JP4105234B2 - 食品中の脂肪混合物に用いるためのテキスチャー化組成物 - Google Patents

食品中の脂肪混合物に用いるためのテキスチャー化組成物 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は食品組成物に関する。詳細には、本発明は、従来用いられている脂肪混合物のハードストック(hardstock)に含まれる飽和脂肪及びトランス不飽和脂肪のような有害なトリグリセリド脂肪よりも容易に消化もしくは吸収されない物性を有する脂肪状エステルを含む食品組成物に関する。この脂肪状エステルは食品中のテキスチャライザー(texturizer)としてハードストックの一部と置換される。
脂肪はヒトの食物中の総カロリーのかなりの部分を占めている。多くの個人において、脂肪は消費されるカロリーの40%ほどを占めている。脂肪は重要なエネルギー源であり、リノール酸及びリノレン酸のような必須脂肪酸を含んでいる。脂肪はまた、油溶性ビタミン及び他の栄養素のキャリヤでもある。その基本的特性に加え、脂肪は、色、テキスチャー、構造、フレーバー及び口あたり等の食品の品質を改良するために用いられることが多い。しかし、ここ数十年の研究により、アテローム性動脈硬化、冠動脈病及び肥満のような病気の増加と脂肪の高消費の間の関係が明らかになった。さらに、飽和脂肪酸及びトランス不飽和脂肪酸が他の脂肪よりも冠動脈病のような病気に大きく寄与することが観察された。従って、ここ数年、ヒトの食物中の脂肪に由来するカロリーの量及び消費される不飽和脂肪に対する飽和脂肪の比率が大きく変化した。シス不飽和脂肪酸がリッチである植物油由来の脂肪の消費がここ数年著しく増大した。しかし、多くの食品において、飽和脂肪を不飽和脂肪に完全に置換することは他の問題を引き起こす。
マーガリン、スプレッド及び展延性チーズのような脂肪を含む製品の製造に用いられる脂肪混合物は液体油といわゆるハードストックからなっている。この液体油は通常、液体未改質植物油、例えば大豆油、ヒマワリ油、低エルカ酸菜種油(キャノーラ)、コーン油及び植物油の混合物を含んでいる。ハードストックは通常、室温において固体である脂肪の混合物を含んでいる。このハードストックは結晶化して最終生成物にテキスチャー、クリーム性及び口中での融解のような望ましい物性を与えるトリグリセリドを高率で含んでいる。テキスチャーは通常、温度及び融点に対する粘度、可塑性、固体脂肪含有率のような多くの望ましい特性を包含する。マーガリン、スプレッド及び菓子のような多くの脂肪含有食品では、体温に近い約37〜40℃の範囲においてほぼ完全に融解する浸漬溶融曲線が望ましい。通常、ハードストックは天然硬質脂肪、例えば熱帯油及び動物脂肪から、又は液体油を部分もしくは完全水素化し、次いで液体油により混合エステル化してもしくはエステル化しないで製造される脂肪より製造される。さらに、ハード脂肪画分は異なる分画法により得られ、内部及び同時エステル化のようなさらなる改質法を行ってもよい。従来、ハードストックは最終生成物にβ−安定な脂肪結晶及び望ましい物性を得るために多くの異なる硬質脂肪から構成されている。多くの脂肪含有食品の美観(aesthetics)に対するハードストックの重要性のため、生成物の官能性を犠牲にすることなくこの固体飽和脂肪のほんの一部のみが不飽和油と置換することができる。さらに、飽和及びトランス不飽和脂肪の融点は対応するシス不飽和酸よりも高い。従って、この融点の高い脂肪はテキスチャーを失うことなくより望ましい不飽和脂肪と容易に置換することができない。
飽和脂肪酸及びトランス脂肪酸の望ましくない副作用を起こすことなく食品に同じ官能性を与えることのできる他の成分でハードストックの少なくとも一部を置換する試みが多くなされた。米国特許第5,354,573号は、食品におけるテキスチャライザーとして油溶性ポリマーの使用を教示している。このポリマーの例は、クチンのような天然ポリマー、ヒドロキシ酸をベースとするポリマー、多価アルコールと多塩基酸の縮合により製造されるポリマー、ポリビニルアルコール、アクリレートの脂肪酸エステル及びポリエチレングリコール脂肪酸誘導体より得られるポリマーである。
EPO特許公報No.4070658A1では、食用スプレッドのハードストックの比率を最小にする、すなわちトランス不飽和脂肪酸含量の低い完全に水素化された脂肪を10重量%未満にする試みがなされた。残りの脂肪は液体油由来であり、ほぼ不飽和である。
トリグリセリドを完全にもしくはわずかに吸収可能な合成脂肪で置換する多くの試みがなされた。米国特許第3,600,186号は、少なくとも4つの脂肪酸エステル基を有する合成糖脂肪酸エステル及び糖アルコール脂肪酸エステルを開示している。これらの化合物はトリグリセリド脂肪の物性を有するが、食べた場合に天然脂肪と同じ程度まで消化もしくは吸収されないといわれている。EPO特許公報No.0375027B1では、食品中のトリグリセリドの置換に用いることのできる固体及び液体非消化性脂肪材料の混合物を含む食用組成物が開示されている。この非消化性脂肪材料はポリオール脂肪酸ポリエステル、例えば糖脂肪酸ポリエステル、糖アルコール脂肪酸エステルポリエステル、ポリグリセロール脂肪酸ポリエステル及びこれらの混合物である。粒度が10ミクロン以下であり、融点が37℃より高いこの材料は融点が37℃より低い液体非消化性材料と混合され、米国特許第3,600,186号に記載のような低融点糖脂肪酸エステルもしくは糖アルコール脂肪酸エステルにみられる肛門漏洩(anak-leakage)の問題を克服する生成物を与える。
脂肪含有製品に用いられる脂肪混合物のより健康な脂肪酸特性を得るための他の方法は、ハードストックの組成を変えてラウリン酸及びミリスチン酸のような脂肪酸のレベルを最小まで低下させることである。このタイプの脂肪酸は血液中のコレステロールレベルを高める可能性があることが知られている。通常、ハードストックは完全に水素化された植物油の液体不飽和植物油との同時内部エステル化によって製造される。この方法はJournal of the American Oil Chemists’ Society (AOCS) 72, (1995), p.379-382に記載されている。
この他に、安定剤、例えばゼラチン、ペクチン、オリゴフルクトース、及び異なるゲル、例えばキサンタンガム、グアーガム、アルギネート、カラギーナン及びセルロース誘導体の使用によってマーガリンもしくはスプレッドの脂肪含有率を低下させることが試みられた。飽和及びトランス不飽和脂肪の総含有率を低下させつつ最終製品の口当りを似せる試みにおいて他の置換物が用いられた。
米国特許第5,502,045号には、コレステロールの吸収を低下させるためのシトスタノール脂肪酸エステルの使用が開示されている。この特許の実施例5には、60%菜種油、35%部分硬化大豆油及び5%ココナツ油からなる脂肪を80%含むマーガリンが記載されている。脂肪混合物及びハードストックの液体部分の両方を希釈する脂肪混合物に希釈剤として脂肪の10重量%及び20重量%のβシトスタノールが加えられている。これらの方法はすべて、製品に存在した場合にこれらの脂肪により与えられる官能性を維持しつつ食品から有害な脂肪を除去する問題を完全に解決できないという欠点を有している。
発明の簡単な説明
本発明は、スタノール及びステロール脂肪酸エステル又はその混合物(以下テキスチャー化剤とする)が従来のハードストックトリグリセリドと同様の特性を有する結晶構造を形成するという驚くべき発見に基づいている。この発見はこのテキスチャー化剤を、ハードストックの結晶化脂肪が官能性に対して最も重要である脂肪含有製品において用いられている脂肪混合物中の従来のハードストックと完全にもしくは一部置換するために用いることを可能にする。
