JP4105954B2 - ヒドロタルサイトの製造方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、二価−および三価金属の化合物からヒドロタルサイトを製造する方法に関するものである。
天然産のヒドロタルサイトは鉱物ブルサイトから誘導されると共に次の理想式:
[MgAl(OH)16]CO・nH
を満たす。ヒドロタルサイトにおいては若干のマグネシウムイオンがアルミニウムイオンにより代替され、これにより単独層は陽電荷を得る。これは介在層における結晶水と一緒に存在する炭酸アニオンと均衡する。
合成ヒドロタルサイトにおいてマグネシウムは全体的もしくは部分的に亜鉛、カルシウム、鉄(II)、コバルト、銅、カドミウム、ニッケルおよび/またはマンガンにより置換することができ、アルミニウムは全体的もしくは部分的に鉄(III)、硼素、マンガン、ビスマスおよび/またはセリウムにより置換することができる。
刊行物には、原理的にヒドロタルサイトのための3種の異なる合成法が見られる。
最も古い方法は、アニオンの存在下における二価および三価金属の溶液からの共沈である。その際、pH値は一定に保たれるか或いは強酸性もしくは強アルカリ性の範囲から出発して弱塩基性値まで移行する。これに続いて水熱処理が行われる。この方法は実質的に、全ての作成しうるヒドロタルサイトにて機能する。この種の共沈−合成の概要は、たとえば「キャタリシス・ツデー」、第11(2)巻(1991)、第173〜301頁、特に第201〜212頁(非特許文献1)に見られる。これら方法は技術的用途のみに限定される。何故なら、部分的に可溶性原料の所定の品質(原料コスト)および原料の予備処理(合成時間)を必要とし、装置的に極めて無駄があるからである。更に変換に際し副生成物としてたとえば塩化ナトリウムのような可溶性塩が形成され、これは先駆体生成物の沈殿物から或いは最終生成物から洗浄除去せねばならず、これには多量の清浄水を必要とすると共に排水の塩含有量を増大させる。最も一般的かつ安価な可溶性塩には金属の塩化物がある。塩化物は装置部品にて重大な腐食をもたらす。従って、この原料と接触する装置部分はこれに耐えねばならない。一般に、チタン装備もしくはコーチングが挙げられる。これは装置の装備に関し高コストをもたらす。
塩−酸化物法は、金属塩と他の金属の酸化物もしくは水酸化物との反応を記載している。酸もしくは塩基により最終的にpHは最適値に調整される。一般に、この数値は中性〜逆塩基性の範囲にある。たとえばMgOはAlClによりヒドロタルサイトまで変換することができる。原料の適する選択にて、共沈に比べコスト上の利点が得られる。何故なら、一般に酸化物は可溶性塩よりも有利であるからである。更に廃水はより少ない塩を含有する。この方法の欠点の1つは、相純粋な生産物の作成が極めて困難であるという点にある。
第3の方法は、二価および三価金属の酸化物、水酸化物もしくは炭酸塩の変換を包含する。たとえばドイツ国特許第2061114号明細書(特許文献1)、米国特許第5,399,329号明細書(特許文献2)および米国特許第5,578,286号明細書(特許文献3)のような特許公報には、これら方法の例が見られる。比較的低い原料コストの他に、比較的少ない塩が廃水に生ずる。
国際出願公開第01/12570号パンフレット(特許文献4)は、特に結晶質アニオン性粘土を含有する耐摩耗性成形体の作成を記載しており、これにはMgOをギプスまたは非晶質アルミナゲルと混合して行う。スラリーの適宜の均質化も記載されている。更に形成体の焼成、再懸濁および熟成も行われる。
要するに、高価な原料の使用に際し従来一般に高くかつ一定した生産物品質を得ることができなかった。その際、従来技術からは次の本質的欠点が生ずる筈である:
使用原料の高コスト:可溶性塩は溶液の形態(たとえばMgCl溶液もしくはAlCl溶液)の形態または固形物の形態で提供される。可溶性塩の固体生産物はその溶液よりも高価であり、経済的観点から使用しえない。その金属含有量は一般に高いアニオン割合に基づき低い(たとえばMgCl・6HO:約11%のMg含有量)。金属の酸化物もしくは水酸化物を使用する限り、これらは変換を成功させるには極めて反応性でなければならない。更に、これは高い原料コストをもたらす。
新たな装置の企画の際の目的は、特に資源および環境への優しい移行である。塩溶液の使用に際し、輸送コストは比較的僅かな作用物質含有量に基づき不合理に高くなる。生産物に組込まれないアニオン割合が廃水に移行する。
従来技術によれば、固体の懸濁物を使用すべき場合は特に、できるだけ活性な原料を使用する。活性な原料の場合、貯蔵能力に限界がある。
活性な原料はプラント内で処理困難である。この活性原料の処理は、種々異なる静止時間によりプラント内で反応性が強力に変化するので問題となる。これにより最終生産物(ヒドロタルサイト)には強力な品質変動が生ずる。たとえば、MgOは水中で強力な発熱下に分解する。長過ぎる静止時間の場合またはプラント故障が生じた場合、水性MgO懸濁物は従って安全性の危険が生ずる。特に、MgOは活性原料として使用困難である。この種の活性物質は低固形物含有量の懸濁物として使用せねばならない。勿論、強度に希釈された懸濁物の場合は勿論一層大容量を処理せねばならないので添加物の範囲におけるコストが増大する(容器寸法、ポンプ集成体、攪拌装置)。
他の困難性は、たとえば安価かつ入手容易なアルミニウム溶液の形態でアルミニウムを使用する際に生ずる。これらは砂糖誘導体により安定化され、従って貯蔵に際し何らAl(OH)の晶質が生じない。砂糖は生成物に組込まれず、廃水に達する。ここで、これらは可能な限界値を超えてCSB値を高める。アルミン酸ナトリウム溶液の安価な性質は変動する作用物質含有量を示す。
他方、反応性の低い原料を使用する場合はヒドロタルサイトを高い相純度で作成することができない。原料の不完全な変換を示唆する出発物質の相または他の相を見出すことができる。得られるヒドロタルサイトの品質は所定用途につき、たとえばPVC用の安定化剤としてはしばしば充分でない。
