JP5641153B2 - ハイドロタルサイトとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイドロタルサイトとその製造方法に関する。
ハイドロタルサイトは、一般式[M2+ 1−x3+ (OH)][An− x/n・mHO](式中、M2+は2価の金属イオンを、M3+は3価の金属イオンを表し、An− x/nは層間陰イオンを表す。また0<x<1であり、nはAの価数、0≦m<1である)で表される化合物の一つであり、触媒や医薬品、樹脂用添加剤等として利用されている物質である。
ハイドロタルサイトは天然にも産出するが産出量が少ないため、主に合成品が用いられている。ハイドロタルサイトの合成方法は種々知られているが、用途によっては通常の合成品では品質の面において十分でないことがある。例えば、樹脂添加剤として用いるには、粒子径の比較的大きなハイドロタルサイトが望ましい。ハイドロタルサイトの原料としては、2価の金属塩(マグネシウム化合物、亜鉛化合物など)、及び3価の金属塩(アルミニウム化合物等)が用いられるが、十分に粒子を成長させて、粒子径の大きなハイドロタルサイトを得るためには、原料であるこれらの金属化合物の反応性を高める必要がある。そのため、原料、反応条件等の面から製法の改良が検討されてきた。
金属化合物の反応性を高めるためには、原料の金属化合物の粉砕を良好に行い、反応に適した細かい粒度の原料粉末とする必要があるため、従来、種々の粉砕処理方法が試されてきた。
これらのなかで、ジルコニアビーズ等のジルコニアを含有するビーズを用いたビーズミル粉砕機による湿式粉砕方法が、微細な粉末を得るための方法として検討されている(特許文献1、特許文献2参照)。
特開2006−017828号公報 特開2004−269317号公報
しかしながら、上記した特許文献1や特許文献2は、ハイドロタルサイトを製造する方法ではない。従って、実際にハイドロタルサイト製造時にビーズミルとしてジルコニアを含むビーズミルを使用した場合、どのような条件でどの程度ジルコニアがハイドロタルサイト中に含有されるか、また、ハイドロタルサイトがジルコニアを含有する場合、ハイドロタルサイトを添加剤として用いた樹脂にどのような影響を及ぼすかは詳細には知られていなかった。
本発明者らは、得られるハイドロタルサイト中にジルコニアが一定以上含まれると、このハイドロタルサイトを、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂等の樹脂に配合した場合、透明性を急激に低下させるという問題がある事を見出した。
そこで、本発明者らは、ハイドロタルサイト中のジルコニア含有量を制御すべく、鋭意研究を重ねた結果、粉砕時のスラリーの発熱を50℃以下に制御する事により、湿式粉砕時のビーズの摩耗が抑制され、ハイドロタルサイト中のZr含有量を50ppm以下に抑制することができ、Zr含有量が50ppm以下のハイドロタルサイトをポリ塩化ビニル樹脂等の樹脂に配合すると、樹脂の透明性が著しく改善される事を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の態様は、マグネシウム化合物及び/又は亜鉛化合物と、アルミニウム化合物とを原料とするハイドロタルサイトの製造方法であって、
上記原料のうち、上記原料の水酸化物、酸化物、及び炭酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の全て又は一部を含有するスラリーを調製するスラリー調製工程と、
該スラリーを、ジルコニアビーズ、又はジルコニア・シリカビーズを用い、スラリー中の粒子の平均2次粒子径D50が1.5μm以下、D90が10μm以下になるように、かつ、スラリーの温度が50℃を超えないように湿式粉砕する湿式粉砕工程と、
得られたスラリーに残りの原料を添加した後、水熱処理して、BET値が1m/g〜30m/g、Zr含有量が50ppm以下のハイドロタルサイトを合成する水熱処理工程と
を含むことを特徴とするハイドロタルサイトの製造方法に関する。
なお、上記ハイドロタルサイトの製造方法におけるZr含有量とは、得られたハイドロタルサイト中に含まれるジルコニア等のジルコニウム化合物の含有量を、Zrとしての含有量に換算した値をいう。
好ましい態様においては、上記製造方法は、上記スラリー調製工程において、上記原料の水酸化物、酸化物、及び炭酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の全て又は一部を含有するスラリーに、さらに、カルボン酸基含有化合物を添加し、スラリー中の固形分濃度を25質量%以上とする。
好ましい態様においては、上記湿式粉砕工程において、スラリーの温度が40℃を超えないように湿式粉砕し、上記水熱処理工程において、Zr含有量が10ppm以下のハイドロタルサイトを合成する。
好ましい態様においては、上記製造方法は、さらに、上記水熱処理工程の後、スラリーからハイドロタルサイトを濾別し、濾液を炭酸ガスと接触させることにより炭酸塩を回収する工程を含む。
好ましい態様においては、カルボン酸基含有化合物が、飽和脂肪酸、ヒドロキシカルボン酸、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、及びオキソカルボン酸から選択される少なくとも1種のカルボン酸基含有化合物である。
上記マグネシウム化合物は、好ましくは、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、及び塩基性炭酸マグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種の化合物である。また上記亜鉛化合物は、好ましくは水酸化亜鉛、酸化亜鉛、又は塩基性炭酸亜鉛である。さらに上記アルミニウム化合物は、好ましくは、水酸化アルミニウム、又は酸化アルミニウムである。
さらに本発明の第2の態様は、BET値が1m/g〜30m/gであり、かつZr含有量が50ppm以下である、上記方法によって得られるハイドロタルサイトに関する。
本発明によれば、ジルコニアビーズ等を用い、スラリーの温度が50℃を超えないように湿式粉砕することにより、製造されるハイドロタルサイト中のZr含有量を50ppm以下に抑制することが可能であり、得られたZr含有量が50ppm以下のハイドロタルサイトをポリ塩化ビニル樹脂等の樹脂に配合すると、樹脂の透明性が著しく改善される。
