JP4105071B2 - ジェル状組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、絹を原料として得られる絹フィブロインを利用したジェル状組成物及びその製造方法に関するものである。
絹繊維の主タンパク成分であるフィブロインは、適度な吸・放湿性、皮膚や毛髪に対する親和性や紫外線吸収性等の特長を有することから、粉末状や液状或いはこれらの誘導体といった形態で広範に用いられている(非特許文献1、非特許文献2参照)。
宇根他、フレグランスジャーナル、2000年、第28巻、第4号、P.15−21 永尾他、フレグランスジャーナル、2000年、第28巻、第4号、P.22−27
これら絹フィブロインのうち、粉末状のものとしては、絹原料をそのまま或いは化学的処理で脆化させたものを粉砕した微細繊維状の絹フィブロイン粉末、絹原料を適当な濃厚中性塩等に溶解後透析したコロイド溶液を噴霧乾燥して得た絹フィブロインを粉砕した粒状の絹フィブロイン粉末、並びに絹原料を適当な無機中性塩或いはアルカリ性水溶液に溶解後透析し或いはしないで得られたコロイド溶液から、凝固性塩の添加、空気吹き込み、等電点凝固、超音波処理或いは高ずり変形速度での撹拌等で絹フィブロインを凝固析出せしめ、脱水、乾燥後粉砕した絹フィブロイン粉末等が知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特公昭40−024920号公報 特公昭26−004947号公報 特公昭58−038449号公報
また、絹フィブロインの液状のものとしては、銅−エチレンジアミン水溶液、水酸化銅−アンモニア溶液、水酸化銅−アルカリ−グリセリン溶液、臭化リチウム溶液、カルシウム或いはマグネシウム又は亜鉛の塩酸塩或いは硝酸塩又はチオシアン酸塩の溶液、チオシアン酸ナトリウム水溶液よりなる群から選ばれた少なくとも一種の溶媒に精練絹原料を溶解後透析することを特徴とする絹フィブロイン溶液の製造法等が知られている(特許文献4参照)。
特公昭57−004723号公報
このようにして得られた絹フィブロイン溶液は、そのままで或いは必要に応じて分子量やフィブロイン濃度が調整された形で販売されている。また該液を出発原料として、各種官能基の付加等による誘導体の形でも数多くの種類が販売されている(非特許文献3参照)。
株式会社成和化成、製品リスト、P5(2003/5/14)
ところが近年、絹フィブロインを配合した様々な最終製品、例えばファンデーション等の剤型の多様化により、従来の粉末状や液状の絹フィブロインでは、これら多様化への対応が困難となり、絹フィブロインの新たな形態が求められるようになった。このような要望に応えるべく、ジェル状を呈した絹フィブロインが考案され、これを得る方法がいくつか知られている。代表的なものは、タンパク質の等電点凝固作用を利用した手法で、上述したものに代表される絹フィブロイン溶液に有機あるいは無機の酸を加えることにより、該液のpHを絹フィブロインの等電点近くに調整しジェル化させるものである。他にも、多糖類やアルコール類をジェル化剤として添加することによって、ジェル状絹フィブロインを得る手法も知られている。また、分子量5万程度より大きいタンパク分子からなる絹フィブロイン溶液は、先の酸やジェル化剤の作用を与えなくても経時で次第にジェル化が進行することが知られている。
最近では、絹フィブロイン溶液に二酸化炭素を添加することでpHを調整しジェル化させた後、該二酸化炭素を除去するといった手法や、絹フィブロイン溶液に酸化側電解生成水を添加することでpHを調整し、ジェル化後、必要に応じ還元側電解生成水を加え中和するといった手法で、ジェル状絹フィブロインを得る方法が提案されている(特許文献4、特許文献5参照)。これらの手法で得られるジェル状絹フィブロインは、硬度が小さく延展性に優れ、相溶性・分散性に秀でる等使用感に優位で汎用性に富み、且つ得られるジェル状絹フィブロインの組成が絹フィブロインと水のみであって余分なものを含まないピュアなジェルが得られるという点に特徴がある。
