JPH06311902A - 射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂組成物及び靴底の射出成形法 - Google Patents
射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂組成物及び靴底の射出成形法Info
- Publication number
- JPH06311902A JPH06311902A JP5102803A JP10280393A JPH06311902A JP H06311902 A JPH06311902 A JP H06311902A JP 5102803 A JP5102803 A JP 5102803A JP 10280393 A JP10280393 A JP 10280393A JP H06311902 A JPH06311902 A JP H06311902A
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- JP
- Japan
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- chloride resin
- resin composition
- shoe sole
- water
- crystallization
- Prior art date
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- Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 靴底を形成する塩化ビニルの熱安定性や外観
を損わずに射出成形後の「ひけ」の発生を防止する。 【構成】 懸濁重合ポリ塩化ビニル樹脂とフタル酸エス
テル系可塑剤とを混合した組成を主成分とする軟質塩化
ビニル樹脂組成物に、ひけ防止剤として結晶水が結晶構
造中に含まれた無機化合物を添加する。本発明の軟質塩
化ビニル樹脂組成物を靴底形成型のキャビティ内に射出
し、これが成形加工温度に加熱されたときに、前記無機
化合物が結晶水を放出し、放出された結晶水が組成物中
で気泡を形成して発泡する。前記組成物は、その発泡圧
を受けて固化し、冷却後、収縮しても「ひけ」は生じな
い。
を損わずに射出成形後の「ひけ」の発生を防止する。 【構成】 懸濁重合ポリ塩化ビニル樹脂とフタル酸エス
テル系可塑剤とを混合した組成を主成分とする軟質塩化
ビニル樹脂組成物に、ひけ防止剤として結晶水が結晶構
造中に含まれた無機化合物を添加する。本発明の軟質塩
化ビニル樹脂組成物を靴底形成型のキャビティ内に射出
し、これが成形加工温度に加熱されたときに、前記無機
化合物が結晶水を放出し、放出された結晶水が組成物中
で気泡を形成して発泡する。前記組成物は、その発泡圧
を受けて固化し、冷却後、収縮しても「ひけ」は生じな
い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形靴底、特に多
色靴底用の軟質塩化ビニル樹脂組成物及び靴底の射出成
形法に関する。
色靴底用の軟質塩化ビニル樹脂組成物及び靴底の射出成
形法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形靴底、特に多色靴底の成形加工
技術上の問題として、固化した射出樹脂の容積減少、い
わゆる「ひけ」の問題がある。ボトムモールドとサイド
モールドにダミーラストを組合せた靴底成形型のキャビ
ティ内に樹脂組成物を射出してアウトソールを形成する
ときに、その組成物に「ひけ」が発生すると、靴底成形
キャビティの型面からアウトソールの一部が離脱する。
そのまま、次にダミーラストをラストに交換してミッド
ソールの樹脂組成物を射出すると、その圧力でアウトソ
ールが型面から浮き上がり、アウトソールの下面にミッ
ドソールの樹脂組成物が廻り込み、これが靴底表面に表
われて異質な模様となり、あるいはバリとなって、製品
の外観を損う原因となる。
技術上の問題として、固化した射出樹脂の容積減少、い
わゆる「ひけ」の問題がある。ボトムモールドとサイド
モールドにダミーラストを組合せた靴底成形型のキャビ
ティ内に樹脂組成物を射出してアウトソールを形成する
ときに、その組成物に「ひけ」が発生すると、靴底成形
