JP2001197897A - D−リンゴ酸の精製方法 - Google Patents

D−リンゴ酸の精製方法

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Hirotoshi Hiraoka
宏敏 平岡
Makoto Ueda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に微生物反応によって製造され、菌体由来
の脂質やタンパク質に加え、ジカルボン酸類、特にマレ
イン酸又はL−リンゴ酸を不純物として含有するD−リ
ンゴ酸及び/又はその塩を含有する水性媒体からD−リ
ンゴ酸を高効率に精製する方法を提供する。 【解決手段】 D−リンゴ酸及び/又はその塩を精製す
るに際し、酸処理した後、活性炭と接触させることを特
徴とするD−リンゴ酸の精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬等の中
間体原料として産業上有用な化合物である、D−リンゴ
酸の高効率な精製方法に関する。本発明によれば、水溶
液中のD−リンゴ酸を簡単に、高純度、高収量で採取す
ることが可能である。
【0002】
【従来の技術】D−リンゴ酸を微生物を用いて製造する
方法としては、マレイン酸から製造する方法(特開昭5
1−70880号公報、特開平5−103680号公
報、特許250990号公報)やDL−リンゴ酸からL
体のみをL−アスパラギン酸に変換し、未反応原料のD
−リンゴ酸を分離する方法(特開平5−268991号
公報、特開平5−271147号公報、特開平6−72
945号公報)、DL―リンゴ酸からL−体のみを資化
させる方法(Biotech.Let.p.23−38
(1993))等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記文
献において、D−リンゴ酸を単離・精製する工程として
は、有機溶媒で抽出した後にクロマト精製を行う方法や
過塩素酸を用いた除タンパク工程を有する方法、また
は、単に陽イオン交換樹脂を用いただけの方法が記載さ
れているのみであった。これらの精製方法のうち、前者
は実験室レベルでの精製方法であり、煩雑な方法ため、
工業的には使用できず、また、後者は、医農薬中間体の
原料として用いるに当たっては、精製度合いが未だ不十
分であり、更に再結晶工程等が必要であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、菌体や培
地由来の脂質、有機酸等や各種副生物を含有する反応液
から、高効率かつ簡便にD−リンゴ酸を採取するため鋭
意検討を行った結果、強酸性陽イオン交換樹脂処理の後
に活性炭処理を行うことにより、D−リンゴ酸が高効率
で分離・回収できることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、D−リンゴ酸
及び/又はその塩を精製するに際し、酸処理した後、活
性炭と接触させることを特徴とするD−リンゴ酸の精製
方法に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いるD−リンゴ酸及び
/又はその塩の製造方法は、化学合成法によるものでも
微生物や酵素反応を用いたものでも特に限定されるもの
ではないが、微生物を用いて製造されたものが好まし
く、具体的には、例えば、安価な無水マレイン酸を原料
とし、マレイン酸ヒドラターゼ活性を有する微生物菌体
又はその処理物を水性媒体中で作用させて製造したもの
やDL−リンゴ酸にL−リンゴ酸のみを資化する微生物
を作用させたものが挙げられる。
【0007】上記リンゴ酸の塩としては、特に限定され
るものではなく、上記反応において系中に共存する金属
イオンと塩を形成したものでも、上記反応で生成したリ
ンゴ酸塩に無機塩等添加し、更に別の塩に変換したもの
でもよい。具体的にはナトリウム塩、カリウム塩、リチ
ウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウ
ム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられ
る。
【0008】精製工程に供されるD−リンゴ酸及び/又
はその塩の形態としては、固体でも、水性媒体中に溶解
した状態でも、一部が析出した懸濁状態でも問題ない
が、塩化カルシウム又は硫酸カルシウム等の無機カルシ
