JP2502990B2 - ▲l▼−リンゴ酸の製造法 - Google Patents

▲l▼−リンゴ酸の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はl−リンゴ酸の製造法に関する。l−リンゴ
酸は,医薬用としても用いられているが将来食品用や工
業用としての利用も期待されるものである。
本発明によれば,l−リンゴ酸が高い収率で純度よく製
造することができる。
先行技術 l−リンゴ酸の製造法としてフマール酸の塩をフマラ
ーゼ活性を有する微生物中の酵素フマラーゼの存在下酵
素反応させて製造することは公知である。(たとえば特
公昭37−4511,特公昭44−1191号公報等) この酵素法によるl−リンゴ酸の製造においては、フ
マール酸とl−リンゴ酸との間に反応平衡が存在し、か
つ、フマール酸とl−リンゴ酸は化学的諸性質の似通っ
た二塩基酸であるため、反応液からの両者の分離は非常
に困難であり、l−リンゴ酸の効率の高い工業的回収法
は重要な課題であった。
一方、分離方法としてフマール酸の溶解度が低いこと
を利用して、大部分を除去し、カルシウムイオンを加え
てl−リンゴ酸カルシウムを沈殿させて分離精製する方
法も知られている。(特開昭51−70880号公報) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、この方法によって、l−リンゴ酸カル
シウムからl−リンゴ酸を製造するには、硫酸を加えて
生成する硫酸カルシウムを除去し、活性炭処理、陽イオ
ンおよびアニオンのイオン交換樹脂処理により溶存して
いる硫酸カルシウムを除いたのち、減圧濃縮、乾固する
といった煩雑な方法が取られていた(前記特開昭51−70
880号公報)。この方法は、操作が煩雑であることの他
に、l−リンゴ酸のアニオン交換樹脂への吸着により回
収率が低いといった欠点もあった。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、かかる不都合を解決させるた検討の結
果、水酸化カルシウムまたは/および酸化カルシウム水
溶液にフマール酸を添加しつつpH値を6〜9に保ち、フ
マラーゼの存在下酵素反応せしめることにより、フマー
ル酸に対してもまたカルシウム化合物に対しても高い収
率でl−リンゴ酸カルシウムを製造する方法を見出した
(特開昭63−49090号) 本発明は、さらに、かくして得られたリンゴ酸カルシ
ウム反応混合物と強酸性陽イオン交換樹脂とを接触する
ことにより高純度l−リンゴ酸を有利に製造する方法を
提供するものである。本発明の方法は、公知の方法と比
較して、工程数が少なく工業的にきわめて有利な方法で
あるということができる。
発明の具体的説明 (フマラーゼ) フマラーゼ源としてはフマラーゼを含有する菌体、そ
の破砕物これらの固定化物又は処理物が用いられる。
本発明において用いられるマフラーゼを含有する菌体
としては、たとえば工業技術院生命工学工業技術研究所
に寄託されているブレビバクテリウム・フラバムMJ233
(FERM BP−1497)(特公昭57−26755号公報参照)の菌
体およびこの菌よりα−アミノ酪酸耐性株として取得し
たMJ−233−AB−41(FERM BP−1498)(特公昭59−2839
8号公報参照)の菌体等公知の菌体がある。
これらの菌体は遊離菌体のまま用いることもできる
が、更には該菌体、あるいはその含有する酵素(フマラ
ーゼ)を固定化したものを反応に供してもよい。
(l−リンゴ酸カルシウムの製造) l−リンゴ酸カルシウムは、例えば、水酸化カルシウ
ムまたは/および酸化カルシウム水溶液にフマール酸を
逐次添加しpH値を6〜9の範囲で一定となるようにして
反応させることにより得られる。すなわちフマール酸の
添加を開始した初期の場合は、添加した瞬間pH値は6〜
9の範囲となるが時間と共にpH値が変化して約12とな
り、添加をつづけていくに従い、pH値の変化する間隔は
次第に長くなり、当量の約0.7〜0.9添加した所でpH値は
6〜9の範囲で一定となり、マフラーゼの至適pH値とな
る。
次に所定量のフマラーゼを添加して反応を開始する。
l−リンゴ酸カルシウムの生成とともにpH値が高くなる
のでフマール酸を逐次添加してpH値が6〜9となるよう
に調節する。反応の進行とともにフマール酸を添加する
間隔は長くなり、カルシウム化合物と当量加えた所で反
応は完結する。
本反応における反応温度は15〜65℃好ましくは20〜55
℃である。反応時間はフマラーゼの量によって変るが通
常約0.5〜48時間である。
水酸化カルシウムまたは/および酸化カルシウムの使
用量は特に制限はないが、一般に0.2〜2M好ましくは0.5
〜1.5Mである。またフマール酸は水酸化カルシウムまた
は/および酸化カルシウムの当モル以下で使用される。
またフマラーゼの使用量も特に制限はないが0.05〜10
(W/V%)好ましくは0.2〜7(W/V%)の範囲である。
得られたl−リンゴ酸カルシウム反応液を強酸性陽イオ
ン交換樹脂と接触させることにより収率よく高純度l−
リンゴ酸を製造することができる。
(強酸性陽イオン交換樹脂) 本発明で使用される強酸性陽イオン交換樹脂はH型の
ものである。具体的には日本錬水社製ダイヤイオンSK−
1B,SK−102,SK−104,SK−106,SK−110,SK−112,SK−116
やダイヤイオンPK−208,PK−212,PK−216,PK−220,PK−
228およびローム・アンド・ハース社のアンバーライトI
R−120B,IR−116,IR−118,IR−122,IR−124やアンバー
リスト15などがあげられるが、l−リンゴ酸カルシウム
