JP4113519B2 - 銅メッキ材料及び銅メッキ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塩基性炭酸銅粉、直接湿式法により得た酸化銅粉及び水酸化第二銅粉を原料とした酸化銅粉からなる銅メッキ材料及び前記酸化銅粉を用いた銅メッキ方法に関する。
被メッキ体に銅メッキ処理を施す一つの方法として、電解液(主成分として硫酸又は硫酸銅を含むメッキ液)に銅メッキ材料を供給し、不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体との間で通電する電解メッキ法がある。この方法に用いられる銅メッキ材料としては、塩基性炭酸銅粉を熱分解して得られた酸化銅粉が知られている。銅メッキ材料は電解液中に適宜補給されるものであるため、硫酸に対して易溶解性であることが必要であるが、塩基性炭酸銅粉を熱分解して得られた酸化銅粉はこの条件を満たすことから好適な材料である。
このような酸化銅粉の製造方法としては、例えば特許文献1に示す方法が提案されている。この文献1には、実施例として、塩基性炭酸銅粉を還元雰囲気とはならない雰囲気下で400℃〜800℃の温度で60分間加熱して熱分解することにより、酸化銅粉を高い変換効率で製造できることが記載されている。この温度範囲では、処理温度を高くする程、高い変換効率を短時間で確保できる。このため、工業的にはスループットが要求されるので、例えば700℃以上の高温にて熱分解が行われている。
特願2000−267018号公報
ところでメッキ液には、メッキ膜の均一性や光沢を確保するために添加剤を溶解させる場合が多い。この添加剤としては、例えばSPS(ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィドのナトリウム塩)、チオ尿素、ヤヌスグリーンなど、炭素(C)と硫黄(S)との二重結合を有する−C=S基や、SとSとの単結合を有する−S−S−基(ジスルフィド化合物)、窒素(N)とNとの二重結合を有する−N=N−基(ジアゾ化合物)のいずれかを有する有機物が用いられる。
しかしながら上述の特許文献1の手法にて製造された酸化銅粉は、上述の有機物よりなる添加剤成分が入ったメッキ液に対しては溶解性がかなり低いことが認められた。また−S−S−基は還元されると−S−H基(チオアルコール類)に変わることから、−S−S−基を有する添加剤をメッキ液に溶解させるとメッキ液中に−S−H基が存在すると推測されるが、上記の酸化銅粉はこの−S−H基の存在によっても溶解性が低いことが認められた。このようにメッキ液に対する銅メッキ材料の溶解性が悪いと、メッキ槽での銅(Cu)補給に遅れが生じる。またメッキ液中の銅イオン濃度が一定にならないのでメッキ膜の均一性が悪化したり、メッキ液に溶解しない銅メッキ材料が存在し、メッキ槽との間に設けられているフィルタに詰まりが生じたり、またフィルタを通過してしまった銅メッキ材料がメッキ物に悪影響を与えるおそれもある。
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、有機物の添加剤を含む電解液に対して溶解性が高く、かつ高純度な銅メッキ材料及び、このような銅メッキ材料を用いた銅メッキ方法を提供することにある。
本発明は、不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
この銅メッキ材料は、塩基性炭酸銅粉を還元雰囲気とはならない雰囲気下で熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、
結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、
前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.36以下の酸化銅粉であることを特徴とする。
また前記銅メッキ材料としては、塩基性炭酸銅粉を還元雰囲気とはならない雰囲気下で熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFとし、
結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、
前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが2.9以上の酸化銅粉を用いることもできる。
さらに前記銅メッキ材料としては、塩基性炭酸銅粉を還元雰囲気とはならない雰囲気下で熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、比表面積が7.3m2/g以上の酸化銅粉を用いることもできる。
また本発明は、不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
この銅メッキ材料は、銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを反応させて酸化銅粉を得、この酸化銅粉を加熱することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、
結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、
前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.52以下の酸化銅粉であることを特徴とする。ここで銅塩の水溶液としては、塩化第二銅、硫酸第二銅及び硝酸第二銅などの水溶液を挙げることができる。
また前記銅メッキ材料としては、銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを反応させて酸化銅粉を得、この酸化銅粉を加熱することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFとし、
結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、
前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが2.9以上の酸化銅粉を用いることもできる。
さらに前記銅メッキ材料としては、銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを反応させて酸化銅粉を得、この酸化銅粉を加熱することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、比表面積が3.3m2/g以上の酸化銅粉を用いることもできる。
また本発明は、不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
この銅メッキ材料は、水酸化第二銅粉を熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、
結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、
前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.67以下の酸化銅粉であることを特徴とする。
また前記銅メッキ材料としては、水酸化第二銅粉を熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFとし、
結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、
前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが1.6以上の酸化銅粉を用いることもできる。
さらに前記銅メッキ材料としては、水酸化第二銅粉を熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、比表面積が3.6m2/g以上の酸化銅粉を用いることもできる。
前記添加剤としては、炭素と硫黄との二重結合、硫黄と硫黄との単結合、窒素と窒素との二重結合、硫黄と水素との単結合のいずれかを含む有機物、例えばビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド及び塩、チオ尿素、ヤヌスグリーン、ジメチルジスルフィド、プロピルメルカプタン、メルカプトプロピルスルホン酸及び塩、メチルイエローのいずれかを用いることができる。
