JP4115547B2 - 可溶性フタロシアニン前駆物質を使用して高分子有機材料を内部着色する方法 - Google Patents
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Description
本発明は可溶性フタロシアニン前駆物質を用いて高分子有機材料を内部着色(colouration in the mass) する方法、いくつかの可溶性フタロシアニン前駆物質それ自体、高分子有機材料と可溶性フタロシアニン前駆物質とを含有する新規組成物、ならびに構造化色像(structured colour images)の作成方法およびこれらの使用に関する。
【0002】
フタロシアニン顔料は、青色および緑色の着色剤として、これまで長い間使用されてきた。フタロシアニン顔料は、すぐれた特性、特に高い光安定性を有する鮮明でかつ濃い色を与える。しかしながら、フタロシアニン顔料はいまだすべての点で満足すべきものとは言えない。たとえば、非常に微細な粒度の透明なフタロシアニン顔料を、高濃度で、ポリマー材料中に均質に配合することは困難である。これはレオロジー上の問題のためであるか、あるいはまた、有機溶剤に接触した時に所望されない結晶成長あるいは結晶型の変化が起こる可能性があるためである。
【0003】
フタロシアニン前駆体(これは時としてフタロシアニンプロ顔料あるいはロイコフタロシアニンとも呼ばれる)およびその前駆体のフタロシアニン顔料への変換は、F. Baumann等 [Angew. Chem. 68, 133-168(1956)および米国特許第2683643号明細書]ならびにC.J.Pedersen [ J. Org. Chem. 22, 127-132(1957),米国特許第2662895号明細書、米国特許第2662896号明細書、米国特許第2662897号明細書]に記載されている。しかしながら、これらの著者によって記載されている方法は、高分子有機材料を内部着色する方法を提供してはいない。なぜならば、顔料は被着色材料の表面において水溶液またはアルコール溶液として形成されるからである。
欧州特許第648770号明細書、欧州特許第648817号明細書および欧州特許第654711号明細書には、カルバメート基を含有する置換顔料前駆物質を用いて高分子有機材料を内部着色する方法が記載されている。しかしながら、この方法は反応性 -NH- 基または -NH2 基を含有している顔料にのみ適用されうるものであって、通常の工業用フタロシアニン顔料の場合はそのタイプの顔料に該当しない。
不溶性フタロシアニン顔料の代わりに、その可溶性染料誘導体、たとえば上記のごときカルバメートを使用することも可能である。しかし、かかる可溶性フタロシアニン染料誘導体を使用して得られる着色物は、マイグレーション抵抗性が低いこと、および特に光および熱に対する安定性が貧しいため、満足できるものではない。
【0004】
誠に驚くべきことながら、今回、ある種の特定の可溶性フタロシアニン前駆物質が高分子有機材料の内部着色のために格別に有用であり、マイグレーション、光および熱に対する安定性が優秀であり、かつまた、高濃度で使用された場合でも、また、粒度の小さい顔料であっても、優れた均質性を示すことが見いだされた。
【0005】
したがって、本発明は可溶性フタロシアニン前駆物質を用いて高分子有機材料を内部着色する方法に関し、そして本発明の方法においては、下記式(I)乃至(VII) からなる群より選択された可溶性フタロシアニン前駆物質
【化5】
【化6】
【化7】
[式中、
L1 とL2 とは互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオ、C1-C18アルキルアミノ、C2-C18ジアルキルアミノ、または、置換されていないかまたは1個または2個のC1-C12アルキル基によって置換された5員または6員のイミノ環(これはゼロまたは1個のさらに付加的窒素原子または酸素原子を含有している)であり、
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価またはそれよりも多い原子価を有する金属であり、
yは0乃至16の数であり、
各Zは互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノである]を高分子有機材料に添加し、そして、その体質内に式(I)乃至式(VII) のいずれかの化合物を含有している該高分子有機材料を、少なくとも130℃に加熱するか、または波長250乃至500nmの照射線に曝露し、しかして、実質的に水の不存在下において、式(I)乃至式(VII) のいずれかの化合物を、下記式(VIII)
【化8】
(式中、M、yおよびZは前記と同じ意味を有する)の化合物に変換する。
【0006】
さらに1つの窒素原子または酸素原子を含有することができる5員または6員のイミノ環は、好ましくは飽和されているN−結合複素環である。たとえば、モルホリノ、2、6−ジメチルモルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、イミダゾリジノ、N−メチル−イミダゾリジノ、ピペラジノまたはN−メチル−ピペラジノである。5員または6員環イミノ残基がC1-C12アルキルによって置換されている場合、そのアルキル置換分は直鎖C1-C6 アルキルが好ましく、n−プロピルが最も好ましい。5員または6員環イミノ残基がさらに1つの窒素原子を含有している場合には、この付加的窒素原子は直鎖C1-C6 アルキルによって置換されているのが好ましい。
【0007】
L1 とL2 とは好ましくはC2-C18ジアルキルアミノ、モルホリノ、ピロリジノ、または置換されていないかまたはC1-C12アルキルによって置換されたピペリジノである。最も好ましいのはC1-C12アルキルで置換されたピペリジノであり、とりわけ4−n−プロピル−ピペリジノが好ましい。
Mは、たとえばH2 、Li2、K2 、Na2、Mg 、Ca 、Ti 、V,Cr , Fe ,Co ,Ni, Cu ,Zn, Zr, Pd, Cd ,Sn ,Ce ,Hg ,Pb ,Bi であり、好ましくはH2 、Zn 、Cu 、Ni 、Fe ,Ti またはVであり、最も好ましくは、H2 、Zn またはCu である。
yは好ましくは0、4または8の数であり、最も好ましくは0である。
Zは好ましくはハロゲン、C1-C18アルキルまたはC1-C18アルコキシ、最も好ましくはハロゲンである。
ハロゲンは臭素、塩素、フッ素またはヨウ素であり、好ましいのは臭素および塩素であり、そして塩素が最も好ましい。
【0008】
C1-C18アルキルの例はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−アミル、tert−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシルであり、好ましくは直鎖C1-C6 アルキルたとえばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−アミルまたはヘキシルであり、最も好ましいのはメチルである。
C1-C18アルコキシは−O−C1-C18アルキルであり、C1-C18アルキルメルカプトは−S−C1-C18アルキルであり、C1-C18アルキルアミノは−NH−C1-C18アルキルである。C2-C18ジアルキルアミノは第三アミノ基を意味し、この場合には2個のアルキル置換分の炭素数が合算される。これらの場合にも、上記に例示したと同じアルキル基が好ましい。
【0009】
式(I)乃至(VII) の化合物を用いて着色されうる高分子有機材料を例示すれば以下のものである:
* ビニル化合物をベースとするポリマー、たとえばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−p−メチルスチレン、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ポリ−p−ヒドロキシフェニルスチレン、ポリアクリレートたとえばポリ(メチルアクリレート)およびポリ(アクリルアミド)、ポリメタクリレートたとえばポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルマレエート)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(メタクリロニトリル)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(メチルビニルエーテル)およびポリ(ブチルビニルエーテル)、ポリオレフィンたとえばポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリアルカジエンたとえばポリブタジエン、マレイミドおよび/または無水マレイン酸からつくられたポリマーたとえば無水マレイン酸とスチレンとからの共重合体、ならびにこれらの化合物の2種以上からの共重合体たとえばABSまたはポリ(塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール);
* ポリエステル類たとえば特にポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート;
* C1-C6 アルデヒドたとえばホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドと、単核または二核の、好ましくは単核のフェノール(これは場合によっては1個または2個のC1-C9 アルキル基、1個または2個のハロゲン原子、または1個のフェニル核によって置換されていてもよい)たとえばo−,m−またはp−クレゾール、キシレノール、p−tert−ブチルフェノール,o−,m−またはp−ノニルフェノール、p−クロロフェノールまたはp−フェニルフェノール、あるいは1個以上のフェノール基を有するものたとえばレソルシン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタンまたは2、2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとから誘導されるノボラック;
* バイオポリマーならびにそれらの誘導体、たとえばセルロース、スターチ、キチン、キトーサン、ゼラチン、ゼイン、セルロース誘導体たとえばエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートおよびセルロースブチラート;* 天然樹脂および合成樹脂たとえばゴム、ワックス、カゼイン、シリコン、シリコーン樹脂、尿素−ホルムアルデヒドおよびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリアミド/イミド、ポリスルホン、ポリエーテル類たとえばポリフェニレンオキシド、ポリブチラール、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアリーレン、ポリアリーレンスルフィド、エポキシ樹脂たとえばポリエポキシド。
上記した高分子有機材料は、単独または混合して使用することができ、そして硬質材料または可塑性材料、溶融物または紡糸液、ペイント系、コーティング材料または印刷インクの形態でありうる。
【0010】
本発明の特に重要な特徴は、式(I)乃至(VII) の可溶性フタロシアニン前駆物質が、それらが配合されているポリマー基質の内部において、式(VIII)の対応する不溶性フタロシアニン顔料へきわめて容易に変換されることである。
この変換は、熱処理または光分解処理のいずれかによって実施することができる。熱処理は、可溶性フタロシアニン前駆物質を含有している固体または可塑性材料、溶融物、溶液または分散液を、たとえば熱ガスまたは赤外線照射によって130乃至400℃の温度範囲、好ましくは160乃至250℃の温度範囲に加熱することによって行われる。光分解処理は、250乃至500nmの波長、好ましく300nmまたは450nm近辺の波長、最も好ましくは約300nmの波長(フタロシアニン前駆物質の主吸収帯)において光に曝露することによって行われる。熱源としての赤外線(IR)は800乃至10600nmの波長を有し、そして好ましくはレーザーから発射される。熱処理と光分解処理とを同時的に行うこともできるし、続けて組み合わせて行うこともできる。
【0011】