図1は、実施例1で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。 図2は、実施例2で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。 図3は、実施例3で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。 図4は、実施例4で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。 図5は、実施例5で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。 図6は、実施例6で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。 図7は、比較例1で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。 図8は、比較例2で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。 図9は、比較例3で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。 図10は、比較例4で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、マグネシウム化合物及び/又は亜鉛化合物と、アルミニウム化合物とを原料としたハイドロタルサイトの製造方法である。
本発明の製造方法は、スラリーを調製する工程(以下、スラリー調製工程と呼ぶ)と、スラリー中の粒子を湿式粉砕する工程(以下、湿式粉砕工程と呼ぶ)と、水熱処理工程とを少なくとも含む。必要に応じて、これら以外の工程を含んでいてもよい。
スラリー調製工程
スラリー調製工程は、湿式粉砕の前工程として、湿式粉砕に使用するスラリーを調整する工程である。上記スラリーは、上記原料のうち、上記原料の水酸化物、酸化物、及び炭酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の全て又は一部を含有する。ハイドロタルサイトの原料としては、固体状、溶液状等のいずれの形態のものも用いることができるが、好ましい原料として上で述べた水酸化物、酸化物、炭酸塩の中には、水や溶媒に難溶で、固体として使用されるものが多い。原料であるマグネシウム化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物のうち、少なくとも1種が水溶性でない場合には、上記原料の全て、または上記原料の一部と、必要に応じて他の添加物を混合して、後の湿式粉砕に用いるためのスラリーを調製する。水溶性でない原料(固体、粉体等)が複数存在する場合、その全てを混合してもよく、その一部のみを混合してもよい。また湿式粉砕しない残りの原料は、湿式粉砕の後、水熱処理の前にスラリーに添加される。
スラリーの固形分濃度は特に限定されないが、1〜70重量%が好ましい。
上記した濃度範囲において、スラリーの固形分濃度が1重量%以上、25質量%未満の範囲では、スラリーの粘度は粉砕後も余り大きくならず、粘度を低下させるため等の特別の添加剤等は必要としない。従って、この場合、上記原料の全て又は一部を含有するスラリーを調製して次工程の湿式粉砕工程に供すればよい。
この場合、生産効率の点から、10重量%以上、25質量%未満がより好ましい。
一方、スラリーの固形分濃度が25質量%以上となると、粉砕中にスラリーの粘度が増大するため、そのままでは粉砕の効率が低下してしまう。そこで、スラリー中にカルボン酸基含有化合物を添加すると、固形分濃度が25質量%以上のスラリーを用いても、増粘による粉砕阻害を受ける事なく粉砕を実施する事ができる。
カルボン酸基含有化合物を添加した高濃度のスラリーでの粉砕は、生産効率、粉砕メディアの摩耗の観点などから有利である。上記固形分濃度は、より好ましくは30質量%以上である。
また固形分濃度の上限は、湿式粉砕が充分に行える濃度であれば特に制限はないが、通常は、上述したように固形分濃度が70質量%以下であることが好ましい。固形分濃度は、60質量%以下であることがより好ましい。
飽和脂肪酸の具体例としては、特に限定されないが、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、o−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸等が挙げられる。芳香族カルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸等が挙げられる。ジカルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。オキソカルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、ピルビン酸、フタルアルデヒド酸、イソフタルアルデヒド酸、テレフタルアルデヒド酸、6−ホルミル−2,3−ジメトキシ安息香酸、o−アセチル安息香酸、m−アセチル安息香酸、p−アセチル安息香酸、o−ベンゾイル安息香酸、m−ベンゾイル安息香酸、p−ベンゾイル安息香酸、ベンゾフェノン−4,4'−ジカルボン酸等が挙げられる。
中でも上記カルボン酸基含有化合物としては、炭素数が1〜10の飽和脂肪酸が好ましく、中でも酢酸、炭素数が1〜5の飽和脂肪酸がより好ましい。
上記スラリーの懸濁媒は特に限定されないが、水が好ましい。また懸濁媒には悪影響を与えない範囲内で水以外の他の液体媒体を含んでもよい。
上記カルボン酸基含有化合物の濃度(又は質量)は、固形分100g当たり5g以下であることが好ましく、3g以下であることがより好ましく、1g以下であることがさらに好ましい。
スラリーを調製する際の攪拌手段は特に限定されず、汎用のスターラー、ミキサー等を用いることができる。
湿式粉砕工程
上述の説明に従ってスラリーを調製した後、該スラリー中の固形分の湿式粉砕を行うことにより、金属化合物を微細化する。特定の用途において、例えば樹脂添加剤として用いるには、十分に粒子が成長した、粒子径の比較的大きなハイドロタルサイトが望まれる。上記原料をそのまま使用するだけでは粒子径の大きなハイドロタルサイトを得るのが困難であり、得られたハイドロタルサイトの形状も粒子サイズがまばらなものとなる。また湿式粉砕を行わない場合には、アルミ化合物の反応性が低下しベーマイト(AlO(OH))、ドーソナイト(NaAl(OH)CO)等の副生成物が生じる場合がある。そのため、原料を混合したスラリーに湿式粉砕処理を施すことで上記原料を微細化し、反応性を高める必要がある。
上述したように、本発明では、スラリーの固形分濃度が1重量%以上、25質量%未満の範囲では、スラリーの粘度は余り大きくならないので、このスラリーをそのまま、下記するジルコニアビーズ、又はジルコニア・シリカビーズを用いたビーズミル粉砕機に投入し、スラリーの温度が50℃を超えないように制御しながら、湿式粉砕を行う。
