JP5503814B1 - 電解銅箔とその製造方法、リチウムイオン二次電池の負極電極、およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

電解銅箔とその製造方法、リチウムイオン二次電池の負極電極、およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

引張強度と導電率を高めた電解銅箔及びその製造方法を提供し、該電解銅箔を集電体とした負極電極を用いたリチウムイオン二次電池を提供する。
本発明の電解銅箔は、透過電子顕微鏡(TEM)観察像において、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40である電解銅箔である。また、リチウムイオン二次電池は該電解銅箔を集電体とした負極電極を用いた二次電池である。

Description

本発明は、高強度かつ高導電性を有する電解銅箔とその製造方法、該電解銅箔を用いた負極電極、該負極電極を組み込んだリチウムイオン二次電池に関する。
リチウム(Li)イオン二次電池は、例えば、正極と、負極集電体の表面に負極活物質層が形成された負極と、非水電解質とで構成されており、携帯電話やノートタイプパソコン等に使用されている。
リチウムイオン二次電池の負極は、例えば、両面が平滑な銅箔からなる負極集電体の表面に、負極活物質層としてカーボン粒子を塗布、乾燥し、さらにプレスして形成されている。
上記の銅箔からなる負極集電体としては、電解により製造された、いわゆる「未処理電解銅箔」に防錆処理を施したものが使用されている。
リチウムイオン二次電池の負極活物質としては、炭素材料の理論容量を大きく超える充放電容量を持つ次世代の負極活物質の開発が進められている。
例えば、シリコン(Si)や錫(Sn)などのリチウムと合金化可能な金属を含む材料が期待されている。
特許文献1〜11には、リチウムイオン二次電池負極集電体などに用いられる電解銅箔についての記載がある。
特許第3742144号公報 特許第3850155号公報 特開平10−255768号公報 特開2002−083594号公報 特開2007−227328号公報 WO2010−110205号 特公昭53−39376号公報 特許2740768号公報 特開平10−96088号公報 特開2009−221592号公報 特開2009−299100号公報
しかしながら、負極活物質として開発が進められているリチウムと合金化可能なシリコンをはじめとする材料は、充放電時のリチウムの吸蔵及び放出に伴う体積変化が大きく、集電体と活物質との接着状態を良好に維持することが困難となり、集電体に破壊が起こる場合がある等、サイクル特性が劣化してしまう問題があった。
この問題を解決する対策として、集電体の引張強度を、あるいは伸びを所定値以上とすることとが考えられる。この集電体の引張強度や伸びを所定値以上とする対策としては、集電体を構成する箔の結晶粒の微細化や、他元素との合金化による高強度化が考えられるが、このような対策は電池や電子デバイスとして用いる際に必要とされる導電性が低下してしまうという問題がある。
上記課題を解決するために本発明は、高強度かつ高導電性を有する電解銅箔を提供することを目的とする。
また本発明は高強度(引張強度)かつ高導電性を有する本発明電解銅箔を集電体とする負極電極、該負極電極を組み込んだリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
なお、本発明の電解銅箔は、電池用集電体以外の用途として、たとえば、回路基板用銅箔としても、好ましく使用することができる。
本発明の電解銅箔は、透過電子顕微鏡(TEM)観察像において、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40である。
上記の本発明の電解銅箔は、透過電子顕微鏡(TEM)観察像において、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数がより好ましくは10〜36である。
また、本発明の電解銅箔の製造方法は、銅及び硫酸を含み、添加剤として塩素を20〜50ppm、チオ尿素系化合物を1〜10ppm、水溶性高分子系化合物を1〜20ppm含有する電解めっき液で電解処理を行い、透過電子顕微鏡(TEM)観察像において、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40、より好ましくは10〜36である電解銅箔を製造する、電解銅箔の製造方法である。