誠に驚くべきことながら、本発明の方法を満足的に実行するためには、付加的な含水無機化合物たとえば亜硫酸水素ナトリウムのごとき還元剤、塩酸のごとき酸、あるいは水酸化ナトリウムのごとき塩基は不必要である。さらに、ジアゾニウム塩のごとき感光性化合物も不必要である。このような反応性またはアルカリ性化合物は、顔料および/またはポリマーの耐久性を一般に損なう。したがって、本発明の方法は実質的に水の不存在下において行われる。好ましくは、本方法は、アルカリ性または130乃至400℃に加熱に加熱した時または250乃至500nmの光に曝露した時に式(I)乃至(VII) の前駆物質と、式(VIII)の顔料と、あるいは高分子有機材料と反応性である化合物を実質的に存在させないで行われる。最も好ましくは、レーザーからの赤外線照射によって加熱が実施される。
【0012】
基質中に配合された後、式(I)乃至(VII) の可溶性フタロシアニン前駆物質が式(VIII)の対応する不溶性フタロシアニン顔料に容易に変換されるので、高分子有機材料が130℃以上、好ましくは200℃以上、最も好ましくは200乃至220℃の温度において加工される場合には、別途の変換工程が不必要になる。この場合には、前駆物質は加工の時に変換され、製造プロセスの変更は回避される。このような変換は、たとえば高密度ポリエチレン顆粒の押出し加工の時、ポリカーボネートを射出成形によって加工する時、ポリプロピレンファイバーを溶融紡糸する時、ペイント、コイルコーティングまたは粉末コーティング組成物をキュアリングする時、さらには当技術分野において公知の多くの他の高温適用において起こるであろう。
【0013】
本方法は、水および水性溶剤に対して実質的に不透過性である高分子有機材料の内部着色に特に好適である。たとえばポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS、およびポリオレフィンたとえばポリエチレンおよびポリプロピレン、さらにはペイント系および粉末コーティング組成物を含む塗料などの内部着色に好適である。特に、繊維、インクジェットあるいは液晶表示用のカラー・フィルターの如く均質な着色が所望され、そして凝集が許容されないような用途において優れた好結果をもたらす。印刷後、バインダーの内部において前駆物質が顔料へ乾燥変換される利点の故に、本着色方法は印刷インクのためにも有利に使用することができる。
【0014】
したがって、本発明は、
(a)式(I)乃至(VII) の化合物からなる群より選択された可溶性フタロシアニン前駆物質と
(b)水および水性溶剤に対し実質的に不透過性である高分子有機材料とを含有しており、該可溶性フタロシアニン前駆物質(a)が該高分子有機材料(b)の体質内に配合されている組成物にも関する。
可溶性フタロシアニン前駆物質(a)は公知であり、そしてF. Baumann等によって記載された方法[Angew. Chem. 68, 133-168(1956)および米国特許第2683643号明細書]または C.J.Pedersen によって記載された方法[J.Org.Chem. 22,127-132(1957),米国特許第2662895号明細書、同第2662896号明細書および同第2662897号明細書]に従って製造することができる。新規な前駆物質も、同じ方法によって公知物質から製造することができる。得られた二置換ジヒドロフタロシアニンは、たとえば後記実施例8の化合物(IIIA)のごとき式(III)の化合物である。しかしながら、多くの場合、二置換ジヒドロフタロシアニンは正確に公知の構造を有するものではなく、式(1)乃至(VII) のうちの1つの化合物であることもあるし、それらの式の2つまたはそれ以上の化合物の混合物であることもある。
【0015】
さらに式(I)乃至(VII) のそれぞれは、存在しうる互変異性体のただ1つの形を表すものであり、基L1 およびL2 の導入および電子の非局在化の減少によって引き起こされるひずみは全く考慮されていない。このようなひずみは、分子の平面性および中心金属原子とその4個の隣接窒素原子との間の結合長に影響を与える[R.P. Linstead 等の論文、J. Chem. Soc. 1934, 1033-9(1934)も参照されたい]。したがって、式(I)乃至(VII) は、たとえば下記互変異性体の式(IXa) と(IXb) とのごとき幾何学または電子分布において僅かな相違のみを示す類似の構造式と等価であると考えられるべきである。
【化9】
【0016】
われわれは、置換基L1 、L2 およびZの種類ならびに反応条件によって、種々の程度で式(I)乃至(VII) のいくつかの化合物または他の化合物が形成されると考えている。かかる化合物は、たとえば酸または塩基触媒の存在下においてプロトン性溶剤中に溶解された時に、あるいは50℃乃至分解点の間の高められた温度に加熱された時に、異性化によって相互に変換されるであろう。しかしながら、このことは、本発明におけるそれらの使用に影響を及ぼすものではない。
【0017】
可溶性フタロシアニン前駆物質(a)は、着色されるべき高分子有機材料(b)を基準にして、0.01乃至70重量%の量で使用することができる。着色された材料が、たとえば物品製造のために射出成形用の顆粒のごとき形で最終的に使用されることが意図されている場合には、可溶性フタロシアニン前駆物質はトナーとして0.1乃至10重量%の量で使用するのが好ましい。
しかし、最終用途の要件によっては、可溶性フタロシアニン前駆物質(a)を、そのまま着色材として無色高分子有機材料に添加することのできるマスターバッチのごとき調合物の形で使用するのが好都合である。この場合、可溶性フタロシアニン前駆物質は、その調合物またはマスターバッチの高分子有機材料を基準にして、好ましくは5乃至70重量%の量で、最も好ましくは20乃至40重量%の量で使用される。
【0018】
高分子有機材料は、水および水性溶剤に対して実質的に不透過性である。すなわち、水および水性溶剤をほとんど吸収しない(たとえば≦3重量%)、そして水中において膨潤しない(たとえば、容積増加≦3重量%)ものである。この高分子有機材料の固有の性質は、その材料から製造される物品、たとえば実際上水不透過性ポリエチレンから製造される微孔性膜の透過性と混同されるべきではない。
上記下高分子有機材料の中で、このような実質的に水および水性溶剤に対して不透過性であるものの例は、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジェン、ABS、ポリエステルたとえばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、ノボラック、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテル例えばポリエチレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレン、ポリアリーレンスルフィド、エポキシ樹脂などである。
【0019】
フタロシアニン前駆物質(a)を使用したバルク高分子有機材料の内部着色は、ロールミル、混合装置、摩砕装置などを使用して、マスターバッチ中に、または最終用途基材中に可溶性フタロシアニン前駆物質を混入することにとって実施するのが適当である。このあと、着色された材料は、それ自体公知の方法によって、好ましくはカレンダー加工、モールディング、押出加工、コーティング、キャスティングまたは射出成形などによって所望の最終形状に加工される。非脆性成形品を製造するため、または成形品の脆性を低減するために、加工前に高分子有機材料に可塑剤を配合するのが多くの場合に好ましい。適当な可塑剤の代表例は、リン酸、フタル酸またはセバシン酸のエステルである。可塑剤は、可溶性フタロシアニン前駆物質をポリマー中に配合する前または後で配合することができる。異なる色を得るために、高分子有機材料に、可溶性フタロシアニン前駆物質のほかにさらに任意の量のフィラーまたは他の成分たとえば白色顔料、彩色顔料、黒色顔料、あるいは着色されたまたは無色のメタリック効果顔料または玉虫色効果顔料を加えることができる。
塗料系、コーティング材料および印刷インキを顔料着色するために、高分子有機材料と可溶性フタロシアニン前駆物質とを、通常の溶媒またはその混合物中に、所望によっては各種の助剤たとえばフィラー、他の顔料、乾燥剤、可塑剤または安定剤と共に、溶解または微分散させる。この作業は、他の成分と混合する前に、各成分それぞれを、またはいくつかの成分を一緒にして、溶媒中に溶解または分散するようにして行なうことができる。
【0020】
高分子有機材料および可溶性フタロシアニン前駆物質が、その中に溶解または分散される溶剤の例には以下のものがある:
エーテルたとえばテトラヒドロフランおよびジオキサン;グリコールエーテルたとえばエチレングリコール−メチルエーテル、エチレングリコール−エチルエーテル、ジエチレングリコール−モノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノエチルエーテル;非プロトン溶剤たとえばアセトニトリル、ベンゾニトリル、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ニトロベンゼン、N−メチルピロリドン;ハロゲン化脂肪族または芳香族炭化水素たとえばトリクロロメタン、置換されていないか、またはアルキル、アルコキシまたはハロゲンによって置換されたベンゼンたとえばトルエン、キシレン、アニソール、クロロベンゼン;および芳香族性N−複素環式化合物たとえばピリジン、ピコリン、キノリン;アルコールたとえばメタノール、エタノール、ジアセトンアルコール;カルボン酸エステルおよびラクトンたとえばプロピレンカーボネート、エチルアセテート、メチルプロピオナート、エチルベンゾエート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン;スルホキシドたとえばジメチルスルホキシド;スルホンたとえばジメチルスルホンおよびジエチルスルホン;ケトンたとえばジメチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサンなど。ポリビニルアルコールのような水溶性成分のためには水も使用できる。
水およびアルコールは、水不透過性高分子有機材料のための主溶剤とはなり得ない。しかしながら、痕跡量(たとえば≦2重量%)の水の存在は許容可能であり、かつまたアルコールは、ある種の重合体たとえばビニル重合体のために少量助溶剤として(たとえば≦10重量%)使用することができる。
【0021】
本発明の方法によって着色された高分子有機材料は、きわめて優れた予測外の高められた色学的特性を示す、たとえば、鮮明色、高い色濃度、高い透明性、かつまた優れた耐マイグレーション性、耐光性、耐候性を示す。各個のフタロシアニン顔料粒子は小さく、好ましくは≦1μm、最も好ましくは≦0.1μmであり、実質的に凝集せず、そして高分子有機材料を基準にして≧5重量%の高濃度においても重合体内部に非常に均質に分散される。好ましい実施態様においては、その長さが単一の粒子の平均長の三倍またはそれ以上になっている粒子として定義される凝集粒子の数は、フタロシアニン顔料粒子の総数の3%を超えない。式(I)乃至(VII) の可溶性フタロシアニン前駆物質の中で、L1 が置換されていないか、または1個または2個のC1-C12アルキル基によって置換されている5員または6員の、ゼロまたはさらに1個の窒素原子または酸素原子を含有しているイミノ環を意味するものは、L1 が置換されていないピペリジノでない限り新規化合物であり、また、MがZn 、Ti またはVを意味する式(I)乃至(VII) の可溶性フタロシアニン前駆物質も新規化合物である。したがって、本発明は、L1 が置換されていないか、または1個または2個のC1-C12アルキル基によって置換されている5員または6員の、ゼロまたはさらに1個の窒素原子または酸素原子を含有しているイミノ環を意味する、ただしL1 が置換されていないピペリジノは意味しない、およびMがZn 、Ti またはVである式(I)乃至(VII) の化合物からなる群より選択された可溶性フタロシアニン前駆物質をも発明の対象として含む。
【0022】
本発明はさらに構造化色像(structured colour images)を作成するための新規な組成物にも関する。
ポリマーパターンまたは画像層を作成する方法としては、フォトリソグラフィー、衝撃印刷たとえばスクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、非衝撃印刷たとえばインクジェット印刷、熱染料拡散転写、レーザーマーキング、電着などの各種方法が公知である。
これらのすべての作像方法および記録方法においては、実際の着色材料は、適当な樹脂、バインダー、ポリマーおよび添加剤と組み合わされた顔料および染料を含有している。