本発明は、吸収性飽和もしくはトランス不飽和脂肪のリッチな従来のハードストックのレベルが低い脂肪混合物を含む食品に関し、ここで本発明のハードストック(テキスチャー化組成物とする)はフィトステロールエステルもしくはエステル混合物(テキスチャー化剤とする)のみからなるか又は前記テキスチャー化剤と従来のハードストックの混合物からなる。得られるテキスチャー化組成物は従来のハードストックと同様の物性を示し、最終製品に従来のハードストックと同様の特性を有する結晶構造を形成する。この脂肪混合物は液体油成分とテキスチャー化組成物を含む。このテキスチャー化組成物は、従来のハードストックとほぼ同じ物性を示す組成物と規定される。このテキスチャー化組成物はテキスチャー化剤と所望によりハードストックを含む。このテキスチャー化組成物は、テキスチャー化剤を好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%含む。低脂肪食品において、テキスチャー化組成物におけるテキスチャー化剤はさらに好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは少なくとも70%である。望ましくは、テキスチャー化組成物はハードストックをほんのわずかのみ含み、最も好ましくはハードストックをまったく含まない。テキスチャー化剤は脂肪混合物中の少なくとも同量のハードストックを置換するために用いられる。食品に用いられる脂肪混合物が含むテキスチャー化剤は、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも25重量%である。
フィトステロールエステルはテキスチャー化剤と規定され、ステロールもしくはスタノールの不飽和及び飽和脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物を含む。フィトステロールとは、植物(植物ステロール)由来の飽和及び不飽和ステロールアルコール及びこれらの混合物、並びに天然アルコールの特性を有する合成ステロールアルコール及びその混合物を意味する。このステロールアルコールは、17個の炭素環、側鎖及びヒドロキシル基を含む通常の多環ステロイド核を特徴とする。この核は飽和していてもよく、この場合、ステロールアルコールはスタノールと呼ばれ、また不飽和であってもよく、この場合、このアルコールはステロールと呼ばれる。本発明において、ステロールはステロール又はステロールの混合物を意味し、スタノールはスタノール又はスタノールの混合物を意味すると理解される。
テキスチャー化剤は有害なコレステロールを発生する脂肪(固体脂肪)の少なくとも一部を置換するものとして食品に加えられる。このテキスチャー化剤により置換される有害な吸収性脂肪は主にトリグリセリドからなっている。この有害な脂肪の特に40〜100%、好ましくは少なくとも50%がテキスチャー化剤により置換される。これはテキスチャー化剤とテキスチャー化組成物の間の比が望ましくは少なくとも0.4、より望ましくは少なくとも0.5であることを意味する。最も望ましくは、脂肪混合物中には従来のハードストックは存在しない。このテキスチャー化剤は最も好ましくは1種以上のスタノール脂肪酸エステルから構成されているが、このエステルの製造に用いられる脂肪酸が液体植物油、例えば菜種油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油もしくはこれらの混合物由来の場合、種々の量の1種以上のステロール脂肪酸エステルを含んでいてもよく、約30%以下であることが好ましい。所望の溶融特性を得るために脂肪酸組成物を調整した後、100%に近いステロール脂肪酸エステルを用いてもよい。
カンペスタノールは、カンペスタノール及びそのエピマーであるブラシカステロールの飽和より得られる24−メチルコレスタノールもしくは22,23-ジヒドロブラシカステロールを含む通常のガスクロマトグラフィーにより得られるピークである。好ましくは、このスタノール脂肪酸エステルはシトスタノール脂肪酸エステル、又はシトスタノール脂肪酸エステルとカンペスタノール脂肪酸エステルの混合物である。または、ある種のステロール脂肪剤エステルもしくはその混合物は、その融点及び他の物性が固体脂肪のものと同じである限り用いてよい。スタノールもしくはステロール脂肪酸エステルは、遊離スタノールもしくは遊離ステロール又はこれらの混合物を飽和もしくは不飽和脂肪酸によりエステル交換することによって製造される。本発明において、脂肪酸は1種の脂肪酸又は2種以上の脂肪酸の混合物を意味する。同様に、スタノールもしくはステロールの脂肪酸エステルは1種の脂肪酸エステル又は脂肪酸エステルの混合物を意味する。脂肪酸は、脂肪酸鎖中に通常4〜24個、好ましくは16〜20個の炭素基を有する。テキスチャー化剤は好ましくは室温において結晶構造もしくはマトリックスを有し、驚くべきことにマーガリン、スプレッド及び展延性チーズの製造のような食品製造工程における従来の結晶化脂肪と同様に作用する。
食品中のテキスチャー化剤として用いるため、このテキスチャー化剤は、従来のNMR法により測定して20〜30℃で高レベルの固体脂肪含有量を示すべきであり、そして直接結晶化の後に示差操作熱量計で測定して約37〜約40℃の温度でほぼ完全に溶融する急激な溶融曲線を有するべきである。さらに、このテキスチャー化剤は製品の可使時間全体においてその最も低い溶融多形態において安定であるべきである。ステロール脂肪酸及びスタロール脂肪酸は従来の結晶化脂肪と同様の多形挙動をとることに留意されたい。従って、従来の脂肪と同様にこれらのエステルをベースとする脂肪含有製品の取り扱い及び製造において同じ基本的手段を用いる。その最も安定な多形態において1種のシトステロール及びシトスタノール(スチグマステロール)脂肪酸エステルの融点はKuksis and Beveridgeにより報告されている(J.Org.Chem. 25, (1960) 1209-1219)。脂肪含有食品の製造において従来用いられている結晶化工程において安定な低融点多形態を形成するステロールエステル、スタロールエステル又はこれらの混合物が本発明において有効である。この文献において記載されている融点の高い多形態は口中において融解し、最終製品を固くかつ脆いものにし、製品を好ましくないものにする。
本発明によれば、驚くべきことに、スタロール及び/又はステロール脂肪酸のエステルを、マーガリン、スプレッド及び展延性チーズ等の食品の製造において用いられる脂肪混合物におけるハードストックをすべて置換することができ、口中で同様の物性及び溶融特性を有する結晶構造を与えることが見出された。本明細書に記載のテキスチャー化組成物を、最終製品に望ましい官能性及び物性を得るために結晶化脂肪を含む脂肪混合物が必要なあらゆる食品に用いることができる。従来のハードストックのトリグリセリド成分は基本的に飽和及びトランス不飽和脂肪酸からなっている。この脂肪酸は直鎖構造を有しているので、結晶化の間に容易に結晶格子に充填することができる。本明細書に包含されるスタノール及び/又はステロールエステルは、一方において不飽和脂肪酸を含み、これは曲げられ、従来用いられているトリグリセリドハードストックと同様の溶融特性を有する結晶ネットワークを形成するとは考えられない。さらに、従来のトリグリセリドハードストックは安定なβ’結晶を形成し、β’結晶は成長し、結晶ネットワークを形成する小さな針状の結晶である。この結晶ネットワークの重要な特徴の1つはとても大きな結晶表面であり、これは液体油及び水滴の保持を可能にする。本発明に係るスタノール及び/又はステロールが従来のハードストックトリグリセリドと同様の特性を有する結晶ネットワークを形成する事実はまったく驚くべきことである。