ウム塩を、30〜55℃、好ましくは45〜50℃の範
囲で上記製造工程で得られるD−リンゴ酸含有液中に添
加し、D−リンゴ酸を不溶性のカルシウム塩とすること
が分離・回収を容易にする上では好ましい。
【0009】上記水性媒体としては、上記製造工程で使
用される溶媒、具体的には水、アルコールもしくはその
混合物等が挙げられるが、このうち水が好ましい。ま
た、D−リンゴ酸及び/又はその塩は、上記製造工程で
系中に共存する菌体由来の脂質、タンパク質や各種有機
酸等を不純物として含んでいる。不純物として含まれる
有機酸としては、マレイン酸、L―リンゴ酸等の未反応
原料やL−リンゴ酸、アスパラギン酸、ピルビン酸、オ
キザロ酢酸等の反応副生物、菌体由来の各種アミノ酸、
脂質等が挙げられ、その多くはジカルボン酸類である。
【0010】本発明は、特に微生物反応によって製造さ
れ、菌体由来の脂質やタンパク質に加え、ジカルボン酸
類、特にマレイン酸又はL−リンゴ酸を不純物として含
有するD−リンゴ酸及び/又はその塩を精製するのに好
ましい方法である。上記D−リンゴ酸及び/又はその塩
の含有する不純物量としては、上記各有機酸量としてそ
れぞれ10重量%以下が好ましい。
【0011】また精製工程に供される水性媒体中のD−
リンゴ酸及び/又はその塩の濃度は、特に制限されるも
のではないが、通常0.01〜20重量%、好ましくは
0.1〜10重量%である。本発明においては、上記不
純物を含有するD−リンゴ酸及び/又はその塩を酸処理
した後に活性炭処理することを特徴とする。
【0012】本発明における酸処理としては、酸性溶液
や強酸性陽イオン交換樹脂で処理するものが挙げられ、
このうち強酸性陽イオン交換樹脂処理が好ましく、ま
た、酸性溶液処理と陽イオン交換樹脂処理を組み合わせ
ても良い。上記酸処理工程に使用する酸性溶液として
は、強酸の水溶液であれば限定されないが、このうち硫
酸及び/又は塩酸のような無機酸の水溶液が好適に用い
られる。
【0013】添加する酸の濃度としては、特に制限され
るものではないが、例えば、0.5〜5N、好ましくは
1N〜3Nのものが用いられる。該酸性溶液は、通常、
10〜50℃にて、D−リンゴ酸及び/又はその塩を含
有する水性溶媒のpHが1〜4になるまで添加し、その
まま30分以上、好ましく2時間ほど攪拌する。
【0014】本発明に使用する強酸性陽イオン交換樹脂
としては、H型のものまたは他の塩型のものを酸で処理
してH型にしたものを用いることができ、例えば「ダイ
ヤイオンSK−1B」H型(三菱化学社製)、「ダウエ
ックス(Dowex)50WX」(Dow Chemi
cal製)、「アンバーライト(Amberlite)
IR120,IR122,IR118」(Rohm a
nd Hass製)、「AGMP−50」(Bio−R
ad製)、「ダウオライト(Duolite)C−2
0」(Diammond−ShamrockChemi
cal製)等が好適に用いられる。
【0015】処理形式としては、D−リンゴ酸及び/又
はその塩の形態にも依存し、D−リンゴ酸及び/又はそ
の塩が固体又は懸濁状態である場合にはバッチ式が、溶
液状態の場合は連続式が好ましい。バッチ式の場合に
は、D−リンゴ酸及び/又はその塩に対してプロトン換
算で等モル量以上の陽イオン交換樹脂とD−リンゴ酸及
び/又はその塩とを、必要に応じて水を加えて、反応器
中で所定時間混合する。処理温度としては、10〜55
℃、好ましくは50℃以下であり、処理時間としては、
通常2時間程度である。
【0016】連続式で処理する場合には、陽イオン交換
樹脂を充填した塔に、D−リンゴ酸及び/又はその塩を
含む水溶液を通液する方法が挙げられる。処理温度とし
ては、10〜55℃、好ましくは50℃以下であり、通
液条件としては、空間速度(ml/ml樹脂・hr)
0.5〜5、好ましくは1〜3である。又、上記連続処
理方式では、流動床型処理装置も好適に使用される。
【0017】上記処理工程を経たD−リンゴ酸含有液体
は、活性炭と接触させる。本発明の活性炭処理工程にお
いて使用する活性炭としては、特に限定されるものでは
なく、通常、比表面積が500〜3000m2/gであ
るものが使用される。この活性炭としては、例えば、
「特製白鷺」、「粒状白鷺DC」、「カルボラフィ
ン」、「白鷺A」、「白鷺M」(以上武田薬品工業社
製)、「ダイアホープS60」、「ダイアホープS6
1」、「ダイアホープS70」、「ダイアホープS8