このような着色剤は、たとえば、日本公開公報第05050757号に開示されているように光メモリーの記録エレメントとして、欧州特許第535788号明細書に開示されているように熱記録メモリーの記録エレメントとして、あるいはまた,J. Photopolym. Sci. Technol. 3(1)9-16(1990) 所載のH.Aruga の論文、欧州特許第380223号明細書、Jpn. J. Appl. Phys.,30 / Part 1, 3313-17(1991)所載のK. Mizuno 等の論文および Solid State Technology, 11(1992) 15-18 所載のK. Kobayashiの論文に開示されているようにLCD(液晶ディスプレイ=liquid crystal display )のカラーフィルターのための着色材料として使用されている。また、ポリマーパターン層は、架橋後、たとえば欧州特許第008828号明細書に記載されているように、公知染料を使用した熱染料拡散転写によって着色することもできる。
【0023】
上記の文献によれば、顔料および染料は、顔料または染料、ポリマーまたはプレポリマーおよび場合によってはその他の添加剤を含有する組成物の形で使用され、記録またはカラーパターンの形成を行うための画像形成処理にかけられる。通常、その処理方法は、加熱または電磁線照射または両者の組み合わせによるプレポリマーの重合または構造化可能なポリマーの解重合と、それに続く、適当な現像剤を使用した、現像とを含む。また、別の方法として、顔料または染料を選択パターンの形に、たとえば非衝撃印刷によって、直接付与することもできる。一般に、染料は光、熱、溶剤および薬品に対する抵抗性が不十分であり、また他方、このような用途に顔料を使用した場合には、分散と分散安定性、透明性、吸収スペクトルまたは透過スペクトルのプロフィール鮮鋭度に関する問題および/または溶解性または拡散性の欠如の問題が生じる。カラーLCDのような臨界的系に染料または顔料を良好に配合するために望ましい多くの特性は、高品質用途のために要求される上記の如き特性と両立しない。このため、特開昭60−180889号公報に見られるように、不満足な妥協を余儀なくされる。すなわち、この公報に記載されている場合においては、低い光学的反射濃度と狭い色階調範囲という犠牲を払って安定性を獲得しており、そして全く使用できない顔料も多い。
【0024】
しかしながら、最近の画像形成ならびに記録の技術の進歩にともない、下記のような特性を有するパターンまたは画像形成のための組成物が要求されている:−高い透明性(すなわち、高い光透過性)、特にLCDのカラーフィルターのために、
−高いコントラスト比、
−高い色純度と色濃度、
−高いパターン分解能と画像精度、
−色(染料)の混ざり合いのないこと、
−着色剤/ポリマー混合物の精製の間にふるいの目詰まりがないこと、
−画像表面のなめらかさ、
−ピンホールがないこと、および画像層が汚染されないこと、
−高い記録正確度、
−画像エッジの高い尖鋭度、
−高い熱、薬品、光安定性、
−超薄膜性。
【0025】
欧州特許第654711号明細書に記載されている -NH- または -NH2 基において置換されている顔料誘導体を含有している組成物は、上記した問題の一部を解決している。しかしながら、通常の工業用フタロシアニン顔料は=N−基としてのみで窒素原子を含有しており、ジカーボネート、トリハロ酢酸エステルまたは類似の試薬と反応してウレタンになることはできない。したがって、欧州特許第654711号の開示に従っては、窒素原子を=N- の形でのみ保有しているフタロシアニンを含有する構造化カラー画像を得ることはできない。しかして、今回、式(I)乃至(VII) の可溶性フタロシアニン前駆物質が熱的手段または光分解的手段によって、驚くべきほど容易に、式(VIII)の不溶性ナノサイズの顔料粒子に変換されうること、ならびに該フタロシアニン前駆物質を含有する組成物が、従来技術による組成物よりもはるかに良く構造化カラー画像のための前記した要求条件を満足することが見いだされた。
しかも、式(I)乃至(VII) のフタロシアニン前駆体を含有する本組成物は、置換フタロシアニンを含有する欧州特許第654711号明細書開示の組成物と比較して、驚くほどに優れた特性を有し、温和な条件下においても、色の高い光安定性および熱安定性を有する構造化カラー画像を形成する。
【0026】
したがって、本発明は下記成分を含有する構造化色像を作成するための組成物をも発明の対象に含む:
(a’)式(I)乃至(VII) の化合物からなる群より選択された可溶性フタロシアニン前駆物質、および
(b’)熱を加えることによってまたは照射線の照射によって、架橋、重合または解重合によって構造化されうるポジレジスト型またはネガレジスト型の樹脂、ポリマーまたはプレポリマー。
本発明の実施においては、本組成物の成分(a’)として、式(I)乃至(VII) の化合物のうちの1つの化合物あるいは2つまたはそれ以上の化合物の組み合わせを使用することができる。
【0027】
本組成物の成分(b’)として、本発明に使用できるポジレジスト型またはネガレジスト型樹脂、ポリマーまたはプレポリマーは、たとえば下記に例示したような欧州特許第654711号明細書に記載されているものである。
【0028】
(b'1)ポジ型レジスト、たとえば下記のごときノボラックやジアゾナフトキノンのごときフェノール樹脂をベースとしたジアゾキノンレジスト;
【0029】
(b'2)ネガ型レジスト、たとえばジクロメート化−ゼラチン、−スターチ、−ポリ(ビニルアルコール)、−ポリ(ビニルピロリドン)、−ポリ(ビニルブチラール)および−ポリ(アミド酸)(PAA)のごときジクロメート化されたポリマー;
側鎖に架橋基を有するポリマー、たとえば(ビニルシンナメート)、ポリ(ビニルシンナミリデンアセテート)、カルコンまたはフェニレンジアクリレートが結合しているポリ(ビニルアルコール)、p−フェニレンジアクリル酸(PPDA)とグリコールとのポリエステル、およびスチリルピリジンをベースとしたポリエステル;
水処理可能なレジスト、たとえばスチレン−無水マレイン酸共重合体、フェノール第四ピリジウム塩;重合体スチリルキノリウム塩;
側鎖としてジメチルマレインイミドを有するアクリル共重合体;
側鎖としてジフェニルシクロプロパンを有する置換ポリ(ビニルアルコール);二官能性アシルシランが付加したポリ(ビニルアルコール)およびポリ(ビニルピリジン);
ポリ(ビニルフェノール)とモノ−アジドとをベースとしたアジドレジスト;
ポリ(cis-イソプレン)とビス−アジドとをベースとしたビス−アジドレジスト、たとえば、
2、6−ビス(4−アジドベンザル)-4- メチルシクロヘキサノン(ABC)、4、4’−ジアジドスチルベン、
4、4’−ジアジドベンゾフェノン、
4、4’−ジアジドベンザルアセトン;
ポリ(アクリルアミド)またはポリ(ビニルピロリドン)と水溶性ビス−アジドとをベースとした水処理可能なアジドレジスト;アジド基を有するポリマ−;
ビニルベンゾフェノンと4−ジメチルアミノスチレンとの光架橋性共重合体;
光反応性ポリイミドおよびジアゾ樹脂;
【0030】
(b'3)下記のものを含有する感光性樹脂;
アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよびスチレンのごときモノマー;
1,6−ヘキサジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、N、N’−メチレンビス(アクリルアミド)、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレートおよびペンタエリトリトールテトラアクリレートのごとき架橋剤;
使用されるモノマーの重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン、ポリカーボネート、セルロース誘導体のごときバインダー;
親油性シリカおよびクレイのごときフィラー;
ベンゾイン誘導体、アントラキノンと水素供与体、ベンゾフェノンとアミンのごとき開始剤;
p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ナフトールのごとき安定剤;
特に反応性バインダーを含有するもの、たとえばマレイン酸またはフマル酸をグリコールと縮合して得られる不飽和ポリマー、ビスフェノールAをベースとした多官能性アクリレート、およびその他の多官能性プレポリマー;
【0031】
(b'4)ポジ型深紫外線レジスト、たとえばノボラックとジアゾピラゾリジンジオン、ジアゾテトラミン酸、ジアゾピペリジンジオンおよびジアゾ−メルドルム酸(diazo-Meldrum's acid) とをベースとした変性ジアゾキノンレジスト;
o−ニトロベンジルエステルをベースとしたレジスト;
m−ポリ(ニトロアニリド);
ポリ(p−アセトキシスチレン);
o−ニトロベンジル置換ポリエーテル;
ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)誘導体、たとえば3−オキシミノ−2−ブタノンメタクリレート(OMMA)−MMA共重合体、OMMA−メタクリロニトリル−MMAターポリマー、MMA−インデノン共重合体;
ポリ(メチルイソプロピルケトン)(PMIPK);
その基本骨格にトリフェニルカルボニウムイオンを含有するポリマー;
ポリカーボネート;
ポリ(tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン)、好ましくはオニウム塩酸発生体を含む;
カーボネートとオニウム塩とを含むノボラック、またはナフタレン−2−カルボン酸−tert−ブチルエステルを含むノボラック;
フタルアルデヒドとo−ニトロベンゾアルデヒドとの共重合体;
【0032】
(b'5)下記のものを例とするネガ型深紫外線レジスト
4、4’−ジアジドジフェニルスルフィドを含有するビスアジド環化ゴム組成物、
3、3’−ジアジドジフェニルスルホンを含有するビスアジド−ポリ(ビニルフェノール)組成物、
3、3’−ジアジドジフェニルスルホンを含有するビスアジド−ポリ(メチルメタクリレート)組成物、
オニウム塩またはn−ヘキシルオキシジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートを含むエポキシド;
【0033】
(b'6)下記のものを例とするポジ型電子線レジスト
PMMA誘導体、たとえばポリ(ペルフルオロブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサフルオロメタクリレート)および特にポリ(2、2、2−トリフルオロエチル−α−クロロアクリレート);
ポリ(オルト置換2−フェニルエチルメタクリレート);
MMAとメタクリル酸、アクリロニトリルまたは無水メタクリル酸との共重合体;
MMAとメタクリル酸と無水メタクリル酸とのターポリマー;
ポリ(オレフィンスルホン)たとえばポリ(ブテンスルホン);
ポリ(オレフィンスルホン)、たとえばポリ(2−メチルペンテン−1−スルホン)(PMPS)を含むノボラック;
ポリ(p−tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン);
ポリスチレン−テトラチオフルバレン;
【0034】
(b'7)下記のものを例とするネガ型電子線レジスト
エポキシ化ポリブタジェン、ポリ(グリシジルメタクリレート)(PGMA)、グリシジルメタクリレートとエチルアクリレートとの共重合体(COP);
アリルメタクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合体;
プロパルギルメタクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合体;
ポリスチレンをベースとしたレジスト、たとえばヨウ素化ポリスチレンおよびポリ(クロロメチルスチレン);
ポリ(クロロメチルスチレン−コ−2−ビニルナフタレン);
ポリ(ビニルナフタレン);
ヨウ素メチルによって四級化されたポリ(ビニルピリジン);
ジアゾキノン−ノボラックフォトレジスト;
ω−トリコサン酸、ω−トリコシン酸、o−オクタデシルアクリル酸のLangmuir-Blodgett フィルム;
【0035】
(b'8)ポジ型X線レジスト、たとえば HPR-204(商標)( Olin-Hunt );
【0036】
(b'9)ネガ型X線レジスト、たとえば
ポリ(2、3−ジクロロ−1−プロピルアクリレート)(DCPA);
ポリ(クロロ−メチルスチレン)(PCMS);
塩素化ポリ(メチルスチレン)(CPMS);
アリルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートまたはグリシジルメタクリレートとの共重合体;
【0037】
(b'10 )化学効果性または熱効果性ポリマー、たとえばメラミン架橋剤を含むノボラックまたはポリ−p−ヒドロキシスチレン、この系は酸触媒の存在下において加熱されると架橋する;
p−ヒドロキシスチレンとp−ヒドロキシメチルスチレンとの共重合体、これは酸の存在下において架橋する;
アミンの存在下において架橋するCOP樹脂;