本発明において、テキスチャー化組成物は脂肪混合物の非液体部分を意味し、結晶化して結晶ネットワークを形成し、最終製品に所望の構造及び官能性を与える。本明細書において、テキスチャー化組成物はフィトステロールエステルもしくはエステル混合物と規定されるテキスチャー化剤のみからなるか又はこのテキスチャー化剤と従来のハードストックの混合物からなる。テキスチャー化組成物の組成及び物性は従来用いられているトリグリセリドをベースとするハードストックと同様の物性を与えるように調整される。フィトステロールエステルは、例えば本明細書の実施例1に記載の方法によって製造される。従来のハードストック脂肪をテキスチャー化組成物の一部として用いてもよい。従って、本発明の実施によりテキスチャー化組成物をいかに製造するかについては当業者に明らかである。
脂肪混合物のハードストックのすべてもしくは一部を置換することに加え、本発明は最終食品製品に用いられる脂肪混合物の脂肪酸組成物を改良する方法も包含する。テキスチャー化剤の望ましい物性を得るために必要な脂肪酸は不飽和脂肪酸のリッチな液体植物油から得られる。従来用いられている有害な物質を本発明のテキスチャー化剤で置換すると、飽和及びトランス不飽和脂肪酸のような有害な脂肪酸は望ましいシス不飽和脂肪酸によって一部もしくは完全に置換される。
本発明はさらに、製品中の吸収性脂肪の量を低下させ、脂肪混合物を含む食品のテキスチャーを保持する方法を包含する。吸収性の有害な飽和及びトランス不飽和脂肪酸の多くはいわゆるハードストックに含まれており、テキスチャー及び他の官能性を向上させるために食品に加えられる。この方法は、ハードストックの少なくとも一部を、ステロールの脂肪酸エステル、スタノールの脂肪酸エステル又はこれらの混合物からなるテキスチャー化剤で置換することを含む。飽和及びトランス不飽和脂肪酸がリッチであり、高レベルのトリグリセリドを含むハードストックはすべてまたは一部がテキスチャー化剤で置換される。テキスチャー化剤とテキスチャー化組成物の間の比は好ましくは少なくとも0.4、より好ましくは少なくとも0.5である。さらにより好ましくは、この比は少なくとも0.6、最も好ましくは少なくとも0.7である。最も望ましくは、脂肪混合物中にはハードストックは存在しない。テキスチャー化剤は好ましくは、所望により異なる量のステロール脂肪酸エステル、好ましくは30%以下を含むスタノール脂肪酸エステルを含む。さらに、テキスチャー化剤は、脂肪酸組成を最適にした後に100%までのステロール脂肪酸エステルを含む。この工程に用いられるスタノール及び/又はステロール脂肪酸エステルは、食品グレードの触媒の存在下におけるスタノール及び/又はステロール及び脂肪酸のエステル化により製造される。この方法は通常スタノール及び脂肪酸エステル又は脂肪酸エステル混合物のエステル交換を含む。
本発明はさらに、低レベルの吸収性脂肪を含む食品の製造方法を包含し、この方法は食品中にテキスチャー化組成物を用いることを含み、従来の望ましいハードストックの一部もしくはすべてはステロールの脂肪酸エステル、スタノールの脂肪酸エステル又はこれらの混合物からなるテキスチャー化剤で置換されている。本発明において有効な望ましいテキスチャー化剤は、菜種油のような植物油と混合された木材及び植物油スタノールエステルを含む。一実施態様において、この脂肪混合物は木材スタノールエステルを約29〜約35%、菜種油を約54〜約75%、そして飽和及び/又はトランス不飽和脂肪酸がリッチなハードストックを約3〜約17%含む。望ましくは、少なくとも40重量%のテキスチャー化剤を含むテキスチャー化組成物のテキスチャー及び溶融特性は、従来のハードストックとの脂肪混合物をベースとする製品と同様の官能性をゆいする製品を与えるが、栄養の観点からは著しく向上した脂肪酸組成物を与える。
本発明はまた、食品に有効なテキスチャー化組成物に関し、この組成物はテキスチャー化剤及び所望によりある種のハードストックを含み、好ましくは不飽和脂肪酸がリッチな液体植物油を含む脂肪混合物に混入される。このテキスチャー化組成物は、好ましくはテキスチャー化剤を少なくとも40重量%含む。このテキスチャー化組成物は飽和及び/又はトランス不飽和脂肪がリッチなハードストックを少量含んでいてもよい。このテキスチャー化剤はステロール脂肪酸エステル又はスタノール脂肪酸エステル、又はこれらの混合物である。このエステルは好ましくは木材又は植物油由来のスタノール及び/又はステロールのエステル化により製造されるが、他の源由来のステロール及びスタノール混合物より製造してもよい。さらに、このステロール又はスタノール混合物は異なる源由来のステロール及びスタノールを混合することによっても得られる。飽和脂肪酸の含有量の低い菜種油のような液体植物油がこのエステル化に及びスタノールエステルもしくはステロールエステルとの混合に好ましい源である。用いることのできる他の飽和もしくは不飽和脂肪酸は食用植物油もしくは脂肪、特に植物液体油、例えばヒマワリ油、大豆油、コーン油及びこれらの混合物より得られる。あらゆる液体食用油もしくはその混合物をエステル化用の脂肪酸源として用いてよいことは当業者に明らかであろう。最も望ましいテキスチャー化組成物は、結晶化した材料のほとんどが約37〜約40℃の温度範囲において示差操作熱量計で測定して完全に溶融している溶融特性を有する。ある用途において、より高い温度において溶融するテキスチャー化剤が望ましいであろう。この場合、食用硬質脂肪、例えばココナツ油、パーム油、部分水素化植物油もしくは乳脂肪をエステル化用の脂肪酸源として用いてよい。
本発明は、脂肪混合物中の吸収性脂肪の量を低下させると同時にテキスチャー化組成物と液体油成分を含む脂肪混合物の栄養価及び/又は健康値を高める方法に関する。この方法は、脂肪混合物のハードストックを少なくとも等量置換するための、テキスチャー化組成物における少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%のテキスチャー化剤の使用を含む。このテキスチャー化剤は主に少なくとも1種のスタノール脂肪酸エステルからなり、所望により異なる量の少なくとも1種のステロール脂肪酸エステル、好ましくは30%以下のステロール脂肪酸エステルを含むが、最も好ましくはステロール脂肪酸エステルは10%以下である。このテキスチャー化剤は、多量の飽和脂肪酸の使用を包含する脂肪酸組成物の最適化の後にはステロール脂肪酸エステルを100%まで含む。このエステル又はエステルの混合物は対応するスタノール及び/又はステロールの、好ましくは平均炭素長がC-16〜C-20である脂肪酸もしくは脂肪酸混合物によるエステル化によって製造される。このテキスチャー化剤は室温において結晶構造を有し、約37〜約40℃の融点を有する。この融点は当該分野において周知の方法によってテキスチャー化剤の結晶化後に示差操作熱量計によって測定される。
本発明の目的は、ハードストックの官能性を示すテキスチャー化剤でハードストックの一部を置換しつつ、従来の方法の欠点を克服することである。
本発明の他の目的は、食品のテキスチャー及び他の望ましい特性を犠牲にすることなく、食品から飽和脂肪酸及びトランス不飽和脂肪酸の量を低下させることである。
本発明のさらに他の目的は、食品及び食品添加物中の有害な飽和及びトランス不飽和脂肪酸を含むハードストックを、このハードストックのテキスチャー及び他の官能性を示すより健康的なフィトステロール脂肪酸エステルをベースとする物質で置換することである。
本発明の他の目的は、ハードストックの一部もしくはすべてが、吸収性脂肪として液体植物油由来の不飽和脂肪酸を含む脂肪混合物中にフィトステロール脂肪酸エステルを含むテキスチャー化剤で置換された食品である。