キャビティの型面からアウトソールの一部が離脱する。
そのまま、次にダミーラストをラストに交換してミッド
ソールの樹脂組成物を射出すると、その圧力でアウトソ
ールが型面から浮き上がり、アウトソールの下面にミッ
ドソールの樹脂組成物が廻り込み、これが靴底表面に表
われて異質な模様となり、あるいはバリとなって、製品
の外観を損う原因となる。
【0003】このため、樹脂組成物に有機発泡剤を添加
し、組成物を発泡させてアウトソールを成形する試みが
あるが、アウトソールが発泡体であると、耐摩耗性に劣
ることになるばかりではなく、アウトソールの意匠面に
過剰な発泡圧が作用したときには、ダミーラストをラス
トに入れ替えたときや、ミッドソール成形時にアウトソ
ールが型面から浮き上がることがあり、逆に発泡圧が小
さすぎると、「ひけ」の発生を阻止することができな
い。
し、組成物を発泡させてアウトソールを成形する試みが
あるが、アウトソールが発泡体であると、耐摩耗性に劣
ることになるばかりではなく、アウトソールの意匠面に
過剰な発泡圧が作用したときには、ダミーラストをラス
トに入れ替えたときや、ミッドソール成形時にアウトソ
ールが型面から浮き上がることがあり、逆に発泡圧が小
さすぎると、「ひけ」の発生を阻止することができな
い。
【0004】特開平4−70884号公報には、熱分解
型有機発泡剤を射出樹脂組成物に添加し、組成物を発泡
倍率1.01〜1.10倍に発泡させてアウトソールを
形成する方法が提案されている。同公報の記載によれ
ば、発泡倍率1.01〜1.1倍は、アウトソールを発
泡圧によってボトムモールドの凹凸意匠面に密着保持さ
せるためのぎりぎりの範囲である、と説明している。
型有機発泡剤を射出樹脂組成物に添加し、組成物を発泡
倍率1.01〜1.10倍に発泡させてアウトソールを
形成する方法が提案されている。同公報の記載によれ
ば、発泡倍率1.01〜1.1倍は、アウトソールを発
泡圧によってボトムモールドの凹凸意匠面に密着保持さ
せるためのぎりぎりの範囲である、と説明している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、アウトソー
ルの「ひけ」防止に、熱分解型有機発泡剤を使用したと
きには、発泡剤が分解時に発熱を伴うため、ポリ塩化ビ
ニル樹脂の熱安定性が損われるという問題を生ずる。さ
らにアゾ系の発泡剤を用いたときには、分解後の残渣の
ため、白色ソールが黄色に着色されるという欠点を生ず
る。
ルの「ひけ」防止に、熱分解型有機発泡剤を使用したと
きには、発泡剤が分解時に発熱を伴うため、ポリ塩化ビ
ニル樹脂の熱安定性が損われるという問題を生ずる。さ
らにアゾ系の発泡剤を用いたときには、分解後の残渣の
ため、白色ソールが黄色に着色されるという欠点を生ず
る。
【0006】本発明の目的は、熱安定性や外観を損わず
にポリ塩化ビニル樹脂組成物を発泡させて成形物の「ひ
け」発生を防止する射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂
組成物及び靴底の射出成形法を提供することにある。
にポリ塩化ビニル樹脂組成物を発泡させて成形物の「ひ
け」発生を防止する射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂
組成物及び靴底の射出成形法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂組
成物においては、ひけ防止剤を含有する射出成形靴底用
軟質塩化ビニル樹脂組成物であって、軟質塩化ビニル樹
脂組成物は、懸濁重合ポリ塩化ビニル樹脂100部にフ
タル酸エステル系可塑剤60〜120重量部を混合した
組成を主成分とするものであり、ひけ防止剤は、結晶構
造中に結晶水を有する無機化合物であり、0.2〜2.
0重量部に添加されたものである。
め、本発明による射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂組
成物においては、ひけ防止剤を含有する射出成形靴底用
軟質塩化ビニル樹脂組成物であって、軟質塩化ビニル樹
脂組成物は、懸濁重合ポリ塩化ビニル樹脂100部にフ
タル酸エステル系可塑剤60〜120重量部を混合した
組成を主成分とするものであり、ひけ防止剤は、結晶構
造中に結晶水を有する無機化合物であり、0.2〜2.
