JP4112757B2 - 単結晶ダイヤモンドバイトおよびその製造方法。 - Google Patents
単結晶ダイヤモンドバイトおよびその製造方法。 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、単結晶ダイヤモンドチップを有する切削工具において、該単結晶ダイヤモンドチップを有する切削工具に関するものであり、特にその前逃げ面のところに、微細な平行条痕を無数に設けるようにした切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、精密機械加工部品のうち、特に、光学機械部品等においては、特定の加工面が鏡面状でなく、規則正しい微細な凹凸からなる一定の表面粗さを有するものであることが要求されている。このような要求に応えるために、切削工具の先端部に微細なダイヤモンド粒等の超砥粒の焼結体からなる刃先チップを設け、この部分に特殊な加工を施すことによって、切れ刃稜のところに微細凹凸部を設けるようにした超砥粒焼結体を有する切削工具が開発され、特許第2533049号に関する登録公報により、すでに公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このものは、前逃げ面のところを、まず、研磨痕のない状態に仕上げ、しかるに後に、切れ刃稜のところに微小幅の面取り部を設け、この部分を平滑な状態に仕上げるとともに、この仕上げ加工によって、当該面取り部のところに、上記焼結手段によって設けられていた各ダイヤモンド粒からなる微細な切れ刃を形成させるようにしているものである。これらのことより、この従来のものにおいて形成される刃先部(切削稜)のところに設けられる各切れ刃の大きさ、あるいは各切れ刃間の間隔等は、各砥粒の形状あるいは焼結の具合等によって異なるものである。すなわち、このような構成からなる切れ刃稜のところに形成される各切れ刃の形成は、微視的に見て不揃いの状態となっている。従って、このような刃先チップを有する切削工具にて加工の成された被加工物の、その加工面は、規則正しい凹凸を得ることが難しい。従って、このような刃先チップを有する切削工具にて加工の成された被加工物の、その加工面は不揃いの凹凸が得られるが、規則正しい凹凸面を得る事が難しい。このような問題点を解決するために、切れ刃稜のところに、規則正しい複数の凹凸状の条痕を設けるようにした単結晶ダイヤモンドチップを有する切削工具を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の特徴は、切削加工するための鋭利な切削稜を有する単結晶ダイヤモンドチップと、該単結晶ダイヤモンドチップを保持するためのシャンクとを備えた単結晶ダイヤモンドバイトであって、前記単結晶ダイヤモンドチップが、研磨痕のない状態に研磨されたすくい面と、粗さを有する凹凸状の条痕を、複数本、平行に設けるように刃付けした前逃げ面とを有し、前記切削稜が曲線状に形成されたことである。
また、請求項2に記載の発明の特徴は、上記の逃げ面の粗さを、0.5μmから3.5μmまでの粗さを有する凹凸状の条痕を複数本、平行に設けるようにしたことである。
【0005】
このような構成をとることにより、本発明のものにおいては次のような作用を呈することとなる。すなわち、本発明の請求項1,2記載の単結晶ダイヤモンドバイトによれば、その刃先のすくい面のところが研磨痕のない鏡面状に仕上げられているとともに、前逃げ面および当該前逃げ面と上記すくい面と交叉稜線にて形成される切れ刃稜のところには、一定の規則正しい間隔をもって形成された凹凸部からなる条痕が平行に、かつ、複数設けられるようになっている。従って、このような単結晶ダイヤモンドバイトを用いてワークへの加工が行なわれると、そのときのワークの加工面には、微視的にみて、規則正しい凹凸面が形成されることとなる。すなわち、所定の表面粗さを有する加工面が得られることとなる。
【0006】
次に請求項3記載について説明する。その基本的な点は上記請求項1記載のものと同じである。天然単結晶ダイヤモンドおよび人造単結晶ダイヤモンドであることを特徴とする単結晶ダイヤモンドチップを有する切削工具としたものである。
【0007】
次に請求項4記載の発明について説明する。このものは上記請求項1記載の発明にかかる単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法に関するものである。すなわち、請求項4においては、単結晶ダイヤモンドチップを有する単結晶ダイヤモンドバイトを製造する方法であって、スカイフに規則正しい凹凸状の溝を製作し、該凹凸状の溝にダイヤモンドパウダを塗り付け、回転している上記スカイフの溝部分に上記ダイヤモンドチップの前逃げ面を送りをかけないで研磨することにより、上記前逃げ面に0.5μm〜3.5μmの面粗さの凹凸状の条痕を、複数本、平行に設け、すくい面は、上記前逃げ面に凹凸状の条痕を設けた後、または、前もって、送りをかけながら研磨する単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図3は該実施例の単結晶ダイヤモンドの研磨に用いる研磨機(スカイフ)に用いる研磨機の概略立体図である。