本発明のさらに他の目的は、食品中の飽和及びトランス不飽和脂肪酸を、吸収性脂肪の量を低下させかつ消化管からのコレステロールの吸収を阻害する効果を有するより健康な物質で置換することである。
本発明のこれら及び他の目的は本発明の説明及び添付図面より明らかであろう。図1は本発明において有効な2種の成分の溶融特性を示している。
発明の詳細な説明
本発明は、食品におけるテキスチャー化剤としてのスタノールもしくはステロール脂肪酸エステル又はこれらのエステルの混合物の使用に関する。スタノール脂肪酸エステルは食餌に加えた場合、ヒトの血中コレステロールレベル、特にLDLコレステロールを有効に低下させることが過去の研究において示されている(米国特許第5,502,045号を参照されたい)。この有利な効果は有利スタノールとしてスタノール脂肪酸エステルを1日あたり約2〜2.5g摂取することで得られる。
スタノール脂肪酸エステルの有利にコレステロール低下効果に加え、驚くべきことに、このエステルが従来用いられているハードストックトリグリセリドにより得られる結晶性と同様の結晶構造を最終製品において形成することが見いだされた。すなわち、スタノール及び/又はステロール脂肪酸エステルは、マーガリン、スプレッド、マヨネーズ、調理油、ショートニング及び展延性チーズのような食品に用いられる脂肪混合物のハード画分を一部もしくは完全に置換することができる。
この目的においてスタノールもしくはステロール脂肪酸エステルを用いることの利点は、脂肪酸組成を変えることによりその物性を調整できることである。これはフィトステロールエステルに必須の融点特性を決定する脂肪酸を選択することによって達成される。脂肪酸の炭素鎖長はこのエステルの融点に影響を与え、すなわち脂肪酸の分子量の増加に伴って融点は低下し、C14〜C16の領域で最低になり、その後融点は上昇する。また、脂肪酸の飽和もしくは不飽和度も関係し、飽和度が高いほど融点は高くなる。
同様に物性も脂肪酸エステル中のスタノール及びステロールの比を変えることにより調整することができる。また、脂肪酸と同様、飽和スタノールは対応するステロールよりも高い融点を示す。本発明の目的は飽和脂肪を不飽和脂肪で置換することであるので、好ましいエステルはエステル中に不飽和、好ましくは多不飽和脂肪酸を用いたものである。しかし、脂肪酸エステルのステロールもしくはスタノール部分は消化もしくは吸収されず、従って飽和度をベースとするスタノールもしくはステロールの選択は重要なファクターではない。しかし、ステロールとスタノールの間の融点の差は脂肪酸エステルの製造において有効なテキスチャー化剤の選択において重要な役割を果たす。この目的を達成する最も有効な方法は、液体植物油由来の脂肪酸を用いることである。例えば、低エルシン酸菜種油のスタノール脂肪酸エステルは従来用いられているハード脂肪画分と同様の物性を示すエステルである。このスタノール脂肪酸エステル混合物は脂肪含有率が80〜35%であるマーガリン及びスプレッドの製造に好適に用いることができる。従来のゲル化剤及び安定剤を含む製品を脂肪含有量が低くてもテキスチャーを犠牲にすることなく製造することができることが、このスタノール脂肪酸エステルの物性から明らかである。
米国特許第5,502,045号は消化管からのコレステロールの吸収を低下させるスタノール脂肪酸エステルの効果を明確に示している。この低下はヒトにおける総コレステロールレベル、特にLDLコレステロールレベルを大きく低下させる。従って、食餌中の有害な吸収性脂肪の一部を置換することは、脂肪混合物中におけるテキスチャー化剤として作用することに加え、毎日の食餌におけるスタノールエステルの有効量を導入する手段を提供し、結果としてすべての食品源からコレステロール吸収性を低下させることになる。さらに、エステルのスタノール部分、すなわちスタノール脂肪酸エステルの約60%以上、は明らかに吸収されず、カロリーがない。
米国特許第5,502,045号に開示されているコレステロールレベルを低下させるために用いられるフィトステロールエステルを含む脂肪混合物は、マーガリンの製造に用いられる脂肪混合物に全脂肪混合物の20%までの量の油溶性シトスタノールエステルを加えて製造される。栄養上望ましくないトリグリセリドハードストックのすべてもしくは一部を置換することが可能なフィトステロールエステルの驚くべき物性は、米国特許第5,502,045号に記載の発明時においては明らかではなかった。シトスタノールエステルは存在する脂肪混合物に加えられ、脂肪混合物のハードストック及び液体油部分の両者を希釈する。従来のハードストックの多くもしくはすべての置換が可能な本発明に包含されるフィトステロール脂肪酸エステルの驚くべき物性は米国特許第5,502,045号からは明らかではなかった。
本発明において、ステロール及びスタノール脂肪酸エステルの好ましい製造方法は米国特許第5,502,045号に記載されている。この方法は、従来の方法が食品の栄養素として使用しようとする製品の製造に許容されない物質を用いる点において従来の方法よりも有利である。脂肪酸の無水物もしくはチオニルクロリドのような毒性物質の使用はこの従来の方法において一般的である。好ましい製造方法は、食用脂肪及びオイル産業に広く用いられているエステル交換法である。この方法は、遊離スタノール、脂肪酸エステルもしくは脂肪酸エステル混合物及びエステル交換触媒、例えばナトリウムエチレート以外の他の物質を用いない。この方法の重要な特徴の1つは、脂肪酸エステルが過剰に用いられ、溶媒として機能し、用いられる条件(5〜15mmHg)においてスタノールを溶解することである。この反応は脂肪酸エステルとスタノール脂肪酸エステルの混合物を与える。このスタノール脂肪酸エステルは真空蒸留により過剰の脂肪酸エステルを除去してほとんど純粋なスタノール脂肪酸エステルに容易に濃縮することができる。または、この混合物をそのまま最終脂肪混合物に加え、脱臭することもできる。
スタノールは、小麦、ライ麦、コーン等に少量見いだされている。これは天然ステロール混合物、例えば植物油ベースステロール混合物又は市販入手可能な木材ステロールの水素化により容易に製造することができる。こうして得られた植物ステロールは公知の水素化法、例えば有機溶媒中でPd/C触媒を用いることをベースとする方法によりスタノールに転化することができる。当業者に公知の広範囲のパラジウム触媒及び溶媒を用いてこの水素化を行うことができる。他の物質由来のステロールもしくはスタノールもしくはその混合物も本発明に係るフィトステロールエステルの製造に用いることができることは当業者に明らかである。
本発明において有効なフィトステロールの例は、シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、22,23-ジヒドロブラシカステロール、及びスチマステロールである。好ましくは、これらは水素化され、対応する飽和化合物であるシトスタノール、カンペスタノール、24β-メチルコレステロール等を形成する。
本発明において有効な脂肪酸及び脂肪酸エステルは、飽和直鎖脂肪酸、飽和分枝脂肪酸及び不飽和脂肪酸からなる群より選ばれる。本発明において有効な脂肪酸の炭素鎖長は通常2〜24である。しかし、好ましくは、本発明において有効な脂肪酸又は脂肪酸混合物は、ステロール脂肪酸エステル、スタノール脂肪酸エステル又はその混合物の融点、テキスチャー及び他の官能性が置換されるハードストックの対応する部分と類似するように選ばれる。本発明において特に好適なものは、12〜24、特に約16〜20、好ましくは約18の平均炭素鎖長を有する脂肪酸である。
以下の実施例は本発明をさらに詳細に理解するために示す。
