JP2001508300A - 結晶性アスパラギン酸の製造方法 - Google Patents

結晶性アスパラギン酸の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、(a)フマル酸ジアンモニウム1モル当たり約2モルのアンモニア源を使用してフマル酸ジアンモニウムを含む水溶液を形成するステップであって、前記アンモニア源の一部がこの方法の1つのステップから再循環されるステップ;(b)この方法の1つのステップを通じて得られるフマル酸ジアンモニウムを含む水溶液の組成を調節して約0.5M〜約2Mのフマル酸アンモニウム濃度及び約7〜約9のpHを有する溶液を形成するステップ;(c)前記調節された水溶液中のフマル酸ジアンモニウムをアスパラギン酸モノアンモニウムに酵素変換するステップ;(d)前記アスパラギン酸モノアンモニウムを含む溶液を、少なくとも50℃の高温で、少なくとも部分的にその酸性型にあるカチオン交換体に接触させることにより酸性化するステップであって、アンモニウムイオンが前記溶液から前記カチオン交換体に移行するとともにプロトンが前記カチオン交換体から前記溶液に移行することにより前記溶液中にアスパラギン酸が形成されるステップ;(e)前記アスパラギン酸を含む水溶液を前記アンモニウムイオンを有するカチオン交換体から分離するステップ;(f)ステップ(e)で形成された前記水溶液から周知の方法により前記アスパラギン酸を分離するステップ;(g)アンモニア源を形成する方法で、前記アンモニウムイオンを有するカチオン交換体を少なくとも部分的にその酸性型にあるカチオン交換体に再生するステップ;(h)前記変換されたカチオン交換体を分離し、ステップ(d)で再使用するステップ;及び(i)前記アンモニア源を分離し、ステップ(a)で再使用するステップを含むアスパラギン酸の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 結晶性アスパラギン酸の製造方法 本発明は結晶性アスパラギン酸の製造方法に関する。 アスパラギン酸は、分子式:HOOCCH2CH(NH3)COOで表される酸 性アミノ酸である。アスパラギン酸は、アスパルテーム(aspartame)甘味料の ような製品及び生分解性ポリマーであるポリアスパラギン酸(PAA)の形成に 使用される。後者は洗浄剤中のコビルダーとして又は金属イオン封鎖剤として、 他の用途で超吸収性ポリマーとして使用されているものである。PAAの生分解 性は非常に魅力のあるものであり、潜在的市場規模は大きい。しかしながら、そ れは、安価なアスパラギン酸の入手可能性及びアスパラギン酸の汚染を生じない 製造方法への利用可能性に強く依存する。 アスパラギン酸は、例えば米国特許第3,198,712号明細書及び対応す る英国特許第1,004,218号明細書に開示されているように、フマル酸ジ アンモニウムの酵素変換によって通常生産される。英国特許第1,004,21 8号明細書には、シュードモナストリフォリ(Pseudomonas trifolii)をフマル 酸及びフマレートからなる群から選ばれるフマル酸化合物とアンモニア及びアン モニウム塩からなる群から選ばれるアンモニア化合物と混合し、その結果得られ た混合物をほぼ中性の条件に保つことによりL−アスパラギン酸を形成し、前記 混合物からL−アスパラギン酸を回収することを含むL−アスパラギン酸の製造 方法が記載されているとともにクレームされている。フマル酸ジアンモニウムは 、通常、アンモニアとフマル酸を反応させて得られる生成物である。フマル酸は マレイン酸を変換して得られる生成物であり、マレイン酸は石油化学製品である 。 米国特許第3,391,059号明細書には、マレイン酸アンモニウムをアス パラギン酸(又はその塩)に直接変換することができる微生物を単離する方法が 記載されている。米国特許第4,013,508号明細書には、2種の異なる微 生物を利用する方法が記載されている。一方の微生物により炭化水素をフマル酸 に変換し、そのフマル酸を次に他方の微生物によりアスパラギン酸に変換する。 形成されるアスパラギン酸アンモニウムは、酵素、使用される栄養素、前記反 応の生成物等に由来する種々の不純物を含む。現在のところ、化学量論的量の無 機酸、例えば硫酸を添加することによりアスパラギン酸のほぼ等電点の範囲内の pHになるように酸性化して精製される。アスパラギン酸イオンは、両性イオン 型のアスパラギン酸に変換され、両性イオン型のアスパラギン酸は溶液から沈澱 する。この溶液は主構成成分として硫酸アンモニウムを含む。硫酸塩の存在によ って、汚染物が共沈するために、沈澱生成物の純度が減少する。汚染物の共沈は 高いイオン強度によって誘発される。また、硫酸塩の存在によって、溶液中のア スパラギン酸の溶解度が増加し、収率が減少する。この方法のもう1つの欠点は 、アンモニア及び硫酸の消費と低級肥料としてのみ使用できる塩の形成(ほとん どの場合に、溶液からアスパラギン酸を晶出させるためにエネルギ一及び設備に 関係する追加の費用がかかる)にある。 W.R.Graceに譲渡された米国特許第4,560,653号明細書及びMitsubis hiに譲渡された国際公開第WO9617950号公報には、フマレートイオンを 含む基質をアスパルターゼの存在下で反応させるL−アスパラギン酸の製造方法 であって、無水マレイン酸、マレイン酸又はその塩の添加によってフマレートイ オンを含む 基質を前記アスパルターゼ又はアスパルターゼを生産する微生物に接触させるこ とから生じる水溶液のpHを約3〜4に減少させ、上澄み相にマレイン酸をとど めたままL−アスパラギン酸を不溶性にすること、不溶性L−アスパラギン酸を 除去すること、上澄み相中のマレイン酸をフマル酸に異性化させること、上澄み 相のpHを約8〜9に調節すること、及び上澄み相をアスパルターゼ又はアスパ ルターゼを生産する微生物に接触させることを改良点とする方法がクレームされ ている。 この思想にさらに改良を加えたものが米国特許第5,541,090号明細書 に提案されている。アスパラギン酸アンモニウム溶液の酸性化において形成され るマレイン酸アンモニウムはアスパラギン酸アンモニウムに直接的に生物学的に 変換される。すなわち、前記特許明細書には、(1)(A)マレエートイソメラ ーゼ活性及びアスパルターゼ活性を有する酵素含有物質又は(B)マレエートイ ソメラーゼ活性を有する酵素含有物質及びアスパルターゼ活性を有する酵素含有 物質と、マレイン酸及びアンモニア及び/又はマレイン酸アンモニウムを含む基 質含有溶液とを接触させてL−アスパラギン酸を形成するステップ;及び(2) 無水マレイン酸及び/又はマレイン酸を反応溶液に加えてL−アスパラギン酸を 結晶化させることを特徴とする、反応溶液からL−アスパラギン酸を回収するス テップ;並びに(3)アンモニアを添加することにより基質溶液として母液を回 収するステップを含むL−アスパラギン酸の製造方法が記載及びクレームされて いる。 米国特許第4,560,653号及び第5,541,090号明細書並びに国 際公開第WO9617950号公報に記載されている方法は、マレイン酸による 酸性化を通じて、アンモニアと硫酸の消費に関わる問題及び硫酸アンモニウムの はけ口を見いだすことに関 わる問題を解消するものであるが、他の欠点がある。アスパラギン酸は依然とし てイオン強度が高い溶液から沈澱し、その純度に悪影響を及ぼす。結晶中にマレ イン酸も存在することが確認されている。アスパラギン酸は母液中に残留する。 そのような酸性化の際に母液中で形成されたマレイン酸アンモニウムがフマル酸 アンモニウムに完全に変換されないかぎりマレイン酸はなくならず再循環される 。