積することがある。すなわち、歪みSi基板層472の上には、単結晶状態のエピタキシャル層474が成長するが、SiOなどからなる応力発生層473の上には、多結晶状またはアモルファス状の膜475が堆積する。
このような時には、図57に表したように、エピタキシャル層474の上にレジストなどの保護膜452を形成し、図58に表したように、保護膜452が設けられていない部分をエッチングすることにより、多結晶状またはアモルファス状の膜475を取り除くことができる。しかる後に、保護膜452を取り除けば、図49に表したように、歪みSi基板層423の部分のみにエピタキシャル層474が形成された積層体が得られる。
また、本実施例において、応力発生層473として、プラズマ酸窒化あるいはイオン注入などを併用し、MeOxNyFz(ここで、1≦x≦3,0≦y≦2,0≦z≦2、また、Meは、Si,Ti,Zr,Hf,Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ba,Srの中から少なくとも1種類以上の元素である。)なる材料を形成してもよい。この材料系は、SiOよりもイオン結晶性が強いことから、より硬度が高くなり、変形が小さくなるために、より効率的に横方向への応力を発生させることが可能である。ここで、Meを構成する主要な元素としては、Si,Zr,Hf,Ce,Y,Ta,Wのいずれかを用いることが望ましい。
(実施例11)
次に、本発明の第11の実施例として、第10実施例と同様に無歪みのSiよりも面内格子定数が小さい歪みSi基板層の上にエピタキシャル成長させる際に、その周囲の応力発生層の上の堆積を防ぐ具体例について説明する。
図59は、本実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。
すなわち、約0.3mmの厚さの単結晶Si基板551の表面に、約20nmの厚さの歪みSi基板層552が選択的に形成され、これら歪みSi基板層552の周囲には、約20nmの厚さの応力発生層553が設けられている。そして、歪みSi基板層552の上に、任意の厚さのエピタキシャル層554が積層されている。
応力発生層553は、例えば、第10実施例に関して前述したようなMeOxNyFzからなるものとすることができる。そして、これら応力発生層473に囲まれた歪みSi基板層472は、その面内格子定数が無歪みの状態よりも小さくなるように歪みが導入されている。エピタキシャル層554は、例えば、CeOのように無歪みのSiよりも小さな格子定数を有する材料からなる。
図60乃至図66は、本実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。
まず、図60に表したように、単結晶Si基板551の歪ませたい領域の上に、レジストやSiOなどによる保護膜481のパターンを形成する。次に、図61に表したように、プラズマ酸窒化あるいはイオンインプラントなどを併用し、保護膜481が無い部分に、MeOxNyFz(ここで、1≦x≦3,0≦y≦2,0≦z≦2、また、Meは、Si,Ti,Zr,Hf,Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ba,Srの中から少なくとも1種類以上の元素である。)なる材料からなる応力発生層553を形成する。この場合も、Meを構成する主要な元素としては、Si,Zr,Hf,Ce,Y,Ta,Wのいずれかを用いることが望ましい。
次に、図62に表したように、この構造体の上にSiOや多結晶Siなどの段差拡大層501を積層する。このときの積層膜厚は、この後に形成するエピタキシャル層484の厚みより大きいことが望ましいが、必須ではない。
次に、レジストなどからなる保護膜481のパターンを除去することにより、図63に表したように、歪みSi基板層482の表面が露出する。しかる後に、図64に表したように、CeOなどをエピタキシャル成長させてエピタキシャル層484を形成する。この時、段差拡大層501の上においては、CeOなどの層は、多結晶状またはアモルファス状に堆積する。
この後、図65に表したように、エピタキシャル層484の上に、レジスト等による保護膜531のパターンを形成し、多結晶状またはアモルファス状に堆積したCeOなどの膜を図66に表したようにエッチング除去してもよい。この後、保護膜531を除去することによって、図59の薄膜積層体が得られる。
本実施例は、第10実施例と比較して、エピタキシャル層484の成長時における、歪みSi基板層482の上と、応力発生層483の上と、が空間的に分離されている。したがって応力発生層473の上における多結晶(またはアモルファス)状の膜成長が、歪みSi基板層472の上におけるエピタキシャル成長へ悪影響を及ぼすことを防ぐ利点がある。
(実施例12)
次に、本発明の第12の実施例として、第10の実施例において歪みSi基板層を突出させた状態でエピタキシャル層の成長を可能とした実施例について説明する。
図67は、本実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。
すなわち、典型的には約3mm厚さの単結晶Si基板601の表面に、典型的には約25nm厚さの歪みSi基板層602が選択的に形成され、これら歪みSi基板層602の周囲には、典型的には約10nm厚さの応力発生層603が設けられている。ただし、これら応力発生層603は、その表面が歪みSi基板層602よりも低くなるように形成されている。そして、歪みSi基板層602の上に、典型的には約10nm厚さのエピタキシャル層604が積層されている。一方、応力発生層603の上には、典型的には約10nm厚さの多結晶状またはアモルファス状の層605が積層されている。
本実施例においても、応力発生層603は、例えば、第10または第11実施例に関して前述したようなMeOxNyFzからなるものとすることができる。そして、これら応力発生層603に囲まれた歪みSi基板層602は、その面内格子定数が無歪みの状態よりも小さくなるように歪みが導入されている。エピタキシャル層604は、例えば、CeOのように無歪みのSiよりも小さな格子定数を有する材料からなる。