0重量部に添加されたものである。
【0008】また、ひけ防止剤は、化学式 Mg1-xAlx(OH)2(CO3)x/2 ・mH2O 0<x<1 0≦m で表わされる化合物である。
【0009】また、ひけ防止剤は、化学式 MgHPO4・3H2O で表わされる化合物である。
【0010】また、ひけ防止剤は、化学式 Mg3(PO4)・8H2O で表わされる化合物である。
【0011】本発明による靴底の射出成形法において
は、ひけ防止剤として結晶構造中に結晶水を有する無機
化合物が添加された軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物を靴
底成形キャビティに射出して靴底を形成する靴底の射出
成形法であって、軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物は、成
形加工温度に加熱され、ひけ防止剤は、軟質ポリ塩化ビ
ニル樹脂組成物の成形加工温度で結晶構造から結晶水を
放出し、放出された結晶水の熱膨張による圧力を軟質ポ
リ塩化ビニル樹脂組成物に作用させ、該組成物の固化に
よる容積の減少を阻止するものである。
は、ひけ防止剤として結晶構造中に結晶水を有する無機
化合物が添加された軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物を靴
底成形キャビティに射出して靴底を形成する靴底の射出
成形法であって、軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物は、成
形加工温度に加熱され、ひけ防止剤は、軟質ポリ塩化ビ
ニル樹脂組成物の成形加工温度で結晶構造から結晶水を
放出し、放出された結晶水の熱膨張による圧力を軟質ポ
リ塩化ビニル樹脂組成物に作用させ、該組成物の固化に
よる容積の減少を阻止するものである。
【0012】
【作用】靴底のアウトソール成形用軟質塩化ビニル樹脂
組成物中に含まれたひけ防止剤は、結晶構造中に結晶水
を有する無機化合物である。前記組成物がボトムモール
ドにダミーモールドを組合せた靴底成形型のキャビティ
内で成形加熱温度に加熱されると、無機化合物が分解し
て結晶水を放出し、放出された結晶水が気泡を形成して
組成物を膨張させ、キャビティの型面に密着し、冷却後
の収縮によっても「ひけ」は生じない。
組成物中に含まれたひけ防止剤は、結晶構造中に結晶水
を有する無機化合物である。前記組成物がボトムモール
ドにダミーモールドを組合せた靴底成形型のキャビティ
内で成形加熱温度に加熱されると、無機化合物が分解し
て結晶水を放出し、放出された結晶水が気泡を形成して
組成物を膨張させ、キャビティの型面に密着し、冷却後
の収縮によっても「ひけ」は生じない。
【0013】ハイドロタルサイト化合物(商品名アルカ
マイザー#/(共和化学(製)Mg1-xAlx(OH)2
(CO3)x/2 ・mH2O 0<x<1,0≦m)をはじ
め、第二リン酸マグネシウムMgHPO4・3H2O)、
第三リン酸マグネシウム(Mg3(PO4)2・8H2Oの
分解温度は、約190℃である。アウトソール形成用軟
質塩化ビニル樹脂組成物の成形加工温度を195℃〜2
00℃に設定したときに、前記無機化合物に、誠に好ま
しい分解温度条件を与える。
マイザー#/(共和化学(製)Mg1-xAlx(OH)2
(CO3)x/2 ・mH2O 0<x<1,0≦m)をはじ
め、第二リン酸マグネシウムMgHPO4・3H2O)、
第三リン酸マグネシウム(Mg3(PO4)2・8H2Oの
分解温度は、約190℃である。アウトソール形成用軟
質塩化ビニル樹脂組成物の成形加工温度を195℃〜2
00℃に設定したときに、前記無機化合物に、誠に好ま
しい分解温度条件を与える。
【0014】無機化合物の結晶構造から結晶水を放出す
る反応は、吸熱反応である。したがって、無機化合物の
熱分解によって組成物の成形加工温度を上昇させること
はなく、熱安定性は確保される。また、これらの化合物
は、熱分解により残渣を生ぜず、白色ソールの外観を阻
害することはない。
る反応は、吸熱反応である。したがって、無機化合物の
熱分解によって組成物の成形加工温度を上昇させること
はなく、熱安定性は確保される。また、これらの化合物
は、熱分解により残渣を生ぜず、白色ソールの外観を阻
害することはない。
【0015】前記無機化合物のうち、ハイドロタルサイ