しかしながら、二酸化炭素を絹フィブロイン溶液のpH調整に用いると、二酸化炭素を該液に溶解する必要性から圧力容器或いはこれに準じた設備が必要となる。加えてジェル化後に減圧或いは加熱によって二酸化炭素を除去することにより、得られるジェルの少なくとも1000倍以上、約2200倍容の炭酸ガスが常圧下排出されることとなる。地球環境負荷を考慮した場合、当然この排出された炭酸ガスは回収・再利用されるべきものであり、相応の設備が必要となる。このことは工業的な生産規模を考えた場合、厖大な設備投資によるコストアップとなる。
さらに、二酸化炭素を用いた場合は、ジェル化のための放置期間に10日から2週間程度を要することから、現在の商慣習である短納期に対応するためには、相応の仕掛かり在庫を持たざるを得ず、好ましくない。
また、絹フィブロイン溶液のpH調整に酸化側電解生成水を用いた場合は、pHの調整に酸化側電解生成水を加えるため、自ずと得られるジェル状絹フィブロインに含まれる絹フィブロイン濃度が薄まってしまう点に難があった。即ち、酸化側電解生成水を加えることによって最終目標とするジェル状絹フィブロイン中の絹フィブロイン濃度が目標に満たない場合には、予め酸化側電解生成水を加える前の絹フィブロイン溶液の絹フィブロイン濃度を濃縮等によって高めておく必要が生じる。さらに、ジェル化の際のpH調整は、酸化側電解生成水のpHのみに依存するため、使用する酸化側電解生成水生成装置によっては、ジェル化に充分なpH調整能を持たない。
特開平10−251299号公報 特開2002−326919号公報
このように、従来のジェル状絹フィブロインは、設備面・環境対策面等の多くの問題を内包し、或いはその製法上、自由度に欠け手順が煩雑となる等コスト面での課題を残している。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、硬度が小さく延展性に優れ、相溶性・分散性に秀でる等使用感に優位で汎用性に富み、且つその組成が絹フィブロインと水のみであるジェル状組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記のような特徴を有するジェル状組成物を工業的容易且つ安価に製造し得る製造方法を提供することにある。
本発明の目的は、重量平均分子量7万以上の絹フィブロインをジェル状組成物に対する物質濃度0.1〜3質量%に調整した絹フィブロイン溶液、または重量平均分子量7万〜5千の絹フィブロインをジェル状組成物に対する物質濃度3〜10質量%に調整した絹フィブロイン溶液を強酸性陽イオン交換樹脂で処理することにより処理後22時間以内にジェル化(処理した絹フィブロイン溶液を入れた容器を垂線より45度傾斜させた際、液面も該傾斜に追従する時点)して得られたジェル状組成物によって達成される。
また、本発明の目的は、重量平均分子量7万以上の絹フィブロインをジェル状組成物に対する物質濃度0.1〜3質量%に調整した絹フィブロイン溶液、または重量平均分子量7万〜5千の絹フィブロインをジェル状組成物に対する物質濃度3〜10質量%に調整した絹フィブロイン溶液を処理後22時間以内にジェル化(処理した絹フィブロイン溶液を入れた容器を垂線より45度傾斜させた際、液面も該傾斜に追従する時点)させるに際し、絹フィブロイン溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂を用いてイオン交換処理することを特徴とするジェル状組成物の製造方法によって達成される。
本発明のジェル状組成物は、硬度が小さく延展性に優れ、相溶性・分散性に秀でる等使用感に優位で汎用性に富んだ、絹フィブロインを含有するジェル状組成物であって、且つその組成が絹フィブロインと水のみである。
