JP4117859B2 - 部品供給ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、テーピング電気部品から電気部品(電子部品を含む)を供給する部品供給ユニットに関するものであり、特に、複数種類のテーピング電気部品の供給に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
テーピング電気部品は、キャリヤテープに複数の電気部品が等ピッチで保持されて成る。そのため、テーピング電気部品から電気部品を供給する部品供給ユニットは、従来、(A)テーピング電気部品を案内するテープガイド部を有する本体と、(B)そのテープガイド部に案内されたテーピング電気部品を長手方向に送り、複数の電気部品を順次1個ずつ部品供給位置に位置決めする送り装置とを含むものとされている。
【0004】
このような部品供給ユニットにおいて供給されるテーピング電気部品には、型,寸法(幅,厚さ等)や電気部品の保持ピッチ等が異なる複数の種類のテーピング電気部品がある。例えば、型には、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品,パンチキャリヤ型テーピング電気部品,リード線端子テーピング型電気部品がある。エンボスキャリヤ型テーピング電気部品は、幅方向の両側において長手方向に延びる一対の被支持部と、それら両被支持部間から両被支持部より下方へ突出した複数のエンボスとを含むキャリヤテープのエンボスの各々に電気部品が1個ずつ収容され、エンボスの開口がキャリヤテープに貼り付けられたトップカバーテープにより覆われて成る。パンチキャリヤ型テーピング電気部品は、厚さ方向に貫通する複数の貫通穴が設けられたベーステープにボトムカバーテープを貼り付けて成る複数の電気部品収容凹部の各々に電気部品が1個ずつ収容され、電気部品収容凹部の開口がベーステープに貼り付けられたトップカバーテープにより覆われて成る。貫通穴が設けられたベーステープは紙あるいは合成樹脂により作られており、このベーステープとボトムカバーテープとを含めてキャリヤテープと称することとする。リード線端子テーピング型電気部品は、電気部品のリード線を粘着テープにより構成されるキャリヤテープに貼り付けて保持させ、あるいは粘着テープおよび台紙を含むキャリヤテープに貼り付けて保持させたものである。そして、いずれの型にも、幅,厚さ,電気部品の保持ピッチ等が異なる複数種類のものがあるのである。
【0005】
このテーピング電気部品の種類の違いに対応すべく、従来、種々の対策が講じられている。例えば、特開平8−23190号公報に記載の部品供給ユニットにおいては、幅が異なる複数種類のエンボスキャリヤ型テーピング電気部品から電気部品を供給するために、幅変更ブロックを用いて、一対の被支持部の支持間隔を変更するようにされている。部品供給ユニットの本体に一対の支持レールを位置を固定して設け、各支持レールの上面を支持面としてキャリヤテープの一対の被支持部を支持して案内させるのであるが、これら支持レールの一方に幅変更ブロックを密着させて設け、幅変更ブロックと他方の支持レールとの間隔を一対の被支持部を支持可能な大きさに変更するのである。幅が異なる複数種類の幅変更ブロックを用意すれば、テーピング電気部品の幅の3段階以上の変更に対応することができる。
また、この公報には、一対の支持レールの一方を位置を固定して設けられた固定支持レールとし、他方を、固定支持レールに対して接近,離間可能な可動支持レールとし、可動支持レールの移動により固定支持レールとの間の距離を調節し、テーピング電気部品の支持間隔を変更することも記載されている。
この公報に記載の部品供給ユニットによれば、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品の幅の違いに対応することができるが、テーピング電気部品の型の違いには対応できず、従来、テーピング電気部品の型が異なる場合には、各型に対応した部品供給ユニットが使用されていた。例えば、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品から電気部品を供給する部品供給ユニットであれば、一対の被支持部を支持する一対の支持レールと、それら一対の支持レールの間に設けられ、エンボスの通過を許容する溝とを有するものとされ、パンチキャリヤ型テーピング電気部品から電気部品を供給する部品供給ユニットであれば、ボトムカバーテープを底面から支持して案内させる支持面を有するものとされていたのである。
また、テーピング電気部品の本体からの浮上がりを防止するために、本体にカバーを設けることも行われており、そのカバーが、テーピング電気部品の幅方向の位置決めも行うようにすることも行われている。
【0006】
しかしながら、上記公報に記載の部品供給ユニットにおいては、本体を、供給が予定されている複数種類のテーピング電気部品のうち、幅が最大のテーピング電気部品を支持し得る幅を有するものとすることが必要である。それにより、例えば、複数の部品供給ユニットをテーブル上に部品供給部が一直線に沿って並ぶ状態で取り付ける場合、部品供給ユニットの取付ピッチは、テーピング電気部品の最大幅によって決まり、幅が小さいテーピング電気部品から電気部品を供給する場合にも取付ピッチが大きく、部品供給ユニットの取付数が少なくなって、供給能率の低下をもたらす問題があった。
また、一対の支持レールのうちの一方を可動支持レールとする場合には、部品供給ユニットの構造が複雑になることを避け得ない。
さらに、テーピング電気部品の型の違いに対応すべく、各型に応じた部品供給ユニットを作れば、部品供給ユニットの種類が多くなり、量産によるコスト低減効果を享受できなくなる。
さらに、カバーによってテーピング電気部品の本体からの浮上がりを防止する場合、電気部品の保持ピッチの違いに対応できない問題があった。カバーは、電気部品のキャリヤテープからの取出しを邪魔せず、かつ、取り出される電気部品に、テーピング電気部品の送り方向において上流側に隣接する電気部品はできる限り覆っていることが望ましいのであるが、電気部品の上記送り方向における寸法や保持ピッチが大きくても小さくても、電気部品の取出しを許容する位置にカバーを設ければ、電気部品が小さい場合、上流側の電気部品がカバーによって覆われない事態が生ずるのである。
カバーによってテーピング電気部品の本体からの浮上がりを防止する場合にはまた、テーピング電気部品の厚さ(本体に設けられてテーピング電気部品を支持して案内する支持面からのテーピング電気部品の上面の高さ)の違いに対応できない問題があった。保持する電気部品の厚さが変わり、テーピング電気部品の厚さが変われば、テーピング電気部品の厚さに応じたカバー、すなわち本体の支持面により支持されたテーピング電気部品の送りを許容しつつ、テーピング電気部品に接触して本体からの浮上がりを防止し得るカバーを設けなければならず、カバーの種類が増えることを避け得ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用および効果】
本発明は、以上の事情を背景とし、テーピング電気部品の種類の変更に対する対応策を改善し、上記問題点の少なくとも1つを解消することを課題として為されたものであり、本発明によって、下記各態様の部品供給ユニットが得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、各項に記載の特徴の組合わせの可能性の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下のものに限定されると解釈されるべきではない。
なお、以下の項のうち、(20)項が請求項1に相当し、(21)項が請求項2に、(22)項が請求項3にそれぞれ相当する。また、以下の項の多くは、補正により、特許請求の範囲に記載の発明ではなくなったが、特許請求の範囲に記載の発明を理解する上で必要ないし有益であるので、そのまま残すこととする。
(1)前記(A)のテープガイド部を有する本体と、(B)の送り装置とを含む部品供給ユニットにおいて、
前記本体を、本体部材と、その本体部材に対して着脱可能であり、本体部材に装着されることにより前記テープガイド部を構成するテープガイド部材とにより構成した部品供給ユニット。
本態様の部品供給ユニットによれば、例えば、テーピング電気部品の型に応じてテープガイド部材を複数種類用意し、それらテープガイド部材をテーピング電気部品の種類に応じて択一的に本体部材に装着すれば、型が異なる複数種類のテーピング電気部品によって電気部品を供給することができる。
また、テーピング電気部品の幅に応じて、テーピング電気部品の案内幅が複数種類に異なるテープガイド部材を用意し、それらテープガイド部材をテーピング電気部品の幅に応じて択一的に本体部材に装着すれば、幅が異なる複数種類のテーピング電気部品によって電気部品を供給することができる。
このように、本態様によれば、テーピング電気部品の型の違いや幅の違いに対応できる部品供給ユニットが得られ、しかも、コストの低減が可能となる。テーピング電気部品の種類だけ、部品供給ユニットを製作する場合であれば、各部品供給ユニットにおいて本体部材、すなわち主要部が共通化され、大量生産によってコストの低減が可能となるのである。あるいは1つの本体部材に対して、テーピング電気部品の型あるいは幅の違いにそれぞれ対応し得る複数種類のテープガイド部材を択一的に取り付ければ、複数種類の部品供給ユニットが得られる。本体部材の共用によって、量産によるコスト低減を図ることができるのである。さらに、発明の実施の形態において説明するように、複数の部品供給ユニットをテーブルに取り付けるに当たり、取付ピッチの増大を抑え、取付数を多くすることができる。
(2)前記テープガイド部材が前記本体部材に対して位置決め手段により正確に位置決めされ、固定手段により固定される (1)項に記載の部品供給ユニット。
テープガイド部材が本体部材に対して着脱されても、テープガイド部材によるテーピング電気部品の案内精度が再現され、テーピング電気部品はテープガイド部材により安定して案内される。
(3)前記本体部材に互いに同軸に形成された位置決め穴およびその位置決め穴の奥の雌ねじ穴と、
前記テープガイド部材に形成された位置決め穴と、
それら本体部材とテープガイド部材との両位置決め穴に跨がって嵌合することにより本体部材とテープガイド部材とを互いに位置決めする位置決め軸部,前記雌ねじ穴に螺合する雄ねじ部,および位置決め軸部の雄ねじ部側とは反対側の端に設けられてテープガイド部材に当接する頭部を備えた位置決めボルトと
を含み、両位置決め穴と位置決め軸部とにより前記位置決め手段が構成され、雌ねじ穴,雄ねじ部および頭部により前記固定手段が構成された (2)項に記載の部品供給ユニット。
位置決めピンとそれが嵌合する位置決め穴とにより前記位置決め手段を構成し、ボルトとそれのためのボルト穴および雌ねじ穴とにより前記固定手段と構成することも可能であるが、本態様によれば、固定手段に位置決め手段を兼ねさせることができ、安価に構成し得る。位置決めボルトとしてはリーマボルトが特に好適である。
テープガイド部材と本体部材とにそれぞれ、互いに交差する2つの位置決め面を設けて位置決め手段を構成し、それら位置決め面同士を互いに当接させてテープガイド部材と本体部材とを位置決めするようにしてもよい。互いに交差する2つの位置決め面としては、テーピング電気部品の幅方向と直角な面、ならびに幅方向およびテーピング電気部品の送り方向に平行な面が好適である。テープガイド部材と本体部材とは、位置決め面により、互いに交差する2方向において位置決めされるため、固定手段として、例えば、ボルトを用いる場合、位置決め機能を備えない安価なボルトおよびボルト穴を用いることができる。
(4)前記本体部材に対して、前記テープガイド部材としてエンボスキャリヤ型テーピング電気部品用とパンチキャリヤ型テーピング電気部品用との両方が付属させられており、それら両テープガイド部材を択一的に本体部材に装着することにより、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品とパンチキャリヤ型テーピング電気部品との両方に使用が可能な (1)ないし (3)項のいずれか1つに記載の部品供給ユニット。
エンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材でも、パンチキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材でも、本体部材に取り付けることができ、テーピング電気部品の型の違いに対応し得る部品供給ユニットが得られる。
(5)エンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材とパンチキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材とが、前者はエンボスの通過を許容する溝を有するのに対し、後者はその溝を有しない点において異なっている (4)項に記載の部品供給ユニット。
(6)前記本体部材に対して、前記テープガイド部材として互いに幅が異なる2種類以上のテーピング電気部品用が複数個付属させられており、それら複数個のテープガイド部材を択一的に本体部材に装着することにより、幅が複数種類に異なるテーピング電気部品に使用が可能な (1)ないし (5)項のいずれか1つに記載の部品供給ユニット。
本態様によれば、テーピング電気部品の幅の違いに対応し得る部品供給ユニットが得られる。幅が異なる2種類以上のテープガイド部材が案内するテーピング電気部品の型は、同じでも異なっていてもよい。
(7)前記複数個のテープガイド部材が、前記テーピング電気部品を案内する部分において互いに異なっており、前記本体部材への取付部および前記送り装置に対応する部分は同じである (1)ないし (6)項のいずれか1つに記載の部品供給ユニット。
テープガイド部材のテーピング電気部品を案内する部分の違いは、例えば、テーピング電気部品の型の違いあるいは幅の違いによって生ずる。型が異なれば、 (6)項に記載されているように、テープガイド部材は溝を有し、あるいは有しないものとされ、幅が異なれば、案内部の幅が変えられるのである。
本態様によれば、型,幅等の少なくとも1つが異なるテーピング電気部品を案内する複数種類のテープガイド部材を本体部材に同じ取付装置で取り付けることができ、また、送り装置を共用することができる。すなわち、部品供給ユニットの大半を共用にすることができるのであり、量産による大きなコスト低減効果を得ることができる。
(8)前記複数個のテープガイド部材において、前記本体部材への取付部および前記送り装置に対応する部分が幅方向の片側に設けられており、反対側の部分を互いに異ならせることにより幅の異なるテーピング電気部品を案内し得るようにされている (7)項に記載の部品供給ユニット。
このようにすれば、幅が異なるテーピング電気部品用のテープガイド部材において、本体部材への取付部および送り装置に対応する部分の共通化が容易となる。
(9)前記テーピング電気部品が前記テープガイド部材から浮き上がることを防止するカバーを含む (1)ないし (8)項のいずれか1つに記載の部品供給ユニット。
カバーはテープガイド部材に取り付けてもよく、本体部材に取り付けてもよい。
カバーによりテーピング電気部品がテープガイド部材から浮き上がることを防止すれば、例えば、発明の実施の形態において説明するように、送り装置が送り部材としてスプロケットを含み、スプロケットの突起がテーピング電気部品に設けられた送り穴に係合させられ、スプロケットの回転によってテーピング電気部品が送られる場合、スプロケットの突起の送り穴からの離脱の防止により、テーピング電気部品がより確実に送られる。また、テーピング電気部品に保持された電気部品が、例えば、部品搭載システムの部品保持具によって取り出される場合、部品保持具は電気部品をテーピング電気部品からより確実に取り出される。
(10)前記カバーが前記テープガイド部材に取り付けられた (9)項に記載の部品供給ユニット。
カバーは、テープガイド部材と共に交換される。それぞれのテープガイド部材に適したカバーを使用しながら、交換作業を短時間で行うことができる。
(11)前記テープガイド部材が、前記テーピング電気部品を下方から支持して案内する支持面を備え、前記カバーが、複数種類のテーピング電気部品の、前記支持面からの高さが互いに異なる複数の上面に接触し、それらテーピング電気部品の前記送り装置との係合部の上流側の部分と下流側の部分との両方を前記支持面に押さえ付ける接触部を有する (9)項または(10)項に記載の部品供給ユニット。
本態様によれば、例えば、本体部材に、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材と、パンチキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイドとが付属させられ、テーピング電気部品の型に応じて交換される場合、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品の上面の支持面からの高さと、パンチキャリヤ型テーピング電気部品の上面の支持面からの高さとが異なっていても、発明の実施の形態において説明するように、カバーは、それらテーピング電気部品の送り装置との係合部の上流側と下流側との両方の部分に接触し、それら両部を支持面に押さえ付けて送り装置との係合部における浮上がりを確実に防止することができる。そのため、型が異なるテーピング電気部品についてカバーを共用できるのであり、カバーの種類が少なくて済む。本態様によれば、テーピング電気部品の上面の支持面からの高さの変更に対する対応策が改善されるのである。
(12)キャリヤテープに複数の電気部品が等ピッチで保持されて成るテーピング電気部品を下方から支持して案内する支持面を有する本体と、
その支持面に案内されたテーピング電気部品を長手方向に送り、前記複数の電気部品を順次1個ずつ部品供給位置に位置決めする送り装置と
を含む部品供給ユニットにおいて、
前記本体に、前記テーピング電気部品が前記支持面から浮き上がることを防止するカバーが取り付けられており、かつ、そのカバーが、複数種類のテーピング電気部品の、支持面からの高さが互いに異なる複数の上面に、それらテーピング電気部品の前記送り装置との係合部の上流側と下流側との両方において接触し、それら両方の部分を支持面に押さえ付ける接触部を有する部品供給ユニット。
本体の支持面を形成する部分がテープガイド部を構成する。本体は、本体部材とテープガイド部材とに分かれていてもよく、分かれていなくてもよい。分かれていれば、テープガイド部材の交換により、 (4)項および (6)項において説明したように、テーピング電気部品の型や幅の違いに対応し得、更にカバーが上記接触部を有することにより、テーピング電気部品の上面の支持面からの高さの違いに対応し得る。分かれている場合、カバーは本体部材に取り付けてもよく、テープガイド部材に取り付けてもよい。
複数種類のテーピング電気部品の上面の、支持面からの高さの差は、例えば、テーピング電気部品の型の違いや、型が同じであっても厚さが異なる場合に生ずる。エンボスキャリヤ型テーピング電気部品においては、キャリヤテープに設けられた一対の被支持部の厚さが支持面からの高さになり、パンチキャリヤ型テーピング電気部品においては、キャリヤテープの厚さとトップカバーテープの厚さとの和が支持面からの高さになるからである。また、型が同じであっても、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品においては、被支持部の厚さによって支持面からの高さが異なり、パンチキャリヤ型テーピング電気部品においては、電気部品の高さの違いによってベーステープの厚さが異なり、支持面からの高さが異なる。
したがって、本体が本体部材とテープガイド部材とに分かれていて、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品とパンチキャリヤ型テーピング電気部品とがそれぞれ専用のテープガイド部材により案内される場合にも、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材に設けられた支持面の高さと、パンチキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材に設けられた支持面の高さとが同じであれば、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品とパンチキャリヤ型テーピング電気部品との各上面の、支持面からの高さが異なる。また、テーピング電気部品の型が同じであっても、厚さが異なれば、テーピング電気部品の上面の、支持面からの高さが異なる。
