JPH08340087A - 強誘電体不揮発性メモリ - Google Patents
強誘電体不揮発性メモリInfo
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- JPH08340087A JPH08340087A JP7169266A JP16926695A JPH08340087A JP H08340087 A JPH08340087 A JP H08340087A JP 7169266 A JP7169266 A JP 7169266A JP 16926695 A JP16926695 A JP 16926695A JP H08340087 A JPH08340087 A JP H08340087A
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Abstract
構造で実現する。 【構成】 Si基板1上にバッファ層であるMgAl2
O4 薄膜2を介して所定形状のBi2 SrTa2 O9 薄
膜3を設け、その両側の部分のMgAl2 O4薄膜2上
にBi2 SrTa2 O9 薄膜3の側壁に接してSrRu
O3 薄膜4、5を設けて強誘電体不揮発性メモリを構成
する。Bi2 SrTa2 O9 薄膜3は強誘電体薄膜を構
成し、SrRuO3 薄膜4、5は電極を構成する。Bi
2 SrTa2 O9 薄膜3およびSrRuO3 薄膜4、5
上には保護膜として絶縁キャップ層6を設ける。Si基
板1、MgAl2 O4 薄膜2およびBi2 SrTa2 O
9薄膜3が相互にほぼ格子整合し、SrRuO3 薄膜
4、5がMgAl2 O4 薄膜2とほぼ格子整合するよう
にそれらの面方位を選ぶ。他の例では、Bi2 SrTa
2 O9 薄膜3の代わりに(PbTiO3 )n /(Bi2
O3 )m 超格子を用いる。
Description
モリに関する。
れた高温超伝導酸化物に端を発し((1)Z. Phys. B.,64,1
89-193(1986)) 、この数年で驚異的に発展してきている
ことは周知の事実である。
に精力的に研究されながら、強誘電体薄膜の界面制御の
難しさなどにより産業に浸透しなかった、強誘電体を用
いたメモリデバイス(例えば、(2)Electrical Engineer
ing,71,916-922(1952)、(3)Bell Labs. Record,33,335-
342(1955))が、最近、強誘電体不揮発性メモリとして新
たに脚光を浴びるようになり、その研究開発が急速に展
開されてきている(例えば、(4)Appl. Phys. Lett.,48,
1439-1440(1986) 、(5) 米国特許第4713157号、
(6)IEDM Tech. Dig.,850-851(1987)、(7)IEEE J. Solid
State Circuits,23,1171-1175(1988)、(8)Tech. Dig.
ISSCC 88,130-131(1988)) 。この強誘電体不揮発性メモ
リの現状については、詳細に報告されている(例えば、
(9) 応用物理、第62巻、第12号、1212-1215(1993) 、(1
0)エレクトロニク・セラミクス、第24巻、7月号、6-10
(1993)、(11)電子材料、第33巻、第8号(1994)(「強誘
電体薄膜の不揮発性メモリへの応用」特集号) 、(12)セ
ラミックス、第27巻、720-727(1992))。
ペロブスカイト型結晶構造を有する強誘電体酸化物薄膜
を一対の白金(Pt)電極間にはさんだ構造を有するも
のが多く報告されている(例えば、(13)J. Appl. Phy
s.,70,382-388(1991))。その代表例に、PZT薄膜を一
対のPt電極間にはさんだ構造を有する強誘電体不揮発
性メモリがあるが、Pt電極のはがれが起きやすかった
り、経時変化を示すいわゆるファティーグ特性が悪いも
のが多かった。これは、Pt電極との界面の近傍におけ
るPZT薄膜の酸素欠損や、PZTの自発分極値が大き
いこと、すなわち格子変位量が大きいことに由来する結
合力の疲労などの因子が複雑に絡んで起こるものと考え
られている(例えば、(14)J. Appl. Phys.,70,382-388
(1991))。
ために、ビスマス(Bi)系層状強誘電体酸化物薄膜を
強誘電体薄膜に用いた強誘電体不揮発性メモリが提案さ
れている(例えば、(15)国際公開番号WO93/125
38、(16)国際公開番号WO93/12542)。
者の知見によれば、これまでに提案された強誘電体不揮
発性メモリは、構造の最適化の点に関しては、不十分で
あると考えられる。
適化を図ることができる強誘電体不揮発性メモリを提供
することにある。
達成すべく、強誘電体不揮発性メモリの実現に最適な材
料系その他について詳細な検討を行った。以下にその概
要を述べる。
結晶性にも優れた単結晶のシリコン基板が、最も有力な
候補として挙げられる。
tを用いた従来の強誘電体不揮発性メモリにおける問題
を回避することができるものとして、導電性酸化物、特
にペロブスカイト型結晶構造を有するものが、優れてい
ると考えられる。この導電性酸化物のうち、一般式AB
O3 で表される単純ペロブスカイト型酸化物の具体例を
挙げると、下記の通りである。
イト型酸化物としては、
uO3 、SrIrO3 、Sr2 RuO4 、Sr2 IrO
4 などである。
れらのほかに例えばBa2 RuO4などもある。
に、いわゆる高温超伝導酸化物も候補と考えられる。そ
の具体例をいくつか挙げると、下記の通りである。
酸化物を用いる場合、この導電性酸化物をシリコン基板
上に直接エピタキシャル成長させることは一般には難し
い。そこで、シリコン基板上にまず、このシリコン基板
と格子整合する材料からなるバッファ層をエピタキシャ
ル成長させ、その上にこのバッファ層と格子整合する導
電性酸化物薄膜をエピタキシャル成長させることを考え
る。このようにすることにより、広範囲の導電性酸化物
の中から、最適な電極材料を選択することができる。こ
のバッファ層は、その上に導電性酸化物薄膜をエピタキ
シャル成長させることができるようにするためには、酸
化物からなるものが好ましい。ここで、この酸化物から
なるバッファ層は、シリコン基板上に直接エピタキシャ
ル成長させることができることが必要である。
極めて多種類のものがあるが、このうちシリコン基板上
に直接エピタキシャル成長可能なものは、現在、酸化マ
グネシウム(MgO)、酸化セリウム(セリア)(Ce
O2 )、α構造アルミナ(α−Al2 O3 )、イットリ
ウム安定化ジルコニウム(YSZ)およびマグネシウム
・アルミニウム・スピネル(MgAl2 O4 )の五種類
に限られている。もちろん、これ以外の酸化物がシリコ
ン基板上に直接エピタキシャル成長しないことが明らか
となっているわけではなく、これ以外に直接エピタキシ
ャル成長可能なものがある可能性はある。表1には、酸
化物結晶の格子定数(a、c)および熱膨張率(α)を