しかしながら、この場合には、フマレートのアスパルテートへの生物学的変換 から生じる不純物のためのはけ口がないために、マレエート及び他の供給源から フマレートへの化学変換を行うことができない。それらの不純物の排除は、母液 からの著しいブリードは避けがたく、生成物及び試薬の損失を伴う。さらに、ア スパラギン酸を著しく高い濃度で含む溶液の再循環は、フマレートのアスパルテ ートへの生物学的変換を阻害しうる。 他の特許明細書、例えばヨーロッパ特許出願公開第588,674号明細書及 び米国特許第5,488,155号明細書には、フマル酸によりアスパラギン酸 アンモニウム溶液を酸性化してアスパラギン酸を沈澱させ、フマル酸アンモニウ ムを形成させることが提案されている。 より最近の特許、すなわち米国特許第5,530,160号では、フマル酸が アルコール溶液で加えられる。すなわち、この特許明細書には、加えられるフマ ル酸と存在するアスパラギン酸アンモニウムのモル比が0.05〜0.8程度に なるようにフマル酸のアルコール溶液を使用してアスパラギン酸アンモニウムを 処理することを含むL−アスパラギン酸の製造方法が記載及びクレームされてい る。前記アルコール溶液はその重量の1〜15重量%程度のフマル酸を含む。 アスパラギン酸アンモニウム溶液にマレイン酸の代わりにフマル 酸を加えることによって、費用を抑え、溶液中でマレエートをフマレートに変換 することに関係する汚染が回避される。その溶液はフマレートのアスパルテート への変換にかけられる。しかしながら、生成物の純度、損失に関係する他の難題 及び再循環されたアスパラギン酸による生物学的変換の減速に関係する他の難題 は全く解決されない。 これらの難題に加え、これらの特許発明には共通の欠点がある。効率的である ためには、これらの特許発明は酸性型にあり且つ比較的純粋な形態にあるフマル 酸又はマレイン酸の使用を必要とする。この必要性は、これらの酸が石油化学プ ロセスに由来するものである限り問題にならないが、発酵ルートでは実際的に不 可能である。 フマル酸は過去に発酵により生産された。カルシウム塩基、たいてい炭酸カル シウムが発酵において中和剤として使用された(フマル酸カルシウムが生じる) 。硫酸を用いる酸性化により石膏及びフマル酸を形成させて前記塩からフマル酸 が回収される。この方法には多くの難題がある。それらのうちの幾つかは、中和 剤、発酵生成物、フマル酸カルシウム、最終生成物、フマル酸及び副生成物であ る石膏は全て水への溶解度が低く、その低い溶解度が試薬、生成物及び副生成物 の分離並びにそれらとバイオマスとの分離を妨げるということに由来する。もう 1つの問題は石灰と硫酸の消費及び処理されるべき石膏の形成に由来する。これ ら及び他の重大な欠点、例えば発酵における比較的低い収率及び比較的低い生産 性は、発酵により生産されるフマル酸を、石油化学的に生産されるフマル酸より も高価なものにする。発酵ルートは40年代に廃れた。 さらに、発酵ルートには不純物に関係する重大な問題がある。フマル酸は、従 来技術によると、発酵において形成される酸のわずかに約80%を構成する。典 型的には、発酵において、リンゴ酸、コ ハク酸及びα−ケトグルタル酸並びにグリセロールも形成される。さらに、発酵 において形成される液体は利用されなかった炭水化物、加えられた栄養素に由来 する無機アニオン及びカチオン、アミノ酸、タンパク質、バイオマス等を含む。 この発酵において、前述の通りの試薬及び生成物の低い溶解度に関係する難題を 考慮すると、これらの不純物の多くがフマレートの酵素変換(生物学的変換とも 呼ばれる)及び最終的にアスパラギン酸アンモニウムなるまで同伴することが予 測されるであろう。これらは、生物学的変換により形成されたアスパラギン酸ア ンモニウムからのアスパラギン酸の結晶化に関係する困難性をよりいっそう増加 させる。 この現在の技術水準に留意すると、無機酸を消費せず、アンモニア有用物の実 質的な減少なしに、そして副生成物の塩が著しい量で形成することなく、純粋な 形態のアスパラギン酸を高収率で回収できることを発見したのは驚くべきことで ある。さらに、フマレート有用物が炭水化物の発酵から生成する方法でそれを達 成できることを驚くべきことに発見した。 すなわち、本発明によると、(a)フマル酸ジアンモニウム1モル当たり約2 モルのアンモニア源を使用してフマル酸ジアンモニウムを含む水溶液を形成する ステップであって、前記アンモニア源の一部がこの方法の1つのステップから再 循環されるステップ;(b)この方法の1つのステップを通じて得られるフマル 酸ジアンモニウムを含む水溶液の組成を調節して約0.5M〜約2Mのフマル酸 アンモニウム濃度及び約7〜約9のpHを有する溶液を形成するステップ;(c )前記調節された水溶液中のフマル酸ジアンモニウムをアスパラギン酸モノアン モニウムに酵素変換するステップ;(d)前記アスパラギン酸モノアンモニウム を含む溶液を、少なくとも50℃の高温で、少なくとも部分的にその酸性型にあ るカチオン交 換体に接触させることにより酸性化するステップであって、アンモニウムイオン が前記溶液から前記カチオン交換体に移行するとともにプロトンが前記カチオン 交換体から前記溶液に移行することにより前記溶液中にアスパラギン酸が形成さ れるステップ;(e)前記アスパラギン酸を含む水溶液を前記アンモニウムイオ ンを有するカチオン交換体から分離するステップ;(f)ステップ(e)で形成 された前記水溶液から周知の方法により前記アスパラギン酸を分離するステップ ;(g)アンモニア源を形成する方法で、前記アンモニウムイオンを有するカチ オン交換体を少なくとも部分的にその酸性型にあるカチオン交換体に再生するス テップ;(h)前記変換されたカチオン交換体を分離し、ステップ(d)で再使 用するステップ;及び(i)前記アンモニア源を分離し、ステップ(a)で再使 用するステップを含むアスパラギン酸の製造方法が提供される。 好ましくは前記アンモニア源はアンモニア、炭酸アンモニウム及び炭酸水素ア ンモニウムからなる群から選ばれる。 本発明の好ましい態様において、フマル酸ジアンモニウムを含む前記水溶液は 発酵により形成され、ステップ(a)における前記形成用の原料は前記フマル酸 ジアンモニウムを製造するための原料として使用される炭化水素である。最初の ステップにおいて、炭水化物を含む媒体がフマル酸を生産する微生物により発酵 される。炭水化物の前記発酵は典型的にはムコラレス(Mucorales)、特にリゾ プスアリッツァス(Rhizopus arrhizus)、リゾプスオリザック(Rhizopus oryz ac)、リゾプスニグリカンス(Rhizopus nigricans)又は他の関連する属に属す る微生物を使用する。カンジダ(Candida)のような他の微生物が代わりに使用 されてもよい。発酵媒体は、炭水化物に加えて窒素源及び無機物のような栄養素 を含む場合がある。適切な窒素源には、尿素、塩化アンモニウム、硫酸アンモ ニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、アス パラギン酸加水分解物及びタンパク質加水分解物が包含される。これらの中で、 尿素及び硫酸アンモニウムが好ましい。培地に加えられる無機塩には、ホスフェ ート、硫黄、鉄、マグネシウム及び亜鉛の供給源が包含される。ホスフェートの 適切な供給源には、一塩基性若しくは二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性若し くは二塩基性リン酸カリウム、リン酸水素アンモニウム、又はこれらの混合物が 包含される。発酵に使用される適切な無機塩には、硫酸亜鉛、酒石酸鉄(III) 若しくは塩化鉄(III)のような鉄塩、及び硫酸マグネシウムが包含される。