ビス−エポキシドの存在下において光照射されると架橋する潜在ポリアミン;
適当な硬化剤、たとえばポリアミン、ノボラック、ポリアミノアミド、無水ポリカルボン酸の存在下において架橋する下記のごときエポキシ樹脂:
グリシジル化クレゾールノボラック、
ビスフェノールAグリシジルエーテル、
ヒダントイン−N、N’−ビスグリシド、
プロピレン−1、3−ヒダントイン−2−ヒドロキシトリグリシド、
p−アミノフェノールトリグリシド、
ジアミノジフェニルメタンテトラグリシド、
ビニルシクロヘキサンジオキシド、
3、4−エポキシシクロヘキシルメチル−3、4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、およびこれらの混合物;
ポリ(ビニル安息香酸)のエステル、これは触媒量の酸の存在下において加熱されるとポリ(ビニル安息香酸)になる;
ブロックポリ−p−ヒドロキシスチレン、これは触媒量の酸の存在下において加熱されるとポリ−p−ヒドロキシスチレンになる;
ポリアクリレートのエステルまたはポリメタクリレートのエステル、これは触媒量の酸の存在下において加熱されるとポリアクリル酸またはポリメタクリル酸に変る;
加熱されると解重合するポリカーボネート;
メタクリル酸−メチルメタクリレート共重合体と塩化メタクリロイル−メチルメタクリレート共重合体との混合物、これは加熱により架橋する;
【0038】
(b'11 )ポジ型イオンビームレジスト、たとえば
ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリ(メチルビニルケトン)、
ポリ(tert−ブチルメタクリレート)、
ポリ(ブテンスルホン);
【0039】
(b'12 )ネガ型イオンビームレジスト、たとえば
ポリ(ビニルアセテート)、
ポリ(メチルシンナメート)、
ポリ(メチルシロキサン)、
ポリ(グリシジルメタクリレート−コ−エチルアクリレート)、
ポリスチレン、
ポリ(4−クロロスチレン)、
ポリ(4−ブロモスチレン)、およびノボラック;
【0040】
(b'13 )ケイ素含有ポジ型レジスト、たとえば
ポリ(ジメチルシロキサン)、
ポリ(フェニルメチルシロキサン)、
シロキサン置換プロピルメタクリレート;
【0041】
(b’14)ケイ素含有ネガ型レジスト、たとえば
トリメチルシリルメチルスチレンとクロロスチレンとの共重合体、
クロロメチル化ポリ(ジフェニルシロキサン)、
臭素化ポリ(1−トリメチルシリルプロピレン)、
ポリ(トリアリルフェニルシラン)と2、6−ビス(4’−アジドベンザル)−メチルシクロヘキサノンとの組み合わせ、
ポリ(トリメチルシリルスチレン)と1、2、4−トリクロロベンゼンおよび3、3’−ジアジドジフェニルスルホンとの組み合わせ。
本発明の組成物の成分(b’)として好ましいものは、(b'1)のポジ型レジスト、(b’2)のネガ型レジスト、(b’3)の感光性樹脂、(b’4)のポジ型深紫外線レジスト、(b’5)のネガ型深紫外線レジストおよび(b’10) の化学および熱効果性ポリマーである。
特に好ましいのは以下に列挙するものである。
ジアゾキノンレジスト;
ジクロメート化ポリマー、たとえばジクロメート化−ゼラチン、 -スターチ、- ポリ(ビニルアルコール)、- ポリ(ビニルピロリドン)、- ポリ(ビニルブチラール)および- ポリ(アミド酸);
側鎖に架橋基を有するポリマー、たとえばポリ(ビニルシンナメート)、ポリ(ビニルシンナミリデンアセテート)、カルコンまたはフェニレンジアクリレートが結合されているポリ(ビニルアルコール)、p−フェニレンジアクリル酸(PPDA)とグリコールとのポリエステル;
ポリ(cis-イソプレン)とビス−アジドとをベースとしたビスアジドレジスト、たとえば2、6−ビス−(4−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン(ABC)、4、4’−ジアジドスチルベン、4、4’−ジアジドベンゾフェノン、4、4’−ジアジドベンゾラクトン;
水処理可能アジドレジスト;
反応性バインダーを含有するフォトポリマー、このバインダーは、たとえばマレイン酸またはフマル酸とグリコールとの縮合によって得られた不飽和ポリマー、多官能性アクリレートおよび多官能性プレポリマーである;
ポリ(tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン)にオニウム塩酸発生体を加えたもの;
4,4’−ジアジドジフェニルスルフィドを含有するビス−アジド環化ゴム組成物および3,3’−ジアジドジフェニルスルフォンを含有するビス−アジドポリ(ビニルフェノール)組成物;
酸触媒を添加したノボラックとメラミン架橋剤またはポリ(p−ヒドロキシスチレン)との組み合わせ、触媒量の酸の存在下において加熱することによって脱離される脱離基を有するポリ(ビニル安息香酸)、ポリ(アクリル酸)またはポリ(メタクリル酸)のエステル;およびブロックポリ−p−ヒドロキシスチレン。
本発明の組成物の成分(b’)として適当な上記に例示した物質は当技術分野で公知であり、そして、たとえばA.Reiserの”Photoreactive Polymers”,JohnWiley & Sons, 1989年、に記載されている。
【0042】
本組成物がさらに触媒を含有していれば、ポリマー構造化および顔料形成が促進される。したがって、上記組成物は、レジスト型樹脂(b’)を構造化するポジまたはネガポリマーのための触媒(c’)をさらに付加的に、含有しているのが好ましい。触媒(c’)は好ましくは酸、塩基、または電磁放射線の特定波長を吸収する、特にIRまたはNIR(近赤外線、800乃至2500nm)領域の波長を選択的に吸収する化合物、および特に潜在酸または塩基である。
このような潜在酸または塩基の例は、たとえば化学線照射下において酸を形成しうるもの、たとえばジアゾニウム塩、スルホニウム塩、スルホキソニウム塩、ヨードニウム塩のごときオニウム塩、または化学線照射下において塩基を形成しうるものである。特に好ましいのは、欧州特許第654711号明細書に記載されているような潜在酸または塩基である。
【0043】
特に適当なスルホニウム塩の例は、以下のものである。
トリフェニルスルホニウムブロマイド、
トリフェニルスルホニウムクロライド、
トリフェニルスルホニウムヨージド、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセナート、
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、
ジフェニルエチルスルホニウムクロライド、
フェナシルジメチルスルホニウムクロライド、
フェナシルテトラヒドロチオフェニウムクロライド、
4−ニトロフェナシルテトラヒドロチオフェニウムクロライド、
4−ヒドロキシ−2−メチルフェニルヘキサヒドロチオピリリウムクロライド。
ヨードニウム塩の例は、英国特許第1539192号明細書に記載されている。
【0044】
本発明において使用するのに適当な潜在酸としては、さらに化学線照射下においてスルホン酸を発生する化合物も適当である。こような化合物は、たとえば欧州特許第166682号明細書、欧州特許第085024号明細書ならびにそれらの中に引用されている文献に記載されている。化学線照射下においてスルホン酸を発生する特に好ましい化合物は以下のものである。
フェナシル−p−メチルベンゼンスルホナート、
ベンゾイン−p−トルエンスルホナート、
3−(p−トルエンスルホニルオキシ)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−1−フェニル−1−プロパン−(α−(p−トルエンスルホニルオキシ)メチルベンゾイン)、
N−(p−ドデシルベンゼンスルホニルオキシ)−1、8−ナフタルイミド、
N−(フェニルスルホニルオキシ)−1、8−ナフタルイミド。
【0045】
潜在酸として使用するのに適当な化合物をさらに示せば以下のものである。
o−ニトロ安息香酸に変換されるo−ニトロベンズアルデヒド、たとえば1−ニトロベンズアルデヒドおよび2、6−ジニトロベンズアルデヒド;
α−ハロゲンアセトフェノン、たとえばα、α、α−トリクロロアセトフェノンおよびp−tert−ブチル−α、α、α−トリクロロアセトフェノン;
o−ヒドロキシアセトフェノンのスルホン酸エステル、たとえば2−ヒドロキシベンゾフェノンメタンスルホナートおよび2、4−ヒドロキシベンゾフェノン−ビス−(メタンスルホナート)。
【0046】
欧州特許第318649号明細書に記載されているような、芳香族結合された塩素または臭素を含有する化合物も潜在酸として適当である。この種の化合物を例示すれば下記のものである。
ヘキサフルオロテトラブロモ−ビスフェノールA、
1、1、1−トリス−(3、5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、N−(2、4、6−トリブロモフェニル)−N’−(p−トルエンスルホニル)尿素。
本組成物の好ましい触媒(c’)は潜在酸、特に好ましくはスルホニウム塩である。
最も好ましいものは、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートおよび下記式
【化10】
および
【化11】
の化合物、特にトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートである。
【0047】
本発明による構造化カラー画像形成のための組成物は、一般に成分(a’)および(b’)、さらに場合によっては(c’)を加えて混合することによって簡単に製造することができる。
成分(a’)は、再生される顔料粒子の色に応じて選択される。
成分(b’)のポジ型またはネガ型レジン、ポリマーまたはプレポリマーは、次のものを考慮して選択されねばならない。すなわち、所望されるカラー画像の種類、すなわちポジ画像であるかネガ画像であるか、および組成物に加えられる処理の種類、すなわち直接加熱、電磁線照射たとえば紫外線、可視光線、赤外線(たとえばレーザーから発射)、またはX線の照射、または電子または中性子のごとき粒子投射、あるいはこれらの処理の組み合わせにより選択される。
たとえば、可視光線の照射によってポジ画像を得たい場合には、分類(b'1) に記載したポジ型レジストの1つが選択される。また、X線照射によってネガ画像を得たい場合には、分類(b'9)に記載したネガ型X線レジストの1つが選択される。レーザー照射によってネガ画像を得たい場合には、分類(b'10)の化学または熱効果性ポリマーのグループに含まれている熱硬化性ポリマーの1つ、たとえばメタクリ酸−メチルメタクリレート共重合体と塩化メタクリロイル−メチルメタクリレートとの混合物が選択される。この最後のケースの場合には、光エネルギーを熱エネルギーに効果的に変換するために、入射レーザー光線の波長に吸収をもつ化合物をそのポリマーに添加するのが好ましい。加熱と電磁線照射との組み合わせによってネガ画像を得たい場合には、分類(b'10)に記載されているメラミン架橋剤を加えたポリ−p−ヒドロキシスチレンを含有する系が選択される。他の樹脂、ポリマーまたはプレポリマーの選択も同様にしてなされるべきである。
【0048】
成分(c')が添加されない場合には、成分(a')と成分(b')とは、重量で0.01:99.99乃至80:20の比で混合される。好ましくは重量比は1:99乃乃至70:30、より好ましくは5:95乃至60:40、最も好ましくは重量比は10:90乃至50:50である。
成分(c')が添加される場合には、成分(a' ) :( b' ):(c' )の混合比は、重量ベースで、0.01:99.98:0.01乃至75:5:20となるように、好ましくは1.00:98.90:0.10乃至70:15:15、より好ましくは5:94:1乃至60:30:10、最も好ましくは、10:88:2乃至50:42:8になるように選択される。
本組成物は、成分(c’)を含有するのが好ましい。
【0049】
上記により製造された組成物は、適当な基質上に容易に塗布できるようにするために、溶剤によって希釈するのが好ましい。適用な溶剤は前記に例示したものと同じ溶剤である。
本発明の組成物は、好ましくは上記した溶剤の1つまたは混合物によって、溶液を基準にして、固形分が1乃至90重量%、好ましくは5乃至80重量%、より好ましくは10乃至70重量%、最も好ましくは20乃至60重量%となるように希釈される。
本発明の組成物を含有する上記により製造された溶液は、一般に適当な基質の上に塗布され、電磁線照射たとえば可視光線、紫外線、レーザー光線またはX線の照射または電子投射または中性子投射および/または加熱を受け、そして場合によっては、適当な現像剤を使用して現像処理される。
本組成物は記録および画像技術における使用、たとえば光学的または熱的カラー記録、カラープルーフィング、カラーコピーおよび特にLCD用カラーフィルターの製造に適している。