「キャタリシス・ツデー」、第11(2)巻(1991)、第173〜301頁、特に第201〜212頁 ドイツ国特許第2061114号明細書 米国特許第5,399,329号明細書 米国特許第5,578,286号明細書 国際出願公開第01/12570号パンフレット
従って本発明の課題は、コスト上有利かつ環境技術上考えられない出発材料の有利な使用をヒドロタルサイト作成に際し可能にすると共に、従来技術の前記欠点を回避して品質上高価値のヒドロタルサイトを与えうるようなヒドロタルサイトの製造方法を提供することにある。
上記課題は、請求項1に記載の方法により解決される。好適実施形態はサブクレームに示されている。
驚くことに、二価金属の少なくとも1種の化合物(成分A)と三価金属の少なくとも1種の化合物(成分B)とを使用する(ここで前記各成分の少なくとも1方は溶液の形態で使用されない)ヒドロタルサイトの製造方法において、(a)溶液として使用されない成分AおよびBの少なくとも一方を各成分の混合の直前もしくはその間に、および/または(b)成分AとBとの混合物を約0.1〜5μm、特に0.5〜5μm、好ましくは1〜5μmの平均粒子寸法(D50)に達するまで強力粉砕にかけ、必要に応じ熟成処理もしくは水熱処理の後、得られた生成物を分離および乾燥させることを特徴とするヒドロタルサイトの製造方法が見出された。強力粉砕後の平均粒子寸法(D50値、すなわち存在する粒子の50%が所定粒子寸法よりも小さい粒子寸法を有する)は、好適実施形態によれば約3μmもしくはそれ以下、特に約2μmもしくはそれ以下にすることができる。
好ましくは、強力粉砕後のD90値(すなわち存在する粒子の90%が所定粒子寸法よりも小さい粒子寸法を有する)は1〜5μm、特に1.5〜4μm、特に好ましくは1.5〜3.5μmである。
ヒドロタルサイトとしては主として以下の一般的要約式:
(OH)・nH
の二重層ヒドロキシド化合物であると理解され、ここでAは二価金属カチオンを示し、Bは三価金属カチオンを示し、Cは一価もしくは多価のアニオンを示し、w、x、y、zおよびnは次の条件に該当するものとする:0<z≦x≦4≦w≦1/2yおよび12≧n≧0。
更に、式A(OH)16・4HOの化合物も含まれ、ここでAはMg2+、Fe2+およびZn2+から選択され;BはAl3+、Fe3+およびCr3+から選択され;CはOH、Cl、Br、NO 、CHCOO、CO 2−、SO 2−、PO 2−、Fe(CN) 4−並びにボレート、カルボキシレートおよびポリオキソ金属化物を含有するアニオンのリストから選択され、ここで1/2≦z≦2である(置換アニオンの電荷とは無関係)。
本発明の好適実施形態は、最初に挙げた理想式[MgAl(OH)16]CO・nHOから誘導される化合物に該当する。ヒドロタルサイトにおいて、ブルサイトに比べマグネシウムイオンはアルミニウムイオンにより置換されており、これにより個々の層は陽電荷を得る。これは、介在層における結晶水と一緒に存在する炭酸アニオンと均衡する。合成ヒドロタルサイトの場合、マグネシウムは全体的もしくは部分的に亜鉛、カルシウム、鉄(II)、コバルト、銅、カドミウム、ニッケルおよび/またはマンガンにより代替することができ、アルミニウムは全体的または部分的に鉄(III)、硼素、マンガン、ビスマスおよび/またはセリウムにより代替することができる。介在層に主として存在する炭酸塩は、本発明によるヒドロタルサイトの場合、その後に全体的または部分的に、有機残基を含むアニオンを含め1種もしくはそれ以上の前記アニオンで交換することもできる。
好ましくは、本発明により品質上高価値のヒドロタルサイトを作成すべく安価かつ市場で入手容易な不活性標準原料を使用することができる。本発明により製造されたヒドロタルサイトは、特に>90%、特に>95%、特に好ましくは>98%の相純度を有する(ASTM C 1365−98の方法により測定)。プロセスはより確実に進行し、環境上(特に廃水)極めて害が少ない。
更に本発明による方法は、特に0.1〜2μm、特に0.1〜1μm、特に好ましくは0.5〜1μmの範囲の平均粒子寸法(D50)を有する微細な粉末状ヒドロタルサイトの製造を可能にする。
不活性原料とは、不溶性である(すなわち使用反応媒体もしくは溶剤(好ましくは水)における溶解度が25℃およびpH6〜7にて5x10−8未満、特に1x10−9未満、好適には5x10−10未満を有する)ことを意味する。この種の材料のBET表面積(DIN 66132)は一般に30m/g以下、好ましくは10m/g以下、特に約6m/g以下である。この種の生成物は比較的貯蔵安定性であると共に処理容易かつ一般に活性生成物よりもコスト上有利である。不活性原料は驚くことに本発明の方法に従う強力粉砕でコスト上有利に活性化させることができ、高品質のヒドロタルサイトまで変換することができる。たとえば、この種の不活性原料は二価および三価金属、好ましくはマグネシウムおよび亜鉛の酸化物、水酸化物および炭酸塩であり、ここで「炭酸塩」と言う表現には中性炭酸塩(たとえばMgCO)も塩基性炭酸塩(たとえばマグネシア・アルバもしくは重炭酸塩(Mg(HCO)も含まれる。更に、亜鉛の酸化物およびアルミニウムの酸化物が特に好適である。
これら不溶性(不活性)原料(溶液として使用されない成分AもしくはB)は、好ましくは懸濁物として使用される。
本発明によれば、二価金属の少なくとも1種の供給源および三価金属の少なくとも1種の供給源が使用される。その際、種々異なる二価もしくは三価金属を含有しうるそれぞれ1種もしくはそれ以上を化合物として使用することができる。
限定はしないが好適な二価金属は次の通りである:Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、Sr2+、Ba2+および/またはCu2+
限定はしないが好適な三価金属は次の通りである:Al3+、Mn3+、Co3+、Ni3+、Cr3+、Fe3+、Ga3+、Sc3+、B3+および/または稀土類金属の三価カチオン。
