JP4114111B2 - ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維およびその製造方法 - Google Patents

ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度、高弾性率の特長を維持したパラ系アラミド繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(以下パラ系アラミド繊維と記す)は、高強度、高弾性率、高耐熱性、非導電性、錆びないなどの高い機能性と、有機繊維特有のしなやかさと軽量性を併せ持った合成繊維である。これらの特長から、自動車や自動二輪、および自転車用のタイヤ、自動車用歯付きベルト、コンベヤ等の補強材料として用いられている。また、光ファイバーケーブルの補強やロープにも利用されている。さらに、防弾チョッキや、刃物に対してきれにくい性質を利用した作業用手袋や、作業服などの防護衣料、燃え難さを利用した消防服への応用も行われている。
【0003】
これらの利用分野において、上記性能に加え、染色性の付与が求められているが、高い結晶性と分子間結合力が強固で緻密な構造のためアラミド繊維を染色することは困難であった。
【0004】
これまでアラミド繊維を染色する方法としてつぎのような手段が提案されている。
【0005】
特開昭54−59476公報には、10クリンプ/インチ以上のクリンプをかけ、坐屈した部位から染色する方法が開示されている。また、特開平2−41414公報には紡糸ドープ中に有機顔料を添加する方法が開示されている。また、特開昭63−145412公報には、パラ配向型アラミドを、紡糸直後の凝固時に張力を緩和した工程に導いて染色液に接触させる方法が提案されている。さらに特開平7−258980公報には、固有粘度が2.5dl/g以下であるパラ系芳香族ポリアミドを水で膨潤させた状態で染料液と接触させる方法が提案されている。特開平8−260362公報には、繊維膨潤剤を用いて、カチオン系染料により、130℃以上で染色する方法が開示されている。特開平5−209372公報には、共重合パラ系アラミド繊維を分子量400以下の分散染料を用いて160℃以上で染色する方法が開示されている。また、特開平9−87978公報、特開平9−87979公報には、パラ系アラミド繊維をジメチルスルフォオキシドなどの極性溶液で処理した後200℃で高圧染色をする方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特開昭54−59476公報の方法は、強度の高い剛直なパラ系アラミド繊維においては、工業的に10クリンプ/インチ以上のクリンプをかける事は困難であり、またステープルに限られるという制約がある。特開平2−41414公報は、いわゆる原着紡糸方法についての提案であり、特開昭63−145412公報の方法は、紡糸直後にいったん巻き取ることなく無張力で染液に接触させる方法である。いずれも一色あたりの量的な生産が前提となるうえ、色相が限られる。特開平7−258980公報の方法は、ポリマー粘度が低いために繊維の強度が極端に低く、高強度繊維であるアラミド繊維の特長を備えていない。特開平8−260362公報の方法は、引張強度、引張弾性率においてフィラメント糸より劣る紡績糸に関する提案であり、アラミド繊維本来の高強度、高弾性率機能を利用することのできるフィラメントの染色手段にはならない。特開平5−209372公報と、特開平9−87978公報および特開平9−87979公報の方法は、極性溶液の回収設備や高温染色など特殊な設備を必要とし、一般的でない。
【0007】
これまで、アラミド繊維の特長である高強度、高弾性率という特長を維持したフィラメントの形態で、多種類の色展開が可能な後染めという手法すなわち、紡糸後いったんチューブ状のものに巻き取るなどして工程を打ち切ったあと、個々の色に染め分けることが可能な染色工程に移して多種の色相の染色を行う方法は実現できていない。
【0008】
一般にフィラメント繊維を形成する製糸工程と、繊維を染色する染色工程は工程が別であり、それぞれの専用の設備と専門の技術者によって実施される。染色した繊維製品の色に対するきびしい顧客の要求を満足させるうえで、繊維を形成したところで工程を一旦打ち切り、繊維を染色工場に運搬して専門の染色技術者によって顧客の要求する色相に染め分けることは重要な意味を持つ。
【0009】
本発明の目的は、高強度、高弾性率の特長を維持し、染色可能なパラ系アラミド繊維、および多種の色相に染色したパラ系アラミド繊維を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は次の手段をとる。
【0011】
(1)紡糸後、一旦巻き取った染色前のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維であって、引張強度が15g/d以上であり、結晶サイズ(110方向)が30〜55オングストロームであり、水分含量が6%以下に乾燥された履歴を持たないことを特徴とする染色可能なポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
【0012】
(2)結晶化度が30〜50%であることを特徴とする上記(1)記載の染色可能なポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