実施例1
ステロール混合物の水素化
市販入手可能な、植物油蒸留物より得られる植物ステロール混合物(組成:カンペステロール+22,23-ジヒドロブラシカステロール26.7%、カンペスタノール1.7%、スチグマステロール18.4%、シトステロール49.1%、及びシトステロール2.9%)をパイロットスケールの反応器(25リットル)内で水素化した。26gの繊維状Pd触媒(Smop-20;Pd含有率10重量%、Smoptech, Turku, Finland)、26gの触媒活性化用の蒸留水、及び11.7gのプロパノールをこの反応器に入れた。この反応器を窒素でフラッシし、圧力1バール、温度65℃において水素ガス下で触媒の活性化を30分間行った。活性化後、この混合物を40℃に冷却し、1.3kgのステロール混合物を加えた。
プロパノール植物ステロール混合物を窒素雰囲気において65℃まで加熱し、その後窒素を水素に置換した。その後、水素によりフラッシした。1バールの水素圧において水素化を行った。通常の転化時間は約120分である。この転化は少量取り出し、HPLCにより分析することによって容易にモニターされる。
水素圧を低下させ、反応器を窒素でフラッシした。繊維状触媒を窒素圧で濾過した。得られたプロパノールスタノール混合物を10℃において一晩放置して結晶化し、その後スタノール結晶を真空濾過し、ケーキを0.5kgの冷プロパノールで洗浄した。得られた植物油スタノール混合物を真空中で60℃において乾燥した。収率は75%であり、得られたスタノール混合物の組成をキャピラリーGC分析により分析し、以下の通りであった。カンペステロール0.2%、カンペスタノール28.9%、スチグマステロール0.1%、シトステロール0.2%、シトスタノール70.1%。ブラシカステロール及び22,23-ジヒドロブラシカステロールはカンペスタノールのエピマーである24β−メチルコレステロールに水素化されたが、これらは通常のキャピラリーガスクロマトグラフィーにおいて同じピークを示すため分離することが不可能であり、通常カンペスタノールとして計算される。
スタノール脂肪酸エステルの製造
パイロットスケールでスタノール脂肪酸エステル混合物を製造した。前記水素化工程により得られたいくつかのバッチを合わせることによって得られた6kgの植物油スタノールを60℃で一晩乾燥し、8.6kgの低エルシン酸菜種油メチルエステル混合物でエステル化した。用いたスタノール混合物の組成は以下の通りであった。カンペステロール0.4%、カンペスタノール(+24β−メチルコレステロール)29.7%、スチグマステロール0.1%、シトステロール0.4%、及びシトスタノール68.0%。この混合物のスタノール含有率は98.2%であった。以下のようにしてエステル化を行った。
植物油スタノールと低エルシン酸菜種油脂肪酸メチルエステルの混合物を反応器内で15mmHgの真空中で90〜120℃に加熱した。1時間乾燥後、21gのナトリウムエチレートを加え、反応を約2時間続けた。90℃で30重量%の水を加えることによって触媒を破壊した。相分離後、水相を除去し、第二の洗浄を行った。水相分離後、油相を20rpmで攪拌しながら95℃において真空乾燥した。スタノール脂肪酸混合物を、30mmHg、110℃において1.0%の漂白土(Tonsil Optimum FF, Sudchemie, Germany)により200rpmで攪拌しながら漂白し、脱臭した。漂白土を濾別し、従来の脱臭法により異なる食品製造法にさらに用いるための無味のスタノール脂肪酸エステルを得た。または、このスタノール脂肪酸エステル−脂肪酸エステル混合物を脱臭する前に最終脂肪混合物に加えてもよい。さらに、過剰のメチルエステルを真空蒸留によって使用前に除去してもよい。
エステル化工程の転化率は、HPLC法により測定して通常99%以上であり、収率は約95%である。
スタノール脂肪酸エステルの溶融曲線
図1は前記方法による木材スタノール及び植物油スタノールのエステル化により製造された2種のスタノールエステルの溶融曲線を示している。このエステルは、約98%がC18:1→C18:3の範囲内にあるC14〜C24の脂肪組成を有する低エルシン酸菜種油による各スタノールのエステル交換によって製造した。この組成(スタノールエステルの重量パーセント)は以下の通りである。
Figure 0004105234
示差操作熱量計(DSC)により得られるその溶融曲線を図1に示す。この溶融曲線はサンプル(約8mg)を75℃において10分間溶融させ、その後このサンプルを10℃/minで−50℃まで冷却することによって結晶化し、サンプルを5分間維持することによって得られる。この溶融曲線は10℃/minで70℃まで加熱することによって得られる。図1に示すように、両方のスタノールエステルは35℃の範囲において急速に溶融し、木材スタノールエステル(曲線A)の主要なピークは約36℃であり、植物ベーススタノールエステル(曲線B)の主要なピークは約39℃で完全に溶融した。このとても急勾配である溶融曲線は良好な溶融特性、特に最終製品の口中での溶融にとても望ましい。
実施例2
テキスチャー化剤としてのスタノール脂肪酸エステル
木材もしくは植物油スタノールのエステル化に様々な脂肪酸組成物を用いた。
1)菜種油由来の脂肪酸との木材スタノールエステル
2)菜種油由来の脂肪酸との植物油スタノールエステル
3)大豆油由来の脂肪酸との木材スタノールエステル
4)菜種油−パーム油混合物(85:15)由来の脂肪酸との木材スタノールエステル
5)菜種油−パーム油混合物(70:30)由来の脂肪酸との木材スタノールエステル
6)バター油由来の脂肪酸との木材スタノールエステル
種々の温度において固体である各エステルの固体脂肪含有率を通常の方法を用いる従来のNMR法により測定し、表Iに示す。
Figure 0004105234
木材スタノールエステル及び植物油スタノールエステルは、好適な融点特性を有しかつ脂肪混合物のテキスチャー及び他の官能性に寄与する他の特性を有する場合に本発明において有効である。ヒマワリ油、コーン油、大豆油、バター油、菜種油並びに植物油と植物脂肪の混合物からの脂肪酸のような脂肪酸によるスタノールのエステル化によって製造されるエステルは、脂肪混合物中の飽和もしくはトランス不飽和脂肪のほとんどもしくはすべてと置換するための液体脂肪混合物と混合可能である融点特性を与えることが見いだされた。
実施例3
テキスチャー化剤としてのステロールエステル
ステロール脂肪酸エステルを少量含むもしくは含まないスタノール脂肪酸エステルを用いる場合に本発明は特に有利であるが、ハードストックと同様の固体脂肪含有率を与えるように混合されたステロール脂肪酸エステルを用いても同様に実施することができる。以下のステロールエステルの混合物はテキスチャー化剤として用いることができる例である。
ステロールエステルの混合物
1. 菜種油脂肪酸90%の木材ステロールエステル、パーム油脂肪酸10%の木材ステロールエステル
2. 菜種油脂肪酸80%の木材ステロールエステル、パーム油脂肪酸20%の木材ステロールエステル
3. 菜種油脂肪酸70%の木材ステロールエステル、パーム油脂肪酸30%の木材ステロールエステル
4. 菜種油脂肪酸80%の木材ステロールエステル、パーム油脂肪酸10%の木材ステロールエステル、ココナツ脂肪酸10%の木材ステロールエステル
5. 菜種油脂肪酸90%の木材ステロールエステル、ココナツ脂肪酸10%の木材ステロールエステル
6. 菜種油脂肪酸80%の木材ステロールエステル、ココナツ脂肪酸20%の木材ステロールエステル
7. 菜種油脂肪酸70%の木材ステロールエステル、ココナツ脂肪酸30%の木材ステロールエステル
8. 菜種油脂肪酸85%の植物油ステロールエステル、パーム油脂肪酸15%の植物油ステロールエステル
