JP3245021B2 - 半導体記憶装置の製造方法 - Google Patents

半導体記憶装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体膜を薄膜キ
ャパシタとして用いた半導体記憶装置の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路技術の発達によって半導
体記憶装置がますます小型化されてきており、半導体記
憶装置に必須の回路素子である薄膜キャパシタも、一層
の小型化が要望されている。従来の半導体記憶装置にお
ける薄膜キャパシタは、トランジスタ等の能動素子と同
一の基板に溝を掘って蓄積容量膜を形成するトレンチ形
キャパシタや、基板上に蓄積容量膜を積み上げるスタッ
ク形キャパシタ等の立体構造からなり、これらは蓄積容
量の面積を実効的に大きくすることで高集積化を図って
きた。
【0003】しかしながら、能動素子全般の小型化が急
速化する中で、薄膜キャパシタの小型化は比較的遅れて
おり、このことは特に半導体記憶装置のより一層の高集
積化を阻む大きな要因となっている。これは従来用いら
れている誘電体材料が、シリコン酸化物(SiO2 )や
シリコン窒化物(Si3 4 )等のように、誘電率がた
かだか10以下の材料に限られているからであり、薄膜
キャパシタの小型化のためには誘電率の大きな誘電体膜
の開発が要求される。
【0004】ペロブスカイト型結晶構造の酸化物である
チタン酸ストロンチューム膜(SrTiO3 膜、以下S
TO膜),チタン酸バリウム膜(BaTiO3 膜、以下
BTO膜),チタン酸鉛膜(PbTiO3 膜、以下PT
O膜)あるいはPb1-x Zrx TiO3 膜(以下PZT
膜)等は、単一組成ならびに相互の固溶体組成で、10
0〜1000にも及ぶ高誘電率を有することが知られて
おり、既にセラミックコンデンサには用いられている。
そこで、これらの材料の薄膜化は上述の薄膜キャパシタ
の小型化に有効と考えられ、以前から研究が行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、結晶構造が
ペロブスカイトまたは層状ペロブスカイト構造を持つ、
いわゆるペロブスカイト型酸化物と言われる誘電体材料
は、蓄積電荷量をより多くするために薄膜化を進めてい
くと、誘電率が徐々に低下するという問題がある。例え
ば、バルクでは比誘電率1000以上を示すBaSr
1-X TiX 3 膜(以下BSTO膜)も、厚さ約30n
mの薄膜になると比誘電率はおよそ250程度まで低下
し、電荷蓄積能力を表すシリコン酸化膜に換算した厚み
では約0.4nm程度にとどまる。
【0006】この誘電率の低下の問題のため、これらの
強誘電体材料のうち、例えばPZTを用いて製造した強
誘電体メモリにおいては、およそ100nmより薄い膜
厚であると薄膜キャパシタとしての使用が困難となる。
このように、誘電率の大きな誘電体膜も、薄膜化による
特性の劣化が、小型化をねらう半導体記憶装置のキャパ
シタとして採用する際の障害となった。
【0007】以上のように、従来の半導体記憶装置で
は、高誘電率の誘電体材料を薄膜キャパシタに採用して
も期待した蓄積容量の増大は得られず、小型化の要望に
沿うことができないという問題があった。
【0008】本発明は上記従来の問題を解決し、ペロブ
スカイトまたは層状ペロブスカイト構造の物質を含有す
る高誘電率の誘電体膜からなる薄膜キャパシタを、その
高誘電特性を損なうことなく蓄積容量の増大を図り、よ
って高集積化を可能とした半導体記憶装置の製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明は第一の発明として、表面にトランジスタ
回路が形成された半導体基板上に絶縁層を形成する第一
の工程と、この第一の工程の後に前記トランジスタ回路
上の前記絶縁層の一部を除去し開口部を形成する第二の
工程と、この第二の工程の後に前記開口部の前記半導体
基板上にエピタキシャル成長により半導体層を堆積する
第三の工程と、この第三の工程で形成されたエピタキシ
ャル半導体層に非晶質半導体膜を形成する第四の工程
と、この第四の工程で形成された非晶質半導体膜の固相
成長により前記半導体基板に対して同配向の固相成長膜
を形成する第五の工程と、この第五の工程で形成された
固相成長膜上に下部電極を形成する第六の工程と、この
第六の工程で形成された下部電極上にペロブスカイトま
たは層状ペロブスカイト構造の物質を含有する誘電体膜
を形成する第七の工程と、この第七の工程の後に前記誘
電体膜の上に上部電極を形成する第八の工程とを備えた
ことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法を提供す
る。
【0010】即ち、この発明による製造方法によれば、
誘電体膜の下の固相成長膜は、非晶質半導体膜の固相成
長により形成されるので、広く横方向にもエピタキシャ
ル半導体層及び下地の半導体基板に対して均一な同配向
の表面を持つようになる。その結果、誘電体膜は高誘電
率を保持しかつ対称性が良好で大きな分極量を有するよ
うになり、電荷の蓄積・放出の繰返し特性が良好でメモ
リに好適な半導体記憶装置を提供できる。
【0011】また第二の発明として、表面にトランジス
タ回路が形成された半導体基板上に絶縁層を形成する第
一の工程と、この第一の工程の後に前記トランジスタ回
路上の前記絶縁層の一部を除去し開口部を形成する第二
の工程と、この第二の工程の後に前記開口部の前記半導
体基板上及びこれにつらなる前記絶縁層上に非晶質半導
体層を堆積する第三の工程と、この第三の工程で形成さ
れた非晶質半導体層の固相成長により半導体基板に対し
て同配向の単結晶領域を形成する第四の工程と、この第
四の工程で形成された単結晶領域上に下部電極を形成す
る第五の工程と、この第五の工程で形成された下部電極
上にペロブスカイトまたは層状ペロブスカイト構造の物
質を含有する誘電体膜を形成する第六の工程と、この第
六の工程の後に前記誘電体膜の上に上部電極を形成する