【0013】
(3)水分含量が15%以下に乾燥された履歴を持たないことを特徴とする請求項1または2記載の染色可能なポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
【0014】
(4)上記(1)〜(3)いずれかに記載の繊維に4〜9山/25mmの捲縮を付与し、20〜150mmの繊維長にカットした染色可能なステープル状ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
【0015】
(5)上記(1)〜(3)いずれかに記載の繊維を0.1〜3mmにカットしたフロック状ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
【0016】
(6)上記(1)〜(3)いずれかに記載の繊維を染色した染色ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
【0017】
(7)上記(1)〜(3)いずれかに記載の繊維をカチオン染料で染色した染色ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
【0018】
(8)上記(4)に記載のステープル状ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を染色したステープル状染色ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
【0019】
(9)上記(5)に記載のフロック状ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を染色したフロック状染色ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
【0020】
(10)5以上の固有粘度(ηinh)を持つポリパラフェニレンテレフタルアミドと濃硫酸から紡糸用ドープをつくり、該ドープを紡糸口金の細孔を通して一旦空気中に紡出し、直ちに水中に導き凝固させ、高強度、高弾性率のフィラメントを形成する工程と、該フィラメントを染色する工程を連続することなく別々の工程で実施する方法において、繊維の引張強度が15g/d以上であり、結晶サイズ(110方向)が30〜55オングストロームであり、繊維の水分含量を常に6%以上に維持することを特徴とする染色可能なポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の製造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリパラフェニレエンテレフタルアミド(PPTA)とは、テレフタル酸とパラフェニレンジアミンを重縮合して得られる重合体であるが、少量のジカルボン酸およびジアミンを共重合したものも使用できる。本発明のポリパラフェニレエンテレフタルアミド繊維(以下パラ系アラミド繊維と記す)は、5以上の固有粘度(ηinh)を持つPPTAと濃硫酸から光学異方性ドープをつくり、該ドープを紡糸口金の細孔を通して一旦空気中に紡出し、直ちに水中に導き凝固させ、ネルソンローラに導いて水酸化ナトリウム水溶液で中和処理し、水洗工程をへてホットロールによってわずかに乾燥し、フィラメントとしてチューブに巻き取る工程を途切れることなく通過させて得られる。巻き取ったパラ系アラミド繊維は、染色工程までの間に乾燥しないようポリエチレンフィルムなどによって包装される。このときのパラ系アラミド繊維の結晶化度は50%以下である。この段階で繊維の引張り弾性率は400g/Dを超えており高弾性率糸としての性能を備えているが、弾性率をさらに向上させるために、乾燥後350〜400℃で5〜10秒熱処理すると結晶化度は50%を越えるのが普通である。
【0022】
本発明に用いるPPTAの固有粘度(ηinh)は5以上が望ましい。固有粘度(ηinh)未満では、高強度、高弾性率の繊維物性が得られにくい。
【0023】
本発明のパラ系アラミド繊維は、結晶サイズ(110方向)が、30〜55オングストロームであり、かつ水分量が常に6%以上であることが必要である。結晶サイズが30オングストローム未満では繊維の緻密化が不十分で高強度、高弾性率の繊維物性が得られないし、また、55オングストロームを越えると染色が困難となる。
【0024】
また、本発明の染色前の結晶化度は30〜50%であることが望ましい。結晶化度が30%未満では、繊維の引張り強度、引張り弾性率が劣り、50%以上では染色が困難となる。
【0025】
ここで、水分量が常に6%以上とは、6%以下に乾燥した履歴を持たないということである。水分率が6%以下に乾燥すると構造が緻密となり、染色が困難となる。再び水分を付与しても染色性は回復しない。好ましくは、結晶化度が35〜45%であり、パラ系アラミド繊維の水分率は15〜100%が望ましい。このような水分率にするには、紡糸したパラ系アラミド繊維を、100〜150℃で5〜20秒間低温乾燥する事が望ましい。乾燥温度が100℃未満では水分の除去が難しく、チューブに巻き取った後の扱いに問題を生じる。150℃を越えると結晶化が進み,染色が困難になる。
【0026】