強力粉砕により、溶液として使用しない二価および三価金属の化合物、特に二価金属の不溶性炭酸塩、酸化物および/または水酸化物、或いは三価金属の酸化物および水酸化物のような不活性原料の反応性は極めて強度に向上し、驚くことに良好なヒドロタルサイト変換率および品質が可能となる。その際、驚くことに特に良好な結果を得るため、強力粉砕は約0.1〜5μm、特に0.4〜2μm、特に好適には0.4〜1.1μmの平均粒子寸法が得られるよう行うべきであることが判明した。好適D90値は1〜10μm、特に1〜5μm、特に好ましくは1.5〜2.5μmである。一般に強力粉砕後よりも実質的に高い平均粒子寸法を有する不活性原料から出発するので、本発明による強力粉砕を介し粒子の明瞭な微小化が行われて、一般に少なくとも約30%の懸濁物の均質化もしくは混合しか行われない。
強力粉砕された粒子はその後に高価値のヒドロタルサイトへの変換に有利である特に好適な表面積/容量比を有するものと思われる。最後に、これにより高価値かつ微細のヒドロタルサイトが得られ、これはたとえばプラスチック添加物としての使用につき特に良く適している。これら用途につき、約1μm未満の平均粒子寸法(D50)および最大2〜3μmのD90を有するヒドロタルサイトが好適である。
一般に強力粉砕は、本発明によるパラメータが得られる限り任意適するミル装置にて行うことができる。好ましくは強力粉砕は湿式ミル、特にパールミルもしくは環状ミルにて行われる。粉砕に際し、高度のエネルギー量(約0.5〜10kw/リットル、好ましくは約1〜10kw/リットル)が機械的エネルギーを介しシステムに導入され、この高いエネルギー量は粉砕/混合の他に化学的反応をもたらし、すなわち活性化された表面のイオンが恐らく喪失するので固体反応をもたらす。粉砕の最終段階にて、好適実施形態によればエネルギー量をたとえば2〜5kw/リットルまで減少させることができる。
好ましくは強力粉砕は、約7〜13.5の範囲のpH値および約20〜100℃の範囲の温度にて行われる。粉砕に際し温度上昇が生ずる。
本発明の方法によれば、少なくとも1種の出発成分、すなわち二価もしくは三価金属の化合物および/または二価および三価金属の化合物の混合物が前記強力粉砕にかけられる。本発明の方法により与えられる強力粉砕により出発成分がヒドロタルサイト作成に既に充分活性化されていれば、多くの場合、二価および三価金属の化合物の混合に際し或いは混合後の追加的強力粉砕はもはや必要でない。前記成分AおよびBが不活性原料として(特に懸濁物として)使用される一方、他の成分が溶液の形態で使用される場合もある。
特に好適な実施形態によれば、二価金属の化合物(成分A)として不活性酸化マグネシウムが使用されて本発明による強力粉砕にかけられる。三価金属の化合物(成分B)としては、苛性ソーダの添加によりアルミン酸ナトリウムまで変換しうる水酸化アルミニウムを使用することができる。アルミン酸ナトリウム溶液の強力粉砕は従って必要でない。先ず最初の不活性酸化マグネシウムは強力粉砕(湿式粉砕)に際し少なくとも部分的に水酸化物まで移行する。好ましくは、この時点で既に二酸化炭素が炭酸源として供給される。次いで三価金属の化合物、好ましくは前記選択されたアルミン酸ナトリウム溶液との混合が行われる。
二価および三価金属の化合物の混合に際し或いはその後に好適実施形態に従う強力粉砕が行われる限り、これを好ましくは非晶質もしくは結晶質ヒドロタルサイト相が形成されるまで進行させることができる。
たとえば7kw/リットルにて1〜3分間または5kw/リットルにて約10〜20分間行われるこの種の混合懸濁物の強力粉砕により新たな相が形成され、しかも先ず最初に非晶質タルサイト相に続き極く僅かな変換率(たとえば3〜4%)にて結晶質ヒドロタルサイト相が生ずる。非晶質ヒドロタルサイト先駆体相は小粒子寸法にて存在する。導入されるエネルギー量の増加に際し、たとえば粉砕時間の延長に際し、結晶質ヒドロタルサイト相の割合も増大する。
本発明による方法にて良好な結果を得るには、炭酸源を過剰に添加せねばならないことが判明した。ここで過剰量とはAl(もしくは使用した三価金属)1モル当たり>0.5モルのCOもしくは炭酸塩の量と思われる。好適範囲は>0.5〜3モル、特に0.8〜2.5モル、特に好適には1.0〜2.0モルのCOもしくは炭酸塩/モルAlもしくは使用三価金属である。本発明によれば添加は二価もしくは三価金属の化合物の混合前もしくは混合の際に行われるが、それぞれの場合必要に応じ行われる添加物の水熱後処理の前に行われる。
驚くことに、炭酸源としての二酸化炭素の添加が特に有利な結果を与えることが判明した。代案として、二価もしくは三価金属の相応の炭酸塩含有化合物の使用を介し或いは炭酸塩含有塩の追加的添加により炭酸塩を使用することもできる。しかしながら、COの添加が明らかに好適である。COの添加により、原料の懸濁物または混合懸濁物のpH値を所望値に調整し、或いはそこで維持することもできる。
本発明の実施形態により成分AもしくはBの少なくとも1つが強力粉砕により別々に活性化される限りこれは本発明の方法における更なる変換の直前に本発明により行われる。従って強力粉砕により得られる活性化が本発明の方法における変換前に望ましくない反応により喪失しないよう確保される。従って一般に、強力粉砕は本発明の方法による更なる変換の最高5時間前に行われる。その際、強力粉砕に際し形成された活性粒子表面が役割を演じうると思われる。
使用された懸濁物または二価および三価金属の化合物との混合懸濁物における固形物含有量は好ましくは約30〜60重量%である。これら範囲は強力粉砕につき使用される装置に関しても実際的と認められるが、個々の場合には一層低いもしくは一層高い固形物含有量とすることもできる。