0」(以上三菱化学社製)として市販されている市販品
を好適に用いることができ、このうちリンゴ酸の損失量
が少ないという点では、白鷺Aまたは白鷺Mが好まし
い。
【0018】活性炭処理の形式としては、D−リンゴ酸
含有液体に活性炭をそのまま添加し接触処理後、これを
分離するバッチ式でも、活性炭の充填塔にD−リンゴ酸
含有液体を連続的通液する連続式でも特に限定されるこ
とは無い。活性炭の使用量としては、上記液体に対して
0.01〜1%W/Vであり、好ましくは 0.05〜
0.5%W/Vである。処理は、通常55℃以下、好ま
しくは、30〜50℃で行われ、バッチ式の場合には、
通常1〜2時間攪拌すればよい。
【0019】さらに、本精製工程には、必要に応じて、
陰イオン交換樹脂処理工程、限外濾過工程等を入れるこ
ともでき、これらは、上記精製工程の前後だけでなく、
陽イオン交換樹脂処理工程と活性炭処理工程との間に組
み込むことも可能である。本発明の精製処理を行った
後、該処理液を蒸発乾固させることでD−リンゴ酸粉末
を得ることが出来る。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
尚、D−リンゴ酸量の測定は、高速液体クロマトグラフ
ィー(ShodexSugar SH1821)を用い
て行った。また、D−リンゴ酸の光学純度は高速液体ク
ロマトグラフィー(SUMICHIRAL OA−50
00)により確認した。高速液体クロマトグラフィーの
分析条件は次のとおりである。 高速液体クロマトグラフィー分析条件(定量分析用) カラム:Shodex SUGAR SH1821 8.0mmI.D.x300mm(昭和電工(株)) 溶離液:0.01N−H2SO4 流速:0.6mL/分間 カラム温度:室温 検出器:RI 高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度測定
用) カラム:SUMICHIRAL OA−5000 4.6mmI.D.x150mm((株)住化分析セン
ター) 溶離液:1mM酢酸銅 0.1M酢酸アンモニウム in 水/イソプロピルアルコール(85:15) p
H4.5 流速:0.9mL/分間 カラム温度:35℃ 検出器:UV 280nm また、D−リンゴ酸中の蛋白量は、Bio Rad社製
蛋白質定量キットを用いて行い、カルシウム量は、
和光純薬社製カルシウムC−テストワコーを用いて行っ
た。
【0021】参考例1 マレイン酸ヒドラターゼ含有菌
体の調製 培地〔ソルビトール 10.0g、マレイン酸3.0
g、NH4NO3 2.0g、KH2PO4 3.0g、K
2HPO4 10.5g、MgSO4・7H2O 0.25
g、FeSO4・7H2O 10.0mg、MnSO4
4〜6H2O 10.0mg、酵母エキス 5.0g、
L−プロリン 2.0g、/蒸留水1000mL pH
7.0〕100mlを500ml容三角フラスコに分注
し、滅菌した後、アルスロバクター・エスピー(Art
hrobacter sp)MCI2612株(FER
M P−12562)を植菌し、30℃にて20時間震
盪培養した。
【0022】次に、上記と同じ組成の培地 2リットル
を5リットル容通気撹拌槽に仕込み、滅菌(120℃、
20分間)後、前記培養物の20mlを添加して、回転
数450rpm、通気量1vvm、温度30℃、pH
7.0にて16時間培養した。培養終了後、培養物のう
ち、2リットルを分取し、遠心分離により集菌した。参
考例2 D−リンゴ酸含有反応液の調整上記参考例1で
得た集菌体を(A)反応液〔(A):無水マレイン酸3
3.8g、リン酸一カリウム1.02g、リン酸二カリ
ウム2.18g、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エステル2g/脱イオン水1リットル(NaOHでpH
を7.0に調整)〕1リットルに懸濁し、37℃にて震
盪反応させた。反応開始4時間後に(B)反応液
〔(B):無水マレイン酸135.2g、リン酸一カリ
ウム1.02g、リン酸二カリウム2.18g、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル2g/脱イオン
水1リットル(NaOHでpHを7.0に調整)〕12
5ミリリットル添加し、引き続き40時間、トータルで
44時間震盪反応させた。
【0023】反応終了後、遠心分離(8000xg、3