【0050】
本願のいま1つの特徴は、可溶性前駆物質から局所的に再生された不溶性顔料によってパターンまたは画像層が、着色されたパターンまたは画像を作成する方法を提供することである。その方法は、下記の工程を包含する:
(1)成分(a’),(b’)および場合によっては(c’)を含む組成物を使用して、式(I)乃至(VII) の化合物からなる群より選択された可溶性フタロシアニン前駆物質を含有するポリマー層を形成し、そして
(2)熱的または光分解的処理によって、上記可溶性前駆物質から顔料を局所的に再生する。
上記方法の工程(1)において使用される組成物は、前記において説明されている。上記の方法の工程(1)において形成されるポリマー層は基質の全表面をカバーする層、あるいはまた基質のある領域のみをカバーする層であることができ、そのポリマー層は画像対応的またはパターン対応的に付与されうる。
工程(2)において顔料を再生するための1つの有利な方法は、レーザーマーキングによる方法である。
【0051】
ポリマーパターンまたは画像層を形成するための方法としては、フォトリソグラフィー、衝撃印刷たとえばスクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷およびオフセット印刷、非衝撃印刷たとえばインクジェット印刷、サーマル染料拡散転写、レーザーマーキング、電着などの各種の方法が公知である。
フォトリソグラフィーの場合には、本組成物は適当な基質の全面にわたって、公知の方法たとえばスピンコーティング、スプレー、浸漬コーティング等の手段によって塗布され、そして次に電磁線照射たとえば紫外線、可視光線、X線の照射、あるいは電子線、中性子線などの粒子の投射、および必要な場合には加熱がなされる。
【0052】
使用される照射線の種類は、本組成物に含有されている成分(b’)の樹脂、ポリマーまたはプレポリマーの種類に応じて選択される。
成分(b’)の樹脂、ポリマーまたはプレポリマーがポジ型またはネガ型レジストである場合には、紫外光線または可視光線が使用される。成分(b’)の樹脂、ポリマーまたはプレポリマーがポジ型またはネガ型UVレジストである場合には、UV光線が使用される。
成分(b’)の樹脂、ポリマーまたはプレポリマーがポジ型またはネガ型X線レジストである場合には、X線が使用される。成分(b’)の樹脂、ポリマーまたはプレポリマーがポジ型またはネガ型電子線レジストである場合には、電子線または中性子線が使用される。また、成分(b’)の樹脂、ポリマーまたはプレポリマーが光重合可能な系である場合には、紫外線または可視光線が使用される。
上記の照射は通常使用されているパワーおよび照射線量で実施されそして必要な場合には加熱が追加される。
【0053】
赤外線、紫外線、可視光線またはX線のごとき電磁線の照射、または電子ビームまたは中性子ビームのごとき粒子ビームの投射は、所望の構造化カラー画像を得るように適当なマスクまたはパターンを介して実施される。このようなマスクまたはパターンの詳細は、たとえばA.Reiserの"Photoreactive Poymers" ,ニューヨークのJohn Wiley & Sons, 1989 年出版、に記載されている。
紫外線源または可視光源としてレーザーが使用される場合には、マスクは不必要である。なぜならば、パターン形成はレーザー光を走査することによって達成されるからである〔直接書込法(Direct Overwrite Technique)〕。
衝撃印刷およびインクジェット印刷においては、スクリーン転写、フレキソ転写、オフセット転写、グラビア転写またはインク噴射によって、上記組成物が基質に転移され、続いて照射が行われる。照射線の選択の判断基準は上記と同じである。これらの方法においては、マスクやパターンは必要ではない。なぜならば、予め定められたパターンに従って、組成物が基質上に転移されるからである。必要な場合には、照射後に熱が加えられる。
フレキソ印刷、グラビア印刷およびオフセット印刷の場合には、硬化後に組成物を転写することも可能である。この方法においては、転写前にブランケット等の上の組成物が上記のごとく照射を受け、そして次に基質へ転写される。この方法においては組成物が硬化されるので、シャープな画像エッジを有するポリマーパターンまたは画像が得られる。硬化された組成物が容易に転写されうるように、接着性ポリマーで基質をコーティングするのが好ましい。
電着の場合には、基板の表面に形成されたパターンITO(インジウム−スズ−酸化物)電極の面に電気泳動またはミセル析出によって上記組成物が転写され、続いて上記のごとく照射が行われる。照射線源の選択は上記と同様に行われる。必要により照射後に加熱する。
【0054】
工程(2)は、上記により形成されたポリマーパターンまたは画像層に熱を直接加えること、あるいは紫外線、可視光線または赤外線の、たとえばレーザーからの照射、またはX線の照射によって、あるいは電子や中性子のごとき粒子の投射、あるいはこれら処置の組み合わせによって実施される。好ましくは、この工程(2)においてはレーザー照射が使用され、最も好ましいコンピュータ支援レーザーマーキングが可能となる。
【0055】
この目的のためには、工程(1)において、基質をスピンコーティング、浸漬コーティングまたはスプレーコーティング等を使用して上記組成物でコーティングし、このあと紫外線、可視光線、赤外線、電子線、中性子線またはX線の照射を、マスクまたはパターンを使用しないで実施し、しかして組成物に含有されている樹脂、ポリマーまたはプレポリマーを均質に硬化させ、この後、上記レーザーを使用して工程(2)を実施する。適当な照射線の選択は上記と同様である。必要により照射後に加熱する。
本組成物に含有されている成分(b’)の樹脂、ポリマーまたはプレポリマーが熱硬化性である場合には、基質上のパターン形成と前駆物質からの顔料の局所的再生を、たとえばNIRレーザーを使用して同時に行うことが可能である。
レーザー量子エネルギーが熱エネルギーに有効に変換するように、上記組成物に近NIR吸収剤を含有させるのが好ましい。
適当な現像工程を追加することもできる。この場合には、公知常用の現像剤と現像方法とが使用される。この実施態様は、たとえばLCD用カラーフィルターの製造のために適用することができる。
工程(2)において、電磁線または粒子ビームの照射、あるいは加熱を施した時に、ナノメータサイズの顔料粒子がその場で生成され、これに伴いドラスチックな色の変化が起こる。したがって、0.5μmの解像度を有する顔料に基づく構造化カラー画像の形成が可能である。
【0056】
上記した方法は広い応用範囲をもち、したがって光学的および熱的印刷および記録、ならびにLCD用カラーフィルターまたはその類似物の製造のために適用することができる。これにより得られる画像およびカラーフィルターは、高い透明度、高いコントラスト比、高い色純度および濃度、高いパターン解像度および画像精度、(染料)色の混ざりがないこと、さらには顔料/ポリマー混合物の精製の間のふるいの詰まりがないこと、画像面が平滑であること、高い記録精度、画像エッジの高い鮮鋭度、熱、薬品および光に対する高い安定性などの特性を有しており、また超薄膜フィルムの製造が容易である。
上記の組成物および方法は、欧州特許第654711号明細書に記載されているようなLCD用の三色法カラーフィルターの製造に適当である。本組成物は、グリーンおよびブルーの色領域のために非常に有利に使用することができ、そして黄色顔料および赤色顔料を生成する従来技術の顔料前駆体と組み合わせて使用することができる。
【0057】
特定の用途においては、所望の画像形成を行うために、本組成物の上記した成分(b’)を使用することが必要でなくなる場合がある。このような場合には、任意適当な種類の公知の高分子有機バインダー材料を成分(b”)として使用でき、このバインダー材料が、着色パターンまたは画像が、その上に形成される基質に成分(a’)である可溶性顔料前駆物質を十分に固定する役割を果たす。
【0058】
したがって、本発明は下記成分を含有する構造化色像作成のための組成物をも包含する:
(a’)式(I)乃至(VII) の化合物からなる群より選択された可溶性フタロシアニン前駆物質、および
(b”)高分子バインダー材料。
好ましいバインダー材料(b”)は、ビニル化合物をベースとした重合体、ノボラック、バイオポリマー、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリブチラール、およびこれらの混合物である。
可溶性顔料前駆物質成分(a’),高分子有機バインダー材料(b”)、および場合によっては成分(c’)を含有するポリマー層を形成する工程(1)を実施するためには、2つの異なる方法がある。1つの方法は、たとえば所望の全成分を含有している組成物を使用する方法である。いま1つの方法は、顔料前駆物質(a’)を含有していないレシーバー層(受容層)を作成し、この上に後から、たとえば顔料前駆物質(a’)を含有するインクをインク噴射することによって、あるいは好ましくは顔料前駆物質(a’)を含有するドナー物質(供与材料)からのサーマル染料拡散転写によって、顔料前駆物質(a’)を付与する方法である。
【0059】
科学者は、まだサーマル染料拡散転写という技術用語に同意していないか、あるいはこの言葉を不適切に使用しているが、銀化合物(熱現像を含むこともできる現在の写真術)あるいは発色剤(たとえばラクトン、これはレシーバー内に反応性パートナー、通常は酸またはフェノールを必要とする)の使用を含む、媒染剤や化学反応性に依拠する技術と、サーマル染料拡散転写(thermal dye diffusion transfer)とを混同してはならない。この技術についての記載は、たとえば、下記ならびに他の多くの文献に見られる:
Spec. Publ.-R.Soc. Chem. 133/pp. 73-85(1993)、
Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. 1912 / pp.252-260(1993)、
日本写真学会誌 55(6) /pp.456-464(1992)、
Journal of Imaging Technology 16(6) / pp.238ff(1990)。
サーマル染料拡散転写の原理は以下の通りである。すなわち、染料を含有する薄いドナーシート(通常、厚さ1乃至10μm)をレシーバー材料と接触させ、次いで選択された目標領域へ所望量の染料が転移されるように熱を発生させる。これは広い領域を単に加熱することによって実施可能であるが、通常はドナーの裏面を横断移動する電子的に制御されたサーマルアレイヘッドが使用される。別の方法として、スクリーンを介した高濃度光フラッシュ(欧州特許第391303号明細書、欧州特許第529362号明細書)、あるいはレーザー源(Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. 1912 p.261 ff.[1993])が使用できる。好ましくはドナー上に合焦されたレーザービームがエネルギー源として使用される。この場合には、ドナー層は、好ましくは光を熱に変換するIR染料を含有する。レーザーは好ましくはIRレーザー(欧州特許第529561号明細書の場合)であり、非常に高い解像度が得られる。
このように、サーマル染料拡散転写は、総体的に電子制御下において行われる完全な乾式プロセスであり、所望の、たとえば電子写真プリントアウト、カラープルーフィングおよび特にLCD用カラーフィルターのために必要とされるような、モザイク様ピクセルパターンの連続またはフルトーン画像を得ることができる。
【0060】
本発明における可溶性顔料前駆物質は、サーマル染料拡散転写に使用することができる。
したがって、本発明のいま1つの主題は、下記工程を包含する着色パターンまたは画像の作成方法である。
(1)式(I)乃至(VII) の化合物からなる群より選択された可溶性フタロシアニン前駆物質、高分子有機バインダー材料(b”)および場合によっては(c’)を含有するポリマー層を形成し、そして
(2)熱的または光分解的処理によって、上記可溶性前駆物質から顔料を局所的に再生する、
ここにおいて、工程(1)は下記のいずれかによって行われる:
− 成分(a’)および高分子有機バインダー材料(b”)および場合によっては成分(c’)を含有する組成物を使用して、可溶性顔料前駆物質を含むポリマー層を形成する、
−(1a)高分子有機バインダー材料(b”)と場合によっては成分(c’)とを含有するポリマー層を形成し、次に
(1b)顔料前駆物質(a’)を含有するインクを、該ポリマー層上の選択された目標領域にインク噴射する、または
−(1a)高分子有機バインダー材料(b”)と場合によっては成分(c’)とを含有するポリマー層を形成し、次に