ビ タミン供給源としてトウモロコシ抽出液又はビオチンを加えてよい。発酵は約2 5℃〜約35℃、好ましくは約33℃〜約35℃の温度で行われる。 本発明の特に好ましい態様において、(a)フマル酸を生産する微生物により 炭水化物を含む媒体を発酵させることによってフマレート含有発酵液を形成する ステップ;(b)この方法の1つのステップを通じて得られるフマル酸ジアンモ ニウムを含む水溶液の組成を調節して約0.5M〜約2Mのフマル酸アンモニウ ム濃度及び約7〜約9のpHを有する溶液を形成するステップ;(c)フマル酸 ジアンモニウムをアスパラギン酸モノアンモニウムに酵素変換するステップ;( d)前記アスパラギン酸モノアンモニウムを含む溶液を、少なくとも50℃の高 温で、少なくとも部分的にその酸性型にあるカチオン交換体に接触させることに より酸性化するステップであって、アンモニウムアニオンが前記溶液から前記カ チオン交換体に移行するとともにプロトンが前記カチオン交換体から前記溶液に 移行することにより前記溶液中にアスパラギン酸が形成されるステップ;(e) 前記アスパラギン酸を含む水溶液を前記アンモニウムイオンを有するカチオン交 換体から分離するステップ;(f)ステ ップ(e)で形成された前記水溶液から周知の方法により前記アスパラギン酸を 分離するステップ;(g)この方法の1つのステップを通じて得られるフマル酸 モノアンモニウム、フマル酸又はそれらの混合物の水溶液により前記アンモニウ ムイオンを有するカチオン交換体を再生するステップであって、プロトンが前記 溶液から前記カチオン交換体に移行するとともにアンモニウムイオンが前記カチ オン交換体から前記溶液に移行して前記溶液中にフマル酸ジアンモニウムが形成 されるステップ;(h)少なくとも部分的にその酸性型にあるステップ(g)か ら得られる前記カチオン交換体を分離してステップ(d)で再使用するステップ ;及び(i)ステップ(g)から得られる前記フマル酸ジアンモニウムを分解さ せてフマル酸モノアンモニウム、フマル酸又はそれらの混合物を形成するととも にアンモニア源を形成し、前記分解生成物を再使用するステップ;を含む先に規 定したような方法が提供される。 菌類は酸性条件中で十分に成長する。しかしながら、発酵媒体中でのフマル酸 の形成が発酵に負の影響を及ぼすために、発酵は典型的にはpHがおよそ4〜7 のわずかに酸性のpHで行われる。典型的には、中和剤として塩基が直接加えら れ、フマル酸塩が形成される。酸性塩というよりもむしろフマル酸の中性塩が形 成される。アンモニア並びにアンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属 の水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩からなる群から前記中和剤を選ぶことができ る。中和剤として炭酸カルシウムが使用され、フマル酸カルシウムが形成される ことが最も好ましい。 本発明の好ましい態様において、炭水化物は、低級小麦スターチフラクション 及び糖蜜等の、デキストロース、好ましくはシリアルスターチから生産されたデ キストロースから選ばれる。 代わりに、フマル酸は、例えば水に不混和性の液体又は固体塩基 性抽出剤若しくは吸着剤への結合により、発酵媒体から連続的に除去される。そ の目的のために、塩基性抽出剤、例えば長鎖アミンを含む種類の塩基性抽出剤、 又は非第4級アミン官能基を有するアニオン交換体又はピリジン系樹脂のような 塩基性樹脂を使用することができる。アニオン交換体が比較的強いものであるこ とが好ましく、5よりも大きいpKaを有するものであることが最も好ましい。 フマル酸は、塩基を消費してフマル酸塩を形成する塩基性溶液との接触により前 記抽出剤又は吸着剤から回収することができる。この塩基の使用は、以下で間接 的中和と呼ぶ。これは塩基を前記発酵において中和剤として直接的又は間接的に 使用できることから理解されるであろう。その目的のための塩基は、アンモニア 並びにアンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩及 び炭酸水素塩から選ばれることが好ましい。この塩基がアンモニアであることが 最も好ましい。 フマル酸アンモニウムはアスパラギン酸アンモニウムに酵素変換される。通常 、この変換はフマル酸ジアンモニウムが基質であるためにわずかに酸性の媒体中 で行われる。発酵において形成されるフマル酸アンモニウムは前記酵素変換に送 られる(フマル酸アンモニウムなる用語は、ここで使用する場合に、特に断らな い限り、フマル酸モノアンモニウム、フマル酸ジアンモニウム、又はこれらの組 み合わせを意味する)。炭酸カルシウムが中和剤であり且つフマル酸カルシウム が生成物である好ましい態様の場合におけるように発酵によって他のフマル酸塩 が生成する場合において、この塩はフマル酸アンモニウムに変換される。これは 、アンモニア、炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムを用いる直接反応又 は間接反応により実施されることが好ましい。 最も好ましい態様はイスラエル国特許第116,849号明細書 に記載されており、その教示は引用によりここに含まれていることにする。発酵 において沈澱したフマル酸カルシウムは発酵液から分離され、洗浄され、水に懸 濁されるか又は前のステップからの水溶液に懸濁され、高温で溶解される。フマ ル酸カルシウム溶液は、必要であれば、膜濾過、イオン交換、活性炭処理、溶剤 抽出等のような方法により精製することができる。次に、フマル酸カルシウムが 再結晶化されることが好ましい。再結晶化の後、フマル酸カルシウムを、アンモ ニアとCO2又は炭酸アンモニウム若しくは炭酸水素アンモニウム又はそれらの 混合物と反応させる。反応媒体のpHがまず約10〜11に調節されることが好 ましい。高温及び高いCO2圧力は必要ではない。反応においてフマル酸カルシ ウムはフマル酸アンモニウムに変換される。その反応における水の量は、形成さ れるフマル酸アンモニウムが十分に、好ましくは10%よりも高い濃度に、さら に好ましくは13%よりも高い濃度に濃縮されるように調節される。炭酸カルシ ウムは副生成物として形成され、フマル酸アンモニウム溶液から分離され、炭水 化物のフマル酸への発酵において中和剤として再使用される。炭酸カルシウムを 発酵への再循環前に焼成してその中に残留したバイオマスを除去することが好ま しい。最も好ましい態様において、焼成されたカルシウム塩基は水中でクエンチ され、再使用するまでそのまま水に懸濁させておく。この水への懸濁は、バイオ マスを燃焼することによって生じる灰及び先の発酵ステップからの残留する他の 灰を除去することに役立つ。 好ましい態様において、発酵において直接形成されたフマル酸アンモニウム又 は発酵においてその他のフマル酸塩の変換を通じて間接的に形成されたフマル酸 アンモニウムはアスパラギン酸アンモニウムへの酵素変換前に精製される。精製 は、再結晶化、膜濾過、イ オン交換、活性炭処理、溶剤抽出等のような周知の方法で実施することができる 。 もう1つの好ましい態様において、フマル酸アンモニウムは、フマル酸カルシ ウムを形成するカルシウム化合物との反応を通じて精製される。所望であれば、 前記フマル酸カルシウムは、他の周知の手段により再結晶化及び精製される。次 に、フマル酸カルシウムは前述の手段によりフマル酸アンモニウムに変換される 。さらに好ましい態様において、前記カルシウム化合物は、酸化カルシウム、水 酸化カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸水素カルシウムからなる群から選ばれ るカルシウム塩基である。