JP2002083937A - 強誘電体膜、半導体装置及びこれらの製造方法 - Google Patents
強誘電体膜、半導体装置及びこれらの製造方法Info
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Abstract
られる強誘電体膜およびこれを備えた半導体素子を提供
する。 【解決手段】 絶縁膜上に形成される強誘電体膜は、チ
タン酸鉛またはチタン酸鉛を含有する固溶体であるとと
もに、ペロブスカイト構造を有する多結晶体であり、結
晶粒径が50nm以上1000nm以下である。また、
柱状構造の結晶を備え、配向性は(001)優先配向で
あり、結晶系が菱面体晶系である。半導体装置は、MF
IS構造を有する。これを製造するには、絶縁体基板ま
たは絶縁膜形成基板上に、チタン又は酸化チタンを換算
膜厚3nm以上8nm以下に島状になるように形成し、
この上にチタン酸鉛又はチタン酸鉛を含有する固溶体を
成膜する。
Description
これを備えた強誘電体メモリなどの半導体装置に係る。
特に、強誘電体としてチタン酸鉛又はチタン酸鉛を含有
する固溶体を用い、これを絶縁膜上に形成する際に、緻
密でクラックのない強誘電体およびこれを備えた半導体
装置を提供するものである。
性メモリなどの半導体装置に応用される。強誘電体を備
えた不揮発性メモリである強誘電体メモリは、DRAM
に比べて低電圧、低電力、耐放射線に優れた特性を示す
と考えられている。
lectric-Inslator-Semiconductor Field Effect Transi
stor)型メモリは、ゲート電極と半導体基板との間に強
誘電体膜と絶縁体膜を積層したものである。強誘電体の
分極状態の変化によりトランジスタのしきい値が変化す
るので、あるゲート電圧でのドレイン電流の大小が記憶
情報として利用される。また、絶縁膜は強誘電体膜と半
導体基板との間のバッファ層として機能する。このMF
IS−FET型メモリは、メモリセルの小型化、分極疲
労の低減、安定動作などの利点を有している。
金属/PZT(強誘電体)/ZrO 2(絶縁体)/Si
(半導体)の積層構造を備えたものがある。絶縁体とし
てZrO2を用いる主な理由は、誘電率が比較的高いこ
とである。これらのMFIS−FETの製造方法をみる
と、絶縁体であるZrO2上に直接、強誘電体であるP
ZTを成膜している。
者による実験の結果、ZrO2上に直接PZTを成膜す
ると、PZTの結晶粒径が大きく(〜3μm)なった
り、粒界でクラックが入ったりすることがわかった。従
って、緻密な結晶粒が得られず、クラックによりリーク
電流も発生し易くなる。
強誘電体膜において、リーク電流が少なく実用に堪えら
れるものを提供することを目的とする。また、かかる強
誘電体膜を備えた半導体素子を提供することを目的とす
る。更にこれら強誘電体膜及び半導体素子の製造方法を
提供することを目的とする。
成された強誘電体膜であって、チタン酸鉛またはチタン
酸鉛を含有する固溶体であるとともに、ペロブスカイト
構造を有する多結晶体であり、結晶粒径が50nm以上
1000nm以下であることを特徴とする。これによ
り、結晶粒径が小さいので素子の面積が小さくても素子
間の特性のばらつきが小さい。また、多結晶体であるの
で、単結晶エピタキシャル膜に比べて製造が容易で、量
産性に富んでいる。
結晶を備えている。柱状とすることによって厚み方向の
粒界を減らし、緻密な結晶組織を得ることができる。
01)優先配向である。かかる配向性を有する強誘電体
膜は分極密度が大きいので、素子面積を小さくし、半導
体装置を高集積化することもできる。
ラクサ強誘電体を備えている。これにより、所望の構造
を比較的低温で得ることができる。
ましい。菱面体晶系の強誘電体膜は、180°ドメイン
の反転が支配的であり、高周波特性に優れている。
する面が、酸化ジルコニウム層または酸化アルミニウム
層で構成されていることが望ましい。これらの金属酸化
物は強誘電体との反応性に乏しいので、良好な特性の強
誘電体が形成できる。