二価および三価金属の化合物からヒドロタルサイトを製造するための好適な本発明による方法は、(a)二価金属の不溶性炭酸塩、酸化物および/または水酸化物と三価金属の酸化物もしくは水酸化物から分離された懸濁物とを或いは(b)これら成分の混合懸濁物を約1〜5μmの平均粒子寸法(D50)に達するまで強力粉砕にかけ、その際二価および三価金属の酸化物もしくは水酸化物の使用に際し強力粉砕の前、その際もしくはその後に炭酸源を添加することを特徴とし、(a)の場合は分離された懸濁物を互いに混合し;両者の場合は強力粉砕を非晶質ヒドロタルサイト相もしくは鮮明なX線回折図を特徴とするヒドロタルサイト相が生ずるまで行い;更に得られた生成物を分離、乾燥させかつ必要に応じ焼成する。
好ましくは成分AおよびBを約40〜100℃、特に約80〜90℃の温度にて互いに混合する。
二価および三価金属の化合物(成分AおよびB)の混合物の変換は間接的に行われる。従って熱的または水熱的の更なる処理の変換時間は一般に0〜48時間にて充分である。
本発明の実施形態によれば三価金属の炭酸塩、酸化物および/または水酸化物を全体的もしくは部分的に可溶性塩(たとえばアルミン酸ナトリウム)により代替することができる。
三価金属の化合物としては好ましくは水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムの活性型および/またはアルミン酸ナトリウムが使用される。後者は懸濁物で加水分解されて、形成水酸化アルミニウムと二価金属の炭酸塩との反応がその結果として生ずる。その際形成されたNaOHはpH値の調整に使用される。
更なる本発明の実施形態によれば、二価金属の不溶性炭酸塩を相応の酸化物および/または水酸化物と可溶性炭酸塩との反応により現場で得ることができる。好ましくは少なくとも1つの懸濁物、特に二価もしくは三価金属の酸化物もしくは水酸化物、重炭酸ナトリウムおよび/または炭酸ナトリウムの混合懸濁物を炭酸源として添加することができる。これにより、懸濁物のpH値を所望値に調整することができる。これは好ましくは約6〜13.5の範囲である。これら可溶性炭酸塩もしくは重炭酸塩は、二価金属の不溶性炭酸塩の使用に際しても添加することができる。
非晶質ヒドロタルサイト相または部分結晶質ヒドロタルサイト相は本発明の方法の実施形態によれば水熱後処理および/または熱的熟成にかけることができ、その後に得られた生成物を懸濁物から分離し、乾燥させ、かつ必要に応じ焼成することができる。
水熱後処理は一般に、100〜200℃の温度にて約1〜20時間にわたり行われ、その際この時間は加熱期間、保持期間および冷却期間に分割される。個々の期間は装置の寸法に依存する。水熱後処理により、鮮明なX線回折図を特徴とする結晶質ヒドロタルサイト相の割合が更に増大する一方、非晶質ヒドロタルサイト先駆体層の割合は相応に低下する。
一般に、原料からは約30〜60重量%の固形物含有量を有する懸濁物(スラッジ)が使用ミルのミル空間を介し一層高い滞留時間にてポンピングされる。FRYMA−MS−32環状ミルの使用に際し、たとえばミル空間は粉砕体(Al、ZrO、ガラス球)により高い割合まで充填される。スラッジの温度は約20〜100℃であり、pH値は約7〜14である。粉砕プロセスの経過に際しスラッジの粘度は増大する。ミル空間における滞留時間の増大(=増大ポンピング回数もしくは低下ポンピング速度)により粒子は微粉砕される。好適実施形態にて、一般に約0.5〜1μmの粒子寸法(D50値、すなわち存在する粒子の50%が所定粒子寸法よりも小さい粒子寸法を有する)に達する。
成分AおよびBを含有する混合懸濁物の強力粉砕を行う限り、導入されるエネルギーはX線非晶質および結晶質ヒドロタルサイトからの混合相の形成を直接的にもたらす。後者は水熱後処理による適宜の更なる後処理に際し結晶化種晶を与える。このプロセス工程は公知の水熱ヒドロタルサイト合成と比較して明瞭に良好に進行する(一層高い結晶化度、一層高い収率、一層短い合成時間および一層良好な品質)。先の強力粉砕プロセスにより、前記したように一層高い融通性の観点から原料の選択(一層安価な原料)および一層短い合成時間にて全プロセスを最適化することができる。
X線回折スペクトルの検討は、スラッジにおける結晶質ヒドロタルサイトの割合がミル空間における滞留時間の増大と共に増大することを示した。スラッジがミル空間を介し循環してポンピングされれば、粉砕により直接的に結晶質ヒドロタルサイトを作成することができ、しかも水熱後処理を必要としない。特に有利には、粉砕プロセスは二価金属の塩基性炭酸塩もしくは重炭酸塩および水酸化アルミニウムの使用により進行する。
水熱後処理もしくはこれに追加する代わりに熟成処理を約90〜135℃の温度範囲にて0.1〜10時間にわたり行うこともできる。
本発明の更なる面は本発明の方法により得られたヒドロタルサイトであり、これはプラスチック添加物としての使用に際し公知のヒドロタルサイトに比べ予想外の利点を示す。
以下、添付図面を参照して本発明による方法の2つの実施例を詳細に説明する。
図1によれば、先ず最初に原料(金属酸化物、水酸化物、炭酸塩)から並びにソーダもしくは重炭酸塩および水から7〜14のpH値にてスラッジを得、これを約20〜100℃にて環状ミル(FRYMA MS32)で処理する。粉砕度に応じ、主として結晶質ヒドロタルサイト相の僅かな割合を有する非晶質ヒドロタルサイト相(工程図の左側分岐)または主として非晶質ヒドロタルサイト相の僅かな割合を有する結晶質ヒドロタルサイト相(工程プロセスの右側分岐)が得られる。右側分岐では水熱後処理を全く行わず、生成物を間接的に単離し、乾燥させ、かつ焼成する。
非晶質ヒドロタルサイト相を左側分岐にて水熱後処理にかけ、ここで結晶質ヒドロタルサイト相の僅かな割合が結晶化種晶を与える。水熱後処理は一般に約100〜200℃の範囲の温度および約1〜20時間の変換時間にて行われる。得られた生成物を濾過し、乾燥させ、かつ必要に応じ焼成する。
図2によれば、先ず最初に水酸化アルミニウムと苛性ソーダとから高められた温度(約100℃)にてアルギン酸ナトリウム溶液を作成する。別途の容器にて冷水(最高20℃)に酸化マグネシウムを懸濁させる。次いで、本発明による強力粉砕を湿式粉砕として行う。その際、少なくとも部分的に水酸化マグネシウムへの変換も生ずる。次いで二酸化炭素の添加が行われ、これにより一方ではpH値が低下すると共にpH9〜pH11の所望範囲に調整することができる。同時に、二酸化炭素の過剰量によりヒドロタルサイト介在相に必要な炭酸塩が形成される。