示してある。なお、Siの格子定数および熱膨張率は、
それぞれa=0.5430884nmおよびα=3.0
×10-6/Kである。
上述の導電性酸化物薄膜上に強誘電体薄膜を積層する
が、この強誘電体薄膜材料としては、ファティーグ特性
に優れていることや、この強誘電体薄膜上へのエピタキ
シャル成長の容易さなどの見地から、オリビリウス族
(Aurivillius Family)と呼ばれるBi系層状強誘電体
酸化物群が優れていると考えられる。このオリビリウス
族Bi系層状強誘電体酸化物は、次の一般式で表され
る。
2- ただし、m=2、3、4、5、6、7、8 Me=Na、K、Ca、Ba、Sr、Pb、Bi R=Fe、Ti、Nb、Ta、W
化物の具体例を、実用性の高いm=2、3、4、5の場
合について示すと、下記の通りである。
強誘電体酸化物薄膜のほかに、例えばマルチペロブスカ
イト型強誘電体酸化物超格子も優れている。これは、少
なくとも強誘電体酸化物薄膜を含む二種類以上の酸化物
薄膜により構成され、全体として強誘電体薄膜として機
能するものであり、強誘電体酸化物薄膜とこれと異なる
強誘電体酸化物薄膜または常誘電体酸化物薄膜とを交互
に積層したものが例として挙げられる。
酸化物薄膜(薄膜I)と他の強誘電体酸化物薄膜または
常誘電体酸化物薄膜(薄膜II)とを交互に積層したも
のであるとする。この場合、薄膜Iの材料としては、上
述のm=2、3、4、5のオリビリウス族Bi系層状強
誘電体酸化物のほかに、例えば、
O4 、YSZ、α−Al2 O3 などが挙げられる。ここ
で、特に、薄膜IIが常誘電体酸化物薄膜であり、これ
を強誘電性のブロッキング層として用いる場合、この常
誘電体酸化物薄膜としては、Bi−O層、Ga−O層、
Al−O層、B−O層、Ln−O層(ただし、Lnはラ
ンタノイド系列の元素)、Pb−O層、Y−O層、Sc
−O層、In−O層、Tl−O層、Hg−O層などを用
いることができる。
ると、同じペロブスカイト型結晶構造を有する強誘電体
酸化物薄膜および常誘電体酸化物薄膜により構成された
ものとしては、例えば(BaTiO3 )n /(SrTi
O3 )m 超格子が挙げられ、異なる結晶構造を有する強
誘電体酸化物薄膜および常誘電体酸化物薄膜により構成
されたものとしては、例えば(PbTiO3 )n /(B
i2 O3 )m 超格子が挙げられる。
たものに加えて、強誘電体酸化物薄膜としてBi系層状
強誘電体酸化物薄膜を用いたものを用いることもでき
る。
には、いわゆるひずみ超格子と類似のものになってい
る。すなわち、この強誘電体酸化物超格子を構成する酸
化物薄膜間に存在する格子不整合により、これらの酸化
物薄膜間の界面にそれぞれ例えば数十MPa〜数GPa
の圧縮力と張力とが働き、これがこの強誘電体酸化物超
格子の強誘電性を大きく改善すると考えられる。また、
いわゆる強誘電体のサイズ効果の問題を回避することも
できる。
は、強誘電体薄膜上に導電層を積層し、この導電層およ
び強誘電体薄膜の下層の導電性酸化物薄膜をそれぞれ上
部電極および下部電極として用い、これらの上部電極お
よび下部電極間に電圧を印加することにより基板表面に
対して垂直方向(縦方向)の電界を印加するものも考え
られるが、パターン化された強誘電体薄膜の両側にそれ
ぞれ電極を配置し、これらの電極間に電圧を印加するこ
とにより基板表面に対して平行な方向(横方向)に電界
を印加するものも考えられる。後者の横方向電界印加型
あるいはプレーナ型の強誘電体不揮発性メモリは、強誘
電体薄膜の分極容易軸が基板表面に平行な方向にある場
合に高い強誘電性を得ることができ、有効である。ま
た、プレーナ型の強誘電体不揮発性メモリは、集積化に
も有利である。
づいて、案出されたものである。
の発明の第1の発明による強誘電体不揮発性メモリは、
シリコン基板と、シリコン基板上の酸化物からなるバッ
ファ層と、バッファ層上のビスマス系層状強誘電体酸化
物薄膜と、ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜の両側の
部分におけるバッファ層上にビスマス系層状強誘電体酸
化物薄膜の側壁にそれぞれ接して設けられた第1の導電
性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜とを有する
ことを特徴とするものである。
は、バッファ層はシリコン基板とほぼ格子整合し、ビス
マス系層状強誘電体酸化物薄膜はバッファ層とほぼ格子
整合し、第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸
化物薄膜はバッファ層とほぼ格子整合している。これら
のバッファ層、ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜、第
1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜
は、好適には、シリコン基板上にエピタキシャル成長さ
れたものである。
性酸化物薄膜は、典型的には、ペロブスカイト型結晶構
造を有する。このペロブスカイト型結晶構造を有する導
電性酸化物は、上に挙げたものから必要に応じて選ばれ
る。その一例を挙げると、SrRuO3 である。このS
rRuO3 は、バルクでは通常のペロブスカイト型結晶
構造の格子定数(a、b)の21/2 倍のサイズの単位胞
(a=0.55670nm、b=0.55304nm、
c=0.78446nm)を有しているが、薄膜ではそ
の1/21/2 倍のサイズに戻ることがあり(a=b=
0.393nm)、種々の下地酸化物層と格子整合しや
すい。
性酸化物薄膜はまた、層状ペロブスカイト型結晶構造を
有するものでもよい。この層状ペロブスカイト型結晶構
造を有する導電性酸化物は、上に挙げたものから必要に
応じて選ばれる。その一例を挙げると、Sr2 RuO4
である。
ては、バッファ層として、マグネシウム・アルミニウム
・スピネル(MgAl2 O4 )からなるものが用いられ
る。
層がマグネシウム・アルミニウム・スピネルからなり、
第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜
がペロブスカイト型結晶構造を有する導電性酸化物、例
えばSrRuO3 からなる場合には、例えば、シリコン
基板、バッファ層、第1の導電性酸化物薄膜および第2
の導電性酸化物薄膜は(100)面方位を有し、ビスマ
ス系層状強誘電体酸化物薄膜は(001)面方位を有す
る。また、バッファ層がマグネシウム・アルミニウム・
スピネルからなり、第1の導電性酸化物薄膜および第2
の導電性酸化物薄膜が層状ペロブスカイト型結晶構造を
有する導電性酸化物、例えばSr2 RuO4 からなる場
合には、例えば、シリコン基板およびバッファ層は(1
00)面方位を有し、ビスマス系層状強誘電体酸化物薄
膜、第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物