0分間、10℃)にて上澄液と菌体を分離した。 実施例1 参考例2により調製した反応上澄液100ml(マレイ
ン酸5.3mg/ml、D−リンゴ酸58.3mg/m
l含有)を50℃まで加熱撹拌した後、反応液温度を5
0℃に保ちながら塩化カルシウム9.69gを撹拌しな
がら添加し、引き続き2時間撹拌した。その後引き続き
2時間放冷して室温まで冷却し、生成したカルシウム塩
を含む沈殿を遠心分離(8000xg、5分間)するこ
とで溶液画分より分離し、含水結晶を得た。この含水結
晶を強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)社製商品
名「ダイヤイオンSK−1B」H型)100mlで回分
処理し、次いで該処理液を遠心分離(8000xg、2
0分間)後、活性炭回分処理(0.1重量%白鷺M;5
0℃、1時間)にて菌体由来の夾雑成分等を除去した
後、真空エバポレーターにより濃縮した。回収したD−
リンゴ酸の量は2560mgであり、収率は43.9%
であった。又、該結晶の光学純度を測定したところ、1
00%eeであった。また、上記D−リンゴ酸は、不純
物である蛋白に関しては測定限界以下(1.25um/mL以
下)、カルシウムイオン濃度に関しては0mg/dl(コント
ロール以下)であった。
【0024】実施例2 参考例2により調製した反応上澄液100mlから実施
例1と同様にして含水結晶を得た。この含水結晶に蒸留
水10mL添加後2N硫酸を37mL添加して2時間撹
拌した。遠心分離(8000xg、10分間)により沈
殿を除去後当該上清を強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化
学(株)社製商品名「ダイヤイオンSK−1B」H型)
100mlを充填したカラムに、空間速度2.0で通液
した後、活性炭回分処理(0.1重量%白鷺M;50
℃、1時間)に供し、さらに真空エバポレーターにより
濃縮した。回収したD−リンゴ酸の量は2600mgで
あり、収率は44.6%であった。又、該結晶の光学純
度を測定したところ、100%eeであった。また、上
記D−リンゴ酸は、不純物である蛋白に関しては測定限
界以下(1.25um/mL以下)、カルシウムイオン濃度に関し
ては0mg/dl(コントロール以下)というような高純度の
ものであった。
【0025】実施例3 参考例2により調製した反応上澄液100ml(マレイ
ン酸5.3mg/ml、D−リンゴ酸58.3mg/m
l含有)を強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)社
製商品名「ダイヤイオンSK−1B」H型)100ml
を充填したカラムに、空間速度2.0で通液した後、活
性炭回分処理(0.1重量%白鷺M;50℃、1時間)
に供した後、該処理液を真空エバポレーターにより濃縮
した。回収したD−リンゴ酸の量は4700mgであ
り、収率は82.3%であった。又、該結晶の光学純度
を測定したところ、100%eeであった。上記D−リ
ンゴ酸は、不純物である蛋白に関しては測定限界以下
(1.25um/mL以下)、カルシウムイオン濃度に関しては0mg
/dl(コントロール以下)というような高純度のもので
あった。
【0026】実施例4 培地(DL−リンゴ酸 10.0g、(NH42SO4
2.0g、K2HPO 4 7.0g、MgSO4・7H2
O 0.1g、/蒸留水 1000mL pH7.2)
100mlを500ml容三角フラスコに分注し、滅菌した
後、アシネトバクター・ルウオフィ(Acinetobacter lw
offii)ATCC 9036を植菌し、30℃にて4日
間振盪培養した。
【0027】培養終了後、培養物800mLから遠心分
離(8000g、10分間、10℃)にて上澄液と菌体
を分離した。この上澄み液800ml(リンゴ酸5.2m
g/ml含有)を真空エバポレーターにより濃縮し、D
−リンゴ酸を含む濃縮上澄み液(リンゴ酸79.8mg
/ml含有)を得た。該濃縮上澄み液20mLを50℃
まで加熱攪拌した後、液温度を50℃に保ちながら塩化
カルシウム2.6gを攪拌しながら添加し、引き続き2
時間攪拌した。その後引き続き2時間放冷して室温まで
冷却し、生成したカルシウム塩を含む沈殿を遠心(80
00g 5分間)することで溶液画分より分離し、含水
結晶を得た。この含水結晶に脱塩水10mLを添加しス
ラリーとした後、濃硫酸0.64mLを滴下して1時間