本体が本体部材とテープガイド部材とに分かれておらず、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品とパンチキャリヤ型テーピング電気部品とが同じ支持面によって支持される場合、あるいは本体が本体部材とテープガイド部材とに分かれていても、パンチキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材の支持面が、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品のエンボスの底面を支持して案内し、パンチキャリヤ型テーピング電気部品のボトムカバーテープを支持して案内する場合(テープガイド部材が型の異なる複数のテーピング電気部品に共用される場合)には、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品の厚さ(この場合には、キャリヤテープの厚さとトップカバーテープの厚さとの和)と、パンチキャリヤ型テーピング電気部品の厚さとの違いによって、各テーピング電気部品の上面ょ、支持面からの高さが異なることとなる。また、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材の支持面が、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品の被支持部を支持して案内し、パンチキャリヤ型テーピング電気部品のボトムカバーテープを支持して案内する場合にも、両テーピング電気部品の厚さの違いによって、各テーピング電気部品の上面の、支持面からの高さが異なることとなる。テーピング電気部品の型が同じであっても、厚さが異なれば、テーピング電気部品の上面の、支持面からの高さが異なる。
本態様の部品供給ユニットのカバーは、テーピング電気部品の上面の支持面からの高さが異なっても、テーピング電気部品の送り装置との係合部の上流側と下流側との2箇所において上面に接触し、それら2箇所を支持面に押さえ付けるため、テーピング電気部品の送り装置との係合部の浮上がりを良好に防止することができる。本態様によれば、テーピング電気部品の上面の支持面からの高さの変更に対する対応策が改善されるのであり、カバー、ひいては部品供給ユニットの種類が少なくて済み、コストを低減させることができる。
なお、本体が本体部材とテープガイド部材とに分かれている場合、カバーは本体部材に取り付けてもよく、あるいはテープガイド部材に取り付けてもよい。前者の場合、カバーは、型が異なる複数種類のテーピング電気部品の浮上がりを防止することもあれば、型が同じであっても厚さが異なる複数種類のテーピング電気部品の浮上がりを防止することもあるが、いずれにしてもテーピング電気部品の2箇所に接触して浮き上がりを防止する。カバーがテープガイド部材に取り付けられている場合でも、そのテープガイド部材が特定の型のテーピング電気部品に専用のものであれば、型が同じであって厚さが異なる複数種類のテーピング電気部品の浮上がりを防止し、テープガイド部材が型が異なる複数種類のテーピング電気部品に共用であれば、型が異なる複数種類のテーピング電気部品や、型が同じであって厚さが異なる複数種類のテーピング電気部品の浮上がりを防止する。
(13)前記カバーが前記本体に前記テーピング電気部品の幅方向に平行な回動軸線まわりに回動可能に取り付けられており、かつ、前記テーピング電気部品の前記送り装置との係合部の上流側と下流側とにおいてテーピング電気部品の上面に接触する接触部の一方が、上下方向に弾性変形可能な弾性部材により構成された(12)項に記載の部品供給ユニット。
カバーは本体に対して上下方向に平行移動可能に取り付けることも可能であり、その場合にはテーピング電気部品の厚さが変わっても、カバーを容易に送り装置との係合部の上流側と下流側との両方においてテーピング電気部品の上面に接触させることができる。それに対し、テーピング電気部品の幅方向に平行な回動軸線まわりに回動可能に取り付ければ、カバーの取付けが容易になるが、テーピング電気部品の厚さが異なれば、カバーの本体に対する傾きが変わるため、送り装置との係合部の上流側と下流側との両方において接触させることが困難になる。本態様によれば、この困難を解消し得る。
(14)前記弾性部材が、基端部がカバーに固定され、自由端部において前記テーピング電気部品の上面に接触する板ばねである(13)項に記載の部品供給ユニット。
(15)前記板ばねが、前記カバーと一体に形成された(14)項に記載の部品供給ユニット。
板ばねをカバーと別体で製造し、後にカバーに固定してもよいが、一体に形成することにより当初からカバーに固定する方が安価に目的を達し得る。
なお、(13)ないし(15)項にそれぞれ記載の特徴は、(11)項に記載のカバーにも採用し得る。
(16)キャリヤテープに複数の電気部品が等ピッチで保持されて成るテーピング電気部品を案内するテープガイド部を有する本体と、
そのテープガイド部に案内されたテーピング電気部品を長手方向に送り、前記複数の電気部品を順次1個ずつ部品供給位置に位置決めする送り装置と
を含む部品供給ユニットにおいて、
前記テーピング電気部品が前記本体から浮き上がることを防止するカバーを、前記本体に、前記送り装置によるテーピング電気部品の送り方向に平行な方向の位置を変更可能に取り付けるカバー取付装置によって取り付けた部品供給ユニット。
本体は、本体部材とテープガイド部材とに分かれていてもよく、分かれていなくてもよい。分かれているときには、カバーは、テープガイド部材に取り付けてもよく、本体部材に取り付けてもよい。テープガイド部材に取り付ければ、テープガイド部材と共に交換され、本体部材に取り付ければ、複数のテープガイド部材に共用となる。カバーは、(11)ないし(15)項にそれぞれ記載の特徴を備えたカバーでもよく、その特徴を備えないカバーでもよい。
カバーのテーピング電気部品の送り方向に平行な方向の位置は、例えば、電気部品の上記送り方向における寸法が変わり、電気部品の保持ピッチが変わるときに変更される。電気部品の上記送り方向における寸法が大きいとき、カバーを電気部品のキャリヤテープからの取出しを邪魔しない位置へ移動させ、電気部品の上記送り方向における寸法が小さいとき、カバーを、キャリヤテープから取り出される電気部品に対して、その電気部品は覆わないが、テーピング電気部品の送り方向において上流側に隣接する電気部品を覆う位置へ移動させるのである。
本態様によれば、カバーのテーピング電気部品の送り方向に平行な方向の位置の変更により、電気部品の保持ピッチが異なっても、電気部品のキャリヤテープからの取出しを許容し、かつ、電気部品のキャリヤテープからの飛出しや立ち上がりを防止し得る部品供給ユニットが得られる。テーピング電気部品の、1個の電気部品を供給するための送り量の変更に対する対応策が改善されるのである。
(17)前記カバー取付装置が、前記カバーの位置を複数段階に変更する段階的位置変更装置を含む(16)項に記載の部品供給ユニット。
カバーの位置は無段階に変更するようにしてもよいが、電気部品の寸法は段階的に変わるのが普通であり、段階的位置変更装置によってカバーの位置を変更すればよい。また、位置変更作業が容易になり、位置変更装置の構成も簡易にし得る。
(18)前記段階的位置変更装置が、
前記本体に対して、前記送り装置による前記テーピング電気部品の送り方向と平行な方向に移動可能に取り付けられたスライドと、
そのスライドに前記カバーを取り付ける手段と、
前記スライドと前記本体とのいずれか一方に設けられた固定係合部および他方に設けられて固定係合部に弾性的に係合する弾性的係合部と
を含む(17)項に記載の部品供給ユニット。
本体が本体部材とテープガイド部材とに分かれていて、カバーが本体部材に取り付けられるのであれば、固定係合部は、スライドと本体部材との一方に設けられ、他方に弾性的係合部が設けられるが、カバーがテープガイド部材に取り付けられるのであれば、スライドと本体部材との一方に固定係合部が設けられ、他方に弾性的係合部が設けられてもよく、あるいはスライドとテープガイド部材との一方に固定係合部が設けられ、他方に弾性的係合部が設けられてもよい。
(19)前記固定係合部が、前記一方に前記送り方向に互いに隔たって形成された複数の係合凹部であり、前記弾性的係合部が、前記他方に前記送り方向に移動不能かつ前記係合凹部への係合,離脱方向に移動可能に設けられるとともに弾性部材により係合方向に付勢された係合突起である(18)項に記載の部品供給ユニット。
弾性部材と係合突起とは別体でもよく、一体でもよい。後者の一例は、板ばねの一部が膨出させられて係合突起とされたものである。固定係合部を係合突起とし、弾性的係合部を係合凹部とすることも、また、係合突起を複数とし、係合凹部を1個設けるとも可能であるが、本態様が最も製造容易である。
(20)幅方向の片側に送り穴が等ピッチで形成されたキャリヤテープの幅方向の中央部に複数の電気部品が等ピッチで保持されて成るテーピング電気部品を案内するテープガイド部を有する本体と、
そのテープガイド部に案内されたテーピング電気部品を長手方向に送り、前記複数の電気部品を順次1個ずつ部品供給位置に位置決めする送り装置と
を含む部品供給ユニットであって、
前記本体が、前記送り装置を保持した本体部材と、その本体部材に対して着脱可能であり、本体部材に装着されることにより前記テープガイド部を構成する複数種類のテープガイド部材とにより構成され、それら複数種類のテープガイド部材の各々が、前記キャリヤテープの送り穴が設けられた側の被支持部を下方から支持して案内する第1支持面を有する第1支持レールと、前記キャリヤテープの反対側の被支持部を下方から支持して案内する第2支持面を有する第2支持レールとを有し、かつ、前記複数種類のテープガイド部材間において、前記本体部材への取付部が互いに同じであるとともに、前記第1支持レールと前記送り装置との相対位置が互いに同じである一方、前記第2支持レールの前記第1支持レールからの距離が互いに異なることにより、前記第1支持面と前記第2支持面との内側縁間および外側縁間の幅が互いに異なることを特徴とする部品供給ユニット。
(21)前記複数種類のガイド部材の各々が、前記本体部材に当接することにより、前記キャリヤテープの幅方向における前記第1支持レールの前記本体部材に対する位置決めを行う位置決め面を有し、前記複数種類のガイド部材間において、前記キャリヤテープの幅方向における前記位置決め面と前記第1支持レールとの相対位置が互いに同じである一方、前記位置決め面と前記第2支持レールとの相対位置が互いに異なる(20)項に記載の部品供給ユニット。
(22)断面形状がコの字形を成し、前記第1支持レールおよび前記第2支持レールに跨り、前記第1支持面および前記第2支持面を上方から覆う状態で配設されたカバーを含む(20)項または(21)項に記載の部品供給ユニット。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である部品供給ユニットを備えたプリント回路板組立システムを図面に基づいて説明する。なお、このプリント回路板組立システムを用いたプリント回路板組立方法が本願の方法発明の一実施形態である。
本実施形態のプリント回路板組立システム10は、図1に概略的に示すように、基台12,基台12に設けられたプリント配線板搬送装置14および部品搭載システム16と、部品搭載システム16に合体させられた電気部品供給システム18とを含む。部品搭載システム16は、電気部品供給システム18から電気部品を取り出し、プリント配線板搬送装置14により搬送され、予め定められた位置に位置決め保持されたプリント配線板20に取り付けてプリント回路板を組み立てる。部品搭載システム16は、電気部品を負の空気圧によって吸着する部品保持具たる部品吸着具22と、部品吸着具22を垂直方向(Z方向とする)に保持し、Z方向に移動させるとともに、自身の軸線まわりに回転させるZ方向移動・回転装置24と、Z方向移動・回転装置24を保持し、水平面内において互いに直交する2方向(X方向およびY方向とする)に移動させるXY方向移動装置26とを含む。プリント配線板20の搬送方向と平行な方向をX方向とする。なお、プリント配線板20は、部品搭載システム16によって電気部品が取付けられれば、厳密にはプリント回路板となるが、本実施形態では、部品搭載システム16によって電気部品が取り付けられても、プリント配線板と称することとする。また、プリント配線板搬送装置14も、プリント配線板20への電気部品の取付け後は、プリント回路板搬送装置であることとなるが、プリント配線板搬送装置と称することとする。
【0009】
電気部品供給システム18は、2台のテーブル30(図1には一方のテーブル30のみが図示されている)と、各テーブル30上にそれぞれ着脱可能に搭載された複数個の電気部品供給ユニット32(以下、供給ユニット32と略称する)とを含む。電気部品供給装置がテーブル30上に電気部品供給ユニットとして搭載されているのである。2台のテーブル30はそれぞれ台車34に設けられており、部品搭載システム16に対して移動させることができるが、電気部品の供給時には、台車34が係合装置36によって基台12に合体させられ、電気部品供給システム18と部品搭載システム16とが合体させられる。基台12は前記部品搭載システム16の本体を構成しており、部品搭載システム16の本体にテーブル30が台車34を介して合体させられ、位置を固定された状態で電気部品を供給する。なお、プリント配線板搬送装置14と電気部品供給システム18との間には、部品吸着具22による電気部品の保持姿勢を撮像する撮像装置38が設けられている。
【0010】
供給ユニット32のユニット本体40は、図2に示すように、第1部材42,第2部材44,第3部材46,第4部材48(図17参照)および第5部材50,第6部材52等、複数の部材が一体的に固定されて成る。第1部材42は幅が広く長い板状を成し、第1部材42の長手方向に平行に固定された細長いブロック状の第2部材44には、一対の位置決め突部54および1個の位置決め突部55が設けられている。テーブル30には、図3に示すように、複数の位置決め溝56が等間隔に設けられており、この位置決め溝56に位置決め突部54が嵌合され、また、テーブル30に等間隔に設けられた別の図示しない位置決め溝に位置決め突部55が嵌合されることにより、供給ユニット32が幅方向において位置決めされている。供給ユニット32はまた、位置決め突部54に設けられた傾斜面58(図2参照)がテーブル30に設けられた図示しない傾斜面に係合することにより、長手方向において位置決めされるとともに、浮上がりを防止され、テーブル30の位置決め溝56が設けられた部分の各々に対応して設けられたユニット固定装置により、複数の供給ユニット32の各部品供給部がX方向に平行な一直線に沿って並び、幅方向がX方向と平行となり、長手方向がY方向と平行となる姿勢でテーブル30に固定されている。なお、台車34は部品搭載システム16から電力の供給を受け、供給ユニット32は台車34から電力の供給を受ける。
【0011】
供給ユニット32により供給される電気部品60は、図5ないし図7に示すように、テーピング電気部品62とされている。このテーピング電気部品62は、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品であり、キャリヤテープ64とトップカバーテープ66とによって電気部品60がテーピングされている。キャリヤテープ64は、幅方向の両側において長手方向に延びる一対の被支持部68と、それら両被支持部68間から両被支持部68より下方へ突出した複数のエンボス70とを含む。これら複数のエンボス70は等ピッチで設けられるとともに、それらエンボス70の各々に電気部品60が収容され、エンボス70の開口がキャリヤテープ64に貼り付けられたトップカバーテープ66によって覆われている。エンボス70が電気部品収容凹部を構成し、電気部品60はキャリヤテープ64により等ピッチで保持されているのである。トップカバーテープ66の幅はキャリヤテープ64の幅より短く、キャリヤテープ64のトップカバーテープ66が貼り付けられておらず、長手方向に平行な一方の被支持部68に沿って、キャリヤテープ64の表面72から裏面73まで貫通する送り穴74が一列に等ピッチで形成されている。
【0012】
テーピング電気部品には、幅や電気部品60の保持ピッチ等が異なる複数種類のテーピング電気部品がある。例えば、図8に示すテーピング電気部品75は、テーピング電気部品62と幅は同じであるが、電気部品60の保持ピッチが異なる。本実施形態においては、テーピング電気部品62による電気部品60の保持ピッチが最小であるとする。テーピング電気部品75による電気部品60の保持ピッチは、最小ピッチの2倍である。テーピング電気部品の保持ピッチを異ならせる場合、最小ピッチのM倍(Mは2以上の整数)とされる。なお、テーピング電気部品75は、寸法は異なるが、構成はテーピング電気部品62と同じであり、各構成要素にはテーピング電気部品62について用いた符号と同じ符号を付す。
【0013】
供給ユニット32の幅は、テーピング電気部品62の幅によって異なる。テーピング電気部品62の幅は、電気部品60の幅が大きいほど大きく、それによって供給ユニット32の幅が大きくなるのであり、テーブル30に設けられた位置決め溝56の形成ピッチは、幅が最も狭い供給ユニット32よりやや大きいピッチとされている。したがって、供給ユニット32の幅が大きい場合には、例えば、1つおきの位置決め溝56により供給ユニット32が位置決めされる。テーブル30には、幅が異なるテーピング電気部品62を保持する複数種類の供給ユニット32を同時に搭載することが可能なのである。なお、本実施形態においては、テーピング電気部品62の幅が最小であるとする。テーピング電気部品62から電気部品60を供給する供給ユニット32は、テーブル30に最小ピッチで取り付けられる。
【0014】
テーピング電気部品62は、供給リール76(図1参照)に巻き付けられている。台車34には、リール保持部材たる容器状のバケット78が一体的に設けられて電気部品収容部を構成している。バケット78内には、図1および図4に示すように、前後方向(Y方向に平行な方向)に距離を隔てた2箇所にそれぞれ、複数ずつの回転支持部材たるローラ79が供給ユニット32の幅方向(X方向。図4においては上下方向。)に平行な軸線まわりに回転可能に、かつ回転軸線に平行な方向において隙間なく並んで設けられている。
【0015】
バケット79内にはまた、前側面,後側面および底面にそれぞれ、仕切部材保持部材たる仕切板保持部材80,81,82が設けられている。これら仕切板保持部材80,81,82にはそれぞれ、複数の溝83が、供給ユニット32の幅方向と平行な方向において、テーブル30に設けられた複数の位置決め溝56のピッチと等しいピッチで、かつ、隣接する2つの溝83の中間位置が位置決め溝56の幅方向の中間位置と一致する状態で設けられている。仕切板保持部材80,81,82の各溝83にわたって仕切部材たる仕切板84を嵌合することにより、隣接する2枚の仕切板84の間に供給リール76が収容される収容空間が設けられる。供給リール76は2枚の仕切板84の間に嵌入させられ、ローラ79によって回転可能に支持されるとともに、仕切板84によって幅方向の移動を防止される。なお、仕切板84には切欠が設けられ、ローラ79との干渉が回避されている。
【0016】
供給リール76の幅は、供給ユニット32と同様に、テーピング電気部品62の幅が大きいほど大きくなり、仕切板84はテーピング電気部品62の幅に合わせて設けられる。例えば、テーピング電気部品62の幅が最小の場合には、供給リール76の幅も最小であり、隣接する溝83にそれぞれ仕切板84が嵌合され、最小の収容空間が形成される。供給リール76の幅が大きく、隣接する溝83に嵌合された一対の仕切板84により形成される収容空間に収容できない場合には、例えば、2つおきの溝83に仕切板84を嵌合し、供給リール76を収容可能な空間を設ける。バケット79は、幅が異なる複数種類の供給リール76を同時に収容することができるのである。仕切板保持部材80と81との間の距離は、供給リール76の外径より大きくされ、また、仕切板保持部材82はローラ79の上端面より下側に設けられ、供給リール76と仕切板保持部材80,81,82とが干渉しないようにされている。したがって、供給リール76の幅が小さくても大きくても、供給リール76を、仕切板保持部材80,81と干渉することなく、2つの仕切板84の間に嵌入させ、ローラ79に支持させることができる。
【0017】
供給リール76の側面には、バーコード88が印刷されている。バーコード88は、本実施形態では、電気部品60の型番,寸法,キャリヤテープ64に保持された電気部品60の個数(電気部品60を1個も供給していない新品のテーピング電気部品62が保持する電気部品60の個数),テーピング電気部品の幅,電気部品60の保持ピッチ,テーピング電気部品62がエンボスキャリヤ型であるかパンチキャリヤ型であるかリード線端子テーピング型であるかを表す。
【0018】
供給リール76から引き出されたテーピング電気部品62は、図2に示すように、供給ユニット32に設けられたテーピング電気部品送り装置90により、供給ユニット32の長手方向と平行な方向において、テーピング電気部品62の長手方向に一定ピッチずつ送られ、電気部品60が1個ずつ部品供給位置へ送られるとともに、トップカバーテープ処理装置92によりトップカバーテープ66が処理される。部品供給位置は、部品吸着具22によって電気部品60がエンボス70から取り出される位置であって、供給ユニット32の前部(供給ユニット32の長手方向と平行な方向である前後方向において、プリント配線板搬送装置14側の部分)に設定された決まった位置であり、部品供給位置の近傍部(部品供給位置を含む)が部品供給部である。また、テーピング電気部品62の幅方向は供給ユニット32の幅方向と平行である。