第七の工程とを備えたことを特徴とする半導体記憶装置
の製造方法を提供する。
【0012】一般に、半導体下部電極を半導体基板上に
エピタキシャル成長により形成すると、下部電極部とし
て広い面積を確保するのが難しい。しかし、この第二の
発明によれば、非晶質半導体膜を開口部のみに限らずこ
れにつらなる絶縁層上にも堆積し、その非晶質半導体膜
の固相成長によって単結晶領域を形成するので、下部電
極部はより広い面積にわたって半導体基板と同配向の領
域を確保することが可能となる。
【0013】このように、下部電極部の広い面積にわた
る半導体基板と同配向の領域確保は、電荷蓄積容量の増
大を可能とし、半導体記憶装置の小型化高集積化が実現
できる。
【0014】さらに第三の発明として、表面にトランジ
スタ回路が形成された半導体基板上に絶縁層を形成する
第一の工程と、この第一の工程の後に前記トランジスタ
回路上の前記絶縁層の一部を除去して形成される開口部
をパターニング方向Bが前記半導体基板の[110]方
向に対して0<B≦20度の方向に形成する第二の工程
とこの第二の工程の後に前記開口部の前記シリコン基板
上にエピタキシャル成長により半導体層を堆積する第三
の工程と、第三の工程で形成されたエピタキシャル半導
体層上に下部電極を形成する第四の工程と、この第四の
工程で形成された下部電極上にペロブスカイトまたは層
状ペロブスカイト構造の物質を含有する誘電体膜を形成
する第五の工程と、この第五の工程の後に前記誘電体膜
の上に上部電極を形成する第六の工程とを備えたことを
特徴とする半導体記憶装置の製造方法を提供する。
【0015】即ち、この発明は、絶縁層に形成されたパ
ターニング方向Bを[110]方向に対して0<B≦2
0度の範囲となるようにしたので、半導体基板面とその
上に形成されるエピタキシャル半導体層面とのなす角を
高くすることができる。この結果、開口部に形成される
選択エピタキシャル成長面の狭量化が回避され、ペロブ
スカイトまたは層状ペロブスカイト構造の物質を含有す
る誘電体膜の高誘電体特性を損なうことなく、かつ広面
積の良好なコントラクトプラグ部を有する半導体記憶装
置を実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明による半導体記憶
装置の製造方法の一実施の形態について、図1乃至図1
7を参照し、詳細に説明する。
【0017】この発明は、ペロブスカイト系誘電体を使
用したキャパシタの誘電体薄膜の特性を飛躍的に改善し
つつ、半導体記憶装置の小型化を半導体基板、例えばシ
リコン(Si)基板上から半導体単結晶電極をエピタキ
シャル成長で形成することにより実現し、更に選択エピ
タキシャル成長を進めてゆくことによる成長面の面積の
狭量化を解決するものである。
【0018】また、選択エピタキシャル半導体層による
コントラクトプラグ部の形成には、ファセットの問題が
生じるが、この発明は、このファセットの問題を解決す
る最適絶縁膜構造を有する半導体記憶装置の製造方法を
得ることを目的とする。
【0019】即ち、図1はこの発明による半導体記憶装
置、特にFeRAMの製造方法の第一の実施の形態を示
す断面図である。
【0020】まず、図示のように、第一導電型半導体で
あるSi基板1の上に、素子間分離用にSiO2 の酸化
膜2を形成する。次に、素子形成領域を薄く酸化し、ゲ
ート酸化膜3を形成する。ゲート酸化膜3の上部にLP
CVD法によりワード線となるポリシリコン層4を形成
し、このポリシリコン層4に燐拡散を行うことで十分な
導電性を持たせる。その後フォトレジストによるパター
ンニングの後に異方性エッチングによりポリシリコン層
4及びゲート酸化膜3をエッチングし、ゲート部を形成
する。なお、5及び6は層間絶縁膜である。
【0021】次に、Si基板1に、自己整合的にP型不
純物、例えばボロンをイオン注入し第二導電型不純物拡
散層であるソース部7及びドレイン部8の形成によりP
型MOS構造を作成後、BPSG(Boron−dop
ed Phospho−Silicate Glas
s)等からなる絶縁層9を形成し、化学機械的研磨(C
MP)により、絶縁層9を平坦化する。
【0022】次に、ソース部7上の絶縁層9に、反応性
イオンエッチング(RIE)とフッ酸系溶液処理によ
り、コンタクト部となる開口部10を設ける。コンタク
ト部をトランジスタのソース部7(あるいはドレイン部
8)上に形成することで、メモリセルとしての回路構成
を簡略化できる。
【0023】次に、開口部10に半導体層即ちシリコン
エピタキシャル層11を低圧化学気相堆積(LPCV
D)法を用いて選択エピタキシャル成長により形成す
る。LPCVD法の材料ガスとしては、ジクロルシラ
ン、ジシラン、塩素ガスを組み合わせ用いる。成長温度
はおよそ600〜900℃の間とした。また、P型用の
ドーパントガスとしてジボランを用いた。この実施の形
態では選択成長法により絶縁層9上へのSiの堆積を回
避した。また、Siエピタキシャル層11の高さが絶縁
層9の高さよりも約5nm程度低くなるように成長を調
整し、その後にフッ酸系溶液処理を用いて、前記絶縁層
9をエッチングし、矢印9Aで示す位置で、Siエピタ
キシャル層11の高さと絶縁層9の高さとを略一致させ
た。
【0024】次に、コンタクト部の上下層相互間の拡散
を防止するためのバリア金属であるTiNエピタキシャ
ル膜12、下部電極となる白金(Pt)エピタキシャル
膜13及び誘電体としてペロブスカイト系の歪み誘起B
STOエピタキシャル膜14を、前記Siエピタキシャ
ル層11上に順次形成し、RIEでエッチング加工を行
った。次にPtを上部電極15として蒸着させ、絶縁膜
16を形成した後、RIEエッチング加工を行い、更に
アルミニューム(Al)による引出し電極17を形成
し、FeRAM構造の半導体装置を製造した。なお、こ
こでペロブスカイト系の誘電体とはペロブスカイトの物
質または層状ペロブスカイトの物質からなるものを言
う。
【0025】この半導体記憶装置の製造方法により、S
i基板1上にSi単結晶電極(11)をエピタキシャル