図68乃至図71は、本実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。
まず、図68に表したように、単結晶Si基板601の歪ませたい領域の上に、レジストやSiOなどによる保護膜561のパターンを形成する。
次に、図69に表したように、プラズマ酸窒化あるいはイオンインプラントなどを併用し、保護膜561が無い部分に、MeOxNyFz(ここで、1≦x≦3,0≦y≦2,0≦z≦2、また、Meは、Si,Ti,Zr,Hf,Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ba,Srの中から少なくとも1種類以上の元素である。)なる材料からなる応力発生層603を形成する。この場合も、Meを構成する主要な元素としては、Si,Zr,Hf,Ce,Y,Ta,Wのいずれかを用いることが望ましい。
次に、図70に表したように、MeOxNyFz応力発生層603の部分をエッチング処理することによって、歪みSi基板層602より窪んだ状態にする。応力発生層603であるMeOxNyFz部分の膜厚が充分に厚ければ、その表面をエッチングしてもSi基板層602の表面における歪みには殆ど影響しない。但し、応力発生層603のエッチング量は、50nm以下とすることが望ましい。これ以上エッチングすると、歪みSi基板層602の表面層において、応力が緩和され、表面の面内歪みが低下してしまうからである。
次に、図71に表したように、表面に形成した保護膜561のパターンをアセトンなどで剥離する。しかる後に、この上CeOなどをエピタキシャル成長させることによって、図67に表したように、歪みSi基板層602の上にエピタキシャル層604を形成できる。
本実施例の方法は、第11実施例と比較した場合、歪みSi基板層602が応力発生層603よりも突出している状態でエピタキシャル層604の成長を行える。このため、雰囲気ガス圧の高いCVD法などの段差被覆性に劣る成膜方法によっても、エピタキシャル成長が可能になる。
(実施例13)
次に、本発明の第13の実施例として、比較的広い面積のSi基板における面内方向の格子定数を縮め、その上にエピタキシャル層の成長を可能とした実施例について説明する。
図72は、本実施形態にかかる薄膜積層体の断面構造を例示する模式図である。
すなわち、典型的には0.1mm以上の厚さの支持層651の上に、典型的には約100nmの厚さの接着層652、約50nmの厚さの保護層653、約10nm厚さの応力発生層654、約50nm厚さの歪み基板層655、任意の厚さのエピタキシャル層656が、この順に積層されている。支持層651は、ガラスあるいは多結晶Siあるいは合成樹脂などにより形成することができる。また、接着層652は、エポキシその他の任意の材料により形成することができるし、接着層を設けずに直接接合させることも可能である。保護層653は、SiOなどにより形成することができるが、これも設けずに、支持層651と応力発生層654を直接接合することも可能である。応力発生層654は、例えばエピタキシャル成長させたCeOなどを用いることが可能である。Si基板層655は、その表面において、Siよりも面内格子定数が小さくなるように歪みが導入されている。そして、その上に形成されエピタキシャル層656は、無歪みの単結晶Siよりも小さな格子定数を有する材料からなる。
図73乃至図78は、本実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。
すなわちまず、図73に表したように、約3mm厚さの単結晶Si基板655の上に約10nmの厚さのCe層662などをエピタキシャル成長させる。
次に、図74に表したように、Ce層を酸化してCeO層654へと変化させる。Ceは、酸素サイトに欠損があるような蛍石型の結晶構造であり、CeOは、通常の蛍石型結晶構造である。Ceの酸化によって、エピタキシャルに積層された構造を保ったまま欠損サイトの酸素が補充され、CeOと変化して格子定数が若干小さくなる。このとき下地Si基板655の表面に面内方向の引っ張り張力が発生する。
次に、図75に表したように、CeO層654の上に例えばSiOなどからなる保護層653を積層する。この保護層653は、CeO層654を還元から保護する役割を果たすが、例えば還元作用の無いプロセスを用いる場合は必要ない。
次に、図76に表したように、保護層653と支持基板651を接着剤652によって接合する。保護層653あるいは支持基板651の材質によっては接着剤652を用いず直接接合することも可能である。
次に、図77に表したように、この積層体の天地を反転する。但し、この天地反転操作は、本発明の本質ではない。
次に、図78に表したように、単結晶Si基板655を約50nm程度の膜厚まで化学的機械的研磨などによって薄くする。
このようにして得られた歪み単結晶Si基板655の上に、例えばスパッタ法によってエピタキシャル層656を積層する。このエピタキシャル層656の例として、例えばBiSrCaCu8+y(「Bi2212」と略称されることがある)などが有用である。Bi2212の超伝導転移温度Tcは85Kであり、液体窒素温度77Kでも超伝導を保つ。これをパターニングすることで、例えば第4実施例や第5実施例に関して前述したような超伝導回路を、第4実施例や第5実施例とは異なる超伝導体を用いて作製することが可能である。
以上説明した本実施例の方法は、第10実施例と第11実施例と第12実施例に類似するが、応力発生層パターン作製が不要であるといった利点を持つ。
また、本実施例において、Ceを酸化してCeOとする応力発生方法の代わりに、各種の金属酸窒化物を酸化あるいは還元する応力発生方法も可能である。さらに、Si,Ti,Zr,Hf,Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ba,Srの中から選ばれた少なくとも1種類以上の元素をプラズマ添加あるいはイオンインプラントすることにより、応力発生層の原子間結合力を増大させることで、体積変化を有効に応力として発生させる方法などを用いることも可能である。