混合懸濁物に対する前記のように処理されたMgO懸濁物とのアルミン酸ナトリウム溶液との混合および約1時間にわたるその変換の後、従来の水熱処理を行って所望のヒドロタルサイト結晶化度を達成することができる。最後に濾過し、乾燥させ、更に必要に応じ脱凝集を行う。
本発明の方法により得られるヒドロタルサイトは、(a)触媒もしくは触媒キャリヤとして、或いは(b)ポリマーのための充填剤およびCo−安定化剤として使用することができる。
第1の用途(a)につき、特にBET(DIN 66132)により測定される高い表面積(約60〜80m/g)と優秀な微細化度と良好な成形特性とを特徴とする非晶質ヒドロタルサイトが適している。しかしながら、この用途については、水熱後処理に際し得られた生成物も一層小さい表面積および一層大きい結晶を有する触媒もしくは触媒キャリヤを所望する場合は適している。
これら触媒はあらゆる反応につき使用することができ、ヒドロタルサイト触媒に使用することができる。オレフィンオキシドからのグリコールエーテルの合成(米国特許第5,110,992号明細書)およびオレフィンのエポキシド化(米国特許第5,260,495号明細書)がその例である。更なる反応はケミカル・コミュニケーション、1998、第295〜296頁に示されている。
他の反応については、たとえばニッケルおよび稀土類金属のように活性化成分を有する本発明のヒドロタルサイトを用いることができる。これら形態には水素化、脱水素化、アルキル化などのための触媒が適している。
本発明により得られる結晶質ヒドロタルサイトは充填剤としての使用につき特に良く適している。何故なら、これらを全く白色に作成することができ、これにより全く白色もしくは透明なポリマーコンポジット材料を生産するのに成功するからである。更に驚くことに、本発明の方法により得られたヒドロタルサイトの優れた処理性をプラスチックにて示された。しかしながら、この目的には個々の場合に必要性に応じ非晶質ヒドロタルサイト先駆体相も使用することができる。
本発明により使用しうるナノコンポジット−充填剤のためのポリマー相としては、ほぼ全ての技術的に利用しうるポリマー材料が挙げられる。
ポリマーマトリックスおよび微分散されたナノコンポジット充填剤からのコンポジット材料の作成は、それ自体公知の方法により行われる。一般に、この方法は次の工程を含む:
(a)モノマー、オリゴマーもしくはポリマーへのヒドロタルサイトの組込み(ここで好ましくは高剪断ミキサーおよび分散装置が使用される);
(b)必要に応じモノマーもしくはオリゴマーの重縮合、重合または熱的もしくは化学的架橋の実施;
(c)注型、押出しおよび/または噴霧注型による、得られたコンポジット材料の再処理。
適するポノマーはたとえばポリオレフィン、ポリハロゲン炭化水素(たとえばPVC)、エポキシド、ポリエステル、アクリレート、メタクリレート、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミド、ポリカーボネートおよびゴムである。
高剪断分散装置としては高速撹拌器、コロイドミル、混練器、押出器および他の分散装置が挙げられる。分散は室温または高められた温度にて行うことができる。
本発明によるヒドロタルサイトはポリマー用、特にポリハロゲン炭化水素およびオレフィン用のCo−安定化剤としても適している。第1の場合、これらは分解に際し生ずるHClを補償する。後者の場合、これらは鎖分解から生ずる着色を阻止し、鎖分解はポリオレフィンの作成に際し使用された触媒の残渣によって生ずる。
以下、本発明を実施例により説明する。
初期作成
強力粉砕をFRYMA−環状ミル(球体充填度70%、ポンプ調整2〜4リットル懸濁物/min、約7kw/リットルのエネルギー導入)により行った。
次いで原料(MgCO、MgO、Al(OH)、塩基性ZnCO、ZnO)により予備試験を行って、ミルにおけるその性質を検討すると共に本来の検討に対するスラッジを正確に調整した(固形物含有量)。予備試験においては乾燥粉末のためミルに3回通過(全体で9分間)させた後、1〜3μmの平均粒子寸法(=D50値)が測定された。更に、スラッジの粘度が強力に増大することを確認した。部分的にスラッジをHOで希釈せねばならなかった。
実施例1:二価および三価金属の化合物を含む混合懸濁物の強力粉砕
原料の性質につき試験した後、環状ミルにおける5回のテストを行った(球体充填度70%、ポンプ調整2〜7リットル懸濁物/min、通過数:5、粒子寸法を測定するため第1、第3および第5通過の後の試料採取)。
試験パラメータを表Iに要約する。
Figure 0004105954
Figure 0004105954
粒子寸法分布を次のように測定した:
フィルマ・マルベルンのレーザー屈折−粒子寸法分析器(マスターサイザー)を使用し、これにより0.05〜900μmの範囲の粒子寸法分布を測定することができる。この装置は、小粒子に対する光屈折の原理に従って作動する。
試料作成のため約10mlのエタノールを入れた20mlのガラス皿に約50mgの試料を入れ、超音波装置により5分間処理した。懸濁物を装置の分散ユニットに移すと共に、試料の正確な濃度を測定装置にて調整するまでエタノールを添加した。測定の終了後、結果を集めると共にプリントアウトする。
試験結果(水熱後処理前の粒子寸法D50およびD90)を表IIに要約する。
Figure 0004105954
実施例2:不活性原料MgOの強力粉砕
2リットルの冷水(20℃)を操作容器に入れた。ここにペンドラウリーク撹拌器により1667gのMgOを分散させた。
冷水を使用してMg(OH)に対する即座の反応を阻止した。使用したMgOのBET表面器は3m/gであり、水における溶解度は25℃(pH7)にて<1x10−10であった。