成長により形成したので、歪み誘起BSTOエピタキシ
ャル膜14からなる誘電体膜がその高い誘電特性を損な
うことなく形成され、高いキャパシタ容量が確保される
ので半導体装置の小型化が可能となった。また、良好な
分極対電界特性が得られる。
【0026】しかしながらそれでも、半導体装置の高集
積化が一層追及されるに従い、ソース部7の広さも益々
減少する。ソース部7の広さの減少は、その上に形成さ
れるキャパシタ面積の減少につながるので、この第一の
実施の形態により製造された半導体記憶装置を更に改善
し、より一層キャパシタ容量が拡大されることが望まれ
る。
【0027】そこで、この発明による半導体記憶装置の
製造方法の第二の実施の形態では、半導体記憶装置での
キャパシタ容量を上記第一の実施の形態のものよりも更
に高めるもので、具体的にはFeRAMの製造方法を例
に、図2を参照し説明する。なお、図1に示した第一の
実施の形態と製造方法の同一過程については、図中同一
番号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】即ち、図2に示した第二の実施の形態で
は、図1に示した第一の実施の形態と同様に、Si基板
1に、P型MOS構造を作成後、絶縁層9を形成し、C
MPにより絶縁層9を平坦化する。引き続き、ソース部
7上にRIEとフッ酸系溶液処理により、開口部10を
設け、Siエピタキシャル層11をLPCVD法を用い
て選択成長を行う。LPCVD法の材料ガスは前記と同
様で、成長温度も同様におよそ600〜900℃の間で
行った。この実施の形態でも、選択成長法により絶縁層
9上にシリコンが堆積されないようにし、前記第一の実
施の形態と同様な方法でSiエピタキシャル層11の高
さと絶縁層9の高さを合わせた。
【0029】次に、この実施の形態では、CVD装置を
用いて非晶質(アモルファス)シリコンをSiエピタキ
シャル層11(開口部10)及びこれに連なる絶縁層9
の上に堆積し、非晶質半導体層即ち非晶質シリコン層1
1aを形成する。このとき、非晶質シリコン層11aは
開口部10の面積よりも大きい面積となるよう形成され
る。その後、約600℃の熱処理を行い非晶質シリコン
層11aの固相成長を行い固相成長膜11bを生成させ
た。従って、固相成長膜11bは、Siエピタキシャル
層11がシード(種)となり、横方向にもそのSiエピ
タキシャル層11及び下地のSi基板1と同配向が得ら
れる。生成した固相成長膜11b上には、上記第一の実
施の形態と同様に、バリア金属であるTiNエピタキシ
ャル膜12,下部電極となるPtエピタキシャル膜13
及びペロブスカイト系の誘電体である歪み誘起BSTO
エピタキシャル膜14を順次形成し、RIEでエッチン
グ加工を行い、上部電極15を蒸着後、RIEエッチン
グ加工を経て、引出し電極17を形成してFeRAMを
製造した。
【0030】以上のように、この第二の実施の形態で
は、ソース部6領域の面積よりも広い固相成長膜(エピ
タキシャルコンタクトプラグ)11bを形成でき、この
面積の広い固相成長膜11b上に、高誘電体である歪み
誘起BSTO膜14が形成されるので、キャパシタ容量
の大きな半導体記憶装置を実現することができる。
【0031】また、この第二の実施の形態では、固相成
長膜11bは、横方向にもそのSiエピタキシャル層1
1及び下地のSi基板1対して均一な同配向の表面とな
って良好な分極対電界特性が得られるから、メモリ特性
の機能向上が図れる。
【0032】なお、この図2で説明した第二の実施の形
態による製造方法で、Siエピタキシャル層11はソー
ス部6上の開口部10にLPCVD法を用いて選択成長
を行ったが、比較例1として図3及び図4に示すよう
に、もしも開口部10を非晶質シリコン(11a)で埋
め、その状態で固相成長を行なわせたとすると、得られ
た固相成長膜11bは均一なエピタキシャル配向膜にな
らず、図4(b)に一部斜線で示したように、下地のS
i基板1とは異なった配向の部分11baを有するよう
になる。つまり、図4(a)に斜線11bAで示した位
置で、CMPにより平坦化を行った固相成長膜11bの
表面は、下地のSi基板1対して均一な同配向の表面と
はならず異なった配向を示す。
【0033】そこで、図2に示したFeRAM構造と、
図3及び図4に示したFeRAM構造との、歪み誘起B
STOエピタキシャル膜14の分極対電界(P−E)の
ヒステリシス特性曲線はそれぞれ図5にイ、ロに示す。
図5から明らかなように、下地コンタクトの結晶状態に
依存し、図2に示した第二の実施の形態の歪み誘起BS
TO膜14の分極対電界のヒステリシス特性曲線((実
線)イ)は、図3及び図4に示したFeRAMの同じく
歪み誘起BSTOエピタキシャル膜14の分極対電界の
ヒステリシス特性曲線((点線)ロ)よりも対称性が良
く、また大きな分極量が得られる。また、図3及び図4
に示したFeRAMの製造方法では、CMPによる平坦
化の製造工程が大きくなるのでコストがかかる。
【0034】また、図3及び図4に示した構造のFeR
AMとも相違し、比較例2として図6(a)に示すよう
に、もしもSiエピタキシャル膜11と絶縁層9の高さ
を同じにすることなく凹凸の段差11Aを有した状態
に、開口部10に非晶質シリコン層11aを堆積したと
すると、図示のようにCVD装置により形成された非晶
質シリコン層11aにも同様な段差11Bが生じる。こ
の状態で固相成長を行うと、Si基板1に対してエピタ
キシャル配向させたエピタキシャルSi固相成長膜11
bの表面にもU字状の段差11Bが生じる。このような
段差11Bを有する固相成長膜11bの表面上方に、同
様にして歪み誘起BSTOエピタキシャル膜14を形成
しても、やはり、図6(b)に比較して示すように、分
極対電界ヒステリシス曲線(ハ)は図2で説明した第二
の実施の形態における分極対電界ヒステリシス曲線
(イ)に比較し、対称性も劣り、分極量も小さいものと
なる。従って、この場合でも、対称性を良くし、より大
きな分極量を得るには、CMPによる固相成長膜11b
の平坦化工程を必要とする。