また、絹フィブロイン溶液のジェル化に際してのpH調整にイオン交換樹脂を使用するため、工業的に容易且つ安価にpH調整を可能とし、且つ絹フィブロイン溶液の容量を増加させることなく所望のpHへ調整できるので、液中の絹フィブロイン濃度の低下を考慮する必要が無く、ジェル状組成物中の絹フィブロイン濃度調整の自由度が向上するという利点がある。
本発明のジェル状組成物は、絹フィブロイン溶液をイオン交換樹脂で処理することにより得られたジェル状組成物であり、程よい流動性を呈し、皮膚や毛髪等に対して均一な伸びを呈する延展性を呈するが、水溶液とは性状を異にするジェル特有の性質を持つことを特徴とするジェル状組成物である。上記特徴を有するために、本発明のジェル状組成物中において、絹フィブロイン濃度は0.1〜10質量%(以下、%と記す)であることが望ましい。
本発明のジェル状組成物を構成する絹フィブロインとは、家蚕等で作られる絹糸のタンパク主成分を指し、絹フィブロインタンパク又はこれを酵素、酸もしくはアルカリにより加水分解したものをいう。
上記絹フィブロインは、原料として、まゆ、生糸、屑まゆ、生糸屑、ビス、揚り綿、絹布屑、ブーレット等を常法に従い、必要に応じて活性剤の存在下、温水中で又は酵素の存在下温水中でセリシンを除去し乾燥したものを使用することができ、その他、通常入手できる絹フィブロイン原料であれば、いずれも使用可能である。
本発明のジェル状組成物は、絹フィブロイン溶液を強酸性陽イオン交換樹脂で処理することにより得られる。常法によって得られる絹フィブロイン溶液には、ジェル状組成物を製造するにあたり、使用する水や絹原料を溶解する際の薬剤由来の銅、リチウム、カルシウム等の陽イオンが含まれる。該液を強酸性陽イオン交換樹脂で処理すると、水素イオンを除く、これらの陽イオンが該交換樹脂によって捕捉され、替わりに水素イオンが放出される。これにより、ジェル状、即ち分散媒中に分散媒分子の分子運動、即ち自由度を完全には奪わない様な形態で結晶化分散している状態で、程良く均一に延びる延展性を呈するジェル状組成物が得られる。
ジェル状組成物中の絹フィブロインが十分に再結晶化してもなお、溶媒である水分子の自由度が完全に失われることのないように、つまり本発明の特性であるほどよいみずみずしいジェル状で、なおかつ均一な延展性を示すようなジェル状組成物を得るために、ジェル状組成物中の絹フィブロインファクターを決めるようにする。
即ち、絹フィブロインが十分に結晶化した際に、水分子の自由度が完全に失われるということは、得られるジェルの物性が極めて強固なものであることを意味し、そのようなジェルは寒天のようなさくいジェル状を示し、本発明に係るジェル状組成物が目的とするところとは全く性状を異にするものである。
絹フィブロインファクターとは、ジェル状組成物の硬度や延展性の決め手となるものである。それは、ジェル状組成物中の絹フィブロインの平均分子量と絹フィブロイン濃度の二つのパラメーターからなる。ジェル中の絹フィブロインの平均分子量が大きい場合或いはジェル状組成物中の絹フィブロイン濃度が高い場合は、結晶化に際し溶媒である水の分子の自由度を減ずる方向に作用するため、より強固なジェルが生成されることとなる。逆にジェル状組成物中の絹フィブロインの平均分子量が小さい場合或いは絹フィブロイン濃度が低い場合は、結晶化に際し溶媒分子の自由度をあまり妨げない方向に作用し、それは、即ち、程良く均一に伸びる延展性を呈する等、本発明で目的とするところのジェル状組成物が求める物性に近くなる。
具体的な例を挙げると、重量平均分子量7万以上の絹フィブロインを用いる場合は、ジェル状組成物中の絹フィブロイン濃度が好ましくは3%以下、より好ましくは0.1〜3%になるようにする。
一方、重量平均分子量が7万から5千に調整された絹フィブロインを用いる場合は、ジェル状組成物中の絹フィブロイン濃度が好ましくは1%以上、より好ましくは3〜10%になるようにする。
