JP3151169B2 - カプセル入り化粧料およびその製造法 - Google Patents

カプセル入り化粧料およびその製造法

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JP3151169B2
JP3151169B2 JP18816797A JP18816797A JP3151169B2 JP 3151169 B2 JP3151169 B2 JP 3151169B2 JP 18816797 A JP18816797 A JP 18816797A JP 18816797 A JP18816797 A JP 18816797A JP 3151169 B2 JP3151169 B2 JP 3151169B2
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謙一郎 岡村
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Sansho Kaken KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定組成の外液中
に特定のカプセルが存在する高性能のカプセル入り化粧
料およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、化粧料として、小さな球状のソフ
トなカプセル体からなるタイプのものが市販されるよう
になってきており、注目を浴びている。カプセル体は、
その内部に有効成分を安定に含有させることができるこ
と、ソフトな感触が好まれること、高級感を有すること
などの特長を有するからである。
【0003】化粧料に関するカプセルについては、たと
えば次のような出願がなされている。
【0004】特開平2−117610号公報には、O/
W型エマルションを内包したカプセルを含有する化粧料
であって、カプセル膜がカプセル全量に対して 0.1〜1.
0 重量%のアルギン酸カルシウムから成るエマルション
内包カプセル含有化粧料が示されている。カプセル膜
は、水溶性アルギン酸塩と水溶性カルシウム塩を反応さ
せて水不溶性のアルギン酸カルシウムを精製させること
により形成している。
【0005】特公平5−85522号公報(特開平2−
282311号公報)には、カプセル状化粧料を圧搾ノ
ズル機構を備えた特定の容器に充填収容した化粧品が示
されている。カプセルは、たとえば寒天で形成してい
る。
【0006】特開平3−68508号公報には、鉄、
銀、アルミニウム、マンガン、セレン、カルシウムおよ
び亜鉛からなる群より選んだ多価金属の塩の水溶液中に
アルギナートの水溶液を導入し、ゲル化によって形成さ
れたアルギナートカプセルを製造する方法に関して、詳
しい製造条件を規定した発明が示されている。
【0007】本出願人の出願にかかる特開平5−929
09号公報には、表面部のみが皮膜となった易擦壊性の
キャビア状カプセルを液剤中に存在させた化粧料が示さ
れている。カプセルは、アルギン酸ナトリウムやその他
の水溶性高分子の水溶液からなる滴下液を水溶性カルシ
ウム塩などの受液中に滴下することにより得ている。
【0008】本出願人の出願にかかる特開平5−228
218号公報には、易擦壊性のパール状カプセルと液剤
とを収容したカプセル入り容器と、眼の周りを刺激する
コンパクトなマッサージ器とからなるケア用品が示され
ている。カプセルは、アルギン酸ナトリウムやその他の
水溶性高分子の水溶液からなる滴下液を水溶性カルシウ
ム塩などの受液中に滴下することにより得ている。
【0009】本出願人の出願にかかる特開平5−317
387号公報には、ノズルと大径のループとを巧みに用
いて複合カプセル体を製造する方法が示されている。複
合カプセルは、アルギン酸ナトリウムやその他の水溶性
高分子の水溶液からなる外皮形成用液剤と、内包用液剤
と、水溶性カルシウム塩などからなるゲル化用流体とを
用いて製造している。
【0010】本出願人の出願にかかる特開平8−175
932号公報には、ファンデーション用粉末材料を含む
ファンデーションカプセルAと、保湿剤を含む保湿剤カ
プセルBと、ジェル状粘稠液Cを容器内に収容したファ
ンデーション化粧品が示されている。カプセルは、アル
ギン酸ナトリウムなどの水溶液からなる滴下液を水溶性
カルシウム塩などの受液中に滴下することにより得てい
る。ジェル状粘稠液Cとして、カルボキシビニルポリマ
