JP2004202603A - 回転工具、および、その構成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】人造のダイヤモンドや超硬化合物を用いて、硬質の被加工物を切削できる回転工具を構成する。
【解決手段】例えば化学気相合成ダイヤのような、人造の超高硬度材料の小片1を、鋼製厚板2の表面にロウ付けし(A図)、「ダイヤ等の小辺を頂面に接着された柱状のシャンク3」を切り出す(B図)。上記と別体に(C)図のように形成された回転台座4の放射状穴4aに、前記の柱状シャンク3を嵌め合わせて植設する。これにより、回転軸4bと同心の仮想の円周に沿って多数のダイヤ等の小片1が配列されて回転工具が構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】例えば化学気相合成ダイヤのような、人造の超高硬度材料の小片1を、鋼製厚板2の表面にロウ付けし(A図)、「ダイヤ等の小辺を頂面に接着された柱状のシャンク3」を切り出す(B図)。上記と別体に(C)図のように形成された回転台座4の放射状穴4aに、前記の柱状シャンク3を嵌め合わせて植設する。これにより、回転軸4bと同心の仮想の円周に沿って多数のダイヤ等の小片1が配列されて回転工具が構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人造の超硬物質の小片を用いて回転刃を構成する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工業用途の人造超硬物質の中で、最も硬いダイヤモンドやCBN(立方晶窒化硼素)は一般に粒度が小さい。
硬度は落ちるが金属系の超硬合金は、焼結などの技法を用いて小片(チップ)を成形することができるので、これをバイトのシャンクにロウ付けして切削工具として広く用いられている。
しかし、非金属系の超硬物質は細かいので、単独で切削工具の切刃として用いることができず、結合剤で固めて研削用の砥石として用いられていた。
ごく最近の技術的進歩によって非金属系の超硬物質の粒度が大きくなり、顕微鏡的な微粒から、肉眼で認められるまでに大きくなってきたので、これを利用した新しい研削ないし切削技術の開発が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
概要的に、金属系の超硬物質は切削工具として用いられ、非金属系の超硬物質は研削工具として用いられている。
切削と研削とはそれぞれ長い発達の歴史が有り、その技術的範囲も拡大してきているので、両者を明確に定義して区別することは容易でないが、
切削という概念では、所定形状の切刃が一定の姿勢で被加工物に接触して、これを削る。例えばフライスカッタでは、1個の切削工具に多数の切刃を設けてあるが、それぞれの切刃は互いに同じ形状,寸法であり、被加工物に対して一定の姿勢で一定方向に移動しながらこれを削り取る。
これに比して研削という概念においては、切削におけるよりも桁違いに多数の、種々雑多な形状の砥粒が、不規則に次々と接触しながら、被加工物表面から微小な粒子(研削粉)を削り取る。
【0004】
本発明が適用の対象とする人造のダイヤモンドや非金属系超硬化合物は、人造の金属系超硬物質に比して硬度が高くて粒度が小さいという特性から、次のような長所,短所が有る。
a.長所:硬度の高い被加工物をも加工することができ、加工仕上面を平滑ならしめることができる。
b.短所:平坦な面を仕上げるに好適であるが、微細な凹凸を削り出すことは不得手であり、その上、研削砥石特有の目づまり、目こぼれ、および目つぶれという損耗(詳細は次に述べる)を生じ、これを修復するには研削砥石表面を削り取る(ドレッシング)しか無い。
【0005】
図8は、人造の非金属系超硬化合物つから成る砥粒を用いて作られた研削砥石の損耗を説明するために示したもので、部分的に拡大して描いた模式図である。(A)は正常な状態を表していて、多数の砥粒13が、結合剤14によって相互に結合されるとともに、その間に気孔15を形成して砥石車12が構成されている。
(B)は目づまりした状態を表していて、砥粒13と砥粒13との間に切粉16や、研削油の老化成生物(図示省略)が付着して、砥粒13の「切れ」を悪くしている。
(C)は目こぼれした状態を表していて、符号14で示した結合剤が符号14Aを付して示したように破壊されて、砥粒の脱落13Aを発生させている。
(D)は目つぶれした状態を表していて、符号13Bを付して示したように切刃部分が摩耗した砥粒が、砥石車12の表層を覆っている。
【0006】
本発明者は、多年蓄積された経験の上に立って鋭意試験研究を重ねて、研削特有の長所を取り入れて欠点を除き、切削特有の長所を失うことなく短所を改善すべく努力し、本発明を創作するに至った。
本発明の目的とするところは、
イ.硬い被加工物を切削することができ、しかも硬い被加工物を切削しても耐久性に優れており(従来技術における研削の長所維持、従来技術における切削の短所解消)、
ロ.被加工物に微細な凹凸を削り出すことができ(従来技術における切削の長所維持、従来技術における研削の短所解消)、
ハ.研削砥石に特有の目づまり、目こぼれを生じることなく(従来技術における研削の短所解消)、
ニ.目つぶれした超硬材料を削り落とすことなく再生使用することができ(従来技術における研削の短所解消、従来技術における切削の長所維持)、
ホ.しかも、従来の研削工具や切削工具に比して同等の製造コストで、工業的に大量生産するに適した回転工具を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の概念を理解し易いよう、比喩的に述べると、『多刃工具であるフライス(milling cutter)の切刃として、人造ダイヤモンドの小片を貼り付ける。』
しかし、従来のフライスの回転台座にロウ付けした超硬合金のチップが、指先で摘める程度の大きさであったのに比して、人造ダイヤモンドの大きさは、未だピンセットでないと摘めない程度の微小片であるから、特別の工夫を施さなければ刃先(ダイヤ)を植え付けることができない。本発明の創作性は、この特別の工夫である。
本発明の1実施形態に対応する図1を参照しつつ本発明の基本的な原理を略述すると、
(A)図のように、鋼製の厚板2の上に多数のダイヤの小片1を配列してロウ付けし、
(B)図のように「ダイヤ小片を頂面にロウ付けされた柱状のシャンク3」を切り出し、
(C)図のように、回転台座4の外周面に多数の穴4aを放射状に穿ち、前記のシャンク3を嵌め込んで植え付ける。
【0008】
上述の原理に基づいて、請求項1に係る発明方法の構成は、(図1参照)化学気相合成ダイヤモンド(CVD)のシート(または板)を碁盤目状にカットした小片1を、鋼製の厚板2の上に並べてロウ付けし(図1(A))、
ダイヤ小片1を頂面にロウ付けされた円柱形シャンク3を切り出し(B図)、回転台座4の外周面に穿たれた放射状の穴4aに、(C図)前記円柱形シャンク3を嵌め込んで植え付ける。
【0009】
以上に説明した請求項1の発明方法によると、シート状に成膜して供給されている化学気相合成ダイヤモンドを用いて、多刃のダイヤモンド切刃を備えた回転工具が得られる。
このような手順で回転工具を構成するので、従来技術におけると同等の製造コストで工業的に生産することができる。
さらに、回転台座の周囲に配列される多数のダイヤモンド小片が切刃として作用するので、硬い被加工物を加工することができ、しかも耐久性に優れている。
その上、ダイヤモンドの小片が結合剤で成形された従来品に比して、1個ずつロウ付けされているので、目づまり,目こぼれといった砥石特有の損耗を生じることが無い。
【0010】
請求項2に係る発明方法を要約すると、前記請求項1における「化学気相合成されたダイヤモンドをカットした小片」に代えて、モノクリスタルダイヤモンドの小片(図3に示した符号5の部材)を用いて回転刃を構成する。
また、請求項3に係る発明方法を要約すると、前記請求項1,2におけるダイヤモンドの小片に代えて、例えばCBN(立方晶窒化硼素)などの超硬化合物の小片を用いる。