薄膜は(001)面方位を有する。
おいては、バッファ層として、酸化セリウム(Ce
O2 )からなるものが用いられる。
層が酸化セリウムからなり、第1の導電性酸化物薄膜お
よび第2の導電性酸化物薄膜がペロブスカイト型結晶構
造を有する導電性酸化物、例えばSrRuO3 からなる
場合には、例えば、シリコン基板は(100)面方位を
有し、バッファ層は(110)面方位を有し、ビスマス
系層状強誘電体酸化物薄膜は(001)面方位を有し、
第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜
は(100)面方位を有する。また、バッファ層が酸化
セリウムからなり、第1の導電性酸化物薄膜および第2
の導電性酸化物薄膜が層状ペロブスカイト型結晶構造を
有する導電性酸化物、例えばSr2 RuO4 からなる場
合には、例えば、シリコン基板は(100)面方位を有
し、バッファ層は(110)面方位を有し、ビスマス系
層状強誘電体酸化物薄膜、第1の導電性酸化物薄膜およ
び第2の導電性酸化物薄膜は(001)面方位を有す
る。
においては、ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜、第1
の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜上の
絶縁キャップ層をさらに有する。この絶縁キャップ層は
保護膜として用いられる。この絶縁キャップ層の材料
は、下地のビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜、第1の
導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜との熱
膨張係数の差があまり大きくない絶縁材料であれば、基
本的にはどのようなものでもよい。具体的には、この絶
縁キャップ層の材料としては、例えば、Al2 O3 、C
eO2 、YSZなどが用いられる。
発性メモリは、シリコン基板と、シリコン基板上の酸化
物からなるバッファ層と、バッファ層上の少なくとも強
誘電体酸化物薄膜を含む酸化物超格子と、酸化物超格子
の両側の部分におけるバッファ層上に酸化物超格子の側
壁にそれぞれ接して設けられた第1の導電性酸化物薄膜
および第2の導電性酸化物薄膜とを有することを特徴と
するものである。
は、酸化物超格子は強誘電体酸化物薄膜と常誘電体酸化
物薄膜とからなる。この場合、常誘電体酸化物薄膜は、
上に挙げたものから必要に応じて選ばれ、例えばBi−
O層である。
カイト型結晶構造を有するもののほか、ビスマス系層状
強誘電体酸化物薄膜であってよい。
層と第2のBi−O原子層との間に少なくともMe−T
i−O原子層(ただし、Me=Ba、Pb、Sr)を中
間原子層として挿入した構造を有する人工結晶をその厚
さ方向の1単位の結晶層とするものであってもよい。こ
の場合、必要に応じて、第1のBi−O原子層および第
2のBi−O原子層のうちの一方とMe−Ti−O原子
層との間に、さらに例えばSr−Ta−O原子層やSr
−Nb−O原子層などが挿入される。
は、バッファ層は、シリコン基板とほぼ格子整合し、酸
化物超格子はバッファ層とほぼ格子整合し、第1の導電
性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜はバッファ
層とほぼ格子整合している。これらのバッファ層、酸化
物超格子、第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性
酸化物薄膜は、好適には、シリコン基板上にエピタキシ
ャル成長されたものである。
性酸化物薄膜は、典型的には、ペロブスカイト型結晶構
造を有する。このペロブスカイト型結晶構造を有する導
電性酸化物は、上に挙げたものから必要に応じて選ば
れ、例えばSrRuO3 である。
性酸化物薄膜はまた、層状ペロブスカイト型結晶構造を
有するものでもよい。この層状ペロブスカイト型結晶構
造を有する導電性酸化物は、上に挙げたものから必要に
応じて選ばれ、例えばSr2RuO4 である。
ては、バッファ層として、マグネシウム・アルミニウム
・スピネル(MgAl2 O4 )からなるものが用いられ
る。
層がマグネシウム・アルミニウム・スピネルからなり、
第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜
がペロブスカイト型結晶構造を有する導電性酸化物、例
えばSrRuO3 からなる場合には、例えば、シリコン
基板、バッファ層、第1の導電性酸化物薄膜および第2
の導電性酸化物薄膜は(100)面方位を有する。この
とき、酸化物超格子を構成する強誘電体酸化物薄膜がペ
ロブスカイト型結晶構造を有する場合、この強誘電体酸
化物薄膜は(001)面方位を有する。また、酸化物超
格子を構成する強誘電体酸化物薄膜がビスマス系層状強
誘電体酸化物薄膜である場合、このビスマス系層状強誘
電体酸化物薄膜は(001)面方位を有する。
層がマグネシウム・アルミニウム・スピネルからなり、
第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜
が層状ペロブスカイト型結晶構造を有する導電性酸化
物、例えばSr2 RuO4 からなる場合には、例えば、
シリコン基板およびバッファ層は(100)面方位を有
し、第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物
薄膜は(001)面方位を有する。このとき、酸化物超
格子を構成する強誘電体酸化物薄膜がペロブスカイト型
結晶構造を有する場合、この強誘電体酸化物薄膜は(0
01)面方位を有する。また、酸化物超格子を構成する
強誘電体酸化物薄膜がビスマス系層状強誘電体酸化物薄
膜である場合、このビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜
は(001)面方位を有する。
おいては、バッファ層として、酸化セリウム(Ce
O2 )からなるものが用いられる。
層が酸化セリウムからなり、第1の導電性酸化物薄膜お
よび第2の導電性酸化物薄膜がペロブスカイト型結晶構
造を有する導電性酸化物、例えばSrRuO3 からなる
場合には、例えば、シリコン基板は(100)面方位を
有し、バッファ層は(110)面方位を有し、第1の導
電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜は(10
0)面方位を有する。このとき、酸化物超格子を構成す
る強誘電体酸化物薄膜がペロブスカイト型結晶構造を有
する場合、この強誘電体酸化物薄膜は(001)面方位
を有する。また、酸化物超格子を構成する強誘電体酸化
物薄膜がビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜である場