最も好ましい態様において、前記カルシウム塩基は、 フマル酸カルシウムのフマル酸アンモニムへの変換から再循環された炭酸カルシ ウムから得られるものである。 前述のように、フマル酸アンモニウムは酵素的に触媒される反応でアスパラギ ン酸アンモニウムに変換される。典型的には、アスパラギン酸アンモニウムのほ とんどはアスパラギン酸モノアンモニウムであるが、少量のフラクションがアス パラギン酸ジアンモニウムの形態をとる場合がある。アスパラギン酸アンモニウ ムなる用語は、ここで使用する場合に、特に断らない限り、アスパラギン酸モノ アンモニウム及びそれとアスパラギン酸ジアンモニウムとの混合物の両方を意味 する。 酵素反応は酵素アスパルターゼにより触媒される。この酵素は、適切な培地で 培養された多くの微生物、例えば大腸菌(E.coli)、ブレビバクテリウム属の菌 種(Brevibacterium sp)、シュードモナス属の菌種(Pseudomonas sp)から生 産することができる。アスパラギン酸アンモニウムの形成は、フマル酸アンモニ ウム溶液を細菌培養液又は透過性冗進細胞、細胞粗抽出液若しくは精製されたア スパルターゼに直接接触させることにより得ることができる。細菌培養液を直接 使用する場合には、フランス特許出願公開第2,197,979号明細書(19 72年)に記載されている方法を用いることができる。細胞培養液、細胞、細胞 抽出物又は酵素自体を直接使用するか又は固定化された調製物として使用できる 。固定化された調製物の例は、細胞、細胞抽出物又は酵素を支持体、担体又は塩 基、例えばポリアクリルアミドゲル、硫黄含有多糖(例えばカラゲーナン、フル セララン等)、ゲル、コラーゲンゲル、アルギン酸ゲル、ポリビニルアルコール ゲル、寒天ゲル、樹脂等に固定化することにより得られる。 変換に送られる供給物中のフマル酸アンモニウム濃度は典型的には約0.5M 〜約2Mである。酵素の安定性を向上させるために、カルシウムイオン、マグネ シウムイオン、マンガンイオン、ストロンチウムイオン等のような二価金属イオ ンを加えることが通常好ましい。二価金属イオンの量は約0.1〜10mMであ る。反応は約20℃〜60℃の温度及び好ましくは7〜9の間のpHで実施され る。変換の収率は典型的には90%〜100%である。 アスパラギン酸のpKaは1.88、3.65及び9.60であり、その等電 点(pI)は2.77である。変換で得られるアスパルテート含有溶液はほぼ中 性であるか又はほんのわずかに塩基性である。これらの条件では、両方のカルボ ン酸官能基が負電荷を帯びる。それらのうちの1つは正電荷を帯びたアンモニウ ム基で釣り合いがとれ、もう一方はほとんどの場合にカチオンであるアンモニウ ムにより釣り合いがとれる。カチオン交換体との接触を通じて溶液は酸性化され 、それらの官能基は少なくとも部分的にブロトン型をとる。接触によりカチオン 交換が起こり、溶液に由来するカチオンが吸着され、プロトンがカチオン交換体 から溶液に移行し、そのp Hが低下する。これらのプロトンはアスパルテート上のカルボン酸基のうちの少 なくとも1つと反応し(3.65のpKaに関係するほうの反応)、両性イオン を形成する。 両性イオンの形態にあるアスパラギン酸の溶解度は低く、カチオン交換体での その再結晶化は樹脂を損傷しその作用を妨害する場合がある。温度を上昇させる ことが常にこの問題を解決するとは限らない。第1に、樹脂の熱安定性により限 界があり、第2に、樹脂の細孔内の条件は独立した溶液中の条件と異なる。従っ て、特開平6−17346号公報によると、グルタミン酸を含む溶液をカチオン 交換樹脂に接触させる場合には、そのような結晶化を妨げるために尿素を加える 。本発明に係る方法の場合には、樹脂中でのアスパラギン酸の結晶化から著しい 問題を生じさせずに、カチオン交換体による酸性化を実施することができる。 酸性化された溶液を、アンモニウムイオンを有するカチオン交換体から分離し 、カチオン交換体を酸性溶液との接触で再生する。分離は、酸性化ステップの温 度よりもかなり低い温度に溶液を冷却することなく実施されることが好ましい。 アスパラギン酸は、周知の方法によりカチオン交換体との接触で形成されたア スパラギン酸含有水溶液から分離される。好ましくは、この分離は結晶化により 、例えば冷却及び/又は水の蒸発又は溶剤の添加により実施される。 本発明の方法は、追加のステップによって、母液からアスパラギン酸を高い収 率で回収する可能性を与える。この母液を強酸カチオン交換体に接触させる際に 、アスパラギン酸はカチオン交換体から新たにプロトンを得て、カチオン型に変 換する。そのようにしてアスパラギン酸は母液から出る。 従って、好ましい態様において、その酸性型にある強酸カチオン 交換体をアスパラギン酸結晶化の母液に接触させる。母液中に含まれるアスパラ ギン酸は吸着される。このステップから得られるアスパラギン酸を有するカチオ ン交換体を、変換ステップで得られたアスパラギン酸塩の溶液に接触させる。そ の結果、アスパラギン酸塩のカチオンが樹脂に結合し、次いで、吸着されたアス パラギン酸は溶液中に遊離する。遊離したアスパラギン酸は分離され、アスパラ ギン酸結晶化又はさらなる酸性化に送られ、カチオン交換体は再生用酸性溶液に より再生される。前記酸性溶液は、フマル酸、フマル酸モノアンモニウム及びそ れらの混合物からなる群から選ばれる溶質を好ましくは含む。より好ましくは、 前記溶液は本発明の方法の他のステップで得られる。 現在の工業的方法におけるような損失又は米国特許第4,560,653号、 第5,541,090号、第5,488,155号及び第5,530,160号 明細書;ヨーロッパ特許出願公開第588,674号明細書並びに国際出願公開 第9617950号公報に示唆されているようなアスパラギン酸の変換反応への 望ましくない再循環が避けされる。その結果、結晶化における条件を無理に最大 収率になるようにする必要はない。生成物の収率が最大になるように条件を調節 することができる。さらに、媒体中での酵素のより高い安定性及び/又は反応性 が好ましい場合には、全体的回収率を低下させることなく、必要であれば、生体 変換ステップを比較的低い塩濃度でおこなってもよい。 弱酸カチオン交換体と強酸カチオン交換体を順次使用することがある状況にお いて好ましい場合がある。その場合に、生物学的変換反応において得られたアス パラギン酸塩を含む水溶液をまず弱酸カチオン交換体に接触させ、母液との接触 により生じた溶液を強酸カチオン交換体に接触させる。その接触において得られ る水溶液はア スパラギン酸結晶化に送られる。樹脂の再生は次の順序で行われる:再生用酸性 溶液をまず強酸カチオン交換体に接触させ、次に弱酸カチオン交換体に接触させ る。この手法では、過剰の再生用の酸性溶液は必要でない。 得られる独立した母液は、種々の供給源に由来する不純物の大部分を含む。母 液は実質的にアスパラギン酸を含まないために、アスパラギン酸を(直接的又は 間接的に)酵素変換に再循環させる必要はない。従って、系中での不純物の再循 環及びそれらの形成が妨げられる。 アスパラギン酸アンモニウムの酸性化ステップにおいて形成されたアンモニウ ムイオンを有するカチオン交換体は、再使用のためにその少なくとも部分的にそ の酸性型に再生される。その方法ではアンモニア源が形成される。アンモニア源 は、アンモニア、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムからなる群から選 ばれる。無機酸の酸性又は中性アンモニウム塩を形成する再生方法が好ましいこ とに回避される。従って、硫酸のような強い無機酸による処理で、前記酸の中性 アンモニウム塩、例えば硫酸アンモニウムが形成される。