JP5862891B2 - 電解銅めっき浴の管理方法、電解銅めっき方法及びその方法を用いた2層フレキシブル基板の製造方法 - Google Patents
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Description
その電解銅めっきにおいて、従来可溶性陽極が主流であったが、この可溶性陽極である銅ボールからのスラッジなどによる品質低下やメンテナンスの負荷から、管理が容易な不溶性陽極に移行しつつある。
通常、その銅源としては酸化銅粉を用いるが、酸化銅粉の中で酸化第一銅(Cu2O)では、硫酸及び硫酸銅が添加されためっき浴には溶解しないため、酸化第二銅(CuO)が形成されるまで十分に酸化させる必要がある。
この酸化第二銅を製造する方法としては、特許文献1や特許文献2等で、湿式法や乾式法などさまざまな方法が提案され、これらの方法を用いることによりめっき液への溶解性が良好な酸化銅粉が得られることが開示されている。
特にブライトナーは、添加剤の構成成分に加えられるのが一般的である。
また、電解銅めっき浴には、電析しためっき被膜特性を向上させるために必要となる添加剤が含まれ、目標とするめっき被膜状態を形成、維持するために、その添加剤濃度を分析して一定範囲内に管理することが通例である。
その酸化銅粉溶解時の溶存酸素変化量が、−0.02mg/L未満では、実際の添加剤濃度とは関係なく添加剤分析値が上昇して実濃度との乖離が生じ、電析の進行とともに進む添加剤の消耗が検知できず、めっき被膜の光沢の低下を招くことがある。一方、酸化銅粉溶解時の溶存酸素変化量が、0.02mg/Lを超えると、添加剤の分解、消耗による分析値の低下が起き、添加剤の追加投入を必要とすることがある。
なお、ここでC1Sピークエネルギー値は、特に前処理を行っていない酸化銅粉の表面に付着したカーボンを分析したものであり、酸化銅粉表面をカーボンで蒸着した試料や別途用意したカーボンの標準試料のC1Sピークエネルギー値ではない。
また通常、CuO標準物質では溶解時の溶存酸素量増減は皆無であることから、αをわずかなずれ(α<<1)とした時、酸素がわずかに過剰なCuO1+αの場合(過酸化状態、CuLMMピークエネルギー値とC1Sピークエネルギー値の差が284.2eV未満)は、溶解時に過剰な酸素が、めっき浴中に溶け込み溶存酸素量の増加を示す。
一方、酸素がわずかに不足しているCuO1−αの場合(亜酸化状態、CuLMMピークエネルギー値とC1Sピークエネルギー値の差が284.2eVを超過)は、溶解時に不足した酸素をめっき浴中から奪うため溶存酸素量の減少を示すと考えられる。
酸化銅粉のXPS分析にて得られたCuLMMピークエネルギー値とC1Sピークエネルギー値の差が、284.0eV未満では、溶解時にめっき浴における溶存酸素量が増加して添加剤の分解、消耗による分析値の低下が起き、添加剤の追加投入を必要とすることがある。
先ず、2層フレキシブル基板の製造工程について説明する。
2層フレキシブル基板の製造工程は、大きく分けて以下の3工程から構成され、(1)、(2)、(3)の工程番号順に順次実施される。
(1)絶縁体フィルムの少なくとも片面に、接着剤を介することなく、乾式めっき法によりニッケルを含む下地金属層を積層する工程、
(2)前記ニッケルを含む下地金属層へ、乾式めっき法により銅薄膜層を積層する工程、
(3)前記積層したニッケルを含む金属層および銅薄膜層を介して給電することで、電解めっき法により前記銅薄膜層へ銅めっき層を積層する工程、
から構成される。
先ず、基材となる絶縁体フィルムとしては、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフィニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれる樹脂フィルムが挙げられるが、ポリイミド系のフィルムは、はんだリフローなどの高温の接続が必要な用途にも適用できる点で好ましい。
また、この絶縁体フィルムは、フィルム厚みが8〜75μmのものが、使用には好適である。
この下地金属層の膜厚が3nm未満では、配線部以外の金属被膜層(下地金属層、銅薄膜層、銅めっき層)をフラッシュエッチングなどで除去して最終的に配線を作製したとき、エッチング液が下地金属層を浸食してポリイミドフィルムと下地金属層の間に染み込み、配線が浮いてしまう場合がある。
一方、下地金属層の膜厚が50nmを超えると、フラッシュエッチングなどで最終的に配線を作製する場合、下地金属層が完全に除去されず、残渣として配線間に残るため、配線間の絶縁不良を発生させる恐れがある。