混合物1〜7における、通常のガス液体クロマトグラフィー法により得られたステロール組成(重量%)を以下に示す。
カンペステロール 7.8%
カンペスタノール 1.2%
スチグマステロール 0.5%
シトステロール 77.3%
シトスタロール 13.0%
混合物8におけるステロール組成を以下に示す。
ブラシカステロール 2.8%
キャンペステロール 28.2%
スチグマステロール 16.5%
シトステロール 49.7%
他の不飽和ステロール 2.8%
様々な温度におけるステロールエステル混合物の固体脂肪含有率を表IIに示す。
Figure 0004105234
表IIのデータは、木材及び植物油ステロール脂肪酸エステルの脂肪酸組成を最適にすることによって、食品にテキスチャー及び他の官能性を与えるために混合物の融点特性を飽和及びトランス不飽和脂肪酸のリッチなハードストック中の成分を置換するものとして最適にすることを示している。これらのステロールエステルはスタノールエステルを少量含んでいるが、不飽和ステロールをベースとするステロールエステル混合物は、脂肪酸組成を最適にした後には、テキスチャー化剤として使用するに適した望ましい融点特性を得ることが明らかである。
実施例4
菜種油由来の脂肪酸部分を有するテキスチャー化剤
以下のデータは、ステロール脂肪酸エステルがスタノール脂肪酸エステルとの混合物の少量成分として用いることができることを示している。ステロールもしくはスタロールエステルは低エルシン酸菜種油由来の脂肪酸より製造する。この混合物は脂肪含有マーガリン、チーズ、スプレッド等におけるハードストックに置換するものとして有効である。以下のフィトステロールエステル及びハードストックを製造し、その融点特性をテストした。
ステロール及びスタロール脂肪酸エステルもしくはその混合物
1. 木材スタノールエステル
2. 植物油スタノールエステル
3. 木材ステロールエステル
4. 植物油ステロールエステル
5. 植物油ステロールエステル15%、植物油スタノールエステル85%
6. 植物油ステロールエステル25%、植物油スタノールエステル75%
7. 木材ステロールエステル15%、木材スタノールエステル85%
8. 木材ステロールエステル25%、木材スタノールエステル75%
9. 部分水素化大豆油(滴点42℃)
10. 部分水素化菜種油/パーム油混合物(滴点42℃)
11. パームステアリン(滴点約49℃)
12. パームステアリン/ココナツ油混合物、エステル交換(滴点42℃)
これらの混合物を実施例2に記載の固体脂肪含有量分析法を用いて分析した。結果を以下の表に示す。
Figure 0004105234
この結果は、スタノールエステル及びスタノールエステルと30%までのステロールエステルの混合物が、市販の脂肪混合物のハードストックに従来用いられている高飽和及び/又はトランス脂肪III含有成分の脂肪値と同じ範囲内の固体脂肪含有量を有していることを示している。100%木材及び植物油ステロールエステル(3及び4)は、官能性を少なくとも一部失うことなくハードストックの置換物として用いるには融点が低すぎる。しかし、表IIの混合物8に示すように、混合物3及び4の脂肪酸組成を調整することによって、望ましい物性を有するステロール脂肪酸エステルを得ることができる。
実施例5
テキスチャー化組成物を含む脂肪混合物
ハードストックを含むもしくは含まない、様々な重量比の木材スタノールエステル及び菜種油をベースとする多くの脂肪混合物を製造した。この様々な比を以下に示す。
脂肪混合物1:木材スタノールエステル35%、菜種油(LEAR)65%
脂肪混合物2:木材スタノールエステル30%、菜種油70%
脂肪混合物3:木材スタノールエステル25%、菜種油75%
脂肪混合物4:木材スタノールエステル35%、菜種油62%、トランスフリーハードストック*3%
脂肪混合物5:木材スタノールエステル29%、菜種油66%、トランスフリーハードストック5%
脂肪混合物6:木材スタノールエステル29%、菜種油60%、トランスフリーハードストック11%
脂肪混合物7:木材スタノールエステル29%、菜種油57%、トランスフリーハードストック14%
脂肪混合物8:木材スタノールエステル29%、菜種油54%、トランスフリーハードストック17%
脂肪混合物9:木材スタノールエステル25%、菜種油60%、トランスフリーハードストック15%
脂肪混合物10:木材スタノールエステル20%、菜種油60%、トランスフリーハードストック20%
脂肪混合物11:木材スタノールエステル16%、菜種油60%、トランスフリーハードストック24%
脂肪混合物12:木材スタノールエステル15%、菜種油63%、トランスフリーハードストック22%
*トランスフリーとはトランス脂肪酸を含まない脂肪混合物を意味する。
実施例2に記載の方法を用いて、10〜45℃の温度における各混合物の固体脂肪含有率を測定し、結果を表IVに示す。
Figure 0004105234
脂肪混合物1〜12で得られた固体脂肪含有率は、製品の最終構造にハード脂肪が必要な脂肪含有製品の製造においてこれらの脂肪混合物を用いることができることを示している。脂肪混合物3のみが通常のマーガリン及びスプレッドに使用すには柔らかすぎる。脂肪混合物1〜3は、スタノールエステル/菜種油によりハードストックが完全に置換され、吸収性油のすべてがハードストックの望ましくない飽和トリグリセリドではなく高不飽和液体菜種油由来となっているため望ましい。
さらに、本発明は2種以上のステロールエステルを混合し、脂肪混合物中の飽和もしくはトランス不飽和脂肪酸のほとんどもしくはすべてを置換するために不飽和脂肪酸がリッチな液体植物油と混合することができる。キャンペステロールもしくはシトステロールのようなステロールを約85%含み、そして残余がスタロールである木材ステロール脂肪酸の混合物を様々な脂肪酸と反応させてステロールエステルを製造する。これらのエステルの多くは以下の組成に従って互いに混合され、ハードストック中の有害な脂肪の置換物を提供するため好ましい温度特性を有する製品を与える。
1. 70〜90%の菜種油脂肪酸エステルと30〜10%のステロールのパーム油脂肪酸エステルの混合物
2. 70〜90%の菜種油脂肪酸エステルと30〜10%のステロールのココナツ脂肪酸エステルの混合物
3. 80%の菜種油脂肪酸エステル、10%のパーム油脂肪酸エステル及び10%のステロールのココナツ脂肪酸エステルの混合物
実施例6
スタノールエステルを含む60%マーガリンの製造
菜種油由来の脂肪酸との植物油スタノール脂肪酸エステル35重量%及び65%菜種油を含む脂肪混合物を含む60%マーガリンをGerstenberg & Agger 3×57パイロットスケールパーフェクターで製造した。この脂肪混合物は漂白しかつ脱臭したスタノール脂肪酸エステルと精製した菜種油を混合することにより製造した。用いた容量は60kg/hであった。製品のスタノール含有率は製品100gに対して約2.4gノスタノールを目的とし、これは20gのマーガリン/1日の使用レベルにおいて約2.4gのスタノールの1日摂取量を与える。この製品は以下の組成で製造した。
植物油スタノール脂肪酸エステルを含む脂肪混合物 60%
水 39%
塩 0.5%
乳化剤 }
炭酸水素ナトリウム及びクエン酸(pH調整剤) }
β−カテコール(着色剤) }
フレーバー }合計0.5%
得られたマーガリンを250gのポリプロペンチューブに入れ、これをアルミニウムホイルでシールした。この製品の味及びテキスチャーは市販の60%マーガリンと同じであった。3か月保存しても油の侵出はみられなかった。得られた製品は約48%の吸収性脂肪を含み、脂肪酸組成(多不飽和脂肪酸34%、一不飽和脂肪酸59.2%、及び飽和脂肪酸6.8%)は液体菜種油に近かった。この製品の脂肪酸組成を以下に示す。