このように、本発明に係るジェル状組成物の硬度・延展性を調整するには、絹フィブロインの平均分子量又はジェル状組成物中の絹フィブロイン濃度の調整によって可能である。具体的には平均分子量の調整は絹フィブロイン溶液を酵素或いは酸又はアルカリを用いて常法に従って加水分解することによって行う。また絹フィブロイン濃度の調整は、ジェル状組成物中の溶媒を増減することで得ることが可能で、該溶媒の分離は濾紙による溶媒分の濾別等で容易に行える。
次に、本発明におけるジェル状組成物の製造方法について説明する。
まず、絹フィブロインをジェル状組成物中に結晶化させるために用いる、絹フィブロイン溶液を調製する。絹フィブロイン溶液は、絹フィブロイン分子が水系溶媒中に溶解又は分散し、該溶媒中の溶媒分子運動を妨げない様な形態で溶解又は分散存在している状態の水溶液とすることが好ましい。その絹フィブロイン溶液の絹フィブロインの重量平均分子量は5千程度以上が好ましく、上限は特に制限はない。
係る絹フィブロイン溶液の製造方法は特に限定されるものではなく、以下に一例を示す。
絹フィブロイン溶液は、絹フィブロイン原料を水系溶媒に均一に溶解もしくは分散させて作成するが、それに適した水系溶媒の一例として、銅−エチレンジアミン水溶液、水酸化銅−アンモニア水溶液(シュワイサー試薬)、水酸化銅−アルカリ−グリセリン水溶液(ローエ試薬)、臭化リチウム水溶液、カルシウム或いはマグネシウム又は亜鉛の塩酸塩或いは硝酸塩又はチオシアン酸塩の水溶液、チオシアン酸ナトリウム水溶液等が挙げられる。コスト及び使用上の点からカルシウム又はマグネシウムの塩酸塩又は硝酸塩の水溶液が好ましい。また、これ等の水溶液の濃度は使用する溶媒の種類、温度等により異なるが、金属塩等の濃度は通常10〜80%、好ましくは20〜40%である。
精練後の絹原料を前記水溶液よりなる溶媒に添加し、温度60〜95℃、好ましくは70〜85℃でニーダーの如き装置内で均一に溶解する。液比は絹原料1に対して溶媒が通常2〜50、好ましくは3〜30である。
得られた絹フィブロイン溶液から高純度の絹フィブロイン溶液を得るためには、引き続いて透析する。透析はセロファン膜に代表される透析膜や中空繊維を使用した透析器を用い、前記の溶液中に溶解している塩類等をほぼ完全に除去する。この場合、目的とする絹フィブロインの分子量分布を極力狭くするためと、α構造のペプチドの割合を50%以上に調整するために、透析量と透析膜面積を特定の範囲にすることが好適である。即ち、式1を満足する多層膜構造物又は中空糸集束構造物を使用して脱塩を行う。
[式1]
膜表面積(平方cm)/プライミング容量(立方cm)≧10
ただしプライミング容量とは透析チューブ又は膜間の内容積を示す
上記数値が10未満の場合、膜分離が迅速に行われないため透析器中での滞留時間が長くなり、得られるフィブロイン溶液は、既に腐敗が始まっていことが多い。その場合、絹フィブロイン蛋白は腐敗による変性で水不溶(β構造)化し、これを再び冷水易溶性化することは困難である。
本発明を円滑に且つ経済的に行うために、上記数値は30以上が好ましく、50以上が特に好ましい。該条件を満足させるためには、例えば中空糸集束構造物の場合中空糸の直径を4mm以下にするとよい。このような方法によって得られた透析液は、残留塩濃度が0.003〜0.06%と極めて少なく、特に中空糸の径が0.2mm程度になると、上記数値が200程度となり透析器中での滞留時間数10分で、これを達成することができ、これより極めて高品質の絹フィブロイン溶液を得ることができる。
次に、得られた絹フィブロイン溶液を強酸性陽イオン交換樹脂で処理する。その方法としては、例えば、絹フィブロイン溶液を撹拌しながらイオン交換樹脂を加え、該液のpHを酸性サイドへ移動させジェル化を促し、短時間でジェルが得られるようにする。該液のpHは7以下の酸性サイドで有れば良く、絹フィブロイン溶液の等電点(pH4.5前後)からpH3.8付近であればより好ましい。所望のpHが得られた時点で撹拌を停止し、該樹脂を吸引濾過等により取り除く。