【0035】なお、図6(a)に示したFeRAM構造
で、CMPによる固相成長膜11bの平坦化を行わない
場合には、比較例3として図7(a)に示すように、非
晶質シリコン層11aの膜厚が大きくなるように堆積さ
せ、結果的に図6(a)に示した凹凸の段差11Bの程
度を小さくすることにより、この状態で非晶質シリコン
層11aの固相成長膜11bを形成すると、その上方の
歪み誘起BSTOエピタキシャル膜14の分極対電界ヒ
ステリシス曲線(ニ)は、図7(b)に示したように、
若干の特性の改善が見られる。
【0036】図8は、この発明による半導体記憶装置の
製造方法の第三の実施の形態を説明する図である。この
第三の実施の形態は、第一乃至第二の実施の形態におけ
る半導体記憶装置に対し、エピタキシャルコンタクトプ
ラグ部の抵抗値を下げ、半導体記憶装置の消費電力をよ
り少なくすることをねらいとするものである。
【0037】即ち、この第三の実施の形態では、図1及
び図2で説明した上記第一乃至第二の実施の形態におけ
るSiエピタキシャル層11をシリコンゲルマニウムエ
ピタキシャル混晶膜に、あるいは非晶質Si層11a及
びシリコンエピタキシャルの固相成長膜11bを、夫々
非晶質シリコンゲルマニウム混晶膜及びその非晶質シリ
コンゲルマニウム混晶膜を固相成長させたシリコンゲル
マニウムエピタキシャル混晶の固相成長膜にそれぞれ対
応して置き換えることによって、エピタキシャルコンタ
クト部の直列抵抗をより小さくし、低い消費電力化を実
現するものである。
【0038】図8(a)はショットキー界面の直列抵抗
値(いずれも約3V印加時逆方向)を示したもので、バ
リア金属となるTiNとP型Siとのショットキー界面
の直列抵抗値(ホ)と、同じくTiNとP型シリコンゲ
ルマニウム(ゲルマニウム混晶比20%)とのショット
キー界面の直列抵抗値(ヘ)を示している。図8(a)
の記載から明らかなように、シリコンゲルマニウム
(ヘ)の方が直列抵抗値がより小さく、FeRAMの低
消費電力化に役立つことを表している。また図8(b)
には、実際のショットキー界面の直列抵抗の測定回路を
示しており、P型Si(100)とTiNとの間に、P
型SiまたはP型Si0.8 Ge0.2 を介在させ、上下両
Al電極17a,17bを介して電流I−電圧V測定器
18を接続して構成される。
【0039】エピタキシャルシリコン膜を誘電体の電極
部として採用したFeRAMデバイス構造で、コンタク
トプラグ部に、シリコン膜の代わりにシリコンゲルマニ
ウム膜を用いた際の利点について説明する。
【0040】第一の利点は、上述のように抵抗値の低下
である。Siのバルクの移動度が正孔約380cm2
V・sec、電子約1400cm2 /V・secに対し
て、Geのそれはそれぞれ、およそ3040、3640
cm2 /V・secであり、シリコンにゲルマニウムを
混入したSiGe膜はSi膜よりも移動度が大きくな
る。このことからも、Si膜よりもSiGe膜の方が、
抵抗値が低くコンタクト材料としては最適である。
【0041】第二の利点は、Si膜の代わりにSiGe
膜を採用することによって、コンタクトプラグ部と、そ
の上部に形成されたバリア金属層(12)ないし下部電
極間のショットキー障壁の高さを低下させることができ
る。コンタクトプラグ部としてシリコン膜19を採用し
た場合、またシリコンゲルマニウム膜20を採用した場
合の各ショットキー障壁を図9(a)及び図9(b)に
示す。即ち、図9(a)及び図9(b)で比較して説明
するように、シリコンゲルマニウムのバンドギャップ2
0aはおよそ0.67〜1.12eVなのに対し、Si
のバンドギャップ19aは約1.12eVであり、シリ
コンゲルマニウム膜のバンドギャップ20aはSi膜の
バンドギャップ19aよりも小さくなる。その結果、シ
リコンゲルマニウムコンタクトプラグとバリア金属層間
のショットキー障壁20bは、Siコンタクトプラグと
バリア金属層間のショットキー障壁19bよりも低下し
(20b<19a)、シリコンゲルマニウムコンタクト
プラグを用いた方が直列抵抗値が減少することを示して
いる。
【0042】以上のように、この第三の実施の形態によ
れば、シリコンゲルマニウムエピタキシャル混晶膜、あ
るいは非晶質SiGe混晶膜及びその非晶質SiGe混
晶膜を固層成長させたSiGeエピタキシャル混晶固層
成長膜を採用することによって、エピタキシャルコンタ
クト部の直列抵抗をより小さくし、低い消費電力の半導
体装置を実現することができる。
【0043】次に、第二の実施の形態の説明で、比較例
として図3及び図4を参照し、開口部10を非晶質シリ
コン(11a)で単に埋めた場合、非晶質シリコン層は
開口部10上で凹状となり、その状態で固相成長を行わ
せた場合は、均一なエピタキシャル配向膜とはならない
ので、その上に形成される歪み誘起BSTOエピタキシ
ャル膜14は良好な分極対電界のヒステリシス特性曲線
を示さないことを述べた。そこで、次の第四の実施の形
態では、開口部10への非晶質半導体の蓄積を開口部1
0上で凹部を形成しないように、より選択的に堆積形成
することによって、良好な分極対電界のヒステリシス特
性曲線を示す誘電体膜を形成した形態を説明する。
【0044】以下、この発明の第四の実施の形態につい
て、図10を参照して説明する。この第四の実施の形態
では、コンタクトプラグ部は非晶質からの固相成長によ
って半導体(Si)の良好な単結晶領域が絶縁層上にも
確保されるので、広い面積にわたってSiの(001)
結晶配向を結成でき、半導体記憶装置でのキャパシタ容
量を拡大することが可能となる。
【0045】即ち、図10(a)に示す半導体記憶装置
において、P型Si(001)基板1の上に、素子分離
領域の酸化膜2を形成する。次に、素子形成領域を薄く
酸化し、ゲート酸化膜3を形成する。ゲート酸化膜3の
上部にLPCVD法によりポリシリコン層4を堆積によ
り形成し、このポリシリコン層4に燐拡散を行うことで
十分な導電性を持たせる。その後フォトレジストによる
パターニングの後に異方性エッチングにより、ポリシリ