本発明によれば、引張強度と導電率を高めた電解銅箔を提供できる。
また、引張強度と導電率を高めた本発明電解銅箔を集電体とすることで、二次電池の電池容量の増加及び充放電特性を高めたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
図1は実施例に係るTEM画像である。 図2は実施例に係るTEM画像に線分を引き、該線分と(111)Σ3粒界との交点を示す説明図である。
[高強度、高導電率電解銅箔の構成]
本実施形態の電解銅箔は、リチウムイオン二次電池の負極集電体として好適な銅箔であり、断面の結晶構造、即ち、透過電子顕微鏡(TEM)での観察像{以下単に「TEM画像」と表現することがある}において、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40、より好ましくは10〜36である。
なお、本明細書において、「500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数」とは、図2に示すようにTEM画像に先ず500nmの長さの任意の線分を記入し、(111)Σ3粒界である双晶面との交点の数を求める。次いで前記線分の中点を中心に60°ずつ回転させながら同様の線を3本引き、それぞれの線分と双晶面の交点の数を求め、3本の各線と交差する双晶面との交点の数を平均して求めた値である。
ナノサイズの結晶粒を多く持つ金属組織に(111)Σ3粒界を数多く導入し、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40とすることで、機械強度の代表的指標である引張強度を向上させつつ、二次電池用として使用するのに適切な導電率に設定することができる。
例えば、本実施形態の電解銅箔は、電解銅箔を構成する銅粒子の平均粒径が5〜200nmであることが好ましい。
平均粒径が5nm未満の場合は、導電率が低くなるため、好ましくない。また、200nmを超えると、引張強度が低下するため、好ましくない。
また、例えば、本実施形態の電解銅箔は、引張強度が好ましくは500〜900MPaである。
引張強度が500〜900MPaであれば、薄膜化された場合でも十分に電池用構造部材およびその他電子デバイス材料として好ましく使用することが可能となる。
引張強度が500MPaを下回ると、構造部材として強度が不十分であり、900MPaを超えると加工時に割れなどの欠陥が生じやすい。
また、本実施形態の電解銅箔は、引張強度がより好ましくは600〜800MPaである。600〜800MPaであると、耐久性がさらに高められ、電池容量をさらに増加できる。
本実施形態の電解銅箔は、導電率は好ましくは60%IACS以上である。
導電率を60%IACS以上にすることで、十分な導電性を有しながら、電子デバイスとして使用される際に発生する熱を抑えることが可能となる。
導電率が60%IACS以下の場合は、電気抵抗による発熱が生じ、あるいは、リチウムイオン二次電池用集電体として用いられる際には、IR降下により出力電圧が低下するなどの問題が生じる。
また、本実施形態の電解銅箔は、導電率がより好ましくは70%IACS以上である。70%IACS以上であると、リチウムイオン二次電池として使用される際に充放電特性がさらに高められる。
上記のように、TEM画像における、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40とすることで、上記の好ましい引張強度と、適切な導電率を実現できる。
また、本実施形態の高強度高導電率電解銅箔は、表面に防錆処理層が設けられている。
防錆処理層は、例えば、クロメート処理層、あるいは、Ni又はNi合金めっき層、Co又はCo合金めっき層、Zn又はZn合金めっき層、Sn又はSn合金めっき層、或いは上記各種めっき層上にさらにクロメート処理層を設けたもの等の無機防錆処理、あるいは、ベンゾトリアゾール等の有機防錆処理層である。
さらに、シランカップリング剤処理層等が形成されていてもよい。
上記無機防錆処理、有機防錆処理、シランカップリング剤処理は、リチウムイオン二次電池として使用される際に活物質との密着強度を高め、電池の充放電サイクル効率の低下を防ぐ役割も果たす。