請求項2の発明によっても請求項1におけると同様の効果を奏し、
請求項3の発明によっても前記請求項1,2におけると類似の効果を奏する。
【0011】
請求項4に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明方法の構成要件に加えて、(図5参照)前記のシャンク6の頂面に接着されたダイヤモンドの小片5を、所定の形状(例えば頂角Θの角錐状)に研削することを特徴とする。
上記の研削を製造工程の途中で行なえば、本発明に係る回転工具に配設される多数のダイヤモンドまたは超硬化合物が所定の形状に揃えられ、被加工面に高精度の微細な凹凸を削り出すことができる。
また、本発明に係る回転工具の使用によって切刃が損耗した後に前記の研削を行なえば、該回転工具を再生することができて経済的である。
【0012】
請求項5に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明方法の構成要件に加えて、(図2参照)前記回転台座4の外周に設ける放射状の穴を、図示の符号4aの穴のように半径r1方向とせず、符合4cを付して示したように、半径r2に対して角αだけ傾けてある。
以上に説明した請求項5の発明方法によると、半径方向に対して傾けて設置された柱状部材(シャンク)の頂面が法面に対して傾く。これにより、該傾斜した頂面に接着されたダイヤの小片に「切削用の刃として好適なスクイおよび逃げが形成され、良好な切削性能が得られる。
【0013】
請求項6に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明方法の構成要件に加えて、(図7参照)被加工物(例えば金型10)の被加工面である平面に沿った直交座標軸X,Y、および、これに直交するZ軸を想定し、
前記回転工具の回転台座4の回転軸を駆動モータ11に装着し、
上記回転軸の中心線を、前記Y座標軸に平行な補助軸yに揃え、
前記回転駆動機をX軸方向,Y軸方向,Z軸方向のそれぞれに移動させる手段を設けることを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明方法によると、例えば金型などのように高硬度の被加工物を高精度で切削仕上げすることができ、特に、溝などのような微細な凹凸を高精度で削り出すことができる。
【0014】
請求項7の発明に係る回転工具の構成は、円板またはこれに類似する形状の回転台座の外周面に、多数の放射状の穴が設けられており、
上記と別体に構成された柱状部材の頂面に、化学気相合成ダイヤモンドの小片、もしくはモノクリスタルダイヤモンド小片、または超硬化合物の小片が接着されていて、
前記多数の放射状の穴のそれぞれに、上記の柱状部材が嵌め合わされて植え込まれており、
前記回転台座の回転中心線と同心の仮想の円周上に、前記の小片が規則的に配列されていることを特徴とする。
【0015】
以上に説明した請求項7の発明工具を適用すると、超硬材料で回転刃が構成されているので、硬い被加工物を切削することができ、耐久性も優れている。
その上、切刃を形成する部材が結合剤で不規則に固められているのではなく、切刃部材である超硬の小片が1個ずつ位置と姿勢とを規制して配列されているので、高精度の切削を高能率で施工することができる。
さらに、一般市場に供給されている材料を購入して用いれば、格別に特殊な設備,機械を必要とせず、工業的に大量生産が可能であって製造コストも低廉である。
【0016】
請求項8の発明に係る回転工具の構成は、前記請求項7の発明の構成要件に加えて、(図2参照)回転台座4の外周面に設けられた穴(符号4cを付して示す)の中心線が、半径r2の方向に対して、所定の角αだけ傾いていることを特徴とする。
以上に説明した請求項8の発明によると、半径方向に対して柱状のシャンクが所定角度だけ傾斜させて植え付けられるので、該柱状のシャンクの頂部に接着されているダイヤ(もしくは超硬化合物)の小片が所定角度だけ傾き、切削刃として好適なスクイおよび逃げが形成される。
【0017】
請求項9の発明に係る回転工具の構成は、前記請求項7または請求項8の発明の構成要件に加えて、前記の柱状部材が円柱状をなすとともに、前記放射上の穴のそれぞれが凹円柱状の穴であり、
または、前記柱状部材が四角柱状をなすとともに、前記放射状の穴のそれぞれが凹四角柱状の穴であることを特徴とする。
以上に説明した請求項9の発明によると、高品質の回転工具を低コストで構成することができるという実用的な効果を奏する。
すなわち、柱状部材および穴を円形に形成すると、穴を穿つ作業が容易であり、円柱と穴との嵌合を規制することも容易である。円柱状部材を凹円柱状の穴に嵌わせると、中心線まわりの角位置を制御しにくいが、前記請求項4の発明方法を適用して、植設された柱状部材の頂面に接着されている超硬部材の小片を所定形状に研削すれば、柱状部材の中心線まわり角位置は考慮に入れなくても良い。また、柱状部材を四角柱として穴を四角穴にすると、中心線まわりの角位置が自動的に規制されるので、該四角柱を植設した後に超硬材料の小片を研削する作業を省略することが可能になる。
【0018】
請求項10の発明に係る回転工具の構成は、前記請求項7ないし請求項9の発明の構成要件に加えて、前記回転台座が回転軸の周りに回転したとき、前記ダイヤモンドまたは超硬化合物の小片の先端の軌跡から成る回転面と、
該回転台座の回転中心線を通る平面との交線が、所定の形状をなすように、
前記小片の先端が研削整形されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項10の発明によると、所定の形状に研削整形された多数の小片が順次に被加工物の表面に接触して、該被加工物を所望の形状に切削仕上げする。このような回転工具によると、従来のように結合剤で固めた超硬材料(グラインダ)では形成できなかった微細な凹凸を被加工面に削り出すことができる。
しかも、円周上に配列された多数の超硬材料の小片が次々に切削するので、1個の超硬材料小片当たりの負担が少なく、従って耐久性に優れている。
【0019】
請求項11の発明に係る回転工具の構成は、(図7参照)前記の請求項7の発明の構成要件を備えた回転工具の回転台座4が、回転駆動機器であるモータ11に装着されていて、該回転台座の中心線y−yがY軸に対する平行を保ちつつX軸方向に送られて、被加工物である台座10の表面に微細な溝を削成するようになっている。
さらに、前記回転台座はZ軸方向の切込み送りが可能なように駆動機構(図示省略)が設けられ、かつ、Y軸方向にピッチ送りして、前記微細な溝から成る平行溝10cが形成されるようになっている。
以上に説明した請求項11の発明によると、被加工物の表面に、所望の立体的な形状を高精度で削り出すことができ、本発明に係る回転工具を具体的な実用作業に適応させて用途を拡張する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の1実施形態を示す工程図である。
化学気相合成ダイヤモンド(CVD)は、本出願時において最大厚さ0.5ミリメートルのものが市場に供給されており、この厚さ寸法の上限は今後の研究改良によって増加するものと期待されている。
本実施形態においては、厚さ0.5ミリメートルの化学気相合成ダイヤモンドのシートを碁盤目状にカットして、多数の化学気相手合成ダイヤの小片1を構成し、強靭で剛性のある材料としての鋼製厚板2の上に配列してロウ付けする。
上記の剛性厚板2をワイヤカットして、(B)図のような円柱形のシャンク3を切り出す。この円柱形シャンク3の頂面には、化学気相合成ダイヤモンド小片1がロウ付けされている。
【0021】
(C)図に示した符号4の部材は、回転工具の本体部分をなす回転台座であって、その外周面に、多数の放射状の穴4aが穿たれている。この回転台座4は、鉄,アルミニウム、またはその合金で構成することが望ましい。4bは回転軸、y−yは回転の中心線である。