下地金属層の製造工程と同様に、銅ターゲットをスパッタリング用カソードに装着したスパッタリング装置を用い、乾式めっき法により銅薄膜層を形成することができ、さらに下地金属層と銅薄膜層を、同一真空室内で連続して形成することが好ましい。
すなわち、その膜厚が10nm未満では導電性が低く、電解銅めっき処理を行う際に充分な給電量を確保できないので好ましくない。一方、その膜厚が0.3μmを超えると、成膜時の生産性が低下するので好ましくない。
次に、銅薄膜層の上に、更に電解めっき法により銅めっき層を積層する。
電解めっき法は、特に限定されるものではなく、めっき浴の構成、電流密度、搬送速度等、常法による諸条件を採用すればよい。
なお、プリント配線板の製造手法は、大別してセミアディティブ法とサブトラクティブ法があり、セミアディティブ法は比較的銅被膜の膜厚が薄い2層フレキシブル基板、サブトラクティブ法は比較的銅被膜の膜厚が厚い2層フレキシブル基板が用いられる。
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
一方、銅源として上記電解銅めっき浴に添加する酸化銅粉を、その酸化銅粉の加熱処理条件を調整して酸化状態の異なる6種類の酸化銅粉(サンプルA〜サンプルF)を作製した。
これら酸化状態の異なる6種類の酸化銅粉について、XPS分析を実施し、CuLMMピークエネルギー値とC1Sピークエネルギー値との差を算出し、各サンプルを実施例1〜3(サンプルC〜E)、比較例1〜3(A、B、F)とした。
投入15分後の添加剤濃度が、投入前の添加剤濃度から±10%以内であれば「○」、±10%を超えれば「×」とした。
この結果を表2にまとめる。
図1において、横軸は酸化銅粉1g当たりの溶存酸素量変化[mg/L]、縦軸はCuLMMピークエネルギー値とC1Sエネルギー値の差[eV]で、破線は酸化第一銅(Cu2O)及び酸化第二銅(CuO)のCuLMMピークエネルギー値とC1Sエネルギー値の差を示すものである。
Claims (4)
- 不溶性陽極を用いる電解銅めっきにおける電解銅めっき浴の管理方法であって、
銅源として供給する酸化銅粉を電解銅めっき浴に溶解させた時に、酸化銅粉投入前の溶解前と酸化銅粉投入から15分経過した溶解後の酸化銅粉1g当たりのめっき浴中の溶存酸素変化量が、−0.02mg/L〜0.02mg/Lの範囲であり、且つ、前記酸化銅粉のXPS(X線光電子分光)分析にて得られたCu LMM ピークエネルギー値とC 1S ピークエネルギー値の差が、284.0〜284.3eVであることを特徴とする電解銅めっき浴の管理方法。 - 前記銅めっき浴が、少なくともブライトナーを含む添加剤、及び硫酸銅を含有するめっき液からなることを特徴とする請求項1記載の電解銅めっき浴の管理方法。
- 不溶性陽極を用い、少なくともブライトナーを含む添加剤及び硫酸銅を含有する銅めっき浴を用いる電解銅めっき方法において、
銅源として供給する酸化銅粉を銅めっき浴に溶解させた時に、酸化銅粉投入前の溶解前と酸化銅粉投入から15分経過した溶解後の酸化銅粉1g当たりのめっき浴中溶存酸素変化量が、−0.02mg/L〜0.02mg/Lの範囲であり、且つ、前記酸化銅粉のXPS分析にて得られたCu LMM ピークエネルギー値とC 1S ピークエネルギー値の差が、284.0〜284.3eVであるとともに、少なくとも銅めっき浴中の添加剤濃度を管理することを特徴とする電解銅めっき方法。 - 絶縁体フィルムの少なくとも一方の面に接着剤を介することなくニッケルを含む合金からなる下地金属層と、前記下地金属層上に乾式めっき法で形成される銅薄膜層と、前記銅薄膜層上に電解めっき法で形成される銅めっき層を備える2層フレキシブル基板の製造方法において、
前記電解めっき法が、不溶性陽極と、少なくともブライトナーを含む添加剤及び硫酸銅を含有する銅めっき浴を用い、銅源として供給する酸化銅粉を銅めっき浴に溶解させた時に、酸化銅粉投入前の溶解前と酸化銅粉投入から15分経過した溶解後の酸化銅粉1g当たりの銅めっき浴中の溶存酸素変化量が、−0.02mg/L〜0.02mg/Lの範囲であり、且つ、前記酸化銅粉のXPS分析にて得られたCu LMM ピークエネルギー値とC 1S ピークエネルギー値の差が、284.0〜284.3eVであるとともに、少なくとも添加剤濃度を管理することを特徴とする2層フレキシブル基板の製造方法。
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