本発明においては、このような物性を有するパラ系アラミド繊維を染色処理する。染色の方法は、特殊な設備や特殊な方法を必要とせず、既存の合成繊維の染色設備を用いることができる。適量の染料と助剤および酸を加えてPHを調整し、60℃で染色を開始し、60分間で130℃に昇温し30分間染色する事によって達せられる。染料はカチオン染料、分散染料等を用いることができるが、緻密な構造にも浸透しやすいカチオン染料が望ましい。
本発明のパラ系アラミド繊維は、各種用途に有用である。染色したパラ系アラミド繊維フィラメントは、各色相のミシン糸、コード、ロープ、織物、とすることができる。本発明によって得られた色相豊かなパラ系アラミド繊維織物は、スポーツ衣料、鞄地、作業服、消防服、各種防護衣料、テント生地などに利用できる。目立たない色相に染色した防弾チョッキ生地は、万一被弾して外皮が破れ、防弾生地としてのパラ系アラミド繊維織物が露出しても、目立たない。
【0027】
さらに本発明の染色したパラ系アラミド繊維の応用製品として、自動車のシートベルト、競艇選手用防護衣料、和弓弦、テニスガット、釣り糸などが挙げられる。透明または半透明の樹脂の繊維補強材として本発明の染色したパラ系アラミド繊維を用いた場合、透明または半透明の樹脂を透かして着色された補強材が見えるのでカラフルな樹脂製品が可能となる。例えば、樹脂製めがね枠、テニスラケット枠、卓球用ラケット、ホッケーのスティック、釣り竿、ゴルフシャフトなどである。樹脂がエラストマーの場合は、樹脂伝動ベルト、樹脂ホース、自転車タイヤなどに有用である。本発明のパラ系アラミド繊維は、生産年次を色で表示したロープや電線にも応用できる。複数の電線を集めて一本に収束したものにおいては、色違いの補強材として使用することにより個々の電線の補強と端末の識別を兼ねることができる。電線の被覆の下にあって、これを利用して被覆を切り裂き端末を露出させるいわゆるリップコードとしても利用できる。
【0028】
染色したパラ系アラミド繊維フィラメントを、クリンパーにかけて、市販のパラ系アラミド繊維と同様の捲縮(6クリンプ/インチ)を与え、紡績に適した長さ、すなわち20〜150mmにカットして着色したパラ系アラミド繊維ステープルを得ることができる。染色したパラ系アラミド繊維を、クリンプをかけることなく0.1から3mmにカットする事によって、電気植毛用のフロックとすることもできる。本発明の染色前のパラ系アラミド繊維にクリンプをかけてカットし、ステープルとした後染色する事もできる。同様にカットした後染色して、電気植毛用フロックとする事もできる。
【0029】
【実施例】
以下実施例によって本発明を説明する。実施例中の物性は次の測定によった。
【0030】
<結晶化度>広角X線解析法によった。
【0031】
X線解析装置:(株)理学電機社製 4036A2型
X線原 :CuKα線(Niフィルター使用)
<結晶サイズ>広角X線解析法によった。
【0032】
X線解析装置:(株)理学電機社製 4036A2型
X線原 :CuKα線
湾曲結晶モノクロメータ(グラファイト使用)
<固有粘度>固有粘度(ηinh)は、98.5重量%の濃硫酸に濃度(C)=0.5g/dlでポリマーを溶かした溶液を30℃で常法により測定する。
【0033】
ηinh=(in・ηrel)/C
<繊維の強伸度特性>
糸条の引張り強度、引張り弾性率(初期引張り抵抗度)は、JIS L 1013によった。
【0034】
<水分率> 水分率の測定は、JIS L 1013によった。
【0035】
付着水分率(%)=(W−W’)X100/W’
ここに、W:試料採取時の質量
W’:試料の絶乾時質量
<L値> L値の測定は、JIS Z 8729に従った。測定機器は、(株)住化分析センター製Macbeth Color Eyes 3000を用いた。
【0036】
実施例−1、比較例−1
通常の方法で得られたPPTA(ηinh=6.5)を99.9%の濃硫酸に溶かし、ポリマー濃度19.0%、温度80℃の紡糸ドープとし、孔径0.06mmの細孔数1000個を有する口金からわずかの間空気中へ紡出した後、4℃の水中に導いて凝固させ、ネルソンローラに導き、8%の水酸化ナトリウム水溶液で中和処理し、水洗後、ホットローラで110℃15秒間乾燥してプラスチックのチューブに巻き取る工程を途切れることなく通過させて、フィラメント数1000からなる総繊度1500デニール(絶乾換算)のパラ系アラミド繊維A(フィラメント糸)を得た。
【0037】
パラ系アラミド繊維Aをチューブに巻き取ることなく、つづいて設置されたホットローラに導いてさらに350℃10秒間の熱処理を行った後巻き取って、乾燥したパラ系アラミド繊維B(フィラメント糸)を得た。
【0038】
これらのパラ系アラミド繊維の物性を表−1に示す。
【0039】
表−1
繊維種別 A B
結晶化度 (%) 43 55
結晶サイズ 110方向 42 65
引張強度 (g/D) 23.0 22.2
引張弾性率 (g/D) 565 850
水分率 (%) 60 2.2
これらのパラ系アラミド繊維フィラメント糸を次の条件でダークブルーに染色した。owfは乾燥した繊維重量に対する染料の重量%を示す。g/lは調合した染浴1リットルに対する助剤の重量割り合いを示す。
【0040】
染料
”A.Y.7GLL”(バイエル社製) 0.1%owf
”KA.R.GL”(日本化薬社製) 2.0%owf
”T.B.TBLM”(保土谷化学社製) 8.0%owf
助剤
”ネオデスポンAC”(モーリン化学社製) 2g/l
酢酸 20g/l
硝酸ソーダ 20g/l
”テリールキャリヤA111”(明成化学社製)20g/l