トは、熱分解によって生ずる塩酸を無害な化合物として
捕捉する能力を有しており、ひけ防止とともに安定剤と
しての機能をも有している。
トは、熱分解によって生ずる塩酸を無害な化合物として
捕捉する能力を有しており、ひけ防止とともに安定剤と
しての機能をも有している。
【0016】懸濁重合ポリ塩化ビニル樹脂100部に対
し、フタル酸エステル系可塑剤の混合量が60部以下で
あるときには、成形時の流動性が低下し、型内への充填
不良の原因となり、意匠欠けが生じ、また、靴底の柔軟
性が低下する。逆に可塑剤の混合量が120部を超える
と、靴底の機械的強度(耐摩耗性,引張強度)が低下
し、靴底の成形加工時にひけ防止剤から放出された結晶
水による気泡を組成物内に閉じ込めることが難しくな
る。
し、フタル酸エステル系可塑剤の混合量が60部以下で
あるときには、成形時の流動性が低下し、型内への充填
不良の原因となり、意匠欠けが生じ、また、靴底の柔軟
性が低下する。逆に可塑剤の混合量が120部を超える
と、靴底の機械的強度(耐摩耗性,引張強度)が低下
し、靴底の成形加工時にひけ防止剤から放出された結晶
水による気泡を組成物内に閉じ込めることが難しくな
る。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。実施例は、ダ
ミーラストを用い、ダミーラストと、サイドモールドと
ボトムモールドとの組合せによって形成される靴底成形
型のキャビティ内に、本発明による軟質塩化ビニル樹脂
組成物を射出してアウトソールを形成する例について示
す。アウトソール形成後は、ダミーラストをラストと入
れ替えてアウトソール上にミッドソールが射出成形によ
って積層形成される。
ミーラストを用い、ダミーラストと、サイドモールドと
ボトムモールドとの組合せによって形成される靴底成形
型のキャビティ内に、本発明による軟質塩化ビニル樹脂
組成物を射出してアウトソールを形成する例について示
す。アウトソール形成後は、ダミーラストをラストと入
れ替えてアウトソール上にミッドソールが射出成形によ
って積層形成される。
【0018】アウトソール形成用軟質塩化ビニル樹脂組
成物として以下の配合を主成分とし、この配合に、表1
に示す添加物を加えて射出成形した靴底のアウトソール
について、「ひけ」の有無と耐熱性の良否を調べた。
成物として以下の配合を主成分とし、この配合に、表1
に示す添加物を加えて射出成形した靴底のアウトソール
について、「ひけ」の有無と耐熱性の良否を調べた。
【0019】 <組成物の配合> PVC(P(重合度)=1300) 100 重量部 DOP 100 〃 Ba−Zn系安定剤 3.5 〃 顔料 1.0 〃 上記配合に添加した添加物は、表1のとおりである。表
1中、試料1〜4は比較例、試料5〜9は本発明の実施
例である。
1中、試料1〜4は比較例、試料5〜9は本発明の実施
例である。
【0020】
【表1】
【0021】表1中、発泡剤に用いたビニルオールAC
剤は、永和化成製の商品名であり、成分は、アゾジカル
ボンアミドである。また、ネオセルボンN−1000S
は、永和化成製の商品名であり、成分は、4−オキシビ
スベンゼンスルフォニドヒドラジッドである。
剤は、永和化成製の商品名であり、成分は、アゾジカル
ボンアミドである。また、ネオセルボンN−1000S
は、永和化成製の商品名であり、成分は、4−オキシビ
スベンゼンスルフォニドヒドラジッドである。
【0022】以上、実施例と比較例とを対比して明らか
なとおり、試料5〜9の実施例によれば、ハイドロタル
サイトは添加量1.5重量部以上、第二リン酸マグネシ
ウム,ダイサンリン酸マグネシウムでは、0.2重量部
以上の添加量において、「ひけ」が生ぜず、また、耐熱
性にすぐれたアウトソールが得られることが分かる。も
っとも、ひけ防止剤としての添加量には上限があり、添
加量が多すぎるときには気泡発生による発泡圧が過大と
なって好ましくはない。添加量の最大限は常識的に考え
て2重量部である。
なとおり、試料5〜9の実施例によれば、ハイドロタル
サイトは添加量1.5重量部以上、第二リン酸マグネシ
ウム,ダイサンリン酸マグネシウムでは、0.2重量部
以上の添加量において、「ひけ」が生ぜず、また、耐熱
性にすぐれたアウトソールが得られることが分かる。も
っとも、ひけ防止剤としての添加量には上限があり、添
加量が多すぎるときには気泡発生による発泡圧が過大と