一方、固形物濃度が25重量%以上になると、湿式粉砕の進行に伴いスラリーが著しく増粘する現象が発生する可能性があるので、カルボン酸基含有化合物をスラリーに添加し、粉砕中の粘度の急上昇を抑制しながら湿式粉砕を行う。この場合にも、カルボン酸基含有化合物を含むスラリーを、ジルコニアビーズ、又はジルコニア・シリカビーズを用いたビーズミル粉砕機に投入し、スラリーの温度が50℃を超えないように制御しながら、湿式粉砕を行う。
このように、スラリー中にカルボン酸基含有化合物を含有させると、固形分濃度が25質量%以上のスラリーを用いても、増粘による粉砕阻害を受ける事なく粉砕を実施する事ができる。
湿式粉砕工程においては、スラリー濃度が1重量%以上、25質量%未満であっても、スラリー濃度が25重量%以上であっても、スラリーに含まれる粒子を、粒子の平均2次粒子径D50が1.5μm以下、D90が10μm以下となるように粉砕する。なおD50とは、粒度分布において、小粒子側からの体積累積値が、全粒子体積の50%になる粒径である。またD90とは、粒度分布において、小粒子側からの体積累積値が全粒子体積の90%になる粒径である。D50及びD90は、市販の粒度分布計等によって簡便に測定することができる。
湿式粉砕の際には、ビーズミルが用いられたビーズミル粉砕機を用いる。そして、ビーズミル粉砕機に上記スラリーを供給することにより湿式粉砕を行う。ビーズミル粉砕機は、粉砕室内でビーズ(粉砕メディア)を衝突させることによってスラリー中の粒子を微粉砕・分散する装置である。本発明では、ビーズとして、ジルコニアビーズ、又はジルコニア・シリカビーズを用いる。
ジルコニアビーズの特徴としては、高強度であり、高靭性で割れにくく、かつ高比重という特徴を有する。理論的に比重が高いほど湿式粉砕における粉砕・分散効率に優れることから、本発明では、他のセラミックビーズに比べて高い比重を有するジルコニアビーズを用いる。
ビーズミルでは、しばしばビーズの磨耗によるコンタミネーション(異物混入)が問題となる。ジルコニアビーズは比較的磨耗が少ないとはいえ、コンタミネーションを完全に排除するのは難しい。ジルコニア・シリカビーズではより磨耗は大きくなる。従って、スラリーの温度を制御せずに粉砕することにより得られたハイドロタルサイトにジルコニアが混入した場合、そのハイドロタルサイトをポリ塩化ビニル樹脂等の樹脂に配合すると、透明性を著しく低下させる事が検討の結果明らかになった。そのため、本発明では、スラリーの温度を50℃以下に制御し、ハイドロタルサイト中のZr含有量を、50ppm以下に抑制している。
ハイドロタルサイト中のZr含有量は、10ppm以下であることがより好ましい。ハイドロタルサイト中のZr含有量を、10ppm以下とするためには、粉砕時のスラリー温度を40℃以下とすることが好ましい。
本発明者らは、粉砕時にスラリーの温度を50℃以下にする事により、湿式粉砕時のビーズの摩耗が抑制され、ハイドロタルサイト中のZr含有量を50ppm以下に抑制できることを見出した。ジルコニアビーズ又はジルコニア・シリカビーズを用いた湿式粉砕工程の間、例えば湿式粉砕装置を冷却すること等により、スラリーの温度が50℃以下に制御することができ、その結果、最終製品であるハイドロタルサイト中のZr含有量を50ppm以下に抑制することができる。
湿式粉砕工程での粉砕時間は特に限定されず、スラリー中の分散質粒子の平均2次粒子径D50が1.5μm以下、D90が10μm以下となるように、通常は数分〜数時間の間で適宜選択できる。
懸濁媒に難溶の原料が複数存在する場合には、それらを全て混合した後、同時に一回のステップで湿式粉砕してもよいし、ある原料を湿式粉砕した後、段階的に別の原料を粉砕してもよい。また個別に湿式粉砕した後、両者を混合してもよい。また懸濁媒に難溶の原料全てを湿式粉砕する必要はなく、そのうちの一部のみを湿式粉砕してもよい。
ハイドロタルサイトに含まれる層間アニオンとしては、特に限定されないが、炭酸イオンが好ましい。炭酸イオンは、炭酸ガスとして、又は炭酸水素塩、炭酸塩等の塩としてスラリー中に供給することができる。上記炭酸ガス、炭酸水素塩、又は炭酸塩を混合物に添加する時期は特に限定されず、下記湿式粉砕の前に添加してもよく、湿式粉砕後に添加しても良い。なかでも、湿式粉砕後、得られた混合物に炭酸ガス、炭酸水素塩、又は炭酸塩を添加して混合するのが好ましい。
水熱処理工程
湿式粉砕後、粉砕の必要がない残りの原料をスラリーに添加し、水熱処理を行う。水熱処理により、粒子の成長を促進させ、BET値が1m/g〜30m/gで、Zr含有量が50ppm以下のハイドロタルサイトを合成することができる。
水熱処理は、特に限定されないが、通常、オートクレーブ等の耐熱容器中において行う。処理温度は、特に限定されないが、好ましくは120〜250℃であり、より好ましくは、130〜230℃であり、さらに好ましくは、140〜230℃である。また処理時の容器内圧力は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜10MPa、より好ましくは0.2〜4MPaである。処理時間は、特に限定されないが、例えば1〜6時間、好ましくは1〜4時間である。
その他の工程
本発明の製造方法は、上述したスラリー調製工程、湿式粉砕工程、水熱処理工程以外の工程を含んでいてもよい。例えば、本発明の製造方法は、水熱処理後、必要に応じて表面処理剤により粒子表面を処理する工程(表面処理工程)を含んでいてもよい。上記表面処理剤としては、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩(金属石ケン)、アニオン界面活性剤、リン酸エステル、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等のカップリング剤を挙げることができる。
より具体的な上記表面活性剤の例としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、これら高級脂肪酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の金属塩、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールの硫酸エステル塩、ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エーテル結合スルホン酸塩、エステル結合スルホネート、アミド結合アルキルアリールスルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリールスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤、オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモノ又はジエステル又はこれらの混合物であって、それらの酸型又はアルカリ金属塩又はアミン塩等のリン酸エステル、ビニルエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタンカップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルカリカップリング剤を挙げることができる。