合、このビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜は(00
1)面方位を有する。
層が酸化セリウムからなり、第1の導電性酸化物薄膜お
よび第2の導電性酸化物薄膜が層状ペロブスカイト型結
晶構造を有する導電性酸化物、例えばSr2 RuO4 か
らなる場合には、例えば、シリコン基板は(100)面
方位を有し、バッファ層は(110)面方位を有し、第
1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜は
(001)面方位を有する。このとき、酸化物超格子を
構成する強誘電体酸化物薄膜がペロブスカイト型結晶構
造を有する場合、この強誘電体酸化物薄膜は(001)
面方位を有する。また、酸化物超格子を構成する強誘電
体酸化物薄膜がビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜であ
る場合、このビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜は(0
01)面方位を有する。
においては、酸化物超格子、第1の導電性酸化物薄膜お
よび第2の導電性酸化物薄膜上の絶縁キャップ層をさら
に有する。この絶縁キャップ層は保護膜として用いられ
る。この絶縁キャップ層の材料としては、第2の発明と
同様に、下地の酸化物超格子、第1の導電性酸化物薄膜
および第2の導電性酸化物薄膜との熱膨張係数の差があ
まり大きくない絶縁材料、例えば、Al2 O3 、CeO
2 、YSZなどが用いられる。
メモリにおいては、シリコン基板の面方位、バッファ層
の材料や面方位、ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜の
面方位、第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸
化物薄膜の材料や面方位などの組み合わせにより、バッ
ファ層をシリコン基板とほぼ格子整合させることがで
き、ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜をバッファ層と
ほぼ格子整合させることができ、さらに第1の導電性酸
化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜をバッファ層と
ほぼ格子整合させることができる。この場合、第1の導
電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜は電界印
加用の電極として用いられるが、これらの電極のバッフ
ァ層およびビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜に対する
密着性は良好であるので、はがれの問題がない。また、
良好なファティーグ特性を得ることもできる。さらに、
ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜をその分極容易軸が
基板表面に平行になるように配向させる場合、その分極
容易軸の方向に電界を印加することができるため、ビス
マス系層状強誘電体酸化物薄膜の強誘電性を有効に利用
することができる。
発性メモリにおいては、シリコン基板の面方位、バッフ
ァ層の材料や面方位、酸化物超格子の面方位、第1の導
電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜の材料や
面方位などの組み合わせにより、バッファ層をシリコン
基板とほぼ格子整合させることができ、酸化物超格子を
バッファ層とほぼ格子整合させることができ、さらに第
1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜を
バッファ層とほぼ格子整合させることができる。この場
合、第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物
薄膜は電界印加用の電極として用いられるが、これらの
電極のバッファ層および酸化物超格子に対する密着性は
良好であるので、はがれの問題がない。また、良好なフ
ァティーグ特性を得ることもできる。さらに、酸化物超
格子に含まれる強誘電体酸化物薄膜をそ分極容易軸が基
板表面に平行になるように配向させる場合、その分極容
易軸の方向に電界を印加することができるため、その強
誘電性を有効に利用することができる。また、特に、酸
化物超格子が強誘電体酸化物薄膜と常誘電体酸化物薄膜
とからなる場合には、常誘電体酸化物薄膜が強誘電性の
ブロッキング層として機能することによりその面内異方
性が高くなるため、酸化物超格子の強誘電性をより有効
に利用することができる。さらに、酸化物超格子が、第
1のBi−O原子層と第2のBi−O原子層との間に少
なくともMe−Ti−O原子層(ただし、Me=Ba、
Pb、Sr)を中間原子層として挿入した構造を有する
人工結晶をその厚さ方向の1単位の結晶層とし、必要に
応じてさらに第1のBi−O原子層および第2のBi−
O原子層のうちの一方とMe−Ti−O原子層との間に
例えばSr−Ta−O原子層やSr−Nb−O原子層な
どが挿入された構造を有するものである場合には、面内
異方性がより一層高くなるため、酸化物超格子の強誘電
性をより一層有効に利用することができる。さらにま
た、この酸化物超格子はひずみ超格子として機能するこ
とにより、強誘電体薄膜の強誘電性が改善され、サイズ
効果の問題もなくなる。
しながら説明する。
電体不揮発性メモリを示す断面図である。
メモリにおいては、Si基板1上にMgAl2 O4 薄膜
2が積層され、このMgAl2 O4 薄膜2上に所定形状
のBi2 SrTa2 O9 薄膜3が積層されている。この
Bi2 SrTa2 O9 薄膜3は強誘電体薄膜を構成す
る。このBi2 SrTa2 O9 薄膜3の両側の部分にお
けるMgAl2 O4 薄膜2上には、SrRuO3 薄膜4
およびSrRuO3 薄膜5がこのBi2 SrTa2 O9
薄膜3の側壁にそれぞれ接して積層されている。これら
のSrRuO3 薄膜4およびSrRuO3 薄膜5はそれ
ぞれ電極を構成する。これらのSrRuO3 薄膜4およ
びSrRuO3 薄膜5の比抵抗値は2〜300μΩ・c
mであり、電極として用いるのに十分に低い値である。
さらに、Bi2 SrTa2 O9 薄膜3、SrRuO3 薄
膜4およびSrRuO3 薄膜5の上には、絶縁キャップ
層6が積層されている。
薄膜2は、いずれも(100)面方位を有する。また、
Bi2 SrTa2 O9 薄膜3は(001)面方位を有す
る。SrRuO3 薄膜4およびSrRuO3 薄膜5は、
いずれも(100)面方位を有する。なお、Si基板1
は、不純物をドープしたものであっても、ノンドープの
ものであってもよい。
は、上述のように(001)面方位を有することから、
このBi2 SrTa2 O9 薄膜3のc軸は基板表面に対
して垂直である。ここで、符号3aはこのBi2 SrT