このようにして得られた酸化マグネシウム懸濁物を攪拌器ボールミル(パールミル;タイプ:ドライスPM−1 RL−V)を介し次の条件下で粉砕した:1回通過;処理量:125g/min;ミル空間の充填度:Al−球体(直径1〜1.5mm)により70%;次いで1リットルの洗浄溶水による洗浄;ミルのエネルギー吸収:0.8kw;エネルギー導入:2.7kw/リットル。
強力粉砕の後、平均粒子寸法は約0.7μmであった(D50)。懸濁物の加温に際し、少なくとも部分的に既にMg(OH)への変換が生じた。懸濁物の固形物含有量は約30%である。
276gの粉砕MgO懸濁物(Mg含有量17.6%)を2リットルのVE水にて希釈した。
58.8gのCOを下方から導入した。その際、水酸化マグネシウムが少なくとも部分的に炭酸マグネシウムまで変換した。導入は全部で約2〜3時間にわたり行った。pH値はその際約pH11から約pH10まで低下した。
別途の容器に、128gの苛性ソーダ(50%NaOH含有量)における70.9gの水酸化アルミニウムを100℃にてアルミン酸ナトリウムの形成下に溶解させた。
次いで、上記のように形成された水酸化マグネシウム−炭酸塩分散物をNa−アルミン酸溶液と混合した。混合に際し強力に攪拌した。必要ならば混合懸濁物のpH値を約pH11に調整する。混合懸濁物の温度は約80℃である。
このように得られた生成物を従来通り濾過、洗浄およびたとえば噴霧乾燥により乾燥させることができる。得られたヒドロタルサイトに対する要求に応じ、従来の水熱処理も行うことができる。
この生成物のX線回折図は純粋なヒドロタルサイト相を示す。
2.水熱後処理
それぞれ620gの実施例1からのスラッジを2リットルの水で希釈した。実施例2からの混合懸濁物、並びに比較例1および2(下記参照)は未希釈のまま使用した。次いで攪拌オートクレーブにてこの混合懸濁物(スラッジ)を連続的に2時間以内に180℃まで加熱し、180℃に6時間保ち、さらに10時間以内に80℃まで冷却した。得られたヒドロタルサイト結晶を濾過除去すると共に、140℃にて乾燥させた。
実施例1の試験3および4の後における生成物の対応する数値は次のように処理した:1時間以内に140℃まで加熱し、140℃に6時間保ち、10時間以内に80℃まで冷却した。
粒子寸法分布(上記したように示す)並びに特定表面積(BET;DIN 66131号に従う)、さらにASTM D 396/85に従うX線回折法による非晶質ヒドロタルサイト相と結晶質ヒドロタルサイト相との比として現される結晶化度を測定した。生成物をピーク高さ(h)およびピークの半値幅(b)(2θにおける003ピーク=11.7°)に関し標準(hおよび/またはb)と比較して分析した。
K=hxb/hxb
このように測定された結晶化度Kを得られた生成物の他の性質の更なる表IIIに示す。
X線回折試験は、全ての試験にて環状ミルにおける滞留時間とは無関係にMg/Al−ヒドロタルサイトまたはMg/Zn/Al−ヒドロタルサイトが形成されたことを示した。結晶質ヒドロタルサイトの割合は、ミルにおける滞留時間と共に増大した。ヒドロタルサイト反射の反射幅に基づき、極めて小さいヒドロタルサイト結晶が生じたと結論できた。ミルに対する5回の通過後、D90値は1.8〜3.3μmであった。二価金属の塩基性炭酸塩の使用は、生成混合物における結晶質ヒドロタルサイト相の一層高い割合をもたらした。酸化物の使用に際し、スラッジのpH値は常に再調整せねばならなかった。
比較例1
オートクレーブにて2.1リットルの水に84.8gの水フリーのソーダを溶解させた。オートクレーブを密閉すると共に、23.7gの二酸化炭素を導入した。
1リットルの水における406.6gのMgCl・6HOおよび121.2gのAlClの溶液を作成した。次いで、この溶液を二酸化炭素投入後に2時間以内にオートクレーブにポンピングした。
懸濁物を濾過すると共に、塩素フリーになるまで洗浄した。次いで残存する残渣を、予め84.8gの水フリーのソーダおよび23.7gの二酸化炭素が導入された3リットルの水に再び懸濁させた。この懸濁物を次いで前記2に記載したような水熱処理にかけた。
比較例2
水熱後処理を含めヒドロタルサイト合成を実施例2に従って行ったが、強力粉砕を行わなかった。更に実施例2と同様であるが約0.7μmの平均粒子寸法を有する対応のMgOを使用した。
実施例3:プラスチック添加物としての作成ヒドロタルサイトの使用
高速ミキサ(ファルマ・ヘンシェル社)に次の各成分を秤量して入れ、120℃の温度まで強力に混合する:
ソルビン271PC 2kg
DIDP(安定) 1kg
ステアリン酸亜鉛 0.1kg
ステアリン酸カルシウム 0.2kg
この乾燥配合物を24時間の静止時間の後に更なる試験のため使用する。
110gの乾燥配合物および0.73gのヒドロタルサイトを180℃にて5分間にわたりロールカレンダで圧延布地まで加工した。前側ローラを15U/min、後側ローラを11U/minにて操作する。各ローラ間の間隔を0.4mmに調整する。
このように得られた圧延布地から50mgを切除すると共にガラス管に入れた。チューブの頂部にはリトマス紙を設置し、これによりPVCから開裂されるHClの最初の微量を検出する。このガラス管を200℃にてサーモブロックに貯蔵する。指示薬紙の赤色化により認めうるHCl微量の最初の出現までの時間を測定する。この数値をVDE値と称する。
Figure 0004105954
上記結果は、本発明の方法に従い特に好適なヒドロタルサイトを作成することができ、これ自身は共沈法で作成された生産物よりもVDE値にて優れていることを示す。
本発明の第1実施例による工程図である。 本発明の第2実施例による工程図である。

Claims (50)

  1. 二価金属の少なくとも1種の化合物(成分A)と三価金属の少なくとも1種の化合物(成分B)とを使用し、ここで前記各成分の少なくとも一方は溶液の形態で使用しないヒドロタルサイトの製造方法において、
    (a)溶液として使用されない成分AおよびBの少なくとも一方を各成分の混合の直前またはその間に、および/または