表面処理を行う場合、上記表面処理剤は、ハイドロタルサイトに対して、0.1〜15質量%、好ましくは、0.5〜5質量%の範囲で添加することにより、ハイドロタルサイトを表面処理することが好ましい。
表面処理の方法は、特に限定されるものではなく、従来知られている湿式法や乾式法等、適宜の方法によることができる。湿式法によるときは、ハイドロタルサイトを含有するスラリーに上記表面処理剤を溶液やエマルジョンとして加え、攪拌下、必要に応じて、100℃までの温度に加熱しながら十分に混合した後、ハイドロタルサイトを濾過し、水洗し、乾燥すればよい。
水熱処理後、必要に応じて、スラリーからハイドロタルサイトを濾別する工程や、洗浄・乾燥工程等を行うことができる。
例えば、水熱処理後のスラリーは、その後濾別して、ハイドロタルサイトを含む固形物(ケーキ)と濾液を分離し、必要に応じて回収した固形物の水洗を行うのが好ましい。水洗の回数には特に限定はない。その後、濾別した固形分を回収し、オーブン等で乾燥させ、必要に応じて乾燥後の固形分を乾式粉砕することより、所望のハイドロタルサイトを得ることができる。
好ましい一実施形態によれば、上記製造方法はさらに、上記濾液を炭酸ガスと接触させる工程を含んでいてもよい。本発明の製造方法においては、反応後、副生成物として炭酸塩が生じる。この炭酸塩は、炭酸ガス(CO)と接触させて反応させることにより、炭酸水素塩となる(例えばNaCO→NaHCO)。この炭酸水素塩は、リサイクルが可能であり、そのまま新たなハイドロタルサイトの原料として利用することができる。これにより、従来法の問題であった副生成物の廃棄の問題を解消することができ、環境面からも経済面からも有利である。
ハイドロタルサイト
上記ハイドロタルサイトの製造方法によって製造されるハイドロタルサイトは、BET比表面積が1m/g〜30m/gであるが、3m/g〜30m/gが好ましく、5m/g〜25m/gがより好ましい。BET比表面積は、例えばJIS Z8830の規定に従って、市販の比表面積・細孔分布測定装置を用いて測定することができる。
ハイドロタルサイト中のZr含有量は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法を用い、以下の方法により測定することができる。
具体的な分析方法は、以下に示す通りである。
SII社製ICP1700HVRを使用し以下の条件で測定する。
まず、試料約2.5gをビーカーに精秤し、硝酸(比重1.38)約5ml加えて溶解させ、100mlメスフラスコに充填し、イオン交換水でメスアップする。これを試験液とし、下記の測定条件により測定し、得られた生データを下記の計算条件で計算することによりZr含有量を算出する。
測定条件は以下の通りである。
上記した分光器を使用し、波長339.295nmにて検量線を作成した後、試料を測定する。検量線用試料の濃度としては、例えば、Zr(ppm)=1.0、0.5、0の3点を使用する。
計算条件は以下の通りである。
Zr(ppm)=生データ×100/試料(g)
上記方法により得られるハイドロタルサイトの具体例としては、例えば、下記の(1)式で表わされるものが挙げられる。
[(Mg2+(Zn2+1−z(Al3+(OH)(CO 2−z/2・mHO (1)
(式中、x、y、z及びmは、0.5≦x≦1、0≦y≦0.5、x+y=1、0.1≦z≦0.5、0≦m<1の条件を満たす値である)で表されるハイドロタルサイトであって、
X線回折において、
下記(1)〜(8)の条件を全て満たすハイドロタルサイト:
(1)2θ=60.7(deg)のピークに対する、2θ=39(deg)のピークの強度比が0.3以上、
(2)2θ=62(deg)のピークに対する、2θ=39(deg)のピークの強度比が0.3以上、
(3)2θ=60.7(deg)のピークに対する、2θ=46.5(deg)のピークの強度比が0.25以上、
(4)2θ=62(deg)のピークに対する、2θ=46.5(deg)のピークの強度比が0.25以上、
(5)2θ=60.7(deg)のピークに対する、2θ=53(deg)のピークの強度比が0.05以上、
(6)2θ=62(deg)のピークに対する、2θ=53(deg)の強度比が0.05以上、
(7)2θ=60.7(deg)のピークに対する、2θ=56.4(deg)のピークの強度比が0.03以上、
(8)2θ=62(deg)のピークに対する、2θ=56.4(deg)のピークの強度比が0.03以上;
に関する。
上記工程により得られたハイドロタルサイトは、樹脂用添加剤等として好適に使用され、得られたハイドロタルサイトを添加した樹脂は、耐熱性、プレス耐熱性、透明性等の点で優れた特性を示す。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を意味する。
(D50、D90の測定方法)
下記実施例、比較例において、スラリー中のD50、D90は、粒度分布計(日機装株式会社製マイクロトラックMT3300EX)により測定した。具体的には0.025wt%ヘキサメタリン酸Na水溶液180mLを測定機(粒度分布計)内の試料室に準備し、試料を約0.1g程度滴下し、測定機内の超音波分散機能で超音波流速50%、出力30Wにて時間120秒循環して測定を2回行い、平均を測定値とした。
(導電率の測定方法)
水洗水の導電率は、東亜ディーケーケー株式会社製のCONDUCTIVITY METER(電気伝導率計CM−40S)を使用して測定した。試料の測定温度は25℃とした。
(BET比表面積の測定方法)
BET比表面積はJIS Z8830の規定に従って測定した。
(XRDの測定方法)
RIGAKU社製 RINT−TTR IIIを使用し以下の条件にて測定した。
試料約3gをホルダーに充填し、測定条件Aにて測定し、得られた生データをデータ処理条件Bにてデータ処理を行い、ピークサーチ条件Cにて決定した。
測定条件A
角度2θ:37−70(deg)
サンプリング幅:0.01°
スキャンスピード:1°/min
電圧:50kV
電流:300mA
データ処理条件B
バックグランド:直線フィット、しきい値=3.0、BGオフセット=0.3
Kα2ピーク除去:有
平滑化:ウェーブレット平滑化2.1
ピークサーチ条件C
フィルタータイプ:31放物線フィルター
ピーク値決定:ピークトップ
Kα2ピーク:リストから消去
しきい値と範囲:しきい値=0.5、ピーク強度カットオフ=0.5、BG決定の範囲=5
BG平均化ポイント=15
(実施例1)ハイドロタルサイトの製造