また本発明の銅メッキ方法は、不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に銅メッキ材料を供給し、被メッキ体に銅メッキを施す銅メッキ方法であり、前記銅メッキ材料は、塩基性炭酸銅粉を還元雰囲気とはならない雰囲気下で熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.36以下の酸化銅粉であることを特徴とする。
また本発明の銅メッキ方法では、前記銅メッキ材料として、塩基性炭酸銅粉を還元雰囲気とはならない雰囲気下で熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFとし、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが2.9以上の酸化銅粉や、比表面積が7.3m2/g以上の酸化銅粉を用いるようにしてもよい。
このような発明では、銅メッキ材料として、純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、前記ピーク強度比I/Isが0.36以下又は前記半値幅比F/Fsが2.9以上或いは比表面積が7.3m2/g以上の酸化銅粉を用いているので、有機物の添加剤を含む電解液に対しても高い溶解性を確保することができる。
さらに本発明の他の銅メッキ方法は、不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に銅メッキ材料を供給し、被メッキ体に銅メッキを施す銅メッキ方法であり、前記銅メッキ材料は、銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを反応させて酸化銅粉を得、この酸化銅粉を加熱することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.52以下の酸化銅粉であることを特徴とする。
さらに本発明の他の銅メッキ方法では、前記銅メッキ材料として、銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを反応させて酸化銅粉を得、この酸化銅粉を加熱することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFとし、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが2.9以上の酸化銅粉や、比表面積が3.3m2/g以上の酸化銅粉を用いるようにしてもよい。
このような発明では、銅メッキ材料として、純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、前記ピーク強度比I/Isが0.52以下又は前記半値幅比F/Fsが2.9以上或いは比表面積が3.3m2/g以上の酸化銅粉を用いているので、有機物の添加剤を含む電解液に対しても高い溶解性を確保することができる。
さらにまた本発明の他の銅メッキ方法は、不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に銅メッキ材料を供給し、被メッキ体に銅メッキを施す銅メッキ方法であり、前記銅メッキ材料は、水酸化第二銅粉を熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.67以下の酸化銅粉であることを特徴とする。
さらにまた本発明の他の銅メッキ方法では、前記銅メッキ材料として、水酸化第二銅粉を熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFとし、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが1.6以上の酸化銅粉や、比表面積が3.6m2/g以上の酸化銅粉を用いるようにしてもよい。
このような発明では、銅メッキ材料として、純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、前記ピーク強度比I/Isが0.67以下又は前記半値幅比F/Fsが1.6以上或いは比表面積が3.6m2/g以上の酸化銅粉を用いているので、有機物の添加剤を含む電解液に対しても高い溶解性を確保することができる。
本発明によれば、塩基性炭酸銅粉を還元雰囲気とはならない雰囲気下で熱分解することで得られた酸化銅粉において、純度が98.5%と高く、X線回折のピーク強度比I/Isが0.36以下又は半値幅比F/Fsが2.9以上あるいは比表面積が7.3m2/g以上の酸化銅粉を銅メッキ材料として用いているので、有機物の添加剤を含む電解液に対しても高い溶解性が確保され、良好なメッキ処理を行うことができる。
また本発明によれば、銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを用いて直接湿式法により酸化銅粉を得、この酸化銅粉を加熱することにより得られた酸化銅粉において、純度が98.5%と高く、X線回折のピーク強度比I/Isが0.52以下又は半値幅比F/Fsが2.9以上あるいは比表面積が3.3m2/g以上の酸化銅粉を銅メッキ材料として用いても、有機物の添加剤を含む電解液に対して高い溶解性が確保され、良好なメッキ処理を行うことができる。
さらにまた本発明によれば、水酸化第二銅粉を熱分解することにより得られた酸化銅粉において、純度が98.5%と高く、X線回折のピーク強度比I/Isが0.67以下又は半値幅比F/Fsが1.6以上あるいは比表面積が3.6m2/g以上の酸化銅粉を銅メッキ材料として用いても、有機物の添加剤を含む電解液に対して高い溶解性が確保され、良好なメッキ処理を行うことができる。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態では、銅メッキ材料(酸化銅粉)の原料である塩基性炭酸銅粉として市販品のものを購入してもよいが、この実施の形態では塩基性炭酸銅粉を購入せずに工場側で製造することとする。図1はこの場合の製造フロ−を示す説明図であり、例えば銅濃度が10重量%である塩化第二銅(CuCl2 )の水溶液とアルカリ金属の炭酸塩例えば炭酸濃度が7重量%である炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の水溶液とを例えば混合液のpHが7〜9となるように反応槽1内に投入し、混合液の温度が例えば70℃となるように加熱しながら撹拌手段11により例えば30分間撹拌して反応させる。混合液の加熱は例えば反応槽1内に散気管などからなるバブリング手段(図示せず)を設け、このバブリング手段から蒸気を混合液に供給することにより行われる。
上述の反応は次のように進行する。先ず(1)式のように炭酸銅が生成され、
Na2 CO3 +CuCl2 →CuCO3 +2NaCl (1)
続いて(2)式のように炭酸銅が水和して塩基性炭酸銅の二水塩が生成され、
CuCO3 +3/2H2 O→1/2{CuCO3 ・Cu(OH)2・2H2 O}+1/2CO2 (2)
更に(3)式のように上記の二水塩から水が抜け、無水の塩基性炭酸銅が生成される。
CuCO3 ・Cu(OH)2・2H2 O→CuCO3 ・Cu(OH)2+2H2 O (3)
こうして塩基性炭酸銅が析出生成されて粉体となって沈殿する。そしてバルブ12を開いて沈殿物であるスラリーを抜き出して遠心分離機2に送り、ここで遠心分離により固形分を母液から分離し、その固形分を乾燥機3に入れて乾燥し、塩基性炭酸銅の粉体を得る。
塩基性炭酸銅の原料である銅イオン源としては塩化銅の他に例えば硫酸銅または硝酸銅などの銅塩の水溶液を用いることができる。炭酸イオン源としては炭酸ナトリウムの他に炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、または炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩あるいは炭酸アンモニウム((NH4)2 CO3 )などを用いることができる。
次に粉体である前記塩基性炭酸銅を加熱炉、例えばロータリキルン4に供給し、ここで所定の温度で所定時間加熱して熱分解する。この例では加熱炉として、管軸を回転軸として回転する例えばステンレス製の回転管41を僅かに傾斜して設け、この回転管41の周囲をヒータ42により囲み、回転管41を回転させることにより塩基性炭酸銅の粉体を移送するロータリキルンを用いている。このようにして塩基性炭酸銅粉を加熱すれば加熱雰囲気が還元雰囲気にならない。塩基性炭酸銅粉を直接バーナで加熱しない理由は、還元雰囲気にすると、炭酸銅そのものや炭酸銅が酸化銅に分解された後、一部が還元されて亜酸化銅(Cu2 O)や金属銅(Cu)を生成してしまうので、これを避けるためである。
