JP2012069669A - テープフィーダ,部品供給装置および部品供給方法 - Google Patents

テープフィーダ,部品供給装置および部品供給方法 Download PDF

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勇介 山蔭
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Abstract

【課題】より実用的なテープフィーダ,部品供給装置および部品供給方法を得る。
【解決手段】2本のテープ化部品120はそれぞれ送り装置により、一方のテープ化部品120が他方のテープ化部品120の下方に位置し、かつ、平面視で、下側のテープ化部品のエンボス130の一部が上側のテープ化部品120と上下に重なり合う状態で送られる。下側のテープ化部品120の部品供給部362は上側のテープ化部品120の部品供給部330より、部品送り方向において下流側に位置させられ、下側のテープ化部品120による部品供給時には上側のテープ化部品120を後退させて部品供給部362を開放させ、上側のテープ化部品120による部品の供給時には部品供給部330を部品供給位置に位置させる。2本のテープ化部品120が同種の場合、1本はスペアとして機能し、使用済みの上側のテープ化部品120をダクトに排出して部品供給部362を開放してもよい。
【選択図】図17

Description

本発明は、テープフィーダ,部品供給装置および部品供給方法に関するものであり、特に、複数本のテープ化部品による部品の供給に関するものである。
テープフィーダには、下記の特許文献1に記載されているように、テープ化部品を2本保持し、各テープ化部品によって電子回路部品を供給するものがある。テープ化部品は、長手形状を成し、長手方向に沿って部品収容凹部と送り穴とがそれぞれ、一定のピッチで並べて形成されたキャリヤテープの部品収容凹部に、それぞれ電子回路部品が収容されて成る。2本のテープ化部品はそれぞれ、送り穴にスプロケットの外周に突設された係合突部が係合させられて、スプロケットの回転により送られ、電子回路部品が順次、部品供給位置に位置決めされる。2本のテープ化部品は、部品供給位置を含む領域において幅方向に関して部分的に重ねられ、上側のテープ化部品の部品収容凹部が、下側のテープ化部品の送り穴の上に位置させられた状態とされる。下側のテープ化部品の部品収容凹部が、上側のテープ化部品から幅方向にずれた状態とされるのであり、それによって、下側のテープ化部品の部品収容凹部からの電子回路部品の取出しが許容され、2本のテープ化部品により電子回路部品を供給しつつ、幅の狭いテープフィーダが得られる。
特許第4041736号公報
しかしながら、特許文献1に記載のテープフィーダは、テープ化部品の送り穴が設けられた部分に対応する寸法しか幅を狭くすることができないというように、未だ実用性が十分とは言えない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、より実用的なテープフィーダ,部品供給装置および部品供給方法を得ることを課題とする。
上記の課題は、長手形状を成し、長手方向に沿って部品収容凹部と送り穴とがそれぞれ一定のピッチで並べて形成されたキャリヤテープの前記部品収容凹部にそれぞれ電子回路部品が保持されて成るテープ化部品を送り方向に送って、前記複数の電子回路部品を順次供給するテープフィーダを、(A)フィーダ本体と、(B)そのフィーダ本体に保持され、前記テープ化部品の第一のものである第一テープ化部品を長手方向に送る第一送り装置と、(C)前記フィーダ本体に保持され、前記テープ化部品の第二のものである第二テープ化部品を、前記第一テープ化部品の下方において、かつ、平面視で前記部品収容凹部の少なくとも一部が前記第一テープ化部品と上下に重なり合う状態で送る第二送り装置と、(D)それら第一送り装置と第二送り装置とを制御する送り制御装置とを含むものとすることにより解決される。
上記の課題はまた、(a)本発明に係るテープフィーダと、(b)そのテープフィーダにより送られた前記第一テープ化部品の、電子回路部品が取り出された後の前記キャリヤテープを切断する切断装置とを含む部品供給装置により解決される。
上記の課題はさらに、本発明に係るテープフィーダを使用して電子回路部品を供給する方法を、前記第一テープ化部品および前記第二テープ化部品として、互いに同じ種類の電子回路部品が前記キャリヤテープに保持されたものを使用し、一方のテープ化部品の電子回路部品がなくなった場合に、他方のテープ化部品の電子回路部品を供給する方法とすることにより解決される。
さらに、上記の課題は、電子回路部品を供給する方法を、(I)本発明に係るテープフィーダの送り制御装置を、前記第一送り装置に前記第一テープ化部品を逆方向に送らせる逆送り制御部を備えたものとしたテープフィーダと、(II)そのテープフィーダにより送られた前記第一テープ化部品の、電子回路部品が取り出された後の前記キャリヤテープを切断する切断装置とを含む部品供給装置を使用するとともに、前記第一テープ化部品および前記第二テープ化部品として、互いに異なる種類の電子回路部品が前記キャリヤテープに保持されたものを使用し、前記第二テープ化部品の電子回路部品を供給する際には、前記第一テープ化部品を、前記第二テープ化部品の電子回路部品を供給する部分である第二部品供給部の上方に位置しない状態となるまで、前記第一送り装置に前記逆方向に送らせる方法とすることにより解決される。
本発明に係るテープフィーダにおいては、第二テープ化部品の部品収容凹部の少なくとも一部の上に第一テープ化部品が位置するが、第二テープ化部品の部品収容凹部からの電子回路部品の取出しは種々の手段で行うようにすることができる。例えば、後述するように、第二テープ化部品の部品供給部を支持する第二支持部を、第一テープ化部品の部品供給部を支持する第一支持部より送り方向の下流側に位置させたり、あるいは、第一,第二支持部を送り方向において同じ位置に位置させ、第一支持部に上下方向に貫通する開口を設け、その開口を通って第二テープ化部品の部品供給部からの電子回路部品の取出しが行われるようにしたりするのである。
本発明によれば、第二テープ化部品の部品収容凹部の少なくとも一部の上に第一テープ化部品が重ねられ、2本のテープ化部品によって電子回路部品を供給でき、より幅が狭く、実用性の高いテープフィーダを得ることが容易である。
本発明に係る部品供給装置によれば、テープフィーダの幅がより狭くされることによって、よりコンパクトな装置を得ることが容易であり、あるいは同じ配設スペースにおいてテープフィーダの数を増やし、供給する電子回路部品の種類あるいは数を増やすことが容易である。また、電子回路部品が取り出されて部品収容凹部が空となったキャリヤテープが切断装置によって切断されることにより、テープフィーダから空キャリヤテープが長く延び出していることがなく、テープフィーダの取扱いが容易である。
本発明に係る部品供給方法の、第一,第二テープ化部品として同じ種類の電子回路部品がキャリヤテープに保持されたものが使用されるものによれば、テープフィーダにおいて保持される2本のテープ化部品の一方を他方のスペアとすることができ、テープフィーダの部品切れが生じ難くすることができる。
また、第一,第二テープ化部品として、保持する電子回路部品の種類が異なるものが使用される部品供給方法においては、(i)第一,第二テープ化部品の一方による電子回路部品の供給終了後に他方が別の種類の回路基板への装着に使用され、あるいは(ii)第一テープ化部品と第二テープ化部品とから交代で電子回路部品が供給される。(i)の場合であって、第一テープ化部品による電子回路部品の供給終了後に第二テープ化部品が電子回路部品の供給に使用される場合、および(ii)の第二テープ化部品が第一テープ化部品と交代して電子回路部品の供給に使用される場合、第二テープ化部品に電子回路部品を供給させるために第一テープ化部品をテープフィーダに保持させたままで、第二テープ化部品による電子回路部品の供給を許容することが必要であり、その要求が第一テープ化部品を逆方向に送ることにより満たされる。その際、第一テープ化部品の空キャリヤテープが切断装置により切断されているため短く、第一テープ化部品の逆方向への送り量が少なくて済み、第二テープ化部品を迅速に部品供給可能な状態とすることができる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、特許請求の範囲に記載された発明である本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施形態の記載,従来技術,技術常識等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(4)項に従属する(5)項が請求項3に、(7)項が請求項4に、(10)項が請求項5に、(11)項が請求項6にそれぞれ相当する。