【0019】
電気部品60の供給が進んで供給リール76に巻き付けられたテーピング電気部品62が終わりに近づけば、作業者がテーピング電気部品62を補給する。テーピング電気部品62が終わりに近づいた先の供給リール76をバケット78から外すとともに、テーピング電気部品62を供給リール76から外し、次にテーピング電気部品62を供給する別の供給リール76をバケット78にセットするとともに、テーピング電気部品の始端部を供給リール76から引き出し、図9および図10に示すように、現に電気部品60を供給している先のテーピング電気部品62の後端部である終端部96と、次に電気部品60を供給する別のテーピング電気部品62の前端部である始端部98とを金属接続片(以下、接続片と略称する)100および接続片の一種である接続テープ102により接続するのである。接続片100および接続テープ102が2つのテーピング電気部品62の終端部96および始端部98と共同して接続部103を構成している。テーピング電気部品62の接続は、バケット76の、そのテーピング電気部品62が巻き付けられた供給リール76が保持される位置の近傍において行われる。なお、図9においては、電気部品60の図示は省略されている。
【0020】
接続片100は、図11および図12に示すように、金属製、例えば鉄製の矩形板状を成す本体部104と、本体部104にキャリヤテープ64の送り穴74と等ピッチで形成された複数(本実施形態の場合3個)の送り穴106と、本体部104から直角に突出させられた複数(本実施形態の場合8個)のかしめ爪108とを備えている。本体部104の幅は、テーピング電気部品62の送り穴74の中心から、送り穴74が設けられた被支持部68の側縁までの距離の2倍以下とされている。
【0021】
また、かしめ爪108は、キャリヤテープ64の厚さよりも大きい高さとされている。本実施形態におけるかしめ爪108は、本体部104の長手方向の両端部からそれぞれ突出したY形爪110と、3個の送り穴106の互いに隣接する2対の各中間位置からそれぞれ突出したJ形爪112との2種類の形状を有する爪とされており、Y形爪110とJ形爪112とはそれぞれ長手方向に隔たった2箇所ずつに設けられている。なお、Y形爪110から送り穴106の中心までの距離と、J形爪112から送り穴106の中心までの距離とはほぼ等しくされている。
【0022】
Y形爪110は、本体部104の両端縁から突出して形成された耳部が、図12に示すように、直角に曲げられることにより形成されたものであり、図13に示すように、幅方向に並んで2個形成され、その正面形状は上端部114が二股に分かれてほぼY字形を成している。図14に拡大して示すように、Y形爪110の基端部116は、上端部114に向かうにつれて幅が狭くなる向きに傾斜させられており、上端部114は基端部116の最大幅内で形成されている。
【0023】
また、J形爪112は、本体部104の一部が、切り曲げにより図12に示すように直角に曲げ起こされることにより形成されたものであり、したがって、本体部104には、図11に示すように、J形爪112に対応する形状の開口が生じている。図15に拡大して示すように、J形爪112の正面形状は、上端部が幅方向に湾曲したほぼJ字形を成している。このJ字形の湾曲部118は、上端部の幅方向内側の側部に凹曲線で画定される切欠120が形成されるとともに、その上端縁122が、切欠120が形成された内側の側端から外側の側端に向かうに従って低くなる向きに傾斜させられることにより形成されており、したがって、湾曲部118は、J形爪112の基端部124の幅内で形成されている。J形爪112もY形爪110と同様に幅方向に2個並んで形成されており、これら2個のJ形爪112は、上記湾曲部118が幅方向の内向きになるように互いに対称に配置されている。
【0024】
2本のテーピング電気部品62の終端部96と始端部98とのうち、キャリヤテープ64の送り穴74が形成された部分は、接続片100により接続される。接続時には、図示は省略するが、専用のテープ接続工具を用いて接続片100のかしめ爪108がかしめられる。このテープ接続工具は、まだ、未公開であるが、特願平9−195954号の明細書に記載のテープ接続工具と同様に構成されている。テープ接続工具は複数の位置決め突部を備えており、これら位置決め突部に、まず、接続片100の送り穴106が嵌合され、次いで、キャリヤテープ64の終端部96,98の各送り穴74が嵌合されることにより、接続片100の一方の端の送り穴106とテーピング電気部品62の終端部96の送り穴74とが一致し、接続片100の他方の端の送り穴106とキャリヤテープ64の始端部98の送り穴74とが一致し、2本のテーピング電気部品62のそれぞれの端に形成されたほぼ半分の送り穴74が接続片100の中央の送り穴106に一致する状態となる。また、各テーピング電気部品62の上記完全な送り穴74と半分の送り穴74との中間位置にそれぞれJ形爪112が位置し、キャリヤテープ64の完全な送り穴74同士の中間位置にY形爪110が位置する状態となる。
【0025】
この状態で作業者がテープ接続工具を操作すれば、Y形爪110とJ形爪112とは、基端部116,124に近い部分までキャリヤテープ64を貫通して表面72側から突出させられるとともに、Y形爪110の上端部114およびJ形爪112の湾曲部118が互いに接近する方向に座屈させられる。そして、接続片100の本体部104がキャリヤテープ64の裏面73に密着させられるとともに、上端部114および湾曲部118がキャリヤテープ64の表面72に密着させられ、本体部104と共同してキャリヤテープ64の接続されるべき部分を両側から挟み、終端部96と始端部98とのキャリヤテープ64により構成される部分を確実に接続する。
【0026】
このように2つのテーピング電気部品62の各キャリヤテープ64が接続片100によって接続された後、2つのテーピング電気部品62の終端部96および始端部98のトップカバーテープ66により構成される部分は、図9および図10に示すように、合成樹脂製の接続テープ102により接続される。接続テープ102は、一方の面に粘着剤が塗布されており、先のテーピング電気部品62のトップカバーテープ64と次のテーピング電気部品62のトップカバーテープ64とにわたって貼り付けられる。
【0027】
ユニット本体40を構成する前記第3部材46および第4部材48はそれぞれ、図17に示すように、薄い板状を成し、第1部材42を幅方向の両側から挟んで第1部材42に固定されている。第3部材46の後端部(第1部材42から遠い側の端部であって、供給リール76に近い側の端部)には、回転案内部材たるガイドローラ140がレバー142により、テーピング電気部品62の幅方向と平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられている。供給リール76から引き出されたテーピング電気部品62は、ガイドローラ140に掛けられ、ガイドローラ140に設けられた一対のフランジ部146(図16には一方のフランジ部146のみが図示されている)により幅方向の位置ずれを防止されつつ送られる。
【0028】
第3部材46および第4部材48のガイドローラ140に対して、テーピング電気部品62の送り方向(以下、電気部品送り方向と略称する)において下流側に隣接して、図16に示すように、接続検出装置たる金属検出器150の検出ヘッド152が設けられている。検出ヘッド152のヘッド本体156はブロック状を成し、第3部材46と第4部材48との間に嵌合されるとともに、第3,第4部材46,48に着脱可能に固定されており、第3,第4部材46,48から上方へ突出した上端部には、電気部品送り方向と平行に延び、キャリヤテープ64の幅より僅かに大きい幅の溝158と、溝158に開口し、幅が溝158より狭く、テーピング電気部品62のエンボス70の通過を許容する溝160とが形成されている。溝160は、溝158に対して、第4部材48側へ寄った位置に設けられている。それにより、溝158内には、テーピング電気部品62の一対の被支持部68を下方から支持して案内する一対の支持面162,163が形成されているが、第3部材46側の支持面162は幅が広く、キャリヤテープ64の送り穴74が形成された被支持部68を下方から支持して案内し、第4部材48側の支持面163は幅が狭く、キャリヤテープ64の送り穴74が形成されていない被支持部68を下方から支持して案内する。支持面162,163の電気部品送り方向の両端部はそれぞれ、端側ほど下方へ傾斜する傾斜面164とされ、被支持部68の支持面162,163への係合,抜出しを案内する。
【0029】
ヘッド本体156の支持面162が設けられた側の部分には、電気部品送り方向に隔たった両側面にそれぞれ、電極166が上下方向に延びる姿勢で固定手段により着脱可能に固定されている。各電極166の上部は、図16および図17に示すように、支持面162に沿って互いに接近する向きに曲げられており、それら電極166の間には隙間が残されている。一対の電極166は、テーピング電気部品62の長手方向の移動につれて接続片100が描く移動軌跡内において互いに隔たって設けられているのであり、支持面162に代わって被支持部68を支持し、接続片100が通過するとき、接続片100は一対の電極166の両方に接触してそれらを電気的に接続する。
【0030】
一対の電極166はそれぞれ、配線167によって接続検出回路168(図31参照)に接続されており、これら検出ヘッド152および接続検出回路168が金属検出器150を構成している。金属検出器150は接触式センサの一種である。接続検出回路168は、一対の電極166が接続片100によって電気的に接続されている状態と、接続されていない状態とで異なる信号を出力するように構成されている。一対の電極166は、通常は電気的に接続されていないが、キャリヤテープ64を接続する鉄製の接続片100が通過するとき、接続片100によって電気的に接続され、接続検出回路164の出力信号の内容により、接続片100が一対の電極166上を通過しているか否かがわかり、接続片100が検出され、接続部103が検出される。
【0031】
前記ガイドローラ140を通ったテーピング電気部品62は、一対の被支持部68が支持面162(電極166),163により支持されるとともに案内され、エンボス70は溝160内へ進入し、移動するが、キャリヤテープ64の送り穴74が設けられた被支持部68は、押付け部材たる押付けローラ170によって一対の電極166に押し付けられる。押付けローラ170は、第3部材46に固定された前記第5部材50に取り付けられている。
【0032】
第5部材50は、図17に示すように、幅の薄い板状を成し、その後端部にレバー172が電気部品送り方向に直角な軸線まわりに回動可能に取り付けられるとともに、押付けローラ170がレバー172の回動軸線と平行な回転軸線まわりに回転可能に取り付けられている。押付けローラ170は、レバー172が第5部材50との間に設けられた付勢手段の一種である弾性部材たるばね部材174によって付勢されることにより、一対の電極166に接近する向きに付勢されており、キャリヤテープ64を電極166に押し付ける。それにより接続片100が一対の電極166上を通過するとき、接続片100が電極166に押し付けられ、一対の電極166が接続片100によってより確実に接続されて接続部103がより確実に検出される。
【0033】
レバー172には離間用操作部176が設けられており、作業者が離間用操作部176を持ってレバー172をばね部材174の付勢力に抗して回動させることにより、押付けローラ170と一対の電極166との間に隙間を設け、テーピング電気部品62を配設する。押付けローラ170とヘッド本体156との間にテーピング電気部品62を挟んだ後、離間用操作部176に加えていた力を解除すれば、キャリヤテープ64の被支持部68は押付けローラ170により一対の電極166に押し付けられる。
【0034】
前記第4部材48の上部は、図16および図18に示すように、第3部材46側へ直角に曲げられ、その上面が、供給ユニット32の長手方向に延び、テーピング電気部品62のエンボス70を下方から支持して案内する水平な支持面180を構成している。支持面180の検出ヘッド152側(電気部品送り方向において上流側)の端部には、検出ヘッド152側ほど下方へ傾斜させられた案内部182が設けられている。検出ヘッド152を通過したテーピング電気部品62は、支持面180上に載せられる。なお、支持面180上に載置されたテーピング電気部品62の幅方向の位置ずれは、隣接する供給ユニット32の構成部材により防止される。
【0035】
テーピング電気部品62は、支持面180により支持されるとともに案内された後、供給ユニット32の前部においては、溝190を有する第6部材52により案内される。第6部材52は、図19ないし図21に示すように、長手形状のブロック状を成し、第1部材42の前部に着脱可能に固定されており、第1部材42が本体部材を構成し、第6部材52がテープガイド部材を構成し、第6部材52が第1部材42に装着されることにより、テープガイド部192を構成している。
【0036】
溝190は、第6部材52に長手方向、すなわち電気部品送り方向と平行に設けられている。溝190は、図21に示すように、エンボス70の通過を許容する幅および深さを有し、溝190を画定する一対の溝壁が支持レール198,200を構成し、各支持レール198,200の上向きの端面である支持面202,204により、テーピング電気部品62の一対の被支持部68が下方から支持され、案内される。支持面202は支持面204より幅が広く、支持面202が、キャリヤテープ64の送り穴74が設けられた被支持部68を支持し、支持面204が、送り穴74が設けられていない被支持部68を支持する。
【0037】
第6部材52には、図21および図24に示すように、長手方向の両端部にそれぞれ取付脚部206が設けられている。これら取付脚部206は、図21に示すように、第6部材52の幅方向において、前記支持面202から離れた位置に設けられており、第6部材52には、互いに直交する2つの位置決め面208,209が設けられている。
【0038】
第6部材52にはカバー210が取り付けられ、テーピング電気部品62の第6部材52からの浮上がりを防止するようにされている。カバー210は、図21に示すように、断面形状がコの字形を成し、図20に示すように、コの字の底壁が溝190,支持面202,204の大部分を覆っているが、その前部には、電気部品60を取り出すための切欠212が設けられている。
【0039】
カバー210は、第6部材52に長手方向、すなわち電気部品送り方向に平行な方向に移動可能に取り付けられており、第6部材52および第1部材42を含むユニット本体40に対して、電気部品送り方向に平行な方向の位置を変更可能とされている。第6部材52には、スライド214が、第6部材52に電気部品送り方向に平行に形成された長穴216に移動可能に嵌合されている。スライド214の前部には、図25に示すように、軸218が電気部品送り方向と直角、すなわちテーピング電気部品62の幅方向に平行に嵌合されるとともに、軸218の両端部はスライド214から更に第6部材52の両側へ突出させられ、各突出端部にカバー210が、コの字の一対の側壁の長手方向の中間部において回動可能に嵌合されている。カバー210は第6部材52に、テーピング電気部品62の幅方向に平行な回動軸線まわりに回動可能に取り付けられているのである。軸218は、スライド214を第6部材52に係合させ、カバー210をスライド214に係合させる役割も果たす。なお、カバー210がスライド214と共に移動する際の軸218と第6部材52との干渉は、第6部材52に形成された長穴220(図24および図25参照)により回避される。
【0040】
スライド214の長手方向の中間部は、図20および図23に示すように幅が広い幅広部222とされるとともに、カバー210の後部が係合させられている。この幅広部222には、図23に示すように、幅方向に貫通する貫通孔224が設けられるとともに、一対の係合部材たる係合ピン226が互いに逆向きに嵌合され、ばね部材228により貫通孔224から突出する向きに付勢されている。係合ピン226は段付状を成し、その大径の係合部230がカバー210に設けられた係合穴232に嵌合させられることにより、カバー210が幅広部222に係合させられる。カバー210の係合穴232を画定する部分の一部には、、係合穴232の直径より小さい幅の切欠234(図24参照)が設けられており、係合ピン226をばね部材228の付勢力に抗して貫通孔224内に引っ込ませ、係合ピン226の小径部236を係合穴232内に位置させた状態でカバー210を回動させれば、カバー210を係合ピン226から外し、軸218のまわりに回動可能な状態とすることができる。なお、幅広部222の第6部材52に対する移動は、第6部材52に設けられた切欠238(図24参照)により許容される。また、ばね部材228の付勢による一対の係合ピン226の移動限度は、図示しない移動限度規定部材により規定されており、係合ピン226の貫通孔224からの抜出しが防止されている。移動限度規定部材は、抜出し防止部材でもある。
【0041】
第1部材42には、図19および図21に示すように、長手方向に隔たった2箇所にそれぞれ、切欠240が設けられており、第6部材52は、第1部材42上に載置されるとともに、切欠240に取付脚部206が嵌合され、位置決め面208が第1部材42の上面242に当接させられるとともに、位置決め面209が第1部材42の切欠形成面244に当接させられている。それにより第6部材52が第1部材42に対して幅方向および上下方向(幅方向と長手方向とに直角な方向)において正確に位置決めされるとともに、固定手段の一種であるボルト246によって第1部材42に着脱可能に固定され、第6部材52が第1部材42に装着されている。上面242および切欠形成面244は、第6部材52を位置決めする位置決め面なのであり、位置決め面208,209と共に位置決め手段を構成している。位置決め面209は、第6部材52の第1部材42に対する幅方向の位置を決める基準面でもある。
【0042】
また、電気部品送り方向において下流側の取付脚部206が下流側の切欠240の端面247に当接させられて、第6部材52が第1部材42に対して電気部品送り方向において位置決めされている。電気部品送り方向において上流側の切欠240は、このように第6部材52が第1部材42に対して位置決めされたとき、電気部品送り方向において、上流側の取付脚部206の嵌合を許容する寸法を有する。第6部材52の位置決め面208,209が設けられた部分が本体部材たる第1部材42への取付部である。また、第6部材52の、キャリヤテープ64の送り穴74が設けられた被支持部68を支持する支持面202が設けられた支持レール198を含む部分が、テーピング電気部品送り装置90に対応する部分(テーピング電気部品送り装置90の構成要素である後述するスプロケットに対応する部分)であり、これら取付部およびテーピング電気部品送り装置90に対応する部分は、第6部材52の幅方向の片側に設けられている。
【0043】
第6部材52が第1部材42に固定された状態において、第6部材52を厚さ方向に貫通して形成された貫通穴248(図24参照)およびスライド214に設けられた長穴250(図20参照)を通って固定手段たるねじ252が第1部材42に螺合され、図19に示すように、ねじ252の頭部254により、スライド214の浮き上がりが防止されるとともに、スライド214が第1部材42に固定される。ねじ252は、浮上がり防止手段でもある。
【0044】
スライド214が第1部材42に固定されるのに先立って、カバー210の電気部品送り方向に平行な方向の位置が調節される。前記スライド214の後部には、図20および図24に示すように、複数個の円錐穴256が、第6部材52の長手方向において等間隔に設けられており、この円錐穴256のうちの一つに、第1部材42に設けられたボールプランジャ258のボール260が嵌入することにより、スライド214が位置決めされ、カバー210が電気部品送り方向に平行な方向において位置決めされる。スライド214には複数個のセンタ穴が形成され、各センタ穴の開口部が円錐穴256を構成しているのである。ボールプランジャ258は、図19に示すように、外周面に雄ねじが設けられたケーシング262内にボール260が嵌合されるとともに、ばね部材264によりケーシング262から突出する向きに付勢されており、ケーシング262は第1部材42に螺合されている。ボール260がばね部材264の付勢力に抗してケーシング262内に引っ込み、円錐穴256から離脱することによりスライド214の移動が許容され、ボール260が円錐穴256内に嵌入することにより、スライド214、すなわちカバー210を位置決めする。
【0045】
カバー210の位置は、第1部材42および第6部材52を含むユニット本体40に対して、円錐穴256の数だけ、複数段階に変更され、例えば、図24(a)に示す位置と、図24(b)に示す位置とに変更される。カバー210の位置は、電気部品60の電気部品送り方向と平行な方向の寸法、すなわちテーピング電気部品の電気部品の保持ピッチに応じて段階的に変えられ、部品供給位置へ移動させられた電気部品は覆わず、エンボス70からの取出しを許容し、部品供給位置へ移動させられた電気部品について、電気部品送り方向において上流側に隣接する電気部品を覆う位置とされる。