金属銅は、酸化銅粉を銅メッキ材料として使用する場合に電解液である硫酸に溶解しないか溶解し難く、不溶解残渣となり新たなろ過設備が必要となる。また金属銅や亜酸化銅ができると、メッキ浴中への補給銅量が一定とならず、メッキ品の品質がばらついてしまう。従って塩基性炭酸銅粉を加熱するときには還元雰囲気にしないことが必要である。
ここで第1の実施の形態における加熱温度及び加熱時間について説明する。本発明で銅メッキ材料として用いられる酸化銅粉は、銅メッキ液への溶解度やメッキの質を考慮すると、次の要件を満たすことが要求される。
〔1〕純度が98.5%以上であること。
〔2〕酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をI、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.36以下であるか、又は酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をF、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが2.9以上であるか、酸化銅粉の比表面積が7.3m2/g以上であること。ここでX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の「−1」は、「1」の上にバーを表記したものを意味する。
ここで基準酸化銅粉とは、結晶化が終了した酸化銅粉、つまり酸化銅粉に対して更に加熱処理を行っても、X線回折のピーク強度や半値幅が変化しないものをいう。第1の実施の形態における基準酸化銅粉とは、具体的には、塩基性炭酸銅粉を加熱炉において750℃の加熱温度で8時間加熱処理して、酸化銅粉とし、さらにこの酸化銅粉を850℃の加熱温度で12時間加熱処理したものである。
第1の実施の形態における酸化銅粉の純度は、酸化銅粉中のCu濃度を測定し、CuO換算した値であり、酸化銅粉の純度が低いとは炭酸銅の変換率が低く、酸化銅に変化しない炭酸銅が多く残存することを意味する。酸化銅粉の純度が低く、炭酸銅が多く残存すると、酸化銅濃度のばらつきが大きくなる。このため、銅メッキ材料として用いた場合には、処理の度に銅濃度が変化しやすく、メッキ液の銅濃度のコントロールが困難になってしまうので、前記要件〔1〕のように、純度が98.5%以上の酸化銅粉が好ましい。
また前記要件〔2〕は、メッキ液への溶解性を決定する要件であり、本発明者らの試行錯誤により、酸化銅粉の構造により有機物の添加剤を含むメッキ液への溶解性が異なり、要件〔2〕を満たす構造の酸化銅粉は前記メッキ液に対する溶解性が高いことを見出した結果、決定された要件である。
これらの要件を満たす酸化銅粉を得るには、加熱炉における加熱温度や加熱時間が問題となり、加熱温度に関しては200℃では熱分解が起こらず、250℃以上の温度が必要となるが、250℃程度の温度で純度の高い酸化銅粉を得るには加熱時間が例えば2時間以上要求される。一方、加熱温度が高すぎたり、加熱時間が長すぎたりすると、前記要件〔1〕は確保されるものの、要件〔2〕に当てはまらず、メッキ液への溶解性が悪化してしまう。
従って本発明者らは、後述する種々の実験を行い、上述の要件を備えた酸化銅粉を製造するための加熱温度と加熱時間の最適化を図った。塩基性炭酸銅粉の熱処理条件の一例を以下に示すが、この条件下で熱分解を行って得られた酸化銅粉については、上述の2つの要件を満たしている。
(塩基性炭酸銅粉の熱処理条件の一例)
加熱温度が300℃のときは、加熱時間は240分以上480分以下
加熱温度が400℃のときは、加熱時間は20分以上40分以下
加熱温度が500℃のときは、加熱時間は5分以上40分以下
加熱温度が550℃のときは、加熱時間は5分以上40分以下
加熱温度が600℃のときは、加熱時間は5分以上20分以下
加熱温度が650℃のときは、加熱時間は5分以上20分以下
このようにして酸化銅粉を得た後、この酸化銅粉を洗浄液である純水の入った洗浄槽5内に投入し、撹拌手段51により撹拌して水洗する。そしてバルブ52を開いて水と酸化銅粉との混合スラリーを洗浄槽5から抜き出し、遠心分離機6またはろ過機により水分を飛ばしてから乾燥機7で乾燥させ、当該酸化銅粉を得る。洗浄液としては蒸留水やイオン交換水などの純水を用いることができるが、その他それより不純分が少ない水、例えば超純水などを用いることもできる。
ここで酸化銅粉を銅メッキ材料として用いた銅メッキ方法を実施する装置の一例を図2に示しておく。図2中8はメッキ浴槽であり、この中に電解液である硫酸に上述の手法により製造された酸化銅粉と、有機物の添加剤を溶解したメッキ浴(メッキ液)が満たされていると共に、直流電源Eの正極側に接続された不溶性陽極81例えばチタン板に白金属の白金とイリジウムとを7:3の割合でコーディングしたものと、直流電源Eの負極側に接続された陰極である被メッキ材82例えば被メッキ用金属板とが浸漬されている。
83は溶解槽であり、メッキ浴槽8内の銅イオンが少なくなってきたときに、補給源であるホッパ84から銅メッキ材料である酸化銅粉を溶解槽83内に所定量補給し、撹拌手段85により撹拌して硫酸に溶解させた後、ポンプP1,P2を作動させてメッキ浴を循環させ、その後次の銅メッキ処理を行う。Fはフィルタである。
前記添加剤は、例えばCとSとの二重結合を有する−C=S基や、SとSとの単結合を有する−S−S−基(ジスルフィド化合物)や、NとNとの二重結合を有する−N=N−基(ジアゾ化合物)や、SとHの結合を有する−S−H基(チオアルコール類)のいずれかを有する有機物であり、例えばメッキ液に対して数ppm〜数100ppm程度の割合で添加される。前記添加剤としては、例えば−C=S基を含むチオ尿素(図3(a)参照)や、−S−S−基を含むジメチルジスルフィド、例えばSPS((ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィドのナトリウム塩:NaO3S(CH2)3−S−S−(CH2)3SO3Na)等の(ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド及び塩、−N=N−基を含むヤヌスグリーン(図3(b)参照)やメチルイエロー、−S−H基を含むプロピルメルカプタンやメルカプトプロピルスルホン酸及び塩、等が用いられる。
上述の実施の形態によれば、上述の熱処理条件にて炭酸銅粉を加熱して熱分解を行っているので、98.5%以上の高い純度を確保しながら、前記ピーク強度比I/Isが0.36以下又は前記半値幅比F/Fsが2.9以上の酸化銅粉或いは比表面積が7.3m2/g以上の酸化銅粉を製造することができる。これにより、高純度の酸化銅粉でありながら、前記酸化銅粉の溶解性が低い前記有機物の添加剤を含むメッキ液に対しても、高い溶解性を確保することができる。このように添加剤を含むメッキ液に対する溶解性が良好であるので、この酸化銅粉を銅メッキ材料として用いれば、銅メッキ浴中の銅イオンの濃度が安定しやすく、メッキ膜の均一性が向上する。この際メッキ液には添加剤が含まれているので、さらにメッキ膜の高い均一性や光沢を確保することができる。またメッキ液への溶解性が良好であるので、フィルタへの負荷が抑えられると共に、不溶解性成分によるメッキ物への悪影響が抑えられる。
さらに本発明の純度が98.5%以上であって、前記ピーク強度比I/Isが0.36以下又は前記半値幅比F/Fsが2.9以上の酸化銅粉或いは比表面積が7.3m2/g以上の酸化銅粉は、例えばEDTA(エチレンジアミン四酢酸塩)をキレート剤として含むメッキ液に対しても良好な溶解性を示し、これにより当該酸化銅粉を銅メッキ材料として用いることは、良好なメッキ膜を確保するために、有効である。
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態では、銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを用いて酸化銅粉を得、そしてこの酸化銅粉を加熱することにより純度の高い酸化銅粉を生成した。この製法は直接酸化銅粉を得ることができるので、炭酸銅などを経由して酸化銅粉を得る間接湿式法と対比して直接湿式法と呼ばれている。ここで銅塩の水溶液としては、塩化第二銅、硫酸第二銅及び硝酸第二銅などの水溶液を挙げることができる。この直接湿式法による酸化銅粉の生成について図4を用いて具体的に説明する。なお図4において図1と同じ構成にある部分については便宜上図1と同じ符号を付してある。先ず、銅塩の水溶液例えば銅濃度が10重量%である塩化第二銅(CuCl2 )の水溶液とアルカリ溶液例えば濃度が20重量%である水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液とを例えば混合液のpHが9.8〜10.2となるように反応槽1内に投入し、混合液の温度が例えば73〜77℃となるように加熱しながら攪拌手段11により例えば60分間攪拌して反応させる。混合液の加熱は例えば反応槽1内に散気管などからなるバブリング手段(図示せず)を設け、このバブリング手段から蒸気を混合液に供給することにより行われる。