5Lの容器に、水酸化マグネシウム(D50=4.0μm)447.3g、水酸化アルミニウム(D50=8.0μm)299.2gを入れ全量が3Lになるように水を添加し、10分間攪拌することによりスラリーを調製した。このスラリーのD50は10μm、D90は75μmであった。このスラリーを、冷却ユニットを備えた湿式粉砕装置(ダイノーミルMULTILAB、株式会社シンマルエンタープライゼス製、ジルコニアビーズ充填)中に供給し、粉砕中にスラリー温度が40℃を超えないように制御し、18分間(滞留時間)湿式粉砕処理した。その結果スラリーのD50は1.0μm、D90は3.5μmで、スラリー粘度は5000mPa・sとなった。その後、粉砕処理したスラリー2Lに炭酸水素ナトリウムを、水酸化マグネシウムに1モルに対して1/2モルとなるように添加し、全体が8Lになるように水で調整し10分間攪拌した。そのスラリー3Lをオートクレーブに移し、170℃で2時間水熱反応を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて粒子の表面処理を行った。次いで、固体を濾過により濾別し、その後濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキをさらに100mlのイオン交換水で水洗し、その水洗水の導電率を測定した。その結果、水洗水の導電率は50μS/cm(25℃)であった。得られた水洗ケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって固形の生成物を得た。図1は、実施例1で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。図1に示したチャートより明らかなように、図1には、2θ(deg)=12付近をメインピークとするハイドロタルサイト特有の回折ピークが出現しており、生成物がハイドロタルサイトであることが確認できた。得られたハイドロタルサイトのBET比表面積は11.5m/g、Zr含有量は、5ppmであった。なお、ステアリン酸表面処理前のハイドロタルサイトのBET比表面積値は14.0m/gであった。
(実施例2)ハイドロタルサイトの製造
5Lの容器に、水酸化マグネシウム(D50=4.0μm)447.3g、水酸化アルミニウム(D50=8.0μm)299.2gを入れ全量が3Lになるように水を添加し、10分間攪拌することによりスラリーを調製した。このスラリーのD50は10μm、D90は75μmであった。このスラリーを、冷却ユニットを備えた湿式粉砕装置(ダイノーミルMULTILAB、株式会社シンマルエンタープライゼス製、ジルコニアビーズ充填)中に供給し、粉砕中にスラリー温度が50℃を超えないように制御し、18分間(滞留時間)湿式粉砕処理した。その結果スラリーのD50は1.0μm、D90は3.5μmで、スラリー粘度は4800mPa・sとなった。その後、粉砕処理したスラリー2Lに炭酸水素ナトリウムを、水酸化マグネシウムに1モルに対して1/2モルとなるように添加し、全体が8Lになるように水で調整し10分間攪拌した。そのスラリー3Lをオートクレーブに移し、170℃で2時間水熱反応を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて粒子の表面処理を行った。次いで、固体を濾過により濾別し、その後濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキをさらに100mlのイオン交換水で水洗し、その水洗水の導電率を測定した。その結果、水洗水の導電率は50μS/cm(25℃)であった。得られた水洗ケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって固形の生成物を得た。図2は、実施例2で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。図2に示したチャートの回折ピークより生成物がハイドロタルサイトであることを確認した。
得られたハイドロタルサイトのBET比表面積は11.5m/g、Zr含有量は、45ppmであった。
(比較例1)ハイドロタルサイトの製造
5Lの容器に、水酸化マグネシウム(D50=4.0μm)447.3g、水酸化アルミニウム(D50=8.0μm)299.2gを入れ全量が3Lになるように水を添加し、10分間攪拌することによりスラリーを調製した。このスラリーのD50は10μm、D90は75μmであった。このスラリーを、冷却ユニットを備えた湿式粉砕装置(ダイノーミルMULTILAB、株式会社シンマルエンタープライゼス製、ジルコニアビーズ充填)中に供給し、粉砕中にスラリー温度が55℃を超えないように制御し、18分間(滞留時間)湿式粉砕処理した。その結果スラリーのD50は1.0μm、D90は3.5μmで、スラリー粘度は4400mPa・sとなった。その後、粉砕処理したスラリー2Lに炭酸水素ナトリウムを、水酸化マグネシウムに1モルに対して1/2モルとなるように添加し、全体が8Lになるように水で調整し10分間攪拌した。そのスラリー3Lをオートクレーブに移し、170℃で2時間水熱反応を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて粒子の表面処理を行った。次いで、固体を濾過により濾別し、その後濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキをさらに100mlのイオン交換水で水洗し、その水洗水の導電率を測定した。その結果、水洗水の導電率は50μS/cm(25℃)であった。得られた水洗ケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって固形の生成物を得た。図7は、比較例1で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。図7に示したチャートの回折ピークより生成物がハイドロタルサイトであることを確認した。
得られたハイドロタルサイトのBET比表面積は11.5m/g、Zr含有量は、55ppmであった。
(比較例2)ハイドロタルサイトの製造