(1)長手形状を成し、長手方向に沿って部品収容凹部と送り穴とがそれぞれ一定のピッチで並べて形成されたキャリヤテープの前記部品収容凹部にそれぞれ電子回路部品が保持されて成るテープ化部品を送り方向に送って、前記複数の電子回路部品を順次供給するテープフィーダであって、
フィーダ本体と、
そのフィーダ本体に保持され、前記テープ化部品の第一のものである第一テープ化部品を長手方向に送る第一送り装置と、
前記フィーダ本体に保持され、前記テープ化部品の第二のものである第二テープ化部品を、前記第一テープ化部品の下方において、かつ、平面視で前記部品収容凹部の少なくとも一部が前記第一テープ化部品と上下に重なり合う状態で送る第二送り装置と、
それら第一送り装置と第二送り装置とを制御する送り制御装置と
を含むことを特徴とするテープフィーダ。
3つ以上の送り装置を含み、テープ化部品を3本以上送るテープフィーダとすることも可能である。
第一送り部材と第二送り部材とが、共にテープ化部品の下方に設けられ、係合突部が下方から送り穴に係合するものである場合には、第一,第二送り部材を幅方向に関して互いに異なる位置に配置することが必要となり、例えば、(5)項に記載されるように、第一テープ化部品と第二テープ化部品とが第一,第二送り部材の位置の違いに相当する距離だけ幅方向にずれた状態で送られることとなる。
また、第二テープ化部品と第一テープ化部品とを、部品収容凹部が形成された帯状の領域の互いに反対側に送り穴が形成された帯状の領域を有するもの(例えば、第一テープ化部品と第二テープ化部品との一方を、始端と末端とが逆になるようにリールに巻き付ければ、そのようなテープ化部品が得られる)とすれば、第一,第二テープ化部品は、送り穴が形成された帯状の領域の幅分、幅方向にずれ、幅方向に関して両テープ化部品の部品収容凹部同士が丁度重なり合った状態で送ることが可能となる。
さらに、例えば、第二送り部材を第二テープ化部品の下方に設けられ、係合突部が下方から送り穴に係合するものとする一方、第一送り部材を第一テープ化部品の上方に設けられ、係合突部が上方から送り穴に係合するものとすれば、第一テープ化部品と第二テープ化部品とは幅方向にずれることなく全く重なり合った状態で送ることが可能となる。
(2)前記送り制御装置が、前記第一送り装置に前記第一テープ化部品を逆方向に送らせる逆送り制御部を備えた(1)項に記載のテープフィーダ。
本発明に係るテープフィーダを、(11)項に記載の方法で使用する場合には、本項に記載の逆送り制御部が必要となるが、(10)項に記載の方法で使用する場合に、すべての電子回路部品が取り出された第一テープ化部品のキャリヤテープの全体が送り方向に排出されてしまうようにすれば、逆送り制御部は不可欠ではなくなる。
第一テープ化部品が逆方向に送られることにより、第二テープ化部品の部品収容凹部の上方が開放され、第一テープ化部品がテープフィーダに保持されたままで、第二テープ化部品の部品収容凹部からの電子回路部品の取出しが可能となる。
(3)前記第一送り装置および前記第二送り装置が、それぞれ前記送り穴に係合する係合突部を備えた第一送り部材および第二送り部材と、それら第一,第二送り部材に送り動作を付与する第一駆動装置および第二駆動装置とを含む(1)項または(2)項に記載のテープフィーダ。
第一,第二送り部材は、(4)項に記載のスプロケットとすることができる他、例えば、1つ以上(複数であることが望ましい)の係合突部を備えた直線状の駆動部材とし、駆動装置は駆動部材を、テープ化部品に対して直角な方向および長手方向においてそれぞれ往復移動させるものとし、駆動部材をテープ化部品に接近する向きに移動させて係合突部を送り穴に係合させ、その状態で駆動部材を長手方向に移動させることによりテープ化部品を送らせる。送り後、駆動装置は駆動部材をテープ化部品から離間する向きに移動させて係合突部を送り穴から離脱させ、長手方向において送り方向とは逆方向に移動させて送り開始位置に戻す。この駆動部材は、上下方向の寸法を小さくすることができ、テープ化部品の上方に配設してテープ化部品を送らせるのに特に適している。
(4)前記第一送り部材および前記第二送り部材が、それぞれ外周に前記送り穴に係合する複数の係合突部を備えた第一スプロケットおよび第二スプロケットであり、前記第一駆動装置および前記第二駆動装置が、前記第一,第二スプロケットをそれぞれ回転駆動する第一回転駆動装置および第二回転駆動装置である(3)項に記載のテープフィーダ。
(5)前記第一送り部材と前記第二送り部材とが、幅方向における位置を互いに異にして配設され、前記第一テープ化部品と前記第二テープ化部品とが、前記第一送り部材と前記第二送り部材との位置の違いに相当する距離だけ幅方向にずれた状態で送られる(3)項または(4)項に記載のテープフィーダ。
例えば、第一送り部材および第二送り部材をテープ化部品に対して下側に設けつつ、送り方向において重なる位置に設けることができ、ずれの分、テープフィーダの幅は大きくなるが、2本のテープ化部品による電子回路部品の供給を、送り方向において近接した位置において行うことができ、供給された電子回路部品が回路基板に装着される場合、基板保持装置に近い位置において電子回路部品を供給させることが容易となる。
(6)前記フィーダ本体が、前記第一テープ化部品と前記第二テープ化部品との各々の電子回路部品を供給する部分である第一部品供給部と第二部品供給部とをそれぞれ下方から支持し、それら第一,第二テープ化部品の部品供給位置を規定する第一支持部と第二支持部とを含み、第二支持部が第一支持部より下方でかつ前記記送り方向における下流側に位置させられた(1)項ないし(5)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
第一支持部より下方に位置する第二支持部を、送り方向における下流側に位置させれば、第二支持部に支持された第二テープ化部品からの電子回路部品の取出しが、第一支持部により妨げられることがない。
(7)(1)項ないし(6)項のいずれかに記載のテープフィーダと、
そのテープフィーダにより送られた前記第一テープ化部品の、電子回路部品が取り出された後の前記キャリヤテープを切断する第一切断装置と
を含む部品供給装置。
(8)(2)項に記載のテープフィーダと、
そのテープフィーダにより送られた前記第一テープ化部品の、電子回路部品が取り出された後の前記キャリヤテープを切断する第一切断装置と
を含む部品供給装置。
第一テープ化部品の逆送り量が少なくて済む。
(9)さらに、前記第二テープ化部品の、電子回路部品が取り出された後の前記キャリヤテープを切断する第二切断装置を含む(7)項または(8)項に記載の部品供給装置。
第一切断装置に第二切断装置を兼ねさせることも可能である。
(10)(1)項ないし(6)項のいずれかに記載のテープフィーダを使用して電子回路部品を供給する方法であって、
前記第一テープ化部品および前記第二テープ化部品として、互いに同じ種類の電子回路部品が前記キャリヤテープに保持されたものを使用し、一方のテープ化部品の電子回路部品がなくなった場合に、他方のテープ化部品の電子回路部品を供給することを特徴とする部品供給方法。
(11)(8)項に記載の部品供給装置を使用して電子回路部品を供給する方法であって、
前記第一テープ化部品および前記第二テープ化部品として、互いに異なる種類の電子回路部品が前記キャリヤテープに保持されたものを使用し、前記第二テープ化部品の電子回路部品を供給する際には、前記第一テープ化部品を、前記第二テープ化部品の電子回路部品を供給する部分である第二部品供給部の上方に位置しない状態となるまで、前記第一送り装置に前記逆方向に送らせることを特徴とする部品供給方法。
(12)前記第二テープ化部品の電子回路部品を供給した後、前記第一テープ化部品の電子回路部品を供給する部分である第一部品供給部が部品供給位置に位置するまで前記第一送り装置に前記第一テープ化部品を前記送り方向に送らせる(11)項に記載の部品供給方法。
第一,第二テープ化部品が互いに異なる種類の電子回路部品を保持し、交代で電子回路部品(1個ずつではなく、任意の個数ずつ交代でもよい)を供給する場合、第二テープ化部品による電子回路部品の供給を許容するために一旦退避させられた第一テープ化部品は第二テープ化部品からの電子回路部品の供給後に電子回路部品を供給可能な位置へ戻される。
