JP3105378B2 - 結晶性薄膜の成形法 - Google Patents

結晶性薄膜の成形法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は金属酸化物薄膜などの薄膜の形成
法に関する。さらに詳しくは、強誘電体膜を使用した半
導体記憶装置、圧電素子、電気光学素子などに用いられ
る結晶性の薄膜の形成法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電体を集積回路のメモリやキ
ャパシタに応用する研究が盛んになっている。中でも強
誘電体を使用したメモリは、DRAMと同等またはそれ
以下にセル面積を小さくすることができ、EEPROM
のような不揮発性を付加することにより不揮発性DRA
Mとして使用されうる。
【0003】このような強誘電体膜を用いた不揮発性半
導体記憶装置の構造としては、たとえば図6(a)〜
(c)に示すように、金属膜−強誘電体膜−半導体層構
造のFET(以下、MFS−FETという)、金属膜−
強誘電体膜−絶縁膜−半導体層構造のFET(以下、M
FIS−FETという)、金属膜−強誘電体膜−金属膜
−絶縁膜−半導体層構造のFET(以下、MFMIS−
FETという)が考えられている。
【0004】まず、図6(a)はMFS−FET構造の
例で、たとえばp型の半導体基板21の表面に強誘電体膜
27およびゲート電極28が形成され、該強誘電体膜27の下
側の半導体基板21の表面のチャネル領域26の両側にたと
えばn+ 型の不純物領域が形成されてソース領域22、ド
レイン領域23が形成され、MFS−FETが構成されて
いる。ここで、強誘電体膜27は酸化物ペロブスカイト構
造を有するPZT(Pb(Zr1-x Tix )O3 )、P
LZT(Pb1-x Lax (Zr1-y Tiy
1-x/4 3 )、PbTiO3 、BaTiO3 などを用い
ることが強誘電体の分極特性の点から考えられている。
また、ゲート電極28は強誘電体膜27との整合性の点から
白金を用いることが考えられている。
【0005】図6(b)はMFIS−FET構造の例で
強誘電体膜27と半導体基板21とのあいだにたとえばCa
2 やSiO2 などの絶縁膜25を介在させることによ
り、強誘電体膜27であるPZTのPb、Tiなどが半導
体基板21に溶け込むのを防止するためのものである。
【0006】また、図6(c)はMFMIS−FET構
造の例で(b)の強誘電体膜27と絶縁膜25とのあいだに
さらに白金などの電極膜24を介在させたもので、この電
極膜24は強誘電体膜27の配向性を向上させるものであ
る。すなわち、SiO2 などの絶縁膜25はアモルファス
であり、PZTなどの強誘電体膜27は結晶質であり、ア
モルファス上に強誘電体膜27を形成すると配向性のない
膜となる。しかし白金膜は(111)配向性を有する膜
がえられ、その上に形成されるPZTも配向性を有する
結晶膜になるからである。
【0007】このMFS−FETのゲート電極28と半導
体基板21とのあいだに、ゲート電極28が正電圧となるよ
うに充分な分極がえられる電圧が印加されると、図6
(d)に示すように分極され、半導体基板21のチャネル
領域26に電子が誘起されて空乏層が形成される。そのた
め、あらかじめゲート電極に抗電界以上の電圧を印加す
るばあいと印加しないばあいの2通りに記憶状態を区分
けしておくことにより、抗電界以上の電圧が印加されて
いるばあいには、ゲート電極が0Vであっても、n+
領域のソース領域22、ドレイン領域23に電圧が印加され
ていると導通状態になり、ソース領域22に連結されたセ
ンスアンプ(図示せず)などを通じて強誘電体膜27の記
憶状態を読み出すことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のMFS構造のよ
うにシリコンなどの半導体層上に酸化物強誘電体膜を直
接成膜しようとすると、強誘電体膜と半導体層の界面に
SiO2 などの不要な膜が生成されてしまう。このよう
な膜が生成されると動作電圧が増大するだけでなく、ト
ラップ準位の発生により膜中に電子がトラップされ、残
留分極による電荷を打ち消してしまうなどの問題があ