また、本実施形態の高強度高導電率電解銅箔は、該電解銅箔の活物質層を設ける表面に粗化処理が施され、当該粗化処理が施された表面に防錆処理層が設けられている。
[高強度高導電率電解銅箔の製造方法]
本実施形態の電解銅箔は、例えば、硫酸−硫酸銅水溶液を電解液とし、白金属元素又はその酸化物元素で被覆したチタンからなる不溶性陽極と該陽極に対向させて設けられたチタン製陰極ドラムとの間に該電解液を供給し、陰極ドラムを一定速度で回転させながら、両極間に直流電流を通電することにより陰極ドラム表面上に銅を析出させ、析出した銅を陰極ドラム表面から引き剥がし、連続的に巻き取る方法により製造される。
本実施形態の電解銅箔は、例えば、硫酸−硫酸銅電解めっき液において電解処理を行って製造することができる。
電解処理時の電流密度は、30〜70A/dmとすることが好ましい。
硫酸−硫酸銅電解めっき液の銅濃度としては、例えば、40〜120g/Lの範囲を用い、好ましくは60〜100g/Lの範囲を用いる。
また、硫酸−硫酸銅電解めっき液の硫酸濃度としては、例えば、40〜60g/Lの範囲を用いる。この硫酸濃度は重要な条件であり、この範囲よりも不足するとめっき液の導電率が低くなるため銅箔の均一電着性が低下し、過剰であると以下に述べるN(窒素)及びS(硫黄)含有添加剤の効果が表れにくくなり、銅箔の強度低下や結晶配向性のランダム化が起こるため好ましくない。
硫酸−硫酸銅電解めっき液の塩素濃度としては、例えば、20〜50ppmの範囲を用いる。また、以下に示す有機添加剤AとBの両方を用いる。
有機添加剤Aは、N(窒素)原子およびS(硫黄)原子を1分子中に少なくとも1つずつ以上含む有機化合物である。有機添加剤Aを少なくとも1種類適量に加えることで、製造される電解銅箔の金属組織に(111)Σ3粒界を数多く導入することができる。
有機添加剤Aは、望ましくはチオ尿素系化合物であり、更に望ましくは炭素数が3以上のチオ尿素系化合物である。
有機添加剤Aとして、例えば、チオ尿素(CH42S)、N,N’−ジメチルチオ尿素(C382S)、N,N’−ジエチルチオ尿素(C5122S)、テトラメチルチオ尿素(C5122S)、チオセミカルバシド(CH53S)、N−アリルチオ尿素(C482S)、エチレンチオ尿素(C362S)等の水溶性のチオ尿素、またはチオ尿素誘導体などのチオ尿素系化合物である。電解めっき液に添加する添加剤Aとしては、これらチオ尿素系化合物から選ばれた一種以上を用いる。
有機添加剤Bは、例えば、ニカワ、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、デンプン、セルロース系水溶性高分子(カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)等の高分子多糖類、ポリエチレンイミン、ポリアミン系高分子、ポリアクリルアミドなどの水溶性高分子化合物等のである。電解めっき液に添加する添加剤Bとしては、これら水溶性高分子系化合物から選ばれた一種以上を用いる。
有機添加剤Aに加えて有機添加剤Bをさらに追加することで、製造される電解銅箔の金属組織に(111)Σ3粒界を数多く導入することができる。
例えば、銅及び硫酸を含み、添加剤として塩素を20〜50ppm、チオ尿素系化合物を1〜10ppm、水溶性高分子化合物を1〜20ppm含有する電解めっき液で電解処理を行うことで、TEM画像において、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40である電解銅箔を製造することができる。
さらに、硫酸−硫酸銅電解めっき液に遷移金属元素を加えることで、耐熱性を更に向上させることができる。添加する金属元素は、望ましくは硫酸酸性水溶液中で酸化物が安定な元素であり、更に望ましくは3価以上の多価酸化物を安定にとりうる元素である。
本実施形態の電解銅箔の製造方法では、TEM画像における500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40となるように(111)Σ3粒界を数多く導入した結果、引張強度と導電率を共に向上できる電解銅箔の製造が可能となる。
なお本明細書においては、製造時に電解銅箔が陰極ドラム表面に接していた側の面をS面(光沢面)、逆の面をM面(マット面)と称している。
製造された電解銅箔(未処理電解銅箔)に対して、例えば、クロメート処理、あるいはNi又はNi合金めっき、Co又はCo合金めっき、Zn又はZn合金めっき、Sn又はSn合金めっき、或いは上記各種めっき層上にさらにクロメート処理を施したもの等の無機防錆処理、あるいは、ベンゾトリアゾール等の有機防錆処理を施す。