を、金属膜/強誘電体膜/絶縁膜/半導体の積層構造中
の強誘電体膜として備えたことを特徴とする。
リコンであり、前記絶縁膜は、前記シリコンに接する面
が、シリコン酸化膜で構成されていることが望ましい。
シリコン基板とシリコン酸化膜の界面が安定であるた
め、安定した動作が可能となる。
縁体基板または絶縁膜形成基板上に、チタン又は酸化チ
タンを換算膜厚3nm以上8nm以下に島状になるよう
に形成する工程と、前記チタン又は酸化チタンが形成さ
れた前記基板上に、チタン酸鉛又はチタン酸鉛を含有す
る固溶体を成膜する工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、リーク電流が少なく実用に堪える強誘電体
膜を製造することができる。
は、半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁
膜形成基板上に、チタン又は酸化チタンを換算膜厚3n
m以上8nm以下に島状になるように形成する工程と、
前記チタン又は酸化チタンが形成された前記基板上に、
チタン酸鉛又はチタン酸鉛を含有する固溶体を成膜する
工程と、を含むことを特徴とする。
面を参照して説明する。
実施形態による半導体素子の断面図である。この半導体
素子は、MFIS−FET型のメモリ素子である。
あるシリコン基板11上の一部に、例えば酸化珪素から
なる素子分離用絶縁膜12が形成されている。素子分離
用絶縁膜12に覆われず露出しているシリコン基板11
の表面に、第二導電型(例えばn+型)のソース領域1
3及びドレイン領域14が形成されている。
ルとなるシリコン基板11上に絶縁膜15を介して強誘
電体膜16が形成されている。更に、強誘電体膜16上
に金属膜17が形成されている。
領域14、金属膜17、素子分離用絶縁膜12上にパシ
ベーション酸化膜18が形成され、このパシベーション
酸化膜18にはソース領域13、ドレイン領域14、金
属膜17上にそれぞれ開口が形成されている。パシベー
ション酸化膜18の前記開口から露出するソース領域1
3、ドレイン領域14、金属膜17上に、それぞれソー
ス電極19、ドレイン電極及びゲート電極21が形成さ
れている。
あり、シリコン基板11側から酸化珪素(SiO2)/
酸化ジルコニウム(ZrO2)の積層構造か、酸化珪素
(SiO2)/酸化アルミニウム(Al2O3)の積層
構造とするのが好ましい。
構造を有する多結晶体である。また、自発分極を有し、
外部から電界を印加しなくても誘電分極が生じている。
この自発分極は、外部電界によって反転させることがで
きるため、強誘電体膜16の自発分極の向きによってシ
リコン基板11に印加される電界が変化してトランジス
タのチャネル領域に電子又は正孔が誘起され、トランジ
スタのしきい値電圧が変化する。
きのドレイン電流値の大小として情報を読み出すことが
できる。従って、強誘電体膜16の自発分極の向きを情
報とした半導体記憶装置として利用することができる。
鉛(PbTiO3:PT)が好ましく、またチタン酸鉛
を含有する固溶体、すなわちジルコン酸チタン酸鉛(P
b(ZrxTi1−x)O3:PZT)や、チタン酸鉛
を含有するリラクサ強誘電体であってもよい。また、こ
れらのいずれかを主成分とするものであればよく、多少
の不純物を含んでいてもよい。チタン酸鉛を含有するリ
ラクサ強誘電体としては、例えば、PMN−PT(Pb
(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3)、PZ
N−PT(Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbT
iO3)、PNN−PT(Pb(Ni1/3N
b2/3)O3−PbTiO3)、PIN−PT(Pb
(In1/2Nb1/2)O3−PbTiO3)、PS
T−PT(Pb(Sc1/2Ta1/2)O3−PbT
iO3)、PSN−PT(Pb(Sc1/2N
b1/2)O3−PbTiO3)が挙げられ、そのいず
れでもよい。
nm以上1000nm以下であることが好ましく、10