5Lの容器に、水酸化マグネシウム(D50=4.0μm)447.3g、水酸化アルミニウム(D50=8.0μm)299.2gを入れ全量が3Lになるように水を添加し、10分間攪拌することによりスラリーを調製した。このスラリーのD50は10μm、D90は75μmであった。このスラリーを、冷却ユニットを備えた湿式粉砕装置(ダイノーミルMULTILAB、株式会社シンマルエンタープライゼス製、ジルコニアビーズ充填)中に供給し、18分間(滞留時間)湿式粉砕処理した。その結果スラリーのD50は1.0μm、D90は4μmで、スラリー粘度は4000mPa・s、スラリー最終温度は65℃となった。その後、粉砕処理したスラリーを常温まで冷却後2L取り炭酸水素ナトリウムを、水酸化マグネシウムに1molに対して1/2モルとなるように添加し、全体が8Lになるように水で調整し10分間攪拌した。そのスラリー3Lをオートクレーブに移し、170℃で2時間水熱反応を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて粒子の表面処理を行った。次いで、固体を濾過により濾別し、その後濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキをさらに100mlのイオン交換水で水洗し、その水洗水の導電率を測定した。その結果、水洗水の導電率は60μS/cm(25℃)であった。得られた水洗ケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって固形の生成物を得た。図8は、比較例2で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。図8に示したチャートの回折ピークより生成物がハイドロタルサイトであることを確認した。
得られたハイドロタルサイトのBET比表面積は12.0m/g、Zr含有量は、100ppmであった。
(実施例3)ハイドロタルサイトの製造
5Lの容器に、水酸化マグネシウム(D50=4.0μm)447.3g、水酸化アルミニウム(D50=8.0μm)299.2gを入れ全量が3Lになるように水を添加し、10分間攪拌することによりスラリーを調製した。このスラリーのD50は10μm、D90は75μmであった。このスラリーを、冷却ユニットを備えた湿式粉砕装置(ダイノーミルMULTILAB、株式会社シンマルエンタープライゼス製、ジルコニアビーズ充填)中に供給し、粉砕中にスラリー温度が40℃を超えないように制御して18分間(滞留時間)湿式粉砕処理した。その結果スラリーのD50は1.0μm、D90は3.5μmで、スラリー粘度は5000mPa・sとなった。その後、粉砕処理したスラリー2Lに炭酸ナトリウムを、水酸化マグネシウムに1モルに対して1/2モルとなるように添加し、全体が8Lになるように水で調整し10分間攪拌した。そのスラリー3Lをオートクレーブに移し、170℃で2時間水熱反応を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて粒子の表面処理を行った。次いで、固体を濾過により濾別し、その後濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキをさらに100mlのイオン交換水で水洗し、その水洗水の導電率を測定した。その結果、水洗水の導電率は60μS/cm(25℃)であった。得られた水洗ケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって固形の生成物を得た。図3は、実施例3で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。図3に示したチャートの回折ピークより生成物がハイドロタルサイトであることを確認した。
得られたハイドロタルサイトのBET比表面積は12.5m/g、Zr含有量は、5ppmであった。
(実施例4)ハイドロタルサイトの製造
5Lの容器に、水酸化マグネシウム(D50=4.0μm)391.4g、酸化亜鉛78.1g(D50=7.5μm)、水酸化アルミニウム(D50=8.0μm)299.2gを入れ全量が3Lになるように水を添加し、10分間攪拌することによりスラリーを調製した。このスラリーのD50は10μm、D90は75μmであった。このスラリーを、冷却ユニットを備えた湿式粉砕装置(ダイノーミルMULTILAB、株式会社シンマルエンタープライゼス製、ジルコニアビーズ充填)中に供給し、粉砕中にスラリー温度が40℃を超えないように制御し、18分間(滞留時間)湿式粉砕処理した。その結果スラリーのD50は1.0μm、D90は3.5μmで、スラリー粘度は5000mPa・sとなった。その後、粉砕処理したスラリー2Lに炭酸水素ナトリウムを、水酸化マグネシウムに1モルに対して1/2モルとなるように添加し、全体が8Lになるように水で調整し10分間攪拌した。そのスラリー3Lをオートクレーブに移し、170℃で2時間水熱反応を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて粒子の表面処理を行った。次いで、固体を濾過により濾別し、その後濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキをさらに100mlのイオン交換水で水洗し、その水洗水の導電率を測定した。その結果、水洗水の導電率は50μS/cm(25℃)であった。得られた水洗ケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって固形の生成物を得た。図4は、実施例4で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。図4に示したチャートの回折ピークより生成物がハイドロタルサイトであることを確認した。
得られたハイドロタルサイトのBET比表面積は9.1m/g、Zr含有量は、5ppmであった。
(実施例5)ハイドロタルサイトの製造
5Lの容器に、水酸化マグネシウム(D50=4.0μm)894.7g、水酸化アルミニウム(D50=8.0μm)598.3gを入れ、その後、全量が3Lになるように水を添加した。さらに酢酸(試薬)9.0gを添加した後、10分間攪拌することによりスラリーを調製した。このスラリーのD50は10μm、D90は75μmであった。このスラリーを、冷却装置を備えた湿式粉砕装置(ダイノーミルMULTILAB、株式会社シンマルエンタープライゼス製、ジルコニアビーズ充填)中に供給し、スラリー温度が40℃を超えないように制御して18分間(滞留時間)湿式粉砕処理した。その結果、スラリーのD50は1.0μm、D90は3.5μmで、スラリー粘度は1500mPa・sとなった。その後、スラリーを湿式粉砕装置から取り出した。水酸化マグネシウムに1モルに対して1/2モルとなる量の炭酸水素ナトリウムを、粉砕処理したスラリー1Lに添加し、全体が8Lになるように水で調整した。その後10分間攪拌した。そのスラリーのうち3Lをオートクレーブに移し、170℃で2時間水熱処理を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて粒子の表面処理を行った。次いで、固体を濾過により濾別した。得られた濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキをさらに100mlのイオン交換水で水洗し、その水洗水の導電率を測定した。その結果、水洗水の導電率は50μS/cm(25℃)であった。水洗後のケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって固形の生成物を得た。図5は、実施例5で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。図5に示したチャートの回折ピークより生成物がハイドロタルサイトであることを確認した。