さらに、例えばシランカップリング剤処理等が施されて、リチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔として使用される。
上記無機防錆処理、有機防錆処理、シランカップリング剤処理は活物質との密着強度を高め、電池の充放電サイクル効率の低下を防ぐ役割を果たす。
また、上記の防錆処理を施す前に、例えば、電解銅箔表面に粗化処理を行う。この粗化処理としては、例えば、めっき法、エッチング法等が好適に採用できる。
めっき法は、未処理電解銅箔の表面に凹凸を有する薄膜層を形成することにより表面を粗化する方法である。めっき法としては、電解めっき法及び無電解めっき法を採用することができる。
めっき法による粗化としては、銅や銅合金などの銅を主成分とするめっき膜を、未処理電解銅箔表面に形成する方法が好ましい。
電気めっきにより粗化する方法としては、例えば、特許文献7に開示された、プリント回路用銅箔に対し一般的に用いられているめっきによる粗化方法が好ましく用いられる。すなわち、いわゆる「やけめっき」により、粒粉状銅めっき層を形成した後、この粒粉状銅めっき層の上に、その凹凸形状を損なわないように「被せめっき」を行い、実質的に平滑なめっき層を堆積させて粒粉状銅をいわゆるコブ状銅とする粗化方法である。
エッチング法による粗化としては、例えば、物理的エッチングや化学的エッチングによる方法が適している。物理的エッチングにはサンドブラスト等でエッチングする方法があり、化学エッチングには処理液として、無機または有機酸と酸化剤と添加剤を含有する液が多数提案されている。例えば特許文献8では、無機酸+過酸化水素+トリアゾールなどの腐食防止剤+界面活性剤が開示されている。また、特許文献9には、無機酸+過酸化物+アゾール+ハロゲン化物を含有する液が開示されている。
通常は酸と酸化剤にキレート剤などの添加剤を付与した浴であり、銅の結晶粒界を優先的に溶解するものである。例えば、特許文献9に開示されている液組成の他に、メック株式会社のCZ−8100、同8101、三菱ガス化学株式会社のCPE−900などの市販品が採用できる。
本実施形態によれば、TEM画像における500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40となるように(111)Σ3粒界を数多く導入した結果、引張強度と導電率が向上した電解銅箔を得ることができ、該電解銅箔を集電体とすることで、耐久性の向上、電池容量の増加、充放電特性の向上を実現したリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本実施形態において、TEM画像における500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の数を求めるときの金属組織の観察は、透過電子顕微鏡(TEM)で実施した。TEM画像を図1に示す。
(111)Σ3粒界との交点の数は、図2に示すように、観察対象の組織上に500nmの長さの任意の線分を記入し、(111)Σ3粒界である双晶面との交点の数を求める。次に、前記線分の中点を中心に60°ずつ回転させながら同様の線を引き、それぞれの線分と双晶面の交点の数を求め、各線と交差する双晶面との交点の数を平均し、「交点の数」とした。
また、そのときの双晶の間隔は0.1〜50nm、双晶が占める面積の割合は0.1〜30%であり、電子線回折から得られた回折像より、粒界は(111)Σ#であることを確認した。
透過電子顕微鏡での観察はJEM−3010(日本電子社製)を使用し、加速電圧300kVで行った。観察視野は10〜36万倍が望ましい。また、観察用試料作製は、TenuPol−5(Struers社)を用いて実施した。
温度;−26〜―25℃、電圧;8V、電解液; 硝酸:メタノール=1:2。
また、平均結晶粒径の測定は、例えばインターセプト(Intercept)法により実施できる。インターセプト法では、観察対象の組織上に任意の線分を引き、線分の長さとそれに交わる結晶粒数から平均結晶粒径を求めるものである。
また、本実施形態において、引張強度は、IPC規格(IPC−TM−650)に定められた方法により、測定した値である。