請求可能発明の実施形態である部品供給装置を備えた装着モジュールを複数台含む装着システムの外観を示す斜視図である。 上記複数台の装着モジュールの一部を示す斜視図である。 上記装着モジュールの装着装置を示す斜視図である。 上記装着モジュールの部品供給装置のフィーダ保持台を示す斜視図である。 上記装着装置の装着ヘッドの2つの例を示す斜視図である。 上記装着ヘッドのうちの1つをカバーを外して示す斜視図である。 上記部品供給装置のフィーダに保持されるテープ化部品を示す側面図である。 上記テープ化部品を示す正面断面図である。 上記テープ化部品を示す平面図である。 上記フィーダを示す側面図である。 上記フィーダの2つの送り装置を示す側面図である。 上記2つの送り装置を示す平面図である。 上記テープ化部品を保持する角パイプを示す正面図である。 上記角パイプをスプロケットが進入させられる部分において断面にして示す正面図である。 上記角パイプを位置決め部材が設けられた部分において断面にして示す正面図である。 上記角パイプをスプロケットが進入させられる部分において断面にして示す側面図である。 2つの部品供給ユニットの各角パイプの前部を示す平面図である。 上記角パイプを位置決めする位置決め装置を示す正面断面図である。 上記角パイプを固定する固定装置を示す正面断面図である。 上記装着モジュールの電気制御装置の構成を概念的に示すブロック図である。
以下、請求可能発明の実施形態を、上記各図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載した態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に、装着システムの外観を示す。本装着システムは、複数の装着モジュール10の2台ずつが、それぞれ共通で一体のベース12上に、互いに隣接して横並びに配列されて固定されたものが、さらに複数横並びに配列されることにより構成されている。複数の装着モジュール10はそれぞれ、回路基板への電子回路部品の装着を分担して並行して行う電子回路部品装着機である。
装着モジュール10については、例えば、特開2004−104075公報に詳細に記載されており、本請求可能発明に関係する部分以外の部分については簡単に説明する。
各装着モジュール10はそれぞれ、図2に示すように、本体フレームとしてのモジュール本体18,基板搬送装置20,基板保持装置22,部品供給装置24,装着装置26,基準マーク撮像装置28(図3参照),部品撮像装置30および電気制御装置32を備えている。
基板搬送装置20は、図2に示すように、2つの基板コンベヤ44,46を備え、モジュール本体18を構成するベッド48の前後方向の中央部に設けられ、回路基板を水平な姿勢で、複数の装着モジュール10が並ぶ方向と平行な方向であって、水平な搬送方向に搬送する。基板保持装置22は2つの基板コンベヤ44,46の各々について設けられ、それぞれ回路基板を下方から支持する支持部材および回路基板の搬送方向に平行な両側縁部をそれぞれクランプするクランプ部材を備え、回路基板をその電子回路部品が装着される装着面が水平となる姿勢で保持する。本実施形態においては、基板搬送装置20による回路基板の搬送方向(以後、基板搬送方向と略記する)をX軸方向、基板保持装置22に保持された回路基板の装着面に平行な平面である、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。また、X軸,Y軸方向に直角な方向であって、鉛直方向をZ軸方向とする。
部品供給装置24は、ベッド48の基板搬送装置20に対してY軸方向の一方の側に設けられている。本実施形態においては、部品供給装置24が設けられた側を装着モジュール10の前面側とする。部品供給装置24は、フィーダ保持装置として、図4に示すフィーダ保持台50を備えている。フィーダ保持台50は、水平な支持板51と、その一端部から鉛直に立ち上がった接続壁52と、他端から垂下した接続壁53とを備え、支持板51には位置決め部としての複数本のT溝54(位置決め溝)が互いに平行に、かつ等間隔に形成されるとともに、それら複数本のT溝54と直交し、水平な溝55が形成されている。各接続壁52,53には、複数本のT溝54の各々に対応して位置決め部としての一対の位置決め孔56と接続部としてのコネクタ57とが設けられている。本フィーダ保持台50はベッド48に対して着脱可能であり、フィーダ保持台50に後述のテープフィーダ58(以後、フィーダ58と略称する)が、図2に示すように複数保持される。部品供給装置はトレイによって電子回路部品を供給する部分を備えるものとしてもよい。
装着装置26は、図2および図3に示すように、装着ヘッド60と、その装着ヘッド60を移動させるヘッド移動装置62とを備えている。ヘッド移動装置62は装着ヘッド60を、水平面内において直交する2方向の少なくとも一方の成分を有する方向に移動させ、図3に示すように、X軸方向移動装置64およびY軸方向移動装置66を備えている。Y軸方向移動装置66は、モジュール本体18を構成するクラウン68に、部品供給装置24における部品供給位置と2つの基板保持装置22とに跨って設けられたリニアモータ70を備え、可動部材としてのY軸スライド72をY軸方向の任意の位置へ移動させる。
X軸方向移動装置64は、本実施形態においてはY軸スライド72に設けられ、Y軸スライド72に対してX軸方向に移動させられるとともに、互いにX軸方向に相対移動させられる第一,第二X軸スライド74,76と、それらスライド74,76をそれぞれ、X軸方向に移動させるX軸スライド移動装置78(図3には第二X軸スライド76を移動させる移動装置のみが図示されている)とを備えている。2つのX軸スライド移動装置はそれぞれ、例えば、駆動源たる電動モータと、ボールねじおよびナットを含む送りねじ機構とを含むものとされ、X軸スライド74,76をX軸方向の任意の位置へ移動させる。
装着ヘッド60は、第二X軸スライド76に着脱自在に搭載され、ヘッド移動装置62により、部品供給装置24における部品供給位置と2つの基板保持装置22とに跨る移動領域である装着作業領域内の任意の位置へ移動させられる。装着ヘッド60は、部品保持具の一種である吸着ノズル86によって電子回路部品を保持するものとされており、吸着ノズル86を保持し、部品保持具保持部を構成するノズルホルダの数を異にする複数種類の装着ヘッド60が用意され、電子回路部品が装着される回路基板の種類に応じて選択的に第二X軸スライド76に取り付けられる。
例えば、図5(a)に示す装着ヘッド60aはノズルホルダ88aを1つ備え、吸着ノズル86aが1つ保持され、図5(b)に示す装着ヘッド60bはノズルホルダ88bを複数、例えば3個以上、図示の例では12個備え、吸着ノズル86bが最大12個保持され得る。吸着ノズル86aは吸着ノズル86bより部品吸着面および背景形成板の各直径が大きく、大形の電子回路部品の装着に使用される。
装着ヘッド60aにおいてノズルホルダ88aは、図示は省略するが、ヘッド本体に軸線方向であって鉛直方向に移動可能かつ自身の軸線まわりに回転可能に設けられ、ヘッド本体に設けられた移動装置である昇降装置および回転装置により昇降および回転させられる。昇降装置は、本実施形態においては、電動モータおよび送りねじ機構を含むものとされ、ノズルホルダ88aを上下方向において任意の位置へ移動させる。
装着ヘッド60bは、図6にカバーを外して示すように、ヘッド本体98に鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に設けられた回転体100と、回転体100を正逆両方向に任意の角度回転させる回転体回転装置102とを備えた回転型ヘッドである。回転体100には、その回転軸線を中心とする一円周上に適宜の間隔、本装着ヘッド60bでは等角度を隔てた12の位置にそれぞれ、ノズルホルダ88bが回転体100の回転軸線に平行な方向に相対移動可能かつ自身の軸線まわりに回転可能に設けられ、それぞれ回転体100からの突出端部(装着ヘッド60が第二X軸スライド76に取り付けられた状態では下端部)において吸着ノズル86bを着脱可能に保持する。
12個のノズルホルダ88bは、回転体100の回転により、回転体100の回転軸線のまわりに旋回させられ、12個の停止位置の1つについて予め定められた部品吸着装着位置へ順次移動させられ、ヘッド本体98の部品吸着装着位置に対応する位置に設けられた昇降装置104によって昇降させられる。昇降装置104は、本実施形態においては、昇降部材(図示省略)および昇降部材駆動装置106を含むものとされている。昇降部材駆動装置106は電動モータ108および送りねじ機構110を含み、昇降部材を昇降させ、それによりノズルホルダ88bが上下方向において任意の位置へ移動させられる。ノズルホルダ88bはさらに、ヘッド本体98に設けられたホルダ回転装置112により、自身の軸線まわりに回転させられる。なお、前記基準マーク撮像装置28は、図3に示すように、第二X軸スライド76に搭載され、ヘッド移動装置62により装着ヘッド60と共に移動させられて、回路基板に設けられた基準マーク(図示省略)を撮像する。
以下、前記部品供給装置24の詳細を説明する。