多不飽和脂肪酸 15.1g/製品100g
一不飽和脂肪酸 26.9g/製品100g
飽和脂肪酸 3.1g/製品100g
トランス脂肪酸 0.3g/製品100g
実施例7
スタノールを含む40%脂肪スプレッドの製造
用いた脂肪混合物の組成は以下の通りである。菜種油由来の脂肪酸との木材スタノール脂肪酸エステル33.3重量%、菜種油59.7重量%、及びパームステアリンとココナツ油のエステル交換混合物7%。この混合物は溶融し脱臭した木材スタノール脂肪酸エステルを菜種油及びハードストック成分と混合することにより製造した。Gerstenberg & Agger 3×57パイロットスケールパーフェクターでスプレッドを製造した。用いた容量は45kg/hであった。この製品は以下の組成で製造した。
スタノール脂肪酸エステルを含む脂肪混合物 40%
水 56.4%
ゼラチン 2.5%
塩 0.5%
乳化剤 0.2%
カリウムソルベート 0.1%
バターミルクパウダー 0.25%
フレーバー }
クエン酸(pH調整剤) }
β−カロテン(着色剤) }合計0.05%
得られたスプレッドを250gのポリプロペンチューブに入れ、これをアルミニウムホイルでシールした。この製品の外観は市販の40%スプレッドと同じであった。得られた製品の味は良好であり、口中ですばやく溶融した。水もしくは油の侵出はみられず、展延性は良好であった。
この製品は約32%の吸収性脂肪を含み、以下の組成を有していた。
多不飽和脂肪酸 9.2g/製品100g
一不飽和脂肪酸 17.4g/製品100g
飽和脂肪酸 3.6g/製品100g
トランス脂肪酸 0.2g/製品100g
実施例8
スタノールエステルを含む展延性チーズの製造
用いた脂肪混合物の組成は以下の通りであった。菜種油由来の脂肪酸との木材スタノール脂肪酸エステル33.3重量%、菜種油59.7重量%、及びパームステアリンとココナツ油のエステル交換混合物7%。この混合物は溶融し脱臭した木材スタノール脂肪酸エステルを菜種油及びハードストック成分と混合することにより製造した。
展延性チーズは25kgのバッチ容量を有するStephanミキサーで製造した。この製品は以下の組成で製造した。
カード 55.2%
スタノール脂肪酸エステルを含む脂肪混合物 25.4%
濃縮物 13.2%
安定剤 1.0%
ミルク蛋白 0.7%
カリウムソルベート 0.1%
ガーリックフレーバー 1.8%
乳酸(pH調整剤) }
フレーバー }合計0.05%
各成分を室温においてStephanミキサー内で1分間混合し、この混合物を直接水蒸気射出(0.8バール)により60℃で加熱し、1分間混合した。温度を72℃に高め、1分間混合した。得られた製品を100gのポリプロペンチューブに入れ、これをアルミニウムホイルでシールした。
得られた製品の味は従来の脂肪混合物により製造した製品と同じであった。この製品の脂肪含有率は26%であり、吸収性脂肪含有率は21%であり、そして脂肪酸組成は以下の通りであった。
多不飽和脂肪酸 6.0g/製品100g
一不飽和脂肪酸 11.4g/製品100g
飽和脂肪酸 2.6g/製品100g
トランス脂肪酸 0.1g/製品100g
実施例9
スタノールエステルを含む50%脂肪スプレッドの製造
用いた脂肪混合物の組成は以下の通りであった。菜種油由来の脂肪酸との木材スタノール脂肪酸エステル30重量%、菜種油58.5重量%、及びパームステアリンとココナツ油のエステル交換混合物11.5%。この混合物は溶融し脱臭した木材スタノール脂肪酸エステルを菜種油及びハードストック成分と混合することにより製造した。このスプレッドは容量45kg/hのGerstenberg & Agger 3×57パイロットスケールパーフェクターで製造した。この製品は以下の組成で製造した。
スタノール脂肪酸エステルを含む脂肪混合物 50.0%
水 49.0%
塩 0.4%
フレーバー }
カリウムソルベート }
炭酸水素ナトリウム及びクエン酸(pH調整剤) }
β−カーボネート(着色剤) }合計0.05%
得られたスプレッドを250gのポリプロペンチューブに入れ、これをアルミニウムホイルでシールした。この製品の外観は市販の50%スプレッドと同じであった。得られた製品の味は良好であり、口中ですばやく溶融した。水もしくは油の侵出はみられず、展延性は良好であった。その味はスタノールエステルを含まない市販の製品と同じであり、口あたりは良好であった。
この製品は約41%の吸収性脂肪を含み、脂肪酸組成は以下の通りであった。
多不飽和脂肪酸 10.0g/製品100g
一不飽和脂肪酸 22.6g/製品100g
飽和脂肪酸 6.0g/製品100g
トランス脂肪酸 0.3g/製品100g
実施例10
テキスチャー化剤としてスタノールエステルを含み、高レベルの食物繊維を含む40%脂肪スプレッドの製造
用いた脂肪混合物は、溶融し脱臭した菜種油由来の脂肪酸との木材スタノール脂肪酸エステル38重量%を62%の菜種油と混合することにより製造した。このスプレッドはGerstenberg & Agger 3×57パイロットスケールパーフェクターで製造した。その容量は45kg/hであった。この製品のスタノール含量は製品100gに対し約8.5gであり、これは1日あたり25gのスプレッドの通常の使用レベルで約2.1gの摂取量を与える。この製品は以下の組成で製造した。
スタノール脂肪酸エステルを含む脂肪混合物 40.0%
水 54.0%
Reftline HP (オリゴフルクトース*) 5.0%
塩 0.5%
乳化剤 0.3%
フレーバー }
カリウムソルベート }
クエン酸(pH調整剤) }
β−カーボネート(着色剤) }合計0.05%
*Orafti s.a.Belgiumの食品成分
得られたスプレッドを250gのポリプロペンチューブに入れ、これをアルミニウムホイルでシールした。この製品の外観は従来のマーガリンと同じであったが、表面は光沢があり、これは低脂肪スプレッドに一般的である。水もしくは油の侵出はみられず、硬度は市販の40%スプレッドと同じであった。展延性は良好であり、展開しても水はみられなかった。口あたりは製品中の繊維の高含有率のため中程度であった。
この製品は約31%の吸収性脂肪を含み、以下の脂肪酸組成を有していた。
多不飽和脂肪酸 9.8g/製品100g
一不飽和脂肪酸 17.4g/製品100g
飽和脂肪酸 2.0g/製品100g
トランス脂肪酸 0.2g/製品100g
本発明に係る脂肪混合物の利点のまとめ
本発明が飽和もしくはトランス不飽和脂肪酸がリッチな脂肪成分の使用よりも明確な利点を与えることが前記記載より明らかである。第一に、有害な脂肪酸の一部を不飽和脂肪酸がリッチな液体植物油と混合したスタノール及びステロールの不飽和吸収性脂肪酸エステルで置換することにより使用者に栄養的利点を与える。さらに、吸収性脂肪酸が40%未満であり、ステロールは非吸収性であり、従って食餌にカロリーを与えない。さらに、ステロールもしくはスタロールエステルは血清への胆汁及び内生コレステロールの吸収を阻害する。さらに他の利点は、テキスチャー化組成物中の吸収性脂肪は不飽和脂肪酸を高率含み、有害な飽和及びトランス不飽和脂肪酸の割合が低いことである。ハードストック全体がテキスチャー化で置換された場合、最も高い吸収性脂肪の低下が達成され、有害な飽和及びトランス不飽和脂肪酸が著しく低下し、望ましい不飽和脂肪酸における脂肪酸組成が改良される。
本発明により達成される利点を明確にするため、従来の脂肪混合物及び本発明の脂肪混合物の組成を表Vに示す。
Figure 0004105234