前記の「多数」の「多」とは、平面幾何学における多角形の「多」と同様の意であって「3以上の整数」を指す。
前記放射状の穴4aのそれぞれに、(B)図に示した円柱形シャンク3を嵌め込んで固着する。
以上の操作によって、「取り扱いの難しいミリメートル単位の小片1」が、比較的容易に、しかも高精度で、回転中心軸y−yと同心の仮想の円周に沿って配列され、回転工具が構成される。
【0022】
図2は、前掲の図1に示した実施形態の改良例を示す模式的な断面図である。符号4aを付して示したのは、比較対照のために描いたもので、前掲の図1に示したのと同様の放射状穴であって、半径r1と同心に設けられている。
符号4cを付して示したのは改良例の穴であって、その中心線a−bを、半径r2の方向に対して角αだけ傾けてある。
このように傾き角αを与えて円柱形シャンク3を植設すると、ダイヤの小片1が切刃として作用するときのスクイと逃げとが与えられ、良好な切削機能が得られる。
【0023】
図3は前記と異なる1実施形態を説明するための模式的な工程図である。
図1の実施形態においては、カットした化学気相合成ダイヤの小片1を用いたが、本図3においてはモノクリスタルダイヤモンドの小片5を用いた。
前記化学気相合成ダイヤモンドのシートは、例えば東京都中央区銀座のデビアス インダストリアル ダイヤモンド ジャパン株式会社発売のCVDITE(商標名)を用いると好適である。
また、モノクリスタルダイヤモンドは、例えば、デビアス インダストリアル ダイヤモンド ディビジョン(イギリス)製のモノダイト(商標名)が推奨される。
上記モノダイト(切削工具用素材)は、モノクリスタルをソーイングした小片として供給され、概要的な大きさは、最大厚さ1.6ミリメートル、エッジの辺の長さは7ミリメートルである。
結晶の何れの部分をソーイングするかによって形状が変わる。本実施形態においては、結晶{100}面と平行にソーイングされた正方形台状の小片を用いた。
【0024】
図3(B)に示すように、鋼製厚板2を切断して角柱形シャンク6を切り出す。この角柱状部材の頂面には前記モノクリスタルダイヤモンドの小片5がロウ付けされている。ただし、本発明を実施する際、必ずしもロウ付合金を用いる狭義のロウ付けでなくても良く、要するに所要の強度と耐熱性とを有する接着手段を適用することができる。
本例ではシャンク6を四角柱状に形成したもので、回転台座4に設ける放射状の穴を角穴4dとした。
このように構成すると、回転台座4に対するモノクリスタルダイヤ小片5の姿勢を正確に制御することができるので好都合である。
しかし、凹円柱状の穴に比して凹角柱状の穴は工作が難しいので、図4に示したようにして角穴を形成すると良い。
図4(A)の例では円板7Aに放射状の溝7aを削成して、該溝の中に角形シャンク6を嵌め込み、押さえ板8で押さえつけ該角形シャンクを固定する。
図4(B)の例では円板7Bに放射状の切欠7bを形成して、この切欠の中に角形シャンク6を嵌め合わせ、その両側を押さえ板8で挟み付けて該角形シャンクを固定する。
以上の構成を作用とから容易に理解されるように、本発明において放射状の穴を「穿つ」とは、その字源に拘らず、加工された結果の状態を表していて、加工方法を問わない。例えば精密鋳造で放射状の穴を成形することも含む意である。
【0025】
図5は、前掲の図3(B)に示した「ダイヤ小片5を接着したシャンク6」の詳細を説明するための模式図である。
(A)に描かれているのは、角形シャンク6を切り出した状態の正面図である。この状態のモノクリスタルダイヤの小片5を、鎖線で示したように頂角θの角錐状に研削して、(B)図のように仕上げる(その用法については図6を参照して後に詳しく述べる)。符号9を付して示したのは研削整形されたダイヤの小片である。
モノクリスタルダイヤの小片5は非常に硬い(今日の材料学で知られている各種高硬度材料の中で最も硬い)が、ダイヤモンド粉末を用いて研摩する公知技術を適用して研削整形することは可能である。
この研削整形作業は、図3(C)のようにして回転台座4に植設してから行なうことが望ましい。これにより、1個の回転台座に配列された多数のダイヤモンド小片(研削整形済)9が回転したときの軌跡が1個の回転面に揃えられる。
すなわち、「ダイヤの小形の軌跡によって描かれる回転面」と、「回転台座4の中心線y−yを含む仮想の平面」との交線が、所望の形状(本例では頂角θの三角形)となる。
【0026】
図示を省略するが、図1の実施形態における化学気相合成ダイヤモンド小片1や、図3の実施形態におけるモノクリスタルダイヤモンド小片5の代りに、CBN(立方晶窒化硼素)などの超高硬度の非金属系化合物の小片を用いても同様の作用,効果が得られる。
(注)請求項5における超硬化合物は、ハイスなどの超硬合金を含まない。
合金は厳密な意味で化合物ではないからである。
図5に例示したモノクリスタルダイヤの小片を、化学気相合成ダイヤの小片と読み替えても、また超硬化合物の小片と読み替えても、これらの小片は砥粒として取り扱われていない。
すなわち、複数の粒子を結合剤で固めた砥石とは全く異なる構造になっている。このため、砥石におけるがごとき目づまりや目こぼれ(図8について即述)を生じる虞れが無い。また、頂角θ(図5参照)が摩損して丸味を帯びれば、従来技術におけるドレッシング(砥粒の削り落とし)でなく、研削整形して再生できる。
【0027】
図6は、本発明に係る回転工具の1実施形態によって切削加工する被加工物の2例を示し、10A,10Bはいずれも液晶ディスプレー用のプリズム一体形導光板を成形するための金型である。
(A)図に示した金型10Aは多数の平行溝を有するもので、対向する斜面の角θは90度、ピッチ寸法P1は50〜100μm±0.5μmである。上記の角θは、前掲の図5に示した頂角θに対応している。
図6(B)は上記と異なる金型10Bを示し、ピッチ寸法P2は200〜300μm±0.5μm、角φは鈍角である。このような金型の溝を切削仕上げするためには、前掲の図5(B)に示したダイヤの小片9の頂角を角φに研削整形する。
【0028】
図7は、金型10の表面に平行溝10cを削り出している作業を模式的に描いた外観斜視図である。前掲の図6に比して格段に縮尺が小さいので、本図7における金型10は、ピッチ溝10cのピッチ寸法がP1であるかP2であるか、また、溝底で対向する2面の為す角がθであるかφであるかを区別して描き表すことはできない。つまり、金型10は金型10Aおよび金型10Bを総合して含んでいる。
回転台座4は、回転駆動機であるモータ11に装着されている。
金型10の被加工面に沿って直角座標軸X,Yを設定する。座標軸Xは、削成しようとする平行溝10cの溝方向と一致させる。座標軸Zは前記被加工面と垂直をなしている。
【0029】
モータ11は、図示しないX,Y,Z駆動機構によって支持されていて、その回転中心線y−yをY軸と平行に保ちつつ、X軸方向に駆動される。
これにより、回転台座4に配列されている多数の超硬材料の小片が、金型10の表面にX軸方向の溝を切削して形成する。
前記のモータ11をY軸方向にピッチ送りすることによって多数の平行溝10cが削成される。
本実施形態においては、上述のようにして硬度の高い金型10の素材に対して微細な平行溝10cを高精度で削り出し、しかも回転台座から成る回転工具の耐用命数を延ばすことができた。
次に、従来技術と比較しつつ、上述効果の詳細について述べる。
【0030】
図7に例示した金型10はノート形パソコンの液晶を製作するための金型である。従って被削材の表面はノート程度の大きさである。
要求精度は、隣接ピッチ誤差±0.5μm、深さ寸法±0.1〜0.5μm、である。加工面の面粗さは光学的鏡面が求められる。
1辺22cmに対してピッチ100μmの平行溝を設けるには2200本の溝を掘らねばならないので長時間作業となる。
従来技術においては、単結晶ダイヤモンドバイトを用い、プレーナ加工方式、またはフライカット方式で平行溝を削成したが、溝1本あたり6回のプレーナ加工したとき、加工所要時間は約35時間となる。フライカットの場合は、送り速度80mm/minとすれば100時間を超える。