部品供給装置24においてフィーダ58により供給される電子回路部品は、テープにより保持されてテープ化部品120とされている。テープ化部品120は、図7に示すように、共に合成樹脂製のキャリヤテープ122とカバーテープ124とを備えている。図7に例示するテープ化部品120はエンボス型のテープ化部品であり、キャリヤテープ122は長手形状を成し、図8に示すように、幅方向の両側において長手方向に延びる一対の被支持部126,128と、それら被支持部126,128間から被支持部126,128より下方へ突出した複数のエンボス130とを含む。これら複数のエンボス130はキャリヤテープ122の長手方向に沿って第一ピッチで、本実施形態においては等ピッチで設けられるとともに、それらエンボス130の各々に電子回路部品132(以後、部品132と略称する)が収容され、エンボス130の開口がキャリヤテープ122に貼り付けられたカバーテープ124によって覆われている。本実施形態においては、エンボス130が部品収容凹部を構成し、部品132はキャリヤテープ122により等ピッチで保持されている。
カバーテープ124の幅はキャリヤテープ122の幅より狭く、図9に示すように、キャリヤテープ122のカバーテープ124が貼り付けられておらず、長手方向に平行な一方の被支持部126に沿って、被支持部126を厚さ方向に貫通する送り穴134が一列に第二ピッチで、本実施形態においては等ピッチで形成されている。テープ化部品120は、リール136(図10参照)にカバーテープ124側を外周側にして巻かれている。
フィーダ58は、図10に示すように、フィーダ本体140と、部品供給ユニット142,144と、送り部146とを含む。フィーダ本体140は、複数の部材が組み付けられて成り、組付け後は一体の部材として機能し、前記フィーダ保持台50に対して着脱させられる。フィーダ本体140のフィーダ保持台50への取付け時には、フィーダ本体140に設けられた断面がT字形の係合凸部150がフィーダ保持台50のT溝54に嵌合されるとともに、フィーダ本体140の2箇所に設けられた第二位置決め部としての位置決めピン152,154および接続部としてのコネクタ156が、フィーダ保持台50の前記位置決め孔56およびコネクタ57に嵌合される。そして、操作部材たるレバー157を作業者が操作することにより、フィーダ本体140に設けられた係合装置158の係合部材160がフィーダ保持台50の前記溝55の鉛直な係合面161(図4参照)に係合させられ、フィーダ58がフィーダ保持台50に固定される。
本実施形態においては、図10に示すように、前記部品供給ユニット142,144はそれぞれ、リール保持部162,テープ化部品案内部164,カバーテープ剥離装置166およびカバーテープ収容器168を含み、送り部146は、部品供給ユニット142,144の各々により保持されたテープ化部品120を長手方向に送る送り装置170,172を含む。なお、装着モジュール10については、前述のように部品供給装置24が設けられた側(図2の左手前側)を「前」とするが、部品供給装置24に関しては、逆に図2の右後側、すなわちフィーダ58によるテープ化部品120の送り方向(以後、部品送り方向と略記する)における下流側を「前」とする。装着モジュール10の装着装置26と部品供給装置24とが互いに向き合っていると考えるのである。フィーダ58において部品送り方向は前後方向であって長手方向であり、フィーダ58がフィーダ保持台50に保持された状態ではY軸方向に平行となる。フィーダ58の幅方向は、送り方向およびフィーダ58の高さ方向ないし上下方向と直角な方向であり、X軸方向に平行となる。
送り装置170は、図11に示すように、送り部材たるスプロケット180と、スプロケット180を回転駆動する回転駆動装置182とを含む。スプロケット180は、外周にテープ化部品120の送り穴134に係合する複数の係合突部184を備え、フィーダ本体140の前部に軸186により、幅方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられている。なお、図11においては、位置決め凸部150,位置決めピン152,154およびコネクタ156の図示は省略されている。
回転駆動装置182は、電動モータ190および電動モータ190の回転をスプロケット180に伝達する回転伝達装置192を含み、スプロケット180を正逆両方向に任意の角度回転させる。回転伝達装置192は、ギヤ194,196,プーリ198,200およびベルト202を含む。ギヤ194は電動モータ190の出力軸204に取り付けられ、フィーダ本体140に軸206によって回転可能に取り付けられたギヤ196と噛み合わされている。プーリ198,200はそれぞれ、軸206,186に取り付けられ、ギヤ196,スプロケット180と一体的に回転させられる。プーリ198,200はタイミングプーリとされ、ベルト202はタイミングベルトとされている。
送り装置172は、図11に示すように、送り部材たる2個のスプロケット210,212と、スプロケット210,212を回転駆動する回転駆動装置214とを含む。スプロケット210,212はそれぞれ、外周に送り穴134に係合する複数の係合突部216,218を備え、前記スプロケット180より直径が小さく、フィーダ本体140の前部の部品送り方向に距離を隔てた2個所にそれぞれ、軸220,222により、幅方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられている。
前記スプロケット180,210,212は、いずれもフィーダ本体140の前部に設けられているが、図12に示すように、フィーダ本体140の幅方向の位置を互いに異にして配設され、干渉が回避されている。また、スプロケット210,212は、上下方向においては、その上端、すなわち最も上方に位置する係合突部216,218の頂面の位置が、スプロケット180の上端、すなわち最も上方に位置する係合突部182の頂面の位置より下方であって、送り装置170により送られるテープ化部品120より下方の位置に設けられ、部品送り方向においては、スプロケット210,212の各上端がいずれもスプロケット180の上端より下流側に位置する位置に設けられている。上流側のスプロケット210は、その上端が、部品送り方向においてスプロケット180の上端と同じ位置あるいはそれより上流側に位置する位置に設けられてもよい。
回転駆動装置214は、電動モータ230および回転伝達装置232を含む。回転伝達装置232は、ギヤ234,236,238,240,242,244を含む。ギヤ234は電動モータ230の出力軸246に取り付けられ、フィーダ本体140に軸248によって回転可能に取り付けられたギヤ236と噛み合わされている。ギヤ238は軸248に取り付けられ、ギヤ242,244は軸220,222に取り付けられ、フィーダ本体140に軸250によって回転可能に取り付けられたギヤ240と噛み合わされており、スプロケット210,212が同時に同方向に同角度回転させられる。
部品供給ユニット142,144を説明する。部品供給ユニット142,144は実質的に同じ構成を有するため、部品供給ユニット142を主として説明する。
部品供給ユニット142のテープ化部品案内部164は、本実施形態においては、図10および図13に示すように、横断面形状が矩形で直線状の角パイプ270により構成されている。角パイプ270の内部には、テープ化部品120の通過を許容する通路272,角パイプ270内の一対の側面に突設され、角パイプ120の長手方向に延び、テープ化部品120の被支持部126,128をそれぞれ下方から支持する支持部274,276が形成されている。
角パイプ270の上壁278の前部には、図16および図17に示すように、長穴状の開口280が形成されている。開口280は、送り装置170のスプロケット180の複数の係合突部184の進入を許容するものであり、支持部274および角パイプ270の底壁282の開口280に対応する部分にはそれぞれ、図14に示すように、スプロケット180の進入を許容する切欠284,開口286が形成されている。部品供給ユニット142がフィーダ本体140に取り付けられた状態では、スプロケット180の係合突部184が開口280内に対応する位置においてテープ化部品120の送り穴134に係合し、その状態でスプロケット180が回転させられることにより、テープ化部品120が長手方向に送られる。
角パイプ270の前端部は、図16および図17に示されているように、上壁278が除去され、板状のカバー290により覆われている。角パイプ270は、本実施形態においてはアルミニウム製であり、押出成形により形成され、カバー290は角パイプ270に接着され、固定されている。カバー290は上壁278より厚く、その下面は、上壁278の内面と同一平面内に位置させられ、上面が上壁278の外面より上方へ突出させられている。カバー290の支持部274に対応する部分には、前端面および下面に開口する凹部292が形成され、その凹部292の底面に、テープ化部品120の厚さ方向および長手方向の位置決めを行う位置決め装置を構成する位置決め部材294が片持ち状に固定されている。