表Vに示すデータより、従来のハードストックの量は本発明の混合物において大きく低下している。液体油の量は従来の脂肪混合物における量に対して同じレベルであるかもしくは増加している。米国特許第5,502,045号と比較した場合、液体油と従来のハードストックの量の差が明白である。また、この米国特許に開示されている脂肪混合物は従来の脂肪混合物と比較して脂肪酸組成は変化しておらず、一方本発明の脂肪混合物はさらに栄養的に望ましい値を示している。
上記の利点は、脂肪混合物を含む食品もしくは脂肪混合物のテキスチャーを失うことなく本明細書に記載のテキスチャー化組成物を用いることによって達成される。

Claims (22)

  1. テキスチャー化剤及びハードストックを含み、ハードストックと同じ、最終製品に結晶構造を形成する物性を有するテキスチャー化組成物であって、テキスチャー化剤が1種以上のステロール脂肪酸エステル、1種以上のスタノール脂肪酸エステル又はこれらの混合物を含み、少なくとも60%のテキスチャー化剤を含むことを特徴とするテキスチャー化組成物。
  2. 少なくとも70%のテキスチャー化剤を含むことを特徴とする、請求項1記載のテキスチャー化組成物。
  3. 18%以下のハードストックを含むことを特徴とする、請求項1又は2記載のテキスチャー化組成物。
  4. テキスチャー化剤が食用油、脂肪もしくはこれらの混合物由来の脂肪酸もしくは脂肪酸混合物によるスタノール、ステロールもしくはこれらの混合物のエステル化によって製造されたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテキスチャー化組成物。
  5. テキスチャー化剤が木材ベースもしくは植物油ベース又はこれらの両者であるスタノール、ステロールもしくはこれらの混合物のエステル化によって製造されたものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のテキスチャー化組成物。
  6. テキスチャー化剤中のステロール脂肪酸エステルもしくはスタロール脂肪酸エステルの脂肪酸部分が飽和もしくは不飽和であり、C−4〜C−24の炭素鎖を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のテキスチャー化組成物。
  7. テキスチャー化剤が室温において結晶構造を有しかつ結晶後に示差操作熱量計により測定して、ハードストックと同じ融点を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のテキスチャー化組成物。
  8. テキスチャー化剤が少なくとも1種のスタノール脂肪酸エステルを100%まで含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のテキスチャー化組成物。
  9. テキスチャー化剤が少なくとも1種のスタノール脂肪酸エステルを主に含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のテキスチャー化組成物。
  10. テキスチャー化剤が少なくとも1種のステロール脂肪酸エステルと少なくとも1種のスタノール脂肪酸エステルの混合物を含み、ステロール脂肪酸エステルが30重量%以下であり、スタノール脂肪酸エステルが少なくとも70重量%であり、スタノール及びステロール脂肪酸エステルの脂肪酸部分が菜種油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油等の液体植物油、又はこれらの植物油の少なくとも2種の混合物由来のものであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のテキスチャー化組成物。
  11. テキスチャー化剤が少なくとも1種のスタノール脂肪酸エステルの混合物を含み、このスタノール脂肪酸エステルの脂肪酸部分が菜種油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油等の液体植物油、又はこれらの植物油の少なくとも2種の混合物由来のものであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のテキスチャー化組成物。
  12. テキスチャー化剤が少なくとも1種のステロール脂肪酸エステルと少なくとも1種のスタノール脂肪酸エステルの混合物を含み、スタノール及びステロール脂肪酸エステルの脂肪酸部分が液体植物油とハード脂肪もしくは脂肪混合物の混合物由来のものであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のテキスチャー化組成物。
  13. テキスチャー化剤が少なくとも1種のステノール脂肪酸エステルの混合物を含み、このステノール脂肪酸エステルの脂肪酸部分が液体植物油もしくは液体植物油の混合物とココナツ油、パーム油もしくはこれらの混合物等の植物脂肪より得られる脂肪酸混合物由来のものであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のテキスチャー化組成物。
  14. テキスチャー化剤が少なくとも1種のステロール脂肪酸エステルを100%まで含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のテキスチャー化合物。
  15. 液体油成分と請求項1記載のテキスチャー化剤及びハードストックを含むテキスチャー化組成物を含む脂肪混合物。
  16. テキスチャー化組成物中のテキスチャー化剤が少なくとも1種のステロール脂肪酸エステルと少なくとも1種のスタノール脂肪酸エステルの混合物を含み、ステロール脂肪酸エステルが30重量%以下であり、スタノール脂肪酸エステルが少なくとも70重量%であり、スタノール及びステロール脂肪酸エステルの脂肪酸部分が菜種油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油等の液体植物油、又はこれらの植物油の少なくとも2種の混合物由来のものであることを特徴とする、請求項15記載の脂肪混合物。
  17. テキスチャー化組成物がハードストックを3%〜17%含むことを特徴とする、請求項15又は16記載の脂肪混合物。
  18. テキスチャー化組成物がテキスチャー化剤を少なくとも82%含むことを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1項に記載の脂肪混合物。
  19. テキスチャー化組成物と共に含まれる液体油成分が菜種由、ヒマワリ油、大豆油、コーン油等の液体植物油、又はこれらの植物油の少なくとも2種を含むことを特徴とする、請求項15〜18のいずれか1項に記載の脂肪混合物。
  20. テキスチャー化組成物中のテキスチャー化剤がスタノール脂肪酸エステルの混合物を含み、このスタノール脂肪酸エステルの脂肪酸部分が菜種油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油等の液体植物油、又はこれらの植物油の少なくとも2種の混合物由来のものであることを特徴とする、請求項15〜19のいずれか1項に記載の脂肪混合物。
  21. テキスチャー化組成物が請求項2、4〜9及び12〜14のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする、請求項15〜20のいずれか1項に記載の脂肪混合物。
  22. テキスチャー化組成物がテキスチャー化剤を少なくとも15%含むことを特徴とする、請求項15〜21のいずれか1項に記載の脂肪混合物。
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