得られたハイドロタルサイトのBET比表面積は11.5m/g、Zr含有量は5ppmであった。
(比較例3)ハイドロタルサイトの製造
湿式粉砕処理を行わなかった以外は実施例5と同様にスラリーを調製し、オートクレーブ内にて170℃で2時間水熱処理を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて粒子の表面処理を行った。次いで固体を濾過により濾別した。得られた濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキを、さらに100mlのイオン交換水で水洗した。その水洗水の導電率を測定したところ、90μS/cm(25℃)であった。水洗後のケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行う事によって固形の生成物を得た。図9は、比較例3で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。図9に示したチャートでは、ハイドロタルサイトの回折ピーク以外に副生成物であるベーマイト(AlO(OH))の回折ピークが検出された。
生成物のBET比表面積は15.0m/g、Zr含有量は0ppmであった。
(比較例4)ハイドロタルサイトの製造
5Lの容器に、水酸化マグネシウム(D50=4.0μm)894.7g、水酸化アルミニウム(D50=8.0μm)598.3gを入れ、その後、全量が3Lになるように水を添加した。その後10分間攪拌することによりスラリーを調製した。このスラリーのD50は10μm、D90は75μmであった。このスラリーを、冷却装置を備えた湿式粉砕装置(ダイノーミルMULTILAB、株式会社シンマルエンタープライゼス製、ジルコニアビーズ充填)中に供給した。スラリー温度が40℃を超えないように制御して粉砕を行ったが、粉砕開始直後より急激な増粘が見られ、5分間(滞留時間)程度で粉砕機モーターへの過負荷により運転を停止させた。その結果、スラリーのD50は4.0μm、D90は8.0μmで、スラリー粘度は9000mPa・sとなった。その後、粉砕処理したスラリーに1Lに炭酸水素ナトリウムを、水酸化マグネシウムに1molに対して1/2モルとなるように添加し、全体が8Lになるように水で調整し10分間攪拌した。そのスラリー3Lをオートクレーブに移し、170℃で2時間水熱処理を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて粒子の表面処理を行った。次いで、固体を濾過により濾別し、その後濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキをさらに100mlのイオン交換水で水洗し、その水洗水の導電率を測定した。その結果、水洗水の導電率は90μS/cm(25℃)であった。得られた水洗ケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって固形の生成物を得た。図10は、比較例4で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。図10に示したチャートの回折ピークより生成物がハイドロタルサイトであることを確認した。
得られたハイドロタルサイトのBET比表面積は13.5m/g、Zr含有量は、3ppmであった。
(実施例6)ハイドロタルサイトの製造
実施例5の製造方法にて得られたハイドロタルサイトスラリーを濾過し、濾過ケーキと共に濾液を得た。この濾液に炭酸ガスをpH10.0からpH8.0程度に低下するまで通気し、この反応液を濾過した。濾液は炭酸ナトリウム水溶液から炭酸水素ナトリウム水溶液になった。別に、5Lの容器に、水酸化マグネシウム(D50=4.0μm)894.7g、水酸化アルミニウム(D50=8.0μm)598.3gを入れ全量が3Lになるように水を添加した。さらに酢酸(試薬)9.0gを添加した後、10分間攪拌することによりスラリーを調製した。このスラリーのD50は10μm、D90は75μmであった。このスラリーを、冷却装置を備えた湿式粉砕装置(ダイノーミルMULTILAB、株式会社シンマルエンタープライゼス製、ジルコニアビーズ充填)中に供給し、スラリー温度が40℃を超えないように制御して18分間(滞留時間)湿式粉砕処理した。その結果、スラリーのD50は1.0μm、D90は4μmで、スラリー粘度は1500mPa・sとなった。その後、スラリーを湿式粉砕装置から取り出した。水酸化マグネシウムに1モルに対して1/2モルとなる量の炭酸水素ナトリウムとなるように、先に反応させたろ液を計量して粉砕処理したスラリー1Lに添加し、全体が8Lになるように水で調整した。その後10分間攪拌した。そのスラリーのうち3Lをオートクレーブに移し、170℃で2時間水熱処理を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて粒子の表面処理を行った。次いで、固体を濾過により濾別し、その後濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキをさらに100mlのイオン交換水で水洗し、その水洗水の導電率を測定した。その結果、水洗水の導電率は50μS/cm(25℃)であった。水洗後のケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって固形の生成物を得た。図6は、実施例6で得られた生成物のXRD測定結果を示すチャートである。図6に示したチャートの回折ピークより生成物がハイドロタルサイトであることを確認した。
得られたハイドロタルサイトのBET比表面積は11.5m/g、Zr含有量は5ppmであった。
(参考例) 液体原料によるハイドロタルサイトの製造