本発明に係る強酸性陽イオン交換樹脂は、高分子基体にイオン交換基を結合させた構造のもので、該交換基にスルホン酸基を結合させたものである。その構造によりゲル形とマクロポーラス形に大別されるが、いずれの形でも差し支えない。またイオン交換樹脂メーカーやグレードによって樹脂粒径の分布、総交換容量や架橋度に差異があるが、使用に際して特に限定されるものではない。
強酸性陽イオン交換樹脂は、絹フィブロイン溶液中に含まれる、使用水及び溶解に用いた薬剤由来の陽イオンを水素イオンに交換し、該液中の水素イオン濃度を高め、pHをより酸性サイドへ移動させるために用いる。
絹フィブロイン溶液中に交換されるべき陽イオンが少ない場合は、該樹脂で処理しても至適pHに到達しない場合がある。その場合は、予め交換されるに値する陽イオンを含んだ物質を絹フィブロイン溶液中に溶解しておくことで解決できる。交換されるに値する陽イオンを含んだ物質としては、交換後に不要な陰イオンを該溶液中に残さないようにする方が望ましいことから、アルカリ金属乃至はアルカリ土類金属の水酸化物を単独で或いは混合して用いることが好ましく、水に対して易溶で安価なNaOHやKOHの利用がより好ましい。
また、イオン交換にあたって該樹脂は、予めH+形に再生しておく必要がある。再生は常法に従って行い、塩酸或いは硫酸を用いて実施する。
また、イオン交換の方法はバッチ式、カラム式のいずれでも良く、特に拘らない。
上記のようにして処理された絹フィブロイン溶液に水を加え、製造するジェル状組成物中の絹フィブロイン濃度が所望のものとなるよう濃度調整を行う。
上記樹脂を除去した時点で淡褐色の絹フィブロイン溶液は、わずかに白色化し、時間と共に懸濁度が増加する。この状態から半日〜1日程度で本発明のジェル状組成物が得られる。得られたジェル状組成物はpHが酸性サイドであり、必要に応じアルカリ剤を加えて希望するpHに調整しても、組成物の性状に変化は認められず、一向に差し支えない。また必要に応じて濾紙等で水分を除去し、ジェルの硬度を調整することも可能である。
また、上記のようにしてジェル化状組成物を製造することにより、ジェル化のために長時間を要しないので、商品の短納期に対応することが可能となる。
得られたジェル状組成物は、分散媒中に、分散媒分子の分子運動、即ち自由度を完全には奪わないような形態で絹フィブロイン分子が結晶化分散している状態を呈しているため、程良く均一に延びる延展性を呈している。
また保水性に富み、ジェル特有のみずみずしい質感を有している。そのため粉末でも水溶液でもないその特異な物性を利用して、これまで処方が困難であった様々な剤型への添加を可能にする。例えば、従来増粘剤類を併用し強力な分散機等で分散しなければ均一に配合することが困難であった化粧品種別配合成分規格収載のシルク末が、増粘剤類や特殊な分散機を使用することなく容易に配合可能となる。増粘剤類を使用しないで済むということは、製品剤型の多様化に大きく寄与できることを意味する。加えて既存のジェル状を呈する美容液や保湿クリーム等の皮膚化粧料に配合したり、ジェル状の皮膚洗浄料やヘアワックス等の毛髪化粧料に配合したりといった際に、従来シルク末の製造過程で必須であった超微粉化工程を要することなく、本発明のジェル状組成物をそのまま加え通常の混合作業だけで需要に応えることが可能となる。また諸剤型への添加用途のみならずジェル状組成物そのものを基剤として、美白成分やミネラル等の有効成分を微量配合した従来に実現することが難しかった絹主体が謳える美容液等の化粧料等の製造をも可能にする。