位置決め部材294は板ばね材により形成され、一端部が凹部292の底面に固定される一方、他端部がテープ化部品120の被支持部126の上面に弾性的に接触するようにされており、それによって、テープ化部品120を支持部274に押し付け、厚さ方向の位置決めを行う。また、位置決め部材294の上記接触部の下面に球冠状の位置決め突部296が形成されており、図15に示すように、その位置決め突部296がキャリヤテープ122の送り穴134の1つずつに順次係合することによって、テープ化部品120の長手方向の位置決めを行う。
テープ化部品120が角パイプ270の後端側の開口部から通路272へ挿入されると、被支持部126の先端が位置決め部材294に当接して停止する。しかし、その状態からテープ化部品120にさらに大きな押込力を加えると、支持部274の上面である支持面と、その上面に対して鋭角を成す位置決め部材294の下面との間のくさび効果によって位置決め部材294が撓まされ、支持部274の支持面との間の隙間が広がって、その隙間への被支持部126の進入が許容される。やがて、キャリヤテープ122の送り穴134が位置決め突部296と係合し、テープ化部品120の移動抵抗を増す。ただし、位置決め突部296は球冠状を成しているため、テープ化部品120に対する押込力を増せば、位置決め突部296が送り穴134から離脱し、テープ化部品120の更なる移動が許容される。そして、次の送り穴134が位置決め突部296の位置に至れば、再びテープ化部品120の移動抵抗が増す。以上のことが繰り返されることにより、テープ化部品120が節度感を以て複数の位置に順次位置決めされる。
ただし、位置決め部材294を設ければテープ化部品120の送りに対する抵抗が増大するため、位置決め部材294を位置決め突部296を有しないものとしたり、位置決め部材294自体を省略したりしてもよい。その場合には、フィーダ本体140に部品供給ユニット142,144を取り付ける際、テープ化部品120の送り穴134とスプロケット180,210,212の係合突部184,216,218との位置を作業者が合わせることが必要となる。この位置合わせ作業はいつどのようにして行ってもよいが、部品供給ユニット142,144のフィーダ本体140への取り付け前に、治具を用いて部品供給ユニット142,144に対するテープ化部品120の長手方向位置を決めておく一方、スプロケット180,210を予め定められた回転位相に停止させておけば、容易に行うことができる。
カバー290には、図17に示すように、カバー290を厚さ方向に貫通するとともに、カバー290の前端面に開放された開口300が形成され、エンボス130からの部品132の取出しを許容するようにされている。テープ化部品120が送られるとき、カバーテープ124は、開口300の部品送り方向に直角な端縁302に係合させられた状態で、部品送り方向の上流側へ折り返され、キャリヤテープ122から剥がされる。端縁302が、カバーテープ剥離案内部の一種としての折返し案内部を構成しているのである。
キャリヤテープ122から折り返されたカバーテープ124は、図10に示すカバーテープ収容器168に収容される。本実施形態においては、カバーテープ剥離装置166の一部およびカバーテープ収容器168は一体物とされている。また、リール保持部162はカバーテープ収容器168に固定され、これら一体物とされたカバーテープ剥離装置166等は角パイプ270の後端部に固定されており、フィーダ本体140に対して一体的に着脱される。本実施形態においては、部品供給ユニット142は、その複数の構成要素がフィーダ本体140に対して一体的に着脱可能な着脱ユニットとされているのである。リール保持部162は前記リール136を回転可能に保持し、リール136から繰り出されたテープ化部品120が角パイプ270内へ挿入される。
キャリヤテープ122から剥がされたカバーテープ124は、図10に示すように、フィーダ本体140に取り付けられたガイドローラ310,312に掛けられた後、カバーテープ収容器168の開口部に設けられた一対の送り回転体としての送りギヤ314,316に挟まれ、送りギヤ314,316の一方が電動モータ318(図20参照)を駆動源とするカバーテープ送り駆動装置によって回転させられることにより、カバーテープ124に適宜の張力が加えられるとともに、カバーテープ収容器168内へ押し込まれる。これらカバーテープ送り駆動装置および送りギヤ314,316によりカバーテープ送り装置320が構成され、カバーテープ送り装置320が前述のカバーテープ剥離案内部としての端縁302と共同してカバーテープ剥離装置166を構成している。
このようにカバーテープ124は、図17に示すように、カバー290の端縁302に係合させられた状態でキャリヤテープ122から剥がされるため、エンボス130は端縁302の下流側において開放状態となり、部品132の取出しが可能となる。テープ化部品120の、開放状態とされたエンボス130のうち、部品送り方向において最も上流側に位置し、最も端縁302に近いエンボス130から部品132が取り出される。テープ化部品120の部品132が取り出されるエンボス130が設けられた部分が部品供給部330であり、部品供給部330が位置する位置が部品供給位置である。本実施形態においては、部品供給ユニット142がフィーダ本体140に取り付けられた状態では、角パイプ270がフィーダ本体140の一部を構成し、そのテープ化部品120を下方から支持する支持部274,276(図13参照)の部品供給部330を支持する部分がテープ化部品120の部品供給位置を規定する支持部を構成し、フィーダ本体140の幅方向,上下方向および部品送り方向において部品供給位置を規定する。
部品供給ユニット144により保持されるテープ化部品120は送り装置172によって送られる。そのため、テープ化部品案内部164を構成する角パイプ340の上壁341の前部には、図17に示すように、スプロケット210,212の各係合突部216,218の進入を許容する開口342,344が形成されている。角パイプ340の支持部346,348の一方である支持部346および底壁350(図18参照)にはそれぞれ、スプロケット210,212の各々について、その進入を許容する切欠および開口(図示省略)が形成されている。底壁350に形成された開口は、スプロケット210,212と共に回転させられるギヤ242,244の進入も許容するものとされている。係合突部216,218は開口342,344内に対応する位置において送り穴134に係合し、スプロケット210,212が回転させられることにより、テープ化部品120を長手方向に送る。なお、図18において符号352は通路である。
角パイプ340の上壁341の前端部に固定されたカバー356に、図17に示すように、エンボス130からの部品132の取出しを許容する開口358が設けられ、その端縁360においてカバーテープ124が折り返され、剥がされることは、部品供給ユニット142と同じである。部品供給ユニット144は、部品供給ユニット142と同様にカバーテープ送り装置320を備え(図10参照)、端縁360は、部品供給ユニット142の端縁302と同様に、カバーテープ送り装置320と共にカバーテープ剥離装置166を構成している。また、図示は省略するが、カバー356には、板ばね材により形成され、位置決め突部を有する位置決め部材が保持されてテープ化部品120を厚さ方向および長手方向において位置決めするようにされている。部品供給ユニット144においては、テープ化部品120の部品132が取り出されるエンボス130が形成された部分が部品供給部362を構成し、部品供給部362が位置する位置が部品供給位置であり、部品供給ユニット144がフィーダ本体140に取り付けられた状態では、角パイプ340の一対の支持部346,348(図18参照)の部品供給部362を支持する部分がテープ化部品120の部品供給位置を規定する支持部を構成する。
前述のように、スプロケッ210,212は、その上端がスプロケット180の上端より下方に位置させられているため、送り装置172により送られるテープ化部品120は、送り装置170により送られるテープ化部品120の下方に位置し、図11に示すように、角パイプ340は角パイプ270の下側に配設される。以後、角パイプ270を上角パイプ270、角パイプ270により案内されるテープ化部品120を上テープ化部品120、角パイプ340を下角パイプ340、角パイプ340により案内されるテープ化部品120を下テープ化部品120と称する場合がある。角パイプ270,340の上下方向の位置はスプロケット180,210,212の位置によって決まり、本実施形態においては、スプロケット180とスプロケット210,212とは、上下方向において角パイプ270,340の間に、角パイプ340を、角パイプ270と干渉させることなく上げて、スプロケット210,212から離脱させ、角パイプ340を角パイプ270に対して前後方向に移動させることができる隙間が得られる距離であって、できる限り短い距離を隔てて設けられている。