ー、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース塩などの水溶性高分子の水溶液が用いられるこ
とについても示されている。
【0011】特開平2−14735号公報には、乳濁液
(アルギン酸ナトリウム等の乳濁液)をゲル化性溶液
(塩化カルシウム等)に加えて所定時間保持することに
より得たゲル化乳濁粒子が示されており、この粒子を脱
イオン水で洗浄後、トリエタノールアミンを含むカルボ
キシビニルポリマーやアクリルポリマーに導入すること
ができることについても記載されている。
【0012】化粧料以外の分野についてのものである
が、食品を目的とする摂取可能なマイクロカプセルに関
し、特公昭62−50446号公報(特開昭57−15
0613号公報)には、アルギン酸アルカリ金属塩の水
溶液の連続相と分離した油相とからなるエマルジョンの
液滴を多価陽イオンのアルコール溶液中に浸漬して、該
液滴を保形性アルギン酸塩ビーズに転化させるカプセル
化法が示されている。ここで好ましい多価陽イオンは、
2.0〜 2.5重量%の濃度のカルシウムイオンであるが、
ストロンチウムまたはバリウムイオンを用いることもで
きる旨の言及がある。
【0013】同じく化粧料以外の分野についてのもので
あるが、粉体等の造粒に関し、特開平1−207176
号公報には、ゼオライト、活性炭、アルミナ、グラスフ
ァイバー、セラミックス、ガラス、フェライト、ジルコ
ニア等の粉体をゾル中に分散させたものを芯液として、
これを多価金属イオンを含む凝固液中に滴下して粒状物
を作る造粒方法が示されている。ここで芯液としては、
アルギン酸ナトリウム等の溶液が用いられる。多価金属
イオンとしては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、
塩化バリウム、塩化アルミニウム、塩化鉄などが用いら
れるとしているが、実施例では専ら塩化カルシウムを用
いている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、化粧料
としてのカプセルの多くは、典型的には、アルギン酸ナ
トリウムの水溶液の液滴と水溶性カルシウム塩の水溶液
との接触により、前者の液滴の少なくとも表面側を水不
溶性のアルギン酸カルシウムにしてカプセルを作製する
ものである。そして得られたカプセルは、通常は外液と
共に容器に充填して製品とされる。外液を用いるのは、
カプセルを外液中に浮遊させると美観的に好ましいので
商品価値が上がること、外液なしにはカプセル中の揮発
分が蒸発して球形の形状が損なわれること、外液なしに
はカプセルを容器から吐出することが困難であることな
どの事情があるからである。
【0015】しかしながら、アルギン酸カルシウム系カ
プセルの安定性はpHに依存し、特定の酸性領域では安
定であるものの、中性に近い酸性〜アルカリ性条件下で
はカプセルが溶解して壊れてしまう。そのため共存可能
な物質や処理条件が制限され、たとえば系のpHが高い
洗顔クリームのような使い方ができないこと、中性に近
い酸性〜アルカリ性側で最適の粘度挙動や展延性を示す
外液中に保存することができないことなどの種々の制約
を生ずる。このようにアルギン酸カルシウム系カプセル
化粧料においては、そのpH依存性の故に必ずしも最適
条件の設計を行うことができず、肌に適用したときの展
延性を若干犠牲にせざるをえなかったり(感触や使い勝
手の点でマイナスになる)、カプセルを分散させる外液
の粘度が最適範囲から若干ずれざるをえないことがあっ
た(商品の美観上マイナスとなる上、吐出機構を備えた
容器から吐出する使い方をするときにカプセルと外液と
を均一な割合で吐出することが難しくなる)。
【0016】本発明は、このような背景下において、広
いpH領域(たとえばpH4〜11)においてもカプセ
ルが安定で壊れないので、共存可能な物質や処理条件の
選択肢が広く、性能や使い勝手を含め化粧料として最適
の設計ができるカプセル入り化粧料およびその製造法を
提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のカプセル入り化
粧料は、アルギン酸塩により球状体に賦形されかつその
球状体の表面側または表面側と内部側とに存在するアル
ギン酸塩の少なくとも一部がバリウム塩を含む多価金属
塩の形で存在しているアルギン酸バリウム系カプセル
(A) が、pH調整されたカルボキシビニルポリマーの水