本発明のジェル状組成物を配合した化粧料としては、具体的には例えば、クリーム、化粧水、乳液、サンスクリーン剤、美容液、エッセンス、パック剤、洗顔料、クレンジング剤等の基礎化粧料、口紅、リップグロス、リップクリーム、マスカラ、リキッドアイライナー、ジェル状ファンデーション、ジェル状補整料、水性タイプアイシャドウ、水性タイプチーク等のメイクアップ化粧料、ヘアカラー、シャンプー、リンス、ボディーシャンプー、ハンドソープ、ヘアパック、ヘアトニック、整髪料、育毛剤、デオドランド剤、入浴剤等が挙げられる。
本発明のジェル状組成物は、このジェル組成物自体を基剤として他の有用成分を必要量併用して使用することができ、その割合は、化粧料組成物全体に対して90%以上の配合とすることも可能である。
本発明のジェル組成物を化粧品用途に使用する場合は、必要に応じて他の有用成分を併用することができる。具体的には、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、ブタプラセンタエキス、ビタミンC及びその誘導体(アスコルビン酸配糖体を含む)、ルシノール、グルタチオン、リノール酸、リノレン酸、乳酸、トラネキサム酸、ビフェニル化合物、パンテテイン−S−スルホン酸カルシウム、イオウ、グラブリジン、グラブレン、油溶性甘草エキス等の甘草エキス、ラズベリーケトングルコシド、ウワウルシエキス、アルモンドエキス、アロエエキス、イチョウエキス、イブキトラノオエキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウレンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、海藻エキス、カミツレエキス、カッコン(クズ)エキス、キハダエキス、クチナシエキス、クララ(クジン)エキス、クランベリーエキス、クロレラエキス、黒砂糖抽出物、クワ(ソウハクヒ)エキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、ゴバイシエキス、コムギエキス、コメ胚芽油、コメヌカエキス、サイシンエキス、サンシンエキス、サンショウエキス、シソエキス、シャクヤクエキス、スイカズラエキス、セージエキス、センキュウエキス、ダイズエキス、チャエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、ニンニクエキス、ハマメリス抽出液、ビワエキス、ベニバナエキス、ボタンエキス、マツホドエキス、マロニエエキス、メリッサエキス、ヨクイニン(ハトムギ)エキス、ユキノシタエキス、ワレモコウ(ジュ)エキス、ヨモギエキス、火棘エキス、ハイビスカスエキス等の美白成分や、植物エキス、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等の高級アルコール類、脂肪酸セッケン、セチル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、ベタイン型、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム等の両イオン性界面活性剤、レシチン、リゾフォスファチジルコリン等の天然系界面活性剤等を併用することができるが、これらに限定されるものではなく、通常化粧品に配合されている成分であれば併用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
絹フィブロイン溶液の原料となる生糸屑を、1.0%マルセル石鹸溶液(浴比30倍)で1時間煮沸精練してセリシンを除去し、水洗後、熱風乾燥した。次いで該脱セリシン生糸屑を、ニーダーを用い浴比5倍となるよう、38.0%塩化カルシウム水溶液で75℃下、1時間かけて捏和・溶解した。濾過して不純物を除去後、ホローファイバー型の透析装置を用いて透析・脱塩し、絹フィブロイン溶液を得た。得られた絹フィブロイン溶液の絹フィブロイン濃度は5.3%で重量平均分子量は7.2×104だった。