また、スプロケット212の上端は、スプロケット180の上端より、部品送り方向において下流側に位置させられており、図17に示すように、下テープ化部品120の部品供給部362は、上テープ化部品120の部品供給部330より部品送り方向において下流側に位置する。そのため、上角パイプ270は、下角パイプ340のカバー356の開口348の上方を開放する状態で設けられている。したがって、角パイプ340の支持部346,348の下テープ化部品120の部品供給位置を規定する部分は、上角パイプ270の支持部274,276の上テープ化部品120の部品供給位置を規定する部分より下方で、かつ部品送り方向において下流側に位置させられている。さらに、スプロケット180とスプロケット210,212とは幅方向において異なる位置に設けられており、その位置の違いに相当する距離だけ、角パイプ270,340が幅方向においてずれた状態で設けられ、各支持部274,276,346,348の位置は幅方向においてもずれている。このずれはできる限り小さくされ、本実施形態においては、下テープ化部品120は、平面視において、送り穴134およびエンボス130の一部が上テープ化部品120と上下に重なり合う状態で送られる。
部品供給ユニット144は、部品供給ユニット142と同様に着脱ユニットとされているが、部品供給ユニット144においては、一体物とされたカバーテープ剥離装置166等がテープ化部品案内部164に、部品供給ユニット142とは逆向きに固定されている。すなわち、図10に示すように、部品供給ユニット142においては、テープ化部品案内部164の上面に一体物とされたカバーテープ剥離装置166およびカバーテープ収容器168が正立状態で固定されているのに対し、部品供給ユニット144においては、テープ化部品案内部164の下面に倒立状態で固定されているのである。
リール保持部162は、部品供給ユニット142においても部品供給ユニット144においても、同一構成のものが同じ向きでカバーテープ収容器168に固定されているが、カバーテープ収容器168が上記のように互いに逆向きにされているため、部品供給ユニット144のリール保持部162は、部品供給ユニット142のリール保持部162より下方に位置させられることとなる。このように、部品供給ユニット144のカバーテープ剥離装置166等は部品供給ユニット142のカバーテープ剥離装置166等の下方に配置され、互いに干渉することがなく、部品供給ユニット142,144の各カバーテープ剥離装置166等は、角パイプ270,340と共に、幅方向において一部が重なった状態で配置される。それぞれ1種類ずつの複数の構成要素の固定の仕方を互いに異ならせることにより、2種類の部品供給ユニット142,144とされており、量産によるコスト低減効果が得られる。
なお、角パイプ340に固定のカバー356の端縁360は、角パイプ340の上面側に位置しているのに対し、部品供給ユニット144のカバーテープ送り装置320は、図10に示すように、角パイプ340の下側に設けられている。そのため、カバーテープ124は、当初水平な姿勢でキャリヤテープ122から剥がされるが、端縁360とカバーテープ送り装置320との間において、まず90度捻られ、鉛直な姿勢で角パイプ340の案内面としての側面に沿って移動させられた後、再び90度捻られて水平な姿勢に戻され、ガイドローラ310,312に掛けられ、送りギヤ314,316に挟まれる。これにより、カバーテープ124の厚さより僅かに大きい幅の空間があれば、カバーテープ124をテープ化部品案内部164の上方から下方へ移動させることができる。
部品供給ユニット142,144は、フィーダ本体140に、一対の位置決め装置370(図18参照。図18には一方の位置決め装置370が図示されている。)により位置決めされた状態で固定装置372(図19参照)により固定される。一対の位置決め装置370は、フィーダ本体140のスプロケット180が設けられた部分より後側であって、前後方向に隔たった2個所にそれぞれ設けられ、それぞれ、ブロック状を成し、フィーダ本体140に固定された位置決め装置本体374を有する。
位置決め装置本体374には、図18に示すように、一対の支持面376,378が形成されている。支持面376,378は上向きで水平な一平面状を成し、高さを異にして設けられ、それぞれ上角パイプ270,下角パイプ340を上下方向に距離を隔てて支持するとともに、幅方向において、前述のようにずれた状態で支持するように設けられている。支持面376,378は、上角パイプ270と下角パイプ340のカバー290の上面との間に、カバー290を含む下角パイプ340の上下方向の寸法よりやや大きく、前述のように、下角パイプ340のスプロケット210,212からの離脱および下角パイプ340の上角パイプ270に対する前後方向の移動を許容する大きさであって、できる限り短い隙間が得られる高さに設けられている。
支持面376,378にはそれぞれ、その中央部から上方へ突出する位置決め突部380,382が設けられ、位置決め部を構成している。角パイプ270,340の底壁282,350にはそれぞれ、その長手方向に隔たった2個所に厚さ方向に貫通して位置決め孔384,386(図18には一方の位置決め孔384,386が図示されている)が形成されて位置決め部を構成し、位置決め突部380,382の位置決め孔384,386への嵌合により、角パイプ270,340は幅方向および部品送り方向において位置決めされる。なお、一対ずつの位置決め孔384,386のうちの各一方は、角パイプ270,340の長手方向に長い長孔とされている。
固定装置372は、フィーダ本体140の前後方向において一対の位置決め装置370の間の部分に設けられ、その本体である固定装置本体400は、図19に示すようにブロック状を成し、フィーダ本体140に固定されている。固定装置本体400は、位置決め装置本体374の支持面376,378と同様に高さを異にする水平な支持面402,404を備え、各支持面402,404の中央部に臨む状態で電磁石410,412が設けられている。角パイプ270,340の各底壁282,350の位置決め装置370により位置決めされた状態で電磁石410,412に対応する部分にそれぞれ、磁性材料製部材としての薄い鉄板414,416が、底壁282,350の外面に臨む状態で埋設されている。したがって、角パイプ270,340が支持面376,402,378,404上に載置された状態で電磁石410,412のコイルに通電されれば、鉄板414,416が磁力によって吸着され、角パイプ270,340が固定装置本体400に固定され、フィーダ本体140に固定される。なお、電磁石に代えて永久磁石を用いてもよい。
フィーダ58にはさらに、図11に示すように、2つのコンピュータ430,432が設けられている。コンピュータ430,432はそれぞれ、駆動回路434(図20参照)を介して、送り装置170,172およびカバーテープ送り駆動装置の各駆動源や電磁石410,412を制御する。以後、コンピュータ430,432をフィーダ制御コンピュータ430,432と称する。
前記モジュール本体18のベッド48には、図2に示すように、部品供給装置24と基板搬送装置20との間の部分に前記部品撮像装置30が設けられ、その部品撮像装置30と部品供給装置24との間の部分であって、フィーダ保持台50の前側の部分には、テープ化部品120の部品132が取り出された後の空のキャリヤテープ122である空キャリヤテープ122が入れられ、ベッド48に設けられた空キャリヤテープ収容器(図示省略)に導くダクト450が取り付けられている。ダクト450は、フィーダ保持台50全体に対応する幅を備え、フィーダ保持台50に取り付けられたフィーダ58の上部と、ベッド48に設けられた空キャリヤテープ収容器(図示省略)とに開口させられている。ダクト450の上部側の開口は、高さ方向において、上,下の各テープ化部品120のいずれの空キャリヤテープ122も収容可能な大きさを有する。
ダクト450には、図10に示すように、空キャリヤテープ122を切断する切断装置460が設けられ、部品供給装置24を構成している。本実施形態においては、切断装置460は、固定刃464および可動刃466を備えている。これら刃464,466はダクト450の幅方向に長いものとされ、駆動装置468(図20参照)によって可動刃466が移動させられることにより、固定刃464と協働して、フィーダ保持台50に搭載可能な全部のフィーダ58のいずれについても、空キャリヤテープ122の切断を行うことができ、全部のフィーダ58について切断を一斉に行うこともできる。切断装置460は、ダクト450のテープ排出方向において上流側であって、フィーダ58側の開口に近い部分に設けられ、上テープ化部品120の空キャリヤテープ122の切断も、下テープ化部品120の空キャリヤテープ122の切断も行うものとされている。切断装置460は、上,下のテープ化部品120の各空キャリヤテープ122を連続して切断することもできる。