a2 O9 薄膜3のサブユニットであるSrTaO3 層を
示し、符号3bはブロッキング層であるBi−O層を示
す。
MgAl2 O4 薄膜2はSi基板1とほぼ完全に格子整
合しており、Bi2 SrTa2 O9 薄膜3、SrRuO
3 薄膜4およびSrRuO3 薄膜5はMgAl2 O4 薄
膜2とほぼ完全に格子整合している。
ば、Al2 O3 、CeO2 、YSZなどを用いることが
できる。
Ta2 O9 薄膜3の結晶構造におけるc軸長の半分の部
分を図2に示す。図2に示すように、このBi2 SrT
a2O9 薄膜3は、ペロブスカイト型結晶構造を有する
SrTaO3 層3aの上下がBi−O層3bによりはさ
まれた構造を有している。このBi2 SrTa2 O9薄
膜3においては、SrTaO3 層3aにおけるTa−O
八面体が作るc軸方向への誘電分極波を、Bi−O層3
bというブロッキング層が遮断していると考えることが
でき、実際にこれが誘電性などの物性異方性の原因とな
っていると考えられる。
然ではあるが、できるだけ効率的な強誘電性ヒステリシ
ス曲線を有することが望まれている。そのためには、い
わゆる角型比(=残留分極(Pr )/自発分極
(Ps ))が高いこと、および、抗電界(Ec )が適度
に低いことの二つの条件を満たす必要がある。したがっ
て、角型比を高くするためには、Bi2 SrTa2 O9
薄膜3の結晶軸異方性、すなわち分極異方性を有効に活
用することができるようにすることが重要である。
2 SrTa2 O9 薄膜3には[ブロッキング層/ペロブ
スカイト層/ブロッキング層]というc軸方向の内部積
層構造があるため、そのc軸が基板表面に対して垂直に
なり、さらにa軸またはb軸が電界方向に平行になるよ
うに、このBi2 SrTa2 O9 薄膜3の配向が決めら
れている。このときのBi2 SrTa2 O9 薄膜3の配
向をその結晶骨格を用いて図3に示す。図3において、
電界(E)方向に強誘電分極するサブユニット(SrT
aO3 層3a)が、原子層単位で見たときにブロッキン
グ層(Bi−O層3b)と適度な形状比で存在している
ことが、反電界係数の因子からも理想的である。
施例による強誘電体不揮発性メモリの製造方法について
説明する。
膜2およびBi2 SrTa2 O9 薄膜3を順次エピタキ
シャル成長させる。このエピタキシャル成長には、反応
性蒸着法、スパッタリング法、レーザアブレーション法
などを用いることができる。このうち反応性蒸着法は、
抵抗加熱および電子ビーム加熱の併用により基板付近に
酸化力の強いオゾンや活性酸素ガスなどの雰囲気を作っ
て蒸着を行う蒸着法の一種であり、活性化反応性蒸着法
とも呼ばれる(例えば、(17)日本セラミックス学会誌、
第98巻、749-753(1990))。この反応性蒸着法による成膜
時には、1単位胞毎の原子レベルでの膜厚制御が、いわ
ゆるRHEED(反射高速電子回折)振動をモニタする
ことにより可能である。
チングにより所定形状にパターニングする。
面にエピタキシャル成長させる。このエピタキシャル成
長にも、反応性蒸着法、スパッタリング法、レーザアブ
レーション法などを用いる。ここで、このSrRuO3
薄膜の厚さは、少なくともBi2 SrTa2 O9 薄膜3
の厚さよりも大きく選ぶ。
(図示せず)を塗布して表面を平坦化した後、異方性エ
ッチングにより基板表面に対して垂直方向にこれらのレ
ジストおよびSrRuO3 薄膜をエッチバックする。こ
のエッチバックは、Bi2 SrTa2 O9 薄膜3の上面
が露出した時点で停止する。これによって、Bi2 Sr
Ta2 O9 薄膜3の両側の部分におけるMgAl2 O4
薄膜2上にこのBi2SrTa2 O9 薄膜3の側壁に接
触してSrRuO3 薄膜4およびSrRuO3薄膜5が
形成される。
RuO3 薄膜4およびSrRuO3薄膜5上に絶縁キャ
ップ層6を成長させる。この絶縁キャップ層6の成長に
も、反応蒸着法、スパッタリング法、レーザアブレーシ
ョン法などを用いる。
メモリが製造される。
強誘電体薄膜の厚さが減少したときのリーク電流(ある
いは絶縁破壊)およびいわゆるサイズ効果の問題につい
て論じておく。
まれた強誘電体薄膜には、その厚さ方向に10個以上の
結晶粒が存在するようにすることが望まれている。これ
は、電極間に入っている結晶粒の数が少なくなると、リ
ーク電流が著しく増大するためである。このときの強誘
電体薄膜(厚さ1μm程度)の様子を図4に模式的に示
し、そのときの強誘電体不揮発性メモリの電流−電圧
(I−V)特性を図5に示す。
誘電体薄膜の様子を図6に模式的に示す。このとき、こ
の強誘電体薄膜の厚さ方向に存在する結晶粒の数は10
よりも少ない。このときの強誘電体不揮発性メモリのI
−V特性を図7に示す。図7を図5と比較すると明らか
なように、電極間に入っている結晶粒の数が10よりも
少ないときのリーク電流は、電極間に入っている結晶粒
の数が10個以上であるときのリーク電流よりも多くな
っている。
たときの強誘電体薄膜の様子を図8に模式的に示す。こ
のとき、この強誘電体薄膜は単結晶である。このときの
強誘電体不揮発性メモリのI−V特性を図9に示す。図
9を図5および図7と比較すると明らかなように、強誘
電体薄膜が単結晶であるときのリーク電流は、強誘電体
薄膜が多結晶であるときのリーク電流に比べて大幅に減
少している。
する。このサイズ効果とは、強誘電体薄膜の厚さを減少
させたとき、この強誘電体薄膜は強誘電性を保持するこ
とができるか、というものである。これは、室温で正方
晶(強誘電性)が安定である物質の粒径が非常に小さく
なると、ある値を境にしてそれ以下の粒径で急に立方晶
に変化して強誘電性を失う現象で、従来はもっぱら微粒
子に対して議論されてきた。つまり、三次元的なサイズ
縮小による物性変化と言える。このサイズ効果は、具体
的には、例えばBaTiO3 の場合は0.1μm以下で
ある。PZT薄膜の場合も、同様な結果が得られてい
る。
の問題を考慮すると、この第1実施例において強誘電体
薄膜として単結晶のBi2 SrTa2 O9 薄膜3を用い
ることは、強誘電体薄膜の厚さが100〜200nm程
度に減少したときに有利になると考えられる。
モリによれば、以下のような種々の利点を得ることがで
きる。すなわち、電極として用いられるSrRuO3 薄
膜3およびSrRuO3 薄膜4は、MgAl2 O4 薄膜
2と良好に格子整合しているので、これらの電極のはが
れの問題がない。また、ファティーグ特性も良好であ
る。さらに、単結晶のBi2 SrTa2 O9 薄膜3を用
いることにより、電極間距離、すなわちBi2 SrTa
2 O9 薄膜3の厚さが減少しても、リーク電流が極めて
少なく、また、三次元サイズ効果によるBi2 SrTa
2 O9 薄膜3の強誘電性の劣化を防止することができ、
強誘電性物質の最高の分極値付近の値を用いることがで
きる。
構造の最適化により、優れた特性を有し、かつ信頼性の
高い全酸化物型かつプレーナ型の強誘電体不揮発性メモ