コン層4及びゲート酸化膜3をエッチングしゲート部を
形成する。
【0046】次に、Si基板1に、自己整合的にP型不
純物、例えばボロンをイオン注入しP型ソース部7及び
ドレイン部8を形成した後、燐ガラス等の絶縁性物質を
堆積し絶縁層9を形成する。この絶縁層9は、後で形成
するキャパシタとSi基板1上に形成したトランジスタ
を分離する層間絶縁膜の役割を果たすもので、キャパシ
タを構成する物質がトランジスタの動作に悪影響を及ぼ
すことを阻止する役割を持つ。従って、燐ガラスのほか
窒化シリコンなどを用いることも不純物の拡散を阻止す
る上で有効である。
【0047】次に、ソース部7上の絶縁層9に、コンタ
クトプラグ部を設ける。コンタクトプラグ部は図10
(a)に示すように、トランジスタのソース部7(ある
いはドレイン部8)上に形成することで、メモリセルの
回路構成を簡略化することができるが、まずコンタクト
プラグ部用の開口部10は前述の第一乃至第三の実施の
形態と同様な方法、即ちRIEとフッ酸系溶液処理によ
り絶縁層9に形成される。
【0048】次に、開口部10に非晶質半導体即ち非晶
質Si(11a)を堆積する。この非晶質Si層11a
の膜厚は開口部10が完全に埋まり、なおかつその上部
及びこれに連なる近傍の絶縁層9上にもある程度の厚み
を持つように選択的に堆積させる。その後、CMPによ
り非晶質Si層11aの表面を平坦化させる。
【0049】次に、非晶質Si層11aに熱処理(アニ
ール)を行い結晶化させる。これには低温熱処理、例え
ば約600℃で1時間の熱処理をかける。この非晶質S
i11層11aは開口部10の底部で、Si(001)
基板1に接しているので、熱処理を行うことによってS
i基板1に接している部分から(001)配向の固相成
長が起こり、図10(b)に示すように、Si単結晶領
域11cが形成される。この固相成長は、一旦、非晶質
Si層11aの上部に達すると、そのまま横方向に成長
が進み、厚さ十数ミクロンで広い面積の単結晶領域11
cを得るものである。
【0050】なお、Si基板1が(001)配向あるい
はそれに直交する方向の表面を持つ場合は、コンタクト
が[100]方向あるいは[100]に直交する方向の
境界線で開口されていると、非常に速く横方向に固相成
長を起こすことができる。
【0051】その後、図10(c)に示すように、前述
の第一乃至第三の実施の形態で説明した工程と同様に、
Si単結晶領域11cが形成された非晶質Si層11a
上に、バリア金属であるTiNエピタキシャル膜12、
下部電極となるPtエピタキシャル膜13、及び誘電体
である歪み誘起BSTOエピタキシャル膜14を連続的
に堆積させる。ここでTiNエピタキシャル膜12、P
tエピタキシャル膜13、歪み誘起BSTOエピタキシ
ャル膜14のいずれも下地の格子の影響を受けるが、非
晶質Si層11aは結晶化された際にSi(001)基
板1と同配向を示しているから、その影響を受ける歪み
誘起BSTOエピタキシャル膜14は歪みを内在し、そ
の結果として強誘電性を示す。
【0052】その後、フォトレジストによるパターニン
グの後、異方性エッチングにより加工が行なわれ、Pt
を蒸着し、パターニングの後に異方性エッチングで加工
し、キャパシタの上部電極15を形成する。次に、絶縁
膜16を堆積し、コンタクトを開口後アルミニウム合金
を蒸着しフォトレジストによるパターニングの後に異方
性エッチングをかけ、引出し電極17が形成される。
【0053】このように、この第四の実施の形態では、
非晶質からの固相成長によってSiの単結晶領域が確保
されるので、広い面積にわたってSiの(001)結晶
配向を確保でき、キャパシタ容量を拡大することができ
る。
【0054】なお、この実施の形態での素子分離はLO
COS法によるが、例えばSi基板1に溝を形成し、そ
の溝を絶縁物で埋め戻すなどの手法でも良い。また、S
i基板1にP型を用いているが、N型でも同様である。
【0055】次に、この発明による第五の実施の形態
を、図11(a)のFRAM構造の断面図を参照して説
明する。
【0056】この第五の実施の形態でも、既に説明した
第一の実施の形態等と同様に、Si基板1上にP型MO
S構造を作成後、CVDによる酸化膜91の上に、BP
SGによる絶縁層9を形成し、CMPを用いて、絶縁層
9を約1umの厚さに平坦化する。次に、ソース部7の
上に、まずフォトパターニングによるパターン形成を行
い、RIEとフッ酸系溶液処理を用いてエッチングによ
り絶縁層9に開口部10を設ける。なお、ここでのマス
クパターンの方向は[110]方向を採用した。
【0057】また、ここで、下地のSi基板1のダメー
ジ層を除去するために、約20nmの酸化を行い、フッ
酸系水溶液により酸化膜を除去し、硫酸及び過酸化水素
水により後処理を行った。この際、前記絶縁膜9の断面
構造はダメージ層を除去するため、図11(b)に拡大
して示すようにソース部7に部分的に掘り下げられた形
状になる。
【0058】次に、水素ガス(H2 )中、約10Tor
r、およそ900℃で熱処理を行うと、前記絶縁層9の
エッチングが生じ、絶縁層9の断面構造は図11(a)
に示すように、Si基板1の表面と開口部10の絶縁層
9と面との成す角(A)が90度未満になる。この絶縁
層9の断面構造を有するパターン上に前述の第一及び第
二の実施の形態と同様に、Siエピタキシャル膜11に
LPCVD法を用いておよそ600〜900℃の温度で
選択成長を施し、その材料ガスとしては、ジクロルシラ
ン、ジシラン、塩素ガスを組み合わせて行った。また、
P型用のドーパントガスとしてジボランを用い、選択成
長法により絶縁層9上にシリコンを堆積しないようにし
た。この際の選択Siエピタキシャルは、前記絶縁層9
の開口部10を埋めるように成長させた。このように、
開口部10を埋めるように成長する現象は、前記絶縁層
9パターン断面とSi基板1表面との成す角(A)が9
0度未満の場合には常に生じる。
【0059】次に、Siエピタキシャル層11を絶縁層
9の高さに合うような構造にするため、図2に示した第