上述の反応は次のように進行して、酸化銅が生成される。
CuC12 +2NaOH→CuO+2NaCl+H2O (4)
こうして酸化銅が析出生成されて粉体となって沈殿する。そしてバルブ12を開いて沈殿物であるスラリーを抜き出して吸引濾過手段20に送り、ここで固形分である酸化銅粉を母液から分離すると共に、当該吸引濾過手段20にて洗浄液である例えば純水で酸化銅粉を水洗いをすることによって酸化銅表面に付着した微量な不純物を洗い流す。洗浄後、酸化銅粉を加熱炉、例えばロータリキルン4に供給し、ここで所定の温度で所定時間加熱して乾燥させる。また得られた酸化銅の純度が低い場合、加熱処理により純度を上げる。
ここで第2の実施の形態における加熱温度及び加熱時間について説明する。ここでいう加熱とは、乾燥または純度を上げる目的で行う加熱である。本発明で銅メッキ材料として用いられる酸化銅粉は、銅メッキ液への溶解度やメッキの質を考慮すると、次の要件を満たすことが要求される。
〔3〕純度が98.5%以上であること。
〔4〕酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をI、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.52以下であるか、又は酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をF、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが2.9以上であるか、酸化銅粉の比表面積が3.3m2/g以上であること。
また第2の実施の形態における基準酸化銅粉とは、銅塩の水溶液例えば塩化第二銅の水溶液とアルカリ溶液とを用いて直接湿式法により得た酸化銅粉を加熱炉において700℃の加熱温度で6時間加熱処理し、その後、またこの酸化銅粉を850℃の加熱温度で12時間加熱処理したものである。
また第2の実施の形態における酸化銅粉の純度は、第1の実施の形態と同様に酸化銅粉中のCu濃度を測定し、CuO換算した値である。ここでこの酸化銅粉を銅メッキ剤として用いるためには、メッキ処理における銅濃度の変化を防ぎ、メッキ液の銅濃度のコントロールがし易いように、前記要件〔3〕のように、純度が98.5%以上の酸化銅粉であることが好ましい。
また前記要件〔4〕は、この酸化銅粉におけるメッキ液への溶解性を決定するための要件であり、第1の実施の形態と同様に本発明者らの試行錯誤により、決定された要件である。
これらの要件を満たす酸化銅粉を得るには、乾燥機または加熱炉における加熱温度や加熱時間が問題となり、加熱温度が高すぎたり、加熱時間が長すぎたりすると、前記要件〔3〕は確保されるものの、要件〔4〕は当てはまらず、メッキ液への溶解性が悪化してしまう。
従って本発明者らは、後述する種々の実験を行い、上述の要件を備えた酸化銅粉を製造するための加熱温度と加熱時間の最適化を図った。直接湿式法により得た酸化銅粉の熱処理条件の一例を以下に示すが、この条件で熱分解を行って得られた酸化銅粉については、上述の2つの要件を満たしている。
(直接湿式法により得た酸化銅粉の熱処理条件の一例)
加熱温度が300℃のときは、加熱時間は60分以上360分以下
加熱温度が500℃のときは、加熱時間は30分以上360分以下
加熱温度が600℃のときは、加熱時間は30分以下
このようにして酸化銅粉を得た後、この酸化銅粉を第1の実施の形態で述べたように洗浄槽5→遠心分離機6→乾燥機7という工程を経て、当該酸化銅粉が得られる。この酸化銅粉は、図2に示す装置の銅メッキ材料として用いることができる。
上述の実施の形態によれば、上述の熱処理条件にて銅塩の水溶液例えば塩化第二銅の水溶液とアルカリ溶液とを用いて直接湿式法により得た酸化銅粉を加熱して熱分解を行っているので、98.5%以上の高い純度を確保しながら、前記ピーク強度比I/Isが0.52以下又は前記半値幅比F/Fsが2.9以上の酸化銅粉或いは比表面積が3.3m2/g以上の酸化銅粉を製造することができる。これにより、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態では、銅塩の水溶液と水酸化アルカリとを反応させて水酸化第二銅粉を生成し、そしてこの水酸化第二銅粉を熱分解することにより純度の高い酸化銅粉を生成した。このような方法による酸化銅粉の生成については、図1と同じ構成にあるので、ここでは便宜上図1を用いて具体的に説明する。先ず、銅塩の水溶液例えば銅濃度が5重量%である硫酸第二銅(CuSO4)の水溶液と水酸化アルカリ例えば濃度が10重量%である水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液とを例えば混合液のpHが11となるように反応槽1内に投入し、攪拌手段11により例えば60分間攪拌して反応させる。このとき混合液の温度は例えば5℃に設定される。
上述の反応は次のように進行して、水酸化第二銅が生成される。
CuSO4 +2NaOH→Cu(OH)2 +Na2 SO4 (5)
こうして水酸化第二銅が析出生成されて粉体となって沈殿する。そしてバルブ12を開いて沈殿物であるスラリーを抜き出して遠心分離機2に送り、ここで遠心分離により固形分を母液から分離し、その固形分である水酸化第二銅粉を加熱炉、例えばロータリキルン4に供給し、ここで所定の温度で所定時間加熱して熱分解することで酸化銅粉が生成される。上述の反応は以下に示す通りである。
Cu(OH)2 →CuO+H2O (6)
ここで第3の実施の形態における加熱温度及び加熱時間について説明する。本発明で銅メッキ材料として用いられる酸化銅粉は、銅メッキ液への溶解度やメッキの質を考慮すると、次の要件を満たすことが要求される。
〔5〕純度が98.5%以上であること。
〔6〕酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をI、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.67以下であるか、又は酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をF、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが1.6以上であるか、酸化銅粉の比表面積が3.6m2/g以上であること。
第3の実施の形態における基準酸化銅粉とは、水酸化第二銅粉を加熱炉において700℃で6時間加熱処理し、酸化銅粉にする。そしてこの酸化銅粉を850℃の加熱温度で12時間加熱処理したものである。
また第3の実施の形態における酸化銅粉の純度は、第1の実施の形態と同様に酸化銅粉中のCu濃度を測定し、CuO換算した値であり、酸化銅粉の純度が低いとは水酸化第二銅の変換率が低く、酸化銅に変化しない水酸化第二銅が多く存在することを意味する。酸化銅粉の純度が低く、水酸化第二銅が多く存在すると、酸化銅濃度のばらつきが大きくなる。このため、銅メッキ材料として用いた場合には、処理の度に銅濃度が変化しやすく、メッキ液の銅濃度のコントロールが困難になってしまうので、前記要件〔5〕のように、純度が98.5%以上の酸化銅粉が好ましい。
また前記要件〔6〕は、この酸化銅粉におけるメッキ液への溶解性を決定するための要件であり、第1の実施の形態と同様に本発明者らの試行錯誤により、決定された要件である。
これらの要件を満たす酸化銅粉を得るには、加熱炉における加熱温度や加熱時間が問題となり、加熱温度が高すぎたり、加熱時間が長すぎたりすると、前記要件〔5〕は確保されるものの、要件〔6〕は当てはまらず、メッキ液への溶解性が悪化してしまう。
従って本発明者らは、後述する種々の実験を行い、上述の要件を備えた酸化銅粉を製造するための加熱温度と加熱時間の最適化を図った。水酸化第二銅粉の熱処理条件の一例を以下に示すが、この条件で熱分解を行って得られた酸化銅粉については、上述の2つの要件を満たしている。
(水酸化第二銅粉の熱処理条件の一例)
加熱温度が300℃のときは、加熱時間は30分以上360分以下
加熱温度が500℃のときは、加熱時間は30分以上360分以下
加熱温度が600℃のときは、加熱時間は30分以上360分以下
加熱温度が650℃のときは、加熱時間は30分以上60分以下