装着モジュール10の前記電気制御装置32は、図20に示すように、コンピュータ480を主体として構成され、駆動回路482を介して基板搬送装置20等、装着モジュール10を構成する各種装置の駆動源等を制御する。以後、コンピュータ480を装着制御コンピュータ480と称する。装着制御コンピュータ480には、入力装置484,画像処理コンピュータ486およびフィーダ制御コンピュータ430,432等が接続されている。フィーダ58のフィーダ保持台50への取付け時に2つずつのコネクタ57,156が接続されることにより、フィーダ58へ電力が供給されるとともに、フィーダ制御コンピュータ430,432がそれぞれ装着制御コンピュータ480に接続され、指令,情報の授受等を行う。駆動源として使用される電動モータの多くは、回転角度の正確な制御が可能な電動回転モータであるエンコーダ付サーボモータやステッピングモータが使用される。
以上のように構成された装着システムにおいては、複数の装着モジュール10の各々において、装着装置26が部品供給装置24のフィーダ58の部品供給ユニット142,144から部品132を取り出し、搬送して、基板保持装置22に保持された回路基板に装着する。そのために、部品供給装置24は、回路基板に装着すべき複数種類の部品132を供給可能な複数のフィーダ58が搭載された状態とされる。
部品供給ユニット142,144のフィーダ本体140への取付けによりフィーダ58にセットされる2本のテープ化部品120は、部品供給装置24が供給する部品の種類および数に応じて、保持する部品132の種類が同じである同種のテープ化部品120である場合もあれば、部品の種類が異なる異種のテープ化部品120である場合もある。いずれにしても装着ヘッド60においては、上下いずれのテープ化部品120から電子回路部品を取り出すかに応じてノズルホルダ88の昇降ストロークが決められる。
上下いずれのテープ化部品120により部品が供給される場合にも、部品が1個、取り出される毎に送り装置170あるいは172が作動させられてテープ化部品120が1ピッチ(隣接する2個のエンボス130の形成ピッチ)ずつ送られ、部品供給部330あるいは362が部品供給位置に位置させられる。そして、空キャリヤテープ122はダクト450に収容され、切断装置460により切断される。本実施形態においては、切断装置460において切断は、テープ化部品120から部品が1個取り出され、テープ化部品120が1ピッチ送られる毎に行われる。
2本のテープ化部品120の種類が異なり、同じ回路基板について交代で電子回路部品を供給する場合、部品を供給するテープ化部品120が上テープ化部品120から下テープ化部品120に替わるとき、上テープ化部品120が送り装置170により部品送り方向とは逆方向に送られ、キャリヤテープ122の前端が、下角パイプ340のカバー356の開口358より上流側に位置する位置へ後退させられ、キャリヤテープ122が下テープ化部品120の部品供給部362の上方に位置せず、部品供給部362からの部品の取出しが可能な状態とされる。空キャリヤテープ122は切断装置460により、ダクト450のフィーダ58側開口近傍で切断されており、キャリヤテープ122の上角パイプ270から下流側への突出長さは短く、退避に要する時間が短くて済む。また、テープ化部品120が1ピッチ送られる毎に切断が行われるため、上テープ化部品120の逆方向の送り量は毎回同じでよい。ただし、テープ化部品120が複数ピッチ送られる毎に切断が行われるようにすることも可能である。
上テープ化部品120が逆方向に送られるとき、カバーテープ送り駆動装置も逆方向に作動させられ、カバーテープ124が上テープ化部品120の逆方向の送りと同期して剥離方向とは逆方向に送られる。カバーテープ124は空キャリヤテープ122上に重なりつつ角パイプ270内へ引き込まれ、上テープ化部品120の逆方向の送りが許容される。
下テープ化部品120が所定数の部品132を供給したならば、上テープ化部品120は部品送り方向へ送られ、部品供給部330が部品供給位置に位置させられる。この際、カバーテープ送り駆動装置も作動させられ、カバーテープ124を上テープ化部品120の送りと同期して、キャリヤテープ122から剥がされる剥離方向へ送る。それにより、部品供給部330のエンボス130はカバーテープ124が剥がされた状態で部品供給位置に位置させられ、部品132を供給することができる。
部品132を供給するテープ化部品120の交代は、フィーダ58が部品132の供給を行わないときに行われる。本実施形態においては、フィーダ58に保持させる2本のテープ化部品120の各種類は、それら2本のテープ化部品120が続けて部品132を供給することがないように設定される。そのため、2本のテープ化部品120の一方による部品供給後、他方による部品供給までに時間があり、上テープ化部品120が退避させられ、あるいは部品供給部330が部品供給位置に位置させられる間、装着装置26が待たされることがない。また、2本のテープ化部品120による部品132の供給が済み、次の部品供給が、装着ヘッド60による部品132の回路基板への装着後に行われ、あるいは次の回路基板への部品装着のために行われるのであれば、部品装着中あるいは回路基板の搬出および搬入中にテープ化部品120の交代を行うことができる。いずれにしても、部品を供給するテープ化部品120の交代のために部品供給を中断しなくて済む。
2本のテープ化部品120が同種の場合、一方により部品が供給され、部品がなくなったならば、他方が替わって部品を供給し、2本のうちの1本がスペアの役割を果たす。部品残数が0になった場合、あるいは設定数以下になった場合に部品切れが生じたとすることができ、部品を供給するテープ化部品120が替えられる。部品切れの検出は、従来、よく知られており、説明を省略する。
上テープ化部品120から下テープ化部品120に交代させる場合には、キャリヤテープ122を下テープ化部品120の部品供給部362の上方から退避させることが必要である。退避は、2本のテープ化部品120が異種の場合と同様に、上テープ化部品120を逆方向に送ることにより行うこともできるが、上角パイプ270に残っている上テープ化部品120をダクト450内へ排出することによっても行うことができる。部品切れとなったテープ化部品120は、そのテープ化部品120を保持するフィーダ58においては以後、部品供給に使用されないため、ダクト450へ排出して支障がない。
テープ化部品120のダクト450への排出は、上テープ化部品120を部品供給時より高速で送り、慣性によって送り穴134を係合突部184から離脱させ、ダクト450へ送り込むことにより行われる。この際、カバーテープ送り駆動装置が作動させられ、カバーテープ124がキャリヤテープ122と同期して送られて剥がされ、キャリヤテープ122がダクト450に収容される。部品残数が0になっても、キャリヤテープ122はまだ、係合突部184に係合させられており、テープ化部品120を部品送り方向へ送ることも、逆方向へ送ることもできる。下テープ化部品120から上テープ化部品120への交代時には、上テープ化部品120の部品供給部330が部品供給位置へ送られる。
テープ化部品120に設定数以下の部品が残っている状態で部品切れとする場合、テープ化部品120を逆方向に送って退避させることが望ましい。残ったテープ化部品120を回収し、別のテープ化部品120に接続して使用することが容易であるからである。
部品132を供給するテープ化部品120が、フィーダ58による部品の供給が行われない時期に交代させられることは、2本のテープ化部品120の種類が異なる場合と同様である。同一のフィーダ58から複数個の部品が連続して取り出される場合、途中で部品切れが生じた際には、上テープ化部品120が退避させられ、あるいは部品供給部330が部品供給位置に位置させられる間、部品の取出しが中断される。部品残数が連続供給数より少なくなった状態で部品切れが生じたとすれば、供給中断を回避することが可能となる。
部品切れが発生すれば、部品補給が行われる。部品補給は、例えば、部品供給ユニット142,144の交換、あるいは現に部品供給ユニットに保持され、フィーダ58に保持されているテープ化部品120に新しいテープ化部品120を接続するスプライシングにより行われる。作業者は、部品切れが生じたテープ化部品120を保持する部品供給ユニット以外の部品供給ユニットによる部品供給中に部品供給ユニットの交換を行い、供給を中断することなく、部品補給が行われる。
部品供給ユニット142,144の交換時には、それらがフィーダ本体140に対して着脱される。上側の部品供給ユニット142の取外し時には、電磁石410のコイルへの通電が遮断され、上部品供給ユニット142のフィーダ本体140に対する固定が解除される。また、カバーテープ124をガイドローラ310,312から外し、作業者は部品供給ユニット142を持ち上げ、角パイプ270をスプロケット180から離脱させる。それと共に位置決め孔384から位置決め突部380が離脱させられ、上部品供給ユニット142を後退させ、フィーダ本体140から外す。