リを実現することができる。この強誘電体不揮発性メモ
リは、プレーナ型であることにより、集積化にも適して
いる。
誘電体不揮発性メモリを示す断面図である。
性メモリにおいては、Si基板11上にMgAl2 O4
薄膜12が積層され、このMgAl2 O4 薄膜12上に
所定形状の(PbTiO3 )n /(Bi2 O3 )m 超格
子13が積層されている。この(PbTiO3 )n /
(Bi2 O3 )m 超格子13は、強誘電体薄膜を構成す
る。この(PbTiO3 )n /(Bi2 O3 )m 超格子
13の両側の部分におけるMgAl2 O4 薄膜12上に
はSrRuO3 薄膜14およびSrRuO3 薄膜15
が、(PbTiO3 )n /(Bi2 O3 )m 超格子13
の側壁に接して積層されている。これらのSrRuO3
薄膜14およびSrRuO3 薄膜15は、それぞれ電極
を構成する。さらに、(PbTiO3 )n /(Bi2 O
3 )m 超格子13、SrRuO3 薄膜14およびSrR
uO3 薄膜15の上には、絶縁キャップ層16が積層さ
れている。
4 薄膜12は、いずれも(100)面方位を有する。S
rRuO3 薄膜14およびSrRuO3 薄膜15は、い
ずれも(100)面方位を有する。なお、Si基板11
は、不純物をドープしたものであっても、ノンドープの
ものであってもよい。
MgAl2 O4 薄膜12はSi基板11とほぼ完全に格
子整合しており、(PbTiO3 )n /(Bi2 O3 )
m 超格子13、SrRuO3 薄膜14およびSrRuO
3 薄膜15はMgAl2 O4薄膜12とほぼ完全に格子
整合している。
ば、Al2 O3 、CeO2 、YSZなどを用いることが
できる。
格子13は、常誘電体酸化物薄膜であるBi2 O3 薄膜
13aおよび強誘電体酸化物薄膜であるPbTiO3 薄
膜13bを交互に積層したものである。ここで、Bi2
O3 薄膜13aは強誘電性のブロッキング層として機能
する。この場合、強誘電性を担うPbTiO3 薄膜13
bは、成膜直後は(001)面方位を有し、そのc軸は
基板表面に対して垂直であるが、強誘電体不揮発性メモ
リが1回でも動作した後は(100)面方位に変化し、
そのc軸は基板表面に対して平行になる(厳密には、
(100)面方位を有する部分の割合が相当増加するだ
けで、完全に(100)面方位にはならない)。これ
は、反電界を考慮すると、有利である。
よる強誘電体不揮発性メモリの製造方法は、Bi2 Sr
Ta2 O9 薄膜14の代わりに(PbTiO3 )n /
(Bi2 O3 )m 超格子13を成長させることを除い
て、第1実施例による強誘電体不揮発性メモリの製造方
法と同様であるので、説明を省略する。
様に、優れた特性を有し、かつ信頼性の高い全酸化物型
かつプレーナ型の強誘電体不揮発性メモリを実現するこ
とができる。特に、この場合、(PbTiO3 )n /
(Bi2 O3 )m 超格子13に含まれる常誘電体酸化物
薄膜であるBi2 O3 層13aが強誘電性のブロッキン
グ層として機能することにより、強誘電体酸化物薄膜で
あるPbTiO3 層13bの強誘電性を大幅に改善する
ことができる。また、この強誘電体不揮発性メモリは、
プレーナ型であることにより、集積化にも適している。
明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるもの
でなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可
能である。
例においては、電極としてSrRuO3 薄膜4、5、1
4、15を用いているが、電極としてはこれらの代わり
に例えばSr2 RuO4 薄膜を用いてもよい。
発明によれば、シリコン基板と、そのシリコン基板上の
酸化物からなるバッファ層と、そのバッファ層上のビス
マス系層状強誘電体酸化物薄膜と、そのビスマス系層状
強誘電体酸化物薄膜の両側の部分におけるバッファ層上
にビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜の側壁にそれぞれ
接して設けられた第1の導電性酸化物薄膜および第2の
導電性酸化物薄膜とを有することにより、最適構造のプ
レーナ型の強誘電体不揮発性メモリを実現することがで
きる。
基板と、そのシリコン基板上の酸化物からなるバッファ
層と、そのバッファ層上の少なくとも強誘電体酸化物薄
膜を含む酸化物超格子と、その酸化物超格子の両側の部
分におけるバッファ層上に酸化物超格子の側壁にそれぞ
れ接して設けられた第1の導電性酸化物薄膜および第2
の導電性酸化物薄膜とを有することにより、最適構造の
プレーナ型の強誘電体不揮発性メモリを実現することが
できる。
メモリを示す断面図である。
メモリにおいて強誘電体薄膜の材料として用いられるB
i2 SrTa2 O9 の結晶構造を示す略線図である。
メモリにおいて強誘電体薄膜として用いられるBi2 S
rTa2 O9 薄膜の配向状態を説明するための略線図で
ある。
の厚さの減少に伴うリーク電流の問題を説明するための
断面図である。
圧特性を示すグラフである。
の厚さの減少に伴うリーク電流の問題を説明するための
断面図である。
圧特性を示すグラフである。
の厚さの減少に伴うリーク電流の問題を説明するための
断面図である。
圧特性を示すグラフである。
性メモリを示す断面図である。
Claims (44)
- 【請求項1】 シリコン基板と、 上記シリコン基板上の酸化物からなるバッファ層と、 上記バッファ層上のビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜
と、 上記ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜の両側の部分に
おける上記バッファ層上に上記ビスマス系層状強誘電体
酸化物薄膜の側壁にそれぞれ接して設けられた第1の導
電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄膜とを有す
ることを特徴とする強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項2】 上記バッファ層は上記シリコン基板とほ
ぼ格子整合し、上記ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜
は上記バッファ層とほぼ格子整合し、上記第1の導電性
酸化物薄膜および上記第2の導電性酸化物薄膜は上記バ
ッファ層とほぼ格子整合していることを特徴とする請求
項1記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項3】 上記バッファ層、上記ビスマス系層状強
誘電体酸化物薄膜、上記第1の導電性酸化物薄膜および
上記第2の導電性酸化物薄膜は上記シリコン基板上にエ
ピタキシャル成長されたものであることを特徴とする請