このようにして酸化銅粉を得た後、この酸化銅粉を第1の実施の形態で述べたように洗浄槽5→遠心分離機6→乾燥機7という工程を経て、当該酸化銅粉が得られる。この酸化銅粉は、図2に示す装置の銅メッキ材料として用いることができる。
上述の実施の形態によれば、上述の熱処理条件にて水酸化第二銅粉を加熱して熱分解を行っているので、98.5%以上の高い純度を確保しながら、前記ピーク強度比I/Isが0.67以下又は前記半値幅比F/Fsが1.6以上の酸化銅粉或いは比表面積が3.6m2/g以上の酸化銅粉を製造することができる。これにより、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は、本発明者らが試行錯誤の結果、前記有機物の添加剤を含むメッキ液への銅メッキ材料(酸化銅粉)の溶解性が、当該酸化銅粉の構造に依存し、この酸化銅粉の構造は第1の実施の形態では塩基性炭酸銅粉の熱分解時の熱処理条件に依存し、第2の実施の形態では銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを用いて直接湿式法により得た酸化銅粉の加熱時の熱処理条件に依存し、第3の実施の形態では水酸化第二銅粉の熱分解時の熱処理条件に依存することを見出すことにより成されたものであるので、以下に本発明者らが本発明を見出すに至った経緯について説明する。
先ず本発明者らは、メッキ液に有機物の添加剤を添加すると酸化銅粉の溶解性が悪化することに着目し、どの有機物が酸化銅粉の溶解を阻害するのかを調べるべく、種々の添加剤をメッキ液に添加して、酸化銅粉の溶解試験を行った。この溶解試験は、添加剤を所定濃度でメッキ液に添加し、このメッキ液を攪拌しながら所定量の酸化銅粉を添加して、溶解の程度を目視により確認することにより行った。この結果、−C=S基を含むチオ尿素、−S-S−基を含むSPS、−N=N−基を含むヤヌスグリーンを添加剤として含むメッキ液に対しては酸化銅粉の溶解性がかなり悪いことが認められ、−C=S基、−S−S−基、−N=N−基、−S−H基のいずれかを有する有機物が酸化銅粉の溶解を阻害することを突き止めた。ここでこの溶解試験に用いた酸化銅粉は、塩基性炭酸銅粉を750℃の加熱温度で8時間加熱して熱分解を行ったものと、塩化第二銅の水溶液とアルカリ溶液とを用いて直接湿式法により得た酸化銅粉を700℃の加熱温度で6時間加熱したものと、水酸化第二銅粉を700℃の加熱温度で6時間加熱して熱分解を行ったものとを用いた。
次いで先ず塩基性炭酸銅粉、直接湿式法により得た酸化銅粉及び水酸化第二銅粉を各種の熱処理条件で処理して夫々酸化銅粉を得、各酸化銅粉においてその純度を測定することにより、純度が98.5%以上の酸化銅粉を得るための熱処理条件を決定した。続いてユーザーメーカーにて実際に使用されている、有機物の添加剤を含むメッキ液を入手し、前記各種の熱処理条件により得られた3つの酸化銅粉の前記メッキ液に対しての溶解性の試験を行ない、熱処理条件の違いにより酸化銅粉の前記メッキ液に対する溶解性が異なることを見出した。そしてこの理由について、熱処理条件により得られる酸化銅粉の構造が異なるためと推察し、各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉についてX線回折による構造分析を行うことにより、前記ユーザーメーカーのメッキ液に対する溶解性と酸化銅粉の構造との関係を見出した。
つまり既述のように、〔1〕〜〔6〕に述べた条件を満足する酸化銅粉は、前記ユーザーメーカーのメッキ液に対する溶解性が高いことを種々の実験を行うことにより突き止め、このような酸化銅粉を製造するための熱処理条件を把握することにより本発明を成し得るに至った。このように本発明は、本発明者らの試行錯誤により成し得たものであり、続いて本発明者らが行った実施例について説明する。なお、第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態で述べた酸化銅粉において、ピーク強度比I/Is、半値幅比F/Fs及び比表面積の値が夫々異なる理由の一つとしては、酸化銅粉の粒子の大きさや形状が各製造方法によって変わってくるからであると思われる。
(実験例1−1)
第1の実施の形態において塩基性炭酸銅粉を各種の熱処理条件で熱分解して酸化銅粉を得、その純度を測定した。この結果を図5に示す。この結果により、加熱温度が300℃では240分間以上、400℃では20分間以上、500℃〜750℃では5分間以上熱分解を行うことにより、純度が98.5%以上の酸化銅粉が得られることが認められた。
(実験例1−2)
上述の所定の熱処理条件で得た、純度が98.5%以上の酸化銅粉の数種について、ユーザーメーカーから入手したメッキ液に対する溶解試験を行った。この溶解試験は次のような方法にて行った。つまり前記ユーザーメーカーのメッキ液500mlを200rpmの回転数で攪拌させておき、そこへ酸化銅粉5gを投入し、2分間経過後、攪拌を停止して濾過を行ない、不溶解残渣量を測定することにより、溶解率を算出した。ここで前記ユーザ−メーカーのメッキ液には、CuSO4・5H2O、H2SO4、添加剤である200ppmのSPSが含まれており、メッキ液温度は25℃とした。
このときの溶解率を図6に示す。この結果により、700℃で20分間熱分解を行うことにより得られる酸化銅粉の溶解率が21.6%であるのに対し、650℃で20分間熱分解を行うことにより得られる酸化銅粉の溶解率は96.5%であることが認められた。これにより熱処理条件によって酸化銅粉の構造が変化し、この構造変化が前記メッキ液に対する溶解性に影響を与えていることが推察される。
(実験例1−3)
続いて酸化銅粉の構造と、メッキ液への溶解性との関係を明確化するために、(実験例1−2)にて溶解試験を行った酸化銅粉に対して、X線回折による構造分析を行なった。このとき、前記酸化銅粉についてX線回折スペクトルを測定し、当該スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとの比であるピーク強度比I/Isを求めた。
またこのとき、前記酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の回折ピークの半値幅をFとし、前記基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の回折ピークの半値幅をFsとしたときに、前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの比である半値幅比F/Fsを求めた。これらの結果を図7に示す。ここで基準酸化銅粉としては、塩基性炭酸銅粉を750℃にて8時間加熱処理を行い、さらに850℃にて12時間加熱処理を行うことにより得られた酸化銅粉を用いた。
この結果により、熱処理条件が異なるとピーク強度比I/Isの値が異なること、また前記ピーク強度比I/Isの値が小さい酸化銅粉程、ユーザーメーカーのメッキ液に対する溶解率が大きいことが確認された。これによりユーザーメーカーのメッキ液に対する高い溶解度を確保するためには、ピーク強度比I/Isが0.36以下という要件が必要となることが理解される。
同様に、熱処理条件が異なると半値幅比F/Fsの値が異なり、半値幅比F/Fsの値が大きい酸化銅粉程、ユーザーメーカーのメッキ液に対する溶解率が大きいことが確認され、これによりユーザーメーカーのメッキ液に対する高い溶解度を確保するためには、半値幅比F/Fsが2.9以上という要件が必要となることが理解される。
ここでピーク強度比I/Isは値が大きいほど(半値幅比F/Fsは値が小さいほど)、酸化銅粉の結晶化が進み、安定した状態であることを示しており、このように結晶化が進み安定した酸化銅粉は液体成分に溶解しにくいことから、前記有機物の添加剤を含むメッキ液への高い溶解性を確保するためには、ピーク強度比I/Isが0.36以下(半値幅比F/Fsが2.9以上)の結晶度であることが要求される。
(実験例1−4)
(実験例1−1)の純度試験により、純度が98.5%以上の熱処理条件にて得られた酸化銅粉から数種を選んで(実験例1−3)と同様のX線回折分析を行なった。この結果をピーク強度比I/Isについては図8に、半値幅比F/Fsについては図9に夫々示す。
これにより加熱温度が同じであれば加熱時間が長いほどピーク強度比I/Isの値が大きく、加熱時間が同じであれば加熱温度が高いほどピーク強度比I/Isの値が大きいことが認められた。また加熱温度が同じであれば加熱時間が長いほど半値幅比F/Fsの値が小さく、加熱時間が同じであれば加熱温度が高いほど半値幅比F/Fsの値が小さいことが認められた。
従って、純度が98.5%以上であって、かつピーク強度比I/Isが0.36以下の酸化銅粉を得るための熱処理条件は、