パラ系アラミド繊維糸を絶乾換算重量で10gとり、浴比1:15、60℃ で染色を開始し、60分間で130℃に昇温し、30分間染色した。染色後、非イオン活性剤と還元剤からなる浴で、80℃20分間還元洗浄し、脱水乾燥後、L値を測定した。L値は、数値が小さいほど光の反射が少なく、濃い色合いであることを示す。同一色相の場合は、数値が小さいほど良く染着されていることを示す。上記の調合による染浴を用いた染色方法において、L値が50以下の水準を、染着したと判定した。
【0041】
パラ系アラミド繊維Aは染料をよく吸着したが、パラ系アラミド繊維Bは、ほとんど染着されなかった。
【0042】
実施例2〜4、比較例2
パラ系アラミド繊維Aを常温で放置して水分を発散させ、染色前の水分率を変化させて、上記と同様の染色をした。水分率5%の比較例2以外はよく染着した。
【0043】
比較例3
パラ系アラミド繊維Aを循環式熱風乾燥機で100℃60分間乾燥し、水分率0%として上記条件にて染色した。ほとんど染着しなかった。
【0044】
これらの結果を表−2に示す。
【0045】
Figure 0004114111
実施例5
パラ系アラミド繊維Aに60回/mの撚りを加えてフィラメントの乱れを防止し、多数の穴のあいた内径51mm長さ25cmのプラスチックチューブに0.04g/Dの張力で絶乾重量に換算した重さ1kgのチーズに巻きあげた。これを、染液がチューブにあけられた穴からフィラメント糸をとおしてチーズの外側へ循環するチーズ染色器で、前記の染色条件によって染色した。染色前のパラ系アラミド繊維の水分率は52%であった。染色後のパラ系アラミド繊維のL値は45.4でよく染色されていた。引張り強度は23.0g/D、引張弾性率は、565g/Dで高強度、高弾性率のパラ系アラミド繊維としての特性を十分満足するものであった。
【0046】
【発明の効果】
高強度、高弾性率の特長を維持し、染色可能なポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維、および多種の色相に染色したポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を提供できる。

Claims (10)

  1. 紡糸後、一旦巻き取った染色前のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維であって、引張強度が15g/d以上であり、結晶サイズ(110方向)が30〜55オングストロームであり、水分含量が6%以下に乾燥された履歴を持たないことを特徴とする染色可能なポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
  2. 結晶化度が30〜50%であることを特徴とする請求項1記載のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
  3. 水分含量が15%以下に乾燥された履歴を持たないことを特徴とする請求項1または2記載の染色可能なポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の繊維に4〜9山/25mmの捲縮を付与し、20〜150mmの繊維長にカットした染色可能なステープル状ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
  5. 請求項1〜3いずれかに記載の繊維を0.1〜3mmにカットしたフロック状ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
  6. 請求項1〜3いずれかに記載の繊維を染色した染色ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
  7. 請求項1〜3いずれかに記載の繊維をカチオン染料で染色した染色ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
  8. 請求項4に記載のステープル状ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を染色したステープル状染色ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
  9. 請求項5に記載のフロック状ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を染色したフロック状染色ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維。
  10. 5以上の固有粘度(ηinh)を持つポリパラフェニレンテレフタルアミドと濃硫酸から紡糸用ドープをつくり、該ドープを紡糸口金の細孔を通して一旦空気中に紡出し、直ちに水中に導き凝固させ、高強度、高弾性率のフィラメントを形成する工程と、該フィラメントを染色する工程を連続することなく別々の工程で実施する方法において、繊維の引張強度が15g/d以上であり、結晶サイズ(110方向)が30〜55オングストロームであり、繊維の水分含量を常に6%以上に維持することを特徴とする染色可能なポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の製造方法。
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