発酵における少量は別 として、硫酸アンモニウムは望ましくなく、避けられるか又は制限されるべきで ある。 好ましい態様において、アンモニウムイオンを有するカチオン交換体は試薬と してのCO2により好ましくは加圧下で処理される。炭酸アンモニウム若しくは 炭酸水素アンモニウム又はそれらの混合物の溶液を再使用のためのアンモニア源 として形成する。そのような溶液はそのままで再使用されるか又は濃縮若しくは 蒸留のような処理の後に再使用される。前記蒸留によって、アンモニア又はCO2 とのアンモニア混合物が形成され、場合によっては水蒸気も発生する。これら は次にアンモニア源として使用される。 アスパラギン酸アンモニウムを酸性化するために使用されるカチオン交換体は 好ましくは弱酸性であるか又は中間の酸性を有する。強酸カチオン交換体、例え ばスルホネート型の強酸カチオン交換体は、変換されてそれらの部分的酸性形態 に戻ることが比較的強い酸を必要とするため、避けられることが好ましい。また 、本発明の好ましい態様のうちの1つの態様によると、フマル酸が形成される。 この目的のため及び母液の結晶化からアスパラギン酸を回収するために使用され る強酸カチオンの再生のためにこのフマル酸を使用することができる。 代わりに、カチオン交換体を再生するための試薬としてのCO2の使用に対し て、フマル酸モノアンモニウム、フマル酸又はそれらの混合物を含む溶液を使用 することによってプロトンを前記溶液からカチオン交換体に移行させるとともに アンモニウムイオンを前記カチオン交換体から前記溶液に移行させてその溶液中 にフマル酸ジアンモニウムを形成することができる。 前記アンモニウムを有するカチオン交換体の再生用のフマル酸モノアンモニウ ム、フマル酸又はそれらの混合物は、アンモニア塩基も形成する方法でフマル酸 ジアンモニウムを分解させることにより得られる。 好ましい態様によると、発酵により得られるフマル酸ジアンモニウムを分解さ せる。もう1つの好ましい態様によると、前記再生ステップで形成されるフマル 酸ジアンモニウムを分解させる。 1つの好ましい態様によると、発酵により得られるフマル酸ジアンモニウムを 、調節した後、酵素変換に送る。もう1つの好ましい態様によると、前記再生ス テップで形成されるフマル酸ジアンモニウムを、調節した後に、酵素変換に送る 。前記調節は、濃度及びpH並びに必要な場合に添加される成分、例えば二価金 属塩を酵素変 換ステップで調節するようなステップからなる。 そのような調節は、再結晶化、膜濾過、膜透析又は電気透析、イオン交換、活 性炭処理、溶剤抽出等のような周知の方法による生成ステップからなっていても よい。好ましい態様において、フマル酸モノアンモニウム及びアンモニウム塩へ の前記分解は精製手段としての役割を果たす。フマル酸モノアンモニウムはかな り純粋な形態で溶液から晶出する。このフマル酸モノアンモニウムは、必要であ れば、例えば再結晶化によりさらに精製される。さらに好ましい態様において、 この精製されたフマル酸モノアンモニウムはアンモニウムイオンを有するカチオ ン交換体との接触によりフマル酸ジアンモニウムに変換される。例えば、フマル 酸ジアンモニウムはアスパラギン酸アンモニウムの酸性化により形成され、洗浄 後、形成されたフマル酸ジアンモニウム溶液は、調節後に、酵素変換に送られる 。 もう1つの好ましい態様において、フマル酸アンモニウムはカルシウム化合物 との反応を通じて精製される。その反応でフマル酸カルシウムが生成する。前記 フマル酸カルシウムは結晶化され、所望であれば、周知の方法で再結晶化及び精 製される。次に、前記フマル酸カルシウムは、前述の手段により変換されてフマ ル酸アンモニウムに戻る。さらに好ましい態様において、カルシウム化合物は、 酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸水素カルシウムか らなる群から選ばれるカルシウム塩基である。最も好ましい態様において、前記 カルシウム塩基は、フマル酸アンモニウムへのフマル酸カルシウムの変換から再 循環された炭酸カルシウムから得られるものである。 フマル酸ジアンモニウムの前記分解は、 (I)電気透析による水の分割; (II)CO2圧力下で抽出剤に接触させることによりフマル酸を抽出する方法 ; (III)少なくとも部分的にその酸性型にあるカチオン交換体との接触による 酸性化によって、アンモニウムイオンを前記溶液から前記カチオン交換体に移行 させてアンモニウムイオンを有するカチオン交換体を形成させるとともにプロト ンを前記カチオン交換体から前記溶液に移行させてフマル酸モノアンモニウムを その溶液中で形成させる方法;及び (IV)熱分解; からなる群から選ばれる少なくとも1つの方法により実施されることが好ましい 。 電気透析による水の分割は、バイポーラ膜(bipolar membranes)等の帯電膜 を含む装置及び駆動力として電気的エネルギーを利用することにより達成される 。フマル酸ジアンモニウムはアンモニア及びフマル酸及び/又はフマル酸モノア ンモニウムに分割されうる。アンモニアは比較的濃縮された溶液として得られ、 そのままで又は蒸留後にアンモニア源として使用することができる。ほとんどの 場合において、フマル酸モノアンモニウムは、その高い溶解度に帰因してバイポ ーラ膜の動作を阻害する結晶が発生する恐れがないために、他の生成物としては 好ましいものである。 CO2加圧下でフマル酸ジアンモニウム水溶液を適切な水に不混和性の塩基に 接触させることによって、前記塩基へのフマル酸の結合形成が起こり、炭酸アン モニウム又は炭酸水素アンモニウムが形成される。そのような水に不混和性の塩 基は、抽出剤及び塩基性固体吸着剤からなる群から選ばれる。適切な抽出剤は、 全炭素数が少なくとも18である高分子量アミンを含む。脂肪族の第2級又は第 3級アミンであるものが好ましい。アミンは溶剤又は溶剤混合物に 溶解される。そのような溶剤が抽出促進剤として作用するアルカノールを含むこ とが好ましい。塩基性固体吸着剤は、非第4級アミン基を有するアニオン交換体 又はピリジン系樹脂である。結合したフマル酸は、高温、好ましくはほぼ100 ℃又は100℃よりも高い温度での水洗によりストリップすることができる。比 較的強い水に不混和性の塩基の場合には、結合した酸の完全なストリッピングは 大容量の水を必要とし、結局、稀フマル酸溶液となる。代わりに、フマル酸を担 持した塩基をフマル酸ジアンモニウム水溶液でストリップする。フマル酸は前記 溶液に移行してその中でフマル酸モノアンモニウムを形成する。好ましい態様に おいて、フマル酸モノアンモニウムは形成された溶液から晶出し、残りの溶液を 再使用してフマル酸ジアンモニウムを含むストリッピング溶液を形成する。もう 1つの好ましい態様において、CO2中での接触並びに水及び/又はフマル酸ジ アンモニウム水溶液によるストリッピングは向流モードで実施される。さらに好 ましい態様において、結合したフマル酸の一部は水によりストリップされ、次に 結合したフマル酸の他の一部がフマル酸ジアンモニウム水溶液によりストリップ される。 代わりに、フマル酸ジアンモニウム水溶液を、少なくとも部分的にその酸性型 にあるカチオン交換体に接触させることにより酸性化する。アンモニウムイオン は前記水溶液からカチオン交換体に移行し、プロトンは前記カチオン交換体から 溶液に移行してその中でフマル酸モノアンモニウムを形成する。アンモニウムイ オンを有するカチオン交換体から溶液が分離され、カチオン交換体は、好ましく はまず水又は水溶液で洗浄した後に、少なくとも部分的に酸性型に変換される。 好ましくはこの再生はCO2加圧下にある水により達成される。