部品供給ユニット142の取付け時には、角パイプ270を水平な姿勢で前進させた後、降ろし、位置決め孔384に位置決め突部380を嵌合させた状態で電磁石410に通電させ、フィーダ本体140に固定する。部品供給ユニット142では、テープ化部品120は位置決め部材294により長手方向において位置決めされている。また、スプロケット180は、送り装置170の電動モータ190の制御により、部品供給ユニット142がフィーダ本体140に位置決めされ、固定された状態で、係合突部184が送り穴134に嵌合する位相に位置させられている。そのため、角パイプ270が位置決め装置370によって位置決めされるとき、スプロケット180は、開口286,切欠284を通って角パイプ270内に進入させられるとともに、係合突部184が送り穴134に係合させられ、テープ化部品120の送りが可能な状態が得られる。部品供給ユニット142の取付け時にはカバーテープ124はたるませられており、取付け後、作業者はカバーテープ124をガイドローラ310,312に掛ける。そして、カバーテープ送り駆動装置を作動させ、カバーテープ124を剥離方向に送って張力を付与させる。電磁石410のコイルへの通電,その遮断およびカバーテープ送り駆動装置の作動は、作業者が入力装置484を用いて装着制御コンピュータ440に作動指令を入力し、フィーダ制御コンピュータ430へ指令が送られることにより行われる。
下側の部品供給ユニット144のフィーダ本体140への取付け,取外しも同様に行われる。上角パイプ270と下角パイプ340との間には、下角パイプ340のスプロケット210,212からの離脱および上角パイプ270に対する前後方向の移動を許容する隙間が設けられており、作業者は、部品供給ユニット142がフィーダ本体140に取り付けられたままの状態で下角パイプ340を持ち上げて後退させ、あるいは前進させて降ろし、部品供給ユニット144のフィーダ本体140に対する着脱を行うことができる。部品供給ユニット142,144は、互いに干渉することなく、フィーダ本体140に個々に取付け,取外しすることができるのである。
部品切れが生じ、フィーダ本体140から取り外された部品供給ユニットについては、部品補給が行われる。部品補給は、例えば、スプライシングあるいは新しいテープ化部品120の装着により行われるが、装着モジュール10外で行われるため、作業が容易である。時間があれば、フィーダ本体140から外した部品供給ユニットについて部品補給を行い、フィーダ本体140に取り付けて戻してもよい。新しいテープ化部品120の装着は、テープ化部品120を角パイプに挿入して位置決め部材294に位置決めさせ、キャリヤテープ122から剥がしたカバーテープ124の先端部を送りギヤ314,316に挟ませてカバーテープ収容器168内に挿入した状態とすることにより行われる。
フィーダ保持台50に保持されたフィーダ本体140から取り外した部品供給ユニットについて、部品補給以外の作業、例えば、カバーテープ収容器168に溜まったカバーテープ124の取出しを行うこともできる。この作業も装着モジュール10外において容易に行うことができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、送り装置170を制御するフィーダ制御コンピュータ430が逆送り制御部を備えた送り制御装置を構成している。
なお、コネクタは2つのフィーダ制御コンピュータに共通に1つ設けてもよく、フィーダ制御コンピュータは、2つの部品供給ユニットについて共通に1つ、設けてもよい。
また、カバーテープ収容器を省略し、カバーテープ剥離装置によってキャリヤテープから剥がされたカバーテープを下方へ垂れ流すようにしてもよい。
さらに、部品供給ユニットは、テープ化部品案内部等、その構成要素がフィーダ本体に対して個々に着脱されるものとされてもよく、あるいは複数の構成要素の少なくとも1つがフィーダ本体に着脱不能に設けられ、作り付けられたものとされてもよい。
さらにまた、フィーダ本体に、テープ化部品案内部(例えば、角パイプ)が長手方向に移動させられることにより、少なくとも幅方向および高さ方向に位置決めされた状態で保持される保持部を設けてもよい。保持部は、例えば、まだ未公開であるが、本出願人の出願に係る特願2009−296461号の明細書に記載されているように、開口端にテープ化部品案内部の抜出しを阻止する一対のフランジ部を有する有底の溝を備え、テープ化部品案内部が長手方向に挿入されるものとされる。テープ化部品案内部のフィーダ本体への着脱に上げ降ろしが不要であり、2つのテープ化部品案内部の上下方向の間隔を短くすることが可能である。この場合、送り装置は、例えば、上記明細書に記載されているように、回動アームに保持され、回動アームの回動により、スプロケットがテープ化部品に係合する係合位置と、テープ化部品から離脱する離脱位置とに移動させられるものとされる。送り装置は、テープ化部品案内部を保持部に保持させる際には、離脱位置に位置させられ、保持後、係合位置へ移動させられ、スプロケットの係合突部がテープ化部品の送り穴に係合させられる。送り装置は、テープ化部品案内部の長手方向の移動を許容するとともに、係合突部が送り穴に係合,離脱させられるものとされるのである。
58:フィーダ 120:テープ化部品 170,172:送り装置 180:スプロケット 182:回転駆動装置 210,212:スプロケット 214:回動駆動装置

Claims (6)

  1. 長手形状を成し、長手方向に沿って部品収容凹部と送り穴とがそれぞれ一定のピッチで並べて形成されたキャリヤテープの前記部品収容凹部にそれぞれ電子回路部品が保持されて成るテープ化部品を送り方向に送って、前記複数の電子回路部品を順次供給するテープフィーダであって、
    フィーダ本体と、
    そのフィーダ本体に保持され、前記テープ化部品の第一のものである第一テープ化部品を長手方向に送る第一送り装置と、
    前記フィーダ本体に保持され、前記テープ化部品の第二のものである第二テープ化部品を、前記第一テープ化部品の下方において、かつ、平面視で前記部品収容凹部の少なくとも一部が前記第一テープ化部品と上下に重なり合う状態で送る第二送り装置と、
    それら第一送り装置と第二送り装置とを制御する送り制御装置と
    を含むことを特徴とするテープフィーダ。
  2. 前記送り制御装置が、前記第一送り装置に前記第一テープ化部品を逆方向に送らせる逆送り制御部を備えた請求項1に記載のテープフィーダ。
  3. 前記第一送り装置および前記第二送り装置が、それぞれ外周に前記送り穴に係合する複数の係合突部を備えた第一スプロケットおよび第二スプロケットと、前記第一,第二スプロケットをそれぞれ回転駆動する第一回転駆動装置および第二回転駆動装置とを含み、前記第一スプロケットと前記第二スプロケットとが、前記幅方向における位置を互いに異にして配設され、前記第一テープ化部品と前記第二テープ化部品とが、前記第一スプロケットと前記第二スプロケットとの位置の違いに相当する距離だけ幅方向にずれた状態で送られる請求項1または2に記載のテープフィーダ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のテープフィーダと、
    そのテープフィーダにより送られた前記第一テープ化部品の、電子回路部品が取り出された後の前記キャリヤテープを切断する切断装置と
    を含む部品供給装置。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載のテープフィーダを使用して電子回路部品を供給する方法であって、
    前記第一テープ化部品および前記第二テープ化部品として、互いに同じ種類の電子回路部品が前記キャリヤテープに保持されたものを使用し、一方のテープ化部品の電子回路部品がなくなった場合に、他方のテープ化部品の電子回路部品を供給することを特徴とする部品供給方法。
  6. 請求項2に記載のテープフィーダと、
    そのテープフィーダにより送られた前記第一テープ化部品の、電子回路部品が取り出された後の前記キャリヤテープを切断する切断装置と
    を含む部品供給装置を使用して電子回路部品を供給する方法であって、
    前記第一テープ化部品および前記第二テープ化部品として、互いに異なる種類の電子回路部品が前記キャリヤテープに保持されたものを使用し、前記第二テープ化部品の電子回路部品を供給する際には、前記第一テープ化部品を、前記第二テープ化部品の電子回路部品を供給する部分である第二部品供給部の上方に位置しない状態となるまで、前記第一送り装置に前記逆方向に送らせることを特徴とする部品供給方法。
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