【0031】
従来技術(プレーナ加工またはフライカット)では1個のダイヤモンドバイトが前記数十時間以上の切削を遂行しなければならないので、その負担に耐えかねる。その対策の一つとして、従来技術では金型材の硬度を下げるという苦肉の策が現実に行なわれている。
すなわち、ステンレス系の高硬度母材にニッケルや銅のメッキを施したものや燐青銅が用いられている。
こうした観点から、本発明においては(図1(C)参照)1個の回転台座4に多数(本例では16個、ただし、32個程度とすることも容易に可能)のダイヤモンド小片が配設されているので、ダイヤ切刃1個あたりの負担は従来例に比して1/16〜1/32に軽減される。
その結果、従来技術では容易に使用し得なかった硬質の金型母材を切削して、しかも充分な耐久性を発揮できるようになった。
【0032】
上述のように、従来は予測し得なかった効果を奏し得たのは、
(a)従来顕微鏡的な微粒であった人造ダイヤモンドを、目視可能な程度まで大形化した超硬素材技術の進歩という支援が有り、
(b)本発明者が、上記の素材技術の進歩を機械加工技術面に具現すべく、「超硬素材の小片を、工業的採算ベースの下において、回転台座上に正確に配列する技術」を創作したからである。
コロンブスの卵の譬えも有って、出来上がった発明を見たとき、公知技術の寄せ集めであるかのような錯覚を起こすかもしれないが、超硬素材技術の進歩と協調して「硬質の被加工物に、微細な凹凸を高精度で削成することができ、しかも耐久性に優れた回転工具」を創作するということは、当業者が容易に想到し得るものではない。
【0033】
【発明の効果】
以上の本発明の実施形態を挙げて、その構成,作用を明らかならしめたように、請求項1の発明によると、化学気相合成ダイヤモンドのシートを用いて、硬質の被加工物を切削しても耐用命数の長い回転工具を構成することができ、従来例の砥石に共通する目づまり,目こぼれといった損耗を生じる虞れが無い。
請求項2の発明によると、モノクリスタルダイヤモンドの小片を使用して、
請求項3の発明によると超硬化合物の小片を用いて、前記請求項におけると同様の効果を奏する。
【0034】
請求項4の発明によると、回転工具に配設される多数の超硬材料製の切刃が所定の形状に揃えることができ、
また、該多数の切刃が損耗し切削性能が低下したとき、本請求項4の発明を適用して研削整形することによって再生できる。
請求項5の発明によると、前記多数の超硬材料製切刃に、所望のスクイ角や逃げ角を与えて、切削性能をいっそう向上させることができる。
さらに、前記請求項1ないし3の発明に請求項6の発明を併用すると、比較的広い平面状の被加工面に、微細な凹凸を高精度で削り出すことができ、例えば金型の加工に好適であるなど、広範な用途範囲に応用できる。
【0035】
請求項7の発明は、「従来技術では結合剤で固めて砥石にされていた人造の超高硬度材料」と切刃として用いて回転工具が形成されているので、砥石に特有の目づまりや目こぼれといった損耗を生じることなく、硬質の被加工物を切削加工することができ、耐用命数が長い。その上、砥石では削り出せなかった微細な凹凸を高精度で削成することができる。
請求項8の発明を併用すると、スクイ角や逃げ角を形成していっそう切削性能を向上させることができ、
請求項9の発明によると、請求項7に係る回転工具を低コストで工業的に生産するに適している。
【0036】
請求項10の発明によると、回転軸と同心の仮想の円周に沿って配列されている多数の切刃が、総べて所定の同一形状,寸法に揃えられるので、所望の切削仕上面形状に応じて切刃を研削整形することにより、任意所望の立体的形状を削り出すことができる。
さらに請求項11の発明を適用すると、比較的広い平面状の被加工面を有する硬質の被削材を、高能率,低コストで、切削仕上げすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示す工程図である。
【図2】前掲の図1に示した実施形態の詳細を説明するための模式的な断面図である。
【図3】前掲の図1と異なる実施形態の工程図である。
【図4】前掲の図3に示した実施形態の詳細を説明するための分解斜視図である。
【図5】本発明に係る切刃部材の研削整形を説明するための工程図である。
【図6】本発明の適用対象である金型の形状の2例を描いた断面図である。
【図7】本発明の1実施形態に係る回転工具を用いた切削作業の1例の斜視図である。
【図8】公知例の砥石の損耗を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1・・・化学気相合成ダイヤモンドの小片、2・・・鋼製の鋼板、3・・・円柱形シャンク、4・・・回転台座、4a・・・放射状穴、4b・・・回転軸、4c・・・傾斜穴、4d・・・角穴、5・・・モノクリスタルダイヤモンドの小片、6・・・角柱形シャンク、7A・・・円板、7a7B・・・円板、7b・・・切欠、8・・・押さえ板、9・・・研削整形されたダイヤの小片、10,10A、10B・・・金型、10c・・・平行溝、11・・・回転駆動機としてのモータ、12・・・砥石車、13・・・砥粒、14・・・結合剤、15・・・気孔、16・・・切粉。
【発明の属する技術分野】
本発明は、人造の超硬物質の小片を用いて回転刃を構成する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工業用途の人造超硬物質の中で、最も硬いダイヤモンドやCBN(立方晶窒化硼素)は一般に粒度が小さい。
硬度は落ちるが金属系の超硬合金は、焼結などの技法を用いて小片(チップ)を成形することができるので、これをバイトのシャンクにロウ付けして切削工具として広く用いられている。
しかし、非金属系の超硬物質は細かいので、単独で切削工具の切刃として用いることができず、結合剤で固めて研削用の砥石として用いられていた。
ごく最近の技術的進歩によって非金属系の超硬物質の粒度が大きくなり、顕微鏡的な微粒から、肉眼で認められるまでに大きくなってきたので、これを利用した新しい研削ないし切削技術の開発が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
概要的に、金属系の超硬物質は切削工具として用いられ、非金属系の超硬物質は研削工具として用いられている。
切削と研削とはそれぞれ長い発達の歴史が有り、その技術的範囲も拡大してきているので、両者を明確に定義して区別することは容易でないが、
切削という概念では、所定形状の切刃が一定の姿勢で被加工物に接触して、これを削る。例えばフライスカッタでは、1個の切削工具に多数の切刃を設けてあるが、それぞれの切刃は互いに同じ形状,寸法であり、被加工物に対して一定の姿勢で一定方向に移動しながらこれを削り取る。
これに比して研削という概念においては、切削におけるよりも桁違いに多数の、種々雑多な形状の砥粒が、不規則に次々と接触しながら、被加工物表面から微小な粒子(研削粉)を削り取る。
【0004】
本発明が適用の対象とする人造のダイヤモンドや非金属系超硬化合物は、人造の金属系超硬物質に比して硬度が高くて粒度が小さいという特性から、次のような長所,短所が有る。
a.長所:硬度の高い被加工物をも加工することができ、加工仕上面を平滑ならしめることができる。
b.短所:平坦な面を仕上げるに好適であるが、微細な凹凸を削り出すことは不得手であり、その上、研削砥石特有の目づまり、目こぼれ、および目つぶれという損耗(詳細は次に述べる)を生じ、これを修復するには研削砥石表面を削り取る(ドレッシング)しか無い。
【0005】
図8は、人造の非金属系超硬化合物つから成る砥粒を用いて作られた研削砥石の損耗を説明するために示したもので、部分的に拡大して描いた模式図である。(A)は正常な状態を表していて、多数の砥粒13が、結合剤14によって相互に結合されるとともに、その間に気孔15を形成して砥石車12が構成されている。
(B)は目づまりした状態を表していて、砥粒13と砥粒13との間に切粉16や、研削油の老化成生物(図示省略)が付着して、砥粒13の「切れ」を悪くしている。