る。
【0009】また、バッファ層を設けたMFIS構造で
はバッファ層としてあげられる物質、たとえばCa
2 、ZrO2 、SiO2 などはどれも強誘電体と比べ
て比誘電率が3〜7程度と小さく、強誘電体膜との積層
キャパシタ構造になると電界の大部分がバッファ層にと
られてしまい、強誘電体膜に充分な電界を印加するため
には大きな電圧を印加する必要がある。この対策として
バッファ層を薄くすることが考えられるが、CaF2
ZrO2 などの薄膜化技術は進んでいないうえ、薄膜化
することにより、絶縁破壊が小さくなるという背反現象
が起る。さらにSiO2 上には強誘電体薄膜を密着性よ
く形成することができず信頼性が低下し、バッファ層を
設ける構造も実用化に至っていない。
【0010】さらに、MFMIS構造にしても前述の低
誘電率の誘電体膜に印加電圧の大部分がとられ、強誘電
体膜の分極反転に充分な電界を印加するためには、高い
電圧を印加しなければならないという問題がある。
【0011】さらに、これら強誘電体薄膜などのとくに
異方性の強い結晶性の薄膜を成膜するばあいには、基板
となる下地の材料により基板表面との格子定数や付着性
などの整合性の欠如に基づく結晶配向性が低下し、膜質
が非常にわるくなるという問題がある。
【0012】また、前述の半導体記憶装置などに用いら
れる強誘電体膜としては、前述のようにPZTなどの鉛
系の酸化物強誘電体の使用が検討されているが、これら
鉛系強誘電体は比誘電率が300 〜1000程度とかなり大き
く、抗電界が大きいため、動作電圧が高くなり、最近の
集積回路の微細化、動作電圧の低減化に適合しにくい。
しかし、比誘電率が大きく、抗電界が小さい材料を半導
体などの基板上に結晶性よく成膜することができないと
いう問題がある。
【0013】本発明はこのような問題を解決して、基板
との整合性にかかわらず、結晶性の薄膜を良質な膜とし
て形成する方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の結晶性薄膜の形
成法は、基板上に結晶性薄膜を形成する方法であって、
該結晶性薄膜の成分元素からなり構造相転移を伴うバッ
ファ層を成膜し、さらに温度を変化させて前記結晶性薄
膜を成膜すると共に前記バッファ層を相転移させること
により単一相の薄膜とすることを特徴とするものであ
る。
【0015】前記結晶性薄膜は強誘電体膜であってもよ
い。
【0016】前記バッファ層がBi2 Ti2 7 で前記
結晶性薄膜がBi4 Ti3 12であることが、抗電界が
小さくて半導体記憶装置などに用いる強誘電体膜として
好ましい。
【0017】本発明の半導体記憶装置の製法は、チャネ
ル領域と、該チャネル領域の両側に設けられたソース/
ドレイン領域と、前記チャネル領域上に設けられた強誘
電体膜とからなる半導体記憶装置の製法であって、該強
誘電体膜の形成を請求項1記載の方法により形成するこ
とを特徴とするものである。
【0018】ここに構造相転移を伴うバッファ層とは、
たとえばBi2 Ti2 7 のような常誘電体の結晶構造
から温度により同じ成分元素で異なる結晶構造の強誘電
体であるBi4 Ti3 12に転移するような材料で、か
つ、基板と所望の結晶性薄膜(たとえばBi4 Ti3
12)の双方と整合性のよい材料からなる中間層をいう。
【0019】
【作用】本発明によれば基板と整合性のわるい結晶方向
を有する結晶性薄膜を形成するのに、基板および所望の
結晶性薄膜の両方と整合性の良いバッファ層を介在させ
て成膜しているため、緻密で質の良い結晶性薄膜を形成
することができる。しかもバッファ層はのちの熱処理に
より相転移を起し結晶性薄膜と同一相になるため、誘電
率の小さい膜は存在しなくなり、抗電界特性に何ら悪影
響を及ぼさない。
【0020】
【実施例】つぎに本発明の結晶性薄膜の形成法について
説明する。
【0021】本発明者は前述の強誘電体膜を利用した半
導体記憶装置の動作電圧を下げる観点から抗電界が低
く、しかも比誘電率が大きくてある程度の残留分極がえ
られる強誘電体膜としてBi4 Ti3 12のビスマス層
状構造強誘電体に着目し、その成膜化に鋭意検討を重ね
た。