    (b)成分AとBとの混合物を
    0.5〜5μmの平均粒子寸法(D50)に達するまで強力粉砕にかけ、ここで強力粉砕に使用された成分AもしくはBとの懸濁物および/または両成分を含む混合懸濁物の固形物含有量が30〜60重量%であると共に得られたヒドロタルサイト生成物を分離し、乾燥させることを特徴とするヒドロタルサイトの製造方法。
  2. 二価金属の少なくとも1種の化合物(成分A)と三価金属の少なくとも1種の化合物(成分B)とを使用し、ここで前記各成分の少なくとも一方は溶液の形態で使用しないヒドロタルサイトの製造方法において、
    (a)溶液として使用されない成分AおよびBの少なくとも一方を各成分の混合の直前またはその間に、および/または
    (b)成分AとBとの混合物を
    0.5〜5μmの平均粒子寸法(D50)に達するまで強力粉砕にかけ、ここで強力粉砕に使用された成分AもしくはBとの懸濁物および/または両成分を含む混合懸濁物の固形物含有量が30〜60重量%であると共に、熟成処理もしくは水熱処理の後に得られたヒドロタルサイト生成物を分離し、乾燥させることを特徴とする請求項1記載のヒドロタルサイトの製造方法。
  3. 前記乾燥させた後に、焼成することを特徴とする請求項1または2記載のヒドロタルサイトの製造方法。
  4. 強力粉砕を、〜5μmの範囲の平均粒子寸法(D50)が得られるまで持続することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 強力粉砕を、μmもしくはそれ以下の平均粒子寸法(D50)が得られるまで持続することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 強力粉砕を、2μmもしくはそれ以下の平均粒子寸法(D50)が得られるまで持続することを特徴とする請求項に記載の方法。
  7. 強力粉砕を、1〜5μmの平均粒子寸法(D90)が得られるまで持続することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 強力粉砕を、1.5〜4μmの平均粒子寸法(D90)が得られるまで持続することを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 強力粉砕を、1.5〜3.5μmの平均粒子寸法(D90)が得られるまで持続することを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. 0.1〜2μmの範囲の平均粒子寸法(D50)を有する微粒子粉末状ヒドロタルサイトを作成することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 0.1〜1μmの範囲の平均粒子寸法(D50)を有する微粒子粉末状ヒドロタルサイトを作成することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 0.5〜1μmの範囲の平均粒子寸法(D50)を有する微粒子粉末状ヒドロタルサイトを作成することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 作成されたヒドロタルサイトが90%より大の相純度を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 作成されたヒドロタルサイトが95%より大の相純度を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 作成されたヒドロタルサイトが98%より大の相純度を有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 成分AもしくはBの少なくとも一方が使用反応媒体もしくは溶剤における25℃およびpH7にて5x10−8 g/L未満の溶解度生成物を有し、懸濁物および/またはスラリーの形態で使用することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 溶剤は水であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 溶解度生成物が1x10−9 g/L未満であることを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
  19. 溶解度生成物が5x10−10 g/L未満であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 二価金属の化合物を炭酸塩、ヒドロキシ炭酸塩、酸化物および/または水酸化物の群から選択することを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 三価金属の化合物が酸化物および/または水酸化物であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 二価および三価金属の化合物(成分AおよびB)の混合前、混合中もしくは混合後に少なくとも1種の炭酸源を添加することを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 炭酸源は二酸化炭素であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 二価および三価金属の化合物(成分AおよびB)の混合および/または変換の前、その間またはその後に少なくとも1種の炭酸源をAl(もしくは使用した三価金属)1モル当たり少なくとも0.5モルのCOおよび/または炭酸塩の範囲の量にて添加することを特徴とする請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. COおよび/または炭酸塩/モルAl(もしくは使用した三価金属)の添加する量が0.5〜3モルであることを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. COおよび/または炭酸塩/モルAl(もしくは使用した三価金属)の添加する量が0.8〜2.5モルであることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. COおよび/または炭酸塩/モルAl(もしくは使用した三価金属)の添加する量が1.0〜2.0モルであることを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. 炭酸源は二酸化炭素であることを特徴とする請求項2427のいずれか一項に記載の方法。