(C)は目こぼれした状態を表していて、符号14で示した結合剤が符号14Aを付して示したように破壊されて、砥粒の脱落13Aを発生させている。
(D)は目つぶれした状態を表していて、符号13Bを付して示したように切刃部分が摩耗した砥粒が、砥石車12の表層を覆っている。
【0006】
本発明者は、多年蓄積された経験の上に立って鋭意試験研究を重ねて、研削特有の長所を取り入れて欠点を除き、切削特有の長所を失うことなく短所を改善すべく努力し、本発明を創作するに至った。
本発明の目的とするところは、
イ.硬い被加工物を切削することができ、しかも硬い被加工物を切削しても耐久性に優れており(従来技術における研削の長所維持、従来技術における切削の短所解消)、
ロ.被加工物に微細な凹凸を削り出すことができ(従来技術における切削の長所維持、従来技術における研削の短所解消)、
ハ.研削砥石に特有の目づまり、目こぼれを生じることなく(従来技術における研削の短所解消)、
ニ.目つぶれした超硬材料を削り落とすことなく再生使用することができ(従来技術における研削の短所解消、従来技術における切削の長所維持)、
ホ.しかも、従来の研削工具や切削工具に比して同等の製造コストで、工業的に大量生産するに適した回転工具を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の概念を理解し易いよう、比喩的に述べると、『多刃工具であるフライス(milling cutter)の切刃として、人造ダイヤモンドの小片を貼り付ける。』
しかし、従来のフライスの回転台座にロウ付けした超硬合金のチップが、指先で摘める程度の大きさであったのに比して、人造ダイヤモンドの大きさは、未だピンセットでないと摘めない程度の微小片であるから、特別の工夫を施さなければ刃先(ダイヤ)を植え付けることができない。本発明の創作性は、この特別の工夫である。
本発明の1実施形態に対応する図1を参照しつつ本発明の基本的な原理を略述すると、
(A)図のように、鋼製の厚板2の上に多数のダイヤの小片1を配列してロウ付けし、
(B)図のように「ダイヤ小片を頂面にロウ付けされた柱状のシャンク3」を切り出し、
(C)図のように、回転台座4の外周面に多数の穴4aを放射状に穿ち、前記のシャンク3を嵌め込んで植え付ける。
【0008】
上述の原理に基づいて、請求項1に係る発明方法の構成は、(図1参照)化学気相合成ダイヤモンド(CVD)のシート(または板)を碁盤目状にカットした小片1を、鋼製の厚板2の上に並べてロウ付けし(図1(A))、
ダイヤ小片1を頂面にロウ付けされた円柱形シャンク3を切り出し(B図)、回転台座4の外周面に穿たれた放射状の穴4aに、(C図)前記円柱形シャンク3を嵌め込んで植え付ける。
【0009】
以上に説明した請求項1の発明方法によると、シート状に成膜して供給されている化学気相合成ダイヤモンドを用いて、多刃のダイヤモンド切刃を備えた回転工具が得られる。
このような手順で回転工具を構成するので、従来技術におけると同等の製造コストで工業的に生産することができる。
さらに、回転台座の周囲に配列される多数のダイヤモンド小片が切刃として作用するので、硬い被加工物を加工することができ、しかも耐久性に優れている。
その上、ダイヤモンドの小片が結合剤で成形された従来品に比して、1個ずつロウ付けされているので、目づまり,目こぼれといった砥石特有の損耗を生じることが無い。
【0010】
請求項2に係る発明方法を要約すると、前記請求項1における「化学気相合成されたダイヤモンドをカットした小片」に代えて、モノクリスタルダイヤモンドの小片(図3に示した符号5の部材)を用いて回転刃を構成する。
また、請求項3に係る発明方法を要約すると、前記請求項1,2におけるダイヤモンドの小片に代えて、例えばCBN(立方晶窒化硼素)などの超硬化合物の小片を用いる。
請求項2の発明によっても請求項1におけると同様の効果を奏し、
請求項3の発明によっても前記請求項1,2におけると類似の効果を奏する。
【0011】
請求項4に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明方法の構成要件に加えて、(図5参照)前記のシャンク6の頂面に接着されたダイヤモンドの小片5を、所定の形状(例えば頂角Θの角錐状)に研削することを特徴とする。
上記の研削を製造工程の途中で行なえば、本発明に係る回転工具に配設される多数のダイヤモンドまたは超硬化合物が所定の形状に揃えられ、被加工面に高精度の微細な凹凸を削り出すことができる。
また、本発明に係る回転工具の使用によって切刃が損耗した後に前記の研削を行なえば、該回転工具を再生することができて経済的である。
【0012】
請求項5に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明方法の構成要件に加えて、(図2参照)前記回転台座4の外周に設ける放射状の穴を、図示の符号4aの穴のように半径r1方向とせず、符合4cを付して示したように、半径r2に対して角αだけ傾けてある。
以上に説明した請求項5の発明方法によると、半径方向に対して傾けて設置された柱状部材(シャンク)の頂面が法面に対して傾く。これにより、該傾斜した頂面に接着されたダイヤの小片に「切削用の刃として好適なスクイおよび逃げが形成され、良好な切削性能が得られる。
【0013】
請求項6に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明方法の構成要件に加えて、(図7参照)被加工物(例えば金型10)の被加工面である平面に沿った直交座標軸X,Y、および、これに直交するZ軸を想定し、
前記回転工具の回転台座4の回転軸を駆動モータ11に装着し、
上記回転軸の中心線を、前記Y座標軸に平行な補助軸yに揃え、
前記回転駆動機をX軸方向,Y軸方向,Z軸方向のそれぞれに移動させる手段を設けることを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明方法によると、例えば金型などのように高硬度の被加工物を高精度で切削仕上げすることができ、特に、溝などのような微細な凹凸を高精度で削り出すことができる。
【0014】
請求項7の発明に係る回転工具の構成は、円板またはこれに類似する形状の回転台座の外周面に、多数の放射状の穴が設けられており、
上記と別体に構成された柱状部材の頂面に、化学気相合成ダイヤモンドの小片、もしくはモノクリスタルダイヤモンド小片、または超硬化合物の小片が接着されていて、
前記多数の放射状の穴のそれぞれに、上記の柱状部材が嵌め合わされて植え込まれており、
前記回転台座の回転中心線と同心の仮想の円周上に、前記の小片が規則的に配列されていることを特徴とする。
【0015】
以上に説明した請求項7の発明工具を適用すると、超硬材料で回転刃が構成されているので、硬い被加工物を切削することができ、耐久性も優れている。
その上、切刃を形成する部材が結合剤で不規則に固められているのではなく、切刃部材である超硬の小片が1個ずつ位置と姿勢とを規制して配列されているので、高精度の切削を高能率で施工することができる。
さらに、一般市場に供給されている材料を購入して用いれば、格別に特殊な設備,機械を必要とせず、工業的に大量生産が可能であって製造コストも低廉である。
【0016】
請求項8の発明に係る回転工具の構成は、前記請求項7の発明の構成要件に加えて、(図2参照)回転台座4の外周面に設けられた穴(符号4cを付して示す)の中心線が、半径r2の方向に対して、所定の角αだけ傾いていることを特徴とする。
以上に説明した請求項8の発明によると、半径方向に対して柱状のシャンクが所定角度だけ傾斜させて植え付けられるので、該柱状のシャンクの頂部に接着されているダイヤ(もしくは超硬化合物)の小片が所定角度だけ傾き、切削刃として好適なスクイおよび逃げが形成される。
【0017】