求項1記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項4】 上記第1の導電性酸化物薄膜および上記
第2の導電性酸化物薄膜はペロブスカイト型結晶構造を
有することを特徴とする請求項1記載の強誘電体不揮発
性メモリ。 - 【請求項5】 上記第1の導電性酸化物薄膜および上記
第2の導電性酸化物薄膜はSrRuO3 からなることを
特徴とする請求項4記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項6】 上記第1の導電性酸化物薄膜および上記
第2の導電性酸化物薄膜は層状ペロブスカイト型結晶構
造を有することを特徴とする請求項1記載の強誘電体不
揮発性メモリ。 - 【請求項7】 上記第1の導電性酸化物薄膜および上記
第2の導電性酸化物薄膜はSr2 RuO4 からなること
を特徴とする請求項6記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項8】 上記バッファ層はマグネシウム・アルミ
ニウム・スピネルからなることを特徴とする請求項4記
載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項9】 上記バッファ層はマグネシウム・アルミ
ニウム・スピネルからなることを特徴とする請求項6記
載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項10】 上記シリコン基板、上記バッファ層、
上記第1の導電性酸化物薄膜および上記第2の導電性酸
化物薄膜は(100)面方位を有し、上記ビスマス系層
状強誘電体酸化物薄膜は(001)面方位を有すること
を特徴とする請求項8記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項11】 上記シリコン基板および上記バッファ
層は(100)面方位を有し、上記ビスマス系層状強誘
電体酸化物薄膜、上記第1の導電性酸化物薄膜および上
記第2の導電性酸化物薄膜は(001)面方位を有する
ことを特徴とする請求項9記載の強誘電体不揮発性メモ
リ。 - 【請求項12】 上記バッファ層は酸化セリウムからな
ることを特徴とする請求項4記載の強誘電体不揮発性メ
モリ。 - 【請求項13】 上記バッファ層は酸化セリウムからな
ることを特徴とする請求項6記載の強誘電体不揮発性メ
モリ。 - 【請求項14】 上記シリコン基板は(100)面方位
を有し、上記バッファ層は(110)面方位を有し、上
記ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜は(001)面方
位を有し、上記第1の導電性酸化物薄膜および上記第2
の導電性酸化物薄膜は(100)面方位を有することを
特徴とする請求項12記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項15】 上記シリコン基板は(100)面方位
を有し、上記バッファ層は(110)面方位を有し、上
記ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜、上記第1の導電
性酸化物薄膜および上記第2の導電性酸化物薄膜は(0
01)面方位を有することを特徴とする請求項13記載
の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項16】 上記ビスマス系層状強誘電体酸化物薄
膜、上記第1の導電性酸化物薄膜および上記第2の導電
性酸化物薄膜上の絶縁キャップ層をさらに有することを
特徴とする請求項1記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項17】 シリコン基板と、 上記シリコン基板上の酸化物からなるバッファ層と、 上記バッファ層上の少なくとも強誘電体酸化物薄膜を含
む酸化物超格子と、 上記酸化物超格子の両側の部分における上記バッファ層
上に上記酸化物超格子の側壁にそれぞれ接して設けられ
た第1の導電性酸化物薄膜および第2の導電性酸化物薄
膜とを有することを特徴とする強誘電体不揮発性メモ
リ。 - 【請求項18】 上記酸化物超格子は強誘電体酸化物薄
膜と常誘電体酸化物薄膜とからなることを特徴とする請
求項17記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項19】 上記強誘電体酸化物薄膜はペロブスカ
イト型結晶構造を有することを特徴とする請求項17記
載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項20】 上記強誘電体酸化物薄膜はビスマス系
層状強誘電体酸化物薄膜であることを特徴とする請求項
17記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項21】 上記酸化物超格子は、第1のBi−O
原子層と第2のBi−O原子層との間に少なくともMe
−Ti−O原子層(ただし、Me=Ba、Pb、Sr)
を中間原子層として挿入した構造を有する人工結晶をそ
の厚さ方向の1単位の結晶層とすることを特徴とする請
求項17記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項22】 上記バッファ層は上記シリコン基板と
ほぼ格子整合し、上記酸化物超格子は上記バッファ層と
ほぼ格子整合し、上記第1の導電性酸化物薄膜および上
記第2の導電性酸化物薄膜は上記バッファ層とほぼ格子
整合していることを特徴とする請求項17記載の強誘電
体不揮発性メモリ。 - 【請求項23】 上記バッファ層、上記酸化物超格子、
上記第1の導電性酸化物薄膜および上記第2の導電性酸
化物薄膜は上記シリコン基板上にエピタキシャル成長さ
れたものであることを特徴とする請求項17記載の強誘
電体不揮発性メモリ。 - 【請求項24】 上記第1の導電性酸化物薄膜および上
記第2の導電性酸化物薄膜はペロブスカイト型結晶構造
を有することを特徴とする請求項17記載の強誘電体不
揮発性メモリ。 - 【請求項25】 上記第1の導電性酸化物薄膜および上
記第2の導電性酸化物薄膜はSrRuO3 からなること
を特徴とする請求項24記載の強誘電体不揮発性メモ
リ。 - 【請求項26】 上記第1の導電性酸化物薄膜および上
記第2の導電性酸化物薄膜は層状ペロブスカイト型結晶
構造を有することを特徴とする請求項17記載の強誘電
体不揮発性メモリ。 - 【請求項27】 上記第1の導電性酸化物薄膜および上
記第2の導電性酸化物薄膜はSr2 RuO4 からなるこ
とを特徴とする請求項26記載の強誘電体不揮発性メモ
リ。 - 【請求項28】 上記バッファ層はマグネシウム・アル
ミニウム・スピネルからなることを特徴とする請求項2
4記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項29】 上記バッファ層はマグネシウム・アル