加熱温度が300℃のときは、加熱時間は240分以上480分以下
加熱温度が400℃のときは、加熱時間は20分以上40分以下
加熱温度が500℃のときは、加熱時間は5分以上40分以下
加熱温度が550℃のときは、加熱時間は5分以上40分以下
加熱温度が600℃のときは、加熱時間は5分以上20分以下
加熱温度が650℃のときは、加熱時間は5分以上20分以下
であることが確認された。また上述の熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、
純度が98.5%以上であって、かつ半値幅比F/Fsが2.9以上という条件も満たしている。
(実験例1−5)
(実験例1−1)の純度試験により、純度が98.5%以上の熱処理条件にて得られた酸化銅粉から数種を選んで、比表面積による分析を行なった。このとき比表面積はBET一点法により測定した。この結果を図10に示す。
この結果により、熱処理条件が異なると酸化銅粉の比表面積の値が異なること、また比表面積の値が大きい酸化銅粉程、ユーザーメーカーのメッキ液に対する溶解性が大きいことが確認された。これによりユーザーのメッキ液に対する高い溶解性を確保するためには、比表面積が7.3m2/g以上であることが必要となることが理解される。さらに(実験例1−4)にて求められた熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、純度が98.5%以上であって、かつ比表面積が7.3m2/g以上という条件を満たすことが認められた。
(実験例1−6)
(実験例1−1)と同様の熱処理条件で得た、純度が98.5%以上の酸化銅粉について、SPS200ppmを添加したメッキ液(実験室レベルのメッキ液)に対する溶解試験を行った。この溶解試験は次のような方法にて行った。つまりメッキ液500mlを200rpmの回転数で攪拌させておき、そこへ酸化銅粉5gを投入し、2分間経過後、攪拌を停止して濾過を行ない、不溶解残渣量を測定することにより、溶解率を算出した。ここで前記メッキ液の組成は、CuSO4・5H2O:100g/L、H2SO4:200g/L、SPS:200ppm、メッキ液温度は25℃とした。このときの溶解率を図11に示す。
この結果により、当該メッキ液への溶解率は、前記ユーザーメーカーのメッキ液への溶解率より高いこと、加熱温度が高くなり、加熱時間が長くなる程、溶解率が低くなる傾向があることが認められた。ここで前記ユーザーメーカーのメッキ液にもSPSが含まれているが、当該ユーザーメーカーのメッキ液にはSPSの分解物が含まれていて、その分解物の量が累積的に多くなっていくので、当該実施例で用いた実験室レベルのメッキ液よりも酸化銅粉の溶解率が低くなってしまうと推察される。従って、ユーザーメーカーのメッキ液に比べて、実験室レベルのメッキ液では、比表面積が小さくても溶解性が良いということになる。これは、実際のSPSでは使用によりSPS自体が分解し、その分解生成物が溶解性を悪くしているものと考えられ、この発明の効果は、ユーザーメーカーのメッキ液を用いて評価している。
(実験例1−7)
(実験例1−4)にて求められた熱処理条件にて製造された酸化銅粉に対して、チオ尿素とヤヌスグリーン、プロピルメルカプタン、メルカトプロピルスルホン酸、メチルイエローに対する溶解試験を行った。つまりチオ尿素を20ppm分添加したメッキ液500mlを200rpmの回転数で攪拌させておき、そこへ酸化銅粉5gを投入し、2分間経過後、攪拌を停止して濾過を行ない、不溶解残渣量を測定することにより、溶解性を確認した。前記メッキ液の組成は、CuSO4・5H2O:100g/L、H2SO4:200g/L、メッキ液温度は25℃とした。この結果、前記熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、チオ尿素を含むメッキ液に対して99.9以上の溶解率を確保することが認められ、高い溶解性が確認できた。なお、750℃で480分間熱分解を行うことにより得られる酸化銅の溶解率は39.2%であり、この処理条件では溶解性が悪かった。
同様にヤヌスグリーンを40ppm分添加したメッキ液500mlに対しても同様の条件で溶解性を確認した。前記メッキ液の組成温度はチオ尿素を用いた場合と同様とした。この結果、ヤヌスグリーンを含むメッキ液に対して99.9以上の溶解率を確保することが認められ、高い溶解性が確認できた。なお、750℃で480分間熱分解を行うことにより得られる酸化銅の溶解率が64.7%であり、この熱処理条件では溶解性が悪かった。
同様にプロピルメルカプタンを200ppm分添加したメッキ液500mlに対しても同様の条件で溶解性を確認した。前記メッキ液の組成、温度はチオ尿素を用いた場合と同様とした。この結果、前記熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、プロピルメルカプタンを含むメッキ液に対して99.8%以上の溶解率を確保することが認められ、高い溶解性が確認できた。
同様にメルカトプロピルスルホン酸を200ppm分添加したメッキ液500mlに対しても同様の条件で溶解性を確認した。前記メッキ液の組成、温度はチオ尿素を用いた場合と同様とした。この結果、前記熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、メルカトプロピルスルホン酸を含むメッキ液に対して99.6%以上の溶解率を確保することが認められ、高い溶解性が確認できた。
同様にメチルイエローを5ppm分添加したメッキ液500mlに対しても同様の条件で溶解性を確認した。前記メッキ液の組成、温度はチオ尿素を用いた場合と同様とした。この結果、前記熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、メチルイエローを含むメッキ液に対して99.9%以上の溶解率を確保することが認められ、高い溶解性が確認できた。
(実験例1−8)
さらに酸化銅粉の構造とメッキ液への溶解性との関係を明確化するために、ユーザーメーカーのメッキ液に対する溶解性の高い酸化銅粉と、溶解性の低い酸化銅粉に対して、SEM(走査型電子顕微鏡)による観察を行った。この結果、1000倍の倍率では両者の表面形状に差異が見られなかったが、10万倍の倍率では両者の表面形状が大きく異なり、前記溶解性の高い酸化銅粉は細かい粒子の凝集体であるが、前記溶解性の低い酸化銅粉は細かい粒子の固相焼結が進んでいることが認められた。この粒子の状態の違いにより両者の溶解性の違いが発生していると推察される。
(実験例2−1)
第2の実施の形態において塩化第二銅とアルカリ溶液とを反応させて得た酸化銅粉を各種の熱処理条件で加熱して酸化銅粉を得、その純度を測定した。この結果を図12に示す。この結果により、加熱温度が300℃では60分間以上、500℃〜700℃では30分間以上加熱を行うことにより、純度が98.5%以上の酸化銅粉が得られることが認められた。
(実験例2−2)
上述の所定の熱処理条件で得た、純度が98.5%以上の酸化銅粉について、ユーザーメーカーから入手したメッキ液に対する溶解試験を行った。この溶解試験は(実験例1−2)と同様の方法で試験を行った。
酸化銅粉の熱処理条件と溶解率との対比を図13に示す。この結果により、700℃で60分間熱分解を行うことにより得られる酸化銅粉の溶解率が19.8%であるのに対し、600℃で30分間熱分解を行うことにより得られる酸化銅粉の溶解率は95.5%であることが認められた。これにより熱処理条件によって酸化銅粉の構造が変化し、この構造変化が前記メッキ液に対する溶解性に影響を与えていることが推察される。
(実験例2−3)
続いて酸化銅粉の構造と、メッキ液への溶解性との関係を明確化するために、(実験例2−2)にて溶解試験を行った酸化銅粉の数種に対して、X線回折による構造分析を行なった。このとき、前記酸化銅粉についてX線回折スペクトルを測定し、当該スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとの比であるピーク強度比I/Isを求めた。
またこのとき、前記酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の回折ピークの半値幅をFとし、前記基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の回折ピークの半値幅をFsとしたときに、前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの比である半値幅比F/Fsを求めた。これらの結果を図14及び図15に示す。ここで基準酸化銅粉としては、塩化第二銅の水溶液とアルカリ溶液とを用いて直接湿式法により得た酸化銅粉を700℃にて6時間加熱処理し、その後、またこの酸化銅粉を850℃の加熱温度で12時間加熱処理した。