【0046】
カバー210は、第6部材52に取り付けられた状態で、第6部材52と共に第1部材42に取り付けられる。そして、第6部材52を第1部材42に固定した後、カバー210を、電気部品送り方向において電気部品の保持ピッチに応じた位置へ移動させ、ボールプランジャ258のボール260が円錐穴256に嵌入して位置決めされた状態で、ねじ252が長穴250を通って第1部材42に螺合され、スライド214、すなわちカバー210が第1部材42に電気部品送り方向に平行な方向において固定される。そのため、供給ユニット32に振動が加えられても、カバー210がずれる恐れがない。この状態においても、カバー210はスライド214との係合を解いて、軸218のまわりに回動させることができる。
【0047】
テーピング電気部品62を第6部材52にセットする際には、カバー210を係合ピン226から外して軸218のまわりに回動させ、第6部材52上から退避させる。テーピング電気部品62のエンボス70を溝190内に嵌入させ、一対の被支持部68を支持面202,204上に載置するとともに、送り穴74を後述するスプロケットの突起に係合させた後、カバー210を回動させ、テーピング電気部品62に被せる。この際、係合ピン226をばね部材228の付勢力に抗して貫通孔224内へ引っ込ませ、小径部236が切欠234と対応する位置に位置させる。そして、カバー210を回動させ、小径部236が切欠234を通って係合穴232内へ嵌入した状態で、係合ピン226に加えていた力を解除すれば、ばね部材228の付勢により係合部230が係合穴232に嵌合され、カバー210がスライド214に係止させられる。この状態では、カバー210は回動できず、トップカバーテープ66がキャリヤテープ64から剥がされるとき、動くことがない。テーピング電気部品62の幅方向の位置ずれは、エンボス70の溝190への嵌入により、あるいはカバー210のコの字の一対の側壁が、キャリヤテープ64の一対の被支持部68の位置ずれを防止することにより、防止される。
【0048】
一旦、第6部材52およびカバー210が第1部材42に固定された後は、テーピング電気部品の種類が変わり、カバー210の位置を変更する際には、作業者は、ねじ252を緩めてカバー210の第1部材42への固定を解いた後、カバー210を持って、スライド214を、ボールプランジャ258のボール260をばね部材264の付勢力に抗してケーシング262内へ引っ込ませ、円錐穴256から離脱させつつ移動させ、カバー210を移動させる。この際、ねじ252は第1部材42から外さないが、スライド214のねじ252(第1部材42)に対する移動は長穴250により許容される。
【0049】
カバー210は、別の円錐穴256にボール260が嵌入し、スライド214が位置決めされることにより位置決めされる。位置決め後、ねじ252を締めてカバー210を電気部品送り方向に平行な方向において第1部材42に固定する。本実施形態においては、係合ピン226,係合穴232がスライド214にカバー210を取り付ける手段を構成し、スライド214,固定係合部の一種である係合凹部たる円錐穴256,弾性的係合部の一種である係合突起たるボール260およびばね部材264と共に段階的位置変更装置266を構成し、段階的位置変更装置266は、軸218,長穴220と共にカバー取付装置268を構成している。
【0050】
カバー210を、電気部品送り方向に平行な方向の位置を変更すべく、移動させるとき、軸218もカバー210およびスライド214と共に移動するため、カバー210はいずれの位置においても、軸218のまわりに回動させ、テーピング電気部品を配設することができる。
【0051】
本体部材たる第1部材42に対して、互いに幅が異なる複数個のテープガイド部材が付属させられている。上記第6部材52はその一つである。第6部材52とは幅が異なるテープガイド部材を構成する第6部材の例を、図34に示す。図34(a),(b),(c)に示す各第6部材52,269,271はそれぞれ、エンボス70の通過を許容する溝190の幅および取付脚部206の幅(第6部材の幅方向に平行な方向の寸法)は異なるが、構成は同じであり、各構成部には第6部材52の説明に用いた符号を付す。
【0052】
第6部材52,269,271においてはそれぞれ、キャリヤテープ64の送り穴74が設けられた側の被支持部68を下方から支持して案内する支持面202が設けられた支持レール198の幅はすべて同じにされるとともに、支持レール198と、第6部材を第1部材42に対して幅方向において位置決めする位置決め面209との幅方向における相対位置は、すべて同じにされている。第6部材52,269,271は、溝190の幅が異なり、一対の支持面202,204の間隔が互いに異なり、テーピング電気部品を案内する部分において互いに異なっている。第1部材42への取付部およびテーピング電気部品送り装置90に対応する部分は同じであり、幅方向において、これら取付部およびテーピング電気部品送り装置90に対応する部分とは反対側の部分が互いに異ならされているのである。
【0053】
そのため、第6部材269,271を第1部材42に取り付ける際には、第6部材52の第1部材42への取付け時と同様に、位置決め面208が第1部材42の上面242に当接させられ、取付脚部206が第1部材42に設けられた切欠240に嵌合され、位置決め面209が切欠形成面244に当接させられるとともに、ボルト246が第1部材42に螺合されて、第6部材269,271が第1部材42に固定される。固定された状態では、第6部材269,271の支持レール198および支持面202の第1部材42に対する幅方向の位置は第6部材52におけると同じになる。したがって、第6部材52,269,271のいずれによって案内されるテーピング電気部品も、送り穴74の第1部材42に対する幅方向の位置が同じになり、テーピング電気部品送り装置90は、後述するようにスプロケットを備えていて、キャリヤテープ64の送り穴74にスプロケットの突起が係合させられるが、いずれの第6部材に案内されるテーピング電気部品のキャリヤテープ64の送り穴74にも係合することができ、テーピング電気部品送り装置90は、幅が異なる複数種類のテーピング電気部品を送ることができる。
【0054】
それに対し、図34(b),(c)に示すように、第6部材269,271の支持レール200および支持面204が設けられた側の部分は、第1部材42から突出し、溝190の幅が大きいほど、この突出量は大きくなる。第1部材42の幅は、着脱が予定されている複数種類の第6部材(本実施形態においては第6部材52,269,271)のうち、幅が最も小さい第6部材(本実施形態においては第6部材52)と同じにされており、案内するテーピング電気部品の幅が大きくなり、第6部材の幅が大きくなるほど、供給ユニット32の幅が大きくなる。
【0055】
そのため、第6部材52,269,271は、テーピング電気部品の幅に応じて択一的に第1部材42に取り付けられるが、テーピング電気部品の幅が小さく、供給ユニット32の幅が小さい場合には、テーブル30に最小ピッチ(隣接する2個の位置決め溝56のピッチ)で供給ユニット32を取り付けることができ、テーピング電気部品の幅が大きく、テーブル30に最小ピッチで取り付けることができない場合には、最小ピッチの整数倍(この整数は2以上の整数である)のピッチで取り付けられる。第1部材42の幅を、幅が最も大きいテーピング電気部品を案内する第6部材271の幅と同じにすれば、テーピング電気部品の幅が小さくても、供給ユニット32のテーブル30への取付ピッチが大きくなり、供給ユニット32の取付数が少なくなって無駄であるのに対し、テーピング電気部品の幅が小さい場合には、テーブル30に無駄なく供給ユニット32を取り付けることができるのである。なお、第6部材269,271には、図示は省略するが、第6部材52におけると同様に、前記カバー210と、幅方向の寸法は異なるが構成は同じカバーが同様に取り付けられており、第6部材269,271と共に第1部材42に着脱される。また、カバーのテーピング電気部品の送り方向に平行な方向の位置は、段階的位置変更装置により変更される。
【0056】
第1部材42に対してはまた、テーピング電気部品の幅に応じた複数種類の第3部材46ないし第5部材50,トップカバーテープ処理装置92,ガイドローラ140,金属検出器150の検出ヘッド152が付属させられており、テーピング電気部品の幅に合わせて択一的に第1部材42に取り付けられる。テーピング電気部品送り装置90,第1部材42および第2部材44が第6部材52,269,271に対して共用なのである。なお、第3部材46ないし第5部材50のうち、テーピング電気部品の幅が変わっても共用することが可能な部材は共用してもよい。
【0057】
テーピング電気部品送り装置90を説明する。
第1部材42には、図19および図22に示すように、回転軸270が、電気部品送り方向に直角(電気部品供給ユニット32の幅方向およびテーピング電気部品62の幅方向に平行な方向)な軸線まわりに回転可能に設けられるとともに、送り部材たるスプロケット272が相対回転不能に取り付けられている。スプロケット272の周回する外周面に設けられた突起274は、キャリヤテープ64に形成された送り穴74に係合させられる。スプロケット272には、スプロケット272より小径のラチェットホイール276が同心にかつ相対回転不能に設けられている。なお、前記第6部材52には、図24に示すように、スプロケット272およびラチェットホイール276との干渉を避けるための切欠278が設けられ、カバー210には、図20に示すように、キャリヤテープ64に形成された送り穴74に対応する部分に切欠279が形成され、スプロケット272の突起274との干渉が回避されている。
【0058】
回転軸270にはまた、図20および図22に示すように、2個の往復運動部材たる回動部材280,282が相対回動可能かつそれぞれ往復回動可能に取り付けられている。前記ラチェットホイール276はリング状を成し、複数のピン283によってスプロケット272に同心に位置決めされ、固定されている。回動部材282は、図22に示すように、基端部がラチェットホイール276と同一平面内に位置させられるとともに、長手方向の中間部において曲げ起こされ、延出端部は回動部材280と同一平面内に位置させられている。これら回動部材280,282の長さ、すなわち回動軸線から各延出端までの距離は同じにされている。なお、ラチェットホイールはスプロケットと一体に設けてもよい。
【0059】
回動部材280,282にはそれぞれ、回動軸線からの距離が等しい位置にラチェット爪284,286がピン288,290により回動可能に、かつラチェットホイール276の外周面に設けられた歯292に係合可能に設けられるとともに、回動部材280,282との間に設けられたばね部材294,296により、歯292に係合する向きに付勢されている。これらラチェット爪284,286はいずれも、回動部材280,282が正方向(図19においては反時計方向であり、この方向を往方向とする)に回動させられるときには歯292に係合した状態を保ち、回動部材280,282が逆方向(図19においては時計方向であり、この方向を復方向とする)へ回動させられるときには、歯292を乗り越えていくものとされている。
【0060】
したがって、回動部材280,282が正方向に回動(往運動)させられるとき、ラチェットホイール276が正方向に回転させられるとともにスプロケット272が回転させられてテーピング電気部品62が送られ、回動部材280,282が逆方向に回動(復運動)させられるときには、ラチェット爪284,286はラチェットホイール276の歯292を乗り越え、次のテーピング電気部品62の送りのための準備が為される。回動部材280,282はそれぞれ、テーピング電気部品62を送るために、往運動および復運動を行うのである。
【0061】
回動部材280,282は、駆動装置を構成する回転駆動源たるステッピングモータ300および運動変換装置302により互いに逆向きに往復回動させられる。ステッピングモータ300は、第1部材42に、ロータの回転軸線が回動部材280,282の回動軸線と平行となる向きに設けられており、駆動信号の個数に比例した角度回転させられる。
【0062】
運動変換装置302は、カムの一種である回転カムたる板カム306,カムフォロワたるベルクランクレバー308および運動伝達装置の一種である接続装置を構成する2つの連結リンク310,312を含む。板カム306は、外周面をカム面314とし、第1部材42に軸316により、回動部材280,282の回動軸線と平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられており、ステッピングモータ300の回転がギヤ318,320,322により伝達されて回転させられる。板カム306のカム面314は、同一形状部分が周方向に2回繰り返し形成されてほぼ楕円形状を成す。板カム306の回転方向において、回転軸線からの距離が増大する部分と減少する部分とが交互に2箇所ずつ、90度間隔で設けられているのである。
【0063】
カム面314は、両停留対称変形等速度曲線に沿って形成されている。板カム306は90度回転する間に、ベルクランクレバー308を加速,等速回動および減速させるが、加速時および減速時における時々刻々の加速度が、大きさが互いに同じで方向が逆になり、板カム306の等速回転運動をベルクランクレバー308の速度0から滑らかに加速し、一定速度で回動した後、速度0まで滑らかに減速する運動に変換する形状とされているのである。
【0064】
ベルクランクレバー308は、第1部材42に軸324により、回動部材280,282の回動軸線と平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられており、2本のアーム326,328にそれぞれ取り付けられたローラ330,332が、板カム306のカム面314の互いにほぼ90度位相を異にする2箇所に係合させられている。したがって、ベルクランクレバー308は、板カム306の回転につれて正方向にも逆方向にも強制的に回動させられ、2本のアーム326,328は同じ方向に同じ角度回動させられる。なお、ベルクランクレバー308の図19において時計方向の回動を正方向の回動、反時計方向の回動を逆方向の回動とする。
【0065】
2本のアーム326,328の長さは等しく、各突出端部のベルクランクレバー308の回動軸線からの距離が等しい位置にそれぞれ、連結リンク310,312の一端部が回動可能に連結されており、連結リンク310,312の他端部は、前記回動部材280,282の共通の回動軸線からの距離が等しい位置に回動可能に連結されている。連結リンク310,312の各両端部は円形部334とされ、回動部材280,282,およびアーム326,328の連結リンク310,312が連結される部分には円形部とテーパ部とを含む切欠336が設けられており、円形部334が切欠336の円形部に嵌合されて、アーム326,328,連結リンク310,312および回動部材280,282は同一平面内において回動可能に連結されている。なお、第1部材42には複数の押さえ部材338が固定され、連結リンク310,312の回動部材280,282,アーム326,328からの抜出しが防止されている。
【0066】
ベルクランクレバー308が板カム306によって正方向および逆方向に往復回動させられれば、連結リンク310,312を介して回動部材280,282がそれぞれ正方向および逆方向に往復回動させられるが、連結リンク310,312は、回動部材280,282を、回動角度は同じであるが、回動方向は互いに逆になるようにアーム326,328に連結している。連結リンク310,312は、回動部材280,282の回動範囲の中央およびアーム326,328の回動範囲の中央においてそれぞれ、回動部材280,282,アーム326,328に対して直角となる状態で連結されている。アーム326,328の長さ(ベルクランクレバー308の回動軸線から連結リンク310,312の連結位置までの距離)および回動部材280,282の長さ(共通の回動軸線から連結リンク310,312の連結位置までの距離)はそれぞれ同じであり、アーム326,328の回動角度および回動方向は同じであるのに対し、回動部材280,282は回動角度は同じであるが、回動方向が逆なのである。
【0067】
回動部材282は、板カム306の回転によりベルクランクレバー308が正方向に回動させられるとき、正方向に回動させられてスプロケット272を回転させ、テーピング電気部品62を送らせる。その間、回動部材280は逆方向に回動させられ、ラチェット爪284がラチェットホイール276の歯292を乗り越え、送りの準備が行われる。ベルクランクレバー308が逆方向に回動させられるときには、逆に、回動部材282が逆方向に回動させられて送りの準備が行われ、回動部材280が正方向に回動させられてスプロケット272が回転させられ、テーピング電気部品62が送られる。回動部材280,282のうちの一方が逆方向に回動させられてラチェット爪284が歯292を乗り越える際のラチェットホイール276の逆回転は、回動部材280,282のうちの他方が正方向に回動させられてラチェットホイール276を正方向に回転させることにより防止される。ラチェットホイール276およびラチェット爪284,ラチェットホイール276およびラチェット爪286がそれぞれ一方向回転伝達装置を構成し、回動部材280,282の各正方向の回動はスプロケット272に伝達するが、各逆方向の回動はスプロケット272に伝達しないのである。これら2つの一方向回転伝達装置は、ラチェットホイール276を共用している。
【0068】
板カム306のカム面314は、同じ形状の部分が2回繰り返されてほぼ楕円形状を成し、回動部材280は、図26に実線で示すように、板カム306が1回転する間に、送り動作および送り準備動作を2回ずつ行う。回動部材282も同じであるが、図26に二点鎖線で示すように、回動部材280とは90度位相がずれている。ベルクランクレバー308は板カム306が90度回転する毎に回動方向が変わるが、回動部材280,282が交互に送り動作を行うのである。なお、前述のように、カム面314は、両停留対称変形等速度曲線に沿って形成されており、回動部材280,282は、図26に示すように、加速度および減速度が滑らかに変化し、速度0から滑らかに加速し、速度0まで滑らかに減速する。
【0069】
したがって、スプロケット272およびラチェットホイール276が停止させられる際の慣性は小さく、また、ラチェット爪284,286をラチェットホイール276の歯292に係合する向きに付勢するばね部材294,296の付勢力は、スプロケット272およびラチェットホイール276がラチェット爪284,286をばね部材294,296の付勢力に抗して回動させることがない大きさに設定されており、スプロケット272およびラチェットホイール276が、回動部材280,282の正方向への回動によって与えられる位置を超えて回転することはなく、テーピング電気部品62の電気部品60は部品供給位置に精度良く位置決めされる。
【0070】
回動部材280,282の各1回の送り動作によるテーピング電気部品62の送りピッチを基準ピッチとする。基準ピッチは、電気部品60の保持ピッチが異なる複数種類のテーピング電気部品のうち、最小の保持ピッチと等しくされている。前述のように、電気部品60の寸法に応じて、テーピング電気部品における電気部品60の保持ピッチが変えられる場合、保持ピッチは、最小の保持ピッチのM倍(Mは2以上の整数)とされるため、保持ピッチが最小のテーピング電気部品62の送り時には、板カム306は90度回転させられてスプロケット272の駆動が1回行われ、保持ピッチが最小ピッチの2倍であるテーピング電気部品75の送りときには、板カム306は180度回転させられてスプロケット272の駆動が2回行われる。テーピング電気部品62が第1テーピング電気部品であり、テーピング電気部品75が第2テーピング電気部品である。保持ピッチが最小ピッチのM倍(Mは2以上の整数)である別の第2テーピング電気部品(図示省略)の送り時には、板カム306は(90×M)度回転させられ、スプロケット272の駆動がM回行われる。
【0071】
ステッピングモータ300の回転を板カム306に伝達する318,320,322のギヤ比は、ステッピングモータ300の1回転により、板カム306を90度回転させ、スプロケット272の駆動が1回行われるように設定されている。そのため、スプロケット272が1回駆動されるのであれば、ステッピングモータ300が1回転させられ、M回駆動されるのであればM回、回転させればよく、ステッピングモータ300の制御が容易である。
【0072】
第1部材42には、板カム306が1/4回転毎の複数の回転停止位置のいずれかにあることを検出する回転停止位置検出器350が設けられている。回転停止位置検出器350は、板カム306が取り付けられた前記回転軸316に取り付けられた検出板352と、回転停止位置検出センサ354とを含む。検出板352には4個のドッグ356が等角度間隔に設けられている。また、回転停止位置検出センサ354は、発光部および受光部を含む透過型の光電センサであり、板カム306が複数の回転停止位置のいずれかにあるとき、ドッグ356が受光部の受光を妨げる。