【0022】Bi4 Ti3 12は一種の変形ペロブスカ
イト構造で、異方性が非常に強い結晶で、自発分極Ps
はac面内でa軸より約5°傾いた方向にある。そのた
めa軸に比べてc軸の自発分極は1/10以下と小さくな
るが、抗電界Ecも同様に小さくなるため、大きな残留
分極を必要としない用途においては反転電圧が小さくな
る分c軸方向の方が有利といえる。c軸方向の抗電界は
4kV/cm、残留分極は4μC/cm2 、比誘電率は130 で
ある。
【0023】このBi4 Ti3 12のc軸配向膜は非常
に分極反転電圧が小さくなり、低電圧動作のLSIなど
に応用できる。しかしBi4 Ti3 12は非常に複雑な
結晶構造をとり、異方性が非常に強い結晶であるため、
良質なc軸配向膜はえられていない。そこで本発明者が
鋭意検討した結果、ビスマス層状構造体では500 ℃以下
の低温で成膜すると非常に緻密で(111) 方向に強く配向
したBi2 Ti2 7薄膜がえられ、このBi2 Ti2
7 薄膜はO2 雰囲気中で基板温度を約630 ℃以上にす
るとBi4 Ti3 12に相転位し、Bi2 Ti2 7
に成膜したBi4 Ti3 12と共に単一相のBi4 Ti
3 12の良質な膜がえられることを見出した。
【0024】この(111) 方向に配向したBi2 Ti2
7 はPt/SiO2 /Si(100) 基板表面のPtと格子
定数や付着性などの整合性がよく成膜することができる
と共に、Bi4 Ti3 12とも整合性よく成膜する。す
なわち、Bi2 Ti2 7 は格子定数がa= 20.68Åの
立法晶であり、酸素−酸素間距離は5.17Åとなる。ゆえ
に、(111)面における酸素−酸素間距離は5.17×2
1/2 =7.311 Åとなる。
【0025】Bi4 Ti3 12は格子定数がa=5.51Å
(b= 1.007a)であるから、Bi4 Ti3 12の(00
1) 面とBi2 Ti2 7 の(111) 面の格子定数のミス
マッチは45°ずれて成長するとすると約6%、ずれずに
成長するとBi4 Ti3 12のO−O4個とBi2 Ti
2 7 のO−O3個(単位格子だとBi4 Ti3 12
個に対してBi2 Ti2 7 3/4個)がミスマッチ0.
7 %以下になり、いずれにしてもミスマッチは非常に小
さくなる。さらに、Bi2 Ti2 7 は比誘電率が約10
〜20と小さいが、630 ℃付近まで温度をあげるとBi4
Ti3 12に転移するため、Bi2 Ti2 7 は残ら
ず、この部分で電界を消耗することはない。
【0026】本発明は、このように基板とも所望の強誘
電体膜であるBi4 Ti3 12とも整合性のよいバッフ
ァ層を介在させて成膜することに特徴があるもので、B
i系層状構造体は、480 ℃でバッファ層として緻密なB
2 Ti2 7 薄膜ができ、630 ℃付近でバッファ層の
Bi2 Ti2 7 がBi4 Ti3 12に転移することを
利用して成膜時の温度プロファイルを、たとえば図1に
示すように、低温でバッファ層を成膜したのち、さらに
成膜しながら温度を上昇することにより本来の結晶質膜
を成膜するとともに、相転移以上の温度にすることによ
り、バッファ層を本来の結晶質膜に転移させ緻密で良質
な単一相の膜を形成するものである。
【0027】なお、膜の生成は通常用いられるMOCV
D法やCVD法、その他スパッタリング法やレーザアブ
レーション法などによっても生成することができる。
【0028】また、Bi2 Ti2 7 の基板との整合性
はそれ程問題にならず、Pt/SiO2 /Si(100) 基
板に限らず、Pt/Ti/SiO2 /Si(100) 、Si
2/Si(100) またはSi(100) 基板などにも緻密に
成膜することもできる。
【0029】前述の説明では強誘電体膜としてBi系層
状構造強誘電体の例で説明したが、この例に限らず、ペ
ロブスカイト構造の誘電体膜にはこのように低温で成膜
した薄膜を高温にすると相転移する性質があり、たとえ
ばPZTでは約 400℃程度でPb2 Ti2 7 の膜が成
膜され、約 600℃以上になるとPbTiO3 に転移して
緻密な膜を成膜でき、良質な強誘電体膜を形成できる。
【0030】なお、Bi4 Ti3 12の成膜の検討に当