溶液からなる外液(B) 中に存在しているものである。
【0018】本発明のカプセル入り化粧料の製造法は、
カルボキシビニルポリマーの水溶液と、請求項1のアル
ギン酸バリウム系カプセル(A) およびpH調整剤を同時
にまたは任意の順序で混合し、pH調整されたカルボキ
シビニルポリマーの水溶液からなる外液(B) 中にアルギ
ン酸バリウム系カプセル(A) を存在させることを特徴と
するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明のカプセル入り化粧料は、アルギン
酸バリウム系カプセル(A) と外液(B) とからなる。
【0021】アルギン酸バリウム系カプセル(A) は、ア
ルギン酸塩により球状体に賦形されかつその球状体の表
面側または表面側と内部側とに存在するアルギン酸塩の
少なくとも一部がバリウム塩を必須成分とする多価金属
塩の形で存在しているものである。
【0022】このようなアルギン酸バリウム系カプセル
(A) は、次に述べる2つの方法により製造することがで
きる。
【0023】第1の方法は、アルギン酸の水溶性塩(ナ
トリウム塩やカリウム塩)の水性液からなる液滴を、少
なくとも一部が水溶性バリウム塩である水溶性多価金属
塩の水溶液と接触させる方法である。この方法にあって
は、まずアルギン酸水溶性塩の水性液の液滴の表面側か
ら水不溶性皮膜が作られ、条件に応じて水不溶性皮膜の
厚みを調節することができ、さらには液滴内部まで水不
溶性とすることができる。
【0024】第2の方法は、少なくとも一部が水溶性バ
リウム塩である水溶性多価金属塩の水性液の液滴を、ア
ルギン酸の水溶性塩(ナトリウム塩やカリウム塩)の水
溶液と接触させる方法である。この方法にあっては、ま
ず多価金属塩の水性液の液滴の表面にアルギン酸系高分
子の皮膜が作られ、条件に応じその皮膜の厚みを増大さ
せることができる。
【0025】上記第1および第2の方法における水溶性
多価金属塩としては、必須成分として、塩化バリウム、
酢酸バリウム、乳酸バリウム、グルコン酸バリウム等の
水溶性バリウム塩が用いられる。水溶性バリウム塩と共
に、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム
等の水溶性カルシウム塩や、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛等の水
溶性亜鉛塩も併用することができるが、水溶性カルシウ
ム塩や水溶性亜鉛塩の併用は一般にマイナスに作用する
ので、水溶性多価金属塩に占める水溶性バリウム塩の割
合は、金属元素の重量基準で、たとえば30重量%以
上、通常は50重量%以上、さらには60重量%以上、
70重量%以上、80重量%以上というように高い方が
望ましい。
【0026】第1の方法におけるアルギン酸の水溶性塩
の水性液からなる液滴、第2の方法における水溶性多価
金属塩の水性液の液滴には、有効成分を含有させること
が好ましい。なお有効成分は、後述の外液(B) にも存在
させることができる。
【0027】有効成分としては、保湿剤、ビタミン類、
ホルモン類、配糖体、抗ヒスタミン剤、収れん剤、アミ
ノ酸類、酵素剤、天然動植物からの分離物、オイル類、
汚れ吸着剤、顔料、香料、蛋白質、炭水化物、繊維質を
はじめとする種々様々な成分があげられる。有効成分
は、液状であっても粉体状であってもよく、液状の場合
はW/O型やO/W型のエマルジョン状であってもよ
い。
【0028】有効成分の変質を防ぐため、適当な紫外線
カット剤を含有させることもできる。また、増粘剤、香
料、着色剤、フィラー(酸化チタン、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム等)をはじめとする種々の添加剤を必要に
応じて含有させることもできる。
【0029】第1の方法または第2の方法で得られたア
ルギン酸バリウム系カプセル(A) は、必要に応じ洗浄を
行ってから、pH調整されたカルボキシビニルポリマー
の水溶液からなる外液(B) 中に存在させる。
【0030】カルボキシビニルポリマーは、天然水溶性
高分子の持つ良好な感触に着目して設計された粘質物で
あり、品質が均一であること、温度変化に対しての粘度
変化が小さいこと、増粘効果がすぐれかつ流動性が維持
されること、微生物に対する安定性がすぐれているこ
と、エタノールやグリセリンに対し良好な親和性を有す
ること、広いpH範囲で安定であることなどの性質を有