【0073】
したがって、スプロケット272の駆動が1回行われる場合でも、M回行われる場合でも、ステッピングモータ300が脱調を生ずることなく、板カム306を正確に回転停止位置に停止させれば、停止位置信号が得られ、脱調によって板カム306を正確に回転停止位置で停止させなければ、受光部の受光が妨げられず、停止位置信号が得られないことから、ステッピングモータ300の脱調を検出することができる。脱調検出時には、脱調に起因する駆動信号とステッピングモータの回転位置とのずれを解消する処理が行われる。すなわち、ステッピングモータ300を更に少し回転させ、それにより停止位置信号が得られたならば、更にステッピングモータ300を回転させ、ドッグ356を、回転停止位置検出センサ354の、発光部および受光部の検出板352の回転方向において中央に位置させるのである。このようにステッピングモータ300を回転させてみてもなお、停止位置信号が得られないならば、直ちに、あるいは更に設定回数、ステッピングモータ300の回転による停止位置信号の取得の試みを行った後、例えば、報知器を用いて警報音を発して異常の発生を作業者に報知する。
【0074】
トップカバーテープ処理装置92を説明する。
トップカバーテープ処理装置92は、図27に示すように、トップカバーテープ送り装置366および収容箱368を含んでいる。第1部材42に固定された前記第5部材50は、図15に示すように、第1部材42より薄い板状を成し、第1部材42から上方へ突出させられている。第1部材42が本体部材を構成し、第5部材50が補助部材を構成し、これら第1,第5部材42,50がトップカバーテープ送り装置366の本体369を構成している。
【0075】
第5部材50の側面には、図27に示すように、ローラ382がトップカバーテープ66の幅方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられている。トップカバーテープ66は、キャリヤテープ64から剥がされた後、カバー210の切欠212の端縁において、ほぼ180度反転させられ、その幅方向は水平であって、供給ユニット32の幅方向と平行であり、ローラ382に巻き掛けられる。カバー210の切欠212およびローラ382により、トップカバーテープ66の通過経路が規定されている。なお、ローラ382には一対のフランジ部(図示省略)が設けられ、トップカバーテープ66の幅方向における位置ずれを防止している。
【0076】
第5部材50の、ローラ382に対してトップカバーテープ送り方向において上流側(カバー210の切欠212に近い側)には、テンション調整装置371が設けられている。テンション調整装置371は、ローラ保持部材たるローラ保持レバー370,ローラ372および付勢装置の一種である弾性部材たるばね部材374を含む。ローラ保持レバー370は、その一端部において、トップカバーテープ66の幅方向に平行な回動軸線まわりに回動可能に取り付けられている。
【0077】
ローラ保持レバー370の他端部にローラ372が回転可能に設けられている。ローラ保持レバー370は、トップカバーテープ66の通過経路と交差する長さを有し、ローラ372を、トップカバーテープ66の通過経路と交差する方向に移動可能に保持している。ローラ保持レバー370は、一端が第5部材50に係止されたばね部材374により、ローラ372がトップカバーテープ66を屈曲させる向きに付勢されている。なお、ローラ372には一対のフランジ部(図示省略)が設けられ、トップカバーテープ66の幅方向における位置ずれを防止している。
【0078】
ローラ保持レバー370には、ばね部材374の付勢による回動方向とは逆方向(図27においては時計方向)において下流側へ突出する被検出部たる被検出片376が設けられ、第5部材50には、被検出片376の移動軌跡上であって、移動方向において下流側の位置にローラ設定位置到達検出センサ378が設けられている。このセンサ378は、発光部および受光部を有する透過型の光電センサであり、ローラ保持レバー370がばね部材374の付勢力に抗して移動させられ、被検出片376が受光部の受光を妨げるに至れば、保持レバー370が検出される。これらローラ設定位置到達検出センサ378および被検出片376がローラ設定位置到達検出器379を構成している。
【0079】
なお、ローラ保持レバー370のばね部材374の付勢による回動の限度は、第5部材50に設けられたストッパ部材380により規定され、ローラ設定位置到達検出センサ378に向かう方向の回動の限度は、第5部材50に設けられたストッパ部材381により規定される。ストッパ部材381は、被検出片376がローラ設定位置到達検出センサ378の受光部の受光を妨げた後、被検出片376がローラ設定位置到達検出センサ378と干渉する前にローラ保持レバー370を停止させる位置に設けられている。
【0080】
トップカバーテープ66は上記ローラ372に巻き掛けられた後、前記ローラ382に巻き掛けられ、更に、送り回転体たる一対の送りギヤ384,386に挟まれている。前記テンション調整装置371は、一対の送りギヤ384,386の、トップカバーテープ66の送り方向において上流側に設けられているのである。なお、ローラ382の回転軸線は、送りギヤ384,386の噛合部と同じ高さに設けられており、ローラ382を経たトップカバーテープ66は、送りギヤ384,386へ真っ直ぐに(送りギヤ384,386の各回転軸線を結ぶ直線に対して直角な向きに)入って真っ直ぐに出て来易い。
【0081】
上記送りギヤ384,386は、互いに同じ寸法を有し、いずれもアルミニウム製の成型品であり、図28に示すように、各歯388の角部は丸められて丸み部390が設けられている。一方の送りギヤ384は、回転駆動装置394により回転させられる。送りギヤ384は、図28に示すように、前記第5部材50に、トップカバーテープ66の幅方向(トップカバーテープ66の送り方向に直角な方向)と平行に立設された支持軸396に回転可能に取り付けられるとともに、ウォームホイール398が一体的に設けられている。ウォームホイール398は、第5部材50に固定されたブロック状の保持体400により、トップカバーテープ66の幅方向に直角な軸線まわりに回転可能に保持されたウォーム402に噛み合わされており、ウォーム402がギヤ404,406(図27参照)を介して駆動源たる電動モータの一種であるDCモータ408によって回転させられることにより、送りギヤ384が回転させられる。
【0082】
DCモータ408は、そのロータの回転軸線がウォーム402の回転軸線と平行となる姿勢、すなわちトップカバーテープ66の幅方向と直角な姿勢で第5部材50に固定のブラケット410に取り付けられている。ウォーム402およびウォームホイール398により、DCモータ408のロータの、トップカバーテープ66の幅方向と直角な軸線まわりの回転が、トップカバーテープ66の幅方向に平行な軸線まわりの回転に変換されて送りギヤ384に伝達されるのであり、DCモータ408を、そのロータの回転軸線がトップカバーテープ66の幅方向に平行に設ける場合に比較して、供給ユニット32の幅方向の寸法を小さくし得る。ウォームホイール398,ウォーム402,ギヤ404,406が回転伝達装置412を構成し、DCモータ408と共に回転駆動装置394を構成している。
【0083】
送りギヤ386は、第5部材50の送りギヤ384より上側の位置に回動可能に取り付けられた回転体保持部材の一種である回転体保持レバーたるギヤ保持レバー420に回転可能に保持されており、ギヤ保持レバー420が第5部材50との間に設けられた付勢手段の一種である弾性部材たるばね部材422によって付勢されることにより、送りギヤ384に接近する向きに付勢されている。送りギヤ386は、送りギヤ384に対して接近,離間可能に設けられているのであり、送りギヤ386は、送りギヤ384,386の各回転軸線を結ぶ直線が垂直となる位置に設けられ、送りギヤ384と真上から噛み合う。
【0084】
ギヤ保持レバー420には、トップカバーテープ66の幅方向に平行な方向に延びる離間用操作部424が設けられている。作業者はこの離間用操作部424を持ち、ギヤ保持レバー420をばね部材422の付勢力に抗して回動させることにより、送りギヤ386を送りギヤ384から離間させ、送りギヤ384,386の間にトップカバーテープ66を挟み込むことができる。作業者がギヤ保持レバー420に加えていた力を解除すれば、送りギヤ386は送りギヤ384に向かって付勢され、両ギヤ384,386は歯388においてトップカバーテープ66を挟んだ状態で噛み合う。
【0085】
これら送りギヤ384,386の各々には、図28および図29に示すように、幅方向の中間部に、それら送りギヤ384,386を一周するスクレーパ溝430,432が形成され、各スクレーパ溝430,432にスクレーパ434,436の一部が嵌入させられている。スクレーパ434,436は金属製の薄板によって作られている。
【0086】
送りギヤ384に対して設けられたスクレーパ434は、長手方向の中間部の幅が狭く、スクレーパ溝430に嵌入可能な幅とされ、長手方向において、その幅狭部の両側の部分の幅は送りギヤ434と同じにされ、長手方向の両端部の幅は、図29に示すように、送りギヤ384の幅より大きく、前記保持体400に固定されて送りギヤ384,386を覆う板状のカバー438と第5部材50との間の距離より僅かに小さい幅とされている。カバー438は、一対の送りギヤ384,386の噛合部よりも、トップカバーテープ66の送り方向においてやや上流側から、噛合部を超え、下流側においては収容箱368に至る部分において、送りギヤ384,386に回転軸線に平行な方向において隣接して設けられており、第1部材42,第5部材50と共にトップカバーテープ送り装置366の本体369を構成している。
【0087】
スクレーパ434は、幅の狭い中間部においてスクレーパ溝430に嵌入させられ、幅が大きく、スクレーパ溝430から出外れた部分は、送りギヤ384に沿って曲げられ、両端部は保持体400に固定されている。スクレーパ溝430にスクレーパ434の一部が嵌入させられ、一対の送りギヤ384,386が噛み合っている部分にもスクレーパ430が存在し、スクレーパ434は送りギヤ384の上流側から下流側まで連続して配設されているのである。スクレーパ溝430は、送りギヤ384の歯溝より深く設けられており、一対の送りギヤ384,386が噛み合っている部分においては、スクレーパ434はスクレーパ溝430内にあって、トップカバーテープ66の送りを妨げることがなく、トップカバーテープ66の先端が一対の送りギヤ384,386の噛合部から出る瞬間からスクレーパ434により案内されている。スクレーパ溝432,スクレーパ436についても同じである。
【0088】
なお、スクレーパ434には、図29に示すように開口440が設けられてウォーム402との干渉が回避されている。また、スクレーパ434は、スクレーパ溝430に嵌入させられた部分を除いてカバー438に密接させられて配設されており、カバー438と送りギヤ384との間へトップカバーテープ66が入り込むことを防止している。
【0089】
送りギヤ386に設けられたスクレーパ436も同様に、長手方向の中間部の幅は狭く、スクレーパ溝432に嵌入可能な幅とされ、その他の部分の幅は、送りギヤ386の幅と同じ大きさとされている。スクレーパ436は、幅の狭い中間部において送りギヤ436のスクレーパ溝432に嵌入され、幅の大きい部分はスクレーパ溝432から出外れて送りギヤ436に沿って曲げられ、両端部はギヤ保持レバー420に固定されている。スクレーパ溝432にスクレーパ436の一部が嵌入させられ、一対の送りギヤ384,386が噛み合っている部分にもスクレーパ436が存在し、スクレーパ436は送りギヤ436に、上流側から下流側まで連続して配設されているのである。また、スクレーパ436は、スクレーパ溝432に嵌入させられた部分を除いてカバー438に密接させられた状態で配設され、カバー438と送りギヤ386との間へトップカバーテープ66が入り込むことを防止している。上記スクレーパ434,436のトップカバーテープ66の通過経路側の面には、ポリテトラフルオルエチレンが塗布されて、摩擦係数が低くされている。
【0090】
このように送りギヤ384,386の両方に対してスクレーパ434,436が設けられるとともに、送りギヤ384,386の上流側から下流側にわたって配設されており、送りギヤ384,386の入口側と出口側との両方にそれぞれ、スクレーパ434,436が設けられており、入口側(トップカバーテープ66の送り方向において上流側)と出口側(下流側)とにおいてそれぞれスクレーパ434,436が成す角度は、120度を超える角度とされている。
【0091】
送りギヤ384,386により送られたトップカバーテープ66は、収容箱368に収容される。トップカバーテープ66の送り方向において送りギヤ384,386の下流側に設けられ、収容箱368は、第5部材50に着脱可能に取り付けられている。第5部材50の後部は、図30に示すように、供給ユニット32の幅方向の中央側へ曲げられた後、上方へ直角に屈曲させられて、供給ユニット32の長手方向に延びる位置決め部452が設けられている。
【0092】
収容箱368は、図27および図30に示すように、幅が厚いブロック状を成す梁材454,456と、それら梁材454,456の両側面にそれぞれ固定された薄い側板458,460とを含み、前後方向(トップカバーテープ66の送り方向と平行な方向)においてそれぞれ開口させられている。これら梁材454,456および側板458,460は金属材料、例えばアルミニウムによって作られており、静電気によって収容箱368にトップカバーテープ66が付着することが防止されている。
【0093】
収容箱368の後側(送りギヤ384,386とは反対側)の開口は、図30に示すように、梁材454に軸462によって回動可能に取り付けられた磁性材料製の蓋464によって閉塞されている。蓋464は、梁材456に設けられた磁石466に吸着され、閉じた状態に保たれている。蓋464には、窓468が設けられており、収容箱368の中を見ることができる。なお、窓468には、透明のシート470が貼り付けられ、トップカバーテープ66の抜出しが防止されている。
【0094】
また、収容箱368の前側(送りギヤ384,386側)の開口は、開かれたままであり、トップカバーテープ66が流入する流入口472を構成している。梁材454には、図27に示すように、流入口472より前方へ斜め上向き(スプロケット434に向かう方向)に突出する案内突部474が設けられており、トップカバーテープ66の収容箱368内への流入を案内する。これら梁材454,456,側板458,460,蓋464,案内突部474の収容箱368の内面側の面には、ポリテトラフルオルエチレンが塗布されて摩擦係数が低くされ、トップカバーテープ66の貼り付きが防止されている。
【0095】
梁材454には、図30に示すように、幅方向の中央部に位置決め溝476が形成されており、この位置決め溝476を第5部材50に設けられた位置決め部452に嵌合して幅方向に位置決めし、位置決め突部452に沿って収容箱368を前方へ移動させ、収容箱368を第5部材50に取り付ける。梁材456にも、その前部の幅方向の中央部に位置決め溝478が形成されており、第5部材50に設けられた別の位置決め突部480が嵌合され、幅方向に位置決めされる。
【0096】
第5部材50の位置決め突部480の両側面にはそれぞれ、ボールプランジャ482が設けられている(図27には一方のみ図示されている。第5部材50は二点鎖線で図示されているが、ボールプランジャ482は、理解を容易にするために実線および破線で示す)。ボールプランジャ482は、外周面に雄ねじが設けられたケーシング484,ケーシング内に収容された係合突起たるボール486および付勢手段の一種である弾性部材であって、ボール486をケーシング484から突出する向きに付勢するばね部材488を含む。収容箱368は、梁材456に形成された係合凹部たる円錐穴490にボール486が嵌入する位置まで移動させられ、長手方向において位置決めされるとともに、第5部材50に係合させられて、振動等によるずれが防止されている。この状態では、前記案内突部474は、送りギヤ384について設けられたスクレーパ434に向かって延び出させられ、スクレーパ434に近接して位置させられてトップカバーテープ66の収容箱368内への進入を案内する。収容箱368に第5部材50から抜け出す向きの力を加え、ボール486をばね部材484の付勢力に抗してーシング484内へ引っ込ませつつ、収容箱368を後方へ移動させれば、第5部材50から取り外すことができる。なお、前記ギヤ保持レバー420には、図27に示すように、トップカバーテープ66の幅方向と平行に延びる閉塞片492が設けられ、収容箱368の流入口472側からのトップカバーテープ66の抜け出しを防止している。
【0097】
第5部材50の上端部には、図27に示すように、固定把手部材550が供給ユニット32の幅方向に位置決めされて着脱可能に固定されるとともに、固定把手部材550には、可動把手部材552が供給ユニット32の長手方向に平行な方向に移動可能に嵌合されている。可動把手部材552は第5部材50から供給ユニット32の後方側へ突出させられており、この突出部を持って可動把手部材552を供給ユニット32の後方へ引き出すことができる。作業者は、第5部材52から引き出した可動把手部材552を持って、供給ユニット32をテーブル30に取付け,取外しし、可動把手部材552が引き出された状態の固定把手部材550を持って供給ユニット32を移動させる。
【0098】
可動把手部材552の外周面には、図30に示すように、可動把手部材552の長手方向に平行な方向に延びる回転防止面たる平面553が設けられ、固定把手部材550に対する回転を阻止されている。また、可動把手部材552の外周面の2箇所には、固定把手部材552の長手方向に延びる面取りが施されており、面取りにより形成された2つの貼付面554の一方にバーコードシール556が貼り付けられている。バーコードシール556には、供給ユニット32についての識別情報を表すバーコードが印刷されている。
【0099】
なお、電気部品60を供給したキャリヤテープ64は、図1に示すように、前記台車34に設けられた案内部材494によりテープ切断器496に案内され、テープ切断器496により切断されて切断片は収容箱498に収容される。
【0100】
複数の供給ユニット32にはそれぞれ、図31に示すように、ユニットコントローラ500が設けられている。このユニットコントローラ500は、複数のコンピュータ(図示省略)を含んでおり、供給ユニット32に保持されたテーピング電気部品62の接続の監視,ステッピングモータ300の制御,DCモータ408の制御がそれぞれ、専用のコンピュータによって行われる。ユニットコントローラ500にはまた、金属検出器150の接続検出回路168,回転停止位置検出センサ354,ローラ設定位置到達検出センサ378および操作盤502が接続されている。テーピング電気部品62の接続の監視を行うコンピュータのROMには、図32にフローチャートで示す接続監視処理が格納され、RAMには、図33に示すように、基準識別情報メモリ504,入力識別情報メモリ506,識別情報入力時間メモリ508,接続部検出時間メモリ510,残量カウンタ512がワーキングメモリと共に設けられている。また、PU(プロセッシングユニット)には、タイマが設けられている。
【0101】
これらユニットコントローラ500は、図31に示すように、台車34に設けられた台車側コントローラ520に接続され、台車側コントローラ520との間で情報をやりとりする。台車側コントローラ520は、部品搭載システム16に設けられた搭載システムコントローラ530に接続されており、それらの間で情報をやりとりする。搭載システムコントローラ530は、部品搭載システム16に設けられた報知器532および表示装置534を制御し、報知器532に警報を発せさせ、表示装置534にエラーの内容等を表示させる。台車側コントローラ520にはまた、バーコードリーダ538が接続されるようになっている。さらに、搭載システムコントローラ530は、ホストコンピュータ540に接続されており、それらの間で情報をやりとりする。
【0102】
以上のように構成されたプリント回路板組立システム10においては、部品吸着具22が移動させられて複数の供給ユニット32の1つから電気部品60を取り出し、プリント配線板20に取り付ける。部品吸着具22は、電気部品60の取出し後、プリント配線板20への取付けに先立って、撮像装置38によって電気部品60の保持姿勢を撮像され、その撮像データに基づいてX方向およびY方向の保持位置誤差および回転位置誤差(軸線まわりの位置誤差)が算出される。また、電気部品60のプリント回路板20への取付けに先立って、プリント回路板20に設けられた基準マーク(本実施形態においては対角線上に隔たった2箇所にそれぞれ設けられている)が撮像され、プリント回路板20の複数の部品取付位置の各々について、X方向およびY方向の位置誤差が算出されており、電気部品60および部品取付位置のX方向およびY方向の各位置誤差および電気部品60の回転位置誤差が修正されて電気部品60がプリント回路板20に取り付けられる。