(実施例14)
次に、本発明の第14の実施例として、無歪みのSi基板よりも面内格子定数が大きくなるように、引っ張り歪みが導入された歪みSi基板を形成する具体例について説明する。第10実施例、第11実施例、第12実施例におけるパターン作製の方法と、第13実施例の引っ張り歪みの方法を組み合わせた例である。
例えば図79は、第10実施例と第13実施例の組み合わせであるところの本実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。
すなわち、約0.3mm厚さの単結晶Si基板721の表面に、約20nm厚さの歪みSi基板領域722が選択的に形成され、これら歪みSi基板領域722の周囲には、約20nm厚さの応力発生層723が設けられている。そして、歪みSi基板領域722の上に、任意の厚さのエピタキシャル層724が積層されている。
本構造の作製方法であるが、パターン作製は第10実施例に倣い、引っ張り応力発生方法は第13実施例に倣うので、省略する。
本実施例の利点は、第10実施例、第11実施例、第12実施例と同様に、エピタキシャル積層領域が小さいことにある。すなわち、大きな領域にエピタキシャル成長する場合と比較して、小さな領域中に結晶欠陥が存在する可能性が低い点である。エピタキシャル積層プロセスのチューニングが不十分な状態でも比較的良質なエピタキシャル積層膜が得られる可能性が高い。
以上、具体例を例示しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、上述した各具体例に限定されるものではない。
例えば、第1乃至第14の実施例においては、いずれも基板として単結晶Siを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、その他にも、基板として、例えば、ゲルマニウムなどの単元素半導体、GaAsなどの化合物半導体、SrTiOやMgOなどの誘電体などを用いる場合でも、同様にこれら単結晶基板における面内ひずみを発生させ、無歪みの状態とは異なる格子定数を有する各種の材料をエピタキシャル成長させて高品質の薄膜を得ることが可能である。
また、前述した各実施例において、酸化シリコンとしてSiO用いた場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、シリコンと酸素との比率が化学量論的な組成比からずれた酸化シリコン(SiOx)を用いてもよく、また、酸化シリコンに他の元素が含有されたものを用いてもよい。
またさらに、トランジスタやキャパシタ、フィルタ回路、ジョセフソン回路などの具体的な構造についても、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができ、これらの実施例も本発明の範囲に包含される。
本発明の第1の実施形態にかかる薄膜積層体の断面構造を例示する模式図である。 本発明の第2の実施形態にかかる薄膜積層体の断面構造を例示する模式図である。 本発明の第3の実施形態にかかる薄膜積層体の断面構造を例示する模式図である。 歪み基板層6と応力発生層7との平面的な配置関係を例示する模式図である。 本発明の第4の実施形態にかかる薄膜積層体の断面構造を例示する模式図である。 第4実施形態において、歪み基板層6と応力発生層7との平面的な配置関係を例示する模式図である。 本発明の第1実施例の誘電体キャパシタの要部断面構造を表す模式図である。 本発明の第1実施例の誘電体キャパシタの製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第1実施例の誘電体キャパシタの製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第1実施例の誘電体キャパシタの製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第1実施例の誘電体キャパシタの製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第1実施例の誘電体キャパシタの製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第1実施例の誘電体キャパシタの製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第1実施例の誘電体キャパシタの製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第1実施例の誘電体キャパシタの製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第1実施例の誘電体キャパシタの製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第2実施例における強誘電体BaTiO層18の分極の温度依存性を表すグラフ図である。 本発明の第3実施例のトランジスタの断面構造を表す模式図である。 本発明の第3実施例のトランジスタの変型例の製造工程を表す模式断面図である。 本発明の第3実施例のトランジスタの変型例の製造工程を表す模式断面図である。 本発明の第3実施例のトランジスタの変型例の製造工程を表す模式断面図である。 本発明の第3実施例のトランジスタの変型例の製造工程を表す模式断面図である。 本発明の第4実施例の超伝導フィルタ回路の積層構造を表す模式断面図である。 共振器パターンを例示する平面図である。 本発明の第4実施例の超伝導体フィルタ回路を冷凍機と組み合わせた状態を表す模式図である。 本発明の第5実施例のジョセフソン回路の断面構造を表す模式図である。 本発明の第6実施例により得られたエピタキシャル積層体の断面構造を表す模式図である。 