している。
【0031】アルギン酸バリウム系カプセル(A) を外液
(B) 中に存在させるに際しては、カルボキシビニルポリ
マーの水溶液と、上記のアルギン酸バリウム系カプセル
(A)およびpH調整剤を同時にまたは任意の順序で混合
すればよい。なおこの操作は、アルギン酸バリウム系カ
プセル(A) を別工場やユーザーに輸送してから、その輸
送先で行うこともできる。アルギン酸バリウム系カプセ
ル(A) は通常のアルギン酸カルシウム系カプセルに比し
安定であり、容量も小さく、湿潤させるときもその湿潤
液の量が少なくてすむので、輸送や保管の点で有利であ
るからである。
【0032】カルボキシビニルポリマーの水溶液をpH
調整するときのpH調整剤としては、水酸化カリウムが
特に好適であるが、そのほか、水酸化ナトリウム、炭酸
ナトリウム、重炭酸ナトリウム、トリエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、L−
アルギニン、DL−アラニン、クエン酸ナトリウム、ク
エン酸水素ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナ
トリウム、マロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、シュ
ウ酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなども用い
ることができる。
【0033】pH調整されたカルボキシビニルポリマー
の水溶液からなる外液(B) のpHは、4〜11程度が適
当である。なお、原料として用いるカルボキシビニルポ
リマー自体の水溶液のpHは、通常は3前後である。予
めカルボキシビニルポリマーにpH調整剤を反応させて
pHを高めたグレードのものを用いるときは、新たにp
H調整剤を使用することなく、そのすでにpH調整され
たカルボキシビニルポリマーを水に溶解するだけでpH
調整された水溶液とすることができる。
【0034】外液(B) 中のカルボキシビニルポリマーの
濃度は、たとえば0.05〜3重量%程度、殊に 0.1〜2重
量%程度が適当である。その濃度が余りに低いときは外
液としての役割を充分には果たすことができず、一方そ
の濃度が余りに高いときは粘度が過多になってやはり所
期の目的を果たすことができない。
【0035】適度のpHに調整されたカルボキシビニル
ポリマーにあっては、カルボキシビニルポリマーによる
水溶液粘度がジェル状の最適範囲にもたらされ、またア
ルギン酸バリウム系カプセル(A) を形作っているアルギ
ン酸バリウム塩のうちの一部がアルギン酸の水溶性塩に
戻されてバランスがとられ、カプセル内部に水が浸透す
る。そのため、ハードなアルギン酸バリウム系カプセル
(A) はソフトなカプセルとなる。またこの水溶液を外液
(B) として用いてソフトカプセルを浸漬しておけば、ソ
フトカプセルが外液(B) 中に均一に分散した状態で沈降
または浮遊を起こすことなく安定に存在させることがで
きる。
【0036】もし従来のアルギン酸カルシウム系カプセ
ルをカルボキシビニルポリマーの水溶液中に分散させよ
うとするときは、カプセルの崩壊を防止するためには、
カルボキシビニルポリマー水溶液の濃度を小さくすると
共に(たとえば上限は 0.1重量%とか 0.2重量%ま
で)、pH調整剤の使用量を最小限にしてpHが許容限
度を越えて高くなるのを避けなければならないため、き
れいなジェル状になる前の段階の低粘度のカルボキシビ
ニルポリマー水溶液を用いざるをえず、化粧料としての
性能の点で限界がある。
【0037】アルギン酸バリウム系カプセル(A) の大き
さは、その製造段階では粒径 0.1〜20mm程度(殊に
0.1〜10mm程度)とすることが望ましい。これを外液
(B) 中に存在させると、直径が元の大きさの2〜5倍程
度(殊に 2.5〜4倍程度)となり、重量は8〜50倍程
度(殊に10〜40倍程度)となる。なお従来のアルギ
ン酸カルシウム系カプセルは、化粧料に適するようなソ
フト化が可能であるものを作ろうとするときには、粒径
が大きくなると形状維持が困難となるため、製造段階の
粒径は実際には数mm程度までが限界であったが、アルギ
ン酸バリウム系カプセル(A) の場合には粒径がかなり大
きいものでも安定して製造することができる。
【0038】アルギン酸バリウム系カプセル(A) と外液
(B) とからなる本発明のカプセル入り化粧料は、これを