Mg濃度が2.6モル/Lの硫酸マグネシウム水溶液750mlと、Al濃度が2.1モル/Lの工業用硫酸アルミニウム水溶液475mlとを混合し、水を加えて1.5Lにすることにより金属塩溶液を調製した。別途、18NのNaOH液277.5mLおよび工業用NaCO158.66gを混合し、水を加えて1.5Lにすることによりアルカリ溶液を調製した。攪拌下、上記金属溶液及びアルカリ溶液を同時に添加し、約30分間攪拌した。次に170℃で2時間、得られた共沈懸濁液の水熱処理を行った。得られたハイドロタルサイトのスラリーを95℃に保持しながら、ステアリン酸9gを加えて表面処理を行った。次いで、固体を濾過により濾別し、その後濾過ケーキを35℃、9Lのイオン交換水で水洗した。濾過ケーキをさらに100mlのイオン交換水で水洗し、その水洗水の導電率を測定した。その結果、水洗水の導電率は1000μS/cm(25℃)であった。得られた水洗ケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行う事によって固形の生成物を得た。生成物のX線回折から得られたチャートにより、主生成物がハイドロタルサイトであることが確認されたが、同時に副生物としてドーソナイトが生成していることも判明した。
得られたハイドロタルサイトのBET比表面積は12.0m/g、Zr含有量は0ppmであった。
上記した実施例及び比較例において、酢酸の添加の有無、粉砕時の温度、スラリーの粘度、スラリーのD50、D90の値、ハイドロタルサイトのBET比表面積、Zr含有量、副生成物の有無を下記の表1に示している。
(評価)
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1000)100質量部に対して、ジオクチルフタレートを50質量部、ステアリン酸亜鉛を0.5質量部、及びハイドロタルサイトを2.1質量部添加し、樹脂組成物を作製した。160℃のロールで5分間混練し、シート状に成形し、シートを作成した。作製したシートを、180℃でのギアオーブン試験(下記)に供することにより、オーブン耐熱性を評価した。さらにプレスシートを作成し、170℃の条件下にて20分曝露した後の変色性を評価した。
透明性についてはプレスシートを目視にて評価した。その結果を下記の表1に示す。
評価方法と評価の基準は次のとおりである。
(ギアオーブン試験によるオーブン耐熱性)
上記シートをギアオーブン内にて180℃の雰囲気下に60分間曝露し、曝露後のシートの変色度を下記規準に基づいて目視により評価した。
◎:シートの変色が見られない。
○:若干変色が見られる。
×:変色が見られた。
(プレス耐熱性)
上記シートを170℃のプレスにて20分間プレスし、得られたシートの変色性を下記規準に基づいて目視により評価した。
評価基準
◎:シートの変色が見られない。
○:若干変色が見られる。
×:変色が見られた。
(透明性)
上記シートを170℃のプレスにて5分間プレスし、得られたシートの透明性を下記基準に基づいて目視により評価した。
評価基準
◎:濁りが全く見られない
○:若干濁りが見られる
△:濁りが見られる
×:著しい濁りが見られる
××:さらに著しい濁りが見られる
Figure 0005641153
上記表1より明らかなように、原料のうち、上記原料の水酸化物、酸化物、及び炭酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の全て又は一部を含有するスラリー、又は、上記原料の水酸化物、酸化物、及び炭酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の全て又は一部とカルボン酸基含有化合物とを含有するスラリーを調製し、該スラリーをジルコニアビーズ、又はジルコニア・シリカビーズを用い、スラリー中の粒子の平均2次粒子径D50が1.5μm以下、D90が10μm以下になるように、かつ、スラリーの温度が50℃を超えないように湿式粉砕し、得られたスラリーに残りの原料を添加した後、水熱処理することにより、BET値が1m/g〜30m/gであり、Zrの含有量が50ppm以下のハイドロタルサイトを合成することができる。
また、得られたハイドロタルサイトは、Zrの含有量が50ppm以下であるので、樹脂用添加剤として優れており、上記ハイドロタルサイトを添加したポリ塩化ビニル樹脂は、耐熱性、プレス耐熱性、透明性の点で優れた特性を示し、特に透明性に優れることが判明した。

Claims (8)

  1. マグネシウム化合物及び/又は亜鉛化合物と、アルミニウム化合物とを原料とするハイドロタルサイトの製造方法であって、
    前記原料のうち、前記原料の水酸化物、酸化物、及び炭酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の全て又は一部を含有するスラリーを調製するスラリー調製工程と、
    該スラリーを、ジルコニアビーズ、又はジルコニア・シリカビーズを用い、スラリー中の粒子の平均2次粒子径D50が1.5μm以下、D90が10μm以下になるように、かつ、スラリーの温度が50℃を超えないように湿式粉砕する湿式粉砕工程と、
    得られたスラリーに残りの原料を添加した後、水熱処理して、BET値が1m/g〜30m/g、Zr含有量が50ppm以下のハイドロタルサイトを合成する水熱処理工程と
    を含むことを特徴とするハイドロタルサイトの製造方法。
  2. 前記スラリー調製工程において、さらに、カルボン酸基含有化合物を添加し、スラリー中の固形分濃度を25質量%以上とする請求項1に記載のハイドロタルサイトの製造方法。
  3. 前記湿式粉砕工程において、スラリーの温度が40℃を超えないように湿式粉砕し、前記水熱処理工程において、Zr含有量が10ppm以下のハイドロタルサイトを合成する請求項1又は2に記載のハイドロタルサイトの製造方法。
  4. さらに、前記水熱処理工程の後、スラリーからハイドロタルサイトを濾別し、濾液を炭酸ガスと接触させることにより炭酸塩を回収する工程を含む請求項1〜3のいずれか一項記載のハイドロタルサイトの製造方法。
  5. 前記カルボン酸基含有化合物が、飽和脂肪酸、ヒドロキシカルボン酸、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、及びオキソカルボン酸から選択される少なくとも1種のカルボン酸基含有化合物である請求項2〜4のいずれか一項記載のハイドロタルサイトの製造方法。
  6. 前記マグネシウム化合物は、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、及び塩基性炭酸マグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種の化合物である請求項1〜5のいずれか一項記載のハイドロタルサイトの製造方法。
  7. 前記亜鉛化合物は、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、又は塩基性炭酸亜鉛である請求項1〜6のいずれか一項記載のハイドロタルサイトの製造方法。
  8. 前記アルミニウム化合物は、水酸化アルミニウム、又は酸化アルミニウムである請求項1〜7のいずれか一項記載のハイドロタルサイトの製造方法。
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