0nm以上200nm以下であることがより望ましい。
また、強誘電体膜の結晶粒は柱状構造であることが望ま
しく、配向性は(001)優先配向であることが望まし
い。ここで、(001)優先配向は、X線回折広角法で
の以下の式での回折強度比が、70%以上と定義する。 I(001)/{I(001)+I(110)+I(1
11)} なお、I(001)等は、結晶を立方晶の対称性を持つ
と考えたときの等価な面の回折強度のすべての和を意味
する。
方法について説明する。図2〜図4は、上記半導体装置
の製造工程を示す断面図である。
コン基板11の表面を熱酸化させて酸化珪素(Si
O2)膜を形成する。この酸化珪素膜は、後述のZrO
2膜と併せて素子分離用絶縁膜12および絶縁膜15と
なるものである。
面にZrO2膜を成膜する。その場合の製法としては、
上記酸化珪素上に、例えばジルコニウムをターゲットと
してスパッタリングを行なった後で熱酸化する方法、酸
化ジルコニウムを交流スパッタリングする方法、CVD
法などがあり、そのいずれでも良い。この場合、絶縁膜
15として酸化珪素(SiO2)/酸化ジルコニウム
(ZrO2)の積層構造が形成される。絶縁膜15とし
て酸化珪素(SiO2)/酸化アルミニウム(Al2O
3)の積層構造とする場合の製法としては、上記酸化珪
素上に、例えば酸化アルミニウムを交流スパッタリング
する方法、CVD法などがあり、そのいずれでも良い。
を、スパッタリング法等により、換算膜厚が3nm以上
8nm以下となるように島状に形成する。ここで換算膜
厚とは、島状に形成されたチタン膜の膜厚をならした場
合の、いわば平均膜厚をいう。
PZTなどの強誘電体膜16を成膜する。強誘電体薄膜
16の形成方法は、CSD(Chemical Solution Deposi
tion)法、スパッタ法、CVD法等のいずれでもよい。
CSD法の例としては、ゾルゲル法、MOD(Metal-Or
ganic Decomposition)法があり、そのいずれでもよ
い。ゾルゲル法による場合は、金属アルコキシド等の金
属有機化合物を溶液系で加水分解、重縮合させたのち、
加熱処理して結晶化させる。
タン又は酸化チタンが形成されているので、強誘電体膜
16の結晶粒径を小さくすることができ、緻密でクラッ
クフリーな膜が形成できる。また、結晶粒は柱状結晶と
なり、配向性は(001)優先配向となる。
スパッタ法で金属膜17を堆積させる。その後、図3
(e)に示すように、金属膜17、強誘電体膜16及び
絶縁膜15をパターニングし、ゲート形状に整形する。
砒素をイオン注入し、基板11の表面にソース領域13
及びドレイン領域14を形成する。なお、砒素のドーズ
量は、例えば5×1014cm−2程度とする。
酸化珪素膜を堆積し、パシベーション酸化膜18を形成
する。
ーション酸化膜18に、ソース,ドレイン領域13、1
4及び金属膜17に接続するコンタクト孔を形成する。
ニウム等の金属薄膜をスパッタリング法等で全面に堆積
した後パターニングを行って、ソース電極19、ドレイ
ン電極20及びゲート電極21を形成する。
して、Si/SiO2/ZrO2/PZTの積層構造
を、上述のように絶縁膜ZrO2上に島状チタンを介在
させる方法により製造した。また、比較例として、同様
の積層構造を、島状チタンを介在させない従来の方法に
より製造した。
写真及びその模写図であり、図6は上記比較例による強
誘電体膜の表面写真及びその模写図である。いずれも倍
率は500倍で、同一の条件により撮影している。写真
中央の鈎形部分がZrO2上にPZTを形成した領域で
ある。図に表れているように、実施例によるPZTは結
晶構造が緻密でクラックも発生していないのに対し、比
較例によるPZTにはクラックが発生している。
SEM写真及びその模写図であり、図8は上記比較例に
よる強誘電体膜表面のSEM写真及びその模写図であ
る。図に表れているように、実施例によるPZTは結晶
粒径が100nmから200nm程度であるのに対し、
比較例によるPZTは結晶粒径が200nmから100
0nmを遥かに超えるものまであり、極端にばらつきが