炭酸水素アンモ ニウム、炭酸アンモニウム又はそれらの混合物を含む水溶液を形成し、次にアン モニア源として使用する。 好ましい態様において、前記分離された水溶液は、それからフマル酸モノアンモ ニウムを調製するために好ましくは結晶化により処理される。残りの溶液はアン モニア源及びフマル酸アンモニウム又はフマル酸へのさらなる分解のためにフマ ル酸ジアンモニウム水溶液を再構成することに好ましくは使用される。 もう1つの代替手法において、フマル酸ジアンモニウムはアンモニア及びフマ ル酸ジアンモニウムに熱分解される。固体フマル酸ジアンモニウム又はその溶液 の100℃より高い温度、より好ましくは150℃より高い温度への加熱によっ て、アンモニアが気相に移行し、フマル酸ジアンモニウムの少なくとも一部がフ マル酸モノアンモニウムに変換される。前記アンモニアは回収され、アンモニア 源として使用される。好ましい態様において、前記フマル酸モノアンモニウムは 分解生成物から好ましくは結晶化により分離される。分解生成物の残りは、アン モニア源及びフマル酸モノアンモニウム又はフマル酸へのさらなる分解のための フマル酸ジアンモニウム供給物を再構成するために使用されることが好ましい。 フマル酸ジアンモニウムを酸性化するために使用されるカチオン交換体は、弱 酸又は中間の酸強度を示すカチオン交換体からなる群から選ばれる。アスパラギ ン酸アンモニウムの酸性化に使用されるものと同じカチオン交換体であっても同 様な酸性度を有するカチオン交換体であってもよい。フマル酸ジアンモニウムを 酸性化するために使用されるカチオン交換体は酸性度が若干低いほうが好ましい 。 好ましい態様において、フマル酸ジアンモニウムの分解により形成されたフマ ル酸モノアンモニウムを含む水溶液を、適切な水に不混和性の塩基に接触させる 。この接触によって、フマル酸が水に不混和性の塩基に結合するためにフマル酸 ジアンモニウムの不均化が 起こり、フマル酸モノアンモニウムはフマル酸ジアンモニウムに変換される。そ のような水に不混和性の塩基は抽出剤及び塩基性固体吸着剤からなる群から選ば れる。適切な抽出剤は、全炭素数が少なくとも18である高分子量アミンを含む 。脂肪族の第2級又は第1級アミンであるものが好ましい。アミンが溶剤又は溶 剤混合物に溶解される。そのような溶剤が抽出促進剤として作用するアルカノー ルを含むことが好ましい。塩基性固体吸着剤は、非第4級アミン基を有するアニ オン交換体又はピリジン系樹脂である。水に不混和性の塩基はCO2加圧下での フマル酸ジアンモニウムの分解に使用されるものと同様なものであっても同様な 塩基性を有するものであってもよい。塩基性が若干低いものが好ましい。結合し たフマル酸は、高温、好ましくはほぼ100℃又は100℃よりも高い温度での 水洗によりストリップすることができる。代わりに、前述のような水によるスト リッピングとフマル酸ジアンモニウム溶液によるストリッピングの組み合わせを 行うことができる。好ましい態様において、フマル酸モノアンモニウムとの接触 及び水によるストリッピングは向流モードで実施される。 従って、電気透析による水の分割、CO2加圧下での水に不混和性の塩基との 接触、熱分解、及び少なくとも部分的に酸性型にあるカチオン交換体との接触に よる酸性化は、フマル酸ジアンモニウムのアンモニウム源、フマル酸、フマル酸 モノアンモニウム又はそれらの組み合わせへの分解をもたらす。前記アンモニウ ム源はアンモニア、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム又はそれらの組み 合わせである。アンモニア源は発酵において中和剤として又は前記発酵において 形成されるフマレートをフマル酸アンモニウムに変換させるために使用される。 フマル酸アンモニウム又はフマル酸は、アスパラギン酸アンモニウムの酸性化に おいて形成されるアンモニ ウムイオンを有するカチオン交換体を再生するために又はアスパラギン酸を結晶 化させる再に形成される母液からアスパラギン酸を回収するために使用される。 フマル酸モノアンモニウムが形成されるこれらの場合において、フマル酸モノア ンモニウムを含む溶液からそれを晶出させることが好ましく、精製のために再結 晶化させることがより好ましい。 本発明の特徴がより完全に理解されその真価が認められるように以下の例にお いて特定の好ましい態様に関連して本発明を説明するが、これらの特定の態様に 本発明を限定することを意図したものではない。それどころか、請求の範囲によ り規定されるような本発明の範囲に含まれるであろう全ての代替態様、変更及び 等価物を包含することを意図したものである。従って、好ましい態様を含む以下 の例は、本発明の実施化を例示することに役立つであろうし、示されている詳細 はたんに例示のため及び本発明の好ましい態様の例示的説明のためのものであっ て、本発明の系統的手順並びに原理及び概念的性質を説明するのに最も有用であ り容易に理解されるであろうと考えられることを示すためのものである。例1 5kgの発酵培養液を分析し、329g(2.84モル)のフマレート、39 .5g(0.29モル)のマレエート、24g(0.20モル)のスクシネート 、20.5g(0.14モル)のα−ケトグルタレート及び76.5g(0.8 3モル)のグリセロールが含まれることを確認した。培養液を濾過し、固形物を 水で洗浄すると、283g(2.44モル)のフマレート、4.2g(0.03 1モル)のマレエート、8.8g(0.074モル)のスクシネート、9g未満 (0.062モル未満)のα−ケトグルタレート及び3g未満(0.032モル 未満)のグリセロールを含む1.42k gのウェットケークが形成された。 この1.42kgのウェットケークを30℃の脱イオン水1.5kgに懸濁さ せ、33%アンモニア溶液344gを加えた。pHが8.7になるまでこの懸濁 液にガス状CO2をバブリングした。周囲温度に冷却後、懸濁液を濾過し、ケー クを1.2kgの水で洗浄した。洗浄水を濾液と混ぜ合わせた。混ぜ合わせた溶 液の組成は、フマレートが257g(2.21モル)(変換率>90%)、マレエ ート2.2g(0.016モル)、スクシネート8.2g(0.069モル)、 α−ケトグルタレート0.4g(0.003モル)、カルシウム0.18g(0 .0045モル)及びアンモニア90g(5モル)であった。 これらの結果は、フマレートの実質的な精製を伴って高変換率を達成できるこ とを示すものである。全発酵生成物におけるフマレートの割合は67%から、培 養液では生成物であるフマル酸アンモニウムの形態で96%に増加した。例2 1.74Mの(NH42Fuを含む水溶液21.8gを1.37gの弱酸カチ オン交換体(WACE)HP336(酸性型にあるもの)と85℃で3時間震盪した。樹脂 を分離し、残った水溶液を分析した。もとの(NH42Fuの20%がNH4H Fuに変換されていた。この交換におけるWACEの有効イオン交換容量は乾燥樹脂 1g当たり約5.5equであった。例3 (a)耐圧溶液内で27atmのCO2加圧下、70gの抽出剤を70gの水性相 に接触させた。有機相の組成は、ケロシン中に1.2MのAlamine 336(Henkel )及び20%のオクタノールを含むものであった。水性相は25.5%(NH4 2Fu溶液であった。 一晩混合後、両方の相を分離し、分析した。有機相は、抽出剤中のアミン1モル 当たり0.24equのフマル酸を含んでいた。 (b)ケロシン中に0.6Mの同じアミン、3.45のオクタノール及び43 %のイソプロパノールを含む抽出剤を使用して(a)の実験を繰り返した。水性 相は20%(NH42Fu溶液であった。接触させて相を分離させた後、有機相 は、抽出剤中のアミン1モル当たり0.41equのフマル酸を含んでいた。 (c)(b)に記載のものと同じ構成の抽出剤と6.6%のNH4HFuを含 む水溶液を使用して(a)の実験を繰り返した。接触させて相を分離させた後、 有機相は、抽出剤中のアミン1モル当たり0.98equのフマル酸を含んでいた 。 (d)(b)に記載のものと同じ構成の抽出剤と11.2%のNH4HFuを 含む水溶液を使用して(a)の実験を繰り返した。接触させて相を分離させた後 、有機相は、抽出剤中のアミン1モル当たり1.45equのフマル酸を含んでい た。例4 125gのオクタノールをビーカーに入れ、170℃に加熱した。2.5Mの (NH42Fuを含む水溶液40gを熱オクタノールに2時間にわたって滴下添 加した。加熱をさらに45分間続け、停止した。形成された結晶を分離し、エタ ノールで洗浄し、乾燥させた。0.5gの乾燥結晶を10gの水に溶解させた。 溶液のpHは、同じ濃度のNH4HFu溶液のpHよりも僅かに低い3.45で あった。例5 ケロシン中にある40%のAlamine 336及び6%のオクタノールと1.4Nの フマル酸を含む抽出剤を、6段階の向流モードで95℃の水で洗浄した。実際に 、全てのフマル酸を溶解させて0.1N の水溶液を形成した。この溶液を25℃に冷却することによって、フマル酸が晶 出した。例6 2.75eq/gのフマル酸を有する50gのReillex樹脂を、14.1%の(N H42Fuを含む水溶液50gと75℃で混合した。3時間後に水性相を分析し た。その(NH42FuはNH4HFuに変換され、樹脂の対応部位がそのフマ ル酸を有する形態から遊離塩基形態に変換されていた。例7 4.2%のNH4HFu及び12.7%の(NH42Fuを含む75℃の水溶 液を徐冷した。形成されたNH4HFu結晶を濾過し、冷水で洗浄し、70℃の オーブン内で乾燥させ秤量した。求められたフマル酸モノアンモニウム結晶の収 率は96%であった。例8 1270gのデキストロース、17.5gの(NH42SO4、4gのMgS O4・7H2O、3gのKH2PO4、0.5gのZnSO4・7H2O、0.1gの FeCl3・6H2O、5gのトウモロコシ抽出液、及び960gのCaCO3を 含む懸濁状態にある無菌溶液10リットルを、リゾプスアリッツァス(Rhizopus arrhizus)の株NRRL 1526を使用して34℃で発酵させた。 54時間の発酵後、800gのフマル酸がカルシウム塩として生成した。 培養液を濾過すると菌糸体及びフマル酸カルシウムのケークが得られ、それを 2リットルの冷水で洗浄した。洗浄したケークは720gのフマル酸をそのカル シウム塩として含んでいた。 ケークを12リットルの沸騰水に1時間攪拌しながら懸濁させ、95℃で濾過 するとフマル酸カルシウム溶液が得られた。 濾液を10℃で2時間冷却することによりフマル酸カルシウムを結晶化させた 。 フマル酸カルシウムを濾過し、1リットルの冷水で洗浄し、乾燥させると、純 度90%よりも高いフマル酸カルシウム850gが得られた。 このフマル酸カルシウム790gを180gのアンモニアを含む4.5リット ルの水溶液に懸濁させ、pHが8.5に達するまでCO2をバブリングした。炭 酸カルシウム沈澱物を濾過し、冷水で洗浄した。540gのフマル酸を含むフマ ル酸ジアンモニウム溶液4.5リットルが得られた。 この溶液を75℃に加熱したものを、先のステップにおいて得た5リットルカ チオン交換カラムでパーコレートさせることにより酸性化した。このカラムを次 に3リットルの水で洗浄し、カラムAと名付けた。カラムAを10barのCO2加 圧下で水で処理した。酸性化ステップでカラムAに結合したアンモニウムイオン の50%以上が、CO2含有水中で得られた。 主としてフマル酸モノアンモニウムとして500gのフマル酸を含む酸性化さ れた溶出液5リットルを減圧下70℃で濃縮し、2リットルの濃縮物を得た。2 時間を要して10℃に冷却した後、フマル酸モノアンモニウムは純度99%で結 晶化した。 結晶を濾過により分離し75℃で水に溶解させた。この溶液を、先のステップ から得られたアンモニウムイオンを有するカチオン交換体を含む2リットルカラ ムにパーコレートさせた。フマル酸ジアンモニウムの形態にあるフマル酸180 gを含む1.5リットルの溶液が形成された。カチオン交換体を実際的に完全に その酸性型に再生した。 フマル酸ジアンモニウム溶液のpHを8に調節した。細菌シュー ドモナスフルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)の株ATCC 21973によって 、58℃でそれは95%よりも高い分子収率でアスパラギン酸モノアンモニウム 溶液に変換された。 アスパラギン酸モノアンモニウムの溶液を75℃に加熱し、カラムBでパーコ レートさせることにより酸性化した。溶出液を10℃に冷却することによって、 そのアスパラギン酸含有物の85%以上が純粋なアスパラギン酸として結晶化し た。 本発明が前述の説明のための例の詳細に限定されないこと及び本発明が本発明 の本質的属性から離れることなしに他の特定の形態で本発明を実施できることは 当業者に明らかであろう。従って、本明細書に記載の態様及び例はすべての点で 例示のためのものであって限定を意図したものではなく、上記記載よりもむしろ 請求の範囲が参照されるべきであり、請求の範囲に記載のものと意味及び範囲の 点で等価になるあらゆる変更が請求の範囲に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ビトナー,アシャー イスラエル国,96750 イェルサレム,ス ターン ストリート 31/13 (72)発明者 カミ,ピエール フランス国,エフ―80190 ラングボワサ ン,ルート ドゥ モイエンクール (72)発明者 ジャンセン,ロバート ベルギー国,ベー―1800 ビルボード,サ ン アナラーン 132ベー (72)発明者 ジャリー,ブルーノ フランス国,エフ―75018 パリ,リュ サン バンサン,11 (72)発明者 ルコント,ディディエール フランス国,エフ―02300 ショニー,リ ュ ドゥ フラブレース,30 (72)発明者 スコット,ジャン フランス国,エフ―80700 ロイエ,リュ ドゥ ジャン ジョーレ,19 (72)発明者 シャタワイ,トーマス ベルギー国,ベー―1410 ワーテルロー, ドレブ ドゥ ムーラン 45アー (72)発明者 バン ランケル,フランク ベルギー国,ベー―9040 サン―アマンド ベルグ,ワテルストラート 160

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)フマル酸ジアンモニウム1モル当たり約2モルのアンモニア源を使 用してフマル酸ジアンモニウムを含む水溶液を形成するステップであって、前記 アンモニア源の一部がこの方法の1つのステップから再循環されるステップ; (b)この方法の1つのステップを通じて得られるフマル酸ジアンモニウムを 含む水溶液の組成を調節して約0.5M〜約2Mのフマル酸アンモニウム濃度及 び約7〜約9のpHを有する溶液を形成するステップ; (c)前記調節された水溶液中のフマル酸ジアンモニウムをアスパラギン酸モ ノアンモニウムに酵素変換するステップ; (d)前記アスパラギン酸モノアンモニウムを含む溶液を、少なくとも50℃ の高温で、少なくとも部分的にその酸性型にあるカチオン交換体に接触させるこ とにより酸性化するステップであって、アンモニウムイオンが前記溶液から前記 カチオン交換体に移行するとともにプロトンが前記カチオン交換体から前記溶液 に移行することにより前記溶液中にアスパラギン酸が形成されるステップ; (e)前記アスパラギン酸を含む水溶液を前記アンモニウムイオンを有するカ チオン交換体から分離するステップ; (f)ステップ(e)で形成された前記水溶液から周知の方法により前記アス パラギン酸を分離するステップ; (g)アンモニア源を形成する方法で、前記アンモニウムイオンを有するカチ オン交換体を少なくとも部分的にその酸性型にあるカチオン交換体に再生するス テップ; (h)前記変換されたカチオン交換体を分離し、ステップ(d)で再使用する ステップ;及び (i)前記アンモニア源を分離し、ステップ(a)で再使用するステップ; を含むアスパラギン酸の製造方法。 