【0103】
供給ユニット32は、電気部品60がエンボス70から取り出された状態で次の電気部品60の供給に備えて待機している。空のエンボス70が部品供給位置に位置するのである。電気部品60が部品吸着具22によって取り出される供給ユニット32については、搭載システムコントローラ530からの指示に基づいてユニットコントローラ500のステッピングモータ300を制御するコンピュータがステッピングモータ300を起動させ、テーピング電気部品62を送らせる。
【0104】
ステッピングモータ300は、テーピング電気部品62の電気部品60の保持ピッチに応じて、電気部品60を部品供給位置へ移動させるのに必要な量、回転させられる。例えば、供給ユニット32がテーピング電気部品62から電気部品60を供給するのであれば、テーピング電気部品62は、電気部品60の保持ピッチが最小であって、基準ピッチに等しいため、ステッピングモータ300は、板カム306を90度回転させるように制御される。それにより、回動部材280,282のうちのいずれか一方が送り動作(往運動)を行ってテーピング電気部品62を保持ピッチに等しい距離、送り、回動部材280あるいは282の1回の送り動作によるスプロケット272の1回の駆動によって電気部品60が部品供給位置へ移動させられる。スプロケット272の駆動を1回行う毎に電気部品60を1個ずつ供給するのであり、この工程が1回送り供給工程である。
【0105】
供給ユニット32がテーピング電気部品75を保持し、テーピング電気部品75から電気部品60を供給するのであれば、電気部品60の保持ピッチは基準ピッチの2倍であり、ステッピングモータ300は、板カム306を180(90×2)度回転させるように制御される。それにより、回動部材280,282が交互に1回ずつ送り動作(往運動)を行ってスプロケット272の駆動が2回行われ、電気部品60が部品供給位置へ移動させられる。スプロケット272の駆動をM回(2回)行う毎に電気部品60を1個ずつ供給するのであり、この工程がM回送り供給工程である。ユニットコントローラ500に含まれ、ステッピングモータ300を制御するコンピュータが、ステッピングモータ300の回転数を、テーピング電気部品を電気部品の保持ピッチに応じて制御し、テーピング電気部品を保持ピッチに等しい距離送らせる送り制御手段を構成している。
【0106】
部品吸着具22は、スプロケット272が1回駆動されるときには、その駆動によるテーピング電気部品の送りと同期して、また、スプロケット272がM回駆動されるときには、最後の駆動、すなわちM回目の駆動によるテーピング電気部品の送りと同期して下降させられる。部品吸着具22の下降が同期制御手段によって制御され、部品吸着具22は、M回目(スプロケット272が1回のみ駆動されるときは1回目)のテーピング電気部品の送りの少なくとも一部と並行して下降させられるか、あるいはM回目(スプロケット272が1回のみ駆動されるときは1回目)のテーピング電気部品の送りの終了と同時に下降させられるのである。部品吸着具22の下降とテーピング電気部品のM回目(スプロケット272が1回のみ駆動されるときは1回目)の送りとを並行させる場合でも、部品吸着具22が電気部品を吸着する前にテーピング電気部品の送りが終了し、先頭の電気部品が部品供給位置へ移動させられ、停止した後に部品吸着具22が電気部品を吸着するようにされる。テーピング電気部品の送り状況(スプロケット272の駆動状態)は、搭載システムコントローラ530とユニットコントローラ500との間の情報のやりとりからわかり、部品吸着具22の下降が制御される。
【0107】
前述のように、板カム306のカム面314は、両停留対称変形等速度曲線に沿って形成されているため、ベルクランクレバー308は速度0から滑らかに加速し、等速回動した後、速度0まで滑らかに減速し、それにより回動部材280,282も速度0から滑らかに加速し、等速回動した後、速度0まで滑らかに減速させられ、テーピング電気部品62は振動少なく移動開始,停止させられて、エンボス70からの電気部品60の飛出しや、電気部品60の姿勢が変わることがない。
また、回動部材280,282が交互に送り動作を行い、スプロケット272を実質的に休みなく駆動されてテーピング電気部品62が送られるため、テーピング電気部品の電気部品の保持ピッチが基準ピッチのM倍であっても、電気部品が迅速に供給される。
ステッピングモータ300の制御によるテーピング電気部品62の送りは、ユニットコントローラ500に設けられたコンピュータにより行われ、このコンピュータ,ステッピングモータ駆動回路および回転停止位置検出器350が駆動源制御装置を構成している。
【0108】
なお、前述のように、ステッピングモータ300に脱調が生ずれば、ステッピングモータ300が更に少し回転させられて停止位置信号が得られるようにする等の処理が行われるが、これは、ユニットコントローラ500に設けられたステッピングモータ300の制御用のコンピュータによって行われ、脱調に起因する駆動信号とステッピングモータの回転位置とのずれを解消することができない場合の警報音の発生,異常内容の表示は、部品搭載システム16に設けられた報知器532,表示装置534によって行われる。ユニットコントローラ500から台車側コントローラ520を介して部品搭載システムコントローラ530へ報知器532,表示装置534を作動させる旨の指示が出されるのである。
【0109】
テーピング電気部品62の送り時には、ステッピングモータ300が起動されると同時に、トップカバーテープ送り装置366のDCモータ408が起動され、トップカバーテープ66がキャリヤテープ64から剥がされつつ送られ、収容箱368に収容される。トップカバーテープ送り装置366はトップカバーテープ剥離装置を兼ねているのである。
【0110】
DCモータ408の起動により送りギヤ384,386が回転させられ、トップカバーテープ66が送られるのであるが、トップカバーテープ66のキャリヤテープ64からの剥離は、カバー210に設けられた切欠212の端縁によって規制されているため、キャリヤテープ64が送られた分、トップカバーテープ66が剥がされる。トップカバーテープ66は、キャリヤテープ64が送られた分、確実に剥がされることが必要であり、送りギヤ384,386は、キャリヤテープ64の送り量よりトップカバーテープ66の送り量の方が多くなるように回転させられる。
【0111】
この送りギヤ384,386による余分な送りは、トップカバーテープ66の張力が増大し、ローラ保持レバー370がばね部材374の付勢力に抗して回動させられることにより許容される。そして、DCモータ408が、ステッピングモータ300より先に停止させられ、キャリヤテープ64の送りが停止する前に送りギヤ384,386が停止させられる。この送りギヤ384,386の停止後は、キャリヤテープ64が送られるに連れてローラ保持レバー370がばね部材374の付勢により回動させられ、トップカバーテープ66がキャリヤテープ64から剥がされる。キャリヤテープ64が送られる間、ローラ保持レバー370がトップカバーテープ66の張力を調節するのであり、トップカバーテープ66がたるむことなく、剥がされつつ、送られる。
【0112】
トップカバーテープ66の送り量の方がキャリヤテープ64の送り量よりやや多くされ、ローラ保持レバー370がトップカバーテープ66の張力により、ストッパ部材380よりも、ローラ設定位置到達検出センサ378に近い側に位置するようにされているため、ローラ保持レバー370がばね部材374の付勢により回動させられても、ローラ保持レバー370がストッパ部材380に当接するに至ることはなく、トップカバーテープ66がたるむことはない。そのため、テーピング電気部品62の送りが繰り返し行われ、トップカバーテープ66の剥離および送りが繰り返し行われれば、やがてローラ保持レバー370に設けられた被検出片376がローラ設定位置到達検出センサ378によって検出されるに至る。それによりDCモータ408が停止させられ、トップカバーテープ66の張力が設定張力を超えて増大し、切れることが防止される。DCモータ408の停止後も、テーピング電気部品62が送られれば、ローラ保持レバー370がばね部材374により回動させられ、トップカバーテープ66は張った状態に保たれつつ剥がされる。ばね部材374の付勢によりローラ保持レバー370が回動させられ、被検出片376がローラ設定位置到達検出センサ378から外れた際、まだ、DCモータ408の駆動によるトップカバーテープ66の送り期間中であれば、DCモータ408が再起動され、送りギヤ384,386が回転させられてトップカバーテープ66が送られる。
【0113】
ローラ設定位置到達検出センサ378により、トップカバーテープ送り装置366の異常も検出し得る。例えば、何らかの事情により、テーピング電気部品62の送り終了後もDCモータ408が回転させられ続ければ、トップカバーテープ66の張力が増大し、ギヤ保持レバー370がばね部材374の付勢力に抗して回動させられ、被検出片376がローラ設定位置到達検出センサ378によって検出されるに至る。それにより、DCモータ408あるいはDCモータの制御等に異常が生じていることがわかり、DCモータ408の回転を止め、部品搭載システム16に設けられた報知器532や表示装置534を用いて作業者に異常の発生を報知,表示する等、適宜の処理が施され、トップカバーテープ66が切れることが防止される。このローラ設定位置到達検出器379の検出に基づくDCモータ408の制御は、ユニットコントローラ500に設けられたDCモータ408の制御用のコンピュータによって行われる。ユニットコントローラ500の、トップカバーテープ送り装置366のDCモータ408を制御するコンピュータが送り停止装置を構成している。
【0114】
このようにキャリヤテープ64から剥がされ、送りギヤ384,386により送られたトップカバーテープ66は、収容箱368内へ流入口472を通って流入する。一対の送りギヤ384,386は歯388において互いに噛み合ってトップカバーテープ66を挟みつつ回転するため、トップカバーテープ66を確実に送ることができる。また、送りギヤ386に対してスクレーパ436が設けられているため、トップカバーテープ66のキャリヤテープ64に貼り付けられていた側の面に粘着剤が残っていることがあって、送りギヤ386の歯388にくっつくことがあっても、トップカバーテープ66がスクレーパ436によって歯388から剥がされ、トップカバーテープ66が歯388に貼り付いたままとなって送りに支障が生ずることがない。送りギヤ384が接触するトップカバーテープ66の面は、キャリヤテープ64に貼り付けられていた側とは反対側の面であって、粘着剤が付着していることはないが、送りギヤ384についてもスクレーパ434が設けられているため、トップカバーテープ66が重量により垂れ下がることがあっても、スクレーパ434によって送りギヤ384の歯388から剥がされ、送りギヤ384に巻き付くことが防止される。
【0115】
さらに、一対のスクレーパ434,436の、送りギヤ384,386の出口側の部分は、約120度開いているため、トップカバーテープ66はスクレーパ434,436に貼り付くことなく、スムーズに収容箱368へ送られる。これらスクレーパ434,436のトップカバーテープ66の通過経路側の面および収容箱368の内面には、ポリテトラフルオルエチレンが塗布されて摩擦係数が低くされているため、トップカバーテープ66が付着することはない。
【0116】
作業者は、窓468から収容箱368内におけるトップカバーテープ66の溜まり具合を見ることができ、一杯になったならば、蓋464を開いてトップカバーテープ66を取り出す。なお、収容箱368を第5部材50から外し、空の収容箱368と交換してもよい。この際、トップカバーテープ66を送りギヤ384,386側において切断し、第5部材50に取り付けられた新たな収容箱368内に挿入する。あるいは収容箱368内に着脱可能に収容器を設け、収容器を交換するようにしてもよい。
【0117】
電気部品60の供給が進み、供給リール76に巻き付けられたテーピング電気部品62が少なくなってくれば、作業者は、報知器532および表示装置534による報知,表示に基づいて、現に電気部品60を供給しているテーピング電気部品62に、次に電気部品60を供給する別のテーピング電気部品62を接続する。供給リール76に残っているテーピング電気部品62を供給リール76から外し、その供給リール76をバケット78から外した後、別の供給リール76をバケット78にセットするとともに、その供給リール76に巻き付けられたテーピング電気部品62と、現に電気部品60を供給しているテーピング電気部品62とを接続するのである。2つのテーピング電気部品62の接続は、前記接続片100および接続テープ102を用いて行われる。なお、本実施形態においては、補給されるテーピング電気部品62(テーピング電気部品送り装置90により送られて電気部品60を供給しているテーピング電気部品62の後端に接続される別のテーピング電気部品62)は、電気部品60の供給を1度も行っていない新品である。報知器532および表示装置534による報知,表示については、後に説明する。
【0118】
ユニットコントローラ500のテーピング電気部品62の接続の監視を行うコンピュータにおいては、図32に示す接続監視処理が実行されている。この処理においては、まず、ステップ1(以下、S1と略記する。他のステップについても同じ。)において、テーピング電気部品62の識別情報の入力があったか否かの判定が行われる。テーピング電気部品62の接続時には、作業者は、接続の前または後に、バーコードリーダ538を用いて、接続した別のテーピング電気部品62が巻き付けられた供給リール76のバーコード88およびそのテーピング電気部品62が電気部品60を供給する供給ユニット32のバーコードを読み取る。供給ユニット32のバーコードは、固定把手部材550から可動把手部材552を引き出して読み取る。バーコードリーダ538は台車側コントローラ520に接続されており、供給ユニット32についての識別情報に基づいて、テーピング電気部品62についての識別情報が、そのテーピング電気部品62から電気部品60を供給する供給ユニット32のユニットコントローラ500へ台車側コントローラ520から供給され、それによりS1の判定結果がYESになる。
【0119】
テーピング電気部品62の接続が行われず、識別情報が入力されなければ、S1の判定結果はNOになってS3が実行され、接続部103が検出されたか否かの判定が行われる。この判定結果は、接続部103が検出されなければNOであり、処理の実行は終了する。
【0120】
テーピング電気部品62の接続が行われ、識別情報が入力されればS1の判定結果はYESになってS2が実行され、入力されたテーピング電気部品62の識別情報が入力識別情報メモリ506に格納されるとともに、タイマの時間が読み込まれ、識別情報入力時間メモリ508に格納される。次いでS3が実行されるが、テーピング電気部品62の接続位置と、検出ヘッド152が設けられた接続部検出位置とは離れており、接続部103が接続位置から接続部検出位置へ到達するまでには時間があり、S3の判定結果は当初はNOとなる。
【0121】
テーピング電気部品62の接続時に作業者がバーコードを読み取っても、読取りを忘れても、接続部103が検出ヘッド152に至れば、接続片100が一対の電極166を電気的に接続して接続部103が検出され、S3の判定結果がYESになり、S4が実行されて識別情報があるか否かの判定が行われる。この判定は、入力識別情報メモリ506に識別情報があるか否かにより行われる。作業者がテーピング電気部品62を接続してもバーコードの読取りを忘れれば、入力識別情報メモリ506にデータがなく、S4の判定結果の判定結果はNOになってS5が実行される。
【0122】
S5においては、作業者がバーコードの読取りを忘れていること等を報知器532および表示装置534を用いて報知,表示すること、ならびに部品搭載システム16の作動を停止させる旨の指示が台車側コントローラ520を経て部品搭載システムコントローラ530へ出力される。それにより部品搭載システムコントローラ530は、報知器532に警報を出させ、表示装置534に、作業者がバーコードの読み取りを忘れていること、バーコードの読み取りが行われていない供給リール76に巻き付けられたテーピング電気部品62から電気部品60が供給される供給ユニット32の種類等が表示される。この供給ユニット32の種類は、表示装置534への表示を指示しているユニットコントローラ500がいずれであるかによりわかる。また、部品搭載システムコントローラ530は、部品搭載システム16の作動を停止させる。
【0123】
S5の実行後、処理は終了し、S1が実行される。そして、作業者がバーコードを読み取り、識別情報が入力されればS1の判定結果がYESになり、S2が実行された後、S3が実行される。バーコードの読取り後、部品搭載システム16が再起動されれば、接続部検出信号が疑似的に発せられ、S3の判定結果がYESになってS4が実行される。この場合には、識別情報が入力されているため、S4の判定結果はYESになってS6以降のステップが実行される。部品搭載システム16は、バーコードの読取り後、再起動されるのが普通であり、識別情報が入力され、部品搭載システム16が再起動されるまではS1,S3の判定結果がNOになり、S1,S3が繰り返し実行される。
このようにテーピング電気部品62の接続に伴って識別情報が入力されたか否かを判定し、識別情報が入力されるまでは、電気部品60のプリント配線板20への取付けが行われないようにすることにより、種類の正誤が確認されていないテーピング電気部品62から電気部品60が供給されて取付ミスが発生することが回避される。
【0124】
S4の判定結果がYESになれば、S6が実行される。S6においては、タイマの時間が読み込まれて接続部検出時間メモリ510に格納され、次いでS7において接続部検出時間メモリ510に格納された時間から、識別情報入力時間メモリ508に格納された時間が引かれ、その差が設定時間内であるか否かの判定が行われる。S7が実行されるのは、S4の判定結果がYESになったときであり、必ずS2が実行されており、2つの時間の差が設定時間と比較される。
【0125】
識別情報入力時の時間および接続部検出時の時間を記憶し、両者の差を設定時間と比較するのは、テーピング電気部品62の接続に伴って入力されたのではない識別情報を排除し、テーピング電気部品の接続に伴う識別情報の入力がないにもかかわらず、入力有りとされることを回避するためである。接続部検出位置と、テーピング電気部品62の接続位置とは離れており、接続部103が接続位置から接続部検出位置へ至るまでには時間がある。この接続部到達時間は、接続位置と接続部検出位置との距離(接続時における接続片100と検出ヘッド152との間のテーピング電気部品62の長さ),テーピング電気部品62の電気部品60の保持ピッチ,テーピング電気部品62から電気部品60を供給する供給ユニット32の供給ペース、すなわち連続して複数の電気部品60を供給するか否か等により推定し得る。したがって、設定時間を接続部到達時間よりやや長い時間に設定し、テーピング電気部品62が接続され、識別情報が入力された後、設定時間内に接続部103が検出されれば、その入力された識別情報は接続に伴って入力された情報であると言うことができる。設定時間は、テーピング電気部品62の接続時に、接続作業に先立ってバーコードの読取りが行われても、入力された識別情報が接続に伴って入力された情報であると言うことができる長さに設定される。
【0126】
それに対し、設定時間内に接続部103が検出されない場合には問題がある。本システム10において電気部品60へのプリント配線板20への搭載が開始された後、何らかの理由で、テーピング電気部品62の接続以外の時に供給リール76のバーコードの読取りが行われれば、それによってもS1の判定結果がYESになり、S2において時間が読み込まれるとともに、識別情報が入力識別情報メモリ506に格納される。その後、作業者がテーピング電気部品62の接続時にバーコードの読取りを忘れなければ、S2において入力された識別情報が入力識別情報メモリ506に、先に格納されている識別情報に代わって格納されるため、支障はない。しかし、作業者が入力を忘れれば、入力識別情報メモリ506には、テーピング電気部品62の接続に伴わない識別情報が格納されたままであり、それによってS4の判定結果がYESになってしまう。しかし、この場合には、識別情報の入力がテーピング電気部品62の接続の前に行われており、識別情報の入力から接続部103の検出までの時間が設定時間を超えているため、S7の判定がNOになり、入力された識別情報が接続に伴って入力されたのではない識別情報であることがわかる。
【0127】
S7の判定結果がNOになればS8が実行され、入力識別情報メモリ506に格納されたデータが消されるとともに、識別情報は入力されていたが、テーピング電気部品62の接続に伴う入力ではなく、接続に伴うバーコードの読取りが行われていないことの報知,表示ならびに部品搭載システム16の作動を停止させる旨の指示が台車側コントローラ520を介して部品搭載システムコントローラ530へ出力される。S8の実行後、処理は終了し、その後は、前述のバーコードの読取りが行われておらず、S4の判定結果がNOになった場合と同様に処理が実行される。