(1b)顔料前駆物質(a’)と高分子有機バインダー材料(b”)とを含有するドナー層を該ポリマー層の上に積層し、
(1c)該ドナー層を局所的に加熱して、選択された目標領域に染料を転移させ、そして
(1d)レシーバー層からドナー層を取り除く。
着色パターンまたは画像の作成方法において、本発明の成分(a’)を使用するための上記に記載したすべての実施態様は、成分(b’)の代わりに成分(b”)が使用されている対応する方法にも関係する。
【0061】
着色パターンまたは画像の作成方法において、本発明の成分(b’)を使用するための上記に記載したすべての実施態様は、工程(1)の組成物が、成分(a’)と高分子有機バインダー材料(b”)および場合によっては(c’)を含有する組成物を使用して溶解された顔料前駆物質を含むポリマー層を形成することによって製造される限り、成分(b’)の代わりに成分(b”)が使用される対応する方法にも関係する。
【0062】
顔料前駆物質(a’)を含有するインクをポリマー層の選択された目標領域にインク噴射することによって工程(1)の組成物がつくられる場合には、そのポリマー層は好ましくはポリ(ビニルアルコール)であり、そしてインクが親水性溶剤中に顔料前駆物質(a’)を0.5乃至10%含有しているのが好ましい。最も好ましくは、インクはエチレングリコールまたはジエチレングリコールを含む極性溶剤中の1乃至5%の顔料前駆物質(a’)から実質的に構成される。
【0063】
顔料前駆物質(a’)を含有するドナー層からポリマー層の上の選択された目標領域にサーマル染料拡散転写によって工程(1)の組成物がつくられる場合には、好ましくはレシーバーポリマー層はポリエステル、ポリ(塩化ビニル/酢酸ビニル)、ポリカーボネート、またはこれらの混合物であり、そしてドナー層は別のバインダー中に顔料前駆物質(a’)を1乃至10%含有する。最も好ましくは、レシーバーポリマー層は10乃至20重量%溶液として塗布され、そして界面活性剤を0.1乃至5重量%含有する。そしてドナーのバインダーは実質的にポリブチラールまたはセルロース誘導体から実質的に構成される。ドナーおよびレシーバーの好ましい化学組成についての詳細は、当業者に公知であり、そして多くの特許ならびにその他の刊行物の対象である(たとえば、欧州特許第507734号および欧州特許第508954号)。ドナーは何回も再使用することができ、そしてドナーとレシーバーとの相対運動は、たとえば色濃度を上げるために、変えることができる。通常、ドナーは転写工程後、すぐに剥離される。しかし、場合によっては、ドナーを化学溶解によって部分的または完全に除去することもできる。
溶解された顔料前駆物質成分(a’),高分子有機バインダー材料(b”)、および場合によっては成分(c’)を含有するポリマー層は、構造化後は、ポジまたはネガレジスト型樹脂、ポリマーまたはプレポリマー(b’)と同様な性質を有しており、そしてそれらは交換使用することができる。
上記した組成物および方法は、さらに有利には緑および青の領域のためのレジストのために記載されているようなLCD用三色法カラーフィルターの製造のためにも適当である。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。
【0064】
実施例1[F.Baumann の米国特許第2683643号の実施例89に類似]
アルゴンで不活性化した500ml容のフラスコ中において、銅フタロシアニンの12g,臭素36g,ピリジン12g,メタノール200gを、撹拌しながら、40分間還流加熱する。すみやかに褐色結晶が生成する。この混合物を25℃に冷却し、濾過する。残留物をメタノール各50mlで2回、そのあとジエチルエーテル50mlで一回洗い、50℃/160ミリバールで4時間乾燥する。下記元素組成の褐色結晶16.52gを得る:
C 45.63% H 2.73% N 12.56% Br 28.36%
熱重量分析(TGA=thermogravimetric analysis, 10℃/ 分) は、130℃において分解が始まり、ピーク温度は153℃、そして重量損失が26.1%であることを示した。TGAの残留物は銅フタロシアニンの特徴的IR吸収ピークを示した。
上記褐色結晶10gを、液面レベルより下にガス導入口を具備した100ml容のフラスコの中において、トルエン22g中に懸濁する。45分間、NH3 ガスをこの懸濁物中に通す。懸濁物の温度が45℃まで上昇し、そのあと再び室温まで下がる。この反応混合物を濾過し、残留物を、無色になるまで、トルエンで洗う。濾液を蒸発濃縮し、そして残留物をn−ペンタン50mlで3回にわけてよく洗い、このあと60℃/160ミリバールにおいて1時間乾燥して、下記の元素組成を有する褐色結晶1.28gを得る。
C 61.84% H 3.64% N 16.28% Br 4.94%
この粗生成物は、ほとんどの有機溶剤によく溶ける。そのTGAは分解開始点100℃、ピーク温度181℃、重量損失20.2%であることを示した。TGAの残留物は銅フタロシアニンの特徴的IR吸収ピークを示した。
この粗生成物の試料を、溶離剤として酢酸エチルを使用したシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて精製して、痕跡量の極性不純物を除去した。これにより得られた褐色生成物は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって、メトキシ/メトキシとブロモ/メトキシジヒドロ銅フタロシアニンと同定され、その元素分析は下記の通りであった。
C 62.06% H 3.75% N 16.03% Br 4.94%
そのTGAは110℃の分解開始点、170℃のピーク温度、そして22.6%の重量損失を示した。
【0065】
実施例2[F.Baumann のAngew. Chem. 68/142(1956) の化合物LIIIa に類似]
アルゴン雰囲気中において、撹拌しながら、メタノール3ml中のナトリウム0.46g(0.02モル)の溶液に、ピリジン25.6mlを添加する。ついで、フタロジニトリルの5.12g(0.04モル)を少しずつ添加する(わずかな発熱反応)。得られた黄オレンジ色溶液を2時間撹拌した後、メタノール13ml中の二塩化銅1.35g(0.01モル)の溶液を添加する。この褐色懸濁物に、ピペリジン1.7g(0.02モル)を滴下により添加し、さらに一晩撹拌する。このあと、メタノールを蒸発させ、混合物を濾過し、そして残留物をピリジン、トルエン、ヘキサンおよび水で洗い、そして風乾して、緑色粉末3.1g(42%)が残る。これをソックスレ装置中においてクロロホルムを用いて6時間抽出する。このクロロホルム溶液を蒸発濃縮し、褐色残留物をヘキサンで洗い、乾燥する。この生成物は下記分析値によりジピペリジノジヒドロ銅フタロシアニンと同定される。
元素分析: C42H36N10Cu
計算値 C 67.77% H 4.88% N 18.82%
測定値 C 66.78% H 4.98% N 17.78%
IR: 722、 1392、 1458、 1492、 2912 cm-1 (KBr);
MS: 744(M+); UV/Vis: λmax(CHCl3) : 405, 337。
キシレン中の溶解度は0.9g/100ml。
TGAは平均温度236℃での分解および重量損失22.6%を示し、これは2つのピペリジノ基の分裂に対応する。TGA残留物は純銅フタロシアニンの特徴的分光特性を示した。
【0066】
実施例3
アルゴン雰囲気中において、撹拌しながら、メタノール3ml中のナトリウム0.46g(0.02モル)の溶液に、ピリジン25.6mlを添加する。ついで、フタロジニトリルの5.12g(0.04モル)を少しずつ添加する(わずかな発熱反応)。得られた黄オレンジ色溶液を、さらに2時間撹拌した後、メタノール13ml中の二塩化銅1.35g(0.01モル)の溶液を添加する。次に、この褐色懸濁物に4−n−プロピル−ピペリジン2.54g(0.02モル)を滴下添加し、この混合物をさらに一晩撹拌する。このあとその混合物を濾過し、そして残留物をピリジン、トルエン、ヘキサンおよび水で洗い、そして風乾して、緑色粉末2.4g(29%)が残る。これをソックスレ装置中においてクロロホルムを用いて6時間抽出する。このクロロホルム溶液を蒸発濃縮し、褐色残留物をヘキサンで洗い、乾燥する。この生成物は下記分析によりジ−(4−n−プロピル)−ピペリジノジヒドロ銅フタロシアニンと同定される。
元素分析:C48H48N10Cu
計算値 C 69.59% H 5.84% N 16.91%
測定値 C 69.08% H 5.96% N 16.40%
IR: 720、 1400、 1456、 1492、 1530、 2924 cm-1 (KBr);
MS:828(M+); UV/Vis:λmax(CHCl3) : 405, 337。
キシレン中の溶解度は2.3g/100ml。
TGAは平均温度225℃での分解および重量損失29%を示し、これは2つの4−n−プロピル−ピペリジノ基の分裂に対応する。TGA残留物は純銅フタロシアニンの特徴的IR吸収バンドを示した。
【0067】
実施例4
実施例3の生成物のクロロホル中16%の溶液を、ガラス円板上に、2500rpm の速度でスピンコーティングした。その淡黄色円板を100℃において2分間乾燥し、そのあと240℃において3分間加熱した。銅フタロシアニンの特徴的青色が現れた。銅フタロシアニンの存在がUV/VIS分光分析によって確認された。
【0068】
実施例5
実施例2の生成物50mg、p−ヒドロキシ−ポリスチレンPMH-C (商標)(Maruzen) 250mgおよびCymel 303(商標)(American Cyanamid)59mgのジオキサンの1ml中の溶液を、ガラス円板上に、2500rpm の速度でスピンコーティングした。その淡黄色円板を100℃において1分間乾燥し、そのあと240℃において2分間加熱した。銅フタロシアニンの特徴的青色が現れた。銅フタロシアニンの存在がUV/VIS分光分析によって確認された。
【0069】
実施例6
実施例2の生成物50mg、p−ヒドロキシ−ポリスチレンPMH-C (商標)(Maruzen) 250mgおよびCymel 303(商標)(American Cyanamid)59mgのジオキサンの1ml中の溶液を、ガラス円板に、2500rpm の速度でスピンコーティングした。100℃において1分間乾燥後のその淡黄色円板は、λmax =315nmにおいて1.19の吸光度を有していた。200℃において15分間加熱した時、銅フタロシアニンの特徴的青色が現れ、吸光度はλmax =612nmにおいて1.22であった。さらに加熱しても、吸光度はほとんど低下しなかった。これは本発明の組成物を使用して得ることができる優れた熱安定性を示している。
【0070】
実施例7
実施例3の生成物100mg、p−ヒドロキシ−ポリスチレンPMH-C(商標)(Maruzen)250mgおよびCymel 303(商標)(American Cyanamid)59mgのジオキサンの1ml中の溶液を、ガラス円板に、2500rpm の速度でスピンコーティングした。100℃において1分間乾燥後のその淡黄色円板は、λmax =315nmにおいて1.90の吸光度を有していた。200℃において15分間加熱した時、銅フタロシアニンの特徴的青色が現れ、吸光度はλmax =610nmにおいて1.86であった。さらに加熱しても吸光度はほとんど低下しなかった。これは本発明の組成物を使用して得ることのできる優れた熱安定性を示している。
【0071】
実施例8
単結晶を得るために、実施例2の生成物をクロロホルムから再結晶した。この単結晶のX線分析から、式(III)に従って下記構造式(IIIA) を与えられる。
【化12】
【0072】
実施例9
アルゴン雰囲気中において、撹拌しながら、メタノール3ml中のナトリウム0.46g(0.02モル)の溶液に、ピリジン25.6mlを添加する。ついで、フタロジニトリルの5.12g(0.04モル)を少しずつ添加する(わずかな発熱反応)。得られた黄オレンジ色溶液を、さらに2時間撹拌した後、メタノール13ml中の二塩化銅1.35g(0.01モル)の溶液を添加する。一晩撹拌後、溶剤を減圧下において蒸発させる。つぎにモルホリンの1.74g(0.02モル)を滴下添加し、この混合物を一晩撹拌する。この褐色懸濁物を濾過し、そして残留物をピリジン、トルエン、ヘキサンおよび水で洗い、そして風乾する。得られた粉末をソックスレ装置中においてクロロホルムを用いて6時間抽出する。この処理により不溶性の未反応銅フタロシアニンの痕跡が除去される。次いで、このクロロホルム溶液を減圧下において蒸発して、褐色残留物をヘキサンで洗い、乾燥する。この生成物(0.60g,理論値の8%)は、下記分析によりジモルホリノジヒドロ銅フタロシアニンと同定される。
元素分析:C40H32N10O2 Cu
計算値 C 64.20% H 4.31% N 18.72%