なって好ましくはない。添加量の最大限は常識的に考え
て2重量部である。
【0023】ひけ防止対策が施されない試料1の比較例
では当然「ひけ」は発生したが、耐熱性に優れていたの
に対し、熱分解型の有機発砲剤を用いた試料2,3の比
較例では、「ひけ」の発生は防止できるものの、有機発
泡剤の添加量を増すにしたがって耐熱性が低下する傾向
がみられた。本発明によれば、「ひけ」を生じさせず、
且つ耐熱性に優れた靴底が得られる。
では当然「ひけ」は発生したが、耐熱性に優れていたの
に対し、熱分解型の有機発砲剤を用いた試料2,3の比
較例では、「ひけ」の発生は防止できるものの、有機発
泡剤の添加量を増すにしたがって耐熱性が低下する傾向
がみられた。本発明によれば、「ひけ」を生じさせず、
且つ耐熱性に優れた靴底が得られる。
【0024】以上実施例では、アウトソールとミッドソ
ールとの積層における靴底のアウトソールに適用した例
を示したが、勿論これに限らず、単層又は多層靴底の射
出成形靴に広く適用できるのはいうまでもない。
ールとの積層における靴底のアウトソールに適用した例
を示したが、勿論これに限らず、単層又は多層靴底の射
出成形靴に広く適用できるのはいうまでもない。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によるときには、結
晶構造に結晶水を有する無機化合物をひけ防止剤に用
い、靴底成形材料組成物の成形加工温度において、無機
化合物より結晶水を放出させるため、放出された結晶水
の気泡圧力を利用して靴底の「ひけ」を有効に防止する
ことができ、多色靴底の射出成形に用いて模様のむら,
ばりの発生を阻止して外観が優れた靴底を製造できる。
晶構造に結晶水を有する無機化合物をひけ防止剤に用
い、靴底成形材料組成物の成形加工温度において、無機
化合物より結晶水を放出させるため、放出された結晶水
の気泡圧力を利用して靴底の「ひけ」を有効に防止する
ことができ、多色靴底の射出成形に用いて模様のむら,
ばりの発生を阻止して外観が優れた靴底を製造できる。
【0026】また、ハイドロタルサイト,第二リン酸及
び第三リン酸マグネシウムは、いずれもPVCに対し、
相溶性を有し、PVCの成形加工温度で結晶水を放出す
るため、気泡を組成物内に閉じ込めたままその発泡圧を
有効に組成物に作用させることができ、分解反応は、吸
熱反応であるため、PVCの熱安定性を損うことがな
く、PVCの特性を生かして高品位の靴底を得ることが
できる。さらに、結晶水の放出の際に残渣が生じないた
め、靴底の色調を損害することもない。
び第三リン酸マグネシウムは、いずれもPVCに対し、
相溶性を有し、PVCの成形加工温度で結晶水を放出す
るため、気泡を組成物内に閉じ込めたままその発泡圧を
有効に組成物に作用させることができ、分解反応は、吸
熱反応であるため、PVCの熱安定性を損うことがな
く、PVCの特性を生かして高品位の靴底を得ることが
できる。さらに、結晶水の放出の際に残渣が生じないた
め、靴底の色調を損害することもない。
Claims (5)
- 【請求項1】 ひけ防止剤を含有する射出成形靴底用軟
質塩化ビニル樹脂組成物であって、 軟質塩化ビニル樹脂組成物は、懸濁重合ポリ塩化ビニル
樹脂100部にフタル酸エステル系可塑剤60〜120
重量部を混合した組成を主成分とするものであり、 ひけ防止剤は、結晶構造中に結晶水を有する無機化合物
であり、0.2〜2.0重量部添加されたものであるこ
とを特徴とする射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂組成
物。 - 【請求項2】 ひけ防止剤は、化学式 Mg1-xAlx(OH)2(CO3)x/2 ・mH2O 0<x<1 0≦m で表わされる化合物であることを特徴とする請求項1に
記載の射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂組成物。 - 【請求項3】 ひけ防止剤は、化学式 MgHPO4・3H2O で表わされる化合物であることを特徴とする射出成形靴
底用軟質塩化ビニル樹脂組成物。 - 【請求項4】 ひけ防止剤は、化学式 Mg3(PO4)・8H2O で表わされる化合物であることを特徴とする射出成形靴
底用軟質塩化ビニル樹脂組成物。 - 【請求項5】 ひけ防止剤として結晶構造中に結晶水を
有する無機化合物が添加された軟質ポリ塩化ビニル樹脂