この結果により、前記有機物の添加剤を含むメッキ液への高い溶解性を確保するためには、ピーク強度比I/Isが0.52以下(半値幅比F/Fsが2.9以上)の結晶度であることが要求される。
また、純度が98.5%以上であって、且つピーク強度比I/Isが0.52以下の酸化銅粉を得るための熱処理条件は、
加熱温度が300℃のときは、加熱時間は60分以上360分以下
加熱温度が500℃のときは、加熱時間は30分以上360分以下
加熱温度が600℃のときは、加熱時間は30分以下
であることが確認された。また、上述の熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、純度98.5%以上であって、且つ半値幅比F/Fsが2.9以上という条件も満たしている。
(実験例2−4)
(実験例2−1)の純度試験により、純度が98.5%以上の熱処理条件にて得られた酸化銅粉から数種を選んで、比表面積により分析を行った。このとき比表面積はBET一点法により測定した。この結果を図16に示す。
この結果により、ユーザーのメッキ液に対する高い溶解性を確保するためには、比表面積が3.3m2/g以上であることが必要となることが理解される。さらに、(実験例2−3)にて求められた熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、純度が98.5%以上であって、且つ比表面積が3.3m2/g以上という条件を満たすことが認められた。
(実験例2−5)
(実験例2−3)にて求められた熱処理条件にて製造された酸化銅粉に対して、添加剤であるチオ尿素とヤヌスグリーン、プロピルメルカプタン、メルカトプロピルスルホン酸、メチルイエローに対する溶解試験を行った。この添加剤を用いた各メッキ液の試験条件は(実験例1−7)に示す通りである。
前記熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、上記添加剤を用いた各メッキ液に対して夫々99.9以上の溶解率を確保することが認められ、高い溶解性を確認することができた。
(実験例3−1)
第3の実施の形態において水酸化第二銅粉を各種の熱処理条件で熱分解して酸化銅粉を得、その純度を測定した。この結果を図17に示す。この結果により、加熱温度が300℃〜700℃では30分間以上熱分解を行うことにより、純度が98.5%以上の酸化銅粉が得られることが認められた。
(実験例3−2)
上述の所定の熱処理条件で得た、純度が98.5%以上の酸化銅粉の数種について、ユーザーメーカーから入手したメッキ液に対する溶解試験を行った。この溶解試験は(実験例1−2)と同様の方法で試験を行った。
酸化銅粉の熱処理条件と溶解率との対比を図18に示す。この結果により、700℃で30分間熱分解を行うことにより得られる酸化銅粉の溶解率が20.2%であるのに対し、650℃で60分間熱分解を行うことにより得られる酸化銅粉の溶解率は95.6%であることが認められた。これにより熱処理条件によって酸化銅粉の構造が変化し、この構造変化が前記メッキ液に対する溶解性に影響を与えていることが推察される。
(実験例3−3)
続いて酸化銅粉の構造と、メッキ液への溶解性との関係を明確化するために、(実験例3−2)にて溶解試験を行った酸化銅粉の数種に対して、X線回折による構造分析を行なった。このとき、前記酸化銅粉についてX線回折スペクトルを測定し、当該スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとの比であるピーク強度比I/Isを求めた。
またこのとき、前記酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の回折ピークの半値幅をFとし、前記基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の回折ピークの半値幅をFsとしたときに、前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの比である半値幅比F/Fsを求めた。これらの結果を図19及び図20に示す。ここで基準酸化銅粉としては、水酸化第二銅粉を700℃にて6時間加熱処理し、その後、またこの酸化銅粉を850℃の加熱温度で12時間加熱処理した。
この結果により、前記有機物の添加剤を含むメッキ液への高い溶解性を確保するためには、ピーク強度比I/Isが0.67以下(半値幅比F/Fsが1.6以上)の結晶度であることが要求される。
また、純度が98.5%以上であって、且つピーク強度比I/Isが0.67以下の酸化銅粉を得るための熱処理条件は、
加熱温度が300℃のときは、加熱時間は30分以上360分以下
加熱温度が500℃のときは、加熱時間は30分以上360分以下
加熱温度が600℃のときは、加熱時間は30分以上360分以下
加熱温度が650℃のときは、加熱時間は30分以上60分以下
であることが確認された。また、上述の熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、純度98.5%以上であって、且つ半値幅比F/Fsが1.6以上という条件も満たしている。
(実験例3−4)
(実験例3−1)の純度試験により、純度が98.5%以上の熱処理条件にて得られた酸化銅粉から数種を選んで、比表面積により分析を行った。このとき比表面積はBET一点法により測定した。この結果を図21に示す。
この結果により、ユーザーのメッキ液に対する高い溶解性を確保するためには、比表面積が3.6m2/g以上であることが必要となることが理解される。さらに、(実験例3−3)にて求められた熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、純度が98.5%以上であって、且つ比表面積が3.6m2/g以上という条件を満たすことが認められた。
(実験例3−5)
(実験例3−3)にて求められた熱処理条件にて製造された酸化銅粉に対して、添加剤であるチオ尿素とヤヌスグリーン、プロピルメルカプタン、メルカトプロピルスルホン酸、メチルイエローに対する溶解試験を行った。この添加剤を用いた各メッキ液の試験条件は(実験例1−7)に示す通りである。
前記熱処理条件にて製造された酸化銅粉は、上記添加剤を用いた各メッキ液に対して夫々99.9以上の溶解率を確保することが認められ、高い溶解性を確認することができた。
本発明の銅メッキ材料である酸化銅粉の製造方法の第1の実施の形態を示す工程図である。 本発明のメッキ方法に用いられるメッキ処理装置の一例を示す構成図である。 チオ尿素とヤヌスグリーンの構造式である。 本発明の銅メッキ材料である酸化銅粉の製造方法の第2の実施の形態を示す工程図である。 塩基性炭酸銅粉の熱処理条件と酸化銅粉の純度との関係を示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉のメッキ液に対する溶解性を示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉のX線回折による構造分析の結果を示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉のX線回折のピーク強度比I/Isを示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉のX線回折の半値幅比F/Fsを示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉の比表面積を示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉の添加剤としてSPSを含むメッキ液に対する溶解性を示す特性図である。 直接湿式法により得た酸化銅粉の熱処理条件と酸化銅粉の純度との関係を示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉のユーザーメーカーのメッキ液に対する溶解性を示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉のX線回折のピーク強度比I/Isを示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉のX線回折の半値幅比F/Fsを示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉の比表面積を示す特性図である。 水酸化第二銅粉の熱処理条件と酸化銅粉の純度との関係を示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉のユーザーメーカーのメッキ液に対する溶解性を示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉のX線回折のピーク強度比I/Isを示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉のX線回折の半値幅比F/Fsを示す特性図である。 各種の熱処理条件により得られた酸化銅粉の比表面積を示す特性図である。