測定値 C 64.45% H 4.51% N 16.77%
IR:722、 1398、 1456、 1490、 1525、 2960 cm-1 (KBr);
MS:748(M+); UV/Vis:λmax(CHCl3) : 405, 337。
TGAは平均温度209℃での分解および重量損失20.6%を示し、これは2つのモルホリノ基の分裂に対応する。TGA残留物は純銅フタロシアニンの特徴的分光特性を示した。
【0073】
実施例10
PMH-C(商標)(Maruzen)250mgとCymel 303(商標)(American Cyanamid)59mgとをジオキサンの1ml中において加熱して溶液をつくった。この溶液に実施例9の生成物100mgを添加し、そして溶液を、室温において0.45μmのテフロンフィルター(商標)に通して濾過し、KBr 円板に、1000rpm の速度でスピンコーティングした。その淡褐色円板を100℃において乾燥し、そのあと200℃に加熱した。この時、銅フタロシアニンの特徴的青色が現れた。水処理によってこのポリマー層を剥離し、1つのポリカーボネートフィルター上に置き、そしてAraldite(商標)樹脂の中に埋め込んだ。100nmの薄いスライスにカットし、これを電子顕微鏡(4万倍)で観察した。粒子のほとんどは最大直径6乃至26nmの丸い形状を有していた。
【0074】
実施例11
アルゴン雰囲気中において、撹拌しながら、メタノール3ml中のナトリウム0.46g(0.02モル)の溶液に、ピリジン25.6mlを添加する。ついで、フタロジニトリルの5.12g(0.04モル)を少しずつ添加する(わずかな発熱反応)。得られた黄オレンジ色溶液を、2時間撹拌した後、メタノール13ml中の塩化亜鉛1.35g(0.01モル)の溶液を添加する。一晩撹拌した後、溶剤を減圧下において蒸発させる。つぎにモルホリンの1.74g(0.02モル)を滴下添加し、この混合物を一晩撹拌する。この褐色懸濁物を濾過し、そして残留物をピリジン、トルエン、アセトン、水、アセトンで洗い、そして風乾する。得られたやや緑がかった粉末をソックスレ装置中においてクロロホルムを用いて6時間抽出する。この処理により不溶性の未反応亜鉛フタロシアニンの痕跡が除去される。次いで、このクロロホルム溶液を減圧下において蒸発し、緑白色残留物をヘキサンで洗い、乾燥する。この生成物(2.38g,理論値の31.7%)は下記分析によりジモルホリノジヒドロ亜鉛フタロシアニンと同定される。
元素分析:C40H32N10O2 Zn
計算値 C 64.05% H 4.30% N 18.67%
測定値 C 59.81 H 4.24% N 15.41%
IR:720、 1060、 1230、1300、 1398、 1460, 1495, 1525, 2820, 2960cm-1(KBr);TGAは平均温度228℃での分解および重量損失22.3%を示し、これは2つのモルホリノ基の分裂に対応する。TGA残留物は純亜鉛フタロシアニンの特徴的分光特性を示した。
【0075】
実施例12
アルゴン雰囲気中において、撹拌しながら、メタノール3ml中のナトリウム0.46g(0.02モル)の溶液に、ピリジン25.6mlを添加する。ついで、フタロジニトリルの5.12g(0.04モル)を少しずつ添加する(わずかな発熱反応)。得られた黄オレンジ色溶液を2時間撹拌した後、メタノール13ml中の二塩化銅1.35g(0.01モル)の溶液を添加する。一晩撹拌した後、溶剤を減圧下において蒸発させる。つぎにピロリジンの1.74g(0.02モル)を滴下添加し、この混合物を一晩撹拌する。この褐色懸濁物を濾過し、そして残留物をピリジン、トルエン、ヘキサン、水で洗い、そして風乾する。得られた粉末をソックスレ装置中においてクロロホルムを用いて6時間抽出する。この処理により不溶性の未反応銅フタロシアニンの痕跡が除去される。次いで、このクロロホルム溶液を減圧下において蒸発し、褐色残留物をヘキサンで洗い、乾燥する。この生成物(0.82g,理論値の11.4%)は下記分析によりジピロリジノジヒドロ銅フタロシアニンと同定される。
元素分析:C40H32N10Cu
計算値 C 67.07% H 4.50% N 19.55%
測定値 C 66.13% H 4.78% N 18.44%
IR:722、 1398、 1456、1490、 1525、 2960 cm-1(KBr);
MS:716(M+); UV/Vis:λmax(CHCl3) : 405, 337。
TGAは平均温度198℃での分解および重量損失20.6%を示し、これは2つのピロリジノ基の分裂に対応する。TGA残留物は純銅フタロシアニンの特徴的分光特性を示した。
【0076】
実施例13
アルゴン雰囲気下中において、撹拌しながら、メタノール3ml中のナトリウム0.46g(0.02モル)の溶液に、ピリジン25.6mlを添加する。ついで、フタロジニトリルの5.12g(0.04モル)を少しずつ添加する(わずかな発熱反応)。得られた黄オレンジ色溶液を2時間撹拌した後、メタノール13ml中の二塩化ニッケル2.38g(0.01モル)の溶液を添加する。一晩撹拌した後、溶剤を減圧下において蒸発させる。つぎにピペリジンの1.7g(0.02モル)を滴下添加し、この混合物を一晩撹拌する。この懸濁物を濾過し、そして残留物をピリジン、トルエン、ヘキサン、水で洗い、そして風乾する。得られた粉末をソックスレ装置中においてクロロホルムを用いて6時間抽出する。この処理により不溶性の未反応ニッケルフタロシアニンの痕跡が除去される。次いで、このクロロホルム溶液を減圧下において蒸発して濃縮し、褐色残留物をヘキサンで洗い、乾燥する。この生成物(0.45g,理論値の6.0%)は下記分析によりジピロリジノジヒドロニッケルフタロシアニンと同定される。
元素分析:C42H36N10Ni
計算値 C 68.21% H 4.91% N 18.94%
測定値 C 66.13% H 4.78% N 18.44%
IR:730、 1404、 1459、1492、 1540、 2926 cm-1(KBr);
MS:739(M+); UV/Vis:λmax(CHCl3) : 478, 326。
TGAは平均温度198℃での分解および重量損失23.3%を示し、これは2つのピペリジノ基の分裂に対応する。TGA残留物は純ニッケルフタロシアニンの特徴的分光特性を示した。
【0077】
実施例14
アルゴン雰囲気中において、撹拌しながら、メタノール4ml中のナトリウム0.12g(0.005モル)の溶液にピリジン7mlを添加する。ついで、3、4−ジクロロ−フタロジニトリルの2.0g(0.01モル)を少しずつ添加する(わずかな発熱反応)。得られた黄オレンジ色溶液を2時間撹拌した後、メタノール3ml中の二塩化銅0.34g(0.0025モル)の溶液を添加する。一晩撹拌した後、溶剤を減圧下において蒸発させる。つぎにピペリジンの0.43g(0.005モル)を滴下添加し、この混合物を一晩撹拌する。この褐色懸濁物を濾過し、そして残留物をピリジン、トルエン、ヘキサン、水で洗い、そして風乾する。得られた粉末をソックスレ装置中においてクロロホルムを用いて6時間抽出する。この処理により不溶性の未反応銅フタロシアニンの痕跡が除去される。次いで、このクロロホルム溶液を減圧下において蒸発し、残留物をヘキサンで洗い、乾燥する。この褐色生成物(0.092g,理論値の3.5%)は下記分析によりジピロリジノジヒドロ−2、3、9、10、16、17、22、23−オクタクロロ銅フタロシアニンと同定される。
UV/Vis:λmax(CHCl3) : 405, 337。
TGAは平均温度177℃での分解および重量損失14%を示し、これは2つのピペリジノ基の分裂に対応する。TGA残留物は純2、3、9、10、16、17、22、23−オクタクロロ銅フタロシアニンの特徴的分光特性を示した。
【0078】
実施例15
アルゴン雰囲気中において、撹拌しながら、メタノール1ml中のナトリウム0.14g(0.0058モル)の溶液を、実施例1の生成物を精製して得られたメトキシ/ブロモジヒドロ銅フタロシアニンの2.0g(0.0029モル)のジオキサンの20ml中の懸濁物に添加する。緑がかった懸濁物を一晩撹拌し、そして濾過する。残留物をジオキサンで洗い、風乾する。得られた粉末を、ソックスレ装置中においてクロロホルムを用いて6時間抽出する。次いで、このクロロホルム溶液を減圧下において蒸発し、残留物をヘキサンで洗い、乾燥する。得られた褐色生成物(0.270g,理論値の14.6%)はジメトキシジヒドロ銅フタロシアニンである。そのTGAは平均温度224℃での分解および重量損失12%を示し、これは2つのメトキシ基の分裂に対応する。TGA残留物は純銅フタロシアニンの特徴的分光特性を示した。
【0079】
実施例16
アルゴン雰囲気中において、撹拌しながら、1−オクタノール1ml中のナトリウム0.14g(0.0058モル)の溶液を、実施例1の生成物を精製して得られたメトキシ/ブロモジヒドロ銅フタロシアニンの2.0g(0.0029モル)のジオキサンの20ml中の懸濁物に添加する。緑がかった懸濁物を一晩撹拌し、そして濾過する。残留物をジオキサンで洗い、そして1つに集めた濾液を減圧下において蒸発させ、風乾する。その残留物をヘキサン中に懸濁させ、濾過し、乾燥する。得られたベージュがかった褐色の生成物(0.50g,理論値の23%)はジオクチルオキシジヒドロ銅フタロシアニンである。そのTGAは平均温度175℃での分解および重量損失33%を示し、これは2つのオクチルオキシ基の分裂に対応する。TGA残留物は純銅フタロシアニンの特徴的分光特性を示した。
【0080】
実施例17
下記成分をジオキサンの4mlに溶解して調合物を調製した:
メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体(Mn=8500, Mw=35000;トルエン中においてAIBNを使用して70℃で20時間対応するモノマーのフリーラジカル誘導重合によって得られる) 450mg、
ジペンタエリトリトール−モノヒドロキシ−ペンタアクリレート
〔SR399(商標)、 Sartomer Inc.製品〕 150mg、
Irgacure 369(商標)(Ciba-Geigy Ltd.製品) 5mg、
ジメチルアミノピリジン 1mg、
実施例3のフタロシアニン前駆体 90mg。
これにより得られた調合物を、7.5x7.5cmコーニング7059型ガラス基板の上に1000rpm の回転速度でスピンコーティングした。このあと、ホットプレートにのせて60℃において60秒間乾燥して、厚さ1.3μmのフィルムを形成した。次に、このサンプルプレートを500ワットのUshio UXM-502 MD(商標)露光装置を使用してクロム/水晶マスクを通して300秒間露光し、60℃において3分間ホットプレートで焼き付け、そしてテトラメチル水酸化アンモニウムの水溶液(0.262モル/リットル)中において30秒間現像した。最後に、250℃において1分間ホットプレート上で焼き付けた。しかして、ガラス基板の上に、マスクのネガ像を表す、濁りのない透明青色マイクロパターンが作成された。
【0081】
実施例18
実施例17の操作をくり返した。ただし、マスクを介して露光する代わりに、364nmアルゴンレーザー(0.30nW,距離85mm)を使用して、0.6mm2/s の照射速度で線走査した。非常に高い解像度を有するグリッドを得た。
【0082】
実施例19
実施例17の操作をくり返した。ただし、フタロシアニン前駆体の代わりに別の前駆体LPY139を使用した。
【化13】
現像後、その無色と黄色との画像を、再び実施例17の操作にかけた。今回はKPY139の代わりにLPR177を使用した。第2現像後、その無色、黄色、赤色の画像を再び実施例17の操作にかけた。今回は実施例17で使用されたものと同じフタロシアニン前駆体を使用した。
以上により優れた特性を有する黄、赤、青の透明画像を得た。これは三色法カラーフィルターとして使用することができる。
【0083】
実施例20
実施例19のサンプルを、エレクトロディスプレーにおけるカラーフィルターとして使用したところ、卓越した彩度、色、透明性および耐光堅牢性を示した。
Claims (10)
- 可溶性フタロシアニン前駆物質を用いて高分子有機材料を内部着色する方法であって、下記式(I)〜(VII):
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価以上の原子価を有する金属であり;
yは0〜16の数であり;さらに
各Zはフタロシアニン骨格の1〜4位、8〜11位、15〜18位および22〜25位上の置換基であって、互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノである]の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質を高分子有機材料に添加し、式(I)〜(VII)の少なくとも1種の化合物を含有している該高分子有機材料を、130℃〜400℃に加熱するか、または波長250〜500nmの放射線に暴露し、それによって式(I)〜(VII)の少なくとも1つの化合物を実質的に水の不存在下において下記式(VIII):