30℃にて攪拌した後沈殿を遠心(8000g 10分
間)することで固体画分を分離し、溶液画分を得た。こ
の溶液画分を強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)
社製商品名「ダイヤイオンSK−1B」H型)10mlで
バッチ処理し、該処理液を遠心(8000g 20分
間)、活性炭処理(0.1%w/v白鷺M;50℃ 1
時間)した後、真空エバポレーターにより濃縮した。回
収したD−リンゴ酸の結晶量は523mgであり、反応
液からの収率は32.8%であった。さらに該結晶の光
学純度を測定したところ、99.5%eeであった。上
記D−リンゴ酸は、蛋白に関しては測定限界以下(1.25u
m/mL以下)、カルシウムイオン濃度に関しては0mg/dl
(コントロール以下)というような高純度のものであっ
た。
【0028】実施例5 培地(DL−リンゴ酸 10.0g、(NH42SO4
2.0g、K2HPO 4 7.0g、MgSO4・7H2
O 0.1g、/蒸留水 1000mL pH7.2)
100mlを500ml容三角フラスコに分注し、滅菌した
後、アシネトバクター・ルウオフィ(Acinetobacter lw
offii)ATCC 9036を植菌し、30℃にて3日
間振盪培養した。
【0029】培養終了後、培養物500mLから遠心分
離(8000g、10分間、10℃)にて上澄液と菌体
を分離し、D−リンゴ酸を含む上澄み液を得た。該上澄
み液100ml(リンゴ酸5.1mg/ml含有)を強酸性
陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)社製商品名「ダイヤ
イオンSK−1B」H型)30mlで2時間バッチ処理
し、該処理液を遠心(8000g 20分間)後、活性
炭処理(0.1%w/v白鷺M;50℃1時間)にて夾雑
物除去した後、真空エバポレーターにより濃縮した。回
収したD−リンゴ酸の結晶量は424mgであり、培養
液からの収率は83%であった。さらに該結晶の光学純
度を測定したところ、99.6%eeであった。
【0030】上記D−リンゴ酸は、蛋白に関しては測定
限界以下(1.25um/mL以下)、カルシウムイオン濃度に関
しては0mg/dl(コントロール以下)というような高純度
のものであった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、特に微生物反応によっ
て製造され、菌体由来の脂質やタンパク質に加え、ジカ
ルボン酸類、特にマレイン酸又はL−リンゴ酸を不純物
として含有するD−リンゴ酸及び/又はその塩を含有す
る水性媒体から、簡便に、高純度、高収量でD−リンゴ
酸を精製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:06) C12R 1:06)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 D−リンゴ酸及び/又はその塩を精製す
    るに際し、酸処理した後、活性炭と接触させることを特
    徴とするD−リンゴ酸の精製方法。
  2. 【請求項2】 D−リンゴ酸及び/又はその塩が微生物
    を用いて製造されたものであることを特徴とする請求項
    1に記載のD−リンゴ酸の精製方法。
  3. 【請求項3】 D−リンゴ酸及び/又はその塩が、不純
    物として有機酸を含有しているものであることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の精製方法。
  4. 【請求項4】 有機酸が、ジカルボン酸であることを特
    徴とする請求項3に記載の精製方法。
  5. 【請求項5】 ジカルボン酸がマレイン酸又はL−リン
    ゴ酸であることを特徴とする請求項4に記載の精製方
    法。
  6. 【請求項6】 D−リンゴ酸の塩がカルシウム塩である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の精製
    方法。
  7. 【請求項7】 酸処理が、強酸性陽イオン交換樹脂によ
    る処理であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の精製方法。
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