組成物を靴底成形キャビティに射出して靴底を形成する
靴底の射出成形法であって、 軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物は、成形加工温度に加熱
され、 ひけ防止剤は、軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物の成形加
工温度で結晶構造から結晶水を放出し、 放出された結晶水の熱膨張による圧力を軟質ポリ塩化ビ
ニル樹脂組成物に作用させ、該組成物の固化による容積
の減少を阻止することを特徴とする靴底の射出成形法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5102803A JPH06311902A (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂組成物及び靴底の射出成形法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5102803A JPH06311902A (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂組成物及び靴底の射出成形法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06311902A true JPH06311902A (ja) | 1994-11-08 |
Family
ID=14337230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5102803A Pending JPH06311902A (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 射出成形靴底用軟質塩化ビニル樹脂組成物及び靴底の射出成形法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06311902A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1103620C (zh) * | 1995-12-01 | 2003-03-26 | 日挥株式会社 | 结晶方法 |
EP1381567B2 (de) † | 2001-04-19 | 2013-11-06 | Clariant Produkte (Deutschland) GmbH | Verfahren zur herstellung von hydrotalciten |
CN111073172A (zh) * | 2019-12-11 | 2020-04-28 | 清华大学苏州汽车研究院(相城) | 一种适用于中国人的碰撞测试假人头部皮肤材料及其制备方法 |
CN114441186A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-05-06 | 中国汽车技术研究中心有限公司 | 一种汽车碰撞试验假人肢体皮肤层的制作方法 |
-
1993
- 1993-04-28 JP JP5102803A patent/JPH06311902A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1103620C (zh) * | 1995-12-01 | 2003-03-26 | 日挥株式会社 | 结晶方法 |
EP1381567B2 (de) † | 2001-04-19 | 2013-11-06 | Clariant Produkte (Deutschland) GmbH | Verfahren zur herstellung von hydrotalciten |
CN111073172A (zh) * | 2019-12-11 | 2020-04-28 | 清华大学苏州汽车研究院(相城) | 一种适用于中国人的碰撞测试假人头部皮肤材料及其制备方法 |
CN114441186A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-05-06 | 中国汽车技术研究中心有限公司 | 一种汽车碰撞试验假人肢体皮肤层的制作方法 |
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