二の実施の形態と同様に前記絶縁層9の高さよりも約5
nm程度低くなるようにSiエピタキシャル膜厚の成長
を行わせ、その後にフッ酸系処理を用いて、絶縁層9を
エッチングし、両者の高さを合わせた。
【0060】次に、CVD装置を用いて非晶質Si層1
1aを開口部10及びこれに連なる絶縁層9上に形成
し、その後約600℃の熱処理を行い固相成長を行っ
た。この固相成長による固相成長膜11bは、Siエピ
タキシャル層11がシード(種)となっているので、横
方向にも広い面積を形成するようにエピタキシャル膜と
同配向の膜が得られる。その後は前述と同様に、バリア
金属のTiNエピタキシャル膜12,下部電極のPtエ
ピタキシャル膜13,誘電体の歪み誘起BSTOエピタ
キシャル膜14を前記固相成長膜11b上に形成し、R
IEでエッチング加工後、上部電極15となるPtを蒸
着し、再びRIEエッチング加工を行い、取出し電極1
7であるAl電極を形成し、目的とするキャパシタ容量
の大きい半導体記憶装置を得た。
【0061】このように、この第五の実施の形態による
半導体記憶装置の製造方法でも、固相成長膜11bのエ
ピタキシャルコンタクトプラグはソース部7の面積より
も広く形成されるので、前記歪み誘起BSTOエピタキ
シャル膜14のキャパシタ容量を増加させることができ
高集積化の要望に対応し得るものである。
【0062】なお、この第五の実施の形態では、上述の
ように開口部10の形成の際に、RIEを用いた絶縁層
のエッチング後、下地のSi基板1のダメージ処理を行
ったが、このように、RIEを用いてエッチングを行う
と、エッチングの異方性は良くなるものの、下地のSi
基板1へのダメージを除去する必要が生じ、酸化による
ダメージ層の除去を数nmの単位で必要とする。
【0063】酸化による下地のSi基板1のダメージ層
の除去を回避するため、フッ酸系水溶液による絶縁層の
除去も考えられる。即ち、NH4 F溶液を代表とするフ
ッ酸系溶液処理により、前記絶縁層9をエッチングし開
口する場合について説明すると、フォトパターニングに
よるパターン形成後、NH4 F溶液を用いて厚さ約1u
mの絶縁層9のエッチングを行った。その後、硫酸,過
酸化水素水により処理を行う。この際のCVD酸化膜9
1の断面構造は図12(a)に示すようSi基板1面に
対して角度θが90度以上になるが、このような断面形
状の絶縁層9の開口部10に、前記条件と同様の選択S
iエピタキシャルを行った場合、図12(a)(b)に
示すように、Si基板1面に対して角度Cが狭い(31
1)面のファセットが形成してしまい、絶縁膜91の開
口部10をうまく埋めることができない。
【0064】上述の第五の実施の形態で示したFeRA
M構造の、例えば膜厚約1umのSiエピタキシャルコ
ンタクトプラグ部において、この(311)ファセット
面は、Si基板1との成す角Cが約24度と低角度のた
め、非晶質Si膜11aの固相エピタキシャル成長のた
めに必要なSi(100)面を形成できなくなる。なぜ
ならば、図12(b)に示すように、Siエピタキシャ
ル膜11がピラミッドを形成してしまい、点線11Cで
示すCMPによる約1umの膜厚を堆積したときSi
(100)エピタキシャル最表面を得ることができなく
なるためである。
【0065】このように、絶縁層9のパターン形状およ
びその断面形状を変化させた際のSi選択エピタキシャ
ル膜成長面の面積が狭くなるファセット形状について以
下図13乃至図17を参照して説明する。
【0066】図13(a)に示すように、Si基板1上
のSiO2 絶縁層9の開口部10の断面形状の角度θが
θ>90度となるパターン(ここでのパターン方向は
[110]方向)を用いて、真空化学蒸着法により選択
Siエピタキシャルを行うと、前述のようにSi基板1
との成す角(C)が約24度の(311)ファセット面
が生じる。
【0067】これに対し、図13(b)に示すような絶
縁層9の開口部10の断面形状の角度θがθ<90度と
なるパターンを用いて、前記Si選択エピタキシャルを
行うと、(311)ファセットが生じず、前記絶縁層9
断面に沿ってSiエピタキシャル成長が生じることを発
明者は見いだした。また、図14(a)はSi基板の配
向(Si(001))とオリフラとの関係を、また図1
4(b)はオリフラ(110)に対する配向の座標軸関
係を示したものであるが、図14に示した関係から、S
i(選択)エピタキシャル層11に対する絶縁層9パタ
ーンの方向依存性を図15により説明する。
【0068】図15に示すような絶縁酸化膜形状のパタ
ーンにおいて、パターンの方向を0〜90度(E1,E
2,E3,…E9)まで約10度及び約15度による間
隔(0度は[110]方向を示す)で振ったときの、S
i選択エピタキシャルの断面形状の観察結果を図16
(a)(b)(c)に示す。
【0069】図16(a)は[110]方向から0度を
除き±20度以内の場合(E2,E3,E7,E8)
で、そのときのSi選択エピタキシャルの断面形状は角
度Cはおよそ55度以上となることを示し、図16
(b)は[110]方向から±30〜±60度の場合
(E4,E5,E6)で、そのときのSi選択エピタキ
シャルの断面形状は角度Cはおよそ45度となり、図1
6(c)は[110]方向から約0度または約90度の
場合(E1,E9)で、そのときのSi選択エピタキシ
ャルの断面形状は角度Cはおよそ24度となった。
【0070】このように、絶縁層9のパターンの方向に
よって、Si基板1の表面とSi(選択)エピタキシャ
ル層11面の成す角(C)が変化するが、結果的に図1
6に示すように、[110]方向から0度を除く矢印E
で示した±20度以内の範囲では、Si基板1とSi
(選択)エピタキシャル層11面の成す角が図16
(a)に示すように、55度以上となって、断面形状が
Si選択エピタキシャル層11面とSi基板1面との成
すファセット角の傾きを大きくさせられることがわかっ
た。
【0071】このように、この発明の他の目的は、前記
エピタキシャルシリコン膜コンタクトプラグ部を形成す