適当な吐出機構を備えた容器に収容すれば、容器からカ
プセル(A) を外液と共に1粒ずつあるいは数粒ずつ吐出
させることができる。容器からの吐出時に、吐出部でカ
プセル(A) を圧潰するようにすることもできる。
【0039】本発明の化粧料には、一般化粧料のほか、
浴用、健康用、スポーツ用などの化粧料も含まれる。
【0040】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下、「部」、「%」とあるのは重量基準で表わし
たものである。
【0041】実施例1 アルギン酸ナトリウムの2%水溶液20部中に、コラー
ゲン(保湿剤) 0.1部、ヒアルロン酸ナトリウム(保湿
剤)0.01部、加水分解エラスチン(保湿剤) 0.1部、多
孔質シリカ(汚れ吸着剤)3部を混合し、撹拌しながら
さらに水を加えて全体が100部になるようにした。
【0042】この水溶液を、塩化バリウムの1%水溶液
からなる多量の受液に向けて、ノズルから噴出させた。
これを撹拌することによりカプセルが形成されたので、
そのカプセルを掬い上げた後、水中に投入して洗浄し
た。これにより、粒径が 0.1〜0.5mmの白色のハードな
アルギン酸バリウム系パール状カプセル(A) が得られ
た。
【0043】なおこのハードカプセルは、これを潰れな
い程度の圧力で指で眼の周りに擦りつけると好ましいス
クラブ作用が得られる。最後に強い力で押すと潰れるの
で、拭き取りも容易である。
【0044】別途、カルボキシビニルポリマーの1%水
溶液(pH=3)を調製した後、その水溶液30部に5
%濃度の水酸化カリウム水溶液2部を加え、さらに水を
加えて全体が100部になるようにして撹拌した。これ
により、pH 6.0のソフト化液兼用の外液(B) が得られ
た。
【0045】この外液(B) 80部中に、上記で得たハー
ドカプセル5部を投入し、さらに水を加えて全体が10
0部になるようにしてから、ゆっくりと撹拌した後、一
晩放置したところ、ジェル状の外液(B) 中にソフト化し
たアルギン酸バリウム系カプセル(A) が均一に分散した
カプセル入り化粧料が得られたので、吐出機構付きの透
明容器に充填した。カプセル(A) は、透明な外液(B) 中
に長期にわたり均一な分散状態を保っており、全体は極
めて美麗で、高級感を有していた。
【0046】この化粧料を容器から採り出して肌に軽く
押しつけたところ、ソフトカプセルは容易に擦壊して皮
膚上に滑らかに展延し、カプセル皮膜は残らなかった。
皮膚刺激性も全く感じられなかった。
【0047】なおこの化粧料からアルギン酸バリウム系
カプセル(A) を掬い上げて水で軽く洗浄してから粒径と
重量を調べたところ、粒径は 0.5〜 1.5mm(ハードカプ
セルの3〜5倍)、重量はハードカプセルの約20倍で
あった。
【0048】比較例1 塩化バリウムの1%水溶液に代えて、塩化カルシウムの
1%水溶液を受液として用いたほかは実施例1を繰り返
し、アルギン酸カシウム系のハードなカプセルを得た。
【0049】別途、カルボキシビニルポリマーの1%水
溶液(pH=3)を調製した後、その水溶液30部に5
%濃度の水酸化カリウム水溶液2部を加え、さらに水を
加えて全体が100部になるようにして撹拌した。これ
により、pH 6.0のソフト化液兼用の外液(B) が得られ
た。
【0050】この外液(B) 80部中に上記で得たハード
カプセル5部を投入し、さらに水を加えて全体が100
部になるようにしてから、ゆっくりと撹拌したところ、
パール状のハードカプセルがソフト化するにつれてカプ
セルの変形や崩壊が見られ、美麗なソフトカプセルは得
られなかった。
【0051】実施例2 アルギン酸ナトリウムの2%水溶液20部中に、スクア
ラン1部、ホホバ油1部、流動パラフィン1部を混合
し、撹拌しながらさらに水を加えて全体が100部にな
るようにした(乳化剤は不使用)。この水溶液を、塩化
バリウムの1%水溶液からなる多量の受液に向けて、ノ
ズルから噴出させた。これを撹拌することによりカプセ
ルが形成されたので、そのカプセルを掬い上げた後、水
中に投入して洗浄した。これにより、粒径が 0.1〜 0.5
mmの白色のハードなアルギン酸バリウム系パール状カプ
セル(A) が得られた。
【0052】この水溶液を、塩化バリウムの1%水溶液
からなる多量の受液に向けて、ノズルから噴出させた。
これを撹拌することによりカプセルが形成されたので、
そのカプセルを掬い上げた後、水中に投入して洗浄し