  29. 成分Aが二価金属としてMg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、Sr2+、Ba2+および/またはCu2+を含有することを特徴とする請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 成分Bが三価金属としてAl3+、Mn3+、Co3+、Ni3+、Cr3+、Fe3+、Ga3+、Sc3+、B3+および/または稀土類金属の三価カチオンを含有することを特徴とする請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 請求項1の(b)の場合、強力粉砕を非晶質ヒドロタルサイト相または鮮明なX線回折図を特徴とするヒドロタルサイト相が得られるまで持続することを特徴とする請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 成分AとBとを20〜100℃の温度にて互いに混合することを特徴とする請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 成分AとBとを40〜80℃の温度にて互いに混合することを特徴とする請求項32に記載の方法。
  34. 成分Bとして三価金属の炭酸塩、酸化物および/または水酸化物の代わりに少なくとも部分的に可溶性塩類を使用することを特徴とする請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 二価金属の化合物としてマグネシウムおよび/または亜鉛の炭酸塩、酸化物および/または水酸化物を使用すると共に、三価金属の化合物として水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムの活性型および/またはアルミン酸ナトリウムを使用することを特徴とする請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 二価金属の不溶性炭酸塩を、各酸化物および/または水酸化物を可溶性炭酸塩で変換させることにより現場で製造することを特徴とする請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 成分AもしくはBを有する懸濁物の少なくとも一つ炭酸源として添加することを特徴とする請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 二価および三価金属の酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムもしくは二酸化炭素の混合懸濁物炭酸源として添加することを特徴とする請求項37に記載の方法。
  39. 成分Aとしては二酸化マグネシウムを水性懸濁物として使用すると共に、成分Bと混合する前に強力粉砕にかけて二酸化マグネシウムを活性化させかつ水酸化マグネシウムを形成させることを特徴とする請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 成分Bとしてアルミン酸ナトリウム溶液を使用し、これは水酸化アルミニウムとの苛性ソーダの混合により製造しうることを特徴とする請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 強力粉砕を7〜13.5の範囲のpH値および20〜100℃の範囲の温度にて行うことを特徴とする請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 強力粉砕のpH値を9〜13の範囲にて行うことを特徴とする請求項41に記載の方法。
  43. 強力粉砕の温度を40〜80℃の範囲にて行うことを特徴とする請求項41または42に記載の方法。
  44. 強力粉砕を湿式ミルにて行うことを特徴とする請求項1〜43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 強力粉砕を環状ミルもしくはパールミルにて行うことを特徴とする請求項44に記載の方法。
  46. 非晶質ヒドロタルサイト相および/または部分結晶質ヒドロタルサイト相を水熱後処理および/または水熱熟成プロセスにかけると共に、得られた生成物を懸濁物から分離し、乾燥させることを特徴とする請求項1〜45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記乾燥させた後に焼成することを特徴とする請求項46に記載の方法。
  48. 水熱後処理を100〜200℃の温度にて1〜20時間にわたり行うことを特徴とする請求項1〜47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 請求項1〜48のいずれか一項に記載の方法を用いて得られるヒドロタルサイトの、オレフィンオキシドからのグリコールエーテルの合成、オレフィンのエポキシド化および水素化、脱水素化、アルキル化のための触媒もしくは触媒キャリヤとしての使用。
  50. 請求項1〜48のいずれか一項に記載の方法を用いて得られるヒドロタルサイトの、ポリマーのための充填剤および/またはCo−安定化剤としての使用。
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