本発明の第6実施例のエピタキシャル積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第6実施例のエピタキシャル積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第6実施例のエピタキシャル積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第6実施例のエピタキシャル積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第6実施例のエピタキシャル積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第6実施例のエピタキシャル積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第7実施例の薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。 本発明の第8実施例により得られた薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。 本発明の第8実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第8実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第8実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第8実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第9実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。 本発明の第9実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第9実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第9実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第9実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第9実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第9実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第9実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第9実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第10実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。 本発明の第10実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第10実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第10実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第10実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第10実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第10実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第10実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第10実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第10実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第11実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。 本発明の第11実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第11実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第11実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第11実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第11実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第11実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第11実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第12実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。 本発明の第12実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第12実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第12実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第12実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第13実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。 本発明の第13実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第13実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第13実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第13実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第13実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第13実施例の薄膜積層体の製造方法を表す工程断面図である。 本発明の第14実施例により得られる薄膜積層体の断面構造を表す模式図である。
符号の説明
1 支持層
2A、2B 応力発生層
3A、3B 歪み基板層
4A、4B エピタキシャル層
5 基板
6 歪み基板層
7 応力発生層
8 エピタキシャル層
11 基板
15 歪み基板層
16 エピタキシャル耐酸化層
17 エピタキシャル下部電極
18 エピタキシャル強誘電体
19 エピタキシャル上部電極
111 基板
115 歪み基板層
116 ソース領域
117 ドレイン領域
118 ゲート絶縁膜
119 ゲート電極
121 基板
125 基板
125 歪み基板層
125K 超伝導転移温度は
126 超伝導体薄膜
126A 超伝導体共振器
126B 超伝導体入出力線
131 高周波信号線
141 断熱シールド
142 フィルタ回路
142 超伝導体フィルタ回路
143 基板部分
144 熱伝導性絶縁体
145 コールドヘッド
151 基板
155 基板
156 超伝導体
156 超伝導体薄膜
157 絶縁体
161 基板
221 支持層
222 保護層
224 基板層
225 エピタキシャル層
231 支持層
232 保護層
234 歪み基板層
235 エピタキシャル層
241 基板
281 支持層
282 層
283 歪み基板層
284 エピタキシャル層
291 基板
292 接着剤
292 高分子化合物接着剤
293 支持層
371 支持層
372 保護層
374 歪み基板層
375 エピタキシャル層
381 保護膜
423 歪み基板層
452 保護膜
471 基板
472 歪み基板層
472 部分
473 層
473 応力発生層
474 エピタキシャル層
481 保護膜
482 歪み基板層
483 応力発生層
484 エピタキシャル層
501 段差拡大層
531 保護膜
551 基板
552 歪み基板層
553 応力発生層
554 エピタキシャル層
561 保護膜
601 基板
602 歪み基板層
603 応力発生層
604 エピタキシャル層
651 支持基板
652 接着層
653 保護膜
654 応力発生層
655 基板
656 エピタキシャル層
662 応力発生予定層
721 基板
722 歪み基板層
723 応力発生層
724 エピタキシャル層

Claims (9)

  1. 応力発生層と、
    第1の主面を有し、前記応力発生層から印加される応力によって、前記第1の主面に対して平行な方向に歪みが導入された歪み基板層と、
    前記歪み基板層の前記第1の主面上にエピタキシャル成長されたエピタキシャル層と、
    を備え、
    前記歪みは、圧縮歪みであり、
    前記エピタキシャル層を構成する材料の前記第1の主面における面内方向の格子定数は、前記歪み基板層を構成する材料に前記歪みが導入されていない状態での前記第1の主面における面内方向の格子定数よりも小であり、
    前記応力発生層は、前記歪み基板層と同一の材料からなる層に異種元素を導入することにより形成されてなることを特徴とする薄膜積層体。
  2. 前記応力発生層と前記歪み基板層と前記エピタキシャル層とは、この順に積層されてなることを特徴とする請求項1記載の薄膜積層体。
  3. 前記応力発生層と前記歪み基板層とは、同一の平面上に隣接して設けられてなることを特徴とする請求項1記載の薄膜積層体。
  4. 第1の材料からなる支持層と、
    前記支持層の上に設けられ、第2の材料からなる応力発生層と、
    前記応力発生層の上に設けられ、前記第1の材料からなり、第1の主面を有し、前記応力発生層から印加される応力によって、前記第1の主面に対して平行な方向に歪みが導入された歪み基板層と、
    前記歪み基板層の前記第1の主面上にエピタキシャル成長され、前記第2の材料とは異なる元素を含有する材料からなるエピタキシャル層と、
    を備えたことを特徴とする薄膜積層体。
  5. 前記第1の材料はシリコンであることを特徴とする請求項4記載の薄膜積層体。
  6. 前記歪みは、引っ張り歪みであり、
    前記エピタキシャル層を構成する材料の前記第1の主面における面内方向の格子定数は、前記歪み基板層を構成する材料に前記歪みが導入されていない状態での前記第1の主面における面内方向の格子定数よりも大なることを特徴とする請求項4または5に記載の薄膜積層体。
  7. 前記歪みは、圧縮歪みであり、
    前記エピタキシャル層を構成する材料の前記第1の主面における面内方向の格子定数は、前記歪み基板層を構成する材料に前記歪みが導入されていない状態での前記第1の主面における面内方向の格子定数よりも小なることを特徴とする請求項4または5に記載の薄膜積層体。
  8. 前記応力発生層は、前記歪み基板層と同一の材料からなる層に異種元素を導入することにより形成されてなることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つに記載の薄膜積層体。
  9. 第1及び第2の主面を有する基板の前記第1の主面側から異種元素を導入して応力発生層を形成する工程と、
    前記基板を前記第2の主面側から研磨することにより、前記応力発生層から印加される応力によって前記第1の主面に対して平行な方向に歪みが導入された歪み基板層を形成する工程と、
    前記歪み基板層の上に、エピタキシャル層を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする薄膜積層体の製造方法。
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