ミニウム・スピネルからなることを特徴とする請求項2
6記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項30】 上記シリコン基板、上記バッファ層、
上記第1の導電性酸化物薄膜および上記第2の導電性酸
化物薄膜は(100)面方位を有することを特徴とする
請求項28記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項31】 上記酸化物超格子を構成する上記強誘
電体酸化物薄膜はペロブスカイト型結晶構造を有し、か
つ、(001)面方位を有することを特徴とする請求項
30記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項32】 上記酸化物超格子を構成する上記強誘
電体酸化物薄膜はビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜で
あり、かつ、上記ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜は
(001)面方位を有することを特徴とする請求項30
記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項33】 上記シリコン基板および上記バッファ
層は(100)面方位を有し、上記第1の導電性酸化物
薄膜および上記第2の導電性酸化物薄膜は(001)面
方位を有することを特徴とする請求項29記載の強誘電
体不揮発性メモリ。 - 【請求項34】 上記酸化物超格子を構成する上記強誘
電体酸化物薄膜はペロブスカイト型結晶構造を有し、か
つ、(001)面方位を有することを特徴とする請求項
33記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項35】 上記酸化物超格子を構成する上記強誘
電体酸化物薄膜はビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜で
あり、かつ、上記ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜は
(001)面方位を有することを特徴とする請求項33
記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項36】 上記バッファ層は酸化セリウムからな
ることを特徴とする請求項24記載の強誘電体不揮発性
メモリ。 - 【請求項37】 上記バッファ層は酸化セリウムからな
ることを特徴とする請求項26記載の強誘電体不揮発性
メモリ。 - 【請求項38】 上記シリコン基板は(100)面方位
を有し、上記バッファ層は(110)面方位を有し、上
記第1の導電性酸化物薄膜および上記第2の導電性酸化
物薄膜は(100)面方位を有することを特徴とする請
求項36記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項39】 上記酸化物超格子を構成する上記強誘
電体酸化物薄膜はペロブスカイト型結晶構造を有し、か
つ、(001)面方位を有することを特徴とする請求項
38記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項40】 上記酸化物超格子を構成する上記強誘
電体酸化物薄膜はビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜で
あり、かつ、上記ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜は
(001)面方位を有することを特徴とする請求項38
記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項41】 上記シリコン基板は(100)面方位
を有し、上記バッファ層は(110)面方位を有し、上
記第1の導電性酸化物薄膜および上記第2の導電性酸化
物薄膜は(001)面方位を有することを特徴とする請
求項37記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項42】 上記酸化物超格子を構成する上記強誘
電体酸化物薄膜はペロブスカイト型結晶構造を有し、か
つ、(001)面方位を有することを特徴とする請求項
39記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項43】 上記酸化物超格子を構成する上記強誘
電体酸化物薄膜はビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜で
あり、かつ、上記ビスマス系層状強誘電体酸化物薄膜は
(001)面方位を有することを特徴とする請求項39
記載の強誘電体不揮発性メモリ。 - 【請求項44】 上記酸化物超格子、上記第1の導電性
酸化物薄膜および上記第2の導電性酸化物薄膜上の絶縁
キャップ層をさらに有することを特徴とする請求項17
記載の強誘電体不揮発性メモリ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7169266A JPH08340087A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 強誘電体不揮発性メモリ |
US08/655,943 US6151240A (en) | 1995-06-01 | 1996-05-31 | Ferroelectric nonvolatile memory and oxide multi-layered structure |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7169266A JPH08340087A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 強誘電体不揮発性メモリ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08340087A true JPH08340087A (ja) | 1996-12-24 |
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ID=15883330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7169266A Pending JPH08340087A (ja) | 1995-06-01 | 1995-06-12 | 強誘電体不揮発性メモリ |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH08340087A (ja) |
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