るにあたり生じるファセットの問題を解決する最適絶縁
膜構造を有する半導体記憶装置を提供することにある。
【0072】そこで、この発明の実施の形態では、エピ
タキシャル成長の成長面の狭量化を回避するために、前
記酸化膜91のパターンを[110]方向から約10度
ずれた方向に設定した。
【0073】以下、エピタキシャル成長の成長面の狭量
化を回避したこの発明による半導体記憶装置の製造方法
の第六の実施の形態を説明する。図17はこの第六の実
施の形態を説明する図で、酸化膜91のパターンを[1
10]方向から約10度ずらした方向の絶縁膜パターン
を用いて作成したエピタキシャルプラグとそのFeRA
M構造を示す図である。この製造方法のプロセスは下記
(1)から(10)の順番で行うことを特徴とする。即
ち、 (1)Si基板1上に、P型MOS作成する。このとき
のソース部7の幅は約2umとする。 (2)P型MOS上にCVDにより膜厚約300nmの
酸化膜91を形成する。 (3)酸化膜91にパターン形成を行う。[110]方
向から約10度ずらした方向に平行なものと垂直な方向
とのいずれかによりパターン化を行う。 (4)フッ酸系溶液によりパターンを開口する。 (5)開口部にSi選択エピタキシャル層11を約10
00nm形成する。 (6)Siエピタキシャル層11にBPSG(絶縁層
9)を堆積した後、ゲッタリングを行う。 (7)CMPにより、図17(a)に点線Dで示すよう
に、絶縁層9を平坦化する。 (8)非晶質Siを開口部に堆積し、約600℃熱処理
により固相成長させた後、RIEにより加工する。 (9)図17(b)に示すように、固相成長膜11b上
に、TiNエピタキシャル膜12、Ptエピタキシャル
膜13、BSTO膜を順次形成した後、Ptを蒸着し、
RIE加工する。 (10)上部引出し電極17のAl電極を形成する。
【0074】この第六の実施の形態のように、絶縁膜9
1にパターン形成を行うのに[110]方向から約10
度ずらした方向に平行なものと垂直な方向とのいずれか
によりパターン化を行った結果、図17(a)に示すよ
うに、高角度(約55度)のなす角を有するSi(選
択)エピタキシャル層11を得ることができた。この高
角度(約55度)の場合は、図12に示したものよりも
絶縁層9の膜厚が厚く形成されるから、図17(a)で
示した点線Dで示すCMP処理ラインで処理されても、
Si選択エピタキシャルの最表面にはSi(100)面
が存在するようになる。
【0075】即ち、図17(a)に示したように、ソー
ス部7の絶縁膜91の開口部の幅が約2um、絶縁層9
の高さ約1umの場合、最表面のSi(100)面はお
よそ0.7um程度存在する。これに対し、前記図12
(a)に示した(311)ファセットの場合は、約0.
5umのSi選択エピタキシャルを行った時点で、Si
(100)最表面は既に存在しなくなってしまう。
【0076】なお、[110]方向から約20度ずらし
た方向のパターンを用いた場合にも、上記図17に示す
実施の形態と同様に実現できた。
【0077】以上説明したように、この発明の第六の実
施の形態では、上記形状からなる絶縁膜をSiエピタキ
シャルコンタクトプラグ電極構造形成に採用することに
より、選択Siエピタキシャルの際に生じるファセット
を抑制でき、FeRAMのキャパシタ容量の増加、低消
費電力化が可能となる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による製
造方法によれば、誘電体層の下の固相成長膜は、非晶質
半導体膜の固相成長により、シリコン基板に対して均一
でかつ同配向の表面を広く形成できるので、高誘電率を
保持した状態で分極量の大きな半導体記憶装置を提供す
ることができる。
【0079】また、この発明による製造方法によれば、
薄膜キャパシタの下部電極部を、非晶質半導体からの固
相成長によって単結晶領域を形成したので、より広い面
積にわたり半導体基板と同配向とすることができ、薄膜
キャパシタにおける電荷蓄積容量の増大を可能とし、半
導体記憶装置の小型化を実現できる。
【0080】更にまた、この発明による製造方法によれ
ば、シリコン基板上の絶縁層のパターニング方向Bを
[110]方向から0<B≦20度の範囲としたので、
シリコン基板上の開口部に形成される選択エピタキシャ
ル成長面の狭量化が回避され、広い面積のコンタクトプ
ラグ部を形成でき、同様に半導体記憶装置の一層の小型
化を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による半導体記憶装置の製造方法の第
一の実施の形態を説明する半導体記憶装置の断面図であ
る。
【図2】この発明による半導体記憶装置の製造方法の第
二の実施の形態を説明する半導体記憶装置の断面図であ
る。
【図3】図2で示した第二の実施の形態と対比して説明
した比較例1を示す半導体記憶装置の断面図である。
【図4】図3に続き、図2で示した第二の実施の形態と
対比して説明した比較例1を示す半導体記憶装置の断面
図である。
【図5】図3及び図4で示した半導体記憶装置と図2に
示した半導体記憶装置の歪み誘起BSTOエピタキシャ
ル膜の分極対電界のヒステリシス特性曲線図である。
【図6】図6(a)は図2で示した第二の実施の形態と
対比して説明した比較例2を示す半導体記憶装置の断面
図、図6(b)は、図6(a)と図2に示した半導体記
憶装置の歪み誘起BSTOエピタキシャル膜の分極対電
界のヒステリシス特性曲線図である。
【図7】図7(a)は図2に示した第二の実施の形態と
対比して説明した比較例3を示す半導体記憶装置の断面
図、図7(b)は、図7(a)と図6(a)に示した半
導体記憶装置の歪み誘起BSTOエピタキシャル膜の分
極対電界のヒステリシス特性曲線図である。
【図8】図8(a)は、図1及び図2に示した半導体記
憶装置において、シリコンをシリコンゲルマニウム混晶
に置換した場合のバリア金属とのショットキー界面の直
列抵抗値を示す図、図8(b)はショットキー界面の直
列抵抗測定回路図である。
【図9】図8に示すショットキー界面でのショットキー