2.前記アンモニア源が、アンモニア、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモ ニウムからなる群から選ばれる請求項1記載の方法。 3.ステップ(a)での形成用の原料が炭水化物であり、前記炭水化物を含む 媒体がフマル酸を生産する微生物により発酵されることによってフマレート含有 発酵液が形成される請求項1記載の方法。 4.ステップ(g)での前記アンモニウムイオンを有するカチオン交換体の前 記再生が試薬としてCO2を使用する請求項1記載の方法。 5.(a)フマル酸を生産する微生物により炭水化物を含む媒体を発酵させる ことによってフマレート含有発酵液を形成するステップ; (b)この方法の1つのステップを通じて得られるフマル酸ジアンモニウムを 含む水溶液の組成を調節して約0.5M〜約2Mのフマル酸アンモニウム濃度及 び約7〜約9のpHを有する溶液を形成するステップ; (c)フマル酸ジアンモニウムをアスパラギン酸モノアンモニウムに酵素変換 するステップ; (d)前記アスパラギン酸モノアンモニウムを含む溶液を、少なくとも50℃ の高温で、少なくとも部分的にその酸性型にあるカチオン交換体に接触させるこ とにより酸性化するステップであって、アンモニウムアニオンが前記溶液から前 記カチオン交換体に移行するとともにプロトンが前記カチオン交換体から前記溶 液に移行することにより前記溶液中にアスパラギン酸が形成されるステップ; (e)前記アスパラギン酸を含む水溶液を前記アンモニウムイオンを有するカ チオン交換体から分離するステップ; (f)ステップ(e)で形成された前記水溶液から周知の方法により前記アス パラギン酸を分離するステップ; (g)この方法の1つのステップを通じて得られるフマル酸モノアンモニウム 、フマル酸又はそれらの混合物の水溶液により、前記アンモニウムイオンを有す るカチオン交換体を再生するステップであって、プロトンが前記溶液から前記カ チオン交換体に移行するとともにアンモニウムイオンが前記カチオン交換体から 前記溶液に移行して前記溶液中にフマル酸ジアンモニウムが形成されるステップ ; (h)少なくとも部分的にその酸性型にあるステップ(g)から得られる前記 カチオン交換体を分離してステップ(d)で再使用するステップ;及び (i)ステップ(g)から得られる前記フマル酸ジアンモニウムを分解させて フマル酸モノアンモニウム、フマル酸又はそれらの混合物を形成するとともにア ンモニア源を形成し、これらの分解生成物を再使用するステップ; を含む請求項1記載の方法。 6.前記発酵において中和剤として塩基が使用される請求項5記載の方法。 7.前記塩基がアンモニア並びにアンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土 類金属の水酸化物、炭酸塩及び炭酸水素塩からなる群から選ばれる請求項6記載 の方法。 8.アンモニア源がステップ(b)における前記調節で試薬として使用される 請求項5記載の方法。 9.ステップ(b)から得られる前記フマル酸ジアンモニウムが ステップ(i)で分解され、前記フマル酸モノアンモニウム、フマル酸及び/又 はそれらの混合物がステップ(g)において再使用される請求項5記載の方法。 10.ステップ(b)から得られるフマル酸ジアンモニウムがステップ(c) においてアスパラギン酸モノアンモニウムに酵素変換される請求項5記載の方法 。 11.ステップ(g)において形成される前記フマル酸ジアンモニウムがステ ップ(i)において分解され、前記フマル酸モノアンモニウム、フマル酸又はそ れらの混合物がステップ(g)において再使用される請求項5記載の方法。 12.ステップ(g)において形成される前記フマル酸ジアンモニウムがステ ップ(c)においてアスパラギン酸モノアンモニウムに酵素変換される請求項5 記載の方法。 13.アルカリ土類金属の塩基が前記発酵において中和剤として使用され、前 記アルカリ土類金属のフマル酸塩が形成され、ステップ(b)において前記アル カリ金属土類金属のフマル酸塩が、試薬としてアンモニア源を使用するとともに 中和剤としての再使用のためにアルカリ土類金属の塩基を再生する方法でフマル 酸アンモニウムに変換される請求項5記載の方法。 14.前記アルカリ土類金属がカルシウムであり、アルカリ土類金属の前記フ マル酸塩がフマル酸カルシウムであり、アルカリ土類金属の前記塩基が炭酸カル シウムである請求項13記載の方法。 15.前記フマル酸カルシウムがステップ(b)におけるフマル酸アンモニウ ムへの変換前に精製される請求項14記載の方法。 16.ステップ(i)におけるフマル酸ジアンモニウムの前記分解が、 (I)電気透析による水の分割; (II)CO2圧力下で抽出剤に接触させることによりフマル酸を抽出すること ; (III)少なくとも部分的にその酸性型にあるカチオン交換体との接触による 酸性化によって、アンモニウムイオンを前記溶液から前記カチオン交換体に移行 させてアンモニウムイオンを有するカチオン交換体を形成させるとともにプロト ンを前記カチオン交換体から前記溶液に移行させてフマル酸モノアンモニウムを その溶液中で形成させること;及び (IV)熱分解; からなる群から選ばれる少なくとも1つの方法により行われる請求項5記載の方 法。 17.前記フマル酸モノアンモニウムが周知の方法により分離される請求項5 記載の方法。 18.前記フマル酸モノアンモニウムが結晶化により分離される請求項17記 載の方法。 19.前記フマル酸モノアンモニウムが再使用前に精製される請求項5記載の 方法。 20.前記アンモニウムイオンを有するカチオン交換体が、少なくとも部分的 にその酸性型にあるカチオン交換体に再生され再使用される請求項16(III) 記載の方法。 21.前記再生が試薬としてCO2を使用するものであって、アンモニア、炭 酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及びそれらの混合物から選ばれる生成物 が形成され、分離され、アンモニア源として再使用される請求項20記載の方法 。 22.フマル酸がフマル酸モノアンモニウム溶液から抽出される請求項1記載 の方法。 23.ステップ(e)におけるアスパラギン酸の前記分離が結晶 化により行われ、結晶性アスパラギン酸が母液から分離される請求項1記載の方 法。 24.前記母液中に残るアスパラギン酸が強酸カチオン交換体への吸着により 回収される請求項23記載の方法。 25.前記アスパラギン酸を有するカチオン交換体をアスパラギン酸塩の溶液 に接触させて前記塩のカチオンを吸着させ、アスパラギン酸を前記溶液中に遊離 させる請求項24記載の方法。 26.前記アスパラギン酸塩のカチオンを有する前記強酸カチオン交換体を反 応物である酸の溶液に接触させることにより、プロトンを前記溶液から前記カチ オン交換体に吸着させ、前記カチオンを前記溶液中に遊離させる請求項25記載 の方法。 27.前記反応物である酸がフマル酸であり、前記カチオンの少なくとも80 %がアンモニウムイオンである請求項26記載の方法。
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