とのイオン交換能をもつ強酸性陽イオン交換樹脂であれ
ばメーカーおよび種類を問わない。
(l−リンゴ酸の製造方法) l−リンゴ酸カルシウム反応混合物と強酸性陽イオン
交換樹脂との接触の方法としてバッチ式とカラム式があ
るが、反応混合物が固液混合物であることからバッチ式
が好ましい。具体的には、l−リンゴ酸カルシウム反応
液をそのまま処理しても純度の高いl−リンゴ酸が得ら
れるが、少量残存する未反応フマール酸を除くには、反
応混合物をロ過や遠心分離などの操作により固体分を分
離し更にこれを水洗した後、強酸性陽イオン交換樹脂で
処理することにより、極めて高純度のl−リンゴ酸を製
造することが可能となる。なおl−リンゴ酸カルシウム
をバッチ式で処理する場合、必要ならば水を加えるなど
して10〜50W/V%好ましくは20〜40W/V%の濃度でおこな
うことが好ましい。また使用する強酸性陽イオン交換樹
脂の量は、カルシウム量に対して当量以上の交換容量と
なるように使用する。具体的にはカルシウム量に対して
1〜3倍当量より好ましくは1.2〜2倍等量である。バ
ッチ式でおこなう場合、温度は樹脂の耐熱温度以下であ
れば問題ないが室温程度で十分である。また処理時間
は、10分〜1時間位である。カルシウムイオン交換後、
樹脂に吸蔵されているl−リンゴ酸を水洗により回収す
る。菌体をロ別した後l−リンゴ酸水溶液を濃縮乾固す
ることによりl−リンゴ酸が高い収率で得ることができ
る。
実施例 次に実施例により本発明を具体的に説明する。
参考例 第1表に示した組成の倍地100mlを500mlの三角フラス
コに分注し、120℃で15分間加圧滅菌したものにエタノ
ールを2vol%無菌的に添加し、これにブレビバクテリウ
ム・フラバムMJ−233−AB−41を一白予耳量値菌し、30
℃にて24時間培養した。
この培養液20mlを2lジヤーフアーメンター中の第2表
に示した組成の倍地1lに接種し、33℃,pH7.6,通気量1vv
mの条件にして撹拌しエタノール濃度が1〜1.5vol%に
保たれるようにエタノールを断続的に添加した。30時間
の培養後、培養液を遠心分離(6000rpm,15分)して得た
菌体を供試菌体とした。
該菌体2.5gを50mlのpH6.0,0.2M,l−リンゴ酸ナトリウ
ム水溶液に懸濁し、45℃,2時間処理した。この後、遠心
分離にて集菌し、蒸留水10mlで2度洗浄した後、遠心集
菌した。
第1表 尿素 4.0g 硫酸アンモニウム 14.0g KH2PO4 0.5g K2HPO4 0.5g MgSO4・7H2O 0.5g FeSO4・7H2O 6.0mg MnSO4・4〜6H2O 6.0mg 酵母エキス 1.0g カザミノ酸 1.0g ビチオン 200 μg チアミン塩酸塩 100 μg 蒸留水 1000 ml 第2表 硫酸アンモニウム 23.0g KH2PO4 0.5g K2HPO4 0.5g MgSO4・7H2O 0.5g FeSO4・7H2O 20 mg MnSO4・4〜6H2O 20 mg 酵母エキス 3 g カザミノ酸 3 g ビチオン 200 μg チアミン塩酸塩 100 μg 蒸留水 1000 ml 実施例 pH計、かくはん器を備えた7の反応器に水酸化カル
シウム296g(4モル)および水4を仕込んだ。45℃で
加熱かくはんさせながらフマール酸を、pH値を測定しな
がら添加したところ400g添加したところでpH値が約6.5
で一定となった。つづけて参考例の方法で処理した菌体
を120g添加した。反応の進行とともにpH値が高くなるた
めフマール酸を徐々に添加しpH6.5〜7.3の範囲で反応を
おこなった。添加したフマール酸は64gで合計464g(4mo
l)となり、添加に要した時間は3時間でさらに1時間
加熱かくはんした。反応終了後、高温液体クロマトグラ
フで分析したところl−リンゴ酸カルシウムの収率は9
8.7%で未反応フマール酸は1.3%であった。
この反応混合物を遠心分離してl−リンゴ酸カルシウ
ムと菌体との混合固型物1040gを得た。このものを水1.5
で2回洗浄し遠心分離をそれぞれおこなった。分析の
結果l−リンゴ酸カルシウムが3.8molフマール酸カルシ
ウムが0.0015mol含まれていた。遠心分離して得た固研
物に水4を加え、かくはんしながらSK1B−H型(日本
錬水(株)製)4.6を添加し30分かくはんをつづけ
た。l−リンゴ酸を抜き出した後、更に樹脂を水4で
洗浄しl−リンゴ酸を回収した。菌体の混ざったl−リ
ンゴ酸水溶液から限外ロ過により除菌した。水を減圧留
去しl−リンゴ酸の結晶を得、乾燥した。収量488g(3.
64モル)で収率91%であった。なおフマール酸の含量は
0.05%以下であった。
融点99−100℃ ▲〔α〕20 D▼=−2.19゜(C=8.5,H2O)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−118735(JP,A) 特開 昭53−132520(JP,A) 特公 昭37−4511(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化カルシウム又は/及び酸化カルシウ
    ム水溶液にフマール酸を添加しつつpHを6〜9に保ち、
    フマラーゼの存在下に酵素反応させて得られるl−リン
    ゴ酸カルシウム反応混合物より、固体分を分離し、該固
    体分を水洗し、該水洗固体分と強酸性陽イオン交換樹脂
    とを水溶液中で接触させ、該水溶液を濾過して水を留去
    することを特徴とするl−リンゴ酸の製造法。
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