障壁を説明する説明図である。
【図10】この発明による半導体記憶装置の製造方法の
第四の実施の形態を説明する断面図である。
【図11】この発明による半導体記憶装置の製造方法の
第五の実施の形態を説明する断面図である。
【図12】図11に示す半導体記憶装置の製造方法にお
いて、フッ酸系溶液等により[110]方向に開口した
従来の絶縁膜パターンで作成したエピタキシャルプラグ
の断面図である。
【図13】図13(a)は従来の半導体記憶装置におけ
る[110]方向の絶縁膜パターンを用いて選択エピタ
キシャル成長を行った場合の(311)ファセットが形
成されるエピタキシャルプラグの断面図で、図13
(b)はこの発明における半導体記憶装置における絶縁
膜断面構造での選択エピタキシャル成長を行った場合に
もファセットができないプラグの断面図である。
【図14】Si基板の方向とオリフラとの関係を示す説
明図である。
【図15】図14の説明図に基づく、絶縁膜パターン方
向を示す図である。
【図16】この発明方法による半導体記憶装置の選択エ
ピタキシャル成長の断面形状の酸化膜パターン方向依存
性を示す説明図である。
【図17】この発明による半導体記憶装置の製造方法の
第六の実施の形態を示す半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 酸化膜 3 ゲート酸化膜 4 ポリシリコン層 5,6 層間絶縁膜 7 ソース部 8 ドレイン部 9 絶縁層 91 CVD酸化膜 10 開口部 11 シリコンエピタキシャル層 11a 非晶質シリコン層 11b 固相成長膜 12 TiNエピタキシャル膜 13 下部電極(Ptエピタキシャル膜) 14 歪み誘起BSTOエピタキシャル膜 15 上部電極 16 絶縁膜 17 引き出し電極 17a 上Al電極 17b 下Al電極 18 電流I−電圧V測定器 19 シリコン膜 19a シリコンのバンドギャップ 19b シリコンのショットキー障壁 20 シリコンゲルマニウム膜 20a シリコンゲルマニウムのバンドギャップ 20b シリコンゲルマニウムのショットキー障壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川久保 隆 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平6−302782(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8242 H01L 27/105 H01L 27/108 H01L 29/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にトランジスタ回路が形成された半
    導体基板上に絶縁層を形成する第一の工程と、この第一
    の工程の後に前記トランジスタ回路上の前記絶縁層の一
    部を除去し開口部を形成する第二の工程と、この第二の
    工程の後に前記開口部の前記半導体基板上にエピタキシ
    ャル成長により半導体層を堆積する第三の工程と、この
    第三の工程で形成されたエピタキシャル半導体層に非晶
    質半導体膜を形成する第四の工程と、この第四の工程で
    形成された非晶質半導体膜の固相成長により前記半導体
    基板に対して同配向の固相成長膜を形成する第五の工程
    と、この第五の工程で形成された固相成長膜上に下部電
    極を形成する第六の工程と、この第六の工程で形成され
    た下部電極上にペロブスカイトまたは層状ペロブスカイ
    ト構造の物質を含有する誘電体膜を形成する第七の工程
    と、この第七の工程の後に前記誘電体膜の上に上部電極
    を形成する第八の工程とを備えたことを特徴とする半導
    体記憶装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 表面にトランジスタ回路が形成された半
    導体基板上に絶縁層を形成する第一の工程と、この第一
    の工程の後に前記トランジスタ回路上の前記絶縁層の一
    部を除去し開口部を形成する第二の工程と、この第二の
    工程の後に前記開口部の前記半導体基板上及びこれにつ
    らなる前記絶縁層上に非晶質半導体層を堆積する第三の
    工程と、この第三の工程で形成された非晶質半導体層の
    固相成長により前記半導体基板に対して同配向の単結晶
    領域を形成する第四の工程と、この第四の工程で形成さ
    れた単結晶領域上に下部電極を形成する第五の工程と、
    この第五の工程で形成された下部電極上にペロブスカイ
    トまたは層状ペロブスカイト構造の物質を含有する誘電
    体膜を形成する第六の工程と、この第六の工程の後に前
    記誘電体膜の上に上部電極を形成する第七の工程とを備
    えたことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 表面にトランジスタ回路が形成された半
    導体基板上に絶縁層を形成する第一の工程と、この第一
    の工程の後に前記トランジスタ回路上の前記絶縁層の一
    部を除去して形成される開口部をパターニング方向Bが
    前記半導体基板の[110]方向に対して0<B≦20
    度の方向に形成する第二の工程と、この第二の工程の後
    に前記開口部の前記シリコン基板上にエピタキシャル成
    長により半導体層を堆積する第三の工程と、第三の工程
    で形成されたエピタキシャル半導体層上に下部電極を形
    成する第四の工程と、この第四の工程で形成された下部
    電極上にペロブスカイトまたは層状ペロブスカイト構造
    の物質を含有する誘電体膜を形成する第五の工程と、こ
    の第五の工程の後に前記誘電体膜の上に上部電極を形成
    する第六の工程とを備えたことを特徴とする半導体記憶
    装置の製造方法。
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