また、本実施形態において、導電率はIPC規格(IPC−TM−650)に基づき得られた比抵抗から算出した。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
[実施例1〜11]
[未処理銅箔の製造]
銅80g/L−硫酸40〜60g/Lの酸性銅電解浴に表1に示す組成の添加剤をそれぞれ添加し製箔用電解液を調製した。なお、実施例では塩化物イオン濃度を全て30ppmに調整した。しかし、塩化物イオン濃度は電解条件により適宜変更するものであり、この濃度に限定されるものではない。
調製した電解液を用い、アノードには貴金属酸化物被覆チタン電極、カソードにはチタン製回転ドラムを用いて表1に示す電解条件(電流密度、液温)の下に、20μm厚みの未処理銅箔を電解製箔法によって製造した。
[比較例1〜3]
比較例1〜3は表1に示す組成の電解液により20μm厚みの未処理銅箔を製造した。
ここで、2M−5Sは2−メルカプト−5−ベンズイミダゾールスルホン酸であり、SPSはビス(3−スルホプロピル)ジスルフィドであり、DDACはジアリルジメチルアンモニウムクロライドでる。
Figure 0005503814
[電解銅箔の特性の測定]
各電解銅箔(実施例1〜11,比較例1〜3)の引張強度(MPa)、平均粒径、(111)Σ3粒界の有無及び500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数(以下、交点の数と称する)、導電率EC{%IACS(International Annealed Copper Standard)}を測定し、総合評価を行った。結果を表2に示す。また、引張強度は引張試験機(インストロン社製1122型)を用いて測定した。
また、(111)Σ3粒界の有無及び交点の数は、透過電子顕微鏡において観察視野は10〜36万倍として金属組織観察をして求めた。
また、金属組織観察において10nm以上連続で直線上であるものを(111)Σ3粒界とした。
図1及び図2は、本実施例に係るTEM画像である。
「交点の数」は、図2に示すように、観察対象の組織上に500nmの長さの任意の線分を記入し、(111)Σ3粒界である双晶面との交点の数を求め、次に、前記線分の中点を中心に60°ずつ回転させながら同様の線を引き、それぞれの線分と双晶面の交点の数を求め、各線と交差する双晶面との交点の数を平均し、「交点の数」とした。
また、導電率は、IPC規格(IPC−TM−650)に基づき得られた比抵抗から算出した値である。
総合評価は、引張強度と導電率がともに良好なものが○、やや良好なものが△、いずれか一方でも不良のものを×とした。
Figure 0005503814
表2に示すように、TEM画像における500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40である実施例1〜11は、引張強度と導電率がともに良好であった。
一方、比較例1〜3では、引張強度と導電率のいずれかが不良であった。
本発明の電解銅箔は、リチウムイオン二次電池以外の用途として、たとえば、回路基板用銅箔、電子デバイス材料としても、好ましく使用することができる。

Claims (5)

  1. 銅を含む電解液を電析することにより作られる電解銅箔において、
    透過電子顕微鏡観察像において、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40であることを特徴とする電解銅箔。
  2. 銅を含む電解液を電析することにより作られる電解銅箔において、
    透過電子顕微鏡観察像において、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が10〜36であることを特徴とする電解銅箔。
  3. 銅及び硫酸を含み、添加剤として塩素を20〜50ppm、チオ尿素系化合物を1〜10ppm、水溶性高分子系化合物を1〜20ppm含有する電解めっき液で電解処理を行い、透過電子顕微鏡観察像において、500nmの長さの任意の線分と(111)Σ3粒界である双晶面との交点の平均の数が5〜40である電解銅箔を製造する、電解銅箔の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の電解銅箔を用いたリチウムイオン二次電池の負極電極。
  5. 請求項1または2に記載の電解銅箔を用いたリチウムイオン二次電池。
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