従来のダイヤモンドバイトでは、刃を付けるため、回転している研磨皿14にバイトを押しつけ、送りをかけないで研磨しているため、上記したように切れ刃稜にはうねりが生じた。図4。本発明によるとダイヤモンドバイトを研磨するには、図3の送り装置5の台上10に設置した保持具11にバイト12を取り付け、すくい面を研磨皿14上で送りをかけながら研磨痕が残らないように研磨した後、別の機械に取り付けられたスカイフで前逃げ面を刃付けができるよう送りをかけずに研磨する。この時のスカイフには規則正しい凹凸状の溝が製作され6、ダイヤモンドパウダとオリーブ油等で混合したダイヤモンドパウダを鋳物円盤(スカイフ)に塗り付ける。ダイヤモンドの前逃げ面には鋳物の凹凸形状が転写され、凹凸の持ったダイヤモンドの前逃げ面が出来上がる。この研磨法で仕上げた本実施例のダイヤモンドバイトを図2に示す。図2のようにすくい面7には研磨痕がないため、うねりがほとんどなく、前逃げ面8には刃付けのため、送りをかけないで研磨しているため、スカイフの凹凸の規則正しい溝が製作されているため、凹凸状の規則正しい溝の研磨痕が生じる。その結果として、切れ刃稜には凹凸状の規則正しい切れ刃稜線9の部分は、前逃げ面8の面の切れ刃稜には凹凸の規則正しい条痕を有しているが、すくい面には面内ではうねりがほぼ皆無の状態となる。すくい面7内でうねりが無ければ、切削には前逃げ面の凹凸の規則正しい条痕を持っているため、転写されることにより、0.5μm〜3.5μmの範囲の面粗さを切削によって安定した粗さが得られる。
【0009】
図5は、本発明による切れ刃が曲線状の凹凸の規則正しい条痕を持ったダイヤモンドバイトを用いて、切削した例を示したものである。同図には一刃当たりの断面形状を示しているが、規則正しい凹凸の条痕状態に切削されることがわかる。
【0010】
以上のように、本実施によれば、一刃当たりの切削条痕が規則正しい凹凸の条痕であり、0.5μm〜3.5μmの面粗さを得られ、粗さを持った製品がより向上させることができる。
【0011】
尚、前逃げ面の研磨容易方向であればあるほど、切れ刃稜の凹凸の規則正しい条痕が、切れ刃稜と対角線の方向になるように結晶方向が選定されたバイトでは、本発明の効果は一層大きなものとなる。
【0012】
【発明の効果】
本発明のダイヤモンドバイトによれば、前逃げ面および切れ刃稜には規則正しい凹凸の条痕が複数の平行に有する切削工具を、効率よく面粗さを形成することが出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる切削工具の全体構成を示す正面図である。
【図2】本発明によるダイヤモンドバイトのダイヤモンドチップ部の実施例を示す見取り図である。
【図3】本発明の実施に用いる研磨機の該略立体図である。
【図4】従来のダイヤモンドバイトを用いて切削したした加工面の断面曲線の例を示す特性図である。
【図5】本発明によるダイヤモンドバイトを用いて切削した加工面の断面曲線の例を示す特性図である。
【図6】従来のダイヤモンドバイトのダイヤモンドチップ部を示す見取り図である。
【図7】本発明の実施に用いる研磨皿(スカイフ)の正面図と側面図の見取り図である。
【図8】本発明の実施に用いる概略上面図で研磨加工を行なっている見取り図である。
【符号の説明】
1……ダイヤモンドチップ
2……シャンク
3……ダイヤモンドと金属の結合手段(接合手段)
4……スカイフ
5……送り装置
6……鋳物円盤に溝を切削された図(6′と6′は断面線)
7……すくい面
8……前逃げ面
9……切れ刃稜
10……保持具固定台
11……保持具
12……バイト
13……揺動部分(送り機構)
14……従来のスカイフ面の状態
Claims (4)
- 切削加工するための鋭利な切削稜を有する単結晶ダイヤモンドチップと、該単結晶ダイヤモンドチップを保持するためのシャンクとを備えた単結晶ダイヤモンドバイトであって、前記単結晶ダイヤモンドチップが、研磨痕のない状態に研磨されたすくい面と、粗さを有する凹凸状の条痕を、複数本、平行に設けるように刃付けした前逃げ面とを有し、前記切削稜が曲線状に形成されたことを特徴とする単結晶ダイヤモンドバイト。
- 上記の逃げ面の粗さを、0.5μmから3.5μmまでの粗さを有する凹凸状の条痕を複数本、平行に設けるようにした請求項1記載の単結晶ダイヤモンドバイト。
- 上記の単結晶ダイヤモンドは、天然単結晶ダイヤモンドおよび人造単結晶ダイヤモンドであることを特徴とする単結晶ダイヤモンドチップを有する請求項1記載の単結晶ダイヤモンドバイト。
- 請求項1記載の単結晶ダイヤモンドチップを有する単結晶ダイヤモンドバイトを製造する方法であって、スカイフに規則正しい凹凸状の溝を製作し、該凹凸状の溝にダイヤモンドパウダを塗り付け、回転している前記スカイフの溝部分に前記ダイヤモンドチップの前逃げ面を押しつけて、送りをかけないで研磨することにより、前記前逃げ面に0.5μm〜3.5μmの面粗さの凹凸状の条痕を、複数本、平行に設け、すくい面は、前記前逃げ面に凹凸状の条痕を設けた後、または、前もって、送りをかけながら研磨する単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法。
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