大きい。
SEM写真及びその模写図である。図に表れているよう
に、PZT膜は柱状の結晶構造を有している。
いて、エックス線回折広角法においてCuKα線を用い
たときの回折強度の測定結果を示すグラフである。図に
表れているように、このPZTは(001)面に強く配
向している。
強誘電体膜において、リーク電流が少なく実用に堪えら
れるものを提供することができる。また、かかる強誘電
体膜を備えた半導体素子を提供することができる。
電体膜及び半導体素子の製造方法を提供することができ
る。
である。
る。
る。
る。
びその模写図である。
写真及びその模写図である。
及びその模写図である。
及びその模写図である。
及びその模写図である。
クス線回折広角法においてCuKα線を用いたときの回
折強度の測定結果を示すグラフである。
3…ソース領域、 14…ドレイン領域、 15…絶縁
膜、 16…強誘電体膜、 17…金属膜、18…パシ
ベーション酸化膜、 19…ソース電極、 20…ドレ
イン電極、21…ゲート電極
Claims (10)
- 【請求項1】 絶縁膜上に形成された強誘電体膜であっ
て、 チタン酸鉛またはチタン酸鉛を含有する固溶体であると
ともに、ペロブスカイト構造を有する多結晶体であり、 結晶粒径が50nm以上1000nm以下であることを
特徴とする強誘電体膜。 - 【請求項2】 絶縁膜上に形成された強誘電体膜であっ
て、 チタン酸鉛またはチタン酸鉛を含有する固溶体であると
ともに、ペロブスカイト構造を有する多結晶体であり、 柱状構造の結晶を備えたことを特徴とする強誘電体膜。 - 【請求項3】 絶縁膜上に形成された強誘電体膜であっ
て、 チタン酸鉛またはチタン酸鉛を含有する固溶体であると
ともに、ペロブスカイト構造を有する多結晶体であり、 配向性は(001)優先配向であることを特徴とする強
誘電体膜。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れか一項にお
いて、 PZTまたはリラクサ強誘電体を備えたことを特徴とす
る強誘電体膜。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4の何れか一項にお
いて、 結晶系が菱面体晶系であることを特徴とする強誘電体
膜。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5の何れか一項にお
いて、 前記絶縁膜は、前記強誘電体膜に接する面が、酸化ジル
コニウム層または酸化アルミニウム層で構成されている
ことを特徴とする強誘電体膜。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項6の何れか一項に記
載の強誘電体膜を、金属膜/強誘電体膜/絶縁膜/半導
体の積層構造中の強誘電体膜として備えたことを特徴と
する半導体装置。 - 【請求項8】 請求項7において、 前記半導体はシリコンであり、 前記絶縁膜は、前記シリコンに接する面が、シリコン酸
化膜で構成されていることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項9】 絶縁体基板または絶縁膜形成基板上に、
チタン又は酸化チタンを換算膜厚3nm以上8nm以下
に島状になるように形成する工程と、 前記チタン又は酸化チタンが形成された前記基板上に、
チタン酸鉛又はチタン酸鉛を含有する固溶体を成膜する
工程と、 を含むことを特徴とする強誘電体膜の製造方法。 - 【請求項10】 半導体基板上に絶縁膜を形成する工程
と、 前記絶縁膜形成基板上に、チタン又は酸化チタンを換算
膜厚3nm以上8nm以下に島状になるように形成する
工程と、 前記チタン又は酸化チタンが形成された前記基板上に、
チタン酸鉛又はチタン酸鉛を含有する固溶体を成膜する
工程と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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