【0128】
識別情報の入力から接続部103の検出までの時間が設定時間内であればS7の判定結果はYESになってS9が実行され、接続された別のテーピング電気部品86に関する識別情報が、入力されるべき識別情報と一致するか否かの判定が行われる。この入力されるべき識別情報は、ホストコンピュータ540側から供給されて基準識別情報メモリ504に格納されており、両者の内容が一致しなければ、接続されるべきテーピング電気部品62とは違う種類のテーピング電気部品62が接続されていることがわかる。それによりS9の判定結果はNOになってS10が実行され、識別情報が不一致であることを表す不一致情報が作成れる。この不一致情報は、間違ったテーピング電気部品62が接続されたことを表すデータ,間違ったテーピング電気部品62が接続された供給ユニット32を表すデータ,接続されるべきテーピング電気部品62の識別情報および間違って接続されたテーピング電気部品62の識別情報等を含む。次いでS11が実行され、入力識別情報メモリ506に格納された識別情報が消されるとともに、間違ったテーピング電気部品62が接続されたことを報知器532を用いて報知し、不一致情報を表示装置534に表示すること、および部品搭載システム16の作動を停止する旨の指示ならびにS10において作成された不一致情報が台車側コントローラ520を介して部品搭載システムコントローラ530へ出力される。
【0129】
接続されるべきテーピング電気部品62が接続されていれば、識別情報は一致し、S9の判定結果がYESになってS12が実行される。S12においては、残量カウンタ512のカウント値Cが、接続されたテーピング電気部品62に含まれる電気部品60の個数に、接続部検出位置と部品供給位置との間に位置する電気部品60の個数を加えた値にセットされる。接続部検出位置と部品供給位置との間の距離は、供給ユニット32の設計上、わかっており、この距離と、テーピング電気部品62の電気部品60の保持ピッチとに基づいて、両位置の間に位置する電気部品60の個数が算出される。また、S9において入力された識別情報が基準識別情報と一致するか否かの判定が行われた後は、この接続監視処理においては識別情報は不要であり、入力識別情報メモリ506に格納された識別情報が消される。
【0130】
次いでS13が実行され、電気部品60が1個、供給されたか否か、すなわち部品吸着具22が電気部品60を1個、エンボス70から取り出したか否かの判定が行われる。この判定は、部品吸着具22の吸着動作を制御する部品搭載システムコントローラ530からの情報に基づいて行われる。電気部品60が1個、供給されたならばS13の判定結果はYESになってS14が実行され、残量カウンタ512のカウント値Cが1減少させられる。次いでS15が実行され、残量Cが設定数CS 以下になったか否かの判定が行われる。テーピング電気部品62が保持する電気部品60が残り少なくなったか否かの判定が行われるのであるが、この判定結果は当初はNOであり、S13が実行される。
【0131】
S15の判定結果がYESになるまでS13〜S15が繰り返し実行される。電気部品60の残量が少なくなり、残量カウンタ512のカウント値CがCS 以下になればS15の判定結果がYESになってS16が実行され、電気部品60の数が残り少なくなったことを報知し、表示する旨の指示が台車側コントローラ520を介して搭載システムコントローラ530へ出力される。この情報に基づき、報知器532が警報音を発してテーピング電気部品62の補給を作業者に促し、表示装置534により、作業者にテーピング電気部品62を補給すべき旨およびテーピング電気部品62が少なくなった供給ユニット32の種類および接続すべきテーピング電気部品62の種類等が表示される。この指示の出力後、S17が実行され、残量カウンタ512のカウント値Cがリセットされて処理が終了する。
【0132】
なお、上記実施形態において本体部材には、型は同じであるが、幅が異なる複数種類のテーピング電気部品をそれぞれ案内する複数個のテープガイド部材が付属させられていたが、型が異なるテーピング電気部品を案内する複数個のテープガイド部材を本体部材に付属させてもよい。
【0133】
例えば、図35に示す供給ユニット700の本体部材702には、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品を案内するエンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材704(図37,図38参照。以下、エンボスキャリヤ用ガイド部材704と称する)およびパンチキャリヤ型テーピング電気部品を案内するパンチキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材706(図39,図40参照。以下、パンチキャリヤ用ガイド部材706と称する。)が付属させられている。この供給ユニット700は、2本のテーピング電気部品を保持し、各テーピング電気部品から択一的に電気部品を供給させるように構成されている。これら2本のテーピング電気部品の種類は同じであり、本体部材702の幅方向に並んで2個のエンボスキャリヤ用ガイド部材704あるいはパンチキャリヤ用ガイド部材706が固定されている。
【0134】
エンボスキャリヤ用ガイド部材704は、図35,図37および図38に示すように、柱状を成し、長手方向に延び、テーピング電気部品のエンボスの通過を許容する溝842が形成されている。溝842を画定する溝壁が支持レール844,846を構成し、各支持レール844,846の上端面がそれぞれ、テーピング電気部品の被支持部を下方から支持して案内する支持面848,850を構成している。なお、溝842の底面および支持面848,850の前部は、前方ほど下方へ傾斜させられて案内面852,854,856が形成されており、電気部品の供給を終えたキャリヤテープ64を下方へ、すなわち前記テープ切断器496側へ導く。また、第7部材816の前部は、先端ほど幅が狭くされている。
【0135】
エンボスキャリヤ用ガイド部材704には、図37に示すように、2個の位置決め穴860,862が長手方向に隔たった2箇所に形成されている。前側、すなわち電気部品送り方向において下流側の位置決め穴860は、断面形状が円形であって段付状を成し、大径穴部864および小径穴部866を有する。後側、すなわち電気部品送り方向において上流側の位置決め穴862も段付状を成し、長穴状または円形穴状の座ぐり部868と、長穴部870とを含む。長穴部870は、電気部品送り方向と直角な方向(テーピング電気部品の幅方向と平行な方向)の寸法は、位置決め穴860の小径穴部866の直径と同じにされ、電気部品送り方向と平行な方向においては、それより長くされている。
【0136】
パンチキャリヤ型テーピング電気部品は、図示は省略するが、厚さ方向に貫通する複数の貫通穴が等間隔に設けられたベーステープとボトムカバーテープとから成るキャリヤテープを備え、貫通穴の下部開口がボトムカバーテープにより閉塞されて成る電気部品収容凹部の上部開口がトップカバーテープにより覆われたものである。ボトムカバーテープおよびトップカバーテープは、ベーステープの上記貫通穴の下部,上部の各開口を塞ぐとともに、ベーステープの長手方向に平行な一方の縁部を残して貼り付けられており、この縁部に複数の送り穴が等ピッチで形成されている。このピッチは、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品のキャリヤテープに設けられた送り穴74のピッチと同じにされており、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品と同様に、送り穴に、テーピング電気部品送り装置のスプロケットの突起が係合させられ、スプロケットの回転によりパンチキャリヤ型テーピング電気部品が送られる。
【0137】
パンチキャリヤ用ガイド部材706は、図39および図40に示すように、エンボスの通過を許容する溝842を有さず、その上面全体がパンチキャリヤ型テーピング電気部品のボトムカバーテープを下方から支持して案内する支持面710を構成していることを除いて、エンボスキャリヤ用ガイド部材704と同様に構成されており、同じ作用を成す構成要素については、同一の符号を付す。なお、パンチキャリヤ用ガイド部材706の支持面710の高さは、本体部材702に取り付けられたとき、支持面710により支持されたテーピング電気部品の上面の高さが、本体部材702に取り付けられたエンボスキャリヤ用ガイド部材704の支持面848,850により支持されたキャリヤテープの被支持部の上面の高さと同じになる大きさに設定されている。支持面710と支持面848,850との、本体部材702の上面からの高さが異ならされているのである。
【0138】
支持面710の電気部品送り方向に平行な方向において下流側の部分は、下流側ほど下方へ傾斜させられた案内面712とされており、キャリヤテープをテープ切断器側へ導く。また、パンチキャリヤ用ガイド部材706の前端部は、先端ほど幅が狭くされている。さらに、パンチキャリヤ用ガイド部材706の部品供給位置に対応する部分には、振動吸収材713が埋設されている。振動吸収材713は、例えば、振動抑制機能を有する制振ゴムやスポンジ等の発泡材等により作られる。部品供給位置へ送られた電気部品は振動吸収材713上に位置し、部品吸着具が電気部品に接触する際の衝撃が振動吸収材713により吸収され、電気部品の損傷が回避される。
【0139】
これらエンボスキャリヤ用ガイド部材704およびパンチキャリヤ用ガイド部材706は、供給ユニット700において保持されるテーピング電気部品がエンボスキャリヤ型であるかパンチキャリヤ型であるかによって択一的に本体部材702に固定されて、テープガイド部708を構成する。これらガイド部材704,706は、2本の位置決めボルト872によって本体部材702に位置決めされ、固定されて装着される。そのため、本体部材702には、図41に示すように、電気部品送り方向に平行な方向に隔たった2箇所にそれぞれ、位置決め穴874が形成されるとともに、各位置決め穴874の奥に雌ねじ穴876が互いに同軸に形成されている。位置決め穴874の直径は、エンボスキャリヤ用ガイド部材704,パンチキャリヤ用ガイド部材706にそれぞれ設けられた位置決め穴860の小径穴部866の直径と同じにされている。また、2本の位置決めボルト872はいずれも、図42に一方を示すように、位置決め軸部878,雌ねじ穴874に螺合する雄ねじ部880,および位置決め軸部878の雄ねじ部880側とは反対側の端に設けられた頭部882を備えている。位置決め軸部878の直径は、位置決め穴860の小径穴部866および位置決め穴874に実質的に隙間がない状態で嵌合される大きさとされている。
【0140】
本体部材702には、図35および図36に示すように、テーピング電気部品のガイド部材704,706からの浮上がりを防止するカバー890が取り付けられている。カバー890は、断面形状がコの字形を成し、コの字の両側壁の後部(電気部品送り方向において上流側)にそれぞれ設けられた脚部892において、本体部材702に軸894により、テーピング電気部品の幅方向に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられている。
【0141】
カバー890は、その前部(電気部品送り方向において下流側)において、係合部材900により本体部材702に係合させられている。係合部材900は断面形状がコの字形を成し、エンボスキャリヤ用ガイド部材704またはパンチキャリヤ用ガイド部材706の前部に嵌合されるとともに、コの字の一対の側壁901から延び出させられた脚部902は、本体部材702の前部に嵌合され、かつ軸904によって、カバー890の回動軸線と平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられている。また、脚部902の軸904が嵌合される穴は、回動軸線と直角な方向に長い長穴906とされており、係合部材900を軸904に対して移動させることができる。
【0142】
係合部材900のコの字の一対の側壁にはそれぞれ、脚部902が設けられた側の部分とは反対側の部分に係合爪部910が設けられており、カバー890に設けられた係合凹部912に嵌入させられ、係合凹部912の内面の下側の部分に係合させられている。係合部材900は、一対の脚部902の間に設けられた舌片916と本体部材702との間に配設された付勢手段の一種である弾性部材たるばね部材918によって、係合爪部910が係合凹部912に係合する向きに付勢されている。それにより、カバー890が本体部材702に接近する向きに付勢され、カバー890のコの字の底壁920の前部がエンボスキャリヤ用ガイド部材704あるいはパンチキャリヤ用ガイド部材706により案内されるテーピング電気部品の上面に接触してガイド部材704,706に押し付け、支持面848,850,710からの浮上がりを防止する。カバー890の底壁920の前部が接触部を構成している。
【0143】
本供給ユニット700は、テーピング電気部品送り装置714を2組備えている。各テーピング電気部品送り装置714の構成は同じである。テーピング電気部品送り装置714はスプロケット716を送り部材として備えており、電動モータ(図示省略)を駆動源とし、電動モータの回転がカム,カムフォロワ,レバーおよびリンクを含む運動変換装置により回動部材718に伝達され、回動部材718の回動に基づいてラチェットホイール720が正方向(図35においては反時計方向)に回転させられるとともに、スプロケット716が回転させられてテーピング電気部品が送られる。テーピング電気部品送り装置714の構成は、本発明の理解には直接関係がないため、詳細な図および説明は省略する。なお、エンボスキャリヤ用ガイド部材704,パンチキャリヤ用ガイド部材706にはそれぞれ、図37および図39に示すように、スプロケット716,ラチェットホイール720および回動部材718との干渉を回避するための切欠722,724,726が設けられている。
【0144】
エンボスキャリヤ用ガイド部材704の本体部材702への取付けを説明する。取付け時には、係合部材900がカバー890から外され、カバー890が軸894の軸線まわりに回動させられて、本体部材702のガイド部材704あるいは706が固定される部分から退避させられている。係合部材900をばね部材918の付勢力に抗して移動させつつ軸904のまわりに回動させ、係合爪部910を係合凹部912から抜け出させ、カバー890を回動させるのである。
【0145】
そして、エンボスキャリヤ用ガイド部材704を本体部材702上に載せ、エンボスキャリヤ型ガイド部材704の2個の位置決め穴860,862のうち、前側の位置決め穴860を通って、位置決めボルト872の雄ねじ部880を、前側の位置決め穴874に挿入し、雌ねじ穴876に螺合する。位置決めボルト872の位置決め軸部878は、本体部材702に設けられた位置決め穴874と、ガイド部材704に設けられた位置決め穴860の小径穴部866との両方に跨がって嵌合され、本体部材702とエンボスキャリヤ用ガイド部材704とを互いに位置決めする。位置決めボルト872は、頭部882が、位置決め穴860の大径穴部864の底面に当接するまで螺合される。
【0146】
次に、エンボスキャリヤ用ガイド部材704の後側の位置決め穴862を通って、位置決めボルト872の雄ねじ部880を、本体部材702の後側の位置決め穴874に挿入し、雌ねじ穴876に螺合する。位置決め穴862の長穴部870は、電気部品送り方向と平行な方向において、位置決め穴860の小径穴部866の直径、すなわに位置決め穴874の直径より長いため、位置決め穴862と874とに、電気部品送り方向と平行な方向の位置ずれがあっても、位置決めボルト872の雄ねじ部880を雌ねじ穴876に螺合することができる。また、長穴部870の幅は、小径穴部866の直径と同じにされており、位置決めボルト872の位置決め軸部878は、位置決め穴874と、長穴部870とに跨がって嵌合され、本体部材702とエンボスキャリヤ用ガイド部材704とが幅方向において位置決めされるとともに、ガイド部材704の本体部材702に対する回転が阻止される。位置決めボルト872は、頭部882が座ぐり部868の底面に当接するまで螺合され、エンボスキャリヤ用ガイド部材704が本体部材702に対して水平面内において位置決めされ、固定されて装着される。また、エンボスキャリヤ用ガイド部材704の本体部材702に対する垂直方向、すなわち幅方向と長手方向とに直角な方向の位置決めは、本体部材702の上面およびエンボスキャリヤ用ガイド部材704の底面により為される。これら上面および底面は、テーピング電気部品の幅方向および電気部品送り方向に平行な位置決め面である。
【0147】
エンボスキャリヤ用ガイド部材704を本体部材702に固定したならば、テーピング電気部品のエンボスを溝842に嵌入させ、一対の被支持部を支持面848,850上に載せるとともに、送り穴をスプロケット716の突起に係合させた後、カバー890を回動させてエンボスキャリヤ用ガイド部材704およびテーピング電気部品に被せるとともに、係合部材900をカバー890に係合させる。係合部材900をばね部材918の付勢力に抗して移動させつつ回動させ、係合爪部910を係合凹部912に嵌入させる。係合部材900に加えていた力を解除すれば、係合爪部910が係合凹部912の内側の下面に係合し、カバー890がばね部材918によってエンボスキャリヤ用ガイド部材704に接近する向きに付勢される状態となり、カバー890の前部(キャリヤテープとスプロケット716の突起との係合部より、電気部品送り方向において下流側)がテーピング電気部品の上面に接触して、被支持部を支持面848,850に押さえ付けて、支持面848,850からの浮上がりを防止している。エンボスキャリヤ型テーピング電気部品は、エンボスが溝842の一対の溝側面によって位置決めされることにより幅方向において位置決めされ、あるいは一対の被支持部がカバー890のコの字の一対の側壁によって位置決めされることにより、幅方向において位置決めされる。
【0148】
供給ユニット700においてパンチキャリヤ型テーピング電気部品により電気部品を供給する場合には、エンボスキャリヤ用ガイド部材704をパンチキャリヤ用ガイド部材706に交換する。交換時には、係合部材900をカバー890から外し、カバー890を回動させてガイド部材704上から退避させた後、2本の位置決めボルト872を外し、エンボスキャリヤ用ガイド部材704を本体部材702から外す。
【0149】
次に、パンチキャリヤ用ガイド部材706を本体部材702上に載せ、エンボスキャリヤ用ガイド部材704の本体部材702への装着時と同様に、2本の位置決めボルト872および位置決め穴860,862,874により、本体部材702に対して位置決めし、固定して装着する。固定後、パンチキャリヤ型テーピング電気部品をパンチキャリヤ用ガイド部材706の支持面710上に載せた後、カバー890を回動させてパンチキャリヤ用ガイド部材706およびパンチキャリヤ型テーピング電気部品に被せ、係合部材900を係合させる。パンチキャリヤ用ガイド部材706の場合、カバー890のコの字の一対の側壁が、テーピング電気部品の幅方向の位置ずれを防止し、幅方向において位置決めする。また、カバー890の底壁920の前部がテーピング電気部品の上面に接触し、支持面710に押さえ付け、浮上がりを防止する。エンボスキャリヤ用ガイド部材704およびパンチキャリヤ用ガイド部材706は、本体部材702に取り付けられてテーピング電気部品を案内するとき、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品の上面の高さとパンチキャリヤ型テーピング電気部品の上面の高さとが同じになるように形成されており、共通のカバー890により、異なる種類のテーピング電気部品のガイド部材704,706からの浮上がりが良好に防止される。
【0150】
型が異なるテーピング電気部品を、共通のテープガイド部材により案内させてもよく、この場合、例えば、図43に示すカバー730が用いられる。このカバー730を含む供給ユニット732においてカバー730は、前記カバー890と同様に、本体部材702に軸894により、テーピング電気部品の幅方向に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられており、係合部材900が係合させられ、ばね部材918により本体部材702に接近する向きに付勢されている。
【0151】
カバー730は、断面形状がコの字形を成し、図43に示すように、コの字の底壁734のうち、テーピング電気部品のテーピング電気部品送り装置714との係合部、すなわちスプロケット716の突起がキャリヤテープの送り穴に係合させられる部分に対して、電気部品送り方向において上流側の部分は、一部がテーピング電気部品側(テープガイド部材側)へ曲げ起こされて、上下方向(カバー730の底壁734に接近,離間する方向)に弾性変形可能な板ばね736がカバー730と一体的に設けられている。
【0152】