た。これにより、粒径が 0.3〜1.5mmの白色のハードな
アルギン酸バリウム系パール状カプセル(A) が得られ
た。
【0053】別途、カルボキシビニルポリマーの1%水
溶液(pH=3)を調製した後、その水溶液30部に水
酸化カリウム水溶液を加えてpH調整することにより、
pH6.5のソフト化液兼用の外液(B) を得た。
【0054】この外液(B) 80部中に、上記で得たハー
ドカプセル5部を投入し、さらに水を加えて全体が10
0部になるようにしてから、ゆっくりと撹拌した後、一
晩放置したところ、ジェル状の外液(B) 中にソフト化し
たアルギン酸バリウム系カプセル(A) が均一に分散した
カプセル入り化粧料が得られたので、吐出機構付きの透
明容器に充填した。カプセル(A) は、透明な外液(B) 中
に長期にわたり均一な分散状態を保っており、全体は極
めて美麗で、高級感を有していた。
【0055】
【発明の効果】本発明のカプセル入り化粧料にあって
は、アルギン酸バリウム系カプセル(A)を用いているた
め、アルギン酸カルシウム系のような通常のカプセルに
比し格段に安定であり、広いpH領域(たとえばpH4
〜11)においてもカプセル(A)が安定で壊れない。そ
のため、共存可能な物質や処理条件の選択肢が広く、性
能や使い勝手を含め化粧料として最適の設計ができる。
【0056】またカプセル化に用いる水溶性バリウム塩
は、安全であり、皮膚刺激性が極めて小さく、しかもカ
プセルの形成性が極めて良好である。
【0057】このアルギン酸バリウム系カプセル(A)
を、pH調整されたカルボキシビニルポリマーの水溶液
からなる外液(B) 中に存在させたときには、アルギン酸
バリウム系カプセル(A) は容易にソフト化するが、その
場合でもソフト後のカプセルは安定である。
【0058】すなわち、ソフト化されたアルギン酸バリ
ウム系カプセル(A) は、上記外液(B) 中のカルボキシビ
ニルポリマーの三次元網目に言わば引っ掛かった状態で
存在し、そのため該カプセル(A) は外液(B) 中に均一に
分散した状態で沈降または浮遊を起こすことなく長期間
安定に存在することが可能となり、美観的に好ましいこ
とはもとより、吐出機構を備えた容器から吐出する使い
方をするときにカプセル(A) と外液(B) とを常に均一な
割合で吐出することができる。
【0059】そしてソフト化されたアルギン酸バリウム
系カプセル(A) は、安定であるにもかかわらず、肌に適
用したときには皮膜を残すことなく皮膚上に滑らかに展
延することができ、さらには外液(B) によっても好まし
い触感が得られるので、ソフトカプセルの良さが最大限
に生かされ、その結果、皮膚に潤いを与えかつ有効成分
の効果を発揮させることができる。
【0060】このような作用効果は、アルギン酸バリウ
ム系カプセル(A) とpH調整されたカルボキシビニルポ
リマーの水溶液からなる外液(B) との相乗作用または協
力作用に基くものである。化粧料は、性能、イメージ、
感性、使い勝手などの全てが要求される非常に繊細な商
品であるが、本発明のカプセル入り化粧料はこのような
要求に完璧に応えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 A61K 9/48 - 9/66 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルギン酸塩により球状体に賦形されかつ
    その球状体の表面側または表面側と内部側とに存在する
    アルギン酸塩の少なくとも一部がバリウム塩を必須成分
    とする多価金属塩の形で存在しているアルギン酸バリウ
    ム系カプセル(A) が、pH調整されたカルボキシビニル
    ポリマーの水溶液からなる外液(B) 中に存在しているカ
    プセル入り化粧料。
  2. 【請求項2】外液(B) のpHが4〜11である請求項1
    記載のカプセル入り化粧料。
  3. 【請求項3】カルボキシビニルポリマーの水溶液と、請
    求項1のアルギン酸バリウム系カプセル(A) およびpH
    調整剤を同時にまたは任意の順序で混合し、pH調整さ
    れたカルボキシビニルポリマーの水溶液からなる外液
    (B) 中にアルギン酸バリウム系カプセル(A) を存在させ
    ることを特徴とするカプセル入り化粧料の製造法。
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