符号の説明
1 反応槽
2 遠心分離機
20 吸引濾過手段
3 乾燥機
4 加熱炉
5 洗浄槽
6 遠心分離機
7 乾燥機
8 電解槽
81 不溶性陽極
82 陰極である被メッキ体
83 溶解槽
84 ホッパ

Claims (12)

  1. 不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
    この銅メッキ材料は、塩基性炭酸銅粉を還元雰囲気とはならない雰囲気下で熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
    この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、
    結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、
    前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.36以下の酸化銅粉であることを特徴とする銅メッキ材料。
  2. 不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
    この銅メッキ材料は、塩基性炭酸銅粉を還元雰囲気とはならない雰囲気下で熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
    この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFとし、
    結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、
    前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが2.9以上の酸化銅粉であることを特徴とする銅メッキ材料。
  3. 不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
    この銅メッキ材料は、塩基性炭酸銅粉を還元雰囲気とはならない雰囲気下で熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、比表面積が7.3m2/g以上の酸化銅粉であることを特徴とする銅メッキ材料。
  4. 不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加物を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
    この銅メッキ材料は、銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを反応させて酸化銅粉を得、この酸化銅粉を加熱することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
    この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、
    結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、
    前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.52以下の酸化銅粉であることを特徴とする銅メッキ材料。
  5. 不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
    この銅メッキ材料は、銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを反応させて酸化銅粉を得、この酸化銅粉を加熱することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
    この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFとし、
    結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、
    前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが2.9以上の酸化銅粉であることを特徴とする銅メッキ材料。
  6. 不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
    この銅メッキ材料は、銅塩の水溶液とアルカリ溶液とを反応させて酸化銅粉を得、この酸化銅粉を加熱することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、比表面積が3.3m2/g以上の酸化銅粉であることを特徴とする銅メッキ材料。
  7. 不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加物を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
    この銅メッキ材料は、水酸化第二銅粉を熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
    この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIとし、
    結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面のピーク強度をIsとしたときに、
    前記酸化銅粉のピーク強度Iと基準酸化銅粉のピーク強度Isとのピーク強度比I/Isが0.67以下の酸化銅粉であることを特徴とする銅メッキ材料。
  8. 不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
    この銅メッキ材料は、水酸化第二銅粉を熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、
    この酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFとし、
    結晶化が終了した基準酸化銅粉のX線回折スペクトルの(−1,1,1)面の半値幅をFsとしたときに、
    前記酸化銅粉の半値幅Fと基準酸化銅粉の半値幅Fsとの半値幅比F/Fsが1.6以上の酸化銅粉であることを特徴とする銅メッキ材料。
  9. 不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に供給される銅メッキ材料において、
    この銅メッキ材料は、水酸化第二銅粉を熱分解することにより得られた純度が98.5%以上の酸化銅粉であって、比表面積が3.6m2/g以上の酸化銅粉であることを特徴とする銅メッキ材料。
  10. 前記添加剤は、炭素と硫黄との二重結合、硫黄と硫黄との単結合、窒素と窒素との二重結合、硫黄と水素との単結合のいずれかを含む有機物であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一に記載の銅メッキ材料。
  11. 前記添加剤は、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド及び塩、チオ尿素、ヤヌスグリーン、ジメチルジスルフィド、プロピルメルカプタン、メルカプトプロピルスルホン酸及び塩、メチルイエローのいずれかであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一に記載の銅メッキ材料。
  12. 不溶性陽極と陰極をなす被メッキ体とが設けられ、有機物の添加剤を含む電解液に銅メッキ材料を供給し、被メッキ体に銅メッキを施す銅メッキ方法において、
    前記銅メッキ材料として、請求項1ないし9のいずれか一に記載の銅メッキ材料を用いることを特徴とする銅メッキ方法。

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