得られた該液の弱撹拌下、予めH+型に再生しておいた強酸性イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製IR120B Na)を徐々に加え、pHを3.5に調整した。次いで該樹脂を吸引濾過で濾別し、得られたpH3.5の絹フィブロイン溶液に水を加え、絹フィブロイン濃度が3%となるように調整したところ、pHは4.5だった。これを密栓し4℃下で静置した。18時間後には、系全体が一様に淡白色化した硬度が小さく延展性に富んだジェル状組成物が得られた。得られたジェル状組成物は、流動性があり、ほどよい延展性を呈し、肌や毛髪になめらかになじむ性質のものであった。
[実施例2]
絹フィブロイン溶液の原料となるブーレットを、実施例1に記載の方法に準じて精練、水洗および乾燥した。次いで該脱セリシンブーレットを、同じく実施例1に準じて捏和・溶解した。ただし処理時間は20分とした。濾過して不純物を除去後、ホローファイバー型の透析装置を用いて透析・脱塩し、絹フィブロイン溶液を得た。得られた絹フィブロイン溶液の絹フィブロイン濃度は5.0%で重量平均分子量は1.5×104だった。
得られた該液250mlに、予めH+型に再生しておいた強酸性イオン交換樹脂(ムロ
マチテクノス株式会社製ダウエックス50W×4)70mlを加え15分間撹拌を継続し、濾紙を用いて樹脂を除去した。得られた絹フィブロイン溶液のpHは3.4だった。該液とイオン交換水を表1に記載の割合で混合し、記載の絹フィブロイン濃度なるように調整した。因みに濃度調整後の混合液のpHは、記載の通りだった。これらを室温下静置し
て、ジェル化させた。各々のジェル化に要した時間および性状は表1記載の通りであった。
なお、ジェル化完了の確認は、容器を垂線より45度傾斜させた際、液面も該傾斜に追従する時点とした。ただし、No.1(絹フィブロイン濃度1.3%)のジェル状組成物は、十分にジェル化してもなお流動性に富み、容器を傾斜しても液面は水平を保とうとする傾向が非常に大きいため、先の確認方法は適用できなかった
得られたジェル状組成物はその性状に違いが認められたものの、いずれも延展性に富むもので、肌や毛髪になめらかになじむ性質のものであった。
Figure 0004105071
本発明のジェル状組成物は、硬度が小さい状態で長時間安定であるという特長的な物性により、延展性・相溶性・分散性に優れ、絹フィブロイン成分の長所である皮膚や毛髪に対する優れた親和性や保護作用等の特性を持ち、みずみずしい使用感に優位な汎用性に富むものである。さらに本発明の製造方法によれば、絹フィブロインを含有したジェル状組成物を工業的に容易且つ安価に量産することが可能である。

Claims (2)

  1. 重量平均分子量7万以上の絹フィブロインをジェル状組成物に対する物質濃度0.1〜3質量%に調整した絹フィブロイン溶液、または重量平均分子量7万〜5千の絹フィブロインをジェル状組成物に対する物質濃度3〜10質量%に調整した絹フィブロイン溶液を強酸性陽イオン交換樹脂で処理することにより処理後22時間以内にジェル化(処理した絹フィブロイン溶液を入れた容器を垂線より45度傾斜させた際、液面も該傾斜に追従する時点)して得られたジェル状組成物。
  2. 重量平均分子量7万以上の絹フィブロインをジェル状組成物に対する物質濃度0.1〜3質量%に調整した絹フィブロイン溶液、または重量平均分子量7万〜5千の絹フィブロインをジェル状組成物に対する物質濃度3〜10質量%に調整した絹フィブロイン溶液を処理後22時間以内にジェル化(処理した絹フィブロイン溶液を入れた容器を垂線より45度傾斜させた際、液面も該傾斜に追従する時点)させるに際し、絹フィブロイン溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂を用いてイオン交換処理することを特徴とするジェル状組成物の製造方法。
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