り、種々の成膜を行った結果、Pt/SiO2 /Si(1
00) 基板において530 〜650 ℃範囲でBi4 Ti3 12
の単一相がえられ、550 〜630 ℃においてはc軸に配向
したBi4 Ti3 12の薄膜がえられたが、膜質がわる
く、表面が非常にあれていた。また530 ℃より低い温度
では(111) に配向したパイロクロア相(Bi2 Ti2
7 )が、650 ℃より高い温度では無配向のパイロクロア
相がえられた。
【0031】さらに基板にサファイアを使用したばあい
は650 〜700 ℃付近でBi4 Ti312の単一相がえら
れ、Pt/Ti/SiO2 /Si(100) 基板やSi基板
上では750 ℃以下でBi4 Ti3 12単一相にならず、
Bi2 Ti2 7 の単一相かBi2 Ti2 7 とBi4
Ti3 12の混合相となったが、滑らかな膜質のよいも
のがえられた。
【0032】また、前述のバッファ層としてBi
2 3 、TiO2 の薄膜を使用したものではBi4 Ti
3 12のc軸配向性が少し向上したものの大きな膜質の
改善には至らなかった。
【0033】つぎに具体的な実施例により図面を参照し
ながらさらに詳細に説明する。
【0034】実施例1 図1は本発明の結晶性薄膜の形成法の一実施例の温度プ
ロファイルを示す図、図2はその薄膜を形成するMOC
VD装置の概略図、図3は薄膜のX線回折チャート、図
4はBi4 Ti3 12(006) 面のロッキングカーブ、図
5は本実施例の薄膜のD−Eヒステリシスループを示
す。
【0035】まず図2に示すMOCVD装置の反応炉1
のサセプタ2上に、結晶方向が(100) のシリコン基板表
面にシリコン酸化膜と白金が設けられたPt/SiO2
/Si(100) 基板3を載置し、Ti材料源5およびBi
材料源6として35℃程度に設定されたTi(i−OC3
7 4 ガスおよび120 〜170 ℃に設定されたBiPh
3 ガスをそれぞれ用い、キャリヤガス源7からのArガ
スと共にリボンヒータ9で覆われた配管10、11を経由し
て反応炉1内に導入した。Ti(i−OC3 7 4
スの配管10はリボンヒータ9により50℃程度に保ち、B
iPh3 ガスの配管11はリボンヒータ9により170 〜20
0 ℃に保った。なお、キャリヤガスであるArガスの流
量はTi(i−OC3 7 4 ガスのキャリヤガスとし
ては約20sccm、BiPh3 ガスのキャリヤガスとしては
約80sccmで、酸素ガスの流量は約200sccm 、反応炉内の
圧力は5Torrにした。なお図2において4は排気ポン
プ、MFCは流量調整器(マスフローコントローラ)で
ある。
【0036】本実施例では、図1に温度プロファイルを
示すように、まず基板温度を480 ℃にして前述のガスを
反応炉1内に導入し10〜30分間薄膜を成長させた。その
ときの薄膜はBi2 Ti2 7 で膜厚が約10〜30nmであ
った。そののち約10分間かけて基板温度を640 ℃まで上
げた。このとき、約530 〜630 ℃ではBi2 Ti2 7
薄膜の上にBi4 Ti3 12薄膜を成長させていること
になる。そして630 ℃以上になるとBi2 Ti2 7
Bi4 Ti3 12に相転移するため、Bi4 Ti3 12
の単一相の膜を形成することができた。すなわち、Bi
4 Ti3 12の成長の初期段階における各成長はBi2
Ti2 7 (111) 面上で行われるため、結晶性よく成長
でき、そののち約640 ℃で約5時間程成膜した結果、B
4 Ti3 12の単一膜が約250nm の厚さでえられた。
なお図1で、Aは温度により成長する膜の種別を示し、
Bは相転移の起る温度を示している。
【0037】このようにしてBi2 Ti2 7 のバッフ
ァ層を設けてPt/SiO2 /Si(100) 基板上に成長
させたBi4 Ti3 12の薄膜のX線回折チャート、B
4Ti3 12(006) 面のロッキングカーブをそれぞれ
図3(a)および図4(a)に示す。なお、バッファ層
を設けないで、Pt/SiO2 /Si(100) 基板上に直
接Bi4 Ti3 12を成長させたときのX線回折チャー
トおよびBi4 Ti312(006) 面のロッキングカーブ
をそれぞれ図3(b)および図4(b)に示した。図3