- 構造化色像を作製するための組成物であって、
(a)下記式(I)〜(VII):
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価以上の原子価を有する金属であり;
yは0〜16の数であり;さらに
各Zはフタロシアニン骨格の1〜4位、8〜11位、15〜18位および22〜25位上の置換基であって、互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノである]の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質;および
(b)水および水性溶剤に対し実質的に不透過性である高分子有機材料
を含有しており、該可溶性フタロシアニン前駆物質(a)が該高分子有機材料(b)の内部に配合されている組成物。 - カラーフィルター用組成物であって、
(i)下記式(I)〜(VII):
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価以上の原子価を有する金属であり;
yは0〜16の数であり;さらに
各Zはフタロシアニン骨格の1〜4位、8〜11位、15〜18位および22〜25位上の置換基であって、互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノである]の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質;および
(ii)高分子有機材料
を含有しており、該可溶性フタロシアニン前駆物質(i)を該高分子有機材料(ii)に添加し、式(I)〜(VII)の少なくとも1種の化合物を含有している該高分子有機材料を、130℃〜400℃に加熱するか、または波長250〜500nmの放射線に暴露し、それによって式(I)〜(VII)の少なくとも1つの化合物を実質的に水の不存在下において下記式(VIII):
- 下記式(I)〜(VII)):
L2はハロゲン、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオ、C1-C18アルキルアミノ、C2-C18ジアルキルアミノ、または置換されていないかあるいは1個もしくは2個のC1-C12アルキル基によって置換された、0個もしくは1個の付加的窒素原子または酸素原子を含有している5員または6員のイミノ環であり;
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価以上の原子価を有する金属であり;
yは0〜16の数であり;さらに
各Zはフタロシアニン骨格の1〜4位、8〜11位、15〜18位および22〜25位上の置換基であって、互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノであり、ただしL1は非置換ピペリジノであることはないか、あるいはMはZn、TiまたはVである]のいずれかにより表される化合物。 - 構造化色像を作製するための組成物であって、
(a’)下記式(I)〜(VII):
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価以上の原子価を有する金属であり;
yは0〜16の数であり;さらに
各Zはフタロシアニン骨格の1〜4位、8〜11位、15〜18位および22〜25位上の置換基であって、互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノである]の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質、および
(b’)加熱または放射線照射による架橋、重合または解重合によって構造化されうるポジレジスト型またはネガレジスト型樹脂、重合体またはプレポリマー
を含有する組成物。 - その可溶性前駆物質から局所的に再生された不溶性顔料によってパターンまたは画像層が着色されている着色パターンまたは着色画像の作製方法であって、
(1)下記式(I)〜(VII):
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価以上の原子価を有する金属であり;
yは0〜16の数であり;さらに
各Zはフタロシアニン骨格の1〜4位、8〜11位、15〜18位および22〜25位上の置換基であって、互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノである]の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質(a’)および加熱または放射線照射による架橋、重合または解重合によって構造化されうるポジレジスト型またはネガレジスト型樹脂、重合体またはプレポリマー(b’)を含有する組成物、または(a’)、(b’)およびポジもしくはネガポリマーのための触媒(c’)を含有する組成物を使用して、前記式(I)〜(VII)の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質を含有するポリマー層を形成する工程、ならびに
(2)熱処理または光分解処理によって前記可溶性前駆物質から顔料を局所的に再生する工程を包含することを特徴とする方法。 - 構造化色像を作製するための組成物であって、
(a’)下記式(I)〜(VII):
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価以上の原子価を有する金属であり;
yは0〜16の数であり;さらに
各Zはフタロシアニン骨格の1〜4位、8〜11位、15〜18位および22〜25位上の置換基であって、互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノである]の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質、および
(b”)高分子バインダー材料を含有する組成物。 - 着色パターンまたは着色画像の作製方法であって、
(1)下記式(I)〜(VII):
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価以上の原子価を有する金属であり;
yは0〜16の数であり;さらに
各Zはフタロシアニン骨格の1〜4位、8〜11位、15〜18位および22〜25位上の置換基であって、互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノである]の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質および高分子有機バインダー材料(b”)、または前記式(I)〜(VII)の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質、高分子有機バインダー材料(b”)およびポジもしくはネガポリマーのための触媒(c’)を含有するポリマー層を形成する工程、ならびに
(2)熱処理または光分解処理によって前記可溶性前駆物質から顔料を局所的に再生する工程を包含し、前記工程(1)を、
前記式(I)〜(VII)の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質(a’)および高分子有機バインダー材料(b”)、または可溶性フタロシアニン前駆物質(a’)、高分子有機バインダー材料(b”)およびポジもしくはネガポリマーのための触媒(c’)を含有する組成物を使用して、可溶性顔料前駆物質を含有するポリマー層を形成すること;
(1a)高分子有機バインダー材料(b”)、または高分子有機バインダー材料(b”)およびポジもしくはネガポリマーのための触媒(c’)を含有するポリマー層を形成し、次いで顔料前駆物質(a’)を含有するインクを該ポリマー層上の選択された目標領域にインクジェットすること;または
(1a)高分子有機バインダー材料(b”)、または高分子有機バインダー材料(b”)およびポジもしくはネガポリマーのための触媒(c’)を含有するポリマー層を形成し、次いで(1b)顔料前駆物質(a’)と高分子有機バインダー材料(b”)とを含有するドナー層を該ポリマー層の上に積層し、(1c)該ドナー層を局所的に加熱して染料を選択された目標領域に移動させ、さらに(1d)該ドナー層を受容層から除去することによって行うことを特徴とする作製方法。 - 三色法カラーフィルターの製造方法であって、
(a’)下記式(I)〜(VII):
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価以上の原子価を有する金属であり;
yは0〜16の数であり;さらに
各Zはフタロシアニン骨格の1〜4位、8〜11位、15〜18位および22〜25位上の置換基であって、互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノである]の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質、ならびに
(b’)加熱または放射線照射による架橋、重合または解重合によって構造化されうるポジレジスト型またはネガレジスト型樹脂、重合体またはプレポリマー、または
(b”)高分子バインダー材料
を含有する組成物を使用することを特徴とする製造方法。 - 三色法カラーフィルターの製造方法であって、
(1)下記式(I)〜(VII):
Mは2個の水素原子、一価の2つの金属、または二価以上の原子価を有する金属であり;
yは0〜16の数であり;さらに
各Zはフタロシアニン骨格の1〜4位、8〜11位、15〜18位および22〜25位上の置換基であって、互いに独立的にハロゲン、C1-C18アルキル、C1-C18アルコキシ、C1-C18アルキルチオまたはC2-C18ジアルキルアミノである]の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質(a’)および加熱または放射線照射による架橋、重合または解重合によって構造化されうるポジレジスト型またはネガレジスト型樹脂、重合体またはプレポリマー(b’)を含有する組成物、または(a’)、(b’)およびポジもしくはネガポリマーのための触媒(c’)を含有する組成物を使用して、前記式(I)〜(VII)の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質を含有するポリマー層を形成する工程、ならびに
(2)熱処理または光分解処理によって前記可溶性前駆物質から顔料を局所的に再生する工程を包含すること、または
(1’)前記式(I)〜(VII)の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質および高分子有機バインダー材料(b”)、または前記式(I)〜(VII)の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質、高分子有機バインダー材料(b”)およびポジもしくはネガポリマーのための触媒(c’)を含有するポリマー層を形成する工程、ならびに
(2’)熱処理または光分解処理によって前記可溶性前駆物質から顔料を局所的に再生する工程を包含し、前記工程(1’)を、
前記式(I)〜(VII)の各化合物からなる群より選ばれた可溶性フタロシアニン前駆物質(a’)および高分子有機バインダー材料(b”)、または可溶性フタロシアニン前駆物質(a’)、高分子有機バインダー材料(b”)およびポジもしくはネガポリマーのための触媒(c’)を含有する組成物を使用して、可溶性顔料前駆物質を含有するポリマー層を形成すること;
(1a)高分子有機バインダー材料(b”)、または高分子有機バインダー材料(b”)およびポジもしくはネガポリマーのための触媒(c’)を含有するポリマー層を形成し、次いで顔料前駆物質(a’)を含有するインクを該ポリマー層上の選択された目標領域にインクジェットすること;または
(1a)高分子有機バインダー材料(b”)、または高分子有機バインダー材料(b”)およびポジもしくはネガポリマーのための触媒(c’)を含有するポリマー層を形成し、次いで(1b)顔料前駆物質(a’)と高分子有機バインダー材料(b”)とを含有するドナー層を該ポリマー層の上に積層し、(1c)該ドナー層を局所的に加熱して染料を選択された目標領域に移動させ、さらに(1d)該ドナー層を受容層から除去することによって行うことを特徴とする製造方法。
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