図44に示すように、本体部材702にはエンボスキャリヤ用ガイド部材704が固定されている。このエンボスキャリヤ用ガイド部材704は、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品740(図46参照)と、パンチキャリヤ型テーピング電気部品742(図47参照)との両方を案内する。エンボスキャリヤ型テーピング電気部品740が案内される場合、図46に示すように、一対の被支持部(前記実施形態のテーピング電気部品60の被支持部68と同じ符号を付す)68が支持面848,850により下方から支持され、エンボス70は溝842内に嵌入させられる。また、パンチキャリヤ用テーピング電気部品742が案内される場合、図47に示すように、パンチキャリヤ用テーピング電気部品742は、長手方向に平行に延びる両縁部が、支持面848,850上に載せられ、下方から支持されるとともに案内される。
【0153】
エンボスキャリヤ型テーピング電気部品740の被支持部68の厚さは、パンチキャリヤ型テーピング電気部品742の厚さ(キャリヤテープの厚さとトップカバーテープの厚さとの和)より小さいため、エンボスキャリヤ用ガイド部材704がエンボスキャリヤ型テーピング電気部品740,パンチキャリヤ型テーピング電気部品742に共用されるとき、パンチキャリヤ用テーピング電気部品742の上面の支持面848,850からの高さの方が、エンボスキャリヤ用テーピング電気部品740の上面(被支持部の上面を含む面)の支持面848,850からの高さより高くなる。
【0154】
そのため、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品740が案内される場合には、図44および図48に示すように、カバー730の前傾が大きくなり、カバー730の回動軸線側に向かうほど、カバー730とエンボスキャリヤ型テーピング電気部品740との間の距離が大きくなる。なお、図48には、カバー730の前傾状態は実際よりも誇張して図示されている。しかし、カバー730には板ばね736が設けられていて、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品740に接触して、被支持部68を支持面848,850に押さえ付け、支持面848,850からの浮上がりを防止する。エンボスキャリヤ型テーピング電気部品740は、スプロケット716の突起と係合する係合部の下流側においては、カバー730の底壁734の前部が接触して支持面848,850に押さえ付け、上流側においては板ばね736が接触して支持面848,850に押さえ付けるのであり、テーピング電気部品742の支持面848,850からの浮き上がりが確実に防止される。カバー730の底壁734の前部および板ばね736がそれぞれ接触部を構成している。
【0155】
エンボスキャリヤ用ガイド部材704が、図47に示すように、パンチキャリヤ型テーピング電気部品742を案内するときには、パンチキャリヤ型テーピング電気部品742は厚いため、図45に示すように、カバー730の前傾は少なく、板ばね736は、底壁734側へ弾性変形させられてパンチキャリヤ型テーピング電気部品742の通過を許容するとともに、パンチキャリヤ型テーピング電気部品742に接触して支持面848,850に押さえ付け、支持面848,850からの浮上がりを防止する。カバー730はパンチキャリヤ型テーピング電気部品742のスプロケット714との係合部の、電気部品送り方向において上流側と下流側との両方において接触して支持面848,850からの浮上がりを防止するのである。
【0156】
なお、テープガイド部材を型が異なるテーピング電気部品に対して共用とする場合、パンチキャリヤ用ガイド部材の支持面上に、パンチキャリヤ型テーピング電気部品を載せてボトムカバーテープを下方から支持して案内させ、あるいはエンボスキャリヤ型テーピング電気部品をエンボスにおいて載せ、エンボスの底面を支持して案内させてもよい。
前記カバー730と同様に板ばねを有するカバーを用いれば、テーピング電気部品の型の違いによるテーピング電気部品の上面の高さの違いに対応し、カバーをテーピング電気部品の、テーピング電気部品送り装置との係合部の上流側と下流側との2箇所において接触させ、より確実に浮き上がりを防止することができる。
テープガイド部材を型が異なるテーピング電気部品に対して共用とする場合、カバーは、本体部材に取り付けてもよく、テープガイド部材に取り付けてもよい。供給ユニットの本体が本体部材とテープガイド部材とに分けられないのであれば、カバーは本体に取り付けられる。
【0157】
また、カバー730のように、テーピング電気部品のテーピング電気部品送り装置との係合部の上流側と下流側とにおいてテーピング電気部品の上面に接触する接触部を有するカバーは、テーピング電気部品の型に応じた専用のテープガイド部材が本体部材に装着される供給ユニットにおいて用いてもよい。例えば、図35ないし図42に示す実施形態において、エンボスキャリヤ用ガイド部材704とパンチキャリヤ用ガイド部材706とがそれぞれ、型は同じであるが、厚さ(パンチキャリヤ型テーピング電気部品の場合はキャリヤテープの厚さとトップカバーテープの厚さとの和であり、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品の場合は、被支持部の厚さである)が異なる複数種類のテーピング電気部品の案内に使用される場合、テーピング電気部品の厚さによって、テーピング電気部品の上面の支持面からの高さが異なるのに対し、カバー730を用いれば、テーピング電気部品の厚さ如何によらず、カバーを、テーピング電気部品のテーピング電気部品送り装置との係合部の電気部品送り方向において上流側と下流側との2箇所に接触させて支持面からの浮き上がりを防止することができる。
【0158】
あるいは、エンボスキャリヤ用ガイド部材と、パンチキャリヤ用ガイド部材とを、テーピング電気部品を案内する部分の構成は異なるが、形状,寸法は同じものとし、本体部材に固定されたとき、エンボスキャリヤ用ガイド部材の一対の支持面の本体部材の上面からの高さと、パンチキャリヤ用ガイド部材の支持面の本体部材の上面からの高さとは同じになるようにされる場合、エンボスキャリヤ用テーピング電気部品の被支持部の厚さは、パンチキャリヤ用テーピング電気部品の厚さより小さいため、エンボスキャリヤ用ガイド部材により案内されるエンボスキャリヤ用テーピング電気部品の上面よりも、パンチキャリヤ用ガイド部材により案内されるパンチキャリヤ用テーピング電気部品の上面の方が高くなるが、カバー730と同様のカバーを用いれば、テーピング電気部品の型の違いによる上面の高さ(厚さ)の差を吸収することができる。
エンボスキャリヤ用,パンチキャリヤ用の各テープガイド部材の支持面の高さを揃える場合は、型の違いによる厚さの差(同一の型における厚さの差も吸収されることがある)が板ばねによって吸収され、その高さを異ならせる場合は、同一の型における厚さの差が板ばねによって吸収される。
【0159】
さらに、図35ないし図42に示す実施形態においては、同じ型のテープガイド部材が2個、本体部材に取り付けられていたが、型が異なる2個のテープガイド部材を本体部材に取り付け、1つの供給ユニットによって、型が異なる2種類のテーピング電気部品から電気部品が供給されるようにしてもよい。
【0160】
また、共通の本体部材に対して、型が異なるテーピング電気部品を案内する複数種類のテープガイド部材を選択的に取り付けることは、2本のテーピング電気部品から電気部品を供給する供給ユニットに限らず、1本のテーピング電気部品から電気部品を供給する供給ユニットにおいても行うことが可能である。この場合、更に、複数種類のテープガイド部材毎に、テーピング電気部品を案内する案内部の幅が異なる複数種類のテープガイド部材を用意し、テーピング電気部品の幅の違いに対応するようにしてもよい。
【0161】
さらに、上記各実施形態において、テーピング電気部品送り装置は、回転駆動源たるステッピングモータの回転をカムおよびカムフォロワ等を含む運動変換装置により2個の回動部材の往復回動運動に変換し、回動部材の往運動が一方向回転伝達装置により送り部材たるスプロケットに伝達されるものとされていたが、送り装置は、このような構成に限らず、種々の構成のものが採用可能である。例えば、往復駆動源の一種である複動式エアシリンダ等の複動式流体圧シリンダを備え、往復駆動部材の往復運動を運動変換装置によって回動部材の回動運動に変換して伝達するものとしてもよく、あるいは供給ユニットとは別に設けられた駆動源の駆動力に基づいて回動部材を回動させ、送り部材にテーピング電気部品を送らせるものとしてもよい。これらは、速度制御用のカムおよびカムフォロワを含むものとすることも、含まないものとすることもできる。
また、テーピング電気部品送り装置は、回動部材を2個有するものに限らず、回動部材を1個のみ含むものとしてもよい。
に設けられたものとしてもよい。テーピング電気部品送り装置を入力部材を含むさらに、送り部材は、スプロケットに限らず、例えば、2個以上のプーリに巻き掛けられ、プーリの回転につれて周回するベルトであって、テーピング電気部品の送り穴に係合する突起を備えた送りベルトとしてもよい。
【0162】
また、カバーを本体に、テーピング電気部品の送りと連動して移動するように設け、テーピング電気部品の送り時に、テーピング電気部品と共に、先頭の電気部品を覆った状態で移動するようにしてもよい。電気部品のキャリヤテープからの取出し時には、部品供給位置に位置する電気部品上からカバーを退避させる。
【0163】
さらに、上記各実施形態において供給ユニットが搭載されるテーブルは、電気部品のプリント配線板への取付け時には位置を固定されて部品吸着具に電気部品を供給するようにされていたが、テーブルを、テーブル移動装置により、複数の供給ユニットが並ぶ一線に沿って移動させ、複数の供給ユニットの各部品供給部を順次部品供給位置へ移動させるようにしてもよい。部品供給位置は、複数の部品供給部の移動経路中の位置である。
【0164】
また、上記各実施形態において、供給ユニット32,600は、電気部品60が部品吸着具22によってエンボス70から取り出された後、空のエンボス70が部品供給位置に位置する状態で次の電気部品60の供給に備えて待機するようにされていたが、電気部品が部品供給位置へ送られた状態で待機するようにしてもよい。電気部品がエンボスから取り出された後、直ちにテーピング電気部品を送るのである。
【0165】
さらに、キャリヤテープ64から剥がされたトップカバーテープ66の処理は、収容箱368に収容するのに限らず、例えば、巻取リールに巻き取ってもよく、あるいは導管等により収容スペースに導かれるようにしてもよい。
【0166】
また、前記実施形態において、カバー210は、電気部品送り方向に平行な方向の位置が複数段階に変更されるとともに、電気部品送り方向に平行な方向において固定手段により第1部材42に固定されるようになっていたが、カバー210を第1部材42に固定することは不可欠ではなく、円錐穴256およびボールプランジャ258により位置決めするのみでもよい。この際、スライド214を第1部材42に固定するねじ252に代えて段付状のねじを使用し、スライド214の移動を許容しつつ、第1部材42からの浮上がりを防止する。ねじは、軸部と、軸部の一端部に設けられ、軸部より大径の頭部と、軸部の他端部に設けられ、軸部より小径のねじ部とを含み、第6部材52に設けられた貫通穴248,スライド214に設けられた前記長穴250を通って第1部材42に螺合される。軸部は、スライド214が頭部と第1部材42との間に移動可能に挟まれるとともに、頭部によって第1部材42からの浮上がりを防止される長さを備えており、この段付のねじを第1部材42に螺合したままの状態でスライド214を移動させ、カバー210の電気部品送り方向に平行な方向の位置を変更する。
【0167】
さらに、図35ないし図48に示す各実施形態においても、カバーを本体に、テーピング電気部品送り装置によるテーピング電気部品の送り方向に平行な方向の位置を変更可能に取り付けるカバー取付装置によって取り付け、カバーの電気部品送り方向に平行な方向の位置を変更するようにしてもよい。
【0168】
その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電気部品供給ユニットを備えた電気部品供給システムを含むプリント回路板組立システムを概略的に示す正面図である。
【図2】上記電気部品供給ユニットを示す正面図である。
【図3】上記電気部品供給ユニットがテーブルに位置決めされた部分を示す側面図である。
【図4】上記電気部品供給ユニットを保持するバケットの一部を示す平面図である。
【図5】上記電気部品供給ユニットが保持するテーピング電気部品の一部を示す平面図である。
【図6】上記テーピング電気部品を示す正面図である。
【図7】上記テーピング電気部品を示す側面断面図である。
【図8】テーピング電気部品の別の例を示す平面図である。
【図9】2本のテーピング電気部品が接続片および接続テープによって接続された状態を示す平面図である。
【図10】2本のテーピング電気部品が接続片および接続テープによって接続された状態を示す正面図である。
【図11】上記接続片を示す平面図である。
【図12】上記接続片を示す正面図である。
【図13】上記接続片を示す側面図である。
【図14】上記接続片に設けられたY形爪を示す側面図である。
【図15】上記接続片に設けられたJ形爪を示す側面図である。
【図16】前記電気部品供給ユニットに設けられた金属検出器の検出ヘッドおよびその周辺を示す正面図(一部断面)である。
【図17】上記検出ヘッドおよびその周辺を示す側面図である。
【図18】上記検出ヘッドを示す平面図である。
【図19】前記電気部品供給ユニットのテーピング電気部品送り装置を示す正面図である。
【図20】前記電気部品供給ユニットの前部を示す平面図である。
【図21】前記電気部品供給ユニットの上部を示す側面図である。
【図22】前記電気部品供給ユニットをスプロケットおよびラチェットホイールが設けられた部分において断面にして示す側面図である。
【図23】前記電気部品供給ユニットを回転停止位置検出センサが設けられた部分において断面にして示す側面図である。
【図24】前記電気部品供給ユニットのテープガイド部材およびカバーを示す正面図である。
【図25】図24に示すテープガイド部材およびカバーを、カバーがテープガイド部材に連結された部分において断面にして示す側面図である。
【図26】前記テーピング電気部品送り装置における2つの回動部材の動作,変位,速度および加速度と板カムの回転角度との関係を示す図である。
【図27】前記電気部品供給ユニットを構成するトップカバーテープ処理装置を示す正面図である。
【図28】上記トップカバーテープ処理装置を構成するトップカバーテープ送り装置を示す側面断面図である。
【図29】上記トップカバーテープ送り装置を示す側面図(一部断面)である。
【図30】上記トップカバーテープ処理装置を構成する収容箱を示す側面図である。
【図31】前記プリント回路組立システムの制御システムを概略的に示すブロック図である。
【図32】前記電気部品供給ユニットに設けられたユニットコントローラのコンピュータのROMに記憶された接続監視処理を示すフローチャートである。
【図33】上記コンピュータのRAMの構成を示す図である。
【図34】前記電気部品供給ユニットのユニット本体を構成する本体部材に付属させられた複数種類のテープガイド部材を示す側面図である。
【図35】本発明の別の実施形態である電気部品供給ユニットのテープガイド部およびその周辺を示す正面図である。
【図36】図35に示す電気部品供給ユニットを示す側面図である。
【図37】図35に示す電気部品供給ユニットの本体部材に付属させられたエンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材を示す正面図である。
【図38】図37に示すエンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材を示す側面図である。
【図39】図35に示す電気部品供給ユニットの本体部材に付属させられたパンチキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材を示す正面図である。
【図40】図39に示すパンチキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材を示す側面図である。
【図41】図35に示す電気部品供給ユニットの本体部材のうち、位置決め穴が設けられた部分を示す正面図(一部断面)である。
【図42】図35に示す電気部品供給ユニットの本体部材にエンボスキャリヤ型テーピング電気部品用ガイド部材が位置決めボルトによって固定された状態を示す正面断面図である。
【図43】本発明の別の実施形態である電気部品供給ユニットのカバーを示す正面断面図である。
【図44】図43に示すカバーが設けられた電気部品供給ユニットのエンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材により、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品が案内された状態を示す正面図である。
【図45】図43に示すカバーが設けられた電気部品供給ユニットのエンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材により、パンチキャリヤ型テーピング電気部品が案内された状態を示す正面図である。
【図46】エンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材により、エンボスキャリヤ型テーピング電気部品が支持された状態を示す側面図である。
【図47】エンボスキャリヤ型テーピング電気部品用テープガイド部材により、パンチキャリヤ型テーピング電気部品が支持された状態を示す側面図である。
【図48】図43に示すカバーがエンボスキャリヤ型テーピング電気部品のテープガイド部材からの浮上がりを防止する状態を示す正面図(一部断面)である。
【符号の説明】
10:プリント回路板組立システム 16:部品搭載システム 18:電気部品供給システム 32:電気部品供給ユニット 40:ユニット本体
42:第1部材 52:第6部材 62:テーピング電気部品 64:キャリヤテープ 66:トップカバーテープ 90:テーピング電気部品送り装置 92:トップカバーテープ処理装置 190:溝 202,204:支持面 208,209:位置決め面 210:カバー 244:切欠形成面 247:端面 258:ボールプランジャ 256:円錐穴
266:段階的位置変更装置 268:カバー取付装置 269,271:第6部材 700:供給ユニット 702:本体部材 704:エンボスキャリヤ型テーピング電気部品用ガイド部材 706:パンチキャリヤ型テーピング電気部品用ガイド部材 710:支持面 714:テーピング電気部品送り装置 730:カバー 736:板ばね 740:エンボスキャリヤ型テーピング電気部品 742:パンチキャリヤ型テーピング電気部品
842:溝 848,850:支持面
Claims (3)
- 幅方向の片側に送り穴が等ピッチで形成されたキャリヤテープの幅方向の中央部に複数の電気部品が等ピッチで保持されて成るテーピング電気部品を案内するテープガイド部を有する本体と、
そのテープガイド部に案内されたテーピング電気部品を長手方向に送り、前記複数の電気部品を順次1個ずつ部品供給位置に位置決めする送り装置と
を含む部品供給ユニットであって、
前記本体が、前記送り装置を保持した本体部材と、その本体部材に対して着脱可能であり、本体部材に装着されることにより前記テープガイド部を構成する複数種類のテープガイド部材とにより構成され、それら複数種類のテープガイド部材の各々が、前記キャリヤテープの送り穴が設けられた側の被支持部を下方から支持して案内する第1支持面を有する第1支持レールと、前記キャリヤテープの反対側の被支持部を下方から支持して案内する第2支持面を有する第2支持レールとを有し、かつ、前記複数種類のテープガイド部材間において、前記本体部材への取付部が互いに同じであるとともに、前記第1支持レールと前記送り装置との相対位置が互いに同じである一方、前記第2支持レールの前記第1支持レールからの距離が互いに異なることにより、前記第1支持面と前記第2支持面との内側縁間および外側縁間の幅が互いに異なることを特徴とする部品供給ユニット。 - 前記複数種類のガイド部材の各々が、前記本体部材に当接することにより、前記キャリヤテープの幅方向における前記第1支持レールの前記本体部材に対する位置決めを行う位置決め面を有し、前記複数種類のガイド部材間において、前記キャリヤテープの幅方向における前記位置決め面と前記第1支持レールとの相対位置が互いに同じである一方、前記位置決め面と前記第2支持レールとの相対位置が互いに異なる請求項1に記載の部品供給ユニット。
- 断面形状がコの字形を成し、前記第1支持レールおよび前記第2支持レールに跨り、前記第1支持面および前記第2支持面を上方から覆う状態で配設されたカバーを含む請求項1または2に記載の部品供給ユニット。
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