より明らかなように、本実施例によりバッファ層を設け
たのち成膜したBi4 Ti3 12の薄膜はX線回折強度
が大きく、(00k)の強度の和とそれ以外の方位の強
度の和の比であるc軸配向性が向上していることがわか
る。また、図4において、半値幅が小さい方が結晶性が
良いことを示しているが、図4より明らかなように、本
実施例によるバッファ層を設けた方がはるかに優れてい
ることを示している。さらに表面モフォロジーも本実施
例によるバッファ層を設けたものが非常に滑らかな表面
であった。
【0038】また、本実施例によりえられたBi4 Ti
3 12薄膜の印加電界に対する分極(μC/cm2 )特性
であるD−Eヒステリシスループを図5に示した。この
ときの膜の厚さは230nm 、面積は 2.3×10-4μm2 で、
周波数は10kHzであった。また、この薄膜の比誘電率
は約180 であった。
【0039】実施例2 前述の図6に示したように、たとえばp型半導体基板上
にゲート絶縁膜とPt膜をそれぞれCVD法およびスパ
ッタリング法により成膜し、ついで前述の方法でBi2
Ti2 7 およびBi4 Ti3 12を温度を変化させな
がら順次成膜し、最終的にBi4 Ti3 12の単相膜を
1500〜3000Å程度に形成した。そののち再度Pt膜を成
膜しパターニングし、さらにイオン注入によりソース/
ドレイン領域を形成して、半導体記憶装置を形成した。
【0040】半導体記憶装置の構造はMFMIS構造の
みならず、MFIS構造およびMFS構造についても行
ったが同様に高特性の半導体記憶装置がえられた。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば基板の性質にかかわら
ず、基板と整合性のよいヘロブスカイト構造の強誘電体
膜など、結晶性の薄膜を高品質でうることができる。
【0042】しかも、強誘電体膜としてBi4 Ti3
12の成膜もでき、抗電界を小さくすることができ、小型
化、動作電圧低減化の半導体記憶装置に大いに寄与す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜形成法の一実施例における温度条
件の時間変化と薄膜の結晶構造の変化を示す図である。
【図2】本発明の薄膜形成法において用いられるMOC
VD装置の概略説明図である。
【図3】本発明の薄膜形成法の一実施例によりえられた
薄膜のX線回折のパターンを示す図である。
【図4】本発明の薄膜形成法の一実施例によりえられた
薄膜の(006)面のロッキングカーブを示す図であ
る。
【図5】本発明の薄膜形成法の一実施例によりえられた
薄膜のD−Eヒステリシスループを示す図である。
【図6】強誘電体を使用した半導体記憶装置の説明図で
ある。
【符号の説明】
3 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 CA(STN) JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に結晶性薄膜を形成する方法であ
    って、該結晶性薄膜の成分元素からなり構造相転移を伴
    うバッファ層を成膜し、さらに温度を変化させて前記結
    晶性薄膜を成膜すると共に前記バッファ層を相転移させ
    ることにより単一相の薄膜とすることを特徴とする結晶
    性薄膜の形成法。
  2. 【請求項2】 前記結晶性薄膜が強誘電体膜である請求
    項1記載の結晶性薄膜の形成法。
  3. 【請求項3】 前記バッファ層がBi2 Ti2 7 で前
    記結晶性薄膜がBi4 Ti3 12である請求項1または
    2記載の結晶性薄膜の形成法。
  4. 【請求項4】 チャネル領域と、該チャネル領域の両側
    に設けられたソース/ドレイン領域と、前記チャネル領
    域上に設けられた強誘電体膜とからなる半導体記憶装置
    の製法であって、該強誘電体膜の形成を請求項1記載の
    方法により形成することを特徴とする半導体記憶装置の
    製法。
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