請求項9の発明に係る回転工具の構成は、前記請求項7または請求項8の発明の構成要件に加えて、前記の柱状部材が円柱状をなすとともに、前記放射上の穴のそれぞれが凹円柱状の穴であり、
または、前記柱状部材が四角柱状をなすとともに、前記放射状の穴のそれぞれが凹四角柱状の穴であることを特徴とする。
以上に説明した請求項9の発明によると、高品質の回転工具を低コストで構成することができるという実用的な効果を奏する。
すなわち、柱状部材および穴を円形に形成すると、穴を穿つ作業が容易であり、円柱と穴との嵌合を規制することも容易である。円柱状部材を凹円柱状の穴に嵌わせると、中心線まわりの角位置を制御しにくいが、前記請求項4の発明方法を適用して、植設された柱状部材の頂面に接着されている超硬部材の小片を所定形状に研削すれば、柱状部材の中心線まわり角位置は考慮に入れなくても良い。また、柱状部材を四角柱として穴を四角穴にすると、中心線まわりの角位置が自動的に規制されるので、該四角柱を植設した後に超硬材料の小片を研削する作業を省略することが可能になる。
【0018】
請求項10の発明に係る回転工具の構成は、前記請求項7ないし請求項9の発明の構成要件に加えて、前記回転台座が回転軸の周りに回転したとき、前記ダイヤモンドまたは超硬化合物の小片の先端の軌跡から成る回転面と、
該回転台座の回転中心線を通る平面との交線が、所定の形状をなすように、
前記小片の先端が研削整形されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項10の発明によると、所定の形状に研削整形された多数の小片が順次に被加工物の表面に接触して、該被加工物を所望の形状に切削仕上げする。このような回転工具によると、従来のように結合剤で固めた超硬材料(グラインダ)では形成できなかった微細な凹凸を被加工面に削り出すことができる。
しかも、円周上に配列された多数の超硬材料の小片が次々に切削するので、1個の超硬材料小片当たりの負担が少なく、従って耐久性に優れている。
【0019】
請求項11の発明に係る回転工具の構成は、(図7参照)前記の請求項7の発明の構成要件を備えた回転工具の回転台座4が、回転駆動機器であるモータ11に装着されていて、該回転台座の中心線y−yがY軸に対する平行を保ちつつX軸方向に送られて、被加工物である台座10の表面に微細な溝を削成するようになっている。
さらに、前記回転台座はZ軸方向の切込み送りが可能なように駆動機構(図示省略)が設けられ、かつ、Y軸方向にピッチ送りして、前記微細な溝から成る平行溝10cが形成されるようになっている。
以上に説明した請求項11の発明によると、被加工物の表面に、所望の立体的な形状を高精度で削り出すことができ、本発明に係る回転工具を具体的な実用作業に適応させて用途を拡張する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の1実施形態を示す工程図である。
化学気相合成ダイヤモンド(CVD)は、本出願時において最大厚さ0.5ミリメートルのものが市場に供給されており、この厚さ寸法の上限は今後の研究改良によって増加するものと期待されている。
本実施形態においては、厚さ0.5ミリメートルの化学気相合成ダイヤモンドのシートを碁盤目状にカットして、多数の化学気相手合成ダイヤの小片1を構成し、強靭で剛性のある材料としての鋼製厚板2の上に配列してロウ付けする。
上記の剛性厚板2をワイヤカットして、(B)図のような円柱形のシャンク3を切り出す。この円柱形シャンク3の頂面には、化学気相合成ダイヤモンド小片1がロウ付けされている。
【0021】
(C)図に示した符号4の部材は、回転工具の本体部分をなす回転台座であって、その外周面に、多数の放射状の穴4aが穿たれている。この回転台座4は、鉄,アルミニウム、またはその合金で構成することが望ましい。4bは回転軸、y−yは回転の中心線である。
前記の「多数」の「多」とは、平面幾何学における多角形の「多」と同様の意であって「3以上の整数」を指す。
前記放射状の穴4aのそれぞれに、(B)図に示した円柱形シャンク3を嵌め込んで固着する。
以上の操作によって、「取り扱いの難しいミリメートル単位の小片1」が、比較的容易に、しかも高精度で、回転中心軸y−yと同心の仮想の円周に沿って配列され、回転工具が構成される。
【0022】
図2は、前掲の図1に示した実施形態の改良例を示す模式的な断面図である。符号4aを付して示したのは、比較対照のために描いたもので、前掲の図1に示したのと同様の放射状穴であって、半径r1と同心に設けられている。
符号4cを付して示したのは改良例の穴であって、その中心線a−bを、半径r2の方向に対して角αだけ傾けてある。
このように傾き角αを与えて円柱形シャンク3を植設すると、ダイヤの小片1が切刃として作用するときのスクイと逃げとが与えられ、良好な切削機能が得られる。
【0023】
図3は前記と異なる1実施形態を説明するための模式的な工程図である。
図1の実施形態においては、カットした化学気相合成ダイヤの小片1を用いたが、本図3においてはモノクリスタルダイヤモンドの小片5を用いた。
前記化学気相合成ダイヤモンドのシートは、例えば東京都中央区銀座のデビアス インダストリアル ダイヤモンド ジャパン株式会社発売のCVDITE(商標名)を用いると好適である。
また、モノクリスタルダイヤモンドは、例えば、デビアス インダストリアル ダイヤモンド ディビジョン(イギリス)製のモノダイト(商標名)が推奨される。
上記モノダイト(切削工具用素材)は、モノクリスタルをソーイングした小片として供給され、概要的な大きさは、最大厚さ1.6ミリメートル、エッジの辺の長さは7ミリメートルである。
結晶の何れの部分をソーイングするかによって形状が変わる。本実施形態においては、結晶{100}面と平行にソーイングされた正方形台状の小片を用いた。
【0024】
図3(B)に示すように、鋼製厚板2を切断して角柱形シャンク6を切り出す。この角柱状部材の頂面には前記モノクリスタルダイヤモンドの小片5がロウ付けされている。ただし、本発明を実施する際、必ずしもロウ付合金を用いる狭義のロウ付けでなくても良く、要するに所要の強度と耐熱性とを有する接着手段を適用することができる。
本例ではシャンク6を四角柱状に形成したもので、回転台座4に設ける放射状の穴を角穴4dとした。
このように構成すると、回転台座4に対するモノクリスタルダイヤ小片5の姿勢を正確に制御することができるので好都合である。
しかし、凹円柱状の穴に比して凹角柱状の穴は工作が難しいので、図4に示したようにして角穴を形成すると良い。
図4(A)の例では円板7Aに放射状の溝7aを削成して、該溝の中に角形シャンク6を嵌め込み、押さえ板8で押さえつけ該角形シャンクを固定する。
図4(B)の例では円板7Bに放射状の切欠7bを形成して、この切欠の中に角形シャンク6を嵌め合わせ、その両側を押さえ板8で挟み付けて該角形シャンクを固定する。
以上の構成を作用とから容易に理解されるように、本発明において放射状の穴を「穿つ」とは、その字源に拘らず、加工された結果の状態を表していて、加工方法を問わない。例えば精密鋳造で放射状の穴を成形することも含む意である。
【0025】
図5は、前掲の図3(B)に示した「ダイヤ小片5を接着したシャンク6」の詳細を説明するための模式図である。
(A)に描かれているのは、角形シャンク6を切り出した状態の正面図である。この状態のモノクリスタルダイヤの小片5を、鎖線で示したように頂角θの角錐状に研削して、(B)図のように仕上げる(その用法については図6を参照して後に詳しく述べる)。符号9を付して示したのは研削整形されたダイヤの小片である。
モノクリスタルダイヤの小片5は非常に硬い(今日の材料学で知られている各種高硬度材料の中で最も硬い)が、ダイヤモンド粉末を用いて研摩する公知技術を適用して研削整形することは可能である。
この研削整形作業は、図3(C)のようにして回転台座4に植設してから行なうことが望ましい。これにより、1個の回転台座に配列された多数のダイヤモンド小片(研削整形済)9が回転したときの軌跡が1個の回転面に揃えられる。
すなわち、「ダイヤの小形の軌跡によって描かれる回転面」と、「回転台座4の中心線y−yを含む仮想の平面」との交線が、所望の形状(本例では頂角θの三角形)となる。
【0026】
図示を省略するが、図1の実施形態における化学気相合成ダイヤモンド小片1や、図3の実施形態におけるモノクリスタルダイヤモンド小片5の代りに、CBN(立方晶窒化硼素)などの超高硬度の非金属系化合物の小片を用いても同様の作用,効果が得られる。
(注)請求項5における超硬化合物は、ハイスなどの超硬合金を含まない。
合金は厳密な意味で化合物ではないからである。
図5に例示したモノクリスタルダイヤの小片を、化学気相合成ダイヤの小片と読み替えても、また超硬化合物の小片と読み替えても、これらの小片は砥粒として取り扱われていない。
すなわち、複数の粒子を結合剤で固めた砥石とは全く異なる構造になっている。このため、砥石におけるがごとき目づまりや目こぼれ(図8について即述)を生じる虞れが無い。また、頂角θ(図5参照)が摩損して丸味を帯びれば、従来技術におけるドレッシング(砥粒の削り落とし)でなく、研削整形して再生できる。
【0027】
図6は、本発明に係る回転工具の1実施形態によって切削加工する被加工物の2例を示し、10A,10Bはいずれも液晶ディスプレー用のプリズム一体形導光板を成形するための金型である。
(A)図に示した金型10Aは多数の平行溝を有するもので、対向する斜面の角θは90度、ピッチ寸法P1は50〜100μm±0.5μmである。上記の角θは、前掲の図5に示した頂角θに対応している。
図6(B)は上記と異なる金型10Bを示し、ピッチ寸法P2は200〜300μm±0.5μm、角φは鈍角である。このような金型の溝を切削仕上げするためには、前掲の図5(B)に示したダイヤの小片9の頂角を角φに研削整形する。
【0028】
図7は、金型10の表面に平行溝10cを削り出している作業を模式的に描いた外観斜視図である。前掲の図6に比して格段に縮尺が小さいので、本図7における金型10は、ピッチ溝10cのピッチ寸法がP1であるかP2であるか、また、溝底で対向する2面の為す角がθであるかφであるかを区別して描き表すことはできない。つまり、金型10は金型10Aおよび金型10Bを総合して含んでいる。
回転台座4は、回転駆動機であるモータ11に装着されている。
金型10の被加工面に沿って直角座標軸X,Yを設定する。座標軸Xは、削成しようとする平行溝10cの溝方向と一致させる。座標軸Zは前記被加工面と垂直をなしている。
【0029】
モータ11は、図示しないX,Y,Z駆動機構によって支持されていて、その回転中心線y−yをY軸と平行に保ちつつ、X軸方向に駆動される。
これにより、回転台座4に配列されている多数の超硬材料の小片が、金型10の表面にX軸方向の溝を切削して形成する。
前記のモータ11をY軸方向にピッチ送りすることによって多数の平行溝10cが削成される。
本実施形態においては、上述のようにして硬度の高い金型10の素材に対して微細な平行溝10cを高精度で削り出し、しかも回転台座から成る回転工具の耐用命数を延ばすことができた。
次に、従来技術と比較しつつ、上述効果の詳細について述べる。
【0030】
図7に例示した金型10はノート形パソコンの液晶を製作するための金型である。従って被削材の表面はノート程度の大きさである。
要求精度は、隣接ピッチ誤差±0.5μm、深さ寸法±0.1〜0.5μm、である。加工面の面粗さは光学的鏡面が求められる。
1辺22cmに対してピッチ100μmの平行溝を設けるには2200本の溝を掘らねばならないので長時間作業となる。
従来技術においては、単結晶ダイヤモンドバイトを用い、プレーナ加工方式、またはフライカット方式で平行溝を削成したが、溝1本あたり6回のプレーナ加工したとき、加工所要時間は約35時間となる。フライカットの場合は、送り速度80mm/minとすれば100時間を超える。
【0031】
従来技術(プレーナ加工またはフライカット)では1個のダイヤモンドバイトが前記数十時間以上の切削を遂行しなければならないので、その負担に耐えかねる。その対策の一つとして、従来技術では金型材の硬度を下げるという苦肉の策が現実に行なわれている。
すなわち、ステンレス系の高硬度母材にニッケルや銅のメッキを施したものや燐青銅が用いられている。
こうした観点から、本発明においては(図1(C)参照)1個の回転台座4に多数(本例では16個、ただし、32個程度とすることも容易に可能)のダイヤモンド小片が配設されているので、ダイヤ切刃1個あたりの負担は従来例に比して1/16〜1/32に軽減される。
その結果、従来技術では容易に使用し得なかった硬質の金型母材を切削して、しかも充分な耐久性を発揮できるようになった。
【0032】
上述のように、従来は予測し得なかった効果を奏し得たのは、
(a)従来顕微鏡的な微粒であった人造ダイヤモンドを、目視可能な程度まで大形化した超硬素材技術の進歩という支援が有り、
(b)本発明者が、上記の素材技術の進歩を機械加工技術面に具現すべく、「超硬素材の小片を、工業的採算ベースの下において、回転台座上に正確に配列する技術」を創作したからである。
コロンブスの卵の譬えも有って、出来上がった発明を見たとき、公知技術の寄せ集めであるかのような錯覚を起こすかもしれないが、超硬素材技術の進歩と協調して「硬質の被加工物に、微細な凹凸を高精度で削成することができ、しかも耐久性に優れた回転工具」を創作するということは、当業者が容易に想到し得るものではない。
【0033】
【発明の効果】
以上の本発明の実施形態を挙げて、その構成,作用を明らかならしめたように、請求項1の発明によると、化学気相合成ダイヤモンドのシートを用いて、硬質の被加工物を切削しても耐用命数の長い回転工具を構成することができ、従来例の砥石に共通する目づまり,目こぼれといった損耗を生じる虞れが無い。
請求項2の発明によると、モノクリスタルダイヤモンドの小片を使用して、
請求項3の発明によると超硬化合物の小片を用いて、前記請求項におけると同様の効果を奏する。
【0034】
請求項4の発明によると、回転工具に配設される多数の超硬材料製の切刃が所定の形状に揃えることができ、
また、該多数の切刃が損耗し切削性能が低下したとき、本請求項4の発明を適用して研削整形することによって再生できる。
請求項5の発明によると、前記多数の超硬材料製切刃に、所望のスクイ角や逃げ角を与えて、切削性能をいっそう向上させることができる。
さらに、前記請求項1ないし3の発明に請求項6の発明を併用すると、比較的広い平面状の被加工面に、微細な凹凸を高精度で削り出すことができ、例えば金型の加工に好適であるなど、広範な用途範囲に応用できる。
【0035】
請求項7の発明は、「従来技術では結合剤で固めて砥石にされていた人造の超高硬度材料」と切刃として用いて回転工具が形成されているので、砥石に特有の目づまりや目こぼれといった損耗を生じることなく、硬質の被加工物を切削加工することができ、耐用命数が長い。その上、砥石では削り出せなかった微細な凹凸を高精度で削成することができる。
請求項8の発明を併用すると、スクイ角や逃げ角を形成していっそう切削性能を向上させることができ、
請求項9の発明によると、請求項7に係る回転工具を低コストで工業的に生産するに適している。
【0036】
請求項10の発明によると、回転軸と同心の仮想の円周に沿って配列されている多数の切刃が、総べて所定の同一形状,寸法に揃えられるので、所望の切削仕上面形状に応じて切刃を研削整形することにより、任意所望の立体的形状を削り出すことができる。
さらに請求項11の発明を適用すると、比較的広い平面状の被加工面を有する硬質の被削材を、高能率,低コストで、切削仕上げすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示す工程図である。
【図2】前掲の図1に示した実施形態の詳細を説明するための模式的な断面図である。
【図3】前掲の図1と異なる実施形態の工程図である。
【図4】前掲の図3に示した実施形態の詳細を説明するための分解斜視図である。
【図5】本発明に係る切刃部材の研削整形を説明するための工程図である。
【図6】本発明の適用対象である金型の形状の2例を描いた断面図である。
【図7】本発明の1実施形態に係る回転工具を用いた切削作業の1例の斜視図である。
【図8】公知例の砥石の損耗を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1・・・化学気相合成ダイヤモンドの小片、2・・・鋼製の鋼板、3・・・円柱形シャンク、4・・・回転台座、4a・・・放射状穴、4b・・・回転軸、4c・・・傾斜穴、4d・・・角穴、5・・・モノクリスタルダイヤモンドの小片、6・・・角柱形シャンク、7A・・・円板、7a7B・・・円板、7b・・・切欠、8・・・押さえ板、9・・・研削整形されたダイヤの小片、10,10A、10B・・・金型、10c・・・平行溝、11・・・回転駆動機としてのモータ、12・・・砥石車、13・・・砥粒、14・・・結合剤、15・・・気孔、16・・・切粉。
Claims (11)
- 化学気相合成されたシート状ないし板状のダイヤモンドを分割して多数の化学気相合成ダイヤモンドの小片を作成し、
上記多数の化学気相合成ダイヤモンド小片を、強靭で剛性の高い厚板の面に接着し、
上記の厚板から、「頂面に化学気相合成ダイヤモンド小片を接着された柱状のシャンク」の多数を切り出し、
上述の工程と併行して、工具用の回転台座の外周に、放射状に多数の穴を穿ち、
前記の柱状シャンクを上記の穴に嵌合して植設し、
回転台座の回転軸と同心の円に沿って、多数の化学気相合成ダイヤモンド小片が配設された回転工具を得ることを特徴とする、回転工具の構成方法。 - 多数のモノクリスタルダイヤモンド小片を、強靭で剛性の高い厚板の面に接着し、
上記の厚板から「頂面にモノクリスタルダイヤモンド小片を接着された柱状のシャンク」の多数を切り出し、
上述の工程と併行して、工具用回転台座の外周に多数の放射状の穴を穿ち、
前記の柱状シャンクを上記の穴に嵌合して植設し、
回転台座の回転軸と同心の円に沿って、多数のモノクリスタルダイヤモンド小片が配設された回転工具を得ることを特徴とする、回転工具の構成方法。 - CBNまたはこれと同等以上の硬度を有する超硬化合物の小片の多数を、強靭で剛性の高い厚板の面に接着し、
上記の厚板から、「頂面に超硬化合物の小片を接着された柱状のシャンク」を切り出し、
上述の工程と併行して、工具用回転台座の外周に多数の放射状の穴を穿ち、
前記の柱状シャンクを上記の穴に嵌合して植設し、
回転台座の回転軸と同心の円に沿って、多数の超硬化合物小片が配設された回転工具を得ることを特徴とする、回転工具の構成方法。 - 前記のシャンクを穴に嵌合して植設する前、もしくは植設した後、または構成された回転工具を使用して損耗した後に、
前記シャンクの頂面に接着されているダイヤモンドまたは超硬質化合物の小片を、所定の形状に研削することを特徴とする、請求項1ないし請求項3の内の何れかに記載した回転工具の構成方法。 - 前記回転台座の外周に設ける放射状の穴を、該回転台座の半径方向に比して、所定角度だけ傾けて穿つことを特徴とする、請求項1ないし請求項3の内の何れかに記載した回転工具の構成方法。
- 被加工物の被加工面である平面に沿った直交座標軸X,Y,Zを想定し、
前記回転工具の回転軸を回転駆動機に装着し、
上記回転軸の中心線を、前記Y座標軸に平行な補助軸yに揃え、
前記回転駆動機をX軸方向,Y軸方向,Z軸方向のそれぞれに移行させる手段を設けることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の内の何れかに記載した回転工具の構成方法。 - 円板またはこれに類似する形状の回転台座の外周面に、多数の放射状の穴が形成されており、
上記と別体に構成された柱状部材の頂面に、化学気相合成ダイヤモンドの小片、もしくはモノクリスタルダイヤモンドの小片、または超硬化合物の小片が接着されていて、
前記放射状の穴のそれぞれに、上記の柱状部材が嵌合されて固着され、
前記回転台座の回転中心線と同心の円周上に、前記ダイヤモンドまたは超硬化合物の小片が規則的に配列されていることを特徴とする回転工具。 - 前記回転台座の外周面に設けられた放射状の穴の中心線が該回転台座の半径方向に対して、所定角度だけ傾いていることを特徴とする、請求項7に記載した回転工具。
- 前記の柱状部材が円柱状をなすとともに、前記放射状の穴のそれぞれが凹円柱状の穴であり、
または、前記柱状部材が四角柱状をなすとともに、前記放射状の穴のそれぞれが凹四角柱状の穴であることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載した回転工具。 - 前記回転台座が回転軸の周りに回転したとき、前記ダイヤモンドまたは超硬化合物の小片の先端の軌跡から成る回転面と、
該回転台座の回転中心線を通る平面との交線が、所定の形状をなすように、
前記小片の先端が研削整形されていることを特徴とする、請求項7ないし請求項9の内の何れかに記載した回転工具。 - 平面状の部分を有する被加工物を加工する回転工具であって、該平面に沿った座標軸X,Yを含む直交座標軸X,Y,Zを想定し、
請求項7に記載した回転工具が回転駆動機に装着されていて、その回転中心線y−yを前記のY軸に対して平行に保ちつつ、X軸方向に平行移動せしめるとともに、Z軸方向に切込み送りすることができ、かつY軸方向にピッチ送りすることができるXYZ駆動機構が設けられていることを特徴とする回転工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002372334A JP2004202603A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | 回転工具、および、その構成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002372334A JP2004202603A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | 回転工具、および、その構成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004202603A true JP2004202603A (ja) | 2004-07-22 |
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ID=32810967
Family Applications (1)
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JP2002372334A Withdrawn JP2004202603A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | 回転工具、および、その構成方法 |
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JP (1) | JP2004202603A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008064783A (ja) * | 2006-09-04 | 2008-03-21 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 双安定型表示装置及びそれを用いた広告表示媒体 |
KR101645591B1 (ko) * | 2016-04-12 | 2016-08-12 | (주)윈탑다이아몬드 | 목재 가공용 절삭날 |
-
2002
- 2002-12-24 JP JP2002